JP2020035661A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックの出力電圧を昇圧するスイッチング素子の短絡時に、共連れ故障の発生を抑制する。【解決手段】燃料電池スタックとコンバータとリレーとコントローラを備えており、燃料電池スタックとリレーの間にコンバータが接続されている。コンバータは、リアクトルとスイッチング素子の直列回路の複数個を並列に接続した回路を備え、各直列回路が燃料電池スタックの高電位端子と低電位端子の間を接続している。コントローラは、複数個のスイッチング素子を個々に制御するとともに、いずれかのスイッチング素子に短絡異常が発生したことを検知した際には他のスイッチング素子を導通させる処理を実施する。これにより、他のスイッチング素子にも分散して短絡電流を流すことができる。【選択図】図1
Description
本明細書は、燃料電池スタックとコンバータを備えており、燃料電池スタックが出力する電圧をコンバータで変圧して負荷に供給する燃料電池システムを開示する。
従来の燃料電池システムは、燃料電池スタックとコンバータの間にリレーを接続している。特許文献1は、コンバータと負荷の間にリレーを接続する技術を開示している。前者では、コンバータの上流側にリレーが接続されており(以下では上流方式という)、後者ではコンバータの下流側にリレーが接続されている(以下では下流方式という)。特許文献1は、下流方式とすることによってリレーを小型化できるとしている。
上流方式の場合、コンバータのスイッチング素子が短絡故障したときに、上流側リレーによって燃料電池スタックからコンバータを切り離すことができる。これにより、燃料電池スタックからコンバータに短絡電流が流れ続けることを防ぐことができる。
下流方式の場合、コンバータのスイッチング素子が短絡故障したときに、リレーによって燃料電池スタックからコンバータを切り離すことができない。下流方式の場合、燃料電池スタックからコンバータに短絡電流が流れ続け、リアクタンス等のコンバータ部品が過熱し、短絡故障したスイッチング素子以外の電子部品まで損傷させてしまうことがある(以下では共連れ故障という)。
本明細書では、下流方式で問題となる共連れ故障の発生を抑制し、リレーの小型化といった下流方式の利点を享受可能とする技術を開示する。
本明細書が開示する燃料電池システムは、燃料電池スタックとコンバータとリレーとコントローラを備えており、コンバータと負荷の間にリレーが接続されている。すなわち、下流方式であって、燃料電池スタックとリレーの間にコンバータが接続されている。
コンバータは、リアクトルとスイッチング素子の直列回路の複数個を並列に接続した回路を備えており、各直列回路が燃料電池スタックの高電位端子と低電位端子の間を接続している。
コントローラは、複数個の前記スイッチング素子を個々に制御するとともに、いずれかの前記スイッチング素子に短絡異常が発生したことを検知した際には他のスイッチング素子を導通させる処理を実施する。
コンバータは、リアクトルとスイッチング素子の直列回路の複数個を並列に接続した回路を備えており、各直列回路が燃料電池スタックの高電位端子と低電位端子の間を接続している。
コントローラは、複数個の前記スイッチング素子を個々に制御するとともに、いずれかの前記スイッチング素子に短絡異常が発生したことを検知した際には他のスイッチング素子を導通させる処理を実施する。
上記したように、いずれかのスイッチング素子に短絡異常が発生した際に、コントローラが他のスイッチング素子を導通させると、短絡したスイッチング素子を経由する導通路のみに短絡電流が集中して流れることを防止し、他のスイッチング素子を経由する導通路にも分散して電流が流れるようにすることができる。下流方式で問題となる共連れ故障の発生を抑制することができる。共連れ故障の発生を抑制し、リレーの小型化といった下流方式の利点を享受可能とする。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施例の燃料電池システム2を説明する。図1は、実施例の燃料電池システム2を搭載した燃料電池自動車100の駆動系のブロック図である。燃料電池自動車100は走行用モータ32が発生する駆動力を利用して走行する。走行用モータ32が発生した駆動力は、ドライブシャフトを介してディファレンシャルギア34に入力して駆動輪36、38に伝達される。制動時は、走行用モータ32が発電機として機能する。
燃料電池自動車100は、走行用モータ32に電力を供給する燃料電池スタック4とバッテリ14を備えている。
燃料電池スタック4は、複数個の燃料電池セルを積層したスタックであり、不図示の水素タンクから供給される水素と外部から取り込まれる酸素との電気化学反応により直流電圧を出力する直流電源である。燃料電池スタック4は、FC(フューエルセル)と称される場合もある。
バッテリ14は、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池セルを直列及び並列に多数接続した電池スタックである。燃料電池スタック4とバッテリ14は、いずれも、出力電圧が100ボルト程度である。
燃料電池スタック4は、複数個の燃料電池セルを積層したスタックであり、不図示の水素タンクから供給される水素と外部から取り込まれる酸素との電気化学反応により直流電圧を出力する直流電源である。燃料電池スタック4は、FC(フューエルセル)と称される場合もある。
バッテリ14は、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池セルを直列及び並列に多数接続した電池スタックである。燃料電池スタック4とバッテリ14は、いずれも、出力電圧が100ボルト程度である。
これに対して、走行用モータ32は、数100ボルト以上の三相交流電力で駆動する。そのため、燃料電池自動車100は、FC昇圧コンバータ6と双方向コンバータ18を備えている。
FC昇圧コンバータ6は、燃料電池スタック4が出力する電圧を走行用モータ32の駆動電圧に昇圧してインバータ30に供給する。双方向コンバータ18は、バッテリ14が出力する電圧を走行用モータ32の駆動電圧に昇圧し、インバータ30に供給する。インバータ30は、燃料電池スタック4またはバッテリ14が出力する直流電力を3相交流に変換し、走行用モータ32に供給する。制動時には、走行用モータ32が発電した3相交流をインバータ30によって直流電力に変換する。
FC昇圧コンバータ6は、燃料電池スタック4が出力する電圧を走行用モータ32の駆動電圧に昇圧してインバータ30に供給する。双方向コンバータ18は、バッテリ14が出力する電圧を走行用モータ32の駆動電圧に昇圧し、インバータ30に供給する。インバータ30は、燃料電池スタック4またはバッテリ14が出力する直流電力を3相交流に変換し、走行用モータ32に供給する。制動時には、走行用モータ32が発電した3相交流をインバータ30によって直流電力に変換する。
双方向コンバータ18は、バッテリ14からシステムメインリレー16を介して供給される直流電力の電圧を走行用モータ32の駆動に適した電圧まで昇圧する機能と、走行用モータ32が発電した電力の電圧をバッテリ14の充電に適した電圧まで降圧する機能を有する。また双方向コンバータ18は、燃料電池スタック4からFC昇圧コンバータ6を介して供給される直流電力の電圧をバッテリ14の充電に適した電圧まで降圧する機能も有する。双方向コンバータ18は、主にリアクトルと2個のスイッチング素子で構成される既知の回路構成を有する。双方向コンバータ18の回路構成の詳細な説明は省略する。
インバータ30は、FC昇圧コンバータ6または双方向コンバータ18から供給される直流電力をU相、V相、W相の三相交流電力に変換して走行用モータ32に供給したり、走行用モータ32が発電した三相交流電力を直流電力に変換して双方向コンバータ18へ供給したりする。インバータ30は、主に2個のスイッチング素子の直列回路が3組並列に接続された既知の回路構成を有している。インバータ30の回路構成の詳細な説明は省略する。
バッテリ14と双方向コンバータ18の間に、両者の電気的な接続をオン・オフ可能なシステムメインリレー16が挿入されている。また、FC昇圧コンバータ6とインバータ30の間に、両者の電気的な接続をオン・オフ可能なFCリレー8が挿入されている。即ち、燃料電池システム2は上述した下流方式であり、FC昇圧コンバータ6の下流側にFCリレー8が挿入されている。
FC昇圧コンバータ6は、燃料電池スタック4から供給される直流電力の電圧を走行用モータ32の駆動に適した電圧まで昇圧する機能を有するものである。図2に、FC昇圧コンバータ6の回路図を示す。
FC昇圧コンバータ6は、燃料電池スタック4の高電位端子と低電位端子のそれぞれに接続されている入力側の高電位端子6aと低電位端子6bを備えている。また、FC昇圧コンバータ6は、FCリレー8を介してインバータ30の高電位端子と低電位端子のそれぞれに接続されている出力側の高電位端子6cと低電位端子6dを備えている。低電位端子6bと低電位端子6dは、低電位線NLで接続されている。高電位端子6cには高電位線PLが接続されている。また、平滑コンデンサ72は、高電位端子6cと低電位端子6dの間に接続されている。
FC昇圧コンバータ6は、いわゆる多相コンバータである。FC昇圧コンバータ6は、昇圧回路61a〜61dを4相分並列に接続している。図2では、参照番号61aのみを示し、参照番号61b〜61dの図示を省略している。各昇圧回路61a〜61dは、同じ構成を有している。以下では、二点鎖線で示す昇圧回路61aの構成を代表して説明する。
昇圧回路61aは、リアクトル62aとスイッチング素子66aの直列回路を含んでおり、その直列回路は入力側の高電位端子6aと低電位線NLの間に接続されている。リアクトル62aの一端は、入力側の高電位端子6aに接続され、他端はスイッチング素子66aのコレクタ端子に接続されている。スイッチング素子66aのエミッタ端子は、低電位線NLに接続されている。なお、スイッチング素子66aは、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)である。スイッチング素子66aは、パワーMOSFETであってもよい。
昇圧回路61aは、リアクトル62aとスイッチング素子66aの直列回路を含んでおり、その直列回路は入力側の高電位端子6aと低電位線NLの間に接続されている。リアクトル62aの一端は、入力側の高電位端子6aに接続され、他端はスイッチング素子66aのコレクタ端子に接続されている。スイッチング素子66aのエミッタ端子は、低電位線NLに接続されている。なお、スイッチング素子66aは、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)である。スイッチング素子66aは、パワーMOSFETであってもよい。
昇圧回路61aは、さらに、ダイオード68a、70aを含む。ダイオード68aは、スイッチング素子66aに逆並列に接続されている還流用のダイオードである。ダイオード70aは、出力側から入力側への電流の逆流を防ぐためのダイオードである。ダイオード70aのアノード電極は、リアクトル62aとスイッチング素子66aの接続点Maに接続されており、ダイオード70aのカソード電極は、高電位線PLを介して出力側の高電位端子6cに接続されている。なお、他の昇圧回路61b〜61dのダイオード70b〜70dのカソード電極も、高電位線PLを介して出力側の高電位端子6cに接続されている。即ち、4相分の昇圧回路61a〜61d内の接続点Ma〜Mdの全部が、高電位線PLを介して出力側の高電位端子6cに接続されている。
FC昇圧コンバータ6は、電流センサ64a〜64dを備えている。電流センサ64aは、リアクトル62aを流れる電流Iaを計測する。電流センサ64aは、リアクトル62aと接続点Maの間の配線に挿入して設けられる。また、電流センサ64b〜64dも同様に、リアクトル62b〜62dを流れる電流Ib〜Idを計測する。電流センサ64b〜64dは、リアクトル62b〜62dと接続点Mb〜Mdの間の配線に挿入して設けられる。なお、電流センサ64a〜64dは、配線に隣接して設けられてもよい。
各電流センサ64a〜64dはコントローラ10に接続されており、それぞれが計測した電流値をコントローラ10に出力する。
コントローラ10は、スイッチング素子66a〜66dを個々に制御するために、スイッチング素子66a〜66dの各々のゲート端子と接続されている。コントローラ10は、4相分のスイッチング素子66a〜66dを個々にオン・オフ制御するために、4種類のパルス信号を生成し、生成した4種類のパルス信号を対応するスイッチング素子66a〜66dの各々に供給し、スイッチング素子66a〜66dを個々に制御する。個々に制御するために、FC昇圧コンバータ6を自在に制御することができ、いわゆるソフトスイッチングが可能となる。
コントローラ10は、上位コントローラ40(図1参照)にも接続されている。コントローラ10は、各電流センサ64a〜64dからの計測値と、上位コントローラ40からの指令に基づいて、4相分のスイッチング素子66a〜66dを個々に制御する。なお、双方向コンバータ18もコントローラ20で制御され、そのコントローラ20も上位コントローラ40と通信するように構成されている。
上位コントローラ40は、例えば、燃料電池自動車100の運転席に設けられているスタートスイッチのオン信号を受けて、システムメインリレー16、FCリレー8をオンに切り換える。また、上位コントローラ40は、燃料電池自動車100の車速やアクセル開度などの運転操作情報に基づいて、駆動系が出力すべき走行トルクを算出する。その走行トルクに基づいてFC昇圧コンバータ6が出力すべき電圧の指令値(以下では指令電圧値という)を算出し、算出した指令電圧値をコントローラ10に供給する。また、双方向コンバータ18が出力すべき電圧の指令値(以下では指令電圧値という)を算出し、算出した指令電圧値をコントローラ20に供給する。さらに、必要な走行トルクに基づいてインバータ30を制御する。上位コントローラ40は、コントローラ10を経由して各電流センサ64a〜64dの計測値を取得し、必要時に、システムメインリレー16とFCリレー8をオフする。
コントローラ10は、各電流センサ64a〜64dからの計測値と、上位コントローラ40から供給された指令電圧値に基づいて、4相分のスイッチング素子66a〜66dを個々に制御する。指令電圧値が大きい場合には、4相分のスイッチング素子66a〜66dを同時に導通状態にすることもある。4相分のスイッチング素子66a〜66dのうちの1個または2個のみを導通状態にすることもある。
コントローラ10は、スイッチング素子66a〜66dの個々について、短絡異常の発生を検知している。その方法について説明する。先に述べたように、コントローラ10は、電流センサ64a〜64dにより、各リアクトル62a〜62dを流れる電流Ia〜Idを個々に計測している。ここで、例えばスイッチング素子66aについて短絡異常が発生した場合、スイッチング素子66aの抵抗(インピーダンス)は小さくなる。従って、スイッチング素子66aが導通状態か否かにかかわらず、電流Iaは、短絡異常が発生したスイッチング素子66aを通って低電位線NLに流れる。短絡異常が発生したスイッチング素子66aの抵抗(インピーダンス)は小さいため、スイッチング素子66aに短絡異常が発生した場合における電流Iaは、通常時に流れる電流Iaよりも大きくなる。ここでは、通常時に流れる電流値より大きな電流値を、短絡電流値とする。コントローラ10は、電流センサ64aが計測する電流Iaが短絡電流値以上となった場合に、スイッチング素子66aに短絡異常が発生したことを検知することができる。なお、この短絡電流値は、先に述べた指令電圧値等により異なる。
続いて、スイッチング素子66aについて短絡異常が発生した場合のコントローラ10が実行する制御処理を、図3を用いて説明する。コントローラ10は、電流センサ64aが上述した短絡電流値以上の電流Iaを検知したことによって、スイッチング素子66aに短絡異常が発生したことを検知する。短絡異常の発生を検知後、コントローラ10は、下記に示す制御を実行する。まず、コントローラ10は、短絡したスイッチング素子66aを遮断する(ステップS2)。ここで、スイッチング素子66aについての短絡異常は、スイッチング素子66aが導通状態か否かにかかわらず発生する。スイッチング素子66aが遮断されている状態でスイッチング素子66aの短絡異常が発生した場合は、コントローラ10は、ステップS2においてスイッチング素子66aの遮断状態を保持する。
続いて、コントローラ10は、他のスイッチング素子66b〜66dを導通させる(ステップS3)。コントローラ10は、スイッチング素子66a〜66dを個々に制御しており、スイッチング素子66aに短絡異常が発生したときに、他のスイッチング素子66b〜66dがオフされていることがある。ステップS3では、オフ状態にあるスイッチング素子をオンさせる。スイッチング素子66aに短絡異常が発生したときに、他のスイッチング素子66b〜66dがすでにオンされていることがある。この場合は、ステップS3で、他のスイッチング素子66b〜66dの導通状態を保持する。ステップS3によって、短絡したスイッチング素子66aを経由する導通路以外に、短絡電流が流れる導通路を作ることができる。別言すれば、短絡したスイッチング素子66aを経由する導通路のみに短絡電流が集中して流れることを防止し、他のスイッチング素子66b〜66dを経由する導通路にも分散して電流が流れるようにすることができる。これによって、下流方式の問題である「共連れ故障」の発生を抑制することができる。
コントローラ10は、電流センサ64aにより短絡したスイッチング素子66aに流れる電流Iaを計測する(ステップS4)。そして、コントローラ10は、電流Iaを、所定の電流閾値Isと比較する(ステップS5)。この閾値Isは、短絡したスイッチング素子66aの発熱により、共連れ故障を発生させるおそれがある過大な電流値である。コントローラ10は、電流Iaが閾値Isよりも高い場合は(ステップS5:NO)、他のスイッチング素子66b〜66dの導通状態を保持する(ステップS3)。このように制御することで、電流Iaが閾値Isよりも大きい場合に、短絡したスイッチング素子66aを経由する導通路のみに過大な電流Iaが集中して流れることを防止し、他のスイッチング素子66b〜66dを経由する導通路にも分散して電流が流れるようにすることができる。即ち、共連れ故障の発生を抑制することができる。なお、この閾値Isは、先に述べた指令電圧値や、スイッチング素子66a〜66d等のFC昇圧コンバータ6を構成する電子機器、及び各電子機器を接続する回路の耐熱性等により異なる。
また、上位コントローラ40は、先に述べたように、コントローラ10から、各電流センサ64a〜64dの計測値を取得している。従って、上位コントローラ40は、電流センサ64aにより計測された電流Iaが短絡電流値以上となった場合、スイッチング素子66aが短絡したと判定することができる。上位コントローラ40は、スイッチング素子66aが短絡したと判定した場合、燃料電池スタック4への水素供給を停止する。これにより、燃料電池スタック4の発電量は徐々に減少する。
コントローラ10は、電流Iaが閾値Isよりも小さくなった場合に、他のスイッチング素子66b〜66dを遮断する(ステップS5:YES、S6)。ここで、電流Iaが閾値Isより小さくなるのは、上述した燃料電池スタック4の発電量が減少した場合に限られない。短絡がしたスイッチング素子66aが、短絡後に、短絡の影響でスイッチング素子66aを構成するボンディングワイヤ等が破断することで、スイッチング素子66aに流れる電流がゼロとなることも起こり得る。コントローラ10は、電流Iaが閾値Isよりも小さくなったことで、過大な電流Iaで共連れ故障が発生するおそれがなくなったと判断し、短絡していない他のスイッチング素子66b〜66dを遮断する。
上位コントローラ40は、FCリレー8をオフし、燃料電池スタック4から、バッテリ14に切り替える。これにより、燃料電池自動車100は、バッテリ14に充電されている電気を用いて走行を継続することができる。即ち、燃料電池システム2のスイッチング素子66aについて短絡異常が発生した場合においても、安全に運転を継続することができる。
上記では、電流Iaによってスイッチング素子66aに短絡異常が発生したことを検知する場合を説明した。同様な処理によって、電流Ibによってスイッチング素子66bに短絡異常が発生したことを検知でき、そのときは他のスイッチング素子66a、66c、66dをオンさせる。電流Icによってスイッチング素子66cに短絡異常が発生したことを検知でき、そのときは他のスイッチング素子66a、66b、66dをオンさせる。電流Idによってスイッチング素子66dに短絡異常が発生したことを検知でき、そのときは他のスイッチング素子66a〜66cをオンさせる。ここでいうオンさせるは、オフのものをオンさせ、オンのものはオンに維持することをいう。
上記では、短絡異常が発生したスイッチング素子を特定する実施例を説明した。それに代え、いずれかのスイッチング素子に短絡異常が発生したことを検知するものの、短絡異常が発生したスイッチング素子を特定しない実施例でもよい。この場合、ステップS2を省略し、ステップS3で全部のスイッチング素子を導通させる。短絡異常が発生したスイッチング素子はオフできないことからステップS2を省略しても同じことになり、全部のスイッチング素子をオンさせれば短絡異常が生じていない他のスイッチング素子をオンさせることになる。他のスイッチング素子をオンさせるには、短絡異常が生じていないスイッチング素子をオンさせるか、あるいは全部のスイッチング素子をオンさせればよい。
上記では、電流Iaによってスイッチング素子66aに短絡異常が発生したことを検知する場合を説明した。同様な処理によって、電流Ibによってスイッチング素子66bに短絡異常が発生したことを検知でき、そのときは他のスイッチング素子66a、66c、66dをオンさせる。電流Icによってスイッチング素子66cに短絡異常が発生したことを検知でき、そのときは他のスイッチング素子66a、66b、66dをオンさせる。電流Idによってスイッチング素子66dに短絡異常が発生したことを検知でき、そのときは他のスイッチング素子66a〜66cをオンさせる。ここでいうオンさせるは、オフのものをオンさせ、オンのものはオンに維持することをいう。
上記では、短絡異常が発生したスイッチング素子を特定する実施例を説明した。それに代え、いずれかのスイッチング素子に短絡異常が発生したことを検知するものの、短絡異常が発生したスイッチング素子を特定しない実施例でもよい。この場合、ステップS2を省略し、ステップS3で全部のスイッチング素子を導通させる。短絡異常が発生したスイッチング素子はオフできないことからステップS2を省略しても同じことになり、全部のスイッチング素子をオンさせれば短絡異常が生じていない他のスイッチング素子をオンさせることになる。他のスイッチング素子をオンさせるには、短絡異常が生じていないスイッチング素子をオンさせるか、あるいは全部のスイッチング素子をオンさせればよい。
以上、スイッチング素子に短絡異常が発生した場合に、実施例の燃料電池システム2のコントローラ10が実行する制御について説明した。しかし、上述した例における電流Iaを計測する処理(ステップS4)は、コントローラ10が他のスイッチング素子66b〜66dの導通と遮断を判断する方法の一例にすぎない。別言すれば、電流Iaを計測する処理(ステップS4)は、本明細書に開示する技術において不可欠な処理ではない。他の短絡異常の検出技術を用いてもよい。例えば、スイッチング素子のゲート電圧により短絡異常を検知してもよい。また、ステップS6は省略可能である。燃料電池スタック4に対する水素の供給が停止され、発電が停止されることによって、他のスイッチング素子66b〜66dをオフしなくても問題は生じなくなる。
また、本実施例では固体高分子形の燃料電池スタック4を用いているが、これに限らず種々のタイプを利用可能である。さらに、本実施例のFC昇圧コンバータ6では、昇圧回路61a〜61dを4相分並列に接続していが、本明細書に開示する技術は、4相のFC昇圧コンバータに限定されない。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:燃料電池システム
4:燃料電池スタック
6:FC昇圧コンバータ
6a:入力側高電位端子
6b:入力側低電位端子
6c:出力側高電位端子
6d:出力側低電位端子
8:FCリレー
10:コントローラ
14:バッテリ
16:システムメインリレー
18:双方向コンバータ
20:コントローラ
30:インバータ
32:走行用モータ
34:ディファレンシャルギア
36、38:駆動輪
40:上位コントローラ
61a〜61d:昇圧回路
62a〜62d:リアクトル
64a〜64d:電流センサ
66a〜66d:スイッチング素子
68a〜68d:ダイオード
70a〜70d:ダイオード
72:平滑コンデンサ
100:燃料電池自動車
Ia〜Id:電流
Ma〜Md:接続点
NL:低電位線
PL:高電位線
4:燃料電池スタック
6:FC昇圧コンバータ
6a:入力側高電位端子
6b:入力側低電位端子
6c:出力側高電位端子
6d:出力側低電位端子
8:FCリレー
10:コントローラ
14:バッテリ
16:システムメインリレー
18:双方向コンバータ
20:コントローラ
30:インバータ
32:走行用モータ
34:ディファレンシャルギア
36、38:駆動輪
40:上位コントローラ
61a〜61d:昇圧回路
62a〜62d:リアクトル
64a〜64d:電流センサ
66a〜66d:スイッチング素子
68a〜68d:ダイオード
70a〜70d:ダイオード
72:平滑コンデンサ
100:燃料電池自動車
Ia〜Id:電流
Ma〜Md:接続点
NL:低電位線
PL:高電位線
Claims (1)
- 燃料電池スタックとコンバータとリレーとコントローラを備えており、前記コンバータが前記燃料電池スタックと前記リレーの間に接続されている燃料電池システムであり、
前記コンバータは、前記燃料電池スタックの高電位端子と低電位端子の間を接続するリアクトルとスイッチング素子の直列回路の複数個を並列に接続した回路を備えており、
前記コントローラは、複数個の前記スイッチング素子を個々に制御するとともに、いずれかの前記スイッチング素子に短絡異常が発生したことを検知した際に他の前記スイッチング素子を導通させる処理を実施する、
燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018161645A JP2020035661A (ja) | 2018-08-30 | 2018-08-30 | 燃料電池システム |
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JP (1) | JP2020035661A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022024297A (ja) * | 2020-07-15 | 2022-02-09 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システム |
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2018
- 2018-08-30 JP JP2018161645A patent/JP2020035661A/ja active Pending
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JP2022024297A (ja) * | 2020-07-15 | 2022-02-09 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システム |
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