JP2020038568A - 情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】賃貸物件に対する契約に関する情報をブロックチェーンに出力することが可能な情報処理方法等を提供すること。【解決手段】情報処理方法は、入居希望者が対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、前記対象賃貸物件の貸主が前記入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合に賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーンに出力させ、前記入居希望者が前記対象賃貸物件の入居に必要な条件を満たしたか否かの情報を取得し、前記貸主が入居に同意する旨の情報を取得する。これにより、賃貸物件に対する契約に関する情報をブロックチェーンに出力することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
不動産領域における賃貸マンション等の賃貸経営及び管理に関する活動が行われている。特許文献1には、不動産賃貸経営の代行業務の委託先から不動産オーナへ支払われる賃料の最低額を一定の金額にすることができる管理システムが開示されている。
しかしながら、従来の技術では、賃貸経営に関する物件情報、貸主または入居者情報等が不透明である恐れがあるため、情報の非対称性が生じやすいという問題がある。
本発明は斯かる事情によりなされたものであって、その目的とするところは、賃貸物件に対する契約に関する情報をブロックチェーンに出力することが可能な情報処理方法等を提供することにある。
本発明に係る情報処理方法は、入居希望者が対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、前記対象賃貸物件の貸主が前記入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合に賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーンに出力させ、前記入居希望者が前記対象賃貸物件の入居に必要な条件を満たしたか否かの情報を取得し、前記貸主が入居に同意する旨の情報を取得する処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、賃貸物件に対する契約に関する情報をブロックチェーンに出力することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
実施形態1は、賃貸物件をオークション形式で契約する形態に関する。図1は、ブロックチェーンを用いた賃貸物件の契約処理のシステムの概要を示す説明図である。本実施形態のシステムは、情報処理装置1、ブロックチェーン2、情報処理端末3及び情報処理端末4を含み、インターネット等のネットワークNを介して情報の送受信を行う。なお、ブロックチェーン2を用いないシステムは、情報処理装置1、情報処理端末3及び情報処理端末4のみを含んでも良い。
実施形態1は、賃貸物件をオークション形式で契約する形態に関する。図1は、ブロックチェーンを用いた賃貸物件の契約処理のシステムの概要を示す説明図である。本実施形態のシステムは、情報処理装置1、ブロックチェーン2、情報処理端末3及び情報処理端末4を含み、インターネット等のネットワークNを介して情報の送受信を行う。なお、ブロックチェーン2を用いないシステムは、情報処理装置1、情報処理端末3及び情報処理端末4のみを含んでも良い。
情報処理装置1は、貸主が所有する賃貸物件に関する情報、貸主情報、入居希望者情報及びオークション情報等種々の情報処理、情報記憶及び情報の送受信を行う情報処理装置であり、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ等である。本実施形態において情報処理装置1はサーバ装置であるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。
ブロックチェーン2は、複数のノードにより構成され、分散型台帳技術又は分散型ネットワークである。ブロックチェーン2は、ブロックと呼ばれるデータの単位を一定時間ごとに生成し、鎖のように連結していくことによりデータを保管する。ブロックチェーン2は、ピアツーピア(Peer to Peer)ネットワークと分散型タイムスタンプサーバの使用により自律的に管理される。鎖状に保存することによって、ブロック内のデータを一度記憶した場合、該データを遡及的に変更することができない。なお、ブロックチェーン2は、パブリック型、プライベート型のいずれであっても良い。
情報処理端末3は、貸主が所有する賃貸物件の登録・管理、入居希望者の選択の受付、入居希望者との契約締結及び入居希望者の退去申込に応じた退去処理を行う端末装置である。情報処理端末3は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末3を貸主端末3と読み替える。
情報処理端末4は、入居希望者が希望する対象賃貸物件に対する入居希望額・入居希望時期の受付、貸主との契約締結、入居の退去申込及び退去処理に対する業者の選択の受付を行う端末装置である。情報処理端末4は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末4を入居希望者端末4と読み替える。
続いて、オークションによる賃貸物件の契約締結及びブロックチェーン2上への情報出力の流れを説明する。入居希望者端末4は、入居希望者が希望する対象賃貸物件に関する情報をサーバ1に問い合わせる。サーバ1は、問い合わせの対象賃貸物件に関する情報、及び当該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額を読み込み、読み込んだ複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を取得する。サーバ1は、対象賃貸物件情報、及び取得した最高額の入居希望額を入居希望者端末4に送信する。
入居希望者端末4は、サーバ1から送信された対象賃貸物件に関する情報及び最高額の入居希望額を受信して表示する。入居希望者端末4は、対象賃貸物件に対する入居希望額及び入居希望時期の入力を受け付け、受け付けた入居希望額及び入居希望時期をサーバ1に送信する。サーバ1は、受信した入居希望者が対象賃貸物件に対する入居希望額及び入居希望時期を記憶する。
貸主端末3は、貸主が所有する対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居時期をサーバ1に問い合わせる。サーバ1は、問い合わせの対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居時期を読み込み、貸主端末3へ送信する。貸主端末3は、対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居時期をサーバ1から受信して表示する。貸主端末3は、当該対象賃貸物件を貸し出す入居希望者の選択を受け付け、受け付けた貸し出し対象の入居希望者をサーバ1に送信する。サーバ1は、受信した貸し出し対象の入居希望者を記憶する。
入居希望者が当該対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合、貸主端末3及び入居希望者端末4それぞれは、賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーン2に出力する。ブロックチェーン2は、貸主端末3及び入居希望者端末4から送信された賃貸契約が成立するスマートコントラクトを受信して記録する。
スマートコントラクトは、事前に執行条件及び契約内容の定義がプログラム化されてトランザクションに組み込まれ、執行条件及び契約内容に合致した取引が発生した場合、自動的に契約が履行される仕組みである。トランザクションは、ブロックチェーン2における取引記録であり、ブロックチェーン2の参加者間での各種の情報及び価値の移転を記録している。本実施形態では、ブロックチェーン2は、賃貸契約が成立するための執行条件及び契約内容に合致した取引が発生した場合、スマートコントラクトを自動的に実行させ、対象賃貸物件に対する貸主と入居希望者との賃貸契約を締結することができる。
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16及び大容量記憶部17を含む。各構成はバスBで接続されている。
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部12に記憶された制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。また制御プログラム1Pには、例えばイーサリアムのGeth(Go-Ethereum)、Mist Wallet等のスマートコントラクトの生成・実行、仮想通貨の送金、アカウントの作成、マイニング等の処理を実行するプログラムが含まれる。また、制御部11は、ハッシュ値算出部11a及び電子署名作成部11bを含む。ハッシュ値算出部11aは、暗号学的ハッシュ関数を用いて各種情報のハッシュ値を算出する処理を行う。電子署名作成部11bは、偽造又は改ざんを防止するため、公開鍵暗号方式に基づくデジタル認証用の署名を生成する。なお、図2では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。また、制御部11は、複数のコンピュータにより分散しても良く、または仮想マシン上で実行しても良い。
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1P又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、ネットワークNを介して、ブロックチェーン2、貸主端末3及び入居希望者端末4等との間で情報の送受信を行う。
入力部14は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部11へ出力する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部11の指示に従い各種情報を表示する。
読み取り部16は、CD(Compact Disc)−ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)−ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読み取り部16を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部17に記憶しても良い。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部17に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
大容量記憶部17は、例えばハードディスク等を含む大容量の記憶装置である。大容量記憶部17は、管理物件DB171、物件詳細DB172、貸主DB173、入居希望者DB174、オークションDB175及び契約管理DB176を含む。管理物件DB171は、貸主が所有する賃貸物件の管理情報を記憶している。物件詳細DB172は、貸主が所有する賃貸物件に対する具体的な情報を記憶している。貸主DB173は、貸主の基本情報及び口座情報等を記憶している。入居希望者DB174は、入居希望者の基本情報及び口座情報等を記憶している。オークションDB175は、対象賃貸物件に対し、入居希望者の入居希望額及び入居希望時期等のオークションに関する情報を記憶している。契約管理DB176は、貸主が所有する賃貸物件を入居希望者に貸す際の契約締結に関する契約情報を記憶している。
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部17は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部17は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部17はサーバ1に接続された外部記憶装置であっても良い。
なお、本実施形態では、サーバ1は一台の情報処理装置であるものとして説明するが、複数台により分散して処理させても良く、または複数の仮想マシンにより構成されていても良い。さらにまた、サーバ1がブロックチェーン2のノードの1つであっても良い。
図3は、管理物件DB171のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。管理物件DB171は、物件ID列、物件名称列、貸主ID列、入居希望者ID列及びステータス列を含む。物件ID列は、各賃貸物件を識別するために、一意に特定される賃貸物件のIDを記憶している。物件名称列は、賃貸物件の名称を記憶している。貸主ID列は、貸主を特定する貸主IDを記憶している。入居希望者ID列は、入居希望者を特定する入居希望者IDを記憶している。ステータス列は、賃貸物件の現状を示すステータス情報を記憶している。例えば、ステータス情報は、新着契約書、選考中、入居済及び退去申込を含んでも良い。
図4は、物件詳細DB172のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。物件詳細DB172は、物件ID列、住所列、希望賃料列、敷金列、礼金列、共益費列、築年月列、間取り列、専有面積列、階建/階列、駐車場列、建物構造列、交通列、主要採光面列、写真列及びペット許可列を含む。
物件ID列は、物件を特定する物件IDを記憶している。住所列は、物件の所在地の情報を記憶している。希望賃料列は、貸主が所有する賃貸物件に対する貸主の希望賃貸料金を記憶している。なお、本実施形態では、希望賃料はオークションで最低の落札価格を設定しても良い。敷金列は、対象賃貸物件を借りる入居希望者が貸主に預けておく保証金を記憶している。敷金が一ヵ月分の賃料の倍数または金額であり、退去時には修繕費用等が差し引かれて入居者に返却される。礼金列は、対象賃貸物件を借りる入居希望者が貸主に支払う謝金を記憶している。礼金は一ヵ月分の賃料の倍数または金額であっても良く、または礼金はゼロであっても良い。また、礼金は退去時には入居者に返却されない。共益費列は、対象賃貸物件を借りる入居希望者がともに利益を受けている外灯・エレベーターなど共有部分の維持・管理のために支出する費用を記憶している。
築年月列は、貸主が所有する賃貸物件の完成年月を記憶している。間取り列は、貸主が所有する賃貸物件の間取りの種類を記憶している。また、数字とアルファベットを組み合わせた文字列により間取りを表現することが可能となる。例えば、2LDKは、2部屋、リビング、ダイニング及びキッチンが有する間取りである。専有面積列は、一戸建の建物の延べ床面積、またはマンション・アパートの専有面積を記憶している。階建/階列は、貸主が所有する賃貸物件の階建および当該物件の所在する階を記憶している。駐車場列は、貸主が所有する賃貸物件に対する駐車場の有無および空き状況、月額賃料等情報を記憶している。建物構造列は、貸主が所有する賃貸物件の主たる構造を記憶している。建物構造は、例えば木造、ブロック、鉄骨造、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造等を含む。
交通列は、貸主が所有する賃貸物件の主要路線情報(交通機関、最寄り駅または最寄りのバス停)を記憶している。主要採光面列は、貸主が所有する賃貸物件において最も光を取り入れる開口部分の向きを記憶している。写真列は、貸主が所有する賃貸物件の単数または複数の写真ファイルのパスを記憶している。なお、本実施形態では、写真列は写真のファイルのパスを記憶しているが、これに限るものではない。例えば、写真列は写真のバイナリデータを記憶しても良い。ペット許可列は、貸主が所有する賃貸物件においてペット飼育に関する許可情報を記憶している。
図5は、貸主DB173のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。貸主DB173は、貸主ID列、基本情報列、評価列、口座情報列、公開鍵列及び秘密鍵列を含む。貸主ID列は、各貸主を識別するために、一意に特定される貸主のIDを記憶している。基本情報列は、氏名列、現住所列、電話番号列、及びメールアドレス列を含む。氏名列は、貸主の氏名を記憶している。現住所列は、貸主の現在居住している住所を記憶している。電話番号列は、貸主の電話番号を記憶している。メールアドレス列は、貸主の連絡用の電子メールアドレスを記憶している。評価列は、入居希望者が貸主を評価した評価情報を記憶している。評価に関しては、数値化して評価の点数を記憶しても良く、または「低」、「中」及び「高」のような文字列で表現された評価情報を記憶しても良い。
口座情報列は、銀行列、支店名列、預金種別列、口座番号列、口座名義列及びフリガナ列を含む。銀行列は、口座が開設された銀行の名称を記憶している。支店名列は、口座が開設された銀行の支店の名称を記憶している。預金種別列は、預金の種別を記憶している。例えば、預金種別は普通預金、当座預金及び貯蓄預金を含む。口座番号列は、口座の番号を記憶している。口座名義列は、口座の名義を記憶している。フリガナ列は、口座名義のフリガナを記憶している。公開鍵列は、公開鍵暗号における第3者に公開する鍵のデータを記憶している。秘密鍵列は、公開鍵暗号における第3者に公開しない鍵のデータを記憶している。なお、秘密鍵は貸主端末3で管理しても良い。なお、銀行口座に替えて仮想通貨のウォレットアドレスを記憶するようにしても良い。ウォレットアドレスに関しては後述する。
図6は、入居希望者DB174のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。入居希望者DB174は、入居希望者ID列、基本情報列、評価列、口座情報列、公開鍵列、秘密鍵列及び身分証明書列を含む。入居希望者ID列は、各入居希望者を識別するために、一意に特定される入居希望者のIDを記憶している。
基本情報列は、氏名列、年齢列、性別列、職業列、年収列、電話番号列、メールアドレス列及び現住所列を含む。氏名列は、入居希望者の氏名を記憶している。年齢列は、入居希望者の年齢を記憶している。性別列は、入居希望者の性別を記憶している。職業列は、入居希望者が生計を立てるために日常従事する仕事を記憶している。年収列は、入居希望者の年収を記憶している。電話番号列は、入居希望者の電話番号を記憶している。メールアドレス列は、入居希望者の連絡用の電子メールアドレスを記憶している。現住所列は、入居希望者の現在居住している住所を記憶している。
評価列は、貸主が入居希望者を評価した評価情報を記憶している。口座情報列、公開鍵列及び秘密鍵列は、貸主DB173の口座情報列、公開鍵列及び秘密鍵列と同様であるため説明を省略する。なお、秘密鍵は入居希望者端末4で管理しても良い。身分証明書列は、入居希望者の身分証明書の撮影画像のファイルのパスを記憶している。
図7は、オークションDB175のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。オークションDB175は、オークションID列、オークションサブID列、物件ID列、入居希望者ID列、入居希望額列、入居希望時期列及び合意列を含む。オークションID列は、各オークションを識別するために、一意に特定されるオークションのIDを記憶している。オークションサブID列は、同一の賃貸物件に対するオークションで、それぞれの入居希望者が入札したレコードが一意に特定されるオークションの子IDを記憶している。物件ID列は、オークションの対象賃貸物件の物件IDを記憶している。入居希望者IDは、入居希望者を特定する入居希望者IDを記憶している。入居希望額列は、入居希望者が対象賃貸物件に対して入札した希望賃料を記憶している。入居希望時期列は、入居希望者が入居の希望日付を記憶している。合意列は、貸主が対象賃貸物件を貸し出す入居希望者を選択した結果を記憶している。本実施形態では、例えば「○」が記憶された場合、貸主が当該入居希望者を、対象賃貸物件を貸し出す入居希望者として選択したことを示す。また、「×」が記憶された場合、当該入居希望者が対象賃貸物件を貸し出す入居希望者ではないことを示す。
図8は、契約管理DB176のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。契約管理DB176は、契約台帳ID列、物件住所列、建物名称列、住戸番号列、賃料列、敷金列、礼金列、共益費列、契約期間列、貸主ID列、入居希望者ID列、締結日時列、貸主電子サイン列及び入居希望者電子サイン列を含む。
契約台帳ID列は、各契約台帳を識別するために、一意に特定される契約台帳のIDを記憶している。物件住所列は、契約された賃貸物件の所在地情報を記憶している。建物名称列は、契約された賃貸物件の建物の名称を記憶している。住戸番号列は、契約された賃貸物件の住戸番号を記憶している。
賃料列は、貸主が対象賃貸物件を入居希望者に貸した際の賃貸料金を記憶している。敷金列は、貸主が対象賃貸物件を入居希望者に貸した際の敷金を記憶している。礼金列は、貸主が対象賃貸物件を入居希望者に貸した際の礼金を記憶している。共益費列は、貸主が対象賃貸物件を入居希望者に貸した際の共益費を記憶している。契約期間列は、対象賃貸物件に対し、貸主と入居希望者が契約を結ぶ存続期間を記憶している。
貸主ID列は、貸主を特定する貸主IDを記憶している。入居希望者ID列は、入居希望者を特定する入居希望者IDを記憶している。締結日時列は、対象賃貸物件に対し、貸主と入居希望者が契約を結んだ日時を記憶している。貸主電子サイン列は、賃貸物件が契約された際に、電子ペン等を用いて電子書類に直接に貸主の手書きを残して、そのままデジタル化をした電子サインのデータを記憶している。入居希望者電子サイン列は、入居希望者の電子サインのデータを記憶している。
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。また、各DBがブロックチェーン2に記憶されても良い。
図9は、貸主端末3の構成例を示すブロック図である。貸主端末3は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、表示部35及び撮影部36を含む。各構成はバスBで接続されている。
制御部31はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部32に記憶された制御プログラム3Pを読み出して実行することにより、貸主端末3に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。また、制御部31は、ハッシュ値算出部31a及び電子署名作成部31bを含む。ハッシュ値算出部31aは、暗号学的ハッシュ関数を用いて、ウォレットアドレス等を算出する処理を行う。また制御プログラム3Pには、例えばイーサリアムのGeth(Go-Ethereum)、Mist Wallet等のスマートコントラクトの生成・実行、仮想通貨の送金、アカウントの作成、マイニング等の処理を実行するプログラムが含まれる。電子署名作成部31bは、偽造又は改ざんを防止するため、公開鍵暗号方式に基づくデジタル認証用の署名を生成する。なお、図9では制御部31を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。記憶部32はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部31が処理を実行するために必要な制御プログラム3P又はデータ等を記憶している。また、記憶部32は、制御部31が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
通信部33は通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、ネットワークNを介して、サーバ1及びブロックチェーン2等と情報の送受信を行う。入力部34は、キーボード又はマウスである。表示部35は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部31の指示に従い各種情報を表示する。また、入力部34は表示部35と一体化したタッチパネルでも良い。撮影部36は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラ等の撮影装置である。なお、撮影部36は貸主端末3の中に内蔵せず、外部で直接に貸主端末3と接続し、撮影可能な構成としても良い。
図10は、入居希望者端末4の構成例を示すブロック図である。入居希望者端末4は、制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、表示部45及び撮影部46を含む。各構成はバスBで接続されている。
制御部41はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部42に記憶された制御プログラム4Pを読み出して実行することにより、入居希望者端末4に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。また、制御部41は、ハッシュ値算出部41a及び電子署名作成部41bを含む。ハッシュ値算出部41aは、暗号学的ハッシュ関数を用いて、ウォレットアドレス等を算出する処理を行う。また制御プログラム4Pには、例えばイーサリアムのGeth(Go-Ethereum)、Mist Wallet等のスマートコントラクトの生成・実行、仮想通貨の送金、アカウントの作成、マイニング等の処理を実行するプログラムが含まれる。電子署名作成部41bは、偽造又は改ざんを防止するため、公開鍵暗号方式に基づくデジタル認証用の署名を生成する。なお、図10では制御部41を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。記憶部42はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部41が処理を実行するために必要な制御プログラム4P又はデータ等を記憶している。また、記憶部42は、制御部41が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
通信部43は通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、ネットワークNを介して、サーバ1及びブロックチェーン2等と情報の送受信を行う。入力部44は、キーボード又はマウスである。表示部45は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部41の指示に従い各種情報を表示する。また、入力部44は表示部45と一体化したタッチパネルでも良い。撮影部46は、例えばCCDカメラ、CMOSカメラ等の撮影装置である。なお、撮影部46は入居希望者端末4の中に内蔵せず、外部で直接に入居希望者端末4と接続し、撮影可能な構成としても良い。
図11は、貸主端末3による賃貸物件を貸し出す入居希望者の選択受付の動作を説明する説明図である。図11Aは、貸主端末3が入居希望者の選択を受け付ける動作を説明する説明図である。サーバ1の制御部11は、大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172及びオークションDB175から貸主が所有する所有賃貸物件一覧を取得し、通信部13を介して貸主端末3に送信する。貸主端末3の制御部31は、通信部33によりサーバ1から送信された賃貸物件一覧を受信し、表示部35により表示する。制御部31は、貸主による賃貸物件一覧から対象賃貸物件の選択を入力部34により受け付け、受け付けた対象賃貸物件を通信部33によりサーバ1に送信する。
サーバ1の制御部11は、通信部13を介して貸主端末3から送信された対象賃貸物件を受信する。制御部11は、受信した対象賃貸物件に基づき、大容量記憶部17のオークションDB175から、当該対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額(希望家賃)及び入居希望時期(希望入居日)を取得する。制御部11は、取得した当該対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期を通信部13により貸主端末3に送信する。
貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期を受信し、受信した複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期を表示部35により表示する。制御部31は、貸主による当該対象賃貸物件を貸し出す入居希望者の選択を受け付け、受け付けた貸し出し対象の入居希望者を通信部33によりサーバ1に送信する。サーバ1の制御部11は、通信部13により貸主端末3から送信された貸し出し対象の入居希望者を受信し、大容量記憶部17のオークションDB175の貸し出し対象の入居希望者に対応する合意列に「○」を記憶する。
図11Bは、貸主端末3により賃貸物件を貸し出す入居希望者の選択受付のイメージ図である。図示のように、貸主が所有する所有賃貸物件一覧がリスト形式で貸主端末3に表示される。賃貸物件ごとに、物件の名称、入居希望者による入札した最高額、申込数及び物件の写真が表示される。なお、上述した表示項目又は表示形式に限らず、賃貸物件に関する他の情報が表示されても良い。対象賃貸物件が選択された場合、表示画面が入居希望者一覧画面に遷移され、選択された対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期が入居希望者一覧画面に表示される。貸主が貸主端末3を介して、複数の入居希望者から貸し出し対象の入居希望者を選択する。貸し出し対象の入居希望者が選択された場合、チェックボックスが選択された状態で表示される。なお、貸し出し対象の入居希望者の選択に関しては、チェックボックスの形式に限るものではない。例えば、ラジオボタンの形式であっても良い。
図12は、賃貸物件を貸し出す入居希望者の選択を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、貸主が所有する所有賃貸物件一覧を貸主端末3に送信する(ステップS101)。貸主端末3の制御部31は、通信部33によりサーバ1から送信された賃貸物件一覧を受信し(ステップS301)、表示部35により表示する(ステップS302)。制御部31は、入力部34により対象賃貸物件の選択を受け付け(ステップS303)、受け付けた対象賃貸物件を通信部33によりサーバ1に送信する(ステップS304)。
サーバ1の制御部11は、通信部13により貸主端末3から送信された対象賃貸物件を受信する(ステップS102)。制御部11は、受信した対象賃貸物件に基づき、大容量記憶部17のオークションDB175から、当該対象賃貸物件に対応する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期を取得する(ステップS103)。制御部11は、通信部13を介して、取得した複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期を貸主端末3に送信する(ステップS104)。
貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、サーバ1から送信された複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期を受信し(ステップS305)、表示部35により表示する(ステップS306)。制御部31は、入力部34により当該対象賃貸物件を貸し出す入居希望者の選択を受け付け(ステップS307)、受け付けた貸し出し対象の入居希望者を通信部33によりサーバ1に送信する(ステップS308)。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、貸主端末3から送信された貸し出し対象の入居希望者を受信し(ステップS105)、大容量記憶部17のオークションDB175の合意列に「○」を記憶する(ステップS106)。
また、対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期が表示される他には、該入居希望者に対する評価値を表示することができる。評価値は、入居希望者の過去の取引実績、支払い実績による信用情報を客観的に評価した点数である。入居希望者の評価値に関しては、サーバ1の大容量記憶部17に記憶しても良く、またはブロックチェーン2に記録しても良い。また、入居希望者が退去した後に、貸主が入居希望者に対して評価することにより、古い評価値を更新することが可能となる。なお、入居希望者の評価値の更新処理に関しては後述する。
図13は、入居希望者の評価値の取得及び表示の動作を説明する説明図である。図13Aは、サーバ1が貸主端末3に入居希望者に対する評価値を送信する動作を説明する説明図である。なお、図13Aは、サーバ1から入居希望者の評価値の取得の例を説明したが、これに限るものではない。例えば、ブロックチェーン2に記録された入居希望者の評価値が貸主端末3に送信されても良い。
サーバ1の制御部11は、大容量記憶部17の入居希望者DB174及びオークションDB175から、対象賃貸物件に対する複数の入居希望者の入居希望額、入居希望時期及び該入居希望者に対する評価値を取得する。制御部11は、通信部13を介して、取得した複数の入居希望者の入居希望額、入居希望時期及び該入居希望者に対する評価値を貸主端末3に送信する。貸主端末3の制御部31は、通信部33によりサーバ1から送信された複数の入居希望者の入居希望額、入居希望時期及び該入居希望者に対する評価値を受信し、表示部35により表示する。
図13Bは、貸主端末3による入居希望者の評価値の表示のイメージ図である。図示のように、入居希望者の評価値が点数の表示形式で画面上に表示されたが、これに限るものではない。例えば、評価が星マークで示されても良く、星マークの数が多いほど評価が高くなるルールを設定することが可能となる。
図14は、サーバ1から入居希望者の評価値の取得の処理手順を示すフローチャートである。なお、図12と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。サーバ1の制御部11は、受信した対象賃貸物件に基づき、大容量記憶部17の入居希望者DB174及びオークションDB175から、当該対象賃貸物件に対応する複数の入居希望者からの入居希望額、入居希望時期及び該入居希望者に対する評価値を取得する(ステップS107)。制御部11は、通信部13を介して、取得した複数の入居希望者からの入居希望額、入居希望時期及び該入居希望者に対する評価値を貸主端末3に送信する(ステップS108)。貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、サーバ1から送信された複数の入居希望者からの入居希望額、入居希望時期及び該入居希望者に対する評価値を受信し(ステップS309)、表示部35により表示する(ステップS310)。
図15は、ブロックチェーン2から入居希望者の評価値の取得の処理手順を示すフローチャートである。なお、図12と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。ブロックチェーン2は、入居希望者のID又は氏名等の情報に基づき、記録された入居希望者の評価値を取得する(ステップS211)。ブロックチェーン2は、取得した入居希望者の評価値を貸主端末3に送信する(ステップS212)。貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、ブロックチェーン2から送信された入居希望者の評価値を受信する(ステップS311)。制御部31は、受信した複数の入居希望者からの入居希望額、入居希望時期及び該入居希望者に対する評価値を表示部35により表示する(ステップS312)。
また、貸主端末3は、貸主が所有する所有賃貸物件一覧から、複数の入居希望者から入居希望額が入力されたことを示す情報が付加された対象賃貸物件の選択を受け付けることができる。図16は、貸主端末3による入居希望者の応募ステータスの表示のイメージ図である。図示のように、貸主が所有する所有賃貸物件一覧をステータス別により表示することができる。なお、本実施形態では、ステータスは新着契約書、入居済、退去申込及び募集中の例を示したが、これに限るものではない。例えば、ステータスは、選考中及び退去済を含んでも良い。
貸主端末3の制御部31は、大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172及びオークションDB175から貸主が所有する所有賃貸物件一覧を取得する。制御部31は、取得したそれぞれの賃貸物件のステータスを示すためのアイコンを取得する。アイコンが記憶部32に記憶されても良く、または図示しない外部装置により貸主端末3に転送されても良い。例えば、ステータスが「新着契約書」である場合、書類を示すアイコンが表示される。ステータスが「募集中」である場合、賃貸物件を示すアイコンが表示される。また、アイコンの右上に、申込数に応じた数字マークを付けて表示しても良い。図示のように、申込数が3件である場合、3が付着された数字マークがアイコンの右上に表示される。制御部31は、取得した賃貸物件の写真、名称、最高額、申込数、ステータス及びステータスを示すためのアイコンを表示部35により表示する。
制御部31は、入力部14によりステータス別のコンボボックスの選択操作を受け付けた場合、選択されたステータスに応じて、当該ステータスに対応する賃貸物件のみを表示部35により表示する。例えば、ステータス別のコンボボックスから「入居済」ステータスが選択された場合、賃貸物件一覧に「入居済」ステータスに対応する賃貸物件のみを表示部35により表示する。なお、上述した画面のレイアウト及び表示内容の例を説明したが、これに限るものではない。例えば、タブページによりステータス別に貸主が所有する賃貸物件一覧が表示されても良い。
続いて、入居希望者による対象賃貸物件に対し、入居希望額及び入居希望時期の入力を説明する。図17は、入居希望者端末4による入居希望額及び入居希望時期の入力の受付の動作を説明する説明図である。図17Aは、入居希望者端末4が入居希望額及び入居希望時期を受け付ける動作を説明する説明図である。サーバ1の制御部11は、入居希望者が希望する対象賃貸物件及び該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を、大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172及びオークションDB175から取得する。制御部11は、通信部13を介して、取得した対象賃貸物件及び該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を入居希望者端末4に送信する。
入居希望者端末4の制御部41は、通信部43を介して、サーバ1から送信された対象賃貸物件及び該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を受信し、表示部45により表示する。制御部41は、入力部44により当該対象賃貸物件に対する入居希望額及び入居希望時期の入力を受け付けた場合、通信部43を介して、受け付けた入居希望額及び入居希望時期をサーバ1に送信する。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、入居希望者端末4から送信された入居希望額及び入居希望時期を受信し、大容量記憶部17のオークションDB175に記憶する。具体的には、制御部11は、対象賃貸物件に対し、オークションID及びオークションサブIDを振って、物件ID、入居希望者ID、入居希望額、入居希望時期等の情報を一つのレコードとしてオークションDB175に記憶する。
図17Bは、賃貸物件に対する入居希望額及び入居希望時期の入力の受付のイメージ図である。図示のように、対象賃貸物件の写真、名称、交通、間取り及び該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額(現在の高値申し込み)等の情報が画面上に表示される。入居希望者端末4の制御部41は、入力部44により「入居希望」ボタンのタップ操作を受け付けた場合、表示画面を価格入札画面へ遷移することができる。
価格入札画面では、該対象賃貸物件に対する入居希望額の内最高額の入居希望額及び入札履歴等の情報が表示される。入居希望者がスライダーにより数値調整で入居希望額を設定しても良く、または入力欄を用いて直接に入力しても良い。また、入居希望者が入居希望時期の入力欄を通じて入居希望時期を入力することできる。なお、入居希望時期の入力に関しては、入力欄に限らず、例えばコンボボックスにより入居希望時期を選択しても良い。入居希望者端末4の制御部41は、入力部44により「入居希望(価格入札)をする」ボタンのタップ操作を受け付けた場合、入力された入居希望額及び入居希望時期を通信部43によりサーバ1に送信する。サーバ1の制御部11は、通信部13により入居希望者端末4から送信された入居希望額及び入居希望時期を受信し、大容量記憶部17のオークションDB175に記憶する。
図18は、入居希望額及び入居希望時期の入力を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、入居希望者が希望する対象賃貸物件及び該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を、大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172及びオークションDB175から取得する(ステップS121)。制御部11は、通信部13を介して、取得した対象賃貸物件及び該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を入居希望者端末4に送信する(ステップS122)。
入居希望者端末4の制御部41は、通信部43によりサーバ1から送信された対象賃貸物件及び該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を受信し(ステップS321)、表示部45により表示する(ステップS322)。制御部41は、入力部44により該対象賃貸物件に対する入居希望額及び入居希望時期の入力を受け付け(ステップS323)、受け付けた入居希望額及び入居希望時期を通信部43によりサーバ1に送信する(ステップS324)。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、入居希望者端末4から送信された入居希望額及び入居希望時期を受信し(ステップS123)、大容量記憶部17のオークションDB175に記憶する(ステップS124)。
また、入居希望者が希望する対象賃貸物件、該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額が表示される他には、該対象賃貸物件の貸主に対する評価値を表示することができる。貸主の評価値に関しては、サーバ1の大容量記憶部17に記憶しても良く、またはブロックチェーン2に記録しても良い。また、入居希望者が退去した後に、入居希望者が貸主に対して評価することにより、古い貸主の評価値を更新することが可能となる。なお、貸主の評価値の更新処理に関しては後述する。
図19は、貸主の評価値の取得及び表示の動作を説明する説明図である。図19Aは、サーバ1が入居希望者端末4に貸主に対する評価値を送信する動作を説明する説明図である。なお、図19Aは、サーバ1から貸主の評価値の取得の例を説明したが、これに限るものではない。例えば、ブロックチェーン2に記録された貸主の評価値が入居希望者端末4に送信されても良い。
サーバ1の制御部11は、大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172、貸主DB173及びオークションDB175から、入居希望者が希望する対象賃貸物件、該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額、及び、該対象賃貸物件の貸主の評価値を取得する。制御部11は、通信部13を介して、取得した対象賃貸物件、該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額、及び、該対象賃貸物件の貸主の評価値を入居希望者端末4に送信する。入居希望者端末4の制御部41は、通信部43によりサーバ1から送信された対象賃貸物件、最高額の入居希望額及び貸主の評価値を受信し、表示部45により表示する。
図19Bは、入居希望者端末4による貸主の評価値の表示のイメージ図である。図示のように、貸主の評価値が点数の表示形式で画面上に表示されたが、これに限るものではない。評価値の表示形式に関しては、図13Bと同様であるため説明を省略する。
図20は、サーバ1から貸主の評価値の取得の処理手順を示すフローチャートである。なお、図18と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。サーバ1の制御部11は、大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172、貸主DB173及びオークションDB175から、入居希望者が希望する対象賃貸物件、該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額、及び、該対象賃貸物件の貸主の評価値を取得する(ステップS125)。制御部11は、通信部13を介して、取得した対象賃貸物件、最高額の入居希望額及び貸主の評価値を入居希望者端末4に送信する(ステップS126)。入居希望者端末4の制御部41は、通信部43によりサーバ1から送信された対象賃貸物件、最高額の入居希望額及び貸主の評価値を受信し(ステップS325)、表示部45により表示する(ステップS326)。
図21は、ブロックチェーン2を介した貸主の評価値の取得の処理手順を示すフローチャートである。なお、図18と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。ブロックチェーン2は、貸主のID又は氏名等の情報に基づき、記録された貸主の評価値を取得する(ステップS221)。ブロックチェーン2は、取得した貸主の評価値を入居希望者端末4に送信する(ステップS222)。入居希望者端末4の制御部41は、通信部43を介して、ブロックチェーン2から送信された貸主の評価値を受信する(ステップS327)。制御部41は、受信した対象賃貸物件、該対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額、及び貸主の評価値を表示部45により表示する(ステップS328)。
続けて、対象賃貸物件に対する賃貸契約が成立する際の処理に関して説明する。図22は、賃貸契約が成立する際の処理の動作を説明する説明図である。貸主端末3の制御部31は、対象賃貸物件を貸し出す入居希望者の選択を受け付けた後、該入居希望者が対象賃貸物件の入居に必要な条件、かつ、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報を通信部33によりサーバ1の大容量記憶部17から取得する。貸主側で対象賃貸物件の入居に必要な条件に関しては、例えば、入居希望者の評価値が4.0点数以上であり、賃料が8.5万円であり、かつ、敷金が三ヵ月分の賃料であることが定義されても良い。制御部31は、取得した対象賃貸物件の入居に必要な条件、かつ、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報に基づき、賃貸契約が成立するスマートコントラクトのコードを作成する。
本実施形態では、対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報を含む契約条件がスマートコントラクトに定義される。貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、作成した賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する。ブロックチェーン2は、貸主端末3から送信されたスマートコントラクトを受信して記録する。
入居希望者端末4の制御部41は、対象賃貸物件の住所について確認したか否かを示す情報、対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金情報について確認したか否かを示す情報、対象賃貸物件の賃貸期間について確認したか否かを示す情報、及び、支払い口座について確認したか否かを示す情報が全て確認した確認状態にあると判断した後に、契約が成立するスマートコントラクトのコードを作成する。本実施形態では、対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報を含む契約条件がスマートコントラクトに定義される。なお、入居希望者側で対象賃貸物件の入居に必要な条件に関しては、例えば、貸主の評価値が4.2点数以上であり、住所、賃料、賃貸期間及び支払い口座の確認をすべて完了した状態であることが定義されても良い。
入居希望者端末4の制御部41は、通信部43を介して、作成した賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する。ブロックチェーン2は、入居希望者端末4から送信されたスマートコントラクトを受信して記録する。
ブロックチェーン2は、貸主端末3及び入居希望者端末4から送信されたそれぞれのスマートコントラクトを統合して記録する。なお、本実施形態では、ブロックチェーン2側でスマートコントラクトが統合された例を説明したが、これに限るものではない。例えば、契約が成立するための合意(電子サイン)が貸主端末3側で最終的に取られた場合、貸主端末3は、作成したスマートコントラクトを入居希望者端末4から送信されたスマートコントラクトと統合し、ブロックチェーン2に送信しても良い。また、契約が成立するための合意が入居希望者端末4側で最終的に取られた場合、入居希望者端末4は、作成したスマートコントラクトを貸主端末3から送信されたスマートコントラクトと統合し、ブロックチェーン2に送信しても良い。また、貸主端末3と入居希望者端末4は、それぞれのスマートコントラクトをサーバ1に送信しても良い。サーバ1は、貸主及び入居希望者による契約が成立するための合意を取得した場合、サーバ1は、貸主端末3と入居希望者端末4それぞれのスマートコントラクトを統合し、ブロックチェーン2に送信しても良い。
さらにまた、貸主端末3か入居希望者端末4のどちらか一方がスマートコントラクトを作成し、ブロックチェーン2に送信しても良い。以下では、貸主端末3側でスマートコントラクトが生成される例を説明する。入居希望者端末4は、入居希望者による契約が成立するための電子サインを受け付け、受け付けた入居希望者の電子サインを貸主端末3に送信する。貸主端末3は、入居希望者端末4から送信された入居希望者の電子サインに応じて、貸主が入居希望者への入居に同意する電子サインを受け付ける。貸主端末3は、対象賃貸物件の入居に必要な条件、及び、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報を含むスマートコントラクトのコードを作成し、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する。なお、入居希望者端末4側でスマートコントラクトが生成される処理に関しては、上述した処理と同様であるため説明を省略する。
ブロックチェーン2は、入居希望者端末4と貸主端末3から送信されたそれぞれのスマートコントラクトに応じて、予め定義された契約履行の条件に合致するか否かを判断する。ブロックチェーン2は、予め定義された契約履行の条件に合致したと判断した場合、スマートコントラクト処理を自動的に実行させる。スマートコントラクト処理を実行することにより、賃貸物件に対する契約内容をブロックチェーン2の複数のノードそれぞれに記録し、賃貸契約が成立することができる。なお、マイニング処理は実行しても良く、又は実行しなくても良い。また、各ノードはマイニングが完了してから、賃貸物件に対する契約内容を分散台帳として関連付けて記憶しても良い。
契約が成立するスマートコントラクトが自動的に実行させるため、契約が成立する条件を定義することができる。契約が成立する条件は、住所、賃料、賃貸期間及び支払い口座の確認をすべて完了した状態であることを定義しても良く、または保証金の入金の確認を取れた状態であることを定義しても良い。
以下では、対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金の入金で契約が成立する例を説明する。ブロックチェーン2は、入居希望者から貸主への対象賃貸物件に対する対価の支払いがあったことを示すためのスマートコントラクトを発動させるトリガーを受け付けた場合、スマートコントラクト処理を起動して実行する。スマートコントラクトは、ブロックチェーン2に契約及び合意の内容が取引中に変更されない仕組みであるため、ブロックチェーン2の外部情報をトリガーにしてスマートコントラクトを発動させる。これにより、予め定義された契約履行の条件に合致するか否かとの判断処理は、ブロックチェーン2の外部情報を参照することが必要である。スマートコントラクトは、外部情報をブロックチェーン2内部に提供するサービス又はサーバ等により実現することができる。例えば、貸主端末3又は入居希望者端末4は信頼できる情報を提供するオラクルシステム(Oracle System)と連携しても良く、また貸主端末3又は入居希望者端末4で類似の機能を実装しても良い。
また、入居希望者から貸主への対象賃貸物件に対する対価の支払いに関しては、入居希望者及び貸主のウォレットアドレスを経由して仮想通貨で支払っても良く、または銀行APIを経由して法定通貨で支払っても良い。仮想通貨で支払いの場合、ウォレットアドレスの利用により実現することができる。ウォレットアドレスは、取引ごとに作成された仮想通貨用の口座番号であり、文字列又はQRコード(登録商標)として表示する。ウォレットアドレスは、ブロックチェーン2で利用されている公開鍵暗号を基にして、数学的に導出されたアドレスである。また、送信元と送信先のウォレットアドレスは、ブロックチェーン2に記録され、ブロックチェーン2のシステムが維持し続ける限り改ざんされない。
ウォレットアドレスは計算で生成されるため、オンライン又はオフラインでも作成することが可能となる。例えば、貸主端末3のハッシュ値算出部31a及び電子署名作成部31bにより貸主のウォレットアドレスを作成しても良く、また貸主により手渡しても良い。更にまた、貸主端末3の制御部31は、図示しない外部で直接に貸主端末3と接続している撮影装置を介して、貸主のウォレットアドレスのQRコードを識別し、ウォレットアドレスを抽出しても良い。
入居希望者のウォレットアドレスから契約された対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金に相当する仮想通貨量が、ブロックチェーン2経由で貸主のウォレットアドレスに送信される。ブロックチェーン2は、入居希望者の入金の確認を取れた場合、予め定義された契約履行の条件に合致したことを判断し、スマートコントラクト処理を起動して実行する。ブロックチェーン2は、スマートコントラクト処理を実行した後、賃貸契約が成立するため、契約が成立した旨の情報を貸主端末3及び入居希望者端末4に送信する。貸主端末3及び入居希望者端末4は、契約が成立した旨の情報を受信した場合、契約が完了したことを示す情報をそれぞれの表示部を介して表示する。
賃貸契約が成立した場合、貸主端末3及び入居希望者端末4は、賃貸に関する契約情報をサーバ1に送信する。サーバ1の制御部11は、貸主端末3及び入居希望者端末4から送信された賃貸に関する契約情報を大容量記憶部17の契約管理DB176に記憶する。具体的には、制御部11は、受信した契約台帳ID、物件住所、建物名称、住戸番号、賃料、敷金、礼金、共益費、契約期間、貸主ID、入居希望者ID、締結日時、貸主の電子サイン及び入居希望者の電子サインを契約管理DB176に一つのレコードとして記憶する。
法定通貨で支払いの場合、銀行が提供されたAPIサービスの利用により実現することができる。この場合、貸主端末3が銀行API(Application Programming Interface)を用いて、入居希望者から契約された対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金の入金を確認した場合、貸主端末3は支払いがあったことを示す情報をブロックチェーン2に送信する。ブロックチェーン2は、貸主端末3から送信された支払いがあったことを示す情報を受信し、受信した情報に基づき、スマートコントラクトで定義された執行条件及び契約内容に合致するか否かを判断する。ブロックチェーン2は、受信した支払いがあったことを示す情報が執行条件及び契約内容に合致したと判断した場合、スマートコントラクト処理を起動して実行する。スマートコントラクト処理を実行することにより、賃貸契約に関する情報をブロックチェーン2の複数のノードそれぞれに記録し、契約が成立することができる。
または、ブロックチェーン2が直接に銀行APIと通信しても良い。例えば、ブロックチェーン2が入居希望者から契約された対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金の入金を確認した場合、ブロックチェーン2は、入金の金額に基づき、スマートコントラクトで定義された執行条件及び契約内容に合致するか否かを判断する。なお、執行条件及び契約内容に合致した取引が発生した場合、スマートコントラクトの実行及び取引内容の記録に関しては、上述した処理と同様であるため説明を省略する。
図23は、貸主端末3による賃貸契約の締結のイメージ図である。サーバ1の制御部11は、入居希望者に関する情報及び対象賃貸物件に関する情報を大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172、入居希望者DB174及びオークションDB175から取得する。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、取得した入居希望者に関する情報及び対象賃貸物件に関する情報を貸主端末3に送信する。貸主端末3の制御部31は、通信部33によりサーバ1から送信された入居希望者に関する情報及び対象賃貸物件に関する情報を受信し、表示部35により表示する。
図23Aは、入居希望者の詳細情報を示すイメージ図である。図13Bで貸主が入居希望者をタップした場合、貸主端末3の制御部31は、表示部35により図23Aを表示する。図示のように、入居希望者の年齢、性別、職業及び年収等を含む基本情報、入居希望日、評価、希望家賃及び入居希望者の身分証明書等の証明書類が画面に表示される。なお、証明書類をドラッグまたはドロップにより追加することができるが、これに限るものではない。例えば、ファイルを選択するためのファイル選択ダイアログにより証明書類が追加されても良い。貸主端末3の制御部31は、入力部34により「サインする書類を確定する」ボタンのタップ操作を受け付けた場合、表示画面を賃貸借契約書の表示画面に遷移する。
図23Bは、賃貸借契約書を示すイメージ図である。対象賃貸物件に対する賃貸借契約書を画面に表示することができる。また、該賃貸借契約書に応じて、貸主または入居希望者がそれぞれの電子サインを行うことが可能となる。また、電子サインの保管に関しては、そのまま証明書類とともに電子データとして記憶しても良く、または独自にデータ形式で記憶しても良い。制御部31は、入力部34により「契約内容を確定する」ボタンのタップ操作を受け付けた場合、スマートコントラクトのコードを作成し、作成したスマートコントラクトを通信部33によりブロックチェーン2に送信する。スマートコントラクトにより執行条件及び契約内容に合致した取引が発生した場合、ブロックチェーン2は、契約が成立した旨を示す情報を貸主端末3に送信する。貸主端末3の制御部31は、通信部33によりブロックチェーン2から送信された契約が成立した旨を示す情報を受信し、表示部35により契約成立画面を表示する。
図23Cは、貸主端末3側の契約成立を示すイメージ図である。図示のように、契約された賃貸物件情報及び賃貸契約情報が画面に表示される。また、貸主端末3の制御部31は、入力部34により「登録情報を確認する」ボタンのタップ操作を受け付けた場合、貸主、入居希望者または物件の登録情報を確認することができる。制御部31は、入力部34により「契約情報を確認する」ボタンのタップ操作を受け付けた場合、賃貸契約に関する情報を確認することができる。
図24は、入居希望者端末4による契約締結のイメージ図である。サーバ1の制御部11は、対象賃貸物件に関する情報及び支払い口座情報を大容量記憶部17の管理物件DB171、物件詳細DB172、入居希望者DB174及びオークションDB175から取得する。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、取得した対象賃貸物件に関する情報及び支払い口座情報を入居希望者端末4に送信する。入居希望者端末4の制御部41は、通信部43によりサーバ1から送信された対象賃貸物件に関する情報及び支払い口座情報を受信し、表示部45により表示する。
図24Aは、契約の各項目の確認を示すイメージ図である。入居希望者端末4の制御部41は、表示部45を介して、対象賃貸物件の住所及び該住所について確認したか否かを示す情報、並びに、対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金情報、及び該料金情報について確認したか否かを示す情報、並びに、対象賃貸物件の賃貸期間及び該賃貸期間について確認したか否かを示す情報、並びに、支払い口座及び該支払い口座について確認したか否かを示す情報を表示する。なお、支払い口座が仮想通貨を受け取るためのウォレットアドレスであっても良い。
入居希望者端末4の制御部41は、入力部44により表示された確認したか否かを示す情報が全て確認した確認状態を受け付け、かつ、「同意して確定する」ボタンのタップ操作を受け付けた場合、スマートコントラクトのコードを作成する。制御部41は、通信部43を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する。スマートコントラクトにより執行条件及び契約内容に合致した取引が発生した場合、ブロックチェーン2は、契約が成立した旨を示す情報を入居希望者端末4に送信する。制御部41は、通信部43によりブロックチェーン2から送信された契約が成立した旨を示す情報を受信し、表示部45により契約成立画面を表示する。
図24Bは、入居希望者端末4側の契約成立を示すイメージ図である。なお、図24Aと図24Bとの間に、入居希望者の電子サイン処理に関しては、図23Bと同様であっても良い。図示のように、契約された賃貸物件情報及び賃貸契約情報が画面に表示される。なお、上述した表示形式に限るものではない。例えば、契約が成立した場合、PDF(Portable Document Format)形式の契約書類が生成され、生成された契約書に対し同意を示す同意情報が受け付けられ、電子メールに送信されても良い。また、入居希望者端末4は、通信部43により上述したPDF形式の契約書をブロックチェーン2に送信しても良い。ブロックチェーン2は、入居希望者端末4から送信されたPDF形式の契約書を受信して記録する。
さらにまた、契約が成立した場合、契約書のハッシュ値がブロックチェーン2に送信されても良い。ハッシュ値は、元の数値又は文字列から固定長の疑似乱数を作るハッシュ関数で算出される値であり、ブロックチェーン2上に記録することができる。具体的には、入居希望者端末4のハッシュ値算出部41aは、契約された賃貸物件情報及び賃貸契約情報に基づき、契約書のハッシュ値を算出する。制御部41は、通信部43を介して、算出された契約書のハッシュ値をブロックチェーン2に送信する。ブロックチェーン2は、入居希望者端末4から送信された契約書のハッシュ値を受信して記録する。
図25は、対象賃貸物件に対する賃貸契約が成立する際の処理手順を示すフローチャートである。貸主端末3の制御部31は対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合、制御部31は賃貸契約が成立するスマートコントラクトのコードを作成する(ステップS341)。制御部31は、通信部33を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する(ステップS342)。
入居希望者端末4の制御部41は対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、貸主が入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合、制御部41は賃貸契約が成立するスマートコントラクトのコードを作成する(ステップS441)。制御部41は、通信部43を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する(ステップS442)。
ブロックチェーン2は、貸主端末3及び入居希望者端末4から送信されたそれぞれのスマートコントラクトを受信し(ステップS241)、統合して記録する(ステップS242)。入居希望者端末4の制御部41は、貸主のウォレットアドレス及び入居希望者のウォレットアドレスを取得する(ステップS443)。制御部41は、通信部43を介して、対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金に相当する仮想通貨量を、入居希望者のウォレットアドレスから貸主のウォレットアドレスへブロックチェーン2経由で送信する(ステップS444)。ブロックチェーン2は、入居希望者のウォレットアドレスから受信した仮想通貨量を貸主のウォレットアドレスへ送信する(ステップS243)。貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、ブロックチェーン2経由で入居希望者のウォレットアドレスから送信された仮想通貨量を、貸主のウォレットアドレスに受信する(ステップS343)。
貸主端末3の制御部31は、通信部33により契約が成立するためのスマートコントラクトの発動トリガーをブロックチェーン2に送信する(ステップS344)。ブロックチェーン2は、貸主端末3から送信されたスマートコントラクトの発動トリガーを受信し(ステップS244)、スマートコントラクト処理を実行する(ステップS245)。スマートコントラクト処理が実行した後、ブロックチェーン2は、契約が成立する指示を貸主端末3及び入居希望者端末4に送信する(ステップS246)。
貸主端末3の制御部31は、通信部33によりブロックチェーン2から送信された契約が成立する指示を受信し(ステップS345)、契約が成立することを示す情報を表示部35により表示する(ステップS346)。制御部31は、通信部33により賃貸契約に関する情報をサーバ1に送信する(ステップS347)。
入居希望者端末4の制御部41は、通信部43によりブロックチェーン2から送信された契約が成立する指示を受信し(ステップS445)、契約が成立することを示す情報を表示部45により表示する(ステップS446)。制御部41は、通信部43により賃貸契約に関する情報をサーバ1に送信する(ステップS447)。サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、貸主端末3及び入居希望者端末4から送信された賃貸契約に関する情報を受信し、大容量記憶部17の契約管理DB176に記憶する。
本実施形態によると、対象賃貸物件に対する複数の入居希望者からの入居希望額及び入居希望時期を貸主側に出力することにより、貸主が当該対象賃貸物件を貸し出す入居希望者を選択することが可能となる。
本実施形態によると、入居希望者が希望する対象賃貸物件に対し複数の入居希望者からの入居希望額の内最高額の入居希望額を閲覧することが可能となる。また、入居希望者が
希望する対象賃貸物件に対し入居希望額及び入居希望時期を入力することが可能となる。
希望する対象賃貸物件に対し入居希望額及び入居希望時期を入力することが可能となる。
本実施形態によると、貸主が各入居希望者の評価値を閲覧することが可能となり、入居希望者が対象賃貸物件の貸主の評価値を閲覧することが可能となる。本実施形態では、入居希望額を入居希望者が入力する形式としたが、貸主が固定した額を入力しても良い。また入居希望額に代えて、少なくとも入居希望時期、評価値のいずれか一つ情報を表示しても良い。
本実施形態によると、スマートコントラクトにより貸主と入居希望者が賃貸契約を締結することにより、契約履行の条件に合致する場合、契約が自動的に履行されるため、不正な取引を防ぐことができる。また、取引に第三者が介入しないため、決済期間を短縮することが可能となる。
本実施形態によると、契約が成立した後、貸主と入居希望者との間で締結する契約書及び賃貸契約に関する情報をブロックチェーン2に出力することにより、取引情報は過去の取引履歴と連鎖して保存されているため、取引情報の改ざんが難しく、信頼性が高い取引を実現することが可能となる。
本実施形態によると、対象賃貸物件に対するオークションで賃貸借活動を行うことにより、金額又は条件面の交渉を容易に行い、契約内容に自由度を持たせることが可能となる。
(実施形態2)
実施形態2は、毎月の支払い情報をブロックチェーン2に出力する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。貸主が所有する対象賃貸物件を入居希望者に貸した後、当該入居希望者が借主となる。この場合、借主から対象賃貸物件の貸主への家賃の支払いに関する情報を月毎にブロックチェーン2に出力することができる。
実施形態2は、毎月の支払い情報をブロックチェーン2に出力する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。貸主が所有する対象賃貸物件を入居希望者に貸した後、当該入居希望者が借主となる。この場合、借主から対象賃貸物件の貸主への家賃の支払いに関する情報を月毎にブロックチェーン2に出力することができる。
図26は、月毎に家賃を支払うスマートコントラクト処理の動作を説明する説明図である。貸主端末3の制御部31は、月毎に借主から対象賃貸物件の貸主への家賃を支払うための必要な執行条件が記述されたスマートコントラクトのコードを作成する。なお、本実施形態では、スマートコントラクトのコードの内容は、月毎に家賃金額を含む契約内容、決められた支払い日を含む執行条件、物件ID、並びに、貸主及び借主の電子署名をコードで定義している。制御部31は、通信部33を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する。なお、本実施形態では、スマートコントラクトが貸主端末3により作成されたが、これに限るものではない。例えば、スマートコントラクトが借主端末4(入居希望者端末4)により作成され、ブロックチェーン2に送信されても良い。
ブロックチェーン2は、貸主端末3から送信されたスマートコントラクトを受信して記録する。ブロックチェーン2は、スマートコントラクトで定義された執行条件及び契約内容に合致するか否かを判断する。本実施形態では、ブロックチェーン2は、月毎に支払い日になるか否かを判断する。支払い日になった場合、ブロックチェーン2は、対象賃貸物件に対する家賃の支払い執行条件及び契約内容に合致したと判断した場合、スマートコントラクト処理を起動して実行する。スマートコントラクト処理を実行することにより、借主から対象賃貸物件の貸主への支払う家賃に相当する仮想通貨量を、借主のウォレットアドレスから貸主のウォレットアドレスに送信する。また、借主から対象賃貸物件の貸主への家賃の支払いに関する情報が月毎にブロックチェーン2の複数のノードそれぞれに記録され、契約が自動的に履行される。
図27は、月毎に家賃を支払うスマートコントラクトの処理手順を示すフローチャートである。貸主端末3の制御部31は、貸主のウォレットアドレス及び借主のウォレットアドレスを取得する(ステップS351)。制御部31は、月毎に家賃を支払うスマートコントラクトのコードを作成し(ステップS352)、通信部33によりブロックチェーン2に送信する(ステップS353)。ブロックチェーン2は、貸主端末3から送信されたスマートコントラクトを受信し(ステップS251)、記録する(ステップS252)。
ブロックチェーン2は、月毎に支払い日であるか否かを判断する(ステップS253)。ブロックチェーン2は、月毎に支払い日であったと判断した場合(ステップS253でYES)、ブロックチェーン2は、スマートコントラクト処理を起動して実行する(ステップS254)。スマートコントラクト処理が完了した後、ブロックチェーン2は、支払いに関する情報を記録する(ステップS255)。ブロックチェーン2は、貸主端末3及び借主端末4に仮想通貨で支払完了メッセージを送信し(ステップS256)、支払い日判断処理(ステップS253)に戻る。
貸主端末3は、通信部33によりブロックチェーン2から送信された支払完了メッセージを受信する(ステップS354)。借主端末4は、通信部43によりブロックチェーン2から送信された支払完了メッセージを受信する(ステップS451)。ブロックチェーン2は、月毎に支払い日でないと判断した場合(ステップS253でNO)、支払い日判断処理(ステップS253)に戻る。
本実施形態によると、ブロックチェーン2経由で月毎に家賃を支払うことにより、家賃未納発生後の催告等のトランザクションコストを削減し、支払い履行の確度と効率性を高めることが可能となる。
(実施形態3)
実施形態3は、入居希望者が借主となり、対象賃貸物件を退去する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。
実施形態3は、入居希望者が借主となり、対象賃貸物件を退去する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。
図28は、実施形態3のサーバ1の構成例を示すブロック図である。図2と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。大容量記憶部17は、業者DB177及び退去管理DB178を含む。業者DB177は、対象賃貸物件に対し、原状回復を行う業者に関する情報を記憶している。退去管理DB178は、対象賃貸物件に対し、退去に関する管理情報を記憶している。
図29は、業者DB177のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。業者DB177は、業者ID列、業者名称列及び評価列を含む。業者ID列は、各業者を識別するために、一意に特定される業者のIDを記憶している。業者名称列は、業者の名称を記憶している。評価列は、業者に対する評価値を記憶している。
図30は、退去管理DB178のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。退去管理DB178は、管理ID列、物件ID列、受付日付列、退去希望日列、退去理由列、退去後の連絡先列、業者ID列、立会日付列、見積金額列、保証金の返金列、清算明細書列、証拠写真列及び状態列を含む。
管理ID列は、各退去の対象賃貸物件を管理するための管理データを識別するために、一意に特定される管理データのIDを記憶している。物件ID列は、退去の対象賃貸物件のIDを記憶している。受付日付列は、対象賃貸物件に対し、退去の申し込みを受け付けた日付を記憶している。退去希望日列は、借主が対象賃貸物件を退去する希望日付を記憶している。退去理由列は、対象賃貸物件に対する退去の理由を記憶している。退去後の連絡先列は、借主が退去した後の連絡先を記憶している。該連絡先は、電話番号であっても良く、または新たな住所であっても良い。業者ID列は、原状回復を行う業者を特定する業者IDを記憶している。立会日付列は、借主が業者との立会日付を記憶している。
見積金額列は、業者が退去希望の対象賃貸物件に対し、原状回復を行うための必要な費用を記憶している。保証金の返金列は、対象賃貸物件の退去の際に、修繕費用等が差し引かれて借主に返却された清算金の金額を記憶している。清算明細書列は、清算に関する明細情報が記載された書類を記憶している。証拠写真列は、立会又は退去の場合、対象賃貸物件の使用状況等を示す証拠写真のパスを記憶している。状態列は、退去申し込みのステータスを記憶している。例えば、状態は受け付け、立会中、立会済及び退去済等を含む。
続いて、借主が対象賃貸物件の退去を申し込む際の処理の流れを説明する。図31は、借主が対象賃貸物件の退去を申し込む動作を説明する説明図である。なお、図1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態のシステムは、情報処理端末5を含む。
情報処理端末5は、原状回復を行う業者が退去する対象賃貸物件に対し、立会日付の受付、清算明細書の作成及び証拠写真のアップロード等を行う端末装置である。情報処理端末5は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末5を業者端末5と読み替える。
借主端末4の制御部41は、通信部43を介して、対象賃貸物件に対する退去希望日等の情報を含む退去要求をサーバ1に送信する。サーバ1の制御部11は、通信部13により借主端末4から送信された対象賃貸物件に対する退去要求を受け付け、大容量記憶部17の業者DB177の業者DB177及び退去管理DB178から業者に関する情報を取得する。業者に関する情報は、例えば、退去希望の対象賃貸物件に対して原状回復を行う業者に対する業者ID、業者名称、業者の評価値、及び退去希望の対象賃貸物件に対する見積金額等を含む。サーバ1の制御部11は、通信部13により、取得した業者に関する情報を借主端末4に送信する。
借主端末4の制御部41は、通信部43によりサーバ1から送信された業者に関する情報を受信し、表示部45により表示する。例えば、業者毎に業者ID、業者名称、業者の評価値、及び退去希望の対象賃貸物件に対する見積金額が図示しない業者一覧画面で表示されても良い。なお、業者一覧画面に関しては、図13Bの入居希望者一覧画面と同様の表示形式であっても良い。
借主端末4の制御部41は、受信した業者に関する情報に基づき、入力部44を介して、借主による業者の選択を受け付ける。制御部41は、選択された業者に対し、退去の対象賃貸物件及び借主に関する情報を通信部43により業者端末5に送信する。業者端末5は、退去の対象賃貸物件に対する立会日付を受け付け、清算書の作成及び証拠写真のアップロード等を行い、サーバ1に送信する。サーバ1の制御部11は、通信部13により業者端末5から送信された退去に関する情報を受信し、大容量記憶部17の退去管理DB178に記憶する。具体的には、制御部11は、管理IDを振り、物件ID、受付日付、退去希望日、退去理由、退去後の連絡先、業者ID、立会日付、保証金の返金、清算明細書、証拠写真及び退去処理の状態を一つのレコードとして退去管理DB178に記憶する。
サーバ1の制御部11は、退去に関する情報を退去管理DB178に記憶した後、通信部13を介して、業者による作業完了旨の情報を貸主端末3及び借主端末4に送信する。借主端末4の制御部41は、通信部43により業者による作業完了旨の情報をサーバ1から受信した場合、退去申込、退去希望日及び原状回復を行う業者による作業完了を含む退去条件に基づき、契約終了のスマートコントラクトのコードを作成する。借主端末4の制御部41は、通信部43を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する。ブロックチェーン2は借主端末4から送信された契約終了のスマートコントラクトを受信して記録する。
貸主端末3の制御部31は、通信部33により業者による作業完了旨の情報をサーバ1から受信した場合、対象賃貸物件の退去希望日及び貸主が保証金の返金を含む退去条件に基づき、契約終了のスマートコントラクトのコードを作成する。貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する。ブロックチェーン2は貸主端末3から送信された契約終了のスマートコントラクトを受信して記録する。
貸主が仮想通貨または法定通貨で借主に保証金を返金することが可能となる。仮想通貨で保証金を返金する場合、貸主端末3の制御部31は、ブロックチェーン2を経由して貸主のウォレットアドレスから借主のウォレットアドレスに保証金に相当する仮想通貨量を送信する。ブロックチェーン2は、仮想通貨での保証金の返金処理を終了した後、貸主側及び借主側の退去条件を満たしたため、スマートコントラクト処理を起動して実行する。スマートコントラクト処理を実行することにより、対象賃貸物件に対する契約終了が成立し、契約終了に関する情報をブロックチェーン2の複数のノードそれぞれに記録し、退去処理を終了する。
法定通貨で保証金を返金する場合、銀行が提供したAPIサービスの利用により実現することができる。この場合、借主端末4が銀行APIを用いて、対象賃貸物件に対する保証金の返金を確認した場合、借主端末4は支払いがあったことを示す情報をブロックチェーン2に送信する。ブロックチェーン2は、借主端末4から送信された支払いがあったことを示す情報を受信し、受信した情報に基づき、スマートコントラクトで定義された執行条件及び契約内容に合致するか否かを判断する。なお、執行条件及び契約内容に合致した取引が発生した場合、スマートコントラクトの実行及び取引内容の記録に関しては、上述した処理と同様であるため説明を省略する。
図32、33は、借主が対象賃貸物件の退去を申し込む際の処理手順を示すフローチャートである。借主端末4の制御部41は、通信部43を介して、対象賃貸物件の退去要求をサーバ1に送信する(ステップS461)。サーバ1の制御部31は、通信部33により借主端末4から送信された対象賃貸物件に対する退去要求を受信する(ステップS161)。サーバ1の制御部11は、大容量記憶部17の業者DB177及び退去管理DB178から業者に関する情報を取得し(ステップS162)、通信部13を介して、借主端末4に送信する(ステップS163)。
借主端末4の制御部41は、通信部43を介して、サーバ1から送信された複数の業者に関する情報を受信し(ステップS462)。制御部41は、表示部45を介して、受信した複数の業者に関する情報を表示する(ステップS463)。具体的には、業者毎に業者ID、業者名称、業者の評価値、及び退去希望の対象賃貸物件に対する見積金額が画面に表示される。制御部41は、入力部44を介して、借主による業者の選択を受け付ける(ステップS464)。制御部41は、選択された業者に基づき、通信部43により対象賃貸物件及び借主に関する情報を業者端末5に送信する(ステップS465)。業者端末5は、借主端末から送信された対象賃貸物件及び借主に関する情報を受信し(ステップS561)、対象賃貸物件に対する立会日付を受け付け、清算書の作成及び証拠写真のアップロード等の退去処理を行う(ステップS562)。業者端末5は、退去処理に関する情報をサーバ1に送信する(ステップS563)。なお、業者端末5は、退去処理に関する情報をブロックチェーン2へ直接に送信しても良い。
サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、業者端末5から送信された退去処理に関する情報を受信し(ステップS164)、大容量記憶部17の退去管理DB178に記憶する(ステップS165)。制御部11は、通信部13を介して、業者による退去の作業完了メッセージを借主端末4に送信する(ステップS166)。借主端末4の制御部41は、通信部43によりサーバ1から送信された作業完了メッセージを受信し(ステップS466)。
借主端末4の制御部41は、退去申込、退去希望日及び原状回復を行う業者による作業完了を含む退去条件に基づき、契約終了のスマートコントラクトのコードを作成する(ステップS467)。制御部41は、通信部43を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する(ステップS468)。ブロックチェーン2は借主端末4から送信された契約終了のスマートコントラクトを受信し(ステップS261)、記録する(ステップS262)。
サーバ1の制御部11は、通信部13を介して、業者による退去の作業完了メッセージを貸主端末3に送信する(ステップS167)。貸主端末3の制御部31は、通信部33によりサーバ1から送信された作業完了メッセージを受信する(ステップS361)。制御部31は、対象賃貸物件の退去希望日及び貸主が保証金の返金を含む退去条件に基づき、契約終了のスマートコントラクトのコードを作成する(ステップS362)。貸主端末3の制御部31は、通信部33を介して、作成したスマートコントラクトをブロックチェーン2に送信する(ステップS363)。ブロックチェーン2は貸主端末3から送信された契約終了のスマートコントラクトを受信し(ステップS263)、記録する(ステップS264)。なお、上述したフローでは、作成されたスマートコントラクトがステップS468及びステップS363処理によりそれぞれにブロックチェーン2に送信されたが、これに限るものではない。例えば、スマートコントラクトがステップS468及びステップS363処理によりサーバ1に送信され、サーバ1経由でブロックチェーン2に送信されても良い。また、上述したとおり、ステップS467かステップS362の処理のいずれか一方で作成されるスマートコントラクトをブロックチェーン2へ送信しても良い。
ブロックチェーン2は、貸主による保証金の返金の確認を行い(ステップS265)、保証金の返金の確認が取れた場合(ステップS265でYES)、ブロックチェーン2はスマートコントラクトを起動して実行する(ステップS266)。保証金の返金の確認が取れない場合(ステップS265でNO)、保証金の返金の確認処理に戻る(ステップS265)。
対象賃貸物件に対する退去処理が完了した後、貸主と借主との間、貸主と業者との間、借主と業者との間にお互いに評価を行うことが可能となる。また、評価された評価値をブロックチェーン2に出力することができる。
図34は、評価値をブロックチェーン2に出力する動作を説明する説明図である。貸主端末3の制御部31は、貸主による借主又は業者の評価値を図示しない評価値入力画面で入力部34により受け付け、受け付けた借主又は業者の評価値をブロックチェーン2に出力する。評価値入力画面は、例えば、対象賃貸物件に対する退去処理が完了した後、貸主、借主及び業者との間にお互いに評価することが可能な評価値の入力画面である。借主端末4の制御部41は、借主による貸主又は業者の評価値を入力部44により受け付け、受け付けた貸主又は業者の評価値をブロックチェーン2に出力する。業者端末5は、業者による借主又は貸主の評価値を受け付け、受け付けた借主又は貸主の評価値をブロックチェーン2に出力する。ブロックチェーン2は、受信した評価値を決められたルールで元の評価値と統合し、新な評価値を算出して記録する。
なお、本実施形態では、ブロックチェーン2に出力したが、これに限らず、例えばサーバ1に送信しても良い。この場合、サーバ1の大容量記憶部17の貸主DB173、入居希望者DB174及び業者DB177のそれぞれの評価列が更新されても良い。また、サーバ1は、貸主、入居希望者及び業者に対するそれぞれの評価値をブロックチェーン2に送信しても良い。
図35は、評価値をブロックチェーン2に出力する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図35では、評価値の送受信処理の一部を例として説明したが、全ての評価値の送受信処理のパターンを含まない。また、評価値の送信タイミングに関しては、例えば、貸主が借主に対して評価をする場合、ステップS347、ステップS354またはステップS363処理の後に、借主の評価値がブロックチェーン2に送信されても良い。借主が貸主に対して評価をする場合、ステップS447、ステップS451またはステップS468処理の後に、貸主の評価値がブロックチェーン2に送信されても良い。貸主が業者に対して評価をする場合、ステップS363処理の後に、業者の評価値がブロックチェーン2に送信されても良い。借主が業者に対して評価をする場合、ステップS468処理の後に、業者の評価値がブロックチェーン2に送信されても良い。業者が貸主または借主に対して評価をする場合、ステップS563処理の後に、貸主または借主の評価値がブロックチェーン2に送信されても良い。貸主端末3の制御部31は、入力部34により借主の評価値を受け付け(ステップS381)、通信部33によりブロックチェーン2に送信する(ステップS382)。ブロックチェーン2は、貸主端末3から送信された借主の評価値を受信し(ステップS281)、記録する(ステップS282)。
借主端末4の制御部41は、入力部44により貸主の評価値を受け付け(ステップS481)、通信部43によりブロックチェーン2に送信する(ステップS482)。ブロックチェーン2は、借主端末4から送信された貸主の評価値を受信し(ステップS283)、記録する(ステップS284)。制御部41は、入力部44により業者の評価値を受け付け(ステップS483)、通信部43によりブロックチェーン2に送信する(ステップS484)。ブロックチェーン2は、借主端末4から送信された業者の評価値を受信し(ステップS285)、記録する(ステップS286)。
業者端末5は、借主の評価値を受け付け(ステップS581)、ブロックチェーン2に送信する(ステップS582)。ブロックチェーン2は、業者端末5から送信された借主の評価値を受信し(ステップS287)、記録する(ステップS288)。なお、上述した送受信処理の順番に限るものではない。例えば、借主端末4は貸主又は業者の評価値を先にブロックチェーン2に送信しても良い。
本実施形態によると、対象賃貸物件に対する退去処理をスマートコントラクトにより実現するため、借主、貸主、業者の間で発生するやり取りを可視化することが可能となる。また、退去処理に関する情報をブロックチェーン2に出力することにより、取引情報の改ざんが難しくなる。
本実施形態によると、対象賃貸物件の退去処理に伴い、借主、貸主、業者の間でお互いに評価することができる。これにより、更新された借主、貸主、業者の信用情報を客観的に参照することができるため、信頼性が高い取引を実現することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 情報処理装置(サーバ)
11 制御部
11a ハッシュ値算出部
11b 電子署名作成部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
16 読み取り部
17 大容量記憶部
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 ブロックチェーン
3 情報処理端末(貸主端末)
31 制御部
31a ハッシュ値算出部
31b 電子署名作成部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 表示部
36 撮影部
3P 制御プログラム
4 情報処理端末(入居希望者端末/借主端末)
41 制御部
41a ハッシュ値算出部
41b 電子署名作成部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 表示部
46 撮影部
4P 制御プログラム
5 情報処理端末(業者端末)
11 制御部
11a ハッシュ値算出部
11b 電子署名作成部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
16 読み取り部
17 大容量記憶部
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 ブロックチェーン
3 情報処理端末(貸主端末)
31 制御部
31a ハッシュ値算出部
31b 電子署名作成部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 表示部
36 撮影部
3P 制御プログラム
4 情報処理端末(入居希望者端末/借主端末)
41 制御部
41a ハッシュ値算出部
41b 電子署名作成部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 表示部
46 撮影部
4P 制御プログラム
5 情報処理端末(業者端末)
Claims (16)
- 入居希望者が対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、前記対象賃貸物件の貸主が前記入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合に賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーンに出力させ、
前記入居希望者が前記対象賃貸物件の入居に必要な条件を満たしたか否かの情報を取得し、
前記貸主が入居に同意する旨の情報を取得する
情報処理方法。 - 前記必要な条件を満たしたことを示す情報を取得し、かつ、入居に同意する旨の情報を取得した場合、前記入居希望者と前記貸主との間で前記対象賃貸物件の契約が成立したことを示す情報を前記ブロックチェーンに記憶する
請求項1に記載の情報処理方法。 - 前記入居希望者が入居に必要な各種条件について確認したことを示す情報をすべて取得し、前記貸主が前記入居希望者への前記対象賃貸物件の賃貸に同意することを示す情報を出力した場合に前記スマートコントラクトの賃貸契約が成立すると判断する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。 - 前記入居希望者が入居に必要な各種条件について確認したことを示す情報をすべて取得し、前記入居希望者から前記貸主への前記対象賃貸物件に対する対価の支払いがあったことを示す情報を取得し、前記貸主が前記入居希望者への前記対象賃貸物件の賃貸に同意することを示す情報を出力した場合に前記スマートコントラクトの賃貸契約が成立すると判断する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。 - 入居希望者毎の入居希望者評価値をブロックチェーンに記憶し、
貸主毎の貸主評価値をブロックチェーンに記憶し、
対象賃貸物件を閲覧する入居希望者の端末へ前記ブロックチェーンに記憶した前記対象賃貸物件の貸主の貸主評価値を出力し、
入居希望者を閲覧する貸主の端末へ前記ブロックチェーンに記憶した前記入居希望者の入居希望者評価値を出力する
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の情報処理方法。 - 入居希望者毎の入居希望者評価値をブロックチェーンに記憶し、
貸主毎の貸主評価値をブロックチェーンに記憶し、
対象賃貸物件への入居を希望する入居希望者の端末へ前記ブロックチェーンに記憶した前記対象賃貸物件の貸主の貸主評価値を出力し、
前記対象賃貸物件への複数の入居希望者を閲覧する貸主の端末へ前記ブロックチェーンに記憶した各入居希望者の入居希望者評価値を出力する
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の情報処理方法。 - 入居希望者が借主となった場合に、前記借主から前記対象賃貸物件の前記貸主への家賃の支払いに関する情報を月毎に前記ブロックチェーンに記憶する
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の情報処理方法。 - 入居希望者が借主となった場合に、前記借主と前記貸主との間で締結する契約書を出力し、
前記契約書に対し同意を示す同意情報の入力を受け付け、
同意情報の入力を受け付けた契約書を前記ブロックチェーンに記憶する
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の情報処理方法。 - 対象賃貸物件の住所及び該住所について確認したか否かを示す情報を出力し、
前記対象賃貸物件の賃料と少なくとも敷金、礼金、共益費のいずれか一つとを含む料金情報、及び、該料金情報について確認したか否かを示す情報を出力し、
前記対象賃貸物件の賃貸期間及び該賃貸期間を確認したか否かを示す情報を出力し、
支払口座及び該支払口座について確認したか否かを示す情報を出力する
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の情報処理方法。 - 表示された確認したか否かを示す情報が全て確認した確認状態にあると判断した後に、契約が完了したことを示す情報を前記ブロックチェーンに記憶する
請求項9に記載の情報処理方法。 - 前記入居希望者が借主となった後に、前記対象賃貸物件に対する退去要求を受け付け、
該退去要求を受け付けた場合に、複数の原状回復作業を行う業者及び各業者の評価値を出力する
請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の情報処理方法。 - 貸主毎にブロックチェーンに記憶された評価値を取得し、
前記対象賃貸物件の貸主に対する評価値を出力する
請求項11に記載の情報処理方法。 - 前記入居希望者が借主となり退去を希望する場合に、原状回復を行う業者による作業完了を含む借主側の退去条件及び保証金の返金を含む貸主側の退去条件を満たした場合に契約終了が成立する契約終了スマートコントラクトをブロックチェーンに出力する
請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の情報処理方法。 - 前記借主側の退去条件を満たしたことを示す第1情報を取得し、
前記貸主側の退去条件を満たしたことを示す第2情報を取得し、
前記第1情報及び第2情報の取得に伴い実行された契約終了スマートコントラクトの実行結果を出力する
請求項13に記載の情報処理方法。 - 入居希望者が対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、前記対象賃貸物件の貸主が前記入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合に賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーンに出力させる出力部と、
前記入居希望者が前記対象賃貸物件の入居に必要な条件を満たしたか否かの情報を取得する取得部と、
前記貸主が入居に同意する旨の情報を取得する第2取得部と
を備える情報処理装置。 - コンピュータに、
入居希望者が対象賃貸物件の入居に必要な条件をすべて満たし、かつ、前記対象賃貸物件の貸主が前記入居希望者への入居に同意する旨の情報を取得した場合に賃貸契約が成立するスマートコントラクトをブロックチェーンに出力させ、
前記入居希望者が前記対象賃貸物件の入居に必要な条件を満たしたか否かの情報を取得し、
前記貸主が入居に同意する旨の情報を取得する
処理を実行させるプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018166287A JP2020038568A (ja) | 2018-09-05 | 2018-09-05 | 情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018166287A JP2020038568A (ja) | 2018-09-05 | 2018-09-05 | 情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020038568A true JP2020038568A (ja) | 2020-03-12 |
Family
ID=69738111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018166287A Pending JP2020038568A (ja) | 2018-09-05 | 2018-09-05 | 情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020038568A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112019617A (zh) * | 2020-08-26 | 2020-12-01 | 支付宝(杭州)信息技术有限公司 | 一种数据存储方法、装置及设备 |
JP7015492B1 (ja) | 2021-06-24 | 2022-02-03 | 株式会社インタートレード | デジタル資産を用いた取引注文処理システム |
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JP7214286B1 (ja) | 2022-09-20 | 2023-01-30 | 株式会社Resa | 不動産契約支援システム及び不動産契約支援プログラム |
WO2024011484A1 (zh) * | 2022-07-14 | 2024-01-18 | 武汉大学 | 一种基于区块链的通用拍卖方法及存储介质 |
WO2024142857A1 (ja) * | 2022-12-26 | 2024-07-04 | Not A Hotel株式会社 | 情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法 |
-
2018
- 2018-09-05 JP JP2018166287A patent/JP2020038568A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112019617B (zh) * | 2020-08-26 | 2022-09-27 | 蚂蚁胜信(上海)信息技术有限公司 | 一种数据存储方法、装置及设备 |
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