JP2020033403A - シリコーン架橋剤、界面活性剤および乳化組成物 - Google Patents
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(1)
式(1)で表されるアルキルオキシラン誘導体からなるオルガノポリシロキサンの架橋剤であって、前記アルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから算出されるMHとMLとが式(2)の関係を満足することを特徴とする、オルガノポリシロキサンの架橋剤。
R1O−(AO)n−R1 ・・・・(1)
(式(1)中、
AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
nは25以上の数を示し、
R1は炭素数3〜5のアルケニル基である)
0.35≦ ML/MH ≦0.75 ・・・・(2)
(前記クロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMHとし、点Qと交点Pの距離をMLとする。)
As= W1/2/W5% ・・・・(3)
0.50≦ As ≦0.90 ・・・・(4)
(前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとし、点のうちRと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。)
mは1〜50、lは0〜50であり、l/mは0〜1であり、
R2は、炭素数1〜8の炭化水素基であり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基であり、l=0のときにはR3とR4との少なくとも一つは水素原子である。)
AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、
aは、前記オキシアルキレン基AOの平均付加モル数を示し、a=3〜20であり、
R5は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。)
成分(A): (3)の界面活性剤
成分(B): 25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油および25℃で液状のシリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の油剤
成分(C): 水
本発明に係る架橋剤は、下記の式(1)で表されるアルキルオキシラン誘導体からなるものである。
R1O−(AO)n−R1 ・・・・(1)
Hが1に近い値となるほど、クロマトグラムの形状は左右対称となる。
0.35≦ ML/MH ≦0.75 ・・・・(2)
(1) クロマトグラム上の屈折率強度の極大点KからベースラインBへ垂線を引き、垂線の長さをLとする。
(2) 屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとする。
(3) 点Oと点Qを結んだ直線Gと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をPとする。
(4) 点Oと交点Pの距離をM H、交点Pと点Qの距離をMLとする。
As=W1/2/W5% ・・・(3)
0.50≦As≦0.90 ・・・(4)
(2) 屈折率強度がL/20となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとする。
(3) 点Rと点Sを結んだ直線Hと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をTとする。
(4) 点Rと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。
GPC101GPC専用システム、示差屈折率計としてSHODEX RI−71s、ガードカラムとしてSHODEX KF−G、カラムとしてHODEX KF804Lを3本連続装着し、カラム温度40℃、展開溶剤としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、得られた反応物の0.1重量%テトラヒドロフラン溶液0.1mlを注入し、BORWIN GPC計算プログラムを用いて、屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムを得る。
開始剤およびメチルオキシランに含まれる微量の水分量については特に制限はないが、開始剤に含まれる水分量については、0.5wt%以下、メチルオキシランについては0.01wt%以下であることが望ましい。
Ma[M’x(CN)y]b(H2O)c・(R)d・・・(7)
本発明の界面活性剤は、前記架橋剤、式(5)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンおよび式(6)で表されるシリコーン変性剤の反応物からなる。
式(5)において、mは1〜50、lは0〜50である。mは、乳化安定性の観点からは、50以下とするが、45以下が好ましく、40以下が更に好ましい。また、mは1以上とするが、5以上が更に好ましい。また、lは、乳化安定性の観点からは、50以下とするが、30以下が好ましく、10以下が更に好ましい。l/mは、乳化安定性の観点からは、1以下とするが、0.4以下が好ましく、0.2以下がさらに好ましい。
本発明に係るシリコーン変性剤は、式(6)で表される化合物からなるものである。式(6)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基があげられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。さらに好ましくはオキシエチレン基である。
R5は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。
本発明に係る乳化組成物は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の組成物である。
成分(A)は、上記記載の界面活性剤である。
本発明において、油中水型領域の乳化組成物の成分(A)、成分(B)および成分(C)の配合の質量比は、以下が好ましい。
ここで、成分(A)、成分(B)および成分(C)の質量の合計を100質量%とする。また、以下の数値単位は質量%である。
好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは15〜35質量%、特に好ましくは20〜30質量%。
[成分(B)]:
好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは、25〜45質量%、特に好ましくは30〜40質量%
好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは50〜70質量%
[成分(C)]:
好ましくは5〜70質量%、更に好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは5〜50質量%
水酸基価: JIS K 1557−1に準拠した方法で分析を行った。
動粘度: JIS K 2283に準拠した方法で分析を行った。
不飽和度: JIS K 1557−3に準拠した方法で分析を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィー:
システムとしてSHODEX GPC101GPC専用システム、示差屈折率計としてSHODEX
RI−71S、ガードカラムとしてSHODEX KF−GS、カラムとしてHODEX KF804Lを3本連続装着し、カラム温度40℃、展開溶剤としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、得られた反応物の0.1重量%テトラヒドロフラン溶液0.1mlを注入し、BORWIN GPC計算プログラムを用いて、屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムを得ることで分析を行なった。
(合成例1:複合金属シアン化物錯体触媒の合成)
塩化亜鉛2.1gを含む2.0mlの水溶液中に、カリウムヘキサシアノコバルテートK3Co(CN)6を0.84g含む15mlの水溶液を、40℃にて攪拌しながら15分間かけて滴下した。滴下終了後、水16ml、tert−ブチルアルコール16gを加え、70℃に昇温し、1時間攪拌した。室温まで冷却後、濾過操作(1回目濾過)を行い、固体を得た。この固体に、水14ml、tert−ブチルアルコール8.0gを加え、30分間攪拌したのち濾過操作(2回目濾過)を行い、固体を得た。
撹拌装置、窒素導入管、および熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブにポリプロピレングリコール(分子量約700g/mol)84g、上記合成例1で得た複合金属シアン化物錯体触媒0.2gを仕込んだ。窒素置換後、110℃へと昇温し、0.3MPa以下の条件で、プロピレンオキサイド(住友化学製)100gを3時間かけて仕込んだ。この際、反応槽内の圧力と温度の経時的変化を測定した。3時間後、反応槽内の圧力が急激に減少した。その後、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、徐々にプロピレンオキサイドを投入し、全量で1116gのプロピレンオキサイドを撹拌下に連続的に加圧添加した。このとき、プロピレンオキサイドを1016g導入するまでの時間は5時間であった。75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行い中間体(分子量約9300g/molのポリプロピレングリコール)を1140g得た。
撹拌装置、窒素導入管、および熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブにメタノールを49g、SM−28(28%ソジュウムメチラートメタノール溶液、日本曹達製)5.8gを仕込んだ。窒素置換後、110℃へと昇温し、0.3MPa以下の条件で、エチレンオキサイド(日本触媒製)732gを8時間かけて仕込んだ。75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理を行い残存したエチレンオキサイドを除去した。続いて水酸化カリウム165gおよびアリルクロライド165gを仕込んだ。窒素置換後、120℃で3時間反応を行なった。水410gを添加して10分間撹拌した。1時間静置した後、分相した下層を廃水し、さらに上層を回収した。中和した後、80℃、窒素バブリング中で水分の除去を行ない、その後、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間処理を行ない、ろ過により、シリコーン変性材であるポリエチレングリコールモノアリルモノメチルエーテルを776g得た。水酸基価は2.8mgKOH/g、動粘度(100℃)は4.0mm2/s、不飽和度は1.9meq/gであった。
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた300ミリリットル容四ツ口フラスコに、合成例2で合成した架橋剤5g(不飽和当量;1.1meq)と、ハイドロジェンジメチルポリシロキサン(HMS−082(Gelest社製)、1g当たりのSiH当量=1.08meq/g)65g(架橋剤1質量部に対し13質量部、SiH当量;70meq)と、合成例3で合成したシリコーン変性剤45g(架橋剤1質量部に対し9質量部、不飽和当量;86meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、界面活性剤である、実施例1のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を得た。
下記に示す方法で乳化組成物を作成し、安定性評価を行った。実施例1の界面活性剤を試験管に精秤し、油剤(KF−96−10cs(信越化学工業(株)製ジメチルシリコーンオイル)、水を順に加え、室温にて十分に撹拌し、1ヶ月間室温にて静置後、乳化組成物の状態を観察した。乳化物の配合比率は以下の表1の通りである。
また、表1において、各数値は質量%を示す。評価基準は以下のとおりである。
「○」: 乳化した
「△」: 乳化後に一部が分離した
「×」: 乳化後に完全に分離した
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた300ミリリットル容四ツ口フラスコに、ハイドロジェンジメチルポリシロキサン(HMS−082(Gelest社製)、1g当たりのSiH当量=1.08meq/g)72g(SiH当量;70meq)と、合成例3で合成したシリコーン変性剤50g(不飽和当量;95meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、界面活性剤である、比較例1のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を得た。
撹拌装置、窒素吹き込み管、熱電対および冷却管を取り付けた300ミリリットル容四ツ口フラスコに、架橋剤(ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、分子量約7400g/mol、ML/MH=1.8、As=0.33)を5g(不飽和当量;1.1meq)と、ハイドロジェンジメチルポリシロキサン(HMS−082(Gelest社製)、1g当たりのSiH当量=1.08meq/g)65g(架橋剤1質量部に対し13質量部、SiH当量;70meq)とおよび合成例3で合成したシリコーン変性剤45g(架橋剤1質量部に対し9質量部、不飽和当量;86meq)を仕込み、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で100ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃で反応を行った。サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、FT−IR測定により、SiH基に由来する2100〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認し、界面活性剤である比較例2のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を得た。
界面活性剤、油剤(成分(B))および水(成分(C))を、表1に示す各実施例、比較例に記載されたような組成比率で混合し、各乳化組成物を製造し、乳化安定性を評価した。ただし、成分(B)は、以下のいずれかである。
パナセート810(日油(株)製トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン )
IPP−R(日油(株)製パルミチン酸イソプロピル)
パールリームEX(日油(株)製流動イソパラフィン)
実施例D1と同様にして、表2に示す各実施例、比較例の乳化組成物を製造した。ただし、各実施例、比較例の組成は、表2に示すように変更した。特に、成分(C)としては、0.1NのHCl水溶液を使用することによって、耐酸性を評価する。得られた各乳化組成物について、72時間、40℃にて静置後、状態を観察した。得られた結果を表2に示す。
表2において、各数値は質量%を示す。評価基準は以下のとおりである。
「○」: 乳化状態を維持した
「△」: 乳化後に一部が分離した
「×」: 乳化後に完全に分離した
実施例D1と同様にして、表3に示す各実施例、比較例の乳化組成物を製造した。ただし、各実施例、比較例の組成は、表3に示すように変更した。特に、成分(C)としては、0.1NのNaCl水溶液を使用することによって、耐塩基性を評価する。得られた各乳化組成物について、72時間、40℃にて静置後、状態を観察した。得られた結果を表3に示す。
表3において、各数値は質量%を示す。評価基準は以下のとおりである。
「○」: 乳化した
「△」: 乳化後に一部が分離した
「×」: 乳化後に完全に分離した
Claims (4)
- 式(1)で表されるアルキルオキシラン誘導体からなるオルガノポリシロキサンの架橋剤であって、前記アルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムから算出されるMHとMLとが式(2)の関係を満足することを特徴とする、オルガノポリシロキサンの架橋剤。
R1O−(AO)n−R1 ・・・・(1)
(式(1)中、
AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
nは25以上の数を示し、
R1は炭素数3〜5のアルケニル基である)
0.35≦ ML/MH ≦0.75 ・・・・(2)
(前記クロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMHとし、点Qと交点Pの距離をMLとする。)
- 前記クロマトグラムから算出されるAsが式(3)および式(4)の関係を満たすことを特徴とする、請求項1記載のオルガノポリシロキサンの架橋剤。
As= W1/2/W5% ・・・・(3)
0.50≦ As ≦0.90 ・・・・(4)
(前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとし、点のうちRと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。)
- 請求項1または2記載の架橋剤、下記式(5)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンおよび下記式(6)で表されるシリコーン変性剤の反応物からなることを特徴とする、界面活性剤。
mは1〜50、lは0〜50であり、l/mは0〜1であり、
R2は、炭素数1〜8の炭化水素基であり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基であり、l=0のときにはR3とR4との少なくとも一つは水素原子である。)
AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、
aは、前記オキシアルキレン基AOの平均付加モル数を示し、a=3〜20であり、
R5は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。)
- 下記成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有することを特徴とする、乳化組成物。
成分(A): 請求項3記載の界面活性剤
成分(B): 25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油および25℃で液状のシリコーン油からなる群より選ばれた一種以上の油剤
成分(C): 水
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