(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る取引装置及び磁気復元方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
[取引システム]
図2は、第1の実施形態に係る取引システムの全体構成及び取引装置の外観構成を示す構成図である。
図2において、第1の実施形態に係る取引システム90は、取引装置10、ネットワーク回線50、金融機関のホストコンピュータ30、ネットワーク回線60、他の金融機関のホストコンピュータ40を有する。
図2の例では、それぞれ1台ずつの取引装置10、ホストコンピュータ30、ホストコンピュータ40を示しているが、それぞれの台数は特に限定されない。
取引装置10は、取引カードの挿入や排出を行なうカード入出口2a、通帳の挿入や排出を行なう通帳入出口4a、紙幣の挿入や排出を行う紙幣入出金口6a、硬貨の挿入や排出を行う硬貨入出金口7a、操作表示部3、音声ガイダンスや音等を出力するハンドセット11を有する。
取引装置10は、例えば、金融機関やコンビニエンスストアやスーパーマーケットや駅等に設置される。取引装置10は、挿入された取引カードに搭載されている磁気ストライプ又はICチップに格納されるカード情報を用いて、所望の取引処理を行なう。
取引装置10は、ネットワーク回線50を介して、ホストコンピュータ30と接続する。ホストコンピュータ30は、取引装置10を管理する金融機関が運用するものである。
取引装置10は、顧客操作により取引内容を含む取引要求電文をホストコンピュータ30に送信する。ホストコンピュータ30は、取引装置10から取引内容を含む取引要求電文を取得し、取引要求電文に対する応答電文を取引装置10に返信する。取引装置10は、ホストコンピュータ30からの応答電文に従って取引処理を実行する。なお、ホストコンピュータ30は、少なくとも、銀行コード、店コード、口座番号、顧客の氏名、取引履歴などの情報を記憶している。
またホストコンピュータ30は、ネットワーク回線60を介して、他の金融機関のホストコンピュータ40と接続している。
ホストコンピュータ40は、他の金融機関のホストコンピュータである。この実施形態では、ホストコンピュータ40が、クレジットカード発行会社が運用するものである場合を想定して説明する。
例えば、取引装置10を使用する顧客が、クレジットカードを利用してクレジット発行会社との間で取引をする場合、金融機関のホストコンピュータ30は、取引装置10から取得した取引内容を含む取引要求電文を、クレジットカード発行会社のホストコンピュータ40に送信する。クレジットカード発行会社のホストコンピュータ40は、金融機関のホストコンピュータ30からの取引要求電文に対して応答電文を返信する。ホストコンピュータ30は、応答電文を取引装置10に送信する。取引装置10は、受信した応答電文に従って取引処理を実行する。なお、ホストコンピュータ40は、顧客の氏名、クレジットカード番号、クレジットカード有効期限、クレジットカードの引き落とし口座に係る金融機関コード、店コード、口座番号、当該口座の氏名等を記憶している。なお、かかる例に限定されず、例えば、クレジットカードに関する取引の場合、取引装置10がホストコンピュータ40に直接に取引要求電文を送信しても良い。
[取引装置]
図1は、第1の実施形態に係る取引装置10の制御系の構成を示す構成図である。
図1において、第1の実施形態に係る取引装置10は、制御部1、カード処理部2、操作表示部3、通帳処理部4、明細票処理部5、紙幣入出金部6、硬貨入出金部7、通信部8、記憶部9、音声ガイダンスや音等を出力するハンドセット11を有する。
カード処理部2は、カード入出口8aから挿入された取引カード100を取り込み、取引カード100に搭載されている磁気ストライプ及び/又はICチップからカード情報を読み取り、その読み取ったカード情報を制御部1に与えるものである。
カード処理部2は、挿入された取引カード100の磁気ストライプから磁気データを読み取ったり、磁気データを磁気ストライプに書き込んだりする磁気リードライト部21と、取引カード100のICチップ130を活性化させてICチップ130からカード情報を読み取るIC読取部22とを有する。カード処理部2は、磁気データの読み取りができなくなった磁気ストライプを復元するものである。カード処理部2の構成の詳細な説明は後述する。また、第1の実施形態に係るカード処理部2による磁気ストライプの復元は、全部又は一部の磁気ストライプを復元すること、又は取引の支障がないように復元用の磁気データに加工等を施したものを磁気ストライプに書き込むことを意味する。さらに、一部の磁気ストライプの復元は、例えば、取引装置10で取引する際に支障が生じないようにするため復元用の磁気データの一部を修復した上で磁気ストライプに書き込むことを意味する。
通帳処理部4は、通帳入出口4a(図2参照)から挿入された通帳に印字を行うものである。また、通帳処理部4は、通帳に付与されている磁気記録情報の読取りや書込みをするリードライト手段、通帳の頁行の検出手段、改頁手段を有する。なお、この実施形態では、取引装置10が通帳処理部4を備える場合を例示しているが、この例に限定されず、例えば、取引装置10は通帳処理部4を備えない場合でも良い。
明細票処理部5は、取引内容情報(例えば、取引年月日、金額等)を用紙に印字して明細票を発行する。
紙幣入出金部6は、入金の場合、紙幣入出金口6aから投入された紙幣の真偽鑑別及び紙幣枚数の計数を行ない、図示しないスタッカ等に紙幣を搬送する。また、紙幣入出金部6は、出金の場合、スタッカから紙幣の繰り出しや搬送を行ない、紙幣の真偽鑑別及び計数を行ない、紙幣入出金口6aに排出する。なお、この実施形態では、取引装置10が、紙幣の入金及び出金を行なう紙幣入出金部6を備える場合を例示するが、例えば、紙幣入出金部6に代えて、紙幣の出金を行なう紙幣出金部としてもよい。例えば、紙幣の入金は不可だが、紙幣の出金は可とする場合でも良い。
硬貨入出金部7は、入金の場合、硬貨入出金口7aから投入された硬貨枚数を計数し、図示しないスタッカ等に硬貨を収納する。また、硬貨入出金部7は、出金の場合、スタッカから繰り出された硬貨枚数を計数して硬貨入出金口7aに排出する。なお、取引装置10は、硬貨入出金部7を備える場合を例に挙げて、以下説明するが、かかる例に限定されず、例えば、取引装置10は上記硬貨入出金部7を備えない場合でも良い。
操作表示部3は、顧客による取引入力するためのタッチパネルやテンキーなどの入力部と、取引種別選択画面や誘導画面や入力情報を含む画面や操作キー等を表示するための表示部を有する。
制御部1は、取引装置10において実行可能な処理を司る部分である。第1の実施形態に係る制御部1の主な機能は、磁気情報確認部1a、券面情報確認部1b、端子確認部1c、IC情報読取部1d、磁気情報復元部1e、取引処理部1fを有する。
磁気情報確認部1aは、カード処理部2の磁気リードライト部21から、取引カード100の磁気ストライプに格納されている磁気データに基づくカード情報を解析するものである。
券面情報確認部1bは、画像読取部203により読み取られた取引カード100の上側券面のイメージ画像(カードイメージとも呼ぶ。)から、取引カード100の上側券面に記載されている情報を読み取ったり、読み取ったイメージ画像の記憶処理等を行なったりする。ここで、「上側券面」は、顧客により取引カード100がカード入出口2aに挿入された際、その挿入された状態の取引カード100の上側の券面をいう。
端子確認部1cは、取引カード100の上側券面のイメージ画像から、予め設定された、ICチップ130の位置を含む部分領域の画像を解析して、ICチップ130のIC端子部の存在を確認するものである。端子確認部1cは、例えば、予め記憶されたICチップ130のIC端子部のイメージ画像パターンとのマッチングなどにより、部分領域の画像がIC端子部を含んでいるか否かを確認する方法を適用できる。
IC情報読取部1dは、ICチップ130のIC端子部が存在する場合に、IC接点部204をICチップ130のIC端子部に電気的に接触させて、IC接点部204をICチップに格納されているIC情報を取得するものである。
磁気情報復元部1eは、磁気情報確認部1aにより磁気ストライプに磁気不良が発生していると判断されたときに、磁気ストライプに格納する磁気情報を取得して、磁気ストライプに磁気データを書き込む。
その後、再度、磁気情報復元部1eは、磁気ストライプ110又は140に格納されている磁気データを読み取り、その読み取った磁気情報と書き込んだ磁気情報とが一致するか否かを確認して、正常に磁気情報を復元したか否かを判断する。なお、磁気情報復元部1eが磁気ストライプに書き込む磁気情報の取得方法の詳細な説明は動作の項で行なう。また、磁気情報復元部1eは、例えば、上記書き込んだ磁気情報と読み取った磁気情報とが一致するか否かの確認処理を省略する場合でも良い。
取引処理部1fは、取引装置10が実行可能な各種取引処理を行なう。取引処理部165は、例えば、入金取引、出金取引、残高確認処理、通帳記入処理、振込処理などを行なう。取引処理部165は、磁気情報又はIC情報から、取得したカード情報と入力された暗証番号及び取引に係る情報を含む取引情報をホストコンピュータ30との間で授受することにより取引を実行する。
通信部8は、上位装置であるホストコンピュータ30と接続するためのインタフェース部である。
記憶部9は、取引装置10において実施された取引内容に係る情報を記憶するものである。
[取引カード]
次に、この実施形態に係る取引装置10において利用される取引カード100の構成を、図面を参照しながら詳細に説明する。
取引カード100は、クレジットカード機能が搭載されたクレジット一体型ICキャッシュカードである場合を想定して説明するが、かかる例に限定されるものではない。
図3は、取引カード100の表面(第1面)の構成を示す構成図である。図4は、取引カード100の裏面(第2面)の構成を示す構成図である。
図3に示すように、取引カード100の表面には、クレジットカード用の磁気ストライプ(以下、「第1のクレジット磁気ストライプ」とも呼ぶ。)110、キャッシュカード用磁気ストライプ(以下、「キャッシュ磁気ストライプ」とも呼ぶ。)120、ICチップ130が設けられている。
図4に示すように、取引カード100の裏面には、クレジットカード用の磁気ストライプ(以下、「第2のクレジット磁気ストライプ」とも呼ぶ。)140が設けられている。なお、図4では、点線でICチップ130を示しているが、これは、取引カード100を裏面にしたときに、表面にあるICチップ130の位置が分かるようにするために示しているにすぎず、裏面にはICチップ130のIC端子部はないものとする。
図3に示すように、例えば、クレジットカード又はキャッシュカードとして取引カード100を利用する場合、取引カード100は第1の方向で取引装置10に挿入され、キャッシュカードとして取引カード100を利用する場合、取引カード100は第2の方向で取引装置10に挿入される。なお、上記挿入方向として第1の方向と第2の方向と共にキャッシュカード利用可能となっている。これは、例えば、第1の方向の場合、主にICチップ130を用いて取引処理が行なわれ、また第2の方向の場合、主に磁気ストライプ120を用いた取引処理が行なわれるが、かかる例に限定されない。例えば、第2の方向の場合に、ICチップ130を用いた取引処理が行なわれても良い。
ここで、取引カード100に搭載する磁気ストライプへのデータ記録方法には、主として、通称「JIS I型」と「JIS II型」の種類が使用されている。
「JIS I型」及び「JIS II型」は共に、例えば、F2F(Two Frequency Coherent Phase Encoding)と呼ばれる記録方法でデータを記録する。同一トラックにデータとクロックを合成して記録する方法であり、クロック間で磁束の反転があれば「0」、磁束の反転がなければ「1」を意味する。
「JIS I型」には3つのトラックがあり、トラック#1は7ビットを格納でき、トラック#2及びトラック#3は5ビットを格納できるのに対して、「JIS II型」は8ビットを格納できる。また、記録する文字数は、「JIS I型」のトラック#1が最大79文字、トラック#2は最大40文字、トラック#3は最大107文字であるが、「JIS II型」は最大72文字である。
「JIS I型」は、例えば国際的なクレジットカード発行会社等のクレジットカード情報を記録するときに利用される規格であり、カードの裏面に設けられる。「JIS II型」は、例えば日本国の各銀行や信販会社等の情報を記録する際に多く利用される規格であり、カードの表面に設けられる。
つまり、図3に示す、第1のクレジット磁気ストライプ110と、キャッシュ磁気ストライプ120とは、取引カード100の表面に設けられている「JIS II型」のものである。
図4に示す、第2のクレジット磁気ストライプ140は、取引カードの裏面に設けられている「JIS I型」のものとする。
「JIS II型」の第1のクレジット磁気ストライプ110には、クレジットカードに関する情報110aが磁気データとして記録されている。より具体的には、クレジット口座情報が格納されており、例えば、クレジットカード発行会社、クレジット番号、有効期限、氏名等が格納されている。
「JIS II型」のキャッシュ磁気ストライプ120には、金融機関の口座に関する情報120aが磁気データとして記録されている。より具体的には、金融機関口座情報が格納されており、例えば、金融機関コード、店コード、口座番号、氏名等が格納されている。
「JIS I型」の第2のクレジット磁気ストライプ140には、クレジットカードに関する情報が磁気データとして記録されている。より具体的には、クレジット口座情報が格納されており、例えば、クレジットカード発行会社、クレジット番号、有効期限、氏名等が格納されている。なお、「JIS I型」は、「JIS II型」よりも多くの文字数を記録できる可能性がある。
ICチップ130は、CPU、ROM、RAM、EEPROM等を有する装置であり、CPUがROMに格納される処理プログラムを実行することができる。
図3に示すように、ROMに格納される処理プログラム(アプリケーション)には、キャッシュICアプリケーション(以下、「キャッシュ用アプリケーション」とも呼ぶ。)131と、クレジットICアプリケーション(以下、「クレジット用アプリケーション」とも呼ぶ。)132がある。なお、図3には図示しないが、ICチップ130が実行する機能に応じて他のアプリケーションが格納されるようにしてもよい。
キャッシュ用アプリケーション131は、キャッシュカードを用いた取引処理に対応するアプリケーションである。キャッシュ用アプリケーション131は、例えば全国銀行協会(以下、「全銀協」とも呼ぶ。)が採用している金融取引に関する仕様に対応するものを適用できる。キャッシュ用アプリケーション131には、データを格納する記憶領域131aがある。この記憶領域131aには、本人認証に必要な鍵情報、本人認証に関連する情報(例えば、暗証番号、生体認証情報など)、自行/他行含め、ICキャッシュカード、ICクレジットカード、又はクレジット一体型取引カード等のカード種類を判定するのに使われる有効性情報や、顧客情報(例えば、銀行コード、店コード、口座番号、氏名等)が格納される。
クレジット用アプリケーション132は、クレジットカードを利用した取引処理に対応するアプリケーションである。クレジット用アプリケーション132は、例えば、主要なクレジットカード発行会社が採用しているEMV仕様に対応するものを適用できる。クレジット用アプリケーション132には、データを格納する記憶領域132aがある。この記憶領域132aには、本人認証に必要な鍵情報、本人認証に関連する情報(例えば、暗証番号、生体認証情報など)、顧客情報(例えば、クレジットカード発行会社、クレジット番号、有効期限、氏名、クレジレットカードの引き落とし金融機関の銀行コード、店コード、口座番号、氏名等)が格納される。
[カード処理部]
図5は、実施形態に係るカード処理部2の構成を示す構成図である。
図5において、実施形態に係るカード処理部2は、カード入出口2aから取引装置10の奥側(図5では右側)に向けて設けられた搬送路206に沿って、カード検知部201a及び201b、磁気ヘッド部202、画像読取部203、IC接点部204、磁気ヘッド部207を有する。
また、搬送路206には、奥側方向若しくはカード入出口2a側方向に、取引カード100を搬送する複数の搬送ローラ部205が設けられている。
カード検知部201a及び201bは、カード入出口2aから挿入された取引カード100を検知するものである。例えば、カード検知部201a及び201bは、送光器と受光機とを有する光学センサを用いることができる。カード検知部201a及び201bは、挿入された取引カード100を検知するため、カード入出口2aから少し奥方の位置に配置されることが好ましい。
なお、カード検知方法はかかる例に限定されない。例えば、カード検知部201a及び201bは、磁気ストライプ有する取引カード100を検知する磁気センサの場合でもよい。また例えば、カード検知部201a及び201bのうち磁気センサとしてカード検知部201aのみ備わる場合でも良く、この場合、当該カード検知部201aはJIS II型の磁気ストライプを有する取引カード100を検知する。
また例えば、磁気センサとしてのカード検知部201は、カード入出口2a付近に存在し、取引カード100の先端部が挿入された段階で磁気ストライプの有を検知し、搬送ローラ205が駆動しても良い。また、上記磁気センサは、例えば、カード入出口2a付近の磁気ストライプを検知可能な位置に少なくとも1つ備わっても良い。すなわち、磁気センサは、磁気ストライプ110、120、又は140のうち少なくとも1つを検知可能とし、少なくとも1つ、最大3つの磁気センサが備えるようにしてもよい。さらに、当該磁気センサによる磁気ストライプの検知の有無により、例えば、磁気センサにより磁気ストライプ110、140が検知された場合、ICクレジットカードと判定される等、挿入される取引カード100のカード種類が判定されても良い。または、上記磁気センサの代わりとして、磁気ヘッド部202,207が磁気ストライプを読み取れたか否かによって、挿入される取引カード100のカード種類が判定されても良い。かかるカード種類が判定されることで、制御部1は、例えば、どのアプリケーションを起動させれば良いか効率的に判断することが可能となる。
磁気ヘッド部202は、制御部1からの指令を受けた磁気リードライト部21の制御により、挿入された取引カード100の表面に付与されている磁気ストライプ(第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又はキャッシュ磁気ストライプ120)から磁気データを読み取ったり、磁気データを書き込んだりするものである。磁気ヘッド部202は、例えば、搬送路206の上部であって、搬送路206を走行する取引カード100の磁気ストライプの位置に対応する位置に設けられている。
磁気ヘッド部207は、制御部1からの指令を受けた磁気リードライト部21の制御により、挿入された取引カード100の裏面に付与されている磁気ストライプ(第2のクレジット磁気ストライプ140)から磁気データを読み取ったり、磁気データを書き込んだりするものである。磁気ヘッド部207は、例えば、搬送路206の下部であって、搬送路206を走行する取引カード100の磁気ストライプの位置に対応する位置に設けられている。なお、磁気ヘッド部207は必須要素としなくてもよい。
画像読取部203は、挿入された取引カード100のカード表面(上側券面)の略全領域のイメージ画像を読み取るものである。例えば、画像読取部203は、搬送路206の上部に設けられている。そのため、画像読取部203は、搬送路206を搬送する取引カード100の上側券面のイメージ画像を読み取る。制御部1は、画像読取部203により読み取られた、取引カード100の上側券面のイメージ画像から、取引カード100のICチップ130のIC端子部が設けられているか否かを判断することができる。また、イメージ画像にICチップのIC端子部がある場合、制御部1は、取引カード100の上側券面におけるICチップ130のIC端子部102の位置も認識することができる。
IC接点部204は、制御部1からの指令を受けたIC読取部22の制御により、挿入された取引カード100に付されているICチップ130のIC端子部と電気的に接触して、ICチップ130に格納されている情報を読み取るものである。例えば、IC接点部204は搬送路206の上部に設けられており、IC接点部204は搬送路206に対して垂直方向(上下方向)に可動可能である。そのため、ICチップ130のIC端子部と電気的な接触をするときには、搬送されてきた取引カード100の搬送を停止し、IC接点部204が下方向に移動して、IC接点部204がICチップ130のIC端子部に電気的に接触する。また、格納情報の読み取りが終了すると、IC接点部204が上昇し、IC接点部204がICチップ130のIC端子部から離れる。
(A−2)第1の実施形態の動作
図6は、第1の実施形態に係る磁気データの復元処理を示すフローチャートである。
ここでは、取引装置10が実行することができるメニュー画面から、顧客が磁気情報の復元ボタンを選択して、取引装置10が、取引カード100の表面にあるJIS II型の第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データを復元する場合を例示する。
図9は、取引装置10の操作表示部3に表示されるメニュー画面例を示す画面図である。図9に示すように、操作表示部3に表示されるメニュー画面5001には、取引カード100の磁気ストライプ(第1のクレジット磁気ストライプ110)の磁気データを復元処理するカード情報復元ボタン5002がある。
なお、図9に示すメニュー画面5001には、カード情報復元ボタン5002のみが表示される場合を例に挙げて、以下説明するが、かかる例に限定されない。例えば、メニュー画面5001に、お振込みボタン、お預入れボタンなど各取引を選択するための取引ボタンが、上記カード情報復元ボタン5002と共に表示される場合でも良い。また例えば、ハンドセット11は、上記カード情報復元ボタン5002の表示と共に、若しくは、磁気データを復元処理するための音声ガイダンスを単独で出力しても良い。
[S101]
顧客によりカード情報復元ボタン5002が選択されると、取引カード100を挿入させる画面(図示しない)が操作表示部3に表示され、取引カード100が、第1方向でカード入出口2aに挿入される。
取引カード100の挿入方向は、例えば、画像読取部203が読み取ったイメージ画像に基づいて判断するようにしてもよい。例えば、取引カード100の表面に設けられるICチップ130のIC端子部の位置は規格化されており、IC端子部は、第1方向(正方向)に挿入された取引カード100の左側の位置と決まれている。従って、画像読取部203により撮像されたイメージ画像から、ICチップ130のIC端子部の位置が規定の位置にある場合には、第1方向(正方向)で取引カードが挿入され、IC端子部がない場合には、第1方向(正方向)で挿入されなかったと判断できる。
なお、第2方向で取引カード100がカード入出口2aに挿入された場合、例えば、取引装置10は取引カード100を一度返却して処理を終了してもよい。また例えば、取引装置10は、第1方向で取引カード100の再挿入を要求し、タイムアウト時間内に挿入された場合には、処理を引き続き行ない、タイムアウト時間を経過したとき処理を終了するようにしてもよい。
[S102]
挿入された取引カード100は、画像読取部203により当該取引カード100の上側券面のほぼ全領域のイメージ画像を読み取る。取引カード100のイメージ画像を全て読み取った後、搬送路206上で停止し待機する。取引カード100のイメージデータは制御部16に与えられる。なお、かかる例に限定されず、例えば、取引カード100のイメージ画像を読み取る処理(S102)は省略しても良い。
[S103]
取引カード100は、磁気ヘッド部202により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データが制御部1に与えられる。
例えば、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気不良が生じている場合、磁気データが消磁してしまい、正常に磁気データを読み取ることができないことが生じ得る。
磁気データが正常に読み取れた場合、磁気データの復元は不要であるので、S110に進み、取引カード100が返却されて処理は終了する。磁気データが正常に読み取れない場合、磁気データの復元が必要となるので、S104に進む。
[S104]
磁気データに異常がある場合、制御部1は、画像読取部203により読み取られたイメージ画像から、取引カード100のIC端子部付近のイメージ認識を行ない、当該取引カード100にICチップ130が搭載されているか否かを行なう。
すなわち、制御部1は、取引カード100の搬送誤差等を考慮したIC端子部の認識領域のイメージ画像を判断し、当該取引カード100にIC端子部が存在するか否かイメージ解析を行なう。そして、イメージ画像においてICチップ130のIC端子部を認識した場合、S105に進み、ICチップ130のIC端子部を認識できない場合、S104に進む。
なお、かかる例に限定されず、例えば、制御部1は、IC読取部22によるICチップ130の活性化の結果に基づいてIC端子部の認識の成否を判断しても良い。この場合、例えば、まずはキャッシュ用アプリケーション131が起動され、ICチップ130の記憶領域131aからキャッシュ用のデータを取得できた場合はIC端子部を認識したと判断できるので、イメージ解析による認識処理を省略できる。
さらに例えば、制御部1は、上記取得したデータに含まれる有効性情報に基づいて、挿入された取引カード100が、例えば、クレジット一体型取引カードであるかなどのように、カード種類を特定しても良い。または、制御部1は、例えば、磁気ストライプ110、120、及び140のうちどの磁気ストライプが検知されるのかに応じて、カード種類が特定されても良い。
[S105〜S107]
図7は、第1の実施形態に係るICチップ130からのクレジット口座情報の取得処理を示すシーケンス図である。
S105〜S107の処理は、図7も参照しながら詳細に説明する。
ICチップ130に搭載されているアプリケーションのうち、クレジット用アプリケーション132を起動させて、ICチップ130からクレジット口座情報を取得するため、制御部1は、磁気情報復元部1eに情報取得要求を行なう(図7のS11)。
なお、ステップS105にてクレジット用アプリケーション132が起動されるときに、例えば、事前に取引カード100のカード種類が特定された上で、クレジット用アプリケーション132が起動されても良い。カード種類を予め把握しておけば、どのアプリケーションをまずは起動させれば良いか、容易に判断することが可能となり、処理の迅速化が図れる。
ここで、制御部1は、本人認証のために、暗証番号を用いた認証処理を行なうようにしてもよい。つまり、操作表示部3には、暗証番号入力画面が表示され、顧客に暗証番号を入力させる。そして、入力された暗証番号が正当である場合に、ICチップ130のクレジット用アプリケーションを起動させるようにしてもよい。また、ここでは暗証番号を用いた本人認証を行なう場合を例示したが、例えば生体認証情報を用いた本人認証を行なうようにしてもよい。
制御部1から情報取得要求を受けた磁気情報復元部1eは、ICチップ130に対してクレジット用アプリケーション132への切替指令を通知し(S12)、ICチップ130からOKが通知され(S13)、クレジット用アプリケーション132が起動する(S105)。なお、もしステップS13でOKの通知がされなかった場合又はOK以外の通知がされた場合、例えば、磁気情報復元部1eは、制御部1にエラーの返答(図示せず。)をしても良い、その際、制御部1は、例えば、挿入された取引カード100はクレジット用アプリケーション132が起動できないと判断し、カード種類が、例えばICキャッシュカードの可能性があるため、処理を中止しても良い。
ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132が起動すると、磁気情報復元部1eは、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132において格納されている、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データとして利用できるクレジット口座情報を読み出す(S14)。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報が読み出されると(S15)、磁気情報復元部1eは、取得したクレジット口座情報を制御部1に通知する(S16)。
これにより、制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を取得することができる(S106)。
ここで、制御部1は、ICチップ130から取得したクレジット口座情報を解析して、当該クレジット口座情報が、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納するカード情報として適切であるか否かを判断し、又は磁気ストライプ110に格納可能なカード情報にするため必要に応じて当該クレジット口座情報を加工/編集等するようにしてもよい。
例えば、ICチップ130から取得したクレジット口座情報の内、有効期限が過ぎている場合には、そのクレジットカードは利用できないので、その場合には、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納できないものと判断する。
また例えば、制御部1は、ICチップ130のキャッシュ用アプリケーション131のキャッシュカードに関する情報と、ICチップ130から取得したクレジット用アプリケーション132のクレジットカードに関する情報とを比較し、キャッシュカードの氏名とクレジットカードの氏名が異なるときには、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納できないものと判断してもよい。
制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプ110への磁気データの書き込み指令を磁気情報復元部1eに行なう(S17)。
磁気情報復元部1eは、磁気リードライト部21に対して、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データを生成させる。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データが、磁気ヘッド部202を通じて、第1のクレジット磁気ストライプ110に書き込まれる(S18)。
これにより、第1のクレジット磁気ストライプ110において磁気データが復元する(S107)。
磁気データが第1のクレジット磁気ストライプ110書き込まれると、OKが磁気情報復元部1eに通知され(S19)、さらにOKが制御部1に通知される(S20)。
ここで、ICチップ130には、キャッシュ用アプリケーション131と、クレジット用アプリケーション132と有するアプリケーションが搭載されている。
取引装置10では全銀協が採用している仕様方式が、デフォルトとなっている。そのため、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132にアクセスするためには、全銀協の仕様方式からEMV仕様方式に切り替える必要があり、その後、EMV仕様方式でICチップ130にアクセスして、クレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を取得する必要がある。
例えば、ソフトウェア処理でICチップ130へのアクセス方法をEMV仕様方式に切り替えて、ICチップ130からクレジット口座情報を取得するような場合、図8に例示する方法が考えられる。
つまり、図8の例の場合、まず、アプリケーションとして機能する制御部1からクレジット用アプリケーション切替指令が磁気情報復元部1eに通知され、さらに磁気情報復元部1eがクレジット用アプリケーション切替指令を通知して、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132を起動させる(S901〜S904)。次に、クレジット口座情報の読込指令が磁気情報復元部1eに送信され、磁気情報復元部1eがクレジット口座情報の読込指令をICチップ130に通知する(S905〜S908)。そして、磁気データの書き込み指令が磁気情報復元部1eに送信され、磁気情報復元部1eが磁気書き込み指令をICチップ130に通知する(S909〜S913)。なお、もしステップS904でOKの通知がされなかった場合又はOK以外の通知がされた場合、制御部1は、例えば、挿入された取引カード100はクレジット用アプリケーション132が起動できないと判断し、カード種類がICキャッシュカード等の可能性があるため、処理を中止しても良い。
このように、図8の例の場合、ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132を起動させ、クレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を読み出し、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気データを書き込みさせる指令が必要となり、処理が複雑になってしまう。
そこで、この実施形態では、図7に示すように、アプリケーションとして機能する制御部1が、磁気情報復元部1eに情報取得要求をキックすることのみで、ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132を起動させ、クレジット口座情報を読み出すようにする。これにより、複雑な処理を簡略化することができ、また、磁気データの復元処理に係る時間も短縮化することができる。なお、図7及び図8に示すシーケンス処理ともに、磁気データの復元という目的としては共通し、有効なものである。
[S108]
ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報が取得でき、そのクレジット口座情報に基づいて第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元した後、制御部1は、復元した磁気データが正常に復元されたか否かを確認する。
磁気データの正常性の確認方法は、種々の方法を適用できる。
例えば、再度、第1のクレジット磁気ストライプ110から磁気データを読み込み、磁気データが正常に読み込めるかを確認する方法としてもよい。
また例えば、再度、第1のクレジット磁気ストライプ110から磁気データに基づくクレジット口座情報を読み込み、取引装置10が、磁気データに基づくクレジット口座情報を、ホストコンピュータ30(若しくはホストコンピュータ30を経由させてホストコンピュータ40)に送信する。そして、ホストコンピュータ30(若しくはホストコンピュータ40)において、クレジット口座情報が正しいものかを確認し、その確認結果に応じて、磁気データが正常であるか否かを確認するようにしてもよい。つまり、取引装置10は、ホストコンピュータ30(若しくはホストコンピュータ40)にクレジット口座情報を確認させるようにしてもよい。
なお、磁気データの復元後に正常に復元されたか否かを確認する場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、磁気データが正常に復元されたか否かの確認を省略しても良い。
[S109]
S108における磁気データの正常性の確認結果が操作表示部3に表示される。なお、上記操作表示部3に確認結果が表示される他に、例えば、ハンドセット11に確認結果を音声で出力する、又は、明細票に上記確認結果が印刷される等の場合でも良い。また、例えば、上記確認結果が、操作表示部3、ハンドセット11、及び明細票に出力されるのを省略しても良い。また、例えば、上記確認結果の代わりに、復元が完了した旨の復元結果が、操作表示部3、ハンドセット、及び明細票の少なくとも1つに出力されても良い。
例えば、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気データを正常に復元できなかった場合には、その旨を含む表示画面が操作表示部3に表示されてもよい。このとき、表示画面は、第1のクレジット磁気ストライプ110への磁気データが正常に復元できなかったときに、クレジットカード発行会社に問い合わせる旨を含むものとしてもよい。
また例えば、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気データを正常に復元できた場合には、その旨と共に返却した取引カード100を受け取る旨を含む表示画面又は音声が、操作表示部3又はハンドセット11に表示されるようにしてもよい。
[S110]
取引カード100の返却のため、取引カード100がカード入出口3aから排出される。なお、取引カード100の返却の際、磁気ストライプ110の復元が行われた場合は、その旨が印字された明細票が出力されても良い。また、取引カード100の返却の際、磁気ストライプ110が不良であるが、磁気ストライプ110の復元が行われなかった場合は、その旨が印字された明細票が出力されても良い。
(A−3)第1の実施形態の変形実施形態
上述した第1の実施形態では、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気不良が生じている場合に、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データを復元するときを例示した。
しかし、磁気データの復元する対象は、第1のクレジット磁気ストライプ110に限定されるものではなく、取引カード100の裏面に設けられている第2のクレジット磁気ストライプ140であってもよい。
また、磁気データを復元するための元データは、例えば、ICチップ内にあるデータ又はイメージ解析した結果を基に取引装置10がホストコンピュータ30又はホストコンピュータ40にアクセスすることで、当該ホストコンピュータ30又はホストコンピュータ40から取得されてもよい。
また、例えば、顧客によるカード情報復元ボタン5002の選択は省略されても良い。つまり、上記カード情報復元ボタン5002の選択に先行して、取引カード100がカード入出口2aに挿入されることで、当該カード情報復元ボタン5002の選択が省略されても良い。
(A−4)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、例えば、クレジット一体型取引カード等の磁気ストライプにおいて磁気不良が生じてしまい、正常に磁気データを読み出せない場合に、ICチップに搭載されているクレジット口座情報を読み出し、このクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元することができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る取引装置及び磁気復元方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132にアクセスできなかった場合、若しくは、クレジット用アプリケーション132にクレジット口座情報が存在していない場合に、取引装置10がクレジットカード発行会社のホストコンピュータ40にアクセスする。
そして、取引装置10がホストコンピュータ40からクレジット口座情報を取得し、そのクレジット口座情報に基づく磁気データを第1のクレジット磁気ストライプ110に書き込み、第1のクレジット磁気ストライプを復元する方法を例示する。
第2の実施形態においても、第1の実施形態の図1〜図5を用いて説明する。
図10は、第2の実施形態に係る磁気データの復元処理を示すフローチャートである。図10では、第1の実施形態の図6と対応する処理については同一符号を付している。
図10においても、図6と同様に、顧客がメニュー画面から磁気情報の復元ボタンを選択して、取引装置10が、JIS II型の第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データを復元する場合を例示する。
[S101〜S103]
顧客によりカード情報復元ボタン5002が選択され、取引カード100が、第1方向でカード入出口2aに挿入される(S101)。
挿入された取引カード100は、画像読取部203により当該取引カード100の上側券面のほぼ全領域のイメージ画像を読み取る。取引カード100のイメージ画像を全て読み取った後、搬送路206上で停止し待機する。取引カード100のイメージデータは制御部16に与えられる(S102)。
取引カード100は、磁気ヘッド部202により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データが制御部1に与えられる(S103)。
磁気データが正常に読み取れた場合、磁気データの復元は不要であるので、S110に進み、取引カード100が返却されて処理は終了する。磁気データが正常に読み取れない場合、磁気データの復元が必要となるので、S201に進む。
[S201]
磁気データに異常がある場合、制御部1は、画像読取部203により読み取られたイメージ画像から、当該取引カード100にICチップ130が搭載されているか否かを行なう。なお、第1の実施形態にて説明したように、例えば、イメージ画像を使わずにICチップ130が搭載されているか否かを認識する場合でも良い。また、第1の実施形態にて説明したように、例えば、キャッシュ用のデータに含まれる有効性情報を基に挿入された取引カード100がクレジット一体型取引カードであるか判定されても良い。
そして、IC端子部が搭載されていることを認識した場合、制御部1は、ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132を起動させて、ICチップ130からクレジット口座情報を読み取る。
具体的には、図7で例示したように、磁気情報復元部1eは、アプリケーションとして機能する制御部1からの情報取得要求を受けると、ICチップ130に対して、クレジット用アプリケーション132を起動させる。そして、磁気情報復元部1eは、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報の読み込みを行なう。
ここで、制御部1は、本人認証のために、暗証番号を用いた認証処理を行なうようにしてもよい。また例えば生体認証情報を用いた本人認証を行なうようにしてもよい。つまり、操作表示部3に表示される暗証番号入力画面上で、顧客により暗証番号が入力され、入力された暗証番号が正当である場合に、ICチップ130のクレジット用アプリケーションを起動させるようにしてもよい。
[S202]
ICチップ130のクレジット用アプリケーション132において、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する磁気データとして利用することができるクレジット口座情報がある場合、S205に進む。この場合、第1の実施形態と同様の処理であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ICチップ130のクレジット用アプリケーション132において、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する磁気データとして利用することができるクレジット口座情報がない場合、S203に進む。
ここで、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する磁気データとして利用することができるクレジット口座情報とは、例えば、JIS II型の第1のクレジット磁気ストライプ110に格納するクレジット口座情報の一部又は全部が、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132に存在していない場合等が挙げられる。つまり、JIS II型の磁気ストライプに対応した情報の一部又は全部が、ICチップ130(クレジット用アプリケーション132)に格納されていない場合等が考えられる。
[S203]
取引装置10は、クレジットカード発行会社のホストコンピュータ40と通信し、ホストコンピュータ40に向けてクレジット口座情報の取得要求を送信する。
具体的には、取引装置10は、ホストコンピュータ40と直接又はホストコンピュータ30を介してホストコンピュータ40と通信を行なう。従って、取引装置10は、取引カード100の第1のクレジット磁気ストライプ110に格納するクレジット口座情報の取得要求をホストコンピュータ30又はホストコンピュータ40に送信する。また、ホストコンピュータ30は、取引装置10からのクレジット口座情報の取得要求を受信した場合、当該取得要求をホストコンピュータ40に送信する。
ここで、取引装置10は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から読み出したクレジットカードに関する情報(例えば、クレジットカード発行会社、カード番号、有効期限等の一部又は全部の情報)をホストコンピュータ40に向けて、第1のクレジット磁気ストライプ110の復元に必要な情報を取得要求するようにしてもよい。つまり、クレジットカードを特定する情報として、ICチップ130に格納されている情報を利用するようにしてもよい。
なお、取引装置10がホストコンピュータ40にクレジット口座情報の取得要求をする際に、S201で取引装置10が取得したクレジットカードの暗証番号若しくは生体認証情報に関する暗号化情報も一緒にホストコンピュータ40に送信するようにしてもよい。
[S204]
クレジットカード発行会社のホストコンピュータ40から、クレジット口座情報の取得要求に対する応答情報が取引装置10に受信される。
そして、制御部1は、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データとして利用できるクレジット口座情報が取得できたか否かを判断し、利用できるクレジット口座情報でなかった場合、S110に進む。
第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データとして利用できるクレジット口座情報が取得できた場合、S205に進む。
ここで、例えば、制御部1は、ホストコンピュータ40から取得したクレジット口座情報のうち、有効期限が過ぎている場合には、第1のクレジット磁気ストライプ110に利用できないものと判断してもよい。
[S205、S107]
制御部1は、クレジットカード会社のホストコンピュータ40から取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプ110への磁気データの書き込み指令を磁気情報復元部1eに行なう(S205)。
磁気情報復元部1eは、磁気リードライト部21に、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データを生成させる。そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データが、磁気ヘッド部202を通じて、第1のクレジット磁気ストライプ110に書き込まれる(S107)。
なお、S205のとき、ICチップ130は、EMV仕様のクレジット用アプリケーション132は起動しているのであれば、クレジット用アプリケーション132の起動処理(切替処理)は不要である。しかし、EMV仕様のクレジット用アプリケーション132が起動していない場合、必要に応じて、クレジット用アプリケーション132の起動処理(切替処理)を行うようにしてもよい。
[S108]
ホストコンピュータ40から取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元した後、制御部1は、復元した磁気データが正常に復元された否かを確認する。
[S109]
S108における磁気データの正常性の確認結果が操作表示部3に表示される。
[S110]
取引カード100の返却のため、取引カード100がカード入出口3aから排出される。
(B−2−1)第2の実施形態の変形実施形態(その1)
上述した第2の実施形態では、クレジットカード発行会社のホストコンピュータ40からクレジット口座情報を取得して、第1のクレジット磁気ストライプを復元する場合を例示した。
しかし、クレジットカード会社のホストコンピュータ40からクレジット口座情報を取得する場合に限定されるものではなく、金融機関のホストコンピュータ30がクレジット口座情報又はこれに準ずる情報を持っている場合は、ホストコンピュータ30からクレジット口座情報又はこれに準ずる情報を取得するようにしてもよい。
例えば、クレジットカード発行会社が銀行等の金融機関に関連する系列会社とする場合がある。その場合、クレジットカード会社のホストコンピュータ40で管理されるクレジット口座情報又はこれに準ずる情報(復元用のデータ)を、金融機関のホストコンピュータ30が保持する場合がある。
そのような場合に、取引装置10は、クレジットカード会社のホストコンピュータ40から復元用のデータを取得するのではなく、金融機関のホストコンピュータ30から復元用のデータを取得するようにしてもよい。
この場合、S203における処理で、取引装置10は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132に格納されているクレジットカードに関する情報に加えて、若しくは、このクレジットカードに関連する情報に変えて、キャッシュ用アプリケーション131に格納されているキャッシュカードに関する情報を、ホストコンピュータ30に送信するようにしてもよい。
(B−2−2)第2の実施形態の変形実施形態(その2)
上述した第2の実施形態では、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気不良が生じている場合に、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データを復元するときを例示した。
しかし、磁気データの復元する対象は、第1のクレジット磁気ストライプ110に限定されるものではなく、取引カード100の裏面に設けられている第2のクレジット磁気ストライプ140であってもよい。
また、クレジット用アプリケーション132からデータが読み出せない場合に限定されず、例えば、第1のクレジット磁気ストライプ110が不良である場合は、ホストコンピュータ30、40から復元用のデータを取引装置10は取得しても良い。
JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140に格納させるカード情報は、JIS II型の第1のクレジット磁気ストライプ110に格納させる情報と内容が異なり、また情報を格納させる位置が異なる。
従って、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132には、JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140に格納させるカード情報の全部が格納されていない場合も考えらえるが、この実施形態では、ホストコンピュータ40からクレジット口座情報を取得できるので、第2のクレジット磁気ストライプ140を有効に復元することができる。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のようにして、第2の実施形態によれば、例えば、クレジット一体型取引カード等の磁気ストライプにおいて磁気不良が生じてしまい、正常に磁気データを読み出せない場合に、ホストコンピュータ(ホストコンピュータ40、30のいずれか)から復元用のデータを取得し、この復元用のデータに基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元することができる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係る取引装置及び磁気復元方法の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態は、取引カード100の裏面に設けられている第2のクレジット磁気ストライプ140からクレジット口座情報を取得し、そのクレジット口座情報に基づく磁気データを第1のクレジット磁気ストライプ110に書き込み、第1のクレジット磁気ストライプを復元する方法を例示する。
第3の実施形態においても、第1及び第2の実施形態の図1〜図5を用いて説明する。
図11は、第3の実施形態に係る磁気データの復元処理を示すフローチャートである。図11では、第1の実施形態の図6と対応する処理については同一符号を付している。
[S101〜S103]
顧客によりカード情報復元ボタン5002が選択され、取引カード100が、第1方向でカード入出口2aに挿入される(S101)。
挿入された取引カード100は、画像読取部203により当該取引カード100の上側券面のほぼ全領域のイメージ画像を読み取る。取引カード100のイメージ画像を全て読み取った後、搬送路206上で停止し待機する。取引カード100のイメージデータは制御部16に与えられる(S102)。
取引カード100は、磁気ヘッド部202により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データが制御部1に与えられる(S103)。
磁気データが正常に読み取れた場合、磁気データの復元は不要であるので、S110に進み、取引カード100が返却されて処理は終了する。磁気データが正常に読み取れない場合、磁気データの復元が必要となるので、S201に進む。
[S301]
S101で挿入された取引カード100は、磁気ヘッド部207により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データに基づくカード情報が制御部1に与えられる。
つまり、取引カード100の種類によっては、取引カード100の裏面に、JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140が設けられている場合がある。その場合、磁気ヘッド部207が、挿入された取引カード100の裏面に設けられているJIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から磁気データを読み取る。なお、読み取られた第2のクレジット磁気ストライプ140には不良がないか否か確認されるが、かかる場合に限定されない。
[S302]
制御部1は、JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から読み取った磁気データに基づくカード情報を、磁気リードライト部21から取得すると、そのカード情報を解析する。
そして、そのカード情報が、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する磁気データとして利用することができるクレジット口座情報があるか否かを判断する。
JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から読み取った磁気データに基づくカード情報が、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する磁気データとして利用することができるクレジット口座情報でない場合、S110に進む。
JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から読み取った磁気データに基づくカード情報が、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する磁気データとして利用することができるクレジット口座情報である場合、S303に進む。
[S304、S107]
制御部1は、JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から読み取った磁気データに基づくカード情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプ110への磁気データの書き込み指令を磁気情報復元部1eに行なう(S304)。
磁気情報復元部1eは、磁気リードライト部21に、JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から取得したカード情報に基づいて磁気データを生成させる。そして、JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から取得したカード情報に基づいて磁気データが、磁気ヘッド部202を通じて、第1のクレジット磁気ストライプ110に書き込まれる(S107)。
[S108]
取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元した後、制御部1は、復元した磁気データが正常に復元された否かを確認する。
[S109]
S108における磁気データの正常性の確認結果が操作表示部3に表示される。
[S110]
取引カード100の返却のため、取引カード100がカード入出口3aから排出される。
(C−2)第3の実施形態の変形実施形態
第3の実施形態の図11では、JIS I型の第2のクレジット磁気ストライプ140から取得したカード情報に基づいて、JIS I型の第1のクレジット磁気ストライプ110を復元する場合を例示したが、第1の実施形態及び第2の実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、第1のクレジット磁気ストライプを復元するためのクレジット口座情報を、まずは、第2のクレジット磁気ストライプ140から取得するようにする。そして、クレジット口座情報を適切に取得できなかった場合に、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得するようにしてもよい。さらに、クレジット口座情報を適切に取得できなかった場合に、ホストコンピュータ40からクレジット口座情報を取得するようにしてもよい。なお、上記のようなクレジット口座情報の取得先の組み合わせ順序は、特に限定されるものではない。
(C−3)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、例えば、クレジット一体型取引カード等の磁気ストライプにおいて磁気不良が生じてしまい、正常に磁気データを読み出せない場合に、取引カードの裏面に設けられているJIS I型の磁気ストライプに格納されているカード情報を取得し、このカード情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元することができる。
(D)第4の実施形態
次に、本発明に係る取引装置及び磁気復元方法の第4の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(D−1)第4の実施形態の構成及び動作
第4の実施形態は、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気不良がある場合に、第1のクレジット磁気ストライプ110の復元前に、顧客が希望する取引処理を行なう処理を例示する。つまり、顧客が希望する取引処理をした後に、第1のクレジット磁気ストライプの復元処理を行なう。
これにより、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気不良が生じた場合でも、早い段階で取引カード100の磁気データの復元ができる。また、取引処理と共に磁気データを復元できるので、顧客にとっては効率的に取引カード100の磁気不良を解消できる。
なお、第4の実施形態では、第1の実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いて、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する情報を生成する場合を例示する。しかし、第4の実施形態は、第1〜第3の実施形態のうち少なくとも1つの実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いる場合にも適用できる。
第4の実施形態においても、第1〜第3の実施形態の図1〜図5を用いて説明する。
図12は、第4の実施形態に係る磁気データの復元処理を示すフローチャートである。図12では、第1の実施形態の図6と対応する処理については同一符号を付している。
[S101A、S102〜S104]
顧客により残高照会、出金、及び入金等の取引ボタン(図示せず)のうちいずれか1つがメニュー画面5001から選択され、取引カード100が、第1方向でカード入出口2aに挿入される(S101A)。
挿入された取引カード100は、画像読取部203により当該取引カード100の上側券面のほぼ全領域のイメージ画像を読み取る。取引カード100のイメージ画像を全て読み取った後、搬送路206上で停止し待機する。取引カード100のイメージデータは制御部16に与えられる(S102)。
取引カード100は、磁気ヘッド部202により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データが制御部1に与えられる(S103)。
磁気データが正常に読み取れた場合、磁気データの復元は不要であるので、S503に進み、取引装置10は、第1のクレジット磁気ストライプ110から読み取った磁気データを用いて、ホストコンピュータ30との間で情報の授受を行ない、取引を実行する。
磁気データが正常に読み取れない場合、磁気データの復元が必要となるので、S104に進む。
磁気データに異常がある場合、制御部1は、画像読取部203により読み取られたイメージ画像から、当該取引カード100にICチップ130が搭載されているか否かを行なう(S104)。
IC端子部が搭載されていることが認識できない場合、処理はS110に進み、カードが返却される。IC端子部が搭載されていることが認識された場合、処理はS501に進む。なお、第1の実施形態で説明したように、ステップS104の代わりに又はステップS104に含む処理として、キャッシュ用アプリケーション131をまずは起動させ、有効性情報を含むデータが読み取れるか否か確認され、カード種類が特定されても良い。
[S501〜S504]
IC端子部が搭載されていることを認識した場合、制御部1は、ICチップ130においてキャッシュ用アプリケーション131を起動させて(S501)、ICチップ130から口座番号等を含むキャッシュ用のデータ(キャッシュ口座情報)を読み取る(S502)。そして、制御部1は、ホストコンピュータ30との間でキャッシュ口座情報を含む取引内容電文の授受を行ない(S503)、取引装置10は取引を実行する(S504)。つまり、ICチップ130のキャッシュ用アプリケーション131に格納されているキャッシュ口座情報が用いられて取引処理が行われる。なお、上記S104において、既に口座番号等を含むキャッシュ用のデータ(キャッシュ口座情報)が読み取られていた場合、上記S501及びS502の処理は省略されても良い。
[S505]
取引が終了すると、操作表示部3には、磁気ストライプに磁気不良が生じている旨、及び、磁気データの復元処理を実行するか否かの確認ボタンを含む表示画面が表示される。つまり、取引実行後に、磁気データが不良であるため、磁気データを復元するか否かを顧客に問い合わせる画面が操作表示部3に表示される。
なお、かかる例に限定されず、例えば、ハンドセット11は、上記表示画面と共に、若しくは、磁気データを復元処理するか否かを確認するための音声ガイダンスを単独で出力しても良い。また、上記確認ボタンを含む表示画面が表示される場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、上記表示画面が省略されても良い。
また例えば、上記表示画面には、取引カード100のカード種類を顧客に確認させても良い。より具体的には、例えば、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100がクレジット一体型取引カードであることの確認を、顧客にボタンと押下させても良い。または、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100は、クレジット一体型取引カード又はICキャッシュカードのどちらに該当するか顧客にボタンと押下させることで確認させても良い。その際、クレジット一体型取引カードが選択された場合は、後述の通り、クレジット用アプリケーション132が起動してクレジット口座情報が読み取られ、ICキャッシュカードが選択された場合は、読み取り済の又は読み取ったキャッシュ口座情報が復元に利用される。
また例えば、制御部1は、すでに上記S104又はS504にてICチップ130から読み取る有効性情報を基にカード種類がクレジット一体型取引カードであることを判定しても良い。そうすれば、顧客にカード種類を確認させる処理を省略することも可能となり、顧客及び取引装置10によるカード種類の二重の確認の機能を果たすことも可能である。
その画面上で、磁気データの復元を実行する確認ボタンが選択されると、S105に進む。一方、磁気データの復元を実行しない取消ボタンが選択されると、処理はS110に進み、カードが返却される。
[S105〜S107]
S105〜S107は、第1の実施形態と同様であるので、ここでは図7も参照しながら簡単に説明する。
制御部1から情報取得要求を受けた磁気情報復元部1eは、ICチップ130に対してクレジット用アプリケーション132への切替指令を通知し(S12)、ICチップ130からOKが通知され(S13)、クレジット用アプリケーション132が起動する(S105)。
ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132が起動すると、磁気情報復元部1eは、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132において格納されている、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データとして利用できるクレジット口座情報を読み出す(S14)。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報が読み出されると(S15)、磁気情報復元部1eは、取得したクレジット口座情報を制御部1に通知する(S16)。
これにより、制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を取得することができる(S106)。
制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプ110への磁気データの書き込み指令を磁気情報復元部1eに行なう(S17)。
磁気情報復元部1eは、磁気リードライト部21に対して、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データを生成させる。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データが、磁気ヘッド部202を通じて、第1のクレジット磁気ストライプ110に書き込まれる(S18)。
これにより、第1のクレジット磁気ストライプ110において磁気データが復元する(S107)。磁気データが第1のクレジット磁気ストライプ110書き込まれると、OKが磁気情報復元部1eに通知され(S19)、さらにOKが制御部1に通知される(S20)。
[S108]
取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元した後、制御部1は、復元した磁気データが正常に復元された否かを確認する。
[S109]
S108における磁気データの正常性の確認結果が操作表示部3に表示される。
[S110]
取引カード100の返却のため、取引カード100がカード入出口3aから排出される。
(D−2)第4の実施形態の変形実施形態
第4の実施形態では、取引ボタンが顧客に選択された後、取引カード100が挿入される場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、取引ボタンの顧客による選択に先行して、取引カード100が挿入される場合でも良い。その場合、例えば、磁気ストライプ110が不良であれば、まずはキャッシュ用アプリケーション131が起動し有効性情報が読み取られる等により、挿入された取引カード100のカード種類が特定された上で、そのカード種類に対応する取引ボタンが操作表示部3に表示されても良い。
また、磁気データを復元する復元用のデータは、例えば、ICチップ内にある口座情報等のデータ又はイメージ解析した結果を基に取引装置10がホストコンピュータ30又はホストコンピュータ40にアクセスすることで、当該ホストコンピュータ30又はホストコンピュータ40から取得されてもよい。
(D−3)第4の実施形態の効果
以上のように、第4の実施形態によれば、例えば、クレジット一体型取引カード等の磁気ストライプに磁気不良が生じたときに、顧客が希望する取引処理後に、磁気データの復元処理を実行することができる。
そのため、取引処理後に、顧客が磁気データの復元処理を希望する場合には、取引処理に続いて、磁気データを復元することができる。また、磁気データの復元よりも取引処理が先行するため、取引処理の段階でクレジット用アプリケーション132への切替が不要となり、キャッシュ用アプリケーション131をそのまま起動でき、取引処理を迅速に進めることが可能となる。
また、顧客が希望する取引処理の際、例えば、有効性情報等を基にしてクレジット一体型取引カードであることが判定可能となるため効率的に復元処理を進めることが可能となる。
(E)第5の実施形態
次に、本発明に係る取引装置及び磁気復元方法の第5の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(E−1)第5の実施形態の構成及び動作
第5の実施形態は、第1のクレジット磁気ストライプ110に磁気不良がある場合に、第1のクレジット磁気ストライプ110の復元後に、顧客が希望する取引処理を行なう処理を例示する。つまり、顧客が希望する取引処理前に、第1のクレジット磁気ストライプの復元処理を行なう。
これにより、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気不良が生じた場合でも、早い段階で取引カード100の磁気データの復元ができる。また、取引処理と共に磁気データを復元できるので、顧客にとっては効率的に取引カード100の磁気不良を解消できる。
なお、第5の実施形態でも、第1の実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いて、第1のクレジット磁気ストライプ110に格納する情報を生成する場合を例示する。
しかし、第4の実施形態と同様に、第5の実施形態は、第2及び/又は第3の実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いる場合にも適用できる。
第5の実施形態においても、第1〜第4の実施形態の図1〜図5を用いて説明する。
図13は、第5の実施形態に係る磁気データの復元処理を示すフローチャートである。図13では、第1の実施形態の図6と対応する処理については同一符号を付している。
[S101B、S102〜S104]
顧客により、取引カード100が、第1方向でカード入出口2aに挿入される(S101B)。
挿入された取引カード100は、画像読取部203により当該取引カード100の上側券面のほぼ全領域のイメージ画像を読み取る。取引カード100のイメージ画像を全て読み取った後、搬送路206上で停止し待機する。取引カード100のイメージデータは制御部16に与えられる(S102)。
取引カード100は、磁気ヘッド部202により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データが制御部1に与えられる(S103)。
磁気データが正常に読み取れた場合、磁気データの復元は不要であるので、S603に進み、取引装置10は、第1のクレジット磁気ストライプ110から読み取った磁気データを用いて、ホストコンピュータ30との間で情報の授受を行ない、取引を実行する。
磁気データが正常に読み取れない場合、磁気データの復元が必要となるので、S104に進む。
磁気データに異常がある場合、制御部1は、画像読取部203により読み取られたイメージ画像から、当該取引カード100にICチップ130が搭載されているか否かを行なう(S104)。
IC端子部が搭載されていることが認識できない場合、処理はS110に進み、カードが返却される。IC端子部が搭載されていることが認識された場合、処理はS601に進む。なお、第1の実施形態で説明したように、ステップS104の代わりに又はステップS104に含む処理として、キャッシュ用アプリケーション131をまずは起動させ、有効性情報を含むデータが読み取れるか否か確認され、カード種類が特定されても良い。
[S601]
操作表示部3には、磁気ストライプに磁気不良が生じている旨、及び、磁気データの復元処理を実行するか否かの確認ボタンを含む表示画面が表示される。つまり、取引実行前に、磁気データが不良であるため、磁気データを復元するか否かを顧客に問い合わせる画面が操作表示部3に表示される。
その画面上で、磁気データの復元を実行する確認ボタンが選択されると、S105に進む。一方、磁気データの復元を実行しない取消ボタンが選択されると、処理はS603に進む。
なお、かかる例に限定されず、例えば、ハンドセット11は、上記表示画面と共に、若しくは、磁気データを復元処理するか否かを確認するための音声ガイダンスを単独で出力しても良い。また、上記確認ボタンを含む表示画面が表示される場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、上記表示画面が省略されても良い。
また例えば、上記表示画面には、取引カード100のカード種類を顧客に確認させても良い。より具体的には、例えば、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100は、クレジット一体型取引カードであることの確認を、顧客にボタンと押下させても良い。または、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100は、クレジット一体型取引カード又はICキャッシュカードのどちらに該当するか顧客にボタンと押下させることで確認させても良い。その際、クレジット一体型取引カードが選択された場合は、後述の通り、クレジット用アプリケーション132が起動してクレジット口座情報が読み取られ、ICキャッシュカードが選択された場合は、読み取り済の又は読み取ったキャッシュ口座情報が復元に利用される。
また例えば、制御部1は、上記S104にてICチップ130から有効性情報を読み取っていた場合は、当該有効性情報に基づいてカード種類がクレジット一体型取引カードであることを判定しても良い。そうすれば、顧客にカード種類を確認させる処理を省略することも可能となり、顧客及び取引装置10によるカード種類の二重の確認の機能を果たすことも可能である。
[S105〜S107]
S105〜S107は、第1の実施形態と同様であるので、ここでは図7も参照しながら簡単に説明する。
制御部1から情報取得要求を受けた磁気情報復元部1eは、ICチップ130に対してクレジット用アプリケーション132への切替指令を通知し(S12)、ICチップ130からOKが通知され(S13)、クレジット用アプリケーション132が起動する(S105)。
ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132が起動すると、磁気情報復元部1eは、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132において格納されている、第1のクレジット磁気ストライプ110の磁気データとして利用できるクレジット口座情報を読み出す(S14)。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報が読み出されると(S15)、磁気情報復元部1eは、取得したクレジット口座情報を制御部1に通知する(S16)。
これにより、制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を取得することができる(S106)。
制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプ110への磁気データの書き込み指令を磁気情報復元部1eに行なう(S17)。
磁気情報復元部1eは、磁気リードライト部21に対して、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データを生成させる。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データが、磁気ヘッド部202を通じて、第1のクレジット磁気ストライプ110に書き込まれる(S18)。
これにより、第1のクレジット磁気ストライプ110において磁気データが復元する(S107)。磁気データが第1のクレジット磁気ストライプ110書き込まれると、OKが磁気情報復元部1eに通知され(S19)、さらにOKが制御部1に通知される(S20)。
[S108]
取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元した後、制御部1は、復元した磁気データが正常に復元された否かを確認する。
[S109]
S108における磁気データの正常性の確認結果が操作表示部3に表示される。
[S602]
操作表示部3には、メニュー画面が表示され、顧客が希望する取引ボタンが選択される。その画面上で、取引ボタンが選択されると、S603に進む。一方、取引を実行しない取消ボタンが選択されると、処理はS110に進み、カード返却されて、処理は終了する。なお、かかる例に限定されず、例えば、顧客による取引カード100の挿入前に、メニュー画面に表示された取引ボタンが顧客に選択されても良く、その際は、顧客による取引ボタンの選択を待たずに後続のステップS603に続く。
[S603〜S605]
制御部1は、ICチップ130のキャッシュ用アプリケーション131からキャッシュ口座情報を読み取る(S603)。なお、必要に応じて、クレジット用アプリケーション132からキャッシュ用アプリケーション131へ切替が行われる。また、磁気データの復元の際にキャッシュ口座情報を既に読取済であれば、ステップS603は省略しても良い。
そして、制御部1は、ホストコンピュータ30との間でキャッシュ口座情報を含む取引内容電文の授受を行ない(S604)、取引装置10は取引を実行する(S605)。
[S110]
取引実行後、取引カード100の返却のため、取引カード100がカード入出口3aから排出される。
(E−2)第5の実施形態の変形実施形態
また、第5の実施形態では、取引ボタンの選択よりも取引カード100の挿入が先行する場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、取引ボタンの選択が先行する場合でも良い。
(E−3)第5の実施形態の効果
以上のように、第5の実施形態によれば、例えば、クレジット一体型取引カード等の磁気ストライプに磁気不良が生じたときに、顧客が希望する取引処理前に、まずは磁気データの復元処理を先行して実行することができる。
そのため、磁気ストライプ110の不具合が解消し、顧客にまず安心感を与えることができ、その後の取引処理を顧客は落ち着いて対応し得る。
(F)第6の実施形態
次に、本発明に係る取引装置及び磁気復元方法の第6の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(F−1)第6の実施形態の構成及び動作
第6の実施形態は、例えば、ICクレジットカードとしての第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140に磁気不良がある場合に、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140の復元前に、顧客が希望する取引処理を行なう処理を例示する。つまり、顧客が希望する取引処理をした後に、磁気ストライプの復元処理を行なう。
これにより、磁気ストライプの磁気不良が生じた場合でも、早い段階で取引カード100の磁気データの復元ができる。また、取引処理と共に磁気データを復元できるので、顧客にとっては効率的に取引カード100の磁気不良を解消できる。
なお、第6の実施形態では、第1の実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いて、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140に格納する情報を生成する場合を例示する。しかし、第6の実施形態は、第1〜第5の実施形態のうち少なくとも1つの実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いる場合にも適用できる。
第6の実施形態においても、第1〜第5の実施形態の図1〜図5を用いて説明する。
図14は、第6の実施形態に係る磁気データの復元処理を示すフローチャートである。図14では、第1の実施形態の図6と対応する処理については同一符号を付している。
[S101C、S102、S103A、S104A]
顧客により出金等の取引ボタン(図示せず)のうちいずれか1つがメニュー画面5001から選択され、取引カード100が、第1方向でカード入出口2aに挿入される(S101C)。
挿入された取引カード100は、画像読取部203により当該取引カード100の上側券面のほぼ全領域のイメージ画像を読み取る。取引カード100のイメージ画像を全て読み取った後、搬送路206上で停止し待機する。取引カード100のイメージデータは制御部16に与えられる(S102)。
取引カード100は、磁気ヘッド部202及び/又は磁気ヘッド207により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データが制御部1に与えられる(S103A)。
磁気データが正常に読み取れた場合、磁気データの復元は不要であるので、S503に進み、取引装置10は、第1のクレジット磁気ストライプ110又は磁気ストライプ140から読み取った磁気データ、又はICチップ130内のクレジット口座情報を用いて、ホストコンピュータ30との間で情報の授受を行ない、取引を実行する。
磁気データが正常に読み取れない場合、磁気データの復元が必要となるので、S104Aに進む。
磁気データに異常がある場合、制御部1は、画像読取部203により読み取られたイメージ画像から、当該取引カード100にICチップ130が搭載されているか否かを行なう(S104A)。
IC端子部が搭載されていることが認識できない場合、処理はS110に進み、カードが返却される。IC端子部が搭載されていることが認識された場合、処理はS501に進む。
なお、ステップS104Aの代わりに又はステップS104Aに含む処理として、例えば、キャッシュ用アプリケーション131が起動し、データが読み取れるか否か確認され、その前又は後でクレジット用アプリケーション132が起動し、データが読み取れるか否か確認されることで、カード種類が特定されても良い。
[S501A、S502A、S503A、S504]
例えば、ICクレジットカードのIC端子部が搭載されていることを認識した場合、制御部1は、ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132を起動させて(S501A)、ICチップ130からクレジット口座情報を読み取る(S502A)。そして、制御部1は、ホストコンピュータ30との間でクレジット口座情報を含む取引内容電文の授受を行ない(S503A)、取引装置10は取引を実行する(S504)。つまり、制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132に格納されているクレジット情報を用いて取引処理を行なう。なお、上記S104Aにおいて、既にクレジット口座情報が読み取られていた場合、上記S501A及びS502Aの処理は省略されても良い。
[S505]
取引が終了すると、操作表示部3には、磁気ストライプに磁気不良が生じている旨、及び、磁気データの復元処理を実行するか否かの確認ボタンを含む表示画面が表示される。つまり、取引実行後に、磁気データが不良であるため、磁気データを復元するか否かを顧客に問い合わせる画面が操作表示部3に表示される。
なお、かかる例に限定されず、例えば、ハンドセット11は、上記表示画面と共に、若しくは、磁気データを復元処理するか否かを確認するための音声ガイダンスを単独で出力しても良い。また、上記確認ボタンを含む表示画面が表示される場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、上記表示画面が省略されても良い。
また例えば、上記表示画面には、取引カード100のカード種類を顧客に確認させても良い。より具体的には、例えば、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100は、ICクレジットカードであることの確認を、顧客にボタンと押下させても良い。または、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100は、ICクレジットカード、クレジット一体型取引カード、又はICキャッシュカードのどちらに該当するか顧客にボタンと押下させることで確認させても良い。その際、ICクレジットカードが選択された場合は、後述の通り、クレジット用アプリケーション132が起動してクレジット口座情報が読み取られ、ICキャッシュカードが選択された場合は、ICチップ130から読み取られるキャッシュ口座情報が復元に利用される。
また、例えば、制御部1は、すでに上記S104A又はS504にてICチップ130から読み取るクレジット口座情報を基にカード種類がICクレジットカードであることを判定しても良い。そうすれば、顧客にカード種類を確認させる処理を省略することも可能となり、顧客及び取引装置10によるカード種類の二重の確認の機能を果たすことも可能である。
その画面上で、磁気データの復元を実行する確認ボタンが選択されると、S105Aに進む。一方、磁気データの復元を実行しない取消ボタンが選択されると、処理はS110に進み、カードが返却される。
[S105〜S107]
S105〜S107は、図7も参照しながら簡単に説明する。
制御部1から情報取得要求を受けた磁気情報復元部1eは、ICチップ130に対してクレジット用アプリケーション132への切替指令を通知し(S12)、ICチップ130からOKが通知され(S13)、クレジット用アプリケーション132が起動する(S105)。
ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132が起動すると、磁気情報復元部1eは、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132において格納されている、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140の磁気データとして利用できるクレジット口座情報を読み出す(S14)。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報が読み出されると(S15)、磁気情報復元部1eは、取得したクレジット口座情報を制御部1に通知する(S16)。
これにより、制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を取得することができる(S106)。なお、かかる例に限定されず、例えば、ステップS104Aにて、クレジット口座情報が取得されていた場合、上記ステップS12〜S16、S105〜S106は省略されてもよい。
制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプ110への磁気データの書き込み指令を磁気情報復元部1eに行なう(S17)。
磁気情報復元部1eは、磁気リードライト部21に対して、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データを生成させる。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データが、磁気ヘッド部202又は磁気ヘッド207を通じて、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140に書き込まれる(S18)。
これにより、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140において磁気データが復元する(S107)。磁気データが第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140に書き込まれると、OKが磁気情報復元部1eに通知され(S19)、さらにOKが制御部1に通知される(S20)。
[S108]
取得したクレジット口座情報に基づいて、磁気ストライプの磁気データを復元した後、制御部1は、復元した磁気データが正常に復元された否かを確認する。
[S109]
S108における磁気データの正常性の確認結果が操作表示部3に表示される。
[S110]
取引カード100の返却のため、取引カード100がカード入出口3aから排出される。
(F−2)第6の実施形態の効果
以上のように、第6の実施形態によれば、クレジット用の磁気ストライプに磁気不良が生じたときに、顧客が希望する取引処理後に、磁気データの復元処理を実行することができる。
そのため、取引処理後に、顧客が磁気データの復元処理を希望する場合には、取引処理に続いて、磁気データを復元することができる。
(G)第7の実施形態
次に、本発明に係る取引装置及び磁気復元方法の第7の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(G−1)第7の実施形態の構成及び動作
第7の実施形態は、例えば、ICクレジットカードとしての第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140に磁気不良がある場合に、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140の復元後に、顧客が希望する取引処理を行なう処理を例示する。つまり、顧客が希望する取引処理前に、磁気ストライプの復元処理を行なう。
これにより、磁気ストライプの磁気不良が生じた場合でも、早い段階で取引カード100の磁気データの復元ができる。また、取引処理と共に磁気データを復元できるので、顧客にとっては効率的に取引カード100の磁気不良を解消できる。
なお、第7の実施形態では、第1の実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いて、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140に格納する情報を生成する場合を例示する。
しかし、第6の実施形態と同様に、第7の実施形態は、第1〜第6の実施形態のうち少なくとも一つの実施形態で例示したクレジット口座情報の取得方法を用いる場合にも適用できる。
第7の実施形態においても、第1〜第6の実施形態の図1〜図5を用いて説明する。
図15は、第7の実施形態に係る磁気データの復元処理を示すフローチャートである。図15では、第1の実施形態の図6と対応する処理については同一符号を付している。
[S101C、S102、S103A、S104A]
顧客により出金等の取引ボタン(図示せず)のうちいずれか一つがメニュー画面5001から選択され、取引カード100が、第1方向でカード入出口2aに挿入される(S101C)。
挿入された取引カード100は、画像読取部203により当該取引カード100の上側券面のほぼ全領域のイメージ画像を読み取る。取引カード100のイメージ画像を全て読み取った後、搬送路206上で停止し待機する。取引カード100のイメージデータは制御部16に与えられる(S102)。
取引カード100は、磁気ヘッド部202及び/又は磁気ヘッド207により磁気データが読み取られ、その磁気データが磁気リードライト部21に与えられ、その磁気データが制御部1に与えられる(S103A)。
磁気データが正常に読み取れた場合、磁気データの復元は不要であるので、S603に進み、取引装置10は、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140から読み取った磁気データ、又はICチップ130内のクレジット口座情報を用いて、ホストコンピュータ30との間で情報の授受を行ない、取引を実行する。
磁気データが正常に読み取れない場合、磁気データの復元が必要となるので、S104Aに進む。
磁気データに異常がある場合、制御部1は、画像読取部203により読み取られたイメージ画像から、当該取引カード100にICチップ130が搭載されているか否かを行なう(S104A)。
IC端子部が搭載されていることが認識できない場合、処理はS110に進み、カードが返却される。IC端子部が搭載されていることが認識された場合、処理はS601に進む。なお、ステップS104Aの代わりに又はステップS104Aに含む処理として、例えば、キャッシュ用アプリケーション131が起動し、データが読み取れるか否か確認され、その前又は後でクレジット用アプリケーション132が起動し、データが読み取れるか否か確認されることで、カード種類が特定されても良い。
[S601]
操作表示部3には、磁気ストライプに磁気不良が生じている旨、及び、磁気データの復元処理を実行するか否かの確認ボタンを含む表示画面が表示される。つまり、取引実行前に、磁気データが不良であるため、磁気データを復元するか否かを顧客に問い合わせる画面が操作表示部3に表示される。
その画面上で、磁気データの復元を実行する確認ボタンが選択されると、S105に進む。一方、磁気データの復元を実行しない取消ボタンが選択されると、処理はS603に進む。
なお、かかる例に限定されず、例えば、ハンドセット11は、上記表示画面と共に、若しくは、磁気データを復元処理するか否かを確認するための音声ガイダンスを単独で出力しても良い。また、上記確認ボタンを含む表示画面が表示される場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、上記表示画面が省略されても良い。
また例えば、上記表示画面には、取引カード100のカード種類を顧客に確認させても良い。より具体的には、例えば、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100は、ICクレジットカードであることの確認を、顧客にボタンと押下させても良い。または、表示画面上に顧客が挿入した取引カード100は、ICクレジットカード、クレジット一体型取引カード、又はICキャッシュカードのどちらに該当するか顧客にボタンと押下させることで確認させても良い。その際、ICクレジットカードが選択された場合は、後述の通り、クレジット用アプリケーション132が起動してクレジット口座情報が読み取られ、ICキャッシュカードが選択された場合は、読み取り済の又は読み取られるキャッシュ口座情報が復元に利用される。
また例えば、制御部1は、すでに上記S104A又はS604にてICチップ130から読み取るクレジット口座情報を基にカード種類がICクレジットカードであることを判定しても良い。そうすれば、顧客にカード種類を確認させる処理を省略することも可能となるし、顧客及び取引装置10によるカード種類の二重の確認の機能を果たすことも可能である。
[S105〜S107]
S105〜S107は、図7も参照しながら簡単に説明する。
制御部1から情報取得要求を受けた磁気情報復元部1eは、ICチップ130に対してクレジット用アプリケーション132への切替指令を通知し(S12)、ICチップ130からOKが通知され(S13)、クレジット用アプリケーション132が起動する(S105)。
ICチップ130においてクレジット用アプリケーション132が起動すると、磁気情報復元部1eは、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132において格納されている、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140の磁気データとして利用できるクレジット口座情報を読み出す(S14)。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報が読み出されると(S15)、磁気情報復元部1eは、取得したクレジット口座情報を制御部1に通知する(S16)。
これにより、制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を取得することができる(S106)。なお、かかる例に限定されず、例えば、ステップS104Aにて、クレジット口座情報が取得されていた場合、上記ステップS12〜S16、S105〜S106は省略されてもよい。
制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140への磁気データの書き込み指令を磁気情報復元部1eに行なう(S17)。
磁気情報復元部1eは、磁気リードライト部21に対して、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データを生成させる。
そして、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132から取得したクレジット口座情報に基づいて磁気データが、磁気ヘッド部202及び/又は磁気ヘッド部207を通じて、第1のクレジット磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140に書き込まれる(S18)。
これにより、磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140において磁気データが復元する(S107)。磁気データが磁気ストライプ110、140に書き込まれると、OKが磁気情報復元部1eに通知され(S19)、さらにOKが制御部1に通知される(S20)。
[S108]
取得したクレジット口座情報に基づいて、第1のクレジット磁気ストライプの磁気データを復元した後、制御部1は、復元した磁気データが正常に復元された否かを確認する。
[S109]
S108における磁気データの正常性の確認結果が操作表示部3に表示される。
[S602]
操作表示部3には、メニュー画面が表示され、顧客が希望する取引ボタンが選択される。その画面上で、取引ボタンが選択されると、S603に進む。一方、取引を実行しない取消ボタンが選択されると、処理はS110に進み、カード返却されて、処理は終了する。なお、かかる例に限定されず、例えば、顧客による取引カード100の挿入前に、メニュー画面に表示された取引ボタンが顧客に選択されても良く、その際は、顧客による取引ボタンの選択を待たずに後続のステップS603に続く。
[S603〜S605]
制御部1は、ICチップ130のクレジット用アプリケーション132からクレジット口座情報を読み取るか、または、磁気データから解析したクレジット口座情報を読み取る(S603)。なお、既にクレジット口座情報が取得されていた場合は、ステップS603は省略しても良い。
そして、制御部1は、ホストコンピュータ30との間でクレジット口座情報を含む取引内容電文の授受を行ない(S604)、取引装置10は取引を実行する(S605)。
[S110]
取引実行後、取引カード100の返却のため、取引カード100がカード入出口3aから排出される。
(G−2)第7の実施形態の効果
以上のように、第7の実施形態によれば、クレジット用の磁気ストライプに磁気不良が生じたときに、顧客が希望する取引処理前に、まずは磁気データの復元処理を先行して実行することができる。
そのため、取引処理前に、磁気ストライプ110及び/又は磁気ストライプ140の不具合が解消し、顧客にまず安心感を与えることができ、その後の取引処理を顧客は落ち着いて対応し得る。
(H)他の実施形態
上述した第1〜第7の実施形態では、クレジット一体型取引カードである場合を例示した。しかし、クレジットカード機能以外の他の機能を持つICキャッシュカードにも適用できる。さらに、キャッシュカードに限定されるものではなく、例えば、ローン機能など1又は複数の種類の機能を持つICカードにも適用できる。
例えば、ICカードには、ICカードのカード種類に応じて、各種類の磁気ストライプが付与されており、ICチップには各種類の情報が格納されているのであればよい。そして、磁気復元部が、ICチップにアクセスして、上記カード種類又は磁気ストライプの種類に応じたアプリケーションを起動させる。磁気復元部は、そのアプリケーションから情報を取得する。そして、磁気復元部は、ICチップから取得した情報に基づく磁気データを磁気ストライプに書き込む。これにより、第1〜第7の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1〜第7の実施形態では、操作表示部3には取引名称などのメッセージが表示されるが、ICクレジットカードが海外発行のカードである場合、上記メッセージは外国語で表示されても良い。
また、第1〜第7の実施形態では、操作表示部3に表示される取引名称などの表記は、日本語以外にも外国語でも良く、顧客による選択で表記を変更しても良い。