JP2020041067A - ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂に添加することで、熱可塑性樹脂組成物の低温耐衝撃性を向上できるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、このポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物、およびこの熱可塑性樹脂組成物の成形体の提供。【解決手段】ポリオルガノシロキサン(A1)とビニル重合体(A2)を含有するゴム(A)を、ビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)と、その他のビニル単量体(b2)の混合物(B)でグラフト化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、屈折率が1.47〜1.60であるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂に添加することで、熱可塑性樹脂組成物の低温耐衝撃性を向上できるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体に関する。また、このポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに、この熱可塑性樹脂組成物の成形体に関する。
ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂のなどの熱可塑性樹脂の混合物は、汎用エンジニアリングプラスチックとして透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性などに優れ、その優れた特性から、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野等の材料として、工業的に広く利用されている。熱可塑性樹脂の耐衝撃性を向上させるため、衝撃強度改質剤を添加する方法が用いられている。
また熱可塑性樹脂から得られる成形品は、近年、電気・電子機器筐体、家電製品等の用途を中心に、製品の低コスト化を目的として、塗装を施さずに使用される場合もあり、樹脂自体を着色して所望の色調に発色させることが求められている。加えて、近年は低光沢な外観が求められることもしばしばある。
しかしながら、衝撃強度改質剤を添加すると十分な発色性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られない場合がある。そこで、特許文献1には、ポリオルガノシロキサン(A1)及びビニル重合体(A2)を含有するゴム(A)に、ビニル単量体(b)を重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、該ゴム(A)の屈折率が1.47〜1.56の範囲内であり、該ゴム(A)の体積平均粒子径が300〜2000nmの範囲内であるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を衝撃強度改質剤として使用することが提案されている。特許文献1に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、熱可塑性樹脂に配合して、より高い顔料着色性、低温耐衝撃性と難燃性を兼ね備えた熱可塑性樹脂組成物を提供できるものである。
また、特許文献2には特許文献1の衝撃強度改質剤をポリブチレンテレフタレートに添加すると、衝撃強度と曲げ弾性率のバランスが良好なポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が得られることが記載されている。
国際公開2014/208716号パンフレット 特開2016−117867号公報
しかしながら、特許文献1のグラフト共重合体は、ポリカーボネートとポリエステルの熱可塑性樹脂の混合物に添加した際の発色性と耐衝撃性、剛性や耐熱性とのバランスが十分でない場合があった。また、光沢に関しての記載はなかった。
本発明の目的は、発色性と低温耐衝撃性のバランスに優れ、低光沢で剛性、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形体を提供可能な衝撃強度改質剤を提供することにある。また本発明の目的は、このような性能を有する熱可塑性樹脂組成物及び成形体を提供することにある。
本発明は下記の態様を有する。
[1] ポリオルガノシロキサン(A1)とビニル重合体(A2)を含有するゴム(A)を、ビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)とその他のビニル単量体(b2)の混合物(B)でグラフト化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、「測定方法1」で測定したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の屈折率が1.47〜1.60であるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
「測定条件1」
圧縮成型によって、薄膜化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を、JIS K 7142 A法に準じ、アッベ屈折計を用いて、温度23℃で測定する。
[2] 前記ビニル重合体(A2)が芳香族ビニル単位を含む[1]に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
[3] 前記ゴム(A)の合計100質量%に対して、前記ゴム(A)中に、芳香族ビニル単位を、30質量%を超え90質量%以下含有する[1]または[2]にいずれか記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
[4] ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の重量平均粒子径が150〜2000nmである[1]〜[3]に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
[5] 前記ビニル単量体(b1)の反応性基がエポキシ基である[1]〜[4]に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含む樹脂組成物。
[7] ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂を含む[6]に記載の樹脂組成物。
[8] [6]または[7]に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体。
本発明によれば、発色性と低温耐衝撃性とのバランスに優れ、低光沢で剛性に優れた可塑性樹脂組成物及び成形体を提供可能な衝撃強度改質剤を提供することができる。また本発明の目的は、このような性能を有する熱可塑性樹脂組成物及び成形体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の少なくとも一方を意味する。
<ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体>
本発明のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(単に「グラフト共重合体」ということがある)は、ポリオルガノシロキサン(A1)とビニル重合体(A2)を含有するゴム(A)を、ビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)とその他のビニル単量体(b2)の混合物(B)をグラフト重合したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、「測定方法1」で測定したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の屈折率が1.47〜1.60であるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体である。ゴム(A)をビニル単量体(b)でグラフト化するとは、ゴム(A)にビニル単量体(b)をグラフト重合することで、ゴム(A)にビニル単量体(b)からなるグラフト部を形成することである。
「測定条件1」
圧縮成型によって、薄膜化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を、JIS K 7142 A法に準じ、アッベ屈折計を用いて、温度23℃で測定する。
本発明のグラフト共重合体の屈折率を1.47以上とすることで発色性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、1.60以下とすることで、低温耐衝撃強度に優れた樹脂組成物を得ることができるため好ましい。本発明のグラフト共重合体の屈折率は、ポリオルガノシロキサン(A1)の含有量、ビニル重合体(A2)、ビニル単量体(b)の種類及び使用量を調整することにより所望の屈折率とすることができる。
これは、本発明のグラフト共重合体の屈折率を、POLYMER HANDBOOK 4th Edition (Wiley Interscience)に記載の以下の式(数式1)を用いて算出される値として予測できるためである。
<数式1>
n=v1n1+v2n2+v3n3+・・・
なお、式中の「n1、n2、n3、・・・」は各単量体の単独重合体の20℃における屈折率を表し、POLYMER HANDBOOK 4th Editionに記載の値が使用できる。式中、「v1、v2、v3、・・・」は各単量体の体積分率を表す。
ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の重量平均粒子径が150〜2000nmであることが好ましい。150nm以上であると樹脂に添加した際の発色性と耐衝撃性に優れることに加えて、低光沢な外観の成形体が得られるため好ましく、2000nm以下であると樹脂中での分散に優れ、剛性や耐熱性に優れるため好ましい。この中でもより好ましくは、200nm〜1000nmであり、さらに好ましくは300nm〜800nmである。
〔ポリオルガノシロキサン(A1)〕
ポリオルガノシロキサン(A1)は、ケイ素原子に少なくとも1つの有機基が結合したオルガノシロキサン単位を構成単位として含有する重合体である。ポリオルガノシロキサン(A1)は、オルガノシロキサンまたは、オルガノシロキサンと必要に応じて使用される成分を1種以上含む「オルガノシロキサン混合物」を重合することにより得ることができる。必要に応じて使用される成分としては、シロキサン系架橋剤、シロキサン系グラフト交叉剤、及び末端封鎖基を有するシロキサンオリゴマー等が挙げられる。
オルガノシロキサンとしては、鎖状オルガノシロキサン、アルコキシシラン化合物、環状オルガノシロキサンのいずれも用いることができる。その中でも、アルコキシシラン化合物、環状オルガノシロキサンが好ましく、環状オルガノシロキサンが、重合安定性が高く、重合速度が大きいのでより好ましい。
アルコキシシラン化合物としては、2官能性アルコキシシラン化合物が好ましく、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等を挙げることができる。
環状オルガノシロキサンとしては、3〜7員環のものが好ましく、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサンを挙げることができる。これらは1種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、粒子径分布を制御しやすいことから、主成分がオクタメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
オルガノシロキサンとしては、低温耐衝撃性のより高いグラフト共重合体を得ることができることから、環状ジメチルシロキサン及び/又は2官能性ジアルキルシラン化合物であるオルガノシロキサンを用いることが好ましい。
環状ジメチルシロキサンとは、ケイ素原子にメチル基を2つ有する環状シロキサンであり、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンを挙げることができる。
また、2官能性ジアルキルシラン化合物とは、上記2官能性アルコキシシラン化合物のうち、アルキル基を2つ有する化合物であり、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシランが挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シロキサン系架橋剤としては、シロキシ基を有するものが好ましい。シロキサン系架橋剤を用いることによって、架橋構造を有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。シロキサン系架橋剤としては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤を挙げることができる。中でも、4官能性の架橋剤が好ましく、テトラエトキシシランがより好ましい。シロキサン系架橋剤の含有率は、オルガノシロキサン混合物100質量%中、0〜30質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることがより好ましく、より好ましくは0〜5質量%である。シロキサン系架橋剤の含有率を0〜30質量%とすることによって、低温耐衝撃性が良好なグラフト共重合体を得ることができる。
シロキサン系グラフト交叉剤は、シロキシ基を有すると共にビニル単量体と重合可能な官能基を有するものである。シロキサン系グラフト交叉剤を用いることによって、ビニル単量体と重合可能な官能基を有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。ポリオルガノシロキサンがビニル単量体と重合可能な官能基を有することにより、ポリオルガノシロキサンと、後述するビニル単量体(A2)及びビニル単量体(B)をラジカル重合によってグラフトさせることができる。
シロキサン系グラフト交叉剤としては、式(I)で表されるシロキサンを挙げることができる。
RSiR (OR(3−n) (I)
式(I)中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、又はフェニル基を示す。Rは、アルコキシ基における有機基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、又はフェニル基を挙げることができる。nは、0、1又は2を示す。Rは、式(I−1)〜(I−4)で表されるいずれかの基を示す。
CH=C(R)−COO−(CH− (I−1)
CH=C(R)−C− (I−2)
CH=CH− (I−3)
HS−(CH− (I−4)
これらの式中、R及びRは、それぞれ、水素又はメチル基を示し、pは1〜6の整数を示す。
式(I−1)で表される官能基としては、メタクリロイルオキシアルキル基を挙げることができる。この基を有するシロキサンとしては、例えば、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシランなどを挙げることができる。
これらシロキサン系グラフト交叉剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。シロキサン系グラフト交叉剤の含有率は、オルガノシロキサン混合物100質量%に対して、0〜40質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.5〜15質量%であることがさらに好ましい。シロキサン系グラフト交叉剤の含有率を0〜40質量%とすることによって、低温耐衝撃性と発色性とのバランスが良好な樹脂組成物を提供できるグラフト共重合体を得ることができる。
また、末端封鎖基を有するシロキサンオリゴマーとは、オルガノシロキサンオリゴマーの末端にアルキル基等を有し、ポリオルガノシロキサンの重合を停止させたシロキサンオリゴマーをいう。
末端封鎖基を有するシロキサンオリゴマーとしては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、末端封鎖基がトリメチルシリル基であるシロキサンオリゴマーなどを挙げることができる。
[ポリオルガノシロキサン(A1)の製造方法]
ポリオルガノシロキサン(A1)の製造方法としては特に制限はなく、例えば、以下の製造方法を採用できる。まず、オルガノシロキサン、必要に応じてシロキサン系架橋剤、必要に応じてシロキサン系グラフト交叉剤、及び必要に応じて末端封鎖基を有するシロキサンオリゴマーを含むオルガノシロキサン混合物を、乳化剤と水によって乳化させてエマルションを調製する。その後、該混合物を、酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカリ性物質により酸を中和してポリオルガノシロキサンのラテックスを得る。尚、以下の製造方法の説明においては、重合用の原料として「オルガノシロキサン混合物」を用いた場合について説明するが、「オルガノシロキサン」を単独で用いた場合についても同様の製造プロセスを適用できる。
この製造方法において、エマルションの調製方法としては、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーを用いる方法、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用して高速攪拌により混合する方法などが挙げられる。これらの中でも、ホモジナイザーを使用する方法は、ポリオルガノシロキサンのラテックスの粒子径の分布が狭くなるので好ましい方法である。
重合の際の酸触媒の混合方法としては、(1)オルガノシロキサン混合物、乳化剤及び水とともに酸触媒を一括して添加し、混合する方法、(2)オルガノシロキサン混合物のエマルション中に酸触媒水溶液を一括して添加する方法、(3)オルガノシロキサン混合物のエマルションを高温の酸触媒水溶液中に一定速度で滴下して混合する方法等が挙げられる。ポリオルガノシロキサンの粒子径を制御しやすいことから、オルガノシロキサン混合物のエマルションを高温で保持し、次いでその中に酸触媒水溶液を一括して添加する方法が好ましい。
重合温度は、50℃以上が好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。また、重合時間は、オルガノシロキサン混合物のエマルション中に酸触媒水溶液を一括して添加して重合する場合には、通常2時間以上、好ましくは5時間以上である。
更に、30℃以下の温度においては、シラノール間の架橋反応が進行することから、ポリオルガノシロキサンの架橋密度を上げるために、50℃以上の高温で重合させた後に、生成したラテックスを、30℃以下の温度で5時間から100時間程度保持することもできる。
オルガノシロキサン混合物の重合反応は、ラテックスを含む反応系を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液等のアルカリ性物質でpH6〜8に中和して、終了させることができる。
上記製造方法で使用される乳化剤としては、オルガノシロキサン混合物を乳化できれば特に制限されないが、アニオン系乳化剤またはノニオン系乳化剤が好ましい。
アニオン系乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムを挙げることができる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば以下のものが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等。
これらの乳化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
乳化剤の使用量は、オルガノシロキサン混合物100質量部に対して、0.05〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。乳化剤の使用量によって、ポリオルガノシロキサンのラテックスの粒子径を所望の値に調整することが可能である。乳化剤の使用量が0.05質量部以上であれば、オルガノシロキサン混合物のエマルションの乳化安定性が十分である。乳化剤量が10質量部以下であれば、グラフト共重合体の粉体中に残存する乳化剤の量を十分に低減できるので、該グラフト共重合体と樹脂を含む樹脂組成物の耐熱分解性及び表面外観の低下を抑制できる。
オルガノシロキサン混合物の重合に用いられる酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類及び硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸を使用すると、ポリオルガノシロキサンラテックスの粒子径分布を狭くすることができ、さらに、ポリオルガノシロキサンラテックス中の乳化剤成分に起因する成形品の耐熱分解性の低下ならびに外観不良の低減を達成することができる。
酸触媒の使用量は、オルガノシロキサン100質量部に対して0.005〜5質量部であることが好ましい。酸触媒の使用量が0.005質量部以上であれば、ポリオルガノシロキサンを短時間で重合することができる。また酸触媒の使用量が5質量部以下であれば、耐熱分解性ならびに外観が良好な成形品を得ることができる。
また、酸触媒の使用量がポリオルガノシロキサンの粒子径を決定する因子となるため、後述する粒子径のポリオルガノシロキサンを得るためには、酸触媒の使用量を0.005〜1.5質量部とすることがより好ましい。
ラテックス中のポリオルガノシロキサンの重量平均粒子径は、特に制限はないが、50〜1000nmであることが好ましい。ポリオルガノシロキサンの重量平均粒子径を50〜1000nmとすることによって、ゴム(A)の重量平均粒子径を150〜2000nmに調整することが可能である。
ラテックス中のポリオルガノシロキサンの「重量平均粒子径/数平均粒子径(Dw/Dn)」は、1.0〜1.7であることが好ましい。Dw/Dnを1.0〜1.7とすることによって、樹脂に添加した際に透明性や発色性の高いグラフト共重合体を得ることができる。
これらのDw及びDnの値としては、以下の方法で測定される値を採用することができる。ポリオルガノシロキサンのラテックスを脱イオン水で濃度約3%に希釈したものを試料として、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用いて粒子径を測定する。粒子径はメジアン径を平均粒子径として用いる。
測定はMATEC社が推奨する下記の標準条件で行うことができる。
カートリッジ:専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ(商品名;C−202)、
キャリア液:専用キャリア液(商品名;2XGR500)、
キャリア液の液性:ほぼ中性、
キャリア液の流速:1.4ml/分、
キャリア液の圧力:約4,000psi(2,600kPa)、
測定温度:35℃、
試料使用量:0.1ml。
また、標準粒子径物質としては、米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンで、40〜800nmの粒子径の範囲内の12種類の粒子が用いられる。
上記方法により得られるポリオルガノシロキサンのラテックスには、機械的安定性を向上させる目的で、必要に応じて、乳化剤を添加してもよい。乳化剤としては、上記例示したものと同様のアニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好ましい。
〔ビニル重合体(A2)〕
本発明のビニル重合体(A2)としては、単官能性ビニル単量体(a1)と多官能性ビニル単量体(a2)を重合して得られる重合体が挙げられる。
[単官能性ビニル単量体(a1)]
本発明の単官能性ビニル単量体(a1)は、例えば以下の単量体が挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)クリレート;
シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のエステル基が脂環式基である脂環式(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、モノクロルフェニル(メタ)アクリレート、ジクロルフェニル(メタ)アクリレート、トリクロルフェニル(メタ)アクリレート等のエステル基がフェニル基または置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレート;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体等。
これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも屈折率を1.47〜1.60に調整しやすく、耐衝撃性と発色性のバランスに優れ、剛性も優れるためスチレン等の芳香族ビニル単量体を用いることが好ましい。
[多官能性ビニル単量体(a2)]
多官能性ビニル単量体としては、例えば以下の多官能性単量体が挙げられる。
メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,4−ブチレングリコールジエステル、1,6−ヘキサンジオールジアクリル酸エステル、トリメリト酸トリアリル等。
これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニル重合体(A2)中における、単官能性ビニル単量体(a1)と多官能性ビニル単量体(a2)の含有量は、グラフト共重合体を樹脂に添加した際の低温衝撃強度と発色性の観点から、ビニル重合体(A2)100質量%に対して、単官能性ビニル単量体(a1)90〜100質量%、多官能性ビニル単量体(a2)10〜0質量%であり、好ましくは単官能性ビニル単量体(a1)90〜99.9質量%、多官能性ビニル単量体(a2)10〜0.1質量%であり、より好ましくは単官能性ビニル単量体(a1)97〜99.9質量%、多官能性ビニル単量体(a2)3〜0.1質量%である。
ビニル重合体(A2)の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、微細懸濁重合法により製造することができるが、乳化重合法を用いることが好ましい。
多官能性ビニル単量体(a2)の重合に用いるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物、及び過酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、アゾ系開始剤、レドックス系開始剤が好ましい。
アゾ系開始剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)等の油溶性アゾ系開始剤、
4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシメチル)−2−メチルプロピオナミジン]ハイドレート、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等の水溶性アゾ系開始剤等。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
過酸化物としては、例えば以下のものが挙げられる。
過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物等。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
過酸化物を還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とする場合、上記の過酸化物と、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、L−アスコルビン酸、フルクトース、デキストロース、ソルボース、イノシトール等の還元剤と、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を組み合わせて用いることが好ましい。これらの還元剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多官能性ビニル単量体(a2)の重合に用いるラジカル重合開始剤は、20℃における水への溶解度が5質量%以下のものであることが好ましく、2質量%以下のものであることがより好ましい。このラジカル重合開始剤を用いて重合することで、低温耐衝撃性に優れたグラフト共重合体を得ることができる。
20℃における水への溶解度が5質量%以下のラジカル重合開始剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)等。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤の20℃における水への溶解度は、各種ラジカル重合開始剤のカタログ等から知ることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、アゾ系開始剤を用いる場合は単量体の合計100質量部に対して0.01〜1質量部であることが好ましい。また、レドックス系開始剤の場合、過酸化物の使用量は、単量体の合計100質量部に対して0.01〜1質量部であることが好ましい。耐アウトガス性の観点から、還元剤の使用量は、単量体の合計100質量部に対して0.01〜1質量部であることが好ましい。
〔ゴム(A)〕
ゴム(A)は、ポリオルガノシロキサン(A1)及びビニル重合体(A2)を含有する。ゴム(A)としては、以下の(1)〜(5)の構造を有するゴムを例示することができる。
(1)多層構造を有し、ポリオルガノシロキサン(A1)のコアがビニル重合体(A2)のシェルで被覆された構造を有するゴム、
(2)多層構造を有し、ビニル重合体(A2)のコアがポリオルガノシロキサン(A1)のシェルで被覆された構造を有するゴム、
(3)ポリオルガノシロキサン(A1)とビニル重合体(A2)が相互に介入した構造を有する複合ゴム。
(4)ポリオルガノシロキサン(A1)が島、ビニル重合体(A2)が海となった海島構造を有する複合ゴム。
(5)ポリオルガノシロキサン(A1)が海、ビニル重合体(A2)が島となった海島構造を有する複合ゴム。
この中でも(5)の構造を有するゴムが、グラフト共重合体を樹脂に添加した際の低温衝撃強度と発色性とのバランスが良好になるため好ましい。
ポリオルガノシロキサン(A1)とビニル重合体(A2)の含有量は、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体100質量%に対して、ポリオルガノシロキサン(A1)の含有量が5〜50質量%、ビニル重合体(A2)が50〜95質量%であることが好ましい。これらの範囲とすることで、グラフト共重合体を樹脂に添加した際の耐衝撃性と発色性のバランスが良好となる。またさらに好ましい範囲は、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体100質量%に対して、ポリオルガノシロキサン(A1)の含有量が15〜40質量%、ビニル重合体(A2)が60〜90質量%である。これらの範囲とすることで、グラフト共重合体を樹脂に添加した際の耐衝撃性と発色性のバランスがさらに良好となる。
また、ゴム(A)中には、ゴム(A)の合計100質量%を基準として、芳香族ビニル単位を、30質量%を超え90質量%含有することが好ましい。30質量%以上であると、樹脂に添加した際の発色性、荷重たわみ温度や曲げ特性などの剛性が良好になり、90質量%以下であると耐衝撃性が良好になる。
ゴム(A)の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、微細懸濁重合法により製造することができるが、乳化重合法を用いることが好ましい。中でも、ゴム(A)は前述した(5)の構造であることが好ましい。(5)の構造を有するゴムを得る方法としては、ポリオルガノシロキサンゴムに単官能性ビニル単量体(a1)及び多官能性ビニル単量体(a2)を重合する方法が挙げられる。具体的には、まず、ポリオルガノシロキサンゴムのラテックス中に、単官能性ビニル単量体(a1)及び多官能性ビニル単量体(a2)を添加し、ポリオルガノシロキサン中に含浸させた後、公知のラジカル重合開始剤を用いて重合する。この方法において、単官能性ビニル単量体(a1)及び多官能性ビニル単量体(a2)の添加方法としては、ポリオルガノシロキサンラテックス中にその全量を一括して添加する方法、あるいは、分割して一定速度で滴下して添加する方法が挙げられる。
ゴム(A)のラテックスを製造する際には、ラテックスを安定化させ、ゴム(A)の粒子径を制御するために、乳化剤を添加することができる。乳化剤は、ポリオルガノシロキサンのラテックスを製造する際に用いた前述の乳化剤と同様のものが挙げられ、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤が好ましい。
ゴム(A)の重量平均粒子径(Dw)は特に限定はされないが、下限は50nm以上であることが好ましく、より好ましくは100nm以上であり、さらに好ましくは200nm以上であり、さらに好ましくは300nm以上であり、特に好ましくは400nm以上である。ゴム(A)の重量平均粒子径(Dw)の上限は2000nm以下が好ましく、1000nm以下がより好ましい。ゴム(A)の重量平均粒子径が50nm以上であれば、ポリオルガノシロキサン(A1)が海、ビニル重合体(A2)が島の構造において、ビニル重合体(A2)のドメインサイズが大きくなり、耐衝撃性に優れたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体が得られるため好ましい。また、重量平均粒子径が2000nm以下であれば、成形品の表面外観及び耐衝撃性が良好となるため好ましい。
[ビニル単量体混合物(B)]
上記ゴム(A)に、ビニル単量体混合物(B)を重合し、ゴム(A)にビニル重合体からなるグラフト部を形成することで、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を得ることができる。
本発明のビニル単量体混合物(B)はビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)とその他のビニル単量体(b2)を含む。
[ビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)]
ビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)のビニル基以外の反応性基としては、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン基、チオール基、アミノ基、酸無水物基、マレイミド基等が挙げられる。この中でも、ビニル基以外の反応性基がエポキシ基であるものがポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂との反応性に優れ、耐衝撃性、発色性及び引張特性に優れるため好ましい。また、芳香族ポリエステル樹脂と芳香族カーボネート樹脂との混合物の場合は、グラフト共重合体がビニル単量体(b1)を含有することで、グラフト共重合体が芳香族ポリエステル樹脂に選択的に配置されやすくなるので、顕著に発色性が向上する。また、低光沢のマット調の外観の成形体が得られる。加えて、芳香族ポリエステル樹脂と芳香族カーボネート樹脂との混合物のエステル交換を抑制することができ、荷重たわみ温度を良好に保つことができる。
ビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)としては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネートなどのエポキシ基含有単量体、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、イソプロピルチオールメタクリレート等のチオール基含有単量体、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物、N−フェニルマレイミド,N−シクロヘキシルマレイミド、N−t-ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体が挙げられる。これらの中でもグリシジルメタクリレ−トがグラフト化が容易にでき、安価であり、より選択的にポリエステル樹脂と反応し、耐衝撃性、発色性及び引張特性に優れ、低光沢のマット調の外観となるため好ましい。これらは単独で用いても2種以上組み合わせて用いても良い。
[その他のビニル単量体(b2)]
その他のビニル単量体(b2)としては、例えば以下のものが挙げられる。スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルアクリレート等のアルキルアクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;フェニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、モノクロルフェニル(メタ)アクリレート、ジクロルフェニル(メタ)アクリレート、トリクロルフェニル(メタ)アクリレート等のエステル基がフェニル基または置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレート等。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、芳香族ビニル単量体、アルキル(メタ)アクリレート、シアン化ビニル単量体、エステル基がフェニル基若しくは置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレートが、樹脂との熱可塑性樹脂との相溶性に優れ、またこれらを含むグラフト共重合体を熱可塑性樹脂に添加した際の発色性に優れるため好ましい。これらその他のビニル単量体(b2)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、その他のビニル単量体(b2)には架橋性単量体を含んでも良いが、その場合は、ビニル単量体混合物(b)100質量%中における架橋性単量体の使用量は、0.005質量%以下であることが好ましい。
グラフト共重合体中のゴム(A)の含有量は、グラフト共重合体100質量%に対して10.0〜99.9質量%であることが好ましい。ゴム(A)の含有量が10.0質量%以上であれば樹脂組成物の衝撃強度が十分となり、また99.9質量%以下であれば成形品の表面外観が良好となるため好ましい。樹脂組成物の低温衝撃強度をより良好とする観点から、ゴム(A)の含有量は、グラフト共重合体100質量%に対して50.0〜99.9質量%であることがより好ましく、60.0〜90.0質量%であることがさらに好ましい。
グラフト共重合の方法としては、例えば、ゴム(A)のラテックス中にビニル単量体(b)を添加し、1段又は多段で重合する方法が挙げられる。多段で重合する場合は、ゴム(A)のラテックスに、ビニル単量体(b)の全使用量を分割して、逐次添加し又は連続添加して、重合することが好ましい。このような重合方法は重合安定性が良好であり、且つ所望の粒子径及び粒子径分布を有するラテックスを安定に得ることができる。
グラフト部の重合の際には、必要に応じて乳化剤を追加することができる。グラフト部の重合に用いられる乳化剤は、ゴム(A)を製造する際に用いた前述の乳化剤と同様のものが挙げられ、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤が好ましい。
グラフト共重合体のラテックスから、グラフト共重合体の粉体を回収する場合には、噴霧乾燥法、凝固法のいずれかの方法を用いることができる。
噴霧乾燥法は、グラフト共重合体のラテックスを乾燥機中に微小液滴状に噴霧し、これに乾燥用の加熱ガスを当てて乾燥する方法である。微小液滴を発生する方法としては、例えば、回転円盤型式、圧力ノズル式、二流体ノズル式、加圧二流体ノズル式が挙げられる。乾燥機の容量は、実験室で使用するような小規模な容量から、工業的に使用するような大規模な容量のいずれであってもよい。乾燥用の加熱ガスの温度は200℃以下が好ましく、120〜180℃がより好ましい。別々に製造された2種以上のグラフト共重合体のラテックスを、一緒に噴霧乾燥することもできる。更には、噴霧乾燥時のブロッキング、嵩比重等の粉末特性を向上させるために、グラフト共重合体のラテックスに、シリカ等の任意成分を添加して噴霧乾燥することもできる。
凝固法は、グラフト共重合体のラテックスを凝析して、グラフト共重合体を分離し、回収し、乾燥する方法である。先ず、凝固剤を溶解した熱水中にグラフト共重合体のラテックスを投入し、塩析し、凝固することによりグラフト共重合体を分離する。次いで、分離した湿潤状のグラフト共重合体を脱水等によって水分量が低下したグラフト共重合体を回収する。回収されたグラフト共重合体は圧搾脱水機や熱風乾燥機を用いて乾燥される。
凝固剤としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどの無機塩や、硫酸等の酸などが挙げられ、酢酸カルシウムが特に好ましい。これらの凝固剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、2種以上を用いる場合は水に不溶性の塩を形成しない組み合わせを選択することが必要である。例えば、酢酸カルシウムと、硫酸、若しくはそのナトリウム塩とを併用すると、水に不溶性のカルシウム塩を形成するので好ましくない。
上記の凝固剤は、通常、水溶液として用いられる。凝固剤水溶液の濃度は、グラフト共重合体を安定的に凝固し、回収する観点から、0.1質量%以上、特に1質量%以上であることが好ましい。また、回収されたグラフト共重合体中に残存する凝固剤の量を少なくして成形品の成形外観の低下を防止する観点から、凝固剤水溶液の濃度は、20質量%以下、特に15質量%以下であることが好ましい。凝固剤水溶液の量は特に限定されないが、ラテックス100質量部に対して10質量部以上、500質量部以下であることが好ましい。
ラテックスを凝固剤水溶液に接触させる方法は特に限定されないが、通常、下記の方法が挙げられる。(1)凝固剤水溶液を攪拌しながら、その中にラテックスを連続的に添加して一定時間保持する方法、(2)凝固剤水溶液とラテックスとを、一定の比率で攪拌機付きの容器内に連続的に注入しながら接触させ、凝析された重合体と水とを含む混合物を容器から連続的に抜き出す方法。ラテックスを凝固剤水溶液に接触させるときの温度は特に限定されないが、30℃以上、100℃以下であることが好ましい。接触時間は特に限定されない。
凝析したグラフト共重合体は、1〜100質量倍程度の水で洗浄され、ろ別した湿潤状のグラフト共重合体は流動乾燥機や圧搾脱水機等を用いて乾燥される。乾燥温度、乾燥時間は得られるグラフト共重合体によって適宜決めればよい。なお、圧搾脱水機や押出機から排出されたグラフト共重合体を回収せず、直接、樹脂組成物を製造する押出機や成形機に送り、熱可塑性樹脂と混合して成形体を得ることも可能である。
本発明において、グラフト共重合体は、熱可塑性樹脂と混合して得られる樹脂組成物の耐熱分解性の観点から、凝固法を用いて回収することが好ましい。
<熱可塑性樹脂組成物>
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用される「グラフト共重合体」は、前述したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を熱可塑性樹脂と混合して熱可塑性樹脂組成物として使用することができる。以下の説明では、前述したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を単に「グラフト共重合体」ということがある。
本発明で使用できる熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、例えば熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーから選ばれる1種以上の樹脂が挙げられる。
〔熱可塑性樹脂〕
熱可塑性樹脂としては、例えば以下のものが挙げられる。ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、(メタ)アクリレート・スチレン共重合体(MS)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリル酸エステル・スチレン・アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル・エチレン・プロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)等のスチレン(St)系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル(Ac)系樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリアミド(PA)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル(PEs)樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル((m−)PPE)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリスルフォン(PSO)樹脂、ポリアリレート(PAr)樹脂、ポリフェニレン(PPS)樹脂等のエンジニアリングプラスチックス;熱可塑性ポリウレタン(PU)樹脂;硬質塩化ビニル樹脂、半硬質塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル(PVC)系樹脂;PC/ABS等のPC樹脂とSt系樹脂とのアロイ;PVC/ABS等のPVC系樹脂とSt系樹脂とのアロイ;PA/ABS等のPA樹脂とSt系樹脂とのアロイ;PA樹脂と熱可塑性エラストマー(TPE)とのアロイ;PA/PP等のPA樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ;PC/PBT等のPC樹脂とPEs樹脂とのアロイ;PP/TPE、PP/PE等のオレフィン系樹脂同士のアロイ;PPE/HIPS、PPE/PBT、PPE/PA等のPPE系樹脂とその他の樹脂のアロイ;PVC/PMMA等のPVC系樹脂とアクリル系樹脂とのアロイ等。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイソプレン等。これらの中でも、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが好ましい。
前記の熱可塑性樹脂の中でも、以下のものが好ましい。St系樹脂、PC樹脂、PA樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、(m−)PPE樹脂、POM樹脂、PU樹脂、PC/ABS等のPC樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA/ABS等のPA樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA樹脂とTPEとのアロイ、PA/PP等のPA樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ、PC/PBT等のPC樹脂とPEs樹脂とのアロイ、PPE/PBT、PPE/PA等のPPE系樹脂とその他の樹脂のアロイ等。
更に、上述の樹脂の中では、本願発明の効果を最大限に発揮できる観点から、ポリエステル樹脂とポリカーボネートとの混合物がさらに好ましく、芳香族ポリエステル樹脂及と芳香族ポリカーボネートとの混合物が特に好ましく、芳香族ポリエステル樹脂の中でもポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂の中でも芳香族ポリカーボネートが非常に好ましい。
ポリエステル樹脂とポリカーボネートとの混合物の比率は、ポリエステル樹脂とポリカーボネートとの混合物の合計100質量%に対して、ポリエステル樹脂が5〜50質量%、ポリカーボネート樹脂が95〜50質量%が耐衝撃性と発色性、剛性や耐熱性のバランスに優れるため好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されず、公知の方法、すなわち、ホスゲン法(界面重合法)、溶融法(エステル交換法)等が採用される。本発明では、溶融法で製造され、かつ、末端のOH基量が調整された芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することもできる。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、例えば以下のものが挙げられる。ユーピロン(登録商標)S−1000、S−2000、S−3000、H−3000若しくはH−4000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)、またはパンライト(登録商標)L1250、L1225若しくはK1300(帝人化成(株)製)等。
熱可塑性樹脂とグラフト共重合体の合計100質量%中におけるグラフト共重合体の含有量は、0.5〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜30質量%である。グラフト共重合体の含有量が0.5質量%以上であれば耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得ることができ、また50質量%以下であれば表面外観と発色性と剛性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
[添加剤]
熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、フェノール系安定剤、燐系安定剤、紫外線吸収剤、アミン系光安定剤等の安定剤;燐系、ブロム系、シリコーン系、有機金属塩系等の難燃剤;耐加水分解性等の各種物性を付与するための改質剤;酸化チタン、タルク等の充填剤;染顔料;可塑剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂である場合、添加剤としては例えば以下のものを使用できる。防炎加工剤、ドリップ防止剤(例えば、フッ素化ポリオレフィン、シリコーン及びアラミド繊維)、滑剤、離型剤(例えば、ペンタエリスリトールテトラステアレート)、成核剤、帯電防止剤、安定剤、充填材、強化剤(例えば、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カオリン、タルク、CaCO及びガラスフレーク)、色素及び顔料。色素及び顔料としては、無機系顔料であれば、例えば酸化鉄、群青、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。有機系顔料であれば、例えばフタロシアニン系やアンスラキノン系の青色顔料、ペリレン系やキナクリドン系の赤色顔料、イソインドリノン系の黄色顔料等が挙げられる。また、特殊顔料として蛍光顔料、金属粉顔料、パール顔料等が挙げられる。染料であればニグロシン系、ペリノン系、アンスラキノン系のものが挙げられ、要求される色に応じた様々なグレードが市販されており、それらを使用することができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔樹脂組成物の調製方法〕
本発明の熱可塑性樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、グラフト共重合体と、熱可塑性樹脂と、必要に応じて使用される各種添加剤とを、V型ブレンダーやヘンシェルミキサー等により混合分散させ、この混合物を押出機またはバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール等の混練機等を用いて溶融混練することにより調製できる。これらの各成分の混合はバッチ的又は連続的に実施することができ、各成分の混合順序は特に限定されない。溶融混練物はペレットにして、各種の成形に用いることができる。
[成形体]
本発明に係る成形体は、上記の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。熱可塑性樹脂組成物の成形方法としては、例えば、熱可塑性樹脂組成物、又はグラフト共重合体粉体と熱可塑性樹脂の混合物を、射出成形機で成形する方法が挙げられる。
成形体の用途としては特に制限はなく、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野等の材料として、工業的に広く利用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。実施例に先立って、各種評価方法、並びに、ポリオルガノシロキサンのラテックスの製造例1〜3を説明する。実施例1〜4、及び比較例1〜5は、グラフト共重合体の製造及び評価に関する例であり、実施例5〜8及び比較例6〜10は、熱可塑性樹脂組成物の製造及び評価に関する例である。製造例および実施例等において「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
<評価方法>
(1)固形分、重合率
質量w1のポリオルガノシロキサン及びポリオルガノシロキサン含有ラテックスを180℃の熱風乾燥機で30分間乾燥し、乾燥後の残渣の質量w2を測定し、下記式により固形分[%]を算出する。
固形分[%]=w2/w1×100
またこの固形分を仕込みの固形分で割った値を重合率とする。
(2)重量平均粒子径(Dw)、数平均粒子径(Dn)
「ゴムラテックス」又は「グラフト共重合体ラテックス」を脱イオン水で固形分濃度約3%に希釈したものを試料として、前述した米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用いて、前述の条件を用いて、粒子径を測定し、重量平均粒子径Dw及び数平均粒子数Dnを測定する。
(3)ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の屈折率
圧縮成型によって、薄膜化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を、JIS K 7142 A法に準じ、アッベ屈折計を用いて、温度23℃で測定する。
(4)シャルピー衝撃強度
JIS K 7111に準じて、温度23℃及び−30℃にて、試験片(長さ80.0mm×幅10.0mm×厚み4mm、Vノッチ付き)のシャルピー衝撃強度を測定する。
(5)発色性(顔料着色性)
着色剤によって着色した厚さ2mmの試験片をJIS Z 8729(L*a*b* 表色系による物体色の表示方法)により、測定はJIS Z 8722に準拠して、日本電色工業(株)製SE−4000(商品名)を用いて、下記の「測定条件2」によって物体色を測定し、L*を発色性(顔料着色性)の指標とする。L*は低いほど発色性に優れ、顔料を添加した際の発色性が優れることを表す。
「測定条件2」
装置:分光式色差計SE−4000(日本電色工業株式会社製、0−45°後分光方式)、
測定範囲:380〜780nm、
測定光源:C光(2°視野)
(6)光沢値
JIS Z 8741に準拠して、コニカミノルタ社製のMULTI GLOSS 268 Plusを用いて、射出成型によって得られる厚さ2mmの試験片の20°の光沢値を測定する。光沢値が低いほど、低光沢なマット調の外観となり、優れることを表す。
(7)引張特性
JIS K 7161に準じて、1点ゲート方式にて成形したJIS−7139で定める多目的試験片形状を用いて、温度23℃、試験速度50mm/minで測定を行う。
(8)曲げ特性
JIS K 7171に準じて、試験片(長さ80.0mm×幅10.0mm×厚み4mm)を用いて、温度23℃、試験速度2mm/minで測定を行う。曲げ特性は剛性の指標として用い、曲げ弾性率と最大点強度が高いほど剛性に優れることを表す。
(9)荷重たわみ温度(HDT)
JIS K 7191に準拠して、荷重0.45MPa、フラットワイズの条件で、射出成型によって得られる試験片(長さ80.0mm×幅10.0mm×厚み4mm)の荷重たわみ温度(HDT)測定する。HDTは耐熱性の指標として用い、HDTが高いほど耐熱性に優れることを表す。
[製造例1]
テトラエトキシシラン(TEOS)2部、γ−メタクリロイロキシプロピルジメトキシメチルシラン(DSMA)2部及び、オクタメチルシクロテトラシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(株)製、製品名:TSF404)96部を混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。脱イオン水150部中にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)1部を溶解した水溶液を、前記混合物中に添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。
次いで、冷却コンデンサーを備えた容量5リットルのセパラブルフラスコ内に、上記エマルションを入れた後、該エマルションを温度80℃に加熱し、次いで硫酸0.20部と蒸留水49.8部との混合物を3分間にわたり連続的に投入した。80℃に加熱した状態を7時間維持して重合反応させた後、25℃に冷却し、得られた反応物を25℃で6時間保持した。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応液をpH7.0に中和して、ポリオルガノシロキサンラテックス(AS−1)を得た。
ポリオルガノシロキサンラテックス(AS−1)の固形分は29.8%であった。また、このラテックスのキャピラリー粒度分布計による数平均粒子径(Dn)は384nm、重量平均粒子径(Dw)は403nmであり、Dw/Dnは1.05であった。
[製造例2]ポリオルガノシロキサンラテックスの製造(AS−2)
テトラエトキシシラン(TEOS)2.0部、γ−メタクリロイロキシプロピルジメトキシメチルシラン(DSMA)2.0部及び、環状ジメチルシロキサン混合物(信越シリコーン(株)製、製品名:DMC)97.5部を混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。脱イオン水200部中にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)0.68部、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSH)0.68部を溶解した水溶液を、前記混合物中に添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。
次いで、冷却コンデンサーを備えた容量5リットルのセパラブルフラスコ内に、上記エマルションを入れた後、該エマルションを温度85℃に加熱し、この温度で加熱した状態を6時間維持して重合反応させた後、25℃に冷却し、得られた反応物を25℃で12時間保持した。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応液をpH7.0に中和して、ポリオルガノシロキサンラテックス(AS−2)を得た。ポリオルガノシロキサンラテックス(AS−2)の固形分は29.2質量%であった。また、このラテックスのキャピラリー粒度分布計による数平均粒子径(Dn)は98nm、重量平均粒子径(Dw)は204nmであり、Dw/Dnは2.1であった。
[製造例3]ポリオルガノシロキサンラテックスの製造(AS−3)
γ−メタクリロイロキシプロピルジメトキシメチルシラン(DSMA)2部及び、環状オルガノシロキサン混合物(信越シリコーン(株)製、製品名:DMC、3〜6員環の環状オルガノシロキサンの混合物)98部とを混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。脱イオン水150部中にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)0.68部を溶解した水溶液を、前記混合物中に添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。
次いで、冷却コンデンサーを備えた容量5リットルのセパラブルフラスコ内に、脱イオン水680部中にドデシルベンゼンスルホン酸(DBSH)10部を溶解した水溶液を入れた後、該水溶液を温度80℃に加熱し、次いで、上記エマルションを240分間にわたり連続的に投入し重合反応させた後、室温(25℃)に冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応液をpH7.0に中和して、ポリオルガノシロキサンラテックス(AS−3)を得た。
ポリオルガノシロキサンラテックス(AS−3)の固形分は18.2質量%であった。また、このラテックスのキャピラリー粒度分布計による数平均粒子径(Dn)は67nm、重量平均粒子径(Dw)は83nmであり、Dw/Dnは1.24であった。
[実施例1]
製造例1において得たポリオルガノシロキサンラテックス(AS−1)100.67部(ポリマー換算で30.0部)を容量5リットルのセパラブルフラスコ内に採取し、脱イオン水160部を添加し混合した。次いでこのセパラブルフラスコ内に、スチレン(St)9.75部、アリルメタクリレート(AMA)0.25部、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.07部の混合物(ゴム重合に用いる混合物の1/4量)を添加し、25℃で1時間撹拌を続けポリオルガノシロキサンに含浸させた。
このセパラブルフラスコ内に窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行い、液温を70℃まで昇温した。液温が70℃となった時点で硫酸第一鉄(Fe)0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA)0.003部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.24部を脱イオン水10部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始した。ラジカル重合開始から30分保持した後、スチレン(St)20.25部、アリルメタクリレート(AMA)0.75部、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.21部を混合したモノマー溶液を、120分にわたって滴下した。
ビニル単量体成分の重合を完結させるため、滴下終了後から1時間70℃の状態を維持し、ポリオルガノシロキサンとスチレンを含むゴム(A−1)のラテックスを得た。
このラテックスの液温が70℃の状態で、メチルメタクリレート(MMA)27.0部、グリシジルメタクリレート(GMA)3.0部、t−ブチルハイドロパーオキサイド(t−BH)0.05部の混合液を1時間にわたって、このラテックス中に滴下し、グラフト重合反応を開始させ、継続させた。滴下終了後、温度70℃の状態を1時間保ったのち25℃に冷却し、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G−1)のラテックスを得た。
次いで、酢酸カルシウムの濃度が1質量%の水溶液500部を85℃に加熱して、攪拌しながら、この水溶液中にグラフト共重合体(G−1)のラテックス340部を徐々に滴下し凝固させた。得られたグラフト共重合体(G−1)をろ過、洗浄、脱水した後、乾燥させてグラフト共重合体(G−1)の粉体を得た。グラフト共重合体(G−1)の屈折率、重合率、重量平均粒子径、数平均粒子径を表1に示す。尚、この重合率は、複合ゴムの製造からグラフト重合までの全工程において使用された単量体成分の重合率である。
[実施例2〜4、比較例1]
実施例1において用いた各原料の種類及び量を表1に示す条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G−2〜4、及びG’−1)を製造し、さらにグラフト共重合体の粉体を得た。得られたグラフト共重合体の屈折率、重合率、重量平均粒子径、数平均粒子径を表1に示す。
[比較例2]
製造例1において得たポリオルガノシロキサンラテックス(AS−1)26.85部(ポリマー換算で8.0部)を容量5リットルのセパラブルフラスコ内に採取し、脱イオン水160部を添加し混合した。次いでこのセパラブルフラスコ内に、ブチルアクリレート(BA)74.0部、アリルメタクリレート(AMA)0.4部、t−ブチルハイドロパーオキサイド(t−BH)0.05部の混合物を添加し、室温で1時間撹拌を続けポリオルガノシロキサンに含浸させた。
このセパラブルフラスコ内に窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行い、液温を50℃まで昇温した。液温が50℃となった時点で硫酸第一鉄(Fe)0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA)0.003部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.24部を脱イオン水10部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始した。アクリレート成分の重合を完結させるため、液温65℃の状態を1時間維持し、ポリオルガノシロキサンとポリn−ブチルアクリレートとの複合ゴムのラテックスを得た。
このラテックスの液温を65℃として、メチルメタクリレート(MMA)6.0部、グリシジルメタクリレート(GMA)2.0部、t−ブチルハイドロパーオキサイド(t−BH)0.03部の混合液を30分にわたって、このラテックス中に滴下し、グラフト重合反応を開始させた。滴下終了後、温度65℃で、1時間維持したのち、メチルメタクリレート(MMA)10.0部、t−ブチルハイドロパーオキサイド(t−BH)0.03部の混合液を30分にわたって、このラテックス中に滴下し、室温に冷却し、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G’−2)のラテックスを得た。
次いで、酢酸カルシウムの濃度が1質量%の水溶液500部を85℃に加熱して、攪拌しながら、この水溶液中にグラフト共重合体(G’−2)のラテックス340部を徐々に滴下し凝固させた。得られたグラフト共重合体(G’−2)をろ過、洗浄、脱水した後、乾燥させてグラフト共重合体(G’−2)の粉体を得た。グラフト共重合体(G’−2)の屈折率、重合率、重量平均粒子径、数平均粒子径を表1に示す。尚、この重合率は、複合ゴムの製造からグラフト重合までの全工程において使用された単量体成分の重合率である。
[比較例3]
比較例2において用いた各原料の種類及び量を表1に示す条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G’−3)を製造し、さらにグラフト共重合体の粉体を得た。得られたグラフト共重合体の屈折率、重合率、重量平均粒子径、数平均粒子径を表1に示す。






























表1中の略号は以下のとおりである。
St:スチレン
BA:n−ブチルアクリレート
AMA:アリルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
FM−1:不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε―カプロラクトン(株式会社ダイセル製、商品名;プラクセルFM−1)
[実施例5〜8、比較例4〜7]
各ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(G−1)〜(G−4)、(G’−1)、〜(G’−3)の粉体、ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名;ノバデュラン5010R5)、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名;ユーピロンS−2000F、粘度平均分子量24,000)、カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製、商品名;カーボンブラック♯960B)、及びリン系安定剤(オクタデシルフォスフェート、株式会社ADEKA製、商品名;アデカスタブAX−71)を表2に記載の比率で配合し、混合した。該配合物を、120℃で12時間乾燥させた後、30mmΦ二軸押出機(L/D=30)に供給してシリンダー温度260℃及びスクリュー回転数150rpmで溶融混合して押出して、熱可塑性樹脂組成物(H−1)〜(H−8)のペレットを得た。
得られたペレットを120℃で12時間乾燥した後、100t射出成形機(住友重機(株)製、商品名;SE−100DU)に供給し、シリンダー温度260℃及び金型温度60℃で射出成形を行い、各「試験片1」(長さ80mm、幅10mm、厚み4mm)、各「試験片2」(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)、及び各「試験片3」(1点ゲート方式にて成形したJIS−7139で定める多目的試験片形状)を得た。試験片1に関しては、シャルピー衝撃試験用として、JIS K 7111−1Aに準拠し、ノッチングマシーンでVノッチを切削した。次いで、各試験片を用いてシャルピー衝撃強度、発色性(顔料着色性)、20°光沢値、引張特性、曲げ特性、荷重たわみ温度の測定を行った。評価結果を表2に示す。
[樹脂組成物の性能比較]
実施例5〜8は耐衝撃性と発色性のバランスが良好であり、低光沢のマット調外観の成形品が得られた。また、引張特性、曲げ特性、HDTも優れていた。
比較例4はポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体のグラフト部にビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体を含んでいないため、発色性が劣っていた。また、光沢値も高く、マット調の外観の成形体が得られなかった。荷重たわみ温度も劣っていた。
比較例5、6はポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の屈折率が低いため、発色性が低位であった。また、ゴム(A)中に含まれる芳香族ビニル単量体単位が30質量%以下であるので、引張特性および曲げ特性が劣っていた。
比較例7はポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含んでいないため、耐衝撃性が劣っていた。また、光沢値も高く、マット調の外観の成形体が得られなかった。引張特性、荷重たわみ温度も劣っていた。


Claims (8)

  1. ポリオルガノシロキサン(A1)とビニル重合体(A2)を含有するゴム(A)を、ビニル基以外の反応性基を有するビニル単量体(b1)とその他のビニル単量体(b2)の混合物(B)でグラフト化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、
    「測定方法1」で測定したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の屈折率が1.47〜1.60であるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
    「測定条件1」
    圧縮成型によって、薄膜化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を、JIS K 7142 A法に準じ、アッベ屈折計を用いて、温度23℃で測定する。
  2. 前記ビニル重合体(A2)が芳香族ビニル単位を含む請求項1に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  3. 前記ゴム(A)の合計100質量%に対して、前記ゴム(A)中に、芳香族ビニル単位を、30質量%を超え90質量%以下含有する請求項1または2に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  4. ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の重量平均粒子径が150〜2000nmである請求項1〜3に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  5. 前記ビニル単量体(b1)の反応性基がエポキシ基である請求項1〜4に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含む樹脂組成物。
  7. ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂を含む請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項6または7に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体。
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