JP7070478B2 - 解析装置、解析方法、及び解析プログラム - Google Patents

解析装置、解析方法、及び解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、解析装置、解析方法、及び解析プログラムに関する。
工場等における生産ラインは、コンベア、ロボットアーム等の複数の機構(デバイス)で構成されている。この生産ラインのいずれかの機構で異常が発生すると、製品の製造が停止してしまい、大きな損害をもたらす可能性がある。そのため、工場等では、保全員が、生産ラインを定期的に巡回して、異常の発生又はその予兆の有無の確認を行っている。
生産ライン内で異常の発生又はその予兆を検知したときに、真の異常の原因を特定するためには、生産ライン内の各機構の因果関係を把握することが重要である。しかしながら、生産ラインを構成する機構の数が多くなり、かつ各機構の動作条件が日々変化し得ることから、全ての機構の因果関係を正確に把握するのは困難である。
そのため、従来、熟練の保全員が、自身の経験及び勘に基づいて、生産ラインを構成する複数の機構間の因果関係を把握して、生産ライン内で生じた異常又はその予兆の原因を特定していた。このような保全業務を非熟練の保全員が行うことができるようにするため、生産ラインを構成する複数の機構の因果関係を可視化する技術の開発が望まれていた。
そこで、特許文献1では、観測変数間における因果関係を示したモデルである観測変数の因果構造を決定する因果構造決定装置が提案されている。具体的に、当該因果構造決定装置は、複数の因果構造の候補を生成し、各観測変数に関して得られたデータに基づき、作成された因果構造のモデルの複雑さ及びデータとの適合度のバランスの良さを評価し、評価の最も良い因果構造を観測変数の因果構造として決定する。特許文献1で開示される発明によれば、決定される因果構造により、生産ラインを構成する複数の機構間の因果関係を可視化することができる。
特開2008-217711号公報
生産ラインを構成する複数の機構それぞれに関して得られる複数件の計測データを統計的に解析することで、各機構に対応する計測データ間の条件付き独立性を導出することができ、導出された条件付き独立性に基づいて、各機構間の因果関係を特定することができる。しかしながら、本件発明者らは、このような因果関係の特定方法には、次のような問題点があることを見出した。
すなわち、上記条件付き独立性に基づく方法では、各機構間の因果関係を正確に特定できているか否かは不明である。この点、各機構間の因果関係に対する知見があれば、条件付き独立性に基づく方法により得られた情報が、各機構間の因果関係を正確に示しているか否かを確認することができる。しかしながら、各機構間の因果関係の確認は、生産品に不良が発生する、生産ラインを構成する装置が停止する等のこれまでに経験のない事態が生産ラインに生じた場面で行うことが多い。このような経験のない事態が生じた場面では、得られた情報が、各機構間の因果関係を正確に示しているか否かを確認することは困難である。したがって、従来の統計的な解析では、生産ラインの実態を反映した因果関係を正確に導出することができない可能性があるという問題点があるということを本件発明者らは見出した。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、生産ラインの実態を正確に反映した各機構間の因果関係の情報を得るための技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る解析装置は、生産ラインを構成する複数の機構の状態に関する複数件の計測データを取得するデータ取得部と、取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定する解析部であって、前記複数件の計測データを統計的に解析することは、取得された前記複数件の計測データそれぞれから複数の特徴量を算出すること、前記複数件の計測データのうちの一の計測データから算出された前記各特徴量と他の計測データから算出された前記各特徴量との間の条件付き独立性を算出すること、及びそれぞれ算出された前記条件付き独立性に基づいて、前記各機構間の因果関係の有無を判定すること、を含む、解析部と、前記各機構を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第1形態、及びそれぞれの前記各特徴量を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第2形態を切り替えて、特定された前記因果関係を示す因果関係情報を表示装置に表示させる出力部と、前記因果関係情報が前記表示装置に表示されている間、特定された前記因果関係に対する修正を受け付ける修正受付部と、を備える。
当該構成に係る解析装置は、生産ラインを構成する複数の機構の状態に関する複数件の計測データを取得し、取得された複数件の計測データを統計的に解析することで、複数の機構間の因果関係を特定する。この統計的な解析により得られた情報が各機構間の因果関係を正確に示しているか否かは不明である。そこで、当該構成に係る解析装置は、各機構を項目として利用して、特定された因果関係を表現する第1形態、及びそれぞれの各特徴量を項目として利用して、特定された因果関係を表現する第2形態を切り替えて、特定された因果関係を示す因果関係情報を表示装置に表示させる。当該構成に係る解析装置は、第1形態及び第2形態のいずれかにより因果関係情報が表示装置に表示されている間に、特定された因果関係に対する修正を受け付ける。
第1形態の因果関係情報によれば、統計的な解析により特定された各機構間の因果関係を示すことができる。一方、第2形態の因果関係情報によれば、統計的な解析に利用された各特徴量と特定された各機構間の因果関係とを関連付けて示すことができる。そのため、修正を受け付けるステップにおいて、第1形態及び第2形態を切り替えて表示される因果関係情報により、統計的な解析により各機構間の因果関係が正確に特定されているか否かを確認することができる。そして、当該各機構間の因果関係が正確に特定されていない場合には、因果関係情報を適切に修正することができる。したがって、当該構成によれば、生産ラインの実態を正確に反映した各機構間の因果関係の情報を得ることができる。
なお、生産ラインは、何らかの物を生産可能であればよく、その種類は、特に限定されなくてもよい。各機構の種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。各機構は、例えば、コンベア、ロボットアーム、サーボモータ、シリンダ、吸着パッド、カッター装置、シール装置等であってよい。また、各機構は、例えば、印刷機、成型機、実装機、リフロー炉、基板検査装置等の複合装置であってもよい。更に、各機構は、例えば、上記のような何らかの物理的な動作を伴う装置の他に、例えば、各種センサにより何らかの情報を検知する装置、各種センサからデータを取得する装置、取得したデータから何らかの情報を検知する装置、取得したデータを情報処理する装置等の内部処理を行う装置を含んでもよい。1つの機構は、1又は複数の装置で構成されてもよいし、装置の一部で構成されてもよい。複数の機構により1つの装置が構成されてもよい。また、同一の装置が複数の処理を実行する場合には、それぞれを別の機構とみなしてもよい。例えば、同一の装置が第1の処理と第2の処理とを実行する場合に、第1の処理を実行する当該装置を第1の機構とみなし、第2の処理を実行する当該装置を第2の機構とみなしてもよい。
計測データは、生産ラインを構成する各機構の状態に関するあらゆる種類のデータを含んでよい。計測データは、例えば、トルク、速度、加速度、温度、電流、電圧、空圧、圧力、流量、位置、寸法(高さ、長さ、幅)及び面積の少なくともいずれかを示すデータであってよい。このような計測データは、公知のセンサ、カメラ等の計測装置によって得ることができる。特徴量及び条件付き独立性それぞれの種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。「条件付き独立性」は、例えば、偏相関係数、相関係数、共分散、条件付き確率、精度行列等であってよい。一対の機構間に因果関係があることは、一方の機構の状態が他方の機構の状態に関連していることであり、一例では、一方の機構の状態と他方の機構の状態とが依存関係を有していることであってよい。
上記一側面に係る解析装置において、前記出力部は、前記因果関係情報を前記第2形態で前記表示装置に表示させている間、前記一の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第1特徴量の選択、及び前記他の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第2特徴量の選択をそれぞれ受け付け、選択された前記第1特徴量及び前記第2特徴量の間で算出された前記条件付き独立性を前記表示装置に更に表示させてもよい。当該構成によれば、選択された特徴量間で算出された条件付き独立性の情報を利用することで、因果関係情報により示される各機構間の因果関係が正確ではない場合に、当該因果関係を的確に修正することができる。
上記一側面に係る解析装置において、前記出力部は、前記因果関係情報を前記第2形態で前記表示装置に表示させている間、前記一の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第1特徴量の選択、及び前記他の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第2特徴量の選択をそれぞれ受け付け、選択された前記第1特徴量及び前記第2特徴量それぞれのヒストグラム及び時系列データの少なくとも一方を前記表示装置に更に表示させてもよい。当該構成によれば、選択された各特徴量のヒストグラム及び時系列データの少なくとも一方を利用することで、因果関係情報により示される各機構間の因果関係が正確ではない場合に、当該因果関係を的確に修正することができる。
上記一側面に係る解析装置において、前記各件の計測データは、前記生産ラインの動作が正常に行われた時に得られた正常時データ、及び前記生産ラインの動作に異常が生じた時に得られた異常時データを含んでもよい。そして、前記出力部は、前記正常時データ及び前記異常時データそれぞれから算出された、前記第1特徴量及び前記第2特徴量それぞれのヒストグラム及び時系列データの少なくとも一方を前記表示装置に表示させてもよい。当該構成によれば、正常時と異常時とを比較しながら、各機構間の因果関係が正確に特定されているか否かを確認することができる。
上記一側面に係る解析装置において、前記出力部は、前記第1形態では、前記各機構をそれぞれ表現する複数の第1ノード、及び前記因果関係を有することを表現するエッジを含む第1グラフを生成し、生成した当該第1グラフを前記因果関係情報として前記表示装置に表示させてもよく、前記第2形態では、それぞれの前記各特徴量をそれぞれ表現する複数の第2ノード、及び前記因果関係を有することを表現するエッジを含む第2グラフを生成し、生成した当該第2グラフを前記因果関係情報として前記表示装置に表示させてもよい。当該構成によれば、特定された各機構間の因果関係を把握しやすいグラフィカルな表現で示すことができる。これにより、ユーザは、より早く的確に現場の状態を把握することができるようになる。
上記一側面に係る解析装置は、前記各機構間に因果関係が成立するか否かを規定する制約条件を与えるための前提情報を取得する前提取得部を更に備えてもよい。そして、前記解析部は、前記前提情報により与えられる前記制約条件の下、取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定してもよい。当該構成によれば、制約条件を利用することで、各機構間の因果関係の有無を判定する範囲を絞ることができる。そのため、各機構間の因果関係を比較的に高速に導出することができる。
上記一側面に係る解析装置は、修正された前記因果関係に適合する制約条件を与えるように前記前提情報を修正する前提修正部と、修正された前記前提情報を保存する前提保存部と、を更に備えてもよい。制約条件は、各機構間の因果関係に対する既知の知見に基づいて与えられる。しかしながら、各機構間の因果関係の確認は、これまでに経験のない事態が生産ラインに生じた場面で行うことが多い。このような経験のない事態が生じた場面では、与えられた制約条件において想定されている生産ラインの関係性が、因果関係を特定する時点における生産ラインの関係性から乖離している可能性がある。これに起因して、制約条件を利用して特定された各機構間の因果関係は正確ではない可能性がある。そこで、当該構成に係る解析装置は、修正された因果関係に適合する制約条件を与えるように前提情報を修正し、修正された前提情報を保存する。これにより、現場の様々な状態を徐々に反映した前提情報が得られるため、この前提情報により与えられる制約条件により、確度の高い因果関係情報を生成することができるようになる。したがって、当該構成によれば、生産ラインの実態を反映した各機構間の因果関係をより正確に導出することができる。その結果、ユーザは、より早く的確に現場の状態を把握することができるようになる。
なお、「制約条件」は、各機構間に因果関係が成立するか否かを規定することで、因果関係が成立する範囲(機構の組み合わせ)を制約する。各機構間の因果関係が成立すると規定することは、各機構間に因果関係が有る可能性があるとの条件を与えること、及び各機構間に因果関係が有るとの条件を与えることの少なくともいずれかであってよい。各機構間の因果関係が成立しないと規定することは、各機構間に因果関係が無いとの条件を与えることであってよい。また、制約条件は、因果関係の成立する方向性を与えてもよいし、与えなくてもよい。因果関係の成立する方向性を与える場合、制約条件は、一方の機構から他方の機構にのみ因果関係が成立すると規定してもよい。因果関係の成立する方向性を与えない場合、制約条件は、一方の機構から他方の機構に因果関係が成立する可能性もあれば、他方の機構から一方の機構に因果関係が成立する可能性もあると規定してもよい。
上記一側面に係る解析装置において、前記前提情報を修正することは、前記制約条件により因果関係は成立しないと規定されている機構間に因果関係があると修正された場合に、当該機構間に因果関係が成立すると規定する制約条件を与えるように前記前提情報を修正すること、及び前記制約条件により因果関係は成立すると規定されている機構間に因果関係がないと修正された場合に、当該機構間に因果関係が成立しないと規定する制約条件を与えるように前記前提情報を修正すること、を含んでもよい。当該構成によれば、制約条件を与える前提情報を適切に修正することができる。これにより、生産ラインの実態を反映した各機構間の因果関係をより正確に導出することができる。
上記各形態に係る解析装置の別の態様として、本発明の一側面は、以上の各構成を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記憶した、コンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。
例えば、本発明の一側面に係る解析方法は、コンピュータが、生産ラインを構成する複数の機構の状態に関する複数件の計測データを取得するステップと、取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定するステップであって、前記複数件の計測データを統計的に解析することは、取得された前記複数件の計測データそれぞれから複数の特徴量を算出すること、前記複数件の計測データのうちの一の計測データから算出された前記各特徴量と他の計測データから算出された前記各特徴量との間の条件付き独立性を算出すること、及びそれぞれ算出された前記条件付き独立性に基づいて、前記各機構間の因果関係の有無を判定すること、を含む、ステップと、前記各機構を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第1形態、及びそれぞれの前記特徴量を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第2形態を切り替えて、特定された前記因果関係を示す因果関係情報を表示装置に表示させるステップと、前記因果関係情報が前記表示装置に表示されている間、特定された前記因果関係に対する修正を受け付けるステップと、を実行する、情報処理方法である。
また、例えば、本発明の一側面に係る解析プログラムは、コンピュータに、生産ラインを構成する複数の機構の状態に関する複数件の計測データを取得するステップと、取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定するステップであって、前記複数件の計測データを統計的に解析することは、取得された前記複数件の計測データそれぞれから複数の特徴量を算出すること、前記複数件の計測データのうちの一の計測データから算出された前記各特徴量と他の計測データから算出された前記各特徴量との間の条件付き独立性を算出すること、及びそれぞれ算出された前記条件付き独立性に基づいて、前記各機構間の因果関係の有無を判定すること、を含む、ステップと、前記各機構を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第1形態、及びそれぞれの前記特徴量を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第2形態を切り替えて、特定された前記因果関係を示す因果関係情報を表示装置に表示させるステップと、前記因果関係情報が前記表示装置に表示されている間、特定された前記因果関係に対する修正を受け付けるステップと、を実行させるための、プログラムである。
本発明によれば、生産ラインの実態を正確に反映した各機構間の因果関係の情報を得ることができる。
図1は、本発明が適用される場面の一例を模式的に例示する。 図2は、実施の形態に係る解析装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図3は、実施の形態に係る解析装置のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係る解析装置の処理手順の一例を例示する。 図5は、実施の形態に係る解析装置による因果関係導出の処理手順の一例を例示する。 図6Aは、実施の形態に係る前提情報の一例を示す。 図6Bは、実施の形態に係る制約条件(第1レベル)の一例を示す。 図6Cは、実施の形態に係る制約条件(第2レベル)の一例を示す。 図7は、実施の形態に係る因果関係情報の一例を示す。 図8Aは、実施の形態に係る因果関係の表示形態の一例を示す。 図8Bは、実施の形態に係る因果関係の表示形態の一例を示す。 図9Aは、実施の形態に係る因果関係の表示形態の一例を示す。 図9Bは、実施の形態に係る因果関係の表示形態の一例を示す。 図9Cは、実施の形態に係る因果関係の表示形態の一例を示す。 図10は、実施の形態に係る因果関係の表示形態の一例を示す。 図11Aは、特定された因果関係に対する修正の一例を示す。 図11Bは、特定された因果関係に対する修正の一例を示す。 図12Aは、修正された前提情報の一例を示す。 図12Bは、修正された前提情報の一例を示す。 図13は、変形例に係る因果関係の表示形態の一例を示す。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
§1 適用例
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本実施形態に係る解析装置1の適用場面の一例を模式的に例示する。本実施形態に係る解析装置1は、生産ライン2を構成する複数の機構21間の因果関係を導出するように構成されたコンピュータである。
本実施形態に係る解析装置1は、生産ライン2を構成する複数の機構21の状態に関する複数件の計測データ221を取得する。続いて、解析装置1は、取得された複数件の計測データ221を統計的に解析することで、複数の機構21間の因果関係125を特定する。詳細には、解析装置1は、取得された複数件の計測データ221それぞれから複数の特徴量を算出し、複数件の計測データ221のうちの一の計測データから算出された各特徴量と他の計測データから算出された各特徴量との間の条件付き独立性を算出する。そして、解析装置1は、それぞれ算出された条件付き独立性に基づいて、各機構21間の因果関係の有無を判定する。これにより、解析装置1は、複数の機構21間の因果関係125を特定する。
なお、図1の例では、説明の便宜のため、因果関係情報は、「A」~「F」の6つの機構21間の因果関係125を示している。以下の説明についても同様である。ただし、機構21の数は、このような例に限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
次に、解析装置1は、各機構21を項目として利用して、特定された因果関係125を表現する第1形態、及びそれぞれの各特徴量を項目として利用して、特定された因果関係125を表現する第2形態を切り替えて、特定された因果関係125を示す因果関係情報を表示装置15に表示させることができる。表示装置15は、本発明の「表示装置」の一例である。そして、解析装置1は、因果関係情報が表示装置15に表示されている間、特定された因果関係125に対する修正を受け付けることができる。
以上により、本実施形態では、第1形態の因果関係情報により、統計的な解析により特定された各機構21間の因果関係125を示すことができる。また、第2形態の因果関係情報により、統計的な解析に利用された各特徴量と特定された各機構21間の因果関係125とを関連付けて示すことができる。そのため、修正を受け付けるステップにおいて、統計的な解析により特定された各機構21間の因果関係125が正確であるか否かを確認することができる。そして、当該因果関係125が正確ではない場合には、当該確認の結果に基づいて、因果関係情報を適切に修正することができる。したがって、本実施形態によれば、生産ライン2の実態を正確に反映した各機構21間の因果関係の情報を得ることができる。
なお、生産ライン2は、何らかの物を生産可能であればよく、その種類は、特に限定されなくてもよい。各機構21の種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。各機構21は、例えば、コンベア、ロボットアーム、サーボモータ、シリンダ(成形機等)、吸着パッド、カッター装置、シール装置等であってよい。また、各機構21は、例えば、印刷機、実装機、リフロー炉、基板検査装置等の複合装置であってもよい。更に、各機構21は、例えば、上記のような何らかの物理的な動作を伴う装置の他に、例えば、各種センサにより何らかの情報を検知する装置、各種センサからデータを取得する装置、取得したデータから何らかの情報を検知する装置、取得したデータを情報処理する装置等の内部処理を行う装置を含んでもよい。1つの機構21は、1又は複数の装置で構成されてもよいし、装置の一部で構成されてもよい。複数の機構21により1つの装置が構成されてもよい。また、同一の装置が複数の処理を実行する場合には、それぞれを別の機構21とみなしてもよい。例えば、同一の装置が第1の処理と第2の処理とを実行する場合に、第1の処理を実行する当該装置を第1の機構21とみなし、第2の処理を実行する当該装置を第2の機構21とみなしてもよい。
§2 構成例
[ハードウェア構成]
次に、図2を用いて、本実施形態に係る解析装置1のハードウェア構成の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る解析装置1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
図2に示されるとおり、本実施形態に係る解析装置1は、制御部11、記憶部12、通信インタフェース13、入力装置14、表示装置15、及びドライブ16が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図2では、通信インタフェースを「通信I/F」と記載している。
制御部11は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、プログラム及び各種データに基づいて情報処理を実行するように構成される。記憶部12は、メモリの一例であり、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置により構成される。本実施形態では、記憶部12は、解析プログラム81、前提情報121等の各種情報を記憶する。
解析プログラム81は、複数の機構21間の因果関係の導出に関する情報処理(後述する図4及び図5)を解析装置1に実行させるためのプログラムである。解析プログラム81は、この情報処理の一連の命令群を含む。前提情報121は、各機構21間の関係性の有無を規定し、制約条件123を与えるために利用される。詳細は後述する。
通信インタフェース13は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。解析装置1は、この通信インタフェース13により、例えば、生産ライン2の動作を制御するように構成された制御装置(不図示)等の他の情報処理装置との間でネットワークを介したデータ通信を行い、複数件の計測データ221を取得することができる。ネットワークの種類は、例えば、インターネット、無線通信網、移動通信網、電話網、専用網等から適宜選択されてよい。ただし、計測データ221を取得する経路は、このような例に限定されなくてもよい。
入力装置14は、例えば、マウス、キーボード等の入力を行うための装置である。また、表示装置15は、出力装置の一例であり、例えば、ディスプレイである。オペレータは、入力装置14及び表示装置15を介して、解析装置1を操作することができる。なお、表示装置15は、タッチパネルディスプレイであってもよい。この場合、入力装置14は省略されてもよい。
ドライブ16は、例えば、CDドライブ、DVDドライブ等であり、記憶媒体91に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブ装置である。ドライブ16の種類は、記憶媒体91の種類に応じて適宜選択されてよい。上記解析プログラム81、前提情報121及び複数件の計測データ221の少なくともいずれかは、この記憶媒体91に記憶されていてもよい。
記憶媒体91は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。解析装置1は、この記憶媒体91から、上記解析プログラム81、前提情報121及び複数件の計測データ221の少なくともいずれかを取得してもよい。
ここで、図2では、記憶媒体91の一例として、CD、DVD等のディスク型の記憶媒体を例示している。しかしながら、記憶媒体91の種類は、ディスク型に限定される訳ではなく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。
なお、解析装置1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(digital signal processor)等で構成されてよい。記憶部12は、制御部11に含まれるRAM及びROMにより構成されてもよい。通信インタフェース13、入力装置14、表示装置15及びドライブ16の少なくともいずれかは省略されてもよい。解析装置1は、例えば、スピーカ等の表示装置15以外の出力装置を更に備えてもよい。解析装置1は、複数台のコンピュータで構成されてもよい。この場合、各コンピュータのハードウェア構成は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。また、解析装置1は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、デスクトップPC(Personal Computer)、タブレットPC等の汎用の情報処理装置、汎用のサーバ装置等であってもよい。更に、解析装置1は、生産ライン2の動作を制御可能に構成されてよい。この場合、解析装置1は、PLC(programmable logic controller)であってもよい。また、解析装置1は、生産ライン2と接続するための入出力インタフェースを備えてもよく、この入出力インタフェースを介して計測データ221を取得してもよい。
[ソフトウェア構成]
次に、図3を用いて、本実施形態に係る解析装置1のソフトウェア構成の一例を説明する。図3は、本実施形態に係る解析装置1のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
解析装置1の制御部11は、記憶部12に記憶された解析プログラム81をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開された解析プログラム81をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、図3に示されるとおり、本実施形態に係る解析装置1は、データ取得部111、前提取得部112、解析部113、出力部114、修正受付部115、前提修正部116、及び前提保存部117をソフトウェアモジュールとして備えるコンピュータとして動作する。すなわち、本実施形態では、解析装置1の各ソフトウェアモジュールは、制御部11(CPU)により実現される。
データ取得部111は、生産ライン2を構成する複数の機構21の状態に関する複数件の計測データ221を取得する。前提取得部112は、各機構21間に因果関係が成立するか否かを規定する制約条件123を与えるための前提情報121を取得する。解析部113は、前提情報121により与えられる制約条件123の下、取得された複数件の計測データ221を統計的に解析することで、複数の機構21間の因果関係125を特定する。出力部114は、特定された因果関係125を示す因果関係情報を出力する。
修正受付部115は、出力された因果関係情報により示される因果関係125に対する修正を受け付ける。この修正指示に応じて、修正された因果関係127が得られる。前提修正部116は、修正された因果関係127に適合する制約条件を与えるように前提情報121を修正する。この修正により、修正された前提情報129が得られる。前提保存部117は、修正された前提情報129を保存する。
解析装置1の各ソフトウェアモジュールに関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、解析装置1の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUにより実現される例について説明している。しかしながら、以上のソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のハードウェアプロセッサにより実現されてもよい。また、解析装置1のソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、ソフトウェアモジュールの省略、置換及び追加が行われてもよい。
§3 動作例
次に、図4を用いて、解析装置1の動作例について説明する。図4は、本実施形態に係る解析装置1の処理手順の一例を例示する。以下で説明する解析装置1の処理手順は、本発明の「解析方法」の一例である。ただし、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
[ステップS101]
ステップS101では、制御部11は、データ取得部111として動作し、生産ライン2を構成する複数の機構21の状態に関する複数件の計測データ221を取得する。
本実施形態では、制御部11は、通信インタフェース13を利用して、生産ライン2の動作を制御するように構成された制御装置(不図示)からネットワークを介して複数件の計測データ221を取得する。ただし、計測データ221を取得する経路は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、複数件の計測データ221は、NAS(Network Attached Storage)等の外部記憶装置又は他の情報処理装置に保持されていてもよい。この場合、制御部11は、ネットワーク、記憶媒体91等を介して、当該外部記憶装置又は他の情報処理装置から複数件の計測データ221を取得してもよい。また、例えば、解析装置1は、生産ライン2の動作を直接的に制御するように構成されていてもよい。この場合、制御部11は、生産ライン2を構成する各機構21の状態を観測するセンサから直接的に各件の計測データ221を取得してもよい。
各件の計測データ221は、生産ライン2を構成する各機構21の状態に関するあらゆる種類のデータを含んでよい。各件の計測データ221は、例えば、トルク、速度、加速度、温度、電流、電圧、空圧、圧力、流量、位置、寸法(高さ、長さ、幅)及び面積の少なくともいずれかを示すデータであってよい。このような計測データ221は、公知のセンサ、カメラ等の計測装置によって得ることができる。例えば、流量は、フロートセンサにより得ることができる。また、位置、寸法、及び面積は、画像センサにより得ることができる。
各件の計測データ221は、1又は複数の計測装置から得られるデータにより構成されてもよい。また、各件の計測データ221は、計測装置から得られるデータそのままであってもよいし、画像データから算出される位置データ等のように計測装置から得られたデータに何らかの情報処理を適用することで取得されたデータであってもよい。各件の計測データ221は、各機構21に対応して取得される。複数件の計測データ221の取得が完了すると、制御部11は、次のステップS102に処理を進める。
[ステップS102]
ステップS102では、制御部11は、前提取得部112として動作し、各機構21間に因果関係が成立するか否かを規定する制約条件123を与えるための前提情報121を取得する。
本実施形態では、前提情報121は、記憶部12に保持されている。そのため、制御部11は、記憶部12から前提情報121を取得する。ただし、前提情報121を取得する経路は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、前提情報121は、NAS等の外部記憶装置又は他の情報処理装置に保持されていてもよい。この場合、制御部11は、ネットワーク、記憶媒体91等を介して、当該外部記憶装置又は他の情報処理装置から前提情報121を取得してもよい。前提情報121を取得すると、制御部11は、次のステップS103に処理を進める。なお、ステップS101とステップS102との処理順序は入れ替わってもよい。また、ステップS101とステップS102とは並列に処理されてもよい。
[ステップS103]
ステップS103では、制御部11は、解析部113として動作し、前提情報121により与えられる制約条件123の下、取得された複数件の計測データ221を統計的に解析することで、複数の機構21間の因果関係125を特定する。
複数件の計測データ221を統計的に解析する方法は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。当該解析方法として、例えば、GLASSO(Graphical LASSO)、共分散選択法、SGS(Spirtes,Glymour,and Scheines)、GM(Graphical Modeling)、PC(Peter & Clark)、GES(Greedy Equivalent Search)、FCI(Fast Causal Inference)、LiNGAM(Liner Non-Gaussian Acyclic Model)、ベイジアンネットワーク等が利用されてよい。本実施形態では、制御部11は、以下の処理手順により、複数件の計測データ221を統計的に解析する。
<因果関係の解析>
図5を更に用いて、ステップS103の処理の一例を詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る解析装置1による因果関係解析の処理手順の一例を例示する。本実施形態に係るステップS103の処理は、以下のステップS201~ステップS204の処理を含む。ただし、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(ステップS201)
ステップS201では、制御部11は、前提情報121に基づいて、制約条件123を特定する。本実施形態では、前提情報121は、各機構21間の関係性の有無を規定する。制御部11は、前提情報121により規定された各機構21間の関係性の有無に基づいて、制約条件123を特定する。
まず、図6Aを更に用いて、前提情報121の一例について説明する。図6Aは、本実施形態に係る前提情報121の一例を模式的に例示する。図6Aの例では、前提情報121は、各機構21間の関係性の有無を示す隣接行列により構成されている。隣接行列において、互いに関係性を有する機構21の組に対応する該当要素(成分)は「1」であり、そうではない要素(成分)は「0」である。本実施形態では、関係性は、依存関係、つまり、因果関係の成立する方向性を含んでいる。列が依存元を示し、行が依存先を示している。互いに関係性を有する機構21の組で、かつ因果関係の成立する方向に対応する要素が「1」である。ただし、前提情報121のデータ形式は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
グラフ1211は、この隣接行列から導出される有向グラフである。グラフ1211では、各ノードが各機構を表現しており、エッジが関係性を有していることを表現している。つまり、エッジで連結されていることは、関係性を有していることに対応し、エッジで連結されていないことは、関係性を有していないことに対応する。図6Aの例では、機構「A」が機構「D」に、機構「B」が機構「D」に、機構「C」が機構「D」に、機構「D」が機構「F」に、及び機構「E」が機構「F」に対して関係性を有しており、隣接行列及びグラフ1211は、これらの関係性を示している。なお、図6Aに示される関係性は、説明の便宜のための例示に過ぎず、本発明及び本実施形態を限定するものではない。また、グラフ1211は、前提情報121をグラフィカルに表現するために例示されているに過ぎず、制御部11は、前提情報121からグラフ1211を生成しなければならない訳ではない。グラフ1211を生成するか否かは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
次に、前提情報121から制約条件123を特定する方法の一例について説明する。本実施形態では、制御部11は、前提情報121により関係性を有すると規定される機構21間に因果関係が成立すると規定することで制約条件123を特定する。このとき、直接的に関係性を有する機構21間のみに因果関係が成立すると規定するか、又は間接的に関係性を有する機構21間にも因果関係が成立すると規定するかにより、因果関係の成立する範囲が異なる。本実施形態では、この範囲の相違に応じて、制約条件123のレベル分けがされている。
図6Bは、図6Aの前提情報121に基づいて特定された第1レベルの制約条件123Aの一例を示す。第1レベルでは、制御部11は、前提情報121により直接的に関係性を有すると規定される機構21間のみ因果関係が成立すると規定する。そのため、特定された制約条件123Aにより因果関係が成立すると規定される範囲は、前提情報121により関係性を有すると規定される範囲と同じである。
図6Bの例では、制約条件123Aは、前提情報121と同様に、隣接行列により表現されている。グラフ1231Aは、この制約条件123Aを示す隣接行列から導出される有向グラフである。前提情報121のグラフ1211において、直接的に関係性を有しているとは、エッジにより直接的に連結されていることに対応する。そのため、第1レベルでは、グラフ1231Aは、前提情報121のグラフ1211と同じである。
一方、図6Cは、図6Aの前提情報121に基づいて特定された第2レベルの制約条件123Bの一例を示す。第2レベルでは、制御部11は、前提情報121により直接的に関係性を有すると規定される機構21間に加えて、前提情報121により間接的に関係性を有すると規定される機構21間にも因果関係が成立すると規定する。そのため、特定された制約条件123Bにより因果関係が成立すると規定される範囲は、前提情報121により関係性を有すると規定される範囲より広い。
図6Cの例では、制約条件123Bは、前提情報121と同様に、隣接行列により表現されている。グラフ1231Bは、この制約条件123Bを示す隣接行列から導出される有向グラフである。前提情報121のグラフ1211において、間接的に関係性を有しているとは、1つ以上のノードを介してエッジにより間接的に連結されていることに対応する。そのため、第2レベルでは、グラフ1231Bは、前提情報121のグラフ1211と相違している。例えば、前提情報121は、機構「A」が機構「D」に関係性を有し、かつ機構「D」が機構「F」に関係性を有すると規定している。これに応じて、制約条件123Bは、機構「A」と機構「F」との間に因果関係が成立すると規定している。
ここで、図6Cの例では、制約条件123Bは、1つの機構21を介在して、間接的に関係性を有する範囲に、因果関係が成立すると規定している。つまり、グラフ1231B上では、制約条件123Bは、親ノードから孫ノードまでの範囲で、因果関係が成立すると規定している。しかしながら、第2レベルにより、因果関係が成立すると規定される範囲は、このような例に限定されなくてもよい。制約条件123Bは、2つ以上の機構21を介在して、間接的に関係性を有する範囲に、因果関係が成立すると規定してもよい。また、第2レベルは、因果関係が成立すると規定する範囲として介在する機構21の数に応じて、更に複数のレベルに分けられてもよい。
なお、図6B及び図6Cの例では、各制約条件(123A、123B)の情報は、前提情報121と同様に、隣接行列により構成されている。このように、制約条件123の情報は、隣接行列により構成されてよい。ただし、制約条件123のデータ形式は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、各グラフ(1231A、1231B)は、各制約条件(123A、123B)をグラフィカルに表現するために例示されているに過ぎず、制御部11は、各制約条件(123A、123B)から各グラフ(1231A、1231B)を生成しなければならない訳ではない。制約条件123を表現するグラフを生成するか否かは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
本実施形態では、制御部11は、上記第1レベル及び第2レベルを切り替えて制約条件123を特定する。例えば、制御部11は、レベルの指定を受け付ける。そして、制御部11は、指定されたレベルに応じて制約条件123を特定する。制約条件123を特定すると、制御部11は、次のステップS202に処理を進める。なお、ステップS201の処理タイミングは、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。
(ステップS202)
ステップS202では、制御部11は、取得された各件の計測データ221から1又は複数の特徴量を算出する。本実施形態では、制御部11は、各件の計測データ221から複数の特徴量を算出する。特徴量の種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。計測データ221が連続値データである場合、算出される特徴量は、例えば、フレーム内の振幅、最大値、最小値、平均値、分散値、標準偏差、瞬時値(1点サンプル)等であってよい。また、計測データ221が離散値データである場合には、算出される特徴量は、例えば、各フレーム内の「on」時間、「off」時間、Duty比、「on」回数、「off」回数等であってよい。算出する特徴量の数も、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。各件の計測データ221から算出される特徴量の数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。各件の計測データ221から複数の特徴量を算出すると、制御部11は、次のステップS203に処理を進める。
(ステップS203)
ステップS203では、制御部11は、算出された各特徴量間の条件付き独立性を算出する。本実施形態では、制御部11は、複数件の計測データ221のうちの一の計測データから算出された各特徴量と他の計測データから算出された各特徴量との間の条件付き独立性を算出する。条件付き独立性の種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。算出される条件付き独立性は、例えば、偏相関係数、相関係数、共分散、条件付き確率、精度行列等であってよい。本ステップS203では、制御部11は、一種類の条件付き独立性を算出してもよいし、複数種類の条件付き独立性を算出してもよい。各特徴量間の条件付き独立性を算出すると、制御部11は、次のステップS204に処理を進める。
(ステップS204)
ステップS204では、制御部11は、特定された制約条件123の下で、それぞれ算出された条件付き独立性に基づいて、各機構21間の因果関係の有無を判定する。
制約条件123は、各機構21間に因果関係が成立するか否かを規定することで、因果関係が成立する範囲を制約する。各機構21間の因果関係が成立すると規定することは、各機構21間に因果関係が有る可能性があるとの条件を与えること、及び各機構21間に因果関係が有るとの条件を与えることの少なくともいずれかであってよい。また、各機構21間の因果関係が成立しないと規定することは、各機構21間に因果関係が無いとの条件を与えることであってよい。
制約条件123により因果関係が無いとの条件が与えられている場合、制御部11は、該当する各機構21間に因果関係は無いと判定する。また、制約条件123により因果関係が有るとの条件が与えられている場合、制御部11は、該当する各機構21間に因果関係が有ると判定する。つまり、制約条件123により因果関係の有無の条件が与えられている範囲については、制御部11は、各機構21間の因果関係を示す情報として制約条件123をそのまま利用する。
一方、制約条件123により因果関係が有る可能性があるとの条件が与えられている場合、制御部11は、該当する各機構21間について、算出された条件付独立性に基づいて、因果関係の有無を判定する。一例として、制御部11は、算出された条件付き独立性と閾値とを比較により、因果関係の有無を判定する。因果関係を有することの程度に条件付き独立性の値が比例している場合には、制御部11は、算出された条件付き独立性の値が閾値以上であるか否かを判定する。そして、制御部11は、算出された条件付き独立性の値が閾値以上であるときに、該当する各機構21間に因果関係が有ると判定し、そうではないときには、該当する各機構21間に因果関係が無いと判定する。閾値は、適宜設定されてよい。
なお、条件付き独立性に基づいて因果関係の有無を判定する方法は、このような例に限定されなくてもよく、条件付き独立性の種類等に応じて適宜決定されてよい。例えば、因果関係を有することの程度と条件付き独立性との対応関係は反対であってもよい。この場合、制御部11は、条件付き独立性の値が閾値以下である場合に、該当する各機構21間に因果関係が有ると判定し、そうではない場合に、該当する各機構21間に因果関係が無いと判定してもよい。また、制御部11は、複数種類の条件付き独立性に基づいて、各機構21間の因果関係の有無を判定してもよい。
これらの判定の結果、制御部11は、各機構21間の因果関係125を特定することができる。各機構21間の因果関係125を特定すると、制御部11は、因果関係解析に関する処理を終了する。これにより、ステップS103の一連の処理が完了すると、制御部11は、次のステップS104に処理を進める。
[ステップS104]
図4に戻り、ステップS104では、制御部11は、出力部114として動作し、特定された因果関係125を示す因果関係情報を出力する。
因果関係情報の出力先及び表現形式はそれぞれ、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。本実施形態では、因果関係情報の出力先として、表示装置15が採用される。制御部11は、出力処理として、因果関係情報を表示装置15に表示させる。また、本実施形態では、因果関係情報の表現形式として、後述するグラフが採用される。つまり、本実施形態では、ステップS104の出力処理は、特定された因果関係125を表現するグラフを生成すること、及び生成されたグラフを因果関係情報として出力することを含む。
更に、本実施形態では、出力処理は、因果関係情報の表示形態を2つの形態の間で切り替えることを含んでいる。すなわち、本実施形態では、制御部11は、各機構21を項目として利用して、特定された因果関係125を表現する第1形態、及びそれぞれの特徴量を項目として利用して、特定された因果関係125を表現する第2形態を切り替えて因果関係情報を出力する。
加えて、本実施形態では、出力処理は、特定された因果関係125の正確性を確認するための追加情報として、算出された条件付き独立性、特徴量のヒストグラム、及び特徴量の時系列データの少なくともいずれかを出力することを含む。すなわち、本実施形態では、制御部11は、複数の計測データ221のうちの一の計測データから算出された複数の特徴量のうちから第1特徴量の選択を受け付ける。制御部11は、他の計測データから算出された複数の特徴量のうちから第2特徴量の選択を受け付ける。そして、制御部11は、選択された第1特徴量及び第2特徴量の間で算出された条件付き独立性を出力する。また、制御部11は、選択された第1特徴量及び第2特徴量それぞれのヒストグラム及び時系列データの少なくとも一方を出力する。以下、本実施形態に係る出力処理の一例について詳細に説明する。
(1)表示形態
まず、図7、図8A、及び図8Bを更に用いて、因果関係情報の表示形態の一例について説明する。図7は、特定された因果関係125を示す隣接行列1250の一例を示す。図8Aは、各機構21を項目として利用して、図7の因果関係125を表現する第1形態による表示の一例を示す。また、図8Bは、各機構21に対応する各特徴量を項目として利用して、図7の因果関係125を表現する第2形態による表示の一例を示す。
図7に例示されるとおり、本実施形態に係る因果関係情報は、前提情報121等と同様に、隣接行列1250を含む。隣接行列1250は、上記ステップS204の処理の結果として得られる。隣接行列1250において、互いに因果関係を有する機構21の組に対応する該当要素は「1」であり、そうではない要素は「0」である。本実施形態では、因果関係は、依存関係を含んでいる。列が依存元を示し、行が依存先を示している。図7に例示される隣接行列1250は、機構「B」が機構「D」に対して因果関係を有しており、機構「D」が機構「F」に対して因果関係を有していることを示している。なお、図7に示される因果関係は、説明の便宜のための例示に過ぎず、本発明及び本実施形態を限定するものではない。
図8Aに例示されるとおり、第1形態では、制御部11は、隣接行列1250に基づいて、各機構21をそれぞれ表現する複数の第1ノード151、及び因果関係を有することを表現するエッジ152を含む第1グラフ1251を生成する。第1グラフ1251は、第1形態の因果関係情報の一例である。本実施形態では、第1グラフ1251は、有向グラフである。エッジ152の矢印の元が依存元を示しており、エッジ152の矢印の先が依存先を示している。制御部11は、生成された第1グラフ1251を因果関係情報として表示装置15に表示させる。
なお、図8Aの例では、各第1ノード151には、対応する機構21の名称(A~F)が付されている。ただし、各機構21を項目として利用することは、このような例に限定されなくてよい。各件の計測データ221は、各機構21に関して得られる。そのため、各機構21を項目として利用することは、各件の計測データ221を項目として利用することを含んでよい。例えば、各第1ノード151には、対応する機構21に対する計測の名称等が付されてもよい。
一方、図8Bに例示されるとおり、第2形態では、制御部11は、隣接行列1250及び上記ステップS204の処理の結果に基づいて、各機構21に対応する各特徴量をそれぞれ表現する複数の第2ノード155、及び因果関係を有することを表現するエッジ156を含む第2グラフ1252を生成する。第2グラフ1252は、第2形態の因果関係情報の一例である。本実施形態では、第2グラフ1252も、第1グラフ1251と同様に、有向グラフである。制御部11は、生成された第2グラフ1252を因果関係情報として表示装置15に表示させる。
図8Bの例は、上記ステップS202において、各機構21に対応する各件の計測データ221から3つの特徴量を算出した場面を想定している。例えば、「A_f1」、「A_f2」及び「A_f3」はそれぞれ、機構「A」に関する計測データ221から算出された特徴量に対応する。その他についても同様である。
エッジ156は、該当の機構21間に因果関係を有するとの判定に利用され各特徴量に対応する第2ノード155同士を連結するように配置される。つまり、図8の例では、特徴量「B_f1」及び特徴量「D_f1」の間で算出された条件付き独立性に基づいて、機構「B」と機構「D」との間に因果関係があると特定され、特徴量「D_f1」及び特徴量「F_f2」の間で算出された条件付き独立性に基づいて、機構「D」と機構「F」との間に因果関係があると特定された場面を想定している。
本実施形態に係る因果関係情報は、各形態のグラフ(1251、1252)を含む。各ノード(151、155)は、本発明の「項目」の一例である。ステップS104では、制御部11は、各形態のグラフ(1251、1252)を切り替えて表示装置15に表示させる。これにより、各機構21間の因果関係125を、その因果関係125の特定に利用した特徴量に関連付けて出力することができる。そのため、ユーザは、各形態のグラフ(1251、1252)に基づいて、特定された因果関係125が正確であるか否かを判断することができる。
(2)追加情報の出力
次に、図9A~図9C及び図10を更に用いて、追加情報を出力する形態の一例について説明する。図9A~図9C及び図10はそれぞれ、表示装置15に表示される画面1253~1256の一例を模式的に例示する。図9A~図9Cにより例示される画面1253~1255では、第1特徴量及び第2特徴量の間で算出された条件付き独立性に関する情報1261~1263が表示されている。図10により例示される画面1256では、選択された各特徴量のヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)が表示されている。
本実施形態では、ステップS104において、制御部11は、第2グラフ1252を表示装置15に表示させている間、複数の計測データ221のうちの一の計測データから算出された複数の特徴量のうちから第1特徴量の選択、及び他の計測データから算出された複数の特徴量のうちから第2特徴量の選択をそれぞれ受け付ける。各特徴量の選択には、第2グラフ1252が利用されてよい。例えば、制御部11は、入力装置14を介して、第2グラフ1252の各第2ノード155の選択を受け付けてもよい。
次に、図9A~図9Cの各画面1253~1255について、制御部11は、ステップS202及びステップS203の計算結果に基づいて、選択された第1特徴量及び第2特徴量の間で算出された条件付き独立性に関する各情報1261~1263を生成する。そして、制御部11は、生成された各情報1261~1263を表示装置15に更に表示させる。
また、図10の画面1256について、制御部11は、ステップS202の計算結果に基づいて、選択された各特徴量のヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)それぞれを生成する。そして、制御部11は、生成されたヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)それぞれを表示装置15に更に表示させる。
図9A~図9Cの例では、特徴量「B_f1」、特徴量「D_f1」、及び特徴量「F_f2」(点線のノード)がそれぞれ選択された場面を想定している。特徴量「B_f1」及び特徴量「D_f1」の間の関係では、一方の特徴量が本発明の「第1特徴量」の一例であり、他方の特徴量が本発明の「第2特徴量」の一例である。同様に、特徴量「D_f1」及び特徴量「F_f2」の間の関係においても、一方の特徴量が本発明の「第1特徴量」の一例であり、他方の特徴量が本発明の「第2特徴量」の一例である。
図9Aの画面1253に表示される情報1261は、各機構21に対応する項目を行及び列にそれぞれ利用した表形式のデータ構造を有している。制御部11は、選択された各機構21の組に対応する要素に、ステップS203により得られた条件付き独立性の分布を示すグラフを格納する。また、制御部11は、同一の機構21を示す要素に、ステップS202において、対応する機構21に関する計測データ221から算出された特徴量のヒストグラムを格納する。これにより、制御部11は、条件付き独立性の分布及び特徴量のヒストグラムを示す情報1261を生成し、生成された情報1261を、第2グラフ1252の表示領域の近傍に表示する。
図9Bの例では、条件付き独立性の一例として相関係数が計算された場面が想定されている。画面1254に表示される情報1262は、情報1261と同様の表形式のデータ構造を有している。制御部11は、選択された各機構21の組に対応する要素に、ステップS203により算出された相関係数を格納する。これにより、制御部11は、条件付き独立性として相関係数を示す情報1262を生成し、表示装置15に対して、生成された情報1262を第2グラフ1252の表示領域の近傍に表示させる。
図9Cの例では、条件付き独立性の一例として偏相関係数が計算された場面が想定されている。画面1255に表示される情報1263は、情報1261と同様の表形式のデータ構造を有している。制御部11は、選択された各機構21の組に対応する要素に、ステップS203により算出された偏相関係数を格納する。これにより、制御部11は、条件付き独立性として偏相関係数を示す情報1263を生成し、表示装置15に対して、生成された情報1263を第2グラフ1252の表示領域の近傍に表示させる。
一方、図10の例では、特徴量「D_f1」及び特徴量「F_f2」(点線のノード)がそれぞれ選択された場面を想定している。特徴量「D_f1」及び特徴量「F_f2」のうちの一方の特徴量が本発明の「第1特徴量」の一例であり、他方の特徴量が本発明の「第2特徴量」の一例である。
制御部11は、ステップS202の計算結果に基づいて、選択された各特徴量のヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)それぞれのグラフを生成する。そして、制御部11は、表示装置15に対して、生成されたヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)それぞれのグラフを第2グラフ1252の表示領域の近傍に表示させる。ただし、画面1256は、このような例に限定されなくてもよい。画面1256において、ヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)のいずれか一方は省略されてよい。
なお、各画面1253~1256では、各情報1261~1263、ヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)の追加情報は、第2グラフ1252の表示領域の近傍に配置されている。このように、追加情報を第2グラフ1252の近傍に配置することで、各機構21間の因果関係と共に追加情報を確認しやすくすることができる。ただし、追加情報の配置領域は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
ステップS104では、制御部11は、例えば、入力装置14を介したユーザの指示に応じて、生成する追加情報の種類を決定する。そして、制御部11は、決定された種類の追加情報を上記のとおりに生成し、生成された追加情報を表示装置15に更に表示させる。制御部11は、複数種類の追加情報を個別に表示装置15に表示させてもよいし、複数種類の追加情報を同時に表示装置15に表示させてもよい。これにより、各機構21間の因果関係125を、選択された特徴量に関する追加情報に関連付けて出力することができる。そのため、ユーザは、この追加情報を利用して、特定された因果関係125が正確であるか否かを的確に判断することができるようになる。
以上により、特定された因果関係125を示す因果関係情報の出力が完了すると、制御部11は、次のステップS105に処理を進める。
[ステップS105]
ステップS105では、制御部11は、修正受付部115として動作し、出力された因果関係情報により示される因果関係125に対する修正を行うか否かを判定する。
修正を行うか否かを判定する方法は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、制御部11は、ユーザに対して、入力装置14を介した修正の要否の指定を受け付けてもよい。そして、この指定に応じて、制御部11は、因果関係125に対する修正を行うか否かを判定してもよい。
出力された因果関係情報により示される因果関係125に対する修正を行うと判定された場合、制御部11は、次のステップS106に処理を進める。一方、出力された因果関係情報により示される因果関係125に対する修正を行わないと判定された場合、制御部11は、本動作例に係る処理を終了する。
[ステップS106]
ステップS106では、制御部11は、修正受付部115として動作し、出力された因果関係情報により示される因果関係125に対する修正を受け付ける。
本実施形態では、上記図8A~図10のいずれかの形態で因果関係情報が表示装置15に表示されている間に、制御部11は、特定された因果関係125に対する修正を受け付ける。修正を受け付ける方法は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
例えば、各グラフ(1251、1252)上で、因果関係があるとの修正を行うことは、各エッジ(152、156)により連結されていない各ノード(151、155)間を新たなエッジにより連結すること(すなわち、新たなエッジを追加すること)に該当する。そこで、一例として、因果関係がないと特定された機構21間に対して因果関係があるとの修正を行う場合、制御部11は、各グラフ(1251、1252)上で、因果関係があると修正する該当の各機構21に対応する各ノード(151、155)の指定を受け付けてもよい。
また、例えば、各グラフ(1251、1252)上で、因果関係がないとの修正を行うことは、各ノード(151、155)間を連結する各エッジ(152、156)を削除することに該当する。そこで、一例として、因果関係があると特定された機構21間に対して因果関係はないとの修正を行う場合、制御部11は、各グラフ(1251、1252)上で、因果関係がないと修正する該当の各エッジ(152、156)の指定を受け付けてもよい。
制御部11は、上記2種類の修正の指示のうちの少なくともいずれかを受け付ける。受け付ける修正の件数は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。修正の指示を受け付けると、制御部11は、次のステップS107に処理を進める。
[ステップS107~ステップS109]
ステップS107では、制御部11は、ステップS106の受付内容(すなわち、修正指示)に応じて、各機構21間の因果関係125を修正し、修正された因果関係127を取得する。ステップS108では、制御部11は、前提修正部116として動作し、修正された因果関係127に適合する制約条件を与えるように前提情報121を修正する。これにより、制御部11は、修正された前提情報129を取得する。ステップS109では、制御部11は、修正された前提情報129を保存する。
図11A~図12Bを用いて、この修正処理の一例について詳細に説明する。図11Aは、因果関係がないと特定された機構21間に対して因果関係があるとの修正を行うことで得られた、修正された因果関係127Aの一例を示す。図11Bは、因果関係があると特定された機構21間に対して因果関係はないとの修正を行うことで得られた、修正された因果関係127Bの一例を示す。図12Aは、図11Aの修正に応じて得られる、修正された前提情報129Aの一例を示す。図12Bは、図11Bの修正に応じて得られる、修正された前提情報129Bの一例を示す。なお、各図に示される具体的な修正内容は、説明の便宜のための例示に過ぎず、本発明及び本実施形態を限定するものではない。
ステップS106において、因果関係がないと特定された機構21間に対して因果関係があるとの修正を受け付けた場合、ステップS107では、制御部11は、当該修正の指示に応じて、該当の機構21間に因果関係があるとの修正を行う。これにより、制御部11は、図11Aに例示される修正された因果関係127Aを得ることができる。
図11Aの例では、機構「C」が機構「F」に対して因果関係を有するとの修正が行われた場面を想定している。機構「C」及び機構「F」の間について、上記図6Bに例示される制約条件123Aでは、因果関係は成立しないと規定されている。このように、制約条件123により因果関係は成立しないと規定されている機構21間に因果関係があると修正された場合、ステップS108では、制御部11は、図12Aに例示されるとおり、当該機構21間に因果関係が成立すると規定する制約条件を与えるように前提情報121を修正する。
図12Aの例では、制御部11は、図11Aの修正に応じて、機構「C」が機構「F」に対して関係性を有することを示すように、前提情報121(隣接行列)における該当要素の値を「0」から「1」に修正している。これにより、制御部11は、修正された前提情報129Aを得ることができる。グラフ1291Aは、グラフ1211と同様に、修正された前提情報129Aから導出される有向グラフである。グラフ1291Aでは、機構「C」及び機構「F」それぞれに対応するノード間が新たなエッジで連結されたことで、機構「C」が機構「F」に対して関係性を有するように修正されたことが示されている。
一方、ステップS106において、因果関係があると特定された機構21間に対して因果関係はないとの修正を受け付けた場合、ステップS107では、制御部11は、当該修正の指示に応じて、該当の機構21間に因果関係がないとの修正を行う。これにより、制御部11は、図11Bに例示される修正された因果関係127Bを得ることができる。
図11Bの例では、機構「B」及び機構「D」の間には因果関係が無いとの修正が行われた場面を想定している。機構「B」及び機構「D」の間について、上記図6B及び図6Cに例示される各制約条件(123A、123B)では、因果関係が成立すると規定されている。このように、制約条件123により因果関係が成立すると規定されている機構21間に因果関係がないと修正された場合に、ステップS108では、制御部11は、図12Bに例示されるとおり、当該機構21間に因果関係が成立しないと規定する制約条件を与えるように前提情報121を修正する。
図12Bの例では、制御部11は、図11Bの修正に応じて、機構「B」が機構「D」に対して関係性を有しないことを示すように、前提情報121(隣接行列)における該当要素の値を「1」から「0」に修正している。これにより、制御部11は、修正された前提情報129Bを得ることができる。グラフ1291Bは、グラフ1211と同様に、修正された前提情報129Bから導出される有向グラフである。グラフ1291Bでは、機構「B」及び機構「D」それぞれに対応するノード間のエッジが削除されたことで、機構「B」が機構「D」に対して関係性を有しないように修正されたことが示されている。
以上の処理により、制御部11は、修正された前提情報129(129A、129B)を得ることができる。ステップS109では、制御部11は、修正された前提情報129を適宜保存する。例えば、制御部11は、記憶部12において、修正された前提情報129を、前提情報121に上書き保存してもよいし、前提情報121とは別に保存してもよい。また、修正された前提情報129の保存先は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、制御部11は、修正された前提情報129を、記憶媒体91、外部記憶装置、他の情報処理装置等に保存してもよい。これにより、修正された前提情報129は、新たな前提情報121として利用される。修正された前提情報129の保存が完了すると、制御部11は、ステップS104に戻り、ステップS104から処理を繰り返す。
[特徴]
以上のとおり、本実施形態に係る解析装置1は、前提情報121により与えられる制約条件123により、ステップS103における各機構21間の因果関係の有無を判定する範囲を絞ることができる。これにより、ステップS103の処理にかかる計算コストを低減し、各機構21間の因果関係を比較的に高速に導出することができる。
また、与えられた制約条件123において想定されている生産ライン2の関係性が、因果関係125を特定する時点における生産ライン2の関係性から乖離している場合、この因果関係情報により示される因果関係125は正確ではない可能性がある。そこで、本実施形態に係る解析装置1は、ステップS105~ステップS109の処理により、出力された因果関係情報に対して修正を受け付けて、受け付けた修正内容に応じて、因果関係情報と共に前提情報121を修正する。この一連の修正処理が因果関係情報を生成する度に繰り返されることで、本実施形態に係る解析装置1は、現場の様々な状態を徐々に反映した前提情報121を得ることができる。そのため、本実施形態に係る解析装置1は、この前提情報121により与えられる制約条件123により、確度の高い因果関係情報を生成することができるようになる。したがって、本実施形態に係る解析装置1によれば、生産ライン2の実体を反映した各機構21間の因果関係をより正確に導出することができる。その結果、ユーザは、より早く的確に現場の状態を把握することができるようになる。
加えて、本実施形態に係る解析装置1は、上記ステップS104において、第1形態と第2形態との間で因果関係情報を切り替え可能に表示装置15に表示させる。そして、本実施形態に係る解析装置1は、上記ステップS106において、いずれかの形態で因果関係情報を表示している間に、特定された因果関係125に対する修正を受け付ける。これにより、上記ステップS106において、ステップS103の統計的な解析により特定された各機構21間の因果関係125が正確であるか否かを確認することができる。そして、当該因果関係125が正確ではない場合に、当該確認の結果に基づいて、因果関係情報を適切に修正することができる。したがって、本実施形態によれば、生産ライン2の実態を正確に反映した各機構21間の因果関係の情報を得ることができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
上記実施形態では、前提情報121は、各機構21間の関係性の有無を規定しており、制約条件123は、前提情報121により規定された各機構21間の関係性の有無に基づいて特定されている。しかしながら、前提情報121と制約条件123との対応関係は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、前提情報121は、制約条件123そのものを規定してもよい。つまり、前提情報121は、制約条件123を直接的に示してもよい。また、上記ステップS108における前提情報121を修正すること及び上記ステップS109における修正された前提情報129を保存することは、修正された因果関係127に適合するように制約条件123を修正し、修正された制約条件を示す情報を前提情報129として保存することを含んでもよい。制約条件123を修正する方法は、上記前提情報121を修正する方法と同様であってよい。また、前提情報121及び制約条件123はそれぞれ、因果関係125に対する修正を介さず、オペレータの指定等により直接的に修正されてもよい。
また、上記実施形態では、前提情報121により規定される関係性は、依存関係、つまり、因果関係の成立する方向性を含んでいる。これにより、前提情報121は、グラフ1211のような有向グラフにより表現可能に構成されている。しかしながら、前提情報121により規定される関係性は、このような例に限定されなくてもよい。前提情報121により規定される関係性は、因果関係の成立する方向性を含んでいなくてもよい。この場合、上記隣接行列では、互いに関係性を有する機構21の組に該当する2つの要素それぞれが「1」であってよい。また、前提情報121により示される各機構21間の関係性は、無向グラフにより表現されてよい。制約条件123についても同様である。
また、上記実施形態では、前提情報121により関係性を有すると規定される範囲から特定される因果関係の成立する範囲の相違に応じて制約条件123のレベル分けがされている。しかしながら、前提情報121から制約条件123を特定する方法は、このような例に限定されなくてもよい。制約条件123のレベル分けは省略されてもよい。
また、上記実施形態において、前提情報121は、イベント毎に与えられてもよい。この場合、記憶部12は、それぞれ所定のイベントに対応する複数件の前提情報121を記憶してもよい。上記ステップS102では、制御部11は、因果関係を特定するイベントの選択を受け付ける。イベントの選択を受け付ける方法は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、制御部11は、イベントのリストを表示装置15に表示させ、入力装置14を介してイベントの選択を受け付けてもよい。また、イベントは、所定の故障が発生したこと、生産品に所定の不良が発生したこと等の生産ライン2で生じ得るあらゆる種類の事象を含んでよい。これにより、イベントが選択されると、制御部11は、選択されたイベントに応じた前提情報121を取得する。そして、制御部11は、ステップS103以下の処理を実行することで、選択されたイベントに応じて取得された前提情報121を利用して、各機構21間の因果関係125を特定する。本変形例によれば、イベントに応じて、生産ライン2の実態を反映した各機構21間の因果関係をより正確に導出することができるようになる。
同様に、制約条件123は、イベント毎に与えられてもよい。この場合、上記ステップS201の前に、制御部11は、因果関係を特定するイベントの選択を受け付けてもよい。上記ステップS202では、制御部11は、例えば、上記第1レベル及び第2レベルから選択する等のように、選択されたイベントに応じて、前提情報121から制約条件123を特定する方法を決定してもよい。そして、制御部11は、決定した方法により、前提情報121から制約条件123を特定してもよい。制御部11は、ステップS203以下の処理を実行することで、選択されたイベントに応じて特定された制約条件123を利用して、各機構21間の因果関係125を特定することができる。本変形例によれば、イベントに応じて、生産ライン2の実態を反映した各機構21間の因果関係をより正確に導出することができるようになる。
また、上記実施形態において、前提情報121は、装置構成毎に与えられてもよい。この場合、記憶部12は、それぞれ所定の装置構成に対応する複数件の前提情報121を記憶してもよい。上記ステップS102では、制御部11は、因果関係を特定する装置構成の選択を受け付ける。装置構成の選択を受け付ける方法は、上記イベントの選択を受け付ける方法と同様に、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて決定されてよい。例えば、制御部11は、装置構成のリストを表示装置15に表示させ、入力装置14を介して装置構成の選択を受け付けてもよい。また、装置構成は、生産ライン2の一部分を指してもよいし、生産ライン2全体を指してもよい。生産ライン2の一部分は、プレス機、包装機等の1又は複数の装置により構成されてもよいし、装置の一部分により構成されてよい。装置構成の種別は、生産ライン2を構成する機構21のあらゆる組み合わせにより定義されてよい。これにより、装置構成が選択されると、制御部11は、選択された装置構成に応じた前提情報121を取得する。そして、制御部11は、ステップS103以下の処理を実行することで、選択された装置構成に応じて取得された前提情報121を利用して、各機構21間の因果関係125を特定する。本変形例によれば、装置構成に応じて、生産ライン2の実態を反映した各機構21間の因果関係をより正確に導出することができるようになる。
<4.2>
上記実施形態では、ステップS202において、各件の計測データ221から複数の特徴量を算出している。しかしながら、算出される特徴量の数は、このような例に限定されなくてもよく、任意であってよい。ステップS202では、制御部11は、取得された各件の計測データ221から特徴量を算出してもよい。この場合、ステップ203では、制御部11は、算出された各特徴量間の条件付き独立性を算出する。そして、ステップS204では、制御部11は、算出された各特徴量間の条件付き独立性に基づいて、各機構21間の因果関係の有無を判定する。
<4.3>
上記実施形態では、ステップS104において、制御部11は、因果関係情報を表示装置15に出力している。しかしながら、情報の出力先は、このような例に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、制御部11は、因果関係情報を、表示装置15とは別の表示装置に出力してもよいし、表示装置以外の出力先(例えば、メモリ、表示装置以外の出力装置)に出力してもよい。
また、上記実施形態では、因果関係情報は、隣接行列1250及び各グラフ(1251、1252)を含んでいる。また、各グラフ(1251、1252)は、有向グラフである。しかしながら、因果関係情報のデータ形式は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。特定された因果関係125は、例えば、文字、記号等のグラフ以外の形式で表現されてもよい。各グラフ(1251、1252)は、無向グラフであってもよい。
また、上記実施形態では、制御部11は、各形態の各グラフ(1251、1252)を切り替えて出力する。しかしながら、因果関係情報の表示形態は、このような例に限定されなくてもよい。表示形態の切り替えは省略されてもよい。この場合、第1形態及び第2形態のいずれの形態が因果関係情報の表示形態として採用されてもよく、他方の形態は省略されてもよい。
また、上記実施形態では、各グラフ(1251、1252)、各情報1261~1263、ヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)の各種情報は、共通の出力先(表示装置15)に出力されている。しかしながら、各種情報の少なくとも一部の出力先は、その他の出力先と異なっていてもよい。また、各情報1261~1263、ヒストグラム(1264、1265)及び時系列データ(1267、1268)の追加情報は、各グラフ(1251、1252)とは別に出力されてもよい。
また、上記実施形態では、第2グラフ1252を表示装置15に表示させている間に、追加情報を生成する特徴量の選択を受け付けている。しかしながら、特徴量の選択を受け付ける方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。制御部11は、第2グラフ1252の表示とは別に、特徴量の選択を受け付けてもよい。
<4.4>
上記実施形態では、ステップS106において、いずれかの形態で因果関係情報が表示装置15に表示されている間に、制御部11は、特定された因果関係125に対する修正を受け付けている。しかしながら、修正を受け付ける形態は、このような例に限定されなくてもよい。制御部11は、因果関係情報の表示とは別に、特定された因果関係125に対する修正を受け付けてもよい。また、制御部11は、グラフ操作以外の方法で、特定された因果関係125に対する修正を受け付けてもよい。
<4.5>
上記実施形態において、各件の計測データ221は、生産ライン2の動作が正常に行われた時に得られた正常時データ、及び生産ライン2の動作に異常が生じた時に得られた異常時データを含んでもよい。「異常が生じた」場面とは、例えば、所定の故障が発生した場面、生産品に所定の不良が発生した場面等である。この場合、ステップS104では、制御部11は、正常時データ及び異常時データそれぞれから算出された、各特徴量のヒストグラム及び時系列データの少なくとも一方を出力してもよい。
図13は、本変形例により表示装置15に表示される画面1256Gの一例を模式的に例示する。図13の例では、上記図10の例と同様に、特徴量「D_f1」及び特徴量「F_f2」(点線のノード)がそれぞれ選択された場面を想定している。特徴量「D_f1」及び特徴量「F_f2」のうちの一方の特徴量が「第1特徴量」の一例であり、他方の特徴量が「第2特徴量」の一例である。
本変形例では、ステップS104において、制御部11は、ステップS202の計算結果に基づいて、計測データ221に含まれる正常時データ及び異常時データそれぞれから、選択された各特徴量のヒストグラム(1264G、1265G)及び時系列データ(1267G、1268G)それぞれのグラフを生成する。そして、制御部11は、表示装置15に対して、生成されたヒストグラム(1264G、1265G)及び時系列データ(1267G、1268G)それぞれのグラフを第2グラフ1252の表示領域の近傍に表示させる。
これにより、本変形例によれば、各機構21間の因果関係125を、正常時データ及び異常時データそれぞれから得られたヒストグラム(1264G、1265G)及び時系列データ(1267G、1268G)に関連付けて出力することができる。そのため、ユーザは、正常時と異常時とを比較しながら、特定された因果関係125が正確であるか否かを的確に判断することができるようになる。
なお、画面1256Gは、このような例に限定されなくてもよい。ヒストグラム(1264G、1265G)及び時系列データ(1267G、1268G)のいずれか一方は省略されてもよい。また、図13の例では、制御部11は、表示装置15に対して、正常時データから生成されたグラフ(実線)と異常時データから生成されたグラフ(点線)とを重ねて表示させている。しかしながら、各グラフの表示形態は、このような例に限定されなくてもよい。更に、ヒストグラム(1264G、1265G)及び時系列データ(1267G、1268G)の配置領域は、図13の例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
1…解析装置、
11…制御部、12…記憶部、13…通信インタフェース、
14…入力装置、15…表示装置、16…ドライブ、
111…データ取得部、112…前提取得部、
113…解析部、114…出力部、
115…修正受付部、116…前提修正部、
117…前提保存部、
121…前提情報、1211…グラフ、
123(123A・123B)…制約条件、
1231A・1231B…グラフ、
125…因果関係、1250…隣接行列、
1251…第1グラフ、1252…第2グラフ、
1253~1256…画面、
1261~1263…情報、
1264・1265…ヒストグラム、
1266・1267…時系列データ、
127(127A・127B)…修正された因果関係、
129(129A・129B)…修正された前提情報、
2…生産ライン、21…機構、
221…計測データ、
81…解析プログラム、91…記憶媒体

Claims (9)

  1. 生産ラインを構成する複数の機構の状態に関する複数件の計測データを取得するデータ取得部と、
    取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定する解析部であって、前記複数件の計測データを統計的に解析することは、取得された前記複数件の計測データそれぞれから複数の特徴量を算出すること、前記複数件の計測データのうちの一の計測データから算出された前記各特徴量と他の計測データから算出された前記各特徴量との間の条件付き独立性を算出すること、及びそれぞれ算出された前記条件付き独立性に基づいて、前記各機構間の因果関係の有無を判定すること、を含む、解析部と、
    前記各機構を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第1形態、及びそれぞれの前記各特徴量を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第2形態を切り替えて、特定された前記因果関係を示す因果関係情報を表示装置に表示させる出力部と、
    前記因果関係情報が前記表示装置に表示されている間、特定された前記因果関係に対する修正を受け付ける修正受付部と、
    前記各機構間に因果関係が成立するか否かを規定する制約条件を与えるための前提情報を取得する前提取得部と、
    を備え、
    前記解析部は、前記前提情報により与えられる前記制約条件の下、取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定する、
    解析装置。
  2. 前記出力部は、前記因果関係情報を前記第2形態で前記表示装置に表示させている間、前記一の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第1特徴量の選択、及び前記他の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第2特徴量の選択をそれぞれ受け付け、選択された前記第1特徴量及び前記第2特徴量の間で算出された前記条件付き独立性を前記表示装置に更に表示させる、
    請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記出力部は、前記因果関係情報を前記第2形態で前記表示装置に表示させている間、前記一の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第1特徴量の選択、及び前記他の計測データから算出された前記複数の特徴量のうちから第2特徴量の選択をそれぞれ受け付け、選択された前記第1特徴量及び前記第2特徴量それぞれのヒストグラム及び時系列データの少なくとも一方を前記表示装置に更に表示させる、
    請求項1又は2に記載の解析装置。
  4. 前記各件の計測データは、前記生産ラインの動作が正常に行われた時に得られた正常時データ、及び前記生産ラインの動作に異常が生じた時に得られた異常時データを含み、
    前記出力部は、前記正常時データ及び前記異常時データそれぞれから算出された、前記第1特徴量及び前記第2特徴量それぞれのヒストグラム及び時系列データの少なくとも一方を前記表示装置に表示させる、
    請求項3に記載の解析装置。
  5. 前記出力部は、
    前記第1形態では、前記各機構をそれぞれ表現する複数の第1ノード、及び前記因果関係を有することを表現するエッジを含む第1グラフを生成し、生成した当該第1グラフを前記因果関係情報として前記表示装置に表示させ、
    前記第2形態では、それぞれの前記各特徴量をそれぞれ表現する複数の第2ノード、及び前記因果関係を有することを表現するエッジを含む第2グラフを生成し、生成した当該第2グラフを前記因果関係情報として前記表示装置に表示させる、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の解析装置。
  6. 修正された前記因果関係に適合する制約条件を与えるように前記前提情報を修正する前提修正部と、
    修正された前記前提情報を保存する前提保存部と、
    を更に備える、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の解析装置。
  7. 前記前提情報を修正することは、
    前記制約条件により因果関係は成立しないと規定されている機構間に因果関係があると修正された場合に、当該機構間に因果関係が成立すると規定する制約条件を与えるように前記前提情報を修正すること、及び
    前記制約条件により因果関係は成立すると規定されている機構間に因果関係がないと修正された場合に、当該機構間に因果関係が成立しないと規定する制約条件を与えるように前記前提情報を修正すること、
    を含む、
    請求項に記載の解析装置。
  8. コンピュータが、
    生産ラインを構成する複数の機構の状態に関する複数件の計測データを取得するステップと、
    取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定するステップであって、前記複数件の計測データを統計的に解析することは、取得された前記複数件の計測データそれぞれから複数の特徴量を算出すること、前記複数件の計測データのうちの一の計測データから算出された前記各特徴量と他の計測データから算出された前記各特徴量との間の条件付き独立性を算出すること、及びそれぞれ算出された前記条件付き独立性に基づいて、前記各機構間の因果関係の有無を判定すること、を含む、ステップと、
    前記各機構を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第1形態、及びそれぞれの前記特徴量を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第2形態を切り替えて、特定された前記因果関係を示す因果関係情報を表示装置に表示させるステップと、
    前記因果関係情報が前記表示装置に表示されている間、特定された前記因果関係に対する修正を受け付けるステップと、
    前記各機構間に因果関係が成立するか否かを規定する制約条件を与えるための前提情報を取得する前提取得ステップと、
    を実行
    前記複数の機構間の因果関係を特定するステップにおいて、前記複数の機構間の因果関係は、前記前提情報により与えられる前記制約条件の下、取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、特定される、
    解析方法。
  9. コンピュータに、
    生産ラインを構成する複数の機構の状態に関する複数件の計測データを取得するステップと、
    取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、前記複数の機構間の因果関係を特定するステップであって、前記複数件の計測データを統計的に解析することは、取得された前記複数件の計測データそれぞれから複数の特徴量を算出すること、前記複数件の計測データのうちの一の計測データから算出された前記各特徴量と他の計測データから算出された前記各特徴量との間の条件付き独立性を算出すること、及びそれぞれ算出された前記条件付き独立性に基づいて、前記各機構間の因果関係の有無を判定すること、を含む、ステップと、
    前記各機構を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第1形態、及びそれぞれの前記特徴量を項目として利用して、特定された前記因果関係を表現する第2形態を切り替えて、特定された前記因果関係を示す因果関係情報を表示装置に表示させるステップと、
    前記因果関係情報が前記表示装置に表示されている間、特定された前記因果関係に対する修正を受け付けるステップと、
    前記各機構間に因果関係が成立するか否かを規定する制約条件を与えるための前提情報を取得する前提取得ステップと、
    を実行させ、
    前記複数の機構間の因果関係を特定するステップにおいて、前記複数の機構間の因果関係は、前記前提情報により与えられる前記制約条件の下、取得された前記複数件の計測データを統計的に解析することで、特定される、
    解析プログラム。
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