JP2022083165A - 電磁波シールド材用不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄く、軽量でありながらも、金属皮膜処理適性、強度に優れ、優れた電磁波シールド材を得ることができる電磁波シールド材用不織布を提供する。【解決手段】少なくとも、延伸ポリエステル系短繊維と、未延伸ポリエステル系短繊維を含み、繊維全量に対して、繊度0.15dtex以上3.3dtex以下である延伸ポリエステル系短繊維を25質量%以上65質量%以下含み、繊維全量に対して、融点が220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維を35質量%以上65質量%以下含む電磁波シールド材用不織布。【選択図】なし

Description

本発明は、電磁波シールド材の基材として用いる電磁波シールド材用不織布に関する。
近年、電子部品材料の小型化、高密度化に伴い、薄く軽量でありながらも、優れた電磁波シールド性を示す電磁波シールド材が求められている。このような電磁波シールド材として、例えば、特許文献1には、金属皮膜処理を施した不織布からなる電磁波シールド材が提案されている。このような電磁波シールド材を薄く、軽量とするには、基材である不織布を薄く、軽量とすることが求められるが、このような不織布は強度に劣るため、繊維を緻密にすることで強度を向上させている。
金属皮膜処理を施した不織布からなる電磁波シールド材において、薄型化、軽量化のために、基材である不織布を薄く、軽量とすることが求められるが、このような不織布は強度に劣るため、繊維を緻密にすることで強度を維持している。
一方、緻密な不織布は、金属皮膜処理の処理適性が低いという問題がある。例えば、金属皮膜処理としてメッキ処理を行う場合、緻密な不織布はメッキ液が内部へ含浸しにくく、不織布の内部への金属皮膜が形成できない場合があり、蒸着処理を行う場合、繊維の影となる部分が多いため、均一な金属皮膜が形成できない場合がある。
薄く、軽量でありながらも金属皮膜処理適性を担保するには、ある程度太い繊維を配合して、繊維間に隙間を設ける(通気性を高くする)必要があるが、太い繊維を配合した不織布は、繊維の本数が少ないため、強度が低下し、メッキ加工や粘着剤加工を実施する際に不織布が切れる等の不具合が生じやすくなってしまう。
このように、電磁波シールド材用不織布に求められる各要件を、同時に満足することは困難であった。
特開2014-75485号公報
本発明は、薄く、軽量でありながらも、金属皮膜処理適性、強度に優れ、優れた電磁波シールド材を得ることができる電磁波シールド材用不織布を提供することを課題とする。
本発明の課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
1.少なくとも、延伸ポリエステル系短繊維と、未延伸ポリエステル系短繊維を含み、
繊維全量に対して、繊度0.15dtex(繊維径4.3μm)以上3.3dtex(繊維径20.0μm)以下である延伸ポリエステル系短繊維を25質量%以上65質量%以下含み、
繊維全量に対して、融点が220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維を35質量%以上65質量%以下含むことを特徴とする電磁波シールド材用不織布。
2.前記融点が220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維が、繊度0.8dtex(繊維径9.8μm)以上1.7dtex(繊維径14.3μm)以下であることを特徴とする1.に記載の電磁波シールド材用不織布。
3.繊維全量に対して、繊度0.3dtex(繊維径5.3μm)以下である未延伸ポリエステル系短繊維を1質量%以上30質量%以下含むことを特徴とする2.に記載の電磁波シールド材用不織布。
4.坪量15g/m以下であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の電磁波シールド材用不織布。
5.通気度200cm/(cm・s)以上510cm/(cm・s)未満であることを特徴とする1.~4.のいずれかに記載の電磁波シールド材用不織布。
本発明の電磁波シールド材用不織布は、薄く、軽量でありながらも、金属皮膜処理適性、均一性に優れ、また、十分な加工適性を備えている。本発明の電磁波シールド材用不織布は、均一な金属皮膜を形成することができるため、電磁波シールド性に優れた電磁波シールド材を得ることができる。
本発明の電磁波シールド材用不織布(以下、不織布ともいう)は、延伸ポリエステル系短繊維と、未延伸ポリエステル系短繊維を含み、
繊維全量に対して、繊度0.15dtex(繊維径4.3μm)以上3.3dtex(繊維径20.0μm)以下である延伸ポリエステル系短繊維を25質量%以上65質量%以下含み、
繊維全量に対して、融点220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維を35質量%以上65質量%以下含む。
不織布の製造工程において加えられる熱(乾燥工程、熱カレンダー工程等)によって、ほとんど溶融せずに不織布の骨格となる繊維を主体繊維、溶融することでバインダー効果を発現するものをバインダー繊維という。本発明の不織布において、延伸ポリエステル系短繊維は主体繊維、融点が220℃以上240℃以下の未延伸ポリエステル系短繊維はバインダー繊維である。
延伸ポリエステル系短繊維は、結晶化しているため、その融点(PETの場合、約260℃)まで溶融しない。一方、未延伸ポリエステル系短繊維は、未延伸で結晶化していないため軟化点が低く、融点より低い温度で接着効果を発現し、さらに200℃程度で熱処理することにより結晶化して接着強度が向上する。
本発明の不織布は、未延伸ポリエステル系短繊維として、融点が220℃以上240℃以下と低温である短繊維を含むため、低温でバインダー効果を発揮する。そのため、本発明の不織布は、繊維間に隙間を有する(通気性が高い)場合でも、強度に優れ、加工時に切れにくい。また、本発明の不織布は、繊維間に隙間を有することにより、均一な金属皮膜処理を施すことができる。
本発明で使用するバインダー繊維としては、主として単一成分タイプを用いることができるが、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型などの複合繊維の使用を制限するものではない。なお、本発明の未延伸ポリエステル繊維は、より好ましくは共重合タイプのポリエステルを主成分とすることができ、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリフェニレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど種々のポリエステルが使用できるが、主たる繰り返し単位の85モル%以上がテレフタル酸とエチレングリコールとを反応させてなるエチレンテレフタレート単位からなるポリエステルである未延伸糸であることが好ましい。テレフタル酸およびエチレングリコール以外の成分、例えば、2,6-ナフタレンジカルボン酸、5-スルホイソフタル酸ナトリウム、5-スルホイソフタル酸テトラブチルアンモニウム、5-スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールなどを少量(通常は、テレフタル酸等成分に対して15モル%以下)ランダム共重合もしくはブロック共重合したものであってもよい。中でも本発明の未延伸ポリエステル繊維は、5-スルホイソフタル酸ナトリウムを0.5モル%以上共重合したポリエチレンテレフタレートが好適に使用できる。
・延伸ポリエステル系短繊維
本発明の不織布は、繊維全量に対して、繊度0.15dtex(繊維径4.3μm)以上3.3dtex(繊維径20.0μm)以下である延伸ポリエステル系短繊維を25質量%以上65質量%以下含む。この延伸ポリエステル系短繊維の配合量が25質量%未満では、金属皮膜処理適性が低下する場合がある。一方、この延伸ポリエステル系短繊維の配合量が65質量%を超えると、強度が低下して、不織布に切れや破れが生じやすくなる場合がある。この延伸ポリエステル系短繊維の配合量は、27質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。また、この配合量は、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
延伸ポリエステル系短繊維の繊度は、0.2dtex(繊維径4.6μm)以上であることがより好ましく、0.3dtex(繊維径5.3μm)以上であることがさらに好ましい。また、この繊度は、1.7dtex(繊維径14.3μm)以下であることがより好ましく、0.8dtex(繊維径9.8μm)以下であることがさらに好ましい。
延伸ポリエステル系短繊維の繊維長は、1.5mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましく、2.5mm以上であることがさらに好ましい。また、この繊維長は、15mm以下であることが好ましく、9mm以下であることがより好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。延伸ポリエステル系短繊維の繊度及び/又は繊維長が、上記した範囲内であると、繊維間に適度な隙間が形成され、金属皮膜形成性に優れた不織布を得ることができる。
本発明の不織布は、繊維全量に対して、繊度0.15dtex(繊維径4.3μm)以上3.3dtex(繊維径20.0μm)以下である延伸ポリエステル系短繊維を25質量%以上65質量%以下含めばよく、繊度が0.15dtex(繊維径4.3μm)~3.3dtex(繊維径20.0μm)の範囲内でない延伸ポリエステル系短繊維を含むこともできる。また、これらの延伸ポリエステル系短繊維として、繊維長、繊度のいずれか、または両方が異なる2種以上の短繊維を併用することもできる。
・未延伸ポリエステル系短繊維
本発明の不織布は、繊維全量に対して、融点220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維を、35質量%以上65質量%以下含む。融点が220℃以上240℃以下の未延伸ポリエステル系短繊維をこの範囲内で含むことにより、熱処理時に溶融しやすく、強度に優れた不織布を得ることができる。融点220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維の配合量が35質量%未満では、バインダー効果が不十分であり、強度が不足して不織布に切れや破れが生じやすくなる。一方、融点220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維の配合量が65質量%を超えると、熱処理時に溶融した繊維は真円状を保てずにいびつな断面となり、変形した繊維の割合が多くなりすぎるため、金属皮膜処理適性が低下する。融点220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維の配合量は、38質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、この配合量は、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
融点が220℃以上240℃以下の未延伸ポリエステル系短繊維の繊維長は、1.5mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましく、2.5mm以上であることがさらに好ましい。また、この繊維長は、15mm以下であることが好ましく、9mm以下であることがより好ましく、6mm以下であることがさらに好ましい。
融点が220℃以上240℃以下の未延伸ポリエステル系短繊維の繊度は、0.03dtex(繊維径1.9μm)以上であることが好ましく、0.1dtex(繊維径3.9μm)以上であることがより好ましく、0.8dtex(繊維径9.8μm)以上であることがさらに好ましい。 また、この繊度は、3.3dtex(繊維径20.0μm)以下であることが好ましく、1.7dtex(繊維径14.3μm)以下であることがより好ましく、1.7dtex(繊維径14.3μm)以下であることがさらに好ましい。
本発明の不織布は、繊維全量に対して、融点が220℃以上240℃以下の未延伸ポリエステル系短繊維を35質量%以上65質量%以下含めばよく、融点が240℃を超える未延伸ポリエステル系短繊維を含むこともできる。また、融点が220℃以上240℃以下、または融点が240℃を超える未延伸ポリエステル系短繊維として、繊維長、繊度のいずれか、または両方が異なる2種以上の短繊維を併用することもできる。繊維長、繊度のいずれか、または両方が異なる2種以上の短繊維を併用することにより、メッキ液への含浸性や均一性をコントロールできる。
・繊度0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維
本発明の不織布において、融点が220℃以上240℃以下の未延伸ポリエステル系短繊維の繊度が0.8dtex(繊維径9.8μm)以上の場合は、この未延伸ポリエステル系短繊維の他に、繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維を含むことが好ましい。この繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維の融点は、220℃以上240℃以下に限定されない。
繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維は、繊維が細く水を保ちやすいため、繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維を含むことにより、湿式抄紙の際の抄紙性が向上する。また、繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維を配合することにより、不織布の粗さを調整することができ、通気度を所望の値に調整することが容易となる。さらには繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維を使用することで、不織布の強度が高くなり、メッキ加工に必要な機械的強度を維持することができる。一方で、繊度が0.8dtex(繊維径9.8μm)以上の未延伸ポリエステル系短繊維を含まない場合は、繊維間に適度な隙間が形成されず、金属皮膜形成性に劣る場合がある。
本発明において、繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維として、繊維長、繊度のいずれか、または両方が異なる2種以上の短繊維を併用することもできる。
本発明の不織布は、その抄紙性の点から、繊維全量に対して、繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維を1質量%以上30質量%以下含むことが好ましい。この繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維の配合量が1質量%未満では、抄紙性向上効果がほとんど望めない。一方、30質量%を超えると、それ以上の抄紙性向上効果はほとんど望めず、さらに、不織布が緻密となり金属皮膜処理適性が低下する場合がある。繊度が0.3dtex(繊維径5.3μm)以下の未延伸ポリエステル系短繊維の配合量は、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。また、この配合量は、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
「製造方法」
本発明で使用する不織布は、従来公知の抄紙法により抄造することができる。
抄紙機としては、円網式抄紙機、傾斜短網式抄紙機、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機等を挙げることができる。
本発明において不織布は、従来公知の乾燥方法により乾燥することができる。本発明で用いる抄紙法における乾燥工程としては、ヤンキードライヤー式、多筒式、熱風式、赤外線加熱式などを挙げることができる。
熱処理工程は、上記乾燥工程が兼ねることもできるが、別の工程として行うこともできる。熱処理工程は、熱カレンダー加工であることが、熱溶融したバインダー樹脂が主体繊維に絡みつき、強度が向上するため好ましい。熱処理温度は、融点が220℃以上240℃以下の未延伸ポリエステル系短繊維が軟化して、バインダー効果を発揮できる温度であればよく、例えば、170℃以上220℃以下程度である。
本発明の不織布の坪量は、求める薄さ、軽さ等に応じて選択することができるが、具体的には20g/m以下であることが好ましく、15g/m以下であることがより好ましく、10g/m以下であることがさらに好ましい。また、その厚さは、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の不織布は、加工時の切れや破れを防止するために、JIS P8113に準拠して測定したMD方向の引張強さが、5N/15mm以上であることが好ましく、5.2N/15mm以上であることがより好ましく、5.5N/15mm以上であることがさらに好ましい。
本発明の不織布は、JIS L1096 8.26.1 A法(フラジール法)に準拠して測定した通気度が、200cm/(cm・s)以上510cm/(cm・s)未満であることが好ましい。この通気度が200cm/(cm・s)未満では、不織布が緻密すぎて、金属皮膜処理適性に劣る場合があり、通気度が510cm/(cm・s)以上であると、不織布が疎になり、得られる電磁波シールド材の電磁波シールド性が不足する場合がある。この通気度は、210cm/(cm・s)以上であることがより好ましく、220cm/(cm・s)以上であることがさらに好ましい。また、410cm/(cm・s)未満であることがより好ましく、320cm/(cm・s)以下であることがさらに好ましい。
本発明の不織布に対する金属皮膜処理の方法は特に制限されず、無電解めっき法、電気めっき法、蒸着法、スパッタリング法等の従来公知の方法を用いることができる。これらの中で、めっき液に触れてさえいれば金属皮膜を形成することができるため、無電解めっき法が好ましい。
金属の種類は、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、これらの合金等が挙げられ、また、同一、または異なる金属種を用い、2層以上の皮膜を形成することもできる。これらの中で、導電性と製造コストの点から銅を用いることが好ましい。
無電解めっき法による金属皮膜処理の加工工程は、常法により行うことができ、例えば、以下のとおりである。不織布表面に付着している糊剤、油剤を除去するために精錬処理を行い、その後、必要に応じてアルカリ性溶液に不織布を浸漬して減量加工を行う。精錬処理された不織布は、キャタリスト工程として無電解金属メッキの核となるパラジウムをスズでコロイド化した処理剤を繊維表面に吸着させ、水洗した後、アクセレート工程にてコロイドの活性化処理を行うことが好ましい。活性化処理した後、再び水洗してメッキ浴に浸漬することにより、不織布の表面に金属皮膜を形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の構成はこれに限定されない。
得られた不織布は、以下の測定方法により評価した。結果を表1、2に示す。
測定方法
・坪量、厚さ、密度
JIS P8124に準拠して坪量を測定した。
JIS P8118に準拠して加圧面間の圧力100kPaとして、シート1枚の厚さを測定した。
JIS P8118に準拠して、坪量(g/m)を厚さ(μm)で除して密度を算出した。
・引張強さ
JIS P8113に準拠した。
・通気度[cm/(cm・s)]
JIS L1096 8.26.1 A法(フラジール法)に準拠した通気度測定器を用いて、差圧125Paの時の、試料の1cmの面積を1秒間に通過する空気の容積を測定した。
(加工適性)
加工適性は、メッキ加工及び粘着剤加工する際の紙切れの発生する可能性を判定するため、引張強さ(JIS P8113に準拠して測定)に基づき、下記基準で評価した。
〇: MD;4.5N/15mm以上、かつ、CD;2.0N/15mm以上
×: MD;4.5N/15mm未満、または、CD;2.0N/15mm未満
(金属皮膜処理適性/均一性)
金属皮膜処理適性及び均一性は、不織布の通気度(JIS L1096 8.26.1 A法(フラジール法)に準拠して測定した)に基づき、下記基準で評価した。なお、数字が大きいほど優れているとの評価である。
・金属皮膜処理適性
5:410cm/(cm・s)以上
4:240cm/(cm・s)以上410cm/(cm・s)未満
3:200cm/(cm・s)以上240cm/(cm・s)未満
2:100cm/(cm・s)以上200cm/(cm・s)未満
1:100cm/(cm・s)未満
・均一性
5:100cm/(cm・s)未満
4:100cm/(cm・s)以上300cm/(cm・s)未満
3:300cm/(cm・s)以上410cm/(cm・s)未満
2:410cm/(cm・s)以上510cm/(cm・s)未満
1:510cm/(cm・s)以上
(総合評価)
加工適性と、金属皮膜処理適性+均一性とから、下記基準で総合評価を決定した。
加工適性〇の場合 金属皮膜処理適性+均一性=8の時 総合評価 ◎
金属皮膜処理適性+均一性=7の時 総合評価 〇
金属皮膜処理適性+均一性≦6の時 総合評価 ×
加工適性×の場合 総合評価 ×
「実施例1」
延伸ポリエステル系短繊維(ユニチカ株式会社製、品番521、融点約259℃、繊維長5mm、繊度0.4dtex(繊維径7.0μm))40質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維(帝人株式会社製、テピルス(登録商標)TR07N、融点約233℃、繊維長5mm、繊度1.2dtex(繊維径11.8μm))60質量%とを混合し、短網ヤンキー抄紙機で抄造して坪量8.0g/m原紙を湿式抄紙し、その後、一対の熱ロールを有する熱カレンダーを用い、ロール表面温度200℃、線圧50N/mm、加工速度40m/minの条件で熱圧処理を行い、電磁波シールド材用不織布を得た。
「実施例2」
延伸ポリエステル系短繊維50質量%、未延伸ポリエステル系短繊維50質量%とした以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「実施例3」
延伸ポリエステル系短繊維60質量%、未延伸ポリエステル系短繊維40質量%とした以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「比較例1」
延伸ポリエステル系短繊維30質量%、未延伸ポリエステル系短繊維70質量%とした以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「比較例2」
延伸ポリエステル系短繊維70質量%、未延伸ポリエステル系短繊維30質量%とした以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「比較例3」
延伸ポリエステル系短繊維(帝人株式会社製、テピルス(登録商標)TA04PN、融点約259℃、繊維長3mm、繊度0.1dtex(繊維径3.9μm))50質量%、未延伸ポリエステル系短繊維(帝人株式会社製、テピルス(登録商標)TK08PN、融点約248℃、繊維長3mm、繊度0.2dtex(繊維径4.6μm))50質量%とした以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「比較例4」
延伸ポリエステル系短繊維(帝人株式会社製、テピルス(登録商標)TA04PN、融点約259℃、繊維長3mm、繊度0.1dtex(繊維径3.9μm))50質量%、(帝人株式会社製、テピルス(登録商標)TR07N、融点約233℃、繊維長5mm、繊度1.2dtex(繊維径11.8μm))50質量%とした紙料を用いた以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
Figure 2022083165000001
実施例1~3で得た本発明の不織布は、加工適性、金属皮膜処理適性、均一性をバランス良く成立することができた。
それに対し、比較例1で得た不織布は均一性に劣り、比較例2で得た不織布は加工適性に劣っていた。また、比較例3、4で得た不織布は、緻密になりすぎて、金属皮膜処理適性に劣っていた。
「実施例4」
延伸ポリエステル系短繊維30質量%、未延伸ポリエステル系短繊維60質量%し、さらに、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維(帝人株式会社製、テピルス(登録商標)TK08P、バインダー繊維、融点約248℃、繊維長3mm、繊度0.2dtex(繊維径4.6μm))10質量%を混合した紙料を用いた以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「実施例5」
延伸ポリエステル系短繊維40質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維50質量%、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維10質量%とした紙料を用いた以外は実施例4と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「実施例6」
延伸ポリエステル系短繊維50質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維40質量%、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維10質量%とした紙料を用いた以外は実施例4と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「実施例7」
延伸ポリエステル系短繊維40質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維45質量%、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維15質量%とした紙料を用いた以外は実施例4と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「実施例8」
延伸ポリエステル系短繊維30質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維50質量%、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維20質量%とした紙料を用いた以外は実施例4と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「実施例9」
延伸ポリエステル系短繊維40質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維40質量%、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維20質量%とした紙料を用いた以外は実施例4と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「比較例5」
延伸ポリエステル系短繊維40質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維30質量%、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維30質量%とした紙料を用いた以外は実施例4と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
「比較例6」
延伸ポリエステル系短繊維40質量%と、未延伸ポリエステル系短繊維(帝人株式会社製、テピルス(登録商標)TA07N、融点約257℃、繊維長5mm、繊度1.2dtex(繊維径11.3μm))45質量%、繊度が0.2dtex(繊維径4.6μm)の未延伸ポリエステル系短繊維15質量%とした紙料を用いた以外は実施例4と同様にして、電磁波シールド材用不織布を得た。
Figure 2022083165000002
実施例4~9で得た本発明の不織布は、加工適性、金属皮膜処理適性、均一性をバランス良く成立することができ、特に、実施例6~8で得た本発明の不織布は、さらに高いレベルで各特性をバランス良く成立することができた。
それに対し、比較例5で得た不織布は金属皮膜処理適性に劣り、比較例6で得た不織布は加工適性に劣っていた。

Claims (5)

  1. 少なくとも、延伸ポリエステル系短繊維と、未延伸ポリエステル系短繊維を含み、
    繊維全量に対して、繊度0.15dtex以上3.3dtex以下である延伸ポリエステル系短繊維を25質量%以上65質量%以下含み、
    繊維全量に対して、融点が220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維を35質量%以上65質量%以下含むことを特徴とする電磁波シールド材用不織布。
  2. 前記融点が220℃以上240℃以下である未延伸ポリエステル系短繊維が、繊度0.8dtex以上1.7dtex以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド材用不織布。
  3. 繊維全量に対して、繊度0.3dtex以下である未延伸ポリエステル系短繊維を1質量%以上30質量%以下含むことを特徴とする請求項2に記載の電磁波シールド材用不織布。
  4. 坪量15g/m以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電磁波シールド材用不織布。
  5. 通気度200cm/(cm・s)以上510cm/(cm・s)未満であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の電磁波シールド材用不織布。
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