JP2020042601A - 最適制御装置、最適制御方法及び最適制御プログラム - Google Patents

最適制御装置、最適制御方法及び最適制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】外部要因が存在する場合であっても被制御量を目標範囲内に維持する。【解決手段】本発明の最適制御装置は、機械から取得した操作量及び被制御量を使用して、操作量と被制御量との関係を示す予測モデルを作成し、被制御量の実測値と予測モデルが予測する被制御量の予測値との間の第1の差分に基づき、作成した予測モデルを補正するモデル作成・補正部と、補正した予測モデルを使用して、被制御量の予測値と被制御量の目標との間の第2の差分、及び、操作量の関係を示す表情報を作成し、作成した表情報に対して第2の差分を適用し、対応する操作量を決定する表情報操作部と、決定した操作量を出力する出力処理部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、最適制御装置、最適制御方法及び最適制御プログラムに関する。
製造機械の出力である運転量(被制御量)を目標範囲内に維持するためには、製造機械に対する入力である操作量を的確に決定しなければならない。一般に、操作量の種類は多く、目標とする運転量を出力するような操作量の理想的な組合せを決定することは容易ではない。その決定のために、入力と出力との関係を規定するモデル(数式)が使用される場合が多く、近年、予測精度の高いモデルを作成するための技術が多く普及している。
特許文献1の出来映え予測装置は、線形回帰分析によってモデルを作成する。そして、当該装置は、説明変数(入力)間に共線性がある場合、モデルが予測する出来映え予測値と、出来映えの実測値との差分を補正する。特許文献2の時系列データ解析装置は、あるシステムから過去に取得したセンサ情報の時系列データと、その時系列データを平滑化したデータとの差分を取得する。当該装置は、取得した差分に影響を与えるシステムの特性値を特定し、特定した特性値の変動と差分の変動との関係をモデル化する。特許文献3の分析予測方法は、ガスタービンから取得された計測データに対して、重回帰分析のステップワイズ法を適用し、説明変数を絞り込む。そして、当該方法は、絞り込まれた説明変数に対して統計的方法を適用してモデルを作成する。
特開2011−014122号公報 特開2008−117381号公報 特開2007−002673号公報
製造機械の被制御量に影響を与える要因は、一般にその製造機械について知られている操作量だけではない。例えば、基板に絶縁シール(例えば、UV硬化性又は熱硬化性のシール材)を塗布する機械を想定する。塗布ノズルと基板との距離、塗布圧力等の既知の操作量を制御するだけでは、目標とするシールの厚さを実現することは困難である。なぜならば、シールの厚さを決定する未知の外部要因が存在するからである。ここでの外部要因とは、例えば、作業空間の温度、湿度、シール材粘度等の時系列変化である。未熟練の作業員にとって、このような外部要因を知ることは容易ではない。
特許文献1、2及び3は、計測できていない外部要因の時系列変化に対応することが難しい。すると、モデルの予測精度は外部要因によって低下し、結局、被制御量を目標範囲内に維持することが困難になる。
そこで、本発明は、外部要因が存在する場合であっても被制御量を目標範囲内に維持することを目的とする。
本発明の最適制御装置は、機械から取得した操作量及び被制御量を使用して、操作量と被制御量との関係を示す予測モデルを作成し、被制御量の実測値と予測モデルが予測する被制御量の予測値との間の第1の差分に基づき、作成した予測モデルを補正するモデル作成・補正部と、補正した予測モデルを使用して、被制御量の予測値と被制御量の目標との間の第2の差分、及び、操作量の関係を示す表情報を作成し、作成した表情報に対して第2の差分を適用し、対応する操作量を決定する表情報操作部と、決定した操作量を出力する出力処理部と、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、外部要因が存在する場合であっても被制御量を目標範囲内に維持することができる。
塗布装置の構成を説明する図である。 最適制御装置の構成を説明する図である。 (a)、(b)及び(c)は、制御の具体例を説明する図である。 操作量・被制御量情報を説明する図である。 (a)、(b)及び(c)は、予測モデルを説明する図である。 (a)、(b)及び(c)は、操作量マトリクス及び操作量表の作成方法を説明する図である。 第1の処理手順のフローチャートである。 第2の処理手順のフローチャートである。 第3の処理手順のフローチャートである。 被制御量推移画面の一例である。 操作量マトリクス表示画面の一例である。 基準値設定画面の一例である。 予測モデル及び簡易予測モデルの使い分け、並びに、操作量マトリクス及び操作量表の使い分けを説明する図である。
以降、本発明を実施するための形態(“本実施形態”という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、基板にシール材を塗布する塗布装置を最適制御装置が制御する例である。しかしながら、本発明の最適制御装置は、一般的な製造機械に対して適用可能である。
(塗布装置)
図1に沿って、塗布装置3の構成を説明する。塗布装置3の作業対象は、電子機械の部品として一般的に使用される基板41である。基板41の表面は、絶縁性のシール(例えば、UV硬化性又は熱硬化性のシール)42で被覆されている。塗布装置3は、シールディスペンサ43、距離調節機44、加圧機45、シール材タンク46及びレーザセンサ47を備える。シール材タンク46は、液相のシール材を貯蔵する。加圧機45は、シール材タンク46内の圧力xを調節する。シールディスペンサ43は、基板41に向かってシール材を塗布する。距離調節機44は、シールディスペンサ43のノズル部分と基板41の下面との距離xを調節する。レーザセンサ47は、基板41の表面に塗布されたシール42の厚さYを測定する。
操作量としての圧力及び距離に“x”をあて、被制御量としてのシールの厚さに“Y”をあてたのは、塗布装置3から見て、操作量が入力となり被制御量が出力となることを感覚的に理解しやすくするためである。さらに、シールの厚さ(実測値)に大文字の“Y”をあてたのは、後記する予測モデルが予測する“y”と区別するためである。
ベルトコンベアは、塗布対象の基板41を毎葉にて逐次シールディスペンサ43の真下に搬送する。塗布装置3のユーザは、圧力x、距離x、塗布時間、シール材温度及び基板温度等を操作(塗布装置3に対して指示)することによって、シール42の厚さYを変化させる。圧力xが大きくなるほど、シール42の厚さYは大きくなる。距離xが大きくなるほど、シール42の厚さYは小さくなる。なお、実際には、距離xが大きくなるほど、シール42の厚さYが大きくなる場合もある。しかしながら、説明の単純化のため、距離xが大きくなるほど、シール42の厚さYは小さくなるものとして以下の説明を続ける。
目標の厚さYを達成するような圧力x及び距離xを決定することは、実際は難しい。圧力x及び距離xを一定の値に維持していたとしても、その時々の外部要因に起因して、厚さYは微妙に変化する。外部要因とは、前記したように例えば、塗布装置3が配置される空間の温度及び湿度、並びに、それらの変化に応じて変化するシール材の粘度である。本実施形態の最適制御装置1(図2)は、外部要因が存在する場合でも、ユーザが外部要因を意識することなく圧力x及び距離xを決定することを可能にする。
(製品基板及びテスト基板)
基板41は、製品基板41a及びテスト基板41bの2種類に区分される。製品基板41aは、製品(商品)として出荷される基板である。テスト基板41bは、塗布装置3を試験するための基板である。塗布装置3が起動すると、塗布装置3は、数枚のテスト基板41bに対してシール材を塗布する。そして、特に異常がなければ、塗布装置3は、製品基板41aに対してシール材を塗布する。テスト基板41bの厚さHは、製品基板41aの厚さHと異なる場合がある。図1では、H<Hである(詳細後記)。
(最適制御装置)
図2に沿って、最適制御装置1の構成を説明する。最適制御装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、マウス、キーボード等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、操作量・被制御量情報31、操作量マトリクス32及び予測モデル33(いずれも詳細後記)を格納している。主記憶装置14におけるデータ取得部21、データ補正部22、モデル作成・補正部23、表情報操作部24及び出力処理部25は、プログラムである。中央制御装置11は、これらのプログラムを補助記憶装置15から読み出し主記憶装置14にロードすることによって、それぞれのプログラムの機能(詳細後記)を実現する。
最適制御装置1は、ネットワーク2を介して、距離調節機44、加圧機45及びレーザセンサ47と通信可能である。距離調節機44は、最適制御装置1から操作量としての距離xを含む制御信号を受信し、シールディスペンサ43のノズル部分と基板41の下面との距離をその値に維持する。距離調節機44は、距離xを計測するセンサを有しており、距離xの計測値を最適制御装置1に送信する。加圧機は45は、最適制御装置1から操作量としての圧力xを含む制御信号を受信し、シール材タンク46内の圧力をその値に維持する。加圧機は45シール材タンク内に圧力xを計測するセンサを有しており、圧力xの計測値を最適制御装置1に送信する。レーザセンサ47は、シール42の厚さYの計測値を最適制御装置1に送信する。なお、レーザセンサ47の代わり、若しくは併用にて、サーモセンサを使用し、シール材温度や基板温度の計測値を最適制御装置1に送信することも可能である。
(制御例の具体例)
図3に沿って、制御の具体例を説明する。図3(a)の横軸は、時間である。縦軸は、被制御量(例えばシールの厚さ)である。水平線“目標”は、被制御量の目標値を示している。水平線“規格上限”は、被制御量がその値を超えた場合、製品(基板)が不良品となることを示す値である。水平線“規格下限”は、被制御量がその値を下回った場合、製品が不良品となることを示す値である。
図3(a)を見ると、以下のことがわかる。
・時点t1において、シールの厚さYは目標に充分近かった。そこで、ユーザは、操作量(圧力x及び距離x)を変化させることなく、時点t2における塗布を行った。
・時点t2において、シールの厚さYは規格下限に近付いた。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを大きくするため、圧力xを大きくし、距離xを小さくして時点t3における塗布を行った。
・時点t3において、シールの厚さYは目標に充分近かった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t4における塗布を行った。
・時点t4において、シールの厚さYは規格上限に近付いた。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを小さくするため、圧力xを小さくし、距離xを大きくして時点t5における塗布を行った。
・時点t5において、シールの厚さYは目標に充分近かった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t6における塗布を行った。
・時点t6において、シールの厚さYは目標に充分近かった。
前記から明らかなように、前後で操作量を変化させなくても、被制御量が小さくなる場合もあり(時点t1から時点t2)、大きくなる場合もあり(時点t3から時点t4)、殆ど変化しない場合(時点t5から時点t6)もある。このような現象は、外部要因に起因している。そして、図3(a)においては、ユーザが自身の経験に基づき、操作量を変化させるか否かを判断している。
図3(b)の横軸、縦軸、目標、規格上限及び規格下限は、図3(a)と同じである。水平線“警戒上限”は、被制御量がその値を超えた場合、操作量を変化させる必要があることを示す値である。水平線“警戒下限”は、被制御量がその値を下回った場合、操作量を変化させる必要があることを示す値である。警戒上限及び警戒下限は、操作量を見直す基準を明確にするとともに、頻繁かつ不必要に操作量を見直した結果、塗布装置3に負担がかかることを回避している。当然のことながら、警戒上限は、目標と規格上限の間の任意の水準にある。警戒下限は目標と規格下限の間の任意の水準にある。
図3(b)を見ると、以下のことがわかる。
・時点t1において、シールの厚さYは目標と警戒下限との間にあった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t2における塗布を行った。
・時点t2において、シールの厚さYは警戒下限を下回った。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを大きくするため、圧力xを大きくし、距離xを小さくして時点t3における塗布を行った。
・時点t3において、シールの厚さYは目標と警戒下限との間にあった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t4における塗布を行った。
・時点t4において、シールの厚さYは警戒上限を超えた。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを小さくするため、圧力xを小さくし、距離xを大きくして時点t5における塗布を行った。
・時点t5において、シールの厚さYは目標と警戒下限との間にあった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t6における塗布を行った。
・時点t6において、シールの厚さYは目標と警戒上限との間にあった。
図3(c)の横軸、縦軸、目標、規格上限、規格下限、警戒上限及び警戒下限は、図3(b)と同じである。図3(c)においては、被制御量が規格上限又は規格下限を逸脱した場合、ユーザは、すべての操作量を見直す。被制御量が規格上限又は規格下限を逸脱することなく、警戒上限又は警戒下限を逸脱した場合、ユーザは、一部の操作量を見直す。このことによって、ユーザは、塗布装置3に負担がかかることを回避している。
図3(c)を見ると、以下のことがわかる。
・時点t1において、シールの厚さYは目標と警戒下限との間にあった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t2における塗布を行った。
・時点t2において、シールの厚さYは警戒下限と規格下限との間にあった。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを大きくするため、距離xをそのまま維持し、圧力xを大きくして時点t3における塗布を行った。ここで、ユーザは、圧力xをそのまま維持し、距離xを小さくしてもよい(以下同様)。
・時点t3において、シールの厚さYは目標と警戒下限との間にあった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t4における塗布を行った。
・時点t4において、シールの厚さYは警戒上限と規格上限との間にあった。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを小さくするため、距離xをそのまま維持し、圧力xを小さくして時点t5における塗布を行った。
・時点t5において、シールの厚さYは目標と警戒下限との間にあった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t6における塗布を行った。
・時点t6において、シールの厚さYは規格下限を下回った。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを大きくするため、圧力xを大きくし、距離xを小さくして時点t7における塗布を行った。
・時点t7において、シールの厚さYは目標と警戒上限との間にあった。そこで、ユーザは、圧力x及び距離xを変化させることなく、時点t8における塗布を行った。
・時点t8において、シールの厚さYは規格上限を超えた。そこで、ユーザは、その後シールの厚さYを小さくするため、圧力xを小さくし、距離xを大きくして時点t9における塗布を行った。
・時点t9において、シールの厚さYは目標と警戒下限との間にあった。
(操作量・被制御量情報)
図4に沿って、操作量・被制御量情報31を説明する。操作量・被制御量情報31においては、基板ID(Identifier)欄101に記憶された基板IDに関連付けて、区分欄102には区分が、時点欄103には時点が、操作量欄104には操作量が、被制御量欄105には被制御量が、被制御量に対する基準値欄106には被制御量に対する基準値が記憶されている。
基板ID欄101の基板IDは、基板41を一意に特定する識別子である。
区分欄102の区分は、“テスト”又は“製品”のいずれかである。“テスト”は、その基板がテスト基板であることを示し、“製品”は、その基板が製品基板であることを示す。
時点欄103の時点は、塗布装置3が基板41に対してシール材を塗布した時点である。ここでは、説明の都合上、最新の時点を“t”とし、その時点からn回遡及した時点を“t−n”としている。
操作量欄104の操作量は、前記した圧力x(欄104a)及び距離x(欄104b)である。なお、例えば“x1,t−1”は、時点“t−1”における“x”の値を示している。
被制御量欄105の被制御量(欄105a)は、前記したシールの厚さYである。補正値(欄105b)については、後記する。
被制御量に対する基準値欄106の被制御量に対する基準値は、前記した規格下限(欄106a)、警戒下限(欄106b)、目標(欄106c)、警戒上限(欄106d)及び規格上限(欄106e)である。
なお、図4の斜線部分及び太線部分については、後記する。
(被制御量の補正)
前記したように、テスト基板41bの厚さHは、製品基板41aの厚さHと異なる場合がある。いま、H<Hであるとする。そして、塗布装置3は、製品基板41aに対してもテスト基板41bに対しても、同じ圧力x及び同じ距離xでシール材を塗布するものとする。すると、微妙な差ではあるが、テスト基板41bのシールの厚さYは、製品基板41aのシールの厚さYよりも大きくなることがわかっている。
そこで、最適制御装置1は、以下の処理を行う。
・最適制御装置1は、最後のテスト基板P005のシールの厚さYt−3から、最初の製品基板P006のシールの厚さYt−2を減算し、減算の結果を“α”とする。
・最適制御装置1は、すべてのテスト基板P001〜P005のシールの厚さから、αを減算し、減算の結果を被制御量の補正値として欄105bに記憶する。
ここで挙げたシールの厚さの補正は、あくまでも一例である。最適制御装置1は、より一般的には、製造機械から取得した被制御量が時系列で比較可能でない場合、被制御量を時系列で比較可能な値に補正する。
(予測モデル)
図5に沿って、予測モデル33を説明する。まず、図5(a)に注目する。図5(a)の3次元座標空間の3本の軸は、圧力x、距離x及びシールの厚さyである。いま、最適制御装置1は、時点tにおける圧力及び距離を決定するために、直近の過去の4時点t−4、t−3、t−2及びt−1における“(x,x,Y)”の4つの組合せを使用して重回帰分析を行う。ここで“4つの組合せ”を使用したのは、あくまでも一例である。
3次元座標空間における平面の方程式“y=ax+bx+c”を“予測モデル”と呼ぶ。ここで“a”及び“b”は、それぞれ“x”及び“x”に対して乗算される係数であり、“c”はy切片である。“a”、“b”及び“c”を予測モデルのパラメータと呼ぶことがある。最適制御装置1は、4つの組合せを予測モデルに代入し、予測モデルの出力であるyとその時点のシールの厚さの実測値Yとの差分の2乗和が最小になるような“a”、“b”及び“c”を算出する。
最適制御装置1は、このようにしてパラメータの値が最適化された予測モデル33に対して、時点t−1における“(x1,t−1,x2,t−1)”を代入し、“yt−1=ax1,t−1+bx2,t−1+c”の算出結果を求める。そして、最適制御装置1は、Yt−1からyt−1を減算した結果を“β”とする。βは、時点t−1におけるシールの厚さの実測値から、予測モデル33が予測した時点t−1におけるシールの厚さの予測値を減算した差分である。つまり、“β=Yt−1−(ax1,t−1+bx2,t−1+c)”が成り立つ。このβは、いわば理論と実際とのずれを示しており、このずれは、前記した外部要因に起因する。βが正になることは、実測値を理論値より大きくする未知の外部要因が存在することを示す。βが負になることは、実測値を理論値より小さくする未知の外部要因が存在することを示す。
次に、図5(b)に注目する。最適制御装置1は、平面の方程式“y=ax+bx+c+β”を3次元座標空間に描画し、これを補正後予測モデル34とする。補正後予測モデル34は、図5(a)の予測モデル33を、y軸の正の方向にβだけ平行移動したものである。補正後予測モデル34は、予測モデル33に比して、直近時点の外部要因をより反映していると言える。図5(c)については、後記する。
ここまでの説明で明らかなように、時点tにおけるシールの厚さを予測するには、補正後予測モデル34を使用するのが好ましい。しかしながら、ユーザが必要としているのは、時点tにおけるシールの厚さの予測値ではなく、時点tにおいて目標とするシールの厚さを実現する“(x1,t,x2,t)”である(図4の太線部分)。そこで、最適制御装置1は、時点t−1におけるシールの厚さyt−1がわかれば時点tにおける圧力x1,t及び距離x2,tの組合せが直ちにわかるような操作量マトリクス32を作成する。
(操作量マトリクス)
図6に沿って、操作量マトリクス32の作成方法を説明する。まず、図6(a)に注目する。
・最適制御装置1は、任意の出発点“(x1s,x2s)”を決定する。出発点の決め方は任意であるが、補正後予測モデル34と、y軸に垂直な平面“y=Y”とが交わる直線(図示せず)上の任意の点★を出発点とすることが望ましい。ここで、Yは、シールの厚さの目標(図4の欄106c)である。
・最適制御装置1は、x方向の刻み幅p、及び、x方向の刻み幅qを決定する。
・最適制御装置1は、格子点“(x1s±np,x2s±nq)”を作成する。ここで、“n=・・・,−3,−2,−1,0,1,2,3,・・・”である。いま、説明を簡単にするために、“n=−2,−1,0,1,2”であるとすると、格子点は、5×5=25個作成されることになる。
・最適制御装置1は、補正後予測モデル34に対して格子点“(x1s±np,x2s±nq)”を代入し、y軸の値(被制御量の予測値)を25個求める。
・最適制御装置1は、求めたy軸の値から目標Yを減算し、Δy=y−Yを求める。このΔyは、補正後予測モデル34上の点●のy座標値から、平面“y=Y”上の点★のy座標値を減算した値である。
・最適制御装置1は、横軸が“x1s±np”であり、縦軸が“x2s±nq”であるマトリクスを作成し、縦軸と横軸との交点のセルにΔy軸の値を記憶する。このようにして作成されたマトリクスが操作量マトリクス32(図6(b))である。
図6(b)の操作量マトリクス32は、説明目的のために単純化されている。実際に使用される操作量マトリクス32は、例えば図11のように行及び列が多い。但し、図11に記載されている値そのものは、塗布装置3が塗布するシールの厚さを想定したものではない。また、横軸“操作量A”の目盛、及び、縦軸“操作量B”の目盛が“0”を中心とした正負の値となっている理由は、後記する。図6(b)のような操作量マトリクス32があれば、最適制御装置1は、時点t−1におけるΔy(補正後予測モデルの予測値から目標を減算した値)に基づいて、時点tにおける操作量x及びxの組合せを簡易に決定できる。例えば、時点t−1におけるΔyが図6(b)の太線のセル内の値である場合、最適制御装置1は、時点tにおける操作量を“(x1s+p,x2s+q)”とする。
いま、説明の単純化のために、地図上の等高線を想定する。図6(b)の圧力xは、経度に相当し、距離xは、緯度に相当し、Δyは、海面Yを基準とした標高(海抜)に相当する。すると、図6(b)における25個のΔyのうち、ほぼ同じ値を有するものが“等高線上”に並ぶことになる。図6(b)においては、右上の標高がもっとも高く、左下の標高が最も低い、したがって理論上は、同じ値のΔyが、左上から右下に走る複数の等高線上に並ぶことになる。しかしながら実際には、前記のように格子点を作成すると、殆どの場合、25個のΔyは、相互に異なる値となる。前記の刻み幅の取り方にもよるが、偶然に、操作量マトリクス32の複数のセルに同じΔyの値が現れる場合もある。その場合、最適制御装置1は、時点t−1における“(x1,t−1,x2,t−1)”とのユークリッド距離が最小となるセルを選択する。
(簡易予測モデル)
図6(c)及び説明を後回しにしていた図5(c)に沿って、簡易予測モデル33b及び操作量表32bを説明する。図3(c)の説明において、例えばシールの厚さYが警戒下限と規格下限との間にある場合、距離xをそのまま維持し、圧力xを大きくして次の時点における塗布を行う例を説明した。簡易予測モデル33b(図5(c))及び操作量表32b(図6(c))は、このような場合に対応している。複数の操作量のうち、その変化が塗布装置3に対して与える負担が最小であるものが例えば“圧力”であることが経験的にわかっているとする。
この場合、最適制御装置1は、単純に言えば、次元を1つ減らす。つまり、最適制御装置1は、距離xを固定したうえで、圧力xのみを変化させることによってシールの厚さYを制御する。すると、予測モデル33(図5(a))は、簡易予測モデル33b(図5(c))になり、操作量マトリクス32(図6(b))は、操作量表32b(図6(c))となる。つまり、最適制御装置1は、予測モデル33を使用して重回帰分析を行うことに替えて、簡易予測モデル33bを使用して単回帰分析を行う。
最適制御装置1は、補正後予測モデル34を作成したのと同様にして、補正後簡易予測モデル34b“y=ax+c+β”を作成する。さらに、最適制御装置1は、操作量マトリクス32に替えて、操作量表32bを作成し、操作量表32bから、Δyに対応するxを求める。例えば、時点t−1におけるΔyが図6(c)の太線のセル内の値である場合、最適制御装置1は、時点tにおいて、距離xをそのまま維持し、圧力xを “x1s+p”とする。
操作量表32bは、操作量マトリクス32の行のうち任意の1本を残してその他を削除したものである。最適制御装置1は、前記した出発点の“x2s”についての行を残してもよいし、直近の時点t−1における“x”に対応する行を残してもよい。なお、請求項の“表情報”は、操作量マトリクス32及び操作量表32bを含む概念である。
(処理手順)
以降で処理手順を説明する。処理手順は3つ存在する。第1の処理手順(図7)は、図3(a)に対応しており、最適制御装置1は、規格上限(下限)及び警戒上限(下限)を参照せず、予測モデル33及び操作量マトリクス32を使用する。第2の処理手順(図8)は、図3(b)に対応しており、最適制御装置1は、警戒上限(下限)のみを参照し、予測モデル33及び操作量マトリクス32を使用する。第3の処理手順(図9)は、図3(c)に対応しており、最適制御装置1は、規格上限(下限)及び警戒上限(下限)を参照し、予測モデル33及び操作量マトリクス32の組合せと、簡易予測モデル33b及び操作量表32bの組合せを使い分ける。
(第1の処理手順)
図7に沿って、第1の処理手順を説明する。第1の処理手順を開始する前提として、いま、補助記憶装置15は、操作量・被制御量情報31を、時点t−1までのレコードを記憶した状態で格納しているとする。
ステップS201において、最適制御装置1のデータ取得部21は、操作量・被制御量情報31を補助記憶装置15から取得する。
ステップS202において、最適制御装置1のデータ補正部22は、テスト基板から製品基板への切り替えがあったか否かを判断する。具体的には、データ補正部22は、操作量・被制御量情報31の区分欄102を参照し、区分が“テスト”から“製品”に変化している箇所がある場合(ステップS202“Yes”)、ステップS203に進む。データ補正部22は、それ以外の場合(ステップS202“No”)、ステップS205に進む。
ステップS203において、データ補正部22は、製品基板の被制御量とテスト基板の被制御量との差分を算出する。具体的には、データ補正部22は、“α=Yt−3−Yt−2”を算出する。
ステップS204において、データ補正部22は、テスト基板の被制御量を補正する。具体的には、データ補正部22は、Yt−3−α、Yt−4−α、Yt−5−α、・・・を算出し、操作量・被制御量情報31の欄105bに記憶する。
ステップS205において、最適制御装置1のモデル作成・補正部23は、予測モデルのパラメータを最適化する。具体的には、モデル作成・補正部23は、図5(a)の説明において前記した方法で、予測モデル33のパラメータを決定する。なお、重回帰分析に使用するデータをいくつの時点まで遡及したデータとするかは、ユーザの設定次第である。通常、時点tの直前のN個の時点分のデータ(図4の斜線部分)が使用される。ここでは、ユーザは、N=4を設定しているものとする。
ステップS206において、モデル作成・補正部23は、被制御量の実測値と予測値との差分を算出する。具体的には、モデル作成・補正部23は、図5(a)の説明において前記した方法で、“β”を算出する。
ステップS207において、モデル作成・補正部23は、予測モデル33を補正する。具体的には、モデル作成・補正部23は、図5(b)の説明において前記した方法で、補正後予測モデル34を作成する。
ステップS208において、最適制御装置1の表情報操作部24は、操作量マトリクス32を作成する。具体的には、表情報操作部24は、図6(a)及び(b)の説明において前記した方法で操作量マトリクス32を作成する。
ステップS209において、表情報操作部24は、操作量を決定する。具体的には、第1に、表情報操作部24は、時点t−1における補正後予測モデル34の予測値yt−1から目標Yを減算し、減算の結果をΔyとする。
第2に、表情報操作部24は、操作量マトリクス32の交点のセルに記憶されている値のうちΔyに最も近似するものに対応するx及びxを取得する。前記したように、例外的に、操作量マトリクス32の複数のセルに同じΔyの値が現れた場合、最適制御装置1は、時点t−1における“(x1,t−1,x2,t−1)”とのユークリッド距離が最小となるセルを選択する。
第3に、表情報操作部24は、ステップS209の“第2”において取得したx及びxを、操作量・被制御量情報31の時点tのレコードの操作量欄104(図4の太線部分)に記憶する。
ステップS210において、最適制御装置1の出力処理部25は、被制御量の時系列推移又は操作量マトリクスを表示する。具体的には、第1に、出力処理部25は、被制御量推移画面51(図10)を出力装置13に出力する。ここで“出力する”とは、画面表示、音声案内、データの外部送信を含む概念である。
第2に、出力処理部25は、被制御量推移画面51に以下の情報を表示する。
・時間を横軸とし被制御量を縦軸とする座標平面において過去から現在における被制御量の実測値Yの時系列推移を示すグラフ(欄52)
・現在の被制御量の実測値(欄53a)
・目標から現在の被制御量の実測値を減算した差分(欄53b)
・次の最適な操作量(欄54a及び54b)
欄52の座標平面の水平線“規格下限”、“警戒下限”、“目標”、“警戒上限”及び“規格上限”は、図4の欄106a〜106eに対応している。なお、後記する第2の処理手順及び第3の処理手順においては、ユーザが“規格下限”、“警戒下限”、“警戒上限”及び“規格上限”を設定する処理が別途設けられている。なお、図10における操作量及び被制御量は、前記した塗布装置3の例とは直接関係していない。次の最適な操作量(欄54a及び54b)が、ステップS209の“第2”において取得された操作量に相当する。
フローチャートの説明に戻る。第3に、出力処理部25は、ユーザが入力装置12を介して“操作量マトリクス”欄55bを選択するのを受け付けると、画面を操作量マトリクス表示画面61(図11)に遷移する。図11の操作量マトリクス表示画面61は、図10の被制御量推移画面51においてグラフが表示されている欄52を、操作量マトリクス32が表示される欄62に置き換えたものである。図11の操作量マトリクス32は、前記した塗布装置3の例とは直接関係していない。
図11の操作量マトリクス32を見ると以下のことがわかる。
・横軸“操作量A”の目盛は、“0”を中心とした等間隔の正負の数となっている。ここでの目盛は、直近の過去の時点t−1における操作量Aを“0”とした場合の相対値(次の時点tの操作量Aから時点t−1における操作量Aを減算した値)を示している。縦軸“操作量B”の目盛についても同様である。もちろん、横軸及び縦軸の目盛は、それぞれの操作量の絶対的な値そのものであってもよい。しかしながら、正負の相対値としたほうが、ユーザは操作量の変化を直感的に理解しやすくなる。
・操作量Aの刻み幅は、“0.01”であり、操作量Bの刻み幅は、“1”である。
・現在の被制御量の予測値から目標を減算した差分が、11行×7列=77個のセルに記憶されている。これらの値のうちには、他と同じものが存在しない。
・右下の標高が最も高く、左上の標高が最も低い。
・仮に等高線を描画するとすれば、それらは、左下から右上に走る。
フローチャートの説明に戻る。第4に、出力処理部25は、ユーザが入力装置12を介して“被制御量の時系列推移”欄55aを選択するのを受け付けると、画面を被制御量推移画面51(図10)に遷移する。
ステップS211において、出力処理部25は、作業を終了するか否かを判断する。具体的には、出力処理部25は、ユーザが入力装置12を介して作業を終了する旨を入力するのを受け付けた場合(ステップS211“Yes”)、第1の処理手順を終了する。出力処理部25は、それ以外の場合(ステップS211“No”)、ステップS201に戻る。多くの場合、ステップS211“No”を経由する。
ステップS211“No”を経由する場合、ユーザは、図11(又は図10)の画面で示された操作量(欄54a及び54b)を塗布装置3に対して出力し、時点tにおいて基板にシールを塗布する。すると、レーザセンサ47がシールの厚さを計測し、最適制御装置1に送信する。このとき、出力処理部25は、ユーザからの指示に従って、図11(又は図10)の画面で示された操作量(欄54a及び54b)を塗布装置3に自動的に出力してもよい。その後、データ取得部21は、レーザセンサから受信したシールの厚さYを、操作量・被制御量情報31(図4)の時点tのレコードの被制御量欄105aに記憶することになる。
(第2の処理手順)
図8に沿って、第2の処理手順を説明する。第2の処理手順が第1の処理手順に比して異なる点は、第2の処理手順においては、ステップS200及びステップS201bが追加されているという点である。第2の処理手順のステップS201及びS202〜S211の処理は、第1の処理手順における同じ番号のステップの処理と同じである。したがって、以降では、ステップS200及びS201bのみを説明する。
ステップS200において、最適制御装置1のデータ取得部21は、被制御量に対する基準量を受け付ける。具体的には、第1に、データ取得部21は、出力装置13に、基準値設定画面71(図12)を表示する。
第2に、データ取得部21は、ユーザが入力装置12を介して、“直近のNの個数”欄72に、最適制御装置1が重回帰分析に用いるデータの時点の数を入力するのを受け付ける。
第3に、データ取得部21は、ユーザが入力装置12を介して、“被制御量の規格上限”欄73a及び“被制御量の規格下限”欄73bに、被制御量の規格上限及び規格下限を入力するのを受け付ける。ユーザは、欄73a及び73bを空欄のままとしてもよい。なお、後記する第3の処理手順においては、これらの入力は必須である。
第4に、データ取得部21は、ユーザが入力装置12を介して、“被制御量の警戒上限”欄74a及び被制御量の警戒下限”欄74bに、被制御量の警戒上限及び警戒下限を入力するのを受け付ける。
第5に、データ取得部21は、ユーザが登録ボタン75を押下するのを受け付ける。
第6に、データ取得部21は、ステップS200の“第3”及び“第4”において受け付けたデータを、操作量・被制御量情報31の欄106a、106b、106d及び106eに記憶する。
ステップS201bにおいて、データ取得部21は、被制御量が警戒水準を逸脱したか否かを判断する。具体的には、データ取得部21は、時点t−1におけるシールの厚さの実測値Yt−1が、警戒上限YIUを超えているか、又は、警戒下限YILを下回っている場合(ステップS201b“Yes”)、ステップS202に進む。データ取得部21は、それ以外の場合(ステップS201b“No”)、ステップS211に進む。
第2の処理手順を通じて、最適制御装置1は、被制御量が警戒水準を逸脱した場合にのみ、ユーザに対して新たな操作量の設定を促すことになる。
(第3の処理手順)
図9に沿って、第3の処理手順を説明する。第3の処理手順が第2の処理手順に比して異なる点は、第3の処理手順においては、ステップS204b、S205b、S206b、S207b、S208b、S209b及びS210bが追加されているという点である。第3の処理手順のステップS201、S202〜S204及びS205〜S211の処理は、第1の処理手順における同じ番号のステップの処理と同じである。第3の処理手順のステップS200及びS201bの処理は、第2の処理手順のステップS200及びS201bの処理と同じである。したがって、以降では、ステップS204b、S205b、S206b、S207b、S208b、S209b及びS210bのみを説明する。
ステップS204bにおいて、最適制御装置1のデータ取得部21は、被制御量が規格水準を逸脱したか否かを判断する。具体的には、データ取得部21は、時点t−1におけるシールの厚さの実測値Yt−1が、規格上限YOUを超えているか、又は、規格下限YOLを下回っている場合(ステップS204b“Yes”)、ステップS205に進む。データ取得部21は、それ以外の場合(ステップS204b“No”)、ステップS205bに進む。ステップS204b“No”を経由するのは、被制御量が警戒上限と規格上限との間にある場合、又は、被制御量が警戒下限と規格下限との間にある場合である。
ステップS205bにおいて、最適制御装置1のモデル作成・補正部23は、簡易予測モデルのパラメータを最適化する。具体的には、モデル作成・補正部23は、図5(a)の説明に準じた方法で、簡易予測モデル33bのパラメータを決定する。
ステップS206bにおいて、モデル作成・補正部23は、被制御量の実測値と予測値との差分を算出する。具体的には、モデル作成・補正部23は、図5(a)の説明に準じた方法で、“β”を決定する。
ステップS207bにおいて、モデル作成・補正部23は、簡易予測モデル33bを補正する。具体的には、モデル作成・補正部23は、図5(b)の説明に準じた方法で、補正後簡易予測モデル34b(y=ax+c+β)を作成する。
ステップS208bにおいて、最適制御装置1の表情報操作部24は、操作量表32bを作成する。具体的には、表情報操作部24は、図6(a)、(b)及び(c)の説明において前記した方法で操作量表32bを作成する。
ステップS209bにおいて、表情報操作部24は、操作量を決定する。具体的には、第1に、表情報操作部24は、時点t−1における補正後簡易予測モデル34bの予測値yt−1から目標Yを減算し、減算の結果をΔyとする。
第2に、表情報操作部24は、操作量表32bに記憶されている値のうちΔyに最も近似するものに対応するxを取得する。
第3に、表情報操作部24は、ステップS209bの“第2”において取得したxを、操作量・被制御量情報31(図4)の時点tのレコードの操作量欄104に記憶する。
ステップS210bにおいて、最適制御装置1の出力処理部25は、被制御量の時系列推移又は操作量表を表示する。ここで表示される被制御量推移画面51(図10)では、“次の最適な操作量”(欄54a及び54b)が表示される。ここで表示される操作量マトリクス表示画面61(図11)では、“次の最適な操作量”(欄54a及び54b)が表示される。
第3の処理手順を通じて、最適制御装置1は、被制御量の実測値が被制御量の目標から乖離する程度に基づき、予測モデル/簡易予測モデルを使い分け、操作量マトリクス/操作量表を使い分けることになる。その使い分けを図示したものが、図13である。
(被制御量及び操作量の次元数)
前記では、操作量の次元数が“2”(圧力及び距離)であり、被制御量の次元数が“1”(シールの厚さ)である例を説明した。しかしながら、被制御量の次元数を“1”に固定したまま、操作量の次元数を、“3”以上に増やすことも可能である。このとき、予測モデル33の右辺の変数は、x、x、x、・・・のように増加する。操作量マトリクス32は、“Δy”にベクトル“(x,x,x,・・・)”を関連付けた表情報となる。
さらに、被制御量の次元数を“2”以上に増やすことも可能である。このとき、予測モデル33は、“y=a+b+・・・+c,y=a+b+・・・+c,・・・”のように複数の数式を含むものになる。“β”は、多次元空間における点(Y1,t−1,Y2,t−1,・・・)と点(y1,t−1,y2,t−1,・・・)との距離を各軸方向に投影した成分として定義できる。操作量マトリクス32は、“(Δy,Δy,・・・)”にベクトル“(x,x,x,・・・)”を関連付けた表情報となる。目標、警戒上限(下限)及び規格上限(下限)は、被制御量のそれぞれに対し設定されることになる。警戒(規格)水準を逸脱したか否かの判断は、複数の被制御量のうち、所定の数(例えば過半数)の被制御量が同時に警戒(規格)水準を逸脱したか否かを判断することによってもよい。
(警戒上限(下限)の数と操作量の次元)
例えば、操作量の次元数が“3”である場合、被制御量がその目標から乖離する程度に応じて、警戒上限YIU及び警戒下限YILの組合せが2つ設定されてもよい。すなわち、これらの組合せは、より目標に近い“(YIU1,YIL1)”及びより目標から遠い“(YIU2,YIL2)”である。被制御量が“(YIU1,YIL1)”を逸脱した場合、モデル作成・補正部23は、操作量の次元数を“1”としたうえで、予測モデル33を作成及び補正し、表情報操作部24は、操作量の次元数を“1”としたうえで、操作量表32bを適用する。
被制御量が“(YIU2,YIL2)”を逸脱した場合、モデル作成・補正部23は、操作量の次元数を“2”としたうえで、予測モデル33を作成及び補正し、表情報操作部24は、操作量の次元数を“2”としたうえで、操作量マトリクス32を適用する。なお、被制御量が規格水準“(YOU,YOL)”を逸脱した場合、モデル作成・補正部23は、操作量の次元数を“3”としたうえで、予測モデル33を作成及び補正し、表情報操作部24は、操作量の次元数を“3”としたうえで、操作量マトリクス32を適用する。操作量の次元数が“4”以上である場合も、同様である。
(本実施形態の効果)
本実施形態の最適制御装置の効果は以下の通りである。
(1)最適制御装置は、操作量以外の未知の外部要因の被制御量に対する影響を最小限に抑えることができる。
(2)最適制御装置は、被制御量が非連続である場合でも、精度の高い予測モデルを作成することができる。
(3)最適制御装置は、最新の被制御量及び操作量に基づき、精度の高い予測モデルを作成することができる。
(4)最適制御装置は、最新の被制御量に反映された外部要因に基づき、予測モデルを補正できる。
(5)最適制御装置は、変化させる操作量の次元を限定することによって、制御対象の機械に対する負担を軽減できる。
(6)最適制御装置が制御する製造装置は、前記(1)から(5)と同様の効果から、その結果として、各種製造に対する品質向上、歩留まり向上、コスト低減、生産性向上を実現することができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 最適制御装置
2 ネットワーク
3 塗布装置
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置
15 補助記憶装置
16 通信装置
21 データ取得部
22 データ補正部
23 モデル作成・補正部
24 表情報操作部
25 出力処理部
31 操作量・被制御量情報
32 操作量マトリクス
33 予測モデル
34 補正後予測モデル
41 基板
42 シール
43 シールディスペンサ
44 距離調節機
45 加圧機
46 シール材タンク
47 レーザセンサ(サーモセンサ)

Claims (7)

  1. 機械から取得した操作量及び被制御量を使用して、前記操作量と前記被制御量との関係を示す予測モデルを作成し、
    前記被制御量の実測値と前記予測モデルが予測する前記被制御量の予測値との間の第1の差分に基づき、前記作成した予測モデルを補正するモデル作成・補正部と、
    前記補正した予測モデルを使用して、前記被制御量の予測値と前記被制御量の目標との間の第2の差分、及び、前記操作量の関係を示す表情報を作成し、
    前記作成した表情報に対して前記第2の差分を適用し、対応する前記操作量を決定する表情報操作部と、
    前記決定した操作量を出力する出力処理部と、
    を備えることを特徴とする最適制御装置。
  2. 前記機械から取得した被制御量が時系列で比較可能でない場合、前記被制御量を時系列で比較可能な値に補正するデータ補正部を備えること、
    を特徴とする請求項1に記載の最適制御装置。
  3. 前記モデル作成・補正部は、
    前記機械から取得した操作量及び被制御量のうち、直近の過去における任意の数の時点のものを使用して前記予測モデルを作成すること、
    を特徴とする請求項2に記載の最適制御装置。
  4. 前記モデル作成・補正部は、
    前記被制御量の直近の過去における実測値と、前記予測モデルが予測する前記被制御量の直近の過去における予測値との間の前記第1の差分に基づき、前記作成した予測モデルを補正すること、
    を特徴とする請求項3に記載の最適制御装置。
  5. 前記操作量が複数存在する場合において、
    前記モデル作成・補正部は、
    前記被制御量の実測値が前記被制御量の目標から乖離する程度に基づき、前記予測モデルにおける前記操作量の次元数を増減させ、
    前記表情報操作部は、
    前記被制御量の実測値が前記被制御量の目標から乖離する程度に基づき、前記表情報における前記操作量の次元数を増減させること、
    を特徴とする請求項4に記載の最適制御装置。
  6. 最適制御装置のモデル作成・補正部は、
    機械から取得した操作量及び被制御量を使用して、前記操作量と前記被制御量との関係を示す予測モデルを作成し、
    前記被制御量の実測値と前記予測モデルが予測する前記被制御量の予測値との間の第1の差分に基づき、前記作成した予測モデルを補正し、
    前記最適制御装置の表情報操作部は、
    前記補正した予測モデルを使用して、前記被制御量の予測値と前記被制御量の目標との間の第2の差分、及び、前記操作量の関係を示す表情報を作成し、
    前記作成した表情報に対して前記第2の差分を適用し、対応する前記操作量を決定し、
    前記最適制御装置の出力処理部は、
    前記決定した操作量を出力すること、
    を特徴とする最適制御装置の最適制御方法。
  7. 最適制御装置のモデル作成・補正部に対し、
    機械から取得した操作量及び被制御量を使用して、前記操作量と前記被制御量との関係を示す予測モデルを作成し、
    前記被制御量の実測値と前記予測モデルが予測する前記被制御量の予測値との間の第1の差分に基づき、前記作成した予測モデルを補正する処理を実行させ、
    前記最適制御装置の表情報操作部に対し、
    前記補正した予測モデルを使用して、前記被制御量の予測値と前記被制御量の目標との間の第2の差分、及び、前記操作量の関係を示す表情報を作成し、
    前記作成した表情報に対して前記第2の差分を適用し、対応する前記操作量を決定する処理を実行させ、
    前記最適制御装置の出力処理部に対し、
    前記決定した操作量を出力する処理を実行させること、
    を特徴とする最適制御装置を機能させるための最適制御プログラム。
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