JP2020041244A - 衣類 - Google Patents

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谷口 卓充
Takumitsu Taniguchi
卓充 谷口
石川 恵美子
Emiko Ishikawa
恵美子 石川
真由 尾崎
Mayu Ozaki
真由 尾崎
三枝子 白部
Mieko Shirabe
三枝子 白部
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Abstract

【課題】使用する部材を最小限にし、かつ製造工程を簡略化しながらも保形性が付与され、サポート感、着用感の良い衣類を提供する。【解決手段】カップ部およびカップ部を支える土台部とが弾力性のある熱可塑性の樹脂シートを含んで構成され、当該カップ部および土台部とが一体的に成型された衣類であって、土台部の領域の中に、圧縮薄肉部を含む溝部分を有し、当該溝部分が、カップ部の領域と土台部の領域との境目となるバージスラインの近傍に配置されている衣類。上記衣類はワイヤレスブラジャーまたはワイヤレスカップ付き衣料であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、衣類に関する。
従来から提供されるブラジャーやカップ付き衣料等のバスト部分は、バストのボリューム感アップや美しい曲線形状を作り出すため、その内側にカップ部とそれを支える土台部とが設置されたものが一般的に提供されている。これらのカップ部や土台部は、特許文献1のように、カップ部の縁に金属や樹脂で構成されたワイヤーを付設することで、カップ部分の保形性を向上させたり、特許文献2のように、カップ部を支える土台部の脇近傍にボーンと呼ばれる樹脂で構成された保形材を付設することで、保形性を向上させたりするものが提供されてきた。一方で、保形性を向上させるために付設されたワイヤーやボーンは一般的に固く、人体を強く圧迫しすぎることで着用感が悪いといった不具合があることから、特許文献3のように、ワイヤーやボーンをなくしてカップ部と土台部とを一体成型して構成した女性用衣類が提供され、また、特許文献4のように、ワイヤーやボーンの代わりにシート状の保形材を使用し、カップ部の周辺に配置して成型することで、保形性を付与した女性用衣類が提供されている。
特開2008−174859号公報 特開2011−149135号公報 特開2010−180495号公報 特開2012−197522号公報
しかしながら、これらの従来技術は、保形性を付与するために付設するワイヤーやボーンあるいはそれらに変わるシート状の補形材などを準備し、適切な位置に配置する手間が必要であり、また使用する材料が増えることで材料コストや管理の手間がかさむといった不具合があるものであった。
本発明は、上記の従来技術の不具合を解決することにあり、使用する部材を最小限にし、かつ製造工程を簡略化しながらも保形性が付与され、サポート感、着用感の良い衣類を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、次の構成を採用する。
(1)カップ部およびカップ部を支える土台部が弾力性のある熱可塑性の樹脂シートを含んで構成され、当該カップ部および土台部が一体的に成型された衣類であって、土台部の領域の中に、圧縮薄肉部を含む溝部分を有し、当該溝部分が、カップ部の領域と土台部の領域との境目となるバージスラインの近傍に配置されている衣類。
(2)溝部分が5mm〜20mmの幅を有する上記(1)に記載の衣類。
(3)前記溝部分は略長手形状を有する上記(1)または(2)に記載の衣類。
(4)前記溝部分がバージスラインに接する位置になるよう配置されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載の衣類。
(5)溝部分の最も少ない厚み量が、当該溝部分の周囲の厚み量の88%以下である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の衣類。
(6)衣類がワイヤレスブラジャーまたはワイヤレスカップ付き衣料である前記(1)〜(5)の何れかに記載の衣類。
本発明によれば、使用する材料を最小限にしながらも保形性を有し、かつサポート感、着用感に優れたカップ付き衣料等の衣類を提供できる。
本発明の一態様を模式的に示す図である。 本発明の一態様を模式的に示す図である。 本発明の一態様の断面を模式的に示す図である。 一般的に提供されるカップ部と土台部とが一体的に熱圧縮成型された衣類を模式的に示す図である。
本発明の衣類を図1から図4を用いて詳細に説明する。
本発明の衣類は、バストを覆うためのカップ部1およびカップ部を支える土台部2とが弾力性のある熱可塑性の樹脂シートを含んで構成され、当該カップ部および土台部とが一体的に成型された衣類である。
一般的にカップ部を有する衣類としては、ブラジャーのようにカップ部とカップ部を支える土台部だけでなく、背中側に回して装着するバック部や肩に装着する肩部分やストラップなどとともに構成される場合もあれば、カップ部と土台部を肌着の内側に配置したようなカップ付き衣類など様々な形態の衣類が提供されているが、それらの形態に制限されることなく、カップ部およびカップ部を支える土台部を有する衣類の形態であれば本発明の効果を得ることができる。
本発明の衣類は、カップ部1およびカップ部を支える土台部2が弾力性のある熱可塑性の樹脂シートを含んで構成されていることが必要である。そうすることで、熱圧縮成型等の方法により、圧縮薄肉部を含む溝部分を形成することができる。
弾力性のある熱可塑性の樹脂シートは、一般的に内部に気泡を内在させた多孔質のウレタンフォーム等が好適である。
一般に、肌触りや外観をよくするため、ウレタンフォームの表面にポリエステル繊維やナイロン繊維等の合成繊維で構成された編地や、綿やシルク等の天然繊維で構成された編地など、通気性を有するような任意の素材を貼り合わせて構成した積層体を成型用基材とし、これを圧縮成型して構成することができる。また部分的にボリュームを備えさせるために弾力性のことなる部材を挟み込んで構成した複合体を熱圧縮成型して構成することもできる。
本発明においてはこれらの構成に制限されるものではなく、本発明の衣類に圧縮薄肉部を含む溝部分3を形成するために熱可塑性の樹脂シートを含んで構成されていることが必要である。この圧縮薄肉部は、熱可塑性の樹脂シートを含む熱圧縮成型により形成されることが好ましい。
熱圧縮成型により、カップ部の膨らみ形状やそれを支える土台部の形状を一体的に形成することができるが、金型に熱と圧力とを加えて加工対象となる熱可塑性の樹脂シート、これを含む積層体あるいは複合体を押し潰すことで形作ることができる。一般的に160℃〜220℃程度の温度で30〜120秒程度の熱圧縮成型を行うことで所望の形状を得ることができる。
本発明の衣類においては、上記のとおり土台部の領域の中に溝部分が形成されていることが重要であり、所望の態様で圧縮成型できれば、熱圧縮成型の加工条件に制限されるものではない。
本発明の衣類は、土台部2の領域の中に、周囲よりも押し潰されるかたちで熱圧縮成型される等の方法で形成可能な、圧縮薄肉部を含む溝部分3が形成される。圧縮により、周囲より押し潰されて相対的に固く形成された溝部分3が補形材を代替する保形効果を発揮し、カップの形状を保持することができるものとなる。また、形成された溝部分3が着用時に接する人体の肌面に対して物理的な凹凸の抵抗となり、着用ずれが発生しにくくなるものとなる。
更に当該溝部分は、カップ部1の領域と土台部2の領域との境目となるバージスライン4の近傍に配置されている。そうすることにより、カップの変形や着用中のズレが発生しやすいバージスラインを効果的に支持することができるものとなる。
本発明において、溝部分は、略長手方向に延びた圧縮薄肉部(圧縮により形成された薄肉部)と、その幅方向両側に圧縮薄肉部よりも厚みの大きい厚肉部により、溝状部が形成された部分をいう。圧縮薄肉部の幅方向の片側全体が端部に接する結果、厚肉部を片側にのみ有する場合、溝部分には該当しないものとする。
溝部分3の形状は、好ましくは5mm〜20mmの幅が好ましく、より好ましくは7mm〜20mm、さらに好ましくは7mm〜15mm程度である。幅が細すぎると押し潰されて固く形成される領域が少なくなり、保形材を代替する効果が得られにくくなるほか、着用時に人体の肌に接した時、物理的な凹凸の抵抗となりにくい。一方で、幅が太すぎると押し潰されて固く形成される領域が大きくなりすぎることで、本来弾力性をもって人体に沿うべき土台部の広範囲が固く形成され、サポート感、着用感を損ないやすくなるほか、押し潰される領域が土台部の領域を超えるようになることで、着用時に人体の肌に接した時、物理的な凹凸の抵抗となりにくい。
溝部分3は、略長手形状、好ましくは略バージスライン方向にのびる略長手形状とすることで、バージスラインを効果的に支持することができるが、単体の形状である必要はない。複数の溝部分を連ねて形成することで略長手形状の溝部分の領域を形成することでも同様の保形効果が得られる。
本発明の衣類においては、前記のとおり少なくともその一部がバージスライン4に近傍する位置になるよう配置されるが、たとえば図2に示すように直線形状の溝部分をバージスラインの近傍に配置することが挙げられる。水平に形成された溝部分は、バージスラインのカーブの最下部と概ね接するような位置に配置され、またカップ1の脇側に略垂直方向に形成された溝部分は、バージスラインのカーブの脇側に概ね接するような位置に配置する。このとき、水平方向の溝部分と略垂直方向の溝部分のなす角度は、概ね100度から130度で構成することが好ましい。そうすることにより、バージスラインのカーブを下方から寄せ上げる方向に支持しやすくなる。
また図2に示すように溝部分3を土台部2のバージスラインのカーブに沿う2本の溝で構成してもよいし、この2本の溝を中央部で連結させ、一本の溝部分3として形成してもよい。
溝部分の深さ方向の特徴は、溝部分の最も少ない厚みが、当該溝部分の周囲の厚みの88%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下である、そうすることにより、押し潰された溝部分が、その周囲の部分と比べて明瞭な固さの差となって現れ、溝部分がない場合とくらべて格段の保形効果を得ることができるほか、着用時に人体の肌面に対して物理的な凹凸の抵抗となり、着用ずれが発生しにくくなるものとなる。
下限としては、1%以上であることが安定した加工品質を得る点から好ましい。
溝部分の断面形状は、略直線で構成された三角や矩形の凹み形状や、複数の直線で構成された多角の断面形状が考えられる他、曲線で構成された円弧などの断面形状などが考えられる。なお、溝部分の断面の凹部の底部の形状が三角や円弧状など、平面以外の低部を有する場合、薄肉部の厚みは、最も厚みの少ない部分で測定するものとする。
また、図3に示すように溝部分3を形成する面は、肌面と接するように土台部2の内側に形成することが好ましいが、土台部の外側に形成してもよい。そうすることで、着用時に人体の肌面に対して物理的な凹凸の抵抗とならなくなるものの、押し潰された溝部分が、その周囲の部分と比べて明瞭な固さの差となって現れ、溝部分がない場合とくらべて保形効果の差を得ることができるためである。
本発明の溝部分の保形効果は、上記のとおりワイヤーやボーン等の保形材を用いずとも十分な保形効果を得ることができるが、従来から保形効果を得るために提供されているワイヤーやボーンといった保形材や、シート状の保形材を組み合わせて本発明の衣服を構成する態様としても差し支えない。
本発明の衣類は、一般に提供されているブラジャーの形態に限定されるものではない。肌着の内側にカップ部分と取り付けたカップ付き肌着や、アウターとインナーとが一体的に接合したカップ付き衣料なども本発明の効果が得られるものである。とりわけワイヤレスブラジャーまたはワイヤレスカップ付き衣料に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例と比較例における評価は次のとおり行った。
評価する女性の評価者3人が衣類を着用した状態で10分間歩行したのち、歩行中の着用感とズレ感およびサポート感を表1に示す5段階の区分を点数として評価した。得られた評価結果の平均を表2に示す。
(厚み)
また表中に記載の溝部分の厚み量(%)は、ピーコック社製の厚み計測器を利用して測定した溝部分の周囲の厚みに対する溝部分の圧縮薄肉部の最も薄い部分の厚みの割合を算出したものであり、溝部分の厚み量(%)=(「圧縮薄肉部の最も薄い部分の厚み」/「溝部分の周囲の厚み」)×100(%)の計算式で算出した。このとき、溝部分の最も薄い部分は、溝部分の中心を長手方向に切り開いた時の断面の最も薄い部分を測定し、溝部分の周囲の厚みは、溝部分に隣接し溝部分の幅と同じ範囲の領域の厚みを測定した。例えば、溝部分の幅が7mmであった場合は、溝部分の端から7mm外側の領域の厚みを測定する。溝部分の左右で厚みが異なる場合は、厚みが大きいほうの数値を採用し、当該領域内で厚みに変化が有る場合は最も大きい数値を採用する。
(実施例1)
ポリエステルフィラメントのスムースニット生地を厚さ1cmのウレタンフォームの片面に貼り合わせたシート状の部材2枚を使用し、ニット生地が表面になるよう重ね合わせ熱圧縮成型してカップ部とカップ部を支える土台部とを一体的に熱圧縮成型して構成するとともに、図1に示すように、幅5mmの直線的な溝部分をバージスラインに接する位置に形成した。このとき、水平方向の溝部分と略垂直方向の溝部分のなす角度は115度であり、溝部分の最も少ない厚み量は2.4mmで、溝部分の周囲の厚み量は、3.4mmであった。得られたカップ部および土台部にバック部と肩ストラップを縫い付けてブラジャーを得た。
(実施例2)
溝部分の幅が7mmで、溝部分の最も少ない厚み量が2.0mmであること以外は、実施例1と同じ構成としてブラジャーを得た。
(実施例3)
溝部分の幅が20mmで、あること以外は実施例2と同じ構成としてブラジャーを得た。
(実施例4)
溝部分の幅が3mmで、溝部分の最も少ない厚み量が3.0mmであること以外は、実施例1と同じ構成としてブラジャーを得た。
(比較例1)
溝部分を形成しなかった事以外は、実施例1と同じ構成として本発明の比較例1を得た。
(比較例2)
実施例1において溝部分であった領域幅を外周方向に向けて25mmとしたこと以外は、実施例1と同じ構成としてブラジャーを得た。このとき、実施例1において溝部分であった領域は、土台分の下辺となる端部分を超え、土台部の下辺の端からバージスライン最下部の近傍までの一体が押し潰される形状であった。
(比較例3)
実施例1において溝部分を構成する位置を外周部に設け、土台部の下端となる外周部に6mmの幅を有する溝部分を構成したこと以外は実施例1と同じ構成としてブラジャーを得た。このとき、外周部に構成した溝部分は外周部にかかる位置に構成することにより、外周端から6mm幅の領域が押し潰された薄肉部分を有する形状であった。
本発明の衣類によれば、使用する部材を最小限にし、かつ製造工程を簡略化しながらも保形性が付与され、サポート感、着用感の良い衣類を提供できるものである。
1:カップ部
2:土台部
3:溝部分
4:バージスライン

Claims (6)

  1. カップ部およびカップ部を支える土台部が弾力性のある熱可塑性の樹脂シートを含んで構成され、当該カップ部および土台部が一体的に成型された衣類であって、土台部の領域の中に、圧縮薄肉部を含む溝部分を有し、当該溝部分が、カップ部の領域と土台部の領域との境目となるバージスラインの近傍に配置されている衣類。
  2. 前記溝部分が5mm〜20mmの幅を有する請求項1に記載の衣類。
  3. 前記溝部分は略長手形状を有する請求項1または2に記載の衣類。
  4. 前記溝部分がバージスラインに接する位置になるよう配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の衣類。
  5. 前記圧縮薄肉部の最も薄い部分の厚みが、当該溝部分の周囲の厚みの88%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の衣類。
  6. 衣類がワイヤレスブラジャーまたはワイヤレスカップ付き衣料である請求項1〜5の何れかに記載の衣類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022048351A1 (zh) * 2020-09-07 2022-03-10 詹亮 一种内衣
KR20220123977A (ko) * 2021-03-02 2022-09-13 주식회사 이랜드리테일 와이어리스 브래지어
WO2023183482A1 (en) * 2022-03-23 2023-09-28 Evolving Hearts Company, Llc Cooling sports bra

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