JP2020049640A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】1μm以下の細幅配線では段差を解消し、1μmより大きい太幅配線では段差を維持する研磨パッドを提供すること。
【解決手段】被研磨物を研磨する研磨層を有する研磨パッドであって、前記研磨層はポリウレタン樹脂と該ポリウレタン樹脂に分散された微小中空球体とを有し、前記ポリウレタン樹脂はイソシアネート成分を含むプレポリマーと硬化剤との反応性生成物であり、 前記硬化剤はポリアミン及びポリオールからなり、前記硬化剤の水酸基比率が10〜50であり、ここで、前記水酸基比率は、硬化剤中のアミノ基の数を100とした場合の硬化剤中の水酸基の数の割合である、前記微小中空球体は平均気泡径が20μm未満である、ことを特徴とする研磨パッド。
【選択図】なし

Description

本発明は研磨パッドに関する。本発明の研磨パッドは、光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板等の研磨に用いられ、特に半導体ウエハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
近年、半導体は高集積化・超小型化が進んでおり、回路の配線幅は年々小さくなっている。同一基板上に配線幅の異なる複数の配線を有する場合、製造上生じる配線幅毎に異なる段差の取り扱いが重要となっている。特許文献1には研磨層である発泡ポリウレタン部の厚さを基材層である不織布部より大きくすることで、局所的な残存段差特性及び大規模な残存段差特性が向上した研磨パッドが開示されている。
特開2001−332519号公報
しかしながら、配線幅によらず段差をなくすことが要求される場合がある一方、配線幅により異なる段差性能が要求される場合がある。集積回路の3次元化及び高積層化が進むにつれ、積層工程のうねりを維持したまま配線付近の段差を解消するようなニーズが出てきた。例えば、配線幅を1μm以下とした場合、1μm以下の配線幅の段差性能は解消し、1μm以上の配線については、段差を維持するような性能が必要となる。本発明では、1μm以下の細幅配線では段差を解消し、1μmより大きい太幅配線では段差を維持する研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明によれば、以下のものが提供される。
[1]
被研磨物を研磨する研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層はポリウレタン樹脂と該ポリウレタン樹脂に分散された微小中空球体とを有し、
前記ポリウレタン樹脂はイソシアネート成分を含むプレポリマーと硬化剤との反応生成物であり、
前記硬化剤はポリアミン及びポリオールからなり、
前記硬化剤の水酸基比率が10〜50であり、ここで、前記水酸基比率は、硬化剤中のアミノ基の数を100とした場合の硬化剤中の水酸基の数の割合である、
前記微小中空球体は平均気泡径が20μm未満である、
ことを特徴とする研磨パッド。
[2]
前記水酸基比率が15〜30である、[1]に記載の研磨パッド。
[3]
前記ポリアミンが3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンであり、前記ポリオールがポリテトラメチレングリコール又はポリプロピレングリコールである、[1]または[2]に記載の研磨パッド。
[4]
前記プレポリマーが、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により調製される、[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨パッド。
[5]
プレポリマーのNCO当量が400〜550である、[1]〜[4]のいずれかに記載の研磨パッド。
本発明によれば、配線幅により異なる段差性能を実現可能な研磨パッドを提供することができる。
異なる配線幅を有する回路基板における段差を説明するための図である(研磨前)。 異なる配線幅を有する回路基板における段差を説明するための図である(研磨後)。 実施例及び比較例における研磨試験後の回路基板における線幅(横軸)と段差(縦軸)の関係を示すグラフである。
(作用)
本発明の作用効果を、異なる配線幅を有する回路基板の断面を示す図1及び図2に従って説明する。
半導体製造プロセスにおいて金属(Cu)配線を製造する方法として、ダマシンプロセスが採用される。このダマシンプロセスは、絶縁膜に溝を掘り、この溝にスパッタリングなどにより金属を埋め込み、余分な金属を化学機械研磨(CMP)によって除去することによって行う。絶縁膜と金属との間に生じる物理的または化学的なストレスを解消するために、通常、絶縁膜をバリアメタルで被覆してから金属を埋め込む。
図1に示すように、金属膜を埋め込むと、金属膜の下に存在する溝の幅に応じて、溝が存在する部分と溝が存在しない部分の間に溝の幅と深さに応じた段差が生じる。このような段差はCMPの際に除去すべき小さな段差(図1中のDt)と大きな維持すべき段差(図1中のDf)に分類される。より具体的には、本発明が目的としているのは、研磨後の回路断面を示す図2に示すように、配線幅の異なる配線(太幅配線と細幅配線)が並存する際の研磨において、細幅配線(1μm以下)の段差は解消し、太幅配線(1μmより大きい)の段差をなるべく維持する様な研磨である。
本発明の研磨パッドの特徴は、被研磨物を研磨する研磨層を有する研磨パッドであって、 前記研磨層はポリウレタン樹脂と該ポリウレタン樹脂に分散された発泡剤としての微小中空球体とを有し、前記ポリウレタン樹脂はイソシアネート成分を含むプレポリマーと硬化剤との反応生成物であり、前記硬化剤はポリアミン及びポリオールからなる研磨パッドにおいて、20μm未満の気泡径を有することにより細幅配線の段差を解消することができ、硬化剤中のアミノ基の数を100とした場合の硬化剤中の水酸基の数の割合である水酸基比率を10〜50とすることで太幅配線の段差を維持することができるという新規な知見を見出したことに基づく。
本発明の研磨パッドの特徴をさらに説明すると、微小中空球体による気泡径を20μm未満とすると、研磨パッドの所定の気泡を含む表面が細幅配線の段差に適合するように接触するため、太幅配線の段差よりも細幅配線の段差を研磨しやすい研磨剤との化学的及び物理的に最適な条件となると考えられる。一方、硬化剤の水酸基比率を10〜50とすると、比較的柔軟な研磨パッドとすることができ、研磨パッドの表面が太幅配線の段差のエッジを適度に回り込み細幅配線の段差には密接しやすくなる。このように研磨パッドの柔軟な表面による太幅配線及び細幅配線の段差に対する適度な位置関係の維持と、適切なサイズの気泡による細幅配線の段差の研磨の最適な条件の組み合わせによって、本発明では、太幅配線の段差(高い段差)を維持しつつ、細幅配線の段差(低い段差)を選択的に研磨できる。通常、研磨作用は、高い段差のものから研磨されていき、最後に低い段差が研磨されて全体として平坦な表面を生じさせるから、低い段差から研磨されて先に低い段差が解消し、高い段差は依然として残るという本発明の作用効果は当業者に全くの予想外のものである。
(研磨パッド)
本発明の研磨パッドは、発泡ポリウレタン樹脂からなる研磨層と基材層とが両面テープを介して積層されてなるが、用途によっては、基材層が無く、研磨層を直接研磨装置の定盤に貼り付ける態様も包含する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置される。
本発明の研磨パッドは、一般的な研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。
(研磨パッドの製造方法)
本発明の研磨パッドにおいて、研磨層は、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、基材に貼り合わせることによって製造される。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に両面テープが貼り付けられ、基材層に貼り付けられ、所定形状にカットされて、本発明の研磨パッドとなる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。
研磨層は、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を調製し、前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させることによって成形される。本発明では、研磨層の性能を制御しやすいプレポリマーをあらかじめ用意し、これに所定の硬化剤を混合してポリウレタン樹脂硬化性組成物を調製する。
研磨層は上記ポリウレタン樹脂硬化性組成物中に気泡が分散されている発泡ポリウレタン樹脂からなる。気泡の形成方法としては、特に限定されるものではないが、化学的な発泡剤による発泡、機械的な泡を混入させる発泡、及び微小中空球体を混入させることで気泡を形成する方法などがある。気泡径を制御しやすいという観点では微小中空球体を混入させることで気泡を形成する方法が好ましい。この場合、プレポリマー、硬化剤及び発泡剤を含むポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を調製し、ポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を硬化させることによって発泡体を成形する。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物は、例えば、ポリイソシアネート化合物(プレポリマー)を含むA液と、それ以外の成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分を含むB液はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
本発明では、ポリウレタン発泡体の物性を正確に制御するために、ポリイソシアネート化合物として、イソシアネート基を含むプレポリマーを採用し、特に、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により調製されるプレポリマーを含むことが望ましい。プレポリマーは未反応のイソシアネート基を含む当業界で一般に使用されているものが本発明においても使用できる。プレポリマーのNCO当量は、好ましくは400〜550であり、より好ましくは450〜500である。NCO当量が高すぎると微細配線の段差性能が劣りやすくなる傾向があり、低すぎると太幅のうねりも解消しやすくなる傾向がある。なお、NCO当量は、“(ポリイソシアネート化合物の質量部+ポリオール化合物の質量部)/[(ポリイソシアネート化合物1分子当たりの官能基数×ポリイソシアネート化合物の質量部/ポリイソシアネート化合物の分子量)−(ポリオール化合物1分子当たりの官能基数×ポリオール化合物の質量部/ポリオール化合物の分子量)]”で求められ、NCO基1個当たりのPP(プレポリマー)の分子量を示す数値である。
(イソシアネート成分)
イソシアネート成分としては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート
等が挙げられる。
(ポリオール成分)
ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;
等が挙げられる。
(硬化剤)
本発明において、硬化剤はポリアミン及びポリオールからなる。
ポリアミン硬化剤:
ポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;等が挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
ポリオール硬化剤:
上述したプレポリマーの成分の項目で例示したポリオール成分が挙げられる。
(硬化剤の組成と使用量)
研磨パッドの柔軟性は、硬化剤のポリアミン硬化剤とポリオール硬化剤の配合割合で調節できる。硬化剤中のアミノ基の数を100とした場合の硬化剤中の水酸基の数の割合である硬化剤の水酸基比率が10〜50であることが本発明の作用効果を奏するために必要であり、好ましくは水酸基比率は15〜30である。また、プレポリマーの末端に存在するイソシアネート基に対する、硬化剤に存在する活性水素基(アミノ基及び水酸基)の当量比であるR値が、0.60〜1.40となるように硬化剤の量を用いることが好ましい。R値は、0.70〜1.20がより好ましく、0.80〜1.10がさらに好ましい。また、研磨パッドのD硬度(JISK6253−1997/ISO7619)は、好ましくは20〜70であり、より好ましくは30〜50である。
(発泡剤)
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
微小中空球体は、市販品を利用することも可能である。例えばマツモトマイクロスフェアーシリーズ(松本油脂製薬株式会社製)やエクスパンセルシリーズ(AkzoNobel社製)を微小中空球体として利用することができる。市販の微小中空球体は、既に加熱膨張された既膨張タイプと未だ加熱膨張されていない未膨張タイプがある。既膨張タイプは後述する混合工程により発生する反応熱の影響をあまり受けず一定の気泡径とすることができる一方、未膨張タイプは後述する混合工程により発生する反応熱により膨張する。そのため未膨張タイプの場合、気泡径を制御するためには、例えば、重合反応によって生成する反応熱を迅速に冷却したり、重合反応を迅速に促進させて、微小中空球体の周りに存在する樹脂によって強制的に膨張が抑制されたりするなどの反応条件を調整する必要がある。
本発明では、微小中空球体の平均気泡径は20μm未満とすることが本発明の作用効果を奏するために必要であるが、既膨張タイプは平均粒径が20μm以上のものしか市販されていないため、樹脂中の気泡径を20μm未満としたい場合には平均粒径10〜20μmの未膨張タイプの中空微小球体を用い、反応条件を調整し中空微小球体があまり膨張しないように制御する必要がある。未膨張タイプの中空微小球体の平均粒径は10〜20μmを用いることが好ましく、後述の各工程を経た後、研磨層のポリウレタン樹脂中に分散された気泡としての平均気泡径は10〜20μmであることが好ましく、12〜20μmであることがより好ましく、15〜20μmであることがより好ましい。なお、研磨パッド中の微小中空球体の平均気泡径は、レーザー顕微鏡またはCTスキャンにより測定することができる。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
<実施例1>
2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)及びジエチレングリコール(DEG)を反応させてなるNCO当量500のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー100部に、殻部分がアクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体からなり、殻内にイソブタンガスが内包された未膨張タイプの中空微小球体4部を添加混合し、混合液を得た。得られた混合液を第1液タンクに仕込み、80℃で保温した。次に、第1液とは別途に、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)19部及び平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)19部を添加混合(水酸基比率は26.7)し、第2液タンク内で120℃で保温した。第1液タンク、第2液タンクの夫々の液体を、注入口を2つ具備した混合機に夫々の注入口からプレポリマー中の末端イソシアネート基に対する硬化剤に存在するアミノ基及び水酸基の当量比を表わすR値が0.90となるように注入した。注入した2液を混合攪拌しながら100℃に予熱した成形機の金型へ注入した後、型締めをし、30分間、110℃で加熱し一次硬化させた。一次硬化させた成形物を脱型後、オーブンにて130℃で2時間二次硬化し、ウレタン樹脂成形物を得た。得られたウレタン樹脂成形物を25℃まで放冷した後に、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから1.3mmの厚みにスライスし、研磨パッドを得た。得られた研磨パッドのD硬度は34、平均気泡径は14.9μmであった。
<実施例2>
実施例1で用いた第1液に、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)20.4部及び平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)13.6部を添加混合(水酸基比率は17.8)したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法で作製し、研磨パッドを得た。得られた研磨パッドのD硬度は47、平均気泡径は15.5μmであった。
<実施例3>
実施例1で用いたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)及びジエチレングリコール(DEG)を反応させてなるNCO当量460とし、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)21部及び平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)21部を添加混合(水酸基比率は26.7)したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法で作製し、研磨パッドを得た。得られた研磨パッドのD硬度は40、平均気泡径は16.4μmであった。
<比較例1>
ニッタ・ハース社製「IC1000」研磨パッドを準備した。D硬度は55、平均気泡径は40μmであった。
<比較例2>
実施例1で用いたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)及びジエチレングリコール(DEG)を反応させてなるNCO当量460とし、さらに4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)2部を混合し、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)28部(水酸基比率は0)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で作製し、研磨パッドを得た。得られた研磨パッドのD硬度は59、平均気泡径は16.3μmであった。
<比較例3>
実施例1で用いた中空微小球体を未膨張タイプではなく粒子の大きさが40μmに膨脹させた既膨張タイプを3部用い、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)20.4部及び平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)13.6部を添加混合(水酸基比率は17.8)したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法で作製し、研磨パッドを得た。得られた研磨パッドのD硬度は35、平均気泡径は40μmであった。
<比較例4>
実施例1で用いた中空微小球体を未膨張タイプではなく粒子の大きさが40μmに膨脹させた既膨張タイプを3部用い、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)21部及び平均分子量1000のポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)7部を添加混合(水酸基比率は8.9)したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法で作製し、研磨パッドを得た。得られた研磨パッドのD硬度は50、平均気泡径は40μmであった。
(試験方法)
(D硬度)
D硬度はJISK6253−1997/ISO7619に準じて測定した。
(段差性能の評価)
配線幅の異なる配線(配線幅:0.3μm、1μm、2μm、8μm、40μm)を並存させたパターンウエハを用意し、実施例及び比較例で作製した研磨パッドについて、細幅配線(1μm以下)の段差は解消し、太幅配線(1μmより大きい)の段差をなるべく維持する様な研磨が可能であるか評価した。細幅配線の段差性能は、段差が20nm未満のものを○、20〜40nmのものを△、40nmより大きいものを×で示した。太幅配線の段差性能は、段差が80nm以上のものを○、50〜80nmのものを△、50nm未満のものを×で示した。研磨条件は下記の通りである。
研磨機:F−REX300(荏原製作所社製)
Disk:A188(3M社製)
回転数:(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
研磨圧力:3.5psi
研磨剤温度:20℃
研磨剤吐出量:200ml/min
研磨剤:PLANERLITE7000(フジミコーポレーション社製)
被研磨物:上記パターンウエハ
研磨時間:60秒 パッドブレーク:35N 10分
コンディショニング:Ex−situ、35N、4スキャン
各実施例・比較例の試験結果を表1に、実施例1及び比較例1〜3についての配線幅と段差性能の関係を図3に示す。
Figure 2020049640
実施例1〜3の結果から、微小中空球体による平均気泡径を20μm未満とし、硬化剤の水酸基比率を10〜50とすると、細幅配線の段差が解消し、太幅配線の段差が維持されることが分かった。本発明の要件を満たさない比較例1(市販の研磨パッド)によれば、細幅配線の段差が研磨されるものの(評価:○)太幅配線の段差も研磨されてしまい(評価:×)、本発明の効果を奏し得ないことがわかった。平均気泡径が本発明の要件を満たすが水酸基比率が本発明の要件を満たさない比較例2では、太幅配線の段差が維持されるものの(評価:○)細幅配線の段差も維持されてしまい(評価:△)、本発明の効果を奏し得ないことがわかった。水酸基比率が本発明の要件を満たすが平均気泡径が本発明の要件を満たさない比較例3では、細幅配線の段差が解消した(評価:○)が太幅配線の段差が研磨されてしまい(評価:△)、本発明の効果を奏し得ないことがわかった。平均気泡径も水酸基比率も本発明の要件を満たさない比較例4では、細幅配線の段差が維持され(評価:△)、太幅配線の段差は研磨されてしまい(評価:△)、本発明の効果を奏し得ないことがわかった。以上の試験結果は図3にも示した。このように研磨パッドの柔軟な表面による太幅配線及び細幅配線の段差に対する適度な位置関係の維持と、適切なサイズの気泡による細幅配線の段差の研磨の最適な条件の組み合わせによって、本発明では太幅配線の段差(高い段差)を維持しつつ、細幅配線の段差(低い段差)を選択的に研磨できる。通常、研磨作用は、高い段差のものから研磨されていき、最後に低い段差が研磨されて全体として平坦な表面を生じさせるから、低い段差から研磨されて先に低い段差が解消し、高い段差は依然として残るという本発明の作用効果は当業者に全くの予想外のものである。

Claims (5)

  1. 被研磨物を研磨する研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記研磨層はポリウレタン樹脂と該ポリウレタン樹脂に分散された微小中空球体とを有し、
    前記ポリウレタン樹脂はイソシアネート成分を含むプレポリマーと硬化剤との反応生成物であり、
    前記硬化剤はポリアミン及びポリオールからなり、
    前記硬化剤の水酸基比率が10〜50であり、ここで、前記水酸基比率は、硬化剤中のアミノ基の数を100とした場合の硬化剤中の水酸基の数の割合である、
    前記微小中空球体は平均気泡径が20μm未満である、
    ことを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記水酸基比率が15〜30である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記ポリアミンが3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンであり、前記ポリオールがポリテトラメチレングリコール又はポリプロピレングリコールである、請求項1または2に記載の研磨パッド。
  4. 前記プレポリマーが、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により調製される、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
  5. プレポリマーのNCO当量が400〜550である、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
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