JP2020037912A - エンジンの制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】EGR配管にEGRクーラが設けられるエンジンにおいて、EGRクーラの冷却効率の低下によるNOx排出量の増加を適切に抑制する。【解決手段】EGR配管にEGRクーラが設けられるエンジンにおいて、ECUは、NOxセンサによって検出されたNOx排出量が閾値を超えたか否かを判定する。ECUは、NOx排出量が閾値を超えた場合に、EGRクーラの冷却効率が低下したと判定して、エンジンの吸入空気量を増加することでEGRガス流量を増加させてEGRクーラ内の粒子状物質を除去するためのEGRクーラ再生処理を実行する。【選択図】図4
Description
本開示は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置を備えるエンジンの制御システムに関する。
排気通路内の排気の一部を吸気通路に還流させるためのEGR配管と、EGR配管を流れる排気(以下「EGRガス」ともいう)を冷却するEGRクーラとを備えたエンジンが知られている。このようなエンジンにおいて、EGRガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)がEGRクーラの熱交換部に付着すると、EGRクーラの冷却効率が低下する。EGRクーラの冷却効率が低下すると、吸気通路に還流されるEGRガスの温度が高くなり気筒内での燃焼温度が高くなるため、エンジンから排出される窒素酸化物NOxの量(以下「NOx排出量」ともいう)が増加してしまう。
EGRクーラの冷却効率の低下によるNOx排出量の増加を抑制するための制御システムが、たとえば特開2009−46982号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示された制御システムは、EGR配管にEGRクーラが設けられるエンジンにおいて、EGRクーラの入口ガス温度と出口ガス温度と冷却水温度とに基づいてEGRクーラの冷却効率を推定し、推定されたEGRクーラの冷却効率が低いほど燃料噴射時期の遅角量を大きくする。燃料噴射時期の遅角によって気筒内での燃焼温度のピーク値が下がるので、EGRクーラの冷却効率が低下している場合であってもNOx排出量の増加が抑制される。
特許文献1に開示された制御システムにおいては、EGRクーラの冷却効率の低下によるNOx排出量の増加を、燃料噴射時期の遅角によって抑制している。そのため、たとえば燃料噴射時期がハード制約などによって決まる遅角限界に達した場合には、燃料噴射時期をさらに遅角させることはできず、NOx排出量を適切に抑制することができなくなるという問題があった。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、EGR配管にEGRクーラが設けられるエンジンにおいて、EGRクーラの冷却効率の低下によるNOx排出量の増加を適切に抑制することである。
(1) 本開示によるシステムは、エンジンの制御システムである。エンジンは、吸気通路および排気通路に接続される気筒と、排気通路内の排気の一部を吸気通路に還流させるためのEGR配管と、EGR配管に設けられるEGRクーラとを備える。制御システムは、排気通路に設けられ、窒素酸化物の排出量を検出するセンサと、制御装置とを備える。制御装置は、センサによって検出された窒素酸化物の排出量に基づいてEGRクーラの冷却効率が低下したか否かを判定し、EGRクーラの冷却効率が低下したと判定された場合にEGRクーラ内の粒子状物質を除去するためのEGRクーラ再生処理を実行する。
上記システムによれば、センサによって検出された窒素酸化物の排出量(NOx排出量)に基づいてEGRクーラの冷却効率が低下したと判定された場合には、EGRクーラ内の粒子状物質を除去するためのEGRクーラ再生処理が実行される。このEGRクーラ再生処理によって、たとえばEGRガス流量が増加され、EGRクーラに付着した粒子状物質がEGRガスによって吹き飛ばされる。これにより、EGRクーラの冷却効率が回復し得る。その結果、EGR配管にEGRクーラが設けられるエンジンにおいて、EGRクーラの冷却効率の低下による窒素酸化物の排出量の増加を適切に抑制することができる。
(2) ある形態においては、制御装置は、窒素酸化物の排出量が閾値を超えた場合にEGRクーラの冷却効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。
EGRクーラの冷却効率が低下した場合には、EGRガスの密度が低下して気筒内へ還流されるEGRガス量が減少する影響で、NOx排出量は増加することになる。この点に着目して、上記形態では、NOx排出量が閾値を超えた場合にEGRクーラの冷却効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。これにより、NOx排出量に基づいてEGRクーラの冷却効率が低下したか否かを適切に判定した上で、EGRクーラ再生処理を実行することができる。
(3) ある形態においては、エンジンは、気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射とメイン噴射とが行なわれるエンジンである。制御装置は、窒素酸化物の排出量が閾値を超える毎にメイン噴射の時期を所定量だけ遅角し、メイン噴射の時期が予め定められた遅角限界に達した場合にEGRクーラの冷却効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。
上記形態によれば、センサによって検出されたNOx排出量が閾値を超える毎にメイン噴射時期を所定量だけ遅角する。これにより、EGRクーラの冷却効率の低下によるNOx排出量の増加を、EGRクーラ再生処理を実行するのではなく、メイン噴射の時期を遅角することによって抑制することができる。そのため、NOx排出量が閾値を超える毎にEGRクーラ再生処理を実行する場合に比べて、EGRクーラ再生処理の実行回数が低減される。そして、NOx排出量が閾値を超える毎にメイン噴射時期を所定量だけ遅角したことによってメイン噴射の時期が遅角限界に達した場合には、EGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。その結果、EGRクーラ再生処理の実行回数を低減しつつ、NOx排出量の増加を抑制することができる。
(4) ある形態においては、エンジンは、複数の気筒を有し、各気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射とメイン噴射とが行なわれるエンジンである。制御装置は、センサによる検出結果に基づいて複数の気筒の間で窒素酸化物の排出量が均等になるように複数の気筒のパイロット噴射量を増減させるフィードバック制御を実行し、複数の気筒のパイロット噴射量のフィードバック調整量の少なくとも1つが所定の調整範囲から外れる場合にEGRクーラの冷却効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。
上記形態によれば、センサによる検出結果に基づいて、気筒間でNOx排出量が均等になるように複数の気筒のパイロット噴射量を増減させるフィードバック制御が実行される。ここで、EGRクーラ効率が低下した場合には、EGRガスの密度が低下してEGRガス濃度の偏りが生じる影響で、各気筒内に流入するEGRガス量の差が大きくなり気筒間のNOx排出量の差が大きくなる。したがって、EGRクーラ効率が低下した場合には、パイロット噴射量のフィードバック調整量(フィードバック制御によるパイロット噴射量の増減量)の大きさが増加することになる。この点に着目して、上記形態では、複数の気筒のパイロット噴射量のフィードバック調整量の少なくとも1つが所定の調整範囲から外れる場合にEGRクーラの冷却効率が低下したと判定されてEGRクーラ再生処理が実行される。これにより、センサによる検出結果に基づいて制御されるパイロット噴射量のフィードバック調整量に基づいてEGRクーラの冷却効率が低下したか否かを適切に判定した上で、EGRクーラ再生処理を実行することができる。
(5) ある形態においては、EGRクーラ再生処理は、エンジンの吸入空気量を所定時間増加させる制御である。
EGRクーラの冷却効率の低下は、EGRクーラの熱交換部の表面にEGRガス中の粒子状物質が付着して熱交換が阻害されることが主な原因であると想定される。そこで、上記形態では、EGRクーラ再生処理として、エンジンの吸入空気量を所定時間増加させる制御が実行される。これにより、EGRガス流量が増加され、EGRクーラの熱交換部の表面に付着した粒子状物質がEGRガスによって吹き飛ばされる。その結果、EGRクーラの冷却効率を回復させることができる。
本開示によれば、EGR配管にEGRクーラが設けられるエンジンにおいて、EGRクーラの冷却効率の低下によるNOx排出量の増加を適切に抑制することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態によるエンジン制御システム1の全体構成の一例を模式的に示す図である。このエンジン制御システム1は、図示しない車両に搭載される。
エンジン制御システム1は、複数(図1に示す例では4つ)の気筒を有するエンジン100と、複数の気筒に対してそれぞれ設けられる複数のNOxセンサ121と、排気温センサ125と、電子制御装置(以下「ECU」(Electronic Control Unit)ともいう)200とを備える。
エンジン100は、複数(図1に示す例では4つ)の気筒を有する、コモンレール式のディーゼルエンジンである。
エンジン100は、燃料噴射装置110と、吸気管108および吸気マニホールド120を含む吸気通路と、排気マニホールド130および排気管131を含む排気通路と、とを備える。燃料噴射装置110は、サプライポンプ114と、コモンレール(蓄圧室)116と、複数の気筒に対してそれぞれ設けられる複数のインジェクタ118とを含む。
エンジン100に吸入される空気は、エアクリーナ102によりろ過され、ターボチャージャのコンプレッサ104により圧縮される。圧縮された空気は、インタークーラ106で冷却され、吸気管108および吸気マニホールド120を通り、各気筒の燃焼室内に導入される。
各気筒の燃焼室には、サプライポンプ114により加圧され、コモンレール116に蓄えられた燃料が、インジェクタ118により噴射される。燃焼室内で、空気と燃料との混合気が燃焼することにより、エンジン100は駆動力を発生する。
燃焼後の混合気、すなわち排気ガスは、排気マニホールド130に導かれ、ターボチャージャのタービン122を通り抜けた後、排気管131内の触媒124により浄化され、車外に排出される。
エンジン100は、さらに、排気通路(図1に示す例では排気マニホールド130)内の排気の一部を吸気通路に還流させるためのEGR配管140と、EGR配管140に設けられる水冷式のEGRクーラ142と、EGRバルブ144とを備える。
各気筒から排気マニホールド130に排出された排気の一部は、EGR配管140を経由して吸気通路に還流される。EGR配管140を流れるEGRガスは、EGRクーラ142の熱交換部で冷却水との間で熱交換させられて冷却される。EGRクーラ142の熱交換部には、熱伝導性の高い金属が用いられる。
EGRクーラ142で冷却されたEGRガスは、EGRバルブ144を経由して吸気側に再循環させられる。EGRガスの還流量は、EGRバルブ144の開度により調整される。EGRバルブ144の開度は、ECU200からの制御信号によって制御される。
各NOxセンサ121は、対応する気筒の排出ポートと排気マニホールド130との接続部分に設けられ、対応する気筒のNOx排出量を検出し、検出結果を示す信号をECU200に送信する。
排気温センサ125は、排気管131を流れる排気の温度を検出し、検出結果を示す信号をECU200に送信する。
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、処理プログラム等を記憶するメモリ、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)等を含み、メモリに記憶された情報、各センサからの情報などに基づいて、所定の演算処理を実行する。そして、ECU200は、演算処理の結果に基づいて、サプライポンプ114およびインジェクタ118などを制御する。
たとえば、ECU200は、エンジン100を作動させる場合、各気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射とメイン噴射とを行なう。具体的には、ECU200は、要求パワーに応じたメイン噴射指令を所定のタイミングでインジェクタ118に出力する。これにより、メイン噴射指令に応じた燃料がインジェクタ118から噴射される「メイン噴射」が行なわれる。また、ECU200は、燃焼騒音を低減したり排気を浄化したりするために、メイン噴射指令に先立って極少量の燃料を噴射させるためのパイロット噴射指令をインジェクタ118に出力する。これにより、メイン噴射に先立って、パイロット噴射指令に応じた極少量の燃料がインジェクタ118から噴射される「パイロット噴射」が行なわれる。なお、各気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射およびメイン噴射以外の噴射が行なわれるようにしてもよい。
<EGRクーラの再生>
上述のように、本実施の形態によるエンジン100には、EGR配管140およびEGRクーラ142が設けられる。新気(燃焼前の吸気)よりも比熱比の高い成分が多く含まれるEGRガスが新気に混合されることによって、気筒内での燃焼温度の上昇が抑制され、排気中の窒素酸化物NOxが低減される。さらに、EGRガスがEGRクーラ142で冷却されることによって、EGRガスが冷却されない場合よりも気筒内での燃焼の初期温度が低下するため、窒素酸化物NOxをより多く低減することができる。また、EGRガスがEGRクーラ142で冷却されることによって、EGRガスの体積膨張が抑制されるため、より多くのEGRガスを筒内へ供給することができるため、窒素酸化物NOxをより多く低減することができる。
上述のように、本実施の形態によるエンジン100には、EGR配管140およびEGRクーラ142が設けられる。新気(燃焼前の吸気)よりも比熱比の高い成分が多く含まれるEGRガスが新気に混合されることによって、気筒内での燃焼温度の上昇が抑制され、排気中の窒素酸化物NOxが低減される。さらに、EGRガスがEGRクーラ142で冷却されることによって、EGRガスが冷却されない場合よりも気筒内での燃焼の初期温度が低下するため、窒素酸化物NOxをより多く低減することができる。また、EGRガスがEGRクーラ142で冷却されることによって、EGRガスの体積膨張が抑制されるため、より多くのEGRガスを筒内へ供給することができるため、窒素酸化物NOxをより多く低減することができる。
しかしながら、EGRガス中のPM(粒子状物質)がEGRクーラ142の熱交換部の金属表面に付着すると、EGRクーラ142の熱交換部でのEGRガスと冷却水との熱交換が阻害されるため、EGRクーラ142の冷却効率(以下、単に「EGRクーラ効率」ともいう)が低下する。EGRクーラ効率が低下すると、吸気通路に還流されるEGRガスの温度が高くなり、気筒内での燃焼温度が高くなるため、NOx排出量が増加してしまう。
図2は、EGRクーラ効率とNOx排出量との対応関係を模式的に示す図である。EGRクーラ142が初期状態であるときはPMは付着していないため、図2に示すように、EGRクーラ効率の初期値C0は高い状態であり、その結果、NOx排出量の初期値E0が低い値に抑えられている。しかしながら、PM付着による経年劣化によってEGRクーラ効率が低下するほど、NOx排出量は増加してしまう。
従来においては、EGRクーラ効率がPM付着による経年劣化によって所定値C1まで低下することを想定し、EGRクーラ効率が所定値C1まで低下した時のNOx排出量E1が規制値を超えないようにEGRクーラ142の性能を決定するという技術があった。しかしながら、この技術では、NOx排出量が規制値に近い値まで増加することを許容することになり、NOx排出量の増加そのものを抑制することはできない。今後においては、EGRクーラ効率を初期値C0に近い値に維持することによって、NOx排出量の増加そのものを抑制する技術の開発が望まれる。
そこで、本実施の形態によるECU200は、NOxセンサ121によって検出されたNOx排出量に基づいてEGRクーラ効率が低下したか否かを判定する。そして、ECU200は、EGRクーラ効率が低下したと判定された場合には、EGRクーラ142内のPMを除去するためのEGRクーラ再生処理を実行する。以下、これらの処理について詳しく説明する。
<<EGRクーラ効率の低下判定処理>>
まず、本実施の形態におけるEGRクーラ効率の低下判定処理について説明する。EGRクーラ効率が低下した場合、EGRガスの密度が低下するため、気筒内へ還流されるEGRガス量が減少する。EGRガス量が減少することによって、気筒内での燃料の着火性が向上(着火遅れ期間が減少)する。燃料の着火性が向上することによって気筒内の燃焼温度は上昇するため、NOx排出量は増加する。すなわち、EGRクーラ効率が低下することによって、NOx排出量は増加することになる。
まず、本実施の形態におけるEGRクーラ効率の低下判定処理について説明する。EGRクーラ効率が低下した場合、EGRガスの密度が低下するため、気筒内へ還流されるEGRガス量が減少する。EGRガス量が減少することによって、気筒内での燃料の着火性が向上(着火遅れ期間が減少)する。燃料の着火性が向上することによって気筒内の燃焼温度は上昇するため、NOx排出量は増加する。すなわち、EGRクーラ効率が低下することによって、NOx排出量は増加することになる。
ECU200は、このNOx排出量の増加を検出することによって、EGRクーラ効率の低下の有無を判定する。具体的には、ECU200は、複数のNOxセンサ121のうちの少なくとも1つによって検出されたNOx排出量が閾値Ethを超えたか否かを判定する。この判定においては、複数のNOxセンサ121によってそれぞれ検出された複数のNOx排出量を閾値Ethと比較するようにしてもよいし、複数のNOxセンサ121のうちの特定のNOxセンサ121によって検出されたNOx排出量のみを閾値Ethと比較するようにしてもよい。
なお、この判定は、必ずしも複数のNOxセンサ121を要するものではない。たとえば、排気マニホールド130よりも下流側の排気経路に1つのNOxセンサ121を有するエンジンであれば、そのNOxによって検出されたNOx排出量を閾値Ethと比較するようにすればよい。
NOxセンサ121によって検出されたNOx排出量が閾値Ethを超えた場合、ECU200は、EGRクーラ効率が基準値Cthよりも低下したと判定する(上述の図2参照)。
なお、従来においては、EGRクーラの入口ガス温TGinと出口ガス温TGoutと入口水温TWとを下記の式(1)に代入することによって、EGRクーラ効率を推定するものが存在した。
EGRクーラ効率=(TGin−TGout)/(TGin−TW) …(1)
しかしながら、上記の式(1)を用いてEGRクーラ効率を推定する場合には、少なくともEGRクーラの入口ガス温TGinを検出する温度センサ、EGRクーラの出口ガス温TGoutを検出する温度センサ、EGRクーラの入口水温TWを検出する温度センサ、の3つの温度センサが必要になり、コスト増および搭載性の問題が生じ得る。
しかしながら、上記の式(1)を用いてEGRクーラ効率を推定する場合には、少なくともEGRクーラの入口ガス温TGinを検出する温度センサ、EGRクーラの出口ガス温TGoutを検出する温度センサ、EGRクーラの入口水温TWを検出する温度センサ、の3つの温度センサが必要になり、コスト増および搭載性の問題が生じ得る。
これに対し、本実施の形態においては、少なくとも1つのNOxセンサ121を用いてEGRクーラ効率を推定するため、上記のコスト増および搭載性の問題を解消し得る。
<<EGRクーラ再生処理>>
次に、EGRクーラ再生処理について説明する。上述したように、EGRクーラ効率の低下は、EGRクーラ142の熱交換部の金属表面にEGRガス中のPMが付着して熱交換が阻害されることが主な原因であると想定される。
次に、EGRクーラ再生処理について説明する。上述したように、EGRクーラ効率の低下は、EGRクーラ142の熱交換部の金属表面にEGRガス中のPMが付着して熱交換が阻害されることが主な原因であると想定される。
そこで、上述の低下判定処理によってEGRクーラ効率が基準値Cthよりも低下したと判定された場合、ECU200は、EGRガス流量を増加させることによって、EGRクーラ142の熱交換部の金属表面に付着したPMを除去する。具体的には、ECU200は、EGRバルブ144を開いた状態で、吸入空気量が通常使用時(EGRクーラ効率が低下したと判定されない時)よりも大きい所定値G1となるように各気筒への燃料噴射量(メイン噴射量)を増加させる処理を、所定時間T1(たとえば数分程度)継続する。この処理がEGRクーラ再生処理である。
このEGRクーラ再生処理によって、EGRガス流量が増加され、EGRクーラ142の熱交換部の金属表面に付着したPMがEGRガスによって吹き飛ばされる。これにより、EGRクーラ効率が初期値C0に近い値に回復する(上述の図2参照)。その結果、NOx排出量も初期値E0に近い値に低減される。
図3は、EGRクーラ効率の低下判定処理およびEGRクーラ再生処理が実行される場合のNOx排出量および吸入空気量の変化の一例を模式的に示す図である。PM付着による経年劣化によってEGRクーラ効率が低下するほど、NOx排出量は初期値E0から徐々に増加していく。
時刻t1にてNOx排出量が閾値Ethに達すると、ECU200は、EGRクーラ効率が低下したと判定する。なお、経年劣化によってNOx排出量が初期値E0から増加し始める時刻t0から閾値Ethに達する時刻t1までの期間は、図3上では便宜上比較的短い期間として示されているが、実際には数か月あるいは数年程度の比較的長い期間となることが想定される。
NOx排出量が閾値Ethに達する時刻t1にてEGRクーラ効率が低下したと判定されると、ECU200は、EGRクーラ再生処理を実行する。これにより、時刻t1から所定時間T1(たとえば数分程度)が経過する時刻t2までの期間、吸入空気量が所定値G1に増加される。これにより、EGRガス流量が増加され、EGRクーラ142に付着したPMがEGRガスによって吹き飛ばされる。そのため、EGRクーラ効率を初期値C0に近い値に回復させることができる。その結果、NOx排出量を初期値E0に近い値に低減させることができる。
図4は、上述のEGRクーラ効率の低下判定処理およびEGRクーラ再生処理をECU200が行なう際に実行する処理の概要を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン100の作動中において所定条件が成立する毎(たとえば所定周期毎)に繰り返し実行される。
まず、ECU200は、NOxセンサ121によって検出されたNOx排出量を取得し(ステップS10)、NOx排出量が閾値Ethよりも大きいか否かを判定する(ステップS12)。なお、この判定においては、上述したように、複数のNOxセンサ121によってそれぞれ検出された複数のNOx排出量を閾値Ethと比較するようにしてもよいし、複数のNOxセンサ121のうちの特定のNOxセンサ121によって検出されたNOx排出量のみを閾値Ethと比較するようにしてもよい。
NOx排出量が閾値Ethよりも大きいと判定されない場合(ステップS12においてNO)、ECU200は、以降の処理をスキップしてリターンへと処理を移す。
一方、NOx排出量が閾値Ethよりも大きいと判定された場合(ステップS12においてYES)、ECU200は、EGRクーラ効率が基準値Cthよりも低下したと判定し(ステップS14)、所定時間T1、吸入空気量が所定値G1となるようにメイン噴射量を増加させる上述のEGRクーラ再生処理を実行する(ステップS18)。
以上のように、本実施の形態によるECU200は、NOxセンサ121によって検出されたNOx排出量が閾値Ethを超えた場合にEGRクーラ効率が低下したと判定して、メイン噴射量を増加することでEGRガス流量を増加させるEGRクーラ再生処理を実行する。これにより、EGRクーラ142の熱交換部に付着したPMをEGRガスによって吹き飛ばすことができる。その結果、経年劣化したEGRクーラ効率を回復させてNOx排出量を低減することができる。
<変形例1>
上述の実施の形態においては、NOx排出量が閾値Ethを超えた場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する例を示した。しかしながら、EGRクーラ再生処理はメイン噴射量を増加させる処理であるため、EGRクーラ再生処理を頻繁に行なうと燃費が悪化してしまうことが懸念される。
上述の実施の形態においては、NOx排出量が閾値Ethを超えた場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する例を示した。しかしながら、EGRクーラ再生処理はメイン噴射量を増加させる処理であるため、EGRクーラ再生処理を頻繁に行なうと燃費が悪化してしまうことが懸念される。
そこで、本変形例1によるECU200は、NOx排出量が閾値Ethを超える毎に各気筒のメイン噴射時期を所定量αだけ遅角する。これにより、EGRクーラ効率の低下によるNOx排出量の増加を、EGRクーラ再生処理を実行するのではなく、メイン噴射時期の遅角によって抑制することができる。そして、本変形例1によるECU200は、NOx排出量が閾値Ethを超える毎にメイン噴射時期の遅角が繰り返されることによって、メイン噴射時期がハード制約などによって決まる遅角限界に達した場合に、EGRクーラ効率がメイン噴射時期の遅角では抑制できないレベルにまで低下したと判定して、EGRクーラ再生処理を実行する。その結果、EGRクーラ再生処理の実行回数を低減しつつ、NOx排出量の増加を抑制することができる。
図5は、本変形例1によるEGRクーラ効率の低下判定処理およびEGRクーラ再生処理が実行される場合のNOx排出量、メイン噴射時期、パイロット噴射量、吸入空気量の変化の一例を模式的に示す図である。なお、図5には、メイン噴射時期の初期値が、上死点TDC(Top Dead Center)よりも遅角側に設定されている例が示されている。
PM付着による経年劣化によってEGRクーラ効率が低下すると、NOx排出量が増加する。時刻t3にてNOx排出量が閾値Ethを超えると、ECU200は、メイン噴射時期を所定量αだけ遅角する。これにより、気筒内での燃焼温度のピーク値が下がるので、NOx排出量が低減される。
なお、メイン噴射時期の遅角によって気筒内での燃料の着火性は悪くなるため、本変形例1によるECU200は、メイン噴射時期を所定量αだけ遅角するのに加えて、パイロット噴射量を所定値βだけ増加する。これにより、パイロット噴射量を増加しない場合に比べて、着火性が確保されるため、NOx排出量の増加がより抑制される。
メイン噴射時期の遅角(さらにはパイロット噴射量の増加)によってNOx排出量は一旦低減されるが、その後のPM付着によってEGRクーラ効率がさらに低下すると、NOx排出量が再び増加する。時刻t4にてNOx排出量が再び閾値Ethを超えると、ECU200は、メイン噴射時期をさらに所定量αだけ遅角するとともに、パイロット噴射量をさらに所定値βだけ増加する。同様の処理が時刻t5においても繰り返される。
時刻t6では、EGRクーラ効率のさらなる低下によってNOx排出量が再び増加して閾値Ethを超えているが、仮にこの時点でメイン噴射時期をさらに所定量αだけ遅角すると、メイン噴射時期が予め定められた遅角限界に達してしまう。なお、遅角限界は、ハード制約などによって決まる値であり、たとえばメイン噴射時期の遅角によるエンジン100の性能劣化および潤滑不純が生じない限界値とすることができる。
そこで、本変形例1によるECU200は、時刻t6にてメイン噴射時期が遅角限界に達した場合に、EGRクーラ効率がメイン噴射時期の遅角では抑制できないレベルにまで低下したと判定して、EGRクーラ再生処理を実行する。これにより、経年劣化したEGRクーラ効率を回復させて、NOx排出量を初期値E0付近にまで低減することができる。
なお、本変形例1によるECU200は、EGRクーラ再生処理を実行したことに伴ない、メイン噴射時期およびパイロット噴射量をそれぞれ初期化する(初期値に戻す)。
図6は、本変形例1によるEGRクーラ効率の低下判定処理およびEGRクーラ再生処理をECU200が行なう際に実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、図6に示すステップS10,S12,S18の処理内容は、それぞれ、上述の図4に示すステップS10,S12,S18の処理内容と同じである。
まず、ECU200は、NOxセンサ121によって検出されたNOx排出量を取得し(ステップS10)、NOx排出量が閾値Ethよりも大きいか否かを判定する(ステップS12)。
NOx排出量が閾値Ethよりも大きいと判定されない場合(ステップS12においてNO)、ECU200は、以降の処理をスキップしてリターンへと処理を移す。
NOx排出量が閾値Ethよりも大きいと判定された場合(ステップS12においてYES)、ECU200は、現在のメイン噴射時期を所定量αだけ遅角した時期を、遅角後のメイン噴射時期として算出する(ステップS20)。
次いで、ECU200は、遅角後のメイン噴射時期が予め定められた遅角限界に達するか否かを判定する(ステップS22)。
遅角後のメイン噴射時期が遅角限界に達しない場合(ステップS22においてNO)、ECU200は、メイン噴射時期の遅角を実行する(ステップS24)とともに、パイロット噴射量の増量を実行する(ステップS28)。すなわち、ECU200は、メイン噴射時期を現在のメイン噴射時期よりも所定量αだけ遅角するとともに、パイロット噴射量を現在のパイロット噴射量よりも所定値βだけ増加する。
一方、遅角後のメイン噴射時期が遅角限界に達する場合(ステップS22においてYES)、ECU200は、EGRクーラ効率がメイン噴射時期の遅角では抑制できないレベルにまで低下したと判定し(ステップS14A)、EGRクーラ再生処理を実行する(ステップS18)。EGRクーラ再生処理を実行後において、ECU200は、メイン噴射時期を初期化する(ステップS30)とともに、パイロット噴射量を初期化する(ステップS32)。
以上のように、本変形例1によるECU200は、NOx排出量が閾値Ethを超える毎にメイン噴射時期を所定量αだけ遅角し、この遅角が繰り返されることによってメイン噴射時期が遅角限界に達した場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。その結果、EGRクーラ再生処理の実行回数を低減しつつ、NOx排出量の増加を抑制することができる。
<変形例2>
上述の実施の形態においては、NOx排出量が閾値Ethを超えた場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する例を示した。また、上述の変形例1においては、NOx排出量が閾値Ethを超える毎にメイン噴射時期を所定量αだけ遅角し、メイン噴射時期が遅角限界に達した場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する例を示した。
上述の実施の形態においては、NOx排出量が閾値Ethを超えた場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する例を示した。また、上述の変形例1においては、NOx排出量が閾値Ethを超える毎にメイン噴射時期を所定量αだけ遅角し、メイン噴射時期が遅角限界に達した場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する例を示した。
これに対し、本変形例2によるECU200は、複数の気筒の間でNOx排出量が均等になるように複数の気筒のパイロット噴射量を増減させるフィードバック制御を実行し、複数の気筒のパイロット噴射量のフィードバック調整量の少なくとも1つが所定の調整範囲から外れる場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。以下、この点について詳しく説明する。
EGRクーラ効率が低下すると、EGRガスの密度が低下して気筒内へ還流されるEGRガス量が減少するため、吸気マニホールド120内でのEGRガス濃度の偏りが顕著化する。これにより、各気筒内に流入するEGRガス量の差が大きくなり、気筒間で着火性のばらつきが生じ、その影響で気筒間のNOx排出量の差が大きくなる。すなわち、EGRクーラ効率が低下すると、各気筒内に流入するEGRガス量の差が大きくなり、気筒間のNOx排出量の差が大きくなる。
この点に鑑み、本変形例2によるECU200は、複数の気筒間でNOx排出量が均等になるように複数の気筒のパイロット噴射量を増減させるフィードバック制御を実行する。EGRガス量が多い気筒は、着火性が低下して燃焼温度が低下するため、NOx排出量は減少する傾向にある。したがって、NOx排出量は減少している気筒に対しては、ECU200は、パイロット噴射量を基本噴射量(各気筒の平均噴射量)よりも減少させることによって、NOx排出量を増加させる。なお、パイロット噴射量を基本噴射量よりも減少させる場合には、合せてメイン噴射時期を所定量進角するようにしてもよい。
一方、EGRガス量が少ない気筒は、着火性が向上して燃焼温度が上昇するため、NOx排出量は増加する傾向にある。したがって、NOx排出量が増加している気筒に対しては、ECU200は、パイロット噴射量を基本噴射量よりも増加させることによって、NOx排出量を減少させる。なお、パイロット噴射量を基本噴射量よりも増加する場合には、合せてメイン噴射時期を所定量遅角するようにしてもよい。
各気筒のEGRガス量の差(NOx排出量の差)は、各気筒に対応して設けられた複数のNOxセンサ121の検出値によって把握することができる。なお、特定の負荷において実験計画法を用いて各気筒のEGRガス量の差(NOx排出量の差)を把握するようにしてもよい。実験計画法を用いる場合には、複数の気筒からの排気が集合する排気管131に設けられた1つのNOxセンサおよび排気温センサ125の検出値を使用して、各気筒のEGRガス量の差を把握することができる。
上述のようなフィードバック制御を実行する場合においても、各気筒のパイロット噴射量の基本噴射量に対する増減量(以下「パイロットF/B調整量」ともいう)には調整限界が存在する。そこで、本変形例2によるECU200は、複数の気筒のパイロットF/B調整量の少なくとも1つが所定の調整範囲(調整下限値から調整上限値までの範囲)から外れる場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。
図7は、エンジン100の4つの気筒(#1、#2、#3、#4)におけるパイロットF/B調整量のばらつきの一例を示す図である。図7に示す例では、#1および#4の気筒においてパイロット噴射量を基本噴射量よりも増加させる場合のパイロットF/B調整量が示され、#2および#3の気筒においてパイロット噴射量を基本噴射量よりも低下させる場合のパイロットF/B調整量が示される。
図7に示す例では、#4の気筒におけるパイロットF/B調整量が調整範囲から外れている(調整上限値を超えている)。このような状態である場合に、ECU200は、EGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。
図8は、本変形例2によるEGRクーラ効率の低下判定処理およびEGRクーラ再生処理をECU200が行なう際に実行する処理の概要を示すフローチャートである。
まず、ECU200は、各NOxセンサ121から各気筒のNOx排出量を取得する(ステップS50)。
次いで、ECU200は、ステップS50で取得された各気筒のNOx排出量を用いて、各気筒のEGRガス量が均等になるように各気筒のパイロットF/B調整量を算出する(ステップS52)。
次いで、ECU200は、各気筒のパイロットF/B調整量のなかに、所定の調整範囲から外れる(すなわち調整上限値を上回る、あるいは調整下限値を下回る)パイロットF/B調整量があるか否かを判定する(ステップS60)。
所定の調整範囲から外れるパイロットF/B調整量がない場合(ステップS60においてNO)、ECU200は、基本噴射量に各気筒のパイロットF/B調整量を加えた値を、各気筒のパイロット噴射量に設定する(ステップS62)。
所定の調整範囲から外れるパイロットF/B調整量がある場合(ステップS60においてYES)、ECU200は、EGRクーラ効率が低下したと判定し(ステップS14B)、EGRクーラ再生処理を実行する(ステップS18)。
以上のように、本変形例2によるECU200は、各NOxセンサ121によって検出されたNOx排出量に基づいて、複数の気筒の間でNOx排出量が均等になるように複数の気筒のパイロット噴射量を増減させるフィードバック制御を実行する。そして、ECU200は、複数の気筒のパイロットF/B調整量の少なくとも1つが所定の調整範囲から外れる場合にEGRクーラ効率が低下したと判定してEGRクーラ再生処理を実行する。これにより、各NOxセンサ121によって検出されたNOx排出量に基づいて制御されるパイロット噴射量のフィードバック調整量に基づいてEGRクーラの冷却効率が低下したか否かを適切に判定した上で、EGRクーラ再生処理を実行することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン制御システム、100 エンジン、102 エアクリーナ、104 コンプレッサ、106 インタークーラ、108 吸気管、110 燃料噴射装置、114 サプライポンプ、116 コモンレール、118 インジェクタ、120 吸気マニホールド、121 NOxセンサ、122 タービン、124 触媒、125 排気温センサ、130 排気マニホールド、131 排気管、140 配管、142 クーラ、144 バルブ、200 ECU。
Claims (5)
- エンジンの制御システムであって、
前記エンジンは、
吸気通路および排気通路に接続される気筒と、
前記排気通路内の排気の一部を前記吸気通路に還流させるためのEGR配管と、
前記EGR配管に設けられるEGRクーラとを備え、
前記制御システムは、
前記排気通路に設けられ、窒素酸化物の排出量を検出するセンサと、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記センサによって検出された前記窒素酸化物の排出量に基づいて前記EGRクーラの冷却効率が低下したか否かを判定し、
前記EGRクーラの冷却効率が低下したと判定された場合に前記EGRクーラ内の粒子状物質を除去するためのEGRクーラ再生処理を実行する、エンジンの制御システム。 - 前記制御装置は、前記窒素酸化物の排出量が閾値を超えた場合に前記EGRクーラの冷却効率が低下したと判定して前記EGRクーラ再生処理を実行する、請求項1に記載のエンジンの制御システム。
- 前記エンジンは、前記気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射とメイン噴射とが行なわれるエンジンであり、
前記制御装置は、
前記窒素酸化物の排出量が閾値を超える毎に前記メイン噴射の時期を所定量だけ遅角し、
前記メイン噴射の時期が予め定められた遅角限界に達した場合に前記EGRクーラの冷却効率が低下したと判定して前記EGRクーラ再生処理を実行する、請求項1に記載のエンジンの制御システム。 - 前記エンジンは、複数の前記気筒を有し、各前記気筒への1サイクルの燃料噴射としてパイロット噴射とメイン噴射とが行なわれるエンジンであり、
前記制御装置は、
前記センサによる検出結果に基づいて複数の前記気筒の間で前記窒素酸化物の排出量が均等になるように複数の前記気筒のパイロット噴射量を増減させるフィードバック制御を実行し、
複数の前記気筒の前記パイロット噴射量のフィードバック調整量の少なくとも1つが所定の調整範囲から外れる場合に前記EGRクーラの冷却効率が低下したと判定して前記EGRクーラ再生処理を実行する、請求項1に記載のエンジンの制御システム。 - 前記EGRクーラ再生処理は、前記エンジンの吸入空気量を所定時間増加させる制御である、請求項1〜4のいずれかに記載のエンジンの制御システム。
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