以下、図面を参照しながら、本願が開示するX線CT装置の実施形態について説明する。ここで、各図面に示される構成は模式的なものであり、図示されている各構成要素の寸法や構成要素間の寸法の比率は実物と異なる場合がある。また、図面相互の間でも、同じ構成要素の寸法や構成要素間の寸法の比率が異なって示されている場合がある。
図1は、本実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。
例えば、図1に示すように、本実施形態に係るX線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを備える。
ここで、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向と定義する。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向と定義する。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向と定義する。
架台装置10は、患者等である被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出して、コンソール装置40に出力する装置である。具体的には、架台装置10は、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、X線絞り17と、DAS(Data Acquisition System)18とを備える。なお、図1では、図示の便宜上、X軸方向から見た架台装置10とZ軸方向から見た架台装置10とを示しているが、実際には、X線CT装置1は一つの架台装置10を備えている。
X線管11は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、当該熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。具体的には、X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することによってX線を発生する。例えば、X線管11は、回転する陽極に熱電子を照射することによってX線を発生させる回転陽極型のX線管である。
X線検出器12は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出する複数の検出素子を有し、各検出素子が、検出したX線の線量に応じた電気信号をDAS18へ出力する。具体的には、X線検出器12は、X線管11の焦点を中心とした円弧の周方向に沿ったチャネル方向に複数の検出素子が並べられた検出素子列を複数有し、各検出素子列がスライス方向(列方向、row方向とも呼ばれる)に複数配列された構造を有する。
例えば、X線検出器12は、コリメータと、シンチレータアレイと、検出素子アレイとを有する間接変換型の検出器である。コリメータは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置されており、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。例えば、コリメータは、1次元コリメータ又は2次元コリメータである。なお、コリメータは、グリッドとも呼ばれる。シンチレータアレイは、検出素子アレイのX線入射側の面に配置されており、複数のシンチレータを有する。各シンチレータは、入射したX線の線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。検出素子アレイは、複数の検出素子を有し、各検出素子が、シンチレータから出力される光の光量に応じた電気信号に変換する。例えば、検出素子アレイは、複数の検出素子が同一平面上で1次元(n行×1列)又は2次元(n行×m列)に配列されたサブアレイをチャネル方向及びスライス方向に複数並べて配置することによって構成される。また、例えば、検出素子は、フォトダイオード(Photo Diode:PD)や光電子増倍管(Photo Multiplier Tube:PMT)等の受光素子である。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸(Z軸)回りに回転させる円環状のフレームである。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持した状態で、固定フレーム(図示は省略)に回転軸回りに回転可能に支持されている。そして、回転フレーム13は、制御装置15による制御によって回転軸回りに回転することで、X線管11とX線検出器12とを回転軸回りに回転させる。また、回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14及びDAS18をさらに備えて支持する。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線出力に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置14は、架台装置10内で、回転フレーム13に設けられてもよいし、回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム(図示は省略)に設けられてもよい。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線の線量を調節するためのフィルターである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルターである。例えば、ウェッジ16は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルターである。なお、ウェッジ16は、ウェッジフィルター(wedge filter)や、ボウタイフィルター(bow-tie filter)とも呼ばれる。
X線絞り17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等を含み、複数の鉛板等を組み合わせることによってスリットを形成している。
DAS18は、X線検出器12の各検出素子から出力される電気信号に基づいて、検出データを生成する処理回路である。具体的には、DAS18は、X線検出器12の各検出素子から出力される電気信号を増幅し、増幅された電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換することによって、検出データを生成する。ここで、DAS18によって生成された検出データは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分(例えば、支持フレーム等)に設けられたフォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へ転送される。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式が採用されても構わない。
制御装置15は、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構と、当該駆動機構を制御する処理回路とを有する。制御装置15は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた、後述する入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43によって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。なお、制御装置15は、架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。
寝台装置30は、スキャン対象である被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備える。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動するモータあるいはアクチュエータである。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、操作者によるX線CT装置1の操作を受け付けるとともに、架台装置10によって収集された検出データを用いてCT画像データを再構成する装置である。コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを備える。なお、ここでは、コンソール装置40と架台装置10とが別体である場合の例を説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の構成要素の一部が含まれていてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、投影データやCT画像データを記憶する。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。なお、例えば、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられていてもよい。また、例えば、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されていてもよい。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像データを再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、例えば、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、例えば、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されてもよい。また、入力インターフェース43は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置40とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。
処理回路44は、X線CT装置1全体の動作を制御する。具体的には、処理回路44は、制御機能441と、前処理機能442と、再構成処理機能443と、画像処理機能444と、表示制御機能445と、設定機能446と、決定機能447と、取得機能448と、推定機能449とを有する。
例えば、処理回路44は、プロセッサにより実現される。その場合に、処理回路44が有する処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ41に記憶される。そして、処理回路44は、メモリ41から各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、処理回路44は、各プログラムを読み出した状態で、図1の処理回路44内に示される各処理機能を有することとなる。
制御機能441は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、X線CT装置1の各部を制御する。例えば、制御機能441は、X線高電圧装置14、制御装置15及びDAS18を制御することで、CTスキャンを制御する。また、制御機能441は、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、及び表示制御機能445を制御することで、CT画像データの生成や表示を制御する。
前処理機能442は、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施した投影データを生成する。なお、前処理前のデータ(検出データ)及び前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。
再構成処理機能443は、前処理機能442によって生成された投影データに対して、フィルター補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行い、CT画像データ(再構成画像データ)を生成する。
画像処理機能444は、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを、任意断面の断面画像データや任意視点方向のレンダリング画像データ等に変換する。具体的には、画像処理機能444は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、CT画像データに公知の3次元画像処理を施すことによって、任意断面の断層像データや任意視点方向のレンダリング画像データ等に変換する。例えば、ここでいう3次元画像処理は、ボリュームレンダリングやサーフェスレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planar Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等である。なお、3次元画像処理は、再構成処理機能443が直接行っても構わない。
表示制御機能445は、再構成処理機能443及び画像処理機能444によって生成された各種画像データに基づいて、ディスプレイ42に画像を表示させる。例えば、表示制御機能445は、CT画像データに基づくCT画像、任意断面の断面画像データに基づく断面画像や、任意視点方向のレンダリング画像データに基づく任意視点方向のレンダリング画像等をディスプレイ42に表示させる。また、例えば、表示制御機能445は、操作画面を表示するための画像をディスプレイ42に表示させる。
なお、設定機能446、決定機能447、取得機能448及び推定機能449については、後に詳細に説明する。
このような構成のもと、本実施形態に係るX線CT装置1は、撮影用のX線検出器12とは別にリファレンス検出器100をさらに備える。そして、X線CT装置1は、当該リファレンス検出器100を用いて、X線の線量の変動を補正する機能を有する。ここで、X線の線量は、X線条件の一例である。
図2は、本実施形態に係るリファレンス検出器100の配置例を示す図である。
例えば、図2に示すように、リファレンス検出器100は、撮影用のX線検出器12とは別体に構成され、剛体のフレーム等の支持部材(図示は省略)によって架台装置10内の回転フレーム13に固定される。
例えば、リファレンス検出器100は、X線管11とウェッジ16との間に配置され、X線検出器12を用いた撮影領域に入らない位置に設けられる。これにより、リファレンス検出器100へ入射するX線は、ウェッジ16やX線絞り17による変化が生じないようになる。なお、リファレンス検出器100は、ウェッジ16やX線絞り17と一体に構成されてもよい。
そして、リファレンス検出器100は、被検体Pのスキャンが行われる際に、X線管11から照射されたX線を検出する。具体的には、リファレンス検出器100は、複数の検出素子を有し、各検出素子が、検出したX線の線量に応じた電気信号を出力する。
ここで、本実施形態では、リファレンス検出器100は、それぞれが複数の検出素子を含む第1のチャネル及び第2のチャネルを少なくとも有している。そして、リファレンス検出器100は、チャネルごとにX線遮蔽能が異なる(材質や厚みが異なる)フィルターが設けられることによって、各チャネルの検出素子に入射するX線の線量が異なるように構成されている。
なお、以下では、リファレンス検出器100が第1のチャネル及び第2のチャネルの二つのチャネルを有する場合の例を説明するが、リファレンス検出器100が有するチャネルの数は二つ以上であってもよい。
図3は、本実施形態に係るリファレンス検出器100の構成例を示す図である。
例えば、図3に示すように、リファレンス検出器100は、検出器モジュール110と、フィルターモジュール120とを有する。ここで、フィルターモジュール120は、X線管11から照射されたX線(図3に破線の矢印で示す)が入射するように設けられている。また、検出器モジュール110は、フィルターモジュール120を通過したX線が入射するように設けられている。
検出器モジュール110は、検出素子アレイ111と、シンチレータアレイ112と、コリメータ113とを有する。ここで、シンチレータアレイ112は、検出素子アレイ111の入射面側に配置されている。また、コリメータ113は、シンチレータアレイ112の入射面側に配置されている。
検出素子アレイ111は、複数の検出素子Pを有し、各検出素子Pが、シンチレータアレイ112から出力された光の光量に応じた電気信号に変換する。例えば、検出素子アレイ111は、複数の検出素子Pが同一平面上で2次元に配列されたASIC(Application Specific Integrated Circuitによって実現される。例えば、検出素子Pは、PDやPMT等の受光素子である。
ここで、検出素子アレイ111に含まれる複数の検出素子Pは、予め複数のグループに分けられており、各グループがそれぞれ一つのチャネルに割り当てられている。なお、ここでは、一例として、検出素子アレイ111に含まれる複数の検出素子Pが二つのグループに分けられており、第1のチャネル(ch1)及び第2のチャネル(ch2)それぞれに一つのグループが割り当てられている場合の例を説明するが、検出素子Pのグループ数及びチャネル数は二つに限られず、三つ以上であってもよい。
図4は、本実施形態に係る検出器モジュール110が有する検出素子アレイ111の構成例を示す図である。
例えば、図4に示すように、検出素子アレイ111は、複数の検出素子Pがn行×m行に配列されることによって構成される。そして、例えば、n行×m行の検出素子Pが、n行×(m/2)列の検出素子Pの二つのグループに分けられて、第1のチャネル(ch1)及び第2のチャネル(ch2)それぞれに一つのグループが割り当てられる。
図3に戻って、シンチレータアレイ112は、検出素子Pのグループと同じ数のシンチレータSを有し、各シンチレータSが、入射したX線の線量に応じた光子量の光を出力する。なお、ここでは、シンチレータアレイ112は、検出素子Pのグループと同じ数の二つのシンチレータSを有する。
ここで、シンチレータアレイ112に含まれる二つのシンチレータSは、シンチレータ間の光のクロストークを防ぐための隔壁によって仕切られており、一つのシンチレータSが一つのチャネルに対応するように配置されている。
コリメータ113は、後述するフィルターモジュール120に含まれる第2のフィルター122を通過したX線が、シンチレータアレイ112に含まれる二つのシンチレータSの両方に入射するのを防ぐ。
ここで、コリメータ113は、散乱X線を吸収するX線遮蔽板Cによって二つの区画に区分けされたグリッド状に構成されており、シンチレータアレイ112に含まれる各シンチレータSの上に一つの区画が配置されるように位置決めされている。これにより、コリメータ113の各区画は、それぞれが一つのチャネルに対応するように構成される。
フィルターモジュール120は、第1のフィルター121と、第2のフィルター122とを有する。
ここで、第1のフィルター121は、コリメータ113の入射面側に配置され、コリメータ113の二つの区画の両方を覆うように設けられている。また、第2のフィルター122は、第1のフィルター121の入射面側に配置され、コリメータ113の二つの区画のうちの第2のチャネルに対応する区画のみを覆うように設けられている。
このような構成によれば、第1のチャネルに対応するシンチレータSには、第1のフィルター121によって線量が減衰したX線が入射することになる。一方、第2のチャネルに対応するシンチレータSには、第1のフィルター121及び第2のフィルターの両方によって、第1のチャネルに対応するシンチレータSと比べて線量がより減衰したX線が入射することになる。この結果、第1のチャネルに割り当てられている検出素子Pに入射するX線の線量と、第2のチャネルに割り当てられている検出素子Pに入射するX線の線量とが異なるようになる。
なお、フィルターモジュール120の構成は、上述した例に限られず、第1のチャネルに割り当てられている検出素子Pに入射するX線の線量と、第2のチャネルに割り当てられている検出素子Pに入射するX線の線量とが異なるようになれば、各種の構成を用いることができる。例えば、各チャネルの検出素子に対して、材質や厚みが異なる別々のフィルターが設けられてもよい。
また、図3では図示を省略しているが、リファレンス検出器100は、周囲からの散乱線が入射しないように、フィルターモジュール120の入射面を除いて、全体が遮蔽用の部材で覆われることによって完全に遮蔽されていることとする。
そして、リファレンス検出器100の第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれが有する複数の検出素子Pからの出力は、DAS18へ転送され、DAS18が、各チャネルからの出力をチャネルごとに束ねてコンソール装置40へ転送する。こうして、コンソール装置40へ転送された各チャネルからの出力は、CT画像データの再構成が行われる際に、再構成処理におけるX線の線量の変動を補正するために用いられる。
具体的には、処理回路44の取得機能448が、チャネルごとに束ねられた第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力をDAS18から取得する。
また、処理回路44の推定機能449が、取得機能448によって取得された第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力の出力比に基づいて、被検体Pのスキャンが行われた際の実際のX線の線量(真のX線の線量)を推定する。
ここで、推定機能449は、予め用意された、各チャネルからの出力の出力比とX線の線量との相関を示すルックアップテーブルを用いて、X線の線量を推定する。
図5は、本実施形態に係る推定機能449によって用いられるルックアップテーブルを説明するための図である。
例えば、図5に示すように、推定機能449は、第1のチャネル(ch1)及び第2のチャネル(ch2)それぞれからの出力の出力比(ch/ch2)と、X線の線量(kV)との関係を示すルックアップテーブル用いる。そして、推定機能449は、当該ルックアップテーブルを参照して、取得機能448によって取得された第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力の出力比に対応するX線の線量を特定することで、被検体Pのスキャンが行われた際の実際のX線の線量を推定する。
そして、処理回路44の再構成処理機能443が、推定機能449によって推定されたX線の線量を用いて再構成処理におけるX線の線量を補正することで、スキャンによって収集された投影データからCT画像データを再構成する。
ところで、上述した構成では、リファレンス検出器100において、フォトンノイズや回路ノイズ等が生じることによって各チャネルからの出力が変動し、それにより出力比のばらつきが生じることがあり得る。さらに、上述した構成では、フィルターモジュール120で発生した散乱線がコリメータ113の二つの区画の両方に入射する場合がある。その場合には、各チャネルからの出力の差が小さくなり、その結果、例えば、図5に示すように、X線の線量(kV)が変化したときの出力比(ch1/ch2)の変化量が前述した出力比のばらつきに埋もれてしまい、ルックアップテーブルを用いた補正の精度が低下することがあり得る。
このようなことから、本実施形態に係るX線CT装置1は、被検体Pのスキャンを行う際に設定されるX線の線量に応じて、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力をチャネルごとに束ねる際の束ね条件を変えることで、リファレンス検出器を用いた補正の精度を向上させることができるように構成されている。
以下、このような本実施形態に係るX線CT装置1の構成について詳細に説明する。
まず、本実施形態では、メモリ41が、リファレンス検出器100の第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれにおける複数の検出素子の束ね条件をX線の線量ごとに記憶する。
ここで、本実施形態では、メモリ41に記憶される束ね条件は、収集条件(スキャン条件)ごとに、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力の出力比に基づいて決定される。例えば、束ね条件は、被検体Pのスキャンが行われる際に操作者によって選択されるスキャンプランごとに予め決められて、メモリ41に記憶される。
具体的には、束ね条件は、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれごとに、各チャネルに含まれる複数の検出素子の中で出力を束ねる検出素子の数を定義した条件である。
ここで、本実施形態では、収集条件ごとに、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれにおける出力を束ねる検出素子の数が、各チャネルからの出力の出力比のばらつきに対する当該出力比の割合に基づいて決定される。例えば、スキャンプランごとに、各チャネルにおける出力を束ねる検出素子の数が決められる。
具体的には、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれにおける出力を束ねる検出素子の数は、各チャネルからの出力の出力比のばらつきに対する当該出力比の割合ができるだけ大きくなるように決定される。これにより、各チャネルからの出力の出力比に対する出力比のばらつきの割合を小さくすることができ、ルックアップテーブルを用いた補正の精度を向上させることができる。
例えば、第1のチャネル(以下、ch1)からの1つの検出素子あたりの出力(カウント)をS1、第2のチャネル(以下、ch2)からの1つの検出素子あたりの出力(カウント)をS2とした場合に、S1及びS2は、それぞれ以下の式で表される。
S1=∫φ0(E)*e-μ1(E)*t1*E*dE
S2=∫φ0(E)*e-μ2(E)*t2*E*dE
ここで、φ0は、X線強度である。また、μ1は、ch1に対応するフィルターの線減弱係数であり、t1は、ch1に対応するフィルターの厚みである。また、μ2は、ch2に対応するフィルターの線減弱係数であり、t2は、ch2に対応するフィルターの厚みである。また、Eは、光子のエネルギー量である。
そして、例えば、ch1における出力を束ねる検出素子の数をX、ch2における出力を束ねる検出素子の数をYとした場合に、ch1における合計の出力S1’、ch2における合計の出力S2’は、それぞれ以下の式で表される。
S1’=X*S1
S2’=Y*S2
ここで、S1’=X*S1は、X個の検出素子分のデータを足すことを意味する。また、S2’=Y*S2は、Y個の検出素子分のデータを足すことを意味する。
また、ch1における出力のばらつきN1、ch2における出力のばらつきN2は、それぞれ以下の式で表される。
N1=√(Np1
2+Nc
2)
N2=√(Np2
2+Nc
2)
ここで、Np1は、ch1におけるフォトンノイズであり、Np1=√S1’で表される。また、Np2は、ch1におけるフォトンノイズであり、Np2=√S2’で表される。また、Ncは、検出素子アレイ111における回路ノイズである。
このとき、ch1及びch2それぞれからの出力の出力比の値C、ch1/ch2のばらつきNは、それぞれ以下のように表される。
C=S1’/S2’
N=√(N1
2+N2
2)
そして、ch1及びch2それぞれにおける出力を束ねる検出素子の数X及びYが、Nに対するCの割合であるC/Nの値ができるだけ大きくなるように決定される。一例として、X及びYは、Nに対するCの割合であるC/Nの値が最大となるように決定される。
ここで、本実施形態では、メモリ41は、予め決められた複数のX線の線量それぞれごとに異なる束ね条件を記憶する。すなわち、メモリ41に記憶される束ね条件は、X線の線量ごとに、C/Nの値ができるだけ大きくなるようなX及びYを定義した条件である。
図6及び7は、本実施形態に係るメモリ41に記憶される束ね条件の決定の一例を示す図である。
例えば、X線の線量が、SN(Signal to Noise)比は良好になるが、フィルターの違いによるch1及びch2それぞれからの出力の差が生じにくいような大きさである場合には、ch1とch2との間で、出力を束ねる検出素子の数の差ができるだけ大きくなるように束ね条件が決定される。
例えば、この場合には、図6に示すように、ch1については、ch1に割り当てられている複数の検出素子Pの中で、周辺部にある利用不可能な検出素子を除いた最大数の検出素子が、出力を束ねる検出素子とされる。また、ch2については、ch2に割り当てられている複数の検出素子Pの中で、後段の信号処理を実行するために必要となる最小数の検出素子が、出力を束ねる検出素子とされる。なお、図6では、ch1及びch2それぞれについて、出力を束ねる検出素子として決定された検出素子に模様を付けている。例えば、135kVのように高い線量の場合には、このような束ね条件とすることが望ましい。
また、例えば、X線の線量が、フィルターの違いによるch1及びch2それぞれからの出力の差は生じやすいが、SN比が良好にならないような大きさである場合には、ch1とch2との間で、出力を束ねる検出素子の数の差は大きくする必要はないが、各チャネルで出力を束ねる検出素子の数ができるだけ大きくなるように束ね条件が決定される。
例えば、この場合には、図7に示すように、ch1については、ch1に割り当てられている複数の検出素子Pの中で、周辺部にある利用不可能な検出素子を除いた最大数の検出素子が、出力を束ねる検出素子とされる。また、ch2については、ch1で出力を束ねるとされた検出素子と同じ位置にある検出素子の中で周縁部に配置されている検出素子のみを除いた検出素子が、出力を束ねる検出素子とされる。なお、図7では、ch1及びch2それぞれについて、出力を束ねる検出素子として決定された検出素子に模様を付けている。例えば、80kVのように高い線量の場合には、このような束ね条件とすることが望ましい。
さらに、メモリ41は、前述した各チャネルからの出力の出力比とX線の線量との相関を示すルックアップテーブルについても、X線の線量ごとに記憶する。ここで、メモリ41に記憶されるルックアップテーブルは、上述した束ね条件に従ってch1及びch1それぞれからの出力が束ねられた場合の出力比に基づいて、作成される。
そして、本実施形態では、処理回路44の各処理機能が、以下の処理を実行する。
図8は、本実施形態に係る処理回路44の各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
例えば、図8に示すように、本実施形態では、まず、設定機能446が、操作者から開始指示を受け付けた場合に(ステップS101,Yes)、被検体Pに応じたX線の線量を設定する(ステップS101,Yes)。このステップは、例えば、処理回路44が、設定機能446に対応するプログラムをメモリ41から読み出して実行することにより実現される。
具体的には、設定機能446は、被検体Pのスキャンが行われる際に操作者によって選択されるスキャンプランの収集条件に基づいて、被検体Pに応じたX線の線量を設定する。
続いて、決定機能447が、メモリ41によって記憶された束ね条件を参照して、設定機能446によって設定されたX線の線量に対応する束ね条件を決定する(ステップS103)。このステップは、例えば、処理回路44が、決定機能447に対応するプログラムをメモリ41から読み出して実行することにより実現される。
具体的には、決定機能447は、メモリ41によって記憶された束ね条件のうち、設定機能446によって設定されたX線の線量に対応する束ね条件を特定する。そして、決定機能447は、特定した束ね条件に従って、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれについて、出力を束ねる検出素子の数を決定する。
続いて、制御機能441が、操作者によって設定された収集条件に基づいて、被検体Pのスキャンを実行する(ステップS104)。このステップは、例えば、処理回路44が、制御機能441に対応するプログラムをメモリ41から読み出して実行することにより実現される。
続いて、DAS18が、決定機能447によって決定された束ね条件に基づいて、第1のチャネル及び第2のチャネルからの出力をチャネルごとに束ねる(ステップS105)。
続いて、取得機能448が、決定機能447によって決定された束ね条件に基づいてチャネルごとに束ねられた第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力をDAS18から取得する(ステップS106)。このステップは、例えば、処理回路44が、取得機能448に対応するプログラムをメモリ41から読み出して実行することにより実現される。
具体的には、取得機能448は、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれに含まれる検出素子からの出力のうち、チャネルごとに、決定機能447によって決定された検出素子の数の出力を束ねることで、各チャネルからの出力を取得する。
続いて、推定機能449が、取得機能448によって取得された第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力の出力比に基づいて、スキャン対象のスキャンが行われた際の実際のX線の線量を推定する(ステップS107)。このステップは、例えば、処理回路44が、推定機能449に対応するプログラムをメモリ41から読み出して実行することにより実現される。
具体的には、推定機能449は、メモリ41によって記憶されたルックアップテーブルのうち、設定機能446によって設定されたX線の線量に対応するルックアップテーブルを特定する。そして、推定機能449は、特定したルックアップテーブルを用いて、取得機能448によって取得された各チャネルからの出力の出力比に対応するX線の線量を特定することで、被検体Pのスキャンが行われた際の実際のX線の線量を推定する。
そして、再構成処理機能443が、推定機能449によって推定されたX線の線量を用いて再構成処理におけるX線の線量を補正することで、スキャンによって収集された投影データからCT画像データを再構成する(ステップS108)。このステップは、例えば、処理回路44が、再構成処理機能443に対応するプログラムをメモリ41から読み出して実行することにより実現される。
なお、上述した構成のうち、メモリ41は、記憶部の一例である。また、再構成処理機能443は、再構成処理部の一例である。また、設定機能446は、設定部の一例である。また、決定機能447は、決定部の一例である。また、取得機能448は、取得部の一例である。また、推定機能449は、推定部の一例である。
上述したように、本実施形態に係るX線CT装置1によれば、被検体Pのスキャンを行う際に設定されるX線の線量に応じて、第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれからの出力をチャネルごとに束ねる際の束ね条件を変えることで、リファレンス検出器を用いた補正の精度を向上させることができる。
具体的には、X線条件に応じて、リファレンス検出器100の第1のチャネル及び第2のチャネルそれぞれごとに、各チャネルに含まれる複数の検出素子の中で出力を束ねる検出素子の数を変えることで、各チャネルからの出力の出力比に対する出力比のばらつきの割合を小さくすることができ、ルックアップテーブルを用いた補正の精度を向上させることができる。これにより、広いX線条件に対して、制度の高いX線の線量の補正を行うことが可能になる。
例えば、上述した実施形態は、デュアルエネルギー方式による撮影が可能なX線CT装置にも適用可能である。ここで、デュアルエネルギー方式は、異なる線量のX線を交互に切り替えながら被検体に照射して撮影を行うことによって、X線のエネルギースペクトルごとの物質のエネルギー透過性に基づいて、CT画像における濃淡のコントラストを向上させる技術である。上述した実施形態によれば、このようなデュアルエネルギー方式による撮影が行われる場合に、撮影時のX線エネルギーを正確に割り出すことができ、撮影によって得られる情報の精度を顕著に向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、メモリ41が、X線の線量ごとに束ね条件及びルックアップテーブルを記憶することとしたが、実施形態はこれに限られない。例えば、メモリ41は、X線の線量の範囲ごとに、束ね条件及びルックアップテーブルを記憶してもよい。
また、例えば、メモリ41は、X線の線量(kV)と管電流(mA)の組み合わせごとに、束ね条件及びルックアップテーブルを記憶してもよい。ここで、X線の線量及び管電流は、X線条件の一例である。
この場合には、設定機能446は、被検体Pのスキャンが行われる際に操作者によって入力される収集条件に基づいて、被検体Pに応じたX線の線量及び管電流を設定する。また、決定機能447は、メモリ41によって記憶された束ね条件を参照して、設定機能446によって設定されたX線の線量及び管電流に対応する束ね条件を決定する。また、推定機能449は、メモリ41によって記憶されたルックアップテーブルのうち、設定機能446によって設定されたX線の線量及び管電流に対応するルックアップテーブルを用いて、被検体Pのスキャンが行われた際の実際のX線の線量を推定する。
また、上述した実施形態では、補正用X線検出器がX線管11とウェッジ16との間に設けられる場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、補正用X線検出器は、撮影用のX線検出器12と同一の検出面上に配置されていてもよい。この場合に、補正用X線検出器は、X線検出器12と別体に構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、本明細書における設定部、決定部、取得部及び推定部を、それぞれ、処理回路の設定機能、決定機能、取得機能及び推定機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における設定部、決定部、取得部及び推定部は、実施形態で述べた設定機能、決定機能、取得機能及び推定機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
また、上述した実施形態において、単一の処理回路によって実現されるものとして説明した各処理機能は、例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することによって実現されるものとしても構わない。また、処理回路が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、単一のメモリ41が各処理機能に対応するプログラムを記憶する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、複数の記憶回路が分散して配置され、処理回路が、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を一つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、リファレンス検出器を用いた補正の精度を向上させることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。