JP2020042081A - 画像検査装置、画像形成装置、画像検査方法及びプログラム - Google Patents

画像検査装置、画像形成装置、画像検査方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像検査処理の生産性を低下させることなく、検査結果レポートの完成までに要する時間を短縮できるようにする。【解決手段】本発明の一側面の画像検査装置は、制御部が、画像検査部による画像検査の動作と検査結果レポート生成部による検査結果レポートの生成動作とを時間的に並行して実施する制御を行う。また。タイミング決定部が、画像検査の実施タイミングを遅らせることなく検査画像を記憶部から読み出すことが可能であるタイミング、及び、画像検査の実施タイミングを遅らせることなく生成済の検査結果レポートを記憶部に書き込むことが可能であるタイミングを決定し、決定された各タイミングにおいて、検査結果レポート生成部が検査結果レポートの生成又は記憶部への保存を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、画像検査装置、画像形成装置、画像検査方法及びプログラムに関する。
従来、画像形成装置で印刷された用紙を読み取り、読み取った用紙に形成された画像の検査を行い、画像検査の結果の情報を含む検査結果レポートを生成する画像検査装置がある。このような画像検査装置において、検査結果レポートの生成時には、検査結果レポート生成の基となる読み取り画像(以下、検査画像とも称する)及び検査結果を記憶装置から読み出す処理が行われる。そして、検査画像と検査結果とに基づいて検査結果レポートを生成する処理、及び、生成した検査結果レポートを記憶装置へ保存する処理が実行される。
検査結果レポート生成時に記憶装置から読み出される検査画像(読み取り画像)は、すなわち、画像検査後に記憶装置に保存された検査画像である。つまり、一つの記憶装置に対して、画像検査が行われた読み取り画像である検査画像の書き込み処理、及び、検査結果レポートの生成時における検査画像の読み出し処理の両方が行われる。したがって、画像検査の処理と検査結果レポートの生成処理とを並行して実施する場合には、記憶装置に対する読み書き処理において待ち時間が発生してしまい、その結果、画像検査及び検査結果レポート処理における各処理のパフォーマンス(生産性)が落ちてしまう。
例えば、特許文献1には、検査結果レポートの生成処理を、すべての画像検査処理の終了後、画像形成部の画像形成条件を調整する安定化制御の実施中、又は、次の画像検査開始までの空き時間に実施する技術が開示されている。
特開2017−40702号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、すべての画像検査処理の終了後や、画像形成処理が行なわれない空き時間に検査結果レポートの生成処理が行なわれるため、検査結果レポートの完成までに要する時間が長くなってしまう。つまり、画像検査処理の実施後、暫く時間が経過してからでないと、ユーザーは検査結果レポートを確認することができない。したがって、ユーザーが検査結果レポートをより早い段階で閲覧できるようにするには、例えば、画像形成装置による画像形成処理を一旦停止させる等の措置を行なう必要がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、画像検査処理の生産性を低下させることなく、検査結果レポートの完成までに要する時間を短縮できるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明の一側面を反映した画像検査装置は、例えば、読取部、画像検査部、検査結果レポート生成部、記憶部、制御部及びタイミング決定部を備える。読取部は、記録材に形成された画像を読み取って読み取り画像を生成する。画像検査部は、読取部で生成された読み取り画像と、記録材に形成された画像の原画像である参照画像とに基づいて、記録材に形成された画像が正常に形成されたか否かを判定する画像検査を行う。検査結果レポート生成部は、画像検査部による画像検査の検査結果と、画像検査部で画像検査が行われた読み取り画像である検査画像とに基づいて検査結果レポートを生成する。記憶部には、参照画像、検査画像及び検査結果レポートが保存される。制御部は、画像検査部による画像検査の動作と検査結果レポート生成部による検査結果レポートの生成動作とを時間的に並行して実施する制御を行う。タイミング決定部は、画像検査部による画像検査の実施タイミングを遅らせることなく検査結果レポートの生成の元となる検査画像を記憶部から読み出すことが可能であるタイミング、及び、画像検査部による画像検査の実施タイミングを遅らせることなく生成済の検査結果レポートを記憶部に書き込むことが可能であるタイミングを決定する。検査結果レポート生成部は、タイミング決定部で決定された各タイミングに基づいて、検査結果レポートの生成又は記憶部への保存を実行する。
本発明によれば、画像検査処理の生産性を低下させることなく、検査結果レポートの完成までに要する時間を短縮することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
従来の技術で画像検査処理と検査結果レポートの生成処理とを並行して実施する場合における、画像検査処理及び検査結果レポート生成処理の例を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像検査処理時における画像検査の実施タイミングと、記憶装置へのアクセスのタイミングとを示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像検査処理時における画像検査の実施タイミングと、検査結果レポート生成処理において発生する記憶装置へのアクセスのタイミングとを示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の要部の内部構成例を示す制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機能部分の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の機能部分を構成する各部の動作例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置による画像検査手法の実施例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像検査処理において特定のジョブの実行が途中で中止された場合における、画像検査の実行中のジョブと検査結果レポートの生成が行われているジョブとの対応を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る特定のジョブを実行中の時点での未生成の検査結果レポートリストの例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る特定のジョブの実行が途中で中止された場合における検査結果レポートリストの例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る実行中のジョブ及び検査結果レポートの生成待ちジョブが無い状態で、新規にジョブの実行を行った場合における検査結果レポート生成処理の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電源オフ時検査結果レポート設定の設定画面の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電源オフ状態遷移時における検査結果レポート生成処理の中断処理の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電源オン時に未生成の検査結果レポートが存在する場合におけるジョブ再開処理の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る未生成の検査結果レポートジョブ一覧の表示例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る未生成の検査結果レポートジョブ一覧に対応する検査結果レポートリストの例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る一覧中の特定のジョブが選択された場合における未生成の検査結果レポートジョブ一覧の表示例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る一覧中の特定のジョブが選択された場合における検査結果レポート生成部による処理の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像検査ジョブの1ジョブあたりの検査結果レポートの生成時間の算出例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置により行われる印刷画像データの入力から画像検査結果の記憶部への保存までの一連の処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る検査結果レポート生成部による検査結果レポート生成処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る検査結果レポート生成部による検査結果レポート生成処理における、レポート生成処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る検査結果レポートの生成間隔に基づく検査結果レポートの生成処理の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る検査結果レポートの生成間隔に基づく検査結果レポートの生成処理の例を示す説明図である。 記憶部の未使用時間の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る、検査画像のサイズが検査結果レポートページサイズよりも小さい場合における検査結果レポートの生成間隔の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る、検査画像のサイズが検査結果レポートページサイズよりも大きい場合における検査結果レポートの生成間隔の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る検査結果レポート生成処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素は、同一の符号を付し、構成要素の重複説明は省略する。
まず、各種実施形態の構成例を説明する前に、本発明で解決する上記課題について、より詳細に説明する。具体的には、特許文献1に記載の技術等の従来の技術を用いて画像検査処理と検査結果レポート生成処理とを並列に実施する場合を例に挙げる。図1は、従来の技術で画像検査処理と検査結果レポートの生成処理とを並行して実施する場合において発生する、記憶装置への読み書き処理の実施タイミングの例を示すタイムチャートである。図1に示す画像検査処理及び検査結果レポート生成処理の並列処理は、例えば、複数コアを搭載したCPU(Central Processing Unit)により実施可能である。
図1には4段のタイムチャートを示し、最上段のタイムチャートには、画像形成装置から出力された用紙(記録材の一例)上に形成された画像を画像検査装置が読み取る場合における、1枚目から9枚目の各画像の読み取り処理の実施タイミング及び実行時間を示す。各処理の実施タイミングは、直線で示されるタイムライン上に配置された各四角形の、タイムライン上の配置位置により示され、実行時間は、各四角形の時間方向における長さにより示される。
2段目以降に示すタイムチャートにおける“1”〜“9”の各数値は、画像検査装置で読み取られた読み取り画像の1枚目から9枚目の各ページ番号に対応する。
上から2段目のタイムチャートには、参照画像の記憶装置からの読み出し処理の実施タイミング及び実行時間と、画像検査が行なわれた読み取り画像である検査画像の記憶装置への保存(書き込み)タイミング及び実行時間とを示す。参照画像とは、読み取り画像を検査する際に読み取り画像と比較される原画像である。2段目のタイムチャートにおいて、参照画像の記憶装置からの読み出し処理は符号“Rf”により示され、画像検査が行なわれた検査画像の記憶装置への保存処理は符号“Wr”により示される。
上から3段目のタイムチャートには、検査結果レポートの生成時における検査画像の記憶装置からの読み出し処理の実施タイミング及び実行時間と、検査結果レポートの記憶装置への保存処理の実施タイミング及び実行時間とを示す。3段目のタイムチャートにおいて、検査結果レポートの生成時における検査画像の記憶装置からの読み出し処理は符号“Rr”により示され、検査結果レポートの記憶装置への保存処理は符号“Wp”により示される。
最下段のタイムチャートには、画像検査処理の実施タイミング及び実行時間と、検査結果レポートの生成処理の実施タイミング及び実行時間を示す。最下段のタイムチャートにおいて、検査結果レポートの生成処理は符号“C”により示される。
図中に破線で示す矢印は、矢印の終点に示される処理(より詳細には、記憶装置へアクセスを要する処理)を実施するためには、矢印始点に処理が完了している必要がある、という内容(条件)を示すためのものである。以下、各処理において発生する記憶装置への読み書き処理について、画像検査処理、検査結果レポート生成処理の順に説明する。
なお、図1に示す例では、画像検査時に記憶装置から読み出した参照画像を保持する参照画像読み出し用メモリとして、2つの記録面を有する(2面の)メモリが使用されるものとする。また、画像検査装置が読み取った(スキャンした)読み取り画像が取り込まれる読み取り画像取り込み用メモリとして、2つの記録面を有する(2面の)メモリが使用されるものとする。さらに、検査結果レポートの生成時に記憶装置から読み出した検査画像を保持する検査画像読み出し用メモリには、1つの記録面のみを有する(1面の)メモリが使用されるものとする。
画像検査処理においては、記憶装置に対して、以下の4つの読み書き処理が実行される。
(1)読み取り画像と比較する参照画像を、記憶装置から読み出す処理(Rf1〜Rf9の処理)。
(2)画像検査が行われた読み取り画像である検査画像を記憶装置に保存する処理(Wr1〜Wr8の処理)。
(3)検査結果レポートの生成に使用するための検査画像を記憶装置から読み出す処理(Rr1〜Rr5の処理)。
(4)生成された検査結果レポートページを記憶装置に保存する処理(Wp1〜Wp4の処理)。
(1)の処理では、画像検査の実施に先立って、2面の参照画像読み出し用メモリに記憶することが可能な2枚目の参照画像を記憶装置から読み出し、それぞれを参照画像読み出し用メモリに書き込むことが行なわれる(Rf1、Rf2の処理)。
そして、参照画像読み出し用メモリに読み出された参照画像と、読み取り画像取り込み用メモリに取り込まれた読み取り画像とを比較することにより、1枚目の画像の画像検査が行われる。
1枚目の画像検査が終了すると、2面の参照画像読み出し用メモリに保持された2枚の参照画像のうち、画像検査が終了した1枚目の参照画像が開放される。その後、次の3枚目の参照画像が記憶装置から読み出されて参照画像読み出し用メモリに書き込まれる(Rf3の処理)。以降の処理においても同様に、画像検査が完了したタイミングで、画像検査に用いられた参照画像は参照画像読み出し用メモリから開放される。その後、次の画像検査で用いられる新たな参照画像が記憶装置から読み出されて、参照画像読み出し用メモリに書き込まれる。
(2)の処理では、読み取り画像取り込み用メモリに保持されている検査画像が、記憶装置に保存される。この、検査画像を記憶装置に保存する処理は、画像検査装置での画像読み取り処理が完了した時点から開始される。記憶装置への検査画像の保存が終了した後には、読み取り画像取り込み用メモリが開放される。
(3)の処理では、検査結果レポートの生成にあたり、検査結果レポート生成の対象となる検査画像が、記憶装置から検査画像読み出し用メモリに読み出される。その後、読み出した検査画像に検査異常個所等の情報が付加されることにより、検査結果レポートページが生成される。
(4)の処理では、生成された検査結果レポートページが記憶装置に保存される。そして、検査結果レポートページが記憶装置に保存された時点で、検査画像読み出し用メモリに保持された検査画像は、検査画像読み出し用メモリから解放される。そして、開放されたメモリには、記憶装置から読み出された次の検査画像が書き込まれる。以降の処理においても同様に、検査結果レポートページが記憶装置に保存されたタイミングで検査画像読み出し用メモリが開放され、開放されたメモリに、次の検査画像が読み出される。
上記(1)〜(4)のいずれの処理においても、記憶装置への読み書きが行なわれるため、例えば、記憶装置が一つである場合には、これらの4つの処理は並行して実施することができない。したがって、図1に示す例においては、記憶装置への読み書きは、読み書きを要する処理の発生順に順次一つずつ実施される。
図1に示す例で、画像検査処理と検査結果レポート生成処理とが並列で実施される場合、読み書きを要する処理の発生順に記憶装置への読み書きを実施すると、それぞれの処理において、記憶装置への読み込み待ち、書き込み待ちが必ず発生する。そして、記憶装置への読み込み待ち、書き込み待ちが発生したことにより、参照画像の記憶装置からの読み出し処理(上記(1)の処理)が遅れた場合には、画像検査の実施タイミングも遅れてしまう。
例えば、最下段(4段目)のタイムチャートに破線の枠で示す「7枚目の画像検査」の処理は、画像検査に用いる参照画像の記憶装置からの読み出し(Rf7の処理)が終わってからでないと、実施することができない。図1に示す例では、7枚目の画像検査を実施したいタイミングで、7枚目の画像検査に用いる参照画像の読み出しが完了していないため、このタイミングでは画像検査を実施することができない。これにより、7枚目の画像検査の実施タイミングは、7枚目の画像検査に用いる参照画像の読み出し処理Rf7の完了時点まで遅延される。そして、7枚目の画像検査の実施タイミングの遅延により、8枚目以降の画像検査の実施タイミングも遅延してしまう。
また、例えば、画像読み取り後の用紙を排紙装置の異常紙排紙トレイに排紙するか否かを判定するタイミングが到来するまでの間に、画像検査が完了しなかった場合を想定する。この場合、その後で実施された画像検査によって画像に異常が検出されたとしても、その画像が印刷された用紙を、異常紙排紙トレイに排出することができなくなる。
また、例えば、検査画像を記憶装置に保存する処理(上記(2)の処理)の実施タイミングが遅延した場合には、該処理が実施されるまでの間、その次の画像の読み取りが行えないため、その間は画像形成装置による画像形成処理を停止させなければならなくなる。
[画像検査装置による画像検査方法の概要]
次に、上述した課題を解決するための本発明に係る画像検査方法の概要について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、画像検査処理時における画像検査の実施タイミングと、記憶装置へのアクセスのタイミングとを示すタイムチャートである。図3は、画像検査処理時における画像検査の実施タイミングと、検査結果レポート生成処理において発生する記憶装置へのアクセスのタイミングとを示すタイムチャートである。
図2及び図3においても、図1と同様に、検査画像を記憶装置に保存する処理は符号“Wr”により示し、検査画像を記憶装置から読み出す処理は符号“Rr”により示す。また、図3において、検査結果レポートページを記憶装置に保存する処理は符号“Wp”により示す。
本発明の画像検査装置では、図2に示すように、参照画像の記憶装置からの読み出し処理(Rf1〜Rf3の処理)、画像の読み取り、画像検査、及び、検査画像の記憶装置への保存処理(Wr1〜Wr3の処理)の各処理(画像検査処理)を、搬送間隔内で実行する。搬送間隔は、用紙が画像検査装置の読み取り位置に到達してから次の用紙が同位置に到達するまでの間の時間間隔である。
検査結果レポート生成処理は、画像検査処理の実行中に開始する。検査結果レポートの生成処理では、図3に示すように、検査画像の記憶装置からの読み出し処理(Rr1〜Rr7の処理)、検査結果レポートを生成する処理、及び、検査結果レポートを記憶装置に保存する処理(Wp1〜Wp7の処理)が行われる。
本発明では、検査画像の記憶装置からの読み出し処理(Rr1〜Rr7の処理)、及び、検査結果レポートを記憶装置に保存する処理(Wp1〜Wp7の処理)を、記憶装置の未使用時間に実施する。記憶装置の未使用時間とは、搬送間隔における、検査画像を記憶装置に保存する時間、及び、参照画像を記憶装置から読み出す時間以外の時間である。
このような制御を行うことにより、画像検査処理において実施される各処理の実施タイミングを遅らせることなく、画像検査処理と検査結果レポート生成処理とを並行して実施することができる。その結果、検査結果レポートの完成までに要する時間を短縮することができる。
しかしながら、検査画像の記憶装置からの読み出し処理と、検査結果レポートを記憶装置に保存する処理とを、単純に記憶装置の未使用時間に実施するのみでは、画像検査処理又は画像の読み取りの実施タイミングが遅延してしまう事態の発生を防ぎきれない。
例えば、搬送間隔内における記憶装置の未使用時間は、画像検査処理を行う対象となる用紙のサイズにより変化する。用紙サイズによって、用紙の搬送間隔や、読み取り画像のサイズ、参照画像のサイズが変化するためである。読み取り画像のサイズが大きくなるほど、画像データの容量も増え、その分、記憶装置に対するアクセス時間も長くなる。そして、記憶装置に対するアクセス時間が長くなった場合には、記憶装置の未使用時間も短くなるため、検査結果レポート生成処理を実施できる機会も減ってしまう。
また、例えば、検査結果レポートの生成用に用いる検査画像の読み出し時、検査結果レポートの記憶装置への保存時に、記憶装置がアイドル状態であったとする。しかしながら、このアイドル状態の記憶装置に対して、検査画像の読み出し処理や検査結果レポートページの保存処理を実施している最中に、参照画像の読み出し実施タイミングが来てしまうことも想定される。このような場合、ある検査画像を記憶装置に保存する処理、又は、参照画像の読み出し処理に遅延が生じてしまう。
そこで、本発明では、記憶装置の未使用時間における、記憶装置からの参照画像の読み出し処理の実施タイミングの遅延を招かないタイミングにおいて、検査結果レポート生成用の検査画像の記憶装置からの読み出し処理、又は、生成済みの検査結果レポートページの記憶装置への保存処理を実施する。
[画像形成装置の全体構成]
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成例について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す概略構成図である。なお、図4には、本発明の説明に必要と考える要素又はその関連要素を記載しており、本発明の画像形成システムは図4に示す例に限定されない。
図4に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置1は、本体部10と、大容量給紙部20、読取部30及び排紙部40を備える。そして、画像形成装置1は、LAN等のネットワークNを介して情報端末50に接続される。
本体部10は、スキャナー部200、ADF部(ADF:Auto Document Feeder)300、操作表示部400及びプリンター部500を備える。
スキャナー部200は、ADF300の原稿台(図示略)上の原稿から画像を光学的に読み取り、読み取った画像をA/D変換して画像データ(スキャンデータ)を生成する。
操作表示部400は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、操作キー群及びタッチパネルを備える。操作表示部400は、操作キー群又はタッチパネルを介して入力されたユーザーの操作の内容を表す操作信号を生成し、該操作信号を後述の制御部100(図5参照)に供給する。また、操作表示部400は、制御部100から供給される表示信号に基づいて、表示部に、ユーザーによる操作内容や設定情報等を表示する。
プリンター部500は、外部から入力された画像データ、又は、スキャナー部200が読み取って得た画像データに基づいて、大容量給紙部20から給紙される用紙に画像を形成する。つまり、画像形成装置1は、スキャナー機能、コピー機能、プリンター機能を備えた、いわゆるディジタル複合機である。
大容量給紙部20は、給紙機構を有する複数の給紙トレイを有し、これらの給紙トレイには、それぞれ、普通紙、裏紙、再生紙、上質紙、タブ紙等の、種類及びサイズが異なる用紙が収容される。なお、複数の異なる給紙トレイに、同一種類又はサイズの用紙が収容されてもよい。各給紙トレイから給紙された用紙は、図示しない搬送路を経由して本体部10に搬送される。
読取部30は、本体部10から搬送された印刷用紙を読み取り、読み取って得た読み取り画像を、後述の画像制御CPU101に送信する。
排紙部40は、用紙を排紙するトレイを有し、該トレイには、読取部30を経て搬送された用紙が排紙される。また、排紙部40は、後述の画像制御CPU101により印刷用紙に異常が検出された場合に、異常が検出された用紙を、正常な用紙とは異なる異常紙として、異常紙排出用のトレイ(図示略)から排紙させる制御を行う。
[画像形成装置の要部の内部構成]
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の要部の内部構成例について説明する。図5は、画像形成装置1の要部の内部構成例を示す制御ブロック図である。
本体部10は、制御部100、スキャナー部200、ADF部300、操作表示部400、プリンター部500及びコントローラー部600を備える。
制御部100は、画像制御CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、読込処理部105、書込処理部106、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC107、圧縮IC108、伸長IC109、及び画像メモリ110を備える。そして、制御部100には、記憶部104が接続される。
画像制御CPU101は、ROM102に記憶されているシステムプログラムや画像形成処理プログラム、排紙処理プログラム等の各種処理プログラムを読出してRAM103に展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置1の各部の動作を集中制御する。
例えば、画像制御CPU101は、制御部100に接続されたスキャナー部200又はコントローラー部600から入力された画像情報と、制御部100に接続された操作表示部400を介して入力された設定情報とに基づいて、ジョブを生成する。そして、このジョブを実行することによって、用紙に画像を形成する。ここで、ジョブとは、画像形成に関する一連の動作を指し、例えば、所定枚数の原稿からなる複写物を生成する場合には、所定枚数の原稿の画像形成に関する一連の動作が1ジョブである。
また、画像制御CPU101は、読取部30から送信される読み取り画像を、記憶部から読み出した参照画像と比較することにより、読み取り画像に異常が含まれているか否かを検査する。つまり、本実施形態における画像制御CPU101は、画像検査装置としての機能も有する。なお、本実施形態では、画像形成装置1の本体部10内の画像制御CPU101が画像検査を行う例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成機能は持たずに、読取部から送信される読み取り画像の検査のみを行う画像検査装置に適用してもよい。
ROM102は、半導体メモリ等の不揮発性メモリ等により構成され、画像形成装置1に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な画像形成処理プログラム、排紙処理プログラム等の各種処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、画像制御CPU101は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
RAM103は、画像制御CPU101により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、ジョブキュー、各種動作設定等を記憶する。
記憶部104は、不揮発性メモリ等により構成され、画像形成装置1に係る各種の設定データ等を記憶する。また、記憶部104は、ジョブの実行に関する画像情報を記憶する。
読込処理部105は、スキャナー部200から入力されたアナログ画像信号に、アナログ信号処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施し、ディジタル画像データを生成し、圧縮IC108に出力する。
書込処理部106は、伸長IC109から入力される画像データに基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、プリンター部500へ出力する。
DRAM制御IC107は、画像制御CPU101からの制御に基づいて、圧縮IC108による画像データの圧縮処理、及び伸長IC109による圧縮データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ110における画像データの入出力制御を行う。例えば、スキャナー部200により読取られた画像データの保存が指示されると、DRAM制御IC107は、読込処理部105から入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC108に実行させて、圧縮画像データを画像メモリ110の圧縮メモリ111に記憶させる。
また、圧縮メモリ111に記憶された圧縮画像データの画像形成が指示されると、DRAM制御IC107は、圧縮メモリ111から圧縮画像データを読出し、伸長IC109で伸長処理を実行させてページメモリ112に記憶させる。さらに、DRAM制御IC107は、ページメモリ112に記憶された画像データを読出して書込処理部106に出力する。
圧縮IC108は、DRAM制御IC107の制御により、入力された画像データに圧縮処理を施す。伸長IC109は、DRAM制御IC107の制御により、入力される圧縮画像データに伸長処理を施す。
画像メモリ110は、例えば、揮発性メモリであるDRAMで構成され、圧縮メモリ111、ページメモリ112を有する。圧縮メモリ111は、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ112は画像形成前に画像形成に係る被圧縮画像データを一時的に格納するためのメモリである。
スキャナー部200は、CCD201等のイメージセンサー及びスキャナー制御部202を備える。スキャナー制御部202は、画像制御CPU101からの制御信号に基づいて、スキャナー部200の各部を駆動制御する。具体的には、コンタクトガラスに載置された原稿面の露光走査を実行させ、反射光をCCD201において結像させて画像を読取る。そして、この結像された光信号を光電変換してアナログ画像信号を生成させ、読込処理部105へ出力する。
操作表示部400は、LCD401、操作表示制御部402、その他図示しない操作キー群及びタッチパネルを備える。LCD401は、操作表示制御部402からの表示制御信号に従って、画面上に各種設定画面や画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。また、LCD401の画面上には、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルが構成されており、手指やタッチペン等で操作された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として操作表示制御部402に出力する。なお、タッチパネルの検出方式は抵抗膜圧式に限定されず、静電容量式等の他の方式が用いられてもよい。
操作表示制御部402は、画像制御CPU101からの制御信号に基づいて、LCD401における表示制御を行う。例えば、画像形成処理に用いる用紙についての各種設定画面や、各種処理結果等をLCD401に表示させる。また、操作表示制御部402は、LCD401上のタッチパネル又は操作キー群から入力された操作信号を画像制御CPU101に出力する。
ユーザーは、操作表示部400のLCD401により、画像形成処理のプリント条件を入力するための基本画面や、画像形成装置1に予約されたジョブの一覧表などの閲覧が可能である。そして、ユーザーは、LCD401上のタッチパネル等を操作することにより、画像形成処理にかかる各種の設定を、所望の設定に変更することができる。
プリンター部500は、LD部(Laser Diode)501及びプリンター制御部502を備え、書込処理部106から入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
LD部501は、LD、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、クリーニング部、定着部等(いずれも図示略)を備える。また、LD部501は、LD部501内の搬送経路に従って用紙を搬送するための給紙ローラー、レジストローラー、排紙ローラー等の各種ローラー、搬送路切替板、及び反転部等(いずれも図示略)を備える。LD部501の搬送部は、プリンター制御部502からの制御に基づいて、当該ジョブで指定された用紙を給紙トレイから給紙して、給紙された用紙を搬送経路上に搬送する。
また、LD部501の搬送経路上には、複数のセンサーが設けられている。これらのセンサーは、用紙が通過する際に検出信号を発生し、これをプリンター制御部502に出力する。
プリンター制御部502は、画像制御CPU101からの制御信号を受信して、LD部501の各部の動作を制御する。また、プリンター制御部502は、搬送経路上に設けられたセンサーからの検出信号に基づいて、ジョブ毎に給紙した用紙の枚数をカウントし、画像制御CPU101に出力する。
プリンター部500では、プリンター制御部502からの指示に基づいて、感光体ドラム表面を帯電部により帯電させ、書込処理部106から入力されたPWM信号に基づいてLDにより感光体ドラム表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成する。そして、現像部において感光体ドラム表面の静電潜像を含む領域にトナーを付着させ、転写部により用紙にトナーを転写して画像を形成する。そして、転写された画像を定着部で定着させた後、画像形成済みの用紙を排紙ローラーにより読取部30へ搬送する。
コントローラー部600は、コントローラー制御部601、DRAM制御IC602、画像メモリ603、通信制御部604、NIC(Network Interface Card)605等を備える。
コントローラー制御部601は、各部の動作を統括的に制御し、通信制御部604及びNIC605を介して、外部の情報端末50から入力されるデータをジョブとして、制御部100に配信する。
DRAM制御IC602は、NIC605及び通信制御部604により受信されたデータの画像メモリ603への格納や、画像メモリ603からのデータの読出しを制御する。また、DRAM制御IC602は、制御部100のDRAM制御IC107とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラー制御部601からの指示に従って、画像形成対象のデータを画像メモリ603から読出してDRAM制御IC107に出力する。
画像メモリ603は、DRAMから構成され、入力されたデータを一時的に格納する。
通信制御部604は、NIC605の通信を制御する。NIC605は、ネットワークNに接続するための通信インタフェースであり、情報端末50からネットワークNを介して画像情報、ジョブ等を受信し、DRAM制御IC602に出力する。
読取部30は、CCD31等のイメージセンサー及びスキャナー制御部32を備える。スキャナー制御部32は、プリンター制御部502を介して受信する画像制御CPU101からの制御信号に基づいて、読取部30の各部を駆動制御する。具体的には、本体部10から搬送された用紙の表面及び裏面に対する走査を行って、用紙からの反射光をCCD31において結像させて用紙に形成された画像を読取る。そして、スキャナー制御部32は、CCD31から出力される光信号に基づいて、画像データを生成し、画像制御CPU101に画像データを送信する。
排紙部40は、排紙制御部41を備え、排紙制御部41は、読取部30による検査済みの用紙を排紙トレイに排紙する処理を行う。
[画像形成装置の機能部分の内部構成]
次に、図6を参照して、画像形成装置1の機能部分に着目して内部構成を説明する。図6は、画像形成装置1の機能部分の構成例を示す機能ブロック図である。
画像形成装置1は、画像入力部121、制御部100、画像形成部123、画像読取部124、画像検査部125、記憶部104、検査結果レポート生成部127及びタイミング決定部128を備える。
画像入力部121は、図5に示したコントローラー部600から入力された画像を受け取るとともに、受け取った画像を制御部100に受け渡す。また、画像入力部121は、コントローラー部600より、印刷モードの指示や画像検査の(実施の)指示等を受信する。印刷モードには、例えば、参照画像を生成するためのプルーフモードや、画像検査を行う検査モード等がある。
制御部100は、図6に示す各機能部の動作を制御する。具体的には、制御部100は、画像入力部121への画像入力指示、画像形成部123への画像形成指示、画像読み取り部124への画像読み取り指示、画像検査部125への画像検査指示、記憶部104への各種画像や検査結果の保存指示、検査結果レポート生成部127への検査結果レポート生成指示等を行う。
また、制御部100は、圧縮IC108、圧縮メモリ111、伸長IC109、ページメモリ112及びレポート生成用メモリ113を備える。圧縮IC108、圧縮メモリ111及び伸長IC109については図5を参照して説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
ページメモリ112は、第1ページメモリ112a、第2ページメモリ112b及び第3ページメモリ112cを有する。第1ページメモリ112aには、画像形成部123で画像形成が行われる被圧縮画像データが一時的に格納される。第2ページメモリ112bには、画像読取部124で読み取られた読み取り画像が格納される。第3ページメモリ112cには、画像検査部125で行われる画像検査時に参照される参照画像が格納される。レポート生成用メモリ113には、画像検査部125で画像検査が行われた読み取り画像である検査画像と、画像検査部125で行われた画像検査の検査結果とが格納される。
画像形成部123は、制御部100からの画像形成指示に基づいて、用紙に画像を形成する。画像読取部124は、画像形成部123により画像が印刷された用紙を読み取り、読み取って得た読み取り画像を出力する。この読み取り画像は、例えば、記憶部104に記憶される。
画像検査部125は、制御部100からの画像検査指示に基づいて、画像読取部124で読み取られた読み取り画像と、記憶部104から読み出した参照画像とを比較することにより、読み取り画像の検査を行う。
記憶部104は、画像読取部124により読み取られた読み取り画像、読み取り画像との比較に用いられる参照画像、画像検査部125によって行われた画像検査の検査結果、検査結果レポート生成部127で生成された検査結果レポートページ等を記憶する。
検査結果レポート生成部127は、記憶部104に記憶された読み取り画像と、記憶部104に記憶された検査結果とに基づいて、検査結果レポートを生成する。
タイミング決定部128は、画像検査部125による画像検査の実施タイミングを遅らせることなく記憶部104から検査画像を読み出すことが可能であるタイミング、及び、記憶部104へ生成した検査結果レポートを書き込むタイミングを決定する。
ジョブ一覧表示処理部129は、検査結果レポートの生成が完了していない未完了ジョブの一覧を生成して、生成した未完成ジョブ一覧を、操作表示部400又は外部の情報端末50(図5参照)の画面に表示させる。
レポート生成指示部130は、ユーザーによって、未完成ジョブ一覧の中からレポートとして即時閲覧したいジョブとして特定のジョブが選択された場合に、該ジョブに基づく検査結果レポートの生成を、制御部100に指示する。ジョブ一覧表示処理部129及びレポート生成指示部130については、後述の図9〜図19を参照して詳述する。
なお、画像入力部121の機能は、例えば、図5に示す制御部100に設けられたDRAM制御IC107により実現される。また、制御部100、画像検査部125、検査結果レポート生成部127及びタイミング決定部128の機能は、例えば、図5に示す制御部100に設けられた画像制御CPU101により実現される。また、画像形成部123の機能は、例えば、図5に示すプリンター部500により実現される。また、画像読取部124の機能は、例えば、図5に示す読取部30により実現される。また、記憶部104の機能は、図5に示す記憶部104により実現される。
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1による画像検査手法について説明する。第1の実施形態では、検査結果レポート生成部127は、画像検査部125による画像検査の実施タイミング、及び、画像読み取り部124による画像読み取りの実施しタイミングを遅らせることなく、検査画像の記憶部104からの読み出しを行える場合にのみ、検査結果レポートページの生成を実施する。また、検査結果レポート生成部127は、画像検査部125による画像検査の実施タイミング、及び、画像読み取り部124による画像読み取りの実施タイミングを遅らせることなく、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実施できる場合にのみ、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実施する。
画像検査部125による画像検査の実施タイミングは、画像検査の開始時点までに、画像検査に用いる参照画像を記憶部104から第3ページメモリ112cに読み出せなかった場合に、遅延してしまう。また、第2ページメモリ112bに格納されている読み取り画像を、次の次の画像読み取りの開始時点までに記憶部104に保存できなかった場合に(読み取り画像取り込み用メモリが2面の場合)、画像検査部125による画像検査の画像読み取り部124による画像読み取りの実施タイミングは遅延してしまう。
したがって、本実施形態では、タイミング決定部128が、参照画像読み出しリミット、及び、検査画像保存リミットを算出する。参照画像読み出しリミットは、画像検査部125による画像検査の開始タイミングを遅らせることなく、記憶部104から第3ページメモリ112cに参照画像を読み出すことが可能なタイミングの限界点である。検査画像保存リミットは、画像読取部124での画像読み取り処理の実施タイミングを遅らせることなく、第2ページメモリに保持された検査画像(画像検査が行われた読み取り画像)を記憶部104に保存することが可能なタイミングの限界点である。
そして、参照画像読み出しリミットが到来するまでの間に、記憶部104からの参照画像の読み出し、及び、検査画像の記憶部104への保存を実施可能であると判定した場合に、検査結果レポート生成部127は、記憶部104からの検査画像の読み出しを実施する。また、検査結果レポート生成部127は、検査画像保存リミットが到来するまでの間に、記憶部104からの参照画像の読み出し、及び、検査画像の記憶部104への保存を実施可能であると判定した場合に、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実施する。
[画像形成装置の機能部分を構成する各部の動作例]
次に、図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1の機能部分を構成する各部の動作例について説明する。図7は、画像形成装置1の機能部分を構成する各部の動作例を示す機能ブロック図である。なお、図7に示す各機能ブロックは、図6に示した各機能ブロックと同一である。以下、図6及び図7に示す各機能ブロックが他の機能ブロックとどのように連携して処理を行うかについて、図7中に付した(1)〜(20)の処理に即して説明する。
(1)まず、制御部100は、画像形成装置1の電源オン時、画像形成ジョブの終了時、検査結果レポート生成部127による検査結果レポートページの生成完了時に、未完了の検査結果レポート生成待ちジョブがあるか否かを確認する。未完了の検査結果レポート生成待ちジョブがある場合には、制御部100は、検査結果レポート生成部127に、検査結果レポートページの生成を指示する。
(2)検査結果レポート生成部127は、タイミング決定部128に、検査画像の読み出し時間、及び、検査結果レポートページ保存時間の算出を指示する。検査画像の読み出し時間は、検査画像の記憶部104からの読み出しに要する時間であり、検査結果レポートページ保存時間は、検査画像に基づいて生成された検査結果レポートページの記憶部104への保存に要する時間である。
また、検査結果レポート生成部127は、タイミング決定部128に、参照画像読み出しリミット、及び、検査画像保存リミットの算出を指示する。
(3)タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127に対して、検査画像の読み出し時間、検査結果レポートページ保存時間、参照画像読み出しリミット、及び、検査画像保存リミットを応答する。
(4)検査結果レポート生成部127は、それぞれ検査結果レポートページ生成のための、検査画像の読み出しタイミングで、検査画像の読み出しを行った場合において、以下の条件(A)及び(B)の両方が満たされる場合に、記憶部104からの検査画像の読み出しを実行する。
条件(A):次の参照画像の記憶部104からの読み出しが実行済みである、又は、参照画像読み出しリミットが到来するまでの間に、記憶部104からの参照画像の読み出しを実行可能である。
条件(B):次の検査画像の記憶部104への保存が実行済み、又は、検査画像保存リミットが到来するまでの間に、記憶部104への検査画像の保存を実行可能である。
(5)検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページの保存タイミングで検査結果レポートページの保存を行った場合において、上記条件(A)及び(B)が両方満たされる場合に、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実行する。
(6)検査結果レポート生成部127は、制御部100に、検査結果レポートページの生成完了を通知する。その後、(1)の処理に戻る。
(7)制御部100は、印刷ジョブの開始時に、第3ページメモリ112cに入る面数の参照画像を、記憶部104から読み出す。
(8)画像入力部121から制御部100に印刷ジョブが入力され、制御部100は、印刷ジョブを開始する。印刷ジョブは、コントローラー部600から送信されて画像入力部121が受信したものであり、印刷ジョブには、ジョブに関する情報、及び、印刷画像データが含まれる。制御部100は、印刷ジョブが開始されると、画像入力部121に入力された印刷画像データを、圧縮IC108を用いて圧縮し、圧縮メモリ111へ格納する。次いで、制御部100は、圧縮メモリ111に格納されている圧縮画像を、伸長IC109を用いて伸長し、第1ページメモリ112aに格納する。
(9)制御部100は、画像形成部123へ印刷画像データの印刷を指示する。画像形成部123は、制御部100からの指示に基づいて、用紙上に印刷画像データに基づく画像を形成する。
(10)画像形成部123は用紙の排紙完了後、制御部100へ用紙の排紙完了を通知する。
(11)制御部100は、画像読取部124へ印刷後の用紙の読み取りを指示する。画像読取部124は、印刷後の用紙を読み取り、第2ページメモリ112bに格納する。
(12)画像読取部124は、読み取りが完了したことを制御部100に通知する。
(13)制御部100は、画像検査部125に画像の検査を指示する。
(14)制御部100は、画像読取部124が読み取った読み取り画像を記憶部104に保存する。
(15)画像検査部125は、用紙を読み取って得た読み取り画像に不良があるか否かを、読み取り画像と参照画像との差分の情報に基づいて判定し、判定の結果得られた検査結果を制御部100に通知する。
(16)制御部100は、画像検査が完了した参照画像を第3ページメモリ112cから解放し、次の読み出し待ちの参照画像を、記憶部104から第3ページメモリ112cに読み出す。
(17)制御部100は、画像検査部125から通知された検査結果を、記憶部104に保存する。
(18)制御部100は、ジョブ一覧表示処理部129に対して、検査結果レポート生成が未完了のジョブの一覧の生成を指示する。ジョブ一覧表示処理部129は、検査結果レポート生成が未完了のジョブの一覧を生成して制御部100に出力する。
(19)レポート生成指示部130は、制御部100へ、未完了の検査結果レポート生成待ちジョブの生成を指示する。
(20)制御部100は、現在実行中の検査結果レポート生成ジョブのステータスを”中断中”に変更するとともに、検査結果レポート生成部127に、レポート生成指示部130から指定された検査結果レポート生成待ちジョブの生成を指示する。その後、(8)の処理に戻る。
[画像検査装置による画像検査手法の実施例]
次に、図8を参照して、本実施形態の第1の実施形態に係る画像形成装置1による画像検査手法の実施例について説明する。図8は、画像形成装置1による画像検査手法の実施例を示す説明図である。
図8においても、図1と同様に、参照画像の記憶部からの読み出し処理は符号“Rf”により示し、読み取り画像の記憶装置への保存処理は符号“Wr”により示す。また、検査画像を記憶部104から読み出す処理は符号“Rr”により示し、検査結果レポートページを記憶部104に保存する処理は符号“Wp”により示す。また、図8において、参照画像読み出しリミットは符号“Lrf”により示し、検査画像保存リミットは、符号“Lwr”により示す。
図8に示す例において、参照画像が読み出される第3ページメモリ112c(図6参照)の記録面は2面であり、読み取り画像が取り込まれる第2ページメモリ112bの記録面も2面である。参照画像の第3ページメモリ112cへの読み出しは、参照画像と読み取り画像との比較が行われる画像検査が実施されるまでの間に行われていればよい。また、検査画像の記憶部104への保存は、読み取り画像が取り込まれる第2ページメモリ112bの記録面も2面であるため、次の次(2頁先)の用紙の読み取りが行われるまでの間に完了していればよい。
なお、検査結果レポート生成部127による検査結果レポートページの生成は、実行中の画像検査のジョブとは非同期で実行する。より詳細には、検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートの生成を、画像検査のジョブにおいて記憶部104が使用されない時間である空き時間(未使用時間)で実行する。したがって、ある頁に関する検査結果レポートページの生成が完了するタイミングは、その頁に対して行われる画像検査の検査が完了するタイミングよりも後になる。このため、画像検査のジョブが終了した場合にも、その画像検査に基づく検査結果レポートの生成は、完了していない場合がある。つまり、実行中の画像検査のジョブと、該画像検査のジョブとは異なるジョブに基づき行われる検査結果レポートの生成処理とが、時間的に並行して行われることもある。
本実施形態では、検査結果レポートページ生成のための、検査画像の記憶部104からの読み出し、又は、生成した検査結果レポートページの記憶部104への保存は、上述したとおり、それぞれの実施タイミングでそれぞれの処理を実施した場合において、下記の条件(A)及び(B)が満たされる場合に実施される。
条件(A):次の参照画像の記憶部104からの読み出しが実行済みである、又は、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの間に、記憶部104からの参照画像の読み出しを実行可能である。
条件(B):次の検査画像の記憶部104への保存が実行済み、又は、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの間に、記憶部104への検査画像の保存を実行可能である。
検査画像の読み出しの実施タイミングは、例えば、図8中のタイミングT1である。タイミングT1は、前回生成された検査結果レポートページの記憶部104への保存が完了しているタイミングであり、このタイミングT1から、次の検査結果レポートページの生成を開始することができる。検査結果レポートページの保存の実施タイミングは、例えば、図8中のタイミングT2である。タイミングT2は、検査画像の記憶部104からの読み出しRri(iは1以上の整数)が完了し、当該ページの検査結果レポートページの生成が完了したタイミングである。
参照画像読み取りリミットLrfは、例えば、図8中のタイミングT3であり、画像検査が開始されるタイミングである。このタイミングT3(参照画像の読み取りリミットLrf3)が到来するまでの間に、検査対象の画像の参照画像を記憶部104から読み出しておく必要がある。
検査画像保存リミットLwrは、例えば、図8中のタイミングT4であり、新たな(図8では3枚目の)画像の読み取りが開始されるタイミングである。このタイミングT4(検査画像保存リミットLwr)が到来するまでの間に、前の前(2頁前)までの検査画像の記憶部104への保存処理を完了しておく必要がある。
例えば、タイミングT1において、検査結果レポート生成部127による検査結果レポートの生成を開始するとする。検査結果レポート生成処理においては、まず、検査結果レポートの生成の対象となる検査画像を、記憶部104から読み出す処理が行われる。
検査結果レポート生成部127は、この読み出し処理を実施できるか否かを判定するために、参照画像が読み出し済みであるか、もしくは、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの間に参照画像の読み出しを完了させることが可能であるか否かを判定する(条件(A)の判断)。また、検査結果レポート生成部127は、検査画像の記憶部104への保存が既に実行済みであるか、もしくは、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの間に、検査画像の記憶部104への保存を実施可能であるか否かも判定する(条件(B)の判断)。
図8に示す例では、検査画像の読み出しを実施するタイミングT1の時点で、参照画像の読み出し処理Rf2はすでに実行済みである。つまり、条件(A)はYES判定となる。また、タイミングT1で記憶部104からの検査画像の読み出しを実施した場合にも、検査画像保存リミットLwr1が到来するまでの時間Tlrf3内に、検査画像の記憶部104への保存処理Wr1を完了させることが可能である。つまり、条件(B)もYES判定となる。したがって、検査結果レポート生成部127は、タイミングT1で、検査結果レポート生成のための検査画像の記憶部104からの読み出しを実施する。
なお、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの間に参照画像の読み出しを完了させることが可能であるかの判断、及び、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの間に、検査画像の記憶部104への保存を実施可能であるか否かの判断は、以下のように行う。
まず、時間的に、参照画像読み出しリミットLrfと、検査画像保存リミットLwrとのどちらが先に訪れるかを判定する。そして、参照画像読み出しリミットLrfの方が先に訪れる場合には、下記の条件(a)及び(b)が満たされるか否かを判断する。
条件(a):(現時点から参照画像読み出しリミットLrfまでの時間Tlrf)−(参照画像読み出し時間)>(検査画像読み出し時間)
条件(b):(現時点から検査画像保存リミットLwrまでの時間Tlwr)−(参照画像読み出し時間(読み出し済みの場合には“0”))−(検査画像保存時間)>(検査画像の読み出し時間)
一方、検査画像保存リミットLwrの方が先に訪れる場合には、下記の条件(c)及び(d)が満たされるか否かを判断する。
条件(c):(現時点から検査画像保存リミットLwrまでの時間Tlwr)−(検査画像保存時間)>(検査画像読み出し時間)
条件(d):(現時点から参照画像読み出しリミットLrfまでの時間Tlrf)−(参照画像読み出し時間(読み出し済みの場合には“0”))−(検査画像保存時間)>(検査画像読み出し時間)
上記条件(a)〜(d)における「参照画像読み出し時間」は、参照画像の記憶部104から第3ページメモリ112c(図6参照)への読み出しに要する時間であり、「検査画像保存時間」は、検査画像(読み取り画像)の第2ページメモリ112bから記憶部104への保存に要する時間である。「検査画像読み出し時間」は、検査結果レポートページ生成用の検査画像の記憶部104からレポート生成用メモリ113への読み出しに要する時間である。
そして、上記条件(a)及び(b)が満たされた場合、又は、条件(c)及び(d)が満たされた場合に、検査結果レポート生成部127は、参照画像読み出しリミットLrfまでの間での参照画像の読み出し、及び、検査画像保存リミットLwrまでの間での検査画像の保存を実施可能であると判定する。
なお、各画像の記憶部104からの読み出し時間、及び、記憶部104への保存時間は、その対象画像のサイズと、記憶部104の転送レートとにより定まる。例えば、読み取る画像サイズがA4(297mm×210mm)であって、画像サイズが36Mbyteであり、記憶部104の転送レートが200Mbyte/secであるとする。この場合、検査画像保存時間は(36÷200×1000)=180(msec)となる。
次に、図8のタイミングT2において、検査結果レポート生成部127による検査結果レポートの生成が完了し、生成した検査結果レポートページの記憶部104への保存を実施する場合を想定する。この場合においても、検査結果レポート生成部127は、上述の条件(A)及び(B)が満たされるか否かを判定する。
図8に示す例では、タイミングT2の時点で、参照画像の読み出し処理Rf2は実行済みであるため、条件(A)は満たされる。また、タイミングT2の時点で検査結果レポートページの記憶部104への保存を実行した場合にも、検査画像保存リミットLwr1までに検査画像の記憶部104への保存処理Wr1を完了させることができる。それゆえ、条件(B)も満たされる。したがって、検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実行する。
なお、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの間に参照画像の読み出しを完了させることが可能であるかの判断、及び、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの間に、検査画像の記憶部104への保存を実施可能であるか否かの判断も、上記条件(a)〜(d)を用いて行うことができる。
ただし、図8に示す例では、検査結果レポートページの保存処理に先立って、検査画像の記憶部104への保存処理Wr1と、参照画像の記憶部104からの読み出し処理Rf3とが実施されている。それゆえ、検査結果レポートページの記憶部104への保存処理Wpiは、タイミングT2の時点ではなく、これらの処理が終了するタイミングT5において実行される。
以上説明した処理が行われることにより、実行中の画像検査のジョブに影響を与える事無く(画像検査処理の実施タイミングを遅延させることなく)、画像検査処理と検査結果レポートページの生成処理とを並行して実行することができる。
[ジョブ一覧表示処理部及びレポート生成指示部の処理]
次に、画像形成装置1のジョブ一覧表示処理部129(図6参照)の処理とレポート生成指示部130(図6参照)の処理について説明する。上述したように、本実施形態では、検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートの生成を、画像検査のジョブにおいて記憶部104が使用されない時間である空き時間で実行する。したがって、画像検査のジョブが終了した場合にも、その画像検査に基づく検査結果レポートの生成は、完了していない場合がある。
図9は、画像検査処理において特定のジョブの実行が途中で中止された場合における、画像検査の実行中のジョブと検査結果レポートの生成が行われているジョブとの対応を示す説明図である。図9に示す例では、画像検査処理において、ジョブJ99〜J101までが既に実行済みであり、ジョブJ102を実行中であるものとする。検査結果レポート生成処理では、画像検査処理におけるジョブJ102の実行と並行して、ジョブJ98の検査結果レポートの生成が実行中である。つまり、ジョブJ102の検査結果レポ−トの生成が実行中である時点において、ジョブJ99〜J101までの画像検査は既に完了していても、これらのジョブに基づく検査結果レポートの生成処理は未実行である。
したがって、例えば、画像検査処理においてジョブJ102の実行が中止された場合、中止された事実が情報として管理されていないと、ジョブJ102に基づく検査結果レポートが、その後に誤って生成されてしまう可能性がある。
本実施形態では、ジョブ一覧表示処理部129が、検査結果レポートの生成が未実行または未完了のジョブを、未生成の検査結果レポートジョブリストとして管理する。図10は、特定のジョブ(ジョブJ102)を実行中の時点での未生成の検査結果レポートリストの例を示す説明図である。
図10に示す検査結果レポートリストには、ジョブJ98の検査結果レポートを生成中であることが示されている。また、図10に示す検査結果レポートリストでは、図9に示す例において実行中ジョブであったジョブJ102が、リストの最後尾(ジョブJ101の後段)に移動されている。
なお、ジョブ一覧表示処理部129は、検査結果レポートリストの各ジョブに関するジョブ情報として、少なくとも以下の情報を有するものとする。
・ジョブのページ数
・ジョブのステータス(生成中/生成待ち/中断中)
・画像の記憶部104における格納アドレス
・検査結果の記憶部104における格納アドレス
・次のレポート生成待ちジョブのアドレス
ここで、検査結果レポートリストが図10に示す状態であった後に、ジョブJ102の実行が途中で中止され、ジョブJ103の実行に移った場合を想定する。この場合、検査結果レポートリストは、図11に示すようになる。図11は、特定のジョブ(ジョブJ102)の実行が途中で中止された場合における検査結果レポートリストの例を示す説明図である。
ジョブJ102の実行がジョブJ98の完了タイミングで中止された場合、図11に示すように、検査結果レポートリストから中止されたジョブJ102がリストから削除される。そして、図10に示した検査結果レポートリストにおいて実行中であったジョブJ98の次のジョブJ99に基づく検査結果レポート生成処理のステータスが、生成中に変更される。
次に、実行中のジョブ及び検査結果レポートの生成待ちジョブが無い状態で、新規にジョブの実行を行った場合における検査結果レポート生成処理について、図12を参照して説明する。図12は、実行中のジョブ及び検査結果レポートの生成待ちジョブが無い状態で、新規にジョブの実行を行った場合における検査結果レポート生成処理の例を示す説明図である。
実行中のジョブ及び検査結果レポートの生成待ちジョブが無い状態で、新規にジョブの実行が行われた場合、検査結果レポート生成部127は、画像検査を実行中のジョブのページの中で、既に画像読取部124での画像読み取りが完了しており、読み取り画像の記憶部104への保存が完了しており、かつ画像検査が完了している検査画像を対象として、順次検査結果レポートの生成を行う。
具体的には、検査結果レポート生成部127は、画像読取部124による1枚目の画像の読み取りが完了し、1枚目の読み取り画像の記憶部104への保存が完了し、かつ、1枚目の読み取り画像の画像検査が終了した時点で、検査画像の読み出し処理Rr1を行う。そして、読み出した検査画像に基づいて検査結果レポート生成処理C1を行う。また、検査結果レポート生成部127は、画像読取部124による2枚目の画像の読み取り処理Rf2が完了し、2枚目の読み取り画像の記憶部104への保存が完了し、かつ、2枚目の読み取り画像の画像検査が終了した時点で、検査画像の読み出し処理Rr2を行う。そして、読み出した検査画像に基づいて検査結果レポート生成処理C2を行う。
そして、4枚目の検査画像を対象とした画像検査が完了した時点で、該当するジョブの実行中止が指示されたものとする。この時点で、検査結果レポート生成処理C2までが完了しており、2枚の検査結果レポートページが生成済みであるが、これらの2枚の検査結果レポートページは、ジョブの実行中止に伴い記憶部104から削除される。
次に、図13を参照して、画像形成装置1の電源がオフされた場合に検査結果レポートの生成を継続するか否かをユーザーに設定させる、電源オフ時検査結果レポート設定画面の例について説明する。図13は、電源オフ時検査結果レポート設定の設定画面の例を示す説明図である。電源オフ時検査結果レポート設定の設定画面は、例えば、画像形成装置1の操作表示部400等に表示される。
図13に示す電源オフ時検査結果レポート設定の設定画面Scには、「電源オフ時検査結果レポートの生成を継続するか設定してください」のメッセージが表示されている。そして、該メッセージの下方に、「レポートを生成後電源をオフする」と記載されたボタンBn1と、「即時電源をオフする」と記載されたボタンBn2とが配置されている。
ユーザーによって「レポートを生成後電源をオフする」と記載されたボタンBn1が選択された状態で、電源がオフされた場合、制御部100は、検査結果レポートの生成に最低限必要なデバイス(制御部100及び記憶部104のみ)を通電状態とし、その他の部への電力の供給はオフにする。検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートの生成を継続して行う。そして、制御部100は、すべての検査結果レポートの生成待ちジョブに基づく検査結果レポートの生成が完了した後、画像形成装置1の電源をオフする。一方、「即時電源をオフする」と記載されたボタンBn2が選択された状態で、電源がオフされた場合、制御部100は、画像形成装置1の電源をオフにする。
図14は、電源オフ状態遷移時における検査結果レポート生成処理の中断処理の例を示す説明図である。図14には、画像検査のジョブJ99〜J103までを実行済みであり、ジョブJ103の完了時に画像形成装置1の電源をオフする指示が行われた場合の例を示す。このとき、検査結果レポート生成部127は、ジョブJ100の検査結果レポートを生成中であったものとする。
電源オフが指示された場合であって、「即時電源をオフする」の設定が選択されていた場合には、制御部100は、ジョブJ100のステータスを“生成中”から“中断中”に変更し、生成途中の検査結果レポートリストを記憶部104に保存する。
生成が中断された検査結果レポートは、次に画像形成装置1の電源がオンされた時にその生成が再開される。図15は、電源オン時に未生成の検査結果レポートが存在する場合におけるジョブ再開処理の例を示す説明図である。図15に示すように、画像形成装置1の電源がオンされた時に、未生成の検査結果レポートジョブ(ジョブJ100〜ジョブJ103)があるとする。この場合、制御部100は、未生成のジョブの先頭のジョブであるジョブJ100のステータスを“中断中”から“生成中”に変更し、ジョブJ100の検査結果レポートの生成の再開を検査結果レポート生成部127へ指示する。
図15の下段には、画像形成装置1の電源がオンされた時に、実行すべき画像検査のジョブがなかった場合における検査結果レポートの生成例を示す。画像検査のジョブがない場合には、検査結果レポート生成部127は、ジョブJ100、J101、J102、J103の順に、間隔を空けずに連続して生成される。これにより、検査結果レポートの生成の完了時間を早めることができる。
ここで、図16を参照して、未生成の検査結果レポート一覧の表示画面の例を示す。図16は、検査結果レポートジョブ一覧の表示例を示す説明図である。検査結果レポートジョブ一覧(リスト)は、“ジョブID”、“ジョブ出力日時”、“ジョブファイル名”、“検査結果”、“レポート作成状態”、“レポート作成時間(秒)”及び“レポート作成時刻”の項目を有する。
“ジョブID”は、ジョブの識別子である。ここでは、ジョブの識別子がジョブIDである例を挙げるが、ジョブを識別可能な情報であれば、ジョブ名等の他の情報であってもよい。“ジョブ出力日時”は、ジョブが出力された(画像形成装置1に入力された)日時を示す。“ジョブファイル名”は、ジョブのファイル名を示す。“検査結果”は、画像検査の結果を示す。検査結果には、画像に異常が含まれていなかったことを示す「正常」、画像が汚れを含むものであったことを示す「汚れ」等がある。
“レポート作成状態”は、検査結果レポートのステータスを示す。生成ステータスには、“未生成”、“生成中”及び“中断中”がある。“レポート作成時間(秒)”は、検査結果レポートの生成に要する予測時間を示す。“レポート作成時刻”は、検査結果レポートの生成が完了する予測時刻を示す。
なお、検査結果レポートリストは、上記のすべての項目を有している必要はなく、少なくとも、ジョブの識別情報、レポート作成状態、レポート作成時間及びレポート作成時刻を含んでいればよい。
図16に示す検査結果レポート一覧には、ジョブIDが“1386”のジョブの検査結果レポートが生成中であり、ジョブIDが“1387”〜“1391”のジョブに関しては検査結果レポートが未生成であることが示されている。
図17は、図16に示した検査結果レポート一覧に対応する検査結果レポートリストの例を示す説明図である。図16に示すように、ジョブ一覧表示処理部129で管理される検査結果レポートにおいても、ジョブIDが“1386”のジョブのステータスは“生成中”であり、ジョブIDが“1387”〜“1391”のジョブのステータスは“未生成”となっている。
次に、図16に示した検査結果レポート一覧において、特定のジョブの検査結果レポートの生成が指示された場合について説明する。図18は、一覧中の特定のジョブが選択された場合における未生成の検査結果レポートジョブ一覧の表示例を示す説明図である。図18には、未生成の検査結果レポート一覧からユーザーが即時レポートを見たいジョブとして、ジョブID“1389”のジョブが選択された状態が示される。この状態で、画面下方の“生成”と記載されたボタンBn3がユーザーにより選択されると、制御部100から検査結果レポート生成部127に対して、ジョブID“1389”のジョブの検査結果レポートの生成が指示される。
“未生成”のステータスのジョブは、まだ検査結果レポートが生成されていないため、ユーザーはそのレポートを見ることができない。特定のジョブの検査結果レポートを即時見たい場合、ユーザーは、検査結果レポートジョブ一覧の中から、レポートを閲覧したいジョブを選択することにより、選択したジョブの検査結果レポートの生成を即時に再開させることができる。つまり、レポートを閲覧したいで、検査結果レポートを閲覧することができる。
図19は、一覧中の特定のジョブが選択された場合における検査結果レポート生成部127による処理の例を示す説明図である。図18に示した画面において、ジョブID“1389”のジョブが選択されると、その時点で生成中であったジョブID“1386”のジョブのステータスは“中断中”となり、生成が指示されたジョブID“1389”のジョブのステータスが“生成中”となる。そして、生成が再開されたジョブID“1389”のレポート作成時刻は、生成が再開された時刻から再計算した完了予測時刻に更新される。
なお、図16、図18には、検査結果レポート一覧において“レポート作成時刻”が示される例を示したが、検査結果レポート作成時刻の代わりに、検査結果レポートの生成開始時刻が示されてもよい。もしくは、検査結果レポート一覧において、レポートの作成開始時刻及び検査結果レポートの作成完了時刻の両方が表示されてもよい。検査結果レポート作成完成時刻は、現在時刻と検査結果レポート作成時間とに基づいて算出することができ、レポート作成開始時刻は、前のジョブのレポート作成完了時刻と自ジョブのレポート作成時間とに基づいて算出することができる。
ここで、図20を参照して、検査結果レポート生成時間の算出方法について説明する。図20は、画像検査ジョブの1ジョブあたりの検査結果レポートの生成時間の算出例を示す説明図である。検査結果レポートの生成は、以下の4つの工程により行われる。
(工程1):検査結果レポート生成用の検査画像を記憶部104からレポート生成用メモリ113(図6参照)に読み出す工程
(工程2):検査結果を記憶部104からレポート生成用メモリ113に読み出す工程
(工程3):検査結果を検査画像に反映させる工程
(工程4):生成した検査結果レポートページを記憶部104に保存する工程
つまり、画像検査ジョブの1ジョブあたりの検査結果レポートの生成時間は、上記4つの工程の実施時間を合計した時間である。工程1の実施時間は、検査画像読み出し時間Trrであり、工程4の実施時間は、レポートページ保存時間Twpである。検査画像読み出し時間Trr及びレポートページ保存時間Twpは、検査結果レポート生成用の検査画像(読み取り画像)のサイズ、及び、記憶部104の転送レートに基づいて算出することができる。
工程2の検査結果の記憶部104からの読み出し時間、及び、工程3の検査結果の検査画像への反映時間の長さは、画像検査により検出された異常の箇所の数に比例する。これらの各時間は、検査結果の記憶部104からの読み出し時間及び検査画像への反映時間の基準時間を算出しておき、基準時間に異常箇所の数を乗算することにより算出することができる。基準時間は、検査結果に含まれる異常情報(異常の種類、異常箇所の座標等)が1個である場合における、検査結果の記憶部104からの読み出し時間及び検査画像への反映時間である。
図20には、画像検査ジョブの実行中に並列で検査結果レポートの生成を実行した場合の例を示す。図20に示すように、検査結果レポートページの生成間隔が“x”である場合、画像検査ジョブ中のすべてのページに関する検査結果レポートの生成時間は、生成間隔xに(ジョブのページ数−1)を乗算した値となる。なお、実行中の画像検査ジョブがなく、画像形成装置1がアイドル状態である場合には、画像検査ジョブの1ジョブあたりの検査結果レポートの生成時間は、上記工程1〜工程4の処理の合計時間に、ジョブのページ数を乗算することにより算出できる。
このように、検査結果レポート一覧に検査結果レポートの生成状態、及び検査結果レポートの生成時間(及び/又は検査結果レポートの生成完了時刻)が表示されることにより、ユーザーは、所望の検査結果レポートがいつ閲覧可能になるのかについて、おおよその判断を行うことが可能となる。
[画像形成装置による画像形成及び画像検査処理]
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1による画像形成及び画像検査処理について、図21を参照して説明する。図21は、画像形成装置1により行われる印刷画像データの入力から画像検査結果の記憶部への保存までの一連の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、コントローラー部600(図5参照)から送信された印刷画像データを画像入力部121が受信する(ステップS1)。次いで、大容量給紙部20(図4参照)は、用紙を画像形成装置1の本体部10に給紙する給紙処理を行う(ステップS2)。次いで、画像形成部123は、印刷画像データを用紙に形成(印刷)する(ステップS3)。次いで、制御部100は、記憶部104から第3ページメモリ112cに参照画像を読み込む(ステップS4)。
次いで、画像読取部124は、用紙に形成された画像を読み取る(ステップS5)。次いで、画像検査部125は、画像読取部124で読み取られた読み取り画像と、参照画像とを比較することにより、画像検査を行う(ステップS6)。
次いで、画像検査部125は、画像検査を行った読み取り画像である検査画像を、記憶部104に保存する(ステップS7)。次いで、画像検査部125は、検査結果を記憶部104に保存する(ステップS8)。次いで、制御部100は、印刷原稿データの全頁の印刷が終了したか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9で、全頁の印刷が終了していないと判定された場合(ステップS9がNO判定の場合)、制御部100は処理をステップS1に戻す。
一方、ステップS9で、全頁の印刷が完了したと判定された場合(ステップS9がYES判定の場合)、画像形成装置1による画像形成及び画像検査処理は終了する。
[検査結果レポート生成部による検査結果レポート生成処理]
次に、検査結果レポート生成部127による検査結果レポート生成処理について、図22及び図23を参照して説明する。図22は、検査結果レポート生成部127による検査結果レポート生成処理の手順を示すフローチャートである。図23は、検査結果レポート生成部127による検査結果レポート生成処理における、レポート生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1の電源がオンされている状態において、制御部100は、電源オフ状態に移行したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11で、電源オフ状態に移行したと判定された場合(ステップS11がYES判定の場合)、制御部100は、電源オフ状態への移行時に継続して検査結果レポート(以下、単にレポートとも称する)を生成する設定になっているか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12で、継続してレポートを生成する設定になっていないと判定された場合(ステップS12がNO判定の場合)、画像形成装置1を電源オフ状態にする(ステップS13)。一方、ステップS12で、継続してレポートを生成する設定になっていると判定された場合、制御部100は、未生成の検査結果レポートジョブが存在するか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14で、未生成の検査結果レポートジョブは存在しないと判定された場合(ステップS14がNO判定の場合)、ステップS13の処理が行われる。すなわち、画像形成装置1がオフ状態となる。
一方、ステップS14で、未生成の検査結果レポートジョブが存在すると判定された場合(ステップS14がYES判定の場合)、制御部100は、レポートの生成時に動作が必要な制御部100及び記憶部104に電力を供給する電源にのみ通電する。つまり、それ以外の各部に電力を供給する電源はオフにする(ステップS15)。
次いで、制御部100は、新たな検査結果レポート生成ジョブ(新規ジョブ)が開始(実行)されたか否かを判定する(ステップS16)。ステップS11で、電源オフ状態に移行されていないと判定された場合(ステップS11がNO判定の場合)にも、ステップS16の判定が行われる。
ステップS16で、新規ジョブが開始されたと判定された場合(ステップS16がYES判定の場合)、制御部100は、未生成の検査結果レポート待ちジョブリストの最後尾に、新たに開始したジョブを追加する(ステップS17)。
次いで、制御部100は、レポート生成指示部130(図6参照)より、検査結果レポートの生成を即時に実行する指示が入力されたか否かを判定する(ステップS18)。ステップS15で、新規ジョブは開始されていないと判定された場合(ステップS16がNO判定の場合)にも、ステップS18の判定が行われる。
ステップS18で、検査結果レポート生成の即時実行指示が入力されたと判定された場合(ステップS18がYES判定の場合)、制御部100は、検査結果レポート生成待ちジョブの実行順を入れ替える(ステップS19)。具体的には、制御部100は、レポート生成指示部130から実行が指示された検査結果レポートジョブを、検査結果レポート生成待ちジョブの先頭に移動させる。次いで、制御部100は、その時点で検査結果レポートの生成が行われていた、実行中の検査結果レポートジョブのステータスを、“実行中”から“中断中”に変更する(ステップS20)。
次いで、制御部100は、未生成の検査結果レポートジョブがあるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS18で、ジョブの即時実行指示は入力されていないと判定された場合(ステップS18がNO判定の場合)にも、ステップS21の判定が行われる。
ステップS21で、未生成の検査結果レポートジョブはないと判定された場合(ステップS21がNO判定の場合)、制御部100はステップS11の判定を行う。一方、ステップS21で、未生成の検査結果レポートジョブがあると判定された場合(ステップS21がYES判定の場合)、制御部100は、未生成の検査結果レポート待ちジョブリストの先頭にあるジョブのステータスを“実行中”に変更する(ステップS22)。
次いで、制御部100は、検査結果レポート生成部127に対して、未生成の検査結果レポート待ちジョブリストの先頭にあるジョブに基づく、検査結果レポートページの生成を指示する。次いで、検査結果レポート生成部127において、検査結果レポート生成処理が行われる(ステップS23)。ステップS23の検査結果レポート生成処理の詳細については、次の図23を参照して後述する。
次いで、制御部100は、未生成の検査結果レポート待ちジョブリストの先頭ジョブを構成する全頁のレポートページの生成が完了したか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24で、全頁のレポートページの生成は完了していないと判定された場合(ステップS24がNO判定の場合)、制御部100はステップS11の判定を行う。
一方、ステップS24で、全頁のレポートページの生成が完了したと判定された場合(ステップS24がYES判定の場合)、制御部100は、未生成の検査結果レポート待ちジョブリストの先頭ジョブを削除する(ステップS25)。その後、制御部100はステップS11の判定を行う。
[検査結果レポート生成処理]
次に、図23を参照して、図22のステップS24の検査結果レポート生成処理の手順について説明する。まず、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127からの指示に基づいて、現時点から参照画像読み出しリミットLrfまでの時間Tlrfを算出する(ステップS31)。次いで、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127からの指示に基づいて、現時点から検査画像保存リミットLwrまでの時間Tlwrを算出する(ステップS32)。
次いで、検査結果レポート生成部127は、参照画像を記憶部104から読み出し済みか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33で、参照画像を記憶部104から読み出し済みでないと判定された場合(ステップS33がNO判定の場合)、タイミング決定部128は、参照画像読み出し時間Trfを算出する(ステップS34)。
一方、参照画像は記憶部104に読み出し済みであると判定された場合(ステップS33がYES判定の場合)、タイミング決定部128は、参照画像読み出し時間Trfに“0”を設定する(ステップS35)。
ステップS34又はステップS35の処理後、タイミング決定部128は、第2ページメモリ112bに格納されていた読み取り画像(検査画像)が、記憶部104に保存済みであるか否かを判定する(ステップS36)。ステップS36で、読み取り画像は記憶部104に保存されていないと判定された場合(ステップS36がNO判定の場合)、タイミング決定部128は、検査画像保存時間Twrを算出する(ステップS37)。
一方、ステップS36で、読み取り画像は記憶部104に保存済みであると判定された場合(ステップS36がYES判定の場合)、タイミング決定部128は、検査画像保存時間Twrに“0”を設定する(ステップS38)。
次いで、タイミング決定部128は、検査結果レポートページ生成に必要となる読み取り画像(検査画像)が、記憶部104からレポート生成用メモリ113に読み込み済みか否かを判定する(ステップS39)。
ステップS39で、検査画像はレポート生成用メモリ113に読み込まれていないと判定された場合(ステップS39がNO判定の場合)、タイミング決定部128は、検査画像読み出し時間Trrを算出する(ステップS40)。
次いで、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットLrfまでの時間Tlrfが、検査画像保存リミットLwrまでの時間Tlwrよりも短いか否かを判定する(ステップS41)。つまり、タイミング決定部128は、検査画像保存リミットLwrより時間的に前に、参照画像読み出しリミットLrfが訪れるか否かを判定する。
ステップS41で、時間Tlrfが時間Tlwrよりも短いと判定された場合(ステップS41がYES判定の場合)、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの時間Tlrf内に、参照画像読み出し時間Trf及び検査画像読み出し時間Trrが収まるか否かを判定する(ステップS42)。つまり、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットが到来するまでの間に、参照画像の記憶部104からの読み出し及び検査画像の記憶部104からの読み出しを行えるか否かを判定する。具体的には、タイミング決定部128は、以下の式(1)が満たされるか否かを判定する。
(参照画像の読み出しリミットまでの時間Tlrf)−(参照画像読み出し時間Trf)>(検査画像読み出し時間Trr)…式(1)
ステップS42がYES判定の場合、タイミング決定部128は、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの時間Tlwr内に、参照画像読み出し時間Trf、検査画像保存時間Twr及び検査画像読み出し時間Trrが収まるか否かを判定する(ステップS43)。つまり、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの時間Tlwr内に、参照画像の記憶部104からの読み出し、検査画像の記憶部104への保存、及び、記憶部104からの検査画像の読み出しを実施できるか否かを判定する。具体的には、以下の式(2)が満たされるか否かを判定する。
(検査画像保存リミットまでの時間Tlwr)−(参照画像読み出し時間Trf)−(検査画像保存時間Twr)>(検査画像読み出し時間Trr)…式(2)
ステップS43がYES判定の場合、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127に対して、検査結果レポート生成のための検査画像の読み出しが可能である事を通知する。そして、この通知に基づいて、検査結果レポート生成部127は、記憶部104から検査画像及び検査結果を読み出す(ステップS44)。次いで、検査結果レポート生成部127は、読み出した検査画像及び検査結果に基づいて、検査結果レポートページを生成する(ステップS45)。
ステップS42がNO判定の場合、及び、ステップS43がNO判定の場合、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127に対して、記憶部104を使用する空き時間が無い事を通知する。そして、通知を受けた検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページ生成処理を終了する。
ステップS41がNO判定の場合、タイミング決定部128は、読み取り画像保存リミットLwrが到来するまでの時間Tlwr内に、検査画像保存時間Twr及び検査画像読み出し時間Trrが収まるか否かを判定する(ステップS46)。つまり、タイミング決定部128は、読み取り画像保存リミットLwrが到来するまでの間に、記憶部104への検査画像保存、及び、記憶部104からの検査画像の読み出しを実行できるか否かを判定する。具体的には、タイミング決定部128は、以下の式(3)が満たされるか否かを判定する。
(検査画像保存リミットまでの時間Tlwr)−(検査画像保存時間Twr)>(検査画像読み出し時間Trr)…式(3)
ステップS46がYES判定の場合、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの時間Tlrf内に、参照画像読み出し時間Trf、検査画像保存時間Twr、及び、検査画像読み出し時間Trrが収まるか否か判断する(ステップS47)。つまり、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの間に、記憶部104からの参照画像の読み出し、記憶部104への検査画像保存、及び、記憶部104からの検査画像の読み出しを実行できるか否かを判定する。具体的には、以下の式(4)が満たされるか否かを判定する。
(参照画像の読み出しリミットまでの時間Tlrf)−(参照画像読み出し時間Trf)−(検査画像保存時間Twr)>(検査画像読み出し時間Trr)…式(4)
ステップS47がYES判定の場合、検査結果レポート生成部127はステップS44の処理を行う。すなわち、検査結果レポート生成部127は、記憶部104から検査画像及び検査結果を読み出す。
ステップS46がNO判定の場合、及び、ステップS47がNO判定の場合、タイミング決定部128は検査結果レポート生成部127に対して記憶部104を使用する空き時間が無い事を通知する。そして、通知を受けた検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページ生成処理を終了する。
ステップS39で、検査画像はレポート生成用メモリ113に読み込み済みと判定された場合(ステップS39がYES判定の場合)、タイミング決定部128は、レポートページ保存時間Twpを算出する(ステップS48)。
次いで、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットLrfまでの時間Tlrfが、検査画像保存リミットLwrまでの時間Tlwrよりも短いか否かを判定する(ステップS49)。つまり、タイミング決定部128は、検査画像保存リミットLwrより時間的に前に、参照画像読み出しリミットLrfが訪れるか否かを判定する。
ステップS49で、時間Tlrfが時間Tlwrよりも短いと判定された場合(ステップS49がYES判定の場合)、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの時間Tlrf内に、参照画像読み出し時間Trf、及び、レポートページ保存時間Twpが収まるか否かを判定する(ステップS50)。つまり、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットが到来するまでの間に、参照画像の記憶部104からの読み出し及び検査結果レポートページの記憶部104への保存を行えるか否かを判定する。具体的には、タイミング決定部128は、以下の式(5)が満たされるか否かを判定する。
(参照画像の読み出しリミットまでの時間Tlrf)−(参照画像読み出し時間Trf)>(レポートページ保存時間Twp)…式(5)
ステップS50がYES判定の場合、タイミング決定部128は、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの時間Tlwr内に、参照画像読み出し時間Trf、検査画像保存時間Twr及びレポートページ保存時間Twpが収まるか否かを判定する(ステップS51)。つまり、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの時間Tlwr内に、参照画像の記憶部104からの読み出し、検査画像の記憶部104への保存、及び、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実施できるか否かを判定する。具体的には、以下の式(6)が満たされるか否かを判定する。
(検査画像保存リミットまでの時間Tlwr)−(参照画像読み出し時間Trf)−(検査画像保存時間Twr)>(レポートページ保存時間Twp)…式(6)
ステップS51がYES判定の場合、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127に対して、検査結果レポートページの記憶部104への保存が可能である事を通知する。そして、この通知に基づいて、検査結果レポート生成部127は、生成済みの検査結果レポートページを記憶部104に保存する(ステップS52)。ステップS52の処理後、検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページ生成処理を終了する。
ステップS50がNO判定の場合、及び、ステップS51がNO判定の場合、タイミング決定部128は検査結果レポート生成部127に対して、記憶部104を使用する空き時間が無い事を通知する。そして、通知を受けた検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページ生成処理を終了する。
ステップS49がNO判定の場合、タイミング決定部128は、検査画像保存リミットLwrが到来するまでの時間Tlwr内に、検査画像保存時間Twr及びレポートページ保存時間Twpが収まるか否かを判定する(ステップS53)。つまり、タイミング決定部128は、読み取り画像保存リミットLwrが到来するまでの間に、記憶部104への検査画像保存、及び、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実行できるか否かを判定する。具体的には、タイミング決定部128は、以下の式(7)が満たされるか否かを判定する。
(検査画像保存リミットまでの時間Tlwr)−(検査画像保存時間Twr)>(レポートページ保存時間Twp)…式(7)
ステップS53がYES判定の場合、タイミング決定部128は、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの時間Tlrf内に、参照画像読み出し時間Trf、検査画像保存時間Twr、及び、レポートページ保存時間Twpが収まるか否か判断する(ステップS54)。つまり、参照画像読み出しリミットLrfが到来するまでの間に、記憶部104からの参照画像の読み出し、記憶部104への検査画像保存、及び、検査結果レポートページの記憶部104への保存を実行できるか否かを判定する。具体的には、以下の式(8)が満たされるか否かを判定する。
(参照画像の読み出しリミットまでの時間Tlrf)−(参照画像読み出し時間Trf)−(検査画像保存時間Twr)>(レポートページ保存時間Twp)…式(8)
ステップS54がYES判定の場合、検査結果レポート生成部127はステップS52の処理を行う。すなわち、検査結果レポート生成部127は、生成済みの検査結果レポートページを記憶部104に保存する(ステップS52)。ステップS52の処理後、検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページ生成処理を終了する。
ステップS53がNO判定の場合、及び、ステップS54がNO判定の場合、タイミング決定部128は検査結果レポート生成部127に対して記憶部104を使用する空き時間が無い事を通知する。そして、通知を受けた検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートページ生成処理を終了する。
上述した第1の実施形態によれば、検査結果レポート生成部127による検査結果レポートの生成処理が、画像検査のジョブの実行と並行して行われる。それゆえ、本実施形態によれば、ユーザーが検査結果レポートを確認するまでの時間を短縮することができる。
また、上述の第1の実施形態によれば、画像検査部125が画像検査に使用する参照画像の読み出しタイミングと、読み取った検査画像の記憶部104への保存タイミングとに影響を及ぼさないタイミングにおいて、検査結果レポート生成部127による検査結果レポートの生成処理が実施される。それゆえ、本実施形態によれば、検査結果レポートの生成が完了するまでの時間を短縮することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像検査処理について説明する。本実施形態では、検査結果レポート生成部127は、画像検査ジョブの実行中に検査結果レポートの生成を開始するとともに、予め算出しておいた検査結果レポートの生成間隔(以下、「レポート生成間隔」とも称する)に基づいて、検査結果レポートの生成を実施する。検査結果レポートの生成間隔は、実行中の画像検査ジョブにおいて画像検査を行う対象の読み取り画像(検査画像)の画像サイズ、用紙の搬送間隔、生成する検査結果レポートに形成される画像のサイズに基づいて、タイミング決定部128によって算出される。
まず、図24及び図25を参照して、レポート生成間隔に基づく検査結果レポートの生成処理について説明する。図24及び図25は、検査結果レポートの生成間隔に基づく検査結果レポートの生成処理の例を示す説明図である。
本実施形態では、図24に示すように、検査結果レポート生成部127は、画像検査のジョブが実施されている間(n枚目〜n+3枚目の画像検査が行われている間)は、検査結果レポートの生成を時間的に連続して実施することは行わず、間隔Iだけ空けて実施する。一方、画像形成装置1の安定化制御中などの、画像形成処理が行われないアイドル期間においては、間隔を空けずに連続して検査結果レポートの生成処理を実施する。
画像検査ジョブにおいては、参照画像を記憶部104から読み出す処理、及び、検査画像を記憶部104に保存する処理が行われるが、これらの処理の実施時以外の時間は、記憶部104が動作しない時間(未使用時間)となる。この記憶部104の未使用時間が発生する間隔をレポート生成間隔Iに設定し、レポート生成間隔Iだけ空けて検査結果レポートの生成を行うことにより、画像検査のジョブの実施タイミングに影響を与えることなく(遅延させることなく)検査結果レポートを生成することができる。
図25に示す例において、2枚目の検査画像に基づく検査結果レポート生成処理C2は、1枚目の読み取り画像の画像検査の開始後から間隔Iだけ空けて実施される。より詳細には、1枚目の読み取り画像の画像検査の開始後から間隔Iが経過した後における、検査結果レポートの生成処理を行うことが可能なタイミングつまり、2枚目の検査画像の読み出し処理Rr2が完了したタイミングにおいて実施される。
3枚目の読み取り画像に関する検査結果レポートの生成処理C3は、2枚目の検査画像に基づく検査結果レポート生成処理C2が実施された間隔Iの次に訪れる間隔Iにおける、3枚目の検査画像の読み出し処理Rr3が完了したタイミングにおいて実施される。なお、図25に示す例では、検査結果レポート生成処理C2及びC3のいずれの処理も、読み出し処理Rrの完了後に行われているが、本発明はこれらに限定されない。検査結果レポートの生成処理Cの実施タイミングは、画像検査が行われる用紙のサイズと検査結果レポートが印字される用紙のサイズとの組み合わせによって変わるものであり、例えば、読み出し処理Rrの前に検査結果レポートの生成処理Cが実施される場合もある。
次に、タイミング決定部128によるレポートページ生成間隔Iの決定例について説明する。図26は、記憶部104の未使用時間の例を示す説明図である。図26に示すように、一つの搬送間隔内においては、参照画像の読み出し処理Rf及び検査画像の保存処理Wrの実施時に、記憶部104が使用される。そして、これらの処理時間を除く残りの時間が、記憶部104の未使用時間となる。
この未使用時間に検査結果レポートの生成処理を実行することにより、画像検査処理において実施される参照画像読み取り処理Rf、検査画像保存処理Wrの実施タイミングに影響を及ぼすことなく、検査結果レポートの生成を行うことができる。また、この未使用時間に検査結果レポートの生成処理を実行することにより、画像検査の結果が異常と判定された場合にも、用紙を異常紙用の排紙トレイに排紙するか否かの判断を、用紙が排紙トレイに排紙されるまでの間に行うことができる。
しかしながら、例えば、検査結果レポートの生成が時間的に連続して実行された場合、検査結果レポート生成処理による記憶部104の使用時間が、未使用時間を超えてしまう可能性がある。図26には、画像の読み取り処理の実施と並行して、該読み取り処理で読み取られた画像のデータサイズの2倍のデータサイズの検査結果レポートページの生成を連続して実施した場合の例を示している。
検査結果レポートの画像のデータサイズが、読み取り画像(検査画像)のデータサイズの2倍である場合、検査結果レポートページの生成処理における記憶部104の使用時間も、画像検査処理における記憶部104の使用時間の2倍となる。そして、図26に示すように、検査結果レポートページの生成処理における記憶部104の使用時間(レポートページによる使用時間)が、記憶部104の未使用時間よりも大きい場合、画像検査に関する処理の実施タイミングが遅延してしまう。
画像検査に関する処理においては、上述したように、参照画像の記憶部104からの読み出し処理、検査画像の記憶部104への保存処理が実施される。しかしながら、これらの各処理の実施タイミングの遅延が継続して発生すると、参照画像読み出しリミットLrfまでに参照画像を記憶部104から読み出せなかったり、検査画像保存リミットLwrまでに検査画像を記憶部104に保存できなかったりする事態が発生してしまう。
本実施形態では、レポートページ生成間隔Iを、検査画像の画像サイズ、検査結果レポートページのサイズ及び用紙の搬送間隔に応じて設定することにより、上述したような事態の発生を防ぐ。レポートページ生成間隔Iは、以下の式(9)によって算出することができる。以下の式(9)において、“R”は記憶部104の転送レートを示す。
レポートページ生成間隔I=((検査画像サイズ÷R)+(生成したレポートページサイズ÷R))÷(搬送間隔−((参照画像サイズ÷R)+(読み取り画像サイズ÷R)))×搬送間隔…式(9)
ここで、図27を参照して、検査画像のサイズが検査結果レポートページサイズよりも小さい場合における検査結果レポートの生成間隔の例について説明する。図27は、検査画像のサイズが検査結果レポートページサイズよりも小さい場合における検査結果レポートの生成間隔の例を示す説明図である。
例えば、搬送間隔Ttが600msec、画像検査の対象となる読み取り画像のサイズが36Mbyte(A4の用紙に印字)、検査結果レポートページの元画像のサイズが72Mbyte(A3の用紙に印字)であるとする。また、検査結果レポートページのサイズは、元画像のサイズである72Mbyteに検査結果の情報分の2Mbyteを加算した74Mbyteであり、記憶部104の転送レートは200Mbyte/秒であるものとする。
搬送間隔Ttは、画像形成装置1の毎分の印刷枚数及び印刷する用紙のサイズに基づいて算出することができる。例えば、画像形成装置1が1分間にA4サイズの用紙を100枚印刷する場合には、搬送間隔Ttは、60(秒)÷100(枚)×1000=600(msec)となる。
ここで、参照画像読み出し時間Trf=(36÷200×1000)=180(msec)、検査画像保存時間Twr=(36÷200×1000)=180(msec)であるとする。この場合、記憶部104の未使用時間は、(搬送間隔Tt−参照画像読み出し時間Trf−検査画像保存時間Twr)=600−180−180=240(msec)となる。
また、検査結果レポート生成用の検査画像読み出し時間Trr=(72÷200×1000)=360(msec)であり、レポートページ保存時間Twp=(74÷200×1000)=370(msec)であるとする。この場合、検査結果レポートページを記憶部104の未使用時間に生成した場合に必要となる用紙の搬送回数は、(検査画像読み出し時間Trr+レポートページ保存時間Twp)÷記憶部104の未使用時間=(360+370)÷240≒3.041(回)となる。
そして、レポートページ生成間隔Iは、(検査結果レポートページを記憶部104の未使用時間に生成した場合に必要となる用紙の搬送回数)×(搬送間隔Tt)により算出することが可能であり、(3.041×600)≒1825(msec)となる。つまり、検査結果レポート生成部127は、約1.8秒周期で検査結果レポートページを生成する。搬送間隔は600msecであるため、約用紙3枚画像検査をする間に1回の検査結果レポートページの生成が行われる計算となる。
次に、図28を参照して、検査画像のサイズが検査結果レポートページサイズよりも大きい場合における検査結果レポートの生成間隔の例について説明する。図28は、検査画像のサイズが検査結果レポートページサイズよりも大きい場合における検査結果レポートの生成間隔の例を示す説明図である。
例えば、搬送間隔Ttが1200msec、画像検査の対象となる読み取り画像のサイズが72Mbyte(A3の用紙に印字)、検査結果レポートページの元画像のサイズが36Mbyte(A4の用紙に印字)であるとする。また、検査結果レポートページのサイズは、元画像のサイズである36Mbyteに検査結果の情報分の2Mbyteを加算した38Mbyteであり、記憶部104の転送レートは200Mbyte/秒であるものとする。
搬送間隔Ttは、画像形成装置1の毎分の印刷枚数及び印刷する用紙のサイズに基づいて算出することができる。例えば、画像形成装置1が1分間にA3サイズの用紙を50枚印刷する場合には、搬送間隔Ttは、60(秒)÷50(枚)×1000=1200(msec)となる。
ここで、参照画像読み出し時間Trf=(72÷200×1000)=360(msec)、検査画像保存時間Twr=(72÷200×1000)=360(msec)であるとする。この場合、記憶部104の未使用時間は、(搬送間隔Tt−参照画像読み出し時間Trf−検査画像保存時間Twr)=1200−360−360=480(msec)となる。
また、検査結果レポート生成用の検査画像読み出し時間Trr=(36÷200×1000)=180(msec)であり、レポートページ保存時間Twp=(38÷200×1000)=190(msec)であるとする。この場合、検査結果レポートページを記憶部104の未使用時間に生成した場合に必要となる用紙の搬送回数は、(検査画像読み出し時間Trr+レポートページ保存時間Twp)÷記憶部104の未使用時間=(180+190)/480≒0.77(回)となる。
そして、レポートページ生成間隔Iは、(検査結果レポートページを記憶部104の未使用時間に生成した場合に必要となる用紙の搬送回数)×(搬送間隔Tt)=(0.77×1200)=924(msec)となる。つまり、検査結果レポート生成部127は、約0.9秒周期で検査結果レポートページを生成する。搬送間隔は1200msecであるため、搬送間隔Ttよりも短い間隔で検査結果レポートページの生成が行われる計算となる。
[検査結果レポートページ生成処理]
次に、図29を参照して、本発明の第2の実施形態に係る検査結果レポート生成部127による検査結果レポート生成処理について説明する。図29は、本発明の第2の実施形態に係る検査結果レポート生成部127による検査結果レポート生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、検査結果レポート生成部127は、次の検査結果レポートページの生成待機中か否か判断する(ステップS51)。ステップS51で、次の検査結果レポートページの生成待機中でないと判定された場合(ステップS51がNO判定の場合)、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127の指示に基づいて、現在実行中の画像検査ジョブの用紙の搬送間隔Ttを算出する(ステップS52)。
次いで、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127の指示に基づいて、参照画像読み出し時間Trfを算出する(ステップS53)。次いで、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成部127の指示に基づいて、検査画像保存時間Twrを算出する(ステップS54)。次いで、タイミング決定部128は、レポートページ生成のために使用可能な、記憶部104の未使用時間Tuを算出する(ステップS55)。記憶部104の未使用時間Tuは、上述したように、(搬送間隔Tt)−(参照画像読み出し時間Trf)−(検査画像保存時間Twr)により算出することができる。
次いで、タイミング決定部128は、検査結果レポート生成のための検査画像の読み出し時間Trrを算出する(ステップS56)。次いで、タイミング決定部128は、レポートページ保存時間Twpを算出する(ステップS57)。
次いで、タイミング決定部128は、検査結果レポートページの生成間隔Iを算出する(ステップS58)。検査結果レポートページの生成間隔Iは、上述したように、(検査画像の読み出し時間Trr+レポートページ保存時間Twp)/(記憶部104の未使用時間Tu)×(搬送間隔Tt)により算出することができる。
次いで、検査結果レポート生成部127は、検査結果レポートの生成を行うジョブのステータスを“生成待機中”に変更する(ステップS59)。次いで、検査結果レポート生成部127は、前回レポートページを生成後にレポートページ生成間隔Iに達したか否か判定する(ステップS60)。ステップS51がYES判定の場合、すなわち、検査結果レポートページの生成待機中である場合にも、ステップS60の判定が行われる。
ステップS60がNO判定の場合、検査結果レポート生成部127は検査結果レポートの生成処理を終了する。一方、ステップS60がYES判定の場合、検査結果レポート生成部127は、検査結果レポート生成のための検査画像、及び、検査結果を記憶部104から読み出す(ステップS61)。
次いで、検査結果レポート生成部127は、記憶部104から読み出した検査画像及び検査結果を用いて、検査結果レポートページを生成する(ステップS62)。次いで、検査結果レポート生成部127は、生成した検査結果レポートページを記憶部104に保存する(ステップS63)。次いで、検査結果レポート生成部127は、レポートページの生成待機中状態を解除する(ステップS64)。
上述した第2の実施形態によれば、第1の実施形態により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
[各種変形例]
なお、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、本実施の形態の構成の一部について、他の構成を追加、削除、置換することも可能である。 また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…画像形成装置、10…本体部、30…読取部、40…排紙部、41…排紙制御部、100…制御部、101…画像制御CPU、104…記憶部、112a…第1ページメモリ、112b…第2ページメモリ、112c…第3ページメモリ、113…レポート生成用メモリ、121…画像入力部、123…画像形成部、124…画像読取部、125…画像検査部、127…検査結果レポート生成部、128…タイミング決定部、129…ジョブ一覧表示処理部、130…レポート生成指示部、400…操作表示部

Claims (16)

  1. 記録材に形成された画像を読み取って読み取り画像を生成する読取部と、
    前記読取部で生成された前記読み取り画像と、前記記録材に形成された画像の原画像である参照画像とに基づいて、前記記録材に形成された画像が正常に形成されたか否かを判定する画像検査を行う画像検査部と、
    前記画像検査部で画像検査が行われた前記読み取り画像である検査画像を用いて検査結果レポートを生成する検査結果レポート生成部と、
    前記参照画像、前記検査画像及び前記検査結果レポートが保存される記憶部と、
    前記画像検査部による画像検査の動作と前記検査結果レポート生成部による前記検査結果レポートの生成動作とを時間的に並行して実施する制御を行う制御部と、
    前記画像検査部による画像検査の実施タイミングを遅らせることなく前記検査結果レポートの生成の元となる検査画像を前記記憶部から読み出すことが可能であるタイミング、及び、前記画像検査部による画像検査の実施タイミングを遅らせることなく生成済の前記検査結果レポートを前記記憶部に書き込むことが可能であるタイミングを決定するタイミング決定部と、を備え、
    前記検査結果レポート生成部は、前記タイミング決定部で決定された前記各タイミングに基づいて、前記検査結果レポートの生成又は前記記憶部への保存を実行する
    画像検査装置。
  2. 前記タイミング決定部は、前記画像検査部による前記画像検査が開始されるまでの間に前記参照画像を前記記憶部から読み出すことが可能なタイミングの限界点である参照画像読み出しリミット、前記読取部による画像の読み取りが行われるまでの間に前記検査画像を前記記憶部に保存することが可能なタイミングの限界点である検査結果保存リミット、前記参照画像の前記記憶部からの読み出しに要する時間である参照画像読み出し時間、及び、前記検査画像の前記記憶部への保存に要する時間である検査画像保存時間を算出し、
    前記検査結果レポート生成部は、前記検査画像の前記記憶部からの読み出しを行いたいタイミングから前記参照画像読み出しリミットまでの間の時間内に前記参照画像読み出し時間が収まり、かつ、前記検査画像の前記記憶部からの読み出しを行いたいタイミングから前記検査結果保存リミットまでの間の時間内に前記検査画像保存時間が収まる場合に、前記記憶部から前記検査画像を読み出して前記検査結果レポートの生成を実行し、前記検査結果レポートの前記記憶部への保存を行いたいタイミングから前記参照画像読み出しリミットまでの間の時間内に前記参照画像読み出し時間が収まり、かつ、前記検査結果レポートの前記記憶部への保存を行いたいタイミングから前記検査結果保存リミットまでの間の時間内に前記検査画像保存時間が収まる場合に、生成済の検査結果レポートの前記記憶部への保存を実行する
    請求項1に記載の画像検査装置。
  3. 前記タイミング決定部は、前記記録材が前記読取部の読み取り位置に到達してから次の記録材が前記読み取り位置に到達するまでの時間間隔である搬送間隔、前記参照画像の前記記憶部からの読み出しに要する時間である参照画像読み出し時間、前記読み取り画像の記憶部への保存時間、前記検査画像の前記記憶部からの読み出しに要する時間である検査画像読み出し時間、及び、前記検査結果レポートの前記記憶部への保存に要する時間であるレポートページ保存時間に基づいて、前記検査結果レポート生成部による検査結果レポートページの生成間隔を算出し、
    前記検査結果レポート生成部は、前記タイミング決定部で算出されたレポートページの生成間隔で、前記検査結果レポートページの生成を実行する
    請求項1に記載の画像検査装置。
  4. 前記検査結果レポート生成部は、前記記録材に画像を形成する画像検査装置において画像の形成が行われていない間は、生成間隔を空けずに検査結果レポートを生成する
    請求項1又は2に記載の画像検査装置。
  5. 前記検査結果レポート生成部による前記検査結果レポートの生成中に、前記画像検査装置が電源オフ状態に遷移した場合、前記制御部は、前記画像検査に関する処理を行うデバイスに対してのみ通電を行い、前記検査結果レポート生成部は、生成間隔を空けずに検査結果レポートを生成する
    請求項1又は2に記載の画像検査装置。
  6. 前記制御部は、前記画像検査装置が電源オフ状態に遷移した場合であって、全ページの検査結果レポートの生成が完了した場合には、前記画像検査装置の電源をオフする
    請求項5に記載の画像検査装置。
  7. 前記制御部は、前記画像検査部による画像検査において実行中のジョブが中止された場合、前記検査結果レポート生成部に対して、前記中止されたジョブに対応する検査結果レポートの生成の中止を指示する
    請求項1又は2に記載の画像検査装置。
  8. 前記制御部は、前記画像検査部による画像検査において実行中のジョブが中止された場合、前記検査結果レポート生成部に対して、生成途中の検査結果レポートの削除を指示する
    請求項1又は2に記載の画像検査装置。
  9. 前記制御部は、電源オフ状態への遷移が指示された場合、電源オフ時に検査結果レポートの生成を続けるか否かの選択を入力するためのユーザインタフェースを表示部の画面に表示する制御を行う
    請求項1又は2に記載の画像検査装置。
  10. 前記検査結果レポート生成部は、前記画像検査装置がオンされた場合に、未生成の検査結果レポートジョブが存在する場合は、前記未生成の検査結果レポートジョブに基づいて検査結果レポートの生成を再開する
    請求項1又は2に記載の画像検査装置。
  11. 未生成の検査結果レポートジョブの一覧を生成して表示部に表示させるジョブ一覧表示処理部をさらに備え、
    前記未生成の検査結果レポートジョブの一覧には、前記検査結果レポートジョブ毎のレポートの生成状態が表示される
    請求項1又は2に記載の画像検査装置。
  12. 前記ジョブ一覧表示処理部に対して検査結果レポートの生成を指示する検査結果レポート生成実行指示部をさらに備え、
    前記ジョブ一覧表示処理部は、前記検査結果レポート生成実行指示部から前記検査結果レポートの生成が指示された場合、現在実行中の検査結果レポートの生成を中断し、前記指示されたジョブに基づく検査結果レポートの生成を開始する
    請求項11に記載の画像検査装置。
  13. 前記未生成の検査結果レポートジョブの一覧には、前記検査結果レポートの生成が完成していないジョブにおける検査結果レポートの生成時間及び検査結果レポートの生成完了時刻のうちの、少なくとも一方が表示される
    請求項11に記載の画像検査装置。
  14. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    前記記録材に形成された画像を読み取って読み取り画像を生成する読取部と、
    前記読取部で生成された前記読み取り画像と、前記記録材に形成された画像の原画像である参照画像とに基づいて、前記記録材に形成された画像が正常に形成されたか否かを判定する画像検査を行う画像検査部と、
    前記画像検査部で画像検査が行われた前記読み取り画像である検査画像を用いて検査結果レポートを生成する検査結果レポート生成部と、
    前記参照画像、前記検査画像及び前記検査結果レポートが保存される記憶部と、
    前記画像検査部による画像検査の動作と前記検査結果レポート生成部による前記検査結果レポートの生成動作とを時間的に並行して実施する制御を行う制御部と、
    前記画像検査部による画像検査の実施タイミングを遅らせることなく前記検査結果レポートの生成の元となる前記検査画像を前記記憶部から読み出すことが可能であるタイミング、及び、前記画像検査部による画像検査の実施タイミングを遅らせることなく生成済の前記検査結果レポートを前記記憶部に書き込むことが可能であるタイミングを決定するタイミング決定部と、を有し、
    前記検査結果レポート生成部は、前記タイミング決定部で決定された前記各タイミングに基づいて、前記検査結果レポートの生成又は前記記憶部への保存を実行する
    画像形成装置。
  15. 記録材に形成された画像を読み取って読み取り画像を生成する処理と、
    前記読み取り画像と、前記記録材に形成された画像の原画像である参照画像とに基づいて、前記記録材に形成された画像が正常に形成されたか否かを判定する画像検査を行う処理と、
    前記画像検査が行われた前記読み取り画像である検査画像を用いて検査結果レポートを生成する処理と、
    前記参照画像、前記検査画像及び前記検査結果レポートの記憶部への保存又は読み出しを行う処理と、
    前記画像検査の動作と前記検査結果レポートの生成動作とを時間的に並行して実施する制御を行う処理と、
    前記画像検査の実施タイミングを遅らせることなく前記検査結果レポートの生成の元となる前記検査画像を前記記憶部から読み出すことが可能であるタイミング、及び、前記画像検査の実施タイミングを遅らせることなく生成済の前記検査結果レポートを前記記憶部に書き込むことが可能であるタイミングを決定する処理と、
    前記決定された各タイミングに基づいて、前記検査結果レポートの生成又は前記記憶部への保存を実行する処理と、を有する
    画像検査方法。
  16. 記録材に形成された画像を読み取って読み取り画像を生成する処理と、
    前記読み取り画像と、前記記録材に形成された画像の原画像である参照画像とに基づいて、前記記録材に形成された画像が正常に形成されたか否かを判定する画像検査を行う処理と、
    前記画像検査が行われた前記読み取り画像である検査画像を用いて検査結果レポートを生成する処理と、
    前記参照画像、前記検査画像及び前記検査結果レポートの記憶部への保存又は読み出しを行う処理と、
    前記画像検査の動作と前記検査結果レポートの生成動作とを時間的に並行して実施する制御を行う処理と、
    前記画像検査の実施タイミングを遅らせることなく前記検査結果レポートの生成の元となる前記検査画像を前記記憶部から読み出すことが可能であるタイミング、及び、前記画像検査の実施タイミングを遅らせることなく生成済の前記検査結果レポートを前記記憶部に書き込むことが可能であるタイミングを決定する処理と、
    前記決定された各タイミングに基づいて、前記検査結果レポートの生成又は前記記憶部への保存を実行する処理と、をコンピュータに実行させる
    プログラム。
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