JP2020034653A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電手段に付着したシリカなどの外添剤による汚染に伴う画像不良の発生を抑制する。【解決手段】 直流電圧のみが印加された帯電ローラを用いる画像形成装置であって、所定の物性を有するチタン酸ストロンチウム粒子とシリカ粒子とを表面に有するトナーを用いる。【選択図】 図1

Description

本発明は、静電荷像を顕像化するための画像形成装置に関する。
近年、複写機及びプリンターのような画像形成装置が広く普及するに従い、画像形成装置に要求される性能としては、より高速化、長寿命化に加えて、さらなる高画質化が求められている。
画像形成装置の高画質化を達成する手段として、トナーの小粒径化が進んでいる。
トナーの粒径が小さくなると、クリーニング工程では、トナーがクリーニングブレードに掻き取られにくくなり、クリーニングブレードをすり抜けやすくなるクリーニング不良が起こりやすくなる。
また、現像剤には流動性付与剤として、シリカなど、粒径が50nm未満の粒子が外添されていることが多く、クリーニング手段をすり抜けて、帯電手段に付着してしまう。これらの微小粒子は、一旦付着すると、清掃部材やバイアスなどでも除去することが困難であり、多量で不均一に付着すると、帯電手段における帯電が不均一となる場合がある。
クリーニング不良を改善したものとして、特許文献1に、トナー粒子にチタン酸ストロンチウム粉体を添加する方法が提案されている。これらの方法に使用されるチタン酸ストロンチウム粉体は、優れた研磨効果があり、感光体上にトナーが付着することによって生じるフィルミングや融着を防止するためには効果的であるが、帯電手段に付着したシリカなどの除去には不十分であった。
特開2005-338750号公報
本発明の一態様は、帯電手段の汚染を抑制し、安定した画像特性を高水準で維持可能な画像形成装置の提供に向けたものである。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、帯電手段の汚染を抑制し、安定した画像特性を高水準で維持可能な画像形成装置を提供するためには、下記の構成が重要であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の一態様は、像担持体と、前記像担持体に接触しながら回転する帯電手段と、前記帯電手段に直流電圧のみを印加する電圧印加手段と、帯電処理された前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光手段と、前記像担持体の表面に形成された前記静電潜像をトナーを用いて現像して、トナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留したトナーを清掃するためのクリーニング部材と、前記転写材に転写されたトナー像を定着するための定着手段と、を有する画像形成装置であって、
前記帯電手段は、帯電ローラであり、前記帯電ローラの最表層が粒子部と非粒子部とによって構成され、前記最表層の10点平均粗さRzが1〜20μmであり、前記最表層を2値化処理した際における非粒子部(海部)の10μm×10μm範囲の面積の10点平均粗さのRzが1.0μm以下であり、
前記トナーは、トナー粒子と、その表面に存在するチタン酸ストロンチウム粒子およびシリカ粒子を有しており、
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、
(i)一次粒子の個数平均粒子径(D1T)が10nm以上95nm未満であり、
(ii)平均円形度が0.700以上0.920以下であり、
(iii)CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の32.00deg以上32.40deg以下に最大ピーク(a)を有し、前記最大ピーク(a)の半値幅が、0.23deg以上0.50deg以下であり、前記最大ピーク(a)の強度(Ia)と、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の24.00deg以上28.00deg以下の範囲における最大ピーク強度(Ix)が、下記式(1)を満たし、
(iv)蛍光X線分析によって検出される元素が全て酸化物で含有されているとみなした際において、全酸化物の総量を100質量%としたときの酸化ストロンチウム及び酸化チタンの含有量の合計が、98.0質量%以上であり、
前記シリカ粒子は、一次粒子の個数平均粒子径(D1S)が5nm以上、300nm以下であり、
前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子100質量部あたり、20質量部以上であることを特徴とする画像形成装置である。
(Ix)/(Ia) ≦ 0.010 ・・・ 式(1)
本発明の一態様によれば、トナーに含有される外添剤の帯電手段への付着を抑制し、安定した画像特性を高水準で維持可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
本実施例に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施例に係る帯電ローラの概略構成図である。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件によって、適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定するものではない。
(画像形成装置の各部の説明)
図1は、インライン方式(4ドラム系)のカラー画像形成装置の構成図である。画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1aと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1bと、シアン色の画像を形成する画像形成部1cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1dの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備えている。これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。
各画像形成部1a、1b、1c、1dには、それぞれ像担持体である感光ドラム2a、2b、2c、2dが配置されている。感光ドラム2a、2b、2c、2dは、本実施の形態では負帯電の有機感光体でアルミニウム等のドラム基体(不図示)上に感光層(不図示)を有しており、駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで回転駆動される。
各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、帯電ローラ3a、3b、3c、3d、及び現像装置4a、4b、4c、4dがそれぞれ配置されている。帯電ローラは、感光ドラムに接触しながら回転し、感光ドラムを帯電させるローラ形状の帯電手段である。帯電ローラには、帯電ローラに直流電圧を印加するための電圧印加手段(不図示)が接続されている。
さらに、各感光ドラム2a、2b、2c、2dの上方には、帯電処理された感光ドラムの表面に静電潜像を形成するための露光手段(以降、「露光装置」とも記載する。)7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。各現像手段(以降、「現像装置」とも記載する。)4a、4b、4c、4dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。現像装置は感光ドラムの表面に形成された静電潜像を現像して、トナー像を形成する。
各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、感光ドラムの表面に残留したトナーを清掃するためのクリーニング部材(以降、「ドラムクリーニング装置」とも記載する。)6a、6b、6c、6dがそれぞれ設置されている。
各画像形成部の対向する位置に、中間転写体であって、回転可能な無端状の中間転写ベルト8が設置されている。中間転写ベルト8は、駆動ローラ11、二次転写対向ローラ12、テンションローラ13によって張架されている。モータ(不図示)が接続された駆動ローラ11の駆動によって、中間転写ベルト8は、矢印方向(反時計回り方向)に回転(移動)される。二次転写対向ローラ12は、中間転写ベルト8を介して二次転写ローラ15と当接して二次転写部を形成している。
中間転写ベルト8の外側には、中間転写ベルト8の表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置16が設置されている。また、中間転写ベルト8の回転方向において、二次転写対向ローラ12と二次転写ローラ15とが当接する二次転写部の下流側には、トナーを転写材に定着させる熱圧処理を行うために、定着装置17が設置されている。定着装置17は、定着ローラ17aと加圧ローラ17bとを有する。
(画像形成動作の説明)
コントローラから画像形成動作を開始するための開始信号が発せられると、カセット(不図示)から転写材(記録媒体)が一枚ずつ送り出され、レジストローラ(不図示)まで搬送される。その時、レジストローラ(不図示)は停止されており、転写材の先端は二次転写部の直前で待機している。
一方、各画像形成部1a、1b、1c、1dでは、開始信号が発せられると、各感光ドラム2a、2b、2c、2dが、所定のプロセススピードで回転し始める。各感光ドラム2a、2b、2c、2dは、それぞれ帯電ローラ3a、3b、3c、3dによって一様に帯電される。後述の実施例では負極性に帯電される。
そして、露光装置7a、7b、7c、7dは、レーザー光を各感光ドラム2a、2b、2c、2d上にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する。感光ドラムの電位は、帯電ローラによって帯電された後の電位が−600V、露光装置によって露光された後の電位(画像部)が−200Vとなるよう帯電量、露光量を調整し、現像バイアスを−500Vとしている。プロセススピード(感光ドラムの駆動速度)は240mm/secであり、搬送方向と垂直な方向の長さである画像形成幅は300mm、トナー帯電量は約−30μC/g、画像ベタ部の感光ドラム上のトナー量は約0.4mg/cmとなるよう設定している。
画像形成の順番としては、先ずイエロー画像を形成するために、感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、現像装置4aによってイエローのトナーを付着させて、トナー像として可視像化する。このイエローのトナー像は、回転している中間転写ベルト8上に一次転写される。
中間転写ベルト8上のイエローのトナー像が転写された領域は、中間転写ベルト8の回転によって画像形成部1b側に移動する。そして、画像形成部1bにおいても、同様にして感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト8上のイエローのトナー像上に重ね合わせて転写される。以下、同様にして中間転写ベルト8上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1c、1dの感光ドラム2c、2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を、順次重ね合わせてフルカラーのトナー像を中間転写ベルト8の上に形成する。
そして、中間転写ベルト8の上に形成されたフルカラーのトナー像の先端が二次転写部に移動されるタイミングに合わせて、レジストローラ(不図示)によって転写材をこの二次転写部に搬送する。中間転写ベルト8の上に形成されたフルカラーのトナー像が、二次転写電圧(トナーと逆極性(正極性)の電圧)が印加された二次転写ローラ15によって転写材に一括して二次転写される。フルカラーのトナー像が形成された転写材は定着装置17に搬送される。定着ローラ17aと加圧ローラ17bとによって形成される定着ニップ部で、フルカラーのトナー像は加熱加圧され、転写材の表面に熱定着された後に外部に排出される。
(帯電ローラについての詳細な説明)
図2の断面図を用いて帯電ローラ3を説明する。まず支持体30の外周に弾性層31を形成し、弾性層31の上に表層32を形成している。
帯電ローラの最表層は粒子部と非粒子部とによって構成されている。最表層の10点平均粗さRzは1〜20μmである。最表層を2値化処理した際における非粒子部(海部)の10μm×10μm範囲の面積の10点平均粗さのRzは1.0μm以下である。
支持体30は耐摩耗性と撓み応力に優れたシャフト軸である(鋼製、表面をニッケルメッキしたもの)。弾性層31は、従来から帯電ローラの弾性層として用いられているゴムや熱可塑性エラストマー等で形成することができる。具体的には、以下の材料が挙げられる。ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム又はエピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物。あるいは熱可塑性エラストマーで、その種類としては特に制限はなく、汎用のスチレン系エラストマー及びオレフィン系エラストマー等から選ばれる1種あるいは複数種の熱可塑性エラストマーを好適に用いることができる。また、必要とされる弾性力に応じて、ソリッドゴムを用いても良いし、発泡ゴムを用いても良い。
弾性層31には、導電性付与剤を添加することによって、所定の導電性を付与することができる。弾性層31に添加される導電性付与剤としては、特に制限されず、以下のものが挙げられる。ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、LiCFSO、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi+、Na+、K+等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH4+塩等の電解質。また、Ca(ClO等のCa2+、Ba2+等の周期律表第2族の金属塩、及びこれらの帯電防止剤が、少なくとも1個以上の水酸基、カルボキシル基、一級ないし二級アミン基等のイソシアネートと反応する活性水素を有する基を持ったもの。さらには、それら等と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールとその誘導体等の錯体あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体等のイオン導電性付与剤、又はケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等。この場合、これら導電性付与剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常は弾性層31の体積抵抗率が10〜10Ω・cm、より好ましくは10〜10Ω・cmとなるように調整される。
表層32を形成する材料として、具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。有機系、水系のいずれのものも使用することができる。また表層32には、導電性付与剤を添加して導電性を付与又は調整することができる。表層32に添加される導電性付与剤としては、特に制限されず、以下のものが挙げられる。ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属又は金属酸化物等。さらに、導電性付与剤を有機系溶剤で使用する場合は、分散性を考慮し、導電性付与剤の表面にシランカップリング処理等の表面処理を施すことが好ましい。また導電性付与剤の添加量は、所望の電気的抵抗値が得られるように適宜調整することができる。表層32の電気的抵抗値は弾性層31よりも基本的に高抵抗であると帯電が安定することが分かっており、体積抵抗率10〜1015Ω・cmであることが求められ、さらには10〜1014Ω・cmとすることが好ましい。
表層32となる最表層の導電性樹脂層中に添加する粒子としては、絶縁性粒子(1010Ω・cm以上)であるウレタン粒子、ナイロン粒子、アクリル粒子、アクリル/スチレン等の共重合体樹脂からなる粒子を用いることができる。それら以外にもシリカ粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等の無機系材料を樹脂で固めた粒子を用いることも可能である。分散性を向上させるために、導電性付与剤と同様にシランカップリング処理等の前処理を施した方がより好ましい。
上記帯電ローラの形成方法は、特に制限されるものではないが、各成分を含む塗料を調製し、この塗料をディッピング法やスプレー法、ロールコート法によって塗布して塗膜を形成する方法が好ましく用いられる。この場合、外層を複数層とする場合には、それぞれの層を形成する塗料を用いてディッピングやスプレー、ロールコートを繰り返せばよい。
<具体的な製造方法の説明>
ここで帯電ローラ3の具体的な製造方法について説明する。以下に説明する製造処方は、後述の実施例における例1の帯電ローラ(表1の帯電ローラNo.4)の処方であり、それ以外の帯電ローラの処方例とは粒子の外径や重量部数等が異なるが、製造方法自体は同じである。原則として、「部」は「質量部」を意味する。
まず、弾性層31の形成について説明する。
オープンロールを用いて下記の成分を20分間混練した。
・エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)
100部
・充填剤としての炭酸カルシウム 30部
・研磨性改善のための補強材としての着色グレードカーボン(商品名:シーストSO、東海カーボン(株)製) 2部
・酸化亜鉛 5部
・可塑剤としてのDOP(フタル酸ジオクチル) 10部
・老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール 1部
・下記式で示される過塩素酸四級アンモニウム塩 3部
さらに下記の成分を加えてオープンロールを用いて15分間混練した。
・加硫促進剤としてジベンゾチアジルジスルフィド(DM)(商品名:大内新興化学工業株式会社 ノクセラーDM-P) 1部
・加硫促進剤としてテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)(商品名:大内新興化学工業株式会社 ノクセラーTS) 0.5部
・加硫剤として硫黄 1部
得られた混練物をゴム押出機で円筒形に押出し後に裁断し、加硫缶を用いて温度160℃の水蒸気で40分間一次加硫し、一次加硫チューブを得た。
次に、円柱形の支持体30(鋼製、表面をニッケルメッキしたもの)の円柱面の軸方向中央部に金属とゴムとの熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20。(株)東洋化学研究所製)を塗布し、温度80℃で30分間乾燥後、さらに温度120℃で1時間乾燥した。この支持体を前記一次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブン中で温度160℃、2時間の加熱によって、2次加硫と接着剤硬化を行い、未研磨品を得た。
この未研磨品のゴム部分の両端をカットした後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、十点平均粗さRz7μmの導電性弾性層を有する帯電ローラを得た。
次に表層32の形成を行った。導電性酸化スズ粉体(商品名:SN−100P、石原産業(株)製)50部に、トリフルオロプロピルトリメトキシシランの1%イソプロピルアルコール溶液を450部と平均粒子径0.8mmのガラスビーズ300部を加え、ペイントシェーカーで48時間分散した。その後、分散液を500メッシュの網でろ過し、次にこの溶液をナウターミキサーで攪拌しながら100℃の湯浴で温め、アルコールを飛ばして乾燥させ、表面にシランカップリング剤を付与し、表面処理導電性酸化スズを得た。
さらに、ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2009(水酸基価90KOHmg/g)、ダイセル化学工業(株)製)145部を、455部のメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解し、固形分24.17質量%の溶液とした。
このアクリルポリオール溶液200部に、下記の成分を加えて、450mLのマヨネーズビンに入れて、ペイントシェーカーを使用し、冷却を行いながら12時間分散した。
・前記表面処理導電性酸化スズの粉体 50部
・シリコーンオイル(商品名:SH−28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製) 0.01部
・微粒子シリカ(一次粒子径0.02μm) 1.2部
・架橋アクリル単分散粒子 大粒径粒子(商品名:ケミスノーMX−1000(個数平均粒子径10μm)、綜研化学(株)製) 4.5部
・架橋アクリル単分散粒子 小粒径粒子(商品名:ケミスノーMX−500(個数平均粒子径5μm)、綜研化学(株)製) 18部
・直径0.8mmのガラスビーズ 200部
さらに、この分散液330部に下記の成分を混合し、ボールミルで1時間攪拌し、最後に200メッシュの網で溶液をろ過して、表面層塗料の固形分を43質量%とし、表面層用塗料を得た。
・イソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(IPDI)(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス製) 27部
・ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(HDI)(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業(株)製) 17部
前記表面層用塗料をディッピングによって、前記導電性弾性層を有する帯電ローラの表面に塗工した。引き上げ速度400mm/minで塗工し、30分間風乾後、軸方向を反転し、再度引き上げ速度400mm/minで塗工し、30分間風乾後、オーブンを用いて温度160℃で1時間乾燥した後、室温25℃、相対湿度50%の環境下で48時間静置した。
<帯電ローラの表面性の測定方法の説明>
表1において、RzはJIS B0601(1994)に規定された十点平均粗さのことである。レーザー顕微鏡(VK−X1000、(株)キーエンス製)を用いて、50倍の対物レンズで帯電ローラの表面画像を撮影し、横273μm×縦204μmの面積の二次元高さデータを取得し、表面の曲率に対して自動補正を行った。その後、(株)キーエンス製の解析アプリケーションを用いて、周方向3箇所(任意の場所を起点に120°刻み)の十点平均粗さの平均値を求めた。
また、帯電ローラ表面の海部の表面粗さに関しても同様に前記レーザー顕微鏡(VK−X1000、(株)キーエンス製)を用いて、50倍の対物レンズで帯電ローラの表面画像を撮影した。そして、表面の曲率に対して自動補正を行い、粗さのヒストグラムピークを基準に2値化処理を行い、(仮にピークが複数存在する場合には下限側のピーク値を基準とさせる。)残った部分を海部と判断した。海部と判断した部分から横10μm×縦10μmの正方形の領域を10か所選び、これら10か所の十点平均粗さの平均値を求めた。
また、一枚の画像から求めるだけではバラつきの影響を避けることができない。このため、一本の帯電ローラにつき長手方向に3か所(中心部ならびにローラの左端部から2cmの位置および右端部から2cmの位置)のそれぞれにおいて回転方向に3か所、合計で9か所の画像を撮影した。
そして、各画像の中から10か所を選んで、それら10か所の十点平均粗さの平均値を求めた。つまり、第1の画像の中から選んだ10か所の十点平均粗さの平均値、第2の画像の中から選んだ10か所の十点平均粗さの平均値、・・・、第9の画像の中から選んだ10か所の十点平均粗さの平均値、を求めた。
さらに、第1画像から算出された平均値、第2画像から算出された平均値、・・・第9画像から算出された平均値の総和を9で割って、平均値の平均値を求めた。各画像の平均値の平均値を求めることでバラつきの影響を十分に小さくした。
(トナー)
本発明に係るトナーは、トナー粒子と、その表面に存在するチタン酸ストロンチウム粒子およびシリカ粒子を有する。
(チタン酸ストロンチウムについての詳細な説明)
(チタン酸ストロンチウムの一次粒子の個数平均粒子径)
本発明において、トナー粒子の表面に存在するチタン酸ストロンチウムの一次粒子の個数平均粒子径(D1T)は、10nm以上95nm未満であることを特徴とする。
一次粒子の個数平均粒子径が10nm以上であることによって、チタン酸ストロンチウムがトナー粒子表面に効果的に微分散し、トナーの過剰帯電を抑制する。一次粒子の個数平均粒子径が95nm未満であることによって、チタン酸ストロンチウムのトナー粒子への付着力を十分に得ることができ、トナーの帯電量の立ち上がりを速め、かつトナーの過剰帯電を効果的に抑制できる。そのため、高温高湿環境や低温低湿環境で使用した場合においても、スリーブゴーストが発生しにくく、高温高湿環境で長期に渡って使用した場合においても、細線再現性およびドット再現性が良好なトナーを提供することができる。
チタン酸ストロンチウムの一次粒子の個数平均粒子径は、10nm以上70nm以下が好ましく、10nm以上50nm以下がより好ましい。チタン酸ストロンチウムの一次粒子の個数平均粒子径は、チタン原料およびストロンチウム原料の濃度や反応温度および反応時間によって制御することができる。
(チタン酸ストロンチウム粒子の平均円形度)
本発明において、トナー粒子の表面に存在するチタン酸ストロンチウム粒子の平均円形度は0.700以上0.920以下とする。
これにより、クリーニングブレード付近でトナーから外れたチタン酸ストロンチウム粒子が、クリーニングブレードをすり抜けることができる。
チタン酸ストロンチウム粒子の平均粒子径と一次粒子の平均円形度が上記の範囲であることは、形状が従来のチタン酸ストロンチウムよりも小さく、角が丸みを帯びた形状であることを表している。これにより、従来のチタン酸ストロンチウムよりもクリーニングブレードをすり抜けやすい形状となっている。
本発明において、チタン酸ストロンチウムは、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の32.00deg以上32.40deg以下に最大ピーク(a)を有し、該最大ピーク(a)の半値幅が、0.23deg以上0.50deg以下であることが特徴である。
該最大ピーク(a)はチタン酸ストロンチウムの結晶の(1,1,0)面ピークに起因する。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、前記半値幅を0.23deg以上0.50deg以下に制御することが非常に重要であることを見出した。
一般的に、X線回折における回折ピークの半値幅はチタン酸ストロンチウムの結晶子径と関係がある。一次粒子の一個の粒は、複数の結晶子によって構成されており、結晶子径とは、一次粒子を構成する個々の結晶子の大きさのことである。
回折ピークとは、結晶面の回折での最大強度を得る角度をあらわす。また、半値幅とは、回折ピークの最大強度をPとして、P/2を取る2θ軸上の角度をθ1、θ2とした(θ2>θ1)ときに、θ2とθ1の差で表わされる幅のことである。半値幅は半値全幅とも呼ばれる。なお、最大強度の大きさはバックグラウンドの値を除去して求める必要がある。
本発明において結晶子とは、粒子を構成する個々の結晶粒のことを指し、結晶子が集まって粒子になる。結晶子の大きさと粒径は無関係である。チタン酸ストロンチウムの結晶子径が小さいと半値幅が大きくなり、チタン酸ストロンチウムの結晶子径が大きいと半値幅は小さくなる。
本発明のチタン酸ストロンチウムのX線回折における回折ピークの半値幅は、0.23deg以上0.50deg以下であり、これは従来のチタン酸ストロンチウムよりも結晶子径が小さいことを表している。
チタン酸ストロンチウムの結晶子径が小さくなると、一次粒子の中に存在する結晶子と結晶子の粒界(結晶粒界)が多くなる。結晶粒界は電荷をトラップするポイントと考えられる。そのため、トナーの帯電量が小さい場合、結晶粒界が電荷をトラップしやすいため、トナーの摩擦帯電量の立ち上がりが速くなる。一方で、チタン酸ストロンチウムの結晶子内部は、トナーの電荷をリークしやすいため、トナーが過剰に帯電して結晶粒界がトラップできる電荷量を超えた場合、結晶子内部を電荷が通り抜けて、トナーの過剰な帯電を制御することができると考えられる。
すなわち、前記半値幅を0.23deg以上0.50deg以下に制御することで、従来のチタン酸ストロンチウムでは得られなかった、トナーの帯電の立ち上がりを速め、かつトナーの過剰帯電を抑制する効果を得ることができた。その結果、同じパターンの画像を多量に印刷した場合でも、現像スリーブ上における印字部と非印字部のトナーの帯電性を均一に保つことが可能になった。そのため、高温高湿環境や低温低湿環境で使用した場合においても、スリーブゴーストを抑制する効果を飛躍的に高められたと考える。
また、現像スリーブ上のトナーの帯電の立ち上がりを速め、かつ過剰帯電を抑制する効果が良好になると、トナーの帯電量分布がよりシャープになる。トナーの帯電量分布がブロードの場合、特に、高温高湿環境で長期に渡って使用した場合、帯電量の低いトナーが現像器内に蓄積され、細線再現性やどっと再現性が低下し、微細な画像の画質が低下する場合が有る。
本発明では、トナーの帯電の立ち上がりを速め、かつ過剰帯電を抑制する効果が良好である。このため、トナーの帯電量分布がシャープになり、高温高湿環境で長期に渡って使用した場合においても、細線再現性およびドット再現性が良好なトナーを提供することができる。
本発明において、チタン酸ストロンチウムのX線回折における回折ピークの半値幅は、0.23deg以上0.50deg以下であることが重要である。好ましくは0.25deg以上0.45deg以下であり、より好ましくは0.28deg以上0.40deg以下である。上記範囲内であると、高温高湿環境や低温低湿環境で使用した場合においても、スリーブゴーストがより良好であり、高温高湿環境で長期に渡って使用した場合においても、トナーの細線再現性およびドット再現性が良好である。
本発明において、前記最大ピーク(a)の強度(Ia)と、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の24.00deg以上28.00deg以下の範囲における最大ピーク強度(Ix)が、下記式(1)を満たすことが重要である。
(Ix)/(Ia)≦ 0.010 ・・・ 式(1)
(Ix)はチタン酸ストロンチウムの原料に由来するSrCOやTiOのピークを表す。
(Ix)/(Ia)が式(1)を満たさない場合、チタン酸ストロンチウムの純度が低いことを意味する。例えば、チタン酸ストロンチウムの原料由来のSrCOやTiOが不純物として残っている場合、これらの最大ピーク強度(Ix)が大きくなり、式(1)が満たされなくなる。この場合、不純物が結晶粒界に局在しやすく、電荷が結晶粒界にトラップされず、リークしやすくなる。そのため、帯電の立ち上がりが遅くなる。
一方、式(1)を満たすことによって、チタン酸ストロンチウムの純度が高く、結晶粒界に局在する不純物が少ないために、電荷が結晶粒界にトラップされやすく、帯電の立ち上がりが速くなる。これによって、高温高湿環境で使用した場合においても、スリーブゴーストが発生しにくく、高温高湿環境で長期に渡って使用した場合においても、細線再現性およびドット再現性が良好になる。
式(1)は(Ix)/(Ia)≦ 0.010であることが重要であり、好ましくは(Ix)/(Ia)≦ 0.008である。不純物に由来する(Ix)のピークは存在しないことが望ましい。
(Ix)/(Ia)は、チタン原料とストロンチウム原料の混合比、反応温度、反応時間によって制御することができる。さらに、反応後にチタン酸ストロンチウムスラリーを酸洗浄することによって制御することができる。
本発明において、チタン酸ストロンチウムは、蛍光X線分析によって検出される元素がすべて酸化物であるとみなして、全酸化物の総量を100質量%としたときの酸化ストロンチウムおよび酸化チタンの含有量が98.0質量%以上であることが重要である。
前記含有量が98.0質量%未満であるということは、チタン酸ストロンチウム以外の不純物が結晶内部に多いことを意味する。チタン酸ストロンチウムの結晶内部に不純物が多い場合、不純物が結晶に歪を与え、その効果によって、半値幅が大きくなる。この場合、半値幅を大きくすることはできるが、結晶子径を小さく制御することは難しいため、結晶粒界が少なくなり、電荷がリークしやすくなる。そのため、帯電の立ち上がりが遅くなる。
酸化ストロンチウム及び酸化チタンの含有量を98.0質量%以上にすることで、チタン酸ストロンチウム粒子の結晶子径を小さく制御することができるため、帯電の立ち上がりを速め、かつ過剰帯電を抑制する効果をより良好にすることができる。これによって高温高湿環境や低温低湿環境で使用した場合においても、スリーブゴーストが発生しにくく、高温高湿環境で長期に渡って使用した場合においても、細線再現性およびドット再現性が良好になる。
酸化ストロンチウム及び酸化チタンの含有量を98.2質量%以上であることが好ましいし、上限は特に制限されないが100質量%以下であることが好ましい。当該含有量は、チタン原料を精製し、不純物を低減することによって制御することができる。
(チタン酸ストロンチウムの具体的な製造方法)
チタン酸ストロンチウムの調整法は特に制限はないが、例えば以下の方法で製造される。
例えば、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム等を添加する。そして、反応温度まで加温した後、アルカリ水溶液を添加することで製造することができる。なお、反応温度は60〜100℃が好ましい。
前記最大ピーク(a)の半値幅を制御するために、アルカリ水溶液を添加する工程において、アルカリ水溶液の添加にかける時間は60分以下にすることが好ましい。アルカリ水溶液の添加速度を60分以下にすることで、結晶子径が小さな粒子を得ることができる。
さらに、アルカリ水溶液を添加する工程において、超音波振動を加えながら添加を行うことが半値幅を制御するうえで好ましい。反応工程において、超音場振動を加えることで、結晶の析出速度が速くなり、結晶子径が小さな粒子を得ることができる。
また、アルカリ水溶液を添加して反応を終えた水溶液を急冷することが半値幅を制御するうえで好ましい。急冷する方法としては、例えば10℃以下に冷やした純水を所望の温度になるまで添加する方法等が挙げられる。急冷することで、冷却工程で結晶子径が大きくなることを抑制することができる。
一方で、半値幅を制御する方法として、強加工法(無機微粒子に機械的に強い力を加える手法)を用いてもよい。強加工としては、ボールミル法、高圧化のねじり、落錘加工、粒子衝撃、エア式ショットピーニング等の方法を用いることができる。
(シリカ粒子についての詳細な説明)
本発明において、トナー粒子の表面に存在するシリカ粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1S)は5nm以上、300nm以下とする。
トナー粒子の表面に存在するシリカ粒子の一次粒子の個数平均粒子径が5nm以上にすることで帯電ローラでの本件のチタン酸ストロンチウムの掻き取り効果がもっとも発揮される。またトナー粒子の表面に存在するシリカ粒子の一次粒子の個数平均粒子径が300nm以下とすることによりクリーニングブレードでシリカ粒子が阻止層を形成し、チタン酸ストロンチウムのすり抜け量を制御することができる。
(チタン酸ストロンチウム粒子の含有量)
本発明において、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量は、シリカ粒子100質量部あたり、20質量部以上とする。
20質量部以上とすることで帯電ローラでの本件のチタン酸ストロンチウムの掻き取り効果が発揮されるようになる。
(シリカ粒子の総含有量)
シリカ粒子の総含有量は、トナー粒子100質量部に対して、8.0質量部以上、15.0質量部以下であることが好ましい。
8.0質量部以上とすることで、クリーニングブレードでシリカ粒子が阻止層を形成し、チタン酸ストロンチウムのすり抜け量を制御することができることとトナーボトルからの排出性を得るため、トナーの流動性を確保することにある。また15.0質量部以下することで帯電ローラの汚染を防止できる。
(シリカ粒子の粒子径とチタン酸ストロンチウム粒子の粒子径との関係)
シリカ粒子は、
個数平均粒子径(D1S1)が5nm以上、20nm以下である第一のシリカ粒子と、
個数平均粒子径(D1S2)が80nm以上、120nm以下である第二のシリカ粒子とによって構成され、
前記チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒子径(D1T)と、前記第一のシリカ粒子の個数平均粒子径(D1S1)と、前記第二のシリカ粒子の個数平均粒子径(D1S2)との関係が下記式(2)を満たすことが好ましい。
D1S2>D1T>D1S1 ・・・ 式(2)
上述のように粒子径の大きな第二のシリカは、主にクリーニングブレードにおける阻止層の形成に寄与するため、チタン酸ストロンチウム粒子より大きいことが好ましい。これにより、チタン酸ストロンチウム粒子はクリーニングブレードをすり抜けることができる。さらに第一のシリカはチタン酸ストロンチウム粒子よりも小さいことで、帯電ローラでのチタン酸ストロンチウム粒子の掻き取り効果が発揮される。
本発明に用いられるシリカ微粒子としては、沈降法、ゾルゲル法等の湿式シリカ、爆燃法、ヒュームド法等の乾式シリカがあるが、形状制御のしやすさから、乾式シリカであることがより好ましい。
乾式シリカは、ケイ素ハロゲン化合物等を原料としている。ケイ素ハロゲン化合物としては、四塩化ケイ素が用いられるが、メチルトリクロロシラン、トリクロロシランなどのシラン類単独、又は四塩化ケイ素とシラン類との混合状態でも原料として使用可能である。
原料は気化した後、酸水素炎中で中間体として生じる水と反応する、いわゆる、火炎加水分解反応によって目的のシリカを得る。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
以下に、本発明に用いられる乾式シリカの製造例を説明する。
酸素ガスをバーナーに供給し、着火用バーナーに点火した後、水素ガスをバーナーに供給して火炎を形成し、これに原料である四塩化ケイ素を投入しガス化させた。次に、火炎加水分解反応を行わせ、生成したシリカ粉末を回収した。個数平均粒子径および形状は、四塩化ケイ素流量、酸素ガス供給流量、水素ガス供給流量、シリカの火炎中滞留時間を適宜変えることによって、任意に調整可能である。
シリカ微粒子の解砕方法としては、例えばアトマイザー(東京アトマイザー製造(株)製)等の解砕機を用いることができる。
(トナーのメジアン径)
トナーは個数基準におけるメジアン径(D50)が3.0μm以上6.0μm以下であることが好ましい。本件のチタン酸ストロンチウムはトナーが小粒径になり、クリーニングブレードのすり抜けが厳しくなるほどその効果を発揮する。
(トナーの製造方法)
トナーの製造方法については、熱風などを用いた処理によってチタン酸ストロンチウム粒子及びシリカ粒子をトナー粒子の表面に固着させる工程を有する以外は、特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
ここでは、粉砕法を用いたトナーの製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤、及びワックス、並びに必要に応じて、荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。
混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)が挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)が挙げられる。
さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、さらに、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(ターボ工業(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボジェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
トナー粒子の重量平均粒径は4.0μm以上8.0μm以下であると外添剤による効果を十分に得ることができ、好ましい。さらに粒子に機械的衝撃力を与える、または熱風などによる加熱処理を行うことによって、トナー粒子の円形度を高めてもよい。トナー粒子同士の電荷授受機会と摩擦摺擦力を多くし、帯電立ち上がり速度を高めるために、平均円形度としては0.962以上0.972以下が好ましい。
トナー粒子に無機粒子及び必要に応じて他の外部添加剤を加えて混合(外添)する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)があり、それぞれ好ましく用いられる。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<個数平均粒子径の測定方法>
シリカ粒子等の一次粒子の個数平均粒子径の測定は、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−4700((株)日立製作所製)を用いて行う。
撮影倍率は5万倍とし、撮影された写真をさらに2倍に引き伸ばした後、得られたFE−SEM写真像から、トナー粒子表面の固着されたシリカ粒子等(一次粒子)露出している面の最大径(長軸径)Laを測定する。同時に露出面の高さLbを算出する。
LaとLbから、シリカ粒子の最大径は(La2/4+Lb2)/Lbと算出される。
ランダムに選択した100個のシリカ粒子等(一次粒子)について同様の計算を行い、シリカ粒子等(一次粒子)の個数平均粒子径とする。
<平均円形度の算出方法>
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.2mL加える。
さらに測定試料を0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用する。
該手順に従い調製した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子等の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用する。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行う。
<X線回折測定>
測定はMiniFlex600((株)リガク製)を用いて、以下の条件で行う。
測定サンプルは、測定範囲内に回折ピークを持たない無反射試料板((株)リガク製)に無機微粒子(チタン酸ストロンチウム)を粉末の状態で平らになるように軽く押さえながら乗せる。平らになったら、試料板ごと装置へセットする。
[X線回折の測定条件]
管球:Cu
平行ビーム光学系
電圧:40kV
電流:15mA
開始角度:3°
終了角度:60°
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:10.00°/min
発散スリット:0.625deg
散乱スリット:8.0mm
受光スリット:13.0mm(Open)
得られたX線回折ピークの半値幅、ピーク強度の算出は、(株)リガク製解析ソフト「PDXL」を用いて行う。
<蛍光X線測定>
無機微粒子(チタン酸ストロンチウムまたは無機微粒子A)の蛍光X線測定は、シランカップリング剤などで表面処理を行う場合は、表面処理前に測定を行う。
波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(スペクトリス(株)製)を用いてHe雰囲気下、無機微粒子におけるNaからUまでの元素を直接測定する。装置付属の液体試料用カップを使用し、PP(ポリプロピレン)フィルムを底面に張り、試料を十分量入れ、底面に均一厚に層を形成させて、ふたをする。出力が2.4kWの条件で測定する。解析には、FP(ファンダメンタルパラメーター)法を用いる。その際、検出された元素すべてが酸化物であると仮定し、それらの総質量を100質量%とする。ソフトウェアUniQuani5(Ver.5.49)(スペクトリス(株)製)にて総質量に対する酸化ストロンチウム(SrO)および酸化チタン(TiO)の含有量(質量%)を酸化物換算値として求める。
<無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)の測定方法>
外添剤の一次粒子の個数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)「JEM2800」(日本電子(株)製)を用いて測定する。
まず、測定サンプルの調整を行う。外添剤約5mgに対し、イソプロパノール1mLを加え、超音波分散機(超音波洗浄機)で5分間分散させる。次に、TEM用の支持膜付きマイクログリッド(150メッシュ)に上記分散液を1滴たらし、乾燥させることで測定サンプルを準備した。
次に、透過型電子顕微鏡(TEM)によって、加速電圧200kVの条件のもと、視野中の外添剤が十分に測長できる倍率(例えば200k〜1M倍)にて画像を取得し、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の粒径を測定して個数平均粒子径を求める。一次粒子の粒径の測定は手動、または計測ツールを用いても良い。
<トナー表面上の無機微粒子の一次粒子の粒径の測定>
トナー表面上の無機微粒子の一次粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)「S−4700」((株)日立製作所製)を用いて、トナー上の無機微粒子を観察して求めた。
観察倍率は有機無機複合微粒子の大きさによって適宜調整したが、最大20万倍に拡大した視野において、100個の一次粒子の長径を測定して、その平均値を個数平均粒子径とした。
<トナーの個数基準におけるメジアン径(D50)の測定>
本発明のトナーの個数基準におけるメジアン径(D50)は走査型電子顕微鏡による二次電子像の観察と、続く画像処理によって求めることができる。
本発明のトナーの個数基準におけるメジアン径(D50)の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800((株)日立製作所製)を用いて行った。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでトナーを一層になるように固定し、白金による蒸着を行い、以下の条件で観察した。フラッシング操作を行ってから観察を行った。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=50000
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
二次電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像としてトナーの投影像を得た。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.02μm、1pixelの面積は0.0004μmとなる。
続いて、得られた二次電子による投影像を用いて、トナー100粒について投影面積円相当径を算出した。解析するトナー100粒の選択方法の詳細は後述する。
次に、トナー粒群の部分を抽出し、抽出されたトナー1粒のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析するトナー粒群を抽出するため、トナー粒群と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、トナー粒群の抽出を行った。カーボンテープ以外の方法でトナー粒群を固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、あるいは、部分的にトナー粒群と同じような輝度となる可能性は皆無ではない。
しかし、トナー粒群と背景の境界については、二次電子観察像から容易に区別できる。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置するトナー粒や他のトナー粒と重なっているトナー粒については、計算から除外するものとした。次に「カウント/サイズ」の測定項目で、面積とフェレ径(平均)を選択し、面積の選別レンジを最小100pixel、最大10000pixelとして、画像解析するトナー各粒を抽出した。抽出されたトナー粒群からトナー1粒を選択し、その粒子に由来する部分の大きさ(pixel数)を(ja)を求めた。得られたjaより下記式を用いて、投影面積円相当径dを得た。
={(4×ja×0.3088)/3.14}^(1/2)
次に、Image−Pro Plus5.1Jの「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを140〜255の範囲に設定して、トナー1粒上の輝度の高い部分の抽出を行った。
次いで、抽出された粒子群の各粒子に対して、選択されるトナー粒の数が100となるまで同様の処理を行った。一視野中のトナー粒の数が100に満たない場合には、別視野のトナー投影像について同様の操作を繰り返した。
得られたトナー100粒について、投影面積円相当径が昇順に並べ、50個目にあたるトナー粒の投影面積円相当径を、本発明のトナーの個数基準におけるメジアン径(D50)とした。
<帯電ローラの耐久試験および評価方法の説明>
次に、帯電ローラの耐久試験および画像評価に用いた電子写真装置について説明する。本試験で使用した電子写真式複写機は、キヤノン(株)製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5500の改造機を用いた。シアン色用のプロセスカートリッジのステーションを使用した。
A3横出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、264mm/secで、画像解像度は600dpiである。感光体はアルミニウムシリンダーにOPC層(Organic Photoconductor層)をコートし、さらにその上にOCL層(オーバーコート層)をコートした反転現像方式の感光ドラムである。
感光体の帯電方式は直流帯電方式(DC帯電方式)である。
トナーは、ポリエステルを結着樹脂として、ワックスを含有する、個数平均粒子径5.5μmの粉砕トナー粒子に対して、シリカ微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子を外添したものである。
尚、各実施例、各比較例で使用した帯電ローラの種類、チタン酸ストロンチウムの物性を表2、表3に記載する。
画像評価としては、常温低湿(N/L:温度23℃/相対湿度5%)の環境下で画像比率30%の画像を出力して10万枚の連続耐久試験を行った。
評価画像は以下の2種類を用いた。
1つは帯電ローラによって感光体1の表面に形成する暗部電位VDに直接現像させたものである(以下、アナログHT(ハーフトーン)と称す)。具体的には感光体ドラム表面を暗部電位VDとして約−700Vに帯電させ、現像スリーブ電位を約−720Vに設定することで暗部電位VDに現像させる。この条件だと帯電ローラの汚れによって発生する帯電ムラが直接画像に反映するので、厳しい条件で汚れを評価できる。
もう1つは通常の像露光を経て画像形成する方法を用いた(以下、デジタルHT(ハーフトーン)と称す)。具体的には感光体ドラム表面を暗部電位VDとして約−700Vに帯電させた後、全面像露光によって明部電位VLとして約−600Vにする。そして現像スリーブ電位を約−600Vに設定することで明部電位VLに現像させる。上記画像は共にX−riteで測定した反射濃度が0.3〜0.6の範囲のハーフトーン画像になるよう調整した。評価ランクは以下の様に判断した。
ランクA:アナログHTでも画像に帯電ムラが出ない。
ランクB:アナログHTではスジ状にムラが発生するが、デジタルHTでは画像に出ない。
ランクC:デジタルHTではうっすらムラが発生するが実用上問題無い。
ランクD:デジタルHTではっきりとムラ、スジが確認できる。
<帯電ローラの評価結果>
以上説明したように、本発明によれば、複写機やプリンター等のDC帯電方式を用いた帯電装置において、直流電圧のみを印加する場合で耐久後の帯電ローラ汚れが抑制され、画像不良の発生のない画像形成装置を提供することが可能となった。
上記構成及び処方に基づき、製法、分級条件等を変化させた現像剤において帯電ローラ汚染に対する評価を実施した結果を表2及び表3に示す。
実施例1〜3、比較例1〜3は、帯電ローラの条件を変化させたときの評価結果を示し、本実施例に記載の最表層におけるRzの範囲内であるならば、良好な結果を得ることができるが、範囲外では良好な結果を得ることができなかった。
実施例4〜5、比較例4〜5は、チタン酸ストロンチウム粒子におけるD1Tを変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のD1Tの範囲であるならば、良好な結果を得ることができるが、範囲外では良好な結果を得ることができなかった。
実施例6〜7、比較例6〜7は、チタン酸ストロンチウム粒子における平均円形度を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載の平均円形度の範囲であるならば、良好な結果を得ることができるが、範囲外では良好な結果を得ることができなかった。
実施例8〜9、比較例8〜9は、チタン酸ストロンチウム粒子におけるCuKα特性X線回折における回折角(2θ)の最大ピークの半値幅を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のCuKα特性X線回折における回折角(2θ)の最大ピークの半値幅の範囲であるならば、良好な結果を得ることができるが、範囲外では良好な結果を得ることができなかった。
実施例10〜11、比較例10〜11は、チタン酸ストロンチウム粒子における(Ix)/(Ia)を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載の(Ix)/(Ia)の範囲であるならば、良好な結果を得ることができるが、範囲外では良好な結果を得ることができなかった。
実施例12〜13、比較例12〜13は、シリカ粒子におけるD1Sを変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のD1Sの範囲であるならば、良好な結果を得ることができるが、範囲外では良好な結果を得ることができなかった。
実施例14、比較例14は、シリカ粒子100質量部あたりのチタン酸ストロンチウムの含有量を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のチタン酸ストロンチウムの含有量の範囲であるならば、良好な結果を得ることができるが、範囲外では良好な結果を得ることができなかった。
実施例15〜16は、シリカ粒子の総含有量を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のシリカ粒子の総含有量の範囲内において、良好な結果を得ることができた。
実施例17〜18は、シリカ粒子のD1S1を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のシリカ粒子のD1S1の範囲内において、良好な結果を得ることができた。
実施例19〜20は、シリカ粒子のD1S2を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のシリカ粒子のD1S2の範囲内において、良好な結果を得ることができた。
実施例21〜22は、トナーのメジアン径を変化させた時の評価結果を示し、本実施例に記載のトナーのメジアン径の総含有量の範囲内において、良好な結果を得ることができた。
1a−1d 画像形成部
2a−2d 感光ドラム
3a−3d 帯電ローラ
30 支持体
31 弾性層
32 表層

Claims (4)

  1. 像担持体と、前記像担持体に接触しながら回転する帯電手段と、前記帯電手段に直流電圧のみを印加する電圧印加手段と、帯電処理された前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光手段と、前記像担持体の表面に形成された前記静電潜像をトナーを用いて現像して、トナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留したトナーを清掃するためのクリーニング部材と、前記転写材に転写されたトナー像を定着するための定着手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記帯電手段は、帯電ローラであり、前記帯電ローラの最表層が粒子部と非粒子部とによって構成され、前記最表層の10点平均粗さRzが1〜20μmであり、前記最表層を2値化処理した際における非粒子部(海部)の10μm×10μm範囲の面積の10点平均粗さのRzが1.0μm以下であり、
    前記トナーは、トナー粒子と、その表面に存在するチタン酸ストロンチウム粒子およびシリカ粒子を有しており、
    前記チタン酸ストロンチウム粒子は、
    (i)一次粒子の個数平均粒子径(D1T)が10nm以上95nm未満であり、
    (ii)平均円形度が0.700以上0.920以下であり、
    (iii)CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の32.00deg以上32.40deg以下に最大ピーク(a)を有し、前記最大ピーク(a)の半値幅が、0.23deg以上0.50deg以下であり、前記最大ピーク(a)の強度(Ia)と、CuKα特性X線回折における回折角(2θ)の24.00deg以上28.00deg以下の範囲における最大ピーク強度(Ix)が、下記式(1)を満たし、
    (iv)蛍光X線分析によって検出される元素が全て酸化物で含有されているとみなした際において、全酸化物の総量を100質量%としたときの酸化ストロンチウム及び酸化チタンの含有量の合計が、98.0質量%以上であり、
    前記シリカ粒子は、一次粒子の個数平均粒子径(D1S)が5nm以上、300nm以下であり、
    前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子100質量部あたり、20質量部以上であることを特徴とする画像形成装置。
    (Ix)/(Ia) ≦ 0.010 ・・・ 式(1)
  2. 前記シリカ粒子の総含有量が、トナー粒子100質量部に対して、8.0質量部以上、15.0質量部以下である、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記シリカ粒子が、個数平均粒子径(D1S1)が5nm以上、20nm以下である第一のシリカ粒子と、個数平均粒子径(D1S2)が80nm以上、120nm以下である第二のシリカ粒子とによって構成され、
    前記チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒子径(D1T)と、前記第一のシリカ粒子の個数平均粒子径(D1S1)と、前記第二のシリカ粒子の個数平均粒子径(D1S2)との関係が下記式(2)を満たす請求項1又は2に記載の画像形成装置。
    D1S2>D1T>D1S1 ・・・ 式(2)
  4. 前記トナーは個数基準におけるメジアン径(D50)が3.0μm以上6.0μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

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