JP2020044693A - 合成樹脂製容器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来とは別異な立体的な意匠を備える加飾層が、容器本体の表面に形成された合成樹脂製容器を提供する。【解決手段】プリフォーム1を一次ブロー成形型10内に収めてブロー成形することにより、一次ブロー成形型10の内面形状を賦形して成形中間体2を成形する一次ブロー工程と、成形中間体2に熱収縮性フィルム5を装着して、フィルム装着体3を用意するフィルム装着工程と、フィルム装着体3を二次ブロー成形型20内に収めてブロー成形することにより、二次ブロー成形型20の内面形状を賦形して所定の容器形状に成形する二次ブロー工程と経て、容器本体41の表面に形成された凹凸形状に追随して当該表面に密着する加飾層42を備える容器4を製造する。【選択図】 図5
Description
本発明は、従来とは別異な立体的な意匠を備える加飾層が、容器本体の表面に形成された合成樹脂製容器及びその製造方法に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を用いてプリフォームを形成し、次いで、このプリフォームを延伸ブロー成形などによってボトル状に成形してなる合成樹脂製の容器が、各種飲料品を内容物とする飲料用容器として知られている。
この種の容器は、内容物を充填密封するとともに、通常は、その商品名や内容物表示、さらには、装飾デザインなどを印刷したラベルが装着されて市場に供される。このようなラベルとしては、熱収縮によって装着されるシュリンクラベル、粘着剤によって装着されるシールラベルなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、この種の容器の利用が広い分野でより一般的なものとなってきた近年の状況においては、他の商品との差別化を図るために、デザイン上の特徴を備えた意匠性に優れたものが望まれるようになってきている。
しかしながら、前述の如きラベルを装着した容器にあっては、加飾を目的にラベルに印刷を施しても平面的な意匠を付与するにとどまり、デザイン上の特徴を立体的に表現するのは困難であった。
しかしながら、前述の如きラベルを装着した容器にあっては、加飾を目的にラベルに印刷を施しても平面的な意匠を付与するにとどまり、デザイン上の特徴を立体的に表現するのは困難であった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、従来とは別異な立体的な意匠を備える加飾層が、容器本体の表面に形成された合成樹脂製容器及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る合成樹脂製容器の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる有底筒状のプリフォームを一次ブロー成形型内に収めてブロー成形することにより、前記一次ブロー成形型の内面形状を賦形して成形中間体を成形する一次ブロー工程と、前記成形中間体に熱収縮性フィルムを装着して、フィルム装着体を用意するフィルム装着工程と、前記フィルム装着体を二次ブロー成形型内に収めてブロー成形することにより、前記二次ブロー成形型の内面形状を賦形して所定の容器形状に成形する二次ブロー工程とを含む方法としてある。
本発明に係る合成樹脂製容器は、容器本体の表面に形成された凹凸形状に追随して当該表面に密着する加飾層を備える構成としてある。
本発明によれば、従来とは別異な立体的な意匠を備える加飾層が、容器本体の表面に形成された合成樹脂製容器が提供される。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は、本実施形態に係る合成樹脂製容器の製造方法における各工程を模式的に示す工程図である。
本実施形態にあっては、図1に示す一次ブロー工程、図2に示すフィルム装着工程、図3に示す二次ブロー工程を経て、容器本体41の表面に加飾層42が形成された容器4(図5及び図6参照)を製造する。
なお、図5は、容器4の一部を切り欠いて示しており、図中鎖線で囲む範囲を拡大して図6に示す。
本実施形態にあっては、図1に示す一次ブロー工程、図2に示すフィルム装着工程、図3に示す二次ブロー工程を経て、容器本体41の表面に加飾層42が形成された容器4(図5及び図6参照)を製造する。
なお、図5は、容器4の一部を切り欠いて示しており、図中鎖線で囲む範囲を拡大して図6に示す。
[一次ブロー工程]
一次ブロー工程では、加熱、軟化させてブロー成形が可能な状態とされた、熱可塑性樹脂からなるプリフォーム1を一次ブロー成形型10内に収め、かかるプリフォーム1を一次ブロー成形型10内でブロー成形することにより、一次ブロー成形型10の内面形状を賦形して成形中間体2を成形する。
一次ブロー工程では、加熱、軟化させてブロー成形が可能な状態とされた、熱可塑性樹脂からなるプリフォーム1を一次ブロー成形型10内に収め、かかるプリフォーム1を一次ブロー成形型10内でブロー成形することにより、一次ブロー成形型10の内面形状を賦形して成形中間体2を成形する。
プリフォーム1は、例えば、射出成形や圧縮成形などによって、一端側が開口する有底筒状に成形され、その開口部近傍が、そのまま容器口部となるように成形されている。
プリフォーム1を成形するのに用いる熱可塑性樹脂としては、ブロー成形が可能であれば、任意の樹脂を使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,非晶ポリアリレート,ポリ乳酸又はこれらの共重合体などの熱可塑性ポリエステル,これらの樹脂あるいは他の樹脂とブレンドされたものなどが好適である。特に、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが、好適に使用される。また、ポリカーボネート,アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレンなども使用することができる。
プリフォーム1を成形するのに用いる熱可塑性樹脂としては、ブロー成形が可能であれば、任意の樹脂を使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,非晶ポリアリレート,ポリ乳酸又はこれらの共重合体などの熱可塑性ポリエステル,これらの樹脂あるいは他の樹脂とブレンドされたものなどが好適である。特に、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが、好適に使用される。また、ポリカーボネート,アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレンなども使用することができる。
図1に示す例において、一次ブロー成形型10は、ブローエアーを吹き込むブローノズルを兼ねるマンドレル11cと、マンドレル11cに支持された状態でプリフォーム1を固定する固定部材11a,11bとを有するプリフォーム固定型11を備えている。そして、型閉め位置に配置されたプリフォーム1に対し、一次胴型10a,10bとベース型12とを型閉めすることによって、一次ブロー成形型10内にプリフォーム1が収まるように構成されているが、一次ブロー成形型10の具体的な構成はこれに限定されない。
特に図示しないが、一次ブロー成形型10は、マンドレル11cの内部を貫通して上下動可能に設けられたストレッチロッドや、ベース型12の内部を貫通して上下動可能に設けられたプレスロッドを備えることもできる。このようにすることで、図示しないブローエアー供給源と弁機構を介して、プリフォーム1の内部にマンドレル11cの内部を通してブローエアーを吹き込んでブロー成形するに際し、ストレッチロッドによってプリフォーム1を軸方向(縦方向)に延伸するとともに、同期して上動するプレスロッドとの間に、延伸されるプリフォーム1の先端側を保持して、その延伸方向がずれてしまうのを抑制することができる。
このようにして、プリフォーム1を一次ブロー成形型10内でブロー成形することにより、一次ブロー成形型10の内面形状が賦形された成形中間体2が得られるが、後述するフィルム装着工程との関係から、成形中間体2は、軸方向(プリフォーム1の延伸方向)に直交する断面が、概ね円形状となる円筒状に成形されるようにするのが好ましい。さらに、一次胴型10a,10bの内面には、軸方向に延在する溝を形成しておき、成形中間体2の表面に、軸方向に沿って延在する突条2aが賦形されるようにするのが好ましい。
[フィルム装着工程]
フィルム装着工程では、一次ブロー工程で成形された成形中間体2に熱収縮性フィルム5を装着して、フィルム装着体3を用意する。
フィルム装着工程では、一次ブロー工程で成形された成形中間体2に熱収縮性フィルム5を装着して、フィルム装着体3を用意する。
熱収縮性フィルム5としては、一般に、シュリンクフィルムと称される熱収縮性のフィルム材を用いることができ、例えば、熱収縮性の長尺フィルムを筒状に巻き付けて、その端部を重ね合せて接着するとともに、所定の長さに切り揃えることによって形成することができる。
熱収縮性フィルム5は、筒状に形成された状態において、少なくとも周方向に熱収縮性を有していれば、その材料は特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂などが挙げられる。
また、熱収縮性フィルム5は、最終的に、容器本体41の表面に形成される加飾層42となる部材であり、所望の色相に着色したり、所望の装飾デザインを印刷したりするなどして、任意の加飾を施すことができる。
図2には、プリフォーム固定型11に固定された状態のまま、一次ブロー成形型10から取り出された成形中間体2の周囲に、筒状に形成された熱収縮性フィルム5を被せ、その状態で、例えば、熱風を利用するなどして加熱することにより、熱収縮性フィルム5を収縮させて、成形中間体2に装着する例を示している。
その際、熱収縮性フィルム5が周方向に均等に収縮しながら、成形中間体2に良好に装着されるように、成形中間体2は、前述したように、軸方向に直交する断面が、概ね円形状となる円筒状に成形されるようにするのが好ましい。
また、熱収縮性フィルム5が収縮する際に、成形中間体2との間に空気を噛み込んでしまうと、熱収縮性フィルム5にしわが生じてしまったり、二次ブロー成形における賦形性を損ねてしまったりする虞がある。このような不具合を有効に回避するために、成形中間体2の表面には、前述したように、軸方向に沿って延在する突条2aを賦形しておくのが好ましい。
このようにすることで、熱収縮性フィルム5が収縮するにつれて、隣接する突条2aの間に位置する部位から徐々に成形中間体2の表面に密着していき、図4に一点鎖線で示すように、突条2aに接する部位が成形中間体2の表面から浮き上がるようにして、突条2aの周囲に隙間が形成された状態を経て、成形中間体2の表面に熱収縮性フィルム5が密着して装着されることになる。したがって、熱収縮性フィルム5を成形中間体2に装着する過程で、両者の間に存在する空気を、突条2aの周囲に形成された隙間から逃がすことができ、空気の噛み込みを抑制することができる。
なお、図4には、成形中間体2の表面に、周方向に沿って等間隔に16本の突条2aが賦形された例を示しているが、これに限定されない。突条2aの数は、成形中間体2の直径などに応じて、より確実に空気の噛み込みを防ぐことができるように適宜設定することができる。さらに、突条2aを延在させる範囲も、熱収縮性フィルム5と成形中間体2との間に存在する空気を、突条2aの周囲に形成された隙間から逃がすことができるように、装着する熱収縮性フィルム5の寸法に応じて適宜設定することができる。
[二次ブロー工程]
二次ブロー工程では、フィルム装着工程で用意されたフィルム装着体3を、ブロー成形が可能な状態となるように加熱してから二次ブロー成形型20内に収め、改めてブロー成形に処することにより、二次ブロー成形型20の内面形状を賦形して、所定の容器形状に成形する。
二次ブロー工程では、フィルム装着工程で用意されたフィルム装着体3を、ブロー成形が可能な状態となるように加熱してから二次ブロー成形型20内に収め、改めてブロー成形に処することにより、二次ブロー成形型20の内面形状を賦形して、所定の容器形状に成形する。
図3に示す例において、二次ブロー成形型20は、プリフォーム固定型11とベース型12を一次ブロー成形型10と共用し、一次胴型10a,10bを、二次胴型20a,20bに入れ替えて二次ブロー成形を行う構成とされている。このようにすることで、設備コストの低減や、設備の省スペース化を図ることができるが、二次ブロー成形型20の具体的な構成はこれに限定されない。
本実施形態では、以上のような一次ブロー工程、フィルム装着工程、二次ブロー工程を経て、所定の容器形状に成形された容器4を製造するが、二次ブロー工程において、フィルム装着体3を二次ブロー成形型20内でブロー成形する際には、二次ブロー成形型20の内面に形成された凹凸形状が容器本体41に賦形されるのと同時に、その表面に装着されたフィルムにも賦形される。これにより、フィルム装着体3に装着されたフィルムからなる加飾層42が、容器本体41の表面に形成された凹凸形状に追随して当該表面に密着して形成された容器4を製造することができる。
その結果、本実施形態によれば、加飾層42を形成するフィルムに予め施された加飾と、容器本体41の表面に形成された凹凸形状に追随する加飾層42の表面に現れる凹凸とが相俟って、従来とは別異な立体的な意匠を備える加飾層42が、容器本体41の表面に形成された容器4が提供される。
また、加飾層42は、容器本体41から剥離可能であるため、廃棄時の分別も容易であり、フィルム装着工程において、成形中間体2に装着する熱収縮性フィルム5に、切り裂き用のミシン目などを形成しておくことで、廃棄時の分別をより容易にすることができる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、一次ブロー工程で成形される成形中間体2を、二次ブロー成形型20内に収まる寸法で成形しているが、成形中間体2は、二次ブロー成形型20内に収まる寸法よりも大きくなるように成形してもよい。この場合、二次ブロー成形型20内に収まる寸法まで、成形中間体2を熱収縮させた後に、フィルム装着工程に供することになるが、このような態様は、熱収縮によって結晶化度を高めて、耐熱性を有する合成樹脂製容器を製造する場合に適している。
また、耐熱性を有する合成樹脂製容器を製造する場合には、一次ブロー工程において、一次ブロー成形型10内でブロー成形後の成形中間体2を加熱処理(ヒートセット)するなどして、その結晶化度を高めるようにしてもよい。
また、耐熱性を有する合成樹脂製容器を製造する場合には、一次ブロー工程において、一次ブロー成形型10内でブロー成形後の成形中間体2を加熱処理(ヒートセット)するなどして、その結晶化度を高めるようにしてもよい。
1 プリフォーム
2 成形中間体
2a 突条
3 フィルム装着体
4 容器
41 容器本体
42 加飾層
5 熱収縮性フィルム
10 一次ブロー成形型
20 二次ブロー成形型
2 成形中間体
2a 突条
3 フィルム装着体
4 容器
41 容器本体
42 加飾層
5 熱収縮性フィルム
10 一次ブロー成形型
20 二次ブロー成形型
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂からなる有底筒状のプリフォームを一次ブロー成形型内に収めてブロー成形することにより、前記一次ブロー成形型の内面形状を賦形して成形中間体を成形する一次ブロー工程と、
前記成形中間体に熱収縮性フィルムを装着して、フィルム装着体を用意するフィルム装着工程と、
前記フィルム装着体を二次ブロー成形型内に収めてブロー成形することにより、前記二次ブロー成形型の内面形状を賦形して所定の容器形状に成形する二次ブロー工程と
を含むことを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。 - 前記一次ブロー工程において、前記成形中間体の表面に、軸方向に沿って延在する突条を賦形する請求項1に記載の合成樹脂製容器の製造方法。
- 容器本体の表面に形成された凹凸形状に追随して当該表面に密着する加飾層を備えることを特徴とする合成樹脂製容器。
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JP2018173778A JP2020044693A (ja) | 2018-09-18 | 2018-09-18 | 合成樹脂製容器及びその製造方法 |
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2018
- 2018-09-18 JP JP2018173778A patent/JP2020044693A/ja active Pending
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