以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールに含まれる第1リールとしての左リールR1、第2リールとしての中リールR2、第3リールとしての右リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す左リールR1〜右リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、左リールR1〜右リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。左リールR1〜右リールR3の停止状態では、左リールR1〜右リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、3枚(第1規定投入数)又は2枚(第2規定投入数)に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると左リールR1〜右リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上(有効ライン上)に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係する左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後左リールR1〜右リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利期間制御手段200A(図2参照)によって有利期間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する有利期間報知部500Aが設けられている。また、本実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び第1規定投入数(3枚)のメダルを投入するマックスベットボタンMB、左リールR1〜右リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている左リールR1〜右リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としての左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSも設けられている。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴って清算ボタンBSに内蔵されているメダル清算スイッチ(不図示)がON動作を行い、左リールR1〜右リールR3が回転しておらずかつメダルがベットされていない状態に限り、ホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、第1ストップスイッチとしての左ストップスイッチ240L、第2ストップスイッチとしての中ストップスイッチ240C、第3ストップスイッチとしての右ストップスイッチ240R(以下、左ストップスイッチ240L、中ストップスイッチ240C、右ストップスイッチ240Rをまとめてストップスイッチ240とも記載)、設定変更スイッチ250及びリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190、有利期間制御手段200A及び指示機能状態制御手段200Bを含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、設定変更スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられているリセットスイッチ260からの入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及び有利期間制御手段200Aが実行する有利期間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、非有利期間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、指示機能状態制御手段200Bが設定変更前において指示機能に係る制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及び有利期間制御手段200Aが実行する有利期間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1においては、指示機能状態制御手段200Bが実行する指示機能に係る制御についても、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合に、電断前の状態が維持されるように構成されている。
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、第1規定投入数(3枚)又は第2規定投入数(2枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、左リールR1〜右リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、左リールR1〜右リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、左リールR1〜右リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応する左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3(左リールR1に左ストップボタンB1、左ストップスイッチ240Lが対応し、中リールR2に中ストップボタンB2、中ストップスイッチ240Cが対応し、右リールR3に右ストップボタンB3、右ストップスイッチ240Rが対応)が押下操作されることで左ストップスイッチ240L、中ストップスイッチ240C、右ストップスイッチ240Rによって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する左リールR1〜右リールR3の回転動作中の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
つまり、スタートスイッチ230は、左リールR1〜右リールR3の回転動作を開始させるためにスタートレバーSLを介して遊技者に操作され、ストップスイッチ240は、左リールR1〜右リールR3を停止させるために左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3を介して遊技者に操作される。なお、以下の記載において、リール制御手段130によって左リールR1〜右リールR3の回転が開始され、遊技者が有効な左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第1停止操作、2番目の押下操作を第2停止操作、3番目の押下操作を第3停止操作とも記載する。
本実施形態のスロットマシン1では、左リールR1〜右リールR3について、左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3が押下された時点から所定の時間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されており、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引きこみ可能な範囲(引きこみ範囲)となっている。
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引きこみ処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
入賞判定手段140は、左リールR1〜右リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、左リールR1〜右リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で左リールR1〜右リールR3の回転開始を遅延させる左リールR1〜右リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段197に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
有利期間制御手段200Aは、特定の役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される期間である有利期間(有利区間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される期間である非有利期間(非有利区間)と、の間での移行に係る制御を実行する。
有利期間制御手段200Aは、有利期間を終了する条件が成立した際に、有利期間を終了し次ゲームから非有利期間を開始するとともに、有利期間内において設定した各種フラグ、数値等を初期化する処理である終了処理を実行する。また、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始し、かつ入賞補助制御が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に有利期間報知部500Aを点灯させる。このため、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始している場合であっても、後述する指示機能状態制御手段200Bによって入賞補助制御が実行されない指示機能状態である場合には、有利期間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
指示機能状態制御手段200Bは、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に、特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理(入賞補助制御)と、入賞補助制御を実行可能な状態であるAT状態を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る処理等の指示機能の作動に係る処理以外の処理(指示機能処理)と、を含む指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。本実施形態のスロットマシン1では、指示機能状態制御手段200Bによるアシストタイム制御において用いるプログラムデータやデータテーブル、カウンタ、ON状態又はOFF状態にセットする各種フラグについて、記憶手段190の指示機能状態制御データ記憶手段199に記憶されている。本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、指示機能作動処理として、内部抽選手段120に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者に左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3〜図9を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
<内部抽選手段>
図3、本実施形態のスロットマシン1における各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEを示す図である。本実施形態のスロットマシン1は、遊技状態が非RT状態であり、かつ第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された場合に選択される内部抽選テーブルAと、遊技状態が非RT状態であり、かつ第2規定投入数(2枚)のメダルが投入状態に設定された場合に選択される内部抽選テーブルBと、で異なるボーナスに当選可能となるように構成されている。
内部抽選テーブルAでは、本実施形態においてボーナスとして用意されている第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)のうち、第1規定投入数のメダルが投入された場合にのみ有効化されるRBB1に当選する当選エリア「RBB1」が設けられている。内部抽選テーブルBでは、第2規定投入数のメダルが投入された場合にのみ有効化されるRBB2に当選する当選エリア「RBB2」が設けられている。
内部抽選テーブルCは、RBB1が成立状態に設定されたことによって移行されるボーナス成立状態のうち、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定された場合と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定された場合と、に選択される。また、内部抽選テーブルCは、RBB2が成立状態に設定されたことによって移行されるボーナス成立状態のうち、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定された場合にも選択される。内部抽選テーブルCは、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいてボーナスに対応付けられていた乱数と不当選に対応付けられていた乱数とがリプレイに当選する当選エリア「通常リプレイ」に対応付けられており、内部抽選テーブルCが選択された場合、内部抽選において小役又はリプレイのいずれかに当選するように構成されている。
内部抽選テーブルDは、RBB2が成立状態に設定されたことによって移行されるボーナス成立状態のうち、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定された場合にも選択され、内部抽選テーブルBにおいてボーナスに対応付けられていた乱数が不当選に対応付けられている。また、内部抽選テーブルDは、内部抽選テーブルBと比べてわずかにリプレイの当選確率が増加している。具体的には、内部抽選テーブルDは、リプレイの当選確率が8979/65536に設定されており、リプレイの当選確率が8978/65536の内部抽選テーブルBよりも高い当選確率となっている。なお、内部抽選テーブルDにおけるリプレイの当選確率は、8979/65536に限らず、内部抽選テーブルBよりも高い確率に設定されていれば、いずれの当選確率であってもよい。
内部抽選テーブルEは、RBB1が作動した場合に移行されるRBB1作動状態と、RBB2が作動した場合に移行されるRBB2作動状態と、において選択される。内部抽選テーブルEは、小役の当選確率について、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのボーナス非作動時に選択されるいずれの内部抽選テーブルにおいて設定されている小役の当選確率よりも高くなるように設定されている。内部抽選テーブルEにおける小役の当選確率の詳細については、後述する。
図4(A)は、RBB1,RBB2が作動していない状態(RBB1,RBB2非作動時)において当選可能な当選エリアのうち小役のみを含む当選エリアを示す図である。図4(A)に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、RBB1,RBB2非作動時における内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA〜ベルF、1枚役A〜1枚役F、3枚ベル及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル6」が設定されている。
ここで、「打順」とは、左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味する。図4に示すように、第1打順としての打順1は、左ストップボタンB1→中ストップボタンB2→右ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、第2打順としての打順2は、左ストップボタンB1→右ストップボタンB3→中ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、第3打順としての打順3は、中ストップボタンB2→左ストップボタンB1→右ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、第4打順としての打順4は、中ストップボタンB2→右ストップボタンB3→左ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、第5打順としての打順5は、右ストップボタンB3→左ストップボタンB1→中ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、第6打順としての打順6は、右ストップボタンB3→中ストップボタンB2→左ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」は、それぞれ図4に示す打順に対応する入賞役が入賞する。なお、以下の記載において、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルA〜ベルFを入賞可能な打順を正解打順とも記載し、正解打順とは異なる打順を不正解打順とも記載する。
当選エリア「3枚ベル」は、3枚ベルに当選し、打順及び押下タイミングによらず3枚ベルが入賞可能に構成されている。また、当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、中ストップボタンB2の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、中ストップボタンB2の押下タイミングがレア役を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、小役を含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レア役」に当選する確率が、他の小役を含む当選態様のいずれかに当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレア役として構成されている。
図4(B)は、RBB1,RBB2が作動している状態(RBB1,RBB2作動時)において当選可能な小役のみを含む当選エリアを示す図である。図4(B)に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、RBB1,RBB2作動時における内部抽選において、ベルA〜ベルF、3枚ベル及びレア役が重複して当選する当選エリア「JAC1」と、1枚役A〜1枚役Fが重複して当選する当選エリア「JAC2」と、が設定されている。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBB1,RBB2があり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBB1又はRBB2のいずれかを含む当選エリアに当選すると、当選したRBB1又はRBB2の抽選フラグの成立状態を、RBB1又はRBB2が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBB1又はRBB2の抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBB1又はRBB2の抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBB1又はRBB2の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
<図柄の配列>
図5は、本実施形態のスロットマシン1における左リールR1〜右リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。本実施形態では、図5に示すように、左リールR1〜右リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、黒BAR図柄「黒BAR」、白BAR図柄「白BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、ブランクA図柄「BKA」、ブランクB図柄「BKB」及び星図柄「ST」が配列されている。また、左リールR1〜右リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。
<小役の入賞図柄組合せと配当>
図6は、本実施形態のスロットマシン1が有する小役の入賞図柄組合せ及び配当を示す図である。図4、図6に示すように、ベルA〜ベルFの配当は、第1規定投入数である場合(3枚掛け)、第1規定投入数よりも多い枚数の払出数(例えば10枚)に設定され、第2規定投入数である場合(2枚掛け)、第2規定投入数よりも多く、かつ第1規定投入数である場合における配当よりも少ない枚数の払出数(例えば4枚)に設定されている。また、1枚役A〜1枚役Fの配当は、第1規定投入数及び第2規定投入数のいずれである場合にも、第1規定投入数及び第2規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。また、3枚ベル及びレア役の配当は、第1規定投入数及び第2規定投入数のいずれである場合にも、第1規定投入数と同数で第2規定投入数よりも多い枚数の払出数(例えば3枚)に設定されている。
また、図4、図6に示すように、当選エリア「打順ベル1」に含まれるベルAと、当選エリア「打順ベル2」に含まれるベルBと、は、入賞図柄組合せのうち左リールR1に配列された図柄について、同じリプレイ図柄「RP」が設定されている。
上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」の当選時において、左ストップボタンB1、中ストップボタンB2、右ストップボタンB3の順に押下操作される第1打順が、リール制御手段130によるリール停止制御によってベルAの入賞形態図柄組合せを有効ラインL1上に表示させる正解打順に設定されている。また、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル2」の当選時において、左ストップボタンB1、右ストップボタンB3、中ストップボタンB2の順に押下操作される第2打順が、リール制御手段130によるリール停止制御によってベルBの入賞形態図柄組合せを有効ラインL1上に表示させる正解打順に設定されている。
つまり、本実施形態のスロットマシン1では、遊技が開始され左リールR1〜右リールR3が回転開始した後に、第1停止操作として左ストップボタンB1が押下操作された(最初に左ストップスイッチ240Lが停止操作を検出した)際に、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」と当選エリア「打順ベル2」とのいずれに当選した場合でも有効ラインL1上にリプレイ図柄「RP」が停止表示されるため、第1停止操作の時点で当選エリア「打順ベル1」と当選エリア「打順ベル2」とのいずれに当選したかを判別することができないように構成されており、当該遊技における正解打順が明らかになってしまうことがないように構成されている。
また、図4、図6に示すように、当選エリア「打順ベル3」に含まれるベルCと、当選エリア「打順ベル4」に含まれるベルDと、は、入賞図柄組合せのうち中リールR2に配列された図柄について、同じベル図柄「BL」が設定されている。上述したように、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル3」の正解打順が第3打順に設定され、当選エリア「打順ベル4」の正解打順が第4打順に設定されており、いずれも第1停止操作として中ストップボタンB2が押下操作される打順になっている。このため、スロットマシン1では、遊技が開始され左リールR1〜右リールR3が回転開始した後に、第1停止操作として中ストップボタンB2が押下操作された(最初に中ストップスイッチ240Cが停止操作を検出した)際に、内部抽選で当選エリア「打順ベル3」と当選エリア「打順ベル4」とのいずれに当選した場合でも有効ラインL1上にベル図柄「BL」が停止表示されるため、第1停止操作の時点で当選エリア「打順ベル3」と当選エリア「打順ベル4」とのいずれに当選したかを判別することができないように構成されており、当該遊技における正解打順が明らかになってしまうことがないように構成されている。
また、図4、図6に示すように、当選エリア「打順ベル5」に含まれるベルEと、当選エリア「打順ベル6」に含まれるベルFと、は、入賞図柄組合せのうち右リールR3に配列された図柄について、同じリプレイ図柄「RP」が設定されている。上述したように、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル5」の正解打順が第5打順に設定され、当選エリア「打順ベル6」の正解打順が第6打順に設定されており、いずれも第1停止操作として右ストップボタンB3が押下操作される打順になっている。このため、スロットマシン1では、遊技が開始され左リールR1〜右リールR3が回転開始した後に、第1停止操作として右ストップボタンB3が押下操作された(最初に右ストップスイッチ240Rが停止操作を検出した)際に、内部抽選で当選エリア「打順ベル5」と当選エリア「打順ベル6」とのいずれに当選した場合でも有効ラインL1上にリプレイ図柄「RP」が停止表示されるため、第1停止操作の時点で当選エリア「打順ベル5」と当選エリア「打順ベル6」とのいずれに当選したかを判別することができないように構成されており、当該遊技における正解打順が明らかになってしまうことがないように構成されている。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」に当選した場合に、第1停止操作が実行されたことを左ストップスイッチ240L〜右ストップスイッチ240Rが検出し、かつ第1停止操作を検出したストップスイッチ240が当選している当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかにおける正解打順で設定されている第1停止操作を検出するストップスイッチ240であった場合に、第1停止操作の時点で当選した当選エリアが当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれであるかが判別してしまい、当該遊技における正解打順が明らかになってしまうことを防ぐことができる。
また、図7(A)〜(C)に示すように、ベルA、ベルBの入賞図柄組合せは、第1停止操作が実行された際にベル図柄「BL」が左リールR1の上段に停止表示されるように構成され、ベルC、ベルDの入賞図柄組合せは、第1停止操作が実行された際にベル図柄「BL」が中リールR2の中段に停止表示されるように構成され、ベルE、ベルFの入賞図柄組合せは、第1停止操作が実行された際にベル図柄「BL」が右リールR3の下段に停止表示されるように構成されている。そして、ベルAが入賞した場合には、左リールR1〜右リールR3の上段にベル図柄「BL」が表示され、ベルBが入賞した場合には、左リールR1、右リールR3の上段と中リールR2の中段とにベル図柄「BL」が表示され、ベルCが入賞した場合には、左リールR1〜右リールR3の中段にベル図柄「BL」が表示され、ベルDが入賞した場合には、左リールR1の下段と中リールR2の中段と右リールR3の上段とにベル図柄「BL」が表示され、ベルEが入賞した場合には、左リールR1〜右リールR3の下段にベル図柄「BL」が表示され、ベルFが入賞した場合には、左リールR1、右リールR3の下段と中リールR2の中段とにベル図柄「BL」が表示される。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、ベルA〜ベルFについて、第1停止操作の実行時にベル図柄「BL」が表示窓DW内に表示され、かつ第2停止操作以降において表示窓DW内にベル図柄「BL」を停止させた際に直線又はV字型にベル図柄「BL」が並ぶように構成することができ、遊技者にベルA〜ベルFのいずれかの入賞を表示窓DW内に表示される図柄から期待させることができる。
また、図5、図6に示すように、1枚役A〜1枚役Fの入賞図柄組合せを構成する図柄は、いずれも左リールR1〜右リールR3の周面に4コマ以内の間隔で配列されており、不正解打順である場合にリール制御手段130によるリール停止制御おいて個数優先制御が実行されることで必ず入賞するように構成されている。
具体的には、例えば、当選エリア「打順ベル1」に当選し、かつ、第2打順で左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3が押下操作された場合、リール制御手段130は、左ストップボタンB1に第1停止操作が実行された際に、枚数優先制御を実行しベルAの入賞図柄組合せを構成するリプレイ図柄「RP」を有効ラインL1上に停止表示し、右ストップボタンB3に第2停止操作が実行された際に、白BAR図柄「白BAR」を有効ラインL1上に停止表示すると「RP−WM−白BAR」、「RP−CH−白BAR」の2個の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示すると「RP−WM−WM」、「RP−CH−WM」の2個の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となり、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示すると「RP−赤7−BL」、「RP−BKA−BL」、「RP−黒BAR−BL」、「RP−白BAR−BL」の4個の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能となることから、右リールR3について、個数優先制御を実行しベルAの入賞図柄組合せを構成する白BAR図柄「白BAR」及びスイカ図柄「WM」に優先して1枚役Aの入賞図柄組合せを構成するベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示する。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の6種類の当選エリアにおいて、不正解打順で左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3が押下操作された際に、1枚役A〜1枚役Fのいずれかが入賞するため、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の6種類の当選エリアによって第1打順〜第6打順の6種類の正解打順を有する構成にすることができ、当選エリア及び役に係るデータ容量を削減することができる。
<遊技状態移行制御手段>
図8は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
まず、非ボーナス状態における遊技状態の遷移について説明する。図8に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態)である。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、内部抽選手段120に内部抽選テーブルAを用いて内部抽選を実行させ、第2規定投入数(2枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、内部抽選手段120に内部抽選テーブルBを用いて内部抽選を実行させる。
上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選テーブルAを用いた内部抽選が実行された場合に、RBB1を含む当選エリア「RBB1」に当選可能に構成されている。また、スロットマシン1では、内部抽選テーブルBを用いた内部抽選が実行された場合に、RBB2を含む当選エリア「RBB2」に当選可能に構成されている。このため、本実施形態の遊技状態移行制御手段170は、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、非RT状態からRBB1成立状態に移行可能に構成され、第2規定投入数(2枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、非RT状態からRBB2成立状態に移行可能に構成されている。
RRB1成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合と、第2規定投入数(2枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合と、のいずれの場合にも、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いて内部抽選を実行させる。上述した通り、内部抽選テーブルCにおいては、内部抽選手段120による内部抽選で小役又はリプレイのいずれかに当選するように構成されている。また、リール制御手段130は、上述したように、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させるようにリール停止制御を実行するように構成されており、当選エリア「レア役」の取りこぼし時においても、いずれの役の入賞形態とも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1では、一旦RBB1成立状態に移行すれば、遊技者が容易にRBB1の入賞を回避して遊技状態を維持することができるようになり、遊技者の操作負担を軽減しつつ長期に亘って小役又はリプレイに当選可能なRBB1成立状態に滞在させることができるようになっている。
RRB2成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、内部抽選手段120に内部抽選テーブルDを用いて内部抽選を実行させ、第2規定投入数(2枚)のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合に、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いて内部抽選を実行させる。つまり、遊技状態移行制御手段170は、遊技者の操作態様のうちメダルのベット操作に基づき、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、第2規定投入数(2枚)のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、で移行させる制御が可能に構成されている。
上述したように、内部抽選テーブルCは、小役又はリプレイのいずれかに乱数が対応付けられており、内部抽選テーブルDは、小役、リプレイ又は不当選(ハズレ)のいずれかに乱数が対応付けられている。このため、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態は、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態よりも、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)が多い値に設定された遊技状態となっている。
第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合、スロットマシン1では、内部抽選テーブルCを用いた内部抽選が実行され、RBB2と小役又はRBB2とリプレイが重複当選することから、リール制御手段130によるリール停止制御によってRBB2の入賞が回避され、遊技者の操作負担を軽減しつつ長期に亘って小役又はリプレイに当選可能なRBB2成立状態に滞在させることができるようになっている。
一方、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合、内部抽選手段120は、不当選(ハズレ)にも乱数が設定された内部抽選テーブルDを用いて内部抽選を実行することから、RBB2に単独で当選した状態になり得る構成となっている。ここで、RBB2は、上述した通り、第2規定投入数(2枚)専用のRBBとして設定されており、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始された場合、仮にRBB2の入賞図柄組合せがリール制御手段130によるリール停止制御によって有効ラインL1上に表示された場合にも無効となるように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1では、一旦RBB2成立状態に移行すれば、遊技者が容易にRBB2の入賞を回避して遊技状態を維持することができるようになり、遊技者の操作負担を軽減しつつ長期に亘ってRBB2成立状態に滞在させることができるようになっている。なお、本実施形態では、第1規定投入数が投入状態に設定されて開始されるRBB2成立状態において、左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3がいずれの打順及び押下タイミングで押下操作された場合にも、RBB2の入賞図柄組合せがリール制御手段130によるリール停止制御によって有効ラインL1上に表示されないようにリール停止制御が実行されるように構成されている。
この、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された状態で開始され、内部抽選手段120による内部抽選で内部抽選テーブルDが取得される、つまり内部抽選テーブルDに設定された役の当選確率が適用されるRBB2成立状態が、本実施形態における第1遊技状態を構成する。また、内部抽選手段120による内部抽選で内部抽選テーブルCが取得される、つまり内部抽選テーブルCに設定された役の当選確率が適用されることで、内部抽選で小役又はリプレイに必ず当選することで所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)が、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されて開始されるRBB2成立状態よりも高い値に設定されている第2規定投入数(2枚)のメダルが投入状態に設定された状態で開始されるRBB2成立状態が、本実施形態における第2遊技状態を構成する。
RBB1が入賞した場合に移行するRBB1作動状態と、RBB2が入賞した場合に移行するRBB2作動状態と、は、いずれも第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された場合に遊技が開始される遊技状態である。本実施形態のRBB1作動状態とRBB2作動状態とは、第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスを「RB」とも記載)の入賞図柄組合せの表示によらずにRBが連続で作動するように構成されている。RBB1作動状態とRBB2作動状態とにおいて、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルEを用いて内部抽選を実行させる。
図3〜図7を用いてRBB1作動状態及びRBB2作動状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルEが選択されるボーナス状態においてJAC1又はJAC2に当選する確率、つまりボーナス状態においていずれかの小役に当選する確率は、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのいずれかが選択されるボーナス非作動時の状態において当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」、当選エリア「3枚ベル」又は当選エリア「レア役」に当選する確率、つまり非ボーナス状態及びボーナス成立状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルEにおいて、当選エリア「JAC1」に当選する確率は、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDにおいて当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のそれぞれに当選する確率よりも高い確率に設定されている。
具体的には、内部抽選テーブルEでは、当選エリア「JAC1」に当選する確率が、6001/65536に設定され、当選エリア「JAC2」に当選する確率が、34654/65536に設定されている。一方、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDでは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」について、それぞれ当選する確率が6000/65536に設定され、当選エリア「3枚ベル」の当選確率が、4000/65536に設定され、当選エリア「レア役」の当選確率が、655/65536に設定されている。
つまり、内部抽選テーブルEでは、当選エリア「JAC1」又は当選エリア「JAC2」に当選する確率、すなわちいずれかの小役の当選態様が得られる確率が40655/65536に設定されている。また、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDでは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」、当選エリア「3枚ベル」又は当選エリア「レア役」に当選する確率、すなわちいずれかの小役の当選態様が得られる確率が40654/65536に設定されている。
また、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDでは、ベルA〜ベルFのそれぞれの当選確率が6000/65536であることから、ベルA〜ベルFの少なくとも1つが当選する確率が36000/65536となっており、3枚ベルの当選確率が4000/65356であり、レア役の当選確率が655/65536である。一方、内部抽選テーブルEでは、ベルA〜ベルF、3枚ベル、レア役が当選エリア「JAC1」の当選時に重複当選することから、ベルA〜ベルFの少なくとも1つが当選する確率が6001/65536となっており、3枚ベルの当選確率とレア役の当選確率とも6001/65536となっている。
また、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDでは、当選エリア「打順ベル2」〜当選エリア「打順ベル6」のそれぞれに含まれる1枚役Eの当選確率が1枚役A〜1枚役Fの中で最も高く、30000/65536となっており、他の1枚役A〜1枚役D、1枚役Fについて、1枚役Eよりも低い当選確率となっている。一方、内部抽選テーブルEでは、1枚役A〜1枚役Fが当選エリア「JAC2」の当選時に重複当選することから、1枚役A〜1枚役Fのそれぞれの当選確率が34654/65536となっている。
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、RBB1又はRBB2が作動するボーナス状態において、ボーナスの非作動時である非ボーナス状態及びボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も上昇するように構成されている。また、スロットマシン1は、ボーナス状態において、規定投入数よりも多い配当が設定されているベルA〜ベルFを含む当選態様を得られる確率が、非ボーナス状態やボーナス成立状態においてベルA〜ベルFの少なくとも1つを含む当選態様を得られる確率よりも低くなっている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、RBB1作動状態とRBB2作動状態とについて、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
ここで、非ボーナス状態及びボーナス成立状態においては、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に、正解打順で左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3を押下操作しないとベルA〜ベルFを入賞させることができない構成であることから、ベルA〜ベルFのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順で左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3を押下操作できた場合に限定されるため、6000/65536となっている。一方、後述する指示機能状態制御手段200Bによって入賞補助制御が実行されるアシストタイム遊技(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に、正解打順が報知されるため、ベルA〜ベルFのいずれかが入賞する確率が36000/65536となる。
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する第1規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA〜ベルFの6種類を設定している。そして、ボーナス状態において特定役を含む当選態様(特定当選態様)が得られる確率を、非ボーナス状態及びボーナス成立状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/6に圧縮している。このように構成することで、非ボーナス状態及びボーナス成立状態においてN種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、ボーナス状態においてN種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、非ボーナス状態及びボーナス成立状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
また、上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、第1特定役としてのベルAと、第2特定役としてのベルBと、第3特定役としてのベルCと、第4特定役としてのベルDと、第5特定役としてのベルEと、第6特定役としてのベルFと、について、それぞれ規定投入数よりも多い同一の配当(第1規定投入数(3枚)の場合は10枚の配当、第2規定投入数(2枚)の場合は4枚の配当)に設定されている。
また、第1特定当選態様としての当選エリア「打順ベル1」は、第1打順である場合にリール制御手段130によるリール停止制御によってベルAの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、第2特定当選態様としての当選エリア「打順ベル2」は、第2打順である場合にリール制御手段130によるリール停止制御によってベルBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、第3特定当選態様としての当選エリア「打順ベル3」は、第3打順である場合にリール制御手段130によるリール停止制御によってベルCの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、第4特定当選態様としての当選エリア「打順ベル4」は、第4打順である場合にリール制御手段130によるリール停止制御によってベルDの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、第5特定当選態様としての当選エリア「打順ベル5」は、第5打順である場合にリール制御手段130によるリール停止制御によってベルEの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、第6特定当選態様としての当選エリア「打順ベル6」は、第6打順である場合にリール制御手段130によるリール停止制御によってベルFの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示される。
また、第1打順と第2打順とは、最初に左ストップスイッチ240Lが停止操作を検出する順序であり、第3打順と第4打順とは、最初に中ストップスイッチ240Cが停止操作を検出する順序であり、第5打順と第6打順とは、最初に右ストップスイッチ240Rが停止操作を検出する順序である。
そして、ベルAの入賞図柄組合せ及びベルBの入賞図柄組合せは、有効ラインL1上に表示される図柄のうち左リールR1の図柄が共通のリプレイ図柄「RP」であり、ベルCの入賞図柄組合せ及びベルDの入賞図柄組合せは、有効ラインL1上に表示される図柄のうち中リールR2の図柄が共通のベル図柄「BL」であり、ベルEの入賞図柄組合せ及びベルFの入賞図柄組合せは、有効ラインL1上に表示される図柄のうち右リールR3の図柄が共通のリプレイ図柄「RP」である。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、第1停止操作を実行した遊技者に当選している特定役が推測されない構成で6種類の特定役と該6種類の特定役をそれぞれ含み左ストップスイッチ240L〜右ストップスイッチ240Rの検出した停止操作が正解打順である場合に当選している特定役を入賞可能にする当選態様を6種類設けることができ、ボーナス状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、非ボーナス状態及びボーナス成立状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/6に圧縮し、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
<有利期間制御手段と指示機能状態制御手段>
図9は、本実施形態の有利期間制御手段200Aによって制御される期間と、指示機能状態制御手段200Bによって制御される指示機能状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
図9に示すように、非有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行されない期間である。有利期間制御手段200Aは、非有利期間内における遊技のうち、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入され、かつボーナスが作動していない遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアである場合にも非有利期間を終了し有利期間を開始するか否かを決定する抽選である有利期間抽選を実行する。
有利期間抽選において、有利期間制御手段200Aは、まず、記憶手段190のうち有利期間に係るデータを記憶している有利期間制御データ記憶手段198から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利期間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利期間移行抽選テーブルを取得する。そして、有利期間制御手段200Aは、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利期間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利期間を開始するか否かを決定する。なお、有利期間制御データ記憶手段198には、有利期間制御手段200Aが有利期間内において実行する所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグも格納されている。非有利期間における有利期間制御手段200Aが実行する制御処理の詳細については、後述する。
有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な期間である。有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した遊技から1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を有利期間ゲーム数カウンタ198aに加算し、有利期間ゲーム数カウンタ198aの記憶値を累積的にインクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値(差枚数)を有利期間差枚数カウンタ198bに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
ここで、有利期間ゲーム数カウンタ198aは、有利期間制御データ記憶手段198に含まれるカウンタであり、有利期間制御手段200Aによって更新される値(遊技回数)を記憶するカウンタである。また、有利期間差枚数カウンタ198bは、有利期間制御データ記憶手段198に含まれるカウンタであり、有利期間制御手段200Aによって更新される値として、メダルが投入された場合に投入数に対応する値を減算し、メダルが払い出された場合に払出数に対応する値を加算することで差枚数を記憶するカウンタである。
有利期間制御手段200Aは、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり有利期間ゲーム数カウンタ198aの記憶値が値「1500」になった場合又は有利期間において有利期間差枚数カウンタ198bの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2400」が加算された記憶値になった場合、つまり有利期間において最もメダルを消費した時点から2400枚のメダルを遊技者が獲得した場合に、有利期間を終了させる条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利期間を終了させて次ゲームから非有利期間を開始する終了処理を実行する。有利期間制御手段200Aは、終了処理において、有利期間においてON状態にセットした各フラグや有利期間において設定した値等の有利期間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。この、有利期間が開始されてから1500ゲームの遊技が実行されるまでの期間又は有利期間を開始してから最もメダルを消費した後に2400枚のメダルを遊技者が獲得するまでの期間が、本実施形態における所定の期間を構成する。なお、有利期間制御手段200Aは、特定終了条件以外の予め設定されている条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利期間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも終了処理を実行する。
本実施形態の有利期間制御手段200Aは、遊技状態が非ボーナス状態、ボーナス成立状態及びボーナス状態のいずれの遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ有利期間ゲーム数カウンタ198aの記憶値に累積的に加算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を有利期間差枚数カウンタ198bの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始され、入賞補助制御を実行可能である場合に、内部抽選手段120による内部抽選において、図4に示した左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3の打順によって入賞役が変化する当選エリアに当選したことに基づき入賞補助制御を実行可能である。ここで、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる役(特定の役)は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」、の当選時のベルA〜ベルFである。
また、指示機能状態制御手段200Bによって入賞補助制御が実行されている場合、演出制御手段180は、内部抽選手段120から送信される当選コマンドに基づき、特定の役の入賞を補助する演出である入賞補助演出を実行する。例えば、演出制御手段180は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」に当選したことを示す当選コマンドが内部抽選手段120から送信された場合、演出装置300によって第1打順が正解打順であることを報知する入賞補助演出を実行する。
次に、指示機能状態制御手段200Bによって制御される指示機能状態について説明する。図9に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始された際における指示機能に係る状態(指示機能状態)として、通常非AT状態、移行抽選状態及びポイント特化状態を含む通常状態としての非AT状態と、チャンスゾーン(CZ)選択状態及び第1CZ状態〜第3CZ状態を含むCZ状態と、通常AT状態及び上乗せ特化状態を含むAT状態と、有している。指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態制御データ記憶手段199の指示機能抽選テーブル記憶手段199aに記憶されている各種抽選テーブルを参照し、各指示機能状態に応じた抽選に係る処理を実行する。
通常非AT状態は、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始され、かつ他の指示機能状態に移行していない場合に設定される、複数種類の指示機能状態の中で通常状態に相当する指示機能状態(通常指示機能状態)である。通常非AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに応じて、第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、のそれぞれについて、更新するか否かを決定する通常時カウンタ抽選を実行する。なお、以下の記載において、第1通常時カウンタ199bと、第2通常時カウンタ199cと、をまとめて「通常時カウンタ」とも記載する。
本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」、当選エリア「3枚ベル」、当選エリア「通常リプレイ」のいずれかに当選した場合に、第1通常時カウンタ199bの記憶値に加算する値を決定する通常パラメータ抽選を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、通常パラメータ抽選において、値「0」〜値「30」の範囲のいずれかの値を第1通常時カウンタ199bの記憶値に加算すると決定する。
また、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レア役」、当選エリア「レアリプレイ」のいずれかに当選した場合に、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値との少なくとも一方に加算する値を決定する特別パラメータ抽選を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、特別パラメータ抽選において、第1通常時カウンタ199bと、第2通常時カウンタ199cと、のいずれか又は双方の通常時カウンタに値を加算するかを決定するとともに、値「0」〜値「50」の範囲のいずれかの値を加算すると決定する。
指示機能状態が通常非AT状態である場合、演出制御手段180は、表示装置330の正面視左方側に第1通常時カウンタ199bの記憶値を表示(第1通常時カウンタ表示)し、正面視右方側に第2通常時カウンタ199cの記憶値を表示(第2通常時カウンタ表示)している。また、演出制御手段180は、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれもが上限値に到達した場合、表示装置330の正面視左方側の第1通常時カウンタ表示と、正面視右方側の第2通常時カウンタ表示と、を正面視略中央で合体させる演出(通常時カウンタ合体演出)を実行する。なお、演出制御手段180は、指示機能状態制御手段200Bによる特別パラメータ抽選において、第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとの双方の記憶値を加算すると決定した場合、通常時カウンタ合体演出を実行した後に、再度第1通常時カウンタ表示と第2通常時カウンタ表示とを分離し、特別パラメータ抽選で決定した値を加算する演出を実行する。
指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとのいずれか一方の記憶値が上限値である値「300」に到達した遊技の次の遊技において、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」、当選エリア「3枚ベル」、当選エリア「通常リプレイ」のいずれかに当選した場合にも、特別パラメータ抽選を実行するように構成されている。第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとのいずれか一方の記憶値が上限値に到達した状態において、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとの記憶値が上限値に到達していないいずれか他方に、抽選により決定した値を加算すると決定する。
第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとの少なくとも一方の記憶値が上限値に到達し、かつ到達した以降の遊技における内部抽選で当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ」、当選エリア「レアリプレイ」のいずれにも当選しなかった場合、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態を移行抽選状態に移行する。
また、通常非AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された状態で1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を通常ゲーム数カウンタ199dに加算し、通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値を累積的にインクリメント更新する通常ゲーム数更新処理を実行する。そして、指示機能状態制御手段200Bは、通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値が値「1000」となった場合に、指示機能状態を通常AT状態に移行させる。
なお、指示機能状態制御手段200Bは、通常ゲーム数カウンタ199dについて、指示機能状態が通常非AT状態である場合の他に、移行抽選状態、ポイント特化状態、CZ選択状態、第1CZ状態〜第3CZ状態である場合にも通常ゲーム数更新処理を実行し、通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値が値「1000」となった場合に、指示機能状態を通常AT状態に移行させる。また、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が通常AT状態又は上乗せ特化状態に移行した場合に、通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値を初期化するために値「0」に更新する。
また、指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態において所定の移行条件が成立した場合に、指示機能状態をポイント特化状態に移行させる。ここで、所定の移行条件には、移行抽選状態の終了後において第1通常時カウンタ199bの記憶値及び第2通常時カウンタ199cの記憶値がいずれも値「0」となっていた場合と、通常AT状態からCZ選択状態に移行し、CZ選択状態から通常非AT状態に移行した際又はCZ選択状態から第1CZ状態〜第3CZ状態のいずれかに移行した後に通常AT状態に移行することなく通常非AT状態に移行した際において、抽選により決定された遊技回数の遊技が実行された後にポイント特化状態に移行すると決定された場合と、が含まれる。
移行抽選状態は、通常非AT状態において第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値との少なくとも一方が上限値に達した後に移行する指示機能状態である。移行抽選状態において、指示機能状態制御手段200Bは、記憶値が上限値となっている通常時カウンタに応じて、指示機能状態に移行に係る抽選テーブルである移行抽選テーブルを指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得し、指示機能状態の移行に係る抽選である移行抽選を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選において「CZ状態への移行」に当選した場合に、指示機能状態をCZ選択状態に移行し、「AT状態への移行」に当選した場合に、指示機能状態を通常AT状態に移行し、「通常非AT状態への移行」に当選した場合に、指示機能状態を通常非AT状態に移行する。また、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態の移行に伴い、記憶値が上限値となっている通常時カウンタを初期化するために値「0」に更新する。
ポイント特化状態は、通常非AT状態において上述した所定の移行条件が成立した場合に移行する指示機能状態であり、予め決められた遊技回数の遊技(例えば7回)が実行されるまで継続する指示機能状態である。ポイント特化状態において、指示機能状態制御手段200Bは、毎回の遊技の実行時に第1通常時カウンタ199bと、第2通常時カウンタ199cと、のそれぞれに値「10」〜値「100」の範囲のいずれかの値を加算すると決定するポイント特化抽選を実行し、抽選の結果に基づき通常時カウンタの記憶値を加算する。通常時カウンタの記憶値を加算した後、指示機能状態制御手段200Bは、予め決められた遊技回数の遊技が実行された後に、指示機能状態を通常非AT状態に移行する。
ポイント特化状態において、演出制御手段180は、第1停止操作が実行された場合に、第1通常時カウンタ199bに加算する値の基礎となる値(第1ベース値)を表示する演出を実行し、第2停止操作が実行された場合に、第2通常時カウンタ199cに加算する値の基礎となる値(第2ベース値)を表示する演出を実行し、第3停止操作が実行された場合に、第1ベース値と第2ベース値とのそれぞれに乗算する値(倍率値)を表示する演出を実行する。ここで、第1ベース値と倍率値とを乗算した値は、指示機能状態制御手段200Bが第1通常時カウンタ199bに加算すると決定した値となっている。また、第2ベース値と倍率値とを乗算した値は、指示機能状態制御手段200Bが第2通常時カウンタ199cに加算すると決定した値となっている。そして、演出制御手段180は、第1ベース値と倍率値とを乗算した値を第1通常時カウンタ表示として表示し、第2ベース値と倍率値とを乗算した値を第2通常時カウンタ表示として表示する。
CZ選択状態は、移行抽選状態において「CZ状態への移行」に当選した場合と、後述する通常AT状態において1セットの通常AT状態が終了した場合と、に移行する指示機能状態である。CZ選択状態において、指示機能状態制御手段200Bは、1セットの通常AT状態を実行した回数を計数するカウンタであるAT実行回数カウンタ199eの記憶値を参照し、CZ選択抽選において使用する抽選テーブルである複数種類のCZ選択抽選テーブルとして、いずれのCZ選択抽選テーブルを指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得するかを決定する選択抽選テーブル抽選を実行する。そして、指示機能状態制御手段200Bは、選択抽選テーブル抽選で決定したCZ選択抽選テーブルを指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得し、取得したCZ選択抽選テーブルを用いて移行する指示機能状態を決定する指示機能移行抽選を実行する。この、選択抽選テーブル抽選と、指示機能移行抽選と、が、本実施形態におけるCZ選択抽選を構成する。なお、CZ選択状態は、1ゲームの遊技の実行後に指示機能状態が移行される状態である。
そして、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択抽選で「第1CZ状態への移行」に決定した場合に、指示機能状態を第1CZ状態に移行し、「第2CZ状態への移行」に決定した場合に、指示機能状態を第2CZ状態に移行し、「第3CZ状態への移行」に決定した場合に、指示機能状態を第3CZ状態に移行し、「通常非AT状態への移行」に決定した場合に、指示機能状態を通常非AT状態に移行する。なお、指示機能状態制御手段200Bは、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「1」以上である状態でCZ選択状態から通常非AT状態へ指示機能状態を移行する場合、通常AT状態の終了後に非AT状態を介さずに通常AT状態を再開しないことから、AT実行回数カウンタ199eの記憶値に値「0」をセットする初期化を実行する。
指示機能状態がCZ選択状態である場合、演出制御手段180は、指示機能状態制御手段200Bが指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得したCZ選択抽選テーブルにおいて抽選の対象となっている要素に対応するコマを表示装置330に表示し、ルーレットで選択する演出(ルーレット演出)を実行する。また、演出制御手段180は、指示機能状態が移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合と、後述する通常AT状態からCZ選択状態に移行した場合と、のいずれの場合も、コマの要素が異なるもののルーレットで選択する内容については略同一のルーレット演出を実行する。
第1CZ状態は、CZ選択状態において「第1CZ状態への移行」に決定された場合に移行する指示機能状態である。第1CZ状態において、指示機能状態制御手段200Bは、10ゲームの遊技の実行後に通常AT状態に移行するか否かを決定する第1AT移行抽選を実行する。第1AT移行抽選において「通常AT状態への移行」に当選する確率は、移行抽選状態において「通常AT状態への移行」に当選する確率よりも高い確率に設定されている。なお、指示機能状態制御手段200Bは、第1AT移行抽選において「通常AT状態への移行」に当選しなかった場合、第1CZ状態の終了後に指示機能状態を通常非AT状態に移行する。
指示機能状態が第1CZ状態である場合、演出制御手段180は、第1CZ状態が継続する10ゲームの間、演出の内容に関連性を有しストーリー性を有する一連の演出(連続演出)を実行する。
第2CZ状態は、CZ選択状態において「第2CZ状態への移行」に決定された場合に移行する指示機能状態である。第2CZ状態において、指示機能状態制御手段200Bは、1ゲームの遊技の実行後に通常AT状態に移行するか否かを決定する第2AT移行抽選を実行する。第2AT移行抽選において「通常AT状態への移行」に当選する確率は、移行抽選状態において「通常AT状態への移行」に当選する確率よりも高く、かつ第1AT移行抽選において「AT状態への移行」に当選する確率と略同じ確率に設定されている。なお、指示機能状態制御手段200Bは、第2AT移行抽選において「通常AT状態への移行」に当選しなかった場合、第2CZ状態の終了後に指示機能状態を通常非AT状態に移行する。
第3CZ状態は、CZ選択状態において「第3CZ状態への移行」に決定された場合に移行する指示機能状態である。第3CZ状態において、指示機能状態制御手段200Bは、5ゲームの遊技の実行後に上乗せ特化状態と通常AT状態とのいずれに移行するかを決定する第3AT移行抽選を実行する。第3AT移行抽選において「通常AT状態への移行」に当選する確率は、第1AT移行抽選及び第2AT移行抽選において「AT状態への移行」に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、指示機能状態制御手段200Bは、第3CZ状態の終了後に指示機能状態を上乗せ特化状態又は通常AT状態に移行するように構成されている。このため、第3CZ状態は、第1CZ状態及び第2CZ状態よりも遊技者にとって有利な指示機能状態となっている。
本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合と、1セットの通常AT状態の終了に伴いCZ選択状態に移行した場合と、のいずれの場合も、CZ選択抽選を実行し、第1CZ状態〜第3CZ状態、通常非AT状態のいずれかにCZ状態を移行させる処理を実行する。また、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合と、1セットの通常AT状態の終了に伴いCZ選択状態に移行した場合と、のいずれの場合も、第1CZ状態〜第3CZ状態に移行した場合には、第1CZ状態〜第3CZ状態のそれぞれに設定されている制御処理を実行する。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態への移行に係る特定の情報(データ)としてのCZ選択抽選に係る情報、CZ選択抽選で移行する第1CZ状態〜第3CZ状態において実行する第1AT移行抽選〜第3AT移行抽選に係る情報に基づいて、CZ選択状態、第1CZ状態〜第3CZ状態に係る処理(プログラム)を実行するCZ状態を有しており、非AT状態からCZ状態に移行した場合と、AT状態からCZ状態に移行した場合と、のいずれの場合もCZ選択状態、第1CZ状態〜第3CZ状態に係る処理を実行するように構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、非AT状態からCZ状態に移行しAT状態への移行確率を高める遊技性と、AT状態の終了後にCZ状態に移行し、AT状態に復帰する確率を高める遊技性と、の異なる遊技性を共通の所定の処理で実行することができ、プログラムの容量が増大することなく多様な遊技性を実現できる。
なお、指示機能状態制御手段200Bは、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「1」以上である状態で第1CZ状態〜第3CZ状態から通常非AT状態へ指示機能状態を移行する場合、通常AT状態の終了後に非AT状態を介さずに通常AT状態を再開しないことから、AT実行回数カウンタ199eの記憶値に値「0」をセットする初期化を実行する。
通常AT状態は、移行抽選状態、第1CZ状態〜第3CZ状態において「通常AT状態への移行」に決定された場合と、通常非AT状態において通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値が値「1000」になった場合と、非有利期間において有利期間制御手段200Aが実行する有利期間抽選で「有利期間の開始」に当選した場合と、に移行する指示機能状態であり、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかに当選した場合に、入賞補助制御を実行可能に設定された指示機能状態である。通常AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態が開始された遊技において、抽選により1セットの通常AT状態が継続する期間を管理するATゲーム数カウンタ199fにセットする値を決定する。
指示機能状態制御手段200Bは、1回の遊技が行われるごとに、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値から1回分の遊技に相当する一定値(例えば、「1」)を減算するデクリメント更新を実行する。また、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態において1回の遊技が実行された場合に、AT実行ゲーム数カウンタ199gの記憶値に1回分の遊技に相当する一定値(例えば、「1」)を加算するインクリメント更新を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が通常非AT状態に移行した場合に、AT実行ゲーム数カウンタ199gを初期化するように構成されており、通常AT状態からCZ状態に移行した際には、CZ状態が終了するまでAT実行ゲーム数カウンタ199gの記憶値を維持するように構成されている。
また、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態の実行中における内部抽選において、当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値に加算する値を決定し、AT状態が継続する期間の延長に係る特典を付与する処理である上乗せ処理を毎回の遊技において実行することで、通常AT状態よりもメダルの払い出しに関して遊技者にとって有利な状態である上乗せ特化状態を開始するか否かを決定する抽選である上乗せ特化抽選を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化抽選において上乗せ特化状態に移行すると決定した場合には、通常AT状態を中断し、次ゲームより上乗せ特化状態を開始する。
そして、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態の実行時にATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」となった場合に、1セットの通常AT状態の終了条件が成立したと判定し、通常AT状態からCZ選択状態に指示機能状態を移行するとともに、1セットのAT状態を実行したことから、AT実行回数カウンタ199eの記憶値に1セットの通常AT状態の実行に相当する値「1」を加算するインクリメント更新を実行する。
上述した通り、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態から第1CZ状態〜第3CZ状態のいずれかを介して通常AT状態又は上乗せ特化状態に移行可能に構成されている。つまり、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態を終了した後に、非AT状態を介さずに通常AT状態又は上乗せ特化状態のAT状態を再開可能に構成されている。
また、上述した通り、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態において、AT実行回数カウンタ199eの記憶値を参照して、CZ選択抽選において使用するCZ選択抽選テーブルを決定する。本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「3」又は値「7」である場合、つまり、通常AT状態を開始してから、通常AT状態の終了後に通常AT状態を再開せずに非AT状態を開始するまでにおいて、1セットの通常AT状態を実行した回数が所定の回数としての3回又は7回である場合に、CZ選択抽選において第1CZ状態〜第3CZ状態のいずれかに当選するCZ選択抽選テーブルを使用すると決定する。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、1セットの通常AT状態を終了した回数が3回又は7回となった場合に、通常AT状態の終了時に第1CZ状態及び第2CZ状態より遊技者にとって有利な第3CZ状態に移行可能にするという遊技者にとって有利な特典を付与するため、1セットの通常AT状態の終了後に非AT状態に移行することなく1セットの通常AT状態を再開し、複数セットの通常AT状態を実行した遊技者に特典を付与することで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に入賞補助制御が実行可能となることで通常状態としての非AT状態よりも遊技者にとって有利な通常AT状態を含むAT状態が、本実施形態における有利状態を構成し、AT状態に係る制御を実行する指示機能状態制御手段200Bが、本実施形態における有利制御手段を構成する。
また、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態の終了後に、1ゲームのCZ選択状態と、10ゲームの第1CZ状態、1ゲームの第2CZ状態又は5ゲームの第3CZ状態のいずれか1つの状態と、の2,6又は11ゲームの特定指示期間から構成されるCZ状態に移行する。そして、上述したようにCZ状態は、通常非AT状態よりも高い確率でAT状態に移行可能に構成されているとともに、入賞補助制御が実行されないため、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)がAT状態よりも低い値に設定された状態となっている。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態の終了後に特定指示期間が経過するまで継続し、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)がAT状態よりも低い値に設定されたCZ状態を実行することで、AT状態の終了後のCZ状態から速やかにAT状態に復帰することが可能になるとともに、CZ状態でのメダルの獲得率の期待値を引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
この、通常非AT状態が、本実施形態における第1特定指示機能状態を構成し、CZ状態が、本実施形態における第3特定指示機能状態を構成し、AT状態が、本実施形態における第2特定指示機能状態を構成する。
上乗せ特化状態は、通常AT状態における上乗せ特化抽選において「上乗せ特化状態への移行」が決定された場合に移行される状態である。上乗せ特化状態において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化状態の開始時に指示機能状態制御データ記憶手段199に含まれるカウンタである上乗せ特化ゲーム数カウンタ199hに予め定められた遊技回数に対応する値(例えば、20ゲーム)を加算し、毎回の遊技の実行時に1ゲームに相当する値である値「1」を上乗せ特化ゲーム数カウンタ199hから減算し、上乗せ特化ゲーム数カウンタ199hの記憶値が値「0」となった場合に、上乗せ特化状態を継続するか否かを決定する上乗せ特化継続抽選を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化継続抽選において、「上乗せ特化状態の継続」に決定した場合に、次遊技の開始時に上乗せ特化ゲーム数カウンタ199hに予め定められた遊技回数に対応する値(例えば、20ゲーム)を加算し、上乗せ特化状態を継続する。一方、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化継続抽選において、「上乗せ特化状態の終了」に決定した場合に、指示機能状態を上乗せ特化状態から通常AT状態に移行する。
上乗せ特化状態において、指示機能状態制御手段200Bは、毎回の遊技の実行の都度上乗せ処理を実行し、上乗せ処理で決定した値を上乗せゲーム数カウンタ199jに加算する。また、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、1セットの上乗せ特化状態を実行する回数を加算するか否かを決定する上乗せ特化セット数加算抽選を実行し、1セットの上乗せ特化状態を実行する回数を加算すると決定した場合に、上乗せ特化セット数カウンタ199iに決定した値を加算する。指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化継続抽選の実行時において、上乗せ特化セット数カウンタ199iの記憶値が値「1」以上である場合に、上乗せ特化セット数カウンタ199iの記憶値を1減算するとともに、上乗せ特化状態の継続を決定する。
本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、特定終了条件の成立に基づき有利期間制御手段200Aによって有利期間が終了された場合に、非有利期間への移行に伴い終了処理が実行されることで、AT状態の実行中であっても指示機能に係るデータ(滞在している指示機能状態のデータやATゲーム数カウンタ199fの記憶値等)が初期化されるため、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」となっていなくとも終了するように構成されている。このため、スロットマシン1では、例えば、通常AT状態において一般に実行する演出を実行している遊技において、有利期間ゲーム数カウンタ198aの記憶値が値「1500」となったことに基づき有利期間を終了し非有利期間を開始した場合、通常AT状態において享受できるはずだった利益を享受できなかったという不満を遊技者に与えてしまう虞がある。
そこで、本実施形態のスロットマシン1は、有利期間の特定終了条件が成立するまでAT状態が継続させると判定する条件が成立した場合に、指示機能状態を上乗せ特化状態に移行する特定状態移行制御を実行するとともに、RAM内における1バイトの領域として設けられている上乗せ特化セット数カウンタ199iに、記憶可能な値の上限値である値「255」をセットすることで、有利期間の特定終了条件が成立するまで上乗せ特化状態が継続するように設定する。ここで、有利期間の特定終了条件が成立するまでAT状態を継続させる条件が成立するのは、AT状態中でかつ有利期間ゲーム数カウンタ198aの記憶値が値「1400」以上である場合と、AT状態中でかつ有利期間差枚数カウンタ198bの記憶値が値「2050」以上である場合と、AT実行回数カウンタ199eの記憶値と、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値と、上乗せゲーム数カウンタ199jの記憶値と、の総和が値「1500」以上である場合と、である。
このような構成であることから、本実施形態の演出制御手段180は、有利期間の特定終了条件が成立するまでAT状態を継続させる条件が成立した場合に、以降の遊技において有利期間が終了するまで演出の内容に関連性を有しストーリー性を有する一連の演出(連続演出)としてエンディング演出を実行する。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態の実行中に有利期間の特定終了条件が成立する場合にも、予めエンディング演出を開始し、エンディング演出中に有利期間の特定終了条件を成立させられるため、有利期間の終了に伴いAT状態が終了する際に、AT状態において享受できるはずだった利益を享受できなかったという不満を遊技者に与えてしまうことを防ぐことができるとともに、エンディング演出によって遊技者に満足感を与えることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1は、有利期間の特定終了条件が成立するまでAT状態を継続させる条件が成立した場合に、指示機能状態を上乗せ特化状態に移行するとともに、上乗せ特化セット数カウンタ199iにセット可能な上限値をセットすることで、有利期間が終了するまで上乗せ特化状態を継続可能にすることで、エンディング用の新たな指示機能状態を設けることなく、エンディング演出の実行時における遊技性として通常AT状態とは異なる遊技性を遊技者に実行させることができ、新たな指示機能状態を設けプログラムの容量を増大させることなく有利期間の特定終了条件が成立するまでAT状態を継続させる条件が成立した場合における特別な遊技性を実現することができる。
また、この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態の実行中に有利期間の特定終了条件が成立する場合に、予め上乗せ特化状態に移行し、有利期間が終了するまで上乗せ特化状態を継続可能にすることで、上乗せ特化状態中に有利期間の特定終了条件を成立させられるため、有利期間の終了に伴いAT状態が終了する際に、上乗せ特化状態に移行したことで有利期間の終了までAT状態における利益を享受できたと遊技者に満足感を与えることができる。
この、有利期間が開始されてから特定終了条件が成立するまでの予め設定された所定の期間が実行するまで実行可能な有利期間を制御する有利期間制御手段200Aが、本実施形態における特定期間制御手段を構成し、有利期間が、本実施形態における特定期間を構成する。また、入賞補助制御が実行されることで当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に第1規定投入数(3枚)及び第2規定投入数(2枚)よりも多い払出数の配当が設定されたベルA〜ベルFを入賞させることができメダルを獲得可能となる有利期間中(特定期間中)の状態であるAT状態が、本実施形態における有利状態を構成し、AT状態のうち上乗せ処理が毎ゲーム実行されることで通常AT状態よりも有利な状態であり、開始条件及び終了条件が予め設定された1セットの上乗せ特化状態が、本実施形態における特定有利状態を構成する。
また、非AT状態が、本実施形態における第1指示機能状態を構成し、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」に当選した場合に入賞補助制御を実行可能であることで非AT状態よりも高い頻度で入賞補助制御が実行されるAT状態が、本実施形態における第2指示機能状態を構成し、AT状態への移行に係る特定の情報に基づいてCZ選択状態、第1CZ状態〜第3CZ状態に係る所定の処理を実行するとともに、AT状態の終了後に移行されるCZ状態が、本実施形態における非AT状態である場合よりもAT状態へ移行する頻度(確率)が高い第3指示機能状態を構成する。
次に、非有利期間とAT状態との関係について説明する。図9に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、有利期間制御手段200Aによって非有利期間から有利期間に移行された場合に、指示機能状態制御手段200Bが指示機能状態を通常AT状態に設定するように構成されている。また、上述した通り、有利期間制御手段200Aは、非有利期間内における遊技において、第1規定投入数(3枚)のメダルが投入され、かつボーナスが作動していない遊技である場合、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアである場合にも非有利期間を終了し有利期間を開始するか否かを決定する抽選である有利期間抽選を実行するように構成されている。そして、本実施形態の有利期間制御手段200Aは、通常非AT状態や移行抽選状態、第1CZ状態、第2CZ状態において「通常AT状態への移行」に当選する確率よりも高い確率で「有利期間への移行」に当選する有利期間移行抽選を実行するように構成されている。
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態において有利期間の特定終了条件が成立した場合に、非有利期間に移行するものの、速やかに有利期間に移行し再度AT状態を開始することができ、開始された場合に1500ゲームの実行又はメダルの払出数の最下点から差枚数が2400枚となった時点で終了し、終了時に指示機能に係るデータの初期化が実行される有利期間を有する構成であっても、AT状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態において、有利期間制御手段200Aは、非有利期間において、第2規定投入数(2枚)のメダルが投入され、かつボーナスが作動していない遊技である場合、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアである場合にも有利期間抽選を実行しないように構成されている。つまり、本実施形態の有利期間制御手段200Aは、投入受付手段105が第1規定投入数(3枚)のメダルを投入状態に設定した状態における内部抽選手段120による内部抽選で所定の当選態様(例えば当選エリア「通常リプレイ」等)に当選した場合と、投入受付手段105が第2規定投入数(2枚)のメダルを投入状態に設定した状態における内部抽選手段120による内部抽選で所定の当選態様に当選した場合と、で非有利期間から有利期間に移行させる制御を実行する確率が異なるように構成されている。
上述した通り、本実施形態のスロットマシン1では、非ボーナス状態及びボーナス成立状態である場合、投入受付期間における遊技者のメダルを投入状態に設定する操作(投入操作)によって、規定投入数を第1規定投入数(3枚)と第2規定投入数(2枚)とを任意に切り換えられるように構成されている。また、上述したように、本実施形態のスロットマシン1において、RBB2が成立状態に設定されたことに基づくRBB2成立状態のうち、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態は、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態よりも、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)が多い値に設定された遊技状態となっている。
このような構成であることから、本実施形態の有利期間制御手段200Aは、非有利期間である場合において、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合と、で有利期間へ移行する確率が異なる確率になるように構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能に係る制御が実行できない非有利期間において、規定投入数を変更することで遊技性を変化させることができ、非有利期間における遊技性に多様性を持たせることができる。
なお、本実施形態のスロットマシン1は、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合、有利期間制御手段200Aによって制御される期間が非有利期間に設定されるとともに、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態が非RT状態に設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、設定変更手段100によって設定変更制御が実行された直後の遊技が有利期間を開始しやすく、過度に有利になってしまうことを防ぐために、非有利期間における有利期間抽選で「有利期間の開始」に当選した場合に、遊技状態が非RT状態であれば指示機能状態を通常非AT状態に移行し、遊技状態がRBB2成立状態であれば指示機能状態を通常AT状態に移行するように構成されていてもよい。
3.各指示機能状態における制御処理の詳細
次に、通常非AT状態、移行抽選状態、CZ選択状態、通常AT状態において指示機能状態制御手段200Bが実行する各制御処理の詳細について説明する。
<通常非AT状態処理>
図10は、指示機能状態が通常非AT状態である場合に指示機能状態制御手段200Bが実行する通常非AT状態処理を示すフローチャートである。通常非AT状態処理において、指示機能状態制御手段200Bは、まず、遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する(S1)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する。
ステップS1の処理において、遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態において1回の遊技が実行されることから、
通常ゲーム数カウンタ199dに値「1」を加算する(S2)。次に、指示機能状態制御手段200Bは、通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値が値「1000」以上であるか否かを判定する(S3)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態に移行することなく1000ゲーム以上の遊技が実行されたか否かを判定しており、通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値が値「1000」以上であると判定した場合には(YES)。指示機能状態を通常AT状態に移行し(S4)、通常非AT状態処理を終了する。
ステップS3の処理において、通常ゲーム数カウンタ199dの記憶値が値「1000」未満であると判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、ポイント特化状態移行フラグがON状態であるか否かを判定する(S5)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態制御データ記憶手段199に格納され、ポイント特化状態への移行条件である所定の移行条件が成立した場合にON状態にセットされるフラグであるポイント特化状態移行フラグがON状態か否かを判定しており、ポイント特化状態移行フラグがON状態であると判定した場合には(YES)、指示機能状態をポイント特化状態に移行し(S6)、通常非AT状態処理を終了する。
ステップS5の処理において、ポイント特化状態移行フラグがOFF状態であると判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態移行フラグがON状態か否かを判定する(S7)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態制御データ記憶手段199に格納され、第1通常時カウンタ199bの記憶値又は第2通常時カウンタ199cの記憶値が上限値に達した場合にON状態にセットされるフラグである移行抽選状態移行フラグがON状態か否かを判定している。
ステップS7の処理において、移行抽選状態移行フラグがOFF状態であると判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選したか否かを判定する(S8)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアが当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」であるか否かを判定することで、特別パラメータ抽選と、通常パラメータ抽選と、のいずれを実行するかを判定している。
ステップS7の処理において、移行抽選状態移行フラグがON状態であると判定した場合(YES)又はステップS8の処理において、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、特別パラメータ抽選を実行する(S9)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bと、第2通常時カウンタ199cと、のいずれか又は双方の通常時カウンタに値を加算するかを決定するとともに、値「0」〜値「50」の範囲のいずれかの値を加算すると決定する。なお、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値又は第2通常時カウンタ199cの記憶値が上限値となっている場合、上限値になっていない通常時カウンタの記憶値に抽選により決定した値を加算することを決定する。
ステップS8の処理において、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選していないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、通常パラメータ抽選を実行する(S10)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、値「0」〜値「30」の範囲のいずれかの値を第1通常時カウンタ199bの記憶値に加算すると決定する。
ステップS9又はステップS10の処理を実行した後、指示機能状態制御手段200Bは、通常時カウンタ更新処理を実行する(S11)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ステップS9又はステップS10の処理で決定した値をステップS9又はステップS10の処理で決定した通常時カウンタに加算する。
このように、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態において、第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、を、通常パラメータ抽選及び特別パラメータ抽選の結果に基づき、初期値である値「0」から所定の値としての上限値である値「300」に近づける方向に更新する通常時カウンタ更新処理を実行するように構成されている。この、ステップS9〜ステップS11の処理が、本実施形態における更新処理を構成する。また、指示機能状態制御手段200Bが、本実施形態における特典制御手段を構成し、指示機能状態制御手段200Bによって更新される値を記憶する第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとが、本実施形態における数値記憶手段を構成する。
次に、指示機能状態制御手段200Bは、通常時カウンタ更新処理で更新した通常時カウンタの記憶値が上限値に達したか否かを判定する(S12)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常時カウンタ更新処理で更新した通常時カウンタの記憶値が上限値の値「300」になったか否かを判定し、ステップS13以降で実行する通常時カウンタの記憶値に基づく通常非AT状態における指示機能状態の移行に係る処理の内容を決定する。
ステップS12の処理において、更新した通常時カウンタの記憶値が上限値に達したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態移行フラグがON状態か否かを判定する(S13)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態移行フラグがON状態か否かを判定することで、前回までの遊技において既に記憶値が上限値に達した通常時カウンタがあるか否かを判定しており、移行抽選状態移行フラグがOFF状態であると判定した場合には(NO)、今回の遊技で1つの通常時カウンタの記憶値が上限値に達したと判定し、移行抽選状態移行フラグをON状態にセットし(S14)、通常非AT状態処理を終了する。
ステップS12の処理において、更新した通常時カウンタの記憶値が上限値になっていないと判定した場合(NO)又はステップS1の処理において、遊技状態がRBB2成立状態ではない又は遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ2枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態移行フラグがON状態か否かを判定する(S15)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態移行フラグがON状態か否かを判定することで、前回までの遊技において既に記憶値が上限値に達した通常時カウンタがあるか否かを判定しており、移行抽選状態移行フラグがOFF状態であると判定した場合には(NO)、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれもが上限値になっていないと判定し、通常非AT状態処理を終了する。
指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態において、ステップS1の処理において、遊技状態がRBB2成立状態ではない又は遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ2枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合、ステップS2〜ステップS12の処理を実行することなくステップS1の処理からステップS15の処理に処理を進めるように構成されている。上述した通り、本実施形態のスロットマシン1では、非ボーナス状態及びボーナス成立状態である場合、投入受付期間における遊技者のメダルを投入状態に設定する操作(投入操作)によって、規定投入数を第1規定投入数(3枚)と第2規定投入数(2枚)とを任意に切り換えられるように構成されている。また、上述したように、本実施形態のスロットマシン1において、RBB2が成立状態に設定されたことに基づくRBB2成立状態のうち、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態は、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態よりも、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)が多い値に設定された遊技状態となっている。
このような構成であることから、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が通常非AT状態である場合において、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合にはステップS1からステップS2以降に処理を進め、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合にはステップS1からステップS15に処理を進めることで、同一の指示機能状態に滞在している場合であっても異なる指示機能に係る処理を実行可能に構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者の操作態様のうち投入操作によって移行可能な第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、で、同一の指示機能状態に滞在している場合であっても異なる指示機能に係る処理を実行することで、新たな指示機能状態を設け該新たな指示機能状態に移行させることなく遊技者の操作態様によって設定された遊技状態に応じた適切な指示機能に係る処理を実行することができ、プログラムの容量が増大してしまうことを防ぐことができる。
ステップS15の処理において、移行抽選状態移行フラグがON状態であると判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ」、当選エリア「レアリプレイ」のいずれかに当選したか否かを判定する(S16)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、今回の遊技における内部抽選で当選した当選エリアによって、通常非AT状態を継続し記憶値がまだ上限値となっていない通常時カウンタを更新する機会を維持するか否かを判定しており、内部抽選で当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ」、当選エリア「レアリプレイ」のいずれかに当選したと判定した場合には(YES)、通常非AT状態を継続するためにステップS17の処理を実行することなく通常非AT状態処理を終了する。
ステップS13の処理において、移行抽選状態移行フラグがON状態であると判定した場合(YES)又はステップS16の処理において、内部抽選で当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ」、当選エリア「レアリプレイ」のいずれにも当選していないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態を移行抽選状態に移行し(S17)、通常非AT状態処理を終了する。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれもが上限値に達した場合と、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれかが上限値となり、かつ内部抽選で当選した当選エリアが当選エリア「レア役」、当選エリア「通常リプレイ」、当選エリア「レアリプレイ」のいずれでもない場合と、に通常非AT状態から移行抽選状態に指示機能状態を移行する。
<移行抽選状態処理>
図11は、指示機能状態が移行抽選状態である場合に指示機能状態制御手段200Bが実行する移行抽選状態処理を示すフローチャートである。移行抽選状態処理において、指示機能状態制御手段200Bは、まず、遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する(S21)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態におけるステップS1の処理と略同様に、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する。
ステップS21の処理において、遊技状態がRBB2成立状態でない又は遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ2枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選において使用する移行抽選テーブルについて、移行抽選テーブル群Bから取得することを決定する(S22)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ステップS25〜ステップS27の処理で実行する第1移行抽選〜第3移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得する移行抽選テーブルについて、移行抽選テーブル群Aではなく移行抽選テーブル群Bから取得すると決定する。なお、指示機能状態制御手段200Bは、ステップS22の処理を実行しない場合、つまり、ステップS21の処理で遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には、第1移行抽選〜第3移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得する移行抽選テーブルについて、移行抽選テーブル群Aから取得すると決定する。
図12(A)は、移行抽選テーブル群Aに設定されている第1移行抽選テーブルA〜第3移行抽選テーブルAを示す図であり、図12(B)は、移行抽選テーブル群Bに設定されている第1移行抽選テーブルB〜第3移行抽選テーブルBを示す図である。図12(A)に示すように、第1移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得される第1移行抽選テーブルAは、21846/65536の確率で「CZ選択状態への移行」に当選するように構成されている。また、第2移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得される第2移行抽選テーブルAは、6554/65536の確率で「通常AT状態への移行」に当選するように構成されている。また、第3移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得される第3移行抽選テーブルAは、7282/65536の確率で「通常AT状態への移行」に当選し、36409/65536の確率で「CZ選択状態への移行」に当選するように構成されており、43691/65536の確率でCZ状態又はAT状態への移行に当選するように構成されている。
一方、図12(B)に示すように、第1移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得される第1移行抽選テーブルBは、656/65536の確率で「CZ選択状態への移行」に当選するように構成されている。また、第2移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得される第2移行抽選テーブルBは、656/65536の確率で「通常AT状態への移行」に当選するように構成されている。また、第3移行抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得される第3移行抽選テーブルBは、656/65536の確率で「通常AT状態への移行」に当選し、655/65536の確率で「CZ選択状態への移行」に当選するように構成されており、1311/65536の確率でCZ状態又はAT状態への移行に当選するように構成されている。
つまり、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が移行抽選状態である場合において、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合には移行抽選テーブル群Aから移行抽選テーブルを取得し、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態等、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態以外の遊技状態である場合には移行抽選テーブル群Bから移行抽選テーブルを取得することで、同一の指示機能状態に滞在している場合であってもCZ状態又はAT状態への指示機能状態の移行確率が異なる指示機能に係る処理を実行可能に構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者の操作態様のうち投入操作によって移行可能な第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、で、同一の指示機能状態に滞在している場合であっても異なる指示機能に係る処理を実行することで、新たな指示機能状態を設け該新たな指示機能状態に移行させることなく遊技者の操作態様によって設定された遊技状態に応じた適切な指示機能に係る処理を実行することができ、プログラムの容量が増大してしまうことを防ぐことができる。
なお、図12(A)、(B)に示すように、第3移行抽選テーブルAは、第1移行抽選テーブルA及び第2移行抽選テーブルAよりもCZ状態又はAT状態に移行すると指示機能状態制御手段200Bに決定される確率が高くなるように構成されており、第3移行抽選テーブルBは、第1移行抽選テーブルB及び第2移行抽選テーブルBよりもCZ状態又はAT状態に移行すると指示機能状態制御手段200Bに決定される確率が高くなるように構成されている。このため、第3移行抽選は、第1移行抽選及び第2移行抽選よりも遊技者にとって有利な抽選となっている。
ステップS22の処理を実行した後又はステップS21の処理において、RBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値が上限値になっているか否かを判定する(S23)。この処理において、第1通常時カウンタ199bの記憶値が上限値なっていると判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、第2通常時カウンタ199cの記憶値が上限値になっているか否かを判定する(S24)。これらの処理において、指示機能状態制御手段200Bは、記憶値が上限値になっている通常時カウンタを判定することで、第1移行抽選〜第3移行抽選のいずれを実行するかを判定している。
ステップS24の処理において、第2通常時カウンタ199cの記憶値が上限値になっていないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値のみが上限値になっていることから、第1移行抽選を実行する(S25)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態と通常非AT状態とのいずれに指示機能状態を移行させるかを抽選により決定する第1移行抽選を実行する。
ステップS24の処理において、第2通常時カウンタ199cの記憶値が上限値になっていると判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれもが上限値になっていることから、第3移行抽選を実行する(S26)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態と、通常AT状態と、通常非AT状態と、のいずれに指示機能状態を移行させるかを抽選により決定する第3移行抽選を実行する。
ステップS23の処理において、第1通常時カウンタ199bの記憶値が上限値になっていないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、第2通常時カウンタ199cの記憶値のみが上限値に達したことに基づき移行抽選状態が開始されたと判定し、第2移行抽選を実行する(S27)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態と通常非AT状態とのいずれに指示機能状態を移行させるかを抽選により決定する第2移行抽選を実行する。
ステップS25、ステップS26又はステップS27の処理を実行した後、指示機能状態制御手段200Bは、記憶値が上限値となっている通常時カウンタを初期化する(S28)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、第1移行抽選〜第3移行抽選のいずれかを実行したことから、記憶値が上限値となっている通常時カウンタを初期化する。
次に、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値との双方を初期化したか否かを判定する(S29)。この処理において、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値との双方を初期化したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、第3移行抽選において移行すると決定された指示機能状態が通常非AT状態であるか否かを判定する(S30)。これらの処理において、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、のいずれもが上限値となり、第1移行抽選及び第2移行抽選よりも遊技者にとって有利な第3移行抽選が実行されたにもかかわらず、CZ状態又はAT状態に移行せずに通常非AT状態に移行されると決定したか否かを判定している。
ステップS30の処理において、移行すると決定された指示機能状態が通常非AT状態であると判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、ポイント特化状態移行フラグをON状態にセットする(S31)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ポイント特化状態移行フラグをON状態にセットすることで、移行抽選状態の終了後の遊技において、通常非AT状態からポイント特化状態に移行可能にする。
ステップS31の処理を実行した後、ステップS29の処理において、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれか一方しか初期化していないと判定した場合(NO)又はステップS30の処理において、移行すると決定された指示機能状態が通常非AT状態ではないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態から第1移行抽選〜第3移行抽選で決定した指示機能状態に移行し(S32)、移行抽選状態処理を終了する。
このように、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態において、第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、の双方が上限値に達した場合に、遊技者にとって有利な特典として、CZ状態又はAT状態の付与の有無を決定する第3移行抽選を実行するとともに、第3移行抽選において特典を付与しない、つまり指示機能状態を通常非AT状態に移行すると決定した場合に、第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、のいずれか又は双方の通常時カウンタに値を加算するかを決定するとともに、値「50」〜値「150」の範囲のいずれかの値を加算すると決定するポイント特化抽選が実行されるポイント特化状態への移行を決定することで、第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、が上限値に達しやすくなるよう第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、を上限値に近づけ、第1通常時カウンタ199bの記憶値と、第2通常時カウンタ199cの記憶値と、が上限値となるまでの期間を短縮するように構成されている。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、移行抽選状態において第3移行抽選が実行され、かつCZ状態及びAT状態のいずれにも移行されなかった場合に、通常非AT状態からポイント特化状態に移行し、通常非AT状態における1回の遊技の実行時よりも多くの値が通常時カウンタに加算され、通常時カウンタが所定の値に達しやすくなるよう通常時カウンタの記憶値が所定の値に近づくため、移行抽選状態において特典を得られなかった遊技者の損失感をケアすることができる。
この、ステップS31のポイント特化状態移行フラグをON状態にセットする処理と、通常非AT状態におけるステップS5、ステップS6のポイント特化状態フラグを判定してポイント特化状態に移行させる処理と、ポイント特化状態において指示機能状態制御手段200Bが実行するポイント特化抽選及びポイント特化抽選の結果に基づき通常時カウンタの記憶値を加算する処理と、が、本実施形態における通常時カウンタの記憶値と上限値とを近づける近づけ処理を構成する。また、通常時カウンタの記憶値が上限値に達した場合に、CZ状態又はAT状態への指示機能状態の移行という特典の付与の有無を決定する抽選である第1移行抽選〜第3移行抽選が、本実施形態における特典付与抽選を構成する。
<CZ選択状態処理>
図13は、指示機能状態がCZ選択状態である場合に指示機能状態制御手段200Bが実行するCZ選択状態処理を示すフローチャートである。CZ選択状態処理において、指示機能状態制御手段200Bは、まず、遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する(S41)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態におけるステップS1の処理及び移行抽選状態におけるステップS21の処理と略同様に、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する。
ステップS41の処理において、遊技状態がRBB2成立状態でない又は遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ2枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択行抽選において使用するCZ選択抽選テーブルについて、CZ選択抽選テーブル群Bから取得することを決定する(S42)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ステップS43の処理で実行するCZ選択抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得するCZ選択抽選テーブルについて、CZ選択抽選テーブル群AではなくCZ選択抽選テーブル群Bから取得すると決定する。なお、指示機能状態制御手段200Bは、ステップS42の処理を実行しない場合、つまり、ステップS41の処理で遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には、CZ選択抽選の実行時に指示機能抽選テーブル記憶手段199aから取得するCZ選択抽選テーブルについて、CZ選択抽選テーブル群Aから取得すると決定する。
図14(A)は、CZ選択抽選テーブル群Aに設定されている第1CZ選択抽選テーブルA〜第4移行抽選テーブルAを示す図であり、図14(B)は、CZ選択抽選テーブル群Bに設定されている第1CZ選択抽選テーブルB〜第4CZ選択抽選テーブルBを示す図である。本実施形態において、第1CZ選択抽選テーブルA及び第2CZ選択抽選テーブルAは、指示機能状態が移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合、つまりAT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「0」である場合におけるCZ選択抽選の実行時において、CZ選択抽選テーブル群AからCZ選択抽選テーブルを取得すると決定されている場合に、指示機能状態制御手段200Bによって抽選によりいずれかの取得が選択される抽選テーブルである。また、第3CZ選択抽選テーブルAは、指示機能状態が通常AT状態からCZ選択状態に移行した場合におけるCZ選択抽選の実行時において、CZ選択抽選テーブル群AからCZ選択抽選テーブルを取得すると決定され、かつAT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「0」と値「3」と値「7」とのいずれでもない場合に、指示機能状態制御手段200Bによって取得される抽選テーブルである。また、第4CZ選択抽選テーブルAは、指示機能状態が通常AT状態からCZ選択状態に移行した場合におけるCZ選択抽選の実行時において、CZ選択抽選テーブル群AからCZ選択抽選テーブルを取得すると決定され、かつAT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「3」又は値「7」である場合に、指示機能状態制御手段200Bによって取得される抽選テーブルである。
また、第1CZ選択抽選テーブルA及び第2CZ選択抽選テーブルAは、指示機能状態が移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合、つまりAT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「0」である場合におけるCZ選択抽選の実行時において、CZ選択抽選テーブル群BからCZ選択抽選テーブルを取得すると決定されている場合に、指示機能状態制御手段200Bによって抽選によりいずれかの取得が選択される抽選テーブルである。また、第3CZ選択抽選テーブルAは、指示機能状態が通常AT状態からCZ選択状態に移行した場合におけるCZ選択抽選の実行時において、CZ選択抽選テーブル群BからCZ選択抽選テーブルを取得すると決定され、かつAT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「0」と値「3」と値「7」とのいずれでもない場合に、指示機能状態制御手段200Bによって取得される抽選テーブルである。また、第4CZ選択抽選テーブルAは、指示機能状態が通常AT状態からCZ選択状態に移行した場合におけるCZ選択抽選の実行時において、CZ選択抽選テーブル群BからCZ選択抽選テーブルを取得すると決定され、かつAT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「3」又は値「7」である場合に、指示機能状態制御手段200Bによって取得される抽選テーブルである。
図14(A)に示すように、第1CZ選択抽選テーブルAは、26215/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、39321/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成されている。また、第2CZ選択抽選テーブルAは、39322/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、26214/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成されている。つまり、第1CZ選択抽選テーブルAと第2CZ選択抽選テーブルAとは、すべての乱数が「第1CZ状態への移行」又は「第2CZ状態への移行」に対応付けられている。このため、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態を移行抽選状態からCZ選択状態に移行し、CZ選択抽選テーブル群Aを用いたCZ選択抽選を実行する場合、第1CZ状態又は第2CZ状態に指示機能状態への移行を決定するように構成されている。
上述したように、第1CZ状態と第2CZ状態とは、「通常AT状態への移行」に決定される確率が略同確率となるように設定されており、遊技性が異なるものの遊技者にとって有利な度合いについては略差がない構成となっている。このため、本実施形態のスロットマシン1では、指示機能状態制御手段200BによるCZ選択抽選において、第1CZ選択抽選テーブルAと、第2CZ選択抽選テーブルBと、のいずれが選択された場合にも、遊技者にとって有利な度合いについては略変化しない構成となっている。
第3CZ選択抽選テーブルAは、26215/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、26214/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成され、13107/65536の確率で「通常非AT状態への移行」に当選するように構成されている。このため、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態を通常AT状態からCZ選択状態に移行し、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「3」と値「7」とのいずれでもない状態でCZ選択抽選テーブル群Aを用いたCZ選択抽選を実行する場合、第1CZ状態と第2CZ状態とに加え、通常非AT状態への移行も決定され得るCZ選択抽選を実行するように構成されている。
第4CZ選択抽選テーブルAは、18725/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、18725/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成され、28086/65536の確率で「第3CZ状態への移行」に当選するように構成されている。このため、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態を通常AT状態からCZ選択状態に移行し、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「3」又は値「7」である状態でCZ選択抽選テーブル群Aを用いたCZ選択抽選を実行する場合、第1CZ状態と第2CZ状態とに加え、第1CZ状態及び第2CZ状態よりも遊技者にとって有利な第3CZ状態への移行も決定され得るCZ選択抽選を実行するように構成されている。
一方、図14(B)に示すように、第1CZ選択抽選テーブルBは、13108/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、13107/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成され、39321/65536の確率で「通常非AT状態への移行」に当選するように構成されている。また、第2CZ選択抽選テーブルBは、6554/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、19661/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成され、39321/65536の確率で「通常非AT状態への移行」に当選するように構成されている。また、第3CZ選択抽選テーブルBは、6554/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、6554/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成され、52428/65536の確率で「通常非AT状態への移行」に当選するように構成されている。また、また、第4CZ選択抽選テーブルBは、18725/65536の確率で「第1CZ状態への移行」に当選するように構成され、18725/65536の確率で「第2CZ状態への移行」に当選するように構成され、28086/65536の確率で「通常非AT状態への移行」に当選するように構成されている。
つまり、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態がCZ選択抽選状態である場合において、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合にはCZ選択抽選テーブル群Aから移行抽選テーブルを取得し、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態等、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態以外の遊技状態である場合にはCZ選択抽選テーブル群Bから移行抽選テーブルを取得することで、同一の指示機能状態に滞在している場合であってもCZ状態への指示機能状態の移行確率が異なる指示機能に係る処理を実行可能に構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者の操作態様のうち投入操作によって移行可能な第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、で、同一の指示機能状態に滞在している場合であっても異なる指示機能に係る処理を実行することで、新たな指示機能状態を設け該新たな指示機能状態に移行させることなく遊技者の操作態様によって設定された遊技状態に応じた適切な指示機能に係る処理を実行することができ、プログラムの容量が増大してしまうことを防ぐことができる。
ステップS42の処理を実行した後又はステップS41の処理において、RBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択抽選を実行する(S43)。
次に、指示機能状態制御手段200Bは、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「0」であるか否かを判定する(S44)。この処理において、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「0」ではないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択抽選において「通常非AT状態への移行」に当選したか否かを判定する(S45)。この処理において、「通常非AT状態への移行」に当選したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、ポイント特化状態移行フラグ抽選を実行する(S46)。これらの処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態からCZ選択状態に移行し、かつCZ選択抽選において第1CZ状態〜第3CZ状態ではなく通常非AT状態への移行に決定された場合に、ポイント特化状態移行フラグをON状態に設定するか否かを決定する抽選であるポイント特化状態移行フラグ抽選を実行する。なお、指示機能状態制御手段200Bは、ポイント特化状態移行フラグ抽選において「ポイント特化状態移行フラグをON状態にする」と決定した場合、通常非AT状態において何回の遊技が実行された後にポイント特化状態移行フラグをON状態にセットするかを抽選により決定する。
ステップS46の処理を実行した後、ステップS44の処理において、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「0」であると判定した場合(YES)又はステップS45の処理において、第1CZ状態〜第3CZ状態のいずれかへの移行が決定されていると判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態からCZ選択抽選で決定した指示機能状態に移行し(S47)、CZ選択状態処理を終了する。
このように、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合と、指示機能状態が通常AT状態の終了に伴いCZ選択状態に移行した場合と、で共通のCZ選択状態処理に係るプログラムを指示機能状態制御データ記憶手段199から読み出して実行するように構成されている。また、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態から第1CZ状態〜第3CZ状態に移行した場合、指示機能状態が移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合と、指示機能状態が通常AT状態の終了に伴いCZ選択状態に移行した場合と、で共通のプログラムを指示機能状態制御データ記憶手段199から読み出して実行するように構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、非AT状態からCZ状態に移行しAT状態への移行確率を高める遊技性と、AT状態の終了後にCZ状態に移行し、AT状態に復帰する確率を高める遊技性と、の異なる遊技性を共通の所定のプログラムに基づく処理を実行することができ、プログラムの容量が増大することなく多様な遊技性を実現できる。この、CZ選択状態処理を実行するプログラム及び第1CZ状態〜第3CZ状態のそれぞれを実行するプログラムが、本実施形態における所定のプログラムを構成する。
<通常AT状態処理>
図15は、指示機能状態が通常AT状態である場合に指示機能状態制御手段200Bが実行する通常AT状態処理を示すフローチャートである。通常AT状態処理において、指示機能状態制御手段200Bは、まず、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」であるか否かを判定する(S61)。この処理において、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」であると判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、今回の遊技が通常AT状態における最初の遊技であると判定し、初期ATゲーム数抽選を実行する(S62)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態が継続する期間の初期設定を実行するために、ATゲーム数カウンタ199fに加算する値として、値「30」〜値「100」の範囲内の値を抽選により決定する初期ATゲーム数抽選を実行する。
ステップS62の処理を実行した後又はステップS61の処理において、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」ではないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかに当選したか否かを判定する(S63)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、入賞補助制御を実行することでベルA〜ベルFのいずれかの入賞確率が高まる当選エリアである当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかに内部抽選で当選したか否かを判定し、入賞補助制御の実行の有無を判定している。
ステップS63の処理において、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかに当選したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する(S64)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態におけるステップS1の処理、移行抽選状態におけるステップS21の処理及びCZ選択状態におけるステップS41の処理と略同様に、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ第1規定投入数(3枚)のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたか否かを判定する。
ステップS64の処理において、遊技状態がRBB2成立状態でない又は遊技状態がRBB2成立状態であり、かつ2枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、入賞補助制御を実行するか否かを決定する入賞補助制御抽選を実行する(S65)。次に、指示機能状態制御手段200Bは、入賞補助制御抽選において「入賞補助制御の実行」に当選したか否かを判定する(S66)。
ステップS64の処理において、RBB2成立状態であり、かつ3枚のメダルが投入状態に設定された状態で遊技が開始されたと判定した場合(YES)又はステップS66の処理において、入賞補助制御抽選において「入賞補助制御の実行」に当選したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、入賞補助制御を実行する(S67)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、主制御表示装置500に内部抽選で当選した当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」に対応する正解打順を報知する入賞補助制御を実行するとともに、内部抽選で当選した当選エリアの情報である当選コマンドを演出制御手段180に送信する。演出制御手段180は、指示機能状態制御手段200Bから送信された当選コマンドを受信し、正解打順を演出装置300によって報知する入賞補助演出を実行する。
このように、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が通常AT状態である場合において、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合には内部抽選での当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に入賞補助制御を実行し、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態等、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態以外の遊技状態である場合には内部抽選での当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に入賞補助制御抽選で「入賞補助制御の実行」に当選した場合に限り入賞補助制御を実行することで、同一の指示機能状態に滞在している場合であっても内部抽選での当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時における入賞補助制御の実行確率が異なる指示機能に係る処理を実行可能に構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者の操作態様のうち投入操作によって移行可能な第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、で、同一の指示機能状態に滞在している場合であっても異なる指示機能に係る処理を実行することで、新たな指示機能状態を設け該新たな指示機能状態に移行させることなく遊技者の操作態様によって設定された遊技状態に応じた適切な指示機能に係る処理を実行することができ、プログラムの容量が増大してしまうことを防ぐことができる。
ステップS67の処理を実行した後、ステップS63の処理において、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれにも当選していないと判定した場合(NO)又はステップS66の処理において、入賞補助制御抽選で「入賞補助制御の実行」に当選しなかったと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値を1減算する(S68)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態において1回の遊技が実行されることから、1回の遊技に相当する値「1」をATゲーム数カウンタ199fの記憶値から減算する。
次に、指示機能状態制御手段200Bは、AT実行ゲーム数カウンタ199gの記憶値を1加算する(S69)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態において1回の遊技が実行されることから、1回の遊技に相当する値「1」をAT実行ゲーム数カウンタ199gの記憶値に加算する。
次に、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選したか否かを判定する(S70)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選したか否かを判定することで、通常AT状態から上乗せ特化状態への指示機能状態の移行に係る処理を実行するか否かを判定している。
ステップS70の処理において、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態を上乗せ特化状態へ移行するか否かを決定する上乗せ特化移行抽選を実行する(S71)。次に、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化移行抽選で「上乗せ特化状態への移行に当選したか否かを判定する(S72)。この処理において、「上乗せ特化状態への移行」に当選したと判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態を通常AT状態から上乗せ特化状態に移行する(S73)。
ステップS70の処理において、内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選していないと判定した場合(NO)又はステップS72の処理において、上乗せ特化移行抽選で「上乗せ特化状態への移行」に当選しなかったと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」であるか否かを判定する(S74)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、今回の遊技が1セットの通常AT状態における最後の遊技であるか否かを判定し、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」であると判定した場合には(YES)、1セットの通常AT状態を実行したことからAT実行回数カウンタ199eの記憶値に値「1」を加算し(S75)、指示機能状態を通常AT状態からCZ選択状態に移行する(S76)。
ステップS73、ステップS76の処理を実行した後又はステップS74の処理において、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値が値「0」ではないと判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、エンディング設定処理を実行し(S77)、通常AT状態処理を終了する。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間の特定終了条件が成立するまでAT状態を継続させる条件が成立したか否かを判定し、有利期間の特定終了条件が成立するまでAT状態を継続させる条件が成立した場合には上乗せ特化状態に指示機能状態を移行させるエンディング設定処理を実行する。
<エンディング設定処理>
図16は、通常AT状態のステップS77の処理で指示機能状態制御手段200Bが実行するエンディング設定処理を示すフローチャートである。エンディング設定処理において、指示機能状態制御手段200Bは、まず、有利期間差枚数カウンタ198bの記憶値が値「2050」以上か否かを判定する(S81)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間が開始されてからメダルの払出数の最下点から差枚数が2050枚以上となったか否かを判定している。
ステップS81の処理において、有利期間差枚数カウンタ198bの記憶値が値「2050」未満であると判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間ゲーム数カウンタ198aの記憶値が値「1400」以上か否かを判定する(S82)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間が開始されてから1400ゲーム以上の遊技が実行されたか否かを判定している。
ステップS82の処理において、有利期間ゲーム数カウンタの記憶値が値「1400」未満であると判定した場合には(NO)、指示機能状態制御手段200Bは、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値と、AT実行ゲーム数カウンタ199gの記憶値と、上乗せゲーム数カウンタ199jの記憶値と、の総和が値「1500」以上か否かを判定する(S83)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態の残り遊技回数と、AT状態において実行した遊技回数と、上乗せ特化状態で付与された上乗せゲーム数と、の総和が1500ゲームを超えるか否かを判定しており、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値と、AT実行ゲーム数カウンタ199gの記憶値と、上乗せゲーム数カウンタ199jの記憶値と、の総和が値「1500」未満であると判定した場合には(NO)、エンディング設定処理を終了する。
ステップS81の処理において、有利期間差枚数カウンタ198bの記憶値が値「2050」以上であると判定した場合(YES)、ステップS82の処理において、有利期間ゲーム数カウンタ198aの記憶値が値「1400」以上であると判定した場合(YES)又はステップS83の処理において、ATゲーム数カウンタ199fの記憶値と、AT実行ゲーム数カウンタ199gの記憶値と、上乗せゲーム数カウンタ199jの記憶値と、の総和が値「1500」以上であると判定した場合には(YES)、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化セット数カウンタ199iの記憶値に値「255」をセットし(S84)、指示機能状態を上乗せ特化状態に移行し(S85)、エンディング設定処理を終了する。これらの処理において、指示機能状態制御手段200Bは、RAM内における1バイトの領域として設けられている上乗せ特化セット数カウンタ199iに、記憶可能な値の上限値である値「255」をセットすることで、有利期間の特定終了条件が成立するまで上乗せ特化状態が継続するように設定するとともに、指示機能状態を通常AT状態から上乗せ特化状態に移行し、有利期間が終了するまで上乗せ特化状態が継続しエンディング演出を実行できる状態に設定する。
4.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態の遊技機(1)は、
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリール(R1,R2,R3)と、
遊技媒体の投入を受け付ける期間である投入受付期間内において、予め定められた規定投入数を限度として投入状態に設定する投入受付手段(105)と、
前記複数のリールの回転動作を開始させるために操作されるスタートスイッチ(230)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるために操作されるストップスイッチ(240)と、
前記ストップスイッチへの操作及び前記内部抽選手段により決定された前記内部抽選の結果に基づいて、回転動作中の各リールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段(130)と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞判定を行う入賞判定手段(140)と、
役の入賞に伴い、入賞した役の配当に基づき遊技媒体を払い出す制御を実行する払出制御手段(150)と、
複数の遊技状態の間での遊技状態の移行に係る制御を実行する遊技状態移行制御手段(170)と、
特定の役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な状態を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る制御と、指示機能状態に対応する指示機能に係る処理と、を行う指示機能状態制御手段(200B)と、を備え、
前記複数の遊技状態は、
第1遊技状態と、
所定遊技回数の遊技で投入した遊技媒体の総投入数に対する総払出数の比率が前記第1遊技状態よりも多い値に設定された第2遊技状態と、を含み、
前記遊技状態移行制御手段は、遊技者の操作態様に基づき遊技状態を前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで移行させる制御が可能であり、
前記指示機能状態制御手段は、遊技状態が前記第1遊技状態でありかつ指示機能状態が所定の指示機能状態である場合と、遊技状態が前記第2遊技状態でありかつ指示機能状態が前記所定の指示機能状態である場合と、で異なる指示機能に係る処理を実行可能である。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者の操作態様のうち投入操作によって移行させる制御が可能な第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、で同一の指示機能状態に滞在している場合であっても異なる指示機能に係る処理を実行することで、新たな指示機能状態を設け該新たな指示機能状態に移行させることなく遊技者の操作態様によって設定された遊技状態に応じた適切な指示機能に係る処理を実行することができ、プログラムの容量が増大してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記複数の指示機能状態は、
第1指示機能状態と、
前記内部抽選手段による前記内部抽選で前記特定の役を含む当選態様に当選した場合に前記入賞補助制御を実行可能な第2指示機能状態と、
前記第2指示機能状態への移行に係る特定の情報に基づいて所定の処理を実行する第3指示機能状態と、を含み、
前記第3指示機能状態は、指示機能状態が前記第1指示機能状態である場合よりも前記第2指示機能状態に移行する頻度が高く、
前記指示機能状態制御手段は、
前記第1指示機能状態において所定の条件が成立した場合と、前記第2指示機能状態が終了した場合と、において指示機能状態を前記第3指示機能状態に移行可能であり、
前記第1指示機能状態から前記第3指示機能状態に移行した場合と、前記第2指示機能状態から前記第3指示機能状態に移行した場合と、のいずれの場合も前記所定の処理を実行する。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、非AT状態からCZ状態に移行しAT状態への移行確率を高める遊技性と、AT状態の終了後にCZ状態に移行し、AT状態に復帰する確率を高める遊技性と、の異なる遊技性を共通の所定の処理で実行することができ、プログラムの容量が増大することなく多様な遊技性を実現できる。
また、本実施形態の遊技機は、
遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御を行う特典制御手段(200B)と、
前記特典制御手段によって更新される値を記憶する数値記憶手段(199b,199c)と、を備え、
前記特典制御手段は、
前記数値記憶手段に記憶されている値を初期値から所定の値に近づける方向に累積的に更新する更新処理と、
前記数値記憶手段に記憶されている値が前記所定の値に達した場合に、特典の付与の有無を決定する特典付与抽選と、
前記特典付与抽選において特典を付与しないと決定した場合に、前記数値記憶手段に記憶されている値が前記所定の値に達しやすくなるよう前記数値記憶手段に記憶されている値と前記所定の値とを近づける近づけ処理の実行を決定する。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、移行抽選状態において第3移行抽選が実行され、かつCZ状態及びAT状態のいずれにも移行されなかった場合に、通常非AT状態から近づけ処理が実行されるポイント特化状態に移行し、通常非AT状態における1回の遊技の実行時よりも多くの値が通常時カウンタに加算され、通常時カウンタの記憶値が所定の値に達しやすくなるよう通常時カウンタの記憶値が所定の値に近づくため、移行抽選状態において特典を得られなかった遊技者の損失感をケアすることができる。
また、本実施形態の遊技機は、
通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態に係る制御を実行する有利制御手段(200B)と、を備え、
前記有利制御手段は、
前記有利状態を終了した後に前記通常状態を介さずに前記有利状態を再開可能であり、
前記有利状態を開始してから、前記有利状態の終了後に前記有利状態を再開せずに前記通常状態を開始するまでにおいて、前記有利状態を終了した回数が所定の回数となる前記有利状態の終了時に遊技者にとって有利な特典を付与する。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、1セットの通常AT状態を終了した回数が3回又は7回となった場合に、通常AT状態の終了時に第1CZ状態及び第2CZ状態より遊技者にとって有利な第3CZ状態に移行可能にするという遊技者にとって有利な特典を付与するため、1セットの通常AT状態の終了後に非AT状態に移行することなく1セットの通常AT状態を再開し、複数セットの通常AT状態を実行した遊技者に特典を付与することで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記複数の指示機能状態は、
第1特定指示機能状態と、
前記内部抽選手段による前記内部抽選で前記特定役を含む特定当選態様に当選した場合に前記指示機能状態制御手段が前記入賞補助制御を実行する第2特定指示機能状態と、
前記第2特定指示機能状態の終了後に移行され、特定指示期間が経過するまで継続し、前記第1特定指示機能状態よりも高い確率で前記第2特定指示機能状態に移行可能な第3特定指示機能状態と、を含み、
前記第3特定指示機能状態は、所定遊技回数の遊技で投入した遊技媒体の総投入数に対する総払出数の比率が前記第2特定指示機能状態よりも低い値に設定されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態の終了後に特定指示期間が経過するまで継続し、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)がAT状態よりも低い値に設定されたCZ状態を実行することで、AT状態の終了後のCZ状態から速やかにAT状態に復帰することが可能になるとともに、CZ状態でのメダルの獲得率の期待値を引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機は、
特定の役の入賞を補助する入賞補助制御が実行可能な期間である有利期間と、前記入賞補助制御が実行されない期間である非有利期間と、の間での移行に係る制御を行う有利期間制御手段(200A)と、を備え、
前記規定投入数は、第1規定投入数と、前記第1規定投入数よりも多い第2規定投入数と、を含み、
前記有利期間制御手段は、前記投入受付手段が前記第1規定投入数の遊技媒体を投入状態に設定した状態における前記内部抽選手段による前記内部抽選で所定の当選態様に当選した場合と、前記投入受付手段が前記第2規定投入数の遊技媒体を投入状態に設定した状態における前記内部抽選手段による前記内部抽選で前記所定の当選態様に当選した場合と、で前記非有利期間から前記有利期間に移行させる制御を実行する確率が異なる。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能に係る制御が実行できない非有利期間において、規定投入数を変更することで遊技性を変化させることができ、非有利期間における遊技性に多様性を持たせることができる。
また、本実施形態の遊技機において、
前記複数の指示機能状態は、
第1指示機能状態と、
前記第1指示機能状態よりも高い頻度で前記入賞補助制御が実行される第2指示機能状態と、を含み、
前記指示機能状態制御手段は、前記有利期間制御手段によって前記非有利期間から前記有利期間に移行された場合に、指示機能状態を前記第2指示機能状態に移行し、
前記有利期間制御手段は、前記指示機能状態制御手段が指示機能状態を前記第1指示機能状態から前記第2指示機能状態に移行する確率よりも高い確率で、前記非有利期間から前記有利期間に移行させる。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態において有利期間の特定終了条件が成立した場合に、非有利期間に移行するものの、速やかに有利期間に移行し再度AT状態を開始することができ、開始された場合に1500ゲームの実行又はメダルの払出数の最下点からの差枚数が2400枚となった時点で終了し、終了時に指示機能に係るデータの初期化が実行される有利期間を有する構成であっても、AT状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列されている第1リール(R1)、第2リール(R2)及び第3リール(R3)と、
前記第1リール、前記第2リール及び前記第3リールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する第1ストップスイッチ(240L)、第2ストップスイッチ(240C)及び第3ストップスイッチ(240R)と、
前記スタートスイッチによる前記開始操作の検出に基づいて、前記第1リール、前記第2リール及び前記第3リールを回転させ、前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチによる前記停止操作の検出及び前記内部抽選手段により決定された前記内部抽選の結果に基づいて、回転中の前記第1リール、前記第2リール及び前記第3リールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段(130)と、
前記第1リール、前記第2リール及び前記第3リールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン(L1)上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段(140)と、を備え、
前記特定の役は、それぞれ入賞形態を示す図柄組合せが異なり、かつ前記規定投入数よりも多い同一の配当が設定された第1特定役、第2特定役、第3特定役、第4特定役、第5特定役及び第6特定役を含み、
前記複数種類の当選態様は、
前記第1特定役を含み、前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチが検出した前記停止操作の順序が第1打順である場合に、前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記第1特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される第1特定当選態様と、
前記第2特定役を含み、前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチが検出した前記停止操作の順序が第2打順である場合に、前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記第2特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される第2特定当選態様と、
前記第3特定役を含み、前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチが検出した前記停止操作の順序が第3打順である場合に、前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記第3特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される第3特定当選態様と、
前記第4特定役を含み、前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチが検出した前記停止操作の順序が第4打順である場合に、前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記第4特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される第4特定当選態様と、
前記第5特定役を含み、前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチが検出した前記停止操作の順序が第5打順である場合に、前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記第5特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される第5特定当選態様と、
前記第6特定役を含み、前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチが検出した前記停止操作の順序が第6打順である場合に、前記リール制御手段による前記リール停止制御によって前記第6特定役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される第6特定当選態様と、を含み、
前記第1打順と、前記第2打順と、前記第3打順と、前記第4打順と、前記第5打順と、前記第6打順と、は、それぞれ前記第1ストップスイッチ、前記第2ストップスイッチ及び前記第3ストップスイッチが検出した前記停止操作の順序が異なる順序の打順であり、
前記第1打順及び前記第2打順は、最初に前記第1ストップスイッチが前記停止操作を検出する順序であり、
前記第3打順及び前記第4打順は、最初に前記第2ストップスイッチが前記停止操作を検出する順序であり、
前記第5打順及び前記第6打順は、最初に前記第3ストップスイッチが前記停止操作を検出する順序であり、
前記第1特定役の入賞形態を示す図柄組合せ及び前記第2特定役の入賞形態を示す図柄組合せは、有効ライン上に表示される図柄のうち前記第1リールの図柄が共通の図柄であり、
前記第3特定役の入賞形態を示す図柄組合せ及び前記第4特定役の入賞形態を示す図柄組合せは、有効ライン上に表示される図柄のうち前記第2リールの図柄が共通の図柄であり、
前記第5特定役の入賞形態を示す図柄組合せ及び前記第6特定役の入賞形態を示す図柄組合せは、有効ライン上に表示される図柄のうち前記第3リールの図柄が共通の図柄である。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」に当選した場合に、第1停止操作が実行されたことを左ストップスイッチ240L〜右ストップスイッチ240Rが検出し、かつ第1停止操作を検出したストップスイッチ240が当選している当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかにおける正解打順で設定されている第1停止操作を検出するストップスイッチ240であった場合に、第1停止操作の時点で当選した当選エリアが当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれであるかが判別してしまい、当該遊技における正解打順が明らかになってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機は、
予め設定された所定の期間が経過するまで実行可能な特定期間を制御する特定期間制御手段(200A)を備え、
前記有利状態は、他の有利状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、開始条件及び終了条件が予め設定された1セットの特定有利状態を含み、
前記有利状態制御手段は、
前記特定期間中における前記開始条件が成立してから前記終了条件が成立するまでにおいて前記有利状態を実行可能であり、
前記有利状態の実行中でかつ前記所定の期間が経過するまで前記特定期間を継続させる条件が成立した場合に、前記有利状態から前記特定有利状態に移行する特定状態移行制御を実行し、
前記特定状態移行制御を実行した場合に、前記特定有利状態を実行するセット数を前記第1期間が経過するまで前記特定有利状態を継続可能なセット数に設定する。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態の実行中に有利期間の特定終了条件が成立する場合に、予め上乗せ特化状態に移行し、有利期間が終了するまで上乗せ特化状態を継続可能にすることで、上乗せ特化状態中に有利期間の特定終了条件を成立させられるため、有利期間の終了に伴いAT状態が終了する際に、上乗せ特化状態に移行したことで有利期間の終了までAT状態における利益を享受できたと遊技者に満足感を与えることができる。
5.変形例
なお、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、1ゲームで指示機能状態の移行を実行するCZ選択状態を実行するように構成されているが、これに限らず、複数の遊技(例えば2〜4ゲーム)に亘ってCZ選択状態を実行するように構成されていてもよい。このように構成された場合、演出制御手段180は、ルーレット演出の実行時に1回遊技が実行されるごとにコマ数が減少したルーレット演出を実行するように構成されていてもよい。具体的には、演出制御手段180は、CZ選択状態における最初の遊技において、6コマのルーレットを用意するとともに、「次ゲームに続く」旨を示すコマを選択するルーレット演出を実行し、CZ選択状態における2回目の遊技において、5コマのルーレットを用意するとともに、「次ゲームに続く」旨を示すコマを選択するルーレット演出を実行する。そして、演出制御手段180は、CZ選択状態における最後の遊技において、指示機能状態制御手段200Bが移行すると決定した指示機能状態を報知するコマを選択するルーレット演出を実行するように構成されていてもよい。
また、CZ選択状態が1ゲームで終了する構成である場合であっても、演出制御手段180は、複数回のルーレット演出を実行可能に構成されていてもよい。CZ選択状態が1ゲームで終了し、かつ演出制御手段180が複数回のルーレット演出を実行する構成である場合、スロットマシン1は、CZ選択状態において、ルーレット演出が終了するまで遊技の進行を遅延させるフリーズを発生させることができるように構成されていることが好ましい。ここで、フリーズは、例えば、左ストップスイッチ240L〜右ストップスイッチ240Rによる停止操作の検出を一時的に中止(無効化)することで、遊技の進行を遅延させるものが好ましい。なお、スロットマシン1は、フリーズとして、ベットスイッチ220による遊技者のシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBへのベット操作の検出、スタートスイッチ230による遊技者のスタートレバーSLへの開始操作の検出等の各操作態様検出手段による遊技者の操作態様の検出の一時的な中止(無効化)と、リール制御手段130による左リールR1〜右リールR3の回転開始時において、各リールの回転の遅延と、等によって遊技の進行を遅延するものを有する構成であってもよい。
また、本実施形態において、演出制御手段180は、移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合と、通常AT状態からCZ選択状態に移行した場合と、のいずれの場合も略同一のルーレット演出を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、移行抽選状態からCZ選択状態に移行した場合と、通常AT状態からCZ選択状態に移行した場合と、で異なる演出を実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態において、AT実行回数カウンタ199eの記憶値を参照してCZ選択抽選テーブルを取得するように構成されているが、これに限らず、例えば、AT実行回数カウンタ199eの記憶値によらず、抽選により複数種類のCZ選択抽選テーブルのいずれかを取得すると決定するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとの2種類の通常時カウンタを有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、通常時カウンタとして1個の通常時カウンタを有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態において、1個の通常時カウンタが上限値に達した時点で移行抽選状態に指示機能状態を移行する。また、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態においてCZ状態又はAT状態への移行が決定されなかった場合、通常非AT状態に指示機能状態を移行した後に、1個の通常時カウンタの記憶値が初期化されていることに基づきポイント特化状態を開始するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、演出制御手段180は、ポイント特化状態において、毎回の遊技の都度指示機能状態制御手段200Bが第1通常時カウンタ199bと第2通常時カウンタ199cとに加算すると決定した値を第1通常時カウンタ表示と第2通常時カウンタ表示とで表示するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、ポイント特化状態の終了時において第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とを第1通常時カウンタ表示と第2通常時カウンタ表示とで表示するように構成されていればよく、例えば、ポイント特化状態における前半の遊技(1ゲーム目〜3ゲーム目)では、指示機能状態制御手段200Bが決定した値よりも低い値を加算する表示を実行し、ポイント特化状態における後半の遊技(4ゲーム目〜7ゲーム目)では、指示機能状態制御手段200Bが決定した値よりも高い値を加算する表示を実行することで、ポイント特化状態の終了時において第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とを第1通常時カウンタ表示と第2通常時カウンタ表示とで表示するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態が終了し、かつCZ選択状態、第1CZ状態、第2CZ状態において「通常非AT状態への移行」に決定された場合に、次ゲーム〜33ゲームの範囲内の遊技の実行後に通常非AT状態からポイント特化状態に移行するか否かを決定するように構成されているが、これに限らず、例えば、通常AT状態が終了し、かつCZ選択状態、第1CZ状態、第2CZ状態において「通常非AT状態への移行」に決定された場合における通常非AT状態において、33ゲームの遊技が実行されるまでの間、ポイント特化状態に移行するか否かを決定する抽選を実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、ポイント特化状態において、第1通常時カウンタ199bの記憶値に加算する値と第2通常時カウンタ199cの記憶値に加算する値とを決定し、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とを所定の値である上限値に近付けることで、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とが上限値になるまでの期間を短縮するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、ポイント特化状態において、上限値を値「300」から低い値(例えば値「200」等)に更新するか否かを決定する抽選を実行することで、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とが上限値になるまでの期間を短縮するように構成されていてもよい。このように構成された場合、上限値を低い値に更新することで、通常時カウンタの記憶値と上限値とを近づける処理が、近づけ処理を構成する。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とを所定の値である上限値に近づける方向に累積的に更新する更新処理として、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とを抽選により決定した値で加算するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、更新処理として、抽選により決定した値で上限値を減算することで、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とを上限値に近づける方向に累積的に更新するように構成されていてもよい。
また、近づけ処理として上限値を低い値に更新する処理を実行するように構成された場合や、更新処理として上限値を減算するように構成された場合において、演出制御手段180は、通常時カウンタの上限値について、通常時カウンタの記憶値が上限値に近付くまで表示しない(上限値非表示演出)を実行するように構成されていてもよい。上限値非表示演出を実行可能に構成されることで、スロットマシン1は、通常非AT状態における上限値非表示演出の実行中において、現在の第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とが上限値になるまでに必要な値を遊技者に判別されることを防ぐことができ、通常非AT状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、通常時カウンタの記憶値に加算する値について、通常パラメータ抽選又は特別パラメータ抽選により決定するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、当選した当選エリアごとに対応する通常時カウンタに所定の値を加算するように構成されていてもよい。このように構成された場合、指示機能状態制御手段200Bは、小役に連続して当選した回数に応じて加算する値を多くする(例えば、小役に1回当選した場合に第1通常時カウンタ199bの記憶値に値「1」を加算し、小役に2回連続当選した場合に2回目の当選時に第1通常時カウンタ199bの記憶値に値「2」を加算し、小役に3回連続当選した場合に3回目の当選時に第1通常時カウンタ199bの記憶値に値「5」を加算する等)ように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、移行抽選状態において第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれものを初期化し、かつ指示機能状態を通常非AT状態に移行すると決定した場合に、ポイント特化状態移行フラグをON状態にセットし、通常非AT状態からポイント特化状態への移行を可能に構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのいずれもが上限値に到達した状態で第3移行抽選を実行し、第3移行抽選においてCZ状態やAT状態ではなく通常非AT状態への移行を決定する、つまり特典を付与しないと決定した場合に、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とを初期化することなく指示機能状態をポイント特化状態に移行するように構成されていてもよい。このように構成された場合、指示機能状態制御手段200Bは、ポイント特化状態において、第1通常時カウンタ199bの記憶値と第2通常時カウンタ199cの記憶値とのそれぞれに上書きしてセットする値を決定するように構成されることが好ましい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、所定の指示機能状態として、通常非AT状態、移行抽選状態、CZ選択状態、通常AT状態のいずれにおいても、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態と、で同一の指示機能状態であっても異なる指示機能に係る処理を実行するように構成されているが、これに限らず、少なくとも1つの指示機能状態において同一の指示機能状態であっても異なる指示機能に係る処理を実行するように構成されていればよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、通常非AT状態、移行抽選状態、CZ選択状態、通常AT状態のいずれにおいても、同一の指示機能状態における異なる指示機能に係る処理として第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合の方が、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合よりも遊技者にとって有利な処理を実行するように構成されているが、これに限らず、例えば、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合の方が、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合よりも遊技者にとって有利な処理を実行するように構成されていてもよく、メダルの払い出しに係る性能について、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合と、で差を設けず、かつそれぞれ異なる指示機能に係る処理を実行する(例えば、それぞれAT状態への移行確率が略同一である第1CZ状態と第2CZ状態とを有し、CZ選択状態において、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合には第1CZ状態への移行を決定し、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態である場合には第2CZ状態への移行を決定する等)ように構成されていてもよく、遊技状態が第1遊技状態でありかつ指示機能状態が所定の指示機能状態である場合と、遊技状態が第2遊技状態でありかつ指示機能状態が所定の指示機能状態である場合と、で、異なる指示機能に係る処理を実行するように構成されていれば、その具体的な内容について、本実施形態に限定されない。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1遊技状態として、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態を有し、第2遊技状態として、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB2成立状態を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、ボーナスとして、リール制御手段130によるリール停止制御によってRBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合にRBが作動するRBB(シフトRBB)を有し、第1遊技状態として、非ボーナス状態及びボーナス成立状態を有し、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)が第1遊技状態よりも多い値に設定された第2遊技状態として、RBB作動中RB非作動状態、RBB作動中RB内部状態及びRBB作動中RB作動状態を有するように構成されていてもよい。
このように構成された場合、スロットマシン1では、RBBの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に揃えることができる押下タイミングで実行する左ストップボタンB1〜右ストップボタンB3の押下操作が、第1遊技状態における遊技者の操作態様を構成する。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB1成立状態と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB1成立状態と、のいずれにおいても、内部抽選手段120による内部抽選で小役又はリプレイに当選するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB1成立状態について、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定された非RT状態と同一の小役の当選確率を有し、リプレイの当選確率について約1/7.3以上を有する構成されていれば、いずれの当選確率で構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されたRBB1成立状態について、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定された非RT状態と同一の小役の当選確率を有し、リプレイの当選確率について約1/7.3以上を有する構成されていれば、いずれの当選確率で構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、RBB2作動状態について、RBB1作動状態と同一の内部抽選テーブルEを使用した内部抽選を実行するように構成されているが、これに限らず、所定遊技回数の遊技で投入した遊技媒体の総投入数に対する総払出数の比率が値「1.0」を超えるような内部抽選テーブルを使用した内部抽選を実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、CZ選択状態において、AT実行回数カウンタ199eの記憶値が値「3」又は値「7」である場合にのみ、第3CZ状態に移行可能に構成されているが、これに限らず、例えば、AT実行回数カウンタ199eの記憶値がいずれの値である場合にもCZ選択抽選において「第3CZ状態への移行」が抽選の対象に含まれるように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、通常AT状態から移行したCZ選択状態において、AT実行回数カウンタ199eの記憶値を参照してCZ選択抽選を実行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、通常AT状態の実行時において、予め設定された条件(例えば、遊技が実行される、内部抽選で所定の当選エリアに当選する等)が成立した場合に、指示機能状態制御データ記憶手段199の有するカウンタであるAT時カウンタ(不図示)の記憶値を初期値(例えば値「0」)から累積的に更新する有利数値更新処理を実行し、通常AT状態の終了後に移行するCZ選択状態において、AT時カウンタの記憶値が第1の値である場合に実行するCZ選択抽選よりも、第1の値より大きい第2の値である場合に実行するCZ選択抽選の方が、遊技者にとって有利なCZ状態に移行しやすいように構成されていてもよい。
つまり、遊技機は、
前記有利制御手段によって更新される値を記憶する有利数値記憶手段を備え、
前記有利制御手段は、
前記有利状態において、前記有利数値記憶手段に記憶されている値を初期値から累積的に更新する有利数値更新処理を実行し、
前記有利状態が終了した際に付与する特典において、前記有利数値記憶手段に記憶されている値が第1の値である場合に付与する特典よりも、前記第1の値より大きい第2の値である場合に付与する特典の方が、遊技者にとって有利である。
この構成により、スロットマシン1は、有利数値記憶手段としての指示機能状態制御手段200Bが通常AT状態中に更新したAT時カウンタの記憶値が大きい値になる程、通常AT状態が終了した際に付与する特典を遊技者にとって有利にすることができ、通常AT状態における遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態中に特定終了条件が成立するまで有利期間を継続させる条件が成立した場合に、上乗せ特化セット数カウンタ199iにセット可能な上限の値である値「255」をセットし、指示機能状態を上乗せ特化状態に移行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、特定終了条件が成立するまで有利期間を継続させるのに十分なセット数を上乗せ特化セット数カウンタ199iにセットするように構成されていればよく、例えば、残り100ゲームで特定終了条件が成立する場合には、20ゲーム継続する上乗せ特化状態を5セット実行すれば特定終了条件が成立するまで上乗せ特化状態を継続可能となることから、上乗せ特化セット数カウンタ199iに値「5」をセットして、指示機能状態を上乗せ特化状態に移行するように構成されていてもよい。つまり、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態中に特定終了条件が成立するまで有利期間を継続させる条件が成立した場合に、上乗せ特化セット数カウンタ199iにセットする値について、算出するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第2特定指示機能状態としてAT状態を有し、第3特定指示機能状態として、移行抽選状態及び通常AT状態から移行可能なCZ状態を有するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、第3特定指示機能状態として、AT状態からのみ移行可能に構成され、非AT状態よりもAT状態に移行する確率(頻度)が高い特定の状態を有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、特定の状態におけるAT状態に移行する確率は、CZ状態と略同一に設定されていてもよいし、CZ状態よりも高い確率(例えば100%)であってもよい。
また、特定の状態におけるAT状態に移行する確率は、非有利期間における有利期間抽選で「有利期間の開始」に当選する確率と略同一であってもよい。このように構成され、かつ、有利期間の開始に伴いAT状態を開始するように構成された場合、スロットマシン1は、非有利期間についても特定の状態と略同一の性能の状態として有することができる。また、このように構成された場合、演出制御手段180は、特定の状態と、非有利期間である場合と、で略同一の特定の演出を実行することで、有利期間が終了し非有利期間が開始された場合であっても遊技者に有利な状態が続いていると期待感を抱かせることができる。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第2特定指示機能状態としてAT状態を有し、第3特定指示機能状態として、入賞補助制御が実行されないCZ状態を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、第3特定指示機能状態として、例えば、入賞補助制御を実行可能であるものの内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかの当選時において、入賞補助制御を実行するか否かを抽選で決定し、かつ該抽選に当選した場合にのみ入賞補助制御を実行可能に構成されることで、通常AT状態よりも入賞補助制御の実行頻度が低い特定AT状態を有していてもよい。つまり、スロットマシン1は、所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率(ベース)が第2特定指示機能状態よりも低い値に設定された状態となっていれば、第3特定指示機能状態について、入賞補助制御を実行可能な状態であってもよく、またベースが値「1.0」を超える値に設定された状態であってもよい。
また、本実施形態において、有利期間制御手段200Aは、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始され、かつ遊技状態がRBB1作動状態及びRBB2作動状態ではない場合に、いずれの当選エリアの当選時にも有利期間抽選を実行するように構成され、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始され、かつ遊技状態がRBB1作動状態及びRBB2作動状態ではない場合に、いずれの当選エリアの当選時にも有利期間抽選を実行しないように構成されているが、これに限定されない。有利期間制御手段200Aは、第1規定投入数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始され、かつ遊技状態がRBB1作動状態及びRBB2作動状態ではない状態で所定の当選エリアに当選した場合と、第2規定投入数のメダルが投入状態に設定されて遊技が開始され、かつ遊技状態がRBB1作動状態及びRBB2作動状態ではない状態で所定の当選エリアに当選した場合と、で有利期間抽選において「有利期間の開始」に当選する確率が異なる、つまり非有利期間から有利期間に移行させる制御を実行する確率が異なるように構成されていればよく、対象となる当選エリアの数や、有利期間抽選における当選確率について、本実施形態に限定されない。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間制御手段200Aによって非有利期間から有利期間に移行された場合に、通常AT状態に指示機能状態を移行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、有利期間制御手段200Aによって非有利期間から有利期間に移行された場合に、AT状態を開始するか否かを抽選(開始時抽選)により決定するように構成されていてもよい。このように構成された場合、指示機能状態制御手段200Bは、開始時抽選において、CZ状態においてAT状態への移行に決定される確率と略同一の確率で指示機能状態を通常AT状態に移行するように構成されていてもよく、非AT状態からAT状態に移行する確率よりも高い確率でAT状態の開始に決定されるように構成されていればよい。
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、指示機能に係る制御についても初期化されるように構成され、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合に、電断前の状態が維持されるように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、通常非AT状態において電断が発生した場合に、その後の電力の供給が再開された際に第1通常時カウンタ199b及び第2通常時カウンタ199cの記憶値を初期化するように構成されていてもよい。つまり、指示機能状態制御手段200Bは、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合と、遊技制御手段10への電力の供給が遮断及び供給の再開が実行された場合と、で共通の指示機能に係る処理を実行するように構成されていてもよい。
このように構成されることで、本実施形態のスロットマシン1は、遊技場の閉店に伴い遊技機の電源がON状態からOFF状態に切り換えられ、翌日、遊技場の開店に伴い電源をOFF状態からON状態に切り換えた後に、設定変更制御が実行されたか否かについて、スロットマシン1の挙動から遊技者に判別されることを防ぐことができる。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし所定の契機で減算するデクリメント更新や、所定の契機で加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、乗算や除算を用いて更新する等、各カウンタや記憶手段の更新方法については特に限定されない。