JP2020050686A - 繊維強化樹脂組成物及び該繊維強化樹脂組成物から構成される成形品 - Google Patents

繊維強化樹脂組成物及び該繊維強化樹脂組成物から構成される成形品 Download PDF

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俊成 天王
哲生 高山
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哲生 高山
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裕司 山本
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Abstract

【課題】比弾性率に優れる繊維強化樹脂組成物の提供。【解決手段】本発明の繊維強化樹脂組成物は、マトリックス樹脂と、繊維径10〜17μmの炭化ケイ素繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維とを含み、炭化ケイ素繊維と、第2の繊維との含有量比が、質量基準で、5:5〜9:1であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化樹脂組成物及び該繊維強化樹脂組成物から構成される成形品に関する。
近年、機械的特性、例えば、比弾性率の向上を目的として、マトリックス樹脂に、繊維材料を配合した繊維強化樹脂組成物が広く使用されている。
例えば、特許文献1においては、マトリックス樹脂に、炭素繊維を配合した繊維強化樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献1において開示される繊維強化樹脂組成物等、従来の繊維強化樹脂組成物の比弾性率は、十分ではなく、さらなる向上が求められていた。
特開2015−81321号公報
今般、本発明者らは、繊維強化樹脂組成物に、繊維径10〜17μmの炭化ケイ素繊維及び繊維径3〜8μmの第2の繊維を特定の含有量比で、配合することにより、これらを単独で配合した場合に比べ、繊維強化樹脂組成物の比弾性率を顕著に改善することができるとの知見を得た。
また、本発明者らは、繊維強化樹脂組成物に、繊維径10〜17μmのガラス繊維及び繊維径3〜8μmの第2の繊維を特定の含有量比で、配合することにより、これらを単独で配合した場合に比べ、繊維強化樹脂組成物の比弾性率を顕著に改善することができるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、比弾性率に優れる繊維強化樹脂組成物を提供することである。
また、本発明の解決しようとする課題は、該繊維強化樹脂組成物から構成される成形品を提供することである。
第1の態様において、本発明の繊維強化樹脂組成物は、マトリックス樹脂と、繊維径10〜17μmの炭化ケイ素繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維とを含み、炭化ケイ素繊維と、第2の繊維との含有量比が、質量基準で、5:5〜9:1であることを特徴とする。
一実施形態において、炭化ケイ素繊維の繊維長は、150μm〜350μmである。
一実施形態において、炭化ケイ素繊維の含有量は、15〜25質量%である。
第2の態様において、本発明の繊維強化樹脂組成物は、マトリックス樹脂と、繊維径10〜17μmのガラス繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維とを含み、ガラス繊維と、第2の繊維との含有量比が、質量基準で、1:9〜5:5であることを特徴とする。
一実施形態において、ガラス繊維の繊維長は、100μm〜400μmである。
一実施形態において、ガラス繊維の含有量は、15〜35質量%である。
一実施形態において、第2の繊維は、炭素繊維である。
一実施形態において、繊維強化樹脂組成物における繊維の総含有量は、15〜35質量%である。
一実施形態において、マトリックス樹脂は、ポリオレフィン系樹脂である。
本発明の成形品は、上記繊維強化樹脂組成物から構成されることを特徴とする。
本発明によれば、比弾性率に優れる繊維強化樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、該繊維強化樹脂組成物から構成される成形品を提供することができる。
[第1の態様における繊維強化樹脂組成物]
第1の態様において、本発明の繊維強化樹脂組成物は、マトリックス樹脂と、繊維径10〜17μmの炭化ケイ素繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維とを含む。
本発明の繊維強化樹脂組成物において、炭化ケイ素繊維と、第2の繊維との含有量比は、質量基準で、5:5〜9:1であり、6:4〜8.5:1.5であることが好ましく、7:3〜8:2であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。さらに、繊維強化樹脂組成物の製造コストを低減することができる。
繊維強化樹脂組成物における繊維の総含有量は、15〜35質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。さらに、繊維強化樹脂組成物の製造コストを低減することができる。
以下、繊維強化樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
[マトリックス樹脂]
マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のエーテル樹脂、並びにポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンサルファイドスルホン及びポリフェニレンサルファイドケトン等のポリアリーレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
また、マトリックス樹脂として、熱硬化性樹脂を使用することもでき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、並びにシリコーン系樹脂等が挙げられる。
上記したマトリックス樹脂の中でも、比弾性率という理由から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、PE及びPPがより好ましく、PPが特に好ましい。
繊維強化樹脂組成物は、上記マトリックス樹脂を2種以上含むことができる。
繊維強化樹脂組成物におけるマトリックス樹脂の含有量は、65〜85質量%であることが好ましく、70〜80質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
[炭化ケイ素繊維]
本発明の繊維強化樹脂組成物に含まれる炭化ケイ素繊維の繊維径は、10〜17μmであるが、12〜16μmであることが好ましく、13〜15μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
なお、本発明において、「繊維径」とは、繊維束の径ではなく、該繊維束を構成しうる単糸の直径を意味する。また、繊維径は、JIS R−7607(2000年発行)に準拠した方法により測定する。
炭化ケイ素繊維の繊維長は、150μm〜350μmであることが好ましく、200μm〜350μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。
炭化ケイ素繊維は、単糸状のものであってもよく、繊維束状のものであってよく、これらの混合物であってもよい。
また、炭化ケイ素繊維は、カップリング剤や集束剤等により表面処理されていることが好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。
カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−β(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン系カップリング剤、並びにビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及びビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン系カップリング剤等が挙げられる。
集束剤としては、例えば、無水マレイン酸系化合物、ウレタン系化合物、(メタ)アクリル系化合物、エポキシ系化合物及びフェノール系化合物等が挙げられる。
繊維強化樹脂組成物は、炭化ケイ素繊維を2種以上含むことができる。
繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維の含有量は、10〜25質量%であることが好ましく、13〜18質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。さらに、繊維強化樹脂組成物の製造コストを低減することができる。
[第2の繊維]
本発明の繊維強化樹脂組成物に含まれる第2の繊維の繊維径は、3μm〜8μmであるが、4μm〜7μmであることが好ましく、5μm〜6.5μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。
第2の繊維の繊維長は、150μm〜300μmであることが好ましく、200μm〜300μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。
第2の繊維としては、例えば、炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、酸化チタン繊維及びガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、比弾性率及び比曲げ強度という観点から、炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、石油・石炭ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維及び気相成長系炭素繊維等が挙げられる。本発明による繊維強化樹脂組成物は、炭素繊維を2種以上含むことができる。
また、炭素繊維は、単糸状のものであってもよく、繊維束状のものであってよく、これらの混合物であってもよい。
また、第2の繊維は、上記表面処理が施されていることが好ましく、これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。
繊維強化樹脂組成物における第2の繊維の含有量は、2〜10質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の比曲げ強度を向上することができる。
[その他]
繊維強化樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない範囲において、染料及び顔料等の着色剤、マイカ、シリカ、タルク、アルミナ、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、フェライト、ガラス粉末、炭素粉末及び金属粉末等の非繊維充填剤、消泡剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滴下防止剤、滑剤、蛍光増白剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、光安定剤ならびに酸化防止剤等の添加剤を含むことができる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、繊維強化樹脂組成物は、繊維径10〜17μmの炭化ケイ素繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維以外の繊維を含むことができる。
[第2の態様における繊維強化樹脂組成物]
第2の態様において、本発明の繊維強化樹脂組成物は、マトリックス樹脂と、繊維径10μm〜17μmのガラス繊維と、繊維径3μm〜8μmの第2の繊維とを含む。
本発明の繊維強化樹脂組成物において、ガラス繊維と、第2の繊維との含有量比は、質量基準で、1:9〜5:5であり、1:9〜4:6であることが好ましく、1:9〜3:7であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
繊維強化樹脂組成物における繊維の総含有量は、15〜35質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。また、繊維強化樹脂組成物の製造コストを低減することができる。
[マトリックス樹脂]
マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のエーテル樹脂、並びにポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンサルファイドスルホン及びポリフェニレンサルファイドケトン等のポリアリーレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
また、マトリックス樹脂として、熱硬化性樹脂を使用することもでき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、並びにシリコーン系樹脂等が挙げられる。
上記したマトリックス樹脂の中でも、比弾性率という理由から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、PE及びPPがより好ましく、PPが特に好ましい。
繊維強化樹脂組成物は、上記マトリックス樹脂を2種以上含むことができる。
繊維強化樹脂組成物におけるマトリックス樹脂の含有量は、65〜85質量%であることが好ましく、70〜80質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
[ガラス繊維]
本発明の繊維強化樹脂組成物に含まれるガラス繊維の繊維径は、10μm〜17μmであるが、12μm〜16μmであることが好ましく、13〜15μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
ガラス繊維の繊維長は、100μm〜600μmであることが好ましく、200μm〜600μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
ガラス繊維の材質は、特に限定されず、例えば、Sガラス、Eガラス、Cガラス及びARガラス等が挙げられる。
ガラス繊維は、単糸状のものであってもよく、繊維束状のものであってよく、これらの混合物であってもよい。
また、ガラスは、上記表面処理が施されていることが好ましく、これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
繊維強化樹脂組成物は、ガラス繊維を2種以上含むことができる。
繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維の含有量は、3〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
[第2の繊維]
本発明の繊維強化樹脂組成物に含まれる第2の繊維の繊維径は、3μm〜8μmであるが、4μm〜7μmであることが好ましく、5μm〜6.5μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
第2の繊維の繊維長は、150μm〜300μmであることが好ましく、200μm〜300μmであることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
第2の繊維としては、例えば、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、アラミド繊維及び酸化チタン繊維等が挙げられる。
これらの中でも、比弾性率という観点から、炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、石油・石炭ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維及び気相成長系炭素繊維等が挙げられる。本発明による繊維強化樹脂組成物は、炭素繊維を2種以上含むことができる。
また、炭素繊維は、単糸状のものであってもよく、繊維束状のものであってよく、これらの混合物であってもよい。
また、第2の繊維は、上記表面処理が施されていることが好ましく、これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
繊維強化樹脂組成物における第2の繊維の含有量は、10〜20質量%であることが好ましく、15〜20質量%であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂組成物の比弾性率をより向上することができる。
[その他]
繊維強化樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含むことができる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、繊維強化樹脂組成物は、繊維径10〜17μmのガラス繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維以外の繊維を含むことができる。
[繊維強化樹脂組成物の製造方法]
本発明の繊維強化樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、上記したマトリックス樹脂、炭化ケイ素繊維又はガラス繊維、第2の繊維及び任意の添加剤等を溶融混練することにより、製造することができる。
各種材料の混練は、同時に行ってもよく、分割して行ってもよい。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、従来公知の溶融混練装置を使用して製造することができ、例えば、スクリューが1本の単軸溶融押出混練機、スクリューが2本の二軸溶融押出混練機、スクリューが3本以上の多軸溶融押出混練機及び押出機が2台以上連結したタンデム押出機等が挙げられる。
[成形品]
本発明の成形品は、上記繊維強化樹脂組成物から構成されることを特徴とする。
成形品の形状は特に限定されるものではなく、例えば、シート状、フィルム状、チューブ状等とすることができる。
一実施形態において、該成形品は、繊維強化樹脂組成物を、射出成形や押出成形することにより、作製することができる。
射出成形としては、例えば、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、超高速射出成形等が含まれる。
また、押出成形には、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法等が含まれる。
[用途]
本発明の繊維強化樹脂成形品は、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、スポーツ用品部品、各種容器、日用品、生活雑貨及び衛生用品等各種用途に利用することができる。
具体的な用途としては、航空機の機体や翼の構成部品、ヘリコプターの回転ブレード、ロケットや人工衛星の構成部品、自動車向けのプロペラシャフト及び外板、ロボットアーム、減速ギヤ、自動ドア駆動用ギヤ、工業用ローラー及びシャフト、水素タンク、医療機器向けのX線撮影用板とフィルムセット、コンクリート補強材、土木向けのケーブルやロット、義手や義足、ゴルフクラブシャフト、並びにテニスラケット等が挙げられる。
(実施例1−1)
80質量%のポリプロピレンと、16質量%の炭化ケイ素繊維と、4質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維と、炭素繊維との含有量比は、質量基準で、8:2であった。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維の繊維径は14μm、繊維長は107μm、また、炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は83μmであった。
(実施例1−2)
80質量%のポリプロピレンと、10質量%の炭化ケイ素繊維と、10質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維と、炭素繊維との含有量比は、質量基準で、5:5であった。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維の繊維径は14μm、繊維長は103μm、また、炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は63μmであった。
(実施例1−3)
80質量%のポリプロピレンと、18質量%の炭化ケイ素繊維と、2質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維と、炭素繊維との含有量比は、質量基準で、9:1であった。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維の繊維径は14μm、繊維長は102μm、また、炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は72μmであった。
(比較例1−1)
80質量%のポリプロピレンと、20質量%の炭化ケイ素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維の繊維径は14μm、繊維長は88μmであった。
(比較例1−2)
80質量%のポリプロピレンと、20質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は67μmであった。
(比較例1−3)
80質量%のポリプロピレンと、4質量%の炭化ケイ素繊維と、16質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維と、炭素繊維との含有量比は、質量基準で、2:8であった。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭化ケイ素繊維の繊維径は14μm、繊維長は90μm、また、炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は76μmであった。
<<比弾性率及び比曲げ強度測定>>
上記実施例及び比較例において得られた繊維強化樹脂組成物を、超小型電動射出成形機(新興セルビック製、C.Mobile0813、プランジャー径:10mm)を、射出速度30mm/秒、射出圧88MPaの条件下において使用して、50mm×5mm×2mmの試験片を作製した。
上記のようにして作製した試験片を、JIS K 7171に準拠し、スパン間距離40mm、負荷速度70mm/分で、3点曲げ試験を行い、曲げ弾性率及び曲げ強度及びを測定し、測定された曲げ弾性率及び曲げ強度を比重で除し、比弾性率及び比曲げ強度を求め、表1にまとめた。
Figure 2020050686
(実施例2−1)
77.9質量%のポリプロピレンと、4.4質量%のガラス繊維と、17質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維と、炭素繊維との含有量比は、質量基準で、2:8であった。
得られた繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維の繊維径は13μm、繊維長は186μm、また、炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は88μmであった。
(実施例2−2)
76質量%のポリプロピレンと、12質量%のガラス繊維(繊維径:13μm)と、12質量%の炭素繊維(繊維径:6μm)とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維と、炭素繊維との含有量比は、質量基準で、5:5であった。
得られた繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維の繊維径は13μm、繊維長は196μm、また、炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は74μmであった。
(比較例2−1)
70質量%のポリプロピレンと、30質量%のガラス繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維の繊維径は13μm、繊維長は550μmであった。
(比較例2−2)
80質量%のポリプロピレンと、20質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物における炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は67μmであった。
(比較例2−3)
72.4質量%のポリプロピレンと、21.9質量%のガラス繊維と、5.5質量%の炭素繊維とを、二軸溶融押出混練機を用いて溶融混練し、繊維強化樹脂組成物を作製した。
得られた繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維と、炭素繊維との含有量比は、質量基準で、8:2であった。
得られた繊維強化樹脂組成物におけるガラス繊維の繊維径は13μm、繊維長は131μm、また、炭素繊維の繊維径は6μm、繊維長は74であった。
<<比弾性率測定>>
上記実施例及び比較例において得られた繊維強化樹脂組成物を、超小型電動射出成形機(新興セルビック製、C.Mobile0813、プランジャー径:10mm)を、射出速度30mm/秒、射出圧88MPaの条件下において使用して、50mm×5mm×2mmの試験片を作製した。
上記のようにして作製した試験片を、JIS K 7171に準拠し、スパン間距離40mm、負荷速度70mm/分で、3点曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定し、測定された曲げ弾性率を比重で除し、比弾性率を求め、表2にまとめた。
Figure 2020050686

Claims (10)

  1. マトリックス樹脂と、繊維径10〜17μmの炭化ケイ素繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維とを含み、
    前記炭化ケイ素繊維と、前記第2の繊維との含有量比が、質量基準で、5:5〜9:1であることを特徴とする、繊維強化樹脂組成物。
  2. 前記炭化ケイ素繊維の繊維長が、150μm〜350μmである、請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
  3. 前記炭化ケイ素繊維の含有量が、10〜25質量%である、請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂組成物。
  4. マトリックス樹脂と、繊維径10〜17μmのガラス繊維と、繊維径3〜8μmの第2の繊維とを含み、
    前記ガラス繊維と、前記第2の繊維との含有量比が、質量基準で、1:9〜5:5であることを特徴とする、繊維強化樹脂組成物。
  5. 前記ガラス繊維の繊維長が、100μm〜600μmである、請求項4に記載の繊維強化樹脂組成物。
  6. 前記ガラス繊維の含有量が、3〜20質量%である、請求項4又は5に記載の繊維強化樹脂組成物。
  7. 前記第2の繊維が、炭素繊維である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  8. 前記繊維強化樹脂組成物における繊維の総含有量が、15〜35質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  9. 前記マトリックス樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物から構成される成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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