JP2020045413A - 金属接着用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
トレッド部は、キャップトレッドとアンダートレッドとからなり、このアンダートレッドとカーカス層との間に、ベルト層が配設されている。
このベルト層には、強い衝撃や大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードのような金属製補強コードが用いられている。このようなスチールコードを被覆するゴムは、スチールコードとの良好な接着性が必要とされ、そのため、スチールコードにはブラスメッキを施し、ゴムには有機酸Co塩を配合する手法がある(例えば下記特許文献1参照)。
しかしこのような従来技術では、湿熱下に長時間さらされるとゴム−金属間の接着性が低下するという問題点があった。
すなわち本発明は以下の通りである。
2.ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに硫黄を4〜10質量部配合してなることを特徴とする前記1に記載の金属接着用ゴム組成物。
3.前記1または2に記載の金属接着用ゴム組成物に、金属製補強コードを埋設させてなるゴム−金属複合材。
4.前記金属接着用ゴム組成物および/または前記金属製補強コードが、コバルトまたはコバルト化合物を含有することを特徴とする前記3に記載のゴム−金属複合材。
5.前記3または4に記載のゴム−金属複合材を用いた空気入りタイヤ。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに80質量部以上であることが必要である。NRおよび/またはIRの配合量が80質量部未満であると、引張強度が悪化し、好ましくない。なお、NRおよびIR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明で使用されるけい皮酸は、下記構造を有する。
本発明の金属接着用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、けい皮酸および/またはけい皮アルコールを0.5〜10質量部配合してなることを特徴とする。
前記けい皮酸および/またはけい皮アルコールの配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると基本物性である硬度や100%モジュラス(M100)が悪化する。
前記けい皮酸および/またはけい皮アルコールのさらに好ましい配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜3質量部である。
また本発明の金属接着用ゴム組成物には、コバルトまたはコバルト化合物を配合することにより、金属製補強コードとの接着性をさらに高めることができる。
コバルト化合物としては、有機酸コバルト塩が挙げられ、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。
コバルトまたはコバルト化合物の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.1〜5質量部であるのが好ましく、0.5〜3質量部であるのがさらに好ましい。
本発明の金属接着用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛;カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタンのような各種充填剤;各種オイル;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
なお、金属製補強コードに前記の有機酸コバルト塩のようなコバルトまたはコバルト化合物をコーティングすることにより、金属接着用ゴム組成物との接着性をさらに高めることができる。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、約150℃でミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫促進剤および硫黄を加えてオープンロールにて混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
100%モジュラス(M100):JIS K6251に従い、23℃にて引張試験を実施し、伸び100%時の引張応力を測定した。結果は、参考例を100として指数表示した。指数が大きいほど、高モジュラスであることを示す。なお、M100は、けい皮酸およびけい皮アルコールに含まれる二重結合が硫黄の加硫に影響を及ぼすか否かを調べるために測定した。参考例に比べてM100が低くなる場合、該二重結合部分と硫黄とが反応し、加硫に悪影響を及ぼすものと判断できる。
湿熱老化後接着性試験:ASTM D−2229に準拠して試験を行なった。12.7mm間隔で平行に並べたブラスめっきスチールコードを上記ゴム組成物で被覆すると共に、埋め込み長さ12.7mmで埋め込み、160℃×20分間の加硫条件で加硫接着して接着サンプルを作製した。この接着サンプルを温度70℃、相対湿度96%、2週間の条件下におき、老化させた。このサンプルからスチールコードを引抜き、ゴム付着量(%)を測定し、評価した。結果は参考例の値を100として指数表示した。この値が大きいほどゴムに対する接着性が優れている。
*2:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シースト300)
*3:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*4:老化防止剤(フレキシス製サントフレックス6PPD)
*5:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*6:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)
*7:硫黄(アクゾノーベル(株)製クリステックスHT OT 20)
*8:けい皮酸(東京化成工業(株)製)
*9:けい皮アルコール(東京化成工業(株)製)
*10:安息香酸(東京化成工業(株)製)
*11:フタル酸(東京化成工業(株)製)
*12:けい皮酸エチルエステル(東京化成工業(株)製)
*13:o−トルイル酸(富士フイルム和光純薬(株)製)
これに対し、比較例1は、けい皮酸および/またはけい皮アルコールを使用せず、安息香酸を使用した例であるので、金属製補強コードに対する老化後の接着性が悪化した。
比較例2は、けい皮酸および/またはけい皮アルコールを使用せず、フタル酸を使用した例であるので、金属製補強コードに対する老化後の接着性が悪化した。
比較例3は、比較例1の配合に対し安息香酸を減量した例であるが、参考例とほぼ同じ結果となった。
比較例4は、比較例2の配合に対し安息香酸を減量した例であるが、参考例とほぼ同じ結果となった。
比較例5は、けい皮酸および/またはけい皮アルコールを使用せず、けい皮酸エチルエステルを使用した例であるので、金属製補強コードに対する老化後の接着性が悪化した。
比較例6は、けい皮酸および/またはけい皮アルコールを使用せず、o−トルイル酸を使用した例であるので、金属製補強コードに対する老化後の接着性が悪化した。
比較例7は、けい皮酸の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度や湿熱老化接着性が悪化した。
Claims (5)
- 天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、けい皮酸および/またはけい皮アルコールを0.5〜10質量部配合してなることを特徴とする金属接着用ゴム組成物。
- ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに硫黄を4〜10質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載の金属接着用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載の金属接着用ゴム組成物に、金属製補強コードを埋設させてなるゴム−金属複合材。
- 前記金属接着用ゴム組成物および/または前記金属製補強コードが、コバルトまたはコバルト化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載のゴム−金属複合材。
- 請求項3または4に記載のゴム−金属複合材を用いた空気入りタイヤ。
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