以下、添付図面を参照して、実施形態に係る放射線検出器、放射線診断装置及びチャージシェアリングの判定方法を説明する。以下では、放射線検出器としてX線検出器を一例に挙げて説明する。また、以下では、放射線診断装置としてX線CT装置を一例に挙げて説明する。ここで、本願に係る放射線検出器、放射線診断装置及びチャージシェアリングの判定方法は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。すなわち、本願に係る放射線検出器、放射線診断装置及びチャージシェアリングの判定方法は、X線を対象としたものに限られず、ベータ線、アルファ線、重イオンなどの粒子放射線や、ガンマ線などを対象とする場合でもよい。なお、本願では、X線及びガンマ線などの光子と、ベータ線やアルファ線などの粒子をまとめて放射線光子と記載する場合がある。
以下の実施形態で説明するX線CT装置は、フォトンカウンティングCTを実行可能な装置である。すなわち、以下の実施形態で説明するX線CT装置は、フォトンカウンティング方式のX線検出器を用いて被検体を透過したX線を計数することで、SN比の高いX線CT画像データを再構成可能な装置である。また、以下の実施形態で説明するX線検出器は、X線光子をエネルギーに比例する電荷に直接変換する直接変換型の検出器である。なお、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を示す図である。図2に示すように、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。
ここで、図1においては、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図1は、説明のために架台装置10を複数方向から描画したものであり、X線CT装置1が架台装置10を1つ有する場合を示す。
架台装置10は、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、コリメータ17と、DAS(Data Acquisition System)18とを有する。
X線管11は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。例えば、X線管11には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム13は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やウェッジ16、コリメータ17、DAS18等を更に支持することもできる。更に、回転フレーム13は、図1において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図2においては、X線管11とコリメータ17との間にウェッジ16が配置される場合を示すが、X線管11とウェッジ16との間にコリメータ17が配置される場合であってもよい。この場合、ウェッジ16は、X線管11から照射され、コリメータ17により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管11が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置15は、入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う。例えば、制御装置15は、回転フレーム13の回転や架台装置10のチルト、寝台装置30及び天板33の動作等について制御を行う。一例を挙げると、制御装置15は、架台装置10をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させる。なお、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
X線検出器12は、X線光子が入射するごとに、当該X線光子のエネルギー値を計測可能な信号を出力する。X線光子は、例えば、X線管11から照射され被検体Pを透過したX線光子である。X線検出器12は、X線光子が入射するごとに、1パルスの電気信号(アナログ信号)を出力する複数の検出素子を有する。電気信号(パルス)の数を計数することで、各検出素子に入射したX線光子の数を計数することが可能である。また、この信号に対して、処理の演算処理を行なうことで、当該信号の出力を引き起こしたX線光子のエネルギー値を計測することができる。
上記した検出素子は、例えば、CdTe(テルル化カドミウム:cadmium telluride)やCdZnTe(テルル化カドミウム亜鉛:cadmium Zinc telluride)などの半導体検出素子に電極が配置されたものである。すなわち、X線検出器12は、入射したX線光子を、直接、電気信号に変換する直接変換型の検出器である。
X線検出器12は、上記した検出素子と、検出素子に接続されて、検出素子が検出したX線光子を計数するASIC(Application Specific Integrated Circuit)とを複数有する。ASICは、検出素子が出力した個々の電荷を弁別することで、検出素子に入射したX線光子の数を計数する。また、ASICは、個々の電荷の大きさに基づく演算処理を行なうことで、計数したX線光子のエネルギーを計測する。さらに、ASICは、X線光子の計数結果をデジタルデータとしてDAS18に出力する。なお、本実施形態に係るX線検出器12の詳細については、後に詳述する。
DAS18は、X線検出器12から入力された計数処理の結果に基づいて検出データを生成する。検出データは、例えば、サイノグラムである。サイノグラムは、X線管11の各位置において各検出素子に入射した計数処理の結果を並べたデータである。サイノグラムは、ビュー方向及びチャンネル方向を軸とする2次元直交座標系に、計数処理の結果を並べたデータである。DAS18は、例えば、X線検出器12におけるスライス方向の列単位で、サイノグラムを生成する。ここで、計数処理の結果は、エネルギービンごとのX線の光子数を割り当てたデータである。例えば、DAS18は、X線管11から照射されて被検体Pを透過したX線に由来する光子(X線光子)を計数し、当該計数したX線光子のエネルギーを弁別して計数処理の結果とする。DAS18は、生成した検出データをコンソール装置40へ転送する。DAS18は、例えば、プロセッサにより実現される。
DAS18が生成したデータは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode: LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分(例えば、固定フレーム等。図1での図示は省略している)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム等である。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の如何なるデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
寝台装置30は、撮影対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、天板33の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。なお、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、投影データやCT画像データを記憶する。また、例えば、メモリ41は、X線CT装置1に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。なお、メモリ41は、X線CT装置1とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された各種の画像を表示したり、操作者から各種の操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者から各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。また、例えば、入力インターフェース43は、CT画像データを再構成する際の再構成条件や、CT画像データから後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を操作者から受け付ける。
例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース43は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置40とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。
処理回路44は、X線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、スキャン制御機能445及び表示制御機能446を実行する。ここで、例えば、図1に示す処理回路44の構成要素であるシステム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、スキャン制御機能445、及び表示制御機能446が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ41内に記録されている。処理回路44は、例えば、プロセッサであり、メモリ41から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路44は、図1の処理回路44内に示された各機能を有することとなる。
なお、図1においては、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、スキャン制御機能445及び表示制御機能446の各処理機能が単一の処理回路44によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路44は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路44が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
システム制御機能441は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各種機能を制御する。
前処理機能442は、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施して投影データを生成する。
再構成処理機能443は、前処理機能442にて生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。再構成処理機能443は、再構成したCT画像データをメモリ41に格納する。
ここで、フォトンカウンティングCTで得られる計数結果から生成された投影データには、被検体Pを透過することで減弱されたX線のエネルギーの情報が含まれている。このため、再構成処理機能443は、例えば、特定のエネルギー成分のCT画像データを再構成することができる。また、再構成処理機能443は、例えば、複数のエネルギー成分それぞれのCT画像データを再構成することができる。
また、再構成処理機能443は、例えば、各エネルギー成分のCT画像データの各画素にエネルギー成分に応じた色調を割り当て、エネルギー成分に応じて色分けされた複数のCT画像データを重畳した画像データを生成することができる。また、再構成処理機能443は、例えば、物質固有のK吸収端を利用して、当該物質の同定が可能となる画像データを生成することができる。再構成処理機能443が生成する他の画像データとしては、単色X線画像データや密度画像データ、実効原子番号画像データ等が挙げられる。
CT画像データを再構成するには被検体の周囲一周、360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角度分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式に対しても本実施形態へ適用可能である。以下、説明を簡単にするため、被検体周囲一周、360°分の投影データを用いて再構成する再構成(フルスキャン再構成)方式を用いるものとする。
画像処理機能444は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像やレンダリング処理による3次元画像等の画像データに変換する。画像処理機能444は、変換した画像データをメモリ41に格納する。
スキャン制御機能445は、架台装置10で行なわれるCTスキャンを制御する。例えば、スキャン制御機能445は、X線高電圧装置14、X線検出器12、制御装置15、DAS18及び寝台駆動装置32の動作を制御することで、架台装置10における計数結果の収集処理を制御する。一例を挙げると、スキャン制御機能445は、位置決め画像(スキャノ画像)を収集する撮影及び診断に用いる画像を収集する本撮影(スキャン)における投影データの収集処理をそれぞれ制御する。
表示制御機能446は、メモリ41が記憶する各種画像データを、ディスプレイ42に表示するように制御する。
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成について説明した。かかる構成のもと、X線CT装置1は、チャージシェアリングによる誤検出を低減させることを可能にする。ここで、まず、図2A及び図2Bを用いて、チャージシェアリングについて説明する。図2A及び図2Bは、第1の実施形態に係るチャージシェアリングを説明するための図である。なお、図2Aは、X線検出器22における検出素子の断面図を示し、図2Bは、X線検出器22における検出素子を陽極側から見た場合の図を示す。また、図2A及び図2Bは、1つの検出素子のみを示しているが、実際には、X線検出器22は複数の検出素子を2次元アレイ状に有する。
ここで、X線検出器22は、本実施形態に係るX線検出器12と同様に、直接変換型の検出器である。すなわち、X線検出器22における検出素子は、半導体検出素子221の対向する面に対して電極222と電極223が配置されている。そして、X線検出器22は、バイアス電圧の印加によって電界が生じ、電極222及び電極223がそれぞれ陰極及び陽極として用いられる。したがって、図2Aに示すように、電極222側からX線が入射して半導体検出素子に吸収されて電子正孔対が生成されると、電子は陽極側の電極223へ移動し、正孔は陰極側の電極222へ移動することとなる。
陽極側の電極223は、図2Bに示すように、2次元アレイ状に複数の電極が配置されており、各電極からの出力が画素に対応することとなる。ここで、X線検出器22では、1つの検出素子224に対して2次元アレイ状に複数の電極(図中では9つの電極)が配置され、各電極からの出力をまとめた出力を1つの画素に対応させる。具体的には、図2Bに示す各電極には読み出し回路がそれぞれ接続される。そして、X線検出器22は、各電極から読み出されたエネルギー弁別の結果を1つにまとめて(1つの画素に対応させて)出力する。
このように、1つの検出素子に対して複数の電極を配置して、各電極から電荷を読み出すことで、X線検出器の高計数率化が可能となり、高い線量で照射が実行される場合などにおいても、正確に検出することが可能となる。
直接変換型の検出器の場合、読み出し側の電極が複数の電極で形成され、電極ごとに電荷の読み出しを行う。ここで、1つのX線光子によって生成される電子正孔対は、X線光子のもつエネルギーに比例した数が生成される。陽極側の電極によって検出される電子群が複数の電極に跨って入射されると、電子群の一部分が一方の電極によって検出され、電子群の他の部分が他方の電極によって検出されるチャージシェアリングが生じることとなる。
例えば、図2Bに示すように、1つのX線光子から生成された電子群50が、電極223aと電極223bの間に入射されると、電子群50が分割されて、電極223a及び電極223bに検出されるチャージシェアリングが生じることとなる。すなわち、電極223aに接続される読み出し回路及び電極223bに接続される読み出し回路が、入射された電子群50の一部分に対応する電荷をそれぞれ読み出すこととなり、実際に半導体検出素子に吸収された1つのX線光子のエネルギーよりも低いエネルギーの2つのX線光子を吸収したとする誤検出が生じることとなる。
このようなチャージシェアリングは、電極のサイズが小さくなるほど生じやすくなり、例えば、図2A及び図2Bに示すような、1つの検出素子224に対して2次元アレイ状に複数の電極を配置した検出器では、より生じやすくなる。
このチャージシェアリングに対しては、隣接する電極間での検出が略同時である場合に、チャージシェアリングが生じたものと判定して、一方の出力に対して他方の出力を加算する手法が考えられる。しかしながら、この場合、隣接する電極が、異なるX線光子に基づく電子を略同時にそれぞれ検出した場合にもチャージシェアリングが生じたものと判定してしまい、誤検出が生じることとなる。
そこで、第1の実施形態に係るX線CT装置1では、X線検出器12において、陽極側の電極間にチャージシェアリングに関する判定に用いるためのサブ電極を配置して、陽極側の電極からの出力とサブ電極からの出力とに基づいて、チャージシェアリングに関する判定を行うことで、チャージシェアリングによる誤検出を低減する。なお、以下では、陽極側の電極を主電極と記載する。
具体的には、第1の実施形態に係るX線検出器12は、放射線の入射に応じた電子を半導体素子から検出する複数の主電極と、複数の主電極の間に配列され、放射線の入射に応じた電子を半導体素子から検出し、主電極よりも配列方向の寸法が小さいサブ電極と、主電極とサブ電極との出力に基づいて、チャージシェアリングに関する判定を行なう判定部とを有する。以下、図3A〜図4を用いて第1の実施形態に係るX線検出器12の構成について説明する。図3A〜図4は、第1の実施形態に係るX線検出器12の構成の一例を示す図である。ここで、図3Aは、X線検出器22における検出素子の断面図を示し、図2Bは、X線検出器22における検出素子を陽極側から見た場合の図を示す。また、図3A及び図3Bは、1つの検出素子のみを示しているが、実際には、X線検出器12は複数の検出素子を2次元アレイ状に有する。
例えば、X線検出器12における検出素子は、図3Aに示すように、半導体検出素子121と、電極122と、主電極123aと、サブ電極123bとを有し、半導体検出素子121のX線が入射される面に電極122が配置され、対向する面に主電極123a及びサブ電極123bが配置されている。そして、X線検出器12は、バイアス電圧の印加によって電界が生じ、電極122が陰極として用いられ、主電極123a及びサブ電極123bが陽極として用いられる。すなわち、図3Aに示すように、電極122側からX線が入射して半導体検出素子121に吸収されて電子正孔対が生成されると、電子は陽極側の主電極123a及びサブ電極123bへ移動し、正孔は陰極側の電極122へ移動することとなる。
陽極側の主電極123aは、図3Bに示すように、1つの検出素子124に対して2次元アレイ状に複数の電極が配置されており、サブ電極123bは、主電極123aの間にそれぞれ1つずつ配置されている。ここで、サブ電極123bは、主電極123aとの配列方向の寸法が小さくなるように形成されている。例えば、図3Bに示すように、主電極123aとサブ電極123bの横方向の配列(例えば、図3Bにおける最上段の横方向に配置された主電極123aとサブ電極123b)では、サブ電極123bの横方向の長さ(幅)が、主電極123aの横方向の長さ(幅)よりも小さくなるように形成されている。なお、上記した横方向に配列された主電極123a及びサブ電極123bは、縦方向の長さは略同一となるように形成されている。
また、例えば、図3Bに示すように、主電極123aとサブ電極123bの縦方向の配列(例えば、図3Bにおける左端の縦方向に配置された主電極123aとサブ電極123b)では、サブ電極123bの縦方向の長さ(幅)が、主電極123aの縦方向の長さ(幅)よりも小さくなるように形成されている。なお、上記した縦方向に配列された主電極123a及びサブ電極123bは、横方向の長さは略同一となるように形成されている。
このように、サブ電極123bは、主電極123aよりも配列方向の寸法が小さくなるように形成されている。ここで、サブ電極123bの配列方向とは異なる方向の長さ(例えば、縦方向に配列された際の横方向の長さや、横方向に配列された際の縦方向の長さ)は、近接するサブ電極と接しない長さであれば、主電極123aの寸法よりも大きくなってもよい。例えば、図3Bにおける最上段の横方向に配置された主電極123aとサブ電極123bにおいては、サブ電極123bの縦方向の長さ(幅)は、主電極123aの縦方向の長さ(幅)よりも大きくなるように形成されてもよい。同様に、図3Bにおける左端の縦方向に配置された主電極123aとサブ電極123bにおいては、サブ電極123bの横方向の長さ(幅)は主電極123aの横方向の長さ(幅)よりも大きくなるように形成されてもよい。
その逆に、サブ電極123bの配列方向とは異なる方向の長さ(例えば、縦方向に配列された際の横方向の長さや、横方向に配列された際の縦方向の長さ)は、主電極123aの寸法よりも小さくなってもよい。例えば、図3Bにおける最上段の横方向に配置された主電極123aとサブ電極123bにおいては、サブ電極123bの縦方向の長さ(幅)は、主電極123aの縦方向の長さ(幅)よりも小さくなるように形成されてもよい。同様に、図3Bにおける左端の縦方向に配置された主電極123aとサブ電極123bにおいては、サブ電極123bの横方向の長さ(幅)は主電極123aの横方向の長さ(幅)よりも小さくなるように形成されてもよい。
また、サブ電極123bは、主電極123aよりも配列方向の寸法が小さくなるように形成されていれば、矩形で形成されなくてもよい。例えば、サブ電極123bは、楕円や、ひし形など、任意の形状で形成されてもよい。すなわち、サブ電極123bは、主電極123aよりも面積が小さく形成されていれば、形状は任意である。
ここで、サブ電極123bにおける主電極123aとの配列方向の寸法は、例えば、X線光子のもつエネルギーに応じて設計される。上記したように、1つのX線光子によって生成される電子正孔対は、X線光子のもつエネルギーに比例した数が生成される。すなわち、X線光子のもつエネルギーに比例して、生成された電子群の拡がりのサイズが変化する。例えば、X線光子のもつエネルギーが大きくなるほど、電子群の拡がりのサイズが大きくなる。
そこで、本実施形態に係るX線検出器12においては、サブ電極123bにおける主電極123aとの配列方向の寸法は、例えば、X線管11から放射される連続X線のスペクトルにおいて、ピークとなるエネルギーに基づいて決定されてもよい。具体的には、ピークとなるエネルギーに基づいて電子群の拡がりのサイズが推定される。サブ電極123bにおける主電極123aとの配列方向の寸法は、推定された電子群の拡がりのサイズに基づいて、電子群がサブ電極123bに入射された場合に、電子群の一部が隣接する主電極123aにも入射されるサイズに設定される。一例を挙げると、X線管11から放射される連続X線のピークが60KeVである場合に、サブ電極123bにおける主電極123aとの配列方向の寸法は、「20〜30μm」で設計されてもよい。
例えば、図3Bに示す検出素子124が、「1mm」四方である場合、主電極123aが「300μm」四方で形成され、サブ電極123bにおける主電極123aとの配列方向の幅が「20〜30μm」で形成される。
そして、X線検出器12においては、主電極123a及びサブ電極123bに読み出し回路がそれぞれ接続され、各電極から読み出されたエネルギー弁別の結果を1つにまとめて(1つの画素に対応させて)出力する。
例えば、X線検出器12においては、図4に示すように、隣接する2つの主電極123a及びサブ電極123bに対してASIC125が接続される。ASIC125は、例えば、コンデンサ125aと、増幅回路125bと、波形整形回路125cと、判定回路125dと、処理回路125eと、コンパレータ回路125fと、カウンタ125gとを有する。ここで、上記した読み出し回路は、例えば、コンデンサ125a、増幅回路125b及び波形整形回路125cに相当する。また、判定回路125dは、判定部の一例である。
なお、図4においては、説明の便宜上、隣接する主電極123a1及び主電極123a2とサブ電極123bに対応するASIC125のみを示しているが、実際には、X線検出器12は、隣接する2つの主電極123a及びサブ電極123bごとの複数のASIC125を有し、以下で説明する処理を実行する。また、図4におけるコンパレータ回路125f及びカウンタ125gは、X線検出器12における検出素子ごとに設けられる。例えば、図4に示すコンパレータ回路125f及びカウンタ125gは、図3Bに示す検出素子124に含まれる9つの主電極123aの出力に基づく出力値が入力され、各出力値を処理する。
コンデンサ125aは、各電極(主電極123a1、主電極123a2及びサブ電極123b)が出力した個々の電荷をそれぞれ蓄積する。増幅回路125bは、各電極によって検出された電子に応答してコンデンサ125aに集電される電荷を積分して電気量のパルス信号としてそれぞれ出力する回路である。このパルス信号は、X線光子のエネルギー量に対応する波高及び面積を有する。すなわち、この電気信号(パルス)の波高値は、X線光子のエネルギー値と相関性を有する。
波形整形回路125cは、増幅回路125bから出力されるパルス信号の周波数特性を調整し、かつゲイン及びオフセットを与えることによってパルス信号の波形を整形する回路である。
X線検出器12においては、2つの主電極123a1及び主電極123a2と1つのサブ電極123bからの出力それぞれを、上記した処理により、X線光子のエネルギー値に応じた波高値を有するパルス信号に変換する。
判定回路125dは、主電極123a1及び主電極123a2のうち少なくとも一方及びサブ電極123bの出力に基づいて、チャージシェアリングに関する判定を行なう。具体的には、判定回路125dは、波形整形回路125cからそれぞれ出力された複数のパルス信号に基づいて、チャージシェアリングに関する判定を行なう。ここで、判定回路125dは、主電極123a1及び主電極123a2のうち少なくとも一方及びサブ電極123bの出力において、略同時に出力された出力値を比較する。すなわち、判定回路125dは、波形整形回路125cから出力された複数のパルス信号が略同時に出力された信号であるか否かを判定し、略同時に出力された信号である場合に、チャージシェアリングに関する判定を行なう。
例えば、判定回路125dは、少なくとも半導体検出素子121に基づいて設定される時間範囲内に出力タイミングが含まれる主電極123aの出力値及びサブ電極123bの出力値を、略同時に出力された出力値と判定して、チャージシェアリングに関する判定を行なう。図5は、第1の実施形態に係る判定回路125dによる判定を説明するための図である。ここで、図5においては、横軸に時間(t)を示し、縦軸に電圧(V)を示したパルス信号のグラフを示す。
例えば、判定回路125dは、図5に示すように、波形整形回路125cから出力されたパルス信号61の立ち上がりを基準として、出力タイミングが時間範囲(t1)内に含まれるパルス信号を、パルス信号61と略同時に出力された出力値と判定する。すなわち、判定回路125dは、出力タイミングが時間範囲(t1)に含まれるパルス信号62を、パルス信号61と略同時に出力された出力値と判定する。
ここで、時間範囲(t1)は、例えば、半導体検出素子121の厚みに基づいて、設定される。半導体検出素子121によって生成された正孔及び電子がそれぞれ陰極側の電極122及び陽極側の電極123に達するまでに要する時間は、半導体検出素子121の厚みに応じて変化する。すなわち、半導体検出素子121が厚くなるほど、X線光子が吸収された位置から電極までの距離が遠くなり、到達までに時間を要するケースが生じる。そこで、時間範囲(t1)は、例えば、半導体検出素子121の厚みが厚くなるほど長くなるように設定される。
上記したように、判定回路125dは、まず、主電極123aによって検出された電子に基づくパルス信号と、サブ電極123bによって検出された電子に基づくパルス信号とを、略同時に出力されたものであるか否かを判定し、略同時に出力されたものであると判定した場合に、チャージシェアリングに関する判定を行なう。
ここで、判定回路125dは、波形整形回路125cから出力された複数のパルス信号に基づいて、1つのX線光子に基づく電子が複数の電極によって検出されたチャージシェアリングであるか、或いは、複数のX線光子に基づく同時計数であるかを判定する。さらに、判定回路125dは、チャージシェアリングである場合には、波形整形回路125cから出力された複数のパルス信号をどのように処理するかを判定する。以下、図6A〜図6Cを用いて、チャージシェアリングに関する判定の例について説明する。図6A〜図6Cは、第1の実施形態に係る判定回路125dによるチャージシェアリングに関する判定の一例を説明するための図である。
判定回路125dは、主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値とを比較して、主電極123aの出力値がサブ電極123bの出力値よりも高い場合に、サブ電極123bの出力値を主電極123aの出力値に加算すると判定する。すなわち、判定回路125dは、主電極123aの出力値及びサブ電極123bの出力値が共に「0」ではなく、主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値とを比較して、主電極123aの出力値がサブ電極123bの出力値よりも高い場合に、チャージシェアリングが生じていると判定して、サブ電極123bの出力値を主電極123aの出力値に加算すると判定する。
例えば、判定回路125dは、主電極123a1の出力に基づくパルス信号と、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号が、略同時に出力されたものであると判定して、主電極123a1の出力に基づくパルス信号の波高値が、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の波高値よりも高い場合に、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号を主電極123a1の出力に基づくパルス信号に加算する。上述したように、サブ電極123bの主電極123a1との配列方向における寸法は、1つのX線光子に基づく電子群の拡がりよりも狭く、サブ電極123bに電子が入射した場合には、主電極123a1(或いは、主電極123a2)にも入射されるように設計される。したがって、1つの主電極123a1の出力に基づくパルス信号と、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号が、略同時に出力されたものである場合、判定回路125dは、チャージシェアリングが生じていると判定することができる。
また、判定回路125dは、サブ電極123bに隣接する複数の主電極123a1及び123a2の出力値それぞれと当該サブ電極123bの出力値とをそれぞれ比較して、複数の主電極123a1及び123a2の出力値のうち最も高い値を示す出力値に、複数の主電極123a及び123a2の出力値のうち低い値を示す出力値及びサブ電極123bの出力値を加算すると判定する。
例えば、判定回路125dは、図6Aの右側の出力波形の図に示すように、主電極123a1の出力に基づくパルス信号の波高値が、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の波高値よりも高く、主電極123a2の出力に基づくパルス信号の波高値よりも高い場合に、主電極123a1の出力に基づくパルス信号に対して、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号及び主電極123a2の出力に基づくパルス信号を加算すると判定する。
図6Aの右側に示す出力波形の場合、例えば、図6Aの左側の図に示すように、1つのX線光子に基づく電子群51が、主電極123a1側に寄った状態で、主電極123a1、サブ電極123b、及び、主電極123a2に入射されたと考えられる。すなわち、図6Aの右側に示す出力波形の場合、チャージシェアリングが生じていると判定することができる。
また、判定回路125dは、サブ電極123bに隣接する複数の主電極123a1及び123a2の出力値それぞれと当該サブ電極123bの出力値とをそれぞれ比較して、複数の主電極123a1及び123a2の出力値それぞれがサブ電極123bの出力値よりも高い場合に、複数の主電極123a1及び123a2の出力値それぞれが異なる光子に基づく出力であると判定する。
例えば、判定回路125dは、図6Bの右側の出力波形の図に示すように、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号が「0」であり、主電極123a1の出力に基づくパルス信号の波高値と、主電極123a2の出力に基づくパルス信号の波高値が同程度である場合に、主電極123a1の出力に基づくパルス信号と主電極123a2の出力に基づくパルス信号とが、それぞれ異なるX線光子に由来すると判定する。すなわち、判定回路125dは、かかる場合には、同時計数であると判定する。
図6Bの右側に示す出力波形の場合、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号が「0」であり、両隣の主電極において略同時にパルス信号が検出されていることから、例えば、図6Bの左側の図に示すように、1つのX線光子に基づく電子群52が、主電極123a1に入射され、他のX線光子に基づく電子群53が、主電極123a2に入射されたと考えられる。すなわち、図6Aの右側に示す出力波形の場合、同時計数であると判定することができる。
また、判定回路125dは、主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値とを比較して、サブ電極123bの出力値が主電極123aの出力値よりも高い場合に、主電極123aの出力値及びサブ電極123bの出力値を破棄する、又は、サブ電極123bの出力値を主電極123aの出力値に加算すると判定する。すなわち、判定回路125dは、主電極123aの出力値及びサブ電極123bの出力値が共に「0」ではなく、主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値とを比較して、サブ電極123bの出力値が主電極123aの出力値よりも高い場合に、チャージシェアリングが生じていると判定して、出力値を破棄する、或いは、サブ電極123bの出力値を主電極123aの出力値に加算すると判定する。
例えば、判定回路125dは、主電極123a1の出力に基づくパルス信号と、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号が、略同時に出力されたものであると判定して、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の波高値が、主電極123a1の出力に基づくパルス信号の波高値よりも高い場合に、主電極123a1の出力に基づくパルス信号及びサブ電極123bの出力に基づくパルス信号を破棄する。或いは、判定回路125dは、かかる場合に、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号を主電極123a1の出力に基づくパルス信号に加算する。
また、判定回路125dは、サブ電極123bに隣接する複数の主電極123a1及び123a2の出力値それぞれと当該サブ電極123bの出力値とをそれぞれ比較して、サブ電極123bの出力値が複数の主電極123a1及び123a2の出力値それぞれよりも高い場合に、複数の主電極123a1及び123a2の出力値及びサブ電極の出力値を破棄する、又は、複数の主電極123a1及び123a2の出力値のどちらか一方の出力値とサブ電極123bの出力値とを複数の主電極123a1及び123a2の出力値の他方の出力値に加算すると判定する。
例えば、判定回路125dは、図6Cの右側の出力波形の図に示すように、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の波高値が、主電極123a1の出力に基づくパルス信号の波高値及び主電極123a2の出力に基づくパルス信号の波高値よりも高い場合に、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号、主電極123a1の出力に基づくパルス信号の波高値及び主電極123a2の出力に基づくパルス信号を破棄すると判定する。或いは、判定回路125dは、上記した場合に、主電極123a1又は主電極123a2のどちらかのパルス信号に対して、他方のパルス信号とサブ電極123bの出力に基づくパルス信号を加算すると判定する。
ここで、出力値を加算すると判定する場合、例えば、判定回路125dは、複数の主電極123a1及び123a2の出力値のうち最も高い値を示す出力値に、複数の主電極123a1及び123a2の出力値のうち低い値を示す出力値及びサブ電極123bの出力値を加算すると判定する。
図6Cの右側に示す出力波形の場合、例えば、図6Cの左側の図に示すように、1つのX線光子に基づく電子群51が、サブ電極123bを中心とした位置の状態で、主電極123a1、サブ電極123b、及び、主電極123a2に入射されたと考えられる。すなわち、図6Cの右側に示す出力波形の場合、チャージシェアリングが生じていると判定することができる。
図4に戻って、処理回路125eは、判定回路125dの判定結果に基づいて、主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値の加算、或いは、破棄の処理を実行する。具体的には、処理回路125eは、上記した各判定結果に応じて、主電極123a1の出力に基づくパルス信号、主電極123a2の出力に基づくパルス信号、及び、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の加算処理、或いは、破棄処理を実行する。そして、処理回路125eは、加算したパルス信号を後段のコンパレータ回路125fに送出する。なお、処理回路125eは、判定回路125dに同時計数であると判定された場合、主電極123a1の出力に基づくパルス信号及び主電極123a2の出力に基づくパルス信号をそのまま後段のコンパレータ回路125fに送出する。
コンパレータ回路125fは、入射したX線光子に基づくパルス信号の波高或いは面積を、弁別すべき複数のエネルギー帯域に対応して予め設定された閾値と比較して、閾値との比較結果を後段のカウンタ125gに出力する回路である。具体的には、コンパレータ回路125fは、処理回路125eから入力された主電極123aごとのパルス信号の波高或いは面積を閾値と比較して、比較結果に応じて、対応するエネルギー帯のカウンタ125gに結果を出力する。
ここで、コンパレータ回路125fは、1つの検出素子に含まれる全ての主電極123aの出力に基づくパルス信号の入力を受け付けて、受け付けたパルス信号を処理する。例えば、コンパレータ回路125fは、検出素子124に含まれる9つの主電極123aの出力に基づくパルス信号を処理する。
カウンタ125gは、対応するエネルギー帯域毎にパルス信号をカウントすることで、エネルギー帯域ごとのX線光子を計数して、計数結果をデジタルデータとしてDAS18に出力する。具体的には、カウンタ125gは、コンパレータ回路125fからの入力に応じて、エネルギー帯域毎の計数値をカウントアップし、計数結果をDAS18に出力する。
ここで、コンパレータ回路125fが検出素子124に含まれる9つの主電極123aの出力に基づくパルス信号を処理することから、カウンタ125gの計数結果は、検出素子124に含まれる9つの主電極123aの出力に基づくパルス信号を処理することとなる。これにより、X線検出器12は、9つの主電極123aを用いたX線光子の計数結果から1つの画素の画像情報を生成することができる。
X線検出器12は、2つの主電極123aと1つのサブ電極123bごとに、上記した判定処理を実行して、検出素子ごとのX線光子の計数結果を収集する。すなわち、X線検出器12は、上記した主電極123a1、主電極123a2及びサブ電極123b以外の組み合わせの主電極123a及びサブ電極123bについても上記と同様の判定処理を実行する。例えば、図3Bに示す検出素子124においては、9つの主電極123aの中心に位置する主電極123aは、上下左右に配置された主電極123aと、各主電極123aとの間に配置されたサブ電極123bとの間で形成される4つの組み合わせで判定処理がそれぞれ実行される。すなわち、4つの組み合わせのそれぞれに対応する判定回路125d及び処理回路123eが配置される。
その他の主電極123aも同様に、隣接する(辺が対向する)主電極123aとその主電極123aとの間に配置されたサブ電極123bと組み合わせが形成され、組み合わせに対応する判定回路125d及び処理回路123eが配置される。
X線検出器12は、検出素子ごとに上記した構成が形成されて、上記した判定処理を実行することで、検出素子ごとのX線光子の計数結果を収集する。
次に、図7を用いて、第1の実施形態に係るX線検出器12の処理について説明する。図7は、第1の実施形態に係るX線検出器12の処理の手順を説明するためのフローチャートである。
第1の実施形態に係るX線検出器12では、読み出し回路が、主電極123aとサブ電極123bの電荷を読み出す(ステップS101)。そして、判定回路125dは、読み出されたパルス信号が所定の時間内に出力されたものであるか否かを判定する(ステップS102)。
ここで、所定の時間内に出力されたものである場合には(ステップS102肯定)、判定回路125dは、パルス信号の波高値を比較して(ステップS103)、チャージシェアリングが生じているか否かを判定する(ステップS104)。ここで、チャージシェアリングが生じていないと判定した場合(ステップS104否定)、判定回路125dが同時計数と判定して、処理回路125eが各主電極123aの出力値として処理する(ステップS105)。
一方、チャージシェアリングが生じていると判定した場合(ステップS104肯定)、判定回路125dは、主電極123aの出力に基づくパルス信号の波高値が、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の波高値よりも高いか否かを判定する(ステップS106)。ここで、主電極123aの出力に基づくパルス信号の波高値が、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の波高値よりも高い場合(ステップS106肯定)、判定回路125dは、出力値を加算して処理すると判定する(ステップS108)。
一方、主電極123aの出力に基づくパルス信号の波高値が、サブ電極123bの出力に基づくパルス信号の波高値よりも低い場合(ステップS106否定)、判定回路125dは、出力値を無視するか否かを判定する(ステップS107)。ここで、出力値を無視しない場合には(ステップS107否定)、判定回路125dは、出力値を加算して処理すると判定する(ステップS108)。
一方、出力値を無視する場合には(ステップS107肯定)、X線検出器12は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS109)。ここで、終了しない場合には(ステップS109否定)、X線検出器12は、ステップS101に戻って、処理を継続する。一方、処理を終了する場合には(ステップS109肯定)、X線検出器12は処理を終了する。なお、ステップS105及びステップS108の処理後、X線検出器12は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS109)。
上述したように、第1の実施形態によれば、複数の主電極123aは、放射線の入射に応じた電子を半導体素子から検出する。サブ電極123bは、複数の主電極123aの間に配列され、放射線の入射に応じた電子を半導体素子から検出し、主電極123aよりも配列方向の寸法が小さい。判定回路125dは、主電極123aとサブ電極123bとの出力に基づいて、チャージシェアリングに関する判定を行なう。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、チャージシェアリング及び同時計数を判定することができ、チャージシェアリングによる誤検出を低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値とを比較して、主電極123aの出力値がサブ電極123bの出力値よりも高い場合に、サブ電極123bの出力値を主電極123aの出力値に加算すると判定する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、チャージシェアリングを正しい検出結果に補正することができ、チャージシェアリングによる影響を低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、サブ電極123bに隣接する複数の主電極123aの出力値それぞれと当該サブ電極123bの出力値とをそれぞれ比較して、複数の主電極123aの出力値のうち最も高い値を示す出力値に、複数の主電極123aの出力値のうち低い値を示す出力値及びサブ電極123bの出力値を加算すると判定する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、複数の主電極123aに跨ったチャージシェアリングをより正しい検出結果に補正することができる。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、サブ電極123bに隣接する複数の主電極の出力値それぞれと当該サブ電極の出力値とをそれぞれ比較して、複数の主電極123aの出力値それぞれがサブ電極123bの出力値よりも高い場合に、複数の主電極123aの出力値それぞれが異なるX線光子に基づく出力であると判定する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、チャージシェアリングと同時計数とを識別することができ、チャージシェアリングによる誤検出を低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値とを比較して、サブ電極123bの出力値が主電極123aの出力値よりも高い場合に、主電極123aの出力値及びサブ電極123bの出力値を破棄する、又は、サブ電極123bの出力値を主電極123aの出力値に加算すると判定する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、電子が入射された位置に応じた処理を実行することができ、チャージシェアリングによる誤検出を低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、サブ電極123bに隣接する複数の主電極123aの出力値それぞれと当該サブ電極123bの出力値とをそれぞれ比較して、サブ電極123bの出力値が複数の主電極123aの出力値それぞれよりも高い場合に、複数の主電極123aの出力値及びサブ電極123bの出力値を破棄する、又は、複数の主電極123aの出力値のどちらか一方の出力値とサブ電極123bの出力値とを複数の主電極123aの出力値の他方の出力値に加算すると判定する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、複数の主電極123aに電子が入射された場合でも電子が入射された位置に応じた処理を実行することができ、チャージシェアリングによる誤検出を低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、出力値を加算すると判定した場合に、複数の主電極123aの出力値のうち最も高い値を示す出力値に、複数の主電極123aの出力値のうち低い値を示す出力値及びサブ電極123bの出力値を加算すると判定する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、複数の主電極123aに電子が入射されたより正確な位置に応じた処理を実行することができ、チャージシェアリングによる誤検出を低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、略同時に出力された主電極123aの出力値とサブ電極123bの出力値とを比較する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、チャージシェアリング及び同時計数の対象となる出力値のみを対象として処理することができ、チャージシェアリングによる誤検出を効率よく低減させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、判定回路125dは、少なくとも半導体検出素子121に基づいて設定される時間範囲内に出力タイミングが含まれる主電極123aの出力値及びサブ電極123bの出力値を、略同時に出力された出力値と判定する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、半導体検出素子121に応じて略同時を判定することができる。
また、第1の実施形態によれば、複数の主電極123aは、半導体検出素子121の一面に2次元アレイ上に配列される。サブ電極123bは、複数の主電極123aの間にそれぞれ1つ配列される。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、チャージシェアリングと同時計数を簡易な構成で容易に判定することができる。
(その他の実施形態)
さて、これまで第1の実施形態について説明したが、上述した第1の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、1つの主電極123aと1つのサブ電極123bとの組み合わせ、或いは、2つの主電極123aと1つのサブ電極123bとの組み合わせについて判定処理を行う場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、判定処理の対象となる主電極123aとサブ電極123bとの組み合わせは任意である。
図8A及び図8Bは、その他の実施形態に係る判定回路125dによる判定処理の一例を説明するための図である。例えば、判定回路125dは、図8Aに示すように、主電極123a1と、サブ電極123b1と、サブ電極123b2との組み合わせについて判定処理を行うこともできる。かかる場合には、主電極123a1、サブ電極123b1、及び、サブ電極123b2にそれぞれ読み出し回路が接続される。そして、判定回路125dは、各読み出し回路からの出力(パルス信号)を受け付けて、判定処理を実行する。
かかる場合には、例えば、パルス信号の比較結果から、図8Aに示すように、1つのX線光子が吸収されることで生成された電子群55が、主電極123a1、サブ電極123b1、及び、サブ電極123b2に入射されたと判定した場合に、判定回路125dは、サブ電極123b1の出力に基づくパルス信号及びサブ電極123b2の出力に基づくパルス信号を、主電極123a1の出力に基づくパルス信号に加算すると判定する。
なお、判定回路125dは、例えば、主電極123a1の出力に基づくパルス信号の波高値が、サブ電極123b1の出力に基づくパルス信号の波高値及びサブ電極123b2の出力に基づくパルス信号の波高値よりも高い場合に、電子群55が図8Aに示すように入射したと判定する。
また、例えば、判定回路125dは、複数の主電極123aと、複数のサブ電極123bとの組み合わせについて判定処理を行うこともできる。かかる場合には、複数の主電極123a及び複数のサブ電極123bにそれぞれ読み出し回路が接続される。そして、判定回路125dは、各読み出し回路からの出力(パルス信号)を受け付けて、判定処理を実行する。
例えば、パルス信号の比較結果から、図8bに示すように、1つのX線光子が吸収されることで生成された電子群56が、主電極123a1、主電極123a2、サブ電極123b1、サブ電極123b2、サブ電極123b3、及び、サブ電極123b4に入射されたと判定した場合に、判定回路125dは、各電極の出力に基づくパルス信号を廃棄すると判定する。
なお、判定回路125dは、例えば、複数のサブ電極123bの出力に基づく複数のパルス信号の波高値が主電極123aの出力に基づくパルス信号の波高値よりも高い場合に、電子群56が図8Bに示すように入射したと判定する。
また、上述した実施形態では、複数の主電極123aの間に1つのサブ電極123bが配置される場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、複数の主電極123aの間に複数のサブ電極123bが配置される場合でもよい。一例を挙げると、図9に示すように、主電極123a1と主電極123a2との間に、サブ電極123b1及びサブ電極123b2が配置される場合でもよい。なお、図9は、その他の実施形態に係る判定回路による判定処理の一例を説明するための図である。
かかる場合には、主電極123a1、主電極123a2、サブ電極123b1、及び、サブ電極123b2にそれぞれ読み出し回路が接続される。そして、判定回路125dは、各読み出し回路からの出力(パルス信号)を受け付けて、判定処理を実行する。この構成により、例えば、判定回路125dは、同時計数において、一方の電子群がサブ電極123bに跨って入射された場合でも、同時計数を判定することができる。
一例を挙げると、2つのX線光子が半導体検出素子121に吸収されることによって生成された2つの電子群のうち、一方が主電極123a1に入射し、他方が主電極123a2とサブ電極123b2との間に入射した場合に、判定回路125dは、4つの電極(主電極123a1、主電極123a2、サブ電極123b1、及び、サブ電極123b2)からの出力に基づいて、同時計数を判定することができる。
すなわち、判定回路125dは、サブ電極123b1からの出力がないことから、主電極123a1の出力に基づくパルス信号と、主電極123a2及びサブ電極123b2の出力に基づく2つのパルス信号とが、別々の電子群に基づいたパルス信号であることを判定することができ、同時計数を判定することができる。判定回路125dは、さらに、主電極123a2及びサブ電極123b2の出力に基づく2つのパルス信号がチャージシェアリングであると判定して、サブ電極123b2の出力に基づくパルス信号を、主電極123a2の出力に基づくパルス信号に加算すると判定する。
また、上述した実施形態では、X線を検出するX線検出器12について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、ガンマ線や、粒子放射線等を検出する放射線検出器においても、上述した実施形態を適用可能である。また、上述した実施形態は、X線CT装置1以外にも、放射線検出器を備えた放射線診断装置にも適用可能である。かかる場合、放射線診断装置には、例えば、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置等が含まれる。
また、上述した実施形態では、処理回路44において複数の機能を実行するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数の機能を独立の回路としてコンソール装置40内に設け、各回路がそれぞれの機能を実行するようにしてもよい。
上述した実施形態において図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ41に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリ41にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
ここで、上述した実施形態で説明したチャージシェアリングの判定方法は、予め用意されたチャージシェアリングの判定プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このチャージシェアリングの判定プログラムは、ROM(Read Only Memory)やメモリ等に予め組み込まれて提供される。なお、このチャージシェアリングの判定プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、このチャージシェアリングの判定プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このチャージシェアリングの判定プログラムは、後述する各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、チャージシェアリングによる誤検出を低減させるができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。