JP2023116867A - 放射線撮影装置、判断支援方法及びプログラム - Google Patents

放射線撮影装置、判断支援方法及びプログラム Download PDF

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智 長谷川
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Abstract

【課題】回診撮影を行った後、放射線画像データの画像品質レベルを担保する(例えば、写損再撮影が必要か否かを適切に判断可能とする)ことである。【解決手段】放射線撮影装置としての放射線撮影システム100(回診車RC)は、回診による被写体の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、当該回診撮影情報に基づいて、前記放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線撮影装置、判断支援方法及びプログラムに関する。
従来、撮影技師などのユーザーが病院などの医療施設の病棟などの患者を回診する場合に、回診先でFPD(Flat Panel Detector)を用いて患者の放射線(X線)画像を撮影する移動型の放射線撮影装置(回診車)を用いた回診撮影が知られている。
回診撮影は、医療機関の一般撮影室内の固定された放射線撮影装置を用いる一般撮影に比べて、重症患者(動けない患者)が多く、前回の再現撮影が困難なケースが多い。例えば、寝台や備品装置の都合上、回診車の配置などが浮動で、一般撮影のように管球/FPDを決まった配置・距離感で撮影ができない。ユーザーが一人で回るケースが多く、撮影成否を一人で判断する必要がある。また、回診先が、病棟や手術室など、別の場所になるため、後で再撮影が必要とわかった場合の手間が大きい。また、回診先は、通信ネットワークが脆弱だったり、無線環境を撮影に用いるため、HIS(Hospital Information System:病院情報システム)/RIS(Radiology Information System:放射線科情報システム)/電子カルテなどの外部情報が取得できない。
このため、経験が浅い撮影技師に対し、撮影画像の濃度調整を行うことで写損再撮影が不要であることを気付き易くするため、撮影した放射線画像データに、異なる複数のウインドウ(画像の濃度の中心値、幅)で階調処理を行って表示するX線撮影装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2010-172558号公報
特許文献1のX線撮影装置では、経験が浅い撮影技師に対して写損とすべきか否かという判断情報として階調の異なる撮影画像を表示し、撮影画像に対して特定の処理適用での判断という、単一判断基準での提案が行われている。
しかし、回診撮影においては、回診先や患者毎の状態が毎回異なり、前回同様の撮影環境を維持することも難しく、階調の変更だけでは、再現性が取れないことが多い。例えば、救急やオペ(Operation)は当然のこと、一般病棟の患者であっても、一般撮影室まで来られない(動けない)患者が対象であり、日々の病状変化に伴い、放射線撮影を行う際の可能範囲(稼働範囲)が毎回異なる。そのため、撮影結果が必ずしも単一基準で判断できるものではなく、患者毎でのクライテリア(評価基準)をユーザーが逐一行う必要が生じる。
一方で、回診先では一般撮影のように、周囲の他の撮影技師、臨床医に相談したり、電子カルテやPACS(Picture Archiving and Communication System:画像保存通信システム)を参照したり、といった他の相談先が無い状況下となる。そのため、経験が浅い撮影技師では、一般撮影での写損判断情報だけでは不足し、結果、回診から戻った後に再撮影のために回診先へ再出動といった不要な労力が生じたり、臨床医が求める品質の撮影画像が提供できないおそれがあった。
本発明の課題は、回診撮影を行った後、放射線画像データの画像品質レベルを担保する(例えば、写損再撮影が必要か否かを適切に判断可能とする)ことである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の放射線撮影装置は、
回診による被写体の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、当該回診撮影情報に基づいて、前記放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御部を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線撮影装置において、
前記制御部は、前記回診撮影情報に基づいて、生成する判断支援情報の種類を決定する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の放射線撮影装置において、
前記制御部は、前記回診撮影情報を用いて前記判断支援情報を生成する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の放射線撮影装置において、
前記制御部は、前記回診撮影情報をそのまま使用と、前記回診撮影情報を加工と、前記放射線撮影の放射線画像データ及び前記回診撮影情報を組み合わせて加工と、のいずれか1つを選択して判断支援情報を生成する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線撮影装置において、
前記回診撮影情報は、前記放射線撮影を行うための情報と、前記放射線撮影を行ったことで得られた前記放射線撮影画像データに付随する情報と、前記放射線撮影装置に関する情報と、の少なくとも1つである。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の放射線撮影装置において、
前記判断支援情報は、前記放射線撮影画像データが写損再撮影を必要とするか否かを判断するための支援情報である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線撮影装置において、
前記制御部は、前記判断支援情報を表示部に表示する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の放射線撮影装置において、
前記判断支援情報は、過去の前記被写体又は他の被写体の放射線画像データを含み、
前記制御部は、前記生成された放射線画像データと、前記過去の放射線画像データとを対応付けて表示する。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の放射線撮影装置において、
前記過去の前記被写体又は他の被写体の放射線画像データは、過去の疾患が正常又は異常の放射線画像データを含む。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の放射線撮影装置において、
前記制御部は、前記放射線画像データに、前記判断を支援する補助画像を重畳して表示する。
請求項11に記載の発明の判断支援方法は、
回診による被写体の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、当該回診撮影情報に基づいて、前記放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御工程を含む。
請求項12に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
回診による被写体の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、当該回診撮影情報に基づいて、前記放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御部、
として機能させる。
本発明によれば、回診撮影を行った後、放射線画像データの画像品質レベルを担保できる。
本発明の実施の形態の放射線撮影システムを示す概略構成図である。 FPDの構成を示すブロック図である。 回診車の構成を示すブロック図である。 撮影目的テーブルの構成を示す図である。 (a)は、放射線撮影前の回診車のデータの流れを示すブロック図である。(b)は、放射線撮影後の回診車のデータの流れを示すブロック図である。 第1の品質情報取得処理を示すフローチャートである。 ナビゲーション処理を示すフローチャートである。 判断支援処理を示すフローチャートである。 判断支援画面を示す図である。 判断支援画面を示す図である。 第2の品質情報取得処理を示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
まず、図1~図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、放射線撮影システム100を示す概略構成図である。図2は、FPD1の構成を示すブロック図である。図3は、回診車RCの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の放射線撮影装置としての放射線撮影システム100は、病院などの医療施設に設けられる。医療施設の撮影技師などのユーザーUは、回診対象の患者の回診時に、放射線撮影システム100とともに、当該患者がいる病棟、オペ室などの回診先に移動して、患者を放射線撮影する。ここでは、回診先が病棟であり、病棟にベッドBが設置され、被写体としての患者の被検者Sが背上げされたベッドBの上で臥位の姿勢をとっている状態で放射線撮影を行う例を説明する。
放射線撮影システム100は、FPD1と、回診車RCと、を備える。回診車RCは、放射線発生装置2と、コンソール3と、を有する。FPD1と回診車RCとは、例えば無線通信を介して互いに通信可能である。また、回診車RCは、回診前の待機所(保管場所)において、医療施設内の通信ネットワーク(LAN(Local Area Network)など)に通信接続可能であり、回診先では、通信ネットワークに接続できないか、通信ネットワークとの通信が脆弱であるものとする。
また、回診車RCは、上記通信ネットワークを介して、HIS、RIS60及び外部装置70(図5(a)、図5(b))などの外部装置との通信が可能である。また、通信ネットワークは、無線であるものとするが、有線であってもよい。
FPD1は、放射線発生装置2から放射された放射線Rに応じた放射線画像データを生成する装置であり、パネル状に構成されていて、持ち運ぶことが可能である。このため、FPD1は、撮影台に装填して用いることができるのは勿論、ベッドBの上で臥位の姿勢をとっている被検者SとベッドBとの間にFPD1を水平に配置して用いたり、図1に示すように、背上げしたベッドB又は車椅子で座位の姿勢をとっている被検者Sと背もたれ部との間にFPD1を立てて配置して用いることも可能である。
なお、撮影台に装填されたFPD1の放射線入射面(被検者Sと対向する面)は、水平面に対し平行又は直交した状態となるが、撮影台を用いない(ベッドBや車椅子での)撮影においては、放射線入射面が、必ずしも水平面に対し平行又は直交した状態とならない(傾斜する)ことがある。また、FPD1は、ベッドBなどの柔らかい器具と被検者Sとの間に介在する状態では、被検者Sの動きに伴って動くことがある。
放射線発生装置2は、発生装置本体21と、照射指示スイッチ22と、管球23と、管球支持部24と、コリメーター25と、FPD格納部26と、を備える。また、放射線発生装置2は、発生装置本体21の筐体に備えられた車輪により移動可能となっている。
照射指示スイッチ22は、ユーザーUにより操作(押下)されたことを契機として、操作信号を発生装置本体21へ出力する。なお、図1には、照射指示スイッチ22が有線で発生装置本体21と接続された状態を例示したが、照射指示スイッチ22と発生装置本体21とは、無線で接続されていてもよい。
管球23は、照射指示スイッチ22が操作されたことを契機として、予め設定された撮影条件に応じた線量の放射線R(X線など)を撮影条件に応じた態様で発生させ、照射口から照射する。
管球支持部24は、管球23を支持するアームである。管球支持部24は、発生装置本体21から上方の先端に延びる支持部241と、支持部241の上部から前方に延びる支持部242と、を有する。支持部242の先端部は、管球23を支持している。また、管球支持部24は、図示しない関節機構を有することにより、管球23を、X軸方向(放射線発生装置2の前後方向(図1の左右方向))、X軸と直交するY軸方向(放射線発生装置2の幅方向(図1の紙面と直交する方向))、並びにX軸及びY軸と直交するZ軸方向(鉛直方向(図1の上下方向)に移動させることが可能である。また、管球支持部24は、図示しない関節機構により、管球23を、X軸、Y軸、及びZ軸と平行な回転軸を中心に回転させて放射線Rの照射口の向きを変えることが可能となっている。
コリメーター25は、管球23の照射口に取り付けられ、照射口から照射された放射線Rの照射野が予め設定された矩形状となるよう放射線Rを絞るようになっている。また、コリメーター25は、図示しないランプボタンを備えている。そして、ユーザーによりランプボタンが操作されたことを契機として、放射線Rの照射野となる範囲に可視光を照射するようになっている。
FPD格納部26は、不使用時のFPD1を格納しておくものであり、発生装置本体21の側面に設けられている。また、FPD格納部26は、複数のFPD1を格納することが可能となっている。FPD格納部26の中には、図示しないコネクターが設けられており、FPD1が格納されるとFPD1のコネクター16a(図2)と接続される構成としてもよい。
コンソール3は、PC(Personal Computer)、携帯端末あるいは専用の装置によって構成され、放射線発生装置2の上に搭載されている。コンソール3は、外部装置(RIS60(図5(a))など)から取得した撮影オーダー、又はユーザーUによって操作部32になされた操作に基づいて、FPD1及び放射線発生装置2のうちの少なくとも一方の装置に、撮影条件(管電圧、管電流と照射時間又は電流時間積(mAs値)、撮影部位、撮影方向等)を設定することが可能となっている。撮影オーダーは、臨床医がユーザーに依頼する放射線撮影に関する情報であり、放射線撮影の指定日時、撮影対象の被検者の被検者情報(後述する患者IDなど)、撮影部位(後述する撮影部位IDなど)、後述する目的ID、撮影内容の情報などを含む。また、コンソール3は、FPD1が生成した放射線画像データを取得し、それを自身に保存したり、他の外部装置(PACSなど)へ送信したりすることが可能となっている。
このように構成された放射線撮影システム100(回診車RC)を用いた放射線撮影(座位撮影)は、以下のように行われる。まず、ユーザーUは、放射線撮影システム100を被検者Sの近傍(ベッドB)の脇に配置する。そして、ユーザーUは、被検者Sに座位の姿勢をとらせる。ユーザーUは、被検者Sが角度調整可能な器具(一部を立てられるベッドBなど)に座っている場合に、ベッドBの背もたれ部の角度を適宜調整する。そして、管球23の照射口が被検者Sの撮影部位の方を向くように、管球23のおおよその位置及び向きを調整する。そして、FPD格納部26からFPD1を取り出し、FPD1を被検者Sの背中と背もたれ部との間に配置する。そして、放射線Rの照射軸がFPD1の放射線入射面と直交するよう、管球23の向き及び照射野を微調整する。そして、放射線撮影する(被検者Sの撮影部位に放射線Rを照射し、FPD1に診断対象部位が写った静止画又は動態画像の放射線画像データを生成させる)。
なお、発生装置本体21とコンソール3とは、一体になっている(一の筐体に格納されていてもよい)構成とするが、別体になっていてもよい。また、放射線発生装置2は、車輪以外の手段によって移動可能となっていてもよい。例えば、放射線発生装置2は、人が持ち運べる程度、あるいは市販の台車などに搭載可能な程度に軽量化されていてもよいし、底面が滑らかで床面に対し摺動するようになっていてもよい。また、放射線撮影システム100は、FPD1及び放射線発生装置2のうちの一方の装置が、医療施設の室内などに据え付けられたもの(他方の装置は自由に移動可能なもの)であってもよい。
ついで、図2を参照して、FPD1の内部構成について説明する。図2に示すように、FPD1は、放射線検出部11と、走査駆動部12と、読み出し部13と、制御部14と、記憶部15と、通信部16と、センサー部17と、を備える。FPD1の各部は、通信接続されている。
放射線検出部11は、シンチレーター(図示略)と、光電変換パネル111と、を備える。シンチレーターは、例えばCsIの柱状結晶などで平板状に形成されている。そして、シンチレーターは、放射線を受けることで、放射線よりも波長の長い電磁波(例えば可視光など)を、受けた放射線の線量(mAs)に応じた強度で発する。また、シンチレーターは、放射線検出部11の筐体の放射線入射面と平行に広がるよう配置されている。
光電変換パネル111は、シンチレーターにおける放射線入射面と対向する面と反対側に、シンチレーターと平行に広がるよう配置されている。光電変換パネル111は、基板111aと、複数の電荷蓄積部111bと、を有する。複数の電荷蓄積部111bは、基板におけるシンチレーターと対向する面に、放射線画像の各画素に対応する二次元状(例えば行列状)に配列されている。各電荷蓄積部111bは、シンチレーターが発生させた電磁波の強度に応じた量の電荷を生成する半導体素子と、各半導体素子と読み出し部13に接続された配線との間に設けられたスイッチ素子と、をそれぞれ有する。各半導体素子には、図示しない電源回路からバイアス電圧が印加されている。そして、各電荷蓄積部は、スイッチ素子のオン状態/オフ状態を切り替えることにより、受けた放射線に応じて信号値として読み出すための電荷を蓄積して放出する。
走査駆動部12は、放射線検出部11の各走査線111cにオン電圧又はオフ電圧を印加することにより、各スイッチ素子をオン状態又はオフ状態に切り替える。
読み出し部13は、放射線検出部11の各信号線111dを介して電荷蓄積部111bから流入してきた電荷の量を信号値として読み出す。なお、読み出し部13は、信号値を読み出す際にビニングを行ってもよい。
制御部14は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)(図示略)を有する。CPUは、記憶部15に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開された処理プログラムとの協働で各種処理を実行することで、FPD1の各部の動作を統括的に制御する。また、制御部14は、読み出し部13が読み出した複数の信号値に基づいて放射線画像データを生成する。
記憶部15は、半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)などにより構成され、制御部14が実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要なパラメーター、ファイルの各種データを記憶している。なお、記憶部15は、放射線画像の画像データを記憶することが可能でもよい。
通信部16は、無線通信の通信モジュールなどで構成される。そして、通信部16は、無線通信接続された回診車RCなどの外部装置との間で各種信号や各種データを送受信する。
センサー部17は、FPD1と管球23との対向角度を算出するのに必要な情報の検出部である。センサー部17は、3軸加速度センサーである。3軸加速度センサーは、3軸(x軸、y軸及びz軸)方向に作用する加速度をそれぞれ検出し、検出した3軸方向の加速度の加速度情報を制御部14へ出力する。静止状態の3軸加速度センサーには、重力加速度のみが作用する。このため、3軸加速度センサーは、静止状態においては、重力加速度の3軸方向成分をそれぞれ検出する。
なお、センサー部17は、6軸センサー又は9軸センサーであってもよい。6軸センサーは、上記3軸加速度センサーに、3軸の角速度(ジャイロ)をそれぞれ検出する機能が付加されたものである。また、9軸センサーは、上記6軸センサーに、3軸の方位(東西南北)をそれぞれ検出する機能が付加されたものである。
制御部14は、例えば、所定条件が成立したことを契機として、センサー部17に、3軸方向の重力加速度の加速度情報を繰り返し検出させる。所定条件には、例えば、検出器1の電源がオンにされたこと、他の装置(回診車RCなど)から所定の制御信号を受信したこと、FPD1の操作部(図示略)に所定操作がなされたことなどが含まれる。制御部14は、センサー部17が重力加速度の加速度情報を検出する度に、通信部16を介して、検出した重力加速度の加速度情報を回診車RCへ送信する。
制御部14の動作として、例えば、制御部14は、放射線発生装置2から放射線Rが照射されるタイミングと同期して、放射線検出部11での電荷の蓄積・放出を走査駆動部12に行わせる制御を実行する。また、制御部14は、放射線検出部11が放出した電荷に基づく信号値の読み出しを読み出し部13に行わせる制御を実行する。また、制御部14は、読み出し部13が読み出した信号値に基づいて、照射された放射線Rの線量分布に応じた静止画像又は動態画像の放射線画像データを生成する。制御部14は、静止画の放射線画像データを生成する場合に、1回の照射指示スイッチ22の押下につき放射線画像データの生成を1回だけ行う。また、制御部14は、動態画像の放射線画像データを生成する場合に、1回の照射指示スイッチ22の押下につき動態画像を構成するフレームの放射線画像データの生成を所定時間当たり複数回(例えば1秒間に15回)繰り返す。また、制御部14は、生成した放射線画像データを、通信部16を介して外部装置(回診車RCなど)へ送信する。
なお、FPD1としては、上記のようにシンチレーターを介して放射線を電気信号に変換する間接変換型に限定されるものではなく、放射線を半導体素子により直接的に電気信号に変換する直接変換型としてもよい。
ついで、図3を参照して、回診車RCの放射線発生装置2及びコンソール3の内部構成について説明する。図3に示すように放射線発生装置2は、発生装置本体21、照射指示スイッチ22、管球23、管球支持部24、コリメーター25及びFPD格納部26の他、センサー部27と、サブ表示部28と、距離測定部29と、光学撮影部2Aと、を備える。また、発生装置本体21は、制御部211と、記憶部212と、ジェネレーター213と、通信部214と、を有する。管球23を除く放射線発生装置2の各部は、通信可能に接続されている。
センサー部27は、管球23に設けられ、センサー部17と同様の3軸加速度センサーである。なお、センサー部27は、6軸センサー又は9軸センサーであってもよい。また、センサー部27を構成するセンサーは、センサー部17を構成するセンサーと種類が異なっていてもよい。制御部211は、通信部214を介して静止したFPD1から受信した3軸方向の重力加速度の加速度情報と、静止した管球23においてセンサー部27により検出された3軸方向の重力加速度の加速度情報とから、FPD1(の放射線入射面)と管球23(の放射線照射方向に垂直な面)との対向角度を算出する。
サブ表示部28は、LCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示部により構成され、例えば管球23の近傍に設けられている。サブ表示部28は、制御部211から入力される表示情報に従って、各種画像などの表示情報を表示する。サブ表示部28、光学撮影部2Aは、コリメーター25の筐体に設けられているものとする。なお、サブ表示部28、光学撮影部2Aは、管球23の筐体に設けられる構成や、管球支持部24に設けられる構成としてもよい。また、サブ表示部28の表示内容は、メイン表示部31の表示内容と分けられる。
距離測定部29は、SID(Source Image Distance)を測定する測定部であって、測定したSIDを制御部211に出力する。SIDは、放射線Rの焦点FとFPD1の撮像面(放射線検出部11における電荷蓄積部111bが設けられている面)との間の距離である。なお、距離測定部29は、SSD(Source Skin Distance)を測定する構成としてもよい。SSDは、放射線Rの焦点Fと被検者Sの体表との距離であり、SIDと被検者Sの体厚との差とほぼ等しい。距離測定部29は、コリメーター25に設けられている。
距離測定部29は、例えば、レーザー光を発する発光手段と、反射してきたレーザー光を検知する検知手段と、レーザー光を発してから反射してきたレーザー光を検知するまでの時間に基づいて発光手段から反射点までの距離を算出する算出手段と、で構成されたものであってもよいし、放射線の照射方向にあるFPD1を光学撮影する光学撮影部2Aが生成したFPD1の光学画像及びFPD1のサイズ情報に基づいてSIDを算出する算出手段で構成されたものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。また、レーザー光は被検者Sの体表で反射するため、レーザー光を用いた距離測定部29が測定する距離はSSDとなることが多い。この場合には、測定したSSDに被検者Sの体厚を加算した値をSIDとする。体厚は、所定の基準値であってもよいし、ユーザーUが入力した数値であってもよいし、被検者Sの情報から自動的に算出したものであってもよい。
制御部211は、センサー部17によるFPD1の3軸の加速度情報(から算出される水平面に対するFPD1の放射線入射面の傾き情報(姿勢))と、センサー部27による管球23の3軸の加速度情報(から算出される水平面に対する管球23(コリメーター25)の放射線照射方向に垂直な面の傾き情報(姿勢))と、距離測定部29によるFPD1と管球23との距離と、を含むアライメント情報を算出する。FPD1の傾き情報は、管球23(コリメーター25)の傾き情報からの差分値で表してもよい。ユーザーは、過去の放射線撮影時のアライメント情報から、当該放射線撮影におけるFPD1と管球23との配置を把握して、FPD1及び管球23(コリメーター25)の配置を調整できる。なお、アライメント情報は、管球23の傾き情報のみの単独アライメントとしてもよい。
光学撮影部2Aは、レンズなどの光学系と、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、を有する。光学撮影部2Aは、制御部211の制御に従い、被写体としての被検者Sを可視光で光学的に撮影して光学画像データを生成し、制御部211などに出力する。例えば、光学撮影部2Aは、被検者Sを光学撮影して静止画又は動態(ライブ画像など)の光学画像データを生成する。
制御部211は、CPU、RAMなどにより構成される。そして、CPUは、記憶部212に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行し、放射線発生装置2及びコンソール3の各部を制御する。
記憶部212は、不揮発性のメモリーやHDDなどにより構成され、制御部211が実行する各種プログラムやプログラムの実行に必要なパラメーター、ファイルなどの各種データを記憶している。特に、記憶部212には、後述する第1の品質情報取得処理を実行するための第1の品質情報取得プログラムと、後述するナビゲーション処理を実行するためのナビゲーションプログラムと、後述する判断支援処理を実行するための判断支援プログラムと、後述する撮影目的テーブル400と、を記憶しているものとする。
ジェネレーター213は、制御部211から撮影指示信号を受信したことを契機として、予め設定された撮影条件に応じた電圧を管球23へ印加するとともに撮影条件に応じた電流を管球23へ通電する。
通信部214は、通信モジュールなどで構成されている。通信部214は、無線接続されたFPD1や、通信ネットワークを介してRIS50などの外部装置との間で各種信号や各種データを送受信することが可能となっている。
コンソール3は、制御部と、記憶部と、通信部と、メイン表示部31と、操作部32と、音声出力部33と、を備える。コンソール3の制御部、記憶部及び通信部は、放射線発生装置2の制御部211、記憶部212及び通信部214がそれぞれ兼ねている。なお、コンソール3は、専用の制御部、記憶部及び通信部を備える構成としてもよい。
メイン表示部31は、LCDやELディスプレイなどにより構成されている。メイン表示部31は、制御部211から入力される表示情報に従って、各種情報を表示する。
操作部32は、例えば、各種キーを有するキーボード、位置情報を入力するポインティングデバイスや、メイン表示部31の表示画面に一体的に形成されたタッチパネルなどで構成され、ユーザーUからの操作入力を受け付け、その操作情報を制御部211に出力する。
音声出力部33は、アンプ、スピーカーなどで構成され、制御部211から入力される音声情報に応じて、音声出力を行う。例えば、音声出力部33は、ユーザーUへの放射線撮影の支援をするための情報である撮影支援情報としてメッセージの合成音声を出力する。撮影支援情報とは、品質情報に基づく情報であって、撮影対象の被検者の放射線撮影を支援(補助)し、放射線画像データの画像品質を向上させるための情報である。品質情報は、放射線撮影の撮影目的に応じた放射線画像データの画像品質を評価するための情報である。
つぎに、図4を参照して、回診車RCに記憶する情報を説明する。図4は、撮影目的テーブル400の構成を示す図である。
回診車RCの記憶部212には、撮影目的テーブル400が記憶されているものとする。撮影目的テーブル400は、回診時の放射線撮影において、回診車RCが取得する撮影目的に応じた画像品質の品質情報を定義したテーブルである。撮影目的とは、回診で撮影する被検者の放射線画像データを用いる目的の診察の種類であり、「経過観察」、「初診診察」「疾患の特定」、「チューブなど挿管物の位置の確認」、「救急搬送された患者の状況確認」などである。また、撮影目的は、診療科によっても異なるし、疾病の種類によっても異なる構成としてもよい。また、病棟回診の場合に病棟が診療科で分かれている場合などに、診療科の代わりに病棟の特定によって撮影目的をある程度絞ることも可能である。
画像品質とは、撮影した放射線画像データに対する病変部、カテーテルなどの医療器具などの視認性が、臨床医の診察・診断目的に対して必要十分である品質、及び/又は、放射線画像データ(動態画像含む)を用いた画像解析処理を実行可能な要件を満たす品質である。要件とは、例えば、信号値、粒状性、コントラスト、解析対象部位のポジショニング、スジ及びアーティファクトの有無である。例えば、動態画像の放射線画像データである場合、画像品質には、要件を満たすフレームが一定数確保されているか否か、画像解析上最低限必要な撮影時間(フレーム)が確保されているか否か、(呼吸のような)患者動作の継続又は停止が一定時間維持しているか否か、素抜けがあるか否か、フレームレートは適切か否か、なども含まれる。素抜けとは、放射線画像データの被写体(被検者の撮影部位)が無い部分(空気だけの部分)を指す。素抜け部分は、障害物が無い分、線量が多く当たっている形になるため、被写体の範囲と一緒に画素値比較を行うと、平均や最大など正しい値が出ないため、例えば、解析を行う際に素抜け部分や人工物を除外して計算を行う。なお、同じ撮影部位(撮影オーダー)においても撮影目的に応じて観察部位、放射線画像データの比較対象(同一患者過去放射線画像データ、他患者放射線画像データなど)が異なり、撮影後の放射線画像データの写損の判断指標も異なる。品質情報は、特許文献1のような撮影条件を設定するための情報ではなく、撮影した放射線画像データの画像品質を評価する情報とする。
図4に示すように、撮影目的テーブル400は、目的ID401と、品質情報402と、の項目(カラム)を有する。目的ID401は、放射線撮影の撮影目的の識別情報である。品質情報402は、目的ID401の撮影目的(及び撮影部位)に対応して回診車RCが外部装置(RIS60(図5(a)))から取得する品質情報の内容である。図4の品質情報402の例示において、「患者」は、被検者である。「撮影部位」は、被検者の撮影対象の部位であり、例えば、胸部臥位AP(前部(Anterior)(腹側)から後部(Posterior)(背側)に向かって放射線を照射する放射線撮影)である。「アライメント調整履歴」は、管球23及びFPD1のアライメント情報の調整の履歴情報である。「EI(Exposure Index)」は、FPD1への入射線量を示す指標である。「S値」は、放射線撮影時の放射線量に相当する感度である。
撮影目的テーブル400において、例えば、撮影部位が胸部臥位APでありかつ撮影目的が「経過観察」である場合に、目的ID401が「0001」であるものとする。また、撮影部位が胸部臥位APでありかつ撮影目的が「初診診察」である場合に、目的ID401が「0002」であるものとする。なお、目的ID401(品質情報)は、撮影部位(撮影部位ID)、被検者(患者ID)、ユーザー(撮影技師のユーザーID)、臨床医(臨床医ID)の少なくとも一つに対応付けられているものとしてもよい。図4では一例として、目的ID401に対する品質情報402は複数の項目を有する形としているが、品質情報1つに対してIDを付与し、そのIDを目的IDでまとめる形の構成としてもよい。また、品質情報402に相対する形で、各項目の単位や設定範囲(又は閾値)などが定義されてもよい。例えば、“過去”のデータに対しては何世代前までの検査を対象とするといった設定を有するなどである。
ここで、本実施の形態における撮影目的と、品質情報と、判断支援情報と、の一例を次表Iに示す。判断支援情報とは、品質情報に基づく情報であって、放射線撮影した放射線画像データが所定の画像品質を満たしているか否か(写損再撮影を必要とするか否か)をユーザーが判断するための支援(補助)情報であり、放射線画像データの画像品質を向上させるための情報である。
Figure 2023116867000002
表Iの画像データ(、画像)は、放射線画像データ(、放射線画像)であるが、光学画像データ(、光学画像)を含めてもよい。
つぎに、図5(a)~図10を参照して、放射線撮影システム100の動作を説明する。図5(a)は、放射線撮影前の回診車RCのデータの流れを示すブロック図である。図5(b)は、放射線撮影後の回診車RCのデータの流れを示すブロック図である。図6は、第1の品質情報取得処理を示すフローチャートである。図7は、ナビゲーション処理を示すフローチャートである。図8は、判断支援処理を示すフローチャートである。図9は、判断支援画面500を示す図である。図10は、判断支援画面600を示す図である。
図5(a)に示すように、あらかじめ、医療施設において、端末装置50と、RIS60と、外部装置70と、待機場所にある回診車RCとが、中継装置(通信ネットワークに接続されたアクセスポイント、他の回診車、コンソールなど)を介して通信可能に接続されている。端末装置50は、臨床医が使用するPCなどの端末装置である。RIS60は、RIS(放射線科情報システム)のサーバーであり、HIS(病院情報システム)のサーバーとしてもよい。外部装置70は、品質情報を管理するサーバーであり、品質情報を記憶している。外部装置70は、RIS60、HISと重複してもよい。
回診先にいる被検者を放射線撮影する場合に、端末装置50は、臨床医からの当該放射線撮影の撮影日時、撮影対象の少なくとも一人の被検者(患者)の指定情報、撮影部位、撮影目的などの操作入力を受け付け、撮影日時と、患者の指定情報に対応する患者IDと、撮影部位に対応する撮影部位IDと、撮影目的に対応する目的IDとを含む撮影オーダーを発行してRIS60に送信する。端末装置50が発行する撮影オーダーは、1つの撮影単位のオーダーであり、撮影条件などが対象となるため、撮影単位(画像単位)となる。RIS60は、撮影オーダーを端末装置50から受信して自機の記憶部に記憶し、受信した撮影オーダーに基づく撮影オーダー(RISオーダー)を発行して回診車RCに送信する。RIS60が発行する撮影オーダー(RISオーダー)は、1つの放射線撮影の検査単位のオーダーであり、概ね検査オーダーとなる。検査オーダーは、1つの検査単位のオーダーであり、その中に、(端末装置50が発行する)複数の撮影オーダーが含まれている。
撮影技師などのユーザーは、FPD1及び回診車RCのある待機場所に行く。そして、回診車RC(コンソール3)において、例えば、通信部214を介して、撮影オーダーをRIS60から受信開始したことをトリガーとして、制御部211は、記憶部212に記憶されている第1の品質情報取得プログラムに従い、第1の品質情報取得処理を実行する。
図6に示すように、まず、制御部211は、通信部214を介して、撮影オーダーをRIS60から受信完了して取得する(ステップS11)。そして、制御部211は、記憶部212に記憶されている撮影目的テーブル400を参照し、ステップS11で取得された撮影オーダーの目的ID401に対応する品質情報402から、取得する品質情報を決定する(ステップS12)。
そして、制御部211は、通信部214を介して、撮影オーダーの患者ID、目的ID、撮影部位IDを含むステップS12で決定された品質情報の要求を外部装置70に送信し、当該品質情報を外部装置70から受信して取得する(ステップS13)。ステップS13に対応して、外部装置70は、品質情報の要求を回診車RCから受信し、品質情報の要求内の患者ID、目的ID、撮影部位IDに対応する品質情報を自機の記憶部から読み出して回診車RCに送信する。
そして、制御部211は、ステップS13で取得した品質情報を撮影オーダーに対応付けて記憶部212に保存し(ステップS14)、第1の品質情報取得処理を終了する。
なお、回診先や、待機所と回診先との間の経路でも通信ネットワークが利用可能な通信環境である場合には、待機所ではなく、回診先や、待機所から回診先の移動中に、回診車RCの制御部211が、第1の品質情報取得処理を実行する構成としてもよい。
第1の品質情報取得処理の実行後、ユーザーは、待機所から、FPD1を格納した回診車RCとともに撮影対象の被検者がいる回診先に行き、当該被検者の放射線撮影を開始する。このとき、回診先の回診車RC(コンソール3)において、例えば、操作部32を介して、ユーザーからナビゲーション処理の実行指示が入力されたことをトリガーとして、制御部211は、記憶部212に記憶されているナビゲーションプログラムに従い、ナビゲーション処理を実行する。
図7に示すように、まず、制御部211は、全ての撮影オーダーを記憶部212から読み出してメイン表示部31に表示し、操作部32を介して、ユーザーからの表示した撮影オーダーのうち撮影する被検者(患者)の撮影オーダーの選択入力を受け付ける(ステップS21)。
そして、制御部211は、ステップS21で選択入力された撮影オーダーに対応し、放射線撮影を支援するための品質情報を記憶部212から読み出して取得し、取得した品質情報と、今回の放射線撮影の各種情報と、を含む回診撮影情報を取得する(ステップS22)。ステップS22の品質情報は、例えば、過去の放射線撮影時の光学画像データである。ステップS22の今回の放射線撮影の各種情報は、今回の放射線撮影に関する情報であって、例えば、FPD1と管球23とのアライメント(パネルアライメント)情報や、管球23の線量などである。そして、制御部211は、ステップS22で取得された回診撮影情報から、撮影対象の被検者の放射線撮影を支援する撮影支援情報を生成する(ステップS23)。そして、制御部211は、ステップS24で生成した撮影支援情報をメイン表示部31に表示して、放射線撮影をナビゲーションする(ステップS24)。
そして、制御部211は、操作部32、照射指示スイッチ22を介するユーザーからの放射線撮影に関する操作入力に応じて、FPD1及び放射線発生装置2を用いた被検者の放射線撮影を行い、撮影した被検者の放射線画像データをFPD1から取得する(ステップS25)。そして、制御部211は、ステップS25の放射線撮影実施時の各種情報(放射線画像データ、撮影オーダー、光学撮影部2Aの光学撮影による管球23及びFPD1のアライメント測定に基づくアライメント情報、管球23の線量、光学画像データ、EI、S値など)を対応付けて記憶部212に保存し(ステップS26)、ナビゲーション処理を終了する。
なお、品質情報により、放射線画像データの画像品質を評価する際は、ナビゲーション処理のステップS25の放射線撮影後に、制御部211が、放射線画像データに画像処理を施し、品質情報の過去の放射線画像データとの比較が容易な放射線画像データに変換し、撮影した放射線画像データの評価(後述する放射線画像データの写損判断)をサポートできる。画像処理は、例えば、領域抽出や輪郭抽出、経時差分、骨除去、ずれ量算出、左右判定である。また、放射線画像データの評価により、次ステップのユーザーの写損判断に移らず、制御部221は自動で写損判断を行い、再撮影のステップに遷移してもよい。
ナビゲーション処理の実行後、ユーザーは、ナビゲーション処理で撮影した放射線画像データの写損の判断を開始する。このとき、回診先の回診車RC(コンソール3)において、例えば、操作部32を介して、ユーザーから判断支援処理の実行指示が入力されたことをトリガーとして、制御部211は、記憶部212に記憶されている判断支援プログラムに従い、ナビゲーション処理を実行する。
図8に示すように、まず、制御部211は、ナビゲーション処理のステップS21で選択入力された撮影オーダー(の被検者(患者))に対応し、撮影した放射線画像データの写損の判断を支援するための品質情報を記憶部212から読み出して取得し、取得した品質情報と、今回の放射線撮影の各種情報と、を含む回診撮影情報を取得し、選択された撮影オーダーと、取得した回診撮影情報とから、回診撮影の被検者の患者特有情報を取得する(ステップS41)。ステップS41の回診撮影情報は、放射線撮影を行うための情報と、放射線撮影を行ったことで得られた放射線撮影画像データに付随する情報と、放射線撮影装置に関する情報と、を含むものとする。なお、回診撮影情報は、放射線撮影を行うための情報と、放射線撮影を行ったことで得られた放射線撮影画像データに付随する情報と、放射線撮影装置に関する情報と、の少なくとも1つを含むものとしてもよい。患者特有情報は、被検者(患者)の疾患を示す疾患情報と、当該被検者の前回の放射線撮影時の各種情報としての前回撮影情報と、の少なくとも1つを含みうるものとする。
そして、制御部211は、ステップS41で取得された患者特有情報内に、撮影対象の被検者の疾患を示す疾患情報があるか否かを判別する(ステップS42)。疾患情報がある場合(ステップS42;YES)、制御部211は、ステップS22で取得された品質情報から、ステップS42の疾患情報に対応する他の患者の過去の参考データ(疾患が正常/異常)を取得する(ステップS43)。ステップS43の参考データ(正常/異常)は、疾患を有する他の患者の過去の放射線撮影時(正常/異常)の放射線画像データ、回診撮影時のアライメント情報などの撮影条件、被検者の患者情報(体位/体格)などを含む。
疾患情報がない場合(ステップS42;NO)、制御部211は、ステップS41で取得された患者特有情報から、他の健常者である患者の過去の汎用的な参考データ(疾患が正常)を取得する(ステップS44)。ステップS44の参考データ(正常)は、他の患者の過去の放射線撮影時(正常)の放射線画像データ、回診撮影時のアライメント情報などの撮影条件、被検者の患者情報(体位/体格)などを含む。
そして、制御部211は、ステップS41で取得された患者特有情報内に、撮影対象の被検者の前回の放射線撮影時の各種情報としての前回撮影情報があるか否かを判別する(ステップS45)。前回撮影情報がある場合(ステップS45;YES)、制御部211は、ステップS45の前回撮影情報から、前回の放射線撮影時のアライメント情報などの撮影条件や放射線画像データなどを取得する(ステップS46)。
そして、制御部211は、ナビゲーション処理のステップS26で記憶された放射線撮影実施時の放射線画像データを含む各種情報を撮影結果情報として記憶部212から読み出して取得する(ステップS47)。
そして、制御部211は、判断支援情報の表示する放射線画像データの選択ルールを確認する(ステップS48)ステップS48の判断支援情報の選択ルールは、予め設定されて記憶部212に記憶されている構成としたり、ステップS42で操作部32を介してユーザーからの入力される構成としてもよい。判断支援情報の選択ルールは、撮影した放射線画像データとともに表示する過去放射線画像データについて、同じ疾患情報(の過去放射線画像データ)を優先するか否かの情報を含む。
そして、制御部211は、ステップS48で確認された判断支援情報の選択ルールから、疾患情報を優先するか否かを判別する(ステップS49)。疾患情報を優先する場合(ステップS49;YES)、制御部211は、ステップS43で取得された撮影対象の被検者と同じ疾患の他の患者の参考データ(正常/異常)、又はステップS44で取得された汎用的な他の患者の参考データ(正常)と、ステップS47で取得された撮影対象の被検者の撮影結果情報との比較設定を行う(ステップS50)。
疾患情報を優先しない場合(ステップS49;NO)、制御部211は、ステップS46で取得された前回撮影時の撮影条件と、ステップS47で取得された撮影対象の被検者の撮影結果情報との比較設定を行う(ステップS51)。
そして、制御部211は、判断支援情報の表示する放射線画像データの表示ルールを確認する(ステップS52)。判断支援情報の表示ルールは、予め設定されて記憶部212に記憶されている構成としたり、ステップS52で操作部32を介してユーザーからの入力される構成としてもよい。判断支援情報の表示ルールは、撮影した放射線画像データとともに表示する過去放射線画像データ(比較画像データ)や、他の撮影結果情報について、写損を判断するための判断支援情報の画面情報で、各種情報をどのように配置、表示するかの情報を含み、例えば、放射線画像/比較画像の表示方法(並列/重畳/順次)や、表示枠(2枚/3枚/多数)、画像処理の適用条件を有する。
そして、制御部211は、ステップS41で取得された回診撮影情報と、ステップS47で取得された放射線画像データを含む撮影結果情報と、ステップS50で比較設定された対象疾患の参考データ、又はステップS51で設定された前回撮影の撮影条件、放射線画像データとを含み、ステップS52で確認した表示ルールに従い、ステップS26で記憶された放射線画像データの写損の判断を支援する判断支援情報(の画面データ)を生成し、生成した判断支援情報をメイン表示部31に表示する(ステップS53)。
ステップS53では、例えば、図9に示す判断支援画面500が表示される。判断支援画面500は、被検者の撮影部位としての胸部(肺野)の放射線撮影の写損の判断支援画面の一例である。判断支援画面500は、撮影放射線画像領域510、比較放射線画像領域520、判断支援情報領域530などを有する。
撮影放射線画像領域510は、ナビゲーション処理でのFPD1、放射線発生装置2の放射線撮影による被検者の撮影部位(胸部)の放射線画像データに基づく撮影放射線画像511の表示領域である。撮影放射線画像511は、撮影対象の被検者の放射線撮影した胸部の放射線画像である。撮影放射線画像511には、制御部211による撮影放射線画像511の画像解析により生成された被検者の体軸補助線512が重畳されている。
比較放射線画像領域520は、他の患者の撮影部位(胸部)の過去の放射線画像データに基づく比較放射線画像521の表示領域である。比較放射線画像521には、被写体の患者の体軸補助線522が重畳されている。また、撮影放射線画像511と比較放射線画像521とは、横方向に並列に配置され、ユーザーの目視による比較が容易になっている。なお、図示しないUI(User Interface)を操作した場合や、予め表示ルールに設定しておくことで、撮影放射線画像511又は比較放射線画像521の何れかを透過性画像とし、2画像を重畳した合成画像を表示できるようにしてもよい。
判断支援情報領域530は、回診撮影情報(品質情報)に基づく放射線画像データの写損の判断を支援するための文字情報の表示領域であって、例えば、比較放射線画像521に対する撮影放射線画像511の各種情報の誤差情報が表示されている。各種情報の誤差情報は、例えば、比較放射線画像521のアライメント情報に対する撮影放射線画像511のアライメント情報の誤差(パネルアライメント誤差)と、体軸補助線522に対する体軸補助線512のズレ量(体軸ズレ)と、比較放射線画像521の撮影条件のEIT(target Exposure Index:目標線量指標)、S値に対する撮影放射線画像511の撮影条件のEIT、S値の差異(EIT、S値差)と、比較放射線画像521及び撮影放射線画像511の肺野における所定情報の判定(肺野〇〇判定)と、を有する。例えば、撮影オーダーの目的IDが変わると、比較放射線画像領域520、判断支援情報領域530の内容も、目的IDに応じた情報に変えられる。
また、図9に示す判断支援画面500において、表示する項目や表示位置だけでなく、見せ方(色、フォントサイズ)、注意表記、画像との関連性を示す紐付け表記などについても設定可能としてよいし、撮影目的(目的ID)などに応じて切り替わってもよい。例えば、パネルアライメント誤差や体軸ズレは一定値以上だった場合のみ表示するが、EITやS値の差は大小に関わらず表示させるといった形の条件を持たせてもよい。例えば、体軸ズレについては、図9のように判断支援情報領域530に文字情報として表示するだけでなく、比較放射線画像領域520を表示しないケース場合を鑑み、撮影放射線画像領域上に今回の体軸だけでなく、前回撮影時の体軸のイメージを重ねて表示し、色識別や体軸同士の幅や角度(体軸ズレ)を画像上で表現してもよい。
なお、撮影条件のEI、EIT、S値の代わり若しくは追加で、特開2020-130796号公報に記載される放射線画像のノイズに関連する露光指標を使用してもよい。
また、図9の例では、制御部211は、撮影した放射線画像データ及び回診撮影情報を組み合わせて加工して、判断支援情報としての判断支援画面500を生成する。なお、この構成に限定されるものではなく、制御部211は、回診撮影情報をそのまま使用と、回診撮影情報を加工と、撮影した放射線画像データ及び回診撮影情報を組み合わせて加工と、のいずれか1つを選択して判断支援情報を生成する構成としてもよい。
ステップS41~S53に示したように、制御部211は、回診撮影情報に基づいて、生成する判断支援情報の種類を決定し、回診撮影情報を用いて判断支援情報を生成している。
そして、制御部211は、操作部32を介して、ユーザーからの放射線画像データの写損要否判断結果の入力を受け付け、放射線画像データ、写損要否判断結果に対応付けて判断支援情報を記憶部212に保存する(ステップS54)。
そして、制御部211は、通信部214を介して、撮影オーダーの患者ID、撮影部位ID、目的IDに対応付けられた放射線画像データをRIS60に送信する(ステップS56)。ステップS56において、図5(b)に示すように、RIS60は、撮影オーダーに対応付けられた放射線画像データを回診車RCから受信して自機の記憶部に記憶するとともに、端末装置50に送信する。端末装置50は、撮影オーダーに対応付けられた放射線画像データをRIS60から受信して自機の表示部に表示する。臨床医は、端末装置50に表示された回診先の被検者の放射線画像データの放射線画像を観察する。
そして、制御部211は、通信部214を介して、撮影オーダーの患者ID、撮影部位ID、目的IDに対応付けられた判断支援情報及び撮影結果情報を外部装置70に送信し(ステップS56)、判断支援情報を終了する。撮影結果情報は、撮影オーダーの患者ID、撮影部位ID、目的IDに対応付けられた放射線画像データ、写損要否判断結果、ナビゲーション処理のステップS26で記憶された他の各種情報(光学画像データなど)、撮影日時などを含む。ステップS56において、図5(b)に示すように、RIS60は、撮影オーダーに対応付けられた判断支援情報及び撮影結果情報を回診車RCから受信して自機の記憶部に記憶する。この撮影結果情報は、次回以降の品質情報としても活用される。
また、外部装置70に記憶して次回以降に活用する品質情報としては、撮影結果情報に限定されるものではなく、判断支援情報や、操作部32を介するユーザーから操作入力される申し送り事項のメモ情報(失敗例のメモや、患者IDに紐づく撮影時の注意点など)などとしてもよい。また、メモ情報の記憶操作については、操作部32を介してユーザーがメイン表示部31に表示されたチェックボックスを簡単にチェックするだけで記憶部212、外部装置70に保存できるようにするのが好ましい。また、回診車RCがマイクなどの音声入力部を備え、音声入力部を介するユーザーのメモ情報の音声入力を行う構成としてもよい。
また、撮影結果情報において、放射線撮影の放射線画像データと当該放射線撮影で光学撮影された光学画像データとは、対応付けられるものとする。また、品質情報においては、患者の状態に応じて品質情報のレベルの許容幅を拡張する構成としてもよい。
また、外部装置70に記憶された品質情報について、外部装置70によりキャリブレーションが行われる構成としてもよい。例えば、外部装置70に記憶された品質情報を元にユーザーが臨床医と相談する。外部装置70は、ユーザー又は臨床医の操作入力に応じて、記憶している品質情報の基準(比較用)の放射線画像データ(、光学画像データ)や、各種データを修正する。品質情報の外れ値(ノイズ)は、除外される。例えば、患者状態等により品質基準を満たさない条件でやむなく撮影せざるを得なかった放射線撮影、動作テスト放射線撮影、などは品質情報の外れ値として除外或いは修正可能にしてもよい。
なお、外部装置70に保存される情報については、記憶部212にも同様に記憶され、次回以降の撮影時に再活用してもよい。記憶部212の容量次第では、ステップS13で取得した品質情報も継続保持することで、次回同一患者(被検者)の検査時における事前取得の取得処理コストの軽減としてもよい。また、外部装置70を外付けの半導体メモリー(SSD(Solid State Drive)など)又はHDDのようなものにより、回診車RCに対する持ち運び可能な記憶部として使用してもよい。これにより、回診車RCから外部装置70への送信処理(ステップS56)を切り離し、回診車RCの制御部211は、外付けの半導体メモリー又はHDDへの判断支援情報、撮影結果情報、品質情報などの保存処理のみを行うため、外部装置70への送信処理負荷が軽減する。そして、制御部211は、外付けの半導体メモリー又はHDDから判断支援情報、撮影結果情報などを読み出して外部装置70に対して自由な契機で出力(送信)を行う形としてもよい。
つぎに、図10を参照して、判断支援処理の実施例を説明する。被検者は、肺疾患に伴う入院患者であり、病棟の回診で放射線撮影を行うケース(例えば、コロナ病棟での回診撮影)である。深呼吸(吸気状態)で放射線撮影を行った際、放射線画像が想定よりも肺野が小さい(横隔膜が高い位置)状態であり、被検者が正しく息を吸えていないか否かにより、ユーザーが再撮影を行うべきか否かの判断に迷うケースである。回診撮影情報は、例えば、前回撮影の放射線画像データ、同症例放射線画像データ(正常/異常)、類似放射線画像データである。判断支援情報は、例えば、並列表示する比較放射線画像データ、横隔膜の位置を示す補助線である。
判断支援処理のステップS53において、例えば、図10に示す判断支援画面600がメイン表示部31に表示される。判断支援画面600は、患者情報領域610と、選択ボタン620と、撮影放射線画像領域630と、比較放射線画像領域640,650と、を有する。
患者情報領域610は、撮影オーダーに基づく患者情報(患者ID、患者名、性別、生年月日、依頼科)の表示領域である。選択ボタン620は、撮影部位、画像データ種類(静止画、動態)の入力を受け付けるボタンである。ここでは、例えば、「胸部動画PA」と「腹部動画PA」との切替入力が可能である。
撮影放射線画像領域630は、ナビゲーション処理でのFPD1、放射線発生装置2の放射線撮影による被検者の撮影部位(胸部)の放射線画像データに基づく撮影放射線画像631の表示領域である。撮影放射線画像631は、撮影対象の被検者の放射線撮影した胸部(胸部動画PA)の放射線画像である。撮影放射線画像631には、制御部211による撮影放射線画像631の画像解析により生成された被検者の横隔膜の位置を示す補助線632が重畳されている。
比較放射線画像領域640は、疾患が正常である(健常である)他の患者の撮影部位(胸部)の過去の放射線画像データに基づく比較放射線画像641の表示領域である。比較放射線画像641には、被写体の患者の横隔膜の位置を示す補助線642が重畳されている。比較放射線画像領域650は、疾患が異常である(例えば、内蔵脂肪過多である)他の患者の撮影部位(胸部)の過去の放射線画像データに基づく比較放射線画像651の表示領域である。比較放射線画像651には、被写体の患者の横隔膜の位置を示す補助線652が重畳されている。また、撮影放射線画像631と、比較放射線画像641,651とは、横方向に並列に配置され、ユーザーの目視による比較が容易になっている。
横隔膜の位置の判断基準として、第11肋骨後縁を補助線632,642,652により強調表示(例えば、黒線)している。また、透過性低下が見受け易い下肺(下葉)の位置を初期表示又は操作部32による操作で拡大表示可能とする構成としてもよい。一方で、救急や初回撮影で初見が無ければ、特定不可のため、参考情報の表示までとする。例えば、異常の比較放射線画像651を、間質性肺炎の参考画像や、内臓脂肪が多いことでの横隔膜運動低下例などとする。
また、図10の判断支援画面600では、横隔膜の位置を示すために補助線632,642,652の線を描画しているが、確認ポイントを丸や矩形で囲ったり、矢印で示したり、横隔膜である旨の文言を表記して描画するようにしてもよい。その際は、撮影放射線画像630だけでなく、比較放射線画像としての過去画像や参照画像(比較放射線画像領域640,650)上にも同じ対象であることを示す形状や記号、文字で示すことで、比較対象であることの視認性を上げてもよい。もしくは、描画部分が異常を示しているのか、正常を示しているのかを識別可能とするように、部分的に形状を変えたり、色を変えてもよい(例えば、正常サンプルは青の破線、異常サンプルは赤の破線とし、撮影放射線画像上では実線表示だが、色が赤寄りか青寄りかで閾値判定を一目で解るようにするなど)。
ついで、撮影判断処理の別の実施例を説明する。交通事故により搬送され、骨折診断された被検者への経過観察のケースである。回診撮影情報は、例えば、依頼科/依頼医の情報、放射線撮影時のベッド角度/アライメント情報、前回放射線撮影時のこれらの情報である。判断支援情報は、例えば、放射線画像上の指定ROI(Region Of Interest)における情報(例えば、腱板の幅)、腱板の幅の値に対する閾値比較結果、撮影環境や診断医に伴う許容範囲補正である。
骨折や腱断裂などの判断基準として、医療施設毎に放射線撮影時と放射線画像診断時とのポイントが定義されている。その際、臨床医として診断に必要な情報が撮影できているのか否かを、放射線撮影成否に加える必要がある。
<対応例>
例えば、腱板の幅が5mm以下かどうかを判断するRS(RaySum(Ray Summation))処理を追加した場合、制御部211は、単に5mm以下かどうかを示すだけでなく、放射線撮影時のベッド角度、アライメント情報との組み合わせで、計測値補正を行うか否かを、それらの情報と合わせて表示する。
また、制御部211は、臨床医情報(撮影オーダーした臨床医の名前だけでもよいし、要求情報など)に応じて、患者撮影時の照射角度(アライメント)の許容範囲を変更、又は通常の許容範囲と臨床医に応じた参考許容範囲との両方を付属情報として表示する。例えば、臨床医A1は前回も患者体調の都合でベッドを多少傾斜して直交から5℃ぐらいズレていても診断可能だったが、臨床医B1は、ズレに対して不適切として再撮影オーダーしていた、などの情報を表示する(具体的には、過去の写損時又は成功時の照射角度を、撮影オーダーした臨床医に応じて表示、又はエラー判定の閾値として使用する)。
ついで、撮影判断処理の別の実施例を説明する。被検者としての急性心筋梗塞の手術患者への術後観察をするケースである。回診撮影情報は、例えば、チューブ有無情報、撮影画像に対する画像解析結果(チューブ有無判定など)、回診撮影に対するユーザー(撮影技師)からの申し送り、前回放射線撮影時の撮影条件、チューブが無かった時期の過去撮影画像データ心電図やパルスオキシメーターの測定結果情報である。判断支援情報は、例えば、撮影した放射線画像データに対するチューブ除去解析処理画像データ、チューブが無かった時期の過去放射線画像データ、回診撮影に対するユーザーからの申し送り、心電図やパルスオキシメーターの測定結果情報である。
心臓カテーテル検査の代替簡易として、動態の回診車RCを用いて心臓運動評価(心室壁運動評価)を実施する。例えば、心臓の拡縮率を算出し、一定数値以上を維持しているか否かを確認する。その際、被検者に対してECMO(ExtraCorporeal Membrane Oxygenation)やドレーンが付与されている場合、それらのチューブ類により撮影部位が正しく放射線撮影されているか否かが不明である。
<対応例>
制御部211は、放射線画像データの画像解析、又は事前情報(チューブあり/なし)により、チューブの位置を把握する。それに伴い、制御部211は、通常撮影の放射線画像データに対し、チューブ無しの過去放射線画像やチューブ除去解析処理放射線画像などを比較放射線画像として表示する。チューブ除去解析処理は、前後フレームでのチューブ位置の画像補間などである。
また、制御部211は、前回の撮影条件(回診車の配置位置、SID、アライメント情報、線量)と、ユーザーコメント(注意事項、申し送り)と、を対応付けてセットで記憶部212、外部装置70に保存する。前回の撮影条件、ユーザーコメントは、例えば、放射線撮影前の撮影画面上で表示可能とする。また、撮影場所がベッド近くであれば、ベッドサイドモニターなども活用して心電図やパルスオキシメーターの測定結果情報などを追加表示してもよい。
ここで、判断支援情報の内容についてまとめる。判断支援情報は、今回撮影の放射線画像データと、今回撮影の放射線画像データとの比較放射線画像データとして、撮影対象の被検者/他の患者の過去の放射線画像データ(疾患の正常(健常(汎例としての放射線画像)/異常)を含んでいてもよい。比較放射線画像データは、手術の術前放射線画像データとしてもよい。
また、判断支援情報は、前回など過去の放射線撮影結果との比較情報を含んでいてもよい。比較情報は、例えば、前回撮影/今回撮影について、撮影範囲、位置、向き、特定ROI(の範囲、大きさ(面積)、位置、向き、画素値、時間変化量)、特定構造物との位置関係を示す情報(体軸、肋骨、横隔膜、胸郭、不動構造物)、放射線の照射条件、照射結果(mAs値、照射時間、SID、EIT、S値、管球23の角度、アライメント情報、コリメーター25の絞り、グリッド使用有無)、撮影方法(被検者の撮影体位、呼吸方法、補助具有無、重力方法)、被検者の状態(推定体厚、撮影時間(食後経過時間)、付属物有無(人工呼吸器やチューブなど)、意識有無、体動有無)である。
また、判断支援情報は、特定処理の実施前後での比較情報を含んでいてもよい。特定の処理は、人口呼吸器やECMOなどの装脱着や、抜糸、抜ガーゼなどである。また、判断支援情報は、複数の過去の放射線画像データでの経時変化の情報を含んでもよい。経時変化の情報は、例えば、「1つ前~現在」や、「2つ前~1つ前」での変化量の比較情報や、経過観察としての年次レベルでの比較情報(1年前の同日と2年前の同日など)である。
また、判断支援情報は、グリッド有無、散乱線補正処理の要否を示す提示情報を含んでいてもよい。この提示情報は、例えば、散乱線補正がデフォルトでオフでも、オンにすることで判断支援になる撮影ケースでは、オンにすることを促す情報や、グリッド有でも、追加で散乱線補正処理を行うことで判断補助になる画像品質であれば、オンにすることを促す情報である。
また、判断支援情報は、撮影失敗(写損)に繋がるケースの提示情報を含んでいてもよい。この提示情報は、例えば、放射線撮影後に失敗事例にマッチしていないかの確認情報や、被検者の体厚に応じた線量調整、整形画像での照射角度である。
また、判断支援情報は、ユーザー(撮影技師)の記録情報を含んでもよい。記録情報は、例えば、同患者に対する注意、前回撮影時の注意点、使用回診車特有の注意点である。
また、判断支援情報は、要求元/送信先の臨床医情報を含んでもよい。臨床医情報は、例えば、臨床医の画質に対する要望、完成度への納得性、過去の撮影した放射線画像に対する要望やコメント、診断ポイント(そのポイントを見易くするために用いた画像処理など)、位置合わせの要求レベルである。
また、判断支援情報は、撮影対象の被検者の他検査情報を含んでいてもよい。他検査情報は、パルスオキシメーターなどの酸素濃度からの呼吸状態情報、心電図情報(安静状態、負荷テストなど)である。
ついで、判断支援情報をどのようにユーザーに見せるかについて、判断支援情報の表示方法のパターンを説明する。制御部211は、判断支援情報を、例えば、放射線画像データの放射線画像と重畳するように表示する構成としてもよく、判断支援画面500,600のように、放射線画像と別(並列/個別/切り替え)に表示する構成としてもよい。
また、制御部211は、ハンギングプロトコル(順次表示)にて、再撮影判断ポイントに限定して、判断支援情報として放射線画像データを簡易切替して表示する構成としてもよい。例えば、ワンボタンで、過去の写損した放射線画像データの写損判定箇所を順次切り替えて(拡大/圧縮及び画像処理して)表示してもよい。また、静止画の放射線画像データの表示ならROI拡大表示による注視ポイントを切替え、動態画像の放射線画像データの表示なら判定対象となり得るフレームを順次切替える表示としてもよい。例えば、胸部:全体表示→体動→写損判定(胸郭や横隔膜などの見切れ有無)→症例候補(ROIの適正線量)のような切替の表示である。加えて、切り替え表示に応じて、判断支援情報の表示有無も切り替えてよい。例えば、全体表示の場合には横隔膜の位置の補助線を表示するが、体動判定時は非表示、見切れ有無の時は見切れてはダメな範囲を囲った補助線を表示するなど、表示エリアに合わせた形での判断支援情報を表示してもよい。
また、ハンギングプロトコルとして、放射線画像データを簡易計測の結果情報とも組み合わせて順次切替としてもよい。例えば、足首:全体表示→関節角度計測→骨部重なり面積→特定箇所の距離の切替表示である。また、ユーザー毎、撮影部位毎、撮影条件毎で放射線画像データの切り替え順序を事前設定可能な構成としてもよい。また、切替表示が不要なケース(体動が無い場合など)では、切替表示の表示順番をショートカットする構成としてもよい。
また、制御部211は、判別支援情報として、撮影した放射線画像データ、過去の比較放射線画像データについて、それらの撮影条件や照射条件、撮影結果からの数値情報の並記又は差分表示を行う構成としてもよい。
また、制御部211は、条件(病棟、オペ/表示項目)に応じて、初期表示の判断支援情報の拡大化の要否を設定して表示してもよい。また、制御部211は、撮影条件や診たい目的に合わせた初期表示画像を選定して表示する構成としてもよい。例えば、ワイプやプレビューの必要性を確認の上、いきなり本画像として撮影した放射線画像データを表示してもよい。より具体的には、オペでの目的がガーゼ残状況の確認などであれば、ワイプ/プレビューを優先し、救急での初期診断が撮影目的である場合、又は回診車RCを外部モニターへ接続する時などは、担当する臨床医が即時確認するので診断可能な本画像表示を初期表示とする。また、撮影した放射線画像データを判断支援情報とセットで表示してもよい。例えば、ユーザーの判断が不要なオペなどでは、判定補助情報は後回しで、撮影画像のみの初期表示を急ぎ、一方でNICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児特定集中治療室)などは被検者の新生児が小さく、位置合わせなどが難しい点から、最初から判断支援情報とセットで、ROI拡大した放射線画像データを表示する。
また、制御部211は、判断支援情報の表示先(メイン表示部31、サブ表示部28、ベッドサイドモニター、外部モニターなど)によって、判断支援情報のワイプ/プレビューの初期表示や、判断支援情報の表示を制限する構成としてもよい。また、制御部211は、メイン表示部31、サブ表示部28と、ベッドサイドモニターや外部モニターとで、表示する判断支援情報の区分け(例えば、放射線撮影の他の検査情報は、ベッドサイドモニターや外部モニターを活用など)する構成としてもよい。
また、制御部211は、目視判断の容易さに応じて、判断支援情報の表示要否を(操作部32を介する操作入力に応じて)設定変更する構成としてもよい。また、制御部211は、判断支援情報の優先度に応じて、判断支援情報を時間差表示する構成としてもよい。
また、制御部211は、動態の放射線撮影の場合、判断支援情報として、撮影した動態の放射線画像データの特定フレームのみに限定して表示する構成としてもよい。特定フレームは、例えば、写損判定に適した1フレーム、写損判定に必要な範囲のフレーム群である。判断支援情報としての比較画像データは、撮影した動態の放射線画像データの特定フレームに相対する同範囲の特定フレームが表示される。
また、制御部211は、撮影した1つの動態の放射線画像データの1つの動態画像の中から、2フレーム以上(2範囲以上)を比較のために抽出して判断支援情報の比較画像データとして表示する構成としてもよい。抽出するフレームは、例えば、最大呼気/最大吸気のフレーム、特定ROI範囲内の画素値最大/最小のフレーム、横隔膜の位置が最上位/最下位のフレーム、関節を伸ばした/曲げたフレームである。
また、制御部211は、判断支援情報として、オーバーレイやインジケーター、ヒートマップなどによる位置指定情報を表示する構成としてもよい。位置指定情報は、数値情報との組み合わせでもよく、選択操作に伴うグラフなどの連動としも可能である。
また、制御部211は、判断支援情報として、撮影した放射線画像データの注視ポイント(ROI)の拡大表示をする構成としてもよい。拡大表示は、例えば、初期表示の時点から、事前設定又は注意点検出に伴う場合、臨床医の撮影オーダーによる注視ポイントがある場合、撮影部位や撮影条件に応じた写損判定となり易いポイントがある場合、DeepLearningとの組み合わせによる注視ポイントの選定がある場合、指定箇所に加えて、指定箇所に異常がある範囲(フレーム)を初期表示する場合(画素異常や見切れてるケースなど)に、行われる。
また、制御部211は、表示する撮影した放射線画像データ、過去の比較放射線画像データについて、その選定理由を判断支援情報として表示する構成としてもよい。撮影した放射線画像データ、過去の比較画像データのフレームや、範囲(例えばROI拡大)を選定した理由を、画像上又は欄外に表示することで、選定理由を明確化でき、その見て欲しい箇所をユーザーが理解し易くなる。特に、比較対象(比較放射線画像データ)が選定された理由と見るべきポイントとを紐付けて表示することにより、ユーザーの写損判断のための意識が向上する。
また、制御部211は、判断支援情報の写損判断支援項目を限定して表示する構成としてもよい。例えば、撮影部位や撮影条件毎での写損判断支援項目を設定したり、ユーザー毎(好み/レベル)での写損判断支援項目を設定したり、診断可能範囲(ユーザーが一目で写損と解る範囲)の放射線画像データは、判断支援処理の対象から外し、ユーザーが判断できない部分のみに限定し、判断支援処理のスリム化を行う構成としてもよい。
また、制御部211は、判断支援情報を、メイン表示部31以外に表示する構成としてもよい。例えば、判断支援情報をメイン表示部31以外に表示する例として、次の(1)~(2)のケースがある。
(1).サブ表示部28に判断支援情報を表示するケース
例えば、撮影技師(ユーザー)が被検者の体勢を補助しながら撮影する場合で、撮影後に直ぐにコンソール3側に回り込めない(確認できない)場合に、サブ表示部28に判断支援情報が表示される。より具体的には、フットスイッチなどを活用し、被検者側にユーザーがいる状態でも、最低限写損要否を簡単に確認する場合に、サブ表示部28を用いるケースとなる(図1でもサブ表示部28が管球23の近くにある構成)。
(2).外部モニター(図示略)に判断支援情報を表示するケース
救急やオペにおいて、コンソール3のメイン表示部31や、サブ表示部28の小さい画面では判断支援情報を見難い場合や、複数の臨床医や執刀医が判断支援情報を見る場合に、外部モニターに判断支援情報が表示される。この場合、更に次の2つのケース(2)-1,(2)-2に分かれる。
(2)-1.判断支援情報の一部を非表示とするケース
外部モニターの表示情報は、被検者も見えることから、不安を与えないために判断支援情報のうち写損判断などの品質判定結果を非表示とする。
(2)-2.判断支援情報を表示するケース
執刀医や臨床医に失敗画像で判断させないため、品質判定結果を優先表示(強調表示)とするケースである。
また、制御部211は、判断支援情報を強調表示する構成としてもよい。強調表示は、例えば、放射線画像データ、比較画像データのフレーム又はROIのマークやオーバーレイの色/太さ/明滅による強調、フレーム枠の色/太さ/明滅による強調、メッセージ表示(ダイアログ表示、モーダル(閉じるまで他のことができないウィンドウ)による確認強制、見て欲しい情報の優先度に応じて強弱をつけた表示である。メッセージは、表示に代えて、音声出力部33による音(音声含む)出力や、回診車RC(発生装置本体21、照射指示スイッチ22など)が光源、振動部を有する場合の光出力、振動出力などとしてもよい。
以上、本実施の形態によれば、放射線撮影装置としての放射線撮影システム100(回診車RC)は、回診による被写体としての被検者の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、取得した回診撮影情報に基づいて、放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御部211を備える。
このため、判断支援情報により、回診撮影を行った後、ユーザーが、放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かを判断でき、放射線画像データの画像品質レベルを担保できる。
また、制御部211は、回診撮影情報に基づいて、生成する判断支援情報の種類を決定する。このため、適切な種類の判断支援情報を生成できる。
また、制御部211は、回診撮影情報を用いて判断支援情報を生成する。このため、適切な判断支援情報を生成できる。
また、制御部211は、回診撮影情報をそのまま使用と、回診撮影情報を加工と、放射線撮影の放射線画像データ及び前記回診撮影情報を組み合わせて加工と、のいずれか1つを選択して判断支援情報を生成する。このため、適切な手法で判断支援情報を生成できる。
また、回診撮影情報は、放射線撮影を行うための情報と、放射線撮影を行ったことで得られた前記放射線撮影画像データに付随する情報と、放射線撮影装置に関する情報と、の少なくとも1つである。このため、適切な判断支援情報を生成できる。
また、判断支援情報は、放射線撮影画像データが写損再撮影を必要とするか否かを判断するための支援情報である。このため、回診撮影を行った後、ユーザーが、放射線画像データの画像品質レベルの担保として、写損再撮影が必要か否かを適切に判断できる。
また、撮影支援情報は、過去の被検者又は他の被検者の放射線画像データを含む。この場合に、制御部211は、今回の放射線撮影において取得された被写体の放射線画像データと、過去の被検者又は他の被検者の放射線画像データとを対応付けて(例えば横方向に並べて)表示する。このため、ユーザーが今回の放射線撮影の放射線画像と過去の被検者又は他の被検者の放射線画像とを容易かつ正確に比較でき、当該比較に応じて、放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かを判断でき、放射線画像データの画像品質レベルを担保できる。
また、過去の被検者又は他の被検者の放射線画像データは、過去の疾患が正常又は異常の放射線画像データを含む。このため、ユーザーが、今回の放射線撮影の放射線画像と過去の疾患が正常又は異常の放射線画像とを容易かつ正確に比較でき、当該比較に応じて、放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かを判断でき、放射線画像データの画像品質レベルを担保できる。
また、制御部211は、放射線画像データに、判断を支援する補助画像としての補助線632,642,652を重畳して表示する。このため、ユーザーが、補助線632,642,652により、放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かを適切に判断でき、放射線画像データの画像品質レベルを適切に担保できる。
(変形例)
図11を参照して、上記実施の形態の変形例を説明する。図9は、第2の品質情報取得処理を示すフローチャートである。
上記実施の形態では、回診車RCが、目的IDを用いて品質情報を取得したが、本変形例では、回診車RCが、撮影オーダーの放射線撮影の内容情報から取得する品質情報を判別して取得する。このため、本変形例では、撮影オーダーに目的IDが含まれないものとする。また、撮影オーダーは、放射線撮影の内容情報として、放射線撮影の目的に関する撮影目的情報、放射線撮影の撮影環境に関する撮影環境情報、放射線撮影の撮影手法に関する撮影手法情報の少なくとも1つが含まれるものとする。
本変形例の装置構成は、上記実施の形態と同様に、放射線撮影システム100を用いる。ただし、回診車RCの記憶部212には、第1の品質情報取得プログラムに代えて、後述する第2の品質情報取得処理を実行するための第2の品質情報取得プログラムが記憶されているものとし、撮影目的テーブル400も記憶されていないものとする。
つぎに、図11を参照して、放射線撮影システム100の動作を説明する。上記実施の形態と同様に、回診先で被検者を放射線撮影する場合に、移動前の待機所の回診車RC(コンソール3)において、例えば、通信部214を介して、撮影オーダーをRIS60から受信開始したことをトリガーとして、制御部211は、記憶部212に記憶されている第2の品質情報取得プログラムに従い、第2の品質情報取得処理を実行する。
図9に示すように、ステップS61は、上記実施の形態の図6の第1の品質情報取得処理のステップS11と同様である。そして、制御部211は、ステップS61で取得した撮影オーダー内に撮影目的情報があるか否かを判別する(ステップS62)。撮影目的情報がある場合(ステップS62;YES)、制御部211は、撮影目的情報に応じて、取得する同じ被検者の過去の検査に関する過去検査情報(例えば、過去の放射線画像データ、光学画像データ)、他の被検者の過去の検査に関する他検査情報(例えば、過去の放射線画像データ、光学画像データ)などを品質情報として決定し、通信部214を介して、患者ID、撮影部位IDを含む決定された品質情報の要求を外部装置70に送信し、当該品質情報を外部装置70から受信して取得する(ステップS63)。
撮影目的情報がない場合(ステップS62;NO)、制御部211は、ステップS61で取得した撮影オーダー内に撮影環境情報があるか否かを判別する(ステップS64)。撮影環境情報がある場合(ステップS64;YES)、制御部211は、撮影環境情報に応じて、取得する同じ被検者の過去の検査に関する過去検査情報、他の被検者の過去の検査に関する他検査情報などを品質情報として決定し、通信部214を介して、患者ID、撮影部位IDを含む決定された品質情報の要求を外部装置70に送信し、当該品質情報を外部装置70から受信して取得する(ステップS65)。
撮影環境情報がない場合(ステップS64;NO)、制御部211は、ステップS61で取得した撮影オーダー内に撮影手法情報があるか否かを判別する(ステップS66)。撮影手法情報がある場合(ステップS66;YES)、制御部211は、撮影手法情報に応じて、取得する同じ被検者の過去の検査に関する過去検査情報、他の被検者の過去の検査に関する他検査情報などを品質情報として決定し、通信部214を介して、患者ID、撮影部位IDを含む決定された品質情報の要求を外部装置70に送信し、当該品質情報を外部装置70から受信して取得する(ステップS67)。
ステップS63,S65,S67に対応して、外部装置70は、品質情報の要求を回診車RCから受信し、品質情報の要求内の患者ID、撮影部位IDに対応する品質情報を自機の記憶部から読み出して回診車RCに送信する。そして、制御部211は、ステップS63,S65,S67で取得した品質情報を撮影オーダーに対応付けて記憶部212に保存し(ステップS68)、第2の品質情報取得処理を終了する。
ここで、本変形例における撮影環境情報と、撮影目的情報と、回診撮影情報と、判断支援情報と、の一例を次表IIに示す。表IIの「付属物」とは、ペースメーカー、埋め込み型除細動器、補助循環用ポンプカテーテルといった被検者体内、或いは近傍に設置されたME(Medical Engineering)機器などである。
Figure 2023116867000003
また、本変形例における撮影部位、撮影手法情報と、回診撮影情報と、判断支援情報と、の一例を次表IIIに示す。
Figure 2023116867000004
表II、表IIIの画像データは、放射線画像データであるが、光学画像データを含めてもよい。
なお、撮影オーダー内の撮影目的情報、撮影環境情報、撮影手法の有無判別の優先度(判別する順)は、図9の第2の品質情報取得処理の例に限定されるものではない。また、撮影目的情報、撮影環境情報、撮影手法の有無判別の優先度は、医療施設、ユーザー、診療科などで決まってもよい。
また、撮影オーダー内の撮影目的情報、撮影環境情報、撮影手法情報の有無判別は、図9の第2の品質情報取得処理の例に限定されるものではない。撮影オーダー内の撮影目的情報、撮影環境情報、撮影手法情報の有無判別は、いずれか2つの組み合わせでもよいし、いずれか1つだけでもよい。
また、取得した撮影オーダーだけで取得する品質情報を決定してもよいし、操作部32を介してユーザーからの追加する品質情報の内容の操作入力を受け付けたり、追加する品詞情報の内容の選択肢のメイン表示部31への表示及び選択操作入力を受け付け、その操作情報に応じて、取得する品質情報を決定してもよい。
また、取得する品質情報の種類は、撮影目的情報に基づく品質情報、撮影環境情報に基づく品質情報、撮影手法情報に基づく品質情報に限定されるものではない。また、制御部211は、取得する品質情報の種類の組み合わせを予め目的IDのような内部IDで管理してもよく、取得した品質情報自体を内部管理するためにIDを発行してもよい。
以上、本変形例によれば、制御部211は、撮影オーダーから撮影目的に応じた品質情報を自動的に判別して取得する。このため、撮影オーダーの構成を簡単にできるとともに、撮影目的に応じた品質情報を取得できる。
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体として記憶部212(半導体メモリー、HDD)を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る好適な放射線撮影装置、判断支援方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び変形例の構成を適宜組み合わせる構成としてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例では、品質情報が、過去の放射線画像データ及び光学画像データを含む構成としたが、これに限定されるものではない。品質情報が、画像データとして、他の検査情報の画像データを含む構成としてもよい。他の検査情報の画像データは、例えば、病変位置(放射線撮影位置の具体化)の特定のための、超音波診断装置による超音波画像データ、CT(Computed Tomography)による3次元画像データである。
また、以上の実施の形態及び変形例における放射線撮影システム100を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 放射線撮影システム
1 FPD
11 放射線検出部
12 走査駆動部
13 読み出し部
14 制御部
15 記憶部
16 通信部
16a コネクター
17 センサー部
RC 回診車
2 放射線発生装置
21 発生装置本体
211 制御部
212 記憶部
213 ジェネレーター
214 通信部
22 照射指示スイッチ
23 管球
24 管球支持部
241,242 支持部
25 コリメーター
26 FPD格納部
27 センサー部
28 サブ表示部
29 距離測定部
2A 光学撮影部
50 端末装置
60 RIS
70 外部装置

Claims (12)

  1. 回診による被写体の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、当該回診撮影情報に基づいて、前記放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御部を備える放射線撮影装置。
  2. 前記制御部は、前記回診撮影情報に基づいて、生成する判断支援情報の種類を決定する請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 前記制御部は、前記回診撮影情報を用いて前記判断支援情報を生成する請求項1又は2に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記制御部は、前記回診撮影情報をそのまま使用と、前記回診撮影情報を加工と、前記放射線撮影の放射線画像データ及び前記回診撮影情報を組み合わせて加工と、のいずれか1つを選択して判断支援情報を生成する請求項3に記載の放射線撮影装置。
  5. 前記回診撮影情報は、前記放射線撮影を行うための情報と、前記放射線撮影を行ったことで得られた前記放射線撮影画像データに付随する情報と、前記放射線撮影装置に関する情報と、の少なくとも1つである請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記判断支援情報は、前記放射線撮影画像データが写損再撮影を必要とするか否かを判断するための支援情報である請求項1から5のいずれか一項に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記制御部は、前記判断支援情報を表示部に表示する請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線撮影装置。
  8. 前記判断支援情報は、過去の前記被写体又は他の被写体の放射線画像データを含み、
    前記制御部は、前記生成された放射線画像データと、前記過去の放射線画像データとを対応付けて表示する請求項7に記載の放射線撮影装置。
  9. 前記過去の前記被写体又は他の被写体の放射線画像データは、過去の疾患が正常又は異常の放射線画像データを含む請求項8に記載の放射線撮影装置。
  10. 前記制御部は、前記放射線画像データに、前記判断を支援する補助画像を重畳して表示する請求項8又は9に記載の放射線撮影装置。
  11. 回診による被写体の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、当該回診撮影情報に基づいて、前記放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御工程を含む判断支援方法。
  12. コンピューターを、
    回診による被写体の放射線撮影に関する回診撮影情報を取得し、当該回診撮影情報に基づいて、前記放射線撮影により生成された放射線撮影画像データが所定の画像品質を満たしているか否かの判断を支援する判断支援情報を出力する制御部、
    として機能させるためのプログラム。
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