JP2020039596A - 消火装置用架台、消火装置 - Google Patents
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Abstract
Description
トンネル等に設置される消火栓装置は、例えば特許文献1に開示されたように、消火栓装置の筐体を「トンネル壁面に形成された箱抜き部分」に設置していた。
この場合、予め消火栓装置を設置するべき位置を正確に計測して、当該位置にアンカーを打ち込んで、該アンカーに消火栓装置を設置するというものである。
そのため、セグメント構造のトンネル壁面に消火栓装置を設置する場合、セグメントに予め設けられているインサートアンカーを利用することが考えられる。
ただし、トンネル軸線方向に沿って配置されている各インサートアンカーの位置は、一般的にトンネル壁面に対して一定の位置になるように施工されるが、各インサートアンカーの位置は、車道の路面からの高さが異なっている。この点を、図18に基づいて説明する。
このため、仮にトンネル壁面において同じ高さ位置のインサートアンカーを用いて消火栓装置を固定したとしても、消火栓装置の路面89からの位置が異なることになる。
しかし、インサートアンカーを用いてその位置に消火栓装置を固定した場合には、上述したように、消火栓装置の路面89からの高さ位置が異なるため、操作位置が所定の位置にならないという問題がある。
そこで、インサートアンカーを用いた場合であっても、路面89からの操作位置を一定にすることができる消火装置用架台が求められている。
このため、シールドトンネル以外のトンネルであっても、アンカー設置後において、そのアンカー位置から位置調整して消火栓装置を設置できる消火装置用架台が求められている。
前記トンネルの壁面に固定される固定部材と、該固定部材に上下方向の位置調整可能に取り付けられる縦部材と、該縦部材と一体又は別体で、前記トンネルの壁面に固定された前記固定部材に取り付けられた前記縦部材に設けられ、前記消火装置が載置されて固定される載置固定部材とを備えたことを特徴とするものである。
前記トンネルの壁面に上下方向の位置調整可能に固定される固定部材と、
該固定部材に取り付けられる縦部材と、
該縦部材と一体又は別体で、前記トンネルの壁面に固定された前記固定部材に取り付けられた前記縦部材に設けられ、前記消火装置が載置されて固定される載置固定部材とを備えたことを特徴とするものである。
以下の説明は、消火装置として、図1に示すように、筐体1の内部に消火用の機器としての消火用ホースを収納した消火栓装置3を例に挙げて説明する。
なお、本明細書において方向を表す用語としての、上下方向や前後方向は消火栓装置3を壁面7に設置した状態を基準にしており、上下方向は文字通りの意味であり、前後方向は壁面から離れる方向を前方向、その反対で壁面に近づく方向を後方向としている。
なお、本実施の形態の消火装置用架台5は消火栓装置3の筐体1の底面を載置固定するものであるため、上記の構成で機能するが、本実施の形態では、消火栓装置3をより安定して固定するために、消火栓装置3の背面側をトンネルの壁面7に固定して消火栓装置3の姿勢を保持する背面固定部材15を備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
消火栓装置3は、筐体1の内に消火用の機器としての消火用ホースを収容するものである。なお、消火栓装置3には、消火用ホースに加えて消火器も収納するものも含まれる。
筐体1は、鋼板製の矩形の箱状からなり、底面には、消火装置用架台5の一部品を構成する載置固定部材13にボルト固定するためのボルト挿入孔(図示なし)が設けられている。
また、筐体1の正面パネルには、開閉扉(図示なし)が設けられており、消火栓装置3を使用する場合には、開閉扉を開扉して使用する。
筐体1の背面側に傾斜面部17を設けることで、トンネルの壁面7に設置するときに、シールドトンネルのトンネルの壁面7との干渉を避けることができ、消火栓装置3の壁面7からの突出をできるだけ小さくすることができる。
下部側固定部材9は本発明の固定部材に相当するものであり、壁面7のインサートアンカー19に固定される部材であって、図5に示すように、矩形状の背面プレート21と、後端側が背面プレート21に接合され、前端側に係合部材23が接合された連結部材25と、連結部材25の前端に固定された係合部材23とからなる。
係合部材23は、水平断面がコ字状で、コ字の対向する片部29には上下二箇所に位置決め用の接合部としてのボルト孔31が設けられている。前述したように、背面プレート21をトンネルの壁面7の傾斜に沿って取り付けたときに、係合部材23は略垂直になる。
縦部材11は、図6に示すように、係合部材23と同様の断面がコ字状の縦長の部材であり、対向する一対の片部33に、接合部としての例えば8個のボルト孔35が設けられている。
また、一対の片部33を繋ぐ正面部37における上端の正面側には、載置固定部材13の、前側に屈曲した片部43の背面に当接する管状突起部39が設けられている。また、管状突起部39が設けられた正面部37における背面側には、ナット41が設けられている。
図7において、一点鎖線の位置は、背面プレート21を固定するインサートアンカー19の位置であり、この位置に、下部側固定部材9が固定されている。図7(a)〜図7(c)の順で、縦部材11の位置が上方に移動している。このとき、下部側固定部材9に結合される縦部材11のボルト孔35は、上部のものから下部のものへと移動している。
このように、縦部材11の下部側固定部材9に対する上下方向の相対位置を調整することで、縦部材11の上端に設けられている載置固定部材13の上下方向の位置調整が可能になっている。載置固定部材13の上下方向の位置調整をすることで、載置固定部材13に載置固定される消火栓装置3の上下方向の位置調整ができる。
載置固定部材13は、消火栓装置3の筐体1が載置されて固定される部材である。載置固定部材13は、消火栓装置3の筐体1の横幅と同一の長さを有する、軸直交断面が略コ字状の部材である。載置固定部材13は、図7に示すように、コ字の開口側を下にして縦部材11の上端に設置される。そして、コ字の対向する片部43を繋ぐ面部が、筐体1が載置固定される載置固定面部45となっている。載置固定面部45の両端部には、筐体1と連結するためのボルトを挿通するボルト孔47が設けられている。また、載置固定面部45の両端部には、矩形状の開口部49が設けられて、配線等を挿通可能になっている(図8参照)。
背面固定部材15は、トンネルの壁面7のインサートアンカー19に固定される壁面側固定部材53と、消火栓装置3の筐体1の背面側の所望の位置に取り付けられると共に壁面側固定部材53に連結固定される筐体側固定部材55からなる。
壁面側固定部材53は、図9に示すように、インサートアンカー19に固定される固定面部57と、固定面部57に対して略直角で前方に屈曲形成されて筐体側固定部材55に連結される壁面側連結面部59と、壁面側連結面部59の側端部と固定面部57の側端部からなるL字状の部位に、両方に亘るように設けられて固定面部57と壁面側連結面部59を補剛する補剛面部61を有するものである。
壁面側連結面部59の中央にはボルト孔65が設けられ、壁面側連結面部59のボルト孔65が設けられた位置における下面にはナット67が固定されている。
筐体側固定部材55は、図10に示すように、軸直交断面がL字のアングル材からなり、筐体1の背面にボルト固定される筐体側固定面部69と、壁面側固定部材53の壁面側連結面部59に載置されて固定される筐体側連結面部71とを有している。
筐体側固定面部69の両端にはボルト孔73と、ボルト孔73が設けられた部位に固定されたナット75とが設けられている。
また、筐体側連結面部71には、ほぼ全長に亘るスリット77が形成されており、スリット77にボルトを挿入して壁面側連結面部59にボルト固定することで、壁面側固定部材53に対して横方向の位置を調整して固定できるようになっている。
高さの調整は、縦部材11に設けている複数のボルト孔35のうちから最も適切なボルト孔35を選択することによって行う。
なお、縦部材11を調整する所定の高さとは、消火栓装置3を設置した状態において、消火栓装置3の操作部の位置が、車道の路面89から予め設定した所定の高さになる高さである。
なお、消火栓装置3は、トンネル内において、所定の距離(例えば、50m)毎に設置することを要求されることがあり、トンネルに沿って設置されている各消火栓装置3との距離を所定の距離になるようにする必要がある。したがって、載置固定部材13の左右方向の位置調整は、隣接する消火栓装置3の位置との距離が所定の距離になるように調整するものである。
次に、消火栓装置3の筐体1の背面の所定の位置に筐体側固定部材55をボルト固定する。前述したように、筐体1の背面には高さ方向に複数のボルト挿入孔が設けられているが、筐体側固定部材55を取り付けるボルト挿入孔は、消火栓装置3の底面からの高さが、高さ調整がされている載置固定部材13の上面から壁面側固定部材53までの高さと略同一高さとなるものを選択する。
また、消火栓装置3を載置固定部材13に載置する際には、筐体側固定部材55における筐体側連結面部71を壁面側固定部材53における壁面側連結面部59に載置し、両者をボルト接合する。この際、壁面側固定部材53の固定面部57には縦方向に長孔のボルト孔63が設けられているので、壁面側固定部材53の上下方向の位置を微調整することができる。
また、本実施の形態では、消火栓装置3が載置固定される載置固定部材13の左右方向の位置調整を可能にしているので、必ずしも消火栓装置3の設置間隔で設けられているわけではないインサートアンカー19を利用して、トンネル軸線方向に複数設置される消火栓装置3の消火栓装置間の距離を所定の距離に調整することもできる。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、下部側固定部材9の係合部材23の高さ方向の長さを長く設定し、係合部材23に高さ方向で複数のボルト孔31を形成し、この複数のボルト孔31から所望のものを選択して縦部材11と連結するようにしてもよい。
また、長孔を設ける場合の他の態様として、下部側固定部材9の係合部材23に上下方向に長い長孔を設けるようにしてもよい。
このような、係止部83と係止片85による接合の場合も、上記のボルト接合の場合において説明したように、下部側固定部材9の係合部材23を上下に長い部材として、係合部材23に高さ方向で複数の係止部83を設けるようにしてもよい。
本実施の形態に係る消火装置用架台87を図14〜図17に基づいて説明する。なお、本実施の形態の消火装置用架台87を構成する部材は実施の形態1と同じであり、一部の部材の長さやボルト孔の数が異なるのみなので、図14〜図17において、実施の形態1と同一部分及び対応する部分には同一の符号を付してある。
下部側固定部材9と縦部材11について詳細に説明する。
本実施の形態の下部側固定部材9は、図15に示すように、構成部材は実施の形態1と同様であるが、背面プレート21と係合部材23の構成が異なっている。
背面プレート21に関し、本実施の形態の背面プレート21は実施の形態1よりも縦方向に長く、実施の形態1では背面プレート21に設けられているボルト孔27が1個であったが、本実施の形態の背面プレート21には上下方向で複数のボルト孔27が設けられている。
また、係合部材23に関し、実施の形態1では上下方向に複数のボルト孔31が設けられていたが、本実施の形態ではボルト孔31の数が1個である点が異なっている。
また、縦部材11についても、図16に示すように、構成部材は実施の形態1と同様であるが、上下方向の長さ実施の形態1のものよりも短く、実施の形態1では片部33に複数のボルト孔35が設けられていたが、本実施の形態では、ボルト孔35の数が1個である点が異なっている。
また、縦部材11は、下部側固定部材9の対向する片部29の間に挿入され、係合部材23のボルト孔31と縦部材11のボルト孔35の位置を合わせてボルト接合される。このとき、縦部材11はボルト軸を中心として前後方向に傾き角度を調整することができる。このため、下部側固定部材9における使用するボルト孔27の位置によって背面プレート21の前後方向の傾きが変わる場合があるが、この傾きを補正することができる。
まず、下部側固定部材9をトンネルの壁面7にボルト固定する。このとき、背面プレート21には高さ方向に複数のボルト孔27が設けられているので、当該消火栓装置3を設置する高さとの関係から最適なボルト孔27を適宜選択してボルト固定する。
その後、縦部材11の上端面に載置固定部材13を、左右方向の位置を調整して設置する。
これ以降は、実施の形態1と同様である。
また、上記の実施の形態1、2では、1台の消火栓装置3を設置するのに2本の縦部材11を用いていたが、本発明では1台の消火栓装置3を設置するのに用いる縦部材11の数は特に限定されない。特に、消火器箱の場合には、横幅が短いことから、1台の消火器箱を1本の縦部材11を用いて設置することもできる。また、縦部材11を、その上端から左右方向に延出する横片を有するT字状の部材から構成することで、縦部材11の数が少なくてもより安定した支持が可能になる。
3 消火栓装置
5 消火装置用架台
7 壁面
9 下部側固定部材
11 縦部材
13 載置固定部材
15 背面固定部材
17 傾斜面部
19 インサートアンカー
21 背面プレート
23 係合部材
25 連結部材
27 ボルト孔(背面プレート)
29 片部(係合部材)
31 ボルト孔(係合部材)
33 片部(縦部材)
35 ボルト孔(縦部材)
37 正面部
39 管状突起部
41 ナット(縦部材)
43 片部(載置固定部材)
45 載置固定面部
47 ボルト孔(載置固定面部)
49 開口部
51 スリット(載置固定部材)
53 壁面側固定部材
55 筐体側固定部材
57 固定面部
59 壁面側連結面部
61 補剛面部
63 ボルト孔(固定面部)
65 ボルト孔(壁面側連結面部)
67 ナット(壁面側連結面部)
69 筐体側固定面部
71 筐体側連結面部
73 ボルト孔(筐体側固定面部)
75 ナット(筐体側固定面部)
77 スリット(筐体側連結面部)
78 ボルト孔(筐体背面)
79 スリット(他の態様)
81 筐体側固定部材(他の態様)
83 係止部
85 係止片
87 消火装置用架台(実施の形態2)
89 路面
91 監視員通路
Claims (8)
- 筐体の内部に消火用の機器を収納した消火装置をトンネルの壁面に設置するための消火装置用架台であって、
前記トンネルの壁面に固定される固定部材と、
該固定部材に上下方向の位置調整可能に取り付けられる縦部材と、
該縦部材と一体又は別体で、前記トンネルの壁面に固定された前記固定部材に取り付けられた前記縦部材に設けられ、前記消火装置が載置されて固定される載置固定部材とを備えたことを特徴とする消火装置用架台。 - 前記固定部材と前記縦部材は、両者を接合するための接合部がそれぞれ設けられ、該接合部のうち前記固定部材又は前記縦部材のいずれか一方に設けられるものを高さ方向で複数個所とし、これら複数個所の接合部のうちから所望の位置を選択して前記固定部材又は前記縦部材のいずれか他方の接合部と接合することで、前記縦部材が位置調整可能になっていることを特徴とする請求項1記載の消火装置用架台。
- 前記接合部はボルト孔であり、前記固定部材と前記縦部材はボルト接合されることを特徴とする請求項2記載の消火装置用架台。
- 前記固定部材又は前記縦部材のいずれか一方の接合部はボルト孔からなり、前記固定部材又は前記縦部材のいずれか他方の接合部は縦方向に長い長孔からなり、該長孔の所望の位置にボルトを挿入して、前記縦部材と前記固定部材をボルト接合することで、前記縦部材が位置調整可能になっていることを特徴とする請求項2記載の消火装置用架台。
- 筐体の内部に消火用の機器を収納した消火装置をトンネルの壁面に設置するための消火装置用架台であって、
前記トンネルの壁面に上下方向の位置調整可能に固定される固定部材と、
該固定部材に取り付けられる縦部材と、
該縦部材と一体又は別体で、前記トンネルの壁面に固定された前記固定部材に取り付けられた前記縦部材に設けられ、前記消火装置が載置されて固定される載置固定部材とを備えたことを特徴とする消火装置用架台。 - 前記縦部材は前記固定部材に対して前後方向の傾き角度調整可能に取り付けられることを特徴とする請求項5記載の消火装置用架台。
- 前記載置固定部材は、前記縦部材と別体からなり、前記縦部材に対して横方向の位置調整可能に前記縦部材に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の消火装置用架台。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の消火装置用架台を備えたことを特徴とする消火装置。
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