JP2020041902A - 引張試験機における試験片の加熱装置、加熱方法およびその雰囲気調整室形成用の器具 - Google Patents

引張試験機における試験片の加熱装置、加熱方法およびその雰囲気調整室形成用の器具 Download PDF

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Abstract

【課題】試験片をすみやかに昇温、降温させることができ、試験片の周囲を不必要に加熱せず、簡単に雰囲気調整室を構成することができ、汎用性の高いものを提供する。【解決手段】第1ロッド部材5、第2ロッド部材7に保持された試験片Tを取り巻くように、加熱用筒部材10が配設される。加熱用筒部材10を軸方向から挟んで、第1連結用筒部材20および第2連結用筒部材30がセットされて、試験片Tの周囲に密閉空間となる雰囲気調整室Rが構成される。各連結用筒部材20、30は、例えば2つ割とされて、加熱用筒部材10の径方向から組み立て、分解可能とされる。赤外線集光式の加熱装置Hから照射される赤外線が、加熱用筒部材10を透過して試験片Tに集中して照射される。第1連結用筒部材20の除去状態で、加熱用筒部材10を待避位置とすることにより、第1ロッド部材5、第2ロッド部材7が外部に露出される。【選択図】図2

Description

本発明は、引張試験機における試験片の加熱装置、加熱方法およびその雰囲気調整室形成用の器具に関するものである。
引張試験機においては、第1保持部と第2保持部とで保持(チャック)された試験片の引張試験を、試験片を所定の高温温度(例えば数百度〜千数百度)に加熱した状態でもって行うことがある。特許文献1には、試験片の加熱を、試験片を取り巻くように配設された加熱炉でもって行うことが開示されている。
一方、加熱装置として、特許文献2、特許文献3に示すように、赤外線集光式の加熱装置がある。赤外線集光式の加熱装置にあっては、赤外線ランプで発生された赤外線を、適宜形状の反射ミラーで反射させて、赤外線を平行光として照射したり、所定の焦点部位に向けて集光させる態様で照射することが可能である。このような赤外線集光式の加熱装置は、加熱対象物をすみやかに昇温、降温させることができるという利点を有する他、特に所望部位のみを集中して加熱することができるという利点を有する。
特開平10−2847号公報 特開2014−47948号公報 特開2004−303672号公報
ところで、試験片を加熱した状態で引張試験を行う場合は、試験片を、外部と遮断された雰囲気調整室内に位置させた状態とすることが望まれる。すなわち、雰囲気調整室を、不活性ガス(例えばアルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等)で満たすことや真空状態にすることが望まれる。
引張試験機においては、試験片が第1保持部と第2保持部とに跨がって存在することから、特許文献1に記載のように加熱炉を用いる場合は、雰囲気調整室を構成することが難しいものとなる。このため、加熱炉として、発熱体を有する円筒型の電気炉を、周方向において分割された2つ割構造として、試験片の引張方向と直交する方向から2つ割りされた分割電気炉同士を接近させて、円筒状で密閉された状態の電気炉を構成することも考えられる。
しかしながら、このような電気炉は、大きな熱容量を有する断熱部材を用いてある等もあって、昇温速度が遅く(降温速度も遅い)、また試験片以外の部位、特に第1保持部やその周辺部材、および第2保持部やその周辺部材をも不必要に加熱してしまうことになる。以上に加えて、上記円筒型の加熱炉は、引張試験機に固定設置された専用品として構成されることから、簡単には引張試験機から取り外すことができないものであり、汎用性の点でも問題となる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その第1の目的は、すみやかに昇温および降温することができ、試験片の周囲を不必要に加熱することなく、簡単に雰囲気調整室を構成することができ、しかも汎用性の高い引張試験機における試験片の加熱装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に対応した引張試験機における試験片の加熱方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、上記加熱装置あるいは加熱方法に用いて好適な引張試験機における雰囲気調整室形成用の器具を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明による加熱装置にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
第1保持部と第2保持部とで保持された状態で引張される試験片を加熱するための引張試験機における試験片の加熱装置であって、
前記試験片を取り囲むように配設され、透明かつ耐熱性を有する部材により筒状に形成されて加熱用の赤外線が透過される加熱用筒部材と、
前記加熱用筒部材の一端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第1連結用筒部材と、
周方向に分割構成とされた前記第1連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第1締結具と、
前記筒状部材の他端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第2連結用筒部材と、
周方向に分割構成とされた前記第2連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第2締結具と、
前記加熱用筒部材の周囲に配設され、該加熱用筒部材を透過して前記試験片に対して加熱用の集光された赤外線を照射するための赤外線集光式の加熱装置と、
を備え、
前記第1締結具によって筒状体として一体化された前記第1連結用筒部材は、その一端部が前記筒状部材の一端部に気密に係合されると共に、その他端部が前記引張試験機のうち前記第1保持部の基端部側にある第1周囲部材に気密に係合され、
前記第2締結具によって筒状体として一体化された前記第2連結用筒部材は、その一端部が前記筒状部材の他端部に気密に係合されると共に、その他端部が前記引張試験機のうち前記第2保持部の基端部側にある第2周囲部材に気密に係合され、
前記加熱用筒部材と前記第1連結用筒部材と前記第2連結用筒部材との組立体によって、前記試験片を取り巻く密閉空間としての雰囲気調整室が形成され、
前記第1連結用筒部材と前記第2連結用筒部材の一方に前記雰囲気調整室内に連なる雰囲気ガスの流入口が形成されると共に、該第1連結用筒部材と該第2連結用筒部材の他方に該雰囲気調整室内に連なる雰囲気ガスの流出口が形成され、
前記第1連結用筒部材は、前記第1締結具の締結を解除した状態でもって、前記加熱用筒部材および前記第1周囲部材に対して、該加熱用筒部材の径方向から係合および係合解除可能とされ、
前記第2連結用筒部材は、前記第2締結具の締結を解除した状態でもって、前記加熱用筒部材および前記第2周囲部材に対して、該加熱用筒部材の径方向から係合および係合解除可能とされ、
前記第1連結用筒部材が存在しない状態で、該加熱用筒部材が前記第1保持部の基端部側に向けて移動された待避位置をとることにより、前記第1保持部と前記第2保持部とに対して外部からアクセス可能とされる、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、次のような種々の効果を奏する。
(1)加熱用筒部材と2つの連結用筒部材とにより、第1保持部と第2保持部とに保持された試験片を囲む雰囲気調整室を、簡単に構成することができる。
(2)各連結用筒部材を構成する分割部材を、加熱用筒部材の径方向から接近、離間させることによって、各連結用筒部材の組み立てと分解とを容易に行うことができる。
(3)加熱用筒部材を待避位置としておくことより、試験片の両保持部への取付け取外しとを容易に行うことができる。
(4)赤外線集光式の加熱装置によって、試験片の周囲を不必要に加熱することなく試験片を集中的に加熱でき、試験片の昇温および降温もすみやかに行うことができる。
(5)各連結用筒部材は、引張試験機のうち両周囲部材の形状に対応させて気密に係合できる構造に設定するだけで、種々の引張試験機に対応することができ、汎用性の高いものとなる。また、加熱用筒部材、両連結用筒部材を用いないことにより、加熱しない引張試験を行うこともできる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、次のとおりである。すなわち、
前記第1周囲部材が、前記第1保持部の基端部側において引張試験機に装備された第1治具とされ、
前記第2周囲部材が、前記第2保持部の基端部側において引張試験機に装備された第2治具とされている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、治具を利用して、各連結用筒部材の引張試験機に対する気密な係合を容易かつ確実に得る上で好ましいものとなる。特に、種々の引張試験機に対応した治具を用意するだけで、加熱用筒部材や両連結用筒部材を共通用として使用するようにする上で好ましいものとなる。
前記第1保持部が前記第2保持部の真下に位置されて、前記試験片が上下方向に引張されるように設定されると共に、前記第1連結用筒部材が下方側で前記第2連結用筒部材が上方側に位置されており、
前記待避位置にある前記加熱用筒部材が、前記引張試験機のうち前記第1保持部の基端部側の部位に対して着座した状態とされる、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、引張試験機として一般的な上下方向に試験片を引張する場合に対応したものとなる。また、待避位置にある加熱用筒部材を、引張試験機に安定して保持させておく上で好ましいものとなる。
前記第1連結用筒部材は、径方向に2つ割りとされた2分割構成とされ、
前記第2連結用筒部材は、径方向に2つ割りとされた2分割構成とされている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、各連結用筒部材を最小限の2つ割として、構造の簡単化の上で、また組み立てや分解を容易に行えるようにする上で好ましいものとなる。
前記第1連結用筒部材のうち前記加熱用筒部材への係合部付近に、第1冷却水通路が形成され、
前記第2連結用筒部材のうち前記加熱用筒部材への係合部付近に、第2冷却水通路が形成されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、加熱した状態で引張試験を行う際に、加熱用筒部材10と各連結用筒部材20、30との各係合部位(特にシール部材28、38)を冷却水によって冷却して、この係合部位のシール性が悪化してしまうことを防止することができる。
前記第1連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第1分割部材と第2分割部材との2分割構成とされて、該第1分割部材と該第2分割部材とにそれぞれ独立して前記冷却水路が形成されると共に、該第1分割部材の冷却水通路と該第2分割部材との冷却水通路とが第1連通路によって連通されており、
前記第2連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第3分割部材と第4分割部材との2分割構成とされて、該第3分割部材と該第4分割部材とにそれぞれ独立して前記冷却水路が形成されると共に、該第3分割部材の冷却水通路と該第4分割部材との冷却水通路とが第2連通路によって連通されている、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、第1連結用筒部材および第2連結用筒部材共に、それを構成する2つの分割部材に順次冷却水が流れるようにして、2つの分割部材を極力均等に冷却する上で好ましいものとなる。また、外部の配管系統を簡略化する上でも好ましいものとなる。
前記第1分割部材の冷却水通路と前記第2分割部材の冷却水通路との一方が、前記第3分割部材の冷却水通路と前記第4分割部材の冷却水通路の一方に対して、第3連通路を介して連通されている、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、両連結用筒部材を構成する合計4つの分割部材を順次冷却水が流れるようにして、外部の配管系統を簡略化する上で極めて好ましいものとなる。
前記第1連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記第1周囲部材への係合部位とシールする複数のシール部材を保持しており、
前記第2連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記第2周囲部材への係合部位とをシールする複数のシール部材を保持してをシールするシール部材を保持している、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、両連結用筒部材を加熱用筒部材および引張試験機に対して組みつける作業を行った際に、自動的に必要部位のシールを行うことができる(気密確保のための作業を別途要しない)。
前記加熱用筒部材が、透明な石英ガラス管によって構成され、
前記第1連結用筒部材および前記第2連結用筒部材が、それぞれ鉄系金属によって形成されている、
ようにしてある(請求項9対応)。この場合、透明な石英ガラス管を利用して、加熱用筒部材を簡単に構成することができる。また、各連結用筒部材を、耐熱性を有すると共に加工が容易な鉄系金属により形成することにより、加熱用筒部材や引張試験機側への係合部位に対応した形状を容易に得る等の上で好ましいものとなる。
前記目的を達成するため、本発明における加熱方法にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項10に記載のように、
第1保持部と第2保持部とで保持された状態で引張される試験片を加熱するための引張試験機における試験片の加熱方法であって、
透明かつ耐熱性を有する部材により筒状に形成されて加熱用の赤外線が透過される加熱用筒部材を、前記第1保持部に対してこれを取り巻くように嵌合させつつ、引張試験機のうち該第1保持部の基端部側にある第1周囲部材側に移動させた待避位置として、該第1保持部と前記第2保持部とを外部に露出した状態とする第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記第1保持部と前記第2保持部によって試験片を保持させる第2ステップと、
前記第2ステップの後に、前記待避位置にある前記加熱用筒部材を前記試験片を取り巻く位置に移動させた状態で、周方向に分割構成とされた第1連結用筒部材を該加熱用筒部材と前記第1周囲部材との間に位置させて、第1締結具でもって該第1連結用筒部材を筒状体として一体化させると共に、該第1連結用筒部材を該加熱用筒部材および前記第1周囲部材に対してそれぞれ気密に係合させることにより、該加熱用筒部材の一端部側が該第1連結用筒部材によって気密に施蓋された状態とする第3ステップと、
前記第2ステップの後に、前記待避位置にある前記加熱用筒部材を前記試験片を取り巻く位置に移動させた状態で、周方向に分割構成とされた第2連結用筒部材を、該加熱用筒部材と引張試験機のうち前記第2保持部の基端部側にある第2周囲部材との間に位置させて、第2締結具でもって該第2連結用筒部材を筒状体として一体化させると共に、該第2連結用筒部材を該加熱用筒部材および該第2周囲部材に対してそれぞれ気密に係合させることにより、該加熱用筒部材の他端部側が該第2連結用筒部材によって気密に施蓋された状態とする第4ステップと、
前記第3ステップおよび前記第4ステップの後に、前記加熱用筒部材の周囲に配設された赤外線集光式の加熱装置によって、集光された赤外線を前記加熱用筒部材を透過して前記試験片に対して照射して該試験片を加熱する第5ステップと、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、実質的に請求項1に対応した加熱方法を提供することができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、次のとおりである。
前記5ステップにおいて前記試験片の加熱が行われている際に、第1連結用筒部材のうち前記加熱用筒部材に対する係合部位と、前記第2連結用筒部材のうち該加熱用筒部材に対する係合部位とを、それぞれ冷却水でもって冷却する第6ステップと、をさらに備えているようにしてある(請求項11対応)。この場合、請求項5に対応した加熱方法を提供することができる。
前記第3ステップおよび前記第4ステップの後でかつ前記第5ステップの前に、前記加熱用筒部材と前記第1連結用筒部材と前記第2連結用筒部材とで囲まれる密閉空間としての雰囲気調整室内に雰囲気ガスを供給するか又は真空状態とする第7ステップと、をさらに有している、ようにしてある(請求項12対応)。この場合、試験片を加熱する際に、試験片の周囲を所望の雰囲気状態として、例えば試験片の酸化等を防止したり、引張試験を精度よく行う等の上で好ましいものとなる。
前記第1ステップの前に、前記第1周囲部材を構成する第1治具と前記第2周囲部材を構成する第2治具とを引張試験機に装着する第8ステップをさらに備えている、ようにしてある(請求項13対応)。この場合、種々の引張試験機に対応した治具を用いることにより、雰囲気調整室を容易に形成することができる。
前記目的を達成するため、本発明における雰囲気調整室形成用の器具にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項14に記載のように、
引張試験機における第1保持部と第2保持部とで保持された試験片を囲む密閉空間としての雰囲気調整室を形成するための雰囲気調整室形成用の器具であって、
試験片を取り囲むために筒状に形成され、透明かつ耐熱性を有する部材により構成されて加熱用の赤外線が透過される加熱用筒部材と、
前記加熱用筒部材の一端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第1連結用筒部材と、
周方向に分割構成とされた前記第1連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第1締結具と、
前記筒状部材の他端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第2連結用筒部材と、
周方向に分割構成とされた前記第2連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第2締結具と、
を有し、
前記第1連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記引張試験機のうち前記第1保持部の基端部側にある第1周囲部材への係合部位とをシールするための複数のシール部材を保持しており、
前記第2連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記引張試験機のうち前記第2保持部の基端部側にある第2周囲部材への係合部位とをシールするための複数のシール部材を保持している、
ようにしてある。上記解決手法によれば、加熱用筒部材と2つの連結用筒部材とを組み立てることにより、密閉空間とされた雰囲気調整室を簡単に形成することができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、次のとおりである。
前記第1連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第1分割部材と第2分割部材との2分割構成とされて、該第1分割部材と該第2分割部材とには前記加熱用筒部材に対する係合部位に対応した位置においてそれぞれ独立して冷却水路が形成され、
前記第2連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第3分割部材と第4分割部材との2分割構成とされて、該第3分割部材と該第4分割部材とに前記加熱用筒部材に対する係合部位に対応した位置においてそれぞれ独立して冷却水路が形成され、
前記各分割部材に形成された各冷却水通路がそれぞれ、冷却水の入口用と出口用との2つの接続口を有している、
ようにしてある(請求項15対応)。この場合、各連結用筒部材の分割を最小限の2つとして部品点数を極力少なくする上で好ましいものとなる。また、シール性が重要となる加熱用筒部材と各連結用筒部材との係合部位を、冷却水によって確実に冷却することができる。さらに、各分割部材に形成された冷却水通路は、それぞれ流入口と流出口とを有するので、冷却水の流れをどのように設定するかの自由度も高いものとなる。
前記第1周囲部材を構成するために、前記第1保持部の基端部側において引張試験機に装備される第1治具と、
前記第2周囲部材を構成するために、前記第2保持部の基端部側において引張試験機に装備される第2治具と、
をさらに備えているようにしてある(請求項16対応)。この場合、治具を用いて、種々の引張試験機に対応して雰囲気調整室を容易に構築することができる。また、加熱用筒部材や両連結用筒部材を、種々の引張試験機の間で極力共通化して使用できるようにする上でも好ましいものとなる。
前記加熱用筒部材が、透明な石英ガラス管によって構成され、
前記第1連結用筒部材および前記第2連結用筒部材が、それぞれ鉄系金属によって形成されている、
ようにしてある(請求項17対応)。この場合、透明な石英ガラス管を利用して、加熱用筒部材を簡単に構成することができる。また、各連結用筒部材を、耐熱性を有すると共に加工が容易な鉄系金属により形成することにより、加熱用筒部材や引張試験機側への係合部位に対応した形状を容易に得る等の上で好ましいものとなる。
本発明による加熱装置によれば、すみやかに昇温および降温することができ、試験片の周囲を不必要に加熱することなく、簡単に雰囲気調整室を構成することができ、しかも汎用性の高いものを提供することができる。また、本発明による加熱方法によれば、上記加熱装置に対応した加熱方法を提供することができる。さらに、本発明による雰囲気調整室形成用の器具によれば、既存の引張試験機に対して簡単に雰囲気調整室を構成することができ、また雰囲気調整室の設置や除去も容易である。
本発明が適用される引張試験機の要部を示す簡略側面図。 本発明によって試験片を加熱する状態を示すもので、図1の左方から見たときに相当する組立図。 雰囲気調整室の詳細を示すもので、半割された連結用筒部材の一方の分割部材を除去して、他方の分割部材の分割面が現れた状態を示す一部断面側面図。 図3のX4−X4線相当断面図。 図3のX5−X5線相当断面図。 冷却水通路の構成例を示す要部断面図。 冷却水通路同士の接続例を示す図。 赤外線集光式の加熱装置の一例を簡略的に示す側面断面図。 図8に示す加熱装置の先端部の様子を上方から見た図。 引張試験機に対して加熱用筒部材を待避位置にセットした状態を示す図。 図10の状態から引張試験機に試験片をセットした状態を示す図。
図1において、引張試験機Sは、大別して、ベース部材1と、ベース部材1から一体的に上方へ延びる支柱部材2と、支柱部材2に形成されたヘッド部材3と、を有する。
ベース部材1の上面には、外周形状が円形とされた第1治具4が装着されている(例えばボルト等の固定具による固定)。この第1治具4を、第1ロッド部材5が上下方向に摺動可能に貫通している。第1ロッド部材5の上端部に、試験片Tの下端部が固定される第1保持部5aが構成されている。なお、第1治具4は、下側の大径部4aと上側の小径部4bとして構成されている。
ヘッド部材3の下面には、外周形状が円形の第2治具6が装着されている(例えばボルト等の固定具による固定)。この第2治具6を摺動可能に貫通して、第2ロッド部材7が下方に向けて延びている。この第2ロッド部材7は、第1ロッド部材5と同軸上に位置するように設定されている。そして、第2ロッド部材7の下端部に、試験片Tの上端部を保持する第2保持部7aが構成されている。なお、第1治具4と第2治具6とは、鉄系金属(実施形態ではステンレス鋼)によって筒状に形成されている。
第1保持部5aと第2保持部7aとで試験片Tを保持した状態で、第2ロッド部材7を図示を略すアクチュエータによって引張することにより、第2保持部7aが上方に向けて変位されて、試験片Tが引張される(引張試験の実行)。また、引張試験の際には、あらかじめ試験片Tが所定温度にまで加熱されるが、このために、図1中一点鎖線で示すように、試験片Tを取り巻く密閉構造の雰囲気調整室Rが構成される。
図2は、上記雰囲気調整室Rを構成しつつ、試験片Tを加熱するための装置が示される。雰囲気調整室Rは、大別して、試験片Tを取り巻く筒状(実施形態では円筒状)の加熱用筒部材10と、第1連結用筒部材20と、第2連結用筒部材30と、によって構成されている。加熱用筒部材10は、透明で耐熱性を有する部材によって筒状に形成されている(実施形態では透明な石英ガラスによって形成された石英管とされている−例えば外径80mmで、長さが200mm)。この加熱用筒部材10は、赤外線が透過可能である。また、各連結用筒部材20、30は、鉄系金属(実施形態ではステンレス鋼)によって形成されている。
第1連結用筒部材20は、その上端部が、加熱用筒部材10の下端部外周に気密に嵌合される。また、第1連結用筒部材20の下端面が、第1保持部5aの周辺部材となる第1治具4(における大径部4a)の上面に気密状態で当接される。
第2連結用筒部材30は、その下端部が、加熱用筒部材10の上端部外周に気密に嵌合される。また、第2連結用筒部材30の上端部が、第2保持部7aよりも上方位置において、第2治具6の外周に気密状態で嵌合される。
加熱用筒部材10の下端部側が、第1連結用筒部材20(および第1治具4)を用いて気密に施蓋される一方、加熱用筒部材10の上端部側が第2連結用筒部材30(および第2治具6)を用いて気密に施蓋される。このようにして、試験片Tの周囲には、加熱用筒部材10と第1連結用筒部材20と第2連結用筒部材30とによって、外部を遮断された密閉空間としての雰囲気調整室Rが構成される。
第1連結用筒部材10および第2連結用筒部材30は、周方向に2つ割とされている。これにより、各連結用筒部材20、30は、加熱用筒部材10の径方向から、筒状体として組立てることができ、また分解することができる。なお、図2では図示を略すが、各連結用筒部材20、30は、図2に示す組立体状態では、締結具によって筒状体を維持するように締結されている。
第1連結用筒部材20は、第2連結用筒部材30よりも十分に長く形成されている。そして、第1連結用筒部材20は、下側の第1部材20Aと上側の第2部材20Bとの2分割構成とされている(長手方向となる上下方向に2分割構成)。勿論、第1部材20Aと第2部材20Bとは、それぞれ周方向に2つ割とされている。そして、周方向に分割された第1部材20Aと第2部材20Bとは、周方向において対応した位置にある分割された部材同士が、締結具20C(図3参照)によって一体化されている。
加熱用筒部材10の周囲には、赤外線集光式の加熱装置Hが配設される。実施形態では、加熱装置Hは、試験片Tを挟んで左右一対設けられている。この加熱装置Hは、保持スタンド50を介して、引張試験機Sのベース部材1に保持されている。なお、一方の保持スタンド50は、高さ調整のために、ラボジャッキ51上に設置されている。
第1連結用筒部材20には、温度センサ取付部41が構成されると共に、ガス流入側の接続具42が取付けられている。温度センサ取付部41は、例えば温度センサとしての熱電対が気密に取付けられている。この熱電対によって、雰囲気調整室R内に配設された試験片Tの温度が検出される。また、接続具42は、雰囲気ガスの供給用配管(図示略)が接続されるもので、この接続具42を介して、雰囲気調整室R内に雰囲気ガスが供給可能とされる。
第2連結用筒部材30には、ガス流出側の接続具43が取付けられている。この接続具43は、雰囲気ガスの排出用配管(図示略)が接続されるもので、この接続具43を介して、雰囲気調整室R内の雰囲気ガスが外部へ排出可能とされる。なお、図3では、温度センサ取付部41、各接続具42、43は、周方向にずれた位置にあって紙面背面側に位置されているため、一点鎖線でもって示してある。
なお、雰囲気調整室Rに供給される不活性ガスとしては、例えばアルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等がある。また、雰囲気調整室R内を真空状態にすることもでき、この場合は、接続具42と43の一方を閉塞して、他方から真空引きすればよい。
赤外線集光式の加熱装置Hによって、試験片Tに対して加熱用の赤外線を照射することにより、試験片Tがすみやかに加熱される。例えば、1つの加熱装置Hは、赤外線ランプ(赤外線発生源)として100V、30Aの規格のもの用いることができる。そして、赤外線ランプで発生された赤外線を例えばステンレス製の回転楕円ミラーで反射させて、赤外線を集光させて、試験片Tに照射することができる。このような加熱装置Hによって、室温状態にある試験片Tを、約1分で1400℃まで昇温させることができる。
赤外線集光式の加熱装置Hは、その反射ミラーの形状等の選択によって、赤外線を集光させるばかりでなく、1つの焦点に向かうように集光させることもできる。この場合、焦点に向けて集光される赤外線をさらに透明な石英ガラス管等によって所望位置に向けて指向(案内)させることもできる。なお、赤外線集光式の加熱装置Hについては後述するが、その基本的な構造は、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。
次に、雰囲気調整室Rを構成する部材について、図3〜図7を参照しつつ説明する。まず、図3は、各連結用筒部材20、30の2つ割面に沿った図であり、加熱用筒部材10は断面として示されるが、各連結用筒部材20、30はその2つ割り面(2つ割された部材の合わせ面)が示される。
第1連結用筒部材20は、図5に示すように、その径方向中心を通る線を境に分割された半円弧状の第1分割部材21と第2分割部材22との2つ割り構造とされている。そして、互いに分割面(合わせ面)同士を重ね合わせることにより、筒状体としての第1連結用筒部材20が組み立てられる。第1連結用筒部材20として組み立てられた2つの分割部材21と22の外周に、略半円弧状の一対の締結リング23が巻回される。そして、この一対の締結リング23同士を、ボルト、ナットからなる固定具24でもって締結することにより、第1分割部材21と第2分割部材22とが強固に一体化された第1連結用筒部材20が構成される。
上記締結リング23と固定具24とが、第1締結具を構成する。なお、第1連結用筒部材20を構成する第1部材20Aと第2部材20Bとのそれぞれに対して、上記締結リング23と固定具24とが設けられている(図3参照)。
図4に示すように、第1連結用筒部材20を構成する第1分割部材21と第2分割部材22とが、精度よく組み立てられるように、その一方の分割面(合わせ面)に位置決め突起部25が突出形成される一方、他方の分割面に位置決め突起部25ががたつきなく嵌合される位置決め凹部26が形成されている。
第1分割部材21と第2分割部材22との分割面をシールするために、少なくとも一方の分割部材に、シール部材27が保持されている(特に図4、図5参照)。このシール部材27は、上記分割面に露出していて、この分割面に沿ってそのほぼ全長に渡って細長く延びるように配設されている(図3参照)。このシール部材27によって、第1分割部材21と第2分割部材22との合わせ面がシールされる。なお、シール部材27は、実施形態では、断面方形の角リングを利用して構成されている。なお、シール部材27は、分割部材21と22とのいずれか一方のみに保持させてもよく、また両方に保持させておくこともできる。
第1連結用筒部材20の上端部には、加熱用筒部材10の下端部に対する嵌合部位のシールするために、シール部材28が保持されている。このシール部材28は、各分割部材21、22の内面に露出するようにして、各分割部材21、22に保持されている(シール部材28は、略半円弧状の形状)。なお、シール部材28は、実施形態では、断面円形のOリングを利用して構成されている。
第1連結用筒部材20の下面には、引張試験機S(における第1治具4の大径部4a)に対する当接部位をシールするために、シール部材29が保持されている。このシール部材29は、各分割部材21、22の下面に露出するようにして、各分割部材21、22に保持されている(シール部材29は、略半円弧状の形状)。なお、シール部材29は、実施形態では、断面円形のOリングを利用して構成されている。
ここで、第1連結用筒部材20を、その長手方向に分割した第1部材20Aと第2部材20Bで構成することにより、その一方の部材の長さを変更することにより、第1連結用筒部材20の長さ調整を行うことができる(引張試験機Sに応じた長さ変更)。なお、第1部材20Aと第2部材20Bとの間の分割面(合わせ面)には、シール部材19(シール部材28、29と同様のシール部材)が介在される(図3参照)。
第2連結用筒部材30は、第1連結用筒部材20と同様に、その径方向中心を通る線を境に分割された第3分割部材31と第4分割部材32との2つ割り構造とされている(図7参照)。そして、互いに分割面(合わせ面)同士を重ね合わせることにより、筒状体としての第2連結用筒部材30が組み立てられる。第2連結用筒部材30として組み立てられた2つの分割部材31と32の外周に、略半円弧状の一対の締結リング33が巻回される。そして、この一対の締結リング33同士を、ボルト、ナットからなる固定具(図示略で、24相当)でもって締結することにより、第3分割部材31と第4分割部材32とが強固に一体化された第2連結用筒部材30が構成される。上記締結リング33と固定具とが、第2締結具を構成する。
第2連結部材30は、長さや形状が第1連結用筒部材20とは異なるものの、実質的にほぼ同様な構造が採択されている。すなわち、分割部材31と32との位置決め用の突起部35(25相当)およびこれが嵌合される凹部(26相当で、図示略)を有する。
また、第2連結用筒部材30は、分割部材31と32との合わせ面をシールするシール部材37(図3参照)を保持している。このシール部材37は、分割部材31と32とのいずれか一方のみに保持させてもよく、また両方に保持させておくこともできる。
また、図3に示すように、第2連結用筒部材30は、加熱用筒部材10に対する嵌合部位をシールするシール部材38と、第2保持部7aの周辺部材としての上ロッド部7に対する嵌合部位をシールするシール部材39を保持している。各シール部材38、39は、それぞれ略半円弧状とされて、各分割部材31、32に保持されている。各シール部材37〜39は、断面方形の角リングを用いることができる。
なお、加熱用筒部材10は、各連結用筒部材20、30の端部に形成された段付き形状部位に嵌合されて、各連結用筒部材20、30に対して所定以上深く嵌合されることが規制されている。また、加熱用筒部材10の端面位置において、例えばテフロン(登録商標)リングからなる緩衝部材11が介在されて、相対的に脆い加熱用筒部材10に対して、連結用筒部材20、30が軸方向から直接接触することが防止されている。この緩衝部材11は、あらかじめ加熱用筒部材10に対して固定しておくこともできる。
第1連結用筒部材20の上端部、つまり加熱用筒部材10への嵌合部位付近には、冷却水通路60が形成されている。この冷却水通路60は、各分割部材21と22とに個々独立して形成されている。実施形態では、図6に示すように、分割部材21(22)の側面に形成された溝部61に、断面略コ字状の金属板からなる蓋部材62を液密に嵌合一体化することにより形成されている。上記溝部61は、分割部材21(22)の外周に沿って略半円弧状に長く伸びている。そして、溝部62の周方向の各端部が、蓋部材62によって閉塞されている。
第2連結用筒部材30のうち、加熱用筒部材10への嵌合部位付近にも、第1連結用筒部材20に形成された冷却水通路60と同様の構造の冷却水通路60が形成されている(各分割部材31と32とに個々独立して形成)。
冷却水通路60は、第1連結用筒部材20における2つの分割部材21、22と、第2連結用筒部材30における2つの分割部材31、32との合計4箇所に、個々独立して形成された形態となっている。図7に示すように、この4つの独立した冷却水通路が、配管71、72、73を介して、1本の冷却水通路として構成される。第1分割部材21の冷却水通路を符号65A、第2分割部材22の冷却水通路を符号65B、第3分割部材31の冷却水通路符号65C、第4分割部材32の冷却水通路を符号65Dとして示す。各分割部材21、22、31、32には、それぞれ接続口(接続具)65A1、65A2、65B1、65B2、65C1、65C2、65D1、65D2が構成されている。
下側に位置する第1分割部材21と22の接続口65A2と65B1とが配管71によって接続されている。また、上側に位置する第3分割部材31と第4分割部材32との接続65C2と65D1とが、配管72によって接続されている。さらに、下側に位置する第2分割部材22の接続口65B2と、上側に位置する第3分割部材31の接続口65C1とが、配管73によって接続されている。
下側に位置する第1分割部材21の接続口65A1に、冷却水の供給配管(図示略)が接続されて、ここから冷却水が供給される。接続口65A1から供給された冷却水は、冷却水通路65A(第1分割部材21)、配管71、冷却水通路65B(第2分割部材22)、配管73、冷却水通路65C(第3分割部材31)、配管72、冷却水通路65D(第4分割部材32)を順次流れて、接続口65D2に接続された戻り管(図示略)を介して、外部へと排出される。このように、冷却水による冷却が、下側の分割部材21、22を順次冷却した後、上側に移動して、上側の分割部材31、32を順次冷却することになる。
次に、赤外線集光式の加熱装置Hの一例について、図8、図9を参照しつつ説明する。まず、加熱装置Hは、大別して、本体部100と、本体部100の先端面に結合された補助ミラー部110と、を有する。
本体部100は、中空状とされて、先端面に開口部を有している。本体部100内には、赤外線を発光する赤外線ランプ111が配設されている。本体部100の内面は、反射ミラー110aとされている。反射ミラー100aの形状は、実施形態では回転楕円形に沿う形状としてあるが、これに限定されるものではない。赤外線ランプ111で発光された赤外線は、反射ミラー100aで反射されて、集光された状態で本体部100の先端面側へと照射される。
補助ミラー部110は、中空状とされて、その基端部と先端部とがそれぞれ開口されている。補助ミラー部110の後端部の開口部が、本体部100の先端部の開口部と連通されている。補助ミラー部110の内面は、反射ミラー110aとされている。反射ミラー110aは、実施形態では、回転楕円形に沿う形状としてあるが、これに限定されるものではない。この反射ミラー110aは、本体部110の反射ミラー100aと滑らかに連なっている。
図9に示すように、補助ミラー110の先端部には、上方から見たときに、略円弧状に切りかかれた凹部110bが形成されている。この凹部110b内に、加熱用筒部材10の周方向の一部が嵌合される。これにより、補助ミラー部110の先端面を加熱用筒部材10の外周面に当接あるいは近接した位置として、本体部100の先端面が極力試験片Tに接近した位置をとり得るようになっている。なお、図2においては、補助ミラー部110のうち、加熱用筒部材10とオーバラップする部位を一点鎖線でもって示してある。
本体部100から照射される集光された赤外線は、補助ミラー部110によってさらに集光されて、試験片Tのうち、その長手方向中間部に集中して照射される。試験片Tのうち、赤外線が照射される範囲が、図8、図9中ダブルハッチングを付して示される。より具体的には、加熱装置Hからの赤外線は、試験片Tの位置では、ほぼ直径15mm程度の円形の範囲に集光される。このように、赤外線が試験片T(特に長手方向中間部)に集中して照射されることから、試験片Tを短時間のうちに極めて高温まで昇温させることができると共に、試験片Tの近くに位置する部材(例えば保持部5a、7a等)を不必要に加熱してしまうことが防止される。
ここで、赤外線ランプ111は、保持ロッド112に保持されている。保持ロッド112は、本体部100に対して図8左右方向に摺動可能に保持されて、本体部100の外部にまで延びている。この保持ロッド112は、連動機構113を介して、本体部100に螺合されたねじ部材114に連結されている。ねじ部材114を正逆回転操作することにより、保持ロッド112つまり赤外線ランプ111が、が図8中左右方向に変位される。このような赤外線ランプ111の位置調整によって、赤外線の集光位置(集光される焦点位置)を調整することが可能である。なお、加熱装置Hとしては、本体部100のみを有して、補助ミラー部110を有しない形式とすることも可能である。
次に、雰囲気調整室Rを構成する手順を含めて、試験片Tを加熱する手順について説明する。まず、試験片Tが保持部5aに保持されていない初期状態において、あらかじめ第1治具4と第2治具6とが、引張試験機Sに装着される。この後、図10に示すように、加熱用筒部材10を緩衝部材11と共に、第1ロッド部材5を取り巻くように嵌合させつつ、下方へ移動させて、第1治具4(における大径部4a)の上面に着座させる。この図10に示す状態が、加熱用筒部材10が待避位置にある状態を示し、各保持部5a、7aが外部に露出した状態とされる。
図10の後、図11に示すように、各保持部5a、7aに対して試験片Tを取付ける。この後、待避位置にある加熱用筒部材10を上方に移動させて(図11中矢印Y1参照)、加熱用筒部材10の下方において、第1連結用筒部材20構成用の分割部材21、22を加熱用筒部材10の径方向内方側に向かうように接近させて(図11中矢印Y2参照)、締結リング23を利用して第1連結用筒部材20を組み立てる。同様に、加熱用筒部材10の上方において、第2連結用筒部材30の構成用の分割部材31、32を加熱用筒部材10の径方向内方側に向かうように接近させて(図11中矢印Y3参照)、締結リング33を利用して筒状体として組み立てる。
なお、第1連結用筒部材20の組み立てと第2連結用筒部材30の組み立てとは、どちらを先に行ってもよい。ただし、第1連結用筒部材20の組み立てを先に行うのが、第1連結用筒部材20によって加熱用筒部材10の上下位置を維持した状態(加熱用筒部材10を支承した状態)でもって、第2連結用筒部材30の組み立てを行うことが可能となり、好ましいものである。
加熱用筒部材10と各連結用筒部材20、30とを組み立てた後は、各分割部材21、22、31、32の冷却水通路60(65A〜65D)に対して、冷却水用配管71〜73を接続すると共に冷却水供給配管と冷却水排出配管とを接続し、さらに加熱用筒部材10の周囲に加熱装置Hを配設すればよい。
以上で引張試験の準備が完了である。この後は、必要に応じて、雰囲気調整室R内に雰囲気ガスが供給されるか、あるいは雰囲気調整室R内が真空引きされた真空状態とされる。
この後、加熱装置Hにより試験片Tに対して赤外線を集中して照射することにより、試験片Tを所定温度まで加熱する。加熱装置Hから照射される集光された赤外線は、試験片Tのうち長手方向中間部(引張によって破断が想定される位置)に集中して照射されて、保持部5a、7aやその付近の部材を不必要に加熱することがない。このため、試験片Tを所望温度まで加熱するのに要する時間が短くてすむことになる。少なくとも試験片Tを加熱している間は、図7に示す態様で冷却水が流されて、加熱用筒部材10と各連結用筒部材20、30との各係合部位(に配設されたシール部材28、38)が十分に冷却されて、シール性が低下することが防止される。
引張試験終了後は、加熱装置Hは、電源オフにより試験片Tへの赤外線の放射が即時停止されて、すみやかに降温される。また、加熱装置Hによる加熱はもっぱら試験片Tの長手方向中間部に対して集中して行われることと、冷却水による冷却とによって、シール部材28、38のみならず、雰囲気調整室Rを構成する部材(特に10、20、30)、各保持部5a、7aやその周辺部材の温度は低温に維持される。このことは、引張試験済みの試験片Tの取出しまでの時間を短くすることができ、また新たな試験片Tによる引張試験の開始を早めるという点で好ましいものとなる。
引張試験の終了後は、雰囲気調整室Rを組み立てたときとは逆の手順で、雰囲気調整室Rを構成する部材を除去すればよい。すなわち、雰囲気調整室R内を大気状態に復帰させると共に、冷却水の循環を停止する。この後、第2連結用筒部材30を分解除去すると共に第1連結用筒部材20を分解除去する。この後、加熱用筒部材10を待避位置に待避させて、試験終了済みの試験片Tを保持部5a、7aから取外す。この後、加熱用筒部材10を緩衝部材11と共に除去すればよい。なお、第1治具4と第2治具6は、次の加熱方式の引張試験に備えて、そのまま引張試験機Sに装着したままとされる(治具4、6は、引張試験機Sで試験片Tの加熱を行わないこととなった場合にのみ取り外せばよい)。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。
(1)赤外線集光式の加熱装置Hは、1台のみあるいは3台以上設置することもできる。
(2)第1連結用筒部材20は、長手方向に分割しないようにすることもできる。
(3)第1連結用筒部材20と第2連結用筒部材30との間で冷却水が流れないようにすることもできる(第1連結用筒部材20用の冷却水通路と、第2連結用筒部材30用の冷却水通路とを独立して構成)。
(4)試験片Tの引張方向は、上下方向に限らず、水平方向であってもよい(第1保持部5aと第2保持部7aとを結ぶ軸線が水平方向に延びる形態)。また、第2保持部7aが可動されることにより(第1保持部5aが固定)、試験片Tを引張するものであってもよい。
(5)第1連結用筒部材20と第2連結用筒部材30とは、周方向に3個以上の分割構成とすることも可能である。もっとも、部品点数の削減やその組み立て、分解を容易にする上で2分割とするのが好ましいものである。また、各分割部材21、22、31、32にそれぞれ、例えば締結用のフランジ部を形成して、この富士部同士をボルト等の固定具でもって固定することにより、別途締結リング23、33を用いないようにすることもできる。
(6)第1連結用筒部材20を第1治具4の外周に嵌合させて、この嵌合部位で気密にシールを行うようにすることもできる。
(7)第1治具4と第2治具6との少なくとも一方を用いないようにすることもできる(連結用筒部材20あるいは30を、引張試験機Sに対して直接的に気密に係合させる)。この場合は、引張試験機Sに対する連結用筒部材20、30の係合構造を、引張試験機Sのうち治具4または6が装着されるべき部位の形状等に応じて形成すればよい。なお、引張試験機Sのうち、第1連結用筒部材20と第2連結用筒部材30とが気密に係合される部位は、固定部位(変位しない部位)であれば適宜選択できる。
(7)本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、加熱した試験片を引張試験する場合に好適である。
S:引張試験機
T:試験片
R:雰囲気調整室
H:加熱装置
1:ベース部材
2:支柱部材
3:ヘッド部材
4:第1治具
5:第1ロッド部材
5a:第1保持部
6:第2治具
7:第2ロッド部材
7a:第2保持部
10:加熱用筒部材
20:第1連結用筒部材
21:第1分割部材
22:第2分割部材
23:締結リング(第1締結具)
24:固定具(第1締結具)
27:シール部材
28:シール部材
29:シール部材
30:第2連結用筒部材
31:第3分割部材
32:第4分割部材
33:締結リング(第2締結具)
37:シール部材
38:シール部材
39:シール部材
41:温度センサ取付部
42:流入側接続部(雰囲気ガス導入用)
43:流出側接続部(雰囲気ガス排出用)
50:保持スタンド
60:冷却水通路
65A〜65D:冷却水通路(各分割部材ごと)
71:配管(第1連通路)
72:配管(第2連通路)
73:配管(第3連通路)

Claims (17)

  1. 第1保持部と第2保持部とで保持された状態で引張される試験片を加熱するための引張試験機における試験片の加熱装置であって、
    前記試験片を取り囲むように配設され、透明かつ耐熱性を有する部材により筒状に形成されて加熱用の赤外線が透過される加熱用筒部材と、
    前記加熱用筒部材の一端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第1連結用筒部材と、
    周方向に分割構成とされた前記第1連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第1締結具と、
    前記筒状部材の他端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第2連結用筒部材と、
    周方向に分割構成とされた前記第2連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第2締結具と、
    前記加熱用筒部材の周囲に配設され、該加熱用筒部材を透過して前記試験片に対して加熱用の集光された赤外線を照射するための赤外線集光式の加熱装置と、
    を備え、
    前記第1締結具によって筒状体として一体化された前記第1連結用筒部材は、その一端部が前記筒状部材の一端部に気密に係合されると共に、その他端部が前記引張試験機のうち前記第1保持部の基端部側にある第1周囲部材に気密に係合され、
    前記第2締結具によって筒状体として一体化された前記第2連結用筒部材は、その一端部が前記筒状部材の他端部に気密に係合されると共に、その他端部が前記引張試験機のうち前記第2保持部の基端部側にある第2周囲部材に気密に係合され、
    前記加熱用筒部材と前記第1連結用筒部材と前記第2連結用筒部材との組立体によって、前記試験片を取り巻く密閉空間としての雰囲気調整室が形成され、
    前記第1連結用筒部材と前記第2連結用筒部材の一方に前記雰囲気調整室内に連なる雰囲気ガスの流入口が形成されると共に、該第1連結用筒部材と該第2連結用筒部材の他方に該雰囲気調整室内に連なる雰囲気ガスの流出口が形成され、
    前記第1連結用筒部材は、前記第1締結具の締結を解除した状態でもって、前記加熱用筒部材および前記第1周囲部材に対して、該加熱用筒部材の径方向から係合および係合解除可能とされ、
    前記第2連結用筒部材は、前記第2締結具の締結を解除した状態でもって、前記加熱用筒部材および前記第2周囲部材に対して、該加熱用筒部材の径方向から係合および係合解除可能とされ、
    前記第1連結用筒部材が存在しない状態で、該加熱用筒部材が前記第1保持部の基端部側に向けて移動された待避位置をとることにより、前記第1保持部と前記第2保持部とに対して外部からアクセス可能とされる、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1周囲部材が、前記第1保持部の基端部側において引張試験機に装備された第1治具とされ、
    前記第2周囲部材が、前記第2保持部の基端部側において引張試験機に装備された第2治具とされている、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1保持部が前記第2保持部の真下に位置されて、前記試験片が上下方向に引張されるように設定されると共に、前記第1連結用筒部材が下方側で前記第2連結用筒部材が上方側に位置されており、
    前記待避位置にある前記加熱用筒部材が、前記引張試験機のうち前記第1保持部の基端部側の部位に対して着座した状態とされる、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  4. 請求項1ないし請求項請求項3のいずれか1項において、
    前記第1連結用筒部材は、径方向に2つ割りとされた2分割構成とされ、
    前記第2連結用筒部材は、径方向に2つ割りとされた2分割構成とされている、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記第1連結用筒部材のうち前記加熱用筒部材への係合部付近に、第1冷却水通路が形成され、
    前記第2連結用筒部材のうち前記加熱用筒部材への係合部付近に、第2冷却水通路が形成されている、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  6. 請求項5において、
    前記第1連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第1分割部材と第2分割部材との2分割構成とされて、該第1分割部材と該第2分割部材とにそれぞれ独立して前記冷却水路が形成されると共に、該第1分割部材の冷却水通路と該第2分割部材との冷却水通路とが第1連通路によって連通されており、
    前記第2連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第3分割部材と第4分割部材との2分割構成とされて、該第3分割部材と該第4分割部材とにそれぞれ独立して前記冷却水路が形成されると共に、該第3分割部材の冷却水通路と該第4分割部材との冷却水通路とが第2連通路によって連通されている、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  7. 請求項6において、
    前記第1分割部材の冷却水通路と前記第2分割部材の冷却水通路との一方が、前記第3分割部材の冷却水通路と前記第4分割部材の冷却水通路の一方に対して、第3連通路を介して連通されている、ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記第1連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記第1周囲部材への係合部位とシールする複数のシール部材を保持しており、
    前記第2連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記第2周囲部材への係合部位とをシールする複数のシール部材を保持してをシールするシール部材を保持している、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    前記加熱用筒部材が、透明な石英ガラス管によって構成され、
    前記第1連結用筒部材および前記第2連結用筒部材が、それぞれ鉄系金属によって形成されている、
    ことを特徴とする引張試験機における試験片の加熱装置。
  10. 第1保持部と第2保持部とで保持された状態で引張される試験片を加熱するための引張試験機における試験片の加熱方法であって、
    透明かつ耐熱性を有する部材により筒状に形成されて加熱用の赤外線が透過される加熱用筒部材を、前記第1保持部に対してこれを取り巻くように嵌合させつつ、引張試験機のうち該第1保持部の基端部側にある第1周囲部材側に移動させた待避位置として、該第1保持部と前記第2保持部とを外部に露出した状態とする第1ステップと、
    前記第1ステップの後に、前記第1保持部と前記第2保持部によって試験片を保持させる第2ステップと、
    前記第2ステップの後に、前記待避位置にある前記加熱用筒部材を前記試験片を取り巻く位置に移動させた状態で、周方向に分割構成とされた第1連結用筒部材を該加熱用筒部材と前記第1周囲部材との間に位置させて、第1締結具でもって該第1連結用筒部材を筒状体として一体化させると共に、該第1連結用筒部材を該加熱用筒部材および前記第1周囲部材に対してそれぞれ気密に係合させることにより、該加熱用筒部材の一端部側が該第1連結用筒部材によって気密に施蓋された状態とする第3ステップと、
    前記第2ステップの後に、前記待避位置にある前記加熱用筒部材を前記試験片を取り巻く位置に移動させた状態で、周方向に分割構成とされた第2連結用筒部材を、該加熱用筒部材と引張試験機のうち前記第2保持部の基端部側にある第2周囲部材との間に位置させて、第2締結具でもって該第2連結用筒部材を筒状体として一体化させると共に、該第2連結用筒部材を該加熱用筒部材および該第2周囲部材に対してそれぞれ気密に係合させることにより、該加熱用筒部材の他端部側が該第2連結用筒部材によって気密に施蓋された状態とする第4ステップと、
    前記第3ステップおよび前記第4ステップの後に、前記加熱用筒部材の周囲に配設された赤外線集光式の加熱装置によって、集光された赤外線を前記加熱用筒部材を透過して前記試験片に対して照射して該試験片を加熱する第5ステップと、
    を備えていることを特徴とする引張試験機における試験片の加熱方法。
  11. 請求項10において、
    前記5ステップにおいて前記試験片の加熱が行われている際に、第1連結用筒部材のうち前記加熱用筒部材に対する係合部位と、前記第2連結用筒部材のうち該加熱用筒部材に対する係合部位とを、それぞれ冷却水でもって冷却する第6ステップと、をさらに備えていることを特徴とする引張試験機における試験片の加熱方法。
  12. 請求項10または請求項11において、
    前記第3ステップおよび前記第4ステップの後でかつ前記第5ステップの前に、前記加熱用筒部材と前記第1連結用筒部材と前記第2連結用筒部材とで囲まれる密閉空間としての雰囲気調整室内に雰囲気ガスを供給するか又は真空状態とする第7ステップと、をさらに有している、ことを特徴とする張試験機における試験片の加熱方法。
  13. 請求項10ないし請求項12のいずれか1項において、
    前記第1ステップの前に、前記第1周囲部材を構成する第1治具と前記第2周囲部材を構成する第2治具とを引張試験機に装着する第8ステップをさらに備えている、ことを特徴とする張試験機における試験片の加熱方法。
  14. 引張試験機における第1保持部と第2保持部とで保持された試験片を囲む密閉空間としての雰囲気調整室を形成するための雰囲気調整室形成用の器具であって、
    試験片を取り囲むために筒状に形成され、透明かつ耐熱性を有する部材により構成されて加熱用の赤外線が透過される加熱用筒部材と、
    前記加熱用筒部材の一端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第1連結用筒部材と、
    周方向に分割構成とされた前記第1連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第1締結具と、
    前記筒状部材の他端部側に配設され、周方向に分割構成とされた第2連結用筒部材と、
    周方向に分割構成とされた前記第2連結用筒部材を、筒状体として一体化させておくための第2締結具と、
    を有し、
    前記第1連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記引張試験機のうち前記第1保持部の基端部側にある第1周囲部材への係合部位とをシールするための複数のシール部材を保持しており、
    前記第2連結用筒部材は、その周方向の合わせ面と前記加熱用筒部材への係合部位と前記引張試験機のうち前記第2保持部の基端部側にある第2周囲部材への係合部位とをシールするための複数のシール部材を保持している、
    ことを特徴とする引張試験機における雰囲気調整室形成用の器具。
  15. 請求項14において、
    前記第1連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第1分割部材と第2分割部材との2分割構成とされて、該第1分割部材と該第2分割部材とには前記加熱用筒部材に対する係合部位に対応した位置においてそれぞれ独立して冷却水路が形成され、
    前記第2連結用筒部材は、その径方向中心を通る位置で2つ割りとされた第3分割部材と第4分割部材との2分割構成とされて、該第3分割部材と該第4分割部材とに前記加熱用筒部材に対する係合部位に対応した位置においてそれぞれ独立して冷却水路が形成され、
    前記各分割部材に形成された各冷却水通路がそれぞれ、冷却水の入口用と出口用との2つの接続口を有している、
    ことを特徴とする引張試験機における雰囲気調整室形成用の器具。
  16. 請求項14または請求項15において、
    前記第1周囲部材を構成するために、前記第1保持部の基端部側において引張試験機に装備される第1治具と、
    前記第2周囲部材を構成するために、前記第2保持部の基端部側において引張試験機に装備される第2治具と、
    をさらに備えていることを特徴とする引張試験機における雰囲気調整室形成用の器具。
  17. 請求項14ないし請求項16のいずれか1項において、
    前記加熱用筒部材が、透明な石英ガラス管によって構成され、
    前記第1連結用筒部材および前記第2連結用筒部材が、それぞれ鉄系金属によって形成されている、
    ことを特徴とする引張試験機における雰囲気調整室形成用の器具。
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