JP2020050985A - 電磁波シールド材用不織布基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、優れた電磁波シールド性を発現できる電磁波シールド材用不織布基材を提供することにある。【解決手段】電磁波シールド材用不織布基材において、不織布基材がポリエステル系短繊維を主体としてなり、不織布基材の厚みが6μm以上40μm以下であり、不織布基材における引張強度の縦横比が2.0以上9.5以下であることを特徴とする電磁波シールド材用不織布基材。【選択図】なし
Description
本発明は、優れた電磁波シールド性を発現できる電磁波シールド材用不織布基材に関する。
電子機器は電磁波を発生している。そして、電磁波を電子機器の外部に漏らさないようにするため、また、電磁波により電子機器が誤作動を起こさないようにするために、電磁波シールド材が使用されている。電磁波シールド材には、板金、金属を含む塗料、金属メッシュ、発泡金属等が挙げられる。近年の電子機器の小型化に伴い、薄い電磁波シールド材が求められており、非導電性繊維で構成された織物、編物又は不織布に導電性金属層を湿式メッキ法により付着させてなる静電、電磁しやへい材及びポリエステル系短繊維から形成される不織布に金属皮膜処理を施してなる電磁波シールド材が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記のような不織布に金属皮膜処理を施した電磁波シールド材では、薄い電磁波シールド材が求められるにつれ、電磁波シールド性が十分に確保できない問題があった。
本発明の課題は、優れた電磁波シールド性を発現できる電磁波シールド材用不織布基材を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、電磁波シールド材用不織布基材において、不織布基材がポリエステル系短繊維を主体としてなり、不織布基材の厚みが6μm以上40μm以下であり、不織布基材における引張強度の縦横比が2.0以上9.5以下であることを特徴とする電磁波シールド材用不織布基材が見出された。
本発明によって、優れた電磁波シールド性を発現できる電磁波シールド材用不織布基材が提供される。
すなわち、ポリエステル系短繊維を主体としてなる不織布基材の引張強度の縦横比が2.0以上9.5以下であることで、繊維が縦方向に配向し、不織布基材表面の均一性が高くなり、均一な金属皮膜処理が可能となることから、厚みが薄くても優れた電磁波シールド性を発現させることができる。
以下、本発明の電磁波シールド材用不織布基材について詳説する。本発明において、電磁波シールド材用不織布基材は、ポリエステル系短繊維を主体としてなり、厚みが6μm以上40μm以下であり、引張強度の縦横比が2.0以上9.5以下である。
不織布基材におけるポリエステル系短繊維の含有量は、全繊維に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。ポリエステル系短繊維の含有量が70質量%よりも少ない場合、強度が弱くなる場合がある。含有量の上限値は100質量%である。
本発明におけるポリエステル系短繊維の平均繊維径は0.1〜20μmが好ましく、0.1〜15μmがより好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。平均繊維径が0.1μm未満では、繊維が細すぎて、不織布基材から脱落する場合があり、平均繊維径が20μmより太いと、不織布基材の厚みを薄くすることが困難になる場合がある。
本発明における平均繊維径とは、不織布断面の走査型電子顕微鏡写真より、不織布を形成する繊維について、繊維の長さ方向に対して垂直な断面又は垂直に近い断面の繊維を30本選択し、その繊維径を測定した平均値である。合成樹脂繊維は熱や圧力によって溶融する場合や変形する場合がある。その場合は、断面積を測定して、真円換算の繊維径を算出する。
本発明におけるポリエステル系短繊維の繊維長は1〜15mmが好ましく、1〜10mmがより好ましく、2〜8mmがさらに好ましい。繊維長が1mmより短いと、不織布基材から脱落することがあり、15mmより長いと、繊維がもつれてダマになることがあり、厚みむらが生じる場合がある。
本発明において、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。ポリエステル系短繊維は、電磁波シールドの厚みを薄くするために繊維径を小さくできること、抄紙のしやすさ、鍍金加工における湿式でのアルカリ処理時の寸法安定性から好ましい。ポリエステル系短繊維は、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
本発明の不織布基材は、ポリエステル系短繊維以外の繊維を含有しても良い。例えば、溶剤紡糸セルロースや再生セルロースの短繊維、天然セルロース繊維、天然セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物、ポリオレフィン、アクリル、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメジン、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂からなる単繊維や複合繊維、これらをフィブリル化したものを適量単独で含有しても良いし、2種類以上の組み合わせで含有しても良い。また、各種の分割型複合繊維を分割させたものを含有しても良い。
半芳香族ポリアミドとは、主鎖の一部に例えば脂肪鎖などを有する芳香族ポリアミドを指す。全芳香族ポリアミドはパラ型、メタ型いずれでも良い。
不織布の製造方法としては、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を結合させて不織布を得る製造方法を用いることができる。得られた不織布は、そのまま基材として使用しても良いし、複数枚の不織布からなる積層体を基材として使用することもできる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法、スパンボンド法、メルトブロー法等の乾式法;湿式抄紙法等の湿式法;静電紡糸法等が挙げられる。このうち、湿式法によって得られるウェブは、均質かつ緻密であり、セパレータ用基材として好適に用いることができる。湿式法は、繊維を水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを円網式、長網式、傾斜式等の抄紙方式の少なくとも1つを有する抄紙機を用いて、繊維ウェブを得る方法である。
繊維ウェブから不織布を製造する方法では、接着、融着及び絡合からなる群から選ばれる繊維結合方法によって、繊維を結合させる。繊維結合方法としては、水流交絡(スパンレース)法、ニードルパンチ法、バインダー接着法等を使用することができる。バインダー接着法には、繊維ウェブに付与したバインダーで繊維を結合させるケミカルボンド法、繊維ウェブに含まれるバインダー用合成樹脂繊維で繊維を結合させるサーマルボンド法等を使用することができる。特に、均一性を重視して前記湿式法を用いる場合、サーマルボンド法を施して、バインダー用合成樹脂繊維を接着することが好ましい。サーマルボンド法により、均一な繊維ウェブから均一な不織布が形成される。
不織布に対して、カレンダー等によって圧力を加えて、厚さを調整することや、厚さを均一化することが好ましい。ただし、バインダー用合成樹脂繊維が皮膜化しない温度(バインダー用合成樹脂繊維の融点又は軟化点よりも20℃以上低い温度)で加圧することが好ましい。
本発明において、不織布基材の厚みは6μm以上40μm以下である。不織布基材の厚みは、7〜35μmがより好ましく、8〜33μmがさらに好ましく、8〜30μmが特に好ましい。厚みが40μmを超えると、電子機器で使用するには厚みが厚くなり過ぎ、厚み6μm未満であると、不織布基材における横方向の引張強度が弱くなり過ぎる。なお、厚みはJIS B7502:2016に規定された外側マイクロメーターを使用して、5N荷重することにより測定された値を意味する。
本発明において、不織布基材の坪量は、4.5〜24g/m2が好ましく、5.0〜20g/m2がより好ましく、6.0〜15g/m2がさらに好ましい。24g/m2を超えると、不織布基材の厚みが厚くなり過ぎる場合があり、4.5g/m2未満であると、不織布基材の引張強度が弱くなり過ぎる場合や、均一性を得ることが難しくなり、電磁波シールド性の効果にバラつきが発生しやすくなる場合がある。なお、坪量はJIS P8124:2011(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づき測定される。
本発明において、不織布基材における引張強度の縦横比は2.0以上9.5以下である。引張強度の縦横比は、2.5以上9.0以下がより好ましく、3.0以上8.5以下がさらに好ましく、3.5以上8.0以下が特に好ましい。縦横比が9.5を超えると、横方向の引張強度が弱くなり過ぎ、不織布に金属皮膜処理を施す際の加工性が落ちる。縦横比が2.0未満であると、電磁波シールド性が悪くなる。
引張強度の縦横比とは、JIS P8113:2006に規定された方法に基づき、不織布基材の縦方向及び横方向の引張強度を測定し、次式(I)から算出する。
縦横比=縦方向の引張強度/横方向の引張強度 (I)
本発明において、不織布基材における引張強度の縦横比の制御は、抄紙工程におけるワイヤー速度と繊維スラリーのジェット流速度の比(J/W比)調整や、ワイヤー上での脱水パターンの調整、抄紙機ワイヤーパートにシェーキング装置を設ける方法などで行うことができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例において、%及び部は、断りのない限り、全て質量基準である。
[実施例1]
繊度0.06dtex(繊維径2.4μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維60質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を1.18とし、湿式抄紙法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付10g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み15μm、引張強度の縦横比2.5の不織布基材を作製した。
繊度0.06dtex(繊維径2.4μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維60質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を1.18とし、湿式抄紙法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付10g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み15μm、引張強度の縦横比2.5の不織布基材を作製した。
[実施例2]
J/W比を1.10とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比3.5の不織布基材を作製した。
J/W比を1.10とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比3.5の不織布基材を作製した。
[実施例3]
J/W比を0.90とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比5.0の不織布基材を作製した。
J/W比を0.90とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比5.0の不織布基材を作製した。
[実施例4]
J/W比を0.60とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比8.0の不織布基材を作製した。
J/W比を0.60とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比8.0の不織布基材を作製した。
[実施例5]
J/W比を0.44とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比9.5の不織布基材を作製した。
J/W比を0.44とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比9.5の不織布基材を作製した。
[実施例6]
J/W比を1.22とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比2.0の不織布基材を作製した。
J/W比を1.22とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、引張強度の縦横比2.0の不織布基材を作製した。
[実施例7]
繊度0.06dtex(繊維径2.4μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維50質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維50質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を0.65とし、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付4.5g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み6μm、引張強度の縦横比7.0の不織布基材を作製した。
繊度0.06dtex(繊維径2.4μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維50質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維50質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を0.65とし、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付4.5g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み6μm、引張強度の縦横比7.0の不織布基材を作製した。
[実施例8]
繊度0.6dtex(繊維径7.4μm)、繊維長5mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維60質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を0.60とし、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付24g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度205℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み40μm、引張強度の縦横比7.7の不織布基材を作製した。
繊度0.6dtex(繊維径7.4μm)、繊維長5mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維60質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を0.60とし、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付24g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度205℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み40μm、引張強度の縦横比7.7の不織布基材を作製した。
[実施例9]
目付6.5g/m2とした以外は実施例7と同じようにして、厚み9μm、引張強度の縦横比6.9の不織布基材を作製した。
目付6.5g/m2とした以外は実施例7と同じようにして、厚み9μm、引張強度の縦横比6.9の不織布基材を作製した。
[実施例10]
繊度0.06dtex(繊維径2.4μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30質量部、繊度0.1dtex(繊維径3.0μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を0.81とし、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付17.5g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度205℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み30μm、引張強度の縦横比6.0の不織布基材を作製した。
繊度0.06dtex(繊維径2.4μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30質量部、繊度0.1dtex(繊維径3.0μm)、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維30質量部と、繊度0.2dtex(繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用未延伸PET系短繊維40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機を用いて、傾斜ワイヤー速度とスラリーのジェット流速度の比(J/W比)を0.81とし、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用未延伸PET系短繊維を熱融着させて不織布強度を発現させ、目付17.5g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダー装置を使用して、熱ロール温度205℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み30μm、引張強度の縦横比6.0の不織布基材を作製した。
[比較例1]
J/W比を1.25とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、縦横比1.9の不織布基材を作製した。
J/W比を1.25とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、縦横比1.9の不織布基材を作製した。
[比較例2]
J/W比を0.42とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、縦横比9.6の不織布基材を作製した。
J/W比を0.42とした以外は実施例1と同じようにして、厚み15μm、縦横比9.6の不織布基材を作製した。
[比較例3]
目付4.0g/m2とした以外は実施例7と同じようにして、厚み5μm、引張強度の縦横比6.8の不織布基材を作製した。
目付4.0g/m2とした以外は実施例7と同じようにして、厚み5μm、引張強度の縦横比6.8の不織布基材を作製した。
[比較例4]
目付25g/m2とした以外は実施例8と同じようにして、厚み42μm、引張強度の縦横比7.6の不織布基材を作製した。
目付25g/m2とした以外は実施例8と同じようにして、厚み42μm、引張強度の縦横比7.6の不織布基材を作製した。
実施例及び比較例で作製した不織布基材に対して無電解鍍金法により、銅及びニッケルの鍍金を施し、電磁波シールド材を作製した。
<評価>
[横方向の引張強度]
JIS P8113:2006に規定された方法に基づき、不織布基材の横方向の引張強度を測定し、次の3段階に分類した。
[横方向の引張強度]
JIS P8113:2006に規定された方法に基づき、不織布基材の横方向の引張強度を測定し、次の3段階に分類した。
「○」横方向の引張強度100N/m以上
「△」横方向の引張強度80N/m以上100N/m未満
「×」横方向の引張強度80N/m未満
「△」横方向の引張強度80N/m以上100N/m未満
「×」横方向の引張強度80N/m未満
[電磁波シールド性]
電磁波シールド材をKEC法によって評価し、次の4段階に分類した。
電磁波シールド材をKEC法によって評価し、次の4段階に分類した。
「◎」特に優れた電磁波シールド性がある。
「○」優れた電磁波シールド性がある。
「△」やや優れた電磁波シールド性がある。
「×」電磁波シールド性が劣る。
「○」優れた電磁波シールド性がある。
「△」やや優れた電磁波シールド性がある。
「×」電磁波シールド性が劣る。
実施例1〜10の不織布基材は、ポリエステル系短繊維を主体としてなり、厚みが6μm以上40μm以下であり、引張強度の縦横比が2.0以上9.5以下であることから、横方向の引張強度及び電磁波シールド性が優れていた。
一方、比較例1の不織布基材は、引張強度の縦横比が2.0未満であることから、電磁波シールド性が劣っていた。
比較例2の不織布基材は、引張強度の縦横比が9.5より大きいことから、横方向の引張強度が劣っていた。
比較例3の不織布基材は、厚みが6μmより薄く、横方向の引張強度及び電磁波シールド性が劣っていた。
比較例4の不織布基材は、厚みが40μmより厚く、電子機器で使用するには厚みが厚過ぎた。
実施例1〜6の比較から、実施例5の不織布基材は、引張強度の縦横比が9.5とやや大きいことから、横方向の引張強度がやや弱かった。また、実施例6の不織布基材は、引張強度の縦横比が2.0とやや小さいことから、電磁波シールド性がやや低かった。
実施例7の不織布基材は、厚みが6μmとやや薄いことから、横方向の引張強度がやや弱く、電磁波シールド性がやや低かった。
本発明の不織布基材の活用例としては、電磁波シールド材が好適である。
Claims (1)
- 電磁波シールド材用不織布基材において、不織布基材がポリエステル系短繊維を主体としてなり、不織布基材の厚みが6μm以上40μm以下であり、不織布基材における引張強度の縦横比が2.0以上9.5以下であることを特徴とする電磁波シールド材用不織布基材。
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