JP2020033066A - キャップ付ボトル缶及びその密栓方法 - Google Patents

キャップ付ボトル缶及びその密栓方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防爆機能を有する弱化部が不用意に開口してしまう現象の発生を防止する。【解決手段】ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓したキャップ付ボトル缶であって、キャップに、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとが設けられており、弱化ラインの長さ方向の中心位置は、雄ねじ部の始端部から周方向に沿って手前に10°の位置と、始端部から雄ねじ部に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域を避けて設けられている。【選択図】 図5

Description

本発明は、飲料用等のボトル缶の口部にキャップを装着して密栓したキャップ付ボトル缶及びその密栓方法に関する。
ボトル形状の缶(ボトル缶)の口部を密栓するキャップとして、一旦開栓したキャップを再栓した後の内容物の二次発酵等による内圧の過度な上昇時に、ボトル缶内部のガスを放出して内圧を低下させることによりボトル缶の破裂やキャップの飛び出しを防止する、いわゆる防爆機能を有するキャップが知られている。
例えば、特許文献1に開示のキャップは、キャップのナールに設けられたナール凹部に開口形成され開栓時に内圧を開放する線状のナールスリット(ベントホール)と、円筒部のナール非形成領域に形成されるとともにナールスリットよりも下方側に配され、ボトル缶を密栓した状態で所定の内圧になると開口する線状の弱化ラインとを有しており、この弱化ラインが所定の内圧開放値で開口して内部のガスを放出し内圧を開放させることができる。この場合、弱化ラインとして、断続的に形成された複数のスリットによるもの、及び一本の長いスリットによるものが開示されている。
特開2008‐63001号公報
このように、従来から、キャップがボトル缶に装着されている状態において、ボトル缶内部の内圧が過度に上昇した際に、その内圧を外部に排出してキャップ飛びを防止する対策が行われている。ところが、この防爆のための弱化部は、所定の内圧になると開口するものであるため、内圧の過度の上昇時以外のときに、不用意に開口してしまわないようにする必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、防爆機能を有する弱化部が不用意に開口してしまう現象の発生を防止することを目的とする。
本発明のキャップ付ボトル缶は、ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓したキャップ付ボトル缶であって、前記キャップに、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとが設けられており、前記弱化ラインの長さ方向の中心位置は、前記雄ねじ部の始端部から周方向に沿って手前に10°の位置と、前記始端部から前記雄ねじ部に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域を避けて設けられている。
雄ねじ部の始端部は、口部の形状が周方向に沿って変化する部分であり、その付近に線状の弱化ラインが配置されると、例えば落下により衝撃を受けた際に弱化ラインから漏れが生じるおそれがある。また、雄ねじ部の一周目においてねじ部の始端部から80°進んだ位置までの部位では、キャップの周壁とボトル缶口部との隙間も大きいので、落下衝撃時に変形しやすい。
そこで、雄ねじ部の始端部の付近、具体的には始端部の手前10°の位置から雄ねじ部に沿って90°の角度範囲には弱化ラインの長さ方向の中心位置が配置されないようにして、漏れの発生を抑制したものである。
また、別のキャップ付ボトル缶として、ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓したキャップ付ボトル缶であって、前記キャップに、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとが設けられており、前記弱化ラインの長さ方向の中心位置は、前記口部の開口端から前記雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて設けられているものとしてもよい。
口部の開口端から雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離が短い領域では、キャップの周壁とボトル缶の口部外面との間隔が大きく、そのような領域に弱化ラインが配置されると、落下衝撃等の際に不用意に開口するおそれがある。そこで、弱化ラインの長さ方向の中心位置が、口部の開口端からねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて設けることにより、漏れの発生を抑制することができる。
特に、雄ねじ部の始端部が明確に識別できず、ねじ山が一定の高さとなるまでの間に不完全ねじ部が周方向に長く形成されたボトル缶において、弱化ラインの位置を定めるのに有効である。
本発明のキャップ付ボトル缶の密栓方法は、ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓する方法であって、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとを有するキャップを形成するキャップ形成工程と、前記第2弱化部の長さ方向の中心位置が前記雄ねじ部の始端部から周方向に沿って手前に10°の位置と、前記始端部から前記雄ねじ部に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域を避けて配置されるように、前記ボトル缶口部の雄ねじ部に前記キャップを密栓する密栓工程とを備える。
また、別の密栓方法として、ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓する方法であって、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとを有するキャップを形成するキャップ形成工程と、前記第2弱化部の長さ方向の中心位置が前記口部の開口端から前記雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて配置されるように、前記ボトル缶口部の雄ねじ部に前記キャップを密栓する密栓工程とを備えるようにしてもよい。
これらの密栓方法の一つの実施態様として、前記密栓工程では、前記キャップの前記弱化ラインの中心位置が前記領域を避けた位置となるように位置決めして、前記ボトル缶の前記口部に前記キャップを被せた後、前記雄ねじ部に倣いながら前記キャップのキャップ側ねじ部を形成して密栓する。
他の一つの実施態様として、前記キャップ形成工程では、前記キャップに前記ボトル缶の前記雄ねじ部に螺合可能なキャップ側ねじ部を形成するとともに、前記キャップ側ねじ部において前記雄ねじ部に螺合したときに前記弱化ラインの長さ方向の中心位置が前記領域を避けて配置されるように、前記弱化ラインを形成し、前記密栓工程では、前記ボトル缶の前記口部に、前記キャップを回転させながら前記雄ねじ部に前記キャップ側ねじ部をねじ込むようにしてもよい。
本発明によれば、防爆のための弱化ラインの位置を特定の領域を避けて配置するようにしたから、弱化部が不用意に開口してしまう現象の発生を防止することができる。
本発明の実施形態のキャップ付ボトル缶を示す部分断面図であり、(a)がキャップのボトル缶への巻締め前の状態であり、(b)がキャップをボトル缶に巻締めた後のキャップ付ボトル缶とした状態を示す。 キャップのボトル缶への巻締め前の状態における正面図である。 キャップの底面図である。 ボトル缶の正面図である。 ボトル缶の口部の横断面図である。 キャッピング装置による密栓方法を説明するための要部断面図である。 ボトル缶の口部の周方向に異なる二箇所の縦断面図である。
以下、本発明に係るキャップ付ボトル缶の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態のキャップ付ボトル缶100に用いられるキャップ10は、図1(b)に示すように、例えば直径38mm口径のアルミニウム又はアルミニウム合金製(金属製)のボトル缶20の口部21に装着されて密接するピルファープルーフキャップ(以下、PPキャップとも称す。)となるものである。
このキャップ10は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の板材をカップ状に成形したもので、図2に示すように、天面部41とその天面部41の周縁から略垂下されてなる円筒部42とを備えるキャップ本体40と、そのキャップ本体40の天面部41の内面に設けたライナ50とを有する。
このキャップ10が装着されるボトル缶20の口部21は、図4に示すように、その下端部に半径方向外方に突出する膨出部22が形成され、その上方に雄ねじ部23、雄ねじ部23の上方に開口端部を丸めてなるカール部24が形成されている。カール部24の下端と雄ねじ部23の最初の一周分のねじ条の上縁との間には、カール部24の下端から雄ねじ部23の上縁に向けて漸次拡径するテーパ面25が形成されている。
このボトル缶20の口部21に被せられたキャップ10は、雄ねじ部23に螺合するキャップ側ねじ部13が円筒部42に形成され、円筒部42の下端部が膨出部22の下面に係止され、ライナ50がカール部24に圧接されて、ボトル缶20を密封状態としてキャップ付ボトル缶100とされる。
キャップ本体40の円筒部42は、図2に示すように、その下端部に周方向に断続的に形成されたスリット17を介して上下に分割された筒上部43と筒下部44とを有し、周方向に隣接するスリット17間に形成される複数のブリッジ17aによって筒上部43と筒下部44とを連結した形状としたものである。
また、円筒部42の天面部41近傍には、図2に示すように、半径方向内方に向けて凹状となる複数のナール凹部31と、周方向にスリット状に開口形成され開栓時に内圧を開放する複数のベントホール(本発明のベントホール)32とが周方向に間隔をあけて並んで設けられている。ベントホール32には、その上部開口部端部及び下部開口部端部を円筒部42の半径方向内方に向けて曲げて形成した上部突起部33及び下部突起部34とが設けられる。また、これらナール凹部31及びベントホール32と並んで、キャップ本体40がボトル缶20の口部21に装着された状態で所定の内圧(例えば、700kPa)になると開口する周方向に沿う線状に形成された一つの内圧開放スリット(本発明の弱化ライン)35が設けられている。
この内圧開放スリット35は、図2に示すように、円筒部42の周方向に延在して線状に形成されるベントホール32よりも長い線状のスリットに形成され、ベントホール32と同じ高さ、あるいはベントホール32よりも下方に配置されている。そして、内圧開放スリット35は、内容物が発酵する等してボトル缶20の内圧が過剰に上昇した際に、所定の内圧開放値(例えば、700kPa)で開口して内部のガスを放出する、いわゆる防爆機能の役目を果たす。
この内圧開放スリット35は、その長さを長くするほど、内圧開放値を低くすることができる。例えば、キャップ本体40(円筒部42)の周長の8%以上の長さに形成すると、キャップ10の飛び出しを効果的に抑制することができる。一方で、内圧開放スリット35の長さをあまり長くし過ぎると、剛性が低下することで内圧開放値が低くなり過ぎることや、キャッピング時の変形を生じ易くなる。また、内圧開放値が低すぎると、意図しないタイミング(例えば内容物の殺菌処理中等)に内圧を開放することがあるので、内圧開放値を安定させて適切な数値にコントロールすることが必要である。内圧開放スリットの好ましい長さは、キャップ本体の周長の8%以上15%以下である。ベントホール32は、内圧開放スリット35の長さと比較して、周長が充分に短く設定されるものであり、下部突起部34を半径方向内方に押し込むことにより、スリットの隙間を広げて個々の開口面積を比較的大きく形成しながらも、その部分の剛性を高める効果がある。
ナール凹部31、上部突起部33及び下部突起部34は、円筒部42の外周面において凹形状をなしており、これらが間隔をあけて配置されることにより、円筒部42の外周面に凹凸表面が形成され、開栓時にキャップ10を保持する指との間の摩擦抵抗を増大させることができる。これにより、手を滑らせることなくキャップ10を把持することが可能となり、容易に開栓することが可能となっている。
また、ベントホール32は、円筒部42の周方向にせん断されて形成されており、ボトル缶20に装着されたキャップ10がブリッジ17aを破断しつつ上方に回転操作された際、ボトル缶20内部のガスを外部に放出する。
また、ベントホール32の上部突起部33の先端は、挿入された際のライナ50の外周縁よりも半径方向内方に位置されているとともに、下部突起部34の先端と半径方向で同位置又はその先端よりも半径方向外方に位置している。さらに、上部突起部33の先端部は、さらに下方に折り曲げられて先端面が下方に向けられている。
キャップ本体40に挿入されるライナ50は、キャップ10の閉止時にボトル缶20のカール部24に当接し、ボトル缶20の内部を密封し得るように形成され、図1(a)に示すように、キャッピング前の状態でカール部24との接触面が平坦に設けられる。このように、ライナ50がカール部24と接触する部分(接触面)をキャッピング前の状態で平坦に形成することで、キャップ10をカール部24に被着させたキャッピング後においてライナ50がカール部24に押し付けられて若干の変形が生じるものの、キャップ10が周方向に回転して、ライナ50とカール部24との間に僅かな隙間が設けられた時点で、概ね平坦に設けられたライナ50の表面とカール部24との間にボトル缶20内部の内圧の開放流路がベントホール32に向けてダイレクトに確保されることから、円滑に内圧を開放することができる。
このようなライナ50としては、具体的には、図1に示すように、エラストマー樹脂等で形成されてシール機能を有する密封層51と、その密封層51よりも高い硬度を有し、ポリプロピレン等で形成された円板状の天面部41の内面と摺動する摺動層52とが積層されたものを用いることができる。この場合、密封層51は、摺動層52よりも外径が小さく設けられ、上部突起部33の先端は、ライナ50の摺動層52の外周縁よりも半径方向内方に位置し、下部突起部34の先端は、密封層51の外周縁よりも半径方向外方に位置している。そして、ライナ50が口部21と接触する密封層51の表面(接触面)が平坦に設けられる。
次に、図1(b)に示すように、ボトル缶20の口部21にキャップ10を被せて密栓したキャップ付ボトル缶100について説明する。
このボトル缶20の口部21に被せられたキャップ10は、天面部41の周縁部が絞り加工され、雄ねじ部23の外径に沿うキャップ側ねじ部13を筒上部43に形成するとともに、膨出部22の下部に沿うピルファープルーフ部14を筒下部44に形成することにより、ボトル缶20の口部21に被着されている。また、キャップ10のライナ50がカール部24に密接することによってボトル缶20の開口部20aがシールされている。
このように構成されたキャップ付ボトル缶100において、内圧開放スリット(弱化ライン)は、ボトル缶20の雄ねじ部23の始端部23aから周方向に沿って手前に10°の位置と、その始端部23aから雄ねじ部23に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域Cを避けて設けられている。
図7は(a)が雄ねじ部23の始端部23aを含む部分(図4にAで示す部分)の缶軸に沿う縦断面形状であり、(b)はその手前の部分(図4にBで示す部分)の縦断面形状である。この図7から明らかなように、カール部24の上端(開口端)から雄ねじ部23のねじ山の稜線までの間の缶軸方向の距離は、ボトル缶20の周方向に向かうにしたがって変化しており、雄ねじ部23の始端部23aにおいてはL1と短く、雄ねじ部23の手前の部分、つまり一周目の終端部付近ではL2と長く形成される。また、雄ねじ部23の始端部23aより手前の部分、つまり雄ねじ部23の一周目の終端部では、雄ねじ部23の上縁からカール部24の下端の間のテーパ面25(図7(b))が、雄ねじ部23の始端部23aの上縁とカール部24の下端との間のテーパ面25(図7(a))より急傾斜面であり、一周目の終端部におけるテーパ面25に対して、雄ねじ部23の始端部23aが半径方向外方に大きく突出した状態となる。
このように、ボトル缶20の雄ねじ部23の始端部23a付近においては、テーパ面25から隆起するように雄ねじ部23の始端部23aが形成され、ボトル缶20の口部21の形状が周方向に向かうにしたがって大きく変化している。
また、雄ねじ部23の始端部23aでは、カール部24の上端からねじ山の稜線までの距離L1が小さく、かつねじ山が半径方向外方に大きく突出しており、キャップ10が装着されると、ボトル缶20の口部21外面とキャップ10の周壁内面との間に、図7(a)で示すように大きな空間部Xが形成される。
このボトル缶20の口部21の形状が大きく変化する部分、あるいは、カール部24の上端からねじ山の稜線までの距離L1が小さく、大きな空間部Xが形成される部分に内圧開放スリット35が配置されると、落下衝撃時等に内圧開放スリット35が不用意に開口してしまうおそれがある。一方、雄ねじ部23の始端部23aより手前の部分では、前述したようにテーパ面25が急傾斜面で、カール部24の上端から雄ねじ部23のねじ山の稜線までの距離L2が長いので、図7(b)で示すように、装着されたキャップ10の周壁も口部21の外面に接近して配置される。このため、落下衝撃時等のキャップ10の変形も少なくなる。
前述の大きな空間部Xが形成される状態は、雄ねじ部23の始端部23a付近から雄ねじ部23に沿ってしばらくの間続くので、雄ねじ部23の始端部23aの手前10°までの範囲と、始端部23aから周方向に80°進んだ位置までの範囲には、内圧開放スリット35が配置されないようにしているのである。
この場合、内圧開放スリット35はキャップ10の周方向に沿う長さを有しているので、少なくとも内圧開放スリット35の長さ方向の中間位置が、雄ねじ部23の始端部23aから周方向に沿って手前に10°の位置と、始端部23aから雄ねじ部23に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域Cを避けて設けられる。
なお、この雄ねじ部23の始端部23aから周方向に80°進んだ位置は、口径38mmのボトル缶においては、口部21の開口端(カール部24の上端)から雄ねじ部23のねじ山の稜線までの距離が後述するように約4.85mmとなるので、雄ねじ部23の始端部23aの手前10°の範囲と、口部21の開口端から雄ねじ部23のねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて内圧開放スリット35の長さ方向の中心位置が配置されるようにするとよい。
キャップ付ボトル缶100において、この内圧開放スリット35が領域Cを避けて配置されるようにするには、図1(a)及び図2に示すように円筒部42を有するキャップ10を形成しておき(キャップ形成工程)、キャップ10の内圧開放スリット35の中心位置が領域Cを避けた位置となるようにボトル缶10に対して位置決めした状態で、ボトル缶10の口部21にキャップを被せ、その後、図6に示すキャッピング装置を用いて密栓する(密栓工程)。
この密栓工程では、パッド81によりキャップ10の天面部41をねじ付ボトル缶10の缶軸方向に押し付けると同時に、環状のブロック82により天面部41の周縁部を絞り加工し、この状態で、キャッピングロール83によって円筒部42を口金部23の雄ねじ部32に押し付けて、雄ねじ部32に沿って円筒部42にキャップ側ねじ部13を形成するとともに、スカートローラ84で膨出部33に円筒部42の下端部を巻き付ける。
キャップ10とボトル缶20との位置決めは、キャップ10をボトル缶20に被せる前に、ボトル缶20とキャップ10とを別々のステーションに設置し、それぞれ軸中心に回転させながら、ボトル缶20については雄ねじ部23の始端部23aをセンサで検出し、キャップ10については内圧開放スリット35をセンサで検出する。雄ねじ部23の始端部23a及び内圧開放スリット35が検出されたら、これらが所定の方向を向く姿勢でボトル缶20及びキャップ10の回転を停止し、キャップ10の内圧開放スリット34の中心位置がボトル缶20の雄ねじ部23の領域Cを避けた姿勢となるように被せてキャッピングすればよい。
また、別の密栓方法として、キャップ形成工程において、キャップ10にキャップ側ねじ部13を予め形成するようにしてもよい。その際に、そのキャップ側ねじ部13において雄ねじ部23に螺合したときに内圧開放スリット35の長さ方向の中心位置が領域Bを避けて配置されるように内圧開放スリット35を形成する。
そして、密栓工程では、キャップ10を軸中心に回転する機構と、前述のスカートローラ84と同様のスカートローラとを有するキャッピング装置を用い、ボトル缶20の口部21にキャップ10を回転させながら被せ、ボトル缶20の雄ねじ部23にキャップ側ねじ部13をねじ込み、その後、スカートローラで膨出部33に下端部を巻き付ければよい。
この密栓方法では、キャップ10をボトル缶20の口部21に被せる際に周方向の位置決めは必要ない。
ところで、ボトル缶20の雄ねじ部23は、その製造工程において、缶体内に挿入した中子と缶体の外側に配置した外子との間に缶体を挟み込み、これら中子と外子を自転させながら缶体の軸心回りに公転することにより形成される。そして、雄ねじ部23の始端部23aは、一般には、中子と外子とが缶体を挟み込み始めた位置により形成される。
ただし、ボトル缶によっては、中子と外子とによる缶体の挟み込みが緩やかに行われ、このため、雄ねじ部の始端部が明確に識別できずに、不完全ねじ部が周方向に長く形成されたボトル缶も存在する。
そのような雄ねじ部の始端部が明確に識別できないボトル缶の場合でも、カール部の上端から雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離が所定寸法となるまでの範囲に内圧開放スリットが配置されないようにする必要がある。
このようなボトル缶の場合は、前述したように、口部21の開口端から雄ねじ部23のねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて内圧開放スリット35の長さ方向の中心位置が配置されるようにするとよい。このボトル缶では、雄ねじ部23に始端部が明確に現われないので、前述した実施形態のように始端部23aの手前の部分は考慮する必要はない。
なお、弱化ラインを実施形態では、線状のスリットからなる内圧開放スリットとしたが、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状のものであれば、断続的に形成された複数のスリットによるもの、及び一本の長いスリットによるもの、いずれでもよく、キャップの周壁に溝状の切り込みを形成して他の部分の肉厚よりも薄肉にし、内圧開放時に破断するスコアであってもよい。
次に、キャップ付ボトル缶を実際に作製し、落下衝撃試験を行った。
各ボトル缶としては、直径38mm口径の口部を有する内容量390ml用アルミニウム製ボトル缶を用いた。また、各キャップには、アルミニウム製キャップ本体に、ナール凹部及びベントホールとともに、長さ10mmの内圧開放スリットを形成した。
そして、ボトル缶に390mlの水を充填してキャップを装着した。このとき、キャップの内圧開放スリットとボトル缶の雄ねじ部の始端部との周方向距離が異なる種々のキャップ付ボトル缶を作製した。
落下衝撃試験は、30cmの高さから10°傾斜した鉄板上に、内圧開放スリットが形成されている天面外周部が衝突するように倒立(垂直)姿勢で落下させた後、正置して1日放置した。そして、落下前後の内圧を測定し、内圧低下(漏れ)が確認されたものの本数を確認した。
表1に結果を示す。角度の欄は、雄ねじ部の始端部の位置を基準(0°)として、キャップの内圧開放スリットの長さ方向(周方向)の中心位置までの周方向に沿う角度であり、欄の上段と下段で角度範囲を示す。上段は記載の数値未満、下段は記載の数値以上とする。
Figure 2020033066
表1に示されるように、雄ねじ部の始端部からキャップの内圧開放スリットの長さ方向の中心位置の周方向に沿う角度が、355°以上80°未満の範囲では、漏れが認められたが、80°以上355°未満の範囲では漏れが認められなかった。
この結果から、内圧開放スリットの長さ方向の中心位置が雄ねじ部の始端部から周方向に沿って手前に10°の位置と、始端部から雄ねじ部に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域を避けて設けることで、漏れの発生は防止できることがわかる。
また、ボトル缶の口部の開口端(カール部の上端)から雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離は、雄ねじ部の始端部において最も短く、約4.42mmあり、雄ねじ部の始端部から70°以上80°未満の位置において約4.85mmであった。そして、その距離は80°以上に進むにしたがって徐々に大きくなる。したがって、雄ねじ部の始端部が明確に識別できないボトル缶の場合等には、ボトル缶の口部の開口端(カール部の上端)から雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて内圧開放スリットの長さ方向の中心位置が配置されるようにするとよい。
10 キャップ
13 キャップ側ねじ部
14 ピルファープルーフ部
17 スリット
17a ブリッジ
20 ボトル缶
21 口部
22 膨出部
23 雄ねじ部
24 カール部
31 ナール凹部
32 ベントホール
35 内圧開放スリット(弱化ライン)
40 キャップ本体
41 天面部
42 円筒部
43 筒上部
44 筒下部
50 ライナ
100 キャップ付ボトル缶(キャップ付ボトル缶)

Claims (6)

  1. ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓したキャップ付ボトル缶であって、前記キャップに、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとが設けられており、前記弱化ラインの長さ方向の中心位置は、前記雄ねじ部の始端部から周方向に沿って手前に10°の位置と、前記始端部から前記雄ねじ部に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域を避けて設けられていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
  2. ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓したキャップ付ボトル缶であって、前記キャップに、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとが設けられており、前記弱化ラインの長さ方向の中心位置は、前記口部の開口端から前記雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて設けられていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
  3. ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓する方法であって、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとを有するキャップを形成するキャップ形成工程と、前記第2弱化部の長さ方向の中心位置が前記雄ねじ部の始端部から周方向に沿って手前に10°の位置と、前記始端部から前記雄ねじ部に沿って周方向に80°進んだ位置との間に区画される領域を避けて配置されるように、前記ボトル缶口部の雄ねじ部に前記キャップを密栓する密栓工程とを備えることを特徴とするキャップ付ボトル缶の密栓方法。
  4. ボトル缶の口部に形成された雄ねじ部にキャップを装着して密栓する方法であって、開栓時に内圧を開放するベントホールと、所定の内圧になると開口する周方向に沿う線状の弱化ラインとを有するキャップを形成するキャップ形成工程と、前記第2弱化部の長さ方向の中心位置が前記口部の開口端から前記雄ねじ部のねじ山の稜線までの距離が4.90mm未満となる領域を避けて配置されるように、前記ボトル缶口部の雄ねじ部に前記キャップを密栓する密栓工程とを備えることを特徴とするキャップ付ボトル缶の密栓方法。
  5. 前記密栓工程では、前記キャップの前記弱化ラインの中心位置が前記領域を避けた位置となるように位置決めして、前記ボトル缶の前記口部に前記キャップを被せた後、前記雄ねじ部に倣いながら前記キャップのキャップ側ねじ部を形成して密栓することを特徴とする請求項3又は4記載のキャップ付ボトル缶の密栓方法。
  6. 前記キャップ形成工程では、前記キャップに前記ボトル缶の前記雄ねじ部に螺合可能なキャップ側ねじ部を形成するとともに、前記キャップ側ねじ部において前記雄ねじ部に螺合したときに前記弱化ラインの長さ方向の中心位置が前記領域を避けて配置されるように、前記弱化ラインを形成し、前記密栓工程では、前記ボトル缶の前記口部に、前記キャップを回転させながら前記雄ねじ部に前記キャップ側ねじ部をねじ込むことを特徴とする請求項3又は4記載のキャップ付ボトル缶の密栓方法。
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