JP2020039525A - 放射線撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気を用いることなく、且つ被検体の被曝量を増やすことなく、SIDを容易に調整できるようにする。【解決手段】放射線を発生させる放射線源34を有する放射線照射装置3と、放射線を受けることで放射線画像の画像データを生成する放射線撮影装置100Bと、放射線源34の高さを検知する第一高さ検知手段4と、放射線撮影装置100Bの高さを検知する第二高さ検知手段4と、第一高さ検知手段4が検知した放射線源34の高さ及び第二高さ検知手段4が検知した放射線撮影装置100Bの高さに基づいて、放射線源34が発生させる放射線の焦点Fから放射線撮影装置100Bまでの距離を算出する距離算出手段4と、距離算出手段が算出した距離を表示する表示手段4,41と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、放射線撮影システムに関する。
放射線源と放射線撮影装置を備える放射線撮影システムを用いた放射線撮影では、放射線源における放射線の焦点と放射線撮影装置との間の距離(Source Image receptor Distance、以下SID)を手動で調整する必要がある。この放射線システムが専用の部屋に設置された据え付け型のものである場合、放射線システムを構成する各装置はスライドさせるためのレール等によって可動範囲が比較的限られるため、SIDの調整を比較的容易に行うことができる。
しかしながら、放射線撮影システムが、車輪等を備えて移動可能に構成された移動型のものである場合は、そうした可動範囲の規制が少なく、各装置の位置や角度、SIDを目視により判定しなければならなかった。このため、SIDを撮影手技あるいは撮影に用いるグリッドに予め定めている標準撮影距離に手動で合わせることは困難であった。
また、据え付け型の放射線撮影システムが設置された撮影室においても、ユーザーが誤ったSIDを指定してしまった場合には、意図していないSIDにて撮影をしてしまうという問題があった。
また、据え付け型の放射線撮影システムが設置された撮影室においても、放射線撮影装置が設置された撮影台で撮影を行うのではなく、特定の体位や角度で撮影を行うために、可搬型の放射線撮影装置を用い、ユーザーが体位や角度、SID等を手動で調整して撮影を行う場合があるが、こうした場合においても意図したSIDで撮影を行うことが必要となる。
また、放射線撮影装置の放射線入射面に設置されるグリッドは、それぞれに定められたSID距離から、グリッドの中心において放射線入射面に垂直に放射線が入射するように配置された場合に、放射線源から放射状に照射された放射線を透過させるようになっているため、放射線照射源とグリッドの距離がSIDに等しくなっていたとしても、グリッドが放射線源に対して少しでも傾くと、照射された放射線がグリッドに遮られて放射線撮影装置への透過量が少なくなり、画像品位を悪化させてしまうという問題があった。
また、グリッドを用いない撮影においても、SIDが変化すると被検体の拡大率が変わってしまう。そのため、例えば被検体の特定部位や特定腫瘍のサイズを撮影画像から求める場合に、指定したSIDと異なるSIDで撮影してしまっていたために、実際の拡大率が想定値と異なることとなり、サイズを誤って判断してしまうという問題があった。このことは、例えば特定の期間を空けて特定部位や特定腫瘍を複数回撮影することで、そのサイズの経時的変化を評価する場合に特に問題となる。
こうした各種問題を克服するため、従来、特許文献1〜3に記載されたような技術が提案されている。
具体的には、特許文献1には、電磁場センサーを用いて、角度データや、SID、受像器の輪郭に関する情報を検知する技術について記載されている。
また、特許文献2には、少なくとも2つの互いに異なる角度に配置された磁気センサーを用いて、SIDや、照射野と撮影装置100Bの相対位置を検出し、整合調整する技術について記載されている。
また、特許文献3には、複数の検出手段を一部が重複するように配置し、重複部分に写るようにマーカーを撮影し、放射線源に近い方の検出手段で撮影されたマーカーに対する他の検出手段で撮影された当該マーカーMの拡大率に基づいてSIDを算出する技術について記載されている。
特表2013−523396号公報 特表2014−507247号公報 特開2017−060544号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された放射線撮影システムでは、SIDの測定等に磁気を用いる必要があるため、磁界の影響を受けやすい機器と併用することが困難という問題や、被検体が血行促進の目的等で磁石を装着している場合、被検体が装着した磁石が発生させる磁場がノイズとなり、SID等の測定が不正確になるという問題がある。
また、特許文献3に記載された放射線撮影システムでは、診断用画像を得るための放射線撮影とは別に、SIDを測定するための放射線撮影を行う必要があり、被検体の被曝量が多くなってしまうという問題がある
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、放射線照射装置と放射線撮影装置を備える放射線撮影システムにおいて、磁気を用いることなく、且つ被検体の被曝量を増やすことなく、SIDを容易に調整できるようにすることを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明は、
放射線を発生させる放射線源を有する放射線照射装置と、
放射線を受けることで放射線画像の画像データを生成する放射線撮影装置と、
前記放射線源の高さを検知する第一高さ検知手段と、
前記放射線撮影装置の高さを検知する第二高さ検知手段と、
前記第一高さ検知手段が検知した前記放射線源の高さ及び前記第二高さ検知手段が検知した前記放射線撮影装置の高さに基づいて、前記放射線源が発生させる放射線の焦点から前記放射線撮影装置までの距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段が算出した距離を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、磁気を用いることなく、且つ被検体の被曝量を増やすことなく、SIDを容易に調整することができる。
第一発明の実施形態に係る放射線撮影システムの構成を表すブロック図である。 図1の放射線撮影システムが備える放射線撮影装置の構成を表すブロック図である。 図1の放射線撮影システムが備える放射線撮影装置の斜視図である。 図1の放射線撮影システムの構成の一例を表す側面図である。 同実施形態の変形例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置の側面図及びその平面図である。 図1の放射線画像システムを用いた撮影の流れを表すラダーチャートである。 第二発明の第一実施形態に係る放射線撮影システムの構成を表すブロック図である。 図7の放射線撮影システムが備える体動検出装置の構成を表すブロック図である。 図8の体動検出装置が指定する特定部位の一例である。 第二発明の第二実施形態に係る放射線撮影システムの構成を表すブロック図である。 実施例に係る放射線撮影システムの側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムの一部を表す側面図である。 同実施例の原理を説明するためのグラフである。 実施例に係る放射線撮影システムの一部を表す側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムの一部を表す斜視図である。 実施例に係る放射線撮影システムの一部を表す側面図である。 同実施例に係る放射線撮影システムの一部を表す側面図である。 同実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す平面図、側面図及びこのシステムによって撮影された放射線画像である。 同実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す平面図、側面図及びこのシステムによって撮影された放射線画像である。 同実施例の変形例の原理を説明するための概念図である。 同実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムの原理を説明するための概念図である。 実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す斜視図である。 実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す平面図である。 実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置の一部を表す平面図である。 実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す平面図及び側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための斜視図である。 実施例に係る放射線撮影システムが備えるマーカーMの平面図及び断面図である。 実施例に係る放射線撮影システムを表す側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムを表す側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための斜視図である。 同実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す平面図である。 同実施例に係る放射線撮影システムが備える放射線撮影装置を表す側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための斜視図である。 実施例の原理を説明するための概念図である。 実施例に係る放射線撮影システムが実行する処理のフローチャートである。 同実施例の変形例に係る放射線撮影システムが実行する処理のフローチャートである。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムの斜視図である。 図37の放射線撮影システムの構成を表すブロック図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図及びこのシステムが備える表示部の正面図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 同実施例の変形例に係る放射線撮影システムが実行する処理のフローチャートである。 実施例に係る放射線撮影システムの構成を表すブロック図である。 実施例に係る放射線撮影システムの一部の動作を表すタイミングチャートである。 実施例に係る放射線撮影システムが備える一部構成の側面図及び斜視図である。 実施例に係る放射線撮影システムが実行する処理のフローチャートである。 実施例に係る放射線撮影システムを表す側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムが備える一部構成の側面図及び斜視図である。 実施例に係る放射線撮影システムが備える一部構成の側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムが実行する処理のフローチャートである。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 同実施例の変形例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムの側面図である。 図66放射線撮影システムの構成を表すブロック図である。 実施例に係る放射線撮影システムを表す側面図である。 従来の撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムの一部を表す側面図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 実施例に係る放射線撮影システムを用いた撮影方法を説明するための図である。 図74の放射線撮影システムを用いた撮影で用いられるマーカーの平面図である。
<第一発明実施形態>
まず、第一発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は図示例に限定されるものではない。
〔放射線撮影システムの構成〕
初めに、第一実施形態の放射線撮影システム100の概略について説明する。図1は、本実施形態の放射線撮影システム100のブロック図である。
本実施形態の放射線撮影システム100は、図1に示したように、システム本体100Aと、一又は複数の放射線撮影装置(以下撮影装置100B)と、を備えて構成されている。
また、この放射線撮影システム100は、図示しない画像解析装置や、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等と、有線または無線で接続することが可能となっている。
また、本実施形態の放射線撮影システム100は、例えば、移動が困難な被検体S(被検体)のもとへ出向いて放射線画像の撮影を行うための移動型のシステムとすることができる。その場合、システム本体100Aを、車輪1aを備え、移動可能な回診車として構成するとともに、放射線撮影装置100Bを、パネル型(可搬型)のものとするのが好ましい。
以下、放射線撮影システム100について移動型に構成した場合を例に説明することとする。このため、以下の説明では、システム本体100Aを回診車100Aと表記する。
なお、本実施形態の放射線撮影システム100は、例えば病院の撮影室等に据え付けて用いることも可能である。
回診車100Aは、各種撮影条件を設定したり、被検体S及びその背後の撮影装置100Bへ放射線を照射したり、撮影装置100Bから入力された画像データに所定の画像処理を施したり、画像を表示したり、画像データを外部へ出力したりすることが可能に構成されている。
なお、回診車100Aの詳細については後述する。
撮影装置100Bは、回診車100Aと有線又は無線で通信可能に接続されている。
そして、撮影装置100Bは、外部(回診車100A)から放射線を受けることで放射線画像の画像データを生成することが可能となっている。
なお、撮影装置100Bの詳細についても後述する。
このように構成された本実施形態の放射線撮影システム100は、回診車100Aから撮影装置100Bの手前に配置した被検体Sへ放射線(放射線等)を照射することにより、被検体Sの静止画撮影とシリアル撮影の少なくとも一方を行うことが可能となっている。
本実施形態におけるシリアル撮影とは、1回の撮影操作(後述する曝射スイッチ31aの押下)に基づいて、被検体Sを繰り返し撮影する、すなわち、回診車100Aが被検体Sに対し放射線を繰り返し照射するとともに、撮影装置100Bが電荷の蓄積と信号値の読み出しを短時間で複数回繰り返す(被検体Sの画像データを繰り返し生成する)ことにより、一連の複数枚の画像を得ることをいう。
以下、シリアル撮影により得られた一連の複数枚の画像を動態画像と称し、動態画像を構成する個々の画像をフレーム画像と称する。
〔回診車の電気的構成〕
次に、上記放射線撮影システム100を構成する回診車100Aの電気的構成について説明する。
回診車100Aは、車輪1aが設けられた筐体1の他、撮影制御部2、放射線照射装置3、コンソール4、電源部5等を備えて構成されている。
撮影制御部2は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶部、水晶発振子等により構成されている。
撮影制御部2のCPUは、記憶部に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、回診車100Aの各部の動作を制御する。
撮影制御部2の記憶部は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成されており、撮影制御部2で実行される各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーターを記憶している。また、処理結果等のデータ等を記憶することが可能となっている。
通信部21は、撮影装置100Bから延びる通信ケーブルを差し込んで撮影装置100Bと有線通信を行うための有線通信インターフェース(以下有線通信IF)21aや、撮影装置100Bと無線通信を行うための無線インターフェース(以下無線通信IF)21bを備えており、CPUからの制御信号に基づいて、接続方式を有線又は無線に切り替えることが可能となっている。
放射線照射装置3は、操作部31、放射線制御部32、高圧発生機(高圧発生機)33、放射線源34(管球)34、コリメーター35等で構成されている。
操作部31は、ボタンやタッチパネル等、ユーザーが操作可能に構成されており、ユーザーによる操作内容(押下されたボタンの種類や、指やタッチペンの接触位置等)を検出し、それを操作情報として放射線制御部32へ出力するようになっている。
また、操作部31には、ユーザーが放射線Xの照射を指示するための曝射スイッチ31aが接続されている。曝射スイッチ31aは、2段階のスイッチとなっている。
そして、操作部31は、曝射スイッチ31aに何段階目の操作がなされたかを検知し、それを曝射スイッチ情報として放射線制御部32へ出力する。
なお、曝射スイッチ31aは、回診車100Aと有線あるいは無線で接続された遠隔操作可能なものとしてもよい。このようにすれば、ユーザーは、回診車100Aの放射線照射装置3から離れた場所から放射線の曝射を制御することができる。
放射線制御部32は、操作部31からの操作情報に基づいて、各種撮影条件(撮影対象部位、体格等の被検体Sに関する条件や、管電圧や管電流、照射時間、電流時間積等の放射線の照射に関する条件)を設定することが可能となっている。
また、放射線制御部32は、曝射スイッチ情報を受信したことに基づいて、高圧発生機33に対し電圧の印加(放射線の照射)開始を指示する制御情報を送信するようになっている。
高圧発生機33は、放射線制御部32から制御信号を受信したことに基づいて、予め設定された放射線の照射条件に応じた電圧を放射線源34に印加するようになっている。
なお、回診車100Aは、放射線が外部に漏れることが防止された撮影室ではなく、被検体Sが入院している病棟で撮影を行うことが考えられるため、放射線照射装置3の放射線出力を、撮影室に固定された放射線照射装置3より弱くして撮影を行うようにしてもよい。この場合、高圧発生機33は、撮影室に固定されたものに比べ、弱い電力にて動作することができる構成としてもよい。
放射線源34は、例えば、図示しない回転陽極やフィラメント等を有している。そして、高圧発生機33から電圧が印加されるとフィラメントが電圧に応じた電子ビームを回転陽極に向けて照射し、回転陽極が電子ビームの強度に応じた線量の放射線Xを発生させるようになっている。
具体的には、放射線源34は、高圧発生機から連続的に電圧が印加されれば連続的に放射線を照射し、パルス状の電圧が印加されればパルス状の放射線を照射するようになっている。
すなわち、本実施形態の放射線照射装置3は、静止画撮影、連続照射方式のシリアル撮影、パルス照射方式のシリアル撮影の何れにも対応したものとなっている。
コリメーター35は、放射線源34の照射口(放射線Xの光路上)に設けられている。
コリメーター35は、例えば、放射線Xの光路の上下左右に、矩形の開口を形成するように配置された複数の遮蔽羽と、遮蔽羽を移動させる図示しない調節機構と、を有している。そして、コリメーター35は、放射線制御部32からの制御信号に基づいて調節機構が遮蔽羽の位置を変えることで、放射線の照射野を調節することが可能となっている。
コンソール4は、コンピューター又は専用の制御装置として構成されており、図示しない制御部や記憶部、操作部等を備えている。
そして、コンソール4は、撮影装置100Bから画像データを受信すると、自動で又はユーザーの所定操作に基づいて、当該画像データに対して所定の補正処理等の画像処理を施し、処理済み画像を生成するようになっている。
なお、ここでの「画像処理」とは、画像の明るさや濃度等を変えることで画像の見やすさを調整する処理のことを指す。
また、コンソール4は、自身と画像解析装置との間のシステム構成、具体的には、接続形態を判定するようになっている。
また、コンソール4は、システム構成の判定結果に基づいて、当該処理済み画像データを圧縮して圧縮画像データを生成したり、処理済み画像データから一部のフレーム画像データを間引いて間引き画像データを生成したりすることが可能となっている。
また、コンソール4は、処理済み画像データ、圧縮画像データ、間引き画像データの少なくともいずれかを、通信部42を介して画像解析装置へ送信することが可能となっている。
表示部41は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、コンソール4の制御部から入力された表示信号、又はコンソール4を介して撮影制御部2から入力された表示信号の指示に従って撮影オーダー情報や撮影した画像を表示するようになっている。
また、表示部41は、処理済み画像データに基づく表示用画像を表示するようになっている。
なお、表示部41は、回診車100Aと有線あるいは無線で接続された遠隔表示可能なものとしてもよい。このようにすれば、ユーザーは、回診車100Aの放射線照射装置3から離れた場所から各種情報を確認することができる。
また、表示部41とは別のサブモニターを有線あるいは無線で接続するようにしてもよい。
通信部42は、画像解析装置から延びる通信ケーブルを差し込んで外部と有線通信を行うための有線通信IF42aや、外部と無線通信を行うための無線通信IF42bを備えており、制御部からの制御信号に基づいて、接続方式を有線又は無線に切り替えることが可能となっている。
電源部5は、バッテリー(内蔵電源)51や、電源分配部52、電源ケーブル53等を備えて構成されている。
バッテリー51は、自身が蓄えている電力を電源分配部52へ供給したり、電源分配部52から供給されてきた電力を蓄えたりすることが可能に構成されている。
電源分配部52は、先端にプラグ53aの設けられた電源ケーブル53を有しており、プラグ53aを近くのコンセントに差し込むことで、外部から電力の供給を受けることが可能に構成されている。
そして、電源分配部52は、バッテリー51又は外部から供給された電力を、回診車100Aの各部へ分配すようになっている。
なお、図1では、電源分配部52から各部へ電力を分配するための配線の図示を省略したが、電源分配部52と各部との間には、例えば、配線が設けられ、電気的に接続されている。
電源分配部52が対応可能な電圧は例えば100V,200Vとなっており、対応可能な周波数は50Hz,60Hzとなっている。このため、家庭用電源、商用電源の何れからも電力の供給を受けることが可能である。
なお、上記電圧、周波数は、放射線撮影システム100を日本国内で使用する場合の一例であり、電源分配部52の仕様を変えることで、他の国や地域での使用にも対応することが可能である。
〔放射線撮影装置の構成〕
次に、上記放射線撮影システム100が備える撮影装置100Bの具体的構成について説明する。図2は撮影装置100Bの電気的構成を表すブロック図、図3は撮影装置100Bの斜視図である。
なお、図3には、撮影装置100Bとして、パネル状をした可搬型のものを例示したが、本発明は、支持台等と一体的に形成されたいわゆる据え付け型の放射線撮影装置に対しても適用可能である。
本実施形態に係る撮影装置100Bは、放射された放射線(放射線等)を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型のもので、図2,3に示したように、筐体61の他、この筐体61に収納される、制御部62、放射線検出部63、読出し部64、通信部65、記憶部66、気圧センサー67、温度センサー68、各部61〜68を接続するバス69を備えて構成されている。
制御部62は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部62のCPUは、コンソール4等の外部機器からの制御信号等を受信したことに基づいて、記憶部66に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、撮影装置100B各部の動作を集中制御する。
放射線検出部63は、放射線Xを受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子やスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列された基板によって構成されている。
なお、放射線検出部63は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線Xをシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるもの(いわゆる間接型)であってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線Xから直接電荷を発生させるもの(いわゆる直接型)であってもよい。
読出し部64は、各画素から放出された電荷の量を信号値として読出し、複数の信号値から画像データを生成することが可能に構成されている。
通信部65は、外部機器から各種制御信号や各種データ等を受信したり、各種制御信号や生成した画像データ等を外部機器へ送信したりすることが可能に構成されている。
記憶部66は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部62が実行する各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。
また、記憶部66は、読出し部64が生成した画像データや、制御部62が処理した各種データを記憶することが可能となっている。
気圧センサー67及び温度センサー68については後述する。
筐体61の側面には、図3に示したように、電源スイッチ61aや操作スイッチ61b、インジケーター61c、コネクター61d等が設けられている。
また、筐体61が有する複数の面のうちの一つが放射線入射面61eとなっている。
なお、ここでは、筐体61の表面を放射線入射面として説明していくが、上述した放射線検出部63を構成する基板の表面、あるいはシンチレーターの表面を放射線入射面としてもよい。
このように構成された撮影装置100Bは、制御部62が放射線検出部63の各スイッチ素子をオフにした状態で放射線の曝射を受けると、各画素に放射線の線量に応じた電荷を蓄積する。そして、制御部62が各スイッチ素子をオンにして各画素から電荷が放出されると、読出し部64が各電荷量を信号値に変換し、画像データとして読み出す。
〔回診車の可動部の構成〕
次に、上記回診車100Aの可動部について説明する。図4は、回診車100A及び撮影装置100Bの側面図である。
回診車100Aは、図4に示したように、回診車本体101と、アーム102と、放射線照射部103と、を備えて構成されている。
本実施形態においては、上記の撮影制御部2、コンソール4、電源部5が、回診車本体101に格納されている。
また、本実施形態においては、放射線照射部103がケース103aを有しており、放射線照射装置3の放射線源34がこのケース103aの中に格納されるとともに、コリメーター35がケース103aの端部に取り付けられている。
また、放射線照射装置3の高圧発生機33と放射線源34とを接続する図示しない給電線がアーム102の中に通されている。
アーム102は、その下端部が、回診車本体101を水平方向(例えば図4の紙面と直交する方向)に延びる第一回転軸A1によって回診車本体101に軸支され、回転することが可能となっている。すなわち、アーム102の上端部を上下動させることが可能となっている。
鉛直線Lvとアーム102の延長方向に延びる直線(以下アーム軸Aa)とがなす角の大きさ(以下アーム回転角度α)は、アーム102の中間部や先端部が回診車本体101や床に接触しない範囲内で任意の値とすることが可能である。
アーム102下端部の回診車本体101への軸支位置は特に限定されるものでは無いが、図4に示したように、回診車本体101の前端部に軸支するのが、放射線照射部103下方の撮影空間を広く取る観点から好ましい。
なお、ここでは、鉛直線Lvとアーム軸Aaとがなす角の大きさをアーム回転角度αとしたが、他の線や面(例えば水平面)を基準としてアーム回転角度を定義してもよい。
放射線照射部103のケース103aは、アーム102上端部を上記第一回転軸Aと並行に延びる第二回転軸A2によってアーム102の先端部に軸支され、回転することが可能となっている。すなわち、放射線の照射口(コリメーター35)の向きを変えることが可能となっている。
アーム軸Aaと、放射線源34が照射する放射線の焦点Fとコリメーター35内の遮蔽羽が形成する開口の中心Cとを結ぶ直線(以下放射線の光軸Ao)とがなす角の大きさ(以下、照射部回転角度β)は、ケース103aやコリメーター35がアーム102と接触しない範囲内で任意の値とすることが可能である。
なお、図4には、第二回転軸A2とコリメーター35との間に放射線の焦点Fが位置する場合を例示したが、第二回転軸A2の延長線上に焦点Fが位置していてもよいし、焦点Fとコリメーター35との間に第二回転軸A2が位置するように構成されていてもよい。また、第二回転軸A2が放射線の光軸Aoの延長線上に無くてもよい。
また、ここでは、アーム軸Aaと放射線の光軸Aoとがなす角の大きさを照射部回転角度βとしたが、他の線や面(例えば鉛直線や水平面)を基準として照射部回転角度を定義してもよい。
第一回転軸Aの近傍には、アーム回転角度αの大きさを検出する第一角度検出手段が設けられて、第二回転軸A2の近傍には、照射部回転角度βの大きさを検出する第二角度検出手段が設けられている。
このような角度検出手段としては、例えば、可変抵抗器によるポテンショメーターや、パルスカウンタを用いたロータリー・エンコーダを用いることができる。
各角度検出手段は、検出したアーム回転角度αや照射部回転角度βを、撮影制御部2やコンソール4へ随時送信するようになっており、その数値は表示部41に表示される。ようになっている。
〔放射線照射角度及び焦点高さ〕
上記回診車100Aにおいて、第一回転軸Aから第二回転軸A2までの距離をd、第二回転軸A2から放射線の焦点Fまでの距離をd、回診車本体101における所定の基準高さ(以下、装置基準高さ)から第一回転軸A1までの高さをhとする。これらの値は、回診車100Aの設計・製作の時点で既知の値である。
すると、放射線の光軸Aoと鉛直線Lvとがなす角の大きさ(以下、放射線照射角度θ)は下記式(1)、装置基準高さから放射線の焦点Fまでの高さ(以下、焦点高さh)は下記式(2)でそれぞれ表される。
θ=180°−(α+β)・・(1)
=h+dcosα−dcosθ・・(2)
なお、ここでは、放射線の光軸Aoと鉛直線Lvとがなす角の大きさを放射線照射角度θとしたが、他の特定の面又は線を基準に定義してもよい。
また、ここでは、角度の単位に「度」を用いて説明を行っているが、三角関数の計算においては適時ラジアン等の単位に変換し算出を行っても良い。
回診車100Aの撮影制御部又はコンソール4の制御部は、第一,第二角度検出手段が検出したアーム回転角度α及び照射部回転角度βに基づいて上記のような演算を行うことにより、放射線源の高さを検知する機能を有している。すなわち、撮影制御部又はコンソール4の制御部は、本発明における第一高さ検知手段をなす。
なお、図4には、概念図として図4の紙面に直交する直線を回転軸とする回転のみを行う場合を例示した。しかし、図4に示した回転方向だけに限る必要は無く、他の方向(例えば図4の紙面に沿う方向等)に回転する回転軸を有する回転機構を組合せることも可能である。そのような場合であっても、放射線照射角度θや焦点高さhは、例えば、隣り合う回転軸同士の距離をそれぞれ求めるとともに各回転軸と直交する各平面同士がなす角の大きさをそれぞれ求め、各距離を各平面がなす角の大きさを加味して加算することにより算術的に求めることが可能である。
また、図4では、アーム軸Aa上に第二回転軸A2がある例を示した。しかし、本発明はこのように構成した場合に限る必要は無く、例えばアーム軸Aaの軸上、あるいは当該アーム軸Aaの軸上からずれた位置に第二回転軸A2を含む他の1つ又は複数の回転軸が位置するように構成してもよい。このように構成した場合であっても、アーム軸Aaと他の回転軸との距離(ずれている量)は設計、製造段階で把握することが可能であるため、これらの量を用いることで、前記θ、hを算術的に求めることが可能である。
また、回転機構の他に、伸縮機構や昇降機構を1つ又は複数組合せることも可能である。そのような場合であっても、放射線照射角度θや焦点高さhは、例えば、回転軸と回転軸との間の距離に伸縮機構や昇降機構による距離の増減を加味することにより算術的に求めることが可能である。
〔撮影装置の配置高さ〕
撮影装置100Bは、図2でも示したように、自身の位置する高さにおける大気圧を測定する気圧センサー67を備えている。
気圧センサー67は、撮影装置100Bに内蔵してもよいし、筐体の外側に設けてもよい。
また、画像への映り込みを避ける観点から、気圧センサー67は、放射線検出部63を構成する基板の周縁部あるいは基板の背面側に配置するのが好ましい。
また、撮影装置100Bは、図2でも示したように、撮影装置100B周囲の気温を測定するための温度センサー68を備えている。
温度センサー68の取り付け位置は、特に限定されるものでは無いが、撮影装置100Bにおける熱を発する箇所からは遠ざけて配置するのが好ましい。
気圧センサー67が測定した気圧P及び温度センサー68が測定した温度(気温)Tと、撮影装置100Bの配置高さhとの間には、例えば下記式(3)で示したような関係が成り立つ。
h={((P/P)(1/5.257)−1)×(T+273.15)}/0.0065・・(3)
ここで、Pは海面等基準高さにおける基準気圧である。
回診車100Aの撮影制御部又はコンソール4の制御部は、気圧センサー67が測定した測定値(気圧P)及び温度センサー68が測定した測定値(温度T)に基づいて上記のような演算を行うことにより、撮影装置100Bの高さを検知する機能を有している。すなわち、撮影制御部又はコンソール4の制御部は、本発明における第二高さ検知手段をなす。
なお、この配置高さhの算出は、撮影装置100B内で行うようにしてもよい。
ところで、基準気圧Pは、気象変化に応じて変化する。このため、測定した気圧を、測定時の気象状況に応じて補正する必要がある。
補正の方法としては、例えば、撮影装置100Bが特定位置に配置されたときに気圧センサー67が測定した特定測定値を記憶し、特定測定値に基づいて検知した撮影装置100Bの高さを補正する方法がある。具体的には、回診車100Aにおける特定高さの部位(例えば回診車本体101)に、撮影装置100Bを載置可能なキャリブレーション部を設け、そこに撮影装置100Bを収納したときの気圧センサー67及び温度センサー68による測定値を、特定測定値として記憶しておく。
こうすることで、回診車100Aは本発明における記憶手段を備えたこととなり、撮影装置100Bの高さは、その高さで測定した気圧及び温度と、キャリブレーション部に載置した時に測定した気圧及び温度に基づいて、キャリブレーション部を基準とした相対的な高さとして算出することができる。
ここで、上記キャリブレーション部の高さをh、キャリブレーション部における気圧をPとすると、hは下記式(4)で表される。
={((P/P(1/5.257)−1)×(T+273.15)}/0.0065・・(4)
また、上記式(4)から、基準気圧Pは、下記式(5)のように表される。
=P[{0.0065h/(T+273.15)}+1]5.257・・(5)
ここで、キャリブレーションを行う高さを算出するためにh=0とすると、P=Pとなる。
このため、キャリブレーションを行う高さからの相対高さhdiffは、キャリブレーションを行う高さにおいて測定された気圧Pと、任意の高さで測定された気圧Pを用いて、下記式(6)のように表すことができる。
diff={((P/P)(1/5.257)−1)×(T+273.15)}/0.0065・・(6)
例えば、上記装置基準高さを、キャリブレーションを行う高さに設定すると、hdiff=hとなる。
なお、ここでは、撮影装置100Bの高さhを1つの気圧センサー67の測定値から求める場合を例に説明したが、撮影装置100Bに複数の気圧センサー67を備え、各気圧センサー67の測定値から求めることもできる。具体的には、上記気圧センサー67が備えられた部位を第一部位Pとし、第一部位Pとは異なる第二部位Pに、自身の位置する高さにおける大気圧を測定する第二気圧センサー67Aを備えるとともに、第二温度センサー68Aを備え、上述したような演算を行うことによって第一部位Pの高さを検知するとともに、気圧センサー67が測定した測定値に基づいて第二部位Pの高さを検知する機能を持たせる。そして、第一部位Pの高さ及び第二部位Pの高さに基づいて、例えば各高さの平均値を算出したり、各気圧センサー67の配置を勘案した加重平均等の算術手段を用いたりすることにより、撮影装置100Bにおける第一部位P及び第二部位Pとは異なる他の部位の高さを算出し、それを撮影装置100Bの高さとしてもよい。
また、撮影装置100Bに重力センサーを搭載し、気圧センサー67からの撮影装置100Bの角度算出値を補正するようにしてもよい。
〔SID〕
図4に示した放射線の焦点Fと撮影装置100Bとの高さの差hは、焦点高さh、撮影装置100Bの配置高さhを用いて下記式(7)のように表される。
=h−h・・(7)
このため、すると放射線の焦点Fから撮影装置100Bの放射線入射面までの距離であるSIDは、ここで算出した高さの差h及び上記方法等で算出した放射線照射角度θを用いて下記式(8)のように表される。
SID=h/cosθ・・(8)
回診車100Aの撮影制御部又はコンソール4の制御部は、検知した放射線源の高さ及び撮影装置100Bの高さに基づいて、放射線源34が発生させる放射線の焦点Fから撮影装置100Bまでの距離を算出する機能を有している。すなわち、撮影制御部又はコンソール4の制御部は、本発明における距離算出手段をなす。
また、コンソール4は、算出した距離を表示部41に表示するようになっている。すなわち、コンソール4及び表示部41は、本発明における表示手段をなす。
〔撮影装置の配置角度算出方法〕
次に、撮影装置100Bの放射線入射面の角度の算出方法について説明する。
撮影装置100B内に、放射線入射面に沿って位置する二つの異なる二つの部位P,Pが存在するとき、これらの距離をd、第一部位Pと第二部位Pとの高さの差をhp2とすると、撮影装置100Bの放射線入射面と水平面とがなす角の大きさ(以下入射面傾斜角度θ)は下記式(9)で表される。
θ=sin−1(hp2/d)・・(9)
なお、ここでは、放射線入射面と水平面とがなす角の大きさを放射線照射角度θとしたが、他の特定の面又は線を基準に定義してもよい。
この入射面傾斜角度θを算出するには、例えば、図5に示したように、第一部位Pに上記気圧センサー67を備え、第一部位Pとは異なる第二部位Pに、自身の位置する高さにおける大気圧を測定する第二気圧センサー67Aを備えるとともに、温度センサー68を備え、上述したような演算を行うことによって第一部位Pの高さを検知するとともに、気圧センサー67が測定した測定値に基づいて第二部位Pの高さを検知する機能を有している。
また、回診車100Aの撮影制御部又はコンソール4の制御部は、検知した第一部位Pの高さ及び第二部位Pの高さに基づいて、入射面傾斜角度θを算出する機能を有している。すなわち、回診車100Aの撮影制御部又はコンソール4の制御部は、本発明における角度算出手段をなす。
なお、温度センサー68は気圧センサー67,67Aと同様に二つ配置してもよいが、1つの温度測定装置で代表しても構わない。また撮影装置100Bは動作及び被検体Sからの伝熱により周囲空気の温度と異なる温度になる可能性がある。そのため、周囲空気の温度として撮影装置100Bの上記他の部位に配置した温度検出手段の温度を用いても構わない。
ある撮影手技においては、放射線は撮影装置100Bに、放射線の光軸Aoが放射線入射面に直交するように照射されることが望ましい。一方、他の撮影手技においては、放射線は撮影装置100Bに、放射線の光軸Aoが放射線入射面に対して特定の角度をなすように照射されることが望ましい場合がある。
また、放射線の光軸Aoと撮影装置100Bの放射線入射面とがなす角の大きさ(以下、撮影装置配置角度θdiff)は、上記方法で算出した放射線照射角度θ、及びここで算出した入射面傾斜角度θを用いて下記式〔10〕のように表される。
θdiff=θ−θ・・(10)
回診車100Aの撮影制御部又はコンソール4の制御部は、放射線照射角度θと入射面傾斜角度θとの差(撮影装置配置角度θdiff)を算出し出力する機能を有している。具体的な出力の仕方としては、表示部に表示したり、図示しない外部の表示装置に算出した値を送信したりする方法がある。
このように撮影装置配置角度θdiffが表示されるようにすることで、ユーザーは現在の撮影装置配置角度θdiffを確認しながら放射線照射角度θ及び入射面傾斜角度θを調節することにより、撮影装置配置角度θdiffを容易に所望の角度とすることができる。
なお、ここでは、2つの気圧センサー67より1つの角度を求める例で説明を行ったが、二つの気圧センサー67を結ぶ直線状に無い第三部位Pに、第三気圧センサー67Bを備えるようにしてもよい。
このようにすれば、撮影装置配置角度θdiffを三次元的に求めることができ、放射線の光軸に対する撮影装置100Bの撮影装置配置角度θdiffを一意に求めることができる。
本実施形態の放射線撮影システム100は、上述したようにしてSIDや放射線の光軸Aoと放射線入射面とがなす撮影装置配置角度θdiffを算出し、その結果を表示部に表示するようになっている。
こうすることで、ユーザーは、撮影装置100Bの重心や、中心の高さを容易に知ることができる。
〔撮影の基本的な流れ〕
次に、上記放射線撮影システム100を用いた撮影の基本的な流れについて説明する。図6は、本実施形態の放射線撮影システム100を用いた検査の基本的な流れを表すラダーチャートである。
初めの撮影準備作業では、まず、コンソール4が、アクセスポイント6等を介してRIS等から撮影オーダーを受信する(ステップS1)。
そして、ユーザーが、受信した撮影オーダーに基づいて各種撮影条件を決定する(ステップS2)。具体的には、ユーザーが操作部31を操作して撮影条件を複数ある中から選択したり、数値を入力したりする。シリアル撮影を行う場合には、フレームレートや撮影時間、フレーム数等も決定する。
撮影条件が決定されると、コンソール4からの指令により、回診車100Aの撮影制御部2が、操作部31への入力内容に基づいて、高圧発生機33の放射線照射条件や、コリメーター35の撮影範囲、フィルター種等を設定し(ステップS3)、撮影装置100Bの読み出し条件(ビニングの範囲等)の設定を行う(ステップS4)。
なお、各種撮影条件の設定は、ユーザーの決定によらず、コンソール4が自動で行うようにしてもよい。
また、放射線撮影システム100に複数の撮影装置100Bが備えられている場合には、ここで、何れか一つを選択するようにする。
撮影準備ができた後は、ユーザーがポジショニング作業に入る。
ポジショニング作業では、まず、回診車100Aを被検体Sの付近まで移動させる(ステップS5)。そして、電源ケーブル53のプラグ53aを、コンセントに差し込み、外部から電力の供給を受けることができるようにする(ステップS6)。上述したように、回診車100Aの電源部5は、家庭用電源、商用電源の何れにも対応しているため、手術室、集中治療室や病室等をはじめ、在宅の被検体Sの自宅等で電力供給を受けることができる。
そして、撮影装置100Bや、放射線源34、被検体Sを、撮影目的に適した位置に配置する(ステップS7)。例えば、撮影装置100Bを、ベッドに寝ている被検体Sの検査対象部位とベッドとの間に差し込んだり、被検体Sの脇に当接させたりし、放射線源34を、被検体Sを挟んで撮影装置100Bと対向するよう配置する。
具体的には、表示部41に表示されたSID及び撮影装置配置角度θdiffを見ながら放射線照射部103の位置や照射口の向きを調節する。
このとき、例えば、放射線照射部103のケース103aの中に図示しない光源を設け、この光源を点灯させることにより、放射線が照射されることとなる照射野と同じ範囲を可視光で照らすことができるようにしておく。このようにすれば、可視光の光軸を放射線入射面の中心と合わせることで撮影装置100Bの位置を容易に調整することができる。
ポジショニングを行った後は、ユーザーが撮影作業に移る。
撮影作業では、ユーザーが曝射スイッチ31aを押下する(ステップS8)。すると、撮影制御部2が、高圧発生機33と撮影装置100Bのタイミングを調停して撮影を実行する。具体的には、曝射スイッチ31aの一段目が押下されると、放射線源34の準備(回転陽極式の場合はローターの回転)を行うと共に、撮影装置100Bを撮影可能状態に遷移させる。
ここで、ユーザーは、放射線照射装置3や撮影装置100Bが撮影可能な状態であるか否かを確認する。ここで、回診車100Aに、放射線照射装置3や撮影装置100Bが撮影可能な状態であるか否かを表示する状態表示部が設けられている場合には、状態表示部の表示内容によって確認を行う。このような構成にしておけば、ユーザーは、一目見るだけで撮影可能な状態か否かを確認できるため、コンソール4の表示部41等、他の様々な情報も表示される表示部を確認しなくて済み、容易に状態を確認することができる。
撮影可能な状態であることが確認できたら、ユーザーは曝射スイッチ31aの二段目を押下する。すると、放射線制御部32が、高圧発生機33に対し、設定された時間の間連続して、あるいは、設定された周期でパルス状に繰り返し放射線を発生させるように制御する(ステップS9)と共に、撮影制御部2が、撮影装置100Bに対して設定されたフレームレートで読み出しと蓄積を繰り返させる(画像データを生成させる、ステップS10)。
予め設定された撮影時間が経過すると、撮影制御部2は、放射線の照射と撮影装置100Bによる読み出しを停止させる。なお、撮影中に、曝射スイッチ31aが離された場合も、放射線の曝射と撮影装置100Bの読み出しを停止させる。
ユーザーが撮影を終えた後、放射線撮影システム100は、画像確認を行うための動作に入る。
まず、撮影装置100Bは、生成した動態画像データを、回診車100Aの通信部21を介してコンソール4へ転送する(ステップS11)。そして、コンソール4は、転送されてきた動態画像データを構成する複数のフレーム画像データに対し、順次画像処理を施し、処理済み動態画像データを生成する(ステップS12)。
そして、コンソール4は、処理済動態画像データに基づく動態画像を表示部41に表示する(ステップS13)。なお、撮影中は、画像表示を速やかに行うために、簡易的な画像処理を施したものを表示するようにしてもよい。
撮影が完了し、全てのフレーム画像データに対して画像処理が施された後は、表示部41で動態画像を確認することができるようになる。
ユーザーは、表示部41に表示された動態画像を確認することにより、再撮影が必要か否かを判断する(ステップS14)。
そして、画像確認の結果、ユーザーが、再撮影は不要(撮影は成功)と判断したら、画像データをコンソール4に保存したり、必要に応じて外部装置に転送させたりする。
こうして、一連の撮影が終了する。
このように第一発明実施形態に係る放射線撮影システム100は、放射線を発生させる放射線源を有する放射線照射装置3と、放射線を受けることで放射線画像の画像データを生成する撮影装置100Bと、放射線源の高さを検知する第一高さ検知手段と、撮影装置100Bの高さを検知する第二高さ検知手段と、第一高さ検知手段が検知した放射線源の高さ及び第二高さ検知手段が検知した撮影装置100Bの高さに基づいて、SID(放射線源が発生させる放射線の焦点Fから撮影装置100Bまでの距離)を算出する距離算出手段と、距離算出手段が算出したSIDを表示する表示手段と、を備えたものとなっている。
このため、表示された現在のSIDを見ながら、表示されているSIDが所望の値となるように、放射線源あるいは撮影装置100Bの位置を調節することができるため、SIDを容易に調整することができる。
<第二発明第一実施形態>
次に、第二発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、第一発明と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
〔放射線撮影システム〕
まず、本実施形態の放射線撮影システム200の概略について説明する。図7は、本実施形態の放射線撮影システム200のブロック図である。
本実施形態に係る放射線撮影システム200は、図7に示したように、第一発明実施形態に係る放射線撮影システム100と同じシステム本体100A及び撮影装置100B、又は第一発明実施形態のシステム本体100AからSIDの測定・表示機能を除いたもの及び撮影装置100Bに加え、体動検出装置100Cを備えている。
体動検出装置100Cは、システム本体100Aと通信可能に接続されている。なお、図7には、体動検出装置100Cを有線接続した場合を例示したが無線接続でもよい。
そして、体動検出装置100Cは、撮影中における被検体Sの体動を検出することが可能となっている。
なお、体動検出装置100Cを独立した装置とするのではなく、コンソール4が体動検出装置100Cを兼ねる形としてもよい。
このように構成された本実施形態の放射線撮影システム200は、第一発明実施形態に係る放射線撮影システム100と同様に、システム本体100Aから撮影装置100Bの手前に配置した被検体Sへ放射線(放射線等)を照射することにより、被検体Sの静止画撮影とシリアル撮影の少なくとも一方を行うことが可能となっている。
すなわち、1回の撮影操作(曝射スイッチ31aの押下)に基づいて、被検体Sを繰り返し撮影する(撮影装置100Bが電荷の蓄積と信号値の読み出しを短時間で複数回繰り返す)ことにより、動態画像を得ることができる。
すなわち、システム本体100A及び撮影装置100Bは、本発明における撮影手段をなす。
〔体動検出装置〕
次に、上記放射線撮影システム200が備える体動検出装置100Cの具体的構成について説明する。図8は体動検出装置100Cの構成を表すブロック図である。
体動検出装置100Cは、図8に示したように、制御部71、通信部72、記憶部73、各部71〜73を接続するバス74等を備えて構成されている。
制御部71は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部71のCPUは、放射線照射装置3やコンソール4等の外部機器からの制御信号等を受信したことに基づいて、記憶部73に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、撮影装置100B各部の動作を集中制御する。
通信部72は、システム本体100Aから各種制御信号を受信したり、撮影装置100Bから画像データを受信したり、各種処理結果(後述する体動ありの判定結果)等をシステム本体100Aへ送信したりすることが可能に構成されている。
記憶部73は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部が実行する各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。
また、記憶部73は、撮影装置100Bから受信した画像データを記憶することが可能となっている。
このように構成された体動検出装置100Cの制御部71は、以下のような機能を有する。
例えば、制御部は、撮影装置100Bから複数の画像データを取得する機能を有している。
本実施形態では、放射線撮影が開始されたタイミングに合わせて撮影装置100Bから最初の画像データ(1枚目である必要は無い)を取得し、その後、所定時間毎に画像を繰り返し取得する。撮影装置100Bが画像データを生成する度に全て取得してもよいし、所定枚数おきに取得するようにしてもよい。
取得した画像データは、記憶部に記憶するようになっている。
このような機能を有する制御部71は、本発明における取得手段をなす。
また、制御部71は、取得した各画像データに対し、診断対象となる特定の体動とは異なる体動を生じないことが求められる特定部位P〜Pを指定する機能を有している。
「診断対象となる特定の体動」とは、心臓の鼓動や、肺の膨張・収縮、横隔膜の上下動、これらの動作に伴う周囲の骨の移動、血液の流れ等である。
一方、「特定の体動とは異なる体動」とは、撮影対象部位全体の変位や回転等である。
このため、「特定部位P、P」は、例えば図9に示したような、肩や脇腹等が挙げられる。また、本実施形態においては、放射線画像を利用するため、骨抽出を行うことで脊椎や鎖骨を特定部位P,Pとすることもできる。
このような機能を有する制御部71は、本発明における部位指定手段をなす。
また、制御部71は、複数の画像データに基づいて、前記部位指定手段が指定した前記特定部位P〜Pの動作を検出する機能を有している。
具体的には、取得した複数の画像データのうちの2つ以上の画像データにおける共通の特定部位同士を比較し、特定部位(あるいは特定部位内の小領域や点)の変位量を特定部位の動作量として測定する。
なお、特定部位P〜Pの動作量を、特定の体動が行われる方向である第一方向成分と、第一方向とは異なる第二方向成分と、に分けて検出することも可能である。
また、動作を検出しにくい部位を特定部位P〜Pとする場合には、被検体S体表の特定部位と重なる領域に指標物(マーカーM)を付し、被検体Sに付される指標物の変位量に基づいて動作を検出することもできる。
このような機能を有する制御部は、本発明における動作検出手段をなす。
また、制御部71は、検出した動作に基づいて特定の体動とは異なる体動の有無を判定する機能を有している。
具体的には、検出した動作の大きさである特定部位の動作量が所定の閾値を超えた場合に特定の体動とは異なる体動があったと判定し、動作量が閾値以下の場合に体動は無かった(体動は撮影に影響しない程度のものである)と判定する。
なお、特定部位の動作量を、第一方向成分と第二方向成分とに分けて検出する場合には、第一方向の動作量と比較するための第一閾値と、第二方向の動作量と比較するための第二閾値と、をそれぞれ設定可能にするとよい。
このような機能を有する制御部71は、本発明における体動判定手段をなす。
例えば、肺野をシリアル撮影する際、肩には呼吸に伴う特定の体動が上下方向にある程度発生するが、左右方向に体動が生じることは通常は無い。このため、肩を特定部位に指定して肺野のシリアル撮影を行ったときに、肩に左右方向の体動を検出すれば、被検体Sが撮影中にバランスを崩したと判断することができる。
また、肩において、上下方向の体動が余りにも大きい場合には、肩に特定の体動とは異なる上下方向の体動が生じていると判断することもできる。
また、脊椎は、シリアル撮影中どの方向にも変位することは通常ないため、脊椎を特定部位に指定してシリアル撮影を行えば、どの方向の体動を検知しても、それが特定の体動とは異なる体動であると判断することができる。
なお、制御部71に、体動ありと判定した場合に、ユーザーに対し、診断に影響する体動が発生した旨の警告を行う機能をもたせてもよい。
具体的には、表示部にその旨を表示したり、スピーカーに音を出させたり、ランプを点灯させたりすることにより警告を行う。
このようにすれば、制御部は、本発明における警告手段御なすこととなる。
また、制御部71に、体動ありと判定した場合に、放射線源による放射線の照射を中断させる機能を持たせてもよい。
具体的には、体動ありと判定した場合に、コンソール4や撮影制御部に所定の制御信号を送信するようにするとともに、コンソール4や撮影制御部がこの制御信号を受信したときに放射線の照射停止を指示する信号を放射線制御部へ送信するようにする。
このようにすれば、制御部は、本発明における撮影中断手段をなすこととなる。
なお、この警告を行う機能や放射線の照射を中断させる機能は、いずれか一方のみを持たせるようにしてもよいし、両方を持たせるようにしてもよい。
〔撮影の基本的な流れ〕
本実施形態に係る放射線撮影システム200を用いた撮影の流れも、上記第一発明実施形態に係る放射線撮影システム100を用いたもの(図6参照)と基本的には同じである。
撮影装置100Bや放射線源34の配置(ステップS7)では、上記第一発明実施形態で説明したSIDや撮影装置配置角度θdiffの表示機能を利用して撮影装置100Bや、放射線源34の配置を行うことができる。
ユーザーが曝射スイッチ31aの二段目を押下し、放射線の照射(ステップS10)と画像データの生成(ステップS11)が繰り返されると、画像データが体動検出装置100Cによって取得され、体動の有無を繰り返し判断し続ける。
体動検出装置100Cが体動ありと判定することが無いまま予め設定された撮影時間が経過すると、撮影が終了となる。
一方、撮影の途中で体動検出装置100Cが体動ありと判定すると、その直後に撮影が中断される。
<第二発明第二実施形態>
次に、第二発明の第二実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、第一発明と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
〔放射線撮影システム〕
まず、本実施形態の放射線撮影システム300の概略について説明する。図10は、本実施形態の放射線撮影システム300のブロック図である。
上記第一実施形態に係る放射線撮影システム300は、撮影装置100Bが生成した画像データに基づいて体動を検出するものであったが、本実施形態に係る放射線撮影システム300は、光学カメラ43が生成した画像データに基づいて体動を検出するようになっている。
このため、本実施形態に係る放射線撮影システム300は、第一実施形態で説明した構成の他に、光学カメラ43を備えている。
なお、上記第一実施形態と同様、体動検出装置100Cを独立した装置とするのではなく、コンソール4が体動検出装置100Cを兼ねる形としてもよい。
光学カメラ43は、装置本体(コンソール4)と有線又は無線で通信可能に接続されている。そして、撮影した画像(静止画でも動態画像でもよい)の画像データを装置本体へ送信するようになっている。
また、光学カメラ43も、放射線撮影中、被検体Sを繰り返し撮影する(シリアル撮影も含む)。
すなわち、光学カメラ43も、本発明における撮影手段をなす。
光学カメラ43の位置は、放射線撮影中の被検体Sの様子を撮影することが可能な位置であれば特に限定されるものではないが、例えば図11に示したように、放射線照射部103とするのが好ましい。
また、本実施形態に係る体動検出装置100Cの制御部は、光学カメラ43から複数の画像データを取得する機能を有している。
取得した画像データは、記憶部に記憶してもよいし、体動検知に利用した後であれば記憶せずに破棄してもよい。
なお、光学カメラ43は、体内における特定の部位(脊椎や骨)を撮影することはできないため、本実施形態に係る放射線撮影システム300を用いたシリアル撮影においては、被検体Sの体表に指標物を付して、被検体Sに付される指標物の動作(変位量、変位方向)に基づいて動作を検出するようにするのが好ましい。
指標物の特定は、例えば、指標物の色を識別することにより体動検出装置100Cが自動で行うようにしてもよいし、光学カメラ43から取得した画像を表示部に表示し、表示された画像を見たユーザーの領域指定に基づいて行うようにしてもよい。
なお、指標物は、画像データにおいて体動検出装置100Cが識別可能でさえあれば、素材、形状、大きさは自由である。例えば、放射線透過率の高い素材で指標物を形成すれば、体動の有無を判断しつつ、放射線画像に指標物が写り込むのを防ぐことができる。
以上のように、第二発明第一,第二実施形態に係る放射線撮影システム200,300の体動検出装置100Cは、1回の撮影操作に基づいて被検体Sの画像データを繰り返し生成することが可能な撮影手段から複数の画像データを取得する取得手段と、取得手段が取得した各画像データに対し、診断対象となる特定の体動とは異なる体動を生じないことが求められる特定部位を指定する部位指定手段と、複数の画像データに基づいて、部位指定手段が指定した特定部位の動作を検出する動作検出手段と、移動量算出手段が検出した動作に基づいて特定の体動とは異なる体動の有無を判定する体動判定手段と、備えたものとなっている。
このため、特定部位以外の部位(体動が生じても撮影に影響しない部位)については体動の有無を判定せず、特定部位において特定の体動とは異なる体動が生じた場合のみ体動ありと判定することができる。
次に、上記第一、第二発明の各実施形態を実施する上で新たに生じ得る課題とそれを解決するための具体的な実施例について説明する。
なお、以下の実施例に挙げる技術は、第一、第二発明を適用しない放射線撮影システムに用いることができる場合がある。
[測定方法(1)]
上述したように、従来の放射線撮影システムには、SIDは、撮影手技、撮影状況、被検体Sの状態により変わるため、SIDを把握し、所定のSIDに調整することが困難、という課題があった。
このような課題に鑑み、上記第一発明は、システム各部の長さや角度に基づいてSIDを算出し、それを表示することで、上記課題を解決することとしたが、そのようにするのではなく、放射線照射部103、放射線照射部103との相対位置が変化しない部位、あるいは相対位置を検知できる部位に、自身と被検体Sとの間の距離を測定可能なステレオカメラ44を設けてもよい。ステレオカメラ44の具体的な取り付け場所としては、図11に示したように、放射線照射部103とするのが好ましい。
放射線の焦点Fとステレオカメラ44との間の距離は、システム本体100Aの設計・制作時に決まっているため、ステレオカメラ44が測定した距離に、この距離を加算又は減算し、更に推定した被検体Sの体圧を合算することによりSIDを算出することができる。
このようにして算出されたSIDを表示部に表示すれば、第一発明と同様、表示された現在のSIDを見ながら、表示されているSIDが所望の値となるように、放射線源あるいは撮影装置100Bの位置を調節することができるため、SIDを容易に調整することができる。
[測定方法(2)]
また、従来の放射線撮影システムにおいては、SIDを把握し、所定のSIDに調整することが困難であった、という課題に鑑み、例えば図12に示したように、放射線照射部103、あるいは放射線照射部103との相対位置が変化しない部位、あるいは相対位置を検知できる部位に設けられ、所定速度で進む第一信号と、第一信号と速度が異なる第二信号を同時に送信する送信手段103dと、撮影装置100Bに設けられ第一,第二信号をそれぞれ受信する受信手段7と、を備え、コンソール4等に、受信手段7が第一信号を受信した時刻と第二信号を受信した時刻の差Td(図13参照)に基づいて放射線照射部103と撮影装置100Bとの間の距離を算出する算出手段としての機能を持たせるようにしてもよい。
第一,第二信号には、例えば音波や電波など速度が異なる信号を用いることができる。
このようにすれば、現在のSIDを把握することができ、適切なSIDにて撮影を行うことができる。
[測定方法(3)]
また、従来の放射線撮影システムにおいては、SIDを把握し、所定のSIDに調整することが困難であった、という課題に鑑み、例えば図14に示したように、放射線照射部103、あるいは放射線照射部103との相対位置が変化しない部位、あるいは相対位置を検知できる部位に設けられ、特定信号を送信する第一送信手段103d及び特定信号を受信する第一受信手段103eと、撮影装置100Bに設けられ特定信号を受信する第二受信手段7及び前記第二受信手段7が第一送信手段103dから特定信号を受信すると直ちに、あるいは特定の時間を置いた後に特定信号を送信する第二送信手段7Aと、第一送信手段103dが特定信号を送信した時刻と第一受信手段103eが第二送信手段7Aから特定信号を受信した時刻との差に基づいて放射線照射部103と撮影装置100Bとの間の距離を算出する算出手段と、を備えるようにしてもよい。
特定信号には、例えば音波や電波等を用いることができる。
このようにすれば、現在のSIDを把握することができ、適切なSIDにて撮影を行うことができる。
なお、上記測定方法(2)の説明における複数の受信手段7を、撮影装置100Bにおける3箇所以上の異なる受信点にそれぞれ配置するようにしてもよい。このようにすれば、撮影装置100Bの撮影装置配置角度θdiffも算出することができる。
また、このようにする場合、送信手段103dから、各受信手段7に対し異なる周波数の電波あるいは音波を送信するようにしてもよい。このようにすれば、電波あるいは音波の混信を防ぎ、SID等の算出をより確実に行うことができる。
また、このようにする場合、例えば図15に示したように、各受信手段7に対応する複数の送信手段103dを、放射線照射部103における複数の異なる箇所に配置するようにしてもよい。このようにすれば、混信をより確実に防ぐことができる。
また、送信手段103dを一つにまとめ、1箇所に配置するようにしてもよい。このようにすれば、部品点数を少なくし、撮影制御部2や放射線制御部32を含めた構成を簡略化することができる。
また、放射線照射部103側から撮影装置100Bへ第一,第二信号を送信するのではなく、撮影装置100Bに送信手段を設けるとともに、放射線照射部103側に受信手段を設け、撮影装置100Bから放射線照射部103側へ向かって第一,第二信号を送信するようにしてもよい。本実施例のような構成の場合、受信手段側での処理が多くなるため、制御部が重いあるいは大型のものとなり易く、撮影装置100Bが持ち運びしにくいものとなってしまう可能性があるが、このようにすれば、撮影装置100Bが重くなったり、大型化してしまったりするのを防ぐことができる。
また、気圧センサー67や温度センサー68を備え、これらが測定した測定値に基づいて、受信手段が信号を受信した時間あるいは算出した距離を補正するようにしてもよい。このようにすれば、より正確な距離や角度を算出することができる。
また、音波として、周波数が可聴域外の音波を用いてもよい。このようにすれば、撮影装置100Bを配置する際、ユーザーや被検体Sが音によって不快な思いをすることが無くなる。
[測定方法(4)]
また、従来の放射線撮影システムにおいては、SIDを把握し、所定のSIDに調整することが困難であった、という課題に鑑み、例えば図16に示したように、撮影装置100Bを放射線の焦点Fから所定距離離すとともに、放射線の光軸Aoが放射線入射面の中心において当該放射線入射面と直交するように配置したときに、照射される放射線と並行するように傾斜した薄板Gaからなるグリッド(放射線選択透過部)Gを、撮影装置100Bより放射線の焦点F側に設け、このグリッドGを介して写された放射線画像に基づいてSID等を算出するようにしてもよい。
図16(a)に示したように、放射線の焦点Fと撮影装置100Bが所定距離離れるように配置され、グリッドGを構成する薄板Gaが全て放射線と平行になると、放射線が薄板Gaに遮られることなく撮影装置100Bに到達するため、撮影装置100Bで撮影される放射線画像Irは全体的に黒くなる。
一方、図16(b)に示したように、放射線の焦点Fと撮影装置100Bとが近づくと、放射線入射面の中心に近い箇所では放射線と薄板Gaの角度の差があまりなく、放射線が薄板Gaに遮られることなく撮影装置100Bに到達するため、放射線画像Irの中央部は黒くなる。しかし、放射線入射面の周縁に近い放射線と薄板Gaは相対的な角度が撮影装置100B端部付近では、放射線と薄板Gaの角度の差が大きくなり、放射線が薄板Gaに遮られて撮影装置100Bに到達しにくくなるため、放射線画像Irの周縁部は中央部に比べて白くなる。そして、放射線画像Irが白くなる程度は、放射線の焦点Fと撮影装置100Bとの距離が所定距離からどれだけ変わったかに応じて変化する。
この原理を利用することで、放射線画像Irの中央部と周縁部の濃度から測定できる放射線到達量により、現在のSIDを算出することができる。
また、図17に示したように、撮影装置100Bの放射線入射面が傾くと、放射線が全体的に薄板Gaに遮られて撮影装置100Bに到達しにくくなるため、放射線画像Irが全体的に白くなる。そして、放射線画像Irが白くなる程度は、放射線の光軸Aoに対する放射線入射面の傾きの程度に応じて変化する。
この原理を利用することで、放射線画像Irの全体的な濃度により、現在の撮影装置配置角度θdiffを算出することができる。
グリッドGは、SIDや撮影装置配置角度θdiffを検知できる幅を確保しつつ、撮影領域を遮らないようにするため、図18に示したように、放射線入射面61eの周縁部と対向する位置にできるだけ幅を狭くして配置することが望ましい。
また、グリッドGは、図18(a)に示したように、放射線入射面の4辺とそれぞれ対向するよう矩形枠状としてもよいし、図19(a)に示したように、2辺と対向するL字状としてもよい。
なお、グリッドGの画像には被検体Sの画像も重畳するため、被検体Sがいない状態で撮影を行うことによって、現在のSIDや撮影装置配置角度θdiffを検知するようにしてもよい。
また、グリッドGの画像には、被検体Sの画像も重畳するため、図20に示したように、グリッドGの撮影領域の信号値Vをスムージング処理して処理後の信号値Vを生成し、処理後の信号値Vに基づいて現在のSIDや撮影装置配置角度θdiffを検知するようにしてもよい。
また、グリッドGを移動させることが可能なアクチュエーター8等を備え、図21に示したように、撮影時に放射線入射面61eと対向しない領域まで退避させるようにしてもよい。
また、グリッドGが配置された状態で診断用画像を撮影し、診断用画像から現在のSIDや撮影装置配置角度θdiffを求めるようにしてもよい。
また、診断用画像を撮影する前に、診断用画像を撮影するときよりも弱い放射線をグリッドGに照射することによって得られる画像の濃度から現在のSIDや撮影装置配置角度θdiffを算出し、その値に基づいてSIDや撮影装置配置角度θdiffを調整するようにしてもよい。
[測定方法(5)]
また従来の放射線撮影システムにおいては、SIDを把握し、所定のSIDに調整することが困難であった、という課題に鑑み、例えば図22に示したように、放射線照射部103、あるいは放射線照射部103と相対位置が固定、あるいは検知できる部位に設けられ、放射線の照射方向の光学画像を取得する光学カメラ43と、光学画像Io中に映っている被検体S又は撮影装置100Bの大きさから現在のSIDを算出する算出手段と、を備えるようにしてもよい。
このようにする場合、被検体S又は撮影装置100Bのサイズをコンソール4等に予め入力しておき、光学カメラ43の撮影倍率は不変とする。
このようにすれば、現在のSIDを把握することができ、適切なSIDにて撮影を行うことができる。
また、上記測定方法(4)のように撮影前にSIDを把握するための放射線照射を行う必要が無いため、被検体Sの被曝量を低減することができる。
なお、光学画像取得手段として、単眼カメラを用いれば、用いるカメラを一つで済ますことができるし、画像処理も複眼カメラに比べて容易に行うことができる。
また、単眼カメラを用いれば、キャリブレーションが簡便で済ませることができる。
また、撮影倍率と撮影範囲の関係を予め把握しておくことにより、光学画像取得手段の撮影倍率を可変としてもよい。
また、光学画像取得手段の撮影範囲の歪みを補正する補正手段を備えるようにしてもよい。
[キャリブレーション方法]
上記実施形態におけるキャリブレーションの仕方では、撮影装置100Bを、高さの分かっている特定位置に予め配置する必要があるため、撮影装置100Bを特定位置に配置してから実際に撮影を行うまでの間に大気圧の変動等により誤差が生じてしまう問題があった。
また、キャリブレーション後に高さの異なる場所(例えば複数回ある建物内における別の階)に移動して撮影を行うと、撮影装置100Bが設置される高さが変わることになるため、移動後に再度キャリブレーションを行わないと実際とは異なるSIDを表示してしまうという危険性があった。
また、撮影装置100Bを固定して運用する場合にも、大気圧は高/低気圧の通過により大きく変動するため、細かくキャリブレーションを繰り返さないと実際とは異なるSIDを表示してしまう危険性があった。
このような課題に鑑み、回診車100Aの上記特定の部位に、自身の位置する高さにおける大気圧を測定する第二気圧センサー67Aを備え、第二気圧センサー67Aが測定した測定値に基づいて、検知した撮影装置100Bの高さを補正するようにしてもよい。
このようにすれば、撮影装置100Bの高さは、撮影装置100B内の気圧センサー67及び温度センサーの測定値と、第二気圧センサー67Aの測定値(ただし、回診車100A周囲の気温は撮影装置100B周囲の気温と同じとみなす)に基づいて、回診車100Aの特定の部位を基準とした相対的な高さとして算出することができる。
すなわち、回診車100Aに配置された第二気圧センサー67Aを用いて、常に大気圧の変動をキャンセルすることができるため、キャリブレーション動作を行う必要がなくなる。
[キャリブレーションスイッチ]
上記第一発明実施形態における、気圧センサー67を用いた撮影装置100Bの高さ測定では、撮影装置100B、あるいは放射線撮影システム100周囲の気圧変化や、階の移動等に伴う高さ変化に応じたキャリブレーションを、適切なタイミングで行う必要がある。しかしながら、ユーザーが意図していないタイミングでキャリブレーションが行われると、ユーザーが意図していないタイミングでSID等の表示が変わり、問題となることがあった。
このような課題に鑑み、撮影装置100Bに、例えば図23に示したように、ユーザーが操作可能なキャリブレーション開始用のボタン61fを設け、このボタンが操作されたタイミングでキャリブレーションを開始するようにしてもよい。
このようにすれば、ユーザーが意図したタイミングでキャリブレーションを行うことができ、ユーザーの意図しないタイミングでSID等の表示が変化してしまう問題を確実に回避することができる。
なお、キャリブレーション開始用のボタンは、他のスイッチ61a,61bと共用のものとし、当該ボタンを通常と異なる態様で操作(例えば長押しやダブルクリック等)された場合にキャリブレーションを開始するようにしてよい。
また、ボタンを撮影装置100Bに設けるのではなく、システム本体100A側(例えば表示部41等)に設けるようにしてもよい。
また、キャリブレーションを開始する際には、その旨を表示や音声等でユーザーに通知するようにしてもよい。
更に、キャリブレーション開始用のボタンとは別にOKボタンを設け、キャリブレーション開始用のボタンが操作されてもOKボタンが操作されないうちはキャリブレーションを開始しないようにしてもよい(誤操作防止ロック機能を持たせてもよい)。
[気圧センサー配置位置]
撮影装置100Bは、液体(血液等)の浸入を防ぐために気密構造となっている。このため、上記第一発明実施形態において、撮影装置100Bに気圧センサー67を内蔵しようとすると、撮影装置100Bの気密構造の内側空間Sp1に気圧センサー67が配置されることとなり、撮影装置100Bの外側の気圧を正確に測定することができない。
このような課題に鑑み、例えば図24に示したように、撮影装置100B内に気密構造となっていない中間空間Sp2を設け、気圧センサー67を、撮影装置100Bの内側であって気密構造の内側空間Sp1の外側に配置するようにしてもよい。
このようにすれば、気圧センサー67を撮影装置100Bに内蔵する場合であっても、撮影装置100B周囲の気圧を正確に測定することができる。
[気圧センサー配置構造]
上述したように、気圧センサー67を機密構造の外側に配置した場合、気圧センサー67に液体(血液等)がかかって、気圧センサー67が使用できなくなり、SID等の算出ができなくなってしまう場合がある。
このような課題に鑑み、撮影装置100Bの中間空間Sp2と外側空間とを連通させる連通路61gを細く形成するとともに、この連通路61gを構成する部位を着脱可能な構成としてもよい。
具体的には、図25に示したように、撮影装置100Bの筐体61内の気圧センサー67が設けられた中間空間Sp2(気密構造である内側空間Sp1の外側)と筐体61の外側空間とを連通させる連通路61gを有する取り外し部61hを設ける。
取り外し部61hを筐体に対して着脱可能とする具体的方法としては、例えば筐体と取り外し部61hのうちの一方の凹部を形成するとともに、他方に凹部に嵌合する凸部を形成したスナップフィット方式とすることができる。
また、筐体側、取り外し部61h側、あるいはその両方における連通路61gの少なくとも一部の幅を狭くする。
このようにすれば、撮影装置100Bに液体がかかっても、液体が狭隘な連通路61gで止められるため、液体が気圧センサー67に達して気圧センサー67が使用できなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、連通路61gに液体が詰まり除去できなくなってしまっても、取り外し部61hを交換することにより再び気圧の測定ができる。
なお、取り外し部61hにおける連通路61gの端部を、中間部より幅を広くした大気取込部としてもよい。
また、取り外し部61hにおける連通路61gの筐体側端部と、筐体内の気圧センサー67が設けられた中間空間Sp2の開口部のうちの一方の幅を広げて連結部とし、取り外し部61hの連通路61gと筐体の開口部との連結を容易に行えるようにしてもよい。
また、筐体側、取り外し部61h側、あるいはその両方における連通路61gの少なくとも一部に、液体を流れにくくするための折り返し部や、幅を意図的に広くした液体溜り部を設けるようにしてもよい。
また、連通路61gの少なくとも一部を疎水性の材料で形成するようにしてもよいし、逆に一部を親水性の材料で形成するようにしてもよい。
また、連通路61gを構成する壁面の少なくとも一部に、液体を吸収する吸収体を配置するようにしてもよい。
また、一定期間、気圧センサー67の測定値に変化が無い等、気圧センサー67の測定値に異常が検知された場合に、異常を検知した旨の通知あるいは取り外し部61hを交換することを促す通知を行うようにしてもよい。
[気圧センサーのホルダーへの配置]
また、撮影装置100Bに気圧センサー67を内蔵しようとすると、撮影装置100Bの気密構造の内側に気圧センサー67が配置されることとなり、撮影装置100Bの外側の気圧を正確に測定することができない、という課題に鑑み、例えば図26に示したように、撮影装置100Bを包含するホルダーHに気圧センサー67を配置するようにしてもよい。
このようにすれば、ホルダーHは気密構造にする必要がないため、気圧を正確に測定し、測定した気圧から高さを正確に算出することができる。
なお、ホルダーH内にバッテリーや、測定値から高さを算出するための制御部、算出した高さを外部へ送信するための通信部を設けるようにしてもよい。このようにすれば、ホルダーH単体で気圧を測定することができる。
その際、ホルダーH内の気圧センサー67が測定した気圧、又はホルダーH内の制御部が算出した高さを、システム本体100Aに直接送信するようにしてもよいし、撮影装置100Bを経由してシステム本体100Aへ送信するようにしてもよい。このようにすれば、ホルダーHと撮影装置100Bとの間の近距離のデータ通信を行うだけで高さ情報を送信することができるため、通信にかかるエネルギーを抑えることができる。
また、ホルダーHで使用する電力は、撮影装置100Bから供給を受ける構成としてもよい。その際、ホルダーHにおける、撮影装置100Bのコネクターが勘合する部位にコネクターを設け、両者のコネクターを介して有線で供給を受けるようにすることもできるし、電磁作用等を用いて無線で供給を受けるようにすることもできる。
また、図26(b)に示したように、ホルダーHにグリッドGを設けてもよい。
[センサーの利用]
シリアル撮影においては、ユーザーが被検体Sのポジショニングを行ってから撮影を開始するまでの間や撮影の最中に、被検体Sが動いて所望の撮影状態から外れる場合がある。
また、被検体Sの動きが、診断対象となる特定の体動であるのか、診断対象とはならない特定の体動以外の体動であるのかについて、撮影画像のみでは区別することが困難な場合がある。
このような課題に鑑み、例えば図27に示したように、シリアル撮影を行う対象の被検体Sに、被検体Sの動きを検出するセンサーSe1を取り付け、センサーSe1の測定値を、例えばコンソール4に送信し、撮影手技に応じた算術式等の判断手段により、センサーSe1から送られてきた測定値が診断対象とはならない特定の体動以外の体動に起因するものであるのか否か、あるいは特定の体動以外の体動が診断用画像として使用することが困難なレベルの大きさであるか否か等の判断を行うようにするようにしてもよい。
具体的な取り付け方法としては、例えば、粘着物による貼り付け等が挙げられる。
また、取り付けるセンサーSe1は、例えば、加速度センサー、角度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー等が挙げられる。
また、コンソール4が、診断画像として使用することが困難なレベルの体動があると判断した場合に、ユーザーに通知したり、放射線の照射を止めて撮影を中止したりする。
このようにすれば、センサーSe1による測定値から特定の体動以外の体動のレベルを把握することができる。そして、そのレベルが診断に利用することができない程度であった場合に、ユーザーへの通知や撮影の中止を行うことにより、被検体Sを無駄な被曝にさらすリスクを低減することができる。
なお、センサーSe1の検出した動き情報を、システム本体100Aに直接送信するようにしてもよいし、撮影装置100Bを経由してシステム本体100Aへ送信するようにしてもよい。
[マーカーの利用]
被検体SにマーカーMを付した状態で撮影を行うことにより、マーカーMの撮影画像から被検体Sの状態を知ることが可能である。その際に用いられるマーカーMは、例えば円柱形等の比較的単純な形状をしているが、このようなマーカーMでは、被検体Sが右側に傾いても左側に傾いても同じ形状となるため、撮影装置配置角度θdiffの方向を検出することができなかった。その結果、被検体Sにどちらの方向に傾けばよいか、適切に指示することができない問題があった。
このような課題に鑑み、マーカーMとして、被検体Sへの取付面に対して傾斜する方向に貫通する孔Maを有するものを用いるようにしてもよい。
具体的には、例えば図28に示したように、放射線を照射する方向から見たときに取付面に向かって貫通する孔Maが上下左右の四箇所設けられたものを用いる。各孔Maは、取付面に向かうに従ってマーカーMの中心から遠ざかるように傾斜している。なお、図28には、マーカーMの左右方向の断面図のみを示したが、上下方向の断面図も同様となる。
マーカーMに放射線が照射されると、孔Ma以外の部位においては放射線が透過する際に減弱されるため、被検体Sや撮影装置100Bに到達する放射線の線量は低くなる。一方、孔Maにおいては放射線が減弱されないため、被検体Sや撮影装置100Bに到達する放射線の線量は、孔Ma以外の部位を透過した放射線に比べて高くなる。
一般的に、放射線画像では放射線の減弱が強い部分は白く、減弱が弱い部分は黒く表示されるため、マーカーMの孔Ma以外の部分は白く、孔Maの部分は黒く表示される。
ここで、マーカーMが、取付面と放射線の光軸Aoとが直交するように配置された場合、マーカーMの左右両側部にそれぞれ形成された孔Maは傾斜方向が逆ではあるが、放射線の光軸Aoに対する傾斜角度は同じであるため、放射線の焦点F側から見たマーカーMの左右両側部の孔Ma(スリット)の幅は、図28(a)に示したように等しく見える。
一方、マーカーMが、放射線の光軸Aoに対して取付面がθだけ傾くように配置された場合、マーカーMの左右両側部の孔Maの光軸Aoに対する傾斜角度が左右で異なるため、放射線の焦点F側から見たマーカーMの左右両側部の孔Ma(スリット)の幅は、図28(b)に示したように左右で異なって見える。具体的には、マーカーMが傾いた方向にある孔Maが大きく見える。そして、この孔Maの幅は、マーカーMの取付面が光軸Aoに対して傾く角度θの大きさに比例して変化する。
この原理を利用することで、マーカーMがどちらの方向にどれだけ傾いているか否かを算出することができる。
従って、このようにすれば、マーカーMの傾き方向から、マーカーMを付された被検体Sの傾き方向を推定することができ、被検体Sの方向を撮影に好適な方向に調整することができる。
なお、マーカーMは、孔Maのエッジ部分が明瞭に分かるように、マーカーMの材料には放射線の減弱係数が大きい材料(例えば金属や磁石等)を用いるのが望ましい。
しかし、マーカーMの材料には放射線の減弱係数が小さい材料(例えば樹脂、木材等)を用いるのが望ましい場合もある。これは、マーカーの背後の画像も診断画像として使用したい場合等に、マーカー部分の画像が撮影されやすくするためである。
画像のマーカー部分を画像処理にて認識し、マーカー部分のコントラストを変える等の画像補正を行うことで、マーカーを画像上で視認しにくくする処理をさらに行うようにしてもよい。
また、マーカーMの撮影画像に基づく傾斜方向や傾斜角度の算出は、システム本体100A側で行ってもよいし、撮影装置100Bの画像処理部で行ってもよい。
[被検体の動き検知]
また、シリアル撮影においては、ユーザーが被検体Sのポジショニングを行ってから撮影を開始するまでの間や撮影の最中に、被検体Sが動いて所望の撮影状態から外れる場合がある、という課題に鑑み、例えば図29に示したように、放射線照射部103、放射線照射部103との相対位置が変化しない部位、あるいは相対位置を検知できる部位に設けられ、放射線の照射方向(被検体S)を撮影可能な光学カメラ43と、アーム102や、アーム102と放射線照射部103との連結部等に設けられ、放射線の照射方向を制御するアクチュエーター103bと、を備えるとともに、コンソール4や撮影制御部に、光学カメラ43が撮影した被検体Sの光学画像Ioを画像処理して被検体Sの動きを検出する検出手段としての機能と、検出手段が検出した被検体Sの動きに合わせてアクチュエーター103bを制御する制御手段としての機能を持たせるようにしてもよい。
このようにすれば、被検体Sが動いても、被検体Sの動きを検知し、その動きに応じて放射線照射部103の位置を制御することにより、所望の撮影状態を維持することができる。
なお、アクチュエーター103bや制御手段としての機能を備えずに、検出手段の検出結果に基づいて放射線照射部103の位置の補正方向や補正量をユーザーに通知する(ユーザーの調整を補助する)ようにしてもよい。
また、被検体Sの動きとして、方向だけではなく、角度も検出するようにしてもよい。
また、被検体Sの動きを画像処理で検出することが困難である場合には、被検体SにマーカーMを付し、マーカーMの動きを画像処理で検出し、被検体Sの動きを推定するようにしてもよい。
[カメラの利用]
立位の被検体Sの撮影あるいは撮影室での撮影では、放射線照射部や撮影装置の位置を比較的容易に調整することができる。
しかしながら、回診車100Aを用いた撮影は、立ち上がったり移動したりすることが困難な被検体Sを対象とすることが多く臥位(例えばベッドの上に仰向けの状態、ベッドの上面に対して斜め方向を向いた状態)での撮影が多くなる。この場合、放射線照射部103を高い位置に配置し、放射線を下方に向けて照射する必要があるため、放射線照射部103からの視点で放射線照射部103及び撮影装置100Bの位置を確認することは困難となる。
特に、背が低いユーザー(例えば女性技師等)が撮影する場合にはより困難となる。
このような課題に鑑み、例えば図30に示したように、放射線照射部103、放射線照射部103との相対位置が変化しない部位、あるいは相対位置を検知できる部位に設けられ、放射線の照射方向を撮影可能な光学カメラ43と、光学カメラ43が撮影した画像を表示する表示部41と、を備えるようにしてもよい。
このようにすれば、ユーザーは、表示部41に表示された放射線照射部103からの視点で撮影装置100B、被検体S、放射線照射部103の位置を調整することができ、作業性を向上させることができる。
また、撮影装置100B、被検体S、放射線照射部103の位置調整の不備により診断に利用することができない放射線画像を撮影してしまうリスクを低減することができる。
[圧力センサーの利用(1)]
臥位の被検体Sを撮影する際、撮影装置100Bはベッドと被検体Sとの間に配置される。このため、放射線照射部103側からは撮影装置100Bを視認しにくく、被検体Sと撮影装置100Bとの相対位置を把握することが困難であった。このため、被検体Sを望ましい位置にポジショニングすることが困難であった。
このような課題に鑑み、例えば図31に示したように、撮影装置100Bに作用する圧力を測定する圧力センサーSe2と、圧力センサーSe2の測定結果を表示する表示部41と、を備えるようにしてもよい。
圧力センサーSe2としては、例えば図32に示したように、圧力の面内分布を測定可能で放射線入射面61eと平行に配置される面状のものや、一点の圧力を測定可能で、放射線入射面に沿ってアレイ状に複数配置されるもの等が挙げられる。
なお、撮影装置100Bの放射線入射面61eを複数の領域(上下、左右、あるいはその両方)に分割するとともに各領域に圧力センサーSe2を配置し、各領域に圧力が作用したか否かを検知するようにしてもよい。
また、ある特定の部位の圧力を検知するように圧力センサーSe2を配置してもよい。
また、圧力センサーSe2は、例えば図33に示したように、撮影装置100Bの放射線入射面61e側に設けてもよいし、撮影装置100Bの放射線入射面61eから離れた面側に設けてもよい。
圧力センサーSe2を撮影装置100Bの放射線入射面61e側に設けた場合、撮影装置100Bにおける被検体Sが直接触れる側に圧力センサーSe2を配置することが出来るため、被検体Sの動きに対する圧力変動を、より早く、より感度良く測定することが可能となる。また、そのことにより、より迅速に正確に被検体Sのポジションを把握することが可能となる。
また、圧力センサーSe2を撮影装置100Bの放射線入射面61e側に設けた場合、放射線検出部63が圧力センサーSe2を透過してきた放射線に応じた電荷を蓄積することになるため、圧力センサーSe2の材質、構造によっては放射線画像Irに圧力センサーSe2が映り込む可能性がある。しかしながら、圧力センサーSe2が映り込んだ放射線画像は、被検体Sがいない場合の放射線画像にも映り込むため、例えば被検体Sを撮影する前に放射線画像Irを撮影することにより圧力センサーSe2の画像を予め取得しておき、被検体Sを撮影した放射線画像から圧力センサーSe2の画像を差し引くなどの画像処理を行うことにより、容易に圧力センサーSe2の映り込みを除去することも可能である。
一方、圧力センサーSe2を撮影装置100Bの放射線入射面61eから離れた面に設けた場合、撮影装置100Bは圧力センサーSe2を透過しない画像を取得することが出来るため、前述のような圧力センサーSe2の映り込みを除去する必要がなくなる。
このようにすれば、例えば図31の下部に示したような楕円で表される圧力センサーSe2による測定値の分布41aや、いくつかの領域や特定の部位における圧力センサーSe2の測定値の差等を表示部41に表示することができる。こうした情報から、被検体Sが撮影装置100Bのどの部位に圧力をかけているか否かを検出することができる。
また、被検体Sがどの部位に圧力をかけているかの情報から、撮影装置100Bに対して被検体Sがどの位置にいるか否かを推定することができ、被検体Sを所望の位置にポジショニングすることができる。
なお、ここまでは、被検体Sの体軸が放射線入射面61eの中心点を通るように被検体Sを配置することが好ましい場合の撮影手技について説明を行ったが、本実施例は、この場合以外の撮影手技においても適用可能である。
例えば、被検体Sの体軸が放射線入射面61eの中心よりも側方に所定距離(例えば右側三分の二)ずれた基準点を通るように被検体Sを配置することが望ましい撮影手技においては、図31(b)に示したように、測定値の分布を表す2つの楕円の間に基準点が位置するか否かを判別するようにすればよい。
また、放射線撮影システムに、圧力センサーSe2の値を撮影中も監視する監視手段としての機能と、監視手段が圧力センサーSe2の値の変化を検知した場合に音や光や表示等により撮影装置100Bと被検体Sとの位置関係に変化が生じた可能性があることをユーザーに報知する報知手段としての機能又は監視手段が圧力センサーSe2の値の変化を検知した場合に放射線の照射を止め、撮影を中止する撮影中止手段としての機能と、を備えるようにしてもよい。
このようにすれば、シリアル撮影を行う際に、撮影装置100Bあるいは被検体Sが動く(例えば、撮影装置100Bがずり落ちる等)ことによって撮影装置100Bと被検体Sとの位置関係が変わり、所望の撮影がされていない可能性があることを検出することができる。
[測長手段の利用]
撮影準備時、静止画撮影を行うとき、あるいはシリアル撮影を行うときには、被検体Sを撮影装置100Bの所望の位置にポジショニングする必要がある。
このような課題に鑑み、例えば図34に示したように、撮影装置100Bの端部に測長手段9を設けるようにしてもよい。
このようにすれば、被検体Sが撮影装置100Bに対して、所望の位置にポジショニングされているか否かを把握することができ、被検体Sが適切にポジショニングされた状態で撮影を行うことができる。
なお、測長手段9は、撮影装置100Bの片側に設け、片側からの距離で被検体Sの位置を検出するものとしてもよいし、撮影装置100Bの両側に設け、両側からの距離で被検体Sの位置を検出するものとしてもよいが、撮影装置100B両側に同様の測長手段9を設けることにより、より正確に被検体Sの位置を検出することができ、特に、被検体Sが撮影装置100Bの中央にポジショニングされることが好適な場合には有効となる。
また、測長手段9は、例えば筐体から引き出し可能なメジャーとしてもよいし、レーザーを用いた非接触式のものとしてもよいが、レーザーを用いた非接触式のもののように、測定にユーザーの手を直接必要としない測長手段9とすれば、シリアル撮影中も測長を継続し、シリアル撮影中に被検体Sが好適な撮影状態から動いていないかどうかを確認することができる。
また、測長の結果、被検体Sが動いていると判断した場合には、ユーザーに警告したり、放射線の照射を止め撮影を中止したりする等の対応をとるようにしてもよい。
[近接センサーの利用]
また、撮影準備時、静止画撮影を行うとき、あるいはシリアル撮影を行うときには、被検体Sを撮影装置100Bの所望の位置にポジショニングする必要がある、という課題に鑑み、撮影装置100B端部に、近接物検知センサーあるいは接触検知センサーを備えるとともに、放射線撮影システムに、近接物検知センターに近接する物体の有無、あるいは接触検知センサーに接触する物体の有無を判定する判定手段としての機能を持たせるようにしてもよい。
近接物検知センサーとしては、例えば静電容量方式のもの等を用いることができる。
また、接触物検知センサーとしては、抵抗膜方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、静電容量方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、電磁誘導方式のもの等を用いることができる。
また、近接物検知センサーSe3や接触物検知センサーSe3は、図35に示したように、撮影装置100Bの端部に直線状に延びるように配置することが望ましい。
また、そのようにする場合、センサーSe3を、延長方向に沿って複数の領域を有し、領域毎に物体の近接や接触を検知できるものにしてもよい。
このようにすれば、近接物あるいは接触物が撮影装置100Bに対してどの位置にあるか、あるいは近接物あるいは接触物が所望の位置(例えば撮影装置100Bの中央部)に位置しているか否かを判定することができる。
また、センサーSe3が領域毎に検知結果を、ユーザーに通知するようにしてもよい。
[撮影画像からのポジショニング確認]
また、撮影準備時、静止画撮影を行うとき、あるいはシリアル撮影を行うときには、被検体Sを撮影装置100Bの所望の位置にポジショニングする必要がある、という課題に鑑み、シリアル撮影時に撮影した1枚目の画像を用いて被検体Sが所望の位置にポジショニングされているか否かを確認するようにしてもよい。
具体的には、例えば図36に示したような流れで動作するように構成する。まず、1枚目の撮影を行い(ステップS1)、1枚目の画像を取得する(ステップS2)。そして、被検体Sが所望の位置にポジショニングされているか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、被検体Sが所望の位置にポジショニングされていると判定した場合(ステップS3;Yes)は、引き続き2枚目以降の撮影を行い(ステップS4)、処理を終了する。一方、ステップS3おいて、被検体Sが所望の位置にポジショニングされていないと判定した場合(ステップS3;No)は、その旨を通知し(ステップS5)、必要に応じて撮影を中止する。
なお、ステップS3の被検体Sが所望の位置にポジショニングされているか否かの判定は、撮影手技毎に判定方法や判定条件を変更するようにしてもよい。
例えば、画像の一部または全部から、画像が左右対称になっているか否かを判定することにより、被検体Sが画像の中央に位置しているか否かを判定したり、予め記憶されている撮影しようとしている撮影手技の画像と同じ構図の画像と、撮影した画像とを比較することにより、被検体Sが所望の位置にポジショニングされているか否かを判定したりすることができる。
撮影を開始するまでの間に、被検体Sが所望の位置から動いてしまった場合、撮影を行っても診断に利用できる撮影画像を得られない場合がある。しかし、本実施例のようにすれば、診断に利用できる画像ではないと判断した場合には被検体Sが所望の位置から動いていることをユーザーに通知するため、ユーザーはその通知によって撮影中の画像が診断に利用可能なものであるか否かを確認し、診断に利用することができないものである場合には撮影を中止することで、被検体Sが無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
また、被検体Sが所望の位置から動いていると判断した場合に自動で撮影を中止するようにすれば、被検体Sが無駄に被曝してしまうのをより一層防ぐことができる。
なお、シリアル撮影により得られる複数の隣接フレーム画像間の情報が重要である場合、1枚目のみでなく、1枚目から隣接フレーム画像間の情報を判別することができるようになるまでの複数の画像を元に判別を行うようにしてもよい。
このようにすれば、複数の隣接フレーム画像間の差分が診断に重要である撮影手技においても、診断に利用できる画像であるか否かを正確に判断することができる。
また、画像処理等に時間がかかり、2枚目の撮影までに判別が間に合わない場合には、2枚目以降の撮影動作に平行して1枚目の画像判別を行う構成としてもよい。
具体的には、例えば図37に示したような流れで動作するよう構成する。まず、1枚目の撮影を行い(ステップS11)、1枚目の画像を取得する(ステップS12)。そして、引き続き2枚目以降の撮影(ステップS13)と、撮影停止指示の確認(ステップS14)を交互に繰り返しつつ、それと並行して被検体Sが所望の位置にポジショニングされているか否かを判定する処理を行う(ステップS15)。ステップS15において、被検体Sが所望の位置にポジショニングされていると判定した場合(ステップS15;Yes)は、処理を終了する。このため、シリアル撮影は最後まで続けられる。一方、ステップS15おいて、被検体Sが所望の位置にポジショニングされていないと判定した場合(ステップS15;No)は、撮影停止指示を出力する(ステップS16)。すると、ステップS14の処理で撮影停止指示があったことが確認されるため、その旨を通知し(ステップS17)、必要に応じて撮影を中止する。
このようにすれば、画像処理に時間がかかる場合であっても、2枚目以降の撮影タイミングを遅らせることなく撮影を継続しつつ、診断に利用できる画像ではないと判断した場合には被検体Sが所望の位置から動いていることをユーザーに通知するため、ユーザーはその通知によって撮影中の画像が診断に利用可能なものであるか否かを確認し、診断に利用することができないものである場合には撮影を中止することで、被検体Sが無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
また、被検体Sが所望の位置から動いていると判断した場合に自動で撮影を中止するようにすれば、被検体Sが無駄に被曝してしまうのをより一層防ぐことができる。
また、前記ではシリアル撮影の1枚目撮影画像に対して判定を行うように記載したが、1枚目でなく、2枚目以降の画像に対して判定を行うようにしても良い。
例えば1枚目の撮影画像は、放射線の照射も初回となるため不安定となり判定に適さない場合がある。このような場合には、1枚目以降の放射線が安定してからの撮影にて判定しても良い。
また、撮影手技によっては、被検体Sは許容される体動をする場合がある。これは例えば被検体Sが呼吸を行う場合などには、呼吸に応じた体動が生じる。このような許容される体動の特定のタイミングに対して判定を行いたい場合には、前述のように1枚目の画像ではなく、撮影手技のタイミングに応じた撮影画像に対して判定を行えばよい。
[圧力センサーの利用(2)]
撮影を行う際、被検体Sには撮影装置100Bに十分に当接していることが求められる。しかし、撮影装置100Bは被検体Sの背面に設置するため、被検体Sが撮影装置100Bと十分に当接した状態であるか否かを確認することは困難であった。その結果、被検体Sが撮影装置100Bから離れているにもかかわらず、ユーザーがそのことに気付かずに撮影を行い、所望の放射線画像が得られなくなるという問題があった。
特に、手術前後等の経過観測では、患部の大きさ等の経時変化を撮影する必要があるため、条件を同一にして撮影を行う必要があるが、上述したように被検体Sと撮影装置100Bの当接状態の確認は困難であるため、条件を合わせるのが困難であった。
また、シリアル撮影においては、ユーザーが被検体Sのポジショニングを行ってから撮影を開始するまでの間や撮影の最中に、被検体Sが動いて所望の撮影状態から外れる場合がある。特に、ベッドに横たわる被検体Sの撮影等では、撮影装置100Bの固定が十分ではなく、被検体Sのわずかな動きで撮影装置100Bも動き、被検体Sと撮影装置100Bとの位置関係が変わり、所望の撮影状態から外れる場合があった。
このような課題に鑑み、撮影装置100Bに作用する圧力を測定する圧力センサーと、圧力センサーの測定結果を表示する表示部41と、を備えるようにしてもよい。
圧力センサーとしては、例えば圧力の面内分布を測定可能で放射線入射面と平行に配置される面状のものや、一点の圧力を測定可能で、放射線入射面に沿ってアレイ状に複数配置されるもの等が挙げられる。
また、撮影装置100Bの放射線入射面を複数の領域(上下、左右、あるいはその両方)に分割するとともに各領域に圧力センサーを配置し、各領域に圧力が作用したか否かを検知するようにしてもよい。
また、ある特定の部位の圧力を検知するように圧力センサーを配置してもよい。
このようにすれば、例えば図38に示したような楕円で表される圧力センサーによる測定値の分布や、いくつかの領域や特定の部位における圧力センサーの測定値の差等を表示部41に表示することができる。こうした情報から、被検体Sが撮影装置100Bに十分に当接した状態であるか否かを判断することができ、ユーザーは被検体Sに対し、撮影装置100Bとの当接状態を適切に指示あるいは調整することができる。
なお、図38(c)に示したように、表示部41に表示される左右の圧力値(楕円の大きさ)が異なる場合、被検体Sの撮影装置100Bへの当接が左右どちらかに偏った状態である可能性がある。なお、図38(c)には左右の圧力値が異なる場合を例示したが、同様に上下の圧力値の違いから、被検体Sの撮影装置100Bへの当接が上下のどちらかに偏った状態である可能性がある。
このように、ユーザーは圧力値の違いから、被検体Sの撮影装置100Bへの当接状態を推定することができ、ユーザーは被検体Sに適切な方向へ当接を変更するよう指示することができる。
[静止画撮影との比較確認]
シリアル撮影を行う前に静止画撮影を行い、被検体Sが撮影装置100Bの所望の位置にポジショニングされた状態であるか否かを、撮影した静止画を用いて確認する場合がある。しかし、静止画で被検体Sが所望の位置にポジショニングされていることを確認しても、静止画撮影からシリアル撮影に移行する間に被検体Sあるいは撮影装置100Bが動き、所望の撮影が行えないという問題があった。
このような課題に鑑み、事前に撮影した静止画を保存しておき、その後、シリアル撮影時に撮影した1枚目のフレーム画像と静止画とを比較することにより、被検体Sが所望の位置にポジショニングされているか否かを確認するようにしてもよい。
例えば、図36のステップS3(1枚目画像判断)を、事前に撮影した静止画画像との比較判断に変更したような処理を実行することで確認することが可能となる。
その際の確認は、判断部にて例えば画像同士の相関を比較する処理を行うことにより自動的に判断することが可能である。
比較した結果、1枚目のフレーム画像と静止画との差が大きいと判定した場合には、ユーザーにその旨を通知したり、放射線の照射を止めて撮影を中止したりするようにする。
このようにすれば、診断に利用できる画像ではないと判断した場合には被検体Sが所望の位置から動いていることをユーザーに通知するため、ユーザーはその通知によって撮影中の画像が診断に利用可能なものであるか否かを確認し、診断に利用することができないものである場合には撮影を中止することで、被検体Sが無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
また、被検体Sが所望の位置から動いていると判断した場合に自動で撮影を中止するようにすれば、被検体Sが無駄に被曝してしまうのをより一層防ぐことができる。
なお、シリアル撮影により得られる複数の隣接フレーム画像間の情報が重要である場合、1枚目のみでなく、1枚目から隣接フレーム画像間の情報を判別することができるようになるまでの複数の画像を元に判別を行うようにしてもよい。
このようにすれば、複数の隣接フレーム画像間の差分が診断に重要である撮影手技においても、診断に利用できる画像であるか否かを正確に判断することができる。
また、画像処理等に時間がかかり、2枚目の撮影までに判別が間に合わない場合には、上記「撮影画像からのポジショニング確認」と同様に、2枚目以降の撮影動作に平行して1枚目の画像判別を行う構成としてもよい。
このようにすれば、画像処理に時間がかかる場合であっても、2枚目以降の撮影タイミングを遅らせることなく撮影を継続しつつ、診断に利用できる画像ではないと判断した場合には被検体Sが所望の位置から動いていることをユーザーに通知するため、ユーザーはその通知によって撮影中の画像が診断に利用可能なものであるか否かを確認し、診断に利用することができないものである場合には撮影を中止することで、被検体Sが無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
また、被検体Sが所望の位置から動いていると判断した場合に自動で撮影を中止するようにすれば、被検体Sが無駄に被曝してしまうのをより一層防ぐことができる。
[体動検知方法(1)]
シリアル撮影においては、被検体Sの動きが、診断対象となる特定の体動(呼吸)であるのか、診断対象とはならない特定の体動以外の体動であるのかについて、撮影画像のみでは区別することが困難な場合がある。
このような課題に鑑み、例えば図39,40に示したように、放射線撮影システムに、被検体Sの重心位置を検出する重心検出装置100Dを備え、撮影中に、重心位置の変化を特定の体動以外の体動として検出するようにしてもよい。
重心検出装置は、被検体Sが乗ることにより、例えば面内の少なくとも3点の荷重(点を集合させて線圧や面圧の測定より導出してもよい。)を測定し、それぞれの測定点の座標と荷重値から重心を推定構成可能なものとする。
また、体動検出装置100Cに、送信されてきた時系列に並んだ重心位置の情報を元に体動の有無を判断する機能を持たせる。
体動検出装置100Cが体動ありと判断した場合には、その旨をユーザーに通知したり撮影を中止したりするようにする。
呼吸による体動は非常に小さいため、このようにすれば、被検体Sに何か特別な装具等をつけることなく、移動による体動を呼吸による体動と区別して検出することができる。
また、複数のポジショニング(立位又は座位)に応用することが可能である。
また、既設の放射線撮影システムに対しても導入することができる。
なお、上記第一実施形態と同様、体動検出装置100Cを独立した装置とするのではなく、コンソール4が体動検出装置100Cを兼ねる形としてもよい。
また、体動検出装置100Cに、時系列に並んだ重心情報を時間微分し、その変化量を判断基準としてもよい。このようにすれば誤検知を減らすことができる。
[体動検知方法(2)]
また、シリアル撮影においては、被検体Sの動きが、診断対象となる特定の体動(呼吸)であるのか、診断対象とはならない特定の体動以外の体動であるのかについて、撮影画像のみでは区別することが困難な場合がある、という課題に鑑み、放射線撮影システムに、被検体Sの自重による面圧力を検出する圧力検知手段100Eを備え、撮影中に、圧力の変化を特定の体動以外の体動として検出するようにしてもよい。
より具体的には、パネル状をした撮影装置100Bに圧力検知手段100Eとしての圧力センサーを設けてもよい。
圧力センサーは、撮影装置100Bと一体としてもよい。あるいはシート状の圧力センサーを別体として設け、必要に応じ撮影装置100Bに取り付け、用いてもよい。
圧力検出装置は、例えば図41に示したように、被検体Sの立つ位置や、腰かける座面、ベッドの上等に撮影装置100Bと重ねて配置することができる。
また、体動検出装置100Cに、送信されてきた時系列に並んだ重心位置の情報を元に体動の有無を判断する機能を持たせる。
体動検出装置100Cが体動ありと判断した場合には、その旨をユーザーに通知したり撮影を中止したりするようにする。
呼吸による体動は、診断に必要な画像に影響が出る程の体動に比べ非常に小さく、その圧力変化は、診断に必要な画像に影響が出る程の体動体動による圧力変化に比べ十分に小さいため、圧力検知手段により検知されにくい。このため、圧力検知手段により検知された圧力変化は、診断に必要な画像に影響が出る程の体動によるものとみなすことができる。従って、このようにすれば、被検体Sに何か特別な装具等をつけることなく、移動による体動を呼吸による体動と区別して検出することができる。
シリアル撮影の場合には、静止画撮影と異なり、被検体Sの通常の体動を動態として撮影することが可能である。このような通常の体動としては、例えば呼吸や心拍などが挙げられる。
一方、被検体Sの通常の体動を撮影する際に、被検体Sがユーザーの意図しない体動、あるいは診断可否の影響を与える体動を起こす場合がある。このようなユーザーの意図しない体動、あるいは診断可否の影響を与える体動としては、例えば被検体Sが前後左右の方向に傾く、倒れる、といった動きが挙げられる。
このユーザーの意図しない体動、あるいは診断可否の影響を与える体動は、通常の体動に比べて動きが大きい場合が多く、通常の体動による圧力変化に対して、ユーザーの意図しない体動、あるいは診断可否の影響を与える体動による圧力変化は大きくなる場合が多い。
そこで、圧力検知手段により圧力を検知し、特定の圧力以上の圧力変動を検知した場合にはユーザーの意図しない体動、あるいは診断可否の影響を与える体動が生じたとみなすことができる。
従って、このようにすれば、被検体Sに何か特別な装具等をつけることなく、ユーザーの意図しない体動、あるいは診断可否の影響を与える体動を通常の体動と区別して検出することができる。
なお、この圧力検知手段を用いた体動の検出は、複数のポジショニング(立位又は座位)に応用することが可能である。
また、既設の放射線撮影システムに対しても導入することができる。
なお、体動検出装置100Cを独立した装置とするのではなく、コンソール4が体動検出装置100Cを兼ねる形としてもよい。
[体動規制手段]
また、上記体動検知方法を用いた体動の検知において、例えば図42に示したように、被検体Sを固定する固定具fを用い、被検体Sの一部分を固定もしくは規制可能な固定具fによって被検体Sのふらつきや関節の動きを物理的に規制するようにしてもよい。
固定具fは、被検体Sの体幹と腕、体幹と足のように被検体Sの関節をまたぐように固定するものとしてもよい。
また、固定具fは、装置や器具に組み込まれ、関節の固定に加えて、装置や器具の位置ずれも防止可能な構成としてもよい。
また、固定具fは、握り棒g等、撮影装置100Bに取付可能な形態としてもよい。
また、固定具fは、ストレッチャー等、撮影装置100B以外の器具に備えられていてもよい。
また、固定具fは、関節を跨いで固定するのではなく、関節そのものを抑える構造としてもよい。
このようにすれば、被検体Sの体動そのものを減らすことができる。
また、骨の移動が減るため、画像処理の精度が向上したり、ノイズを軽減したりすることができる。
また、これらの体動を規制する固定具f等の手段は、放射線を透過しやすい部材で構成することが望ましい。例えば、金属等、放射線を透過しにくい部材は使用せず、樹脂等の放射線を透過しやすい部材で製作されることが望ましい。
あるいは、これらの体動を規制する固定具f等の手段は、撮影により観察したい関心領域を避けた位置にて体動を規制することが望ましい。
[体動検知方法(3)]
なお、上述した固定具fを用いた撮影において、加速度センサーを併用するようにしてもよい。
具体的には、固定具fに加速度センサーを設けるとともに、その信号を体動検出装置100Cへ送信する送信手段を設ける。
また、体動検出装置100Cに、加速度センサーからの信号に基づいて体動の有無を判定する機能を持たせる。
このようにすれば、体動検出の信頼性が向上する。
[体動検知方法(4)]
また、上述した固定具fを用いた撮影において、力検出センサーを併用するようにしてもよい。
具体的には、固定具fにおける被検体Sに当接する面に力検出センサーを設けるとともに、その信号を体動検出装置100Cへ送信する送信手段を設ける。
また、体動検出装置100Cに、加速度センサーからの信号に基づいて体動の有無を判定する機能を持たせる。
なお、力検出センサーは、一点にのみ配置して一点で加速度を検出するようにしてもよいし、連続的に複数を配置してそれぞれの相関関係から体動を推定するようにしてもよい。
また、センサーはある特定のレンジにおいて分解能をもったものでもよいし、ハイ又はローの信号のみを出力するものでもよい。
このようにすれば、体動検出の信頼性が向上する。
[体動可能範囲の表示]
上記第二発明第二実施形態において、放射線撮影中に、被検体Sを光学カメラ43で撮影し、撮影した画像より被検体Sの体動が許容される領域Rを導出し、被検体S又はユーザーへ通知するようにしてもよい。
具体的には、コンソール4等に、撮影した画像に基づいて被検体Sの体動が許容される許容領域Rを導出する機能を持たせ、例えば図43に示したように、被検体が見える位置に設けられた表示部41を用いて撮影した被検体Sの周囲に当該許容領域Rを表示するようにする。
このようにすれば、被検体Sに許容領域R(範囲)を視覚的に提示することで、被検体S自身がその許容領域Rを出ないよう注意することとなり、位置を合わせ込む作業ができる。
なお、許容領域Rを出た場合には、撮影を中止するようにしてもよい。
[被検体の保持部]
また、上記体動検知方法(1),(2)において、被検体Sを固定する固定具fを用い、被検体Sの一部分を固定もしくは規制可能な固定具fによって被検体Sのふらつきや関節の動きを物理的に規制するようにしてもよい。
特に、被検体Sが人体や動物の場合、生物的な構造により、被検体Sには凹部や凸部が存在し、それらを無理に平坦な固定部により固定すると、被検体Sに痛みや違和感生じさせてしまうため、長時間に亘り被検体Sの体動を抑制し、被検体Sの姿勢を当初のまま維持させることが困難となる。
そこで、固定具fを、例えば図44に示したように、被検体S全体を載置可能な平板状に形成されるとともに、その表面に、被検体Sの身体の少なくとも一部が入り込む開口O、凹凸又はこれらの組み合わせが形成されたものとすることができる。
特に、顔等の呼吸を行う部位が圧迫された状態でされてしまうと、被検体Sは呼吸が困難となり、より強い痛みや違和感を生じさせることとなり、体動の抑制や姿勢の維持がより一層困難となる。
そこで、図443に示したように、固定具fにおける顔等の呼吸を行う部位と対向する部位に凹部あるいは開口Oを設けることで、被検体Sに痛みや違和感が生じるのを防ぎ、長時間に亘り体動を抑制することが可能となる。
なお、固定具fは、撮影台Ta自体に組み込まれていてもよいし、撮影台Taに対して取り外し可能な形態としてもよい。
このようにすれば、被検体Sの体動そのものを減らすことができる。
また、骨の移動が減るため、画像処理の精度が向上したり、ノイズを軽減したりすることができる。
[体動の検知と撮影の中断]
シリアル撮影においては、撮影中に発生した被検体Sの体動をユーザーが定量的に把握することが困難であった。
このような課題に鑑み、動態解析処理に影響が出る被験体Sの体動を撮影した動態画像から検知するようにしてもよい。
具体的には、放射線撮影システムに、例えば図45に示したように、撮影画像中に設定された体領域R(輪郭線)のうちの特定領域Rの動き量を測定し、特定領域Rの動き量に基づいて体動が発生したか否かを判定する図示しない画像処理装置を備えるようにする。
被検体体Sの体領域Rの検出には、例えば判別分析法を使用することができる。
特定領域Rの動き量の測定には、例えばテンプレートマッチング処理を使用することができる。
体動が発生したと判定した場合には、その旨をユーザーに報知(表示部41に表示)したり、撮影を中止したりするようにする。
このようにすれば、ユーザーは、体動に伴う再撮影の要否を感覚的にではなく定量的に判断することができる。
また、体動の検知により、コンソール4や、スピーカー31bや表示部41、図示しないランプ等の通知手段を用いて、体動が発生したことをユーザーに通知する構成とすることができる。このようにすれば、ユーザーは、通知を受けることで、曝射スイッチ31aの押下を解除する等の操作を行い、撮影を中断することが可能となる。
あるいは、撮影制御部2が、上記の体動の検知に基づいて自動的に撮影を中断する構成としてもよい。また、自動的に撮影を中断した場合に、体動があったことにより撮影を中断したことを通知する構成としてもよい。
[体動レベルの表示]
また、上述したように、動態画像から被験体Sの体動を検知する場合には、撮影中に発生した被検体Sの体動の、解析への影響度を判断するようにしてもよい。
具体的には、例えば図46(a)に示したように、体領域の特定領域Rを指定し、図示しない画像処理装置に、測定した特定領域Rの動き量に基づいて、その後行う動態解析処理に出ることが予測される影響の大きさを算出する機能を持たせる。
算出した影響度は、表示部41に例えば図46(b)に示したようなグラフ等の形で表示するようにする。
また、体動の大きさ、方向、タイミング、頻度などを加味し、解析の種類に応じた影響度を算出する構成とすることが出来る。そのようにする場合、例えば図46(b)に示すように、解析の種類毎に影響度を表示することで、ユーザーに影響度合いを通知する構成としても良い。
例えば、A解析処理として換気量の解析を行う場合、被検体Sが左右に許容される範囲で体動を起こしても、各フレーム画像に対して肺野の大きさは撮影画像から解析し取得することが可能であり、肺野の拡張・収縮量を算出することは可能となる。そこで、例えば図46(b)のA解析処理として肺野の拡張・収縮量の解析を選択すると、上記の理由から影響度は低く算出され、表示される。
一方で呼吸時の骨の動きなどを解析する場合には、呼吸による体動以外のユーザーの意図しない体動で体全体が動いてしまうと、呼吸での骨の動きに、呼吸による体動以外のユーザーの意図しない体動が加わった動きとなるため、体動による影響度が大きくなる。そこで例えば図465(b)のB解析処理として呼吸時の骨の動き解析を選択すると、上記の理由から影響度は高く算出され、表示される。
このように選択する解析処理により体動の大きさ、方向、タイミング、頻度などにより体動の影響度は異なり、それぞれに適切な計算方法により計算することで、その影響度を表示することが可能である。
なお、撮影中止の判断は、この表示を確認したユーザーが判断するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザーは、体動に伴う再撮影の要否をその後に行う動態解析処理への影響を加味して判断することができる。
[レベルによる判断]
また、事前に再撮影可能であるか、あるいは撮影を中断するかの判断の分かれ目となる影響度のレベルを事前に設定できる構成とすることもできる。
また、事前に設定したレベルを超過した場合に、スピーカー31bや表示部41、図示しないランプ等の通知手段を用いて事前に設定したレベルを超過した体動が発生したことをユーザーに通知する構成とすることもできる。
あるいは、事前に設定したレベルに応じ、自動的に再撮影や撮影の中断を行うように制御する構成とすることもできる。
また、上述したように、動態画像から被験体Sの体動を検知する場合には、撮影中に発生した被検体Sの体動を定量的にだけではなく、経時的に把握するようにしてもよい。
具体的には、図示しない画像処理装置に、体動が発生したと判定した場合にその判定タイミングを出力する機能を持たせる。
体動が発生したと判定した場合には、体動が発生したタイミングと体動量を表示したり、撮影を中止したりするようにする。図47に示したようなグラフの形で表示してもよい。
なお、撮影中止の判断は、この表示を確認したユーザーが判断するようにしてもよい。
このようにすれば、ユーザーは、体動に伴う再撮影の要否を感覚的ではなく定量的に判断することができるだけでなく、体動の発生タイミングが分かるため使用できるフレーム画像とそうでないフレーム画像の判断ができる。
なお、このような解析に対する影響度は、撮影時のみではなく、例えば撮影画像を後から解析する場合に利用することも可能である。すなわち、選択しようとしている、あるいは選択した解析方法に対する体動の影響度として表示し、ユーザーに情報を提示する構成としても良い。
[呼吸による動きの表示]
また、上述したように、動態画像から被験体Sの体動を検知する場合には、検出した体動が呼吸に付随するものであるか否かを判断するようにしてもよい。
具体的には、図示しない画像処理装置に、動態解析処理に影響が出る被験体Sの体動を、被験体Sの体の認識結果から検知する機能を持たせ、図示しない画像処理装置が体動を検知した場合に、体動発生タイミングと体動量をコンソール4の表示部41に表示するようにする。
表示の仕方としては、例えば図48(a)に示すように、体領域の特定領域R,Rを指定し、指定した特定領域R,Rの体動量を算出するように構成することが出来る。特定の体領域は、例えばテンプレートマッチング処理などにより同定することが可能であり、同定された特定領域R,Rの各画像の位置を算出することにより、体動量を算出することが出来る。算出される体動量は距離として算出することも可能であるし、X方向、Y方向、体軸方向などのように特定方向の移動量として算出することも可能である。
また、算出した体動量は、図48(b),(c)に示したようなグラフの形とし、そこに、閾値(判断の分かれ目となる影響度のレベル)を併せて表示することが可能である。
閾値は、呼吸に付随する体動における平均的な動作量よりも大きな値とすることにより、呼吸に付随した体動より大きな体動が生じたか否かをユーザーが把握することが可能となる。
そして、撮影中止の判断はこの表示を確認したユーザーが判断することが可能となる。
このようにすれば、ユーザーが体動に伴う再撮影の要否を感覚的ではなく定量的に判断可能、かつ体動発生タイミングが分かることで診断に使用できる時間帯の画像とそうでない時間帯の画像の判断ができ、呼吸に付随した体動より大きな体動が生じていないと判断された診断に使用できる時間帯の画像を用いて診断を行うことが可能となる。
また体動が呼吸に付随する動きなのか判断ができる。
なお、例えば図48に示したように、複数の特定領域R,Rに対して体動量を算出し、それらの相関から判断しても良いし、1つの特定領域R,Rに対しての体動量で判断するようにしても良い。
[呼吸による動き以外での判断]
また、上述したように、動態画像から被験体Sの体動を検知する場合には、動き量を測定する特定領域を、体領域における呼吸に伴い動くことがないと想定される部位(以下不動部位)に限定して設定するようにしてもよい。
不動部位としては、例えば腰椎や肺尖、肺尖ライン等が挙げられる。
不動部位を対象として体動を検知する処理方法としては、例えばコンソール又は専用の装置に、不動部位の位置、あるいは図49(b)に示したようなテンプレート画像Itを予め保持しておく。そして、図49(a)に示したように、各撮影画像から、各撮影画像に対して事前に指定しておいた位置にて不動部位の部分画像Ipを抽出する、あるいは事前に保持しておいたテンプレート画像Itと比較することにより撮影画像における不動部位の位置を抽出する。このようなテンプレート画像を用いて位置を抽出する方法としては、画像の相関を評価する方法や、パターンマッチング処理を用いることができる。
例えば、事前に呼吸に伴い動くことが少ない部位である脊椎の画像をテンプレート画像Itとして保持しておき、撮影された各画像に対して画像の相関を評価する方法や、パターンマッチング処理により脊椎の位置を撮影した各画像に対して特定する。脊椎の位置を特定することで、それらの各画像の中で、各画像に対する脊椎の相対位置(各画像の短部からの距離)を把握することができる。
このようにして抽出した不動部位が撮影期間中に動いた場合、呼吸以外の動き、すなわち体動が発生したと判断することができる。また、抽出した不動部位について、例えば横方向に動いた量や、重心の移動した量等の特徴量を更に抽出することで、不動部位の体動の程度を把握することが可能となる。
なお、そのような場合、更に、特徴量が予め設定しておいた閾値を超えたと判断した場合に、スピーカー31bの音声出力や表示部41の表示、図示しないランプの発光等により、特徴量が閾値を超えたこと、すなわち体動等の異常が発生した可能性があることをユーザー通知する構成とすることができる。
あるいは、特徴量が閾値を超えたと判断した場合に、放射線の照射や撮影を停止し、撮影を中断あるいは中止する構成としてもよい。その際、スピーカー31bの音声出力や表示部41の表示、図示しないランプの発光等により、特徴量が閾値を超えたために、撮影を中断あるいは中止したことを通知する構成としてもよい。
あるいは、特徴量を数値やグラフで表示することで、再撮影となるような体動を発生させていないかどうかユーザーが認識できるようにしてもよい。
このようにすれば、体動が検出された時点で動態解析処理に影響が出る体動であるか否かを判断できるため、体動による撮影中止の判断が容易となる。
[肺野位置による体動検知]
撮影中に発生した被検体Sの体動を検知するのに、呼吸の影響を受けない特定の構造物(上述した不動部位を含む)を利用する方法があるが、そのような構造物の検出とその追跡はユーザーにとって困難であった。
このような課題に鑑み、各フレーム画像の肺野領域を抽出し、例えば図50に示したように、左右肺野それぞれに縦方向の中心線Lcを引く。この2本の中心線Lcの位置関係から体動の発生、体動きによって生じた動き量(平行移動、回転、ねじれ、以下体動情報)を判断するようにしてもよい。
特に平行移動、回転、ねじれなど全体の動作は、画像の特定部位の動きを追っても把握しにくい場合があり、このように画像の特定部分に中心線Lcのような仮想線を設定し、その動きを追うことで、容易にこれら平行移動、回転、ねじれなど全体の動作を容易に把握し、仮想線の変動量として、体動量を算出することが可能となる。
この仮想線は、例えば特定領域の中心線Lcや、対称性を持つ領域の対称線などを用いることで特に平行移動、回転、ねじれなど全体の動作の動作量を仮想線の動きとして算出することが可能となる。
特定領域の中心線Lcとしては、例えば肺野の中心線や、特定臓器の中心線、特定骨の中心線などに対して利用することが出来る。
対称領域の対称線としては、例えば左右肺野の対称線、左右肋骨の対称線などに対して利用することが出来る。特に人体は左右対称に配置された臓器が多いため、これらに対して対称線を算出し、その動きを算出する方法を用いることが可能である。
なお、撮影中に体動を検知した場合には、撮影中止を促すようにしてもよいし、そのまま撮影を継続し、体動情報(平衡移動、回転、ねじれ)を用いて画像に補正処理を施すようにしてもよい。
このようにすれば、検出が難しい特定の構造物の検出を行うことなく、体動情報(平行移動、回転、ねじれ)を精度良く抽出することができる。
また、体動情報(平衡移動、回転、ねじれ)の定量値をこれら中心線Lcや対称線などの仮想線の動き量として算出することが可能となる。
[直接放射線領域による体動検知]
体動検知に用いる特定の構造物を撮影中に検知するのは処理時間の観点から困難であった(リアルタイム処理に耐えうるソフトやハードを用意するのが困難であった)。
このような課題に鑑み、シリアル撮影中に、例えば図51に示したような、各フレーム画像における被検体Sが写っていない直接放射線領域Rdの面積を算出し、この面積の変化から体動の発生を判断するようにしてもよい。
直接放射線領域Rdは、放射線が被検体Sを介さずに撮影装置100Bに入射する領域であり、被検体Sを介して放射線が入射する領域よりもはるかに強い放射線が入射する。そのため、放射線画像Irにおける直接放射線領域Rdの濃度は、被検体Sを撮影した体領域Rよりもはるかに高くなる。そのため、濃度の閾値を体領域Rの平均的な濃度と直接放射線領域Rdの濃度との間に設定すれば、容易に直接放射線領域Rdの面積を算出することが可能となる。
このようにすれば、特定の構造物の検出を行う必要がなく、ベタ部分の抽出処理は簡易な処理であるため、計算処理能力が低い処理装置を用いてもリアルタイムでの処理ができる。
[関心領域の変化による検知]
また、体動検知に用いる特定の構造物を撮影中に検知するのは処理時間の観点から困難であった、という課題に鑑み、例えば図52(a)に示したように、肺野内に関心領域(ROI)を設定し、シリアル撮影中に関心領域(ROI)から抽出された濃度波形の乱れに基づいて体動の発生を検知するようにしてもよい。
具体的には、コンソール4等に入力された画像データから、コンソール4等の処理部が関心領域(ROI)の画像の濃度や濃度変化を解析し、時系列データを生成する。生成した時系列データ(グラフ)は、表示部41等に表示し、体動発生タイミングをユーザーが認識できるようにしてもよい。
また、前記関心領域(ROI)の画像の濃度や濃度変化に対する閾値を設定できるようにしてもよい。
また、コンソール4等の処理部は、撮影中の画像データから取得する関心領域(ROI)の画像の濃度や濃度変化が、予め設定された閾値を超えたと判断した場合に、スピーカー31bや表示部41、図示しないランプ等により、関心領域(ROI)の画像の濃度や濃度変化が閾値を超えた、すなわち体動等の異常が発生した可能性があることをユーザーに通知する構成とすることができる。
あるいは、図52(b)に示したように、画像の濃度や濃度変化が閾値を超えたと判断した場合に、放射線の照射や撮影を停止し、撮影を中断あるいは中止する構成としてもよい。その際、スピーカー31bの音声出力や表示部41の表示、図示しないランプの発光等により、体動等の異常が発生した可能性があるために、撮影を中断あるいは中止したことを通知する構成としてもよい。
このようにすれば、特定の構造物の検出を行う必要がなく、濃度波形の抽出処理は簡易な処理であるため、リアルタイムでの処理ができる上、処理失敗の可能性を低くすることができる。
[動態解析による検知]
撮影した動態画像が問題なく動態解析処理を行えるものである否か(主に体動が発生しているか否か)を撮影中に判断することはユーザーにとって困難であった。
そこで、例えば図53に示したように、シリアル撮影中に所定枚数(Nフレーム)得られたフレーム画像を用いて動態解析処理を開始し、撮影の最中から解析結果を表示部41等に表示するようにしてもよい。
このようにすれば、撮影した動態画像が問題なく動態解析処理を行えるものであるか否かを撮影中から判断することができ、問題があると判断した場合に直ちに撮影を中断することで、被検体Sが無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
[関心領域と撮影領域による検知]
所望の撮影対象領域が撮影されていない状況でシリアル撮影を継続してしまうことがある。そうなると、被験体は無駄に被曝してしまうこととなる。
このような課題に鑑み、シリアル撮影中に所望の撮影対象領域が撮影範囲から外れた場合には、例え体動量は少なくとも撮影中止をユーザーに促すメッセージを表示部41等に表示するようにしてもよい。
撮影対象領域が撮影範囲から外れたか否かの判定は、例えば図54に示したように、撮影対象領域の輪郭線Loが画像の縁Eと交差したか否かによって判定することができる。
このような判定は、コンソール4等の処理部が、入力された画像データから、各画像の関心領域を抽出処理し、その輪郭を縁どる輪郭線Loを作成する。これが撮影画像の縁Eと交差するか否かを計算判別する構成を用いることができる。
なお、そのような場合、更に、輪郭線Loが画像の縁Eと交差したと判断した場合に、スピーカー31bの音声出力や表示部41の表示、図示しないランプの発光等により、関心領域の輪郭線Loが撮影画像の縁Eと交差したこと、すなわち体動等の異常が発生した可能性があることをユーザー通知する構成とすることができる。
あるいは、関心領域の輪郭線Loが撮影画像の縁Eと交差したと判断した場合に、放射線の照射や撮影を停止し、撮影を中断あるいは中止する構成としてもよい。その際、スピーカー31bの音声出力や表示部41の表示、図示しないランプの発光等により、関心領域の輪郭線Loが撮影画像の縁Eと交差したために、撮影を中断あるいは中止したことを通知する構成としてもよい。
あるいは、輪郭線Loと撮影画像の縁Eとの距離を算出し、この距離を数値やグラフで表示することで、関心領域が撮影画像の端に近づいているか否か、近づいている場合にはそれがどの程度であるかをユーザーが認識できるようにしてもよい。あるいは輪郭線Loと撮影画像の縁Eとの距離を繰り返し算出し、この距離が特定の距離以下になった場合に、前記の警告や、撮影中止を行うようにしてもよい。
このようにすれば、所望の撮影対象領域が撮影されていない状況でうっかりシリアル撮影を継続してしまう可能性を低減することができる。
[特定領域ごとの検知]
呼吸に伴う特定の体動とそれ以外の体動を一律の動きだけで区別することは困難であった。
このような課題に鑑み、例えば図55に示したように、シリアル撮影中に被験体Sの特定領域R〜Rの動き(量及び方向)を検出し、その動きが特定領域R〜Rにおける基本的な動きから外れた場合に特定の体動以外の体動があったと判断するようにしてもよい。
特定領域R〜Rとしては、肩、わき腹、横隔膜等が挙げられる。こうした部位が、通常の呼吸動作を行う際に動く量や動く方向は、ある程度決まっているため、そうした動く量や方向の閾値を特定領域R〜R毎に許容範囲として事前に設定しておき、検出した特定領域R〜Rの動き量や方向がその閾値を超えたと判断した場合に、体動があったと判断することができる。
例えば、呼吸時の肩部や横隔膜は基本的に上下方向に動く。そして、その動き量については、一般的な呼吸状態の撮影から最大動作量を設定することが可能である。
具体的には、肩部を特定領域R、横隔膜を特定領域Rとしてそれぞれ設定し、この特定領域R,Rに対して、基本的な動きとは異なる左右方向の動作量を評価することで、撮影時、あるいは撮影後の画像解析時に、指定した肩部や横隔膜の動きが呼吸に伴う基本的な動きと異なる動きをしてないかどうかを判断することが可能となる。
また、呼吸時のわき腹は基本的に左右方向に動く。そして、その動き量についても、一般的な呼吸状態の撮影から最大動作量を設定することが可能である。
具体的には、わき腹を特定領域Rとして設定し、この特定領域Rに対して、基本的な動きとは異なる上下方向の動作量を評価することで、撮影時、あるいは撮影後の画像解析時に、指定したわき腹の動きが呼吸に伴う前記基本的な動きと異なる動きをしていないかどうかを判断することが可能となる。
なお、体動があったと判断した場合に、撮影中止をユーザーに促すメッセージを表示部41等に表示する構成とすることができる。
また、スピーカー31bの音声出力や表示部41の表示、図示しないランプの発光等により、特定領域R〜Rに呼吸以外の動きである体動が発生した可能性があることをユーザー通知する構成とすることもできる。
あるいは、検出した特定領域R〜Rの動き量や方向がその閾値を超えたと判断した場合に、放射線の照射や撮影を停止し、撮影を中断あるいは中止する構成としてもよい。その際、スピーカー31bの音声出力や表示部41の表示、図示しないランプの発光等により、特定領域Rに体動が発生したために、撮影を中断あるいは中止したことを通知する構成としてもよい。
また、これら特定領域R〜R毎に設定する閾値、動く量と動く方向とでそれぞれ独立して設定できる構成とすることができる。
特定領域R〜Rは、特定の体動に伴う動き量や方向はある程度決まってくるため、本実施例のようにすれば、高い精度で体動を検出することができる。
[撮影期間中の解析]
シリアル撮影によって得られた動態画像は、動態解析処理(例えば換気解析等)を行った後でないと所望の撮影ができているかどうか判別することができなかった。
このような課題に鑑み、シリアル撮影中に撮影装置100Bから送信されてきたフレーム画像から順に動態解析処理を開始し、その解析結果が所望の結果であるか否かを撮影中に判別するようにしてもよい。
動態解析処理は、コンソール4又は専用の装置で行う。
そして、コンソール4又は専用の装置は、例えば図56に示したような処理を行う。まず、フレーム画像を受信し(ステップS21)、受信したフレーム画像を解析する(ステップS22)。具体的には、例えば前のフレーム画像との差分が所定以上であるか否か、あるいはテンプレートとなる解析結果のデータと比較して差分が大きいか否かを判定する。ここで、解析結果が所望の結果である(差分が小さかった)場合(ステップS23;Yes)には、ステップS21の処理に戻り引き続きフレーム画像を受信する。一方、解析の結果が所望の結果でないと判定した場合(ステップS23;No)には、その旨をユーザーに通知したり、撮影を中止したりする。
なお、これらの動作は、指定した他の撮影期間の撮影中に撮影と並行して行う構成とすることができる。
このようにすれば、所望の解析結果が得られたか否かを撮影中に判別することができ、その結果に応じて通知または撮影の中止を行うことで、被検体Sが無駄に被曝してしまうのを防ぐことができる。
[撮影中の画像転送]
シリアル撮影によって得られる動態画像は、多くのフレーム画像からなりデータ量が大きいため、無線通信の場合、画像サーバー(PACS等)に転送するのに時間がかかってしまう。
このような課題に鑑み、シリアル撮影を終えてから動態画像を転送するのではなく、シリアル撮影中に撮影装置100Bが出力したフレーム画像を順次画像サーバーに転送するようにしてもよい。
なお、その際に使用するアクセスポイントは、撮影直前に接続していたものと同じとする。
アクセスポイントは、コンソール4との通信を行うためのものであり、ネットワーク上で画像サーバーに接続されている。
シリアル撮影中、コンソール4は動かず、撮影直前に接続したアクセスポイントとの通信が途切れる可能性は低いため、本実施例のようにすれば、動態画像を安定的に画像サーバーへ送信することができる。
[遅延画像の表示]
シリアル撮影の場合、撮影を終了した後でないと撮影画像の本確認を行うことができない。このため、確認の結果、再撮影を行うことになると、被検体Sはシリアル撮影一回分無駄に被曝することとなってしまう。
また、リアルタイムのフレーム画像を表示すると、例えばユーザーが被検体Sを直接目視している期間の撮影画像を確認することができない。特に撮影の初期段階では、ユーザーは被検体Sを直接目視しながら撮影操作を開始する場合があり、そうした場合、撮影開始直後の撮影画像を確認することができない。
また、被検体Sの表面に現れる体動は、被検体Sを直接確認しながら撮影することで確認することが可能であるが、被検体Sの表面に現れない内部の体動は、撮影画像を確認しなければ確認することができない。一方で、被検体Sが苦しんでいる等の被検体Sの状態は、被検体Sを直接目視するほうが確認しやすい。
このような課題に鑑み、シリアル撮影の間、システム本体100Aの表示部41等に、現在撮影しているリアルタイムのフレーム画像でなく数秒前に撮影したフレーム画像を表示する(画像の表示にタイムラグを持たせる)ようにしてもよい。
このように、リアルタイムのフレーム画像ではなく、少し前に撮影されたフレーム画像を表示することで、撮影初期のみ被検体Sを直接目視しながら撮影操作を開始し、その後に表示部41等に目を向けても、診断を行う上で目視よりも重要である撮影画像を全撮影期間に亘って確認しながら撮影を行うことが可能となる。
また、本発明に係る、撮影画像を少し遅らせて表示する構成は、撮影初期に被検体が苦しんでいないか等、被検体の状態を確認して撮影を開始することが可能であり、かつ、その後は遅れて表示される撮影画像を確認しながら、異常が無ければ撮影を継続することにより、撮影された画像を全撮影期間に亘って確認し撮影を行うことが可能となる。一方、体動や画欠等の異常があった場合、ユーザーは撮影の途中で撮影を中止する判断をすることができるため、再撮影を行うことになったとしても、途中で中断した分だけ被曝量を少なくすることができる。
もしくは、このラグ表示機能を有する専用の装置を備えるようにする。
なお、フレーム画像を単に遅らせて表示させるだけでなく、表示するまでの間に、何かしらの目印(アノテーションやスタンプ等)をつける等の画像編集を行うようにしてもよい。具体的には、例えば画像の撮影方向を示す、「L」や「R」等のスタンプをこの期間に付与してもよい。
[確認結果のチェック付与]
また、上述したように、現在撮影しているフレーム画像でなく数秒前に撮影したフレーム画像を表示部41等に表示するようにした場合には、任意のフレーム画像にチェックをつけるようにしてもよい。
具体的には、コンソール4又は専用の装置に、表示される複数のフレーム画像(リアルタイムではない)に対して何かしらの目印(アノテーションやスタンプ等)を付与する画像チェック手段としての機能を持たせる。
こうした目印の付与は、前記ユーザーが指定したフレーム画像あるいは指定したフレーム画像の前後のフレーム画像に対して行う構成とすることができる。
あるいは、上述したように、コンソール4等が上述した体動量や画像濃度の閾値を超えたと判断したフレーム画像あるいはコンソール4等が上記閾値を超えたと判断したフレーム画像の前後のフレーム画像に対して付与する構成とすることができる。
なお、チェックされたフレーム画像のみを別のホルダーHにまとめる機能や、チェックされたフレーム画像のみを外部の画像サーバーに転送する機能を併せて持たせるようにしてもよい。
数秒前に撮影したフレーム画像を表示する場合には、異常が見られるフレーム画像を検索したり再表示したりする際の操作が手間となる場合があるが、このようにすれば、ラグ表示機能に加えて、フレーム画像に目印をつける機能を有することで、ユーザーは、撮影後すぐに関心の高い画像を探すことができる上、再撮影の有無等の判断や診断すべき画像の選択をすぐに行うことができる。
[画像の切り出し]
また、上述したように、フレーム画像にチェックを付けるようにした場合には、撮影終了後にチェックされたフレーム画像を自動で切り出し及び表示するようにしてもよい。
具体的には、コンソール4又は専用の装置に、チェックされた画像を切り出し、チェックされた画像のみを表示する画像切り出し手段としての機能を持たせる。
なお、切り出される画像は、静止画でもよいし、動画の一部を切り出した動画であってもよい。
また、チェックされたフレーム画像のみを別のホルダーHにまとめる機能や、チェックされたフレーム画像のみを画像サーバーに転送する機能を併せて持たせるようにしてもよい。
また、上述したように、フレーム画像にチェックを付けるようにした場合には、異常が見られるフレーム画像を再表示したり、そうしたフレーム画像を切り出したりする際の操作が手間となる場合があるが、このようにすれば、異常が見られるフレーム画像を撮影中に直ぐに見つけることができる。また、不必要なフレーム画像を取り除く(トリミングする)というユーザーの手間を軽減することができる。
[画像差によるチェック]
また、上述したように、現在撮影しているフレーム画像でなく数秒前に撮影したフレーム画像を表示部41等に表示するようにした場合には、前後で差分が大きいフレーム画像に対して目印をつけるようにしてもよい。
具体的には、コンソール4又は専用の装置に、取得したフレーム画像と、その前に取得したフレーム画像との差分を算出し、その差分が所定の閾値を超えたか否かを判定する機能や、差分が閾値を超えたと判定されたフレーム画像に対して何かしらの目印(アノテーションやスタンプ等)をつける画像チェック手段としての機能を持たせる。
なお、差分が大きかったフレーム画像だけでなく、その前後数枚のフレーム画像にも併せて目印をつけるようにしてもよい。
数秒前に撮影したフレーム画像を表示する場合には、異常が見られるフレーム画像を検索したり再表示したりする際の操作が手間となる場合があるが、このようにすれば、異常が見られるフレーム画像を撮影中により高い精度で直ぐに見つけることができる。また、ユーザーは、撮影後すぐに関心の高い画像を探すことができる上、再撮影の有無等の判断や診断すべき画像の選択をすぐに行うことができる。
[照射野の調整]
シリアル撮影を行っている最中に被検体Sが動いてしまう等して放射線の照射野がずれ、フレーム画像間の線量ムラや、写損フレーム画像が生じたりして、後の工程の解析結果等に影響が出てしまうという問題があった。
このような課題に鑑み、上記第二発明の体動検出装置100Cを備える放射線撮影システムのコリメーターに、体動検出装置100Cからの情報に基づいて放射線の照射野を絞ったり広げたりする機能の他、照射野を光軸Aoと直交する方向に移動させる照射野移動装置を備えるようにしてもよい。
体動を検出する手段としてはカメラや、圧力センサー等が挙げられる。
このようにすれば、シリアル撮影中に被検体Sが不意に動いてしまっても照射野を移動することで、フレーム画像間の線量ムラや、画像中のノイズの増加等を抑えることができる。
[音量の調整]
一般病棟等の被検体Sのベッドサイドにおいて回診車100Aを使用した撮影を行うと、放射線源34が被検体Sの近くにあるため、放射線照射を通知するブザー音が大きく聞こえてしまう。大多数の被検体Sは、日常的に放射線撮影を経験していないため、放射線源34から発生する音に、敏感に反応する可能性が高い。また、一般の病棟では、他の患者も近くにおり、そうした人達も目に見えない放射線に対して恐怖心をもってしまう可能性がある。特に、呼吸動作等の体動を撮影する等のシリアル撮影では、発生するブザー音が長くなるため、被検体Sや他の患者により大きな不安感を与えてしまう可能性がある。しかしながら、ブザー音は、放射線照射が実施されていることを通知するためのものであり、ユーザーにとって必要な情報である。
このような課題に鑑み、放射線照射を通知するブザー音の音量を調整可能としてもよい。
具体的には、例えば図57に示したように、ブザー音を出すスピーカー31bを操作部31を介して接続する、操作部31には、例えばハード的に音量を調整するダイヤルを設けてもよいし、撮影条件の設定を行う際に用いるタッチパネルやボタンを併用してもよい。
体S及び周辺の人に対する不安感を取り除くことができる。
なお、音量の調節を、ブザー音を鳴らしながら行えるようにしてもよい。このようにすれば、被検体Sとユーザーにとって適当な音量調整を行い易くなる。
[間欠音の利用]
放射線照射を通知するブザー音は、放射線が照射されている間のみ鳴らされるが、パルス状の放射線の照射を繰り返すシリアル撮影においては、ある放射線照射のタイミングと次の放射線照射のタイミングとの間が短すぎるため、ブザー音が連続的に鳴り続けているように聞こえてしまう。ブザー音が長時間鳴り続くと、被検体Sに大きな不安感を与えてしまい、被検体Sが安定した呼吸動作をできなくなってしまう可能性がある。
このような課題に鑑み、シリアル撮影の際のブザー音を、例えば図58に示したように、放射線の照射周期よりも長い周期でオン/オフを繰り返す間欠音にしてもよい。
ブザー音をオフにする間隔は、照射が終了したとユーザーが勘違いしないよう長くし過ぎないのが好ましい。
なお、ブザー音のオン時間、オフ時間を、ユーザーの好みに合わせて調節できるようにしてもよい。
このようにすれば、長時間を必要とするシリアル撮影において、ブザー音の照射情報の通知という機能を損なうことなく、被検体S及び周辺の人に対する不安感を取り除くことができる。
[音以外での通知]
また、放射線照射を通知するブザー音が大きく聞こえてしまい、被検体Sや他の患者により不安感を与えてしまう可能性がある、という課題に鑑み、例えば図59(a)に示したように、曝射スイッチ31a等の放射線の照射開始を指示するスイッチ類に、放射線照射中、ユーザーが感じられる程度の振動を発生させる振動源31cを設けるようにしてもよい。
操作部31にボタン31dが備わっている場合には、例えば図59(b)に示したように、ボタン31dの奥に振動源31cを設けてもよい。
放射線照射を開始、継続するためのスイッチ類は、放射線の照射中、常に押し続ける必要がある。つまり、ユーザーは、放射線照射中、スイッチ類に常に接している状態となる。このため、本実施例のようにすれば、放射線照射中の情報をユーザーが常に接しているスイッチ類の振動でユーザーが認識することが可能になり、聴覚を利用した情報取得であるブザー音や、視覚を利用したLED、又は画面表示に頼ることなく、ユーザーは放射線発生情報を認識することができる。振動の情報は被検体Sや、周辺の撮影に関係の無い人には、伝わらない為、放射線が照射中であることを気づき難く、撮影に対する、緊張感や不安感を取り除くことができる。
なお、骨伝導を用いて、ユーザーに放射線照射情報を伝えるようにしてもよい。また、骨伝導装置は有線、無線どちらで接続してもよい。
このようにすれば、被検体Sとのコミュニケーション、撮影中の被検体Sの声や、機器の音等の通常の空気を伝わって鼓膜を振動させる気道音を邪魔することなく、ユーザーだけが放射線照射情報を音として、認識することができる。
[事前音の利用]
シリアル撮影において、安静状態で呼吸しているときの肺野の状態を撮影したい場合がある。しかしながら、放射線撮影は非日常的な行動であるため、被検体Sが緊張状態となり、精神的に不安定になることが予想される。
撮影前、ユーザーは被検体Sとコミュニケーションをとる等して被検体Sをある程度落ち着いた状態にしているが、一般的に放射線撮影を開始する際、放射線照射をユーザーに通知するためにブザー音がなり、放射線照射を行っている間鳴り続ける。また、放射線を照射する際に、システム本体100Aから機械的な音が発生する。被検体Sは、これらの音を聞くことで放射線撮影が開始された又は撮影中であるということを認識し、再度緊張状態に陥り、安静状態で呼吸を行えない可能性がある。
このような課題に鑑み、通常、曝射準備開始を指示する第一スイッチ及び曝射開始を指示する第二スイッチを有する曝射スイッチ31aに第三のスイッチを設け、例えば図60に示したように、第一スイッチが押下される(ステップS34)前に、第三のスイッチを押下し(ステップS31)、第一,第二スイッチの押下により鳴る第一ブザー音と似たブザー音(第二ブザー音)を鳴らすようにしてもよい(ステップS32)。
第二ブザー音は、放射線照射を通知する第一ブザー音と第一ブザー音と音色を変える等して、第一ブザー音との違いが判断できるようにする。
このようにすれば、被検体Sは、撮影中と似たような情報を得ることになり、一時的に緊張状態になることが予想されるが、この状態が続くことで再度落ち着きを取り戻す時間を与えることができる。ユーザーは、被検体Sが現状の状態に慣れ、落ち着いたところで、第一のスイッチ、第二のスイッチを押下し、撮影を行うことができる。
ここでは第三のスイッチを用いる構成について説明を行ったが、本発明は第三のスイッチを用いない場合にも適用することができる。例えば、第一,第二のスイッチのみを有する装置構成においても、第一のスイッチを押してから一定期間は前述の第三のスイッチが押された場合と同じ動作をする(事前にブザー音(第二ブザー音)を鳴らす)構成とすることができる。その場合は、第一のスイッチを押下したまま一定期間が経過したら、前述の第一のスイッチが押された場合と同様の動作をするようにすればよい。
このような制御を行えば、第一,第二のスイッチのみを有する装置においても、前述の第一,第二のスイッチの他に第三のスイッチを有する装置と同様に、事前にブザー音を鳴らし被検体Sを慣れさせてから撮影を行うことが可能となる。
また、第三のスイッチにより発生する音は、放射線照射中を示すブザー音と同様ではなく、機器の準備音やユーザーに放射線照射を通知するブザー音が被検体Sに聞こえない音(音量、音色)でもよい。このようにすれば、被検体Sに対して環境変化を少なくすることができる。
また、単一音のブザーではなく、音楽等にしてもよい。このようにすれば、被検体Sをより落ち着かせることができる。
また、放射線照射を通知するブザー音の音量より大きくし、まず大きな音で被検体Sに状況になれてもらってから、撮影を開始し、後から音量を小さくしてもよい。このようにすれば、音量が小さくなることで、被検体Sが受ける圧迫感を低減することができる上、ユーザーは放射線照射中であることを識別することができる。
また、音以外の手段でユーザーに放射線の照射中であることを通知するようにしてもよい。このようにすれば、被検体Sに対しての環境変化を少なくすることができる。
また、第三のスイッチを設けず、第一のスイッチを押下で放射線源34にスイッチ情報を伝えず、設定した時間が経過してから、第一のスイッチ情報を放射線源34に伝え、撮影操作を行うようにしてもよい。このようにすれば、被検体Sの安定時間待ちに制限を付けて、操作性を良くすることができる。
また、被検体Sが安定状態の判定において、他の計測機を使用するようにしてもよい。例えば、心拍を計測する装置を用いて、心拍の値を確認する、又は呼吸を計測する装置を用いて、吸引量、排気量を確認する。また、これらの測定器とIFを用いて、情報をシステムに取り入れ、システムが取得した値を用いて、自動的に安定状態になっていると判断し、撮影を実施する。なお、このとき、一定時間以上経過しても、安定状態を得られない場合、システム的にエラーと判断し、ユーザーに通知し、撮影を一旦停止してもよい。このようにすれば、被検体Sの安定状態を計測可能な身体状態から得ることで、科学的な根拠をもって判断ができ、ユーザーの判断を軽減し操作性が良くなる。
また、この第三のスイッチより発生させる音を被検体Sに聞かせるために、ヘッドホンやイヤホンのように、他の音より優先的に音を聞かせる装置を使用する。この場合、ユーザーからの指示も聞こえなくなるため、ユーザーはマイクを通して、被検体Sに指示を伝える機構としてもよい。また、聴覚だけでなく、視覚情報を余計な情報を取り込まないように、VRをつけて、被検体Sが落ち着けるような映像を被検体Sに見せる。このようにすれば、被検体Sに対する外部からの情報が制限され、環境変化を少なくすることができる。
また、表示する映像を、撮影に全く関係のない映像(例えば、人間がリラックスする自然風景等)を表示するようにしてもよい。このようにすれば、被検体Sに放射線撮影中という状態を忘れさせ、精神的に楽な状態にすることができる。
また、表示する映像を被検体S自身としてもよい。このようにすれば、撮影状況を被検体Sに把握、理解してもらうことができ、被検体Sからの撮影に対する協力が期待できる。
[遠隔での音の利用]
一般病棟等の被検体Sのベッドサイドで回診車100Aを使用した撮影を行うと、放射線発生を通知するブザー音が被検体Sに驚きや緊張感、不快感を与える可能性がある。
このような課題に鑑み、ブザー音を発するスピーカー31bを回診車100Aに内蔵するのではなく、例えば図61に示したように、回診車本体101から遠ざけるようにしてもよい。
スピーカー31bを、普段は回診車本体101に取り付けておき、必要に応じて取り外し可能な構成としてもよい。
ブザー音を発するスピーカー31bと回診車本体101との接続は、有線でも無線でもよい。
このようにすれば、スピーカーを被検体Sから離すことができ、撮影中のブザー音による被検体Sへの不安感を緩和することができる。
また、ユーザーは、回診車本体101から離れて操作する場合があるが、スピーカー31bをユーザーの近くに持ってくることで、ユーザーは回診車本体101にスピーカー31bがある場合に比べブザー音を近くで確認することができる。
なお、曝射スイッチ31aにスピーカーを内蔵させ、曝射スイッチ31aにてブザーを鳴らすようにしてもよい。このようにすれば、放射線照射を行う際に、ユーザーは常に曝射スイッチ31aを握っているため、ユーザーに一番近く、且つ、被検体Sから遠い位置になる。ユーザーは音源を別に設置する必要もなく、従来通りに操作手順を実施するだけとなる。
また、スピーカーの向きを変更できるようにしてもよい。このようにすれば、音の出力方向を操作することで、被検体Sに対しての音量を下げることができる。
また、コリメーター部に光学カメラ43を取付けるとともに、曝射スイッチ31aやスピーカーとともに回診車本体101から離すことが可能、かつ画像表示が可能な表示部41を備え、光学カメラ43で撮影された被検体Sの姿を表示部41に表示するようにしてもよい。このようにすれば、放射線照射を行う際に、ユーザーの被曝をより防ぐために被検体Sが見えない位置に移動しても、画像を通して、リアルタイムに被検体Sの状況を把握できる。
[放射線照射指示スイッチ]
曝射スイッチ31a(放射線照射指示スイッチ)は、親指のみを使って押下する2段階の押し込み型となっており、1段目の押下で曝射の準備が開始され、2段目の押下で実際に曝射が開始される。この曝射スイッチ31aは、押下するのにある程度の力を要するため、十分な操作感が得られる。しかし、シリアル撮影を行う場合、撮影時間が比較的長時間(20秒程度)に亘るため、曝射スイッチ31aを押下し続けるのが大変であった。
このような課題に鑑み、曝射準備(1段目)のスイッチと、曝射開始(2段目)のスイッチを、それぞれ異なるボタンに分けるようにしてもよい。
具体的なスイッチの構成の仕方としては、例えば図62(a)、(c)に示したように、本体における一の面に一段目のボタンB、他の面に二段目のボタンBをそれぞれ設けたものとしたり、図62(b)に示したように一段目の操作と二段目の操作のうちの少なくとも一方を回転式のものとしたりすることができる。
このようにすれば、親指以外の部位を使ったり、体重を掛けたりして操作することができ、クリック感や操作感を十分に残しながらも、親指にかかる負担を低減することができる。
[撮影残時間の表示]
シリアル撮影は、静止画撮影と異なりすぐに撮影が終了しないため、被検体Sが撮影に対して恐怖や警戒感を感じ、所望の撮影ができない問題があった。例えば、肺呼吸撮影においては、恐怖や警戒感を感じることで、被検体Sが安静時の呼吸状態と異なる呼吸状態となり、所望の平常時の呼吸状態を撮影することが困難になる場合があった。
このような課題に鑑み、撮影中、被検体Sに残りの撮影時間を通知するようにしてもよい。
具体的には、例えば被検体Sから見える場所に表示部41(図30参照)を設け、そこに撮影の残り秒数を数字で表示するようにする。
このようにすれば、撮影が残り何秒で終わるかを被検体Sへ適切に伝えることができ、被検体Sが安心して撮影を受けることができる。
また、被検体Sが安心して撮影に臨むことが可能になるため、例えば平常時の呼吸状態のように、被検体Sが緊張状態では撮影できない撮影状態の撮影ができる。
[放射線からの保護]
複数の被検体Sが同じ部屋にて、放射線撮影による検査を行う場合、放射線照射部103から放射される放射線が、撮影を行う被検体Sだけでなく、周囲に放出され、周囲の被検体Sが放射線照射部103から放射される放射線に被曝する問題があった。特に、シリアル撮影を行う場合には、撮影期間が長くなるため、周囲の被検体Sへの被曝が問題になる場合があった。
このような課題に鑑み、例えば図63に示したように、コリメーター35の周囲に放射線Xの照射方向に開口する遮蔽壁103cを設けるようにしてもよい。
遮蔽壁103cは、放射線の透過を阻害できるよう、例えば鉛入りガラス等で形成することができる。
なお、遮蔽壁103cには内側を目視するための窓Wを設けてもよいし、透明あるいは半透明の材料で形成するようにしてもよい。
このようにすれば、意図しない方向への放射線照射が抑えられ、放射線撮影を行う被検体Sと同じ部屋にいる他の被検体Sへの被曝を抑えることができる。
また、同じ部屋にいない、部屋の壁を隔て被検体Sや医師、家族等関係者の被曝を抑えることができる。
[総放射線量の把握]
複数の被検体Sが同じ部屋にて、放射線撮影による検査を行う場合、放射線照射部103から放射される放射線が、撮影を行う被検体Sだけでなく、周囲に放出され、周囲の被検体Sが放射線照射部103から放射される放射線に被曝する問題があった。特に、ユーザーの撮影条件の入力間違いにより、意図しない高線量で撮影を行ってしまう場合があり、問題であった。
このような課題に鑑み、例えば図64に示したように、1枚を撮影する放射線量だけではなく、撮影期間全体での放射線量を計算し(ステップS42)、所定の値以上の場合には(ステップS43;高い)、ユーザーにその旨を通知したり(ステップS44)、放射線の照射を行わないようにしたりしてもよい。
線量は撮影手技ごとに入力・設定できる構成としてもよいし、RISやHISから撮影手技のオーダーが入った場合や、その中からユーザーが撮影手技を選択した場合、あるいはユーザーが任意に撮影手技を選択した場合、撮影手技に紐づけられた線量がセットされる構成としてもよい。
このようにすれば、ユーザーの意図に反した、撮影期間全体で高い線量で撮影を行い、被検体S、あるいは周囲の被検体Sや医療従事者、家族等の関係者が無駄に被曝してしまうのを防止することができる。
[カーテンによる防曝]
また、複数の被検体Sが同じ部屋にて、放射線撮影(特にシリアル撮影)による検査を行う場合、放射線照射部103から放射される放射線が、撮影を行う被検体Sだけでなく、周囲に放出され、周囲の被検体Sが放射線照射部103から放射される放射線に被曝するという課題に鑑み、被検体Sを視覚的に隔離するためのカーテンに放射線を透過しにくい素材を用いるようにしてもよい。
具体的には、カーテンの生地に金属製の繊維を混ぜたり、金属箔を用いたりすることで、放射線の透過を抑制する。
このようにすれば、放射線撮影を行う被検体Sと同じ部屋にいる他の被検体Sへの被曝を抑えることができる。
また、同じ部屋にいない、部屋の壁を隔て被検体Sや医師、家族等関係者の被曝を抑えることができる。
[マーカーを用いた検知]
シリアル撮影を行う際、ユーザーは、被検体Sに対して撮影したい動作(例えば肺撮影時の呼吸等)のみを撮影したいという要望がある。しかし、被検体Sは、撮影したい動作の他に、撮影したくない動作(例えば体を上下左右前後に動かす体動等)を行ってしまう場合がある。ユーザーがこのような撮影したくない動作に気づくことができれば、その時点で撮影を中止し、それ以上被検体Sを無駄に被爆させてしまうことはない。しかしながら、ユーザーが撮影したくない動作に気がつかない場合、撮影を行ったシリアル撮影画像は使用することができないにもかかわらず最後まで撮影を行うこととなり、被検体Sに無駄な被爆を与えるリスクがあった。
また、撮影を最後まで行った後のプレビューにてユーザーが撮影したくない動作(体動)に気付いた場合、撮影時間及びプレビューの時間も無駄になる。特にICU等で撮影にかける時間が短ければ短いほどよい場合には、このようなロス時間は問題となる。
このような課題に鑑み、被検体Sの表面に、例えば図65に示したように、放射線の透過率が周囲と異なるマーカーMを貼り付けるようにしてもよい。
ここで「放射線の透過率が周囲と異なる」とは、例えば被検体Sが人体の場合、マーカーM周囲の空気や人体の皮膚や体組織と透過率が異なることを意味する。
マーカーMは、ユーザーは被検体Sに対して撮影したい動作にて動かない、あるいは撮影したい動作にて動く方向が分かっている部位に付けることが望ましい。具体的には、例えば肺撮影時には、背骨や肩甲骨等の体表面に貼り付けることが望ましい。
そして、被検体Sに対してシリアル撮影を行い、連続したフレーム画像間でマーカーMの動きを評価し、撮影したい動作によるマーカーMの動き以外の動きに対して、閾値を超えるか否かを判断する。
閾値を超えた場合にはユーザーに警告を伝達する、あるいは撮影を中止する。
このようにすれば、マーカーMの動きから、被検体Sが撮影したくない動作をしているか否かを検知することができる。
また、撮影したくない動作を検知した場合に、その旨をユーザーに警告したり、撮影を中止したりすることで、被検体Sが無駄に被爆してしまうのを防ぐことができる。
なお、マーカーMが動いているか否かではなく、マーカーMが動く方向を検知して判断するようにしてもよい。
その際、マーカーMが動く方向のみではなく、マーカーMが動くタイミングも加味して判断するようにしてもよい。
また、例えば図66に示したように、マーカーMを3個以上貼り付け、動きを検知するようにしてもよい。このようにすれば、X、Y、Z、α、β、γの6次元の動きを算出することができる。
また、算出のロバスト性を向上させるために、マーカーM数を4個以上とし、それらの動きから算出することが望ましい。さらに測定次元数と同じ6個とし、それらのマーカーMの動きから算出することが望ましい。
このようにすれば、被検体Sの動きを多次元に把握することにより、被検体Sに対してどの方向の動きが良くないかを正しく伝達することができ、被検体Sが良くない方向に動くことを抑制することを促すことができる。
[マーカーを用いた距離の計測]
放射線撮影では、SIDを調整し撮影を行う必要がある。しかしながら放射線の焦点Fを決める放射線照射部103と、撮影装置100Bは撮影手技、撮影状況、被検体Sの状態により変わるため、SIDを把握し、所定のSIDに調整することが困難であった。
このような課題に鑑み、例えば図67に示したように、マーカーMを被検体Sの複数箇所に付し、実際のマーカーM間の距離d、撮影されたマーカーM間の距離df、被検体Sの体圧B等に基づいてSIDを算出するようにしてもよい。
マーカーM間の距離dは、事前に測定してもよいし、予め決められた距離だけ離してマーカーMを付すようにしてもよい。
また、マーカーM間の距離dfは、放射線画像から算出する。
被検体Sの体厚Bは、推定値でもよいし、他の光学計測手段等による測定値でもよい。
マーカーM距離d、撮影されたマーカーM距離df、体厚Bと、SIDとの間には下記式(11)のような関係がある。
(SID−B):d=SID:df・・(11)
この式(11)から、下記式(12)のようにSIDを算出することができる。
SID=df・B/(df−d)・・(12)
このようにすれば、SIDを数値として把握することができ、ユーザーがSIDを簡便に調整することができる。
なお、体厚Bは、RISやHISからオーダーが送信された際に、被検体Sの年齢、性別等の情報から自動でその年齢や性別に応じた標準値を設定し、必要に応じてユーザーが設定値を修正する構成、あるいは腹囲や胸囲等の情報から算出した推定値を自動入力する構成としてもよい。
このようにすれば、体厚情報を簡便に入力することで作業負荷を低減することができる。
また、ユーザーが体厚情報を入力することを怠った場合、例えば前の被検体Sの体厚情報が残っていて、その体厚情報に基づいた誤ったSIDが表示されるため、誤ったSIDに調整してしまうことを防止することができる。
また、被検体Sのトータルでの被曝量低減のためには、SID調整のための放射線照射は、診断等に用いる放射線画像取得のための放射線照射より弱い放射線照射強度で行うことが望ましい。このため、SID算出のための放射線撮影は、診断等に用いる放射線撮影より前に行い、SIDを調整することができる。そのため、撮影画像からマーカーM間距離が算出できれば良く、診断等に用いる放射線撮影の放射線照射強度より弱い放射線照射強度にて撮影を行うようにしてもよい。
このようにすれば、被検体Sのトータルでの放射線被曝量を低減することができる。
また、診断等に用いる放射線画像に対しても、本発明に記載の方法によりSIDを算出し、ユーザーへの表示、画像と紐づけられた情報として画像サーバーへの送付等を行うようにしてもよい。
撮影前にSIDを調整するときにSIDを計測しても、撮影直前や撮影中の被検体Sの動きによりSIDが変化した場合には、撮影された状態のSIDが、事前に調整した時のSIDを全く同じであるとは限らないため、撮影された状態でのSIDを知ることが重要であるが、このようにすれば、診断に用いられる画像が撮影された状態のSIDを知ることができる。
[光学カメラによる体動検知]
また、ユーザーが撮影したくない動作に気がつかない場合、撮影を行ったシリアル撮影画像は使用することができないにもかかわらず最後まで撮影を行うこととなり、被検体Sに無駄な被爆を与えるリスクがある、撮影を最後まで行った後のプレビューにてユーザーが撮影したくない動作に気付いた場合、撮影時間及びプレビューの時間も無駄になる、という課題に鑑み、放射線照射部103等、被検体Sを撮影することが可能な部位に光学カメラ43(図11参照)を設置し、被検体Sを撮影し、撮影された光学画像Ioに基づいて被検体Sが動いているか否かを判定するようにしてもよい。
撮影された画像の画像処理は、撮影画像全体に対して動きがあるか否かを判断してもよい。あるいは、画像処理により、被検体S部分を抜き出し、被検体Sのみの動きにより判定してもよい。あるいは撮影手技ごとに決められた特定領域を抜き出し、特定領域の動きで判定してもよい。
撮影された画像による動きの判定は、最初に撮影された画像との差で判断してもよいし、隣接した画像間で判断してもよい。また、その両方を判断に用いてもよい。
そして、判定結果に応じ、ユーザーに対して警告を行う、あるいは撮影を中止する等の応答をするようにする。
このようにすれば、被検体Sが撮影したくない動作をしているか否かを検知することができる。
また、撮影したくない動作を検知した場合に、その旨をユーザーに警告したり、撮影を中止したりすることで、被検体Sが無駄に被爆してしまうのを防ぐことができる。
なお、光学カメラ43は被検体Sを正面から撮影するだけでなく、側面から撮影するように配置してもよい。
[センサーによる検知]
シリアル撮影の最中に放射線照射部103が意図せず動くことにより、SID等に誤差が生じてしまうという問題があった。
このような課題に鑑み、例えば図68,698に示したように、システム本体100Aに、放射線照射部103の動きを検知するセンサーSe1を配置し、センサーSe1の出力に基づいて、シリアル撮影の最中における放射線照射部103の位置変動の有無を判断するようにしてもよい。
センサーSe1は、例えば加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、歪ゲージセンサー等を用いることができる。
位置変動の判断は、例えばコンソール4の制御部等で行うようにする。
また、位置変動の判断は、例えばセンサーSe1の出力値や、一定期間に得られた出力値の平均値や、一定期間に得られた出力値の累積値等が、所定の閾値を超えたか否かによって判断することができる。
閾値は、撮影で得たい画像精度等に基づいてユーザーが設定変更することができるようにしてもよい。
また、出力値、平均値又は累積値に対して、安定した処理を行うためのローパスフィルター等のフィルター処理を行い、フィルター処理後のデータに基づいて判断を行うようにしてもよい。
出力値、平均値又は累積値が閾値を超えたと判断した場合には、ユーザーに対して警告を行う、あるいは撮影を中止する等の応答をするようにする。
このようにすれば、放射線照射部103の位置変動を計測し、位置変動が閾値(許容値)を超えた場合にユーザーに警告を行ったり、撮影を中止したりすることにより、それ以降も撮影を継続し、被検体Sを無駄に被爆させてしまうことを防止することができる。
また、撮影されたシリアル撮影画像からでは、被検体Sが動いたのか、放射線照射部103が動いたのかを判別することができないが、センサーSe1を用いることでどちらが動いたのかを判別できるため、次の撮影時に動かないようにする対策が取り易くなる。
なお、センサー出力からの位置変動データをシリアル撮影データと関連付けて保存し、後から放射線照射部103の位置変動と画像の関係を調べることができるようにしてもよい。
このようにすれば、撮影後の画像プレビューや動態画像を用いた診断時に、放射線源34の動きと比較することにより、放射線照射部103の動きの影響があるかどうかを確認することができる。
また、放射線照射部103の位置変動の有無の判断や位置変動データの保存を、シリアル撮影を行っている間だけではなく、ユーザーがポジショニングを終えてからシリアル撮影を開始するまでの間も行えるようにしてもよい。
このようにすれば、シリアル撮影の最中に位置変動を検知しユーザーに警告したり撮影を中止したりすることができるのは勿論、撮影前に位置変動を検出した場合には撮影を許可しないという対応も取れるため、無駄な撮影を確実に回避し、被検体Sを無駄に被爆にさせてしまうことをより一層防止することができる。
また、回診車本体101、アーム102、放射線照射部103のうちの2箇所以上にそれぞれセンサーSe1を配置することにより、可動部を挟んだ前後の位置変動を検知するようにしてもよい。
このようにすれば、複数のセンサー情報から、回診車本体101から放射線照射部103に至るまでのどの部分で位置変動が生じているのかを検出することができる。
また、どの部分で位置変動が生じているかの情報から、次に撮影を行う場合に、注意しなければならない位置を特定することができ、次の撮影時に同じ位置変動が生じる可能性を軽減することができる。
[安定支持機構の利用]
アーム102に取り付けられた放射線照射部103により放射線を照射して撮影を行う場合、アーム102や放射線照射部103が動くことにより撮影画像が乱れてしまうという問題があった。特に、シリアル撮影を行う場合には、撮影期間が長くなるため、アーム102や放射線照射部103が動きによる撮影画像の乱れが大きくなってしまっていた。
このような課題に鑑み、例えば図70に示したように、システム本体100Aに、その重心位置を変える安定支持機構104を設けるようにしてもよい。
安定支持機構104としては、例えば、スタビライザー等を用いることができる。
安定支持機構104の取り付け位置は、例えばアーム102や、放射線照射部103に設定することができる。
このようにすれば、重心位置を変える安定支持機構104により放射線照射部103やアーム102の動きが抑制され、乱れの少ない撮影画像を得ることができる。
[照射領域による判断]
シリアル撮影時に放射線源34が意図せず動くことにより、SID等に誤差が生じ、その結果、有効画像領域が変化し、例えば図71(a)に示した正常な撮影の場合に対し、図71(b)に示したように、撮影装置100Bの一部が放射線の照射領域外になってしまうという問題があった。
このような課題に鑑み、撮影画像の放射線が到達しない画像領域から放射線が照射されていない領域の有無を判定し、放射線が照射されていない領域がある場合、下記(1)〜(3)の少なくとも一つの対応をとるようにしてもよい。
(1)ユーザーに通知する。
(2)放射線の照射を止め、撮影を中止する。
(3)放射線照射部103をアクチュエーター103bにより画像全体に放射線が照射されるように動かす。
このようにすれば、放射線源34が動いてしまった場合でも、撮影領域全体に放射線が照射された画像を得ることができる。
[パネルへのマーカー付与]
シリアル撮影を行う際、ユーザーは、被検体Sに対して撮影したい動作(例えば肺撮影時の呼吸等)のみを撮影したいという要望がある。しかし、被検体Sは、撮影したい動作の他に、撮影したくない動作(例えば体を上下左右前後に動かす体動等)を行ってしまう場合がある。被検体Sが撮影したくない動作をしているのに撮影を継続してしまうことを防ぐため、例えば、被検体SにマーカーMを付して、マーカーMの動きによって被検体Sの動きを検知するという方法が採られているが、被検体SにマーカーMを付すのは手間がかかる。
このような課題に鑑み、例えば図72に示したように、撮影装置100BにマーカーMを設けておき、画像処理等によってマーカーMと体の輪郭や骨等との相対的な移動量を抽出するようにしてもよい。
このようにすれば、被検体SにマーカーMを付す手間を省くことができる。
なお、マーカーMは、放射線の透過率が高い材料で形成してもよい。このようにすれば、マーカーMを透過した領域の画像のみを見ることで、画像処理の負荷を低減する。
また、例えば図73に示したように、マーカーMを画像処理で消すようにしてもよい。
[マーカーによる検知]
また、上述したように、撮影装置100BにマーカーMを設ける場合には、被検体Sの前後方向(放射線源と撮影装置100Bとを結ぶ方向)の移動を捉えることができない。
このような課題に鑑み、例えば図74(a)に示したように、放射線照射部103に被検体Sを撮影するステレオカメラ44を設け、ステレオカメラ44が撮影した画像を自動解析することで体動を検知するようにしてもよい。被検体Sの前後方向の移動については、ステレオカメラ44が撮影した被検体Sの特定部位(例えば肩部)に着目して、特定部位までの距離を算出することで捉えることができる。
なお、図74(b)に示したように、マーカーMを被検体Sにつけて、単眼カメラでその動きを追尾するようにしてもよい。このようにすれば、マーカーMの相対位置で上下左右を、マーカーMの縮小率で前後方向の体動量を検出することができる。また、ステレオカメラ44を用いる場合に比べてコストと処理量を抑制することができる。
また、図74(c)に示したように、カメラ43,44と放射線照射タイミングを同期させて、照射タイミングのカメラデータのみ解析するようにしてもよい。このようにすれば、データ処理量を少なくすることができる。
また、図74(d)に示したように、シンチレーターScをマーカーMとして用い、シンチレーター発光タイミング(放射線照射タイミング)でカメラデータを取得するようにしてもよい。このようにすれば、カメラでマーカーM位置を検出し易くなるし、暗いところでも検出することができる。また、システム本体100Aとカメラが連動していなくても撮影することができる。
また、ここでは、ステレオカメラ44を用いる構成について説明を行ったが、本発明はステレオカメラを用いたものに限定されない。すなわち、ステレオカメラ以外の光学カメラを用いても同様の検知を行うことが可能である。
また、コリメーター35の照射野に合わせてカメラの倍率を制御する構成を更に備えるようにしてもよい。コリメーター35の照射野とカメラの撮影領域を連動させることで、放射線撮影を行う領域をカメラで撮影とすることが可能となり、カメラにより無駄な領域を撮影する必要が無くなる。また、カメラで無駄な領域を撮影されることによるプライバシーの侵害を極力抑えることが可能となる。
一方、カメラの撮影領域を、コリメーター35による放射線照射領域より大きくしてもよい。放射線領域よりカメラによる撮影領域を広くすることで、撮影部位付近の撮影を阻害するものをカメラで発見しやすくすることが可能となる。
[マーカーによる検知(2)]
また、撮影装置100BにマーカーMを設ける場合、被検体Sの前後方向(放射線源と撮影装置100Bとを結ぶ方向)の変化を捉えることができない、という課題に鑑み、被検体Sに加速度センサーやジャイロセンサーを付してXYZ方向及び回転角度の情報を入手するようにしてもよい。
その際、センサーの特定軸が必ずコリメーター側に向くようにコリメーター固定具を備えるようにしてもよい。
このようにすれば、被検体Sの上下左右方向の動きだけでなく、前後方向やひねり動作も検出することができる。
[マーカーによる検知(3)]
シリアル撮影において、被検体Sに前後方向の動きがあった場合でも、被検体Sの画像が変わらないようにしたい、という要望がある。
このような課題に鑑み、例えば図74(b),(d)等に示した撮影方法、すなわち、放射線照射部103に被検体Sを撮影するカメラ43,44を設けるとともに、被検体SにマーカーMあるいはシンチレーターSc(以下マーカーM等)を付し、カメラ43,44で撮影した光学画像中のマーカーMの拡大率で前後の動きを、マーカーM等の変形によってねじり角度を推定し、推定したデータを基に、コリメーターを移動させる(SIDと照射角度、上下左右を調整する)ようにしてもよい。
このようにして撮影を行う場合、SIDが小さいと、図75(b)に示したように、適正なSIDで撮影した図75(a)の場合と比べてマーカーM等が大きく写り、逆にSIDが大きいと、図75(c)に示したように、適正なSIDで撮影した図75(a)の場合と比べてマーカーM等が小さく写る。
一方、被検体Sが、例えば図76(a)に示したように、体軸を回転軸とするように左右に回動していると、図76(b)に示したように、マーカーM等が左右に細長い楕円形に写り、撮影部位を体軸に対して傾けている(例えば臥位の状態で上半身を起こす)と、図76(c)に示したように、マーカーM等が上下に細長い楕円形に写る。
そこで、光学画像に写ったマーカーM等が、適正な大きさの真円(図7675(b)、(c)の破線で示した円形)に写るように、コリメーターを移動させるようにする。
なお、マーカーM等の形状は、例えば図77に示したように、円、四角、複数の円等とすることができる。
このようにすれば、前後方向の動きや、被検体Sの回動等があった場合でも被検体Sの画像が変わらないようにすることができる。
この発明を実施するための形態において用いた「ユーザー」という用語は、例えば、放射線撮影システムを操作し、放射線画像を撮影する撮影者、あるいは一部の動作においては、撮影された放射線画像をすぐに確認する者(撮影者を含む)あるいは撮影監督者を意図している。
また、撮影された画像を確認しやすいよう調整したり、撮影された画像を確認し、診断などを行う読影者や医師等も意図している。
100,200,300 放射線撮影システム
100A システム本体(回診車)
101 回診車本体
102 アーム
103 放射線照射部
103a ケース
103b アクチュエーター
103c 遮蔽壁
103d 送信手段
103e 第一送受信手段
104 安定支持機構
1 筐体
1a 車輪
2 撮影制御部
通信部
3 放射線照射装置
31 操作部
31a 曝射スイッチ
31b スピーカー
31c 振動源
31d ボタン
32 放射線制御部
33 高圧発生機
34 放射線源
35 コリメーター
4 コンソール
41 表示部
41a 圧力センサーによる測定値の分布
42 通信部
42a 有線通信インターフェース
42b 無線通信インターフェース
43 光学カメラ
44 ステレオカメラ
5 電源部
51 バッテリー
52 電源分配部
53 電源ケーブル
53a プラグ
6 アクセスポイント
100B 放射線撮影装置
61 筐体
61a 電源スイッチ
61b 操作スイッチ
61c インジケーター
61d コネクター
61e 放射線入射面
61f ボタン
61g 連通路
61h 取り外し部
62 制御部
63 放射線検出部
64 読出し部
65 通信部
66 記憶部
67,67A,67B 第三気圧センサー
68,68A 第二温度センサー
69 バス
7 受信手段
7A 第二送受信手段
8 アクチュエーター
9 測長手段
100C 体動検出装置
71 制御部
72 通信部
73 記憶部
74 バス
A1 第一回転軸
A2 第二回転軸
Aa アーム軸
Ao 光軸
B1 ボタン
B2 ボタン
C 中心
E 縁
F 焦点
f 固定具
G グリッド
Ga 薄板
g 棒
H ホルダー
Io 光学画像
Ir 放射線画像
Lc 中心線
Lo 輪郭線
Lv 鉛直線
M マーカー
Ma 孔
O 開口
,P,P (放射線撮影装置の)部位
許容領域
体領域
〜R 特定領域
Rd 直接放射線領域
S 被検体
Sp 内側空間
Sp 中間空間
Se1 センサー
Se2 圧力センサー
W 窓
X 放射線

Claims (8)

  1. 放射線を発生させる放射線源を有する放射線照射装置と、
    放射線を受けることで放射線画像の画像データを生成する放射線撮影装置と、
    前記放射線源の高さを検知する第一高さ検知手段と、
    前記放射線撮影装置の高さを検知する第二高さ検知手段と、
    前記第一高さ検知手段が検知した前記放射線源の高さ及び前記第二高さ検知手段が検知した前記放射線撮影装置の高さに基づいて、前記放射線源が発生させる放射線の焦点から前記放射線撮影装置までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段が算出した距離を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  2. 前記放射線撮影装置は、自身の位置する高さにおける大気圧を測定する第一気圧センサーを備え、
    前記第二高さ検知手段は、前記第一気圧センサーが測定した測定値に基づいて、前記放射線撮影装置の高さを検知することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
  3. 前記放射線撮影装置が特定位置に配置されたときに前記第一気圧センサーが測定した特定測定値を記憶する記憶手段を備え、
    前記第二高さ検知手段は、前記記憶手段が記憶する前記特定測定値に基づいて、検知した前記放射線撮影装置の高さを補正することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影システム。
  4. 前記放射線照射装置は、特定部位に、自身の位置する高さにおける大気圧を測定する第二気圧センサーを備え、
    前記第二高さ検知手段は、前記第二気圧センサーが測定した測定値に基づいて、検知した前記放射線撮影装置の高さを補正することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影システム。
  5. 前記放射線撮影装置は、前記第一気圧センサーが備えられた第一部位とは異なる第二部位に、自身の位置する高さにおける大気圧を測定する第三気圧センサーを備え、
    前記第二高さ検知手段は、前記第一部位の高さを検知するとともに、前記第三気圧センサーが測定した測定値に基づいて前記第二部位の高さを検知することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
  6. 前記第二高さ検知手段が検知した前記第一部位の高さ及び前記第二部位の高さに基づいて、前記放射線撮影装置の前記放射線入射面と特定の面又は線とがなす角の大きさである入射面傾斜角度を算出する角度算出手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の放射線撮影システム。
  7. 前記角度算出手段は、前記放射線源が照射する放射線の光軸と特定の面又は線とがなす角の大きさである放射線照射角度と前記入射面傾斜角度との差を算出し出力することを特徴とする請求項6に記載の放射線撮影システム。
  8. 前記第二高さ検知手段は、前記第一部位の高さ及び前記第二部位の高さに基づいて、前記放射線撮影装置における前記第一部位及び前記第二部位とは異なる特定部位の高さを算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の放射線撮影システム。
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