JP2020038321A - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝熱部が金属製で一体的に形成されている場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力を抑制することができる定着装置、及び画像形成装置を得る。【解決手段】発熱板64の裏面に接触し、発熱板64の熱を軸方向に伝える伝熱部材92は、軸方向において少なくとも最小サイズの記録媒体が通る最小範囲に配置されている中央側伝熱部96と、軸方向において中央側伝熱部96の隣に配置されていると共に軸方向における熱伝導率が、軸方向における中央側伝熱部96の熱伝導率に対して高い一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、エンドレスフィルムを介して摺動部材と共に未定着画像を担持する記録材を挟持搬送するニップ部を形成する定着装置が記載されている。この定着装置では、摺動部材のエンドレスフィルムと接触する第一の面とは反対側の第二の面に、厚み方向の熱伝導率よりも厚み方向に対して垂直な平面方向の熱伝導率が高い熱伝導異方性を有する部材が複数積層されている。
特開2015−219510号公報
回転する無端ベルトと、無端ベルトの内周面の一部を加熱するために無端ベルトの内周面と表面で接触して発熱する発熱板と、発熱板の裏面と接触して発熱板の熱を無端ベルトの軸方向に伝える伝熱部とを備える定着装置がある。さらに、定着装置は、無端ベルトとの間でニップを形成し、無端ベルトの外周面に記録媒体を加圧する加圧部を備えている。ここで、伝熱部は、金属製で一体的に形成されている。
この定着装置では、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合には、記録媒体と対向していない部分の発熱板で発熱する熱は、記録媒体に吸収されずに伝熱部に吸収される。さらに、伝熱部に吸収された熱は、軸方向に流れた後、記録媒体と対向している部分の発熱板へ伝わる。これにより、発熱板の温度が軸方向で一様となる。そして、発熱板の温度が規定の温度の範囲に入るように、発熱板に印加される電圧の電源スイッチがオンオフされる。このような構成では、発熱板の温度が軸方向で一様なるために要する時間が短い程、消費電力が抑制される。
本発明の課題は、伝熱部が金属製で一体的に形成されている場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力を抑制することである。
本発明の第1態様に係る定着装置は、周方向に回転する無端ベルトと、前記無端ベルトの軸方向に延び、前記無端ベルトの内周面と表面で接触して電圧が印加されることで発熱する発熱板と、前記発熱板の温度を検知する検知部と、前記無端ベルトを挟んで前記発熱板の反対側に配置され、搬送される記録媒体を前記無端ベルトの外周面に加圧する加圧部と、前記発熱板の裏面に接触し、前記発熱板の熱を前記軸方向に伝える伝熱部であって、前記軸方向において少なくとも最小サイズの記録媒体が通る最小範囲に配置されている第一伝熱部と、前記軸方向において前記第一伝熱部の隣に配置されていると共に前記軸方向における熱伝導率が、前記軸方向における前記第一伝熱部の熱伝導率に対して高い第二伝熱部とを有する前記伝熱部と、前記検知部の検知結果に基づいて、前記発熱板の温度が予め決められた範囲内に入るように前記発熱板に印加される電圧を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2態様に係る定着装置は、第1態様に記載の定着装置において、前記軸方向における前記第二伝熱部の熱伝導率は、前記発熱板の厚さ方向における前記第二伝熱部の熱伝導率と比して高いことを特徴とする。
本発明の第3態様に係る定着装置は、第2態様に記載の定着装置において、前記第二伝熱部は、前記厚さ方向に複数のシート材が重ねられた状態とされていることを特徴とする。
本発明の第4態様に係る定着装置は、第1〜第3態様の何れか1態様に記載の定着装置において、前記発熱板の厚さ方向における前記第一伝熱部の熱伝導率は、前記厚さ方向における前記第二伝熱部の熱伝導率と比して高いことを特徴とする。
本発明の第5態様に係る定着装置は、第4態様に記載の定着装置において、前記第一伝熱部は、伝熱特性が異方性であって、前記厚さ方向における前記第一伝熱部の熱伝導率は、前記軸方向おける前記第一伝熱部の熱伝導率と比して高いことを特徴とする。
本発明の第6態様に係る定着装置は、第1〜第5態様の何れか1態様に記載の定着装置において、前記第二伝熱部は、前記軸方向に分割され、伝熱特性が異なる複数の部材で形成されており、前記軸方向における前記第二伝熱部の熱伝導率は、前記第一伝熱部に近接する側から前記第一伝熱部から離れる側へ向かって高くなっていることを特徴とする。
本発明の第7態様に係る画像形成装置は、最小サイズを含む複数サイズの記録媒体に画像を形成する形成部と、記録媒体に形成された画像を記録媒体に定着する請求項1〜6の何れか1項に記載された定着装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明の第1態様の定着装置によれば、伝熱部が金属製で一体的に形成されている場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力を抑制することができる。
本発明の第2態様の定着装置によれば、軸方向における第二伝熱部の熱伝導率が厚さ方向における第二伝熱部の熱伝導率と同様の場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力を抑制することができる。
本発明の第3態様の定着装置によれば、シート材を重ねるだけで、伝熱特性が異方性の第二伝熱部を形成することができる。
本発明の第4態様の定着装置によれば、厚さ方向における第一伝熱部の熱伝導率が、厚さ方向における第二伝熱部の熱伝導率と同様の場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力を抑制することができる。
本発明の第5態様の定着装置によれば、厚さ方向における第一伝熱部の熱伝導率が、軸方向における第一伝熱部の熱伝導率と同様の場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力を抑制することができる。
本発明の第6態様の定着装置によれば、第一伝熱部から離れている部分の第二伝熱部の熱伝導率が、第一伝熱部に近接する部分の第二伝熱部の熱伝導率と同様の場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力を抑制することができる。
本発明の第7態様の画像形成装置によれば、第1〜第6態様の何れか1態様に記載の定着装置を備えていない場合と比して、ランニングコストの増加を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した平面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した側面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置に備えられた制御部の制御系を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。 本発明の比較形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した側面図である。 本発明の比較形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した側面図である。 本発明の第2実施形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る定着装置に用いられた伝熱部材及び発熱板を示した側面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る定着装置、及び画像形成装置の一例を図1〜図9に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
(全体構成)
図7に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10には、上下方向(矢印H方向)の下方側から上方側へ向けて、記録媒体としてのシート部材Pが収容される収容部14と、収容部14に収容されたシート部材Pを搬送する搬送部16と、収容部14から搬送部16によって搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部20とが、この順で備えられている。
〔収容部14〕
収容部14には、画像形成装置10の装置本体10Aから装置奥行方向の手前側に引き出し可能な収容部材26が備えられており、この収容部材26にシート部材Pが積載されている。さらに、収容部14には、収容部材26に積載されたシート部材Pを、搬送部16を構成する搬送経路28に送り出す送出ロール30が備えられている。
〔搬送部16〕
搬送部16には、予め定められた搬送経路28に沿ってシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール32が備えられている。
〔画像形成部20〕
画像形成部20には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kが備えられている。なお、以後の説明では、Y,M,C,Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略して記載することがある。
各色の画像形成ユニット18には、像保持体36と、像保持体36の表面を帯電させる帯電ロール38と、帯電した像保持体36に露光光を照射する露光装置42とが備えられている。さらに、画像形成部20には、前述した露光装置42が帯電した像保持体36を露光して形成された静電潜像を現像してトナー画像として可視化する現像装置40が備えられている。画像形成ユニット18は、形成部の一例である。
また、画像形成部20には、図中矢印A方向に周回する無端状の転写ベルト22と、各色の画像形成ユニット18によって形成されたトナー画像を転写ベルト22に転写する一次転写ロール44とが備えられている。さらに、画像形成部20には、転写ベルト22のトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ロール46と、シート部材Pを加熱、加圧してトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置50とが備えられている。なお、定着装置50については、詳細を後述する。
(画像形成装置の作用)
画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
先ず、電圧が印加された各色の帯電ロール38は、各色の像保持体36の表面と接触して像保持体36の表面を予定の電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、外部から入力されたデータに基づいて露光装置42は、帯電した各色の像保持体36の表面に露光光を照射して静電潜像を形成する。
これにより、データに対応した静電潜像が各色の像保持体36の表面に形成される。さらに、各色の現像装置40は、この静電潜像を現像し、トナー画像として可視化する。また、各色の像保持体36の表面に形成されたトナー画像は、一次転写ロール44によって転写ベルト22に転写される。
そこで、収容部材26から送出ロール30によって搬送経路28へ送り出されたシート部材Pは、転写ベルト22と二次転写ロール46とが接触する転写位置Tへ送り出される。転写位置Tでは、シート部材Pが転写ベルト22と二次転写ロール46とで挟まれて搬送されることで、転写ベルト22の表面のトナー画像は、シート部材Pに転写される。
シート部材Pに転写されたトナー画像は、定着装置50によってシート部材Pに定着される。そして、トナー画像が定着されたシート部材Pは、搬送ロール32によって装置本体10Aの外部へ排出される。
(要部構成)
次に、定着装置50について説明する。
定着装置50は、装置本体10Aに着脱可能とされており、図4に示されるように、加圧ロール52と、加圧ロール52と装置幅方向で対向する加熱部60とを備えている。さらに、定着装置50は、各部を制御する制御部102(図6参照)を備えている。
〔加圧ロール52〕
加圧ロール52は、図4に示されるように、装置奥行方向に延びている金属製の軸部54と、軸部54が挿入されている円筒状の弾性層56と、弾性層56を被覆する図示せぬ離型層とを有している。加圧ロール52は、加圧部の一例である。
軸部54は、例えば、鉄鋼、ステンレス又はアルミニウム等の金属材料から形成されており、弾性層56は、例えば、ゴム材料等から形成されており、離型層は、例えば、フッ化エチレン- パーフルオロアルコキシエチレンン共重合体(PFA)等から形成されている。
この構成において、加圧ロール52は、接地され、図示せぬ付勢部材によって加熱部60側に付勢されている。さらに、加圧ロール52は、モータ58(図6参照)から回転力が伝達され、図中矢印R1方向に回転する。これにより、回転する加圧ロール52は、トナー画像が転写されたシート部材Pを、後述する無端ベルト62の外周面に加圧する。なお、本実施形態では、弾性層56の外周面の周速度が230〔mm/sec〕となるように、加圧ロール52が回転する。
〔加熱部60〕
加熱部60は、図4に示されるように、装置奥行方向に延びている円筒状の無端ベルト62と、無端ベルト62を加熱するために発熱する発熱板64と、発熱板64の熱を装置奥行方向(無端ベルト62の軸方向)に伝える伝熱部材92とを備えている。さらに、加熱部60は、発熱板64及び伝熱部材92を保持している保持部材90と、保持部材90を支持しているフレーム80と、発熱板64の温度を検知する検知部材82(図5参照)とを備えている。伝熱部材92は、伝熱部の一例である。
−無端ベルト62−
無端ベルト62は、図4に示されるように、外周面で加圧ロール52と接触している。本実施形態では、例えば、無端ベルト62は、表面にフッ素コートが施されたポリイミド樹脂で形成されており、無端ベルト62の厚さは、100〔μm〕とされている。
また、無端ベルト62の長手方向の両端には、無端ベルト62の内周面を支持する円筒形の支持部材(図示省略)が夫々配置されている。さらに、無端ベルト62の内周面には、発熱板64との摩擦抵抗を低減させるため、潤滑油S(液体の一例、例えば、シリコンオイル)が塗布されている。
この構成において、無端ベルト62は、円形状を保った状態で、回転する加圧ロール52と従動して図中矢印R2方向(反時計方向)に回転(周回)する。
−保持部材90−
保持部材90は、図4に示されるように、無端ベルト62の内部に配置されている。この保持部材90は、例えば、LCP(液晶ポリマー)等の樹脂材料で形成されており、装置奥行方向に延びている。そして、保持部材90の長手方向に直交する断面は、加圧ロール52側とは反対側が開口したU字状とされている。
さらに、保持部材90において、加圧ロール52側を向いた部分には、発熱板64及び伝熱部材92が図示せぬ接着剤等の取付部材で取り付けられている凹状の取付部90aが形成されている。また、保持部材90において装置奥行方向の中央側の部分には、図5に示されるように、検知部材82が配置されている貫通孔95が形成されている。
−フレーム80−
フレーム80は、図4に示されるように、無端ベルト62の内部で、保持部材90を挟んで加圧ロール52の反対側に配置されている。このフレーム80は、板金を折り曲げて形成されており、装置奥行方向に延びている。そして、フレーム80において長手方向に直交する断面は、保持部材90側が開口したU字状とされている。
さらに、U字状とされたフレーム80の先端側の部分に、保持部材90の先端側の部分が図示せぬ接着剤等の取付部材によって取り付けられることで、フレーム80は、保持部材90を支持している。また、フレーム80の長手方向の両端は、無端ベルト62から外部に突出しており、この突出した部分が、図示せぬ骨格部材に固定されている。
−発熱板64−
発熱板64は、図4に示されるように、無端ベルト62を挟んで加圧ロール52の反対側に配置されており、無端ベルト62の内周面と表面で接触している。この発熱板64は、板面が装置幅方向を向く板状の部材で、無端ベルト62の装置奥行方向の一端側から他端側まで延びている。本実施形態では、発熱板64の厚さは、一例として、0.7〔mm〕とされている。
板厚方向から見て、発熱板64は、図3に示されるように、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。そして、発熱板64は、電気絶縁性の基材66と、耐熱樹脂材料で形成された絶縁膜68と、電圧印加用の一対の電極72と、この電極72に電圧が印加されることで電流が流れる導通部74とを有している。この導通部74には、電流が流れることで熱が生じる抵抗発熱部74a(図中斜線部)が2個形成されている。ここで、絶縁性とは、電気伝導率が1×10 −10 〔S/m〕以下であることを意味する。
基材66は、電気絶縁性のセラミックスであるアルミナの成形体である。そして、基材66の伝熱特性は等方性とされており、基材66の熱伝導率は、41〔W/mK〕である。また、一対の電極72、及び導通部74は、基材66の表面(無端ベルト62の内周面側の面)に形成されている。具体的には、一対の電極72は、基材66の装置奥行方向の手前側の部分に形成されており、上下方向で並んで配置されている。さらに、導通部74は、装置奥行方向に延びるU字状とされており、導通部74の両端に電極72が夫々配置されている。
また、導通部74は、絶縁膜68に被覆されており、導通部74の直線状の部分には、抵抗発熱部74aが形成されている。この抵抗発熱部74aは、搬送される最も大きいサイズのシート部材P(図中P1)が通る範囲を装置奥行方向(シート部材P1の幅方向)で含むように形成されている。なお、画像形成装置10では、シート部材Pを幅方向の両側から寄せて、幅方向中央を基準として位置を揃えるセンターレジ方式が採用されている。
−伝熱部材92−
伝熱部材92は、図4に示されるように、発熱板64の裏面(無端ベルト62の内周面側とは反対側の面)側に配置されている。この伝熱部材92は、板面が装置幅方向を向く板状の部材で、発熱板64の裏面と接触して重ねられている。伝熱部材92の厚さは、一例として、0.3〔mm〕とされている。ここで、伝熱部材92は、発熱板64の熱を装置奥行方向(軸方向)に伝える部材であり、伝熱部材92の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、発熱板64の基材66の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率と比して高くなっている。
伝熱部材92は、図1、図2に示されるように、装置奥行方向で三分割されている。具体的には、装置奥行方向の手前側(図中左側)から奥側に向かって、一端側伝熱部94、中央側伝熱部96、及び他端側伝熱部98がこの順番で並んでいる。中央側伝熱部96は、第一伝熱部の一例であって、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98は、第二伝熱部の一例である。なお、図1、図2については、伝熱部材92の構成が容易に分かるように、伝熱部材92の厚さを厚くして示している。
中央側伝熱部96は、装置奥行方向において最小サイズのシート部材P(図中P2)が通る範囲(図1の範囲F02)の部分のみに配置されており、中央側伝熱部96の装置奥行方向の端面は、装置奥行方向を向いている。本実施形態では、中央側伝熱部96は、金属製であるアルミニウムで形成されている。そして、中央側伝熱部96の伝熱特性は等方性であって、中央側伝熱部96の熱伝導率は、236〔W/mK〕とされている。つまり、中央側伝熱部96の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率と、中央側伝熱部96の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率とは、同様で、236〔W/mK〕とされている。
このように、中央側伝熱部96については、装置幅方向(厚さ方向)の伝熱特性と、装置奥行方向(軸方向)の伝熱特性とが同様とされており、中央側伝熱部96は、等方性伝熱手段として機能している。
一端側伝熱部94と他端側伝熱部98とは、同様の構成とされているため、一端側伝熱部94について説明する。
一端側伝熱部94は、伝熱特性が異方性の厚さ0.1〔mm〕のシート材94aが、3枚重ねられることで形成されている。一端側伝熱部94の装置奥行方向の端面は、装置奥行方向を向いていており、中央側伝熱部96の装置奥行方向の端面と接触している。一端側伝熱部94の端面と中央側伝熱部96の端面との間には、熱の伝達を考慮して、熱伝導性の高いグリース(例えば、シリコーンを主成分としたグリース)が塗布されている。
また、本実施形態では、シート材94aは、一例として、パナソニック(株)製のPGSグラファイトシートが用いられている。そして、一端側伝熱部94の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率は、8〔W/mK〕とされている。さらに、一端側伝熱部94の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、1000〔W/mK〕とされている。
このように、一端側伝熱部94の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、中央側伝熱部96の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率と比して高くなっている。換言すれば、一端側伝熱部94は、中央側伝熱部96と比して、装置奥行方向に熱が速く移動するようになっている。
また、一端側伝熱部94については、装置幅方向(厚さ方向)の伝熱特性と、装置奥行方向(軸方向)の伝熱特性とが異なっている。具体的には、一端側伝熱部94の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、一端側伝熱部94の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率と比して高くされている。換言すれば、一端側伝熱部94については、装置幅方向(厚さ方向)と比して、装置奥行方向(軸方向)に熱が速く移動するようになっている。このように、一端側伝熱部94については、装置幅方向(厚さ方向)と比して装置奥行方向(軸方向)に熱が速く移動する伝熱特性が異方性の異方性伝熱手段として機能している。
また、一端側伝熱部94の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率は、中央側伝熱部96の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率と比して低くなっている。換言すれば、一端側伝熱部94は、中央側伝熱部96と比して、装置幅方向に熱が移動しづらくなっている。さらに換言すれば、中央側伝熱部96は、一端側伝熱部94と比して、装置幅方向に熱が速く移動するようになっている。なお、他端側伝熱部98についても同様とされており、他端側伝熱部98は、3枚のシート材98aから形成されている。
この構成において、発熱板64が発熱すると、伝熱部材92は、発熱板64の熱を装置奥行方向に伝え、装置奥行方向における発熱板64の温度むらを抑制する。つまり、伝熱部材92を発熱板64の裏面に接触させることで、伝熱部材を有さない場合と比して、発熱板64の温度むらが抑制される。このように、伝熱部材92は、温度むら抑制手段として機能している。
−検知部材82−
検知部材82は、図5に示されるように、保持部材90に形成された貫通孔95に一部が配置されており、伝熱部材92の裏面と接触している。これにより、検知部材82は、伝熱部材92を介して発熱板64の温度を検知するようになっている。そして、検知部材82によって伝熱部材92を介して検知される発熱板64の温度が予め決められた範囲に入るように、制御部102(図6参照)は、図示せぬ電源スイッチのオンオフを制御して、電極72への電圧の印加、又は印加を停止させるようになっている。
〔制御部102〕
制御部102は、図6に示されるように、検知部材82の検知結果に基づいて、図示せぬ電源スイッチのオンオフを制御して、電極72への電圧の印加を制御するようになっている。なお、制御部102による各部の制御については、後述する作用と共に説明する。
(作用)
次に、定着装置50の作用について、比較形態に係る定着装置550と比較しつつ説明する。先ず、比較形態に係る定着装置550の構成について、定着装置50と異なる部分を主に説明する。また、定着装置550の作用については、定着装置50と異なる部分を主に説明する。
−定着装置550の構成−
定着装置550については、定着装置50に対して伝熱部材592のみ異なる。定着装置550の伝熱部材592は、図8、図9に示されるように、金属製で一体的に形成されている。具体的には、伝熱部材592の厚さは、0.3〔mm〕とされており、伝熱部材592は、アルミニウムで形成されている。この伝熱部材592の伝熱特性は等方性であって、伝熱部材592の熱伝導率は、236〔W/mK〕とされている。
−定着装置50、550の作用−
図4に示す定着装置50が稼動する前の状態では、電極72(図3参照)への電圧の印加は停止されており、さらに、加圧ロール52は停止している。
シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する場合には、制御部102(図6参照)は、モータ58を制御して加圧ロール52へ回転力を伝達させる。そして、図4に示す加圧ロール52が、図中矢印R1方向に回転する。これにより、加圧ロール52と接触する無端ベルト62は、回転する加圧ロール52と従動して図中矢印R2方向に回転する。
無端ベルト62が回転すると、制御部102は、図示せぬ電源スイッチをオンして、電極72への電圧の印加を開始する。これにより、抵抗発熱部74a(図3参照)で熱が生じて、発熱板64が発熱する。さらに、発熱板64は、回転している無端ベルト62を内周面から加熱する。また、発熱板64が発熱すると、伝熱部材92は、発熱板64の熱を装置奥行方向に伝え、装置奥行方向における発熱板64の温度むらを抑制する。
そして、検知部材82(図5参照)によって検知された温度が、一例として、200〔℃〕に達すると、無端ベルト62を加熱する加熱モード(立上モード)が終了し、トナー画像をシート部材Pに定着する定着モードへ移行する。
定着モードへ移行すると、トナー画像が転写されたシート部材Pを加熱部60と加圧ロール52とが挟み込んで搬送することで、トナー画像がシート部材Pに定着される。また、加熱部60と加圧ロール52とがトナー画像が転写されたシート部材Pを挟み込んで搬送することで、シート部材Pが通過する部分の発熱板64の熱がシート部材Pに奪われる。これにより、発熱板64の温度が低下する。そこで、制御部102は、一例として、発熱板64の温度が190〔℃〕以上220〔℃〕以下になるように、図示せぬ電源スイッチのオンオフを制御する。
例えば、最小サイズのシート部材P2にトナー画像を定着させる場合には、図3に示されるように、熱が生じている抵抗発熱部74aにおいてシート部材P2が通過しない範囲(図中範囲F01)が存在する。つまり、シート部材P2の定着に直接用いられない熱が存在する。換言すれば、シート部材Pに奪われない熱が存在する。
ここで、定着装置550では、シート部材P2の定着に直接用いられない範囲F01で発生した発熱板64の熱は、図8に示されるように、範囲F01の部分の伝熱部材592へ伝わる(図中矢印G01参照)。範囲F01の部分の伝熱部材592へ伝わった熱は、範囲F01の部分の伝熱部材592と、シート部材P2が通過する範囲(図中範囲F02)の部分の伝熱部材592との温度差が小さくなるように、範囲F02の部分の伝熱部材592へ伝わる(図中矢印G02参照)。
さらに、範囲F02の部分の伝熱部材592へ伝わった熱は、範囲F02の部分の発熱板64へ伝わる(図中矢印G03参照)。そして、発熱板64の温度が一様となる。
これに対して、定着装置50では、シート部材P2の定着に直接用いられない範囲F01で発生した発熱板64の熱は、図1に示されるように、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98へ伝わる(図中矢印G11参照)。一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98へ伝わった熱は、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98と、中央側伝熱部96との温度差が小さくなるように、中央側伝熱部96へ伝わる(図中矢印G12参照)。
さらに、中央側伝熱部96へ伝わった熱は、範囲F02の部分の発熱板64へ伝わる(図中矢印G13参照)。そして、発熱板64の温度が一様となる。
前述したように、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、中央側伝熱部96の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率と比して高くなっている。換言すれば、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98は、中央側伝熱部96と比して、装置奥行方向に熱が速く移動するようになっている。定着装置50において、中央側伝熱部96へ熱が伝わる(図1の矢印G12)速さは、定着装置550において、範囲F02の部分の伝熱部材592へ熱が伝わる(図8の矢印G02)速さと比して速くなる。このため、定着装置50の発熱板64の温度が一様となるために要する時間は、定着装置550の発熱板64の温度が一様となるために要する時間と比して短くなる。換言すれば、中央側伝熱部96の温度が高くなるのが速くなる。
また、前述したように、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置幅行方向(厚さ方向)と比して高くされている。換言すれば、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98については、装置幅方向(厚さ方向)と比して、装置奥行方向(軸方向)に熱が速く移動するようになっている。
このため、定着装置50において、中央側伝熱部96へ熱が伝わる(図1の矢印G12)速さは、定着装置550において、範囲F02の部分の伝熱部材592へ熱が伝わる(図8の矢印G02)速さと比して速くなる。これにより、定着装置50の発熱板64の温度が一様となるために要する時間は、定着装置550の発熱板64の温度が一様となるために要する時間と比して短くなる。
また、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率は、中央側伝熱部96の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率と比して低くなっている。換言すれば、中央側伝熱部96では、一端側伝熱部94と比して、装置幅方向に熱が速く移動するようになっている。このため、中央側伝熱部96の装置幅方向の熱伝導率が一端側伝熱部94の装置幅方向の熱伝導率と同様の場合と比して、中央側伝熱部96から範囲F02の部分の発熱板64への熱の伝わりが速くなる。これにより、定着装置50の発熱板64の温度が一様となるために要する時間は、中央側伝熱部96の装置幅方向の熱伝導率が一端側伝熱部94の装置幅方向の熱伝導率と同様の場合と比して短くなる。
そこで、制御部102は、発熱板64の温度が規定の温度(例えば、220〔℃〕)に達して電源スイッチをオフする時期(タイミング)が、定着装置550を用いた場合と比して、早くなる。
(まとめ)
以上説明したように、定着装置50では、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、中央側伝熱部96の熱伝導率と比して高くなっている。このため、定着装置50の発熱板64の温度が一様となるために要する時間は、定着装置550の発熱板64の温度が一様となるために要する時間と比して短くなる。これにより、金属製で一体的に形成された伝熱部材592を備えた定着装置550を用いた場合と比して、最小サイズのシート部材Pにトナー画像を定着する場合に消費電力が抑制される。
また、定着装置50では、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置幅行方向(厚さ方向)の熱伝導率と比して高くなっている。このため、定着装置50の発熱板64の温度が一様となるために要する時間は、定着装置550の発熱板64の温度が一様となるために要する時間と比して短くなる。これにより、装置奥行方向における熱伝導率が装置幅方向における熱伝導率と同様の伝熱部材592を備えた定着装置550を用いた場合と比して、最小サイズのシート部材Pにトナー画像を定着する場合に消費電力が抑制される。
また、定着装置50では、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98は、装置幅方向にシート材94aが重ねられることで形成されている。このようにシート材94aを重ねるだけで、伝熱特性が異方性である一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98が形成される。
また、定着装置50では、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率は、中央側伝熱部96の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率と比して低くなっている。換言すれば、中央側伝熱部96では、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98と比して、装置幅方向に熱が速く移動するようになっている。このため、中央側伝熱部96の装置幅方向の熱伝導率が一端側伝熱部94の装置幅方向の熱伝導率と同様の場合と比して、中央側伝熱部96から範囲F02の部分の発熱板64への熱の伝わりが速くなる。これにより、中央側伝熱部96の装置幅方向の熱伝導率が一端側伝熱部94の装置幅方向の熱伝導率と同様の場合と比して、最小サイズのシート部材Pにトナー画像を定着する場合に消費電力が抑制される。
また、画像形成装置10では、定着装置50を備えることで、定着装置550を備えている場合と比して、ランニングコストの増加が抑制される。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る定着装置、及び画像形成装置の一例を図10、図11に従って説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。第2実施形態に係る定着装置150は、定着装置50に対して伝熱部材192のみ異なる。
(伝熱部材192)
伝熱部材192は、図10、図11に示されるように、装置奥行方向で三分割されている。具体的には、装置奥行方向の手前側(図中左側)から奥側に向かって、一端側伝熱部94、中央側伝熱部196、及び他端側伝熱部98がこの順番で並んでいる。中央側伝熱部196は、第一伝熱部の一例である。
中央側伝熱部196は、装置奥行方向において最小サイズのシート部材P2が通る範囲に配置されており、中央側伝熱部196の装置奥行方向の端面は、装置奥行方向を向いている。中央側伝熱部196は、伝熱特性が異方性の厚さ0.1〔mm〕の短冊状のシート材196aが装置奥行方向(軸方向)に複数枚重ねられることで形成されている。また、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の端面と中央側伝熱部196の端面との間には、熱の伝達を考慮して、熱伝導性の高いグリース(例えば、シリコーンを主成分としたグリース)が塗布されている。
また、本実施形態では、シート材196aは、一例として、松下電器産業(株)製のPGSグラファイトシートが用いられている。そして、中央側伝熱部196の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率は、1000〔W/mK〕とされている。さらに、中央側伝熱部196の装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率は、8〔W/mK〕とされている。
このように、中央側伝熱部196については、装置幅方向(厚さ方向)の伝熱特性と、装置奥行方向(軸方向)の伝熱特性とが異なっている。具体的には、中央側伝熱部196の装置幅方向の熱伝導率は、中央側伝熱部196の装置奥行方向の熱伝導率と比して高くされている。つまり、中央側伝熱部196は、装置奥行方向と比して装置幅方向に熱が速く移動する伝熱特性が異方性の異方性伝熱手段として機能している。
この構成において、最小サイズのシート部材P2にトナー画像を定着させる場合には、シート部材P2の定着に直接用いられない範囲F01で発生した発熱板64の熱は、図10に示されるように、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98へ伝わる(図中矢印G31参照)。一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98へ伝わった熱は、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98と、中央側伝熱部196との温度差が小さくなるように、中央側伝熱部196へ伝わる(図中矢印G32)。
さらに、中央側伝熱部196に伝わった熱は、範囲F02の部分の発熱板64へ伝わる(図中矢印G33参照)。そして、発熱板64の温度が一様となる。
前述したように、中央側伝熱部196の装置幅方向(厚さ方向)の熱伝導率は、装置奥行方向(軸方向)の熱伝導率と比して高くされている。換言すれば、中央側伝熱部196においては、装置奥行方向と比して、装置幅方向に熱が速く移動するようになっている。このため、中央側伝熱部の装置幅行方向における熱伝導率が中央側伝熱部の装置奥行方向における熱伝導率と同様の場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力が抑制される。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る定着装置、及び画像形成装置の一例を図12に従って説明する。なお、第3実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。第3実施形態に係る定着装置250は、定着装置50に対して伝熱部材292のみ異なる。
(伝熱部材292)
伝熱部材292は、図12に示されるように、装置奥行方向で五分割されている。具体的には、装置奥行方向の手前側(図中左側)から奥側に向かって、一端側伝熱部294、中央側伝熱部96、及び他端側伝熱部298がこの順番で並んでいる。一端側伝熱部294及び他端側伝熱部298は、第二伝熱部の一例である。
一端側伝熱部294と他端側伝熱部298とは、同様の構成とされているため、一端側伝熱部294について説明する。
一端側伝熱部294は、装置奥行方向に二分割されており、第一伝熱体294aと第二伝熱体294bとから形成されている。装置奥行方向における第一伝熱体294aの長さと、第二伝熱体294bの長さとは同様とされており、第一伝熱体294a、及び第二伝熱体294bは、中央側伝熱部96に近接する側からこの順番で並んでいる。また、各伝熱体が接触する端面には、熱の伝達を考慮して、熱伝導性の高いグリース(例えば、シリコーンを主成分としたグリース)が塗布されている。
本実施形態では、第一伝熱体294aは、金で一体的に形成されており、第一伝熱体294aの厚さは、0.3〔mm〕とされている。第一伝熱体294aの伝熱特性は等方性であって、第一伝熱体294aの熱伝導率は、319〔W/mK〕とされている。
また、第二伝熱体294bは、銀で一体的に形成されており、第二伝熱体294bの厚さは、0.3〔mm〕とされている。第二伝熱体294bの伝熱特性は等方性であって、第二伝熱体294bの熱伝導率は、428〔W/mK〕とされている。
このように、第二伝熱体294bの熱伝導率は、第一伝熱体294aの熱伝導率と比して高くなっている。換言すると、一端側伝熱部294は、中央側伝熱部96に近接する側から中央側伝熱部96から離れる側へ向かって高くなっている。なお、他端側伝熱部298についても同様の構成とされており、他端側伝熱部298は、第一伝熱体298aと第二伝熱体298bとから形成されている。
この構成において、最小サイズのシート部材P2にトナー画像を定着させる場合には、範囲F01で発生した発熱板64の熱は、図12に示されるように、一端側伝熱部294及び他端側伝熱部298の第一伝熱体294a、298a又は第二伝熱体294b、298bへ伝わる(図中矢印G41参照)。
また、第二伝熱体294b、298bへ伝わった熱は、第一伝熱体294a、298aへ伝わる(図中矢印G42)。さらに、第二伝熱体294b、298bから第一伝熱体294a、298aへ伝わった熱、及び発熱板64から第一伝熱体294a、298aへ伝わった熱は、一端側伝熱部294及び他端側伝熱部298と、中央側伝熱部96との温度差が小さくなるように、中央側伝熱部96へ伝わる(図中矢印G43)。
さらに、中央側伝熱部96に伝わった熱は、範囲F02の部分の発熱板64へ伝わる(図中矢印G44参照)。そして、発熱板64の温度が一様となる。
前述したように、第二伝熱体294b、298bの熱伝導率は、第一伝熱体294a、294aの熱伝導率と比して高くなっている。このため、第二伝熱体の熱伝導率が第一伝熱体の熱伝導率と同様の場合と比して、中央側伝熱部96から離れている第二伝熱体294b、298bの熱が、中央側伝熱部96へ伝わる速さが速くなる。
これにより、第二伝熱体の熱伝導率が第一伝熱体の熱伝導率と同様の場合と比して、最小サイズの記録媒体に画像を定着する場合に消費電力が抑制される。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、中央側伝熱部96、196は、装置奥行方向においてシート部材P2が通る範囲(範囲F02)の部分に配置されたが、中央側伝熱部は、装置奥行方向(軸方向)において少なくともシート部材P2が通る範囲に配置されていればよく、範囲F02より大きくてもよい。しかし、最小サイズのシート部材Pに画像を定着する場合に消費電力を抑制する観点から、装置奥行方向における範囲F02の長さを10とすると、装置奥行方向の中心を合わせた状態で(センター振り分けで)、装置奥行方向における中央側伝熱部の長さは、16以下が好ましく、14以下がされに好ましく、12以下が特に好ましい。
また、上記第1、3実施形態では、特に説明しなかったが、中央側伝熱部96がアルミニウムとは異なる他の金属材料で一体的に形成されてもより。例えば、中央側伝熱部が銅によって形成されてもよい。この場合には、中央側伝熱部の熱伝導率は403〔W/mK〕となる。
また、上記第1、第2実施形態では、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の伝熱特性は、異方性であったが、伝熱特性が等方性であってもよい。一端側伝熱部及び他端側伝熱部の装置奥行方向の熱伝導率が、中央側伝熱部96、196の装置奥行方向の熱伝導率と比して高ければよい。しかし、この場合には、一端側伝熱部94及び他端側伝熱部98の伝熱特性が異方性であることで奏する作用は奏しない。
また、上記第3実施形態では、第一伝熱体294a、298aを金で一体的に形成し、第二伝熱体294b、298bを銀で一体的に形成したが、例えば、第一伝熱体としてPGSグラファイトシートを厚さ方向に積層して形成された部材を用い、第二伝熱体としてカーボンナノチューブのシート材を厚さ方向に積層して形成された部材を用いてもよい。
また、上記第3実施形態では、一端側伝熱部294及び他端側伝熱部298は、装置奥行方向に二分割されたが、三分割以上であってもよい。中央側伝熱部96に近接する側から中央側伝熱部96から離れる側へ向かって装置奥行方向の熱伝導率が高くなっていればよい。
また、上記実施形態では、検知部材82は、伝熱部材92を介して発熱板64の温度を検知したが、検知部材を直接発熱板と接触させて、検知部材が直接発熱板の温度を検知してもよい。
また、上記実施形態では、センターレジ方式を例にとって説明したが、シート部材Pの幅方向の一端を基準とするサイドレジ方式であってもよい。
10 画像形成装置
18 画像形成ユニット(形成部の一例)
50 定着装置
52 加圧ロール(加圧部の一例)
62 無端ベルト
64 発熱板
82 検知部材
92 伝熱部材(伝熱部の一例)
94 一端側伝熱部(第二伝熱部)
94a シート材
96 中央側伝熱部(第一伝熱部)
98 他端側伝熱部(第二伝熱部)
102 制御部
150 定着装置
192 伝熱部材(伝熱部の一例)
196 中央側伝熱部(第一伝熱部)
250 定着装置
292 伝熱部材(伝熱部の一例)
294 一端側伝熱部(第二伝熱部)
298 他端側伝熱部(第二伝熱部)
F02 範囲(最小範囲)

Claims (7)

  1. 周方向に回転する無端ベルトと、
    前記無端ベルトの軸方向に延び、前記無端ベルトの内周面と表面で接触して電圧が印加されることで発熱する発熱板と、
    前記発熱板の温度を検知する検知部と、
    前記無端ベルトを挟んで前記発熱板の反対側に配置され、搬送される記録媒体を前記無端ベルトの外周面に加圧する加圧部と、
    前記発熱板の裏面に接触し、前記発熱板の熱を前記軸方向に伝える伝熱部であって、前記軸方向において少なくとも最小サイズの記録媒体が通る最小範囲に配置されている第一伝熱部と、前記軸方向において前記第一伝熱部の隣に配置されていると共に前記軸方向における熱伝導率が、前記軸方向における前記第一伝熱部の熱伝導率に対して高い第二伝熱部とを有する前記伝熱部と、
    前記検知部の検知結果に基づいて、前記発熱板の温度が予め決められた範囲内に入るように前記発熱板に印加される電圧を制御する制御部と、
    を備える定着装置。
  2. 前記軸方向における前記第二伝熱部の熱伝導率は、前記発熱板の厚さ方向における前記第二伝熱部の熱伝導率と比して高い請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第二伝熱部は、前記厚さ方向に複数のシート材が重ねられた状態とされている請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記発熱板の厚さ方向における前記第一伝熱部の熱伝導率は、前記厚さ方向における前記第二伝熱部の熱伝導率と比して高い請求項1〜3の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 前記第一伝熱部は、伝熱特性が異方性であって、
    前記厚さ方向における前記第一伝熱部の熱伝導率は、前記軸方向おける前記第一伝熱部の熱伝導率と比して高い請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記第二伝熱部は、前記軸方向に分割され、伝熱特性が異なる複数の部材で形成されており、
    前記軸方向における前記第二伝熱部の熱伝導率は、前記第一伝熱部に近接する側から前記第一伝熱部から離れる側へ向かって高くなっている請求項1〜5の何れか1項に記載の定着装置。
  7. 最小サイズを含む複数サイズの記録媒体に画像を形成する形成部と、
    記録媒体に形成された画像を記録媒体に定着する請求項1〜6の何れか1項に記載された定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
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