JP2020040474A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020040474A
JP2020040474A JP2018168504A JP2018168504A JP2020040474A JP 2020040474 A JP2020040474 A JP 2020040474A JP 2018168504 A JP2018168504 A JP 2018168504A JP 2018168504 A JP2018168504 A JP 2018168504A JP 2020040474 A JP2020040474 A JP 2020040474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clearance
brake
condition
target value
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018168504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7126907B2 (ja
Inventor
唯 増田
Yui Masuda
唯 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2018168504A priority Critical patent/JP7126907B2/ja
Publication of JP2020040474A publication Critical patent/JP2020040474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7126907B2 publication Critical patent/JP7126907B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

【課題】ブレーキ操作の応答性を高めると共に、引き摺りトルクが継続して発生することを防止することができるブレーキ装置を提供する。【解決手段】ブレーキ装置の制御装置2は、第一のクリアランス条件に従って摩擦材操作手段17を制御する第一のクリアランス制御部30と、車両加速力目標値が閾値を上回る状態から下回る状態へと推移すると言う条件を充足するとき、加速停止操作が行われたと判断し、且つ、ブレーキ解除要求状態が継続されるとき、クリアランスを縮小させ得る第二のクリアランス条件に従って摩擦材操作手段17を制御する第二のクリアランス制御部31とを備える。制御装置2は、ブレーキ解除要求状態が継続されたまま第二のクリアランス条件である状態が定められた時間経過した後、第二のクリアランス条件よりもクリアランスを拡大させ得る条件に従って摩擦材操作手段17を制御する。【選択図】図2

Description

この発明は、ブレーキ装置に関し、車両用の電動ブレーキ装置または油圧ブレーキ装置の制御に関する。
ブレーキ装置の制御法として、以下の提案がなされている。
1.クリアランスを調整する油圧ブレーキ(特許文献1)。
2.車速に応じてパッドクリアランスがある状態でのモータ角速度を可変とする電動ブレーキ(特許文献2)。
3.クリアランス調整可能な電動ブレーキ(特許文献3)。
特開2010−215188号公報 特開2002−67906号公報 特開平6−327190号公報
特許文献1〜3に記載のブレーキ装置において、一般に操縦者のブレーキペダル操作などによりブレーキ力指令が与えられた際、ブレーキ装置は可及的速やかにブレーキ力を発生させることが求められる場合が多い。
ブレーキ力を速やかに発生させる上で、摩擦材をディスクロータに対してできる限り近傍に位置させておくことが好ましい。しかしながら、摩擦材をディスクロータに対して近接させると、摩擦材の表面形状の不均一さまたはディスクブレーキにおけるキャリパの倒れ等の影響により、摩擦材を加圧していないにもかかわらず僅かながらブレーキ力が発生する、所謂引き摺りトルクが課題となる場合がある。
この発明の目的は、ブレーキ操作の応答性を高めると共に、引き摺りトルクが継続して発生することを防止することができるブレーキ装置を提供することである。
この発明のブレーキ装置は、車輪と一体に回転するブレーキロータ8と、このブレーキロータ8と接触してブレーキ力を発生させる摩擦材9と、この摩擦材9を操作する摩擦材操作手段17と、ブレーキ力目標値を生成するブレーキ力指令手段19aと、前記ブレーキ力が前記ブレーキ力目標値に追従するように前記摩擦材操作手段17を制御し、かつ車両加速力目標値を制御に用いる制御装置2とを備えた車両用のブレーキ装置であって、
前記制御装置2は、
前記ブレーキ力目標値が閾値未満であるとき、または定められたブレーキ解除要求を認識したときのいずれかをブレーキ解除要求状態として判断し、このブレーキ解除要求状態において、前記摩擦材9と前記ブレーキロータ8との間に定められたクリアランスが生じた状態となる第一のクリアランス条件に従って前記摩擦材操作手段17を制御する第一のクリアランス制御部30と、
前記車両加速力目標値が閾値を上回る状態から下回る状態へと推移すると言う条件を充足するか、または前記車両加速力目標値の変化量が前記車両の加速力を低下させる方向に定められた変化量以上で変化すると言う条件を充足するとき、または両方の条件を充足するとき、加速停止操作が行われたと判断し、且つ、前記ブレーキ解除要求状態が継続されるとき、前記第一のクリアランス条件よりも前記クリアランスを縮小させ得る第二のクリアランス条件に従って前記摩擦材操作手段17を制御する第二のクリアランス制御部31と、を備え、
前記制御装置2は、前記ブレーキ解除要求状態が継続されたまま前記第二のクリアランス条件である状態が定められた時間経過した後、前記第二のクリアランス条件よりも前記クリアランスを拡大させ得る条件に従って前記摩擦材操作手段17を制御する。
前記閾値、前記定められたクリアランス、前記定められた変化量は、それぞれ設計等によって任意に定める閾値、クリアランス、変化量であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な閾値、クリアランス、変化量を求めて定められる。
この構成によると、第一のクリアランス制御部30は、ブレーキ解除要求状態と判断すると、摩擦材9とブレーキロータ8との間を定められたクリアランスとする。定められたクリアランスは、例えば、引き摺りトルクが問題とならないように設定するが、クリアランスが大きいため、ブレーキ応答が遅くなる場合がある。
加速停止操作が行われ、且つ、前記ブレーキ解除要求状態が継続されるとき、第二のクリアランス制御部31によりクリアランスを縮小する。これにより、ブレーキ操作の際のブレーキ応答が早くなるが、トレードオフとして引き摺りトルクの増加により燃費または電費が悪化する懸念が生じる。このため、ブレーキが操作される可能性が高いアクセル解除初期にクリアランスを縮小し、時間経過に伴いクリアランスを拡大することで、引き摺りトルクが継続して発生することを防止することができる。そのため、ブレーキ操作の応答性を高めると共に、引き摺りトルクが継続して発生することを防止することができる。
また、アクセル解除においては、EV、HEV、FCV等の電動駆動車両であってもエンジンブレーキをシミュレートする減速度を発生させる場合が多い。このため、仮に前記クリアランス縮小に伴って引き摺りトルクが発生したとしても、車両の操縦者が減速度の変化を感じる状況にて発生する微小な減速力であるため、操縦者への違和感を抑えることができる。
前記制御装置2は、前記第二のクリアランス条件から前記クリアランスを拡大させるとき、前記第一のクリアランス条件に至るまで、時間の経過に対して連続的にクリアランス条件が変化するように、前記摩擦材操作手段17を制御してもよい。
前記連続的とは、細かな離散ステップ状の変化も含む。
この構成によると、クリアランス条件を時間経過に伴って徐々に変化させることで操縦者の違和感をさらに抑えることができる。
前記制御装置2は、前記第二のクリアランス条件から前記第一のクリアランス条件に至るまでのクリアランス拡大時間が、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件に至るまでのクリアランス縮小時間よりも長い時間となるようにクリアランス条件を推移させてもよい。
この構成によると、クリアランスを縮小する過程は、アクセルオフ操作されてから比較的短時間内に行われることから短時間でクリアランスを縮小しても操縦者の違和感を覚えにくい。またクリアランスを縮小する過程は、比較的短時間に行うことでブレーキが操作された際の応答時間を短縮する効果が向上するため、クリアランス縮小を比較的短時間で行うほうが好ましい。
クリアランスを拡大する過程は、操縦者が何も操作を行っていない状態において実施するため短時間でクリアランスを拡大すると操縦者は違和感を覚える恐れがある。またクリアランスを拡大する過程を比較的長時間かけて行うと引き摺りトルクが増加する時間が長くなるものの車両の全走行時間に対する比率としては極めて軽微であるため、クリアランス拡大時間を比較的長時間かけて行うほうが好ましい。
前記制御装置2は、前記加速停止操作が行われたことを判断するに至る直前の前記車両加速力目標値の減少率を記憶する記憶部33を有し、
前記制御装置2は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件に至るまでのクリアランス縮小時間について、前記加速停止操作が行われたときの前記車両加速力目標値の減少率に基づいた可変の値とし、前記制御装置2は、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より大きいとき、前記クリアランス縮小時間を短縮し、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より小さいとき、前記クリアランス縮小時間を延長してもよい。
前記車両加速力目標値の減少率とは、車両加速力目標値が時間経過に伴って減少する単位時間あたりの変化率である。
前記定められた減少率は、設計等によって任意に定める減少率であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な減少率を求めて定められる。
この構成によると、アクセルが急にオフされた場合には、次に急なブレーキ操作が行われる可能性が高いと考えられ、さらにアクセルオフに伴う減速度の変化が大きく引き摺りトルクの変化を違和感として感じにくい。このため、アクセルが急にオフされた場合に、比較的速くクリアランスを縮小する、つまりクリアランス縮小時間を短縮することで、次のブレーキ操作に対する応答速度をより向上させることができる。
逆にアクセルが緩やかにオフされた場合には、次に急なブレーキ操作が行われる可能性が低いと考えられ、さらに減速度の変化が小さく引き摺りトルクの変化を違和感として感じやすい。このため、アクセルが緩やかにオフされた場合に、比較的遅くクリアランスを縮小する、つまりクリアランス縮小時間を延長することで、操縦者の違和感を低減することができる。
前記制御装置2は、前記加速停止操作が行われたことを判断するに至る直前の前記車両加速力目標値の減少率を記憶する記憶部33を有し、
前記制御装置2は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件へと至ることによるクリアランス縮小量について、前記加速停止操作が行われたときの前記車両加速力目標値の減少率に基づいた可変の値となるように、前記第二のクリアランス条件を可変の値とし、前記制御装置2は、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より大きいとき、前記クリアランス縮小量を増加させ、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より小さいとき、前記クリアランス縮小量を減少させる第二のクリアランス条件に設定してもよい。
前記定められた減少率は、設計等によって任意に定める減少率であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な減少率を求めて定められる。
この構成によると、アクセルが急にオフされた場合には、次に急なブレーキ操作が行われる可能性が高いと考えられ、さらに減速度の変化が大きく引き摺りトルクの発生を違和感として感じにくい。このため、アクセルが急にオフされた場合に、比較的大きなクリアランス縮小量とすることで、次のブレーキ操作に対する応答速度をより向上させることができる。
逆にアクセルが緩やかにオフされた場合には、次に急なブレーキ操作が行われる可能性が低いと考えられ、さらに減速度の変化が小さく引き摺りトルクの発生を違和感として感じやすい。このため、アクセルが緩やかにオフされた場合に、比較的小さなクリアランス縮小量とすることで、操縦者の違和感をより低減することができる。
前記車両は、車速を推定する車速推定手段40を有し、前記制御装置2は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件に至るまでのクリアランス縮小時間、および前記第二のクリアランス条件から前記第一のクリアランス条件に至るまでのクリアランス拡大時間、のうちいずれか一方または両方のクリアランス推移時間について、前記推定された車速に基づいた可変の値とし、前記制御装置2は、前記推定された車速が高速時に前記クリアランス推移時間を短縮し、前記推定された車速が低速時に前記クリアランス推移時間を延長してもよい。
前記高速時は定められた車速以上であり、前記低速時は車速が閾値以下を表す。前記定められた車速、前記閾値は、それぞれ試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な車速、閾値を求めて定められる。
この構成によると、車速が高速である場合には、ブレーキ応答速度の向上による制動距離の短縮効果が比較的高く、さらにクリアランスを変化させる際のアクチュエータ作動音を感じにくい。このため、高速時にクリアランス縮小時間を短縮することで、次のブレーキ操作に対する応答速度をより向上させることができる。
車速が高速である場合には、引き摺りトルクの増加による損失が比較的大きい。このため、高速時にクリアランス拡大時間を短縮することで引き摺りトルクの増加時間を短縮し、燃費または電費を向上することができる。
前記車両は、車速を推定する車速推定手段40を有し、前記制御装置2は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件へと至ることによるクリアランス縮小量について、前記推定された車速に基づいた可変の値となるように、前記第一および前記第二のクリアランス条件のいずれか一方または両方を可変の値とし、前記制御装置2は、前記推定された車速が高速時に前記クリアランス縮小量を増加させ、前記推定された車速が低速時に前記クリアランス縮小量を減少させてもよい。
この構成によると、車速が高速である場合には、ブレーキ応答速度の向上による制動距離の短縮効果が比較的高く、さらにクリアランスを変化させる際のアクチュエータ作動音を感じにくい。このため、高速時にクリアランス縮小量を増加させることで、制動距離を短縮することができる。
前記摩擦材操作手段17は、電動モータ4、および、この電動モータ4と前記摩擦材9とを機械的に連結する機構を有し、前記制御装置2は、前記電動モータ4を制御する装置であり、前記制御装置2における前記摩擦材操作手段17を制御する機能が、前記電動モータ4の回転角度ないし角度相当量を制御する機能であってもよい。
前記機械的に連結する機構が、電動モータ4の回転運動を直進運動に変換する直動機構6である場合、前記角度相当量は、等価リード変換された直動位置、または位置センサを直動機構6に設けてこの位置センサにより検出された直動位置等である。
この発明のブレーキ装置は、車輪と一体に回転するブレーキロータと、このブレーキロータと接触してブレーキ力を発生させる摩擦材と、この摩擦材を操作する摩擦材操作手段と、ブレーキ力目標値を生成するブレーキ力指令手段と、前記ブレーキ力が前記ブレーキ力目標値に追従するように前記摩擦材操作手段を制御し、かつ車両加速力目標値を制御に用いる制御装置とを備えた車両用のブレーキ装置であって、前記制御装置は、前記ブレーキ力目標値が閾値未満であるとき、または定められたブレーキ解除要求を認識したときのいずれかをブレーキ解除要求状態として判断し、このブレーキ解除要求状態において、前記摩擦材と前記ブレーキロータとの間に定められたクリアランスが生じた状態となる第一のクリアランス条件に従って前記摩擦材操作手段を制御する第一のクリアランス制御部と、前記車両加速力目標値が閾値を上回る状態から下回る状態へと推移すると言う条件を充足するか、または前記車両加速力目標値の変化量が前記車両の加速力を低下させる方向に定められた変化量以上で変化すると言う条件を充足するとき、または両方の条件を充足するとき、加速停止操作が行われたと判断し、且つ、前記ブレーキ解除要求状態が継続されるとき、前記第一のクリアランス条件よりも前記クリアランスを縮小させ得る第二のクリアランス条件に従って前記摩擦材操作手段を制御する第二のクリアランス制御部と、を備え、前記制御装置は、前記ブレーキ解除要求状態が継続されたまま前記第二のクリアランス条件である状態が定められた時間経過した後、前記第二のクリアランス条件よりも前記クリアランスを拡大させ得る条件に従って前記摩擦材操作手段を制御する。このため、ブレーキ操作の応答性を高めると共に、引き摺りトルクが継続して発生することを防止することができる。
この発明の実施形態に係るブレーキ装置として電動ブレーキ装置を適用した例を概略示す図である。 同ブレーキ装置の制御系のブロック図である。 図2のブレーキ力制御器の構成例を示すブロック図である。 同ブレーキ力制御器の別の構成例を示すブロック図である。 同ブレーキ装置のクリアランス制御部の動作フローの一例を示すフローチャートである。 図5の動作フローを実行する上での状態遷移の一例を示す図である。 車速とクリアランス推移時間との関係の一例を示す図である。 車速とクリアランス推移時間との関係の他の例を示す図である。 車速とクリアランスとの関係の一例を示す図である。 車速とクリアランスとの関係の他の例を示す図である。 車速とクリアランスとの関係のさらに他の例を示す図である。 車両加速力目標値の減少率とクリアランス推移時間との関係の一例を示す図である。 車両加速力目標値の減少率とクリアランスとの関係の一例を示す図である。 同ブレーキ装置の動作例を示す図である。 同ブレーキ装置の他の動作例を示す図である。 同ブレーキ装置のさらに他の動作例を示す図である。 従来構成のブレーキ装置の動作例を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るブレーキ装置として油圧ブレーキ装置を適用した制御系のブロック図である。
[第1の実施形態]
この発明の実施形態を図1ないし図16と共に説明する。
図1は、実施形態に係るブレーキ装置として電動ブレーキ装置を適用した例を概略示す図である。電動ブレーキ装置1は車両に搭載される。電動ブレーキ装置1は、電動式アクチュエータDAと、摩擦ブレーキBRとを備える。
<電動式アクチュエータDAおよび摩擦ブレーキBR>
図1および図2に示すように、電動式アクチュエータDAは、直動アクチュエータ本体AHと、電源装置3と、後述する制御装置2とを備える。直動アクチュエータ本体AHは、後述の摩擦材9を操作する摩擦材操作手段17と、パーキングブレーキ機構7と、角度センサSaと、荷重センサSbとを有する。摩擦材操作手段17は、電動モータ4と、直動機構6と、減速機5とを有する。
図1に示すように、電動モータ4は、例えば、永久磁石式の同期電動機から成る。電動モータ4として、永久磁石式の同期電動機を適用すると省スペースで高効率かつ高トルクとなり好適である。電動モータ4として、例えば、ブラシを用いたDCモータ、永久磁石を用いないリラクタンスモータ、あるいは誘導モータ等を適用することもできる。
摩擦ブレーキBRは、車両の各車輪にそれぞれ設けられる。摩擦ブレーキBRは、車輪と一体に回転するブレーキロータ8と、ブレーキロータ8と接触してブレーキ力を発生させる摩擦材9とを有する。摩擦材9は、電動式アクチュエータDAによって操作される。摩擦材9を直動アクチュエータ本体AHにより操作してブレーキロータ8に押圧し、摩擦力によってブレーキ力を発生させる機構を用いることができる。この例の摩擦ブレーキBRとして、ブレーキディスクであるブレーキロータ8および図示外のキャリパを用いたディスクブレーキ装置を適用しているが、ドラムおよびライニングを用いたドラムブレーキ装置であってもよい。
減速機5は、電動モータ4の回転を減速する機構であり、それぞれ伝達部である一次歯車12、中間歯車13、および三次歯車11を含む。この例では、減速機5は、電動モータ4のロータ軸4aに取り付けられた一次歯車12の回転を、中間歯車13により減速して、回転軸10の端部に固定された三次歯車11に伝達可能な平行歯車が用いられている。前記伝達部は、正方向と逆方向の動作の切換えにより接触状態と離隔状態とが生じる遊びを有する。
直動機構6は、減速機5で出力される回転運動を送りねじ機構により直動部14の直線運動に変換して、ブレーキロータ8に対して摩擦材9を当接離隔させる機構である。換言すれば、直動機構6は、電動モータ4と摩擦材9とを機械的に連結する機構である。直動部14は、回り止めされ且つ矢符A1にて表記する軸方向に移動自在に支持されている。直動部14のアウトボード側端に摩擦材9が設けられる。電動モータ4の回転を減速機5を介して直動機構6に伝達することで、回転運動が直線運動に変換され、それが摩擦材9の押圧力に変換されることによりブレーキ力を発生させる。なお電動ブレーキ装置1を車両に搭載した状態で、車両の車幅方向外側をアウトボード側といい。車両の車幅方向中央側をインボード側という。
パーキングブレーキ機構7のアクチュエータ16として、例えば、リニアソレノイドが適用される。アクチュエータ16によりロック部材15を進出させて中間歯車13に形成された係止孔(図示せず)に嵌まり込ませることで係止し、中間歯車13の回転を禁止することで、パーキングロック状態にする。ロック部材15を前記係止孔から離脱させることで中間歯車13の回転を許容し、アンロック状態にする。
図2に示すように、角度センサSaは、電動モータ4の回転角度(モータ角度)を検出する。角度センサSaは、例えば、レゾルバまたは磁気エンコーダ等を用いると高精度かつ高信頼性であり好適であるが、光学式のエンコーダ等の各種センサを用いることもできる。前記角度センサSaを用いずに、後述する制御装置2において、電動モータ4の電圧と電流との関係等からモータ角度を推定する角度センサレス推定を用いることもできる。
荷重センサSbは、直動機構6の軸方向荷重を検出する。この荷重センサSbは、例えば、直動機構6の荷重が作用する所定部材の変位または変形を検出する磁気センサ、歪センサ、圧力センサ等を用いることができる。前記荷重センサSbを用いずに、制御装置2において、例えば、モータ角度および電動ブレーキ装置剛性、またはモータ電流および直動アクチュエータ本体AHの効率等から荷重センサレス推定を行ってもよい。その他、サーミスタ等の各種センサ類等を要件に応じて別途設けてもよい。
車輪には、車輪速を検出する車輪速センサScを備えることができる。車輪速センサScは、例えば、車輪と一体に回転する磁気エンコーダの磁極を検出する磁極センサ、または凹凸を設けたロータのインダクタンス変動を検出するコイル等を用いることができる。あるいは、車輪速センサScに代えて、車輪の回転位置を検出する角度センサ等、他の方式の回転センサを用いてもよい。前記車輪速センサSc等は、本発明の実施形態の他、例えば、車輪のロックを防止するアンチスキッド制御器18によるアンチスキッド制御等に用いられてもよい。
<制御装置2の構成>
図2は、電動ブレーキ装置1の制御系のブロック図である。例えば、各車輪に対応する制御装置2および直動アクチュエータ本体AHが設けられている。各制御装置2は対応する電動モータ4を制御する。各制御装置2に、直流の電源装置3と、各制御装置2の上位制御手段である上位ECU19とが接続されている。電源装置3は、電動モータ4および制御装置2に電力を供給する。電源装置3は、例えば、この電動ブレーキ装置1を搭載する車両の低圧(例えば12V)バッテリ等を適用し得る。
上位ECU19として、例えば、車両全般を制御する車両統合制御装置(Vehicle Control Unit, VCU)が適用される。上位ECU19は、各制御装置2の統合制御機能を有する。上位ECU19は、ブレーキ力指令手段19aと、加速力指令手段19bとを備える。ブレーキ指令手段19aは、図示外のブレーキ操作手段の操作量に応じて変化するセンサの出力を指令値(ブレーキ力目標値)として各制御装置2に与える。加速力指令手段19bは、アクセルペダル等の操作量に応じて変化するセンサの出力(アクセル信号等)を、車両加速力目標値として各制御装置2に与える。
ブレーキ力指令手段19aは、ブレーキ操作手段そのものであってもよく、あるいは、例えば自動運転車両のように車両の状態および各種センサ等の情報から、ブレーキ操作手段の操作に依ることなく自動的に指令値を求めて出力することも可能である。加速力指令手段19bは、アクセルペダル等のアクセル操作手段に設けられるものであってもよく、あるいは、例えば自動運転車両のように車両の状態および各種センサ等の情報から、アクセル操作手段の操作に依ることなく自動的に指令値を求めて出力することも可能である。
各制御装置2は、制御演算を行う各種制御演算器と、モータドライバ20と、センサ類とを備える。前記各種制御演算器は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、または、FPGA、ASIC等の演算器および周辺回路により構成される。前記各種制御演算器は、運動状態推定器21、電流推定器22、ブレーキ力推定器23、車輪速推定器24、ブレーキ力制御器25、電流制御器26およびアンチスキッド制御器18を備える。
運動状態推定器21は、角度センサSaの出力から、電動モータ4の回転運動状態を推定する。運動状態推定器21は、例えば、角度センサSaの出力から、制御演算に用いる電動モータ角度(推定モータ角度)、角速度等のモータ回転運動の状態量を推定する機能を有するものであってもよい。運動状態推定器21は、例えば、電動モータ4の角加速度等のさらなる所定微積分値を推定する機能、または外乱を推定する外乱オブザーバ機能等を設けることもでき、推定する状態量は制御要件に併せて適宜定められる。
前記電動モータ角度は、例えば、電流制御に用いる電気角位相、または角度制御に用いる角度センサSaのオーバーラップおよびアンダーラップを補正した総回転角度等であってもよい。前記電動モータ4の角速度は、機械角速度または電気角速度であってもよく、その他、直動機構6の等価リード等に基づいて推定される位置ないし速度等の直線座標系に基づく物理量であってもよく、単位および座標系等は制御要件に基づいて適切に処理されるものとする。前記物理量の推定は、例えば、状態推定オブザーバ等の構成を用いてもよく、微積分または慣性方程式に基づく逆算等の直接的な演算であってもよい。
電流推定器22は、電流センサSdの出力から制御演算に用いる電流を推定する機能を有する。電流センサSdは、例えば、シャント抵抗両端の電圧を検出するアンプから成るセンサ、または電動モータ4の相電流の通電経路周囲の磁束等を検出する非接触式センサ等を用いることができる。電流推定器22は、例えば、モータドライバ20を構成する素子等の端子電圧等を検出する構成としてもよい。電流推定器22は、他の構成として、ローサイドないしハイサイドに一つ設けた電流センサにより一次電流を推定し、モータ特性等に基づいてモータ相電流を求める構成としてもよい。あるいは、一切の電流センサを設けずに、電動モータ4のインダクタンスまたは抵抗値等のモータ特性等に基づいてフィードフォワード制御を行うこともできる。
電流制御器26は、モータ電流を所定の目標値に対して追従制御する機能を有する。電流制御器26において、制御するモータ電流は、例えば、ロータ磁極と同期した直交軸に変換されたd軸、q軸における軸電流制御とすると簡潔かつ高機能な制御系が構成できて好適と考えられるが、例えば、三相交流電流のような実際の電流値を直接制御する方法であってもよい。例えば、電動モータ4がブラシ付きDCモータである場合、電流制御器26は、そのまま直流電流を制御する手法とすることができる。本図2においては、推定電流をフィードバック制御する例を示すが、前述のようにモータ特性に基づいたフィードフォワード制御であってもよく、あるいは非干渉化制御のようなフィードバックとフィードフォワードを適宜併用する制御としてもよい。
ブレーキ力推定器23は、荷重センサSbの出力から、ブレーキ力(推定ブレーキ力)を推定する機能を有する。あるいは荷重推定器23は、前述の通り、荷重センサSbを用いずに、角度センサレス推定機能または荷重センサレス推定機能とすることもできる。ブレーキ力推定器23は、他の構成として、例えば、車輪に制動トルクセンサを設け、この制動トルクセンサ出力からブレーキ力を推定する構成とすることもできる。
ブレーキ力制御器25は、ブレーキ力制御部27と、クリアランス制御部28と、ブレーキ解除判断部29とを備える。
ブレーキ力制御部27は、所定のブレーキ力を発生させるための制御演算を行う。ブレーキ力制御部27は、ブレーキ力指令手段19aによるブレーキ力目標値に対して、前記推定ブレーキ力が追従するようにフィードバック制御演算を行う。ブレーキ力制御部27において演算中に用いる物理量は、例えば、モータ角度および直動機構の等価リードから算出されるアクチュエータ位置、またはモータ電流から求められるモータトルク等、設計の都合に応じて適宜選択されるものとする。その他、ブレーキ力制御部27は、フィードフォワード制御等を用いるか、またはフィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を適宜併用することもできる。
クリアランス制御部28は、ブレーキを解除するための制御演算を行う。クリアランス制御部28は、ブレーキを解除する際に摩擦ブレーキBRの摩擦材9とブレーキロータ8との間に所定のクリアランスを設けるためのモータ角度目標値に対して、運動状態推定器21から与えられる推定モータ角度が追従するように制御演算を行う機能を有する。前記の機能は、例えば、前記モータ角度および直動機構6の等価リード等から直動アクチュエータ本体AHの直動部14(図1)の軸方向位置を推定する機能とすると低コストとなり好適であるが、直動アクチュエータ本体AHにおける直動部14(図1)の軸方向位置を検出する図示外の位置センサを別途設け、前記位置センサを用いた推定位置を制御する構成とすることもできる。
クリアランス制御部28は、第一のクリアランス制御部30と、第二のクリアランス制御部31と、クリアランス縮小判断部32とを備える。第一のクリアランス制御部30は、摩擦材9とブレーキロータ8との間を定められたクリアランスとする。第二のクリアランス制御部31は、第一のクリアランス制御部30よりもクリアランスを縮小する。クリアランス縮小判断部32は、電動モータ4等の車両駆動力により車両を加速させる加速力指令手段19bの車両加速力目標値を取得する。クリアランス縮小判断部32は、取得した車両加速力目標値が車両の加速を止める(=アクセルペダルを解除する)相当の目標値となったとき、第一のクリアランス制御部30を第二のクリアランス制御部31に切替える切替信号を出力する。
ここで、第一および第二のクリアランス制御部30,31は、前記の関係性を持つ少なくとも二つ以上のクリアランス制御部を有することを示している。すなわち、例えば、車両の走行条件、または摩擦ブレーキBRの摩耗状態等に応じて、前記第一および第二のクリアランス制御部30,31を複数備え、これらを選択的あるいは連続変化的に切替える構成としてもよい。
ブレーキ解除判断部29は、ブレーキを解除するか否かを判断する。具体的には、ブレーキ解除判断部29は、ブレーキ力目標値が所定の閾値未満であるとき、ブレーキを解除する(ブレーキ解除要求状態)と判断する機能を有する。あるいは、ブレーキ解除判断部29は、ブレーキ力目標値の変化量がブレーキ力を低下させる方向に所定より大きい変化をしていた場合に、ブレーキ解除要求状態と判断する機能を併用してもよい。
ブレーキ力制御器25は、最終的に所望のモータ駆動を行うためのモータ電流目標値を、電流制御器26に対して出力する。電流制御器26は、例えば、前記モータ電流目標値を、予め定められた所定のモータ特性に基づいて所望のトルクを発生させる電流値に換算する機能を有する。前記の換算は、例えば、モータ角速度とトルクに応じた電流値のLUT等を記憶部33に設けておくと演算負荷が少なく好ましいが、例えば、予め定められたトルクおよび角速度を引数として電流を求める計算式、あるいは、モータ相抵抗または相インダクタンスからニュートンラプソン法等の収束演算式を用いて所望のトルクとなる電流条件を求める計算式等、所定の演算式において求めることもできる。
電流制御器26において求められる電流指令値は、例えば、所定の電気角位相に対する直交軸電流(d軸電流、q軸電流)であってもよく、所定の位相および周波数を有する交流電流であってもよい。あるいは、その他、誘導モータにおけるすべり角を考慮した電流指令値としてもよく、もしくはブラシ付DCモータの直流電流指令であってもよい。
電流制御器26を設けず、ブレーキ力制御器25が前述の電流制御器26の機能を含むものであってもよい。すなわち、本図2に示すブレーキ力制御器25が電流制御器26への指令値を生成し、電流制御器26がモータ駆動電圧信号(PWMなど)を生成するような複数の制御器を用いる構成に代えて、ブレーキ力制御器25が、本図2の電流制御器26に相当するモータ電流制御系を制御対象に含む形で演算を行い、モータ駆動電圧信号を後述のモータドライバ20に対して出力する構成であってもよい。
モータドライバ20は、電流制御器26から与えられる電流指令値に基づいて、電源装置3の直流電力を電動モータ4の駆動に用いる交流電力に変換する。このモータドライバ20は、FET等のスイッチ素子を含むハーフブリッジ回路を構成し、所定のデューティ比によりモータ印加電圧を決定するPWM制御を行う構成とすると、安価で高性能となり好適である。あるいは、図示外の変圧回路等を設け、PAM制御を行う構成とすることもできる。
<ブレーキ力制御器25の構成例>
図3は、図2のブレーキ力制御器25の構成例を示すブロック図である。
第一のクリアランス制御部30は、第一のクリアランス目標設定部34と、切替部35と、モータ角度制御部36とを有する。第二のクリアランス制御部31は、第二のクリアランス目標設定部37と、前記切替部35と、前記モータ角度制御部36とを有する。
クリアランス縮小判断部32は、例えば、アクセル信号等の車両加速力目標値から、クリアランスを縮小するか否かを判断し、第一および第二のクリアランス目標設定部34,37による設定値を切替える。クリアランス縮小判断部32から切替信号を与えられる切替部35および前記切替信号は、例えば、二値切替であってもよく、連続状の切替であってもよい。
このとき、連続状の切替とは中間値を細分化した離散値を含むものとし、連続状の切替を行う場合、例えば、第一のクリアランス目標設定部34から出力される第一のクリアランス目標p1および第二のクリアランス目標設定部37から出力される第二のクリアランス目標p2に対して、クリアランス目標pをp=α・p1+(1−α)・p2 但し、0≦α≦1のような結合関数に基づいて導出するものであってもよく、前記二値切替を行った後に所定のローパスフィルタ(Low-pass filter,略称:LPF)等を介して平滑化したものであってもよく、あるいは細分化された中間値p3,p4,・・・pnを予め設けて細かな切替を行うものであってもよい。また、前記結合関数および結合係数αを用いる場合、αは例えば時間に対して線形変化する係数であってもよく、例えばSin状または逆関数(分数関数)状等の非線形変化する係数であってもよい。
モータ角度制御部36は、切替部35から与えられるクリアランス目標pに対して、これを達成し得るようにモータ角度を制御するためのモータ操作量を導出する。
ブレーキ力制御部27は、所望のブレーキ力を発生させるためのモータ操作量を導出する。
ブレーキ解除判断部29は、ブレーキ力目標値からブレーキを解除するか否かを判断し、ブレーキ力を解除する場合はクリアランス目標pを達成するためのモータ操作量とし、ブレーキ力を発揮する場合は所望のブレーキ力を発生するためのモータ操作量とする。これらモータ操作量を切替える切替部38およびその切替信号は、例えば、二値切替であってもよく、連続状の切替であってもよい。ブレーキ力制御器25は、最終的に決定されたモータ操作量であるモータ電流目標値を出力する。なお、モータ操作量をモータトルク目標値とし、モータトルクを所定のモータ電流へと変化する機能を別途設けることもできる。
<ブレーキ力制御器25の別の構成例>
図4は、ブレーキ力制御器25の別の構成例を示すブロック図である。図3に対する変更点として、ブレーキ力制御部27にブレーキ力角度変換部39を設け、所望のブレーキ力を発生させるためのモータ角度目標値を求める。ブレーキ解除判断部29は、クリアランス目標pを達成するためのモータ角度目標値と、ブレーキ力を発生させるためのモータ角度目標値と、の切替を行い、モータ角度目標値を決定する。このモータ角度目標値に対してモータ角度制御部36にて追従制御演算を行い、モータ操作量であるモータ電流目標値を導出する。図4の構成例では、図3の構成例に対し、ブレーキ力をモータ角度に変換するためのデータないし関数等が必要となるが、制御演算部を一つに統一できる点が優位となる。
<クリアランス制御部の動作フロー>
図5は、クリアランス制御部の動作フローの一例を示すフローチャートである。なお、本図5は実装時のプログラム等の具体例を示すものではなく、全体的な動作の流れの概念を示すものであり、実装時には本図5のフローを順守しつつ破綻の無い実行フローが適宜組まれるものとする。図2または図3等も適宜参照しつつ説明する。
本処理開始後、ブレーキ解除判断部29はブレーキを解除するか否かを判断する(ステップS1)。ブレーキ解除判断部29は、例えば、ブレーキ力目標値が所定の閾値を下回るか、あるいは前記ブレーキ力目標値が所定以上の変化度合で低下している状態、もしくはその両方に基づいてブレーキを解除するか否かを判断してもよい。前記ブレーキ力目標値は、例えば、ブレーキペダル等のブレーキ操作手段から所定の変換条件に基づいて求めたブレーキ力であってもよく、あるいはブレーキペダルにおけるストローク等のブレーキ操作手段の出力信号そのものであってもよい。もしくは、車両統合制御装置(VCU)等の上位ECU19から送信されるブレーキ力目標値であってもよい。
ブレーキを解除しないとの判断で(ステップS1:no)、ブレーキ力制御部27は、所望のブレーキ力を発生させるためのモータ操作量を導出し(ステップS2)、本処理を終了する。ブレーキを解除するとの判断で(ステップS1:yes)、クリアランス制御部28は、車両加速力目標値が低下してゼロに推移したかどうかを判断する(ステップS3)。クリアランス制御部28は、例えば、一般の自動車におけるアクセルオフ操作に基づいて判断する。前記アクセルオフ操作は、操縦者が行うアクセルオフ操作と、自動運転または車両運動制御で上位ECU19が自動的に行うアクセルオフ操作との両方を含む。
クリアランス制御部28は、例えば、車両加速力目標値が所定の閾値を下回るか、あるいは前記車両加速力目標値が所定以上の変化度合(変化量)で低下している状態、もしくはその両方に基づいて前記判断を行ってもよい。また、前記車両加速力目標値は、例えば、アクセルペダル等のアクセル操作手段から所定の変換条件に基づいて求めた加速力であってもよく、あるいはアクセルペダルにおけるストローク等のアクセル操作手段の出力信号そのものであってもよい。もしくは、車両統合制御装置(VCU)等の上位ECU19から送信される車両加速力目標値であってもよい。
車両加速力目標値がゼロへと推移した、あるいは推移しつつあることを検出した場合(ステップS3:yes)、クリアランス制御部28は、クリアランスを第二のクリアランス目標(第二のクリアランス条件)p2に設定し(ステップS4)、そうでない場合(ステップS3:no)はクリアランスを第一のクリアランス目標(第一のクリアランス条件)p1に設定する(ステップS7)。前記ステップS7の後ステップS8に移行する。第一のクリアランス目標p1は定常的なクリアランス、第二のクリアランス目標p2はp2<p1の関係にある縮小されたクリアランスを示す。
クリアランス制御部28は、ステップS4でクリアランスをp2に設定した後、所定時間が経過していれば(ステップS5:yes)、クリアランスをp1へと推移させる(ステップS6)。前記所定時間は、車両の挙動および操縦者へのフィーリング等に基づいて適宜定められるものであり、前記所定時間を延長する程ブレーキが迅速に応答する状態を保つことができる一方、引き摺りトルク等による燃費/電費の悪化がトレードオフとなる。一例として、前記所定時間を100msec〜数sec程度とすることで、比較的緊急度の高いブレーキ操作に対するブレーキの応答性を向上しつつ、燃費/電費の悪化を防止できる。制御装置2は、最終的に決定されたクリアランス量となるよう、電動モータ4を制御する(ステップS8)。その後本処理を終了する。
図6は、図5の動作フローを実行する上での状態遷移の一例を示す図である。同図6のST.21が図5における第一のクリアランス目標p1、図6のST.23が第二のクリアランス目標p2に相当する状態であり、ST.22およびST.24がそれぞれp1、p2に推移する中間状態に相当する。またST.23からST.24に遷移する際の条件である“所定時間経過”が図5におけるステップS5の“所定時間経過”に相当する。
ST.22およびST.24の所定時間t1,t2を長くするとクリアランスは緩やかに変化し、短くすると急峻に変化する。特に、所要時間をゼロ(状態ST.22,ST.24を経由しない)とするとアクチュエータの動作速度および制御帯域に従ってクリアランスは可能な限り速やかな変化をする。前記所定時間t1,t2は、例えば、モータ角度等の制御目標値の変化を急峻あるいは緩慢とすることで調整するものであってもよく、制御ゲイン等を調整して制御時定数を高速あるいは低速とすることで調整するものであってもよく、またはその両方を併用してもよい。
例えば、ST.22において、所定時間t1を短くすると次のブレーキ操作に対する応答時間の短縮による制動距離の短縮およびブレーキフィーリングの面では有利となり得る。またST.24において、所定時間t2を短くすると燃費/電費向上の面では有利となり得る。背反として所定時間t1,t2の短縮は操縦者への違和感の面では不利となり得る。
前記所定時間t1,t2のトレードオフに対して、例えば、所定時間t1を比較的短時間とし、所定時間t2を比較的長時間とするよう構成してもよい。換言すれば、制御装置2(図2)は、第二のクリアランス条件から第一のクリアランス条件に至るまでの所定時間(クリアランス拡大時間)t2が、第一のクリアランス条件から第二のクリアランス条件に至るまでの所定時間(クリアランス縮小時間)t1よりも長い時間となるようにクリアランス条件を推移させてもよい。
このとき、クリアランス短縮動作は、例えば、エンジンブレーキ(電気自動車ではエンジンブレーキシミュレート)等のアクセルオフに伴う車両挙動の変化に合わせて行われるため、所定時間t1を短くしても操縦者への違和感を比較的軽度に抑えることができる。また、ST.24のクリアランス拡大は車両への操作を関連せず実行されることが多いと考えられるため、所定時間t2を十分に長く設定することで操縦者への違和感を軽減することができる。一例として、t1を10msec〜数百msec、t2を1secから数十secの間に行うよう調整してもよい。
制御装置2(図2)は、クリアランス制御における各状態ST.21,ST.22,ST.23,ST.24、および遷移条件のパラメータについて、電動ブレーキ装置を搭載する車両の車速に応じて可変のパラメータを用いてもよい。その際、所定の車速閾値に対して二値切替を行う処理としてもよく、車速に依存して連続的(段階的)に変化する処理としてもよく、これらを併用してもよい。前記車速は、車速推定手段40(図2)により推定可能である。前記車速に依存して連続的にパラメータを変化させる場合、車速に対して線形変化させてもよく、sin状または逆関数状等の非線形な変化を設定してもよい。また、上限値および下限値を設定してもよく、これらを併用してもよい。
<クリアランスの推移等について>
図7は、車速が高速になると、t1を短縮しt2は一定とする例を示す。また、図8は、車速が高速になるとt1,t2の両方を短縮する例を示す。
車速が高速である程ブレーキ応答速度により制動距離への影響が大きくなる。このため、t1を短くすることによるブレーキ応答向上のメリットが大きくなり、また車速が高速である程引き摺りトルクによる損失が増加する。したがって、t2を短時間で遷移させることによる燃費/電費悪化の抑制効果が大きくなる。このとき、クリアランス推移時間t1,t2が短い程、アクチュエータ作動音によるNVH(Noise, Vibration, Harshness)の悪化が問題となる可能性が生じるが、車速が高速である程ロードノイズおよび風音等の影響により暗騒音が大きくなるため、前記の車速に応じたクリアランス推移時間とすることで、前記NVHの悪化による影響が生じにくくなる。
図9では、制御装置2(図2)は、第二のクリアランス条件(ST.23)において、前記車速が高速になると、第一のクリアランス条件(ST.21)からのクリアランス縮小が大きくなる(つまりクリアランスがより小さくなる)ようにクリアランスp2を可変とする例を示す。車速が高速である程ブレーキ応答速度による制動距離への影響が大きくなるため、クリアランス縮小量を増加させ、よりクリアランスを縮小させることによるブレーキ応答向上のメリットが大きくなる。このとき、第一のクリアランス条件(ST.21)から第二のクリアランス条件とすることによるクリアランス縮小量が大きい程、アクチュエータを大きく動作させる必要があるため、NVHが悪化する可能性がある。しかし、車速が高速である程ロードノイズおよび風音等の影響により暗騒音が大きくなるため、前記の車速に応じたクリアランス縮小量とすることで、前記NVHの悪化による影響が生じにくくなる。
図10は、車速が高速になると第一のクリアランス条件(ST.21)においてクリアランスが拡大する処理とする例を示す。第一のクリアランス条件は、換言すれば定常的なクリアランス状態であり、高速域でクリアランスを拡大することで引き摺りトルクを低減し、燃費/電費を効果的に改善することができる。このとき、ブレーキ応答が遅れることが問題となる場合があるが、第二のクリアランス条件においてクリアランスを縮小する処理によって、前記の問題を解決することができる。
すなわち本図10は、高速走行時にクリアランスが拡大して引き摺りトルクを低減しつつ、アクセルオフ時のクリアランス縮小量が増加することでアクセルオフ後のブレーキ操作に対する応答性の低下を抑止する構成を示している。
図11は、図9および図10の構成を複合し、p1、p2のいずれも車速に応じて可変の値とする例を示す。
クリアランス制御における各状態ST.21,ST.22,ST.23、ST.24、および遷移条件のパラメータについて、図2に示すように、前記車両加速力目標値の推移を記憶する記憶部33を例えばクリアランス制御部28等に設け、記憶部33に記憶された車両加速力目標値の減少率(=マイナス/アクセルオフ方向の微分値)に応じて可変のパラメータを用いてもよい。
その際、制御装置2は、前記車両加速力目標値の減少率の閾値に対して二値切替を行う処理としてもよく、車両加速力目標値の減少率に依存してパラメータが連続的(段階的)に変化する処理としてもよく、これらを併用してもよい。前記減少率に依存してパラメータを連続的に変化させる場合、減少率に対して線形変化させてもよく、sin状または逆関数状等の非線形な変化を設定してもよい。また、上限値および下限値を設定してもよく、これらを併用してもよい。
図12は、ST.22のt1について、記憶された車両加速力目標値の低下度合(減少率)が急峻であると、t1を短くする例を示す。
クリアランス推移時間が短い程、引き摺りトルクが急に増加することで操縦者の違和感を覚えやすくなるが、前記記憶された車両加速力目標値の低下度合が急峻であることにより、換言すれば、急峻なアクセルオフ操作が発生したことにより、車両の挙動が比較的大きく変化するため、前記の違和感が生じにくくなる。さらに、急峻なアクセルオフ操作がなされた後は急ブレーキが操作される可能性が比較的高く、ST.22を短時間で遷移させることによるブレーキ応答向上のメリットが大きくなる。
図13は、第二のクリアランス条件(ST.23)において、前記記憶された車両加速力目標値の低下度合が急峻であると、第一のクリアランス条件(ST.21)からのクリアランス縮小量が大きくなるように、クリアランスp2を可変とする例を示す。
クリアランスを縮小すると引き摺りトルクが増加し得るため、操縦者の違和感が大きくなる可能性があるが、前記記憶された車両加速力目標値の低下度合が急峻であることにより、換言すれば、急峻なアクセルオフ操作が発生したことにより、車両の挙動が比較的大きく変化するため、前記違和感が生じにくくなる。さらに、急峻なアクセルオフ操作がなされた後は急ブレーキが操作される可能性が比較的高く、クリアランスをより縮小させることによるブレーキ応答向上のメリットが大きくなる。
<電動ブレーキ装置の動作例>
図14は、ブレーキを解除した状態で、アクセルオフ操作がなされた場合の動作を示す。クリアランスをp1からp2に縮小したことにより引き摺りトルクが増加しても、クリアランス縮小状態が限定的であるため、燃費/電費への影響を軽微なものとすることができる。
図15は、図14に対して比較的緩慢なアクセルオフ操作が行われた場合の例を示す。図15の動作例では、図14よりもクリアランス縮小量が小さく、クリアランス推移時間が長いため操縦者への違和感等を抑制することができる。
図16、図17は、ブレーキを解除した状態で、車両加速力目標値がゼロとなり、その後ブレーキが操作された場合の例を示す。図16は、本実施形態の電動ブレーキ装置の構成を適用した場合を示し、図17は従来構成である場合を示す。図16の動作例では、予めクリアランスがp1からp2に縮小していることにより、図17の従来構成よりもブレーキが迅速に応答することができる。
<作用効果>
第一のクリアランス制御部30は、ブレーキ解除要求状態と判断すると、摩擦材9とブレーキロータ8との間を定められたクリアランスとする。定められたクリアランスは、例えば、引き摺りトルクが問題とならないように設定するが、クリアランスが大きいため、ブレーキ応答が遅くなる場合がある。
加速停止操作が行われ、且つ、前記ブレーキ解除要求状態が継続されるとき、第二のクリアランス制御部31によりクリアランスを縮小する。これにより、ブレーキ操作の際のブレーキ応答が早くなるが、トレードオフとして引き摺りトルクの増加により燃費または電費が悪化する懸念が生じる。このため、ブレーキが操作される可能性が高いアクセル解除初期にクリアランスを縮小し、時間経過に伴いクリアランスを拡大することで、引き摺りトルクが継続して発生することを防止することができる。そのため、ブレーキ操作の応答性を高めると共に、引き摺りトルクが継続して発生することを防止することができる。
また、アクセル解除においては、EV、HEV、FCV等の電動駆動車両であってもエンジンブレーキをシミュレートする減速度を発生させる場合が多い。このため、仮に前記クリアランス縮小に伴って引き摺りトルクが発生したとしても、車両の操縦者が減速度の変化を感じる状況にて発生する微小な減速力であるため、操縦者への違和感を抑えることができる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
<油圧ブレーキ装置の構成例>
図18は、図2の電動ブレーキ装置に代えて、油圧シリンダおよび油圧制御バルブを用いた油圧ブレーキの構成例を示す。
ブレーキ力指令手段19aおよびマスタシリンダ41は、例えば、直結されたブレーキペダルおよびマスタシリンダであってもよく、電動モータ等で制御する電動マスタシリンダおよび電気制御ワイヤ等で接続されたものであってもよい。
ブレーキ力推定器23は、例えば、本図18のようにマスタシリンダ41に、油圧センサ等の液圧センサSeを設け、マスタシリンダ液圧およびバルブ制御状態からブレーキ力を推定する構成としてもよく、ブレーキシリンダ42に液圧センサを設けてブレーキ力をより直接的に推定する構成としてもよい。また、その他、液圧センサを設けず、例えば、ブレーキペダルのストロークから予め発生し得るブレーキ圧を推定するような、液圧センサレス推定を行うこともできる。図2との相違点として、ブレーキ力制御器25は、油圧アクチュエータAUに設けられた電磁バルブ43によりブレーキシリンダ42の液圧を制御する制御器として構成される。あるいは、前記のように電動マスタシリンダを用いる場合、ブレーキ力制御器25は、電動マスタシリンダの液圧を制御する制御器としての機能を持たせることもできる。
図2〜図4、図18等はあくまで機能構成の概念を示したものであり、図示外の要素は要件に応じて適宜設けられるものとする。また、各機能ブロックは便宜上設けているものであり、実装上の都合に伴いハードまたはソフト上において適宜統合ないし分割可能であるものとする。
各ブロック図は、機能上の信号の流れを記述するためのものであり、実装時の演算順序およびタイミングを規定するものではない。機能が破綻しない範囲であれば、演算の順序は任意で設定できるものとし、また機能によって高速ないし低速に演算させるような複数のサンプリングレートで実行するマルチレート処理を導入する等、タイミングは適宜設定可能であるものとする。
本実施形態は、何れか一例を選択するものではなく、実装上において矛盾が生じなければ、必要に応じて一部または全体を併合した構成としてもよい。
減速機5は、例えば、ウォーム歯車、遊星歯車等の減速機を用いてもよい。
直動機構6は、遊星ローラねじ、ボールねじ等の各種ねじ機構、ボールランプ等、回転運動を直進運動に変換する各種機構を用いることができる。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…制御装置、4…電動モータ、8…ブレーキロータ、9…摩擦材、17…摩擦材操作手段、19a…ブレーキ力指令手段、30…第一のクリアランス制御部、31…第二のクリアランス制御部、33…記憶部、40…車速推定手段

Claims (8)

  1. 車輪と一体に回転するブレーキロータと、このブレーキロータと接触してブレーキ力を発生させる摩擦材と、この摩擦材を操作する摩擦材操作手段と、ブレーキ力目標値を生成するブレーキ力指令手段と、前記ブレーキ力が前記ブレーキ力目標値に追従するように前記摩擦材操作手段を制御し、かつ車両加速力目標値を制御に用いる制御装置とを備えた車両用のブレーキ装置であって、
    前記制御装置は、
    前記ブレーキ力目標値が閾値未満であるとき、または定められたブレーキ解除要求を認識したときのいずれかをブレーキ解除要求状態として判断し、このブレーキ解除要求状態において、前記摩擦材と前記ブレーキロータとの間に定められたクリアランスが生じた状態となる第一のクリアランス条件に従って前記摩擦材操作手段を制御する第一のクリアランス制御部と、
    前記車両加速力目標値が閾値を上回る状態から下回る状態へと推移すると言う条件を充足するか、または前記車両加速力目標値の変化量が前記車両の加速力を低下させる方向に定められた変化量以上で変化すると言う条件を充足するとき、または両方の条件を充足するとき、加速停止操作が行われたと判断し、且つ、前記ブレーキ解除要求状態が継続されるとき、前記第一のクリアランス条件よりも前記クリアランスを縮小させ得る第二のクリアランス条件に従って前記摩擦材操作手段を制御する第二のクリアランス制御部と、を備え、
    前記制御装置は、前記ブレーキ解除要求状態が継続されたまま前記第二のクリアランス条件である状態が定められた時間経過した後、前記第二のクリアランス条件よりも前記クリアランスを拡大させ得る条件に従って前記摩擦材操作手段を制御するブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ装置において、前記制御装置は、前記第二のクリアランス条件から前記クリアランスを拡大させるとき、前記第一のクリアランス条件に至るまで、時間の経過に対して連続的にクリアランス条件が変化するように、前記摩擦材操作手段を制御するブレーキ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置において、前記制御装置は、前記第二のクリアランス条件から前記第一のクリアランス条件に至るまでのクリアランス拡大時間が、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件に至るまでのクリアランス縮小時間よりも長い時間となるようにクリアランス条件を推移させるブレーキ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ装置において、前記制御装置は、前記加速停止操作が行われたことを判断するに至る直前の前記車両加速力目標値の減少率を記憶する記憶部を有し、
    前記制御装置は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件に至るまでのクリアランス縮小時間について、前記加速停止操作が行われたときの前記車両加速力目標値の減少率に基づいた可変の値とし、前記制御装置は、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より大きいとき、前記クリアランス縮小時間を短縮し、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より小さいとき、前記クリアランス縮小時間を延長するブレーキ装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ装置において、前記制御装置は、前記加速停止操作が行われたことを判断するに至る直前の前記車両加速力目標値の減少率を記憶する記憶部を有し、
    前記制御装置は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件へと至ることによるクリアランス縮小量について、前記加速停止操作が行われたときの前記車両加速力目標値の減少率に基づいた可変の値となるように、前記第二のクリアランス条件を可変の値とし、前記制御装置は、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より大きいとき、前記クリアランス縮小量を増加させ、前記車両加速力目標値の減少率が定められた減少率より小さいとき、前記クリアランス縮小量を減少させる第二のクリアランス条件に設定するブレーキ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のブレーキ装置において、前記車両は、車速を推定する車速推定手段を有し、前記制御装置は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件に至るまでのクリアランス縮小時間、および前記第二のクリアランス条件から前記第一のクリアランス条件に至るまでのクリアランス拡大時間、のうちいずれか一方または両方のクリアランス推移時間について、前記推定された車速に基づいた可変の値とし、前記制御装置は、前記推定された車速が高速時に前記クリアランス推移時間を短縮し、前記推定された車速が低速時に前記クリアランス推移時間を延長するブレーキ装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のブレーキ装置において、前記車両は、車速を推定する車速推定手段を有し、前記制御装置は、前記第一のクリアランス条件から前記第二のクリアランス条件へと至ることによるクリアランス縮小量について、前記推定された車速に基づいた可変の値となるように、前記第一および前記第二のクリアランス条件のいずれか一方または両方を可変の値とし、前記制御装置は、前記推定された車速が高速時に前記クリアランス縮小量を増加させ、前記推定された車速が低速時に前記クリアランス縮小量を減少させるブレーキ装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のブレーキ装置において、前記摩擦材操作手段は、電動モータ、および、この電動モータと前記摩擦材とを機械的に連結する機構を有し、前記制御装置は、前記電動モータを制御する装置であり、前記制御装置における前記摩擦材操作手段を制御する機能が、前記電動モータの回転角度ないし角度相当量を制御する機能であるブレーキ装置。
JP2018168504A 2018-09-10 2018-09-10 ブレーキ装置 Active JP7126907B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018168504A JP7126907B2 (ja) 2018-09-10 2018-09-10 ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018168504A JP7126907B2 (ja) 2018-09-10 2018-09-10 ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020040474A true JP2020040474A (ja) 2020-03-19
JP7126907B2 JP7126907B2 (ja) 2022-08-29

Family

ID=69799099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018168504A Active JP7126907B2 (ja) 2018-09-10 2018-09-10 ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7126907B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022044105A (ja) * 2020-09-07 2022-03-17 三菱電機株式会社 電動ブレーキの制御装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000018293A (ja) * 1998-07-02 2000-01-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 車両用ブレーキ装置
JP2000033864A (ja) * 1998-06-12 2000-02-02 Robert Bosch Gmbh ブレ―キ装置の制御方法および装置
JP2000046082A (ja) * 1998-07-31 2000-02-15 Tokico Ltd 電動ブレーキ装置
JP2013023144A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Advics Co Ltd 車両用の電動式ブレーキ装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000033864A (ja) * 1998-06-12 2000-02-02 Robert Bosch Gmbh ブレ―キ装置の制御方法および装置
JP2000018293A (ja) * 1998-07-02 2000-01-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 車両用ブレーキ装置
JP2000046082A (ja) * 1998-07-31 2000-02-15 Tokico Ltd 電動ブレーキ装置
JP2013023144A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Advics Co Ltd 車両用の電動式ブレーキ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022044105A (ja) * 2020-09-07 2022-03-17 三菱電機株式会社 電動ブレーキの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7126907B2 (ja) 2022-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4453742B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
US10807577B2 (en) Powered brake device
JP4434212B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
US10377355B2 (en) Electric brake device
JP6545988B2 (ja) 電動ブレーキ装置
WO2017047496A1 (ja) 電動制動システム
WO2017026329A1 (ja) 電動ブレーキシステム
JP7017940B2 (ja) 電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
JP6545584B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP7089868B2 (ja) 電動モータ装置および電動ブレーキ装置
JP7126907B2 (ja) ブレーキ装置
JP7089871B2 (ja) 電動ブレーキ装置
WO2018062086A1 (ja) 電動ブレーキ装置
JP6873643B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP2020043665A (ja) 電動式アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
WO2022186093A1 (ja) 電動ブレーキ装置
JP2013086638A (ja) 車両用制動力制御装置
JP6765265B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP6545582B2 (ja) 電動ブレーキ装置
WO2019049971A1 (ja) 電動式アクチュエータおよび電動モータ装置
JP2023004723A (ja) 電動ブレーキ装置
JP7116551B2 (ja) 電動ブレーキ装置および電動ブレーキシステム
JP6580960B2 (ja) 車両の電動制動装置
WO2019039397A1 (ja) 電動ブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20210106

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20210215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7126907

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150