JP2020035577A - インピーダンス整合方法およびインピーダンス整合装置 - Google Patents

インピーダンス整合方法およびインピーダンス整合装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハンチング等の無駄な動作が生じず、短時間でインピーダンス整合を行うことができるインピーダンス整合方法およびインピーダンス整合装置を提供する。【解決手段】インピーダンス整合方法は、2つ可変成分の現実の値、および入力インピーダンスの測定値から、予め設定された理論回路モデルでの出力インピーダンスを算出する工程と、整合遷移による出力インピーダンスが同じ値であると仮定し、出力インピーダンスの算出値に基づいて、理論回路モデルにおける整合条件での演算により、インピーダンス整合時の2つの可変成分を算出する工程と、算出された2つの可変成分の値に対応するように、インピーダンス整合装置の実際の可変成分の値を制御する工程とを有する。【選択図】図5

Description

本開示は、インピーダンス整合方法およびインピーダンス整合装置に関する。
半導体製造プロセスにはプラズマ処理装置が多用されている。プラズマ処理装置は、被処理基板が収容されたチャンバーを有するプラズマ処理部へ高周波電力を供給してチャンバー内にプラズマを生成させ、そのプラズマによってエッチング処理や成膜処理等のプラズマ処理を行う。
このようなプラズマ処理装置では、処理中に高周波電源からプラズマ処理部へ効率良く高周波電力を供給する観点から、高周波電源とプラズマ処理部との間に、インピーダンス整合器が設けられている。インピーダンス整合器は、高周波電源側のインピーダンスと負荷(電極、プラズマ、チャンバ等)側のインピーダンスとを自動的に整合させるためのものである。高周波電源および伝送ケーブルは通常50Ωの純抵抗出力になるように設計されるため、インピーダンス整合器の整合回路は、インピーダンス整合器も含めた負荷側のインピーダンスが50Ωになるように調整される。
インピーダンス整合器は、基本的には、2つの可変素子(例えば可変コンデンサ)を含み、可変素子の位置(ポジション)を調整することにより、負荷側インピーダンスを調整可能となっている。そして、プラズマ処理中に圧力変動などによってプラズマ負荷のインピーダンスが変わると、それら可変素子の位置(リアクタンス)を調整して自動的に負荷側のインピーダンスを整合ポイント(50Ω)に合わせるようになっている。
このようなインピーダンス整合器としては、例えば特許文献1、2に記載されたものが一般的に用いられている。特許文献1、2では、インピーダンス整合器の整合回路として、2つの可変コンデンサを有するものを用いている。そして、負荷側インピーダンスを測定して、その測定値が目標値(整合点)に近づくように、2つの可変コンデンサのポジションを交互に移動するようにしている。
特開平10−209789号公報 国際公開第2017/002196号
本開示は、ハンチング等の無駄な動作が生じず、短時間でインピーダンス整合を行うことができるインピーダンス整合方法およびインピーダンス整合装置を提供する。
本開示の一態様に係るインピーダンス整合方法は、高周波電源と負荷との間に設けられたインピーダンス整合装置によるインピーダンス整合方法であって、前記インピーダンス整合装置のインピーダンス整合に用いる2つ可変成分の現実の値、および前記インピーダンス整合装置の入力部から見た入力インピーダンスの測定値から、前記インピーダンス整合装置の整合回路部を含めた負荷側の回路構成を模擬した、予め設定された、理論回路モデルでの出力インピーダンスを算出する工程と、整合遷移による前記出力インピーダンスが同じ値であると仮定し、前記出力インピーダンスの算出値に基づいて、前記理論回路モデルにおける整合条件での演算により、インピーダンス整合時の前記2つの可変成分を算出する工程と、前記算出された前記2つの可変成分の値に対応するように、前記インピーダンス整合装置の実際の可変成分の値を制御する工程と、を有する。
本開示によれば、ハンチング等の無駄な動作が生じず、短時間でインピーダンス整合を行うことができるインピーダンス整合方法およびインピーダンス整合装置が提供される。
第1実施形態に係るインピーダンス整合装置を含むプラズマ処理装置を示すブロック図である。 第1実施形態に係るインピーダンス整合装置の整合回路部を含めた負荷側の回路モデル(実機回路モデル)を示す回路図である。 第1実施形態に係るインピーダンス整合装置の理論回路モデルの一例を示す回路図である。 図2の実機回路モデルにおける、第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2によるスミスチャート上での負荷インピーダンス整合範囲を示す図である。 図3の理論回路モデルにおける、第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2によるスミスチャート上での負荷インピーダンス整合範囲を示す図である。 第1実施形態における自動整合アルゴリズムを示すフローチャートである。 シミュレーション1の手順を繰り返した際の反射率を示す図である。 シミュレーション1の手順の繰り返し回数と反射係数|Γ|との関係を示す図である。 シミュレーション1の手順の繰り返し回数と各可変素子の位置(%)との関係を示す図である。 シミュレーション2の手順の繰り返し回数と反射係数|Γ|との関係を示す図である。 シミュレーション2の手順の繰り返し回数と各可変素子の位置(%)との関係を示す図である。 シミュレーション2に用いた理論回路モデルを示す回路図である。 シミュレーション3の手順の繰り返し回数と反射係数|Γ|との関係を示す図である。 シミュレーション3の手順の繰り返し回数と各可変素子の位置(%)との関係を示す図である。 第1実施形態の出力インピーダンスの演算にあたり、理論回路モデルをインピーダンスブロックZ0〜Z4に分類した状態を示す図である。 図14のインピーダンスブロックをさらに簡略化して示す図である。 並列分解演算を説明するための図である。 第1実施形態の整合条件によるVC1の算出にあたり、Zin、L0、VC1、VC2+L2、Zoutに分類した状態を示す図である。 図14のインピーダンスブロックをさらに簡略化して示す図である。 第1実施形態の整合条件によるVC2の算出にあたり、図14のインピーダンスブロックをさらに簡略化して示す図である。 第2実施形態に係るインピーダンス整合装置を含むプラズマ処理装置を示すブロック図である。 図20のインピーダンス整合装置におけるスミスチャート上での負荷インピーダンス整合範囲を示す図である。 第2実施形態に係るインピーダンス整合装置の理論回路モデルの一例を示す回路図である。 第2実施形態の出力インピーダンスの演算にあたり、理論回路モデルにおいて、入力側から見たネットワーク全体のインピーダンスについて入力側より差分をとって示す図である。 第2実施形態の整合条件によるVC1、VC2の算出にあたり、ZinおよびZoutによるVC1の算出を説明するための図である。 図24のZaとZbとZcとの接続関係を簡略化して示す図である。 第2実施形態の整合条件によるVC1、VC2の算にあたり、ZinおよびZoutによるVC2の算出を説明するための図である。 第2実施形態の整合条件によるVC1、VC2の算出にあたり、VC1/VC2並列接続点2箇所による連立方程式を用いる場合の解析図1である。 第2実施形態の整合条件によるVC1、VC2の算出にあたり、VC1/VC2並列接続点2箇所による連立方程式を用いる場合の解析図2である。 第3実施形態に係るインピーダンス整合装置を含むプラズマ処理装置を示すブロック図である。 図29のインピーダンス整合装置におけるスミスチャート上での負荷インピーダンス整合範囲を示す図である。 第3実施形態に係るインピーダンス整合装置の理論回路モデルの一例を示す回路図である。 第3実施形態における自動整合アルゴリズムを示すフローチャートである。 第3実施形態の整合条件によるVFおよびVC2を算出する際の解析図1である。 第3実施形態の整合条件によるVFおよびVC2を算出する際の解析図2である。
以下、添付図面を参照して実施の形態について具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係るインピーダンス整合装置を含むプラズマ処理装置を示すブロック図である。
本実施形態のプラズマ処理装置100は、プラズマ処理部1と、プラズマ処理部1に高周波電力を供給する高周波電源2と、高周波電源2とプラズマ処理部1との間に設けられたインピーダンス整合装置3とを有している。
プラズマ処理部1は、被処理基板を収容するチャンバーと、電極とを有する。高周波電源2から電極に高周波電力が供給されることにより、チャンバー内にプラズマが生成される。
インピーダンス整合装置3は、高周波電源側のインピーダンスと負荷(電極、プラズマ、チャンバ等)側のインピーダンスとを自動的に整合させるためのものであり、入力インピーダンス測定部11と、整合回路部12と、制御部13とを有している。
本実施形態においては、インピーダンス整合装置3は逆L型として構成されている。すなわち、整合回路部12は、インピーダンス整合に用いる2つの可変成分である可変素子として、高周波電源2に対してプラズマ処理部1側の負荷とそれぞれ並列および直列に接続された第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2を有している。第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2の容量を規定する位置(ポジション)は、それぞれステッピングモータ17および18により調整される。なお、P1は入力ポート、P2は出力ポートである。
高周波電源2および伝送ケーブルは通常50Ωの純抵抗出力になるように設計されるため、制御部13により、インピーダンス整合装置3も含めた負荷側のインピーダンスが50Ωになるようにステッピングモータ17および18を制御する。すなわち、ステッピングモータ17および18は可変部として機能する。なお、整合回路部12の他の回路成分については、ここでは省略している。
入力インピーダンス測定部11は、インピーダンス整合装置3の入力部、すなわち整合回路部12の前段に設けられ、インピーダンス整合装置3の入力部から見た入力インピーダンスを測定する。入力インピーダンス測定部11は、方向性結合器等を有する。方向性結合器は、入力ポートP1の高周波電圧から進行波電圧と反射波電圧を分離し、これらを制御部13に出力する。制御部13では、これらに基づいて入力インピーダンスを測定するとともに、反射係数を算出する。
制御部13は、実機における整合回路部12を含めた負荷側の回路網(ネットワーク)を模擬した理論回路モデルを記憶している。
本実施形態では、以下に詳細に説明するように、制御部13は、実機における負荷側の回路を、記憶された理論回路モデルで代用し、実機の測定結果を基に、理論回路モデル上での整合条件による演算を行う。そして、その演算結果より第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2を同時に移動させ、整合点へと収束させる。
実機におけるインピーダンス整合装置3の整合回路部12を含めた負荷側の回路構成は、インピーダンスアナライザーで測定した値から予測することができ、その際の回路モデル(実機回路モデル)は、例えば図2に示すようなものとなる。図2中、Zinは入力インピーダンス、Zoutは出力インピーダンスである。しかし、実機回路モデルは、図示するように、第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2の他に、コイルL0、L1、L2、コンデンサC4を有する。さらに、実測への強制補正のため、第2の可変コンデンサVC2と直列に、第1の可変コンデンサVC1と破線関係にある可変コイルL2´が導入される。
このように、実機回路は回路構成が複雑となるため、本実施形態では、演算の容易化等を考慮し、実機回路を模擬し、簡略化した理論回路モデルを制御部13に記憶させる。理論回路モデルとしては、例えば、図3に示すような、図2の実機回路モデルを基にした、より簡単で標準的な回路モデルを用いる。図3中、Zin´は入力インピーダンス、Zout´は出力インピーダンスである。図3に示すように、本例の理論回路モデルは、実機回路モデルと近似しているが、実機回路モデルからコイルL1およびコンデンサC4を削除し、さらに実測への矯正補正のための破線部分(可変コイルL2´)を削除している。
図4A、図4Bは、図2の実機回路モデルおよび図3の理論回路モデルにおける、第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2によるスミスチャート上での負荷インピーダンス整合範囲を示す図である。これらの図に示すように、実機回路モデルおよび理論回路モデルで回路構成が異なる結果、負荷インピーダンス整合エリアは両者でわずかに異なっている。
次に、第1実施形態において、制御部13に基づいて実行される自動整合アルゴリズムについて説明する。図5は、その際の自動整合アルゴリズムを示すフローチャートである。
まず、インピーダンス整合装置3の第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2が任意の位置(容量)に存在するときに、高周波電源2から高周波電力を投入してプラズマ放電を生成させる。この状態で、制御部13は、実機における第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2の現実の位置(容量)における位置情報(可変容量比率)、および入力インピーダンスの測定値から、理論回路モデルでの出力インピーダンスZout´を算出する(ステップ1)。
次いで、制御部13は、整合遷移による出力インピーダンスが同じ値であると仮定し、算出した出力インピーダンスZout´の値に基づいて、理論回路モデルでの整合条件(入力インピーダンス=50Ω±0jΩ)での演算により、インピーダンス整合時の第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2の一方の値を算出する(ステップ2)。
次いで、制御部13は、上述した第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2の一方の算出値を基に、同じ整合条件での演算により、インピーダンス整合時の第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2の他方の値を算出する(ステップ3)。
次いで、制御部13は、ステップ2および3で算出した第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2の値に対応するように、実際のインピーダンス整合装置3の第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2の位置を制御する(ステップ4)。実際のインピーダンス整合装置3では、第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2は、その容量値から変換されたパーセンテージになるように位置が制御される。このため、ステップ4では、制御部13は、ステップ2、3で算出された理論回路モデルのVC1およびVC2の容量値に対応するパーセンテージになるように、実機における実際の第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2の位置を制御する。
なお、実機回路モデルと理論回路モデルとは整合エリアが多少ずれているため、理論回路での計算値が整合エリアからずれる場合もあるが、その場合は整合エリアに入るように補正する。
実機の回路と理論回路モデルの各回路定数が同じであり、かつ負荷インピーダンスも同じであれば、ステップ4終了時点で完全整合(反射係数の絶対値|Γ|=0)することになる。しかし、実際には、理論回路モデルとして、上述したような、実機回路モデルとは異なる標準的な回路モデルを用いるため、ステップ4終了時点では反射係数が整合点(|Γ|=0)からずれた値となる。理論回路モデルとして、より実機の回路に近いものを用いたとしても、機差等の影響により、ステップ1〜4を1回行っただけでは完全整合には至らない。
このため、ステップ1〜4を繰り返す。これにより、|Γ|が整合点に収束していき、最終的に完全整合に至る。理論回路モデルと実機の回路との相違(回路成分の相違、回路定数の相違(特に可変素子値の相違))が大きければ大きいほど、繰り返し回数は増加するが、最終的には完全整合させることができる。
特許文献1のように2つの可変コンデンサのポジションを交互に移動する場合には、ハンチング等の無駄な動作が生じることがあり、状況によっては発振状態に至る場合もある。
これに対して、本実施形態では、実機における負荷側の回路を、理論回路モデルで代用し、実機の測定結果を基に、理論回路モデル上での整合条件による演算を行う。そして、その演算結果より第1および第2のコンデンサVC1およびVC2を同時に移動させ、整合点へと収束させる。このため、ハンチング等の無駄な動作が生じず、短時間にインピーダンス整合を行うことができる。
また、演算に用いる理論回路モデルが、実機の回路と差異があっても、上記ステップ1〜4の繰り返し数を調整することにより整合点に到達させることができる。逆に、演算に用いる理論回路モデルが、上記演算を困難なく行うことができる範囲で、より実機の回路に近いものとすることにより、ステップ1〜4の繰り返し数を少なくして整合動作をより短時間にすることができる。
[シミュレーション]
次に、シミュレーション結果について説明する。
・シミュレーション1
シミュレーション1では、図2に示す実機回路モデルと、図3に示す理論回路モデルを用いてシミュレーションを行った。
ここでは、図2に示す実機回路モデルの各回路定数の値を以下のようにした。
VC1:270〜2320[pF]
VC2:206〜500[pF]
C4:24[pF]
L1:0.005[μH]
また、図3に示す理論回路モデルの各回路定数の値を以下のようにした。
VC1:300〜2000[pF]
VC2:100〜500[pF]
L0およびL2は、両者同値の以下の値とした。
L0:0.300[μH]
L2:0.818[μH]
次に、シミュレーション1の手順について説明する。
実機回路モデルにおける、特定な条件による入力インピーダンス:Zinと、その時の可変素子(可変コンデンサ)位置:X(%)より、理論回路モデルへ入力インピーダンス、可変素子位置の条件を入力し、この条件における理論回路モデルの各回路定数による負荷インピーダンス:Zout´を算出する。次いで、理論回路モデルにおける、整合条件(Zin´=50Ω)より、可変素子値:X´(%)を整合理論に基づく演算により算出する。次いで、その結果を実機回路モデルへ設定し、|Γ|を求める。そして、この手順を繰り返す。
整合条件および開始条件は、以下の通りである。
整合条件:
VC1=70.0%
VC2=30.0%
out=0.77−j12.72Ω
とした場合、
開始条件:
VC1=80.0%
VC2=40.0%
out=0.77−j12.72Ω ここでは、整合条件と開始条件での出力インピーダンスZoutに変化がないと仮定している。ただし、実際には、不整合状態による負荷への投入電力変化による出力インピーダンスの変化が生じる。
図6は、シミュレーション1の手順を繰り返した際の反射率を示す図である。Γrが反射係数の実部であり、Γxが反射係数の虚部である。また、|Γ|=0が整合点である。図7は、シミュレーション1の手順の繰り返し回数と反射係数|Γ|との関係を示す図である。図8は、シミュレーション1の手順の繰り返し回数と各可変素子の位置(%)との関係を示す図である。
これらの図に示すように、シミュレーション1における上記手順の演算により、実機回路モデルにおいて、反射係数が1.0の開始条件から整合点への収束がなされることが確認された。また、この手順を繰り返すことにより、最終的に完全整合(|Γ|=0)に至ることが確認された。
・シミュレーション2
シミュレーション2では、実機回路モデルとしてシミュレーション1と同じものを用いた。また、理論回路モデルとして、回路構成およびC4、L0、L1、L2の値が実機回路モデルと同様で、VC1およびVC2の範囲のみが以下のように実機回路モデルとは異なるものを用いた。そして、シミュレーション1と同様の手順でシミュレーションを行った。
VC1:250〜2300[pF]
VC2:100〜500[pF]
なお、整合条件および開始条件は、シミュレーション1と同様である。
図9は、シミュレーション2の手順の繰り返し回数と反射係数|Γ|との関係を示す図である。図10は、シミュレーション2の手順の繰り返し回数と各可変素子の位置(%)との関係を示す図である。
これらの図に示すように、理論回路モデルとして、回路構成および各回路素子の値が実機回路モデルに近いものを用いることにより、整合点に至るまでの繰り返し回数をシミュレーション1よりも低減できることが確認された。
・シミュレーション3
シミュレーション3では、実機回路モデルとしてシミュレーション1と同じものを用いた。また、理論回路モデルとして、図11に示すような、実機回路モデルから、破線部の理論的な回路には含まれない箇所を削除し、各回路定数を実機回路モデルに近づけたものを用いた。
この理論回路モデルの各回路定数の値は以下のようにした。
VC1:300〜2300[pF]
VC2:100〜500[pF]
C4:20[pF]
L0:0.300[μH]
L1:0.005[μH]
L2:1.000[μH]
なお、開始条件および整合条件は、シミュレーション1と同様である。
図12は、シミュレーション3の手順の繰り返し回数と反射係数|Γ|との関係を示す図である。図13は、シミュレーション3の手順の繰り返し回数と各可変素子の位置(%)との関係を示す図である。
これらの図に示すように、理論回路モデルとして図11に示すものを用いることにより、整合点に至るまでの繰り返し回数が、シミュレーション2よりも多いものの、シミュレーション1より低減されることが確認された。つまり、理論回路モデルとして、各回路素子の値が実機回路モデルに近く、破線部の理論的な回路には含まれない箇所を削除したものを用いることにより、整合点に至るまでの繰り返し回数が低減されることが確認された。並列側のVC1+L1の実機回路モデルとの疑似性が、整合点への収束性に起因しているものと考えられる。
[演算手順]
次に、第1実施形態における上記ステップ1〜3の具体的な演算手順の例について説明する。ここでは、理論回路モデルとして図3に示すものを用いた例について示す。
最初にステップ1の出力インピーダンスの演算について説明する。
理論回路モデルを、図14に示すように、インピーダンスブロックZ0〜Z4に分類する。Z3が求めようとする出力インピーダンスZoutである。出力インピーダンスZ3は、インピーダンス整合装置3出力以降(出力ポートP2以降)の負荷インピーダンスである。可変素子であるVC1およびVC2は特定の固定値とされ、L0およびL2も既知であることから、Z0、Z1、Z2は既知である。上述したインピーダンス測定部11で測定された入力インピーダンスZinをZ4とした場合、求めようとするZ3は、Z4と既知であるZ0、Z1、Z2から算出することができる。
一段の並列演算を行うため、図15に示すように、直列接続されているZ2、Z3をZ2+Z3=Z5とし、入力インピーダンスであるZ4から直列接続部位のZ0を差し引いたインピーダンス(Z4−Z0)をZ6とする。この場合Z6=Z5‖Z1の関係式が成り立つ。この一段の並列回路から並列分解演算によりZ5を算出し、この値よりZ2の値を差し引くことで、求めようとする出力インピーダンスZ3を算出することができる。
並列分解演算は、図16のように、Z3=Z1‖Z2の関係がある場合、概値Z2、Z3より、並列の片側の直列要素Z1を求める演算である。
Z3=Z1‖Z2の関係がある場合、並列−直列変換の関係式より
Z3=(Z1*Z2)/(Z1+Z2)
が成り立つ。
これを、片側の直列要素を求める式へ変換すると
Z1=(Z2*Z3)/(Z2−Z3)
となる。
Z=R+jXより、
Z1={(R2+jX2)*(R3+jX3)}/{(R2−R3)+j(X2−X3)}
となる。
分子分母へ分母側の複素共役を掛け合わせ分母側の虚数部を相殺し、展開して、Z1を実数部R1と虚数部X1に分解すると、以下の(1)式、(2)式のようになる。
R1={(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)}・・・(1)
X1={(R2*X3+R3*X2)*(R2−R3)−(R2*R3−X2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)}・・・(2)
次に、整合条件によるVC1の算出手順について説明する。
理論回路モデルを、図17に示すように、Zin、L0、VC1、VC2+L2、Zoutに分類する。そして、図18に示すように、直列接続されているVC2、L2、ZoutをZ1とし、VC1をZ2とし、Zinから直列接続部位のZ0を差し引いたインピーダンスをZ3とする。
Z3=Zin−L0から、R3=Rin、X3=Xin−L0となる。整合条件は、Rin=50、Xin=0であるから、R3=50、X3=−L0となる。
Z2=VC1であるから、R2=0、X2=VC1となる。
Z1=VC2+L2+Zoutから、R1=Rout、X1=VC2+L2+Xoutとなる。
Z3=Z1‖Z2の関係式に基づいて並列分解演算した上記(1)式に、R2=0を代入すると、
R1={(−X2*X3)*(−R3)+(R3*X2)*(X2−X3)}/{(R3)+(X2−X3)
となる。
この式から、以下の式が導かれる。
(R1−R3)X2+(−2*R1*X3)X2+R1(R3+X3)=0
この式は、X2をxとする以下の2次方程式となる。
ax+bx+c=0
二次方程式の解より、
x=(−b±(b−4*a*c))1/2/2*a
a=R1−R3
b=−2*R1*X3
c=R1(R3+X3
となる。ただし、xは±の判定が必要である。
上述したように、R1=Routであり、Routは上記演算により求めた値であって、例えば0.5である。また、上述したように、整合条件からR3=50、X3=−L0である。X3は例えば−25.56である。なお、X1は不定であるが、この式には含まれていない。
以上より、X2すなわちVC1を算出することができる。
このようにVC1の値を求めることにより、もう一つの可変素子VC2の値も算出することができる。すなわち、X2(=VC1)の値を上記(2)式に代入し、さらにR2=0を代入することにより、VC2を求めることができる。
次に、整合条件によるVC2の算出手順について説明する。
ここでは、図19に示すように、VC1を算出する場合とは逆に、VC1をZ1とし、VC2+L2+ZoutをZ2とする。なお、Z3は、同じくZinから直列接続部位のZ0を差し引いたインピーダンスである。
Z3=Zin−L0から、R3=Rin、X3=Xin−L0となる。整合条件は、Rin=50、Xin=0であるから、R3=50、X3=−L0となる。
Z1=VC1であるから、R1=0、X1=VC1となる。
Z2=VC2+L2+Zoutから、R2=Rout、X2=VC2+L2+Xoutとなる。
Z3=Z1‖Z2の関係式に基づいて並列分解演算した上記(1)式においてR1=0であるから、分子のみの条件として、
{(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)}=0
となる。
この式から、
X2=(R2*R3−R2*R3+R2*X3)/R3
X2=±{(R2*R3−R2*R3+R2*X3)/R3}1/2
となる。ただしX2は±の判定が必要である。
上述したように、X2=VC2+L2+Vout
であるから、
VC2=X2−L2−Xout
となり、この式のX2に上記値を代入することにより、VC2を求めることができる。
このようにVC2の値を求めることにより、もう一つの可変素子VC1の値も算出することができる。すなわち、X2の値を上記(2)式に代入し、さらにX1=VC1を代入することにより、VC1を求めることができる。
<第2実施形態>
図20は第2実施形態に係るインピーダンス整合装置を含むプラズマ処理装置を示すブロック図である。
本実施形態のプラズマ処理装置200は、プラズマ処理部21と、プラズマ処理部21に高周波電力を供給する高周波電源22と、高周波電源22とプラズマ処理部21との間に設けられたインピーダンス整合装置23とを有している。
プラズマ処理部21は、被処理基板を収容するチャンバーと、電極とを有する。高周波電源22から電極に高周波電力が供給されることにより、チャンバー内にプラズマが生成される。
インピーダンス整合装置23は、高周波電源側のインピーダンスと負荷(電極、プラズマ、チャンバ等)側のインピーダンスとを自動的に整合させるためのものであり、入力インピーダンス測定部31と、整合回路部32と、制御部33とを有している。
本実施形態においては、インピーダンス整合装置23はπ型として構成されている。すなわち、整合回路部32は、インピーダンス整合に用いる2つの可変成分である可変素子として、高周波電源22に対して、プラズマ処理部21側の負荷と並列に接続された第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2を有している。第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2の容量を規定する位置(ポジション)は、それぞれステッピングモータ37および38により調整される。
高周波電源22および伝送ケーブルは通常50Ωの純抵抗出力になるように設計されるため、制御部33により、インピーダンス整合装置23も含めた負荷側のインピーダンスが50Ωになるようにステッピングモータ37および38を制御する。すなわち、ステッピングモータ37および38は可変部として機能する。なお、整合回路部32の他の回路成分については、ここでは省略している。
入力インピーダンス測定部31は、インピーダンス整合装置23の入力部、すなわち整合回路部32の前段に設けられ、インピーダンス整合装置23の入力部から見た入力インピーダンスを測定する。入力インピーダンス測定部31は、第1実施形態の入力インピーダンス測定部11と同様に構成されている。
制御部33は、実機における整合回路部32を含めた負荷側の回路網(ネットワーク)を模擬した理論回路モデルを記憶している。
本実施形態では、制御部33は、第1実施形態の制御部13と同様、実機における負荷側の回路を、記憶された理論回路モデルで代用し、実機の測定結果を基に、理論回路モデル上での整合条件による演算を行う。そして、その演算結果より第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2を同時に移動させ、整合点へと収束させる。この際の第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2によるスミスチャート上での負荷インピーダンス整合範囲は図21に示すようになる。
本実施形態においても、実機におけるインピーダンス整合装置23の整合回路部32を含めた負荷側の回路構成は複雑であるため、演算の容易化を考慮し、実機の回路構成を模擬し、簡略した理論回路モデルを制御部33に記憶させる。理論回路モデルとしては、例えば、図22に示すような、標準的な回路モデルを用いる。図22中、Zinは入力インピーダンス、Zoutは出力インピーダンスである。
本実施形態において、制御部33に基づいて実行される自動整合アルゴリズムは、基本的に第1実施形態と同様である。
すなわち、まず、インピーダンス整合装置23の第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2が任意の位置(容量)に存在するときに、高周波電源22から高周波電力を投入してプラズマ放電を生成させる。この状態で、制御部33は、第1実施形態と同様のステップ1〜4を実行し、これらステップ1〜4を繰り返す。これにより、|Γ|が整合点に収束していき、最終的に完全整合に至る。理論回路モデルと実機の回路との相違(回路成分の相違、回路定数の相違(特に可変素子値の相違))が大きければ大きいほど、繰り返し回数は増加するが、最終的には完全整合させることができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、実機における負荷側の回路を、理論回路モデルで代用し、実機の測定結果を基に、理論回路モデル上での整合条件による演算を行う。そして、その演算結果より第1および第2の可変コンデンサVC1およびVC2を同時に移動させ、整合点へと収束させる。このため、ハンチング等の無駄な動作が生じず、短時間にインピーダンス整合を行うことができる。
また、演算に用いる理論回路モデルが、実機の回路と差異があっても、上記ステップ1〜4の繰り返し数を調整することにより整合点に到達させることができる。逆に、演算に用いる理論回路モデルが、上記演算を困難なく行うことができる範囲で、より実機の回路に近いものとすることにより、ステップ1〜4の繰り返し数を少なくして整合動作をより短時間にすることができる。
[演算手順]
次に、第2実施形態における上記ステップ1〜3の具体的な演算手順の例について説明する。理論回路としては図22に示すものを用いている。
最初にステップ1の出力インピーダンスの演算について説明する。
図23は、理論回路モデルにおいて、入力側から見たネットワーク全体のインピーダンスをZinとした場合、以下のように入力側より差分をとったものである。
L1の差分: Za=Zin−L1
VC1の差分: Zb=Za−‖VC1(並列分解演算)
L2の差分: Zc=Zb−L2
VC2の差分: Zd=Zc−‖VC2(並列分解演算)
L3の差分: Zout=Zd−L3
このように、入力側より差分処理することで、インピーダンス整合装置3出力以降(出力ポートP2以降)の負荷インピーダンスである出力インピーダンスZoutを算出することができる。
並列接続部位においては、上述したような並列分解演算を行うことにより、片方の直列要素を求めることができる。例えば、一段目の並列分解演算を行うため、Za=Zin−L1をZ3と見立て、並列接続のVC1をZ1とした場合、L2以降のインピーダンスをZ2とすることにより、図19のようなZ3=Z1‖Z2の関係式が成り立つ。これにより、並列分解演算によりZ2を算出することができる。
次に、整合条件によるVC1、VC2の算出手順について説明する。
1.ZinおよびZoutによるVC1およびVC2の算出
VC1を算出する際には、図24に示すように、VC1入力までの合成インピーダンスをZa、VC1出力以降の合成インピーダンスをZb、VC1のインピーダンスをZcとする。そして、まず、Za、Zbを算出する。
ZaとZbとZcとは、図25に示すような接続関係があり、Za=Z3、Zb=Z2、Zc=Z1とすると、Z3=Z1‖Z2の関係式が成り立つ。したがって、並列分解演算によりVC1のインピーダンスを求める。このときレジスタンスRc=0であることを確認する。
VC2を算出する際には、図26に示すように、VC2入力までの合成インピーダンスをZa、VC2出力以降の合成インピーダンスをZb、VC2のインピーダンスをZcとする。そして、まず、Za、Zbを算出する。
ZaとZbとZcとは、図25に示すような接続関係があり、Za=Z3、Zb=Z2、Zc=Z1とすると、Z3=Z1‖Z2の関係式が成り立つ。したがって、並列分解演算によりVC2のインピーダンスを求める。このときレジスタンスRc=0であることを確認する。
2.VC1/VC2並列接続点2箇所による連立方程式を用いる場合
図27は連立方程式を用いる場合の解の求め方を説明するための解析図1である。図27において、Z1はVC2のインピーダンス、Z2はVC2出力以降の合成インピーダンス、Z3はVC2入力までの合成インピーダンスである。
図27より、
Z3=Z1‖Z2
Z1=R1+X1、R1=0、X1=VC2
Z2=R2+X2、R2=Rout、X2=Xout+L3
が成り立つ。
並列分解演算より、上述した(1)式に示すように、
R1={(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)
が成り立つ。
R1=0であるから、分子のみの条件として、以下の(3)式が成り立つ。
(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)=0・・・(3)
この中で、R2、X2は概値であり、R3、X3はVC1を含む不定な関係式となる。
図28は連立方程式を用いた解の求め方を説明するための解析図2である。図28において、Z1はVC1出力以降の合成インピーダンス、Z2はVC1のインピーダンス、Z3はVC1入力までの合成インピーダンスである。
図28より、
Z3=Z1‖Z2
Z3=R3+X3、R3=Rin、X3=Xin−L1
Z2=R2+X2、R2=0、X2=VC1
Z1=R1+X1、R1=R3´、X1=X3´+L2(ただし、R3´およびX3´は、解析図1のR3およびX3と同じである。)
が成り立つ。
並列分解演算より、上述した(1)式、(2)式に示すように、
R1={(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)
X1={(R2*X3+R3*X2)*(R2−R3)−(R2*R3−X2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)
が成り立つ。
この条件へ、R2=0を代入すると、以下の(4)式、(5)式が導かれる。
R1=R3*X2/{(X2−X3)+R3}}・・・(4)
X1=(−R3*X2+X2*X3−X2*X3)/{(X2−X3)+R3}・・・(5)
上記(3)〜(5)式を連立方程式とするため、各パラメータを変更して整合させる。
(3)式において、R2=a、X2=b、R3=R、X3=Xとする。これにより、上記(3)式が以下の(3)´式となる。
(a*R−b*X)*(a−R)+(a*X+b*R)*(b−X)=0・・・(3)´
(4)式、(5)式において、R1=R、X=X1−X4(X4=L2)とする。これにより、上記(4)式、(5)式が、以下の(4)´式、(5)´式となる。
R=R3*X2/{(X2−X3)+R3}}・・・(4)´
X=[−R3*X2+X2*X3−X2*X3−X4*{(X2−X3)+R3}]/{(X2−X3)+R3}・・・(5)´
(3)´式へ、(4)´式、(5)´式を代入すると、以下の(6)式が得られる。
+{(a2+b2)*R3−a*(R3‘X3−2*X3*X4+X4)}*X2
+{−2*(a2+b2)*R3*X3−a*(−2*R3*X3−2*X3+6*X3*X4−4*X3*X4+2*R3*X4)}*X2
+{(a2+b2)*(R3*X3+R3)−a*(R3+2*R3*X3−6*X3*X4−6*R3*X3*X4+X3+6*X3*X4+2*R3*X4)}*X2
+{−1*a*(2*R3*X4+2*X3*X4+4*R3*X3*X4−4*X3*X4−4*R3*X3*X4)}*X2
+{−1*a*(X3*X4+2*R3*X3*X4+R3*X4)}
=0・・・(6)
この式は、X2をxとする以下の4次方程式となる。
ax4+bx3+cx2+dx+e=0
ここで、a=Rout、b=Xout+L3、R3=Rin、X3=Xin−L1、X4=L2、X2=VC1であることから、上記4次方程式を解くことにより、VC1を求めることができる。
このようにVC1の値を求めることにより、もう一つの可変素子VC2の値も算出することができる。
<第3実施形態>
図29は第2実施形態に係るインピーダンス整合装置を含むプラズマ処理装置を示すブロック図である。
本実施形態のプラズマ処理装置300は、プラズマ処理部41と、プラズマ処理部41に高周波電力を供給する高周波電源42と、高周波電源42とプラズマ処理部41との間に設けられたインピーダンス整合装置43とを有している。
プラズマ処理部41は、被処理基板を収容するチャンバーと、電極とを有する。高周波電源42から電極に高周波電力が供給されることにより、チャンバー内にプラズマが生成される。
高周波電源42は周波数変調の機能を有しており、この変調周波数VFが、後述するインピーダンス整合装置43の可変成分として機能する。すなわち、高周波電源42の周波数変調部がインピーダンス整合装置43の一部を構成する。
インピーダンス整合装置43は、高周波電源側のインピーダンスと負荷(電極、プラズマ、チャンバ等)側のインピーダンスとを自動的に整合させるためのものであり、入力インピーダンス測定部51と、整合回路部52と、制御部53とを有している。
本実施形態においては、インピーダンス整合装置43はπ/T型+VF型として構成されている。すなわち、インピーダンス整合に用いる可変成分として、整合回路部52の、高周波電源42に対して、プラズマ処理部41側の負荷と直列に接続された可変コンデンサVC2と、高周波電源42の変調周波数VFが用いられる。また、整合回路部52は、高周波電源42に対して、プラズマ処理部41側の負荷と並列に接続された固定コンデンサC1を有している。可変コンデンサVC2の容量を規定する位置(ポジション)は、ステッピングモータ58により調整される。
高周波電源42および伝送ケーブルは通常50Ωの純抵抗出力になるように設計されるため、制御部53によりインピーダンス整合装置3も含めた負荷側のインピーダンスが50Ωになるように、ステッピングモータ58および高周波電源42の周波数を制御する。すなわち、ステッピングモータ58および高周波電源42の周波数変調部は可変部として機能する。なお、整合回路部52の他の回路成分については、ここでは省略している。
入力インピーダンス測定部51は、インピーダンス整合装置43の入力部、すなわち整合回路部52の前段に設けられ、インピーダンス整合装置43の入力部から見た入力インピーダンスを測定する。入力インピーダンス測定部51は、第1実施形態の入力インピーダンス測定部11と同様に構成されている。
制御部53は、実機における整合回路部52を含めた負荷側の回路網(ネットワーク)を模擬した理論回路モデルを記憶している。
本実施形態では、制御部53は、第1実施形態の制御部13と同様、実機における負荷側の回路を、記憶された理論回路モデルで代用し、実機の測定結果を基に、理論回路モデル上での整合条件による演算を行う。そして、その演算結果より可変コンデンサVC2および高周波電源42の変調周波数VFを同時に変化させ、整合点へと収束させる。
本実施形態では、可変成分として変調周波数VFおよび可変コンデンサVC2の位置によりインピーダンスを整合させることにより、負荷インピーダンス(出力インピーダンス)の整合範囲は図30のようになる。すなわち、VC2を0%〜100%、変調周波数VFをmin〜maxで変化させることにより、図30に示すスミスチャート上の整合範囲で完全整合させることができる。
本実施形態においても、実機におけるインピーダンス整合装置43の整合回路部52を含めた負荷側の回路構成は複雑であるため、演算の容易化を考慮し、実機の回路構成を模擬し、簡略した理論回路モデルを制御部53に記憶させる。理論回路モデルとしては、例えば、図31に示すような、標準的な回路モデルを用いる。図31中、Zinは入力インピーダンス、Zoutは出力インピーダンスである。
次に、制御部53に基づいて実行される自動整合アルゴリズムについて説明する。図32は、その際の自動整合アルゴリズムを示すフローチャートである。本実施形態のアルゴリズムは、基本的に第1実施形態と同様である。
まず、高周波電源の周波数が任意の周波数であり、インピーダンス整合装置43の可変コンデンサVC2が任意の位置(容量)に存在するときに、高周波電源42から高周波電力を投入してプラズマ放電を生成させる。この状態で、制御部53は、実機での高周波電源42の現実の変調周波数VF、可変コンデンサVC2の現実の位置情報(容量)、および入力インピーダンスの測定値から、理論回路モデルでの出力インピーダンスZoutを算出する(ステップ11)。
次いで、制御部53は、整合遷移による出力インピーダンスが同じ値であると仮定し、算出した出力インピーダンスZoutの値に基づいて、理論回路モデルでの整合条件(入力インピーダンス=50Ω±0jΩ)での演算により、インピーダンス整合時の高周波電源42の変調周波数VFの値を算出する(ステップ12)。
次いで、制御部53は、上述した変調周波数VFの算出値を基に、同じ整合条件での演算により、インピーダンス整合時の可変コンデンサVC2の値を算出する(ステップ13)。なお、ステップ12およびステップ13は逆であってもよい。
次いで、制御部53は、ステップ12および13で算出した、変調周波数VFの値および可変コンデンサVC2の値に対応するように、実際の高周波電源42の変調周波数VF、および可変コンデンサVC2の位置を制御する(ステップ14)。
そして、以上のステップ11〜14を繰り返す。
これにより、|Γ|が整合点に収束していき、最終的に完全整合に至る。理論回路モデルと実機の回路との相違(回路成分の相違、回路定数の相違(特に可変素子値の相違))が大きければ大きいほど、繰り返し回数は増加するが、最終的には完全整合させることができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、実機における負荷側の回路を、理論回路モデルで代用し、実機の測定結果を基に、理論回路モデル上での整合条件による演算を行う。そして、その演算結果より、可変成分である変調周波数VFおよび可変コンデンサVC2の位置を同時に変化させ、整合点へと収束させる。このため、ハンチング等の無駄な動作が生じず、短時間にインピーダンス整合を行うことができる。
また、演算に用いる理論回路モデルが、実機の回路と差異があっても、上記ステップ11〜14の繰り返し数を調整することにより整合点に到達させることができる。逆に、演算に用いる理論回路モデルが、上記演算を困難なく行うことができる範囲で、より実機の回路に近いものとすることにより、ステップ11〜14の繰り返し数を少なくして整合動作をより短時間にすることができる。
[演算手順]
次に、第3実施形態における上記ステップ11〜13の具体的な演算手順の例について説明する。理論回路としては図31に示すものを用いている。
本実施形態において、出力インピーダンスの演算は第2実施形態と同様に行うことができる。
次に、整合条件によるVF、VC2の算出手順について説明する。
ここでは、第2実施形態における並列接続点2箇所による連立方程式を用いる場合と同様の手順で行う。
図33および図34は本実施形態における演算手順を説明するための図であり、図33は解析図1、図34は解析図2である。
図33において、Z1はVC2のインピーダンス、Z2はVC2出力以降の合成インピーダンス、Z3はVC2入力までの合成インピーダンスである。
図33より、
Z3=Z1‖Z2
Z1=R1+X1、R1=0、X1=VC2
Z2=R2+X2、R2=Rout、X2=Xout+L3
が成り立つ。
並列分解演算より、上述した(1)式に示すように、
R1={(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)
が成り立ち、
R1=0であるから、分子のみの条件として、第2実施形態の並列接続点2箇所による連立方程式を用いる場合と同様、以下の(3)式が成り立つ。
(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)=0・・・(3)
図34において、Z1はC1出力以降の合成インピーダンス、Z2はC1のインピーダンス、Z3はC1入力までの合成インピーダンスである。
図34より、
Z3=Z1‖Z2
Z3=R3+X3、R3=Rin、X3=Xin−L1
Z2=R2+X2、R2=0、X2=VC1
Z1=R1+X1、R1=R3´、X1=X3´+L2(ただし、R3´およびX3´は、解析図1のR3およびX3と同じである。)
が成り立つ。
並列分解演算より、上述した(1)式、(2)式に示すように、
R1={(R2*R3−X2*X3)*(R2−R3)+(R3*X2+R2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)
X1={(R2*X3+R3*X2)*(R2−R3)−(R2*R3−X2*X3)*(X2−X3)}/{(R2−R3)+(X2−X3)
が成り立つ。
この条件へ、R2=0を代入すると、第2実施形態の並列接続点2箇所による連立方程式を用いる場合と同様、以下の(4)式、(5)式が導かれる。
R1=R3*X2/{(X2−X3)+R3}}・・・(4)
X1=(−R3*X2+X2*X3−X2*X3)/{(X2−X3)+R3}・・・(5)
上記(3)〜(5)式を連立方程式とするため、各パラメータを変更して整合させる。
(3)式において、R2=a、X2=b、R3=R、X3=Xとする。これにより、上記(3)式が以下の(3)´式となる。
(a*R−b*X)*(a−R)+(a*X+b*R)*(b−X)=0・・・(3)´
(4)式、(5)式において、R1=R、X=X1−X4(X4=L2)とする。これにより、上記(4)式、(5)式が、以下の(4)´式、(5)´式となる。
R=R3*X2/{(X2−X3)+R3}}・・・(4)´
X=[−R3*X2+X2*X3−X2*X3−X4*{(X2−X3)+R3}]/{(X2−X3)+R3}・・・(5)´
(3)´式へ、(4)´式、(5)´式を代入するとともに、角周波数:ωについて展開すると、以下の(7)式が得られる。
+{(−1*R0*L1*L2*C1)}*ω10
+{(−2*R0*R1*L1*L2*C1)+(4*R0*L1*L2*C1)+(2*R0*L1*L2*C1)}*ω
+{(−1*R0*R1*L2*C1)+(4*R0*R1*L1*L2*C1)+(4*R0*R1*L1*L2*C1)+(−1*R0*L1*C1)+(−6*R0*L1*L2*C1)+(−6*R0*L1*L2*C1)+(R1*L1*L3*C1)}*ω
+{(2*R1*X0*L1*L3*C1)}*ω
+{(2*R0*R1*L2*C1)+(−2*R0*R1*L2*C1)+(−2*R0*R1*L1*C1)+(−6*R0*R1*L1*L2*C1)+(2*R0*L1*C1)+(6*R0*L1*L2*C1)+(4*R0*L1*L2*C1)+(−2*R1*L1*L3*C1)+(R1*X0*L1*C1)+(R1*L3*C1)+(R0*R1*L1*C1)}*ω
+{(−4*R1*X0*L1*L3*C1)+(2*R1*X0*L3*C1)}*ω
+{(−R0*R1*C1)+(2*R0*R1*L1*C1)+(2*R0*R1*L2*C1)+(−R0*L1)+(−2*R0*L1*L2)+(−R0*L2)+(−2*R1*X0*L1*C1)+(R1*L3)+(R1*X0*C1)+(R0*R1*C1)+(−2*R0*R1*L1*C1)}*ω
+{(2*R1*X0*L3)}*ω
+{(−1*R0*R1)+(R1*X0)+(R0*R1)}
=0・・・(7)
この式は、ωをxとする以下の10次方程式となる。
10+a+a+a+a+a+a+ax+a10=0
多次元方程式の解は、DKA法等の代数方式で求めることができるため、ωの値が求まる。ω=2πfより変調周波数VFを求めることができ、変調周波数VFの値から、可変素子VC2の値を求めることができる。
<他の適用>
以上、実施形態について説明したが、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
例えば、上記実施形態では、プラズマ負荷に高周波電力を供給する際のインピーダンス整合について示したが、これに限るものではない。また、インピーダンス整合装置の構成は、上記第1〜第3実施形態に限らず、2つの可変成分によりインピーダンス整合を実施できるものであればよい。また、理論回路モデルについても、各実施形態で例示したものに限らず、適宜設定することができる。
1,21,41;プラズマ処理部
2,22,42;高周波電源
3,23,43;インピーダンス整合装置
11,31,51;入力インピーダンス測定部
12,32,52;整合回路
13,33,53;制御部
17,18,38,58;ステッピングモータ
100,200,300;プラズマ処理装置。
VC1,VC2;可変コンデンサ(可変成分)
VF;変調周波数

Claims (18)

  1. 高周波電源と負荷との間に設けられたインピーダンス整合装置によるインピーダンス整合方法であって、
    前記インピーダンス整合装置のインピーダンス整合に用いる2つ可変成分の現実の値、および前記インピーダンス整合装置の入力部から見た入力インピーダンスの測定値から、前記インピーダンス整合装置の整合回路部を含めた負荷側の回路構成を模擬した、予め設定された、理論回路モデルでの出力インピーダンスを算出する工程と、
    整合遷移による前記出力インピーダンスが同じ値であると仮定し、前記出力インピーダンスの算出値に基づいて、前記理論回路モデルにおける整合条件での演算により、インピーダンス整合時の前記2つの可変成分を算出する工程と、
    前記算出された前記2つの可変成分の値に対応するように、前記インピーダンス整合装置の実際の可変成分の値を制御する工程と、
    を有する、インピーダンス整合方法。
  2. 前記出力インピーダンスを算出する工程、前記2つの可変成分を算出する工程、および前記実際の可変成分の値を制御する工程は、インピーダンスが整合するまで繰り返す、請求項1に記載のインピーダンス整合方法。
  3. 前記2つの可変成分は、いずれも可変素子である、請求項1または請求項2に記載のインピーダンス整合方法。
  4. 前記2つの可変素子として、第1の可変コンデンサおよび第2の可変コンデンサを有する、請求項3に記載のインピーダンス整合方法。
  5. 前記インピーダンス整合装置は、前記第1の可変コンデンサおよび前記第2の可変コンデンサが、それぞれ、前記高周波電源に対して、前記負荷と並列および直列に接続された逆L型である、請求項4に記載のインピーダンス整合方法。
  6. 前記インピーダンス整合装置は、前記第1の可変コンデンサおよび前記第2の可変コンデンサが、いずれも前記高周波電源に対して、前記負荷と並列に接続されたπ型である、請求項4に記載のインピーダンス整合方法。
  7. 前記高周波電源は周波数変調機能を有しており、前記可変成分は、一方が前記高周波電源の変調周波数であり、他方が可変素子である、請求項1または請求項2に記載のインピーダンス整合方法。
  8. 前記インピーダンス整合装置は、前記可変素子が可変コンデンサであり、前記可変コンデンサが前記高周波電源に対して、前記負荷と直列に接続され、さらに、前記高周波電源に対して、前記負荷と並列に接続された固定コンデンサを有するπ/T型+VF型である、請求項7に記載のインピーダンス整合方法。
  9. 前記負荷は、プラズマ処理部のプラズマ負荷を含み、
    前記高周波電源から前記プラズマ処理部に高周波電力を投入してプラズマ放電を生成させた状態で、前記出力インピーダンスを算出する工程を実行する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のインピーダンス整合方法。
  10. 高周波電源と負荷との間に設けられ、前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合装置であって、
    インピーダンス整合に用いる2つの可変成分と、
    前記2つの可変成分を可変させる可変部と、
    前記可変部を制御してインピーダンスを制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記インピーダンス整合装置の整合回路部を含めた負荷側の回路構成を模擬した、理論回路モデルが記憶されており、
    前記制御部により、
    前記インピーダンス整合装置のインピーダンス整合に用いる2つ可変成分の現実の値、および前記インピーダンス整合装置の入力部から見た入力インピーダンスの測定値から、前記理論回路モデルでの出力インピーダンスを算出する工程と、
    整合遷移による前記出力インピーダンスが同じ値であると仮定し、前記出力インピーダンスの算出値に基づいて、前記理論回路モデルにおける整合条件での演算により、インピーダンス整合時の前記2つの可変成分を算出する工程と、
    前記算出された前記2つの可変成分の値に対応するように、前記インピーダンス整合装置の実際の可変成分の値を制御する工程と、
    を実行する、インピーダンス整合装置。
  11. 前記制御部は、前記出力インピーダンスを算出する工程、前記2つの可変成分を算出する工程、および前記実際の可変成分の値を制御する工程を、インピーダンスが整合するまで繰り返す、請求項10に記載のインピーダンス整合装置。
  12. 前記2つの可変成分は、いずれも可変素子である、請求項10または請求項11に記載のインピーダンス整合装置。
  13. 前記2つの可変素子として、第1の可変コンデンサおよび第2の可変コンデンサを有する、請求項12に記載のインピーダンス整合装置。
  14. 前記インピーダンス整合装置は、前記第1の可変コンデンサおよび前記第2の可変コンデンサが、それぞれ、前記高周波電源に対して、前記負荷と並列および直列に接続された逆L型である、請求項13に記載のインピーダンス整合装置。
  15. 前記インピーダンス整合装置は、前記第1の可変コンデンサおよび前記第2の可変コンデンサが、いずれも前記高周波電源に対して、前記負荷と並列に接続されたπ型である、請求項13に記載のインピーダンス整合装置。
  16. 前記高周波電源は周波数変調機能を有しており、前記可変成分は、一方が前記高周波電源の変調周波数であり、他方が可変素子である、請求項10または請求項11に記載のインピーダンス整合装置。
  17. 前記インピーダンス整合装置は、前記可変素子が可変コンデンサであり、前記可変コンデンサが前記高周波電源に対して、前記負荷と直列に接続され、さらに、前記高周波電源に対して、前記負荷と並列に接続された固定コンデンサを有するπ/T型+VF型である、請求項16に記載のインピーダンス整合装置。
  18. 前記負荷は、プラズマ処理部のプラズマ負荷を含み、
    前記制御部は、前記高周波電源から前記プラズマ処理部に高周波電力を投入してプラズマ放電を生成させた状態で、前記出力インピーダンスを算出する工程を実行する、請求項10から請求項17のいずれか1項に記載のインピーダンス整合装置。
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