JP2014097608A - 画像記録方法 - Google Patents

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【課題】工程が煩雑でなく、中間転写体上に形成された中間画像の画像品位と転写性とが両立でき、中間転写体上に均一に処理液も塗布できる画像記録方法を提供する。
【解決手段】明細書中に定義される、膨潤工程、中間画像形成工程、液体減少工程及び転写工程をこの順に有する画像記録方法であって、前記膨潤工程によって、前記中間画像形成工程に供する中間転写体における、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmが30μm以下となりかつJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均高さRcが0.5μm以上となるように調整し、前記液体減少工程によって、前記転写工程に供する中間転写体のRcを、前記中間画像形成工程に供する中間転写体のRcの0.5倍以下となるように調整することを特徴とする画像記録方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、転写型インクジェット印刷方式等の画像記録方法に関するものである。
近年、印刷物の多品種小ロット化や短納期化といった市場の要求に応える上で、インクジェット画像記録方式およびそれを用いた装置が好適な技術として注目されている。しかしこの方式においては、記録紙とインクジェット記録ヘッドの接触による記録ヘッドの破損や、紙粉等による記録ヘッドの吐出安定性の低下等が発生する場合があった。
このような現象を回避するために、従来、中間転写体上にインクジェット記録ヘッドにより中間画像を形成し、それを所望の記録媒体に転写し最終画像を形成する方式(転写型インクジェット印刷方式)が各種提案されている。特許文献1には、ドラム上に染料インクで描画を行い、それを記録媒体に転写するインクジェットプリンタが提案されている。
このような転写型インクジェット印刷方式の場合、中間転写体から記録媒体への画像転写効率の面から、中間転写体は表面自由エネルギーが低いことが望ましい。しかし、表面自由エネルギーの低い中間転写体上に中間画像を形成すると、インクの表面張力により隣接するインクドット同士が引き寄せあったり混ざりあったりする等の現象が起きることがあり、画像品位が低下する場合がある。これらの現象は、通常、中間転写体の表面粗さが小さく平滑なほど発生しやすい。一方、中間転写体の表面粗さが大きい場合は、上記現象は起こりにくいが、中間画像を記録媒体に転写する際の転写率が低くなる場合があった。
特許文献2には、中間転写体表面に凹凸形状を形成した後中間画像を形成し、記録媒体に転写する際の圧力及び加熱により、転写と同時に中間転写体表面を平滑にするという画像形成装置及び画像形成方法が開示されている。この方法によれば中間転写体の表面粗さが大きくても、転写時には表面は平滑になるため転写性が低下することはない。
特開昭59−225958号公報 特開2009−078391号公報
しかしながら、特許文献2には、中間転写体に対して凹凸形状を形成する方法として、凹凸ローラを中間転写体表面に押し当てる方法が記載されている。しかし、この方法では、凹凸ローラから中間転写体に対して繰り返し高い圧力をかける必要があり、中間転写体及び凹凸ローラの物理的な破損や、凹凸ローラから中間転写体へのごみや汚染物の付着等が発生し、中間転写体の耐久性が低下する場合があった。また、この方法では、工程が煩雑になることがあった。
これらの転写型インクジェット印刷方式では、中間転写体表面に付与したインクを流動させずに、形成した中間画像を良好に保持することを目的として、中間画像を形成する前に、中間転写体上のインクの流動性を低下させるための処理液を付与する場合がある。この際、インクと処理液との反応において、中間画像内でムラが発生しないために、処理液は中間転写体表面に均一に付与することが望ましいが、中間転写体の表面が凹凸を有している場合、処理液の均一な付与には困難を伴うことがあった。
そこで、本発明の目的は、工程が煩雑でなく、中間転写体上に形成された中間画像の画像品位と転写性とが両立でき、中間転写体上に均一に処理液も塗布できる画像記録方法を提供することである。
本発明の画像記録方法は、中間転写体に液体を含浸させて膨潤させる膨潤工程と、膨潤した中間転写体にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間転写体中の前記液体の含有量を減少させる液体減少工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程と、をこの順に有する画像記録方法であって、
前記膨潤工程によって、前記中間画像形成工程に供する中間転写体における、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmが30μm以下となり、かつ、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均高さRcが0.5μm以上となるように調整し、
前記液体減少工程によって、前記転写工程に供する中間転写体のRcを、前記中間画像形成工程に供する中間転写体のRcの0.5倍以下となるように調整することを特徴とする。
本発明により、工程が煩雑でなく、中間転写体上に形成された中間画像の画像品位と転写性とが両立でき、中間転写体上に均一に処理液も塗布できる画像記録方法が提供される。
本発明の画像記録方法に用いることのできる画像記録装置の一例の模式図である。 本発明の画像記録方法の一例のフローチャートである。
<<画像記録方法>>
本発明の画像記録方法(画像形成方法)は、(1)中間転写体に液体を含浸させて膨潤させる膨潤工程と、(2)膨潤した中間転写体にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、(3)前記中間転写体中の前記液体の含有量を減少させる液体減少工程(第1の液体減少工程)と、(4)前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程とをこの順に有する。
なお、この画像記録方法は、膨潤工程の前に、中間転写体を作製する工程を有してもよく、また、後述する画像処理工程及び転写体回転工程をこの順に有してもよい。また、中間画像形成工程の前に、中間転写体上にインクの流動性を低下させるための処理液を付与する処理液付与工程を有してもよい。さらに、中間画像形成工程の後に、中間画像を形成するインク中の液体分を減少させる第2の液体減少工程を有してもよい。また、転写工程の後に、後述する定着工程やクリーニング工程を有してもよい。
この処理液付与工程は、膨潤工程の前に行われても良いし、膨潤工程と中間画像形成工程との間に行われても良いし、処理液付与工程と膨潤工程とを同時に行っても良い。また、膨潤工程において、中間転写体を膨潤させるための液体を含む処理液を中間転写体上に付与(含浸)しても良く、即ち、膨潤工程が処理液付与工程を兼ねていても良い。膨潤工程と、中間画像形成工程との間に、処理液付与工程を行う場合は、処理液付与工程後の段階においても、中間転写体の上記RSmが30μm以下であり、かつ上記Rcが0.5μm以上である必要がある。即ち、本発明では、中間画像形成工程に供する中間転写体における、上記RSmが30μm以下となり、かつ、上記Rcが0.5μm以上となる。
なお、本発明では、処理液を中間転写体に均一に付与する観点から、中間転写体を膨潤させる前または中間転写体を膨潤させると同時に処理液を中間転写体上に付与することが好ましい。
また、上記第2の液体減少工程は、中間画像形成工程と、第1の液体減少工程との間や、第1の液体減少工程と、転写工程との間に行われても良いし、第1の液体減少工程と、第2の液体減少工程とを同時に行っても良い。また、第1の液体減少工程において、中間画像を形成するインク中の液体分を減少させても良く、即ち、第1の液体減少工程が第2の液体減少工程を兼ねても良い。なお、第2の液体減少工程では中間画像を形成するインク中の液体分が減少するが、処理液付与工程を行い、中間転写体上にインクと処理液とが付与されている場合は、この第2の液体減少工程によって、インク及び処理液両方の液体分を減少させることができる。
なお、第1の液体減少工程と、転写工程との間に、第2の液体減少工程を行う場合は、第2の液体減少工程後の段階においても、中間転写体のRcが、中間画像形成工程に供する中間転写体のRcの0.5倍以下である必要がある。即ち、本発明では、転写工程に供する中間転写体のRcが、中間画像形成工程に供する中間転写体のRcの0.5倍以下となる。
本発明の画像記録方法では、膨潤工程によって、中間画像形成工程に供する中間転写体のRSm及びRcを特定の範囲に調整し、第1の液体減少工程によって、転写工程に供する中間転写体のRcを特定の範囲に調整する。なお、膨潤工程によって、中間転写体の表面粗さ(例えば、RSm及びRc)を増大させることができ、第1の液体減少工程によって、中間転写体の表面粗さ(例えば、Rc)を減少させることができる。
以下に、図を用いて、各工程を説明する。なお、図1は本発明の一実施形態に用いることができる印刷装置の一例の概略構成を示す模式図である。また、図2は、画像処理工程、転写体回転工程、処理液付与工程、膨潤工程、中間画像形成工程、第1の液体減少工程、第2の液体減少工程及び転写工程をこの順に有する本発明の画像記録方法のフローチャートである。
<中間転写体作製工程>
本発明に用いる中間転写体は、転写型インクジェット印刷方式の分野で公知の中間転写体を適宜用いることができ、その作製方法も特に限定されない。この中間転写体は、通常、ハンドリングした際に必要な力を伝達するための支持部材上に配されて用いられる。中間転写体は、支持部材表面に直接設けられても良いし、支持部材と中間転写体との間に他の部材(例えば、接着層)を有していても良い。中間転写体は、例えば両面粘着テープ等で支持部材上に固定させることができる。
(支持部材)
支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点から、ある程度の構造強度を有していることが望まれる。支持部材の材質としては、金属、セラミック、樹脂等が好適である。中でも、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するため等について要望される特性から、アルミニウム合金等の軽量金属製の支持部材を極めて好適に用いることができる。なお、支持部材は、単一の材質(部材)から構成されていても良いし、複数の材質(部材)から構成されていても良い。
図1に示す画像記録装置では、中間転写体11は、回転可能なドラム形状の支持部材12の外周面に配置されている。
支持部材12は、中間転写体を適用する画像記録装置の形態や記録媒体18への転写態様に合わせて形状を選択することができ、中間転写体の表面が記録媒体と少なくとも線接触可能となるものであればいずれでも良い。例えば、ドラム形状、ローラ形状、ベルト形状の支持部材を好適に使用してもよい。特に、図1に示すドラム形状の支持部材や、ベルト状の無端ウエブ構成の支持部材を用いると、同一の中間転写体を連続して繰り返し使用することが可能となり、生産性の面からも極めて好適な構成となる。
(中間転写体)
中間転写体11は、液体によって膨潤することで、表面粗さ(例えば、RSmやRc)を特定の範囲に調整できるものであれば特に限定されない。なお、中間転写体は、紙などの記録媒体に、中間転写体表面に形成した中間画像を圧着させて、この中間画像を記録媒体に転写させるため、ある程度の弾性を有していることが望ましく、具体的には、圧縮弾性率が1MPa以上1GPa以下であることが望ましい。
中間転写体を形成する材料としては、ポリマー、セラミック、金属など各種材料を適宜用いることができるが、弾性が優れ、かつ、加工特性が高いことから各種ゴム材料、およびエラストマー材料が好ましく用いられる。また、各種液体に膨潤しやすいことからも、ゴム材料、エラストマー材料は好適である。より具体的には、例えば、ポリブタジエン系ゴム、ニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム、シリコン系ゴム、フッ素系ゴム、ウレタン系ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が好適である。また、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、シロキサン化合物、パーフルオロカーボン化合物等も好適に用いることができる。これらの中でも、特に、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムは、耐久性、耐熱性等の面から極めて好適に用いることができる。なお、これらの材料は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、中間転写体は、1層構成であっても良いし、2層以上の多層構成(積層構造)であっても良い。しかし、中間転写体の表面粗さの調整の観点から、膨潤工程において含浸させる液体に対する膨潤率の異なる層(材料)を積層した中間転写体を用いることが好ましい。なお、この際、中間転写体が2層以上で構成されている場合は、中間転写体を構成する層のうちの少なくとも2つの層の上記液体に対する膨潤率を異ならせることが好ましく、それ以外の層については、他の層と膨潤率が異なっていても良いし、同じであっても良い。例えば、中間転写体の表面側の2層、即ち、中間転写体の最表層と、この最表層に接触配置される層との上記液体に対する膨潤率を異ならせることができる。図1に示す画像記録装置では、最表層(上層)11aと、最表層に接する層(下層)11bとからなる中間転写体11が記載されており、これらの層の膨潤率を異ならせることが好ましい。
本発明に用いる中間転写体を構成する各層(材料)の膨潤率は、各々の材料を液体に含浸させた場合の体積変化量を測定し、その含浸前後の体積比から算出できる。
なお、中間転写体から記録媒体への画像転写効率の面から、中間転写体の表面は中間画像を剥離しやすい性質を有していることが望ましい。そのため、中間転写体の最表層を形成する材料として、フッ素樹脂やシリコン系樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物の縮合物等の離型性が良好な材料を用いることが好ましい。
上述した材料の中から、例えば、最表層に、含浸させる液体に膨潤しにくい材料を用いて、この最表層に接する層に、この液体に対して膨潤しやすい材料を用いることで、以下のようにすることができる。即ち、この液体を中間転写体に含浸させた際に、中間転写体表面に凹凸形状を容易に形成することができ、表面粗さ(RSm及びRc)を容易に増大させることができる。また、この最表層に、上記液体に対して膨潤しやすい材料を用いて、この最表層に接する層に、上記液体に対して膨潤しにくい材料を用いることによっても、同様の効果を得ることができる。
また、中間転写体の最表層の厚さは、効果的に膨潤率の差により表面に凹凸形状を形成させる観点から10μm以下が好ましく、さらに好ましくは5μm以下である。また、強度の観点から0.05μm以上が好ましい。更には、0.5μm以上2μm以下であることがより好ましい。
<画像処理工程及び転写体回転工程>
画像供給装置(不図示)から画像データが送信され、記録が指示されると、まずその画像データについて、例えばインクジェット記録ヘッド(図1に示す符号15)にて画像形成を行うための所要の画像処理が行われる(画像処理工程)。そして、画像形成を行う準備が整えば、中間転写体の支持部材12が回転軸13を中心に回転する(転写体回転工程)。
<処理液付与工程>
必要に応じて、中間転写体表面に付与したインクが流動せずに、形成した中間画像を良好に保持することを目的として、中間転写体表面にインクを付与する前に、中間転写体上にインクの流動性を低下させるための処理液を付与することができる。
上記処理液は、インクの流動性を低下させるために、通常、インク高粘度化成分を含有する。ここで、インク高粘度化成分とは、インクを構成する色材や樹脂等と接触することによって、これらの色材や樹脂等を化学的に反応させ、あるいは物理的に吸着させ、これによってインク全体の粘度を上昇させる成分を表す。なお、インク高粘度化成分とは、接触により色材などインクの一部を凝集させることにより局所的に粘度上昇を生じさせる成分をも含む概念である。
この成分は中間転写体上でのインクの流動性を低下させる効果(インクの一部の粘度を上昇させて結果的にインクの流動性を低下させる場合も含む)がある。このインク高粘度化成分としては、例えば、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子など、旧来公知の物を特に制限無く用いることができる。中でも、材料選択の自由度が高くなる観点から、特に多価の金属イオンおよび有機酸が好適である。また、処理液中に、複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。なお、処理液中のインク高粘度化成分の含有量は、インクの流動性の観点から処理液全質量に対して5質量%以上であることが好ましく、90質量%以下であることが好ましい。
具体的にインク高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。
また具体的にインク高粘度化成分として使用できる有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
本発明に用いる処理液は、適量の水や有機溶剤を含有していてもよい。この場合に用いる水は、イオン交換等により脱イオン化した水であることが好ましい。また本発明にかかる処理液に用いることのできる有機溶剤としては特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。
また、処理液には、各種樹脂を添加してもよい。適当な樹脂を添加しておくことで転写時の記録媒体への接着性を一層向上させることができ、最終画像の機械強度を一層高めることができ、好適である。この樹脂としては、インク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無く、例えば、ポリビニルアルコールを挙げることができる。
また、処理液は、界面活性剤や粘度調整剤を加えてその表面張力や粘度を適宜調整して用いることもできる。この界面活性剤や粘度調整剤としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。界面活性剤としては、例えば、アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル社製)等が挙げられ、粘度調整剤としては、例えば、多糖類などを挙げることができる。
なお、上述したように、処理液は、中間転写体を膨潤させる液体を含むこともでき、これによって、後述する膨潤工程が処理液付与工程を兼ねていても良い。この場合、用いる画像記録装置が、中間転写体を膨潤させる手段(機構)と、処理液を付与する手段とを個別に有する必要が無く、工程が簡便になるだけでなく、平滑な表面の中間転写体に対して処理液の付与を行えるため、処理液を中間転写体表面内に容易に均一に付与でき、極めて好適である。
この処理液の付与の手段としては、スプレーコーター、バーコーター等、従来用いられている技術がいずれも好適に使用可能であるが、塗布量のコントロールと生産性の観点からロールコーター形態の塗布装置が特に好適に用いられる。また同様の理由から、インクジェット方式によりインクの流動性を低下させるための処理液を吐出する記録ヘッドも極めて好適に用いることができる。
<膨潤工程>
次に、中間転写体を膨潤させる液体を中間転写体に付与(含浸)して、中間転写体を膨潤させる。この中間転写体を膨潤させる液体としては、中間転写体を膨潤出来れば特に限定されず、用いる中間転写体の材料との組み合わせにより好適な液体を用いることができる。この液体としては、例えば、有機溶剤又は水を用いることができる。有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、炭化水素類等が挙げられる。
この液体を中間転写体に付与する方法としては、従来知られている各種手法を適宜用いることができる。例としては、ダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアローラを用いる手法、オフセットローラーを用いる手法、スプレーコーティング、ディッピング、蒸気による付与方法等が挙げられる。また、インクジェット記録ヘッドを用いて付与する方法も好適である。さらに、これらの方法のうちのいくつかを組み合わせた方法も極めて好適である。図1に示す画像記録装置では、この液体を付与する手段として、ローラ式塗布装置14が設置されている。
本発明では、膨潤工程後の、より具体的には、中間画像形成工程に供する中間転写体の表面に形成される凹凸形状を以下のようにする。即ち、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmを30μm以下にし、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均高さRcを0.5μm以上にする。RSm及びRcがこの条件を満たせば、インクドット同士が引き寄せあう現象を抑えることができ、画像品位の低下を低減することができる。なお、本発明では、膨潤工程によって、中間転写体の表面粗さ(RSm及びRc)を増大させることができ、これによって、中間転写体表面のRSm及びRcを上記範囲に調整することができる。
<中間画像形成工程>
次に、膨潤した中間転写体11表面に、画像形成用のインクを例えばインクジェット記録ヘッド15を用いて選択的に付与して、中間画像を形成する。この際、中間転写体11表面は凹凸形状を有しているため、付与したインクドット同士が引き寄せあったり混ざりあったりする等の現象が低減され、良好な画像品位が保持される。
本発明に用いるインクは、例えば、インクジェット用インクとして広く用いられているインクから適宜選択して用いることができる。具体的には、公知の染料やカーボンブラック、有機顔料等の色材を、水や有機溶剤等に溶解または分散、あるいは溶解及び分散させたインクを用いることができる。中でも、各種顔料は印刷物の耐久性や品位に特徴があり好適である。
本発明に用いることのできる顔料としては特に限定されず、公知の無機顔料及び有機顔料を用いることができる。具体的には、C.I.(カラーインデックス)ナンバーであらわされる顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることも好ましい。インク中の顔料の含有量は、分散安定性と色濃度の観点から、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
また、顔料を分散させる分散剤としては、従来公知のインクジェットに用いられるものであればいずれも使用することができる。中でも、分散安定性の観点から、分子構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、旧来公知の物が好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
上記分散剤の酸価は、分散安定性と画質の観点から、50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、上記分散剤の重量平均分子量は、分散安定性と画質の観点から、1000以上50000以下であることが好ましい。
なお、インクにおける、顔料と分散剤との質量比は、分散安定性と画質の観点から、1:0.1〜1:3の範囲であることが好ましい。
また、インクに、分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散性顔料を用いることも本発明において好適である。
また、本発明に用いるインクは、色材を有しない各種微粒子を含有させることもできる。中でも、樹脂微粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。
本発明に用いることのできる樹脂微粒子の材質としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物もしくはこれらを複数組み合わせた共重合物が挙げられる。この樹脂の質量平均分子量は、分散安定性と画質の観点から、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。またインク中における樹脂微粒子の量は、分散安定性と画質の観点から、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。さらに、この樹脂微粒子の一次平均粒子径は、例えば10nm以上1000nm以下とすることができる。
さらに、本発明においては、インクとして、上記樹脂微粒子が分散液中に分散した樹脂微粒子分散体を用いることが好ましい。分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種共重合させた樹脂を分散させた、所謂、自己分散型樹脂微粒子分散体は好適である。ここで解離性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂微粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂微粒子分散体も、同様に本発明に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好適に用いられる。この界面活性剤はノニオン性か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ物が好適である。
インクとして用いる樹脂微粒子分散体は、分散安定性と画質の観点から、10nm以上1000nm以下の分散粒径をもつことが望ましく、さらに100nm以上500nm以下が望ましい。この分散粒径は、動的光散乱法により測定することができる。
また、上記樹脂微粒子分散体を作製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。この添加剤は、例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が好適である。
本発明に用いることのできるインクは界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレノ−ルEH(商品名、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インクの吐出安定性の観点から、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いるインクは、溶剤として水および水溶性有機溶剤のいずれか一方または両方を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、吐出安定性の観点から、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。
また用いる水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、吐出安定性の観点から、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
上記成分以外にも、本発明に用いることのできるインクは必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂およびその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
<第1の液体減少工程>
次に、中間転写体中の液体(中間転写体を膨潤させる液体:膨潤液)の含有量を低減させる。上述したように、この第1の液体減少工程により、中間転写体の表面粗さ、具体的にはRcを減少させることができる。本発明では、第1の液体減少工程後の、より具体的には、転写工程に供する中間転写体のRcを、中間画像形成工程に供する中間転写体のRcの0.5倍以下とする。これにより、記録媒体に対する中間画像の転写性を良好にすることができる。
中間転写体中の上記膨潤液の含有量を低減させる手段としては、旧来用いられている各種手法がいずれも好適に適用できる。具体的には、例えば、中間転写体を加熱して膨潤液を蒸発させる手法や、中間転写体に乾燥空気を送風する手法、中間転写体を減圧下に置いて膨潤液を蒸発させる方法、中間転写体表面に吸収体を接触させる方法、また、これらを組み合わせる手法が好適に用いられる。また、中間転写体を自然乾燥させることにより、膨潤液を蒸発させる方法を用いることも可能である。図1に示す画像記録装置では、この膨潤液の含有量を低減させる機構として、送風装置16と、中間転写体11の裏面側から加熱を行う加熱ヒータ17とが配置されている。
また、この第1の液体減少工程によって、中間転写体が含有する全ての液体(膨潤液の他に、例えば、上述したインクや処理液)の含有量を減少させることができる。
<第2の液体減少工程>
本発明の画像記録方法では、中間転写体に形成された中間画像を形成するインク中の液体分(処理液を付与した場合は、処理液中の液体分も含むことができる)を減少させる工程を設けることが好ましい。これにより、中間転写体上の中間画像の液体分が非常に多くなって転写工程において余剰液体が中間画像からはみ出したりあふれ出したりすることを容易に防ぐことができ、画像乱れや転写不良の発生を容易に抑制することができる。
中間画像中の液体分を除去する手法としては、旧来用いられている各種手法がいずれも好適に適用できる。例えば、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、またこれらを組み合わせる手法がいずれも好適に用いられる。また、自然乾燥により行うことも可能である。
また、中間転写体と、中間画像とを同時に乾燥させて、第1の液体減少工程と、第2の液体減少工程とを同時に行っても良く、この方法は工程が簡便になるため好適である。
<転写工程>
最後に、中間画像が形成された中間転写体に記録媒体を圧着して、中間画像を記録媒体に転写させる。この際、例えば、図1に示す加圧ローラ19と支持部材12とによって、中間転写体11と記録媒体18とを両側から加圧することにより、効率良く画像を転写形成することができる。圧力は0.1MPa以上5MPa以下であることが望ましい。また、この加圧と同時に、中間転写体を加熱すると、更に効率良く転写できる場合があり、更に好適である。加熱温度は装置や転写体の耐久性や、中間画像の変質等の観点から200℃以下であることが望ましい。
なお、記録媒体は、一般的な印刷で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック、フィルム、その他の印刷媒体や記録メディアであっても良い。記録媒体の形状は、例えば、長尺でロール状のシートであっても良いし、規定の形状にカットされた枚葉シートであっても良い。
このようにして、画像供給装置から送信された画像データについての処理が終われば、画像形成手順を終了する。
<他の工程>
なお、本発明の画像記録方法は、転写工程の後に、転写後、画像記録が行われた記録媒体を定着ローラで加圧し、表面平滑性を高める定着工程を有しても良い。また、この際、加熱した定着ローラを用いることで、最終画像に堅牢性を持たせるようにしても良い。
また、中間転写体は、生産性の観点から繰り返し連続的に用いることがあり、その際には、次の中間画像形成を行う前に、図1に示すクリーニングユニット20等の洗浄再生を行う手段を用いて、中間転写体の表面を洗浄再生するクリーニング工程を有することが好ましい。
洗浄再生を行う手段としては、旧来用いられている各種手法がいずれも好適に適用できる。シャワー状に洗浄液を当てる方法、濡らしたモルトンローラを表面に当接させ払拭する方法、洗浄液面に接触させる方法、またワイパーブレードで掻き取る方法、各種エネルギーを付与する方法など、いずれも好適に用いられる。無論、これらを複数組み合わせる手法も好適である。
本発明の画像記録方法によれば、中間転写体の表面形状を変化させるための工程、即ち、膨潤工程や第1の液体減少工程において、中間転写体に対して高い圧力等をかける必要がないため、中間転写体を繰り返して用いる場合においても耐久性が優れている。
<<画像記録装置>>
本発明の画像記録方法には、例えば、図1に示す画像記録装置(転写型インクジェット記録装置)を用いることができる。この記録装置では、支持部材12上に配される中間転写体11と、膨潤液及び処理液付与手段としてローラ式塗布装置14と、インク付与手段としてインクジェット記録ヘッド15と、液体除去手段として送風装置16及び加熱ヒータ17と、記録媒体18と、転写手段として加圧ローラ19と、クリーニング手段としてクリーニングユニット20とを有している。また、この中間転写体11は、回転可能なドラム状の支持部材12の外周面に固定されている。そして、この支持部材12は軸(支持部材の回転軸13)を中心として矢印方向(反時計方向)に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各機構が作動するようになっている。
次に、本発明の画像記録方法を、実施例を挙げてより具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
まず、膨潤工程に供する中間転写体を以下の手順により作製した。
[中間転写体の作製]
まず、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン30mol%と、ジメチルジエトキシシラン70mol%を混合させた後、塩酸を触媒として水溶液中で24時間還流し、加水分解性縮合物Aを得た。
上記加水分解性縮合物Aをメチルイソブチルケトンで10質量%に希釈し、株式会社ADEKA製光カチオン重合開始剤SP150(商品名)を、この加水分解性縮合物Aに対して2質量%添加し、コーティング溶液Aを調製した。
次に、上記コーティング溶液Aをウレタンゴム(アスカーC硬度20度、RSm=10μm、Rc=0.06μm、厚さ0.2mm)上にスピンコート法にて成膜した。そして、膜表面にフュージョン・ユーブイ・システムズ・ジャパン社製UVランプライトハンマー10(商品名)を用いて紫外線を照射し、クリーンオーブンで120℃にて2時間の加熱を行い、膜を硬化させて、ウレタンゴムとシリコン樹脂とからなる中間転写体を作製した。ウレタンゴム上の硬化した膜(シリコン樹脂)の厚さは0.2μmであった。また、得られた中間転写体、即ち膨潤工程に供する中間転写体の表面のRSm及びRcを測定した。測定結果を表1に示す。
[画像の形成]
このようにして作製した中間転写体を、アルミニウムからなるドラム形状の支持部材に両面テープにより固定して、下記の工程(a)〜(d)により、記録媒体に画像を形成した。
(a)膨潤工程(処理液付与工程も兼ねる)
支持部材上に配された中間転写体の表面に対して、ロールコーターを用いて下記組成の液体を塗布した。なお、この液体は、中間転写体を膨潤させる液体と、処理液との機能を兼ねている。
・グルタル酸:10質量%
・界面活性剤(川研ファインケミカル株式会社製、商品名:アセチレノールEH):1質量%
・ジエチレングリコール:30質量%
・純水:59質量%
そして、上記液体の塗布後、即ち、中間画像形成工程に供する中間転写体の表面のRSm及びRcを測定した。測定結果を表1に示す。
(b)中間画像形成工程
インクジェット記録装置(ノズル配列密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数12kHz)にて、上記液体が塗布された中間転写体上に、インクを塗布して、ミラー反転させた文字画像を形成した。ここでは、下記処方のインク(色材として下記の各色顔料をそれぞれ含む4色のインク)を用いた。
(インク処方)
・下記の各色顔料: 3質量部
ブラック:カーボンブラック(三菱化学製、商品名:MCF88)
シアン:ビグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体: 1質量部
・グリセリン: 10質量部
・エチレングリコール: 5質量部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製、商品名:アセチレノールEH):1質量部
・イオン交換水: 80質量部。
(c)第1の液体減少工程(第2の液体減少工程も兼ねる)
中間転写体及び中間転写体上の中間画像に、ドライヤーを用いて温風を当てて中間転写体の乾燥及び中間画像の液体分の減少を同時に行った。ここで、乾燥後、即ち、転写工程に供する中間転写体の表面のRSm及びRcを測定した。測定結果を表1に示す。
(d)転写工程
中間転写体に形成された中間画像と、記録媒体とを、加圧ローラにて接触させて、この中間画像を記録媒体に転写した。また転写の際、中間転写体を70℃に加熱した。記録媒体には日本製紙製オーロラコート紙を用いた。
[画像の評価]
得られた記録媒体上の画像について、以下の評価を行った。
(画像の形状評価)
○:インクドット同士の引き寄せあい等の現象による画像の形状の変形がほとんど見られない。
×:インクドット同士の引き寄せあい等の現象による画像の形状の変形が見られる。
(転写性の評価)
○:画像内に転写不良による白ぬけ部がほとんど見られない。
×:画像内に転写不良による白ぬけ部が見られる。
[実施例2]
支持部材上に以下のようにして作製した中間転写体を配した以外は、実施例1と同様にして、画像の形成及び画像の評価を行った。各工程(膨潤工程、中間画像形成工程及び転写工程)に供する中間転写体表面のRSm及びRcの測定結果、並びに画像の評価結果を表1に示す。
[中間転写体の作製]
エポキシシクロヘキシルエチルジエトキシシラン50mol%と、ジメチルジエトキシシラン50mol%とからなる混合物を、塩酸を触媒として水溶液中で24時間還流し、加水分解性縮合物Bを得た。
上記加水分解性縮合物Bをメチルイソブチルケトンで10質量%に希釈し、株式会社ADEKA製、光カチオン重合開始剤SP150(商品名)を、この加水分解性縮合物Bに対して2質量%添加し、コーティング溶液Bを調製した。
次に、上記コーティング溶液Bをウレタンゴム(アスカーC硬度20度、RSm=18.2μm、Rc=0.1μm、厚さ0.5mm)上にスピンコート法にて成膜した。そして、膜表面にフュージョン・ユーブイ・システムズ・ジャパン社製UVランプライトハンマー10(商品名)を用いて紫外線を照射し、クリーンオーブンで120℃にて2時間の加熱を行い、膜を硬化させて中間転写体を作製した。ウレタンゴム上の硬化した膜の厚さは0.3μmであった。
[実施例3]
中間転写体の作製に用いたウレタンゴムを、他のウレタンゴム(アスカーC硬度20度、RSm=11.2μm、Rc=0.07μm、厚さ0.25mm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、画像の形成及び画像の評価を行った。各工程(膨潤工程、中間画像形成工程及び転写工程)に供する中間転写体表面のRSm及びRcの測定結果、並びに画像の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
中間転写体の作製に用いたウレタンゴムを、デュロメータ・タイプA(JIS K6253準拠)硬度60度のウレタンゴムに変更した以外は、実施例1と同様にして、画像の形成及び画像の評価を行った。各工程(膨潤工程、中間画像形成工程及び転写工程)に供する中間転写体表面のRSm及びRcの測定結果、並びに画像の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
中間転写体の作製に用いたウレタンゴムを、デュロメータ・タイプA(JIS K6253準拠)硬度60度、RSm=9.0μm、Rc=3.0μmのウレタンゴムに変更した以外は実施例1と同様にして、画像の形成及び画像の評価を行った。各工程(膨潤工程、中間画像形成工程及び転写工程)に供する中間転写体表面のRSm及びRcの測定結果、並びに画像の評価結果を表1に示す。
Figure 2014097608
11 中間転写体
11a 最表層(上層)
11b 最表層に接する層(下層)
12 支持部材
13 支持部材の回転軸
14 ローラ式塗布装置
15 インクジェット記録ヘッド
16 送風装置
17 加熱ヒータ
18 記録媒体
19 加圧ローラ
20 クリーニングユニット

Claims (4)

  1. 中間転写体に液体を含浸させて膨潤させる膨潤工程と、
    膨潤した中間転写体にインクを付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、
    前記中間転写体中の前記液体の含有量を減少させる液体減少工程と、
    前記中間画像を記録媒体に転写する転写工程と、
    をこの順に有する画像記録方法であって、
    前記膨潤工程によって、前記中間画像形成工程に供する中間転写体における、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmが30μm以下となり、かつ、JIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均高さRcが0.5μm以上となるように調整し、
    前記液体減少工程によって、前記転写工程に供する中間転写体のRcを、前記中間画像形成工程に供する中間転写体のRcの0.5倍以下となるように調整することを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記液体減少工程において、前記中間画像を形成するインク中の液体分も減少させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記膨潤工程において、前記中間転写体上に前記インクの流動性を低下させるための処理液を付与し、該処理液が、該中間転写体を膨潤させるための液体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録方法。
  4. 前記膨潤工程に供する中間転写体が2層以上の積層構造を有しており、該膨潤工程において含浸させる液体に対する、該中間転写体を構成する層のうちの少なくとも2つの層の膨潤率が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
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