JP2020039767A - 脱血圧推定方法、実血流量推定方法および血液浄化装置 - Google Patents

脱血圧推定方法、実血流量推定方法および血液浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】脱血圧および実血流量を精度よく推定できる脱血圧推定方法、実血流量推定方法および血液浄化装置を提供する。【解決手段】ローラーポンプ15を用いて人体との間で血液を循環させる循環回路11において、循環回路11におけるローラーポンプ15の上流側圧力を推定する方法であって、ローラーポンプ15の下流側圧力を測定し、測定されたローラーポンプ15の下流側圧力と計算式に基づいてローラーポンプ15の上流側圧力を推定することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、脱血圧推定方法、実血流量推定方法および血液浄化装置に関する。さらに詳しくは、透析を実施する透析装置や血液交換を実施する血液浄化装置等の血液浄化装置、脱血圧推定方法および実血流量推定方法に関する。
透析装置では、人体から血液を抜き出して透析器において血液を透析し、透析された血液を人体に戻す循環回路(以下透析回路という場合がある)を有している。この透析回路では、一般的に、チューブ(ポンプセグメント)をローラーで潰してしごくことによって血液を送液するしごき型の血流ポンプ(ローラーポンプ)が使用される。かかるローラーポンプを備えた透析回路では、ローラーポンプを作動させた際に透析回路を流れる実際の血流量(実血流量)は、ローラーの回転数やポンプセグメント部の特性(断面積や弾性特性など)により規定される。透析装置ではローラーの回転数に対して校正された設定流量を既定値として用いることによって実血流量を設定流量と一致させている。しかし、治療条件よっては透析回路内が大きく陰圧になるので、設定流量に対して実血流量が低下して、所定の透析効率が得られず、患者の体調や予後に悪影響を生じさせる。このため、所望の透析効率を得るため実血流量を精度よく検出することが必要である。
また、血流ポンプの上流側の血圧(脱血圧)は通常陰圧になるが、通常の治療状態下では、設定血流量に対して選択した穿刺針の脱血特性が低い場合や、穿刺ミスによる穿刺針の血管壁への接触、また、シャント(透析患者の血液を体外に取り出す血管)流量の低下などにより、脱血圧の陰圧値が過大となり、設定血流量に対して実血流量の低下をきたす。このようなトラブルが生じると、所定の透析効率が得られないばかりか、過大な脱血圧により血液成分への悪影響(溶血や凝血促進など)を及ぼす場合もある。したがって、患者への負担を軽減するためには、脱血圧を迅速にかつ精度良く把握することが望まれている。
先行文献1〜3には、ダイアライザ(透析器)と血液ポンプとの間の圧力波形(振幅)と、血液ポンプの送液量(設定流量)と、に基づいて脱血圧を算出する技術が開示されており、文献2には、算出した脱血圧から実血流量を算出する技術も開示されている。これらの先行文献1〜3の技術では、予め実験によって得られた近似式を利用して脱血圧を算出している。
特開2005−348950号公報 特開2006−304917号公報 特開2007−97852号公報
しかるに、ダイアライザ(透析器)と血液ポンプとの間の圧力波形(振幅)と血液ポンプの送液量(設定流量)との関係は、使用する回路構成やポンプセグメント部の特性やローラーポンプへのポンプセグメント部の装着状況によって変化する。すると、先行文献1〜3の技術のように、予め実験によって得られた近似式を利用して脱血圧を算出した場合、算出される脱血圧が実際の回路における脱血圧に対して誤差を生じる可能性が高い。すると、脱血圧を用いて推定される実血流量も、実際の実血流量から誤差を生じてしまう。
本発明は上記事情に鑑み、脱血圧および実血流量を精度よく推定できる脱血圧推定方法、実血流量推定方法および血液浄化装置を提供することを目的とする。
第1発明の脱血圧推定方法は、ローラーポンプを用いて人体との間で血液を循環させる循環回路において、該循環回路におけるローラーポンプの上流側圧力を推定する方法であって、ローラーポンプの下流側圧力を測定し、測定されたローラーポンプの下流側圧力と下記式1に基づいてローラーポンプの上流側圧力を推定することを特徴とする。

式1
PRem=(PCAmin×(Cin+Cout)−PCAmax×Cout)/Cin

PRem:ローラーポンプの上流側圧力(mmH)
PCA: ローラーポンプの下流側圧力(mmHg)
Cin:ポンプセグメント前キャパシタンス(mL/mmHg)
Cout:ポンプセグメント後キャパシタンス(mL/mmHg)
第1発明によれば、ローラーポンプの下流側圧力だけでなく、ローラーポンプセグメントのパラメータに基づいてローラーポンプの上流側圧力を推定するので、ローラーポンプの上流側圧力を精度よく求めることができる。
(A)は本実施形態の血液浄化装置1の概略構成図であり、(B)は分岐部18を有する本実施形態の血液浄化装置1の透析部10の概略構成図である。 (A)はローラーポンプ15の概略構造図であり、(B)はローラーポンプセグメントのパラメータの説明図である。 (A)は本実施形態の脱血圧推定方法によって推定した脱血圧と脱血圧の実測値を比較したグラフの一例であり、(B)は脱血圧の実測値と血流比(実血流量/設定血流量)との関係を示したグラフの一例である。 実験に使用した回路の概略構成図である。 純水を使用した実験結果を示した図である。 牛血液を使用した実験結果を示した図である。 (A)は流量測定部12を有する本実施形態の血液浄化装置1の概略構成図であり、(B)は分岐部18と流量測定部12とを有する本実施形態の血液浄化装置1の透析部10の概略構成図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本実施形態の血液浄化装置1は、血液を浄化するために使用される装置であって、ローラーポンプの上流側圧力(以下脱血圧という場合がある)や装置を流れる液体の実際の流量(以下、実血流量という場合がある)を精度よく推定できることに特徴を有している。
本実施形態の血液浄化装置1の用途はとくに限定されない。例えば、血液を透析する透析装置や、血漿交換を実施する血液浄化装置等として使用することが可能である。
以下では、代表として、本実施形態の血液浄化装置1を透析装置として使用する場合を説明する。
<本実施形態の血液浄化装置1>
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1(A)に示すように、本実施形態の血液浄化装置1は、人体から血液を採取する採血部2と、採血部2が採取した血液を透析する透析部10と、透析部10が透析した血液を人体に返血する返血部3と、を備えている。
<採血部2>
図1(A)に示すように、採血部2は、人の血管やシャントに穿刺する針部2aと、この針部2aが先端に設けられたチューブ2bと、を備えている。このチューブ2bの基端は、透析部10のローラーポンプ15の吸引側にチューブや配管等を介して連通されている。
<透析部10>
図1(A)に示すように、透析部10は、ローラーポンプ15と透析器20とがチューブや配管等(以下単にチューブ等という場合がある)によって直列に接続された循環回路11を備えている。具体的には、循環回路11では、ローラーポンプ15における吐出側と透析器20の流入側とがチューブ等によって連通されている。言い換えれば、循環回路11は、透析する血液が流れる上流側から下流側に向かって(図1(A)では左側から右側に向かって)、ローラーポンプ15、透析器20、の順で並ぶように、ローラーポンプ15と透析器20とがチューブ等で連通されている。
<ローラーポンプ15>
ローラーポンプ15は一般的なローラーポンプであり、ローラーポンプセグメント16sと、このローラーポンプセグメント16sのチューブが巻き掛けられるローラー部16と、このローラー部16との間にチューブを挟むケーシング17と、を有している(図2(A))。ローラー部16には、一対のローラー16r,16rが設けられている。この一対のローラー16r,16rは、回転軸16aに対して互いに回転対称かつ等角度間隔(つまり180度離れた状態)となるように設けられている。したがって、ローラーポンプ15を回転させると、回転軸16a周りにローラー部16が回転し、一対のローラー16r,16rが順次チューブをつぶして扱くことができる。
なお、ローラーポンプセグメント16sのチューブは循環回路11における血液が流れる流路の一部を構成することになる。
<透析器20>
透析器20は、一般的な透析に使用されるものであり、透析膜によって分離された空間を有しており、一方の空間に血液を流し他方の空間に透析液を流せば血液を透析できるものである。透析器20の構造はとくに限定されず、透析液を使用して血液を透析する機能を有するものであればどのような構造のものでも使用できる。例えば、中空な空間を有する本体部と、本体部の中空な空間内に配設された透析膜として機能する中空糸膜と、を有する透析器を使用することができる。
なお、本実施形態の血液浄化装置1を透析以外に使用する場合には、透析器20に代えて適切な器具を使用すればよい。例えば、血漿交換を実施する血液浄化装置の場合であれば、透析器20に代えて血漿分離器を使用すればよい。
<圧力測定部13>
循環回路11には、ローラーポンプ15と透析器20以外に、圧力測定部13が設けられている。具体的には、ローラーポンプ15と透析器20とを繋ぐチューブ等には、チューブ等内の圧力を測定する圧力測定部13の下流側圧力計13aが設けられている。下流側圧力計13aは、血液などに混在する気体を除去するエアトラップ機能を有するドリップチャンバを備えたものを採用している。
また、透析器20よりも下流側にも、チューブ等内の圧力を測定する圧力測定部13の返血側圧力計13bが設けられている。返血側圧力計13bは、血液などに混在する気体を除去するエアトラップ機能を有するドリップチャンバを備えたものを採用している。
なお、圧力測定部13の下流側圧力計13aおよび返血側圧力計13bの構成はとくに限定されず、上述したようなドリップチャンバを備えたものでなくてもよい。チューブ等内の圧力を測定することができる公知の圧力計を下流側圧力計13aおよび返血側圧力計13bとして採用することができる。
<分岐部18>
循環回路11には分岐部18が設けられている。この分岐部18は、その一端が採血部2から供給される血液をローラーポンプ15に流すチューブ等(特許請求の範囲にいう血液流路に相当する)に連通された分岐流路18cを備えている。この分岐流路18cには、流動抵抗調整部18aと圧力計18bとが設けられている。
<流動抵抗調整部18a>
流動抵抗調整部18aは、分岐流路18cを流れる液体の流動抵抗を変化させることができるものである。具体的には、流動抵抗調整部18aは、ローラーポンプ15を作動させた際に、分岐流路18c内を液体が流れにくくしたり流れやすくしたりすることができる機能を有するものである。例えば、流動抵抗調整部18aによって分岐流路18c内を液体が流れにくくすると、透析作業において脱血不良が生じているような状態を生じさせることができる。流動抵抗調整部18aは上記機能を有するものであればよく、とくに限定されない。例えば、開度を調整できるバルブ等や分岐流路18cを狭窄できる器具等を流動抵抗調整部18aとして採用することができる。
<圧力計18b>
圧力計18bは、分岐流路18cがチューブ等に接続されている部分と流動抵抗調整部18aとの間の圧力を測定するものである。具体的には、圧力計18bは、分岐流路18cにおいて分岐流路18cがチューブ等に接続されている部分と流動抵抗調整部18aとの間に設けられている。つまり、圧力計18bは、ローラーポンプ15の上流側圧力を測定できる位置に設けられている。したがって、流動抵抗調整部18aによって分岐流路18c内を液体が流れにくくしたり流れやすくしたりしたときに、圧力計18bによって分岐流路18cの圧力の変動を測定できる。この圧力計18bは、分岐流路18c内の圧力を測定できるものであればよく、公知の圧力計を採用することができる。上述した圧力測定部13の下流側圧力計13aおよび返血側圧力計13bに採用されているドリップチャンバを備えた圧力計を使用してもよい。
<制御部14>
そして、透析部10は、ローラーポンプ15の作動を制御する制御部14を備えている。この制御部14は圧力測定部13の各圧力計13a,13bと電気的に接続されており、圧力測定部13の各圧力計13a,13bが測定した測定値に関する情報が制御部14に送信されるようになっている。同様に、制御部14には、分岐部18の圧力計18bが電気的に接続されており、圧力計18bが測定した測定値に関する情報が制御部14に送信されるようになっている。
なお、分岐部18の流動抵抗調整部18aとして、外部からの信号によって開閉を調整できる器具(例えば電磁バルブ等)を採用した場合には、制御部14によって流動抵抗調整部18aの作動(電磁バルブの場合にはバルブの開閉等)を制御できるようになっていることが望ましい。
しかも、制御部14は、圧力測定部13の各圧力計13a,13bや、分岐部18の圧力計18bが測定した測定値に関する情報に基づいて、ローラーポンプ15の上流側圧力や循環回路11の実血流量を推定できる機能を有している。この機能については後述する。
<返血部3>
図1(A)に示すように、返血部3も、人の血管やシャントに穿刺する針部3aと、この針部3aが先端に設けられたチューブ3bと、を備えている。このチューブ3bの基端は、透析部10の透析器20の返血側にチューブや配管等を介して連通されている。
<本実施形態の血液浄化装置1による透析作業>
本実施形態の血液浄化装置1が上記のごとき構成であるので、以下のように透析作業が実施される。
まず、透析を受ける患者に本実施形態の血液浄化装置1を措置する前に、透析部10の循環回路11のプライミングが実施される。例えば、分岐部18の分岐流路18cの他端を、洗浄液や透析液を供給する装置や器具(バッグ等)に接続し、分岐部18の流動抵抗調整部18aを操作して分岐流路18c内を液体が流れることができる状態にする。一方、循環回路11の透析器20の下流側のチューブ等の端部(返血部3のチューブ3bが接続される端部)を開放する(図1(B)参照)。その状態で洗浄液や透析液を分岐流路18cの他端から供給しながらローラーポンプ15を作動すれば、循環回路11のチューブ等の内部や透析器20の内部に洗浄液や透析液を流すことができる。したがって、循環回路11内において血液が流れる部分を洗浄でき、循環回路11内において血液が流れる部分を洗浄液や透析液によって満たすことができる。
プライミングが終了すると、ローラーポンプ15の作動を停止し、分岐部18の流動抵抗調整部18aによって分岐流路18c内を液体が流れることができない状態にする(分岐流路18cを閉塞する)。そして、循環回路11のチューブ等に、採血部2のチューブ2bおよび返血部3のチューブ3bを接続し、採血部2の針部2aおよび返血部3の針部3aを患者の血管やシャントに穿刺すれば透析の準備が完了する(図1(A)参照)。
透析の準備が完了すると、治療条件に従って設定流量を設定してローラーポンプ15を作動させる。すると、患者から採血された血液が循環回路11内を流れ、透析器20によって透析された血液が患者に返血されるので、本実施形態の血液浄化装置1によって透析を実施することができる。
なお、本実施形態の血液浄化装置1は、採血部2と返血部3は必ずしも備えていなくてもよい。つまり、本実施形態の血液浄化装置1は透析部10だけを有していてもよい。この場合には、使用する際に採血部2と返血部3を別途準備して、透析作業を行う際に採血部2と返血部3を透析部10に接続すればよい。
また、分岐流路18cは循環回路11のチューブ等に対して着脱可能としてもよい。この場合、透析作業時には分岐流路18cを外しておくことができるので、分岐流路18cが透析作業の邪魔になることを防止できる。分岐流路18cを循環回路11のチューブ等に対して着脱可能とする方法はとくに限定されず、公知の方法を採用することができる。
<脱血圧推定>
透析を実施している間に、採血部2の針部2aの位置がずれ穿刺針の先端が血管壁に接触した場合、ローラーポンプ15の上流側圧力(脱血圧)が低下する場合がある。また、穿刺針の誤った選択やシャント流量が低下をきたした場合にも脱血圧が好ましい脱血圧からズレてしまう場合がある。すると、患者の負担が大きくなったり、ローラーポンプ15が送液する実血流量が設定流量よりも低下してしまったりする可能性が有る。
本実施形態の血液浄化装置1では、透析部10の制御部14がローラーポンプ15の上流側圧力(脱血圧)を推定する機能を有しているので、透析作業中において脱血圧の状態を把握できる。すると、脱血圧が発生した原因を迅速に把握でき、脱血圧が異常な状態を解消できるという利点が得られる。
以下、本実施形態の血液浄化装置1において脱血圧を推定する方法を説明する。
本実施形態の血液浄化装置1は、下記式1に基づいて、透析部10の制御部14が脱血圧を推定する。

(式1)
PRem=(PCAmin×(Cin+Cout)−PCAmax×Cout)/Cin

PRem:ローラーポンプの上流側圧力(mmH)
PCA: ローラーポンプの下流側圧力(mmHg)
Cin:ポンプセグメント前キャパシタンス(mL/mmHg)
Cout:ポンプセグメント後キャパシタンス(mL/mmHg)
なお、式1において、PCAminはPCAの最小値であり、PCAmaxはPCAの最大値である。
この下記式1は、以下のようにローラーポンプセグメントのパラメータを設定することによって導き出すことができる。
まず、ポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを以下のように定義する。
ローラーポンプ15では、ローラーポンプ15のローラー部16のローラー16rがチューブを扱く場合、ローラー16rとチューブとの関係は以下のように表現できる。まず、ローラー16rがチューブを押しつぶす位置Osとする(図2(B)(a)参照)。この位置Osは、ローラー16rによってチューブの上流側と下流側との間で液体が流れることができない状態(閉塞状態)となる位置である。ローラー16が回転すると、一方のローラー16rが位置Osに到達し、位置Osの位置でチューブが閉塞状態となる。ローラー16がさらに回転すると、一方のローラー16rは閉塞状態を維持したままチューブを扱き位置Oeまで移動する(図2(B)(b))。位置Oeは、ローラー16rによる閉塞状態が解除される直前の位置である。さらにローラー16が回転すると、一方のローラー16rはチューブから離間するように移動し一方のローラー16rによる閉塞状態が解除される。一方のローラー16rによる閉塞状態が解除されるとほぼ同時に、他方のローラー16rが位置Osに到達し、位置Osでチューブを閉塞する(図2(B)(c))。上記動作が繰り返されることによってローラーポンプ15は連続して送液を行うことができる。
ポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutは、上述した位置Osと位置Oeを基準として定義される。つまり、位置Osと位置Oeとの間の部分における圧力当たりの容量をポンプセグメント前キャパシタンスCinと定義する。また、位置Oeよりも下流側であってポンプセグメント終端eまでの間の部分における圧力当たりの容量をポンプセグメント後キャパシタンスCoutと定義する。
また、位置Osよりも下流側であってポンプセグメント終端eまでの間の部分のチューブ内の容積をポンプセグメント容量VRと定義する。
すると、ポンプセグメント容量VRとローラーポンプの下流側圧力の最小値PCAminは以下の式2、3で表すことができる。

(式2)
VR=PRem×Cin+PCAmax×Cout

(式3)
PCAmin=VR/C=(PRem×Cin+PCAmax×Cout)/(Cin+Cout)
そして、式3を変形すれば、式1が得られる。
式1のポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutは、ローラーポンプの上流側圧力PRemを変動させながら、ローラーポンプの上流側圧力PRemとローラーポンプの下流側圧力PCAを測定すれば得ることができる。つまり、予備測定として、ローラーポンプを一定の設定流量とした状態で作動させながら、測定されたローラーポンプの上流側圧力PRemを変動させる。そして、ローラーポンプの上流側圧力PRemに対して得られるローラーポンプの下流側圧力PCAを用いて重回帰分析を実施すれば、式1のパラメータであるポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを得ることができる。
予備測定で得られたポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを用いれば、ローラーポンプの下流側圧力PCAを測定するだけで、ローラーポンプの上流側圧力PRem(脱血圧)を推定することができる。つまり、透析作業を実施している間も、脱血圧を推定することができる。なお、図3(A)に上記方法で推定した脱血圧と実測された脱血圧を比較した図を示すが、両者は非常に良い相関を示している。
また、上述した分岐部18を有する循環回路11であれば、プライミング作業を実施する際に上述した予備測定を実施することができる。つまり、分岐部18の流動抵抗調整部18aを調整すればローラーポンプの上流側圧力PRemを変動させることができる。すると、プライミング作業を実施している期間に、下流側圧力計13aによってローラーポンプの下流側圧力PCAを測定し、圧力計18bによってローラーポンプの上流側圧力PRemを測定しておけば、透析する循環回路11におけるポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを得ることができる。すると、実際に透析を実施する循環回路11のポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutが得られるので、ローラーポンプの上流側圧力PRem、つまり、脱血圧の推定精度を高くすることができる。しかも、プライミング作業を実施している期間に予備測定を実施できるので、予備測定を実施することによる作業時間の長期化も防止できる。
<実血流量推定方法>
上述した方法によってローラーポンプの上流側圧力PRem(脱血圧)が把握できれば、血流比によって実血流量を推定することができる。
プライミング作業を実施する際に循環回路11がローラーポンプ15の下流側に透析器20を有し、かつ、脱血圧に過度な陰圧(例えば、-100mmHg未満)が生じていない場合には、実血流量として設定血流量を代用することにより、透析器20の流動抵抗値を推定することができる。
圧力測定部13の下流側圧力計13aが測定する圧力(ローラーポンプの下流側圧力PCA)と返血側圧力計13bが測定する圧力との差圧を求める。そして、この差圧と設定血流量の比、言い換えれば、差圧と実血流量の比(差圧/実血流量)を算出すれば、透析器20の流動抵抗値を得ることができる。また、プライミングに使用する洗浄液や透析液の粘性度は既知であることから、液体の粘性度の影響を取り除いた透析器固有の流動抵抗値を求めることができる。
上記のように流動抵抗値が得られれば、圧力計18bによって測定されるローラーポンプ15の上流側圧力PRem(脱血圧)と、流動抵抗値と差圧から推定された実血流量とローラーポンプ15の設定流量との比(血流比)に基づいて、脱血圧と血流比の関係式を算出する。すると、透析作業を実施している間も、脱血圧に基づいて実血流量を推定することができる(図3(B)参照)。とくに、プライミング作業を実施する際に上述の関係式を得るため、血液回路構成やローラーポンプセグメントの特性、ローラーポンプセグメントの装着状況の影響を受けることなく、透析を実施する循環回路11における実血流量の推定精度を高くすることができる。
<流量測定部12>
上述した本実施形態の血液浄化装置1では、循環回路11内の流体の流量を測定する装置を設けていない。しかし、本実施形態の血液浄化装置1に、流量測定部12を設けてもよい。具体的には、ローラーポンプ15と透析器20とを繋ぐチューブ等にチューブ等内を流れる血液などの液体の流量を測定する流量測定部12の下流側流量計12aを設け、透析器20よりも下流側にチューブ等内を流れる血液などの液体の流量を測定する流量測定部12の返血側流量計12bを設けてもよい(図7参照)。この場合、圧力などから推定される流体の流量をチェックすることができるので、脱血圧や実血流量を検証することができる。
なお、流量測定部12を設ける場合、下流側流量計12aと返血側流量計12bのいずれか一方だけを設けてもよい。一方の流量計だけを設ければ、下流側流量計12aと返血側流量計12bの両方を設ける場合に比べて、装置の構成を簡素化できるという利点が得られる。
また、流量測定部12の下流側流量計12aおよび返血側流量計12bの構成はとくに限定されない。チューブ等内の液体の流量を測定することができる公知の流量計を下流側流量計12aおよび返血側流量計12bとして採用することができる。とくに、下流側流量計12aおよび返血側流量計12bはチューブ等内の液体と非接触で流量を測定できるものが望ましい。
なお、流量測定部12を設けた場合、ローラーポンプの上流側圧力PRem(脱血圧)が把握できれば、以下の方法でも血流比によって実血流量を推定することができる。
上述した予備測定の際に、流量測定部12の下流側流量計12aによってローラーポンプの下流側の流量も測定する。すると、圧力計18bによって測定されるローラーポンプ15の上流側圧力PRem(脱血圧)と、下流側流量計12aの測定する流量(実血流量測定値)とローラーポンプ15の設定流量との比(血流比)に基づいて、両者の関係式を算出することができる。すると、透析作業を実施している間も、脱血圧に基づいて実血流量を推定することができる(図3(B)参照)。
とくに、プライミング作業を実施する際に上述した予備測定を実施する場合であれば、実際に透析を実施する循環回路11における脱血圧と血流比との関係式が得られる。すると、透析を実施する循環回路11における実血流量の推定精度を高くすることができる。
<流量補正>
プライミング作業を実施する際に循環回路11がローラーポンプ15の下流側に透析器20を有している場合であれば、透析器20の流動抵抗値を推定することができる。かかる透析器20の流動抵抗値が推定できれば実血流量を推定できる。すると、透析器20の流動抵抗値から推定される実血流量と、上述した脱血圧に基づいて推定される実血流量とを比較して、実血流量の検証ができるので好ましい。
透析器20の流動抵抗値は、プライミング作業において、流量測定部12の下流側流量計12aによって実血流量を測定する。一方、圧力測定部13の下流側圧力計13aが測定する圧力(ローラーポンプの下流側圧力PCA)と返血側圧力計13bが測定する圧力との差圧を求める。そして、両者の比(差圧/実血流量)を算出すれば、透析器20の流動抵抗値を得ることができる。したがって、透析作業中における上記差圧が得られれば、流動抵抗値と差圧とを用いて実血流量を推定することができる。なお、流動抵抗値の算出および実血流量の算出に使用する差圧は、測定される圧力が最大値になるときの値を使用することが望ましい。
<粘度補正>
また、予備測定は、実際の血液ではなくプライミングに使用する液体等(以下予備測定液という)によって実施するが、通常、予備測定液と血液とは粘度が相違する。粘度が相違すると、予備測定液で得られたポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値を使用した場合に、式1によって推定されるローラーポンプ15の上流側圧力(脱血圧)と実際の脱血圧との差が大きくなる可能性がある。すると、脱血圧から推定される実血流量の値も誤差が大きくなる可能性がある。
そこで、制御部14に、予備測定で得られたポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値を、予備測定液と血液との粘度の差に応じて補正する機能を設けておくことが望ましい。例えば、設定流量や脱血圧を同じ条件として、予備測定液と血液の両方について予備試験を行っておく。そして、この予備試験の結果に基づいて、脱血圧や実血流量を補正する補正式を設けておく。すると、予備測定液で得られたポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値を補正式によって補正できるので、透析作業中における脱血圧の推定精度の低下を防止できる。また、透析作業中に得られる脱血圧から推定される実血流量の推定精度の低下を防止できる。
<劣化補正>
なお、透析を続けていると、ローラー16rによって扱かれるチューブは摩耗やチューブの温度上昇等により劣化して、その弾性特性等が変化してしまう。弾性特性等が変化すると、ポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値が変化するので、予備測定で得られたポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値を使用して得られた脱血圧や実血流量の算定値は、実際の脱血圧や実血流量から差異を生じる可能性がある。
チューブが劣化してその弾性特性等が変化した場合に、その変化は圧力測定部13の下流側圧力計13aが測定するローラーポンプ15の下流側圧力の変動に現れる。例えば、チューブが硬化した場合には、ローラーポンプ15のローラー部16によってチューブが扱かれた際のチューブの変形が小さくなる。つまり、透析作業を開始した初期に比べて、チューブが硬化した場合には、劣化したローラーポンプ15の下流側圧力の最大値と最小値の差(下流側圧力変動幅)が小さくなる。
そこで、下流側圧力変動幅が一定以上変化した場合に、下流側圧力変動幅の変化量に応じてポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値がどの程度変化するかについて予備実験を実施しておく。そして、この予備実験に基づいて、下流側圧力変動幅の変化量に応じてポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値を補正する補正式を設けておく。すると、圧力測定部13の下流側圧力計13aが測定するローラーポンプ15の下流側圧力の変動をモニタリングしておけば、ポンプセグメント前キャパシタンスCinやポンプセグメント後キャパシタンスCoutの値を補正式によって補正できるので、透析作業中における脱血圧の推定精度の低下を防止できる。
同様に、下流側圧力変動幅が一定以上変化した場合に、下流側圧力変動幅の変化量に応じて脱血圧と血流比の関係がどのように変化するかについて予備実験を実施しておく。そして、この予備実験に基づいて、下流側圧力変動幅の変化量に応じて脱血圧から得られる実血流量の値を補正する補正式を設けておく。すると、圧力測定部13の下流側圧力計13aが測定するローラーポンプ15の下流側圧力の変動をモニタリングしておけば、脱血圧から得られる実血流量を補正式によって補正できるので、透析作業中における実血流量の推定精度の低下を防止できる。
<本実施形態の血液浄化装置1の他の使用方法>
本実施形態の血液浄化装置は、上述したような透析のように、人体から血液を採取して血液を浄化し人体に返血する場合でだけでなく、人体から既に採取または分離されている血液を浄化する装置として使用することも可能である。この場合、採血部は血液を吸引できるようになっていればよく、必ずしも針部を設けなくてもよい。同様に、返血部は血液を容器などに供給できるようになっていればよく、必ずしも針部を設けなくてもよい。
本発明の方法によって、脱血圧や実血流量を推定した場合の精度について確認した。
実験では、図4に示す回路を用いて行った。回路では、ローラーポンプ(日機装製:DCS-72)と透析器(ダイアライザ:旭化成メディカル製:APS-15SA)をチューブ(内径6.6mm)によって直列に配置した。チューブの両端には、透析穿刺針(メディキット株式会社製:ハッピーキャス:有効長 33mm、側孔あり、外径16G/内径18G)を設けた。また、チューブには、実血流量を測定する超音波流量計(トランソニック社製:型番 HT−310)と、ローラーポンプ上流側圧力および下流側圧力を測定する圧力計(AD Instruments製: MLT0380)を設けた。この回路について、透析穿刺針の先端を液体に浸漬した状態でローラーポンプを作動させて、実血流量およびローラーポンプ上流側圧力および下流側圧力を測定した。そして、測定結果に基づいて、本発明の脱血圧推定方法によって推定されるローラーポンプ上流側圧力(脱血圧)とこの脱血圧から推定される実血流量を推定し、この推定値を実際に測定される脱血圧および実血流量と比較した。
なお、実験では、純水(逆浸透水:36.5度)と、牛血液(36.5度)を使用した。牛血液は、血漿量の調整によって20、30、40%の濃度になるように調整されたものを使用した。
<予備測定>
まず、各液体について、ポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCout、血流比とローラーポンプ上流側圧力との関係式、をそれぞれを求めた。
予備測定では、100、200、300、400ml/minの各設定流量でローラーポンプを作動させた状態で、ローラーポンプ上流側圧力を変動させて、ローラーポンプ上流側圧力および下流側圧力を測定した。そして、測定されたローラーポンプ上流側圧力および下流側圧力を用いて、ポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを算出した。
また、超音波流量計によって測定される実血流量とローラーポンプの設定流量とから得られる血流比と、ローラーポンプ上流側圧力との関係式を求めた。
<実験結果>
図5(A)および図6(A)に示すように、予備測定で得られたポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを使用して式1で脱血圧を推定したところ、純水、牛血液ともに、実測値(ローラーポンプ上流側圧力)と非常に良い相関がみられた。
また、図5(B)および図6(B)に示すように、得られた脱血圧と血流比を用いて実血流量を推定したところ、実測値と非常に良い相関がみられた。
以上の結果より、本発明の脱血圧推定方法を用いれば、液体の種類に係らず、ローラーポンプ下流側圧力により脱血圧を高精度で推定できることが確認された。
また、本発明の脱血圧推定方法で推定された脱血圧の値を用いて本発明の実血流量推定方法によって実血流量を推定すれば、液体の種類に係らず、実血流量を高精度で推定できることが確認された。
本発明の脱血圧推定方法は、脱血圧および実血流量の推定精度を高めることができることを確認した。
1 血液浄化装置
2 採血部
3 返血部
10 透析部
11 循環回路
13 圧力測定部
14 制御部
15 ローラーポンプ
18 分岐部
18a 流動抵抗調整部
18b 圧力計
20 透析器

Claims (10)

  1. ローラーポンプを用いて人体との間で血液を循環させる循環回路において、該循環回路におけるローラーポンプの上流側圧力を推定する方法であって、
    ローラーポンプの下流側圧力を測定し、
    測定されたローラーポンプの下流側圧力と下記式1に基づいてローラーポンプの上流側圧力を推定する
    ことを特徴とする脱血圧推定方法。

    式1
    PRem=(PCAmin×(Cin+Cout)−PCAmax×Cout)/Cin

    PRem:ローラーポンプの上流側圧力(mmH)
    PCA: ローラーポンプの下流側圧力(mmHg)
    Cin:ポンプセグメント前キャパシタンス(mL/mmHg)
    Cout:ポンプセグメント後キャパシタンス(mL/mmHg)
  2. 循環回路におけるローラーポンプの上流側圧力を変動させながらローラーポンプの上流側圧力およびローラーポンプの下流側圧力を測定する予備測定を行い、
    予備測定の結果に基づいて、ポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の脱血圧推定方法。
  3. 予備測定をプライミング作業において実施する
    ことを特徴とする請求項2記載の脱血圧推定方法。
  4. ポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを、予備測定を実施する液体と血液の粘度の差に基づいて補正する
    ことを特徴とする請求項2または3記載の脱血圧推定方法。
  5. ポンプセグメント前キャパシタンスCinおよびポンプセグメント後キャパシタンスCoutを、ローラーポンプの下流側圧力の波形パターンに基づいて補正する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の脱血圧推定方法。
  6. 請求項2〜4のいずれかに記載の予備測定において、
    ローラーポンプの下流側流量とローラーポンプの設定流量との比である血流比を算出し、
    算出された血流比と前記式1に基づいて得られるローラーポンプの上流側圧力とに基づいて実血流量を推定する実血流量推定式を算出し、
    実血流量推定式とローラーポンプの上流側圧力とに基づいて実血流量を推定する
    ことを特徴とする実血流量推定方法。
  7. 循環回路がローラーポンプの下流側に透析器を有している場合において、透析器の上流側圧力と透析器の下流側圧力との差圧と透析器の流動抵抗値とに基づいてローラーポンプの下流側流量を推定する
    ことを特徴とする請求項6記載の実血流量推定方法。
  8. 前記透析器の流動抵抗値を、実血流量として設定血流量を用いて算出する
    ことを特徴とする請求項7記載の実血流量推定方法。
  9. 人体から血液を採血する採血部と、
    該採血部が採血した血液を透析器によって透析する透析部と、
    該透析部で透析された血液を人体に返血する返血部と、を備え、
    前記透析部は、
    前記透析器よりも上流側に設けられた血液を送液するローラーポンプと、
    前記ローラーポンプと前記透析器との間におけるローラーポンプの下流側圧力を測定する圧力計を有する圧力測定部と、
    該圧力測定部が測定した前記ローラーポンプの下流側圧力と下記式1に基づいて、前記ローラーポンプの上流側圧力を推定する機能を有する制御部と、を備えている
    ことを特徴とする血液浄化装置。

    式1
    PRem=(PCAmin×(Cin+Cout)−PCAmax×Cout)/Cin

    PRem:ローラーポンプの上流側圧力(mmH)
    PCA: ローラーポンプの下流側圧力(mmHg)
    Cin:ポンプセグメント前キャパシタンス(mL/mmHg)
    Cout:ポンプセグメント後キャパシタンス(mL/mmHg)
  10. 前記ローラーポンプの上流側に位置する血液流路に接続された分岐流路を備えており、
    該分岐流路には、
    該分岐流路の流動抵抗を調整する流動抵抗調整部と、
    前記流動抵抗調整部と前記血液流路との間の圧力を測定する圧力計と、が設けられている
    ことを特徴とする請求項9記載の血液浄化装置。

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