JP2023143674A - 樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明により、発色性を良好に保ちながら耐衝撃性に優れる成形体及び該成形体を製造するための樹脂組成物を提供することができる。【解決手段】ポリオルガノシロキサン(A1)と、第1のビニル重合体(A2)と、を有する複合重合体(A)を、ビニル単量体(b)でグラフト重合したグラフト共重合体(G)と、熱可塑性樹脂成分(H)を含む樹脂組成物であって、前記グラフト共重合体(G)100質量部における、前記複合重合体(A)の割合は70質量部より大きく、前記ビニル重合体(A2)の重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、前記熱可塑性樹脂成分(H)の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m2以下である樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、及びこの樹脂組成物の成形体に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性樹脂は、汎用エンジニアリングプラスチックとして透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性などに優れ、その優れた特性から、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野等の材料として、工業的に広く利用されている。なお、熱可塑性樹脂の耐衝撃性を向上させるため、衝撃強度改質剤を添加する方法が用いられている。
また、熱可塑性樹脂を用いた成形品は、近年、電気・電子機器筐体、家電製品等の用途を中心に、製品の低コスト化を目的として、塗装を施さずに使用される場合もあり、樹脂自体を着色して所望の色調に発色させることが求められている。
しかしながら、衝撃強度改質剤を添加すると十分な発色性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られない場合がある。そこで、特許文献1には、ポリオルガノシロキサン(A1)及びビニル重合体(A2)を含有するゴム(A)の存在下で、ビニル単量体(b)を重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、該ゴム(A)の屈折率が1.47~1.56の範囲内であり、該ゴム(A)の体積平均粒子径が300~2000nmの範囲内であるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を衝撃強度改質剤として使用することが提案されている。
国際公開第2014/208716号
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体をポリブチレンテレフタレート樹脂などの脆性樹脂等に添加した場合、耐衝撃性が充分に得られない場合があることが判明した。そこで、本発明の目的は、発色性を良好に保ちながら耐衝撃性に優れる成形体及び該成形体を製造するための樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等の鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂に特定のグラフト重合体を添加した樹脂組成物を使用することにより上記課題を解決できることが判明した。すなわち、本発明は下記を要旨とする。
[1]ポリオルガノシロキサン(A1)と、第1のビニル重合体(A2)と、を有する複合重合体(A)を、ビニル単量体(b)でグラフト重合したグラフト共重合体(G)と、熱可塑性樹脂成分(H)を含む樹脂組成物であって、前記グラフト共重合体(G)100質量部における、前記複合重合体(A)の割合は70質量部より大きく、前記第1のビニル重合体(A2)の重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、前記熱可塑性樹脂成分(H)の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下である樹脂組成物。
[2]前記グラフト共重合体(G)100質量部における前記ポリオルガノシロキサン(A1)の割合が20質量部以上である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記グラフト共重合体(G)と前記熱可塑性樹脂成分(H)との屈折率差が0.14以下である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記グラフト共重合体(G)100質量部における前記複合重合体(A)の割合が75質量部以上95質量部以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記グラフト共重合体(G)100質量部における前記ポリオルガノシロキサン(A1)の割合が30質量部以上60質量部以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]前記第1のビニル重合体(A2)が芳香族ビニル単量体単位及び/またはエステル基がフェニルもしくは置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレート単位を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]前記グラフト共重合体(G)の質量平均粒子径が300~2000nmである、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]前記熱可塑性樹脂成分(H)が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有し、前記熱可塑性樹脂成分(H)100質量%における前記芳香族ポリカーボネート樹脂の割合が10~70質量%である、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの脆性樹脂を含んで得られる成形体であっても、発色性を良好に保ちながら耐衝撃に優れる樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明において、ビニル単量体は、重合性二重結合を有する化合物を意味する。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを表す。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、ポリオルガノシロキサン(A1)と第1のビニル重合体(A2)と、を有する複合重合体(A)を、ビニル単量体(b)でグラフト重合したグラフト共重合体(G)と、熱可塑性樹脂(H)と、を含み、該グラフト共重合体(G)100質量部における前記複合重合体(A)の割合は70質量部より大きく、該第1のビニル重合体(A2)の重合体のガラス転移温度は0℃以上であり、前記熱可塑性樹脂(H)成分の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下である、樹脂組成物である。
なお、本発明において、重合体のガラス転移温度(以下、Tgと称す場合がある)は、FOXの式により求められる。このとき、単独重合体のガラス転移温度は、例えば、「POLYMER HANDBOOK」(Wiley Interscience社/1999年)に記載の値を用いることができる。この文献に記載のない単独重合体のガラス転移温度は、Biceranoの方法「Prediction of Polymer Properties」(MARCEL DEKKER社/2002年)を用いて算出することができる。
<1.グラフト共重合体(G)>
本発明の一実施形態に係るグラフト共重合体(G)は、ポリオルガノシロキサン(A1)と、第1のビニル重合体(A2)と、を有する複合重合体(A)を、ビニル単量体(b)でグラフト重合したグラフト共重合体である。すなわち、本実施形態に係るグラフト共重合体(G)は、ポリオルガノシロキサン(A1)と、第1のビニル重合体(A2)と、を含んで構成される複合体重合体(A2)と、グラフト部として第2のビニル重合体(B)と、を有する。なお、複合重合体(A)は、第1のビニル重合体(A2)とポリオルガノシロキサン(A1)が複合化された重合体である。なお、複合重合体(A)を構成するポリオルガノシロキサン(A1)と第1のビニル重合体(A2)は、架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。
<1-1.複合重合体(A)>
上述の通り、複合重合体(A)は、ポリオルガノシロキサン(A1)と第1のビニル重合体(A2)とを含む。なお、複合重合体(A)はポリオルガノシロキサン(A1)と第1のビニル重合体(A2)との複合ゴムとしての機能を有することが好ましい。なお、複合ゴムとして機能するにはポリオルガノシロキサン(A1)と第1のビニル重合体(A2)のガラス転移温度がそれぞれ0℃以下であることが好ましい。
<1-1-1.ポリオルガノシロキサン(A1)>
ポリオルガノシロキサン(A1)は、オルガノシロキサン単位を含む重合体である。ポリオルガノシロキサン(A1)は、オルガノシロキサンを含むオルガノシロキサン混合物を重合することにより得ることができる。オルガノシロキサン混合物は、必要に応じて使用される成分をさらに含んでいてもよい。必要に応じて使用される成分としては、シロキサン系架橋剤、シロキサン系交叉剤、及び末端封鎖基を有するシロキサンオリゴマーからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
オルガノシロキサンとしては、鎖状オルガノシロキサン、アルコキシシラン化合物、環状オルガノシロキサン等が挙げられ、いずれも用いることができる。その中でも、アルコキシシラン化合物、環状オルガノシロキサンが好ましく、特に、重合安定性が高く、重合速度が大きいことから、環状オルガノシロキサンが好ましい。
アルコキシシラン化合物としては、2官能性アルコキシシラン化合物が好ましく、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジプロポキシジメチルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。環状オルガノシロキサンとしては、3~7員環のものが好ましく、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、粒子径分布を制御しやすいことから、オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
オルガノシロキサンとしては、成形体の衝撃強度をより高くできるグラフト共重合体(G)を得るために、環状ジメチルシロキサン及び2官能性ジアルキルシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
環状ジメチルシロキサンとは、ケイ素原子にメチル基を2つ有する環状シロキサンであり、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2官能性ジアルキルシラン化合物とは、ケイ素原子にアルコキシ基とアルキル基をそれぞれ2つ有するシラン化合物であり、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジプロポキシジメチルシラン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シロキサン系架橋剤としては、シロキシ基を有するものが好ましい。シロキサン系架橋剤としては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤が挙げられる。中でも、4官能性の架橋剤が好ましく、テトラエトキシシランがより好ましい。
オルガノシロキサン混合物100質量%におけるシロキサン系架橋剤の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量%であってもよい。シロキサン系架橋剤の含有率が10質量%以下であれば、成形体の衝撃強度をより良好にできる重合体粒子群(C)を得ることができる。
シロキサン系交叉剤は、シロキシ基(-Si-O-)を有すると共にビニル単量体と重合可能な官能基を有するものである。シロキサン系交叉剤としては、例えば、下記式(I)で表されるシロキサンが挙げられる。
R-Si(R(OR(3-n)(I)
式(I)中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、又はフェニル基を示す。Rは、炭化水素基等の有機基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、又はフェニル基が好ましい。nは、0、1又は2を示す。Rは、下記式(I-1)~(I-4)のいずれかで表される官能基を示す。
CH=C(R)-COO-(CH- ・・・(I-1)
CH=C(R)-C- ・・・(I-2)
CH=CH- ・・・(I-3)
HS-(CH- ・・・(I-4)
これらの式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、pは1~6の整数を示す。
式(I-1)で表される官能基としては、例えば、メタクリロイルオキシアルキル基が挙げられる。この基を有するシロキサンとしては、例えば、β-メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ-メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
式(I-2)で表される官能基としては、例えば、ビニルフェニル基が挙げられる。この基を有するシロキサンとしては、例えば、ビニルフェニルエチルジメトキシシランが挙げられる。式(I-3)で表される官能基を有するシロキサンとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
式(I-4)で表される官能基としては、メルカプトアルキル基が挙げられる。この基を有するシロキサンとして、例えば、γ-メルカプトプロピルジメトキメチルシラン、γ-メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、γ-メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、γ-メルカプトプロピルエトキシジメチルシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シロキサン系交叉剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。シロキサン系交叉剤としては、ポリオルガノシロキサン(A1)と第1のビニル重合体(A2)とが複合化した際に海島構造を形成しやすいことから、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
オルガノシロキサン混合物100質量%におけるシロキサン系交叉剤の割合は、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、一方、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。シロキサン系グラフト交叉剤の比率が前記上限値及び前記下限値の範囲内であれば、ポリオルガノシロキサン(A1)と第1のビニル重合体(A2)との共有結合を充分に形成でき、衝撃強度がより良好なグラフト共重合体(G)を得ることができる。オルガノシロキサン混合物100質量%におけるシロキサン系交叉剤の割合は、例えば、0.05~20質量%であってよく、0.1~10質量%であってよく、0.5~5質量%であってよい。
ポリオルガノシロキサン(A1)の質量平均粒子径は、100nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましく、250nm以上であることがさらに好ましく、一方、2000nm以下であることが好ましく、1500nm以下であることがより好ましく、1300nm以下であることがさらに好ましく、1200nm以下であることが特に好ましく、1000nm以下であることが最も好ましい。ポリオルガノシロキサン(A1)の質量平均粒子径が前記上限値及び前記下限値の範囲内であれば、グラフト共重合体(G)の質量平均粒子径を後述する好ましい上限値及び下限値の範囲内に調整しやすい。なお、ポリオルガノシロキサン(A1)の質量平均粒子径は、上記の上下限を適宜選択することが好ましく、例えば、100~2000nmであってよく、100~1500nmであってよく、150~1300nmであってよく、150~1200nmであってよく、250~1000nmであってよい。
ポリオルガノシロキサン(A1)の質量平均粒子径(Dw)は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリオルガノシロキサン(A1)の製造方法は、特に制限はなく、例えば、オルガノシロキサン、必要に応じて、上述したようなシロキサン系架橋剤、必要に応じてシロキサン系交叉剤、及び必要に応じて末端封鎖基を有するシロキサンオリゴマーを含むオルガノシロキサン混合物を、乳化剤と水によって乳化させてエマルションを調製し、このエマルション中で、酸触媒の存在下、オルガノシロキサン混合物を高温で重合させ、その後、アルカリ性物質により酸触媒を中和することによりポリオルガノシロキサンのラテックスを得ることができる。
なお、以下の製造方法の説明においては、重合用の原料として「オルガノシロキサン混合物」を用いた場合について説明するが、「オルガノシロキサン」を用いた場合についても同様の製造プロセスを適用できる。
この製造方法において、エマルションの調製方法としては、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーを用いる方法;高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を用いて高速撹拌により混合する方法等が挙げられる。これらの中でも、ホモジナイザーを用いる方法は、ポリオルガノシロキサンのラテックスの粒子径の分布が狭くなるので好ましい。重合の際の酸触媒の混合方法としては、(1)オルガノシロキサン混合物、乳化剤及び水とともに酸触媒を一括して添加し、混合する方法、(2)オルガノシロキサン混合物のエマルション中に酸触媒水溶液を一括して添加する方法、(3)オルガノシロキサン混合物のエマルションを高温の酸触媒水溶液中に一定速度で滴下して混合する方法等が挙げられる。中でも、ポリオルガノシロキサンの粒子径を制御しやすいことから、オルガノシロキサン混合物のエマルションを高温の酸触媒水溶液中に一定速度で滴下して混合する方法が好ましい。
重合温度は、50℃以上が好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。重合温度の上限は、特段の制限はないが、例えば、100℃である。重合時間は、オルガノシロキサン混合物のエマルションを高温の酸触媒水溶液中に一定速度で滴下して重合する場合には、通常2時間以上、好ましくは5時間以上である。
更に、30℃以下の温度においては、シラノール間の架橋反応が進行することから、ポリオルガノシロキサンの架橋密度を上げるために、50℃以上の高温で重合させた後に、生成したラテックスを、30℃以下の温度で5時間から100時間程度保持することもできる。
オルガノシロキサン混合物の重合反応は、ラテックスを含む反応系を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液等のアルカリ性物質でpH6以上8以下に中和して、終了させることができる。
上記製造方法で使用される乳化剤としては、オルガノシロキサン混合物を乳化できれば特に制限されないが、アニオン系乳化剤又はノニオン系乳化剤が好ましい。アニオン系乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン系乳化剤としては、例えば以下のものが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。これらの乳化剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
乳化剤の使用量は、オルガノシロキサン混合物100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、一方、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。乳化剤の使用量によって、ポリオルガノシロキサンのラテックスの粒子径を所望の値に調整することが可能である。乳化剤の使用量が前記下限値以上であれば、オルガノシロキサン混合物のエマルションの乳化安定性を高めることができる。乳化剤の使用量が前記上限値以下であれば、成形体の耐熱変色性及び表面外観がより優れる。
オルガノシロキサン混合物の重合に用いられる酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類、及び硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を使用すると、ポリオルガノシロキサンラテックスの粒子径分布を狭くすることができ、さらに、ポリオルガノシロキサンラテックス中の乳化剤成分に起因する不具合(成形体の耐熱分解性の低下、外観不良等)の発生を抑制できる。
酸触媒の使用量は、オルガノシロキサン100質量部に対して0.005質量部以上40質量部以下であることが好ましい。酸触媒の使用量が0.005質量部以上であれば、オルガノシロキサン混合物を短時間で重合することができる。酸触媒の使用量が40質量部以下であれば、成形体の耐熱変色性及び表面外観がより優れることになる。
また、酸触媒の使用量がポリオルガノシロキサン(A1)の粒子径を決定する因子となるため、後述する粒子径のポリオルガノシロキサン(A1)を得るためには、酸触媒の使用量を、オルガノシロキサン100質量部に対して0.005質量部以上1.5質量部以下とすることがより好ましい。
上記方法により得られるポリオルガノシロキサンのラテックスには、機械的安定性を向上させる目的で、必要に応じて、乳化剤を添加してもよい。乳化剤としては、上記例示したものと同様のアニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好ましい。
<1-1-2.第1のビニル重合体(A2)>
第1のビニル重合体(A2)は、1種以上のビニル単量体成分(a)が重合された重合体である。すなわち、第1のビニル重合体(A2)は、第1のビニル単量体成分(a)に由来するビニル単量体単位を含む。
なかでも、第1のビニル重合体(A2)としては、重合体のガラス転移温度が0℃以上の単官能性ビニル単量体成分(a1)と、多官能性ビニル単量体成分(a2)と、を重合して得られる重合体であることが好ましい。すなわち、第1のビニル重合体(A2)は、単官能ビニル単量体成分(a1)由来の構成単位と、多官能ビニル単量体成分(a2)由来の構成単位を含むことが好ましい。
なお、第1のビニル重合体(A2)のガラス転移温度は0℃以上である限りにおいて、第1のビニル重合体(A2)を構成するための単官能性ビニル単量体成分(a1)のガラス転移温度は特段の制限はないが、該単官能性ビニル単量体成分(a1)を構成する各単量体のガラス転移温度が0℃以上であることが好ましい。
単官能性ビニル単量体成分(a1)としては、特段の制限はなく、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;メチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート等のアルキルアクリレート;シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のエステル基が脂環式基である脂環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、モノクロルフェニル(メタ)アクリレート、ジクロルフェニル(メタ)アクリレート、トリクロルフェニル(メタ)アクリレート等のエステル基がフェニル基または置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂成分(H)との屈折率差を小さくするために、単量体成分(a1)は、芳香族ビニル単量体及び/又はエステル基が脂環式基である脂環式(メタ)アクリレート及び/又はエステル基がフェニル基若しくは置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。すなわち、第1のビニル重合体(A2)は、芳香族ビニル単量体単位及び/またはエステル基がフェニルもしくは置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレート単位を含有することが好ましい。
多官能性ビニル単量体成分(a2)としては、特段の制限はないが、例えば、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,3-ブチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,4-ブチレングリコールジエステル、1,6-ヘキサンジオールジアクリル酸エステル、トリメリト酸トリアリル等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1のビニル重合体(A2)における、単官能性ビニル単量体成分(a1)由来の構成単位と多官能性ビニル単量体成分(a2)由来の構成単位の含有量は、グラフト共重合体を樹脂に添加した際の低温衝撃強度と発色性の観点から、第1のビニル重合体(A2)100質量部における、単官能性ビニル単量体成分(a1)由来の構成単位の割合が90~100質量部、多官能性ビニル単量体成分(a2)由来の構成単位の割合が10~0質量%であることが好ましく、より好ましくは、単官能性ビニル単量体成分(a1)由来の構成単位の割合が90~99.9質量部、多官能性ビニル単量体成分(a2)由来の構成単位の割合が10~0.1質量部であり、さらに好ましくは、単官能性ビニル単量体成分(a1)由来の構成単位の割合が97~99.9質量部であり、多官能性ビニル単量体成分(a2)由来の構成単位の割合が3~0.1質量%である。
第1のビニル重合体(A2)が、単官能性ビニル単量体成分(a1)と、多官能性ビニル単量体成分(a2)により製造される場合、すなわち、第1のビニル重合体(A2)が、単官能性ビニル単量体成分(a1)由来の構成単位と、多官能性ビニル単量体成分(a2)由来の構成単位と、を含む重合体の場合、複合重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、成形体の衝撃強度が優れることから、ポリオルガノシロキサン(A1)を含むラテックスの存在下で、第1のビニル重合体(A2)を構成する単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)とを重合する方法が好ましい。重合方法としては、特段の制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、微細懸濁重合法等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン(A1)を含むラテックスの存在下で単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)を重合する方法は特に限定されず、(i)ポリオルガノシロキサン(A1)を含むラテックスに単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)を滴下し重合する方法、(ii)ポリオルガノシロキサン(A1)を含むラテックスに、単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)の一部を、重合が開始しない条件下で投入し、ポリオルガノシロキサン(A1)の粒子に含浸させた後、重合を開始させ、その後、単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)の残部を滴下又は一括投入し重合する方法、(iii)ポリオルガノシロキサン(A1)を含むラテックスに、単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)の全量を、重合が開始しない条件下で投入し、ポリオルガノシロキサン(A1)の粒子に含浸させた後、重合する方法が挙げられる。
上記の中でも、得られる成形体の衝撃強度が優れることから、ポリオルガノシロキサン(A1)を含むラテックスに、単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)の全量を、重合が開始しない条件下で投入し、ポリオルガノシロキサン(A1)の粒子に含浸させた後、重合する方法が好ましい。
上記の方法により、ポリオルガノシロキサン(A1)と、単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)からなる第1のビニル重合体(A2)と、を含む複合重合体を得ることができる。
ポリオルガノシロキサン(A1)の存在下で、単官能性ビニル単量体成分(a1)と、多官能性ビニル単量体成分(a2)と、を重合するために用いるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物、及び過酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、アゾ系開始剤、レドックス系開始剤が好ましい。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-ブチロニトリル)等の油溶性アゾ系開始剤、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリックアシッド)、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシメチル)-2-メチルプロピオナミジン]ハイドレート、2,2’-アゾビス-(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩等の水溶性アゾ系開始剤等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
過酸化物を還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とする場合、上記の過酸化物と、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、L-アスコルビン酸、フルクトース、デキストロース、ソルボース、イノシトール等の還元剤と、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を組み合わせて用いることが好ましい。これらの還元剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)の重合に用いるラジカル重合開始剤は、20℃における水への溶解度が5質量%以下のものであることが好ましく、2質量%以下のものであることがより好ましい。このラジカル重合開始剤を用いて重合することで、耐衝撃性に優れたグラフト共重合体(G)を得ることができる。
20℃における水への溶解度が5質量%以下のラジカル重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-ブチロニトリル)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤の20℃における水への溶解度は、各種ラジカル重合開始剤のカタログ等から知ることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、アゾ系開始剤を用いる場合、単官能性ビニル単量体成分(a1)と多官能性ビニル単量体成分(a2)の合計100質量部に対して0.01~1質量部であることが好ましい。レドックス系開始剤の場合、過酸化物の使用量は、単量体の合計100質量部に対して0.01~1質量部であることが好ましい。還元剤の使用量は、単量体の合計100質量部に対して0.01~1質量部であることが好ましい。
<1-2.第2のビニル重合体(B)>
第2のビニル重合体(B)は、複合重合体(A)の存在下で、第2のビニル単量体成分をグラフト重合することにより得られ、第2のビニル単量体成分(b)由来の構成単位を含む重合体部分である。すなわち、得られるグラフト共重合体(G)のグラフト部である。第2のビニル重合体成分(B)を構成する第2のビニル単量体成分(b)は、1種以上のビニル単量体であればよい。
第2のビニル単量体成分(b)を構成するビニル単量体としては、特に限定されないが、好ましくは(メタ)アクリレート単量体が挙げられる。
(メタ)アクリレート単量体としては、特段の制限はないが、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。第2のビニル単量体成分(b)がアルキル(メタ)アクリレートを含むと、得られるグラフト共重合体は芳香族ポリカーボネート樹脂において相溶性及び分散性に優れる傾向がある。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、特段の制限はないが、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、特段の制限はないが、1以上であることが好ましい。一方、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、12以下であることが好ましく、6以下がさらに好ましく、4以下が特に好ましい。なかでも、メチルメタクリレートが最も好ましい。なお、(メタ)アクリレート単量体は2種以上併用してもよい。
また、第2のビニル単量体成分(b)は、さらに、多官能性ビニル単量体、芳香族ビニル単量体、及びシアン化ビニル単量体からなる群から選択される1種以上の単量体を含んでもよい。
多官能性ビニル単量体としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル単量体としては、特段の制限はなく、例えば、スチレン又はα-メチルスチレンが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
シアン化ビニル単量体としては、特段の制限はなく、例えば、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記のなかでも、第2のビニル重合体(B)100質量%における(メタ)アクリレート単量体の割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
第2のビニル重合体(B)のガラス転移温度は、0℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましく、90℃以上であることが特に好ましい。第2のビニル重合体(B)のガラス転移温度が前記下限値以上であれば、得られるグラフト共重合体(G)の粉体の流動性等が良好となる傾向がある。一方、第2のビニル重合体(B)のガラス転移温度は、105℃以下であることが好ましい。なお、第2のビニル重合体(B)のガラス転移温度は、第2のビニル単量体成分(b)を構成するビニル単量体の種類と比率によって調整することができる。
上述の通り、第2のビニル重合体(B)は、例えば、複合重合体(A)の存在下で第2のビニル単量体成分(b)を重合(グラフト重合)することにより、第2のビニル単量体(b)に由来する構成単位を含む第2のビニル重合体(B)を製造することができる。すなわち、複合重合体(A)と、グラフト部に第2のビニル重合体(B)と、を有するグラフト共重合体(G)を得ることができる。重合方法は特段の制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、微細懸濁重合法等が挙げられる。
具体的には、複合重合体(A)のラテックスに第2のビニル単量体成分(b)を添加し、ラテックス中でビニル単量体成分(b)を重合する方法が好ましい。
第2のビニル単量体成分(b)を重合する温度は特段の制限はなく、例えば45~95℃で行うことができる。また、重合時間も特段の制限はなく、例えば、0.1~10時間の条件が挙げられる。
複合重合体(A)のラテックスへの第2のビニル単量体成分(b)の添加方法は特に限定されないが、カレットの発生を抑制し、複合重合体(A)と第2のビニル単量体成分(b)のグラフト化率が良好となることから、滴下添加することが好ましい。このとき、第2のビニル単量体成分(b)の全量を連続的に滴下してもよいし、間に第2のビニル単量体成分(b)を滴下しない保持時間を設けながら複数回に分けて滴下してもよい。
第2のビニル単量体成分(b)が複数種のビニル単量体からなる場合に、第2のビニル単量体成分(b)の全量を連続的に滴下する方法は特に限定されず、同一組成の混合物を連続的に添加する方法、パワーフィード重合のように連続的に組成を変化させながら添加する方法等が挙げられる。第2のビニル単量体成分(b)が複数種のビニル単量体からなる場合に、間に保持時間を設けながら複数回に分けて滴下添加する方法としては、同一組成の混合物を複数回に分けて添加する方法や、各成分単体及び/又は異なる組成の混合物を複数回に分けて添加する方法が挙げられる。
第2のビニル単量体成分(b)が(メタ)アクリレート単量体、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含む場合は、(メタ)アクリレート単量体を重合し、次に芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を重合することが好ましい。この方法で重合することで、重合後に粉体回収工程を行って得られるグラフト共重合体(B)の粉体の特性(粉体の流動性や粒子径)が良好となる。
なお、第2のビニル単量体成分(b)は、ポリオルガノシロキサン(A1)に含まれるシロキサン系交叉剤に基づく単位及び/又は第1のビニル重合体(A2)に含まれる単量体に基づく単位と化学結合することで、複合重合体(A)とのグラフト共重合体(G)を製造できる。
第2のビニル単量体成分(b)を重合する際に使用する乳化剤は、特に制限されず、ポリオルガノシロキサン(A1)の製造及び/又は第1のビニル重合体(A2)の製造に用いたものと同じ乳化剤を用いることができるが、アニオン系乳化剤又はノニオン系乳化剤が好ましい。また、第2のビニル単量体成分(b)を重合する際に特段乳化剤を追加することなく、第1のビニル重合体(A2)ラテックス中に含まれる乳化剤のみで重合を行ってもよい。
ポリオルガノシロキサン(A1)の製造、第1のビニル重合体(A2)の製造及び第2のビニル単量体成分(b)の重合時に用いる乳化剤の総量は、特段の制限はないが、得られるグラフト共重合体(G)を製造するためのすべての単量体の合計100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、一方、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。乳化剤の総量によって、グラフト共重合体(G)のラテックスの粒子径を所望の値に調整することが可能である。乳化剤の総量が前記下限値以上であれば、ポリオルガノシロキサン(A1)のラテックス、複合重合体(A)のラテックス、グラフト共重合体(G)のラテックスそれぞれの安定性を充分に高めることができる。乳化剤の総量が前記上限値以下であれば、グラフト共重合体(G)の粉体中に残存する乳化剤の量を充分に低減でき、グラフト共重合体(G)と芳香族ポリカーボネート樹脂を含む樹脂組成物を用いた成形体の耐熱分解性及び表面外観の低下をより抑制することができる。
第2のビニル単量体成分(b)を重合する際には、THF可溶分の調整、分子量の調整等を目的に連鎖移動剤を使用してもよい。
連鎖移動剤としては、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-テトラデシルメルカプタン、n-ヘキシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α-メチルスチレンダイマー等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の使用量は、第2のビニル単量体成分(b)100質量部に対し、2.0質量部以下であることが好ましく、0質量部であってもよい。連鎖移動剤の使用量を2.0質量部以下とすることで、グラフト共重合体(G)のTHF不溶分の比率の低下が抑えられ、成形体の衝撃強度がより優れる。
第2のビニル単量体成分(b)を重合した後、得られたグラフト共重合体(G)のラテックスから、グラフト共重合体(G)を粉体として回収してもよい。
グラフト共重合体(G)を粉体として回収する場合には、噴霧乾燥法等の直接乾燥法又は凝固法を用いることができる。凝固法では、凝析後の洗浄工程にて、重合時に使用した乳化剤及びその凝析塩、開始剤等、得られる粉体中に含まれる重合助剤残存物を低減できる。一方で、直接乾燥法では、重合時に添加した助剤類を概ね得られる粉体中に残存させることができる。これらの粉体回収法は、グラフト共重合体(G)を芳香族ポリカーボネート樹脂に添加した際に、好ましい残存状態とするために適宜選択することができる。
噴霧乾燥法は、グラフト共重合体(G)のラテックスを乾燥機中に微小液滴状に噴霧し、これに乾燥用の加熱ガスを当てて乾燥する方法である。微小液滴を発生する方法としては、例えば、回転円盤型式、圧力ノズル式、二流体ノズル式、加圧二流体ノズル式が挙げられる。乾燥機の容量は、実験室で使用するような小規模な容量から、工業的に使用するような大規模な容量のいずれであってもよい。乾燥用の加熱ガスの温度は200℃以下が好ましく、120~180℃がより好ましい。別々に製造された2種以上のグラフト共重合体のラテックスを、一緒に噴霧乾燥することもできる。更には、噴霧乾燥時のブロッキング、嵩比重等の粉末特性を向上させるために、グラフト共重合体(G)のラテックスに、シリカ等の任意成分を添加して噴霧乾燥することもできる。
凝固法は、グラフト共重合体(G)のラテックスを凝析して、グラフト共重合体(G)を分離し、回収し、乾燥する方法である。先ず、凝固剤を溶解した熱水中にグラフト共重合体(G)のラテックスを投入し、塩析し、凝固することによりグラフト共重合体(G)を分離する。次いで、分離した湿潤状のグラフト共重合体(G)に対し、脱水等を行って、水分量が低下したグラフト共重合体(G)を回収する。回収されたグラフト共重合体(G)は圧搾脱水機や熱風乾燥機を用いて乾燥される。
凝固剤としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、酢酸カルシウム等の無機塩や、硫酸等の酸等が挙げられ、酢酸カルシウムが特に好ましい。これらの凝固剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の凝固剤は、通常、水溶液として用いられる。凝固剤水溶液の濃度は、グラフト共重合体(G)を安定的に凝固し、回収する観点から、0.1質量%以上、特に1質量%以上であることが好ましい。また、回収されたグラフト共重合体(G)中に残存する凝固剤の量を少なくして成形体の成形外観の低下を防止する観点から、凝固剤水溶液の濃度は、20質量%以下、特に15質量%以下であることが好ましい。
凝固剤水溶液の量は特に限定されないが、グラフト共重合体(G)のラテックス100質量部に対して10質量部以上、500質量部以下であることが好ましい。
グラフト共重合体(G)のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる方法は特に限定されないが、通常、下記の方法が挙げられる。
(1)凝固剤水溶液を撹拌しながら、その中にラテックスを連続的に添加して一定時間保持する方法、
(2)凝固剤水溶液とラテックスとを、一定の比率で撹拌機付きの容器内に連続的に注入しながら接触させ、凝析された重合体と水とを含む混合物を容器から連続的に抜き出す方法。
ラテックスを凝固剤水溶液に接触させるときの温度は特に限定されないが、30℃以上、100℃以下であることが好ましい。接触時間は特に限定されない。
凝析したグラフト共重合体(G)は、グラフト共重合体(G)の1~100質量倍程度の水で洗浄され、ろ別される。ろ別された湿潤状のグラフト共重合体(G)は、流動乾燥機や圧搾脱水機等を用いて乾燥される。乾燥温度、乾燥時間は得られるグラフト共重合体(G)によって適宜決めればよい。
なお、圧搾脱水機や押出機から排出されたグラフト共重合体(G)を回収せず、直接、樹脂組成物を製造する押出機や成形機に送り、熱可塑性樹脂と混合して成形体を得ることも可能である。
<1-3.グラフト共重合体(G)を構成する各成分の比率>
グラフト共重合体(G)100質量部における複合重合体(A)の割合は、上述の通り、70質量部より大きいが、なかでも、75質量部以上であることが好ましく、80質量部以上であることがより好ましく、90質量部以上であることがさらに好ましく、一方、成形品の表面外観を良好にするために、99.9質量部以下であることが好ましく、98質量部以下であることがさらに好ましく、95質量部以下であることが特に好ましい。
グラフト共重合体(G)100質量部におけるポリオルガノシロキサン(A1)の割合は、特段の制限はないが、衝撃強度を十分とするために、20質量部以上であることが好ましく、20質量部より大きいことがより好ましく、25質量部以上であることがさらに好ましく、30質量部以上であることが特に好ましく、一方、発色性を良好とするために、80質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましい。
グラフト共重合体(G)100質量部における、第1のビニル重合体(A2)の割合は、特段の制限はないが、発色性を良好とするために、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、一方、衝撃強度を十分とするために、70質量部以下であることが好ましく、65質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましい。
複合重合体(A)100質量部における、ポリオルガノシロキサン(A1)の割合は、特段の制限はないが、衝撃強度を十分とするために、20質量部以上であることが好ましく、25質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、40質量部以上であることが特に好ましい。一方、発色性を良好とするために、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましく、60質量部以下であることがよりさらに好ましく、50質量部以下であることが特に好ましい。
複合重合体(A)100質量部における、第1のビニル重合体(A2)の割合は、特段の制限はないが、発色性を良好するために、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、一方、衝撃強度を十分とするために、80質量部以下であることが好ましく、75質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましく、60質量部以下であることが特に好ましい。
グラフト共重合体(G)100質量部における第2のビニル重合体(B)の割合は、特段の制限はないが、成形品の表面外観を良好とするために、0.1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましく、一方、衝撃強度を十分とするために、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、20質量部より小さいことがさらに好ましく、10質量部以下であることが特に好ましい。
グラフト共重合体(G)の質量平均粒子径は、特段の制限はないが、低温衝撃強度を十分とするために、300nm以上であることが好ましく、350nm以上であることがより好ましく、400nm以上であることがさらに好ましく、一方、成形品の表面外観を良好とするために、2000nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましく、800nm以下であることがさらに好ましい。なお、グラフト共重合体(G)の質量平均粒子径は上述の方法により測定することができる。
グラフト共重合体(G)と熱可塑性樹脂成分(H)との屈折率差は、特段の制限はないが、成形品の表面外観を良好とするために、0.14以下であることが好ましく、0.10以下であることがより好ましく、0.06以下であることが特に好ましく、一方、下限は0である。なお、グラフト共重合体(G)又は芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率は圧縮成形によって、薄膜化したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体又は芳香族ポリカーボネート樹脂を、JIS K 7142 A法に準じ、アッベ屈折計を用いることにより測定することができる。
<2.熱可塑性樹脂成分(H)>
上述の通り、本実施形態に係る樹脂組成物は、23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下である熱可塑性樹脂成分(H)を含む。
なお、熱可塑性樹脂成分(H)は、23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下となる限りにおいて、1種の熱可塑性樹脂だけで構成されていてもよいし、2種以上の熱可塑性樹脂を含んで構成されていてもよい。熱可塑性樹脂成分(H)が1種の熱可塑性樹脂だけで構成されている場合は、該熱可塑性樹脂の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度は20kJ/m以下である必要がある。一方、熱可塑性樹脂成分(H)が2種以上の熱可塑性樹脂を含む場合、全ての熱可塑性樹脂の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下であってもよいし、熱可塑性樹脂成分(H)全体として23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下にある限りにおいて、23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下の熱可塑性樹脂と23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/mより大きい熱可塑性樹脂とを含んでいてもよい。なお、なかでも、熱可塑性樹脂成分(H)のシャルピー衝撃強度が15以下の際に本発明はより有効であり、10以下の際に本発明は特に有効である。
なお、23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度とは、JIS K 7111に準じて、温度23℃にて、試験片(長さ80.0mm×幅10.0mm×厚み4mm、Vノッチ付き)のシャルピー衝撃強度を測定し、得られたものである。
熱可塑性樹脂成分(H)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば以下のものが挙げられる。なお、下記の熱可塑性樹脂の中には、23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/mを超えるものがあるが、上述の通り、23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下のものと組み合わせて使用することができる。
ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、(メタ)アクリレート・スチレン共重合体(MS)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリル酸エステル・スチレン・アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル・エチレン・プロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)等のスチレン(St)系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル(Ac)系樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリアミド(PA)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル(PEs)樹脂;ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂及び変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)樹脂等のPPE系樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリスルフォン(PSO)樹脂、ポリアリレート(PAr)樹脂、ポリフェニレン(PPS)樹脂等のエンジニアリングプラスチックス;熱可塑性ポリウレタン(PU)樹脂;硬質塩化ビニル樹脂、半硬質塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル(PVC)系樹脂;PC/ABS等のPC樹脂とSt系樹脂とのアロイ;PVC/ABS等のPVC系樹脂とSt系樹脂とのアロイ;PA/ABS等のPA樹脂とSt系樹脂とのアロイ;PA樹脂と熱可塑性エラストマー(TPE)とのアロイ;PA/PP等のPA樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ;PC/PBT等のPC樹脂とPEs樹脂とのアロイ;PP/TPE、PP/PE等のオレフィン系樹脂同士のアロイ;PPE/HIPS、PPE/PBT、PPE24/PA等のPPE系樹脂とその他の樹脂のアロイ;PVC/PMMA等のPVC系樹脂とアクリル系樹脂とのアロイ等。
上記のなかでも、熱可塑性樹脂としては、以下のものが好ましい。St系樹脂、PA樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、PPE樹脂、m-PPE樹脂、POM樹脂、PU樹脂、PC/ABS等のPC樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA/ABS等のPA樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA樹脂とTPEとのアロイ、PA/PP等のPA樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ、PC/PBT等のPC樹脂とPEs樹脂とのアロイ、PPE/PBT、PPE/PA等のPPE系樹脂とその他の樹脂のアロイ等。
上記のなかでも、熱可塑性樹脂は、特に、ポリエステルPEs樹脂及び/又はPC樹脂を含むことが好ましく、なかでも、PEs樹脂とPC樹脂とのアロイであることが好ましい。なお、PEs樹脂としては、特に芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。また、PC樹脂としては、特に芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。すなわち、熱可塑性樹脂は、芳香族ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのアロイであることが特に好ましい。
前記熱可塑性樹脂(H)が芳香族ポリカーボネート樹脂を含む二種以上の熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂(H)100質量%に対して、芳香族ポリカーボネート樹脂の割合は10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、40質量%以上であることが特に好ましく、一方70質量%以下である場合が好ましい。
なお、上記熱可塑性樹脂は、公知の方法により得ることができる。また、市販品を使用することもできる。なかでも、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)としては、例えば東レ社製の商品名「トレコン」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製の商品名「ノバデュラン」、ポリプラスチックス社製の商品名「ジュラネックス」等の市販されているものが挙げられる。また、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、既知の方法にて重合して得ることができ、例えばテレフタル酸又はそのアルキルジエステルと、1,4-ブタンジオールとを既知の方法にて脱水縮合することにより得ることができる。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂としては、例えばユーピロン(登録商標)S-1000、S-2000、S-3000、H-3000若しくはH-4000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)、またはパンライト(登録商標)L1250、L1225若しくはK1300(帝人化成(株)製)等が挙げられる。
<3.樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、グラフト共重合体(G)と、熱可塑性樹脂成分(H)と、を含む。
熱可塑性樹脂成分(H)100質量部に対するグラフト共重合体(G)の割合は、特段の制限は無いが、得られる成形体の耐衝撃性を良好とするために、2質量部以上であることが好ましく、4質量部以上であることがより好ましく、9質量部以上であることが特に好ましく、一方、得られる成形体の表面外観を良好とするために、70質量部以下であることが好ましく、45質量部以下であることがより好ましく、25質量部以下であることが特に好ましい。
樹脂組成物100質量部における熱可塑性樹脂成分(H)の割合は特段の制限は無いが、得られる成形体の表面外観を良好とするために、60質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることが特に好ましく、得られる成形体の耐衝撃性を良好とするために、98質量部以下であることが好ましく、96質量部以下であることがより好ましく、92質量部以下であることが特に好ましい。
樹脂組成物100質量部におけるグラフト共重合体(G)の割合は特段の制限は無いが、得られる成形体の耐衝撃性を良好とするために、2質量部以上であることが好ましく、4質量部以上であることがより好ましく、8質量部以上であることが特に好ましく、得られる成形体の表面外観を良好とするために、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが特に好ましい。
樹脂組成物は、グラフト共重合体(G)及び熱可塑性樹脂成分(H)以外に本発明の目的を損なわない限りにおいて、その他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、上記グラフト共重合体に該当しない他の重合体、難燃剤(燐系、ブロム系、シリコーン系、有機金属塩系等)、ドリップ防止剤(例えば、フッ素化ポリオレフィン、シリコーン及びアラミド繊維)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等の長鎖脂肪酸 金属塩等)、離型剤(例えば、ペンタエリスリトールテトラステアレート等)、成核剤、帯電防止剤、安定剤(例えば、フェノール系安定剤、硫黄系安定剤、リン系安定剤、紫外線吸収剤、アミン系光安定剤等)、充填材(酸化チタン、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ガラスフレーク等)、可塑剤、強化剤(例えば、ガラス繊維、炭素繊維等)、色素及び顔料等が挙げられる。なお、これらのその他の成分は周知の材料を使用することができ、また、該樹脂組成物を使用する用途に合わせて任意で選択して使用することができ、また、樹脂組成物における各その他の成分も任意で選択すればよい。
樹脂組成物100質量部におけるその他の成分の割合は特段の制限はないが、通常、0.01以上であり、一方、30質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。
樹脂組成物は、熱可塑性樹脂成分(H)と、グラフト共重合体(G)と、任意で併用されるその他の成分と、を混合することにより製造することができる。各材料の混合方法としては、公知のブレンド方法が挙げられ、特に限定されない。例えばタンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等で混合、混練する方法が挙げられる。
樹脂組成物を成形することにより成形体を得ることができる。すなわち、成形体は、熱可塑性樹脂成分(H)と、グラフト共重合体(G)と、を含み、任意で上述のその他の成分を含んでいてもよい。
成形方法としては、特段の制限はなく公知の方法が挙げられ、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形に用いられる成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法等が挙げられる。本成形体は、自動車分野、OA機器分野、家電、電気・電子分野、建築分野、生活・化粧品分野、医用品分野等の種々の材料として、工業的に広く利用することができる。より具体的には電子機器等の筐体、各種部品、被覆材、自動車構造部材、自動車内装部品、光反射板、建物構造部材、建具等として使用することができる。更に具体的には、パソコン筐体、携帯電話筐体、携帯情報端末筐体、携帯ゲーム機筐体、プリンタ、複写機等の内装・外装部材、導電体被覆材、自動車内装・外装部材、建物外装材、樹脂窓枠部材、床材、配管部材等として使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、下記に樹脂材料の詳細、各種評価方法、並びに、グラフト共重合体の製造例1、2を説明する。また、実施例1、2及び比較例1は、樹脂組成物の製造及び評価に関する例である。製造例、参考例および実施例等において「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
<樹脂材料>
PC:ユーピロンS-2000F(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、界面重合法で製造されたポリカーボネート樹脂)
PBT:ノバデュラン5010R(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
<評価方法>
(1)ポリオルガノシロキサンラテックスの固形分割合
質量w1のポリオルガノシロキサンのラテックスを180℃の熱風乾燥機で30分間乾燥し、乾燥後の残渣の質量w2を測定し、下記式(1)により固形分[%]を算出する。
固形分[%]=w2/w1×100 ・・・(1)
(2)質量平均粒子径(Dw)
「ゴムラテックス」又は「グラフト共重合体ラテックス」を脱イオン水で濃度約3%に希釈したものを試料として、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用いて粒子径を測定し、質量平均粒子径Dwを測定する。粒子径はメジアン径を平均粒子径として用いる。測定はMATEC社が推奨する下記の「測定条件1」で行うことができる。また、標準粒子径物質としては、米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンで、40~800nmの粒子径の範囲内の12種類の粒子が用いられる。
「測定条件1」
カートリッジ:専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ(商品名;C-202)、
キャリア液:専用キャリア液(商品名;2XGR500)、
キャリア液の液性:pH6~8、
キャリア液の流速:1.4ml/分、
キャリア液の圧力:約4,000psi(2,600kPa)、
測定温度:35℃、
試料使用量:0.1ml。
(3)シャルピー衝撃強度
JIS K 7111に準じて、温度23℃及び-30℃にて、試験片1(長さ80.0mm×幅10.0mm×厚み4mm、Vノッチ付き)のシャルピー衝撃強度を測定する。
(4)発色性(漆黒性)
カーボンブラックで着色した厚さ2mmの試験片2をJIS Z 8729(L*a*b* 表色系による物体色の表示方法)により、測定はJIS Z 8722に準拠して、日本電色工業(株)製SE-4000(商品名)を用いて、下記の「測定条件2」によって物体色を測定し、L*が10未満であれば〇、10以上であれば×として漆黒性を評価する。L*は低いほど漆黒性に優れ、顔料を添加した際の発色性が優れることを表す。
「測定条件2」
装置:分光式色差計SE-4000(日本電色工業株式会社製、0-45°後分光方式)、
測定範囲:380~780nm、
測定光源:C光(2°視野)
(5)グラフト共重合体の屈折率
グラフト共重合体の屈折率を下記式(2)により算出した。
n=v1n1+v2n2+v3n3+・・・ (2)
式(2)中、n1、n2、n3、・・・は各単量体の単独重合体の20℃における屈折率を表し、POLYMER HANDBOOK 4th Editionに記載の値を参照する。また、式(2)中、「v1、v2、v3、・・・」は各単量体の体積分率を表す。
[製造例1:グラフト共重合体(G-1)の製造]
テトラエトキシシラン(TEOS)2部、γ-メタクリロイロキシプロピルジメトキシメチルシラン(DSMA)2部及び、オクタメチルシクロテトラシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(株)製、製品名:TSF404)96部を混合してオルガノシロキサン混合物100部を得た。脱イオン水150部中にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)1部を溶解した水溶液を、前記混合物中に添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間撹拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。
次いで、冷却コンデンサーを備えた容量5リットルのセパラブルフラスコ内に、上記エマルションを入れた後、該エマルションを温度80℃に加熱し、次いで硫酸0.20部と蒸留水49.8部との混合物を3分間にわたり連続的に投入した。80℃に加熱した状態を7時間維持して重合反応させた後、25℃に冷却し、得られた反応物を25℃で6時間保持した。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応液をpH7.0に中和して、ポリオルガノシロキサンラテックス(AS-1)を得た。
ポリオルガノシロキサンラテックス(AS-1)の固形分は29.8%であった。また、このラテックスのキャピラリー粒度分布計による数平均粒子径(Dn)は384nm、質量平均粒子径(Dw)は403nmであり、Dw/Dnは1.05であった。
得られたポリオルガノシロキサンラテックス(AS-1)102.0部(ポリマー換算で30.0部)を容量5リットルのセパラブルフラスコ内に採取し、脱イオン水140部を添加し混合した。次いでこのセパラブルフラスコ内に、スチレン(St)15.0部、アリルメタクリレート(AMA)0.38部、を添加し、25℃で1時間撹拌を続けポリオルガノシロキサンに含浸させた。
このセパラブルフラスコ内に窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行い、液温を70℃まで昇温した。液温が70℃となった時点で硫酸第一鉄(Fe)0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA)0.003部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.2部を脱イオン水10部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始した。ラジカル重合開始から5分保持した後、第1のビニル単量体成分である、スチレン(St)45.0部及びアリルメタクリレート(AMA)1.15部と、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.3部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名:ネオペレックスG-15、固形分15%)1.0部(固形分換算で0.16部)を脱イオン水26.7部に溶解させた水溶液を混合し、ULTRA-TURRAX(登録商標) T25(IKA社製)を用いて、10000rpmの回転数で2分間分散させた混合エマルションを、330分にわたって滴下した。
ビニル単量体成分の重合を完結させるため、滴下終了後から30分70℃の状態を維持し、ポリオルガノシロキサンとスチレン由来の構成単位とアリルメタクリレート由来の構成単位を含む複合重合体であるゴム(A―1)のラテックスを得た。すなわち、該複合体重合体の第1のビニル重合体は、スチレンとアリルメタクリレートの重合体である。
このラテックスの液温が70℃の状態で、第2のビニル単量体成分であるメチルメタクリレート(MMA)9.8部及びn-ブチルアクリレート(BA)0.2部と、t-ブチルハイドロパーオキサイド(t-BH)0.1部と、の混合液を1時間にわたって、このラテックス中に滴下し、グラフト重合反応を開始させ、継続させた。滴下終了後、温度70℃の状態を1時間保ったのち25℃に冷却し、グラフト共重合体(G-1)のラテックスを得た。すなわち、グラフト部である第2の重合体は、メチルメタクリレートとn-ブチルアクリレートとの重合体である。
次いで、酢酸カルシウムの濃度が1質量%の水溶液400部を85℃に加熱して、撹拌しながら、この水溶液中にグラフト共重合体(G-1)のラテックス340部を徐々に滴下し凝固させた。得られたグラフト共重合体(G-1)をろ過、洗浄、脱水した後、乾燥させてグラフト共重合体(G-1)の粉体を得た。得られたグラフト共重合体(G-1)の質量平均粒子径及び屈折率を測定した。得られた結果を表1に示す。
[製造例2]~[製造例7]
製造例1において用いた各原料の種類及び量を表1に示す組成に変更したこと以外は製造例1と同様にして、グラフト共重合体(G-2)~(G-7)の粉体を得た。なお、得られたグラフト共重合体(G-2)~(G-7)の質量平均粒子径及び屈折率は表1に示す通りであった。
Figure 2023143674000001
表1中の略号は以下のとおりである。
St:スチレン
BA:n-ブチルアクリレート
AMA:アリルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
tBH:t-ブチルハイドロパーオキサイド
なお、スチレンの単独重合体のガラス転移温度は100℃、アリルメタクリレートの単独重合体のガラス転移温度は52℃、n-ブチルアクリレートの単独重合体のガラス転移温度は-54℃、メチルメタクリレートの単独重合体のガラス転移温度は105℃である。
[実施例1~5、比較例1~3]
グラフト共重合体(G-1)~(G-7)の粉体、及び、芳香族ポリカーボネート樹脂(PC-1)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)及び着色剤としてブラックABF-T-9424(カラーマスターバッチ、カーボン濃度45wt%)(略称「CB」、レジノカラー工業(株)三菱ケミカル(株)製)、エステル交換防止剤としてアデカスタブAX-71(略称「AX-71」、(株)ADEKA製)を、表2に記載の比率で配合し、混合した。該配合物を、30mmΦ二軸押出機(L/D=30)に供給してシリンダー温度280℃及びスクリュー回転数150rpmで溶融混合して押出して、樹脂組成物(H-1)~(H-8)のペレットを得た。
得られたペレットを70℃で12時間乾燥した後、100t射出成形機(住友重機(株)製、商品名;SE-100DU)に供給し、シリンダー温度280℃及び金型温度80℃で射出成形を行い、各「試験片1」(長さ80mm、幅10mm、厚み4mm、Vノッチ付き)及び各「試験片2」(長さ100mm、幅50mm、厚み2mm)を得た。次いで、各試験片を用いてシャルピー衝撃強度、発色性(漆黒性)の測定を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2023143674000002
なお、PC:PBT=70:30の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度は5.0kJ/mである。
比較例1~比較例3に係る樹脂組成物(H-6)~(H-8)に対して、実施例1~実施例5に係る樹脂組成物(H-1)~(H-5)の場合、発色性を大幅に低下させることなく、耐衝撃特性が大幅に向上していることが分かる。すなわち、実施例1~実施例5に係る樹脂組成物は、耐衝撃強度と発色性のバランスに優れていることが分かる。比較例1の樹脂組成物(H-6)は、グラフト共重合体を含まない為、耐衝撃性に劣る。また、比較例2の樹脂組成物(H-7)は、グラフト共重合体(G)100質量部における複合重合体(A)の割合が70質量部以下のため、耐衝撃性に劣る。さらに、比較例3の樹脂組成物(H-8)は、第1のビニル重合体(A2)のガラス転移温度が0℃未満であるため、発色性に劣る。

Claims (9)

  1. ポリオルガノシロキサン(A1)と、第1のビニル重合体(A2)と、を有する複合重合体(A)を、ビニル単量体(b)でグラフト重合したグラフト共重合体(G)と、熱可塑性樹脂成分(H)を含む樹脂組成物であって、前記グラフト共重合体(G)100質量部における、前記複合重合体(A)の割合は70質量部より大きく、前記第1のビニル重合体(A2)の重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、前記熱可塑性樹脂成分(H)の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度が20kJ/m以下である樹脂組成物。
  2. 前記グラフト共重合体(G)100質量部における前記ポリオルガノシロキサン(A1)の割合が20質量部以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記グラフト共重合体(G)と前記熱可塑性樹脂成分(H)との屈折率差が0.14以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記グラフト共重合体(G)100質量部における前記複合重合体(A)の割合が75質量部以上95質量部以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記グラフト共重合体(G)100質量部における前記ポリオルガノシロキサン(A1)の割合が30質量部以上60質量部以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記第1のビニル重合体(A2)が芳香族ビニル単量体単位及び/またはエステル基がフェニルもしくは置換フェニル基であるアリール(メタ)アクリレート単位を含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記グラフト共重合体(G)の質量平均粒子径が300~2000nmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. 前記熱可塑性樹脂成分(H)が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有し、前記熱可塑性樹脂成分(H)100質量%における前記芳香族ポリカーボネート樹脂の割合が10~70質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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