JP2020049458A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】色ムラが少ない画像を得ること。【解決手段】中間転写体の表面の表面自由エネルギーが30mJ/m2以下であって、前記中間転写体の表面に互いに独立した複数の凹部が形成されており、処理液を中間転写体の表面に付与する処理液付与工程が、前記処理液を前記中間転写体の表面に供給する処理液供給工程と、前記中間転写体の表面を摺動する摺動部材で前記中間転写体の表面に供給された処理液を均す処理液均し工程を含むことを特徴とする画像形成方法。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
近年、印刷物の多品種小ロット化や短納期化といった市場の要求に応える上で、インクジェット方式による画像形成方法、及びそれを用いた装置が好適な技術として注目されている。しかし、この方式においては、記録媒体とインクジェット記録ヘッドの接触による記録ヘッドの破損や、紙粉等による記録ヘッドの吐出安定性の低下等が発生する場合がある。このような問題を回避するために、中間転写体上にインクジェット記録ヘッドにより中間画像を形成し、それを所望の記録媒体に転写して最終画像を形成する方式(転写型インクジェット記録方式)が、各種提案されている。特許文献1には、ドラム上に染料インクで描画を行い、それを記録媒体に転写するインクジェットプリンターが提案されている。 転写型インクジェット記録方式において、中間転写体の表面上に、インクの流動性を低下させるための処理液を付与する場合がある。この処理液の付与は、中間転写体上に付与したインクを流動させず、形成した中間画像を良好に保持することを目的としている。
一般的に、処理液はインク高粘度化成分を含有している。インク高粘度化成分は、インクの一部である色材や樹脂等と化学的に反応し、あるいは物理的に吸着することでインク全体の粘度を上昇させたり、色材等インクの一部を凝集させたりする機能を有している。インク高粘度化成分は、これらの機能によって付与されたインクの粘度を上昇させることができる。
しかしながら、中間転写体表面に付与する処理液の量が不均一であると、形成される中間画像の色ムラが発生し、画像品位のばらつきが増加する。このため、中間転写体表面に付与される処理液の量は均一であることが望ましい。中間転写体の表面上に処理液を付与する手段としては、一般的にロールコート等を用いる。ロールコートにおいて、処理液の付与量を精密にコントロールする方法としては、グラビアローラーの外周面上に処理液を供給した後、ブレードにより所定量の処理液を掻き落としてから中間転写体上に付与する方法が優れている。特許文献2には、中間転写体への処理液の付与量の更なる均一化を目的として、ブレードに近接する位置に処理液を供給する開口部を設けた塗布装置が提案されている。
特開昭59−225958号公報 特開2009−240925号公報
しかしロールコートにおいては、ローラの外周面上の処理液の量を精密に制御しても、処理液をローラから中間転写体に転移させる工程において、転移量のムラが発生する場合がある。
また、中間転写体の表面に紙粉等のゴミが付着していると、処理液の付与量を均一にしてもそのゴミによって処理液の弾きやムラが発生する場合がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、中間転写体の表面に付与される処理液の付与量を均一にすることにより、色ムラが少ない画像を得ることを目的とする。
本発明の画像形成方法は、
(1)インクの流動性を低下させるための処理液を中間転写体の表面に付与する処理液付与工程と、
(2)前記処理液が付与された前記中間転写体の表面に、インクを付与して画像を形成するインク付与工程と、
(3)前記画像を記録媒体に転写する転写工程と、
を含む画像形成方法において、
前記中間転写体の表面の表面自由エネルギーが30mJ/m以下であって、前記中間転写体の表面に互いに独立した複数の凹部が形成されており、
前記処理液付与工程が、前記処理液を前記中間転写体の表面に供給する処理液供給工程と、前記中間転写体の表面を摺動する摺動部材で前記中間転写体の表面に供給された処理液を均す処理液均し工程を含むことを特徴とする。
また本発明の画像形成装置は、インクの流動性を低下させるための処理液を中間転写体の表面に付与する処理液付与装置と、
前記処理液が付与された前記中間転写体の表面に、インクを付与して画像を形成するインク付与装置と、
前記画像を記録媒体に転写する転写装置と、
を有する画像形成装置において、
前記中間転写体の表面の表面自由エネルギーが30mJ/m以下であって、前記中間転写体の表面に互いに独立した複数の凹部が形成されており、
前記処理液付与装置が、前記処理液を前記中間転写体の表面に供給する処理液供給装置と、前記中間転写体の表面を摺動して前記中間転写体の表面に供給された処理液の均し処理を行う摺動部材を有する
ことを特徴とする。
本発明によれば、色ムラが少ない画像を得ることができる。
一実施形態の画像形成方法に用いる画像形成装置を表す模式図である。 一実施形態の画像形成方法に用いる中間転写体を表す模式図である。
本発明の一実施形態は、
(1)インクの流動性を低下させるための処理液を中間転写体の表面に付与する処理液付与工程と、
(2)前記処理液が付与された前記中間転写体の表面に、インクを付与して画像を形成するインク付与工程と、
(3)前記画像を記録媒体に転写する転写工程と、
を含む画像形成方法に関するものである。
以下では、具体例を挙げて、本実施形態の画像形成方法及び中間転写体を説明する。
本実施形態の画像形成方法ではまず、中間転写体の複数の凹部を有する表面上に、インクの流動性を低下させるための処理液(以下、単に「処理液」ともいう)を付与する(処理液付与工程)。具体的には、処理液を中間転写体の表面に供給し(処理液供給工程)、次に、中間転写体の表面を摺動する部材(摺動部材)を用いて中間転写体の表面に供給された処理液を均す処理を行う(処理液均し工程)。この処理液均し処理は、中間転写体の表面の凹部を処理液で満たしながら、余剰量の前記処理液を除去する。この後、中間転写体の表面にインク付与する(インク付与工程)ことにより中間画像を形成した後、中間画像を記録媒体に転写する(転写工程)。
中間転写体の表面を摺動する部材を用いて中間転写体の表面の凹部を処理液で満たしながら余剰量の処理液を除去することによって、中間転写体上の処理液の量を均一にすることができる。従って、中間転写体上で処理液とインクを均一に反応させて色ムラが少ない中間画像を形成することができる。この結果、記録媒体へ転写した後の画像も色ムラが少ない。
特に中間転写体の表面上にゴミ等が付着している場合においても、本実施形態では、摺動部材でゴミを含む表面上の余分な処理液を除去して、処理液の量を効率的に均一化することができるため、ゴミ等による処理液の弾きやムラを低減できる。
図1は一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。図1において、表面に複数の微細な凹部101Bを有する中間転写体101は、回転可能な無端ベルト状の支持部材の外周面上に配置されている。中間転写体101は矢印方向に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各機構が作動するようになっている。中間転写体101の形態は、その表面が記録媒体109と接触可能なものであれば良く、適用する画像形成装置の形態ないしは記録媒体への転写条件に合わせて、例えばローラ状、ドラム状の物を好適に使用することができる。特に、図1の実施形態のようなベルト状の無端ウェブ構成やドラム状の中間転写体101を用いると、同一の中間転写体101を連続して繰り返し使用することが容易となり、生産性の面からも極めて好適な構成となる。
以下に、本実施形態に係る画像形成方法の概略を説明する。まず、画像供給装置(図示せず)から画像データが送信され、画像形成装置に画像形成を行うように指示する。そして、その画像データについてインクジェット記録ヘッド105により画像形成を行うための所要の画像処理が行われる。具体的には、中間転写体101が回転すると共に、ロールコーター(処理液付与装置)103によって、中間転写体101の表面上にインクの流動性を低下させるための処理液102が付与される。処理液付与装置としては、ロールコーターだけでなく、スプレーコーター、バーコーター等、従来から用いられている技術をいずれも好適に使用可能である。ここで、ロールコーター103により処理液102を付与する際、処理液102の付与量を精密に制御する必要はない。中間転写体101の表面の凹部101Bの容積に対して十分な量を塗布すれば良く、凹部101Bの容積に対して過剰量の処理液102を付与しても良い。処理液の塗布量は例えば、10.0g/m程度である。
次の工程として、摺動部材としてのブレード104が処理液102を付与した中間転写体101の表面を摺動する。これにより、中間転写体101の表面に付与された処理液102が凹部101Bに充填され、かつ凹部101Bの内部以外の個所に付与された処理液102は除去される。その結果、中間転写体101上に残留した処理液102の量は、常に凹部101Bの容積と略同量となる。このため、ローラー103から中間転写体101に処理液102を転移させる際に発生する転移量のムラを低減できる。
なお、中間転写体101の凹部以外の部位101Aの表面に付与された処理液102は必ずしも完全に除去される必要は無く、部位101Aの表面に残留した処理液102が少量であれば本実施形態の効果に悪影響を及ぼさない。好ましくは、凹部以外の部位101Aの表面上の処理液の容積は、凹部内に充填された処理液の容積の10%以下であるのが良い。すなわち、中間転写体表面の処理液が付与された全領域において、凹部以外の部位101A上に存在する処理液102の総容積は、各凹部内に充填された処理液102の総容積の10%以下であることが好ましい。除去された余剰な処理液102は、そのまま廃液として廃棄されても良いし、図示しない回収装置によって回収されて再びロールコーター103によって中間転写体101の表面に付与されても良い。また、中間転写体101の表面にゴミ等が付着していた場合でも、ブレードによって余剰な処理液102ごと除去されるため、ゴミに起因する処理液のハジキやムラが低減される。
ブレード104は中間転写体101表面を摺動して処理液102を除去できるものであればブレード形状に限定されるものではなく、丸棒形状、角棒形状なども例示できるが、除去効率の観点からブレード形状が優れている。
ブレード104の材料は所望の機械的強度や耐久性を有し、中間転写体101表面を摺動できるものであれば特に制限されないが、ゴム製のブレードが好適である。金属やプラスチックだと中間転写体の表面へのダメージが強く、中間転写体の削れを引き起こす場合がある。また、中間転写体の表面の凹部を変形させて、凹部の内部の処理液を再び押し出してしまい、凹部に処理液を十分に充填できない場合がある。また中間転写体表面にうねりが存在する場合、中間転写体表面との間に隙間ができる箇所が生まれ、除去不足になってしまう場合がある。ゴムのブレードは中間転写体表面へのダメージは低い一方、余剰な処理液を除去するのに十分な硬さを持っている。また、ゴム製のブレードは中間転写体の表面のうねりに沿って変形するため、隙間ができずに摺動できる。
ブレード内のゴムの種類としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、EPDM、NBR、クロロプレンゴム等を例示できる。ゴムの硬度としてはデュロメータ・タイプA(JIS K6253準拠)硬度30度以上90度以下を例示できる。
次の工程として、処理液102が付与された中間転写体101の表面に、画像形成用のインクを、インクジェット記録ヘッド(インク付与装置)105を用いて選択的に中間転写体101上に付与して中間画像106を形成する。この際、付与されたインクは中間転写体101の表面で処理液102と接触することで化学的及び/又は物理的反応を起こし、中間画像の流動性が低下する。その結果、インクドット同士が引き寄せあったり混ざりあったりする等の現象は低減される。中間転写体101上の凹部の大きさはインクドットのサイズに比べて微細であり、各凹部に充填された処理液は、中間転写体上に均一に分散された状態であるため、その上に付与されたインクの反応も均一に起こり均一な中間画像106を形成することができる。
次の工程として、形成した中間画像106から液体分を除去する。本実施形態では液体分の除去を行う事により、後の転写工程において余剰液体がはみ出したりあふれ出したりして、画像乱れや転写不良の原因となるのを防止できる。液体分の除去方法としては旧来から用いられている各種手法をいずれも好適に適用できる。具体的には、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、またこれらを組み合わせる手法をいずれも好適に用いることができる。また、自然乾燥により液体分の除去を行うことも可能である。図1に例示した装置では送風装置107が配置されている。この送風装置107からの送風によって中間画像106中の液体分を除去することができる。
次の工程として、中間転写体101の表面に記録媒体109を押圧して、中間画像106を記録媒体109に転写させて印刷物を得る。図1に例示した装置では加圧ローラ(転写装置)108を用いて中間転写体101と記録媒体109を加圧することで中間画像106を転写させている。また、記録媒体109への中間画像106の転写率の向上を目的として、加圧ローラ108や中間転写体101を加熱しても良い。加圧ローラ108や中間転写体101の好ましい温度範囲は40℃以上200℃以下である。この温度範囲とすることで、インク成分の変質や中間転写体101の劣化を効果的に抑制することができる。
また、中間転写体101は生産性の観点から繰り返し連続的に用いることがあり、その際には次の中間画像の形成を行う前に表面を洗浄再生することが好ましい。洗浄再生手段としては、旧来から用いられている各種手法をいずれも好適に適用できる。中間転写体101の表面にシャワー状に洗浄液を当てる方法、濡らしたモルトンローラを中間転写体101の表面に当接させ払拭する方法、洗浄液面に接触させる方法、中間転写体101の表面に各種エネルギーを付与する方法等も好適に使用できる。無論、これらを複数、組み合わせる手法も好適である。図1に例示した装置では、洗浄再生手段としてモルトンローラ110が配置されており、ベルト状の中間転写体101表面に、転写後に残留しているインク成分や紙粉等を取り除けるようになっている。
以上のようにして画像供給装置から送信された画像データについての処理が終われば、本画像形成手順は終了する。なお、追加工程として、転写された画像を有する印刷物を定着ローラで加圧し、画像の表面平滑性を高めるようにしても良い。また、この際、定着ローラを加熱して画像に堅牢性を持たせるようにしても良い。
次に、本実施形態の画像形成方法を用いる際に使用する画像形成装置の主要な構成部材について詳細に説明する。
[中間転写体]
本実施形態に適用される中間転写体は、支持部材と支持部材上に設けられた画像形成面を含む表層部材を有し、表層部材はその表面に複数の凹部を有している。凹部の形状は表層部材の表面から窪んだ形状であれば特に限定されず、凹部が伸びる方向も特に制限は無い。中間転写体の表面を正面(中間転写体の表面に対して垂直な方向;平面視となる方向)から見た場合、凹部の開口部の形状は円形、多角形等のいずれでも良い。凹部が特定方向に伸びる場合、例えば、直線、曲線、ジグザグ状等であっても良い。また、凹部の断面(中間転写体の表面に対して垂直な方向と平行な方向の面)の形状も矩形、三角形、ドーム形状等のいずれでも良い。
図2(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る中間転写体101の表面の一部を示す模式図であり、中間転写体を正面から見た場合の図、及びA−B断面を示す図である。凹部201としては(a)に示すような直方体の形にくり抜かれた形状や、(b)に示すような四角推形にくり抜かれた形状等を用いることができる。
個々の凹部の深さdは、表層部材の表面から各凹部の最深部までの距離として定義される。この個々の凹部のうちの90%以上は、深さdが2.0×10−6m以下であることが望ましい。深さdが2.0×10−6mを超える凹部の割合が多くなると、処理液の塗布時に凹部の気泡が抜けきらず処理液が十分に凹部に充填できない場合がある。また、転写工程やブレード摺動工程において中間転写体101表面にかかる圧力に対する耐久性が劣り、凹形状が不可逆的に変形してしまう場合がある。
また、個々の凹部のうち90%以上は、容積が60.0×10−18以下であることが望ましい。容積が60.0×10−18を超える凹部の割合が多くなると凹部に充填された処理液を凹部内で保持できず、処理液同士の寄り集まりが発生し、処理液の均一な塗布状態が得られない場合がある。
また、中間転写体の表面の投影面積1m当たりに形成されている凹部の合計の容積は、中間転写体にインクが付与される際に、インクと接触する処理液の量を規定する。この中間転写体の表面の投影面積1m当たりに形成されている凹部合計の容積は、0.1×10−6以上5.0×10−6以下であることが好ましい。凹部合計の容積がこの範囲にある場合、処理液とインクが接触・反応した際にはインクの流動性を十分に低下させることができ、インクに対する処理液の量も適量とできる。より好ましくは0.1×10−6以上1.2×10−6以下である。
中間転写体の表面に凹部を形成する手段としては、サンドブラストや切削加工、ナノインプリントを含むプレス成形等が挙げられる。特に、サブミクロンからナノメートルレベルの寸法の均一な溝形状を広い面積に形成するためには、ナノインプリントが好適である。その場合、所望のサブミクロンからナノメートルレベルの寸法の溝形状のネガパターンを有する金型は、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて作製することが精度、工程の簡便さの両面で適している。
また、中間転写体101の凹部内と、凹部以外の表面上に付与された処理液102の量は、処理液102が付与された状態の中間転写体101表面や断面を光学顕微鏡や電子顕微鏡にて観察することで計測できる。
中間転写体は、画像形成面を有する表面層を少なくとも有する。中間転写体の構成部材としては、転写時にかかる圧力によって弾性変形でき、様々な記録媒体の表面に中間画像を均一に圧着できることから、ゴム材料、エラストマー材料等のゴム弾性体が望ましい。
また、中間転写体から記録媒体への画像転写効率の面から、中間転写体はその表面自由エネルギーが30mJ/m以下である必要がある。下限値は特に限定されないが、例えば7mJ/mである。なお、本発明においては、純水、n−ヘキサデカン、ヨウ化メチレンに対する静的接触角を測定し、各接触角をFowkesの拡張式およびYoung−Dupreの式に代入して求められる値を中間転写体の表面自由エネルギーと定義する。このような表面自由エネルギーを有する好適な材料の具体例としてはシリコーンゴム、フッ素ゴムが挙げられる。
中間転写体の表面層は、デュロメータ・タイプA硬度(JIS K 6253準拠)で10度以上100度以下の硬度を有することが好ましく、その下限が20度以上であることがより好ましく、更にその上限が60度以下であることが更に好ましい。
また、表面層は、その表面に低表面自由エネルギーを有する材料をコーティングする等、複数の材料を積層して用いても良い。具体的にはウレタンゴムの表面にアクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物をコーティングしたものが挙げられる。
本発明における中間転写体は、圧力変動を吸収する機能を有する圧縮層を有することができる。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速印刷時においても良好な転写性を維持することができる。圧縮層の部材としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム材料が挙げられる。圧縮層としては、これらのゴム材料の成形時に、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し多孔質のゴム材料としたものが好ましい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、多孔質のゴム材料からなる圧縮層は、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものが挙げられる。本発明ではいずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
本発明では、表面層と圧縮層の間に、これらを固定・保持するために各種接着剤や両面テープを用いてもよい。また、装置に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために、フィルムによって圧縮弾性率が高い補強層を設けてもよい。また、織布を補強層としてもよい。中間転写体は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
また、中間転写体の大きさは、目的の印刷画像サイズに合わせて自由に選択することができる。
中間転写体の支持部材は、必要に応じ設置することができる。支持部材への中間体の設置には、各種接着剤や両面テープを用いてもよい。又は、中間転写体に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付け、この設置用部材を用いて中間転写体を支持部材上に固定・保持してもよい。
支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。支持部材の材質には金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。中でも特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましく用いられる。またこれらを組み合わせて用いるのも好ましい。支持部材は、適用する記録装置の形態又は記録媒体への転写態様に合わせ、例えばローラ状、ベルト状のものを好ましく使用することができる。
[処理液]
処理液は、インク高粘度化成分として、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子等、旧来から公知の物を特に制限無く含有することができる。これらの中でも特に多価の金属イオン及び有機酸が好適である。また、複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。なお、処理液中のインク高粘度化成分の含有量は、処理液全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。 具体的に、インク高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、二価や三価の金属イオンを挙げることができる。二価の金属イオンとしてはCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+等が挙げられ、三価の金属イオンとしてはFe3+、Cr3+、Y3+及びAl3+等が挙げられる。
また、具体的に、インク高粘度化成分として使用できる有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
処理液は、適量の水及び/又は有機溶剤を含有していても良い。この場合に用いる水はイオン交換等により脱イオン化した水であることが好ましい。処理液に用いることのできる有機溶剤としては特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。また、処理液中には、各種樹脂を添加することもできる。適当な樹脂を添加しておくことで転写時の記録媒体への接着性を良好なものとしたり、最終画像の機械強度を高めたりすることが可能であり、好適である。用いる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。また、処理液には界面活性剤や粘度調整剤を加えて、その表面張力や粘度を適宜調整して用いることができる。用いる材料としては、インク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。例えば、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤等の中から選択することができる。また、これらの材料を2種類以上、混合して用いることも可能である。一般的に、中間転写体の表面は、転写性の観点からフッ素系材料もしくはシリコーン系材料等の表面自由エネルギーの低い材料で構成されている。そのような表面に対しては特にフッ素系若しくはシリコーン系の界面活性剤は効果が高く、好適である。これらの界面活性剤の添加量は、十分に処理液の表面張力を低下させ、中間転写体101の凹部101Bに処理液を保持させるために処理液中の含量を0.1質量%以上とすることが好ましい。
処理液の粘度としては、中間転写体の表面上の余剰な処理液を除去する工程の前の、処理液の粘度、即ち、処理液供給工程において、中間転写体の表面に供給された処理液の粘度は50mPa・s以上1000mPa・s以下の範囲であることが望ましい。この範囲外にあると摺動部材での除去に適さず、中間転写体表層の凹部の容積と、除去後の中間転写体の表層上の処理液の量の相違が大きくなる場合がある。また、中間転写体の表面を摺動する部材で中間転写体の表面の凹部を処理液で満たして、余剰量の処理液を除去した後の粘度、即ち、インク付与時の処理液の粘度は、10000mPa・s以上であることが望ましい。これより低いと、余剰な処理液が掻き落とされた後に処理液が各凹部内を満たした状態を保持できる時間が短くなり、経時的に処理液が弾かれていき、インク付与より前に処理液の寄り集まりが発生する場合がある。インク付与時の粘度の上限は特に限定されないが、例えば500000mPa・s以下である。
即ち、前記摺動部材による均し処理後の処理液の粘度は、インク付与時に前述の範囲に上昇させることが好ましい。処理液の粘度上昇の方法としては、例えば、処理液に、水及び/又は揮発性の有機溶剤を含有させればよい。このようにすることで、中間転写体の表面上の余剰の処理液を除去した後に、経時的に水や溶剤が揮発していくことで中間転写体の表面の凹部に満たされた処理液の粘度を上昇させることができる。なお、中間転写体の表面のうち、水や揮発性の溶剤を含有する処理液を付与されており、摺動部材による均し処理後に、その粘度が上昇し得る領域を粘度上昇用の領域ともいう。
[インク]
インクは、色材として顔料及び染料の少なくとも一方を含有することができる。染料及び顔料としては、特に限定されず、インクの色材として利用し得るものから選択し、その必要量を用いることができる。例えば、インクジェット用のインクとして公知の染料やカーボンブラック、有機顔料等を用いることができる。染料及び/又は顔料を液媒体に溶解及び/又は分散させたものを用いることができる。これらの中でも、各種顔料は印刷物の耐久性や品位に特徴があり好適である。インク中に用いることのできる顔料としては特に限定されず、公知の無機顔料・有機顔料を用いることができる。具体的にはC.I.(カラーインデックス)ナンバーで表わされる顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることも好ましい。インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
顔料を分散させる分散剤としては、従来から公知のインクジェット記録に用いられるものであれば、いずれも使用することができる。これらの中でも分子構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤を好ましく用いることができる。ここで用いる各モノマーについては特に制限はなく、旧来から公知の物を好適に用いることができる。
具体的には、疎水性モノマーとしてはスチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を挙げることができる。分散剤の酸価は50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、分散剤の重量平均分子量は1000以上50000以下であることが好ましい。なお、顔料と分散剤の質量比としては1:0.1以上1:3以下の範囲であることが好ましい。また、分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能とした、いわゆる自己分散性顔料を用いることも本実施形態においては好適である。
本実施形態におけるインクは、色材を有しない各種粒子を含有したものを用いることができる。中でも樹脂粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり、この樹脂粒子を添加したインクが好適である。樹脂粒子の材料としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜、用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物もしくはこれらを複数組み合わせた共重合物が挙げられる。樹脂の質量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。また、インク中における樹脂粒子の量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
本実施形態では、インクの調製には、樹脂粒子が液中に分散した樹脂粒子分散体を用いることが好ましい。樹脂粒子の分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種、共重合させた樹脂を用いて分散させた、いわゆる自己分散型樹脂粒子分散体が好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、これらの解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂粒子を分散させた。いわゆる乳化分散型樹脂粒子分散体も、同様に本実施形態では好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤はノニオン性か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ物が好適である。インクである樹脂粒子分散体において、樹脂粒子は10nm以上1000nm以下の分散粒径をもつことが望ましく、100nm以上500nm以下の分散粒径をもつことがより望ましい。
また、インクである樹脂粒子分散体を作製する際には、その安定化のために各種添加剤を加えることも好ましい。添加剤としては例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(ブルーイング剤、Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が好適である。
インクは、更に界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレノ−ルEH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
インクは、溶剤として水及び/又は水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオン化した水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。
具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
上記成分以外にも、本実施形態のインクは必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂及びその中和剤、粘度調整剤等種々の添加剤を含有してもよい。
次に、本発明にかかる画像形成方法の実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
[中間転写体1の作製]
中間転写体1の作製例及び構成例を以下に示す。まず、既知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いてシリコン基板を加工し、中間転写体の表面形状を形成するためのシリコン製モールドを作製した。次いで、ハーベス製離型剤デュラサーフHD−1101TH(商品名)にモールドをディッピングした。そして24時間室温で静置した後、住友スリーエム製ノベックHFE−7100(商品名)でリンスを行い、余剰の離型剤を除去した。次いで、信越化学工業製シリコーンゴムSIM−260(商品名)と硬化剤CAT−260(商品名)を10:1の質量比で混練し、支持部材であるポリイミドフィルム上にコーティングした。そして、上記のようにして作製したシリコン製モールドをコーティングされたシリコーンゴム上にプレスし、150℃で30分間、加熱してシリコーンゴムを硬化させた。この後、モールドを除去し、表面に微細な凹部を有する中間転写体1を作製した。
[容積の測定]
走査型電子顕微鏡にて作製した中間転写体1の表面及び断面を観察したところ、図3に示すような、表面全体に独立した凹部が形成されていた。各凹部の断面は図3に示すような矩形であり、その寸法は幅w=5.0μm、s=2.0μm、深さd=2.5μmであった。また、凹部1個分の容積は62.5×10−18、中間転写体の表面1m当たりに存在する凹部の合計容積は1.3×10−6であった。
[表面自由エネルギーの測定]
中間転写体の表面自由エネルギーは、以下に示すように、別途測定用の表面の平坦なサンプルを作製して測定した。
まず、未加工の平坦なシリコン基板をモールドとして用いた以外は中間転写体1の作製と同様の手順で、表面の平坦なシリコーンゴムSIM−260の硬化物のサンプルを作製した。このシリコーンゴムについて、接触角計(協和界面科学製CA−X)を用いて純水、n−ヘキサデカン、ヨウ化メチレンに対する静的接触角を測定し、表面自由エネルギーを算出した。その結果、シリコーンゴムSIM−260の硬化物の表面自由エネルギーは22mN/mであった。
[中間転写体2〜6の作製]
同様の手法により、表1に示すような表面形状を有する中間転写体2〜6を作製した。中間転写体1〜6の凹部の幅w、s、深さd、凹部1個分の容積及び表面1m当たりに存在する凹部の合計容積を表1に示す。
Figure 2020049458
[処理液の調製]
処理液として以下の表2に記した組成の4種類の混合物を調製し、よく撹拌し、処理液1から4とした。
また処理液の粘度を、除去工程の前の状態(表2の塗布前)及び除去工程の後の状態(表2の塗布後)における各処理液を回収し、測定温度25℃にて、コーンプレート型回転粘度計を用いて計測した。
Figure 2020049458
[インクの調製]
以下の表3に記した組成のインクを調製した。
Figure 2020049458
(実施例1)
上記のようにして作製した中間転写体、処理液、及びインクを用い、図1の画像形成装置を使用して下記(a)〜(d)の画像形成工程を10回行った。
(a)中間転写体の表面上に、インクの流動性を低下させるための処理液を付与する工程
作製した中間転写体1(図1の101)の表面に対して、ロールコーター103を用いて、処理液1(図1の102)を塗布した。塗布量は約10g/mであった。次いで、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のブレード104を速度1.0m/secで中間転写体101の表面上を摺動させて、中間転写体101の表面に塗布された処理液を除去した。ブレードと中間転写体101の表面のなす角度は60°、中間転写体の搬送方向とブレードの長手方向のなす角度は90°に設定した。
この段階で光学顕微鏡にて中間転写体101の表面の処理液の塗布状態の観察を行った。また、残留している処理液の量を測定した。
(b)中間転写体上にインクを付与して中間画像を形成する工程
インクジェット記録装置105(ノズル配列密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数12kHz)により、中間転写体の表面上にインクを付与した。これにより、処理液1とインクを反応させて、中間転写体101の表面上に、ミラー反転させた中間画像106を形成した。
(c)中間転写体上の中間画像から液体分を減少させる工程
送風機107を用いて中間転写体上の中間画像106に温風を当てて、中間画像中の液体分を減少させた。
(d)記録媒体に中間画像を転写する工程
中間転写体上の中間画像106と記録媒体109を加圧ローラ108により1.0MPaで加圧して、中間画像を記録媒体に転写させた。記録媒体109には日本製紙製オーロラコート紙を用いた。
(実施例2〜9、比較例1〜8)
下記表4に示すブレード材、中間転写体及び処理液を用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例2から9の画像形成を行った。また、下記表4に示す中間転写体及び処理液を用い、かつ処理液の塗布方法としてグラビアローラーによる塗布を行った以外は実施例1と同様の方法により、比較例1から5の画像形成を行った。
[評価]
評価1
10回の画像形成工程における、中間転写体の表面上に処理液を付与する工程後の(単位面積当たりの中間転写体上の処理液の体積V1)/(単位面積当たりの凹部の容積V2)の値を、下記の基準に従って評価した。V1は処理液塗布前後の中間転写体の質量変化から計測した。
A:10回のV1/V2が全て0.9以上1.1以下の範囲である。
B:10回のV1/V2が全て0.8以上1.2以下の範囲である。
C:10回のV1/V2が全て0.7以上1.5以下の範囲である。
D:10回のV1/V2が全て0.5以上2.0以下の範囲である。
E:10回のV1/V2が全て0.1以上3.0以下の範囲である。
評価2
10回の画像形成工程における、中間転写体の表面上に処理液を付与する工程から1分後の、中間転写体表面の処理液が凹部に充填されて均一に塗布されている面積の割合F1を、下記の基準に従って評価した(小数点以下は四捨五入した)。
A:10回のF1が全て91%以上100%以下の範囲である。
B:10回のF1が全て71%以上90%以下の範囲である。
C:10回のF1が全て31%以上70%以下の範囲である。
D:10回のF1が全て11%以上30%以下の範囲である。
E:10回のF1が全て0%以上10%以下の範囲である。
評価3
10回の画像形成工程における、中間転写体の表面上に処理液を付与する工程から5分後の、中間転写体表面の処理液が凹部に充填されて均一に塗布されている面積の割合F5を、下記の基準に従って評価した(小数点以下は四捨五入した)。
A:10回のF5が全て91%以上100%以下の範囲である。
B:10回のF5が全て71%以上90%以下の範囲である。
C:10回のF5が全て31%以上70%以下の範囲である。
D:10回のF5が全て11%以上30%以下の範囲である。
E:10回のF5が全て0%以上10%以下の範囲である。
評価4
記録媒体上の画像を下記の基準に従って評価した。
○:インクドットの意図しない移動や引き寄せあいによる画像の色ムラがほとんど見られない。
×:インクドットの意図しない移動や引き寄せあいによる画像の色ムラが多く見られる。
各評価の評価結果を表4に示す。
Figure 2020049458
以上の結果から明らかなように、本発明によれば簡便な構成で色ムラの少ない高品位な画像を得ることができる。
101 中間転写体
102 処理液
103 ロールコーター
104 ブレード
105 インクジェット記録ヘッド
106 インク
107 送風装置
108 加圧ローラ
109 記録媒体
110 モルトンローラ
201 中間転写体の凹部

Claims (15)

  1. (1)インクの流動性を低下させるための処理液を中間転写体の表面に付与する処理液付与工程と、
    (2)前記処理液が付与された前記中間転写体の表面に、インクを付与して画像を形成するインク付与工程と、
    (3)前記画像を記録媒体に転写する転写工程と、
    を含む画像形成方法において、
    前記中間転写体の表面の表面自由エネルギーが30mJ/m以下であって、前記中間転写体の表面に互いに独立した複数の凹部が形成されており、
    前記処理液付与工程が、前記処理液を前記中間転写体の表面に供給する処理液供給工程と、前記中間転写体の表面を摺動する摺動部材で前記中間転写体の表面に供給された処理液を均す処理液均し工程を含む
    ことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記中間転写体の表面1m当たりに形成されている凹部の合計の容積が0.1×10−6以上5.0×10−6以下であり、個々の凹部のうちの90%以上の凹部の深さが2.0×10−6m以下であり、かつ容積が60.0×10−18以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記摺動部材が、ブレードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記処理液均し工程により前記複数の凹部内に前記処理液が満たされることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記処理液供給工程により前記中間転写体の表面に余剰量の前記処理液が供給され、前記処理液均し工程により前記中間転写体の表面から余剰量の処理液が除去されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記中間転写体の表面に供給された処理液の粘度が50mPa・s以上1000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記インク付与時の処理液の粘度が、10000mPa・s以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. インクの流動性を低下させるための処理液を中間転写体の表面に付与する処理液付与装置と、
    前記処理液が付与された前記中間転写体の表面に、インクを付与して画像を形成するインク付与装置と、
    前記画像を記録媒体に転写する転写装置と、
    を有する画像形成装置において、
    前記中間転写体の表面の表面自由エネルギーが30mJ/m以下であって、前記中間転写体の表面に互いに独立した複数の凹部が形成されており、
    前記処理液付与装置が、前記処理液を前記中間転写体の表面に供給する処理液供給装置と、前記中間転写体の表面を摺動して前記中間転写体の表面に供給された処理液の均し処理を行う摺動部材を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記中間転写体の表面1m当たりに形成されている凹部の合計の容積が0.1×10−6以上5.0×10−6以下であり、個々の凹部のうちの90%以上の凹部の深さが2.0×10−6m以下であり、かつ容積が60.0×10−18以下であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記摺動部材がブレードであることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
  11. 前記摺動部材による摺動により、前記中間転写体の表面に供給された処理液が均されて、前記複数の凹部内が前記処理液により満たされることを特徴とする請求項8から10いずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記処理液供給装置により前記中間転写体の表面に余剰量の前記処理液が供給され、前記摺動部材により前記中間転写体の表面から余剰量の処理液が除去されることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記処理液供給装置により前記中間転写体の表面に供給される処理液の粘度が50mPa・s以上1000mPa・s以下であることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記摺動部材による均し処理後の処理液を有する中間転写体の表面が、該処理液の粘度を上昇させて前記インク付与装置での画像形成に供給する粘度上昇用の領域を有することを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記インク付与装置での画像形成に供給される処理液の粘度が、10000mPa・s以上であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
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