JP2020037628A - ポリエステル系樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性と耐光性、耐トラッキング性に優れるポリエステル系樹脂組成物及びそれからなる成形品を提供する。【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、表面処理された、融点が360℃以上の臭素系難燃剤(B)を1〜25質量部、繊維状無機充填材(C)を5〜50質量部含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル系樹脂組成物及び成形品に関し、詳しくは、難燃性と耐光性、耐トラッキング性に優れるポリエステル系樹脂組成物及びそれからなる成形品に関するものである。
ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的強度、耐薬品性及び電気絶縁性等に優れており、また優れた耐熱性、成形性、リサイクル性を有していることから、電気電子機器部品、自動車部品その他の電装部品、機械部品等に広く用いられている。
電気電子機器分野等では、火災に対する安全を確保するため難燃性が極めて重要であり、また電気的負荷による発火に対する安全性の確保のため、電気的特性の一つである耐トラッキング性に優れていることが必要である。
また近年、電気電子機器部品は、機器自体の小型化、高性能化、高密度化が進んでおり、その結果、絶縁距離が小さくなり、これら部品(成形品)の耐トラッキング性等への要求スペックはますます高度化し、同時に高い難燃性も求められる。
熱可塑性ポリエステル樹脂を難燃化するには、ハロゲン系難燃剤や無機系難燃剤等が配合されるが、これらは熱可塑性ポリエステル樹脂の耐トラッキング性等の電気特性を低下させる傾向にある。
そして、耐トラッキング性を改良する方法としては、ポリオレフィン類を配合する方法(例えば、特許文献1や特許文献2)、あるいは、タルク等に代表されるケイ酸金属塩系充填剤を配合する方法(例えば特許文献3)が従来から提案されている。しかしながら、これらによる樹脂組成物は、難燃性、耐トラッキング性、機械的強度の点で必ずしも十分に満足できるものではなかった。
また、屋外で使用されるような機器向けの部材には高度の耐光性が求められるが、上記のような組成物は耐光性が不十分である。
特開平7−196859号公報 特開平10−67925号公報 特開平10−158486号公報
かかる状況下、難燃性、耐光性及び耐トラッキング性に優れるポリエステル系樹脂材料が強く望まれている。本発明の目的(課題)は、難燃性、耐光性及び耐トラッキング性に優れるポリエステル系樹脂組成物及びそれからなる成形品を提供することにある。
本発明者は、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、融点が特定温度以上である臭素系難燃剤の表面を表面処理した難燃剤と、繊維状無機充填材を特定量含むポリエステル系樹脂組成物が、高い機械的強度を維持しながら、難燃性、耐光性及び耐トラッキング性に優れることを見出した。
本発明は、以下のポリエステル系樹脂組成物及び成形品に関する。
[1]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、表面処理された、融点が360℃以上の臭素系難燃剤(B)を1〜25質量部、繊維状無機充填材(C)を5〜50質量部含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
[2]臭素系難燃剤(B)の表面に表面処理剤を、臭素系難燃剤(B)100質量%に対し、0.5〜10質量%含有する上記[1]に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[3]臭素系難燃剤(B)の融点が400℃以上である上記[1]または[2]に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[4]前記表面処理剤が、酸化チタン、硫酸バリウムまたは酸化亜鉛から選ばれる1つ又は2つ以上の組み合わせからなる上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
[5]臭素系難燃剤(B)が臭素化フタルイミドである上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
[6]水銀灯を光源とし120℃で48時間の耐光性試験を行ったときのΔEが8未満である上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物からなる成形品。
[8]ブレーカー部品用、又は、光源としてLEDを用いる、照明部品もしくは光学部品用の部材である上記[7]に記載の成形品。
本発明は、360℃以上という高い融点の臭素系難燃剤を表面処理することにより、耐光性と耐トラッキング性を向上させることができることを見出したものであって、本発明のポリエステル系樹脂組成物は、高い機械的強度を維持しながら、難燃性と耐光性及び耐トラッキング性に優れる。
したがって、本発明のポリエステル系樹脂組成物は、各種の電気電子機器の部品等に好適に使用でき、特に屋外で使用される電気電子機器の部材、あるいはLED等の光源を用いる照明部品もしくは光学部品用等の部材として好適に使用できる。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、表面処理された、融点が360℃以上の臭素系難燃剤(B)を1〜25質量部、繊維状無機充填材(C)を5〜50質量部含有することを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下に記載する説明は実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[熱可塑性ポリエステル樹脂(A)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を含有する。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれらの化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルのいずれであってもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体が好ましく使用される。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、アントラセン−2,5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、p−ターフェニレン−4,4’−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸が好ましく使用できる。
これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用しても良い。これらは周知のように、遊離酸以外にジメチルエステル等をエステル形成性誘導体として重縮合反応に用いることができる。
なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、へキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環式ジオール等、及びそれらの混合物等が挙げられる。なお、少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を1種以上共重合せしめてもよい。
また、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールも用いることができる。
また、上記のような二官能性モノマー以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三官能性モノマーや分子量調節のため脂肪酸等の単官能性化合物を少量併用することもできる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)としては、通常は主としてジカルボン酸とジオールとの重縮合からなるもの、即ち樹脂全体の50質量%、好ましくは70質量%以上がこの重縮合物からなるものを用いる。ジカルボン酸としては芳香族カルボン酸が好ましく、ジオールとしては脂肪族ジオールが好ましい。
中でも好ましいのは、酸成分の95モル%以上がテレフタル酸であり、アルコール成分の95質量%以上が脂肪族ジオールであるポリアルキレンテレフタレートである。その代表的なものはポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレートである。これらはホモポリエステルに近いもの、即ち樹脂全体の95質量%以上が、テレフタル酸成分及び1,4−ブタンジオール又はエチレングリコール成分からなるものであるのが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、0.3〜2dl/gであるものが好ましい。固有粘度が0.3dl/gより低いものを用いると、得られる樹脂組成物が機械的強度の低いものとなりやすい。また2dl/gより高いものでは、樹脂組成物の流動性が悪くなり成形性が悪化したりする場合がある。固有粘度は、成形性及び機械的特性の点からして、より好ましくは0.4dl/g以上、さらには0.5dl/g以上、特には0.6dl/g以上が好ましく、また、より好ましくは1.5dl/g以下、さらには1.2dl/g以下、特には0.9dl/g以下が好ましい。
なお、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の末端カルボキシル基量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、60eq/ton以下であり、50eq/ton以下であることが好ましく、30eq/ton以下であることがさらに好ましい。50eq/tonを超えると、樹脂組成物の溶融成形時にガスが発生しやすくなる。末端カルボキシル基量の下限値は特に定めるものではないが、通常3eq/ton、好ましくは5eq/ton、より好ましくは通常、10eq/tonである。
なお、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mlに樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を用いて滴定により測定する値である。末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
中でも、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含むものであることが好ましく、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中の50質量%以上がポリブチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分又はこれらのエステル誘導体と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分を、回分式又は通続式で溶融重合させて製造することができる。また、溶融重合で低分子量のポリブチレンテレクタレート樹脂を製造した後、さらに窒素気流下又は減圧下固相重合させることにより、重合度(又は分子量)を所望の値まで高めることができる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、連続式で溶融重縮合する製造法が好ましい。
エステル化反応を遂行する際に使用される触媒は、従来から知られているものであってよく、例えば、チタン化合物、錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物などを挙げることができる。これらの中で特に好適なものは、チタン化合物である。エステル化触媒としてのチタン化合物の具体例としては、例えば、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタンアルコラート、テトラフェニルチタネートなどのチタンフェノラートなどを挙げることができる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、共重合により変性したポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、「変性ポリブチレンテレフタレート樹脂」ということもある。)であってもよいが、その具体的な好ましい共重合体としては、ポリアルキレングリコール類(特にはポリテトラメチレングリコール)を共重合したポリエステルエーテル樹脂や、ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂として、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂を用いる場合は、共重合体中のテトラメチレングリコール成分の割合は3〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%がさらに好ましい。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂として、ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合は、全カルボン酸成分に占めるダイマー酸成分の割合は、カルボン酸基として0.5〜30モル%であることが好ましく、1〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂として、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合は、全カルボン酸成分に占めるイソフタル酸成分の割合は、カルボン酸基として1〜30モル%であることが好ましく、1〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂の中でも、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、0.5〜2dl/gであるものが好ましい。成形性及び機械的特性の点からして、0.6〜1.5dl/gの範囲の固有粘度を有するものがより好ましい。固有粘度が0.5dl/gより低いものを用いると、得られる樹脂組成物が機械的強度の低いものとなりやすい。また2dl/gより高いものでは、樹脂組成物の流動性が悪くなり成形性が悪化する場合がある。
なお、固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、60eq/ton以下であり、50eq/ton以下であることが好ましく、40eq/ton以下であることがより好ましく、30eq/ton以下であることがさらに好ましい。50eq/tonを超えると、樹脂組成物の溶融成形時にガスが発生しやすくなる。末端カルボキシル基量の下限値は特に定めるものではないが、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造の生産性を考慮し、通常、10eq/tonである。
なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mLにポリアルキレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を用いて滴定により測定する値である。末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)としては、ポリブチレンテレフタレートホモポリマーと前記変性ポリブチレンテレフタレート樹脂とを含むものも好ましい。変性ポリブチレンテレフタレート樹脂を特定量含有することにより、ウエルド強度、耐アルカリ性が向上しやすくなり好ましい。
ポリブチレンテレフタレートホモポリマーと変性ポリブチレンテレフタレート樹脂とを含有する場合の含有量は、ポリブチレンテレフタレートホモポリマーと変性ポリブチレンテレフタレート樹脂の合計100質量%に対して、変性ポリブチレンテレフタレート樹脂が、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%である。
さらに、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有することも好ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂を特定量含有することにより、ウエルド強度が向上しやすくなり好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有する場合の含有量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量%に対して、ポリエチレンテレフタレート樹脂が、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜45質量%であり、さらに好ましくは15〜40質量%である。
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、全構成繰り返し単位に対するテレフタル酸及びエチレングリコールからなるオキシエチレンオキシテレフタロイル単位を主たる構成単位とする樹脂であり、オキシエチレンオキシテレフタロイル単位以外の構成繰り返し単位を含んでいてもよい。ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸又はその低級アルキルエステルとエチレングリコールとを主たる原料として製造されるが、他の酸成分及び/又は他のグリコール成分を併せて原料として用いてもよい。
テレフタル酸以外の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸及びこれらの構造異性体、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸及びその誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸等のオキシ酸又はその誘導体が挙げられる。
また、エチレングリコール以外のジオール成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族ジヒドロキシ化合物誘導体等が挙げられる。
更に、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメリシン酸、トリメリット酸等の如き三官能、もしくはピロメリット酸の如き四官能のエステル形性能を有する酸、又はグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等の如き三官能もしくは四官能のエステル形成能を有するアルコールを1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは0.3モル%以下を共重合せしめたものであってもよい。
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、好ましくは0.3〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.3〜1.2dl/g、特に好ましくは0.4〜0.8dl/gである。
なお、ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基の濃度は、3〜50eq/ton、中でも5〜40eq/ton、更には10〜30eq/tonであることが好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基濃度は、ベンジルアルコール25mLにポリエチレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を使用して滴定することにより求める値である。
末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
[臭素系難燃剤(B)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、表面処理された、融点が360℃以上の臭素系難燃剤(B)を含有する。
臭素系難燃剤としては各種のものがあるが、本発明では、その融点が360℃以上のものを使用する。
結晶性難燃剤の場合の融点は、ISO 1137に従う示差走査熱量測定法(DSC)によって測定される。
融点が360℃以上の臭素系難燃剤(B)としては、例えば、下記一般式(1)で表される臭素化フタルイミド化合物が好ましい。
(一般式(1)中、Dはアルキレン基、アルキルエーテル基、ジフェニルスルフォン基、ジフェニルケトン基あるいはジフェニルエーテル基を示す。iは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)で示される臭素化フタルイミド化合物としては、例えばN,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)エタン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)プロパン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ブタン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジエチルエーテル、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジプロピルエーテル、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジブチルエーテル、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジフェニルスルフォン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジフェニルケトン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジフェニルエーテル等が挙げられる。
上記の中でも、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)エタン、すなわち、N,N’−エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)(融点456℃)が特に好ましい。
また、融点が360℃以上の臭素系難燃剤(B)としては、例えば、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン(融点382℃)等も好ましく挙げられる。
上記のなかでも臭素系難燃剤(B)はその融点が400℃以上であることが好ましく、より好ましくは420℃以上、更に好ましくは440℃以上である。また、融点の上限は限定されるものではないが、500℃以下であるのが好ましい。
本発明においては、上記した360℃以上という高い融点を有する臭素系難燃剤を、その表面を表面処理する。難燃剤を表面処理すると分散性が向上することが考えられるが、本発明では耐光性と耐トラッキング性が向上させるために表面処理を施す。
表面処理に供する表面処理剤としては、無機の酸化物あるいは金属塩が好ましく、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム等が好ましく、特には酸化チタン、硫酸バリウムまたは酸化亜鉛が好ましい。
表面処理剤は一種を単独でも複数を併用して用いてもよく、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛はこれらの1つを単独で用いても2つを組み合わせて用いてもよい。
これらの表面処理剤は、微粒子化したものが特に好ましく、平均粒子径(D50)が、1nm〜400nmのものが好ましく、5〜350nmがより好ましく、10〜300nmのものがさらに好ましく、10〜200nmの微粒子であることが最も好ましい。
臭素系難燃剤(B)を表面処理剤で表面処理をするには、例えば、表面処理剤をスラリー状にして表面に付着させればよく、具体的には、臭素系難燃剤(B)に表面処理剤のスラリーを加え撹拌、混合後、乾燥させる等により、臭素系難燃剤(B)の表面を表面処理剤で被覆することができる。
表面処理剤の添加量は、臭素系難燃剤(B)100質量%に対し、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1〜10質量%、さらには2〜10質量%含有することが好ましい。
ポリエステル系樹脂組成物を製造する際には、通常、例えば280℃等の設定温度で溶融混練され、樹脂温度は300℃超まで上がることもある。この際、臭素系難燃剤(B)の融点が低いと、臭素系難燃剤(B)が溶融または軟化し、表面処理剤による表面被覆も剥がれやすくなる。そうすると臭素系難燃剤(B)の劣化、特に臭素系難燃剤(B)の芳香環が炭化して導電経路が形成されやすく、耐トラッキング性が悪化することになる。一方、本発明では臭素系難燃剤(B)の融点が360℃以上と十分高いので、このような現象は起こりにくく、表面処理剤による被覆は剥がれにくく、十分な耐トラッキング性を発現するものと考えられる。
[繊維状無機充填材(C)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、繊維状無機充填材(C)を含有する。
繊維状無機充填材(C)としては、樹脂組成物の強化用充填材として用いられているものを用いればよく、例えばガラス繊維、カーボン繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維が挙げられる。なかでも、高い強度及び剛性を有する成形品を与える点で、ガラス繊維を用いるのが好ましい。
ガラス繊維としては、通常熱可塑性ポリエステル樹脂に使用されているものであれば、Aガラス、Eガラス、ジルコニア成分含有の耐アルカリガラス組成や、チョツプドストラント、ロービングガラス、熱可塑性樹脂とガラス繊維のマスターバッチ等の配合時のガラス繊維の形態を問わず、公知のいかなるガラス繊維も使用可能である。なかでも本発明に用いるガラス繊維としては、本発明のポリエステル系樹脂組成物の熱安定性を向上させる目的から無アルカリガラス(Eガラス)が好ましい。
繊維状無機充填材(C)は、集束剤や表面処理剤により処理がなされていてもよい。また、本発明の樹脂組成物製造時に、未処理の繊維状無機充填材(C)とは別に、集束剤や表面処理剤を添加し、表面処理してもよい。
集束剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂エマルジョン等が挙げられる。
表面処理剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系化合物、ビニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン等のクロロシラン系化合物、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン系化合物、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系化合物、アクリル系化合物、イソシアネート系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物などが挙げられる。
これらの集束剤や表面処理剤は2種以上を併用してもよく、その使用量(付着量)は、繊維状無機充填材(C)の質量に対し、通常10質量%以下、好ましくは0.05〜5質量%である。付着量を10質量%以下とすることにより、必要十分な効果が得られ、経済的である。
繊維状無機充填材(C)は、要求される特性に応じて2種以上を併用してもよく、その含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して5〜50質量部、好ましくは10〜45質量部、より好ましくは15〜40質量部である。このような範囲で含有することにより得られた成形品の強度や耐熱性の向上、収縮率の低減効果を高めることができ、含有量が50質量部を超えると、成形品の表面外観が低下する場合があり、5質量部未満では強度の向上効果が少なくなる。
[難燃助剤(D)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、難燃助剤(D)を含有することが好ましい。難燃助剤(D)としては、例えば、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、アンチモン化合物、硼酸亜鉛等が挙げられ、2種以上併用してもよい。これらの中でも、難燃性がより優れる点からアンチモン化合物、硼酸亜鉛が好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb)、五酸化アンチモン(Sb)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、臭素系難燃剤(B)との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。
難燃助剤(D)として、アンチモン化合物を併用する場合は、ポリエステル系樹脂組成物中の臭素系難燃剤(B)由来の臭素原子と、アンチモン化合物由来のアンチモン原子の質量濃度が、両者の合計で3〜25質量%であることが好ましく、4〜22質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることがさらに好ましい。3質量%未満であると難燃性が低下する傾向にあり、20質量%を超えると機械的強度が低下する傾向にある。また、臭素原子とアンチモン原子の質量比(Br/Sb)は、0.3〜5であることが好ましく、0.3〜4であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、難燃性が発現しやすい傾向にあり好ましい。
難燃助剤(D)は1種を単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
難燃助剤(D)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.5〜20量部、より好ましくは0.7〜18質量部、さらに好ましくは1〜15質量部である。
[繊維状無機充填材(C)以外の他の無機充填材(E)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上記した繊維状無機充填材(C)以外に、板状、粒状又は無定形の他の無機充填材(E)を含有することも好ましい。板状無機充填材は、異方性及びソリを低減させる機能を発揮するものであり、タルク、ガラスフレーク、マイカ、雲母、カオリン、金属箔等が挙げられる。板状無機充填材の中で好ましいのは、ガラスフレークである。
粒状又は無定形の他の無機充填材としては、セラミックビーズ、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
無機充填材(E)としては、特にタルク、酸化チタン、硫化亜鉛が好ましい。
無機充填材(E)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは、0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.5質量部以上であり、さらに好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、特に好ましくは7質量部以下である。
[離型剤(F)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、離型剤(F)を含有することが好ましい。離型剤としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、耐アルカリ性が良好な点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物が好ましく、特に、ポリオレフィン系化合物が好ましい。
ポリオレフィン系化合物としては、パラフィンワックス及びポリエチレンワックスから選ばれる化合物が挙げられ、中でも、重量平均分子量が、700〜10000、更には900〜8000のものが好ましい。
脂肪酸エステル系化合物としては、飽和又は不飽和の1価又は2価の脂肪族カルボン酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類やその部分鹸化物等が挙げられる。中でも、炭素数11〜28、好ましくは炭素数17〜21の脂肪酸とアルコールで構成されるモノ又はジ脂肪酸エステルが好ましい。
脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。また、脂肪酸は、脂環式であってもよい。
アルコールとしては、飽和又は不飽和の1価又は多価アルコールを挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが更に好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪酸エステル系化合物の具体例としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリン−12−ヒドロキシモノステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ぺンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリストールジステアレート、ステアリルステアレート、エチレングリコールモンタン酸エステル等が挙げられる。
離型剤(F)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部であるが、0.2〜2.5質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.3〜2質量部である。0.1質量部未満であると、溶融成形時の離型不良により表面性が低下しやすく、一方、3質量部を超えると、樹脂組成物の練り込み作業性が低下しやすく、また成形体表面に曇りが生じやすい。
[安定剤(G)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、安定剤(G)を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性や色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、イオウ系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
イオウ系安定剤としては、従来公知の任意のイオウ原子含有化合物を用いることが出来、中でもチオエーテル類が好ましい。具体的には例えば、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテート、トリラウリルトリチオホスファイトが挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)が好ましい。
フェノール系安定剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−ネオペンチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
安定剤(G)は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
安定剤(G)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは0.001〜2質量部である。安定剤の含有量が0.001質量部未満であると、樹脂組成物の熱安定性や相溶性の改良が期待しにくく、成形時の分子量の低下や色相悪化が起こりやすく、2質量部を超えると、過剰量となりシルバーの発生や、色相悪化が更に起こりやすくなる傾向がある。安定剤(G)の含有量は、より好ましくは0.01〜1.5質量部であり、更に好ましくは、0.1〜1質量部である。
[その他含有成分]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上記した熱可塑性ポリエステル樹脂(A)以外の他の熱可塑性樹脂を、本発明の効果を損わない範囲で含有することができる。その他の熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
ただし、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)以外のその他の樹脂を含有する場合の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらには5質量部以下、特には3質量部以下とすることが好ましい。
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物は、前記した以外の種々の添加剤を含有していてもよく、このような添加剤としては、滴下防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、着色剤、アンチドリッピング剤等が挙げられる。
[ポリエステル系樹脂組成物の製造]
本発明のポリエステル系樹脂組成物を製造するには、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。すなわち、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、表面処理された臭素系難燃剤(B)及び繊維状無機充填材(C)、所望により添加されるその他樹脂成分及び種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、樹脂組成物を調製することもできる。また、一部をマスターバッチ化したものを配合して溶融混練してもよい。さらには、予め各成分を混合した混合物を、溶融混練することなく、そのまま射出成形機等の成形機に供給し、各種成形品を製造することも可能である。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常220〜300℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、外観不良の原因になる場合がある。それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュー構成の選定が望ましい。混練時や、後行程の成形時の分解を抑制する為、酸化防止剤や熱安定剤の使用が望ましい。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、水銀灯を光源とし120℃で48時間の耐光性試験を行ったときのΔEが8未満であることが好ましい。ここで、水銀灯を光源とした耐光性試験は、ポリエステル系樹脂組成物を射出成形した厚さが2mmの平板状試験片に対し、照度が400W/m、温度120℃の条件で、照射を48時間行う。耐光性試験前後の試験片について、その色差ΔEを求める。
ΔEが8未満であることで、凡そ照明機器周辺部材で長期間使用するに値する耐光性であるものと判断できる。ΔEは、より好ましくは6未満、さらに好ましくは5未満、特に好ましくは4未満である。
[成形品]
本発明のポリエステル系樹脂組成物を用いて成形品を製造する方法は、特に限定されず、ポリエステル系樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等が挙げられる。中でも、生産性と、得られる成形品の表面性が良好となるなど、本発明の効果が顕著であることから、射出成形法が好ましい。
得られた成形品は、難燃性と耐光性、耐トラッキング性に優れるので、これらの特性が厳しく求められるブレーカー用、又は、光源としてLEDを用いる、照明部品もしくは光学部品用の部材として特に好適に使用される。
ブレーカー用としては、特に屋外に設置される屋外ブレーカーの部品用として特に好適である。また、光源としてLEDを用いる照明部品もしくは光学部品としては、各種照明カバー、照明看板、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光反射板や光拡散板等に特に好適に用いることができる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
以下の実施例および比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
表1中のB1、B2、BX2及びBX3の難燃剤は、以下の製造例1〜4により製造した。
[製造例1(難燃剤B1の製造)]
エチレンビステトラブロモフタルイミド(アルベマール社製、商品名「BT93W」、融点460℃)100質量部に、酸化チタン微粒子(平均一次粒子径D50:15nm)の水懸濁液(スラリー濃度:10質量%)50質量部を加え、攪拌機を用いて10分間混合処理を行い、十分乾燥させて、酸化チタンで表面処理した表面処理臭素化フタルイミド(難燃剤B1)を得た。
酸化チタンの含有量は、エチレンビステトラブロモフタルイミド100質量%に対し、5質量%であった。
[製造例2(難燃剤B2の製造)]
エチレンビステトラブロモフタルイミド100質量部に、酸化チタン微粒子(平均一次粒子径D50:35μm)と水懸濁液(スラリー濃度:10質量%)50質量部を加え、攪拌機を用いて10分間混合処理を行い、十分乾燥させて、酸化チタンで表面処理した表面処理臭素化フタルイミド(難燃剤B2)を得た。
酸化チタンの含有量は、エチレンビステトラブロモフタルイミド100質量%に対し、5質量%であった。
[製造例3(難燃剤BX2の製造)]
臭素化エポキシ樹脂(宇進社製、商品名「CXB2000H」、融点180℃)100質量部に、酸化チタン微粒子(平均一次粒子径D50:35nm)と水懸濁液(スラリー濃度:10質量%)50質量部を加え、攪拌機を用いて10分間混合処理を行い、十分乾燥させて、酸化チタンで表面処理した表面処理臭素化エポキシ樹脂(難燃剤BX2)を得た。
酸化チタンの含有量は、臭素化エポキシ樹脂100質量%に対し、5質量%であった。
[製造例4(難燃剤BX3の製造)]
臭素化ポリカーボネート樹脂(帝人社製、商品名「ファイアガード8500」、融点なし、非晶性)100質量部に、酸化チタン微粒子(平均粒子径D50:35μm)と水懸濁液(スラリー濃度:10質量%)50質量部を加え、攪拌機を用いて10分間混合処理を行い、十分乾燥させて、酸化チタンで表面処理した表面処理臭素化ポリカーボネート樹脂(難燃剤BX3)を得た。
酸化チタンの含有量は、臭素化ポリカーボネート樹脂100質量%に対し、5質量%であった。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
上記表1に示した各成分を後記表2に示す割合(全て質量部)にて、タンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30α」、L/D=42)を使用し、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練した樹脂組成物を、水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリエステル系樹脂組成物のペレットを得た。
<機械的強度>
[引張破断強度、引張破断伸び率]
上記で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼社製射出成形機(型締め力85T)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。
ISO527に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)を用いて、引張破断強度(単位:MPa)、引張破断伸び率(単位:%)を測定した。
[曲げ最大強度、曲げ弾性率]
ISO178に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)を用いて、23℃の温度で、曲げ最大強度(単位:MPa)と曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
[ノッチ付シャルピー衝撃強度]
ISO179に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)にノッチ加工を施したノッチ付き試験片について、23℃の温度でノッチ付シャルピー衝撃強度(単位:kJ/m)を測定した。
<燃焼性>
得られたペレットを、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で、12.5mm×125mm×1.5mm厚みの燃焼試験片を射出成形した。 燃焼性の評価を、以下のようにして行った。 アンダーライターズ・ラボラトリーズのサブジェクト94(UL94)の方法に準じ、上記で得られた燃焼試験片(厚み:1.5mm)5本を用いて、燃焼性を試験し、V−0、V−1、V−2及び不適合に分類した。
<電気的特性−耐トラッキング性>
上記で得られたペレットを直前まで120℃にて6時間乾燥した後、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX−80」)を用い、シリンダー温度260℃で、厚さ3.0mm、50φの円板状試験片を成形し、試験法UL746A 23項で規定されている耐トラッキング性の試験を行い、ASTM D3638に準拠して測定した。装置のノズルから電解液(塩化アンモニウム0.1%水溶液、23℃で抵抗率385Ω・cm)を30秒間隔で滴下させ、両白金電極間に600V以下(25Vステップ)の電圧を印加し、トラッキングが発生するまでの電解液滴下数を測定し、5回の平均値が50滴未満となる電圧(単位:V)を求めた。
<耐光性−耐光変色性>
日精樹脂工業社製「NEX−80」を用い、シリンダー温度260℃の条件で、大きさ100×100cmで、厚みが2mmの平板試験片を射出成形した。 温度120℃にて、48時間、400Wの水銀灯の照射を行った。試験片は光源中心から240mmの位置に設置した。その試験片の試験前後の色差を下記の方法で測定した。
分光測色色差計(コニカミノルタ社製「CM−3600d」)を使用し、耐光性試験前と試験後のSCI法に基づく色差(ΔE)を次式で評価した。
ΔE=((ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔEが小さいほど変色性が小さく、耐光変色性に優れているといえる。
以上の結果を、以下の表2に示す。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、難燃性と耐光性、耐トラッキング性に優れるポリエステル樹脂材料ので、ブレーカー部品用、又は、光源としてLEDを用いる、照明部品もしくは光学部品用の部材として特に好適に利用できる。

Claims (8)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、表面処理された、融点が360℃以上の臭素系難燃剤(B)を1〜25質量部、繊維状無機充填材(C)を5〜50質量部含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
  2. 臭素系難燃剤(B)の表面に表面処理剤を、臭素系難燃剤(B)100質量%に対し、0.5〜10質量%含有する請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  3. 臭素系難燃剤(B)の融点が400℃以上である請求項1または2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  4. 前記表面処理剤が、酸化チタン、硫酸バリウムまたは酸化亜鉛から選ばれる1つ又は2つ以上の組み合わせからなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
  5. 臭素系難燃剤(B)が臭素化フタルイミドである請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
  6. 水銀灯を光源とし120℃で48時間の耐光性試験を行ったときのΔEが8未満である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物からなる成形品。
  8. ブレーカー部品用、又は、光源としてLEDを用いる、照明部品もしくは光学部品用の部材である請求項7に記載の成形品。
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