JP2020049136A - 消臭用シートおよびこれを用いた消臭用複合シート - Google Patents
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Abstract
Description
前記ゼオライトの少なくとも一部は、前記繊維シートに含まれる繊維と繊維との間において結合材とともに膜状で担持されており、
前記結合材の1m2あたりの量が、前記ゼオライトの1m2あたりの量よりも少ない、
消臭シートである。
前記ゼオライトの少なくとも一部は、前記繊維シートに含まれる繊維と繊維との間において結合材とともに膜状で担持されており、
前記結合材の1m2あたりの量が、前記ゼオライトの1m2あたりの量よりも少ない、
消臭シートである。
以下、本発明の消臭シートを構成する要素等について説明する。
本実施形態で使用するゼオライトは、特に限定されず、天然ゼオライト、合成ゼオライト、および人工ゼオライトのいずれであってもよい。ゼオライトとして、具体的には、A型、X型、Y型、L型、ベータ型、モルデナイト、フェリエライト、ZSM−5、シリカライト等のゼオライト等が挙げられる。
繊維シートは、ゼオライトを担持させるための基材となる繊維シート(以下、「基布」ともいう)は、繊維から構成される織物、編物、および不織布等から選択される。基布はゼオライトを結合材とともに膜状に担持させうる繊維間空隙を有する限りにおいて、特に限定されない。本実施形態では、不織布が好ましく用いられる。不織布は、繊維同士の接着および/または絡み合いにより一体化されたシートであり、繊維と繊維との間には、ゼオライトを結合材とともに膜状で担持するのに適した空隙が形成されている。
コットン、シルクおよびウールなどの天然繊維;
ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(例えば、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標))等の再生繊維;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートおよびその共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を含む)、ポリブテン−1、プロピレンを主たる成分とするプロピレン共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン-1−エチレン共重合体を含む)、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン12およびナイロン66のようなポリアミド系樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレンおよび環状ポリオレフィンなどのエンジニアリング・プラスチック、ならびにそれらのエラストマーから任意に選択される1または複数の熱可塑性樹脂からなる、合成繊維。
繊維同士の一体化の態様は特に限定されない。繊維同士は、高圧流体流(特に高圧水流)を用いた交絡処理法またはニードルパンチ法により交絡されて一体化していてよく、あるいは繊維同士が接着されることにより一体化していてよい。
例えば、繊維同士は、複合繊維を構成する成分によって接着されてよい。その場合、接着は、複合繊維を構成する樹脂のうち、最も融点の低い樹脂を加熱により溶融または軟化させることにより実施できる。加熱は、例えば、熱風貫通式熱処理機、熱風吹き付け式熱処理機、および赤外線式熱処理機等のいずれかを用いて実施される。あるいは、複合繊維を構成する成分による接着は、電子線等の照射、または超音波溶着により実施してよい。
あるいは、不織布は、スパンボンド不織布、またはメルトブロー不織布であってよい。
本実施形態において、ゼオライトの量(1m2あたりのゼオライトの質量)は、繊維シートの目付の0.3倍〜2倍であってよく、特に0.8倍〜2.5倍であってよく、より特には1倍〜3倍であってよい。本実施形態の消臭シートにおいては、ゼオライトが繊維表面だけでなく、繊維と繊維との間で膜状で担持されるため、比較的多い量のゼオライトが均一に分布して担持され得る。
wは、繊維シートの目付(g/m2)を表し、
Lは、繊維シートの厚み(cm)を表し、
αiは、i番目の繊維の割合(質量%)を表し、
Dtiは、i番目の繊維の繊度(dtex)を表し、
Fdは、平均繊維径(μm)を表す。
本発明者らの実験によれば、本実施形態の消臭シートは、特に、アンモニア臭、トリメチルアミン臭、および酢酸臭を低減させ得ることがわかった。アンモニア臭は、人または動物の糞尿の臭いとして知られ、トリメチルアミン臭は生ゴミ臭として知られ、酢酸臭は体臭・汗の臭いとして知られている。したがって、本実施形態のゼオライト担持シートは、ペットのトイレに敷いて用いるペットシート(トイレシートとも呼ぶ)、人もしくは動物用の紙おむつ等を廃棄するための汚物処理袋、またはゴミ袋として、あるいはこれらの製品の構成部材として用いることができる。あるいはまた、本実施形態の消臭シートは、三角コーナー、ゴミ入れ、押し入れ、ロッカー、箪笥またはクローゼットの内壁面に敷いて又は貼り付けて用いる消臭マットとして、または当該消臭マットの構成部材として用いることができる。
[繊維シート(基材)としての不織布の作製]
鞘成分が高密度ポリエチレン系樹脂、芯成分がポリプロピレン系樹脂からなり、繊度が2.2dtexであり、平均繊維径が18μmであり、繊維長が51mmである芯鞘型複合繊維(商品名「NBF(H)」、ダイワボウポリテック株式会社製)を用いて、目付26g/m2のパラレルカードウェブを作製した。このウェブを、温度を130℃に設定した熱風吹き付け装置で約30秒間加熱し、鞘成分である高密度ポリエチレン系樹脂を溶融または軟化させて、繊維同士を熱接着させて不織布を作製した。この不織布における平均繊維間距離は68μmであった。
ゼオライト(日東粉化工業株式会社製、商品名:SP#600、代表粒子径:1.92μm)を用意し、これに水とアクリル樹脂エマルジョンを加えて混合し、ゼオライトの水分散体とした。この水分散体に不織布を含浸させ、加熱および乾燥を行って、ゼオライトを不織布に担持させて消臭シートを得た。消臭シートは、ゼオライトを約30g/m2の量で担持し、結合材としてのアクリル樹脂を約5g/m2の量で担持していた。
(厚み)
厚さは、厚み測定機(商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cm2あたり2.94cN、および19.6cNの荷重を加えた状態で測定した。
(通気度)
JIS L 1096 8.27A(フラジール形法)に準じて測定した。
(1)試験方法
検知管法により実施した。
(2)試験試料
消臭シートを10cm角にカットしたものを試料とした。
(3)適用方法
静置法により実施した。試験容器として、容器5リットルのエアーバック(商品名テドラーバッグ)を用意し、このエアーバッグに試料および初発濃度に調整した臭気成分ガス2リットルを入れた。初発濃度は、臭気成分に応じて表2に示すとおりに調整した。表2に示す初発濃度は、一般財団法人ボーケン品質評価機構の消臭性試験方法で採用されているものである。
減少率(%)={(a−b)/a}×100
(式中、aは所定時間経過後の空試験濃度、bは同時間経過後の試料試験濃度を示す。)
結果を表3に示す。
[繊維シート(基材)としての不織布の作製]
平均繊度が2.5dtexであり、平均繊維径が9.6μmであり、平均繊維長が35mmであるコットン(「MSD(商品名)」、丸三産業株式会社製)を用いて、目付33g/m2のパラレルカードウェブを作製した。このウェブを水流交絡処理に付した後、温度を130℃に設定した熱風吹き付け装置で約30秒間、加熱乾燥させて不織布を作製した。この不織布における平均繊維間距離は7.87μmであった。
ゼオライト(日東粉化工業株式会社製、商品名:SP#600、代表粒子径:1.92μm)を用意し、これに水とアクリル樹脂エマルジョンを加えて混合し、ゼオライトの水分散体とした。この水分散体に不織布を含浸させ、加熱および乾燥を行って、ゼオライトを不織布に担持させて消臭シートを得た。消臭シートは、ゼオライトを約30g/m2の量で担持し、結合材としてのアクリル樹脂を約5g/m2の量で担持していた。
[繊維シート(基材)としての不織布の作製]
繊維シートとして、実施例1で作製した不織布と同様の不織布を用いた。
酢酸ビニル系接着剤(セメダイン株式会社製)を用意し、これに水を加えて混合し、水溶液を作製した。酢酸ビニル系接着剤と水との割合は10:90とした。不織布にこの水溶液を刷毛により約3g/m2塗布した。それから、実施例1および2で用いたものと同じゼオライトを不織布の一方の表面に振りかけ、片寄ったゼオライトを刷毛にて不織布表面に均一に分布させた後、加熱および乾燥を行うことにより、不織布にゼオライトを担持させた。消臭シートは、ゼオライトを約30g/m2の量で担持していた。
Claims (8)
- ゼオライトを担持している繊維シートからなる消臭シートであって、
前記ゼオライトの少なくとも一部は、前記繊維シートに含まれる繊維と繊維との間において結合材とともに膜状で担持されており、
前記結合材の1m2あたりの量が、前記ゼオライトの1m2あたりの量よりも少ない、
消臭シート。 - 前記ゼオライトの表面の少なくとも一部が前記結合材で被覆されずに露出している、請求項1に記載の消臭シート。
- 前記ゼオライトが、1m2あたり、10g〜50gの量で担持されている、請求項1または2に記載の消臭シート。
- 前記繊維シートが不織布である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭シート。
- 前記不織布が、ポリプロピレンを含む第1成分、ポリエチレンを含む第2成分とからなる複合繊維であって、前記第2成分が繊維表面の少なくとも一部を占めている複合繊維を含み、繊維同士が前記第2成分で接着している、請求項4に記載の消臭シート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭シートの少なくとも一方の面に、ガス透過性または液透過性シートを配置してなる、消臭用複合シート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭シートの一方の面に液透過性シートを積層し、他方の面に吸収体を積層し、前記吸収体の前記消臭シート側とは反対側の面に液不透過性シートを配置してなる、ペット用シート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭シートの一方の面に液不透過性シートが積層されている積層シートを、液不透過性シートが外側面となるように袋状に加工された、汚物処理袋。
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