JP2020033444A - 電子線硬化性インク - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット印刷に好適な電子線硬化性インクを提供すること。【解決手段】インクジェット印刷に用いられる電子線硬化性インク22であって、電子線照射によって硬化する電子線硬化性組成物を含み、前記電子線硬化性組成物は、酸素阻害を抑制する酸素濃度の雰囲気下での紫外線照射によって表層22Aが高分子化し、その後の電子線照射によって深部22Bまで硬化する光重合性モノマーから成り、又は、当該光重合性モノマーを主成分として他の光重合性材料を混合して成る。【選択図】図4
Description
本発明は、電子線硬化性インクに関する。
紫外線(Ultraviolet Ray:UV)や電子線(Electron Beam:EB)等の活性エネルギー線の照射によって組成物(以下、「硬化性組成物」と言う)を硬化する技術が広く知られている。また活性エネルギー線として電子線を用いた場合、紫外線を用いた場合に比べ、光重合開始剤や増感剤を添加する必要が無いというメリットがある(例えば、特許文献1参照)。
電子線照射の際に用いられる硬化性組成物(以下、「電子線硬化性組成物」)には、オリゴマー等の重合体が一般に用いられており、また、かかる電子線硬化性組成物は電子線硬化性インクとしてインクジェット印刷などにも用いられている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
電子線照射の際に用いられる硬化性組成物(以下、「電子線硬化性組成物」)には、オリゴマー等の重合体が一般に用いられており、また、かかる電子線硬化性組成物は電子線硬化性インクとしてインクジェット印刷などにも用いられている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
しかしながら、オリゴマー等の重合体は粘度が高く、そのままインクジェット印刷のインクとして用いると、インクヘッドからのインクの吐出が困難になるケースが多々生じる。加えて、かかるインクは、硬化収縮も大きいため、硬化後に印刷物がカールする(反る)こともある。
本発明は、インクジェット印刷に好適な電子線硬化性インクを提供することを目的とする。
本発明は、インクジェット印刷に用いられる電子線硬化性インクであって、電子線照射によって硬化する電子線硬化性組成物を含み、前記電子線硬化性組成物は、酸素阻害を抑制する酸素濃度の雰囲気下での紫外線照射によって表層が高分子化し、その後の電子線照射によって深部まで硬化する光重合性モノマーから成り、又は、当該光重合性モノマーを主成分として他の光重合性材料を混合して成ることを特徴とする。
本発明は、上記電子線硬化性インクにおいて、前記電子線硬化性組成物は、官能基数が2以上の多官能の前記光重合性モノマーから成ることを特徴とする。
本発明は、上記電子線硬化性インクにおいて、前記光重合性モノマーは、前記官能基同士の間に炭化水素とは異なる結合を有することを特徴とする。
本発明は、上記電子線硬化性インクにおいて、前記光重合性モノマーは、前記官能基同士の間に炭化水素とは異なる結合として、エーテル結合を有することを特徴とする。
本発明は、上記電子線硬化性インクにおいて、前記光重合性モノマーは、アクリレートモノマーであることを特徴とする。
本発明は、上記電子線硬化性インクにおいて、前記光重合性モノマーは、300ppm以下の酸素濃度の雰囲気下で、300mJ/cm2の紫外線照射によって前記表層が高分子化する多官能アクリレートモノマーである、ことを特徴とする請求項1に記載の電子線硬化性インク。
本発明は、上記電子線硬化性インクにおいて、前記多官能アクリレートモノマーは、500ppm以下の前記酸素濃度の雰囲気下でも前記表層が高分子化する、ことを特徴とする。
本発明は、上記電子線硬化性インクにおいて、前記光重合性モノマーは、少なくとも1000ppmの酸素濃度の雰囲気下で前記電子線照射によって深部まで硬化することを特徴とする。
本発明によれば、インクジェット印刷に好適な電子線硬化性インクが得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷システム1の構成を模式的に示す図である。
印刷システム1は、電子線硬化性組成物を含む電子線硬化性インク22を印刷対象物であるワークWにインクジェット印刷により塗布し、酸素濃度を制御した雰囲気下で電子線硬化性インク22に紫外線(UV)、及び電子線(EB)を順に照射することにより電子線硬化性インク22を硬化させて画像形成するシステムである。かかる印刷システム1は、搬送装置4と、インクジェットUV印刷装置6と、電子線照射装置8と、を備えている。
図1は、本実施形態に係る印刷システム1の構成を模式的に示す図である。
印刷システム1は、電子線硬化性組成物を含む電子線硬化性インク22を印刷対象物であるワークWにインクジェット印刷により塗布し、酸素濃度を制御した雰囲気下で電子線硬化性インク22に紫外線(UV)、及び電子線(EB)を順に照射することにより電子線硬化性インク22を硬化させて画像形成するシステムである。かかる印刷システム1は、搬送装置4と、インクジェットUV印刷装置6と、電子線照射装置8と、を備えている。
搬送装置4は、印刷対象物の一例であるシート状のワークWを搬送する装置である。本実施形態の搬送装置4は、一対のローラー4A、4Bを備え、これらローラー4A、4BにワークWがロール状に巻き回されており、ローラー4A、4Bの回転によってワークWが搬送方向Pに搬送される。なお、ワークWには、印刷物に応じて適宜の材質や形状のものが用いられる。
インクジェットUV印刷装置6は、搬送中のワークWに電子線硬化性インク22の液滴を吹き付けて塗布し、酸素濃度を抑制した雰囲気下で電子線硬化性インク22に紫外線24を照射する装置である。
電子線照射装置8は、インクジェットUV印刷装置6の搬送方向Pにおける下流側に配置され、酸素濃度を抑制した雰囲気下で電子線硬化性インク22に電子線26を照射する装置である。
これら紫外線24、及び電子線26の2段階の照射(以下、2段階照射と言う)によって電子線硬化性インク22が硬化し、電子線硬化性インク22によって描かれた画像がワークWに定着する。
電子線照射装置8は、インクジェットUV印刷装置6の搬送方向Pにおける下流側に配置され、酸素濃度を抑制した雰囲気下で電子線硬化性インク22に電子線26を照射する装置である。
これら紫外線24、及び電子線26の2段階の照射(以下、2段階照射と言う)によって電子線硬化性インク22が硬化し、電子線硬化性インク22によって描かれた画像がワークWに定着する。
図2は、2段階照射によるインク硬化の説明図である。
印刷システム1は、上述の通り、インクジェットUV印刷装置6から紫外線24を電子線硬化性インク22に照射する。紫外線24は波長が比較的短く、また電子線硬化性インク22の電子線硬化性組成物に強く吸収されるため、紫外線24の大部分は、電子線硬化性インク22の深部22Bに到達することなく表層22Aで吸収される。この結果、紫外線24によるラジカル重合反応が表層22Aで局所的に生じる。これにより、図2(A)に示すように、電子線硬化性インク22には、電子線硬化性組成物の含有量などに応じて表層22Aが高分子化される。この状態においては、電子線硬化性インク22の深部22Bは概ね未硬化状態のままとなる。
印刷システム1は、上述の通り、インクジェットUV印刷装置6から紫外線24を電子線硬化性インク22に照射する。紫外線24は波長が比較的短く、また電子線硬化性インク22の電子線硬化性組成物に強く吸収されるため、紫外線24の大部分は、電子線硬化性インク22の深部22Bに到達することなく表層22Aで吸収される。この結果、紫外線24によるラジカル重合反応が表層22Aで局所的に生じる。これにより、図2(A)に示すように、電子線硬化性インク22には、電子線硬化性組成物の含有量などに応じて表層22Aが高分子化される。この状態においては、電子線硬化性インク22の深部22Bは概ね未硬化状態のままとなる。
次いで、印刷システム1は、電子線照射装置8により電子線26を電子線硬化性インク22に照射する。この結果、電子線硬化性インク22の深部22Bにおける未硬化状態の電子線硬化性組成物が硬化され、図2(B)に示すように、電子線硬化性インク22の表層22Aから深部22Bにわたる全体が硬化する。
ところで、活性エネルギー線照射による光硬化性組成物の光硬化において、酸素は、光硬化性組成物のラジカル重合反応において生じるラジカルと反応することで光硬化性組成物の光重合反応を阻害(いわゆる、「酸素阻害」)する物質である。
一方、本実施形態の2段階照射では、電子線照射の前段階において、電子線硬化性インク22の表層22Aが高分子化し、雰囲気から電子線硬化性インク22の深部22Bへの酸素の浸入を阻止する。これにより、電子線26の照射時の酸素阻害が抑制され、電子線照射によって効率良く電子線硬化性組成物を硬化でき、さらに、電子線照射時には、酸素阻害抑制のために雰囲気中の酸素濃度を過度に低めておく必要もない。
一方、本実施形態の2段階照射では、電子線照射の前段階において、電子線硬化性インク22の表層22Aが高分子化し、雰囲気から電子線硬化性インク22の深部22Bへの酸素の浸入を阻止する。これにより、電子線26の照射時の酸素阻害が抑制され、電子線照射によって効率良く電子線硬化性組成物を硬化でき、さらに、電子線照射時には、酸素阻害抑制のために雰囲気中の酸素濃度を過度に低めておく必要もない。
次いで、インクジェットUV印刷装置6、および電子線照射装置8について、より具体的に説明する。
インクジェットUV印刷装置6は、前掲図1に示すように、パージボックス9と、3つのインクヘッド10と、3つのUV光源装置12と、印刷制御部14と、光源制御部16と、雰囲気制御部18と、を備えている。
パージボックス9は、ワークWが内部を通って搬送される箱体であり、当該パージボックス9には、インクヘッド10、及びUV光源装置12が収められている。パージボックス9の内部には不活性ガスの一例である窒素ガスがガス供給装置から送り込まれ、内部の雰囲気中の酸素濃度が大気中よりも低められている。
インクヘッド10は、電子線硬化性インク22の液滴をワークWに向けて吐出して塗布するものである。
本実施形態では、赤(R)の電子線硬化性インク22、緑(G)の電子線硬化性インク22、及び青(B)の電子線硬化性インク22ごとにインクヘッド10が設けられている。これら3つのインクヘッド10は、搬送方向Pに沿って所定の間隔で配置されており、ワークWの搬送に伴って、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の電子線硬化性インク22が順にワークWに塗布される。
なお、黒の電子線硬化性インク22の液滴を吐出するインクヘッド10を更に設けてもよい。また、各色の電子線硬化性インク22を塗布する順番は適宜に変更可能である。
本実施形態では、赤(R)の電子線硬化性インク22、緑(G)の電子線硬化性インク22、及び青(B)の電子線硬化性インク22ごとにインクヘッド10が設けられている。これら3つのインクヘッド10は、搬送方向Pに沿って所定の間隔で配置されており、ワークWの搬送に伴って、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の電子線硬化性インク22が順にワークWに塗布される。
なお、黒の電子線硬化性インク22の液滴を吐出するインクヘッド10を更に設けてもよい。また、各色の電子線硬化性インク22を塗布する順番は適宜に変更可能である。
UV光源装置12は、インクヘッド10ごとに、搬送方向Pの下流側に隣接して配置され、ワークWに所定波長の紫外線24を照射する紫外線光源を有した装置である。かかる紫外線光源には、その発光スペクトルが、少なくとも電子線硬化性組成物が吸収する波長域と重複するものが用いられる。
印刷制御部14は、ワークWの表面に電子線硬化性インク22により形成する画像に基づいて、各インクヘッド10の電子線硬化性インク22の吐出を制御し、光源制御部16は、UV光源装置12のそれぞれの点滅、及び紫外線照射量を制御する。
また雰囲気制御部18は、ガス供給装置からパージボックス9への窒素ガスの導入量をフィードバック制御し、パージボックス9の内部の雰囲気の酸素濃度を所定濃度以下に維持する。この雰囲気制御部18とパージボックス9とによって、紫外線照射時の雰囲気の酸素濃度を所定濃度以下に維持する酸素濃度抑制手段が構成されている。
この所定濃度は、紫外線照射時に、パージボックス9の雰囲気中の酸素が上記の酸素阻害を生じさせる濃度よりも小さな値に設定される。これにより、2段階照射における最初の紫外線照射において、酸素阻害を生じさせることなく、電子線硬化性組成物の表層22Aを効率良く高分子化できる。
また雰囲気制御部18は、ガス供給装置からパージボックス9への窒素ガスの導入量をフィードバック制御し、パージボックス9の内部の雰囲気の酸素濃度を所定濃度以下に維持する。この雰囲気制御部18とパージボックス9とによって、紫外線照射時の雰囲気の酸素濃度を所定濃度以下に維持する酸素濃度抑制手段が構成されている。
この所定濃度は、紫外線照射時に、パージボックス9の雰囲気中の酸素が上記の酸素阻害を生じさせる濃度よりも小さな値に設定される。これにより、2段階照射における最初の紫外線照射において、酸素阻害を生じさせることなく、電子線硬化性組成物の表層22Aを効率良く高分子化できる。
電子線照射装置8は、インクジェットUV印刷装置6に対して搬送方向Pの下流側に配置され、酸素濃度が抑制された雰囲気下でワークWに塗布された電子線硬化性インク22に電子線26を照射するものであり、パージボックス20と、雰囲気制御部21と、電子線照射部23と、を備える。
パージボックス20および雰囲気制御部21は、電子線照射時の雰囲気の酸素濃度を所定濃度以下に維持する酸素濃度抑制手段を構成する。パージボックス20および雰囲気制御部21の構成は、それぞれ上述のパージボックス9および雰囲気制御部18と同様である。
電子線照射部23は、パージボックス20に収められ、ワークWに塗布された電子線硬化性インク22に電子線を照射する。この電子線照射装置8の電子線26によって、電子線硬化性インク22が深部22Bまで硬化し、ワークWに画像が定着することになる。
パージボックス20および雰囲気制御部21は、電子線照射時の雰囲気の酸素濃度を所定濃度以下に維持する酸素濃度抑制手段を構成する。パージボックス20および雰囲気制御部21の構成は、それぞれ上述のパージボックス9および雰囲気制御部18と同様である。
電子線照射部23は、パージボックス20に収められ、ワークWに塗布された電子線硬化性インク22に電子線を照射する。この電子線照射装置8の電子線26によって、電子線硬化性インク22が深部22Bまで硬化し、ワークWに画像が定着することになる。
印刷システム1は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスと、HDDやSSDなどのストレージ装置と、センサ類や周辺機器などを接続するためのインターフェース回路と、を備えたコンピュータを備え、当該コンピュータによって、上記印刷制御部14、光源制御部16、雰囲気制御部18、21が構成されている。
この印刷システム1によれば、UV光源装置12の各々の紫外線24の照射によって、各々の上流側のインクヘッド10で塗布された電子線硬化性インク22の表層22Aが速やかに高分子化する。このため、それぞれのインクヘッド10で塗布された電子線硬化性インク22が混ざり合うことがなく、高品質な画像をワークWの表面上に形成できる。
なお、印刷システム1において、パージボックス9の内部に複数のインクヘッド10を配設し、またインクヘッド10ごとに、その下流側に隣接してUV光源装置12を配置した。しかしながら、これに限らず、例えば、各インクヘッド10とUV光源装置12との1又は複数の対ごとにパージボックス9を備えてもよい。
また、パージボックス9、20のいずれかに一方に、インクジェットUV印刷装置6のインクヘッド10およびUV光源装置12と、電子線照射装置8の電子線照射部23と、を収めてもよい。
また、パージボックス9、20のいずれかに一方に、インクジェットUV印刷装置6のインクヘッド10およびUV光源装置12と、電子線照射装置8の電子線照射部23と、を収めてもよい。
また印刷システム1において、酸素濃度抑制手段としては、雰囲気中の酸素濃度を所定濃度まで低めることができれば、任意の手段を用いることができる。またパージボックス9、20には窒素ガスに代えて他の不活性ガスを送り込んでもよく、真空チャンバーをパージボックス9、20の代わりに用いてもよい。
ここで、印刷システム1では、2段階照射のいずれの段階においても酸素阻害が抑制されている。特に、最初の段である紫外線照射時においても雰囲気中の酸素濃度の抑制により酸素阻害が十分に抑えられている。
このため、電子線硬化性組成物が光重合性オリゴマーではなく光重合性モノマーであり、なおかつ光重合開始剤が添加されていない電子線硬化性インク22であっても、紫外線照射によって表層22Aを高分子化する。光重合性モノマーは、光重合性オリゴマーよりも低分子であり粘度が低いので、電子線硬化性組成物に光重合性モノマーを用いた電子線硬化性インク22にあっては、インクヘッド10におけるインク詰まり等を防止でき、インクジェット印刷に好適な電子線硬化性インク22となる。さらに、低粘度の電子線硬化性インク22であっても、2段階照射における最初の紫外線照射によって、電子線硬化性インク22の表層22Aを着弾後に速やかに高分子化し当該電子線硬化性インク22をワークWに固定できる。これにより、低粘度の電子線硬化性インク22であってもにじみを抑えたインクジェット印刷が可能になる。
また電子線硬化性インク22に光重合開始剤を添加する必要が無いため、食品等の包装に用いられる軟包装材への画像形成に当該電子線硬化性インク22を用いることで、安全面等において高品質な軟包装材を得ることができる。
このため、電子線硬化性組成物が光重合性オリゴマーではなく光重合性モノマーであり、なおかつ光重合開始剤が添加されていない電子線硬化性インク22であっても、紫外線照射によって表層22Aを高分子化する。光重合性モノマーは、光重合性オリゴマーよりも低分子であり粘度が低いので、電子線硬化性組成物に光重合性モノマーを用いた電子線硬化性インク22にあっては、インクヘッド10におけるインク詰まり等を防止でき、インクジェット印刷に好適な電子線硬化性インク22となる。さらに、低粘度の電子線硬化性インク22であっても、2段階照射における最初の紫外線照射によって、電子線硬化性インク22の表層22Aを着弾後に速やかに高分子化し当該電子線硬化性インク22をワークWに固定できる。これにより、低粘度の電子線硬化性インク22であってもにじみを抑えたインクジェット印刷が可能になる。
また電子線硬化性インク22に光重合開始剤を添加する必要が無いため、食品等の包装に用いられる軟包装材への画像形成に当該電子線硬化性インク22を用いることで、安全面等において高品質な軟包装材を得ることができる。
また電子線硬化性インク22が光重合性モノマーを多分に含む場合、電子線照射時に、光重合性モノマーが揮発して煙が発生し易くなるものの、本実施形態の印刷システム1では、上述のように、電子線照射の前段階において電子線硬化性インク22の表層22Aが高分子化しているので、煙の発生が抑えられる。
さらに、電子線照射により電子線硬化性インク22の深部22Bまで確実に硬化させているので、光重合性モノマーの残留も抑えられる。
さらに、電子線照射により電子線硬化性インク22の深部22Bまで確実に硬化させているので、光重合性モノマーの残留も抑えられる。
次いで、本実施形態のインクジェット印刷用の電子線硬化性インク22について更に詳述する。
本実施形態の電子線硬化性インク22は、電子線硬化性組成物に、安定剤やフィラー、着色剤(顔料)等の各種の添加剤を用途に応じて添加したものであり、上述の通り、電子線硬化性組成物が光重合性モノマーから成るものである。
発明者は、2段階照射により効率良く硬化できる光重合性モノマーについて知見を得るために、多種の光重合性モノマーを対象に紫外線照射による硬化実験を行った。
発明者は、2段階照射により効率良く硬化できる光重合性モノマーについて知見を得るために、多種の光重合性モノマーを対象に紫外線照射による硬化実験を行った。
図3及び図4は硬化実験に用いた試料の名称、及び構造式を示す図であり、図5は紫外線硬化実験の結果を示す図である。
図3及び図4に示すように、発明者は、光重合性モノマーに17種類のアクリレートモノマーを用いて紫外線硬化実験を行っている。試料A1〜A6は、単官能アクリレートモノマーであり、試料C1〜C11は官能基数が2以上の多官能アクリレートモノマーである。
図3及び図4に示すように、発明者は、光重合性モノマーに17種類のアクリレートモノマーを用いて紫外線硬化実験を行っている。試料A1〜A6は、単官能アクリレートモノマーであり、試料C1〜C11は官能基数が2以上の多官能アクリレートモノマーである。
(紫外線硬化実験概略)
アクリレートモノマーの液滴を基材に滴下塗布して試料を作成し、酸素濃度を100ppmに維持した雰囲気下で試料に、低圧水銀ランプを紫外線光源に用いて波長254nmの紫外線を照射した。そして、表層22Aが高分子化される最小紫外線照射量を、紫外線照射量を可変して調べた。この紫外線照射量の可変範囲は、インクジェット印刷において工業的に使用され得る範囲である5〜800mJ/cm2(照度計実測値)の範囲とした。
また発明者は、低圧水銀ランプよりも多くのスペクトルを含む高圧水銀ランプを紫外線光源に用い、100ppmの酸素濃度雰囲気下で100mJ/cm2(照度計実装値)の照射量で紫外線を試料に照射した実験も行った。
アクリレートモノマーの液滴を基材に滴下塗布して試料を作成し、酸素濃度を100ppmに維持した雰囲気下で試料に、低圧水銀ランプを紫外線光源に用いて波長254nmの紫外線を照射した。そして、表層22Aが高分子化される最小紫外線照射量を、紫外線照射量を可変して調べた。この紫外線照射量の可変範囲は、インクジェット印刷において工業的に使用され得る範囲である5〜800mJ/cm2(照度計実測値)の範囲とした。
また発明者は、低圧水銀ランプよりも多くのスペクトルを含む高圧水銀ランプを紫外線光源に用い、100ppmの酸素濃度雰囲気下で100mJ/cm2(照度計実装値)の照射量で紫外線を試料に照射した実験も行った。
(試料作成)
基材には10cm×10cmのPETフィルムを用いている。そして、水平面に載置した試料に対し、正面から見て中央からやや上側に偏移した地点で、スポイトを左右方向に移動させながら光重合性モノマーの試薬を滴下した。その後、基板上で正面から視て上側から下側に向けてバーコーターを用いて試薬を約6cm×6cmの範囲に膜厚10μmで塗布して試料を作成した。
基材には10cm×10cmのPETフィルムを用いている。そして、水平面に載置した試料に対し、正面から見て中央からやや上側に偏移した地点で、スポイトを左右方向に移動させながら光重合性モノマーの試薬を滴下した。その後、基板上で正面から視て上側から下側に向けてバーコーターを用いて試薬を約6cm×6cmの範囲に膜厚10μmで塗布して試料を作成した。
(高分子化評価)
発明者は、高分子化の評価は次のようにして行った。
すなわち、紫外線を試料に照射後、基板の1辺の縁部を指で摘まみ上げ、水平面に対し大凡90度になるまで基板を傾け、その状態を、10秒間保持した後、基板を水平に戻し、試薬の状態を目視観察した。
そして、基板上の試薬が、少しでも元の場所より垂れていたら液だれしていると評価し、試薬が全く元の位置から動かずに垂れていなかった場合に液だれしていないと評価した。そして液だれしていない場合に、当該液だれを抑制する程度に表層22Aが高分子化しているものと評価した。
発明者は、高分子化の評価は次のようにして行った。
すなわち、紫外線を試料に照射後、基板の1辺の縁部を指で摘まみ上げ、水平面に対し大凡90度になるまで基板を傾け、その状態を、10秒間保持した後、基板を水平に戻し、試薬の状態を目視観察した。
そして、基板上の試薬が、少しでも元の場所より垂れていたら液だれしていると評価し、試薬が全く元の位置から動かずに垂れていなかった場合に液だれしていないと評価した。そして液だれしていない場合に、当該液だれを抑制する程度に表層22Aが高分子化しているものと評価した。
以上の紫外線硬化実験により、図5に示すように、官能基数が2以上である多官能アクリレートモノマーは全て上記紫外線照射量の範囲で、液だれしない程度に高分子化するのに対し、単官能アクリレートモノマーのグループの中には、高分子化しないものがあることが分かった。
一方、単官能アクリレートモノマーの幾つかは、低圧水銀ランプの紫外線では、高分子化しなくても、紫外線光源に高圧水銀ランプを用いることで、高分子化できることが分かった。このことから、単官能アクリレートモノマーについては、紫外線の波長を変えたり、紫外線照射量を更に高めたり、或いは、酸素濃度を更に低めて酸素阻害を抑えたりすれば、高分子化するものと推察される。
換言すれば、官能基数が2以上である多官能アクリレートモノマーを電子線硬化性インク22の電子線硬化性組成物に用いることで、単官能アクリレートモノマーを電子線硬化性組成物に用いる場合よりも容易に、液だれしない程度に高分子化できる電子線硬化性インク22が得られることが分かる。
換言すれば、官能基数が2以上である多官能アクリレートモノマーを電子線硬化性インク22の電子線硬化性組成物に用いることで、単官能アクリレートモノマーを電子線硬化性組成物に用いる場合よりも容易に、液だれしない程度に高分子化できる電子線硬化性インク22が得られることが分かる。
また、図5の紫外線硬化実験結果において、多官能アクリレートモノマーの試料の中でも、官能基同士の間に炭化水素とは異なる結合としてエーテル結合を有している試料(C4、C9、C10、C11)では、比較的小さな紫外線照射量で高分子化することが分かる。したがって、かかる試料(C4、C9、C10、C11)の多官能アクリレートモノマーを電子線硬化性インク22の電子線硬化性組成物に用いることで、より少ない紫外線照射量で効率良く定着できる電子線硬化性インク22が得られることが分かる。
次いで、発明者は、官能基同士の間に炭化水素とは異なる結合としてエーテル結合を有した多官能アクリレートモノマーである試料C4、C9、C10を対象として、高分子化する雰囲気中酸素濃度依存性を実験により調べた。
この実験では、紫外線光源に低圧水銀ランプを用い、300mJ/cm2を紫外線照射量の上限として紫外線を照射した。また500ppmを上限として雰囲気中酸素濃度を可変して実験を行った。
この実験では、紫外線光源に低圧水銀ランプを用い、300mJ/cm2を紫外線照射量の上限として紫外線を照射した。また500ppmを上限として雰囲気中酸素濃度を可変して実験を行った。
図6は、紫外線硬化における酸素濃度依存性の実験結果を示す図である。
同図に示すように、試料C4、C9、C10はいずれも、上記紫外線硬化実験よりも高い300ppmの雰囲気中酸素濃度下でも、紫外線照射量を高めれば高分子化することが分かった。
すなわち、かかる試料C4、C9、C10を電子線硬化性インク22の電子線硬化性組成物に用いることで、紫外線照射時の雰囲気中酸素濃度の条件を緩くでき、取扱性のよい電子線硬化性インク22となる。
同図に示すように、試料C4、C9、C10はいずれも、上記紫外線硬化実験よりも高い300ppmの雰囲気中酸素濃度下でも、紫外線照射量を高めれば高分子化することが分かった。
すなわち、かかる試料C4、C9、C10を電子線硬化性インク22の電子線硬化性組成物に用いることで、紫外線照射時の雰囲気中酸素濃度の条件を緩くでき、取扱性のよい電子線硬化性インク22となる。
次いで発明者は、試料C4を対象として、2段階照射と電子線単独照射との硬化性の違いを実験により調べた。
なお、2段階照射の最初の紫外線照射では、紫外線光源に低圧水銀ランプを用い、100ppmの雰囲気中酸素濃度下で20mJ/cm2の紫外線を試料C4に照射した。電子線単独照射では紫外線未照射状態の試料C4に電子線を照射した。
また本実験において、電子線照射後の試料C4に粘り(いわゆるタック)が無く、なおかつ表面を指で触れて滑らせたときに引っ掛かりが無ければ、試料C4が硬化したと評価した。
なお、2段階照射の最初の紫外線照射では、紫外線光源に低圧水銀ランプを用い、100ppmの雰囲気中酸素濃度下で20mJ/cm2の紫外線を試料C4に照射した。電子線単独照射では紫外線未照射状態の試料C4に電子線を照射した。
また本実験において、電子線照射後の試料C4に粘り(いわゆるタック)が無く、なおかつ表面を指で触れて滑らせたときに引っ掛かりが無ければ、試料C4が硬化したと評価した。
そして発明者は、300ppmの雰囲気中酸素濃度下で電子線を試料C4に照射し、試料C4が硬化する電子線量を調べた。この結果、電子線単独照射では20kGyの電子線量で試料C4が硬化するのに対し、2段階照射では、それよりも低い10kGyの電子線量で試料C4が硬化することが分かった。
つまり、2段階照射を用いて試料C4を液だれしない程度に高分子化しておくことで、電子線照射時の電子線量を減らすことが分かる。
つまり、2段階照射を用いて試料C4を液だれしない程度に高分子化しておくことで、電子線照射時の電子線量を減らすことが分かる。
また発明者は、1000ppmを上限に雰囲気中酸素濃度を可変し、20kGyの電子線量の電子線を試料C4に照射し、試料C4が硬化する雰囲気中酸素濃度を調べた。この結果、電子線単独照射では、試料C4の硬化のために雰囲気中酸素濃度を300ppmまで下げる必要があるのに対して、2段階照射では、それよりも高い1000ppmでも試料C4が硬化することが分かった。
つまり、2段階照射を用いて試料C4を液だれしない程度に高分子化しておくことで、電子線照射時の雰囲気中酸素濃度を高くできることが分かる。
つまり、2段階照射を用いて試料C4を液だれしない程度に高分子化しておくことで、電子線照射時の雰囲気中酸素濃度を高くできることが分かる。
上述した実施形態によれば次の効果を奏する。
本実施形態の電子線硬化性インク22は、電子線照射によって硬化する電子線硬化性組成物を含み、この電子線硬化性組成物は、酸素阻害を抑制する酸素濃度の雰囲気下での紫外線照射によって表層22Aが高分子化し、その後の電子線照射によって深部22Bまで硬化する光重合性モノマーから成る。
これにより、従前のインクに比べて粘度が低く、インクヘッド10におけるインク詰まり等を防止でき、インクジェット印刷に好適な電子線硬化性インク22となる。さらに、電子線硬化性インク22は、2段階照射における最初の紫外線照射によって高分子化するので、ワークWへの着弾後に速やかに紫外線照射することで、にじみの発生を抑え、高品質なインクジェット印刷を実現できる。
これにより、従前のインクに比べて粘度が低く、インクヘッド10におけるインク詰まり等を防止でき、インクジェット印刷に好適な電子線硬化性インク22となる。さらに、電子線硬化性インク22は、2段階照射における最初の紫外線照射によって高分子化するので、ワークWへの着弾後に速やかに紫外線照射することで、にじみの発生を抑え、高品質なインクジェット印刷を実現できる。
本実施形態の電子線硬化性インク22では、電子線硬化性組成物は、官能基数が2以上の多官能の前記光重合性モノマーから成る。
これにより、単官能アクリレートモノマーを電子線硬化性組成物に用いる場合よりも容易に、液だれしない程度に表層22Aが高分子化する電子線硬化性インク22が得られる。
これにより、単官能アクリレートモノマーを電子線硬化性組成物に用いる場合よりも容易に、液だれしない程度に表層22Aが高分子化する電子線硬化性インク22が得られる。
本実施形態の電子線硬化性インク22では、電子線硬化性組成物である光重合性モノマーは、官能基同士の間に炭素水素とは異なる結合を有するので、表層22Aの高分子化に要する紫外線照射量を抑えることができる。
本実施形態の電子線硬化性インク22では、電子線硬化性組成物である光重合性モノマーを、300ppm以下の酸素濃度の雰囲気下で、低圧水銀ランプを用いた300mJ/cm2の紫外線照射によって表層22Aを高分子化する多官能アクリレートモノマーとすることで、比較的高い酸素濃度雰囲気下でインクジェット印刷を行うことができる。
この場合において、多官能アクリレートモノマーとして、500ppm以下の前記酸素濃度の雰囲気下でも高分子化するものを電子線硬化性インク22に用いることで、より緩い酸素濃度条件下でインクジェット印刷を行うことができ、使い勝手のよい電子線硬化性インク22となる。
この場合において、多官能アクリレートモノマーとして、500ppm以下の前記酸素濃度の雰囲気下でも高分子化するものを電子線硬化性インク22に用いることで、より緩い酸素濃度条件下でインクジェット印刷を行うことができ、使い勝手のよい電子線硬化性インク22となる。
本実施形態の電子線硬化性インク22では、電子線硬化性組成物である光重合性モノマーは、少なくとも1000ppmの酸素濃度の雰囲気下で電子線照射によって深部22Bまで硬化する。
これにより、電子線硬化としては比較的高い酸素濃度である1000ppmの雰囲気下でも電子線硬化性インク22を硬化できるので、印刷システム1における電子線照射装置8に求められる酸素濃度抑制の性能が緩和され、装置コストを抑えることができる。
これにより、電子線硬化としては比較的高い酸素濃度である1000ppmの雰囲気下でも電子線硬化性インク22を硬化できるので、印刷システム1における電子線照射装置8に求められる酸素濃度抑制の性能が緩和され、装置コストを抑えることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、電子線硬化性インク22が含有する電子線硬化性組成物の光重合性モノマーとしてアクリレートモノマーを示したが、紫外線照射によって表層22Aが高分子化するものであれば、メタクリレートモノマーでもよい。
また、紫外線照射によって表層22Aが高分子化する上記試料C1〜C11の各々を適宜に混合した電子線硬化性組成物を電子線硬化性インク22に用いてもよい。
また、紫外線照射によって表層22Aが高分子化する上記試料C1〜C11の各々を適宜に混合した電子線硬化性組成物を電子線硬化性インク22に用いてもよい。
また例えば、電子線硬化性インク22は、光重合性モノマーだけから成る構成に限らず、当該光重合性モノマーを主成分として他の光重合性材料を混合して製造されてもよい。
この場合、上記光重合性モノマーと他の光重合性材料との混合により、その粘度を10〜20(mPa・s)に調整することで、インクジェット印刷で扱い易い粘度の電子線硬化性インク22を得ることができる。
また、電子線硬化性インク22には、光重合開始剤などの任意の物質を添加してもよい。
なお、本実施形態において、主成分とは、少なくとも70%以上の割合で混合されている場合を言う。
この場合、上記光重合性モノマーと他の光重合性材料との混合により、その粘度を10〜20(mPa・s)に調整することで、インクジェット印刷で扱い易い粘度の電子線硬化性インク22を得ることができる。
また、電子線硬化性インク22には、光重合開始剤などの任意の物質を添加してもよい。
なお、本実施形態において、主成分とは、少なくとも70%以上の割合で混合されている場合を言う。
また例えば、官能基同士の間に炭化水素とは異なる結合を有する多官能アクリレートモノマーとして、当該官能基同士の間にエーテル結合を有した試料(C4、C9、C10、C11)を例示したが、より少ない紫外線照射量で効率良く定着できる(液だれしない程度に表層22Aを高分子化できる)という効果が得られる限りにおいて、エーテル結合以外の結合でもよい。
また例えば、上述した実施形態において、紫外線光源として低圧水銀ランプ、及び高圧水銀ランプを例示した。しかしながら、酸素阻害を抑制する酸素濃度の雰囲気下で、電子線硬化性インク22の表層22Aを高分子化できる紫外線光源であれば、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、キセノンランプ等の放電ランプ、LED光源、レーザー光などの任意の光源を用いることができる。
ここで、電子線硬化ではなく紫外線硬化を応用したインクジェット印刷では、紫外線光源としてメタルハライドランプが比較的一般に用いられるものの、インクには必ず光重合開始剤が添加されている。
上述した実施形態では、光重合開始剤を含まない状態の電子線硬化性インク22の表層22Aを高分子化するために、紫外線光源にはメタルハライドランプに代えて低圧水銀ランプを用い波長300nm以下の紫外線を照射した。
しかしながら、酸素阻害を抑制する酸素濃度の雰囲気下での紫外線照射によって光重合開始剤を含まない電子線硬化性インク22の表層22Aを高分子化できる場合にはメタルハライドを紫外線光源に用いることもできる。
上述した実施形態では、光重合開始剤を含まない状態の電子線硬化性インク22の表層22Aを高分子化するために、紫外線光源にはメタルハライドランプに代えて低圧水銀ランプを用い波長300nm以下の紫外線を照射した。
しかしながら、酸素阻害を抑制する酸素濃度の雰囲気下での紫外線照射によって光重合開始剤を含まない電子線硬化性インク22の表層22Aを高分子化できる場合にはメタルハライドを紫外線光源に用いることもできる。
1 印刷システム
4 搬送装置
8 電子線照射装置
9、20 パージボックス
10 インクヘッド
12 UV光源装置
14 印刷制御部
16 光源制御部
18、21 雰囲気制御部
22 電子線硬化性インク
22A 表層
22B 深部
23 電子線照射部
24 紫外線
26 電子線
A1〜A6、C1〜C11 試料
W ワーク
4 搬送装置
8 電子線照射装置
9、20 パージボックス
10 インクヘッド
12 UV光源装置
14 印刷制御部
16 光源制御部
18、21 雰囲気制御部
22 電子線硬化性インク
22A 表層
22B 深部
23 電子線照射部
24 紫外線
26 電子線
A1〜A6、C1〜C11 試料
W ワーク
Claims (8)
- インクジェット印刷に用いられる電子線硬化性インクであって、
電子線照射によって硬化する電子線硬化性組成物を含み、
前記電子線硬化性組成物は、
酸素阻害を抑制する酸素濃度の雰囲気下での紫外線照射によって表層が高分子化し、その後の電子線照射によって深部まで硬化する光重合性モノマーから成り、又は、当該光重合性モノマーを主成分として他の光重合性材料を混合して成る
ことを特徴とする電子線硬化性インク。 - 前記電子線硬化性組成物は、
官能基数が2以上の多官能の前記光重合性モノマーから成る
ことを特徴とする請求項1に記載の電子線硬化性インク。 - 前記光重合性モノマーは、
前記官能基同士の間に炭化水素とは異なる結合を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子線硬化性インク。 - 前記光重合性モノマーは、
前記官能基同士の間に炭化水素とは異なる結合として、エーテル結合を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の電子線硬化性インク。 - 前記光重合性モノマーは、アクリレートモノマーであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子線硬化性インク。
- 前記光重合性モノマーは、
300ppm以下の酸素濃度の雰囲気下で、300mJ/cm2の紫外線照射によって前記表層が高分子化する多官能アクリレートモノマーである、ことを特徴とする請求項1に記載の電子線硬化性インク。 - 前記多官能アクリレートモノマーは、
500ppm以下の前記酸素濃度の雰囲気下でも前記表層が高分子化する、ことを特徴とする請求項6に記載の電子線硬化性インク。 - 前記光重合性モノマーは、
少なくとも1000ppmの酸素濃度の雰囲気下で前記電子線照射によって深部まで硬化することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電子線硬化性インク。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2018160339A JP2020033444A (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | 電子線硬化性インク |
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JP2018086726A (ja) * | 2015-03-31 | 2018-06-07 | 富士フイルム株式会社 | 硬化膜形成方法、インクジェット画像記録方法、及び、印刷物 |
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-
2018
- 2018-08-29 JP JP2018160339A patent/JP2020033444A/ja active Pending
-
2019
- 2019-05-31 WO PCT/JP2019/021801 patent/WO2020044698A1/ja active Application Filing
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Publication number | Publication date |
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