JP2020032796A - 気圧式倍力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気弁の気密性を向上させることで、エンジン点火時に確実に作動させることが可能な気圧式倍力装置を提供する。【解決手段】プランジャ51の第1環状突部52と第2環状突部53とをポペット弁61のシール部62に当接/離隔させるように大気弁15を形成したので、第2環状突部53の先端部55に打痕傷が生じた場合であっても、第1環状突部52によって大気弁15の気密性が確保される。これにより、エンジンの非作動状態が長期にわたっても、スタートボタンによるエンジン点火を確実に行うことができる。【選択図】図2
Description
本発明は、ブレーキペダルの踏力をアシストする気圧式倍力装置に関する。
近年、スタートボタンの操作でエンジンが点火される自動車が普及している。このような自動車は、ブレーキペダルを一定量踏み込まないとエンジンが点火されないようになっている。気圧式倍力装置は、エンジンが点火される前の状態、すなわち、エンジンが負圧を発生する前の状態で、定圧室と変圧室との真空を保つことにより、エンジン点火時(点火前)のブレーキペダルの踏力をアシストすることができる。
ところで、気圧式倍力装置は、プランジャの環状突部に打痕傷が生じると、大気弁の気密性が低下する。このように大気弁の気密性が低い状態で、エンジン(負圧発生源)の非作動期間が数日にわたると、定圧室と変圧室との差圧が0になり、気圧式倍力装置が機能しなくなる。その結果、ブレーキペダルの踏み込み量が不足し、スタートボタンを操作したにも拘らずエンジンがスタートしないことが問題になる。
特許文献1に記載の気圧式倍力装置では、プランジャに環状突部の高さよりも低い当接部を形成し、さらに該当接部の高さよりも低い逃部を当接部に隣接させて設けることにより、倍力装置の非作動状態におけるポペット弁のシート部の弾性変形量を減少させ、大気弁の気密性を向上させている。
特許文献1に記載の気圧式倍力装置では、プランジャの環状突部に打痕傷が生じた場合、気密漏れが発生するおそれがある。
本発明の課題は、大気弁の気密性を向上させることにより、スタートボタンによるエンジン点火を確実に行うため、ペダルを踏み込むことが可能な気圧式倍力装置を提供することにある。
本発明の課題は、大気弁の気密性を向上させることにより、スタートボタンによるエンジン点火を確実に行うため、ペダルを踏み込むことが可能な気圧式倍力装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の気圧式倍力装置は、シェル内を定圧室と変圧室とに分画するパワーピストンと、該パワーピストンに接続され、前記シェル内を移動可能に設けられる中空のバルブボデーと、該バルブボデーの内側に設けられるポペット弁と、前記バルブボデーの内側に入力軸に連動して移動可能に設けられ、前記ポペット弁に対して当接/離隔することにより大気弁を閉弁/開弁させるプランジャと、を有し、前記プランジャが前記ポペット弁に対して離隔して前記大気弁が開弁されることにより、前記定圧室と前記変圧室との間に生じる差圧によって前記パワーピストンが推進される気圧式倍力装置であって、前記プランジャは、同心に設けられた少なくとも2つの環状突部を有し、前記ポペット弁は、前記プランジャの各環状突部が当接するシール部を有することを特徴とする。
本発明によれば、大気弁の気密性を向上し、スタートボタンによるエンジン点火を確実に行うことができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。便宜上、図1における左右方向を気圧式倍力装置1における前後方向とする。
図1に示されるように、第1実施形態に係る気圧式倍力装置1は、いわゆるシングル型気圧式倍力装置である。該気圧式倍力装置1は、フロントシェル2とリアシェル3とを結合させることで形成されたハウジング4(シェル)を備える。該ハウジング4の内部は、ダイアフラム5を有するパワーピストン6によって、定圧室7と変圧室8との2室に分画される。なお、ダイアフラム5は合成ゴムからなる。
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。便宜上、図1における左右方向を気圧式倍力装置1における前後方向とする。
図1に示されるように、第1実施形態に係る気圧式倍力装置1は、いわゆるシングル型気圧式倍力装置である。該気圧式倍力装置1は、フロントシェル2とリアシェル3とを結合させることで形成されたハウジング4(シェル)を備える。該ハウジング4の内部は、ダイアフラム5を有するパワーピストン6によって、定圧室7と変圧室8との2室に分画される。なお、ダイアフラム5は合成ゴムからなる。
フロントシェル2は、有底円筒形に形成される。フロントシェル2の円筒部9には、マスタシリンダ(図示省略)の後端部が挿入される。該円筒部9の基端部周囲には、マスタシリンダが取り付けられる座部10が形成される。他方、リアシェル3は、有底円筒形に形成される。リアシェル3の円筒部12には、中空のバルブボデー11が挿入される。該円筒部12の基端部周囲には、車体(図示省略)に当接させる座部13が形成される。
ハウジング4には、フロントシェル2の座部10からリアシェル3の座部13にわたって延びるタイロッド14が設けられる。タイロッド14の前部には、フランジ17が設けられる。該フランジ17は、リテーナ19およびシール部材20を介して、フロントシェル2の座部10の内側面に気密に当接され、当該座部10にかしめ固定される。他方、タイロッド14の後部には、フランジ18が設けられる。該フランジ18は、リアシェル3の座部13の内側面に気密に当接される。タイロッド14のフランジ17,18間は、パワーピストン6の開口部21とダイアフラム5のロッドシール部22とに、摺動可能かつ気密に挿入される。
なお、ハウジング4には、2つのタイロッド14(図1には1つのタイロッド14のみ表示)が設けられる。これらのタイロッド14は、前後方向へ延びる当該気圧式倍力装置1の軸線(以下「中心線」)を中心とする一円周上に配置される。また、リアシェル3の座部13には、ハウジング4を車体(例えば「ダッシュボード」)に固定するためのボルト23がかしめ固定される。
バルブボデー11は、円筒部45と、該円筒部45の前端部外周に設けられた拡径部46と、を有する。バルブボデー11は、拡径部46がパワーピストン6およびダイアフラム5の中央開口部に気密に挿入され、パワーピストン6およびダイアフラム5に連結される。バルブボデー11の円筒部45とリアシェル3の円筒部12との間は、シール部材24によって摺動可能かつ気密にシールされる。なお、リアシェル3の円筒部12とバルブボデー11の円筒部45との間には、ダストカバー25が装着される。
バルブボディ11の円筒部45の前端部には、出力ロッド28の基端部がリアクションディスク29を介して連結(接続)される。円筒部45の前端部内側には、環状の受圧部材27が嵌着される。円筒部45の前端部は、出力ロッド28の基端部に挿入され、受圧部材27とともにリアクションディスク29に当接される。また、円筒部45の前部内側には、プランジャ51が挿入される。プランジャ51の前端部は、受圧部材27の内周面に摺動可能に嵌合される。他方、プランジャ51の後端部は、バルブボディ11の円筒部45の内周面によって前後方向へ移動可能に案内される。
バルブボデー11の後端部内側には、環状のポペット弁61が設けられる。プランジャ51の後端部中央には、ポペット弁61に挿通された入力ロッド31(入力軸)の先端部32が連結される。該入力ロッド31の後端部は、バルブボデー11の円筒部45に設けられた通気性を有するダストシール34を貫通して外部へ延びる。なお、入力ロッド31の後端部には、ブレーキペダル(図示省略)との連結に用いるクレビス35が取り付けられる。
ポペット弁61は、テーパ状のコイルばねからなる弁ばね41によって、プランジャ51に向かって付勢される。バルブボデー11の円筒部45の内部は、大気弁15(図2参照)および大気通路37を介して変圧室8に連通される。また、バルブボデー11の円筒部45の内部は、ダストシール34を介して大気に連通される。さらに、バルブボデー11の円筒部45の内部は、真空弁16(図2参照)および真空通路36を介して定圧室7に連通される。大気通路37には、バルブボデー11とプランジャ51との相対移動を制限するストップキー38が挿通される。該ストップキー38は、バルブボデー11の後退位置、およびプランジャ51のハウジング4に対する後退位置を定める。
ストップキー38とプランジャ51に装着されたばね受部材48との間には、圧縮コイルばねからなる反力調整ばね47が介装される。該反力調整ばね47は、プランジャ51を、リアクションディスク29に向かって所定のセット荷重で付勢する。また、バルブボデー11に装着されたガイド部材43と入力ロッド31に装着されたばね受部材44との間には、入力ロッド31を、ハウジング4に対して後方向へ付勢する戻しばね40が介装される。さらに、フロントシェル2の座部10とバルブボデー11に装着されたキャップ部材42との間には、バルブボデー11を、ハウジング4に対して後方向へ付勢する戻しばね39が介装される。
図1を参照すると、気圧式倍力装置1の非作動状態では、パワーピストン6とバルブボディ11とは、戻しばね39の付勢力によって後退位置に戻される。入力ロッド31は、戻しばね40の付勢力によって後退位置に戻される。反力調整ばね47は、弁ばね41のばね力によって所定のセット荷重で圧縮された状態にある。変圧室8は、真空弁16の開弁によって定圧室7に連通され、かつ大気弁15の閉弁によって大気から遮断される。また、プランジャ51の先端部とリアクションディスク29との間には、一定の隙間(ジャンプイン隙間)が形成される。なお、プランジャ51の先端部の面積(リアクションディスク29との接触面の面積)を変えることにより、当該気圧式倍力装置1のサーボ比を調節することができる。
図2を参照すると、ポペット弁61は、前端部に設けられた環状のシール部62と、ガイド部材43によってバルブボデー11の円筒部45に固定される固定部63と、該固定部63とシール部62との間に設けられる筒部64と、を有する。ポペット弁61は、ゴム等の弾性体からなり、シール部62には、金属製のリング65(補強部材)が加硫接合される。なお、ポペット弁61は、可撓性を有する筒部64を伸縮(変形)させることにより、シール部62と固定部63とを一定範囲内で相対移動させることが可能である。
ポペット弁61は、シール部62の前端面に形成された環状のシール面66を有する。前述した真空弁16は、ポペット弁61のシール部62と、該シール部62のシール面66に当接/離隔するバルブボデー11に形成された環状のシート部67と、によって構成される。すなわち、バルブボデー11のシート部67がポペット弁61のシール部62(シール面66)に当接することで真空弁16が閉弁され、これにより定圧室7と変圧室8とが遮断される。他方、バルブボデー11のシート部67がポペット弁61のシール部62(シール面66)から離隔することで真空弁16が開弁され、これにより定圧室7と変圧室8とが連通される。
ポペット弁61のシール部62には、漏斗状に傾斜したシール面69が形成される。該シール面69は、シール面66の内周側に形成される。前述した大気弁15は、ポペット弁61のシール部62と、該シール部62のシール面69に当接/離隔するプランジャ51の第1環状突部52および第2環状突部53と、によって構成される。すなわち、プランジャ51の第1環状突部52および第2環状突部53がポペット弁61のシール部62(シール面69)に当接することで大気弁15が閉弁され、これにより変圧室8と大気(ポペット弁61の内側の空間)とが遮断される。他方、プランジャ51の第1環状突部52および第2環状突部53がポペット弁61のシール部62(シール面69)から離隔することで大気弁15が開弁され、これにより変圧室8と大気(ポペット弁61の内側の空間)とが連通される。
図3を参照すると、プランジャ51の2つの環状突部52,53のうち、第2環状突部53は、当該プランジャ51の後端部54の外周側縁部に設けられる。第2環状突部53は、プランジャ51の後端部54から、ポペット弁61のシール部62に形成されたシール面69に向かって突出する。第2環状突部53の先端部55、すなわち、ポペット弁61のシール部62のシール面69に当接させる部分は、その先端部の曲率半径がR2の曲線によって形成される。
一方、第1環状突部52は、プランジャ51の後端部54の、第2環状突部53に対して内周側に設けられる。第1環状突部52は、プランジャ51の後端部54から、ポペット弁61のシール部62に形成されたシール面69に向かって突出する。第1環状突部52は、第2環状突部53の先端部55に対して同心に設けられた先端部57を有する。該先端部57、すなわち、ポペット弁61のシール部62のシール面69に当接させる部分は、その先端部の曲率半径がR1の曲線によって形成される。第1実施形態では、第1環状突部52の先端部57の曲率半径R1は、第2環状突部53の先端部55の曲率半径R2よりも大きく形成される(R1>R2)。
なお、プランジャ51の後端部54の第1環状突部52と第2環状突部53との間には、環状凹部56(溝)が形成される。そして、プランジャ51の第1環状突部52および第2環状突部53がポペット弁61のシール部62のシール面69に当接して大気弁15が閉弁されることにより、プランジャ51とポペット弁61との間には、環状凹部56とシール面69とによって画定される環状空間59が形成される。
ここで、プランジャの環状突部が1つのみ(第1実施形態における第2環状突部のみ)である場合、環状突部の先端部に打痕傷が生じると、エンジン(負圧発生源)の非作動時に、当該打痕傷を介して大気中の空気が変圧室に導入され、変圧室の真空度が低下する。変圧室の真空度が低下すると、定圧室と変圧室との間に差圧が生じて、真空弁が開弁することで定圧室の真空度が低下する。そして、定圧室と変圧室との差圧が0になると、ポペット弁のシート部の打痕傷から、大気中の空気が変圧室に導入され、変圧室の真空度がさらに低下する。
このように、従来の気圧式倍力装置では、プランジャの環状突部の先端部に打痕傷が生じた場合、エンジンの非作動期間が数日間にわたると、変圧室と定圧室とが真空度の低下を繰り返すことで定圧室と変圧室との圧力が大気圧に漸次近づき、気圧式倍力装置が機能しなくなる。その結果、エンジン点火時におけるブレーキペダルの踏み込み量が不足し、スタートボタンを操作してもエンジンがスタートしないことが問題であった。
これに対し、第1実施形態では、プランジャ51の後端部54に第1環状突部52と第2環状突部53とを同心に設け、該第1環状突部52と第2環状突部53とをポペット弁61のシール部62のシール面69に当接/離隔させるように大気弁15を形成したので、第2環状突部53(一方の環状突部)の先端部55に打痕傷が生じた場合であっても、ブレーキペダルの非操作時における大気弁15を介した空気の流通を、第2環状突部53に対して内周側の第1環状突部52(他方の環状突部)によって確実に阻止することができる。このように、第1実施形態では、エンジンの非作動状態が長期にわたっても、大気弁15の気密性、延いては気圧式倍力装置1の気密性を保持することが可能であり、スタートボタンによるエンジン点火を確実に行うことができる。
次に、第1実施形態の作用効果を説明する。
第1実施形態によれば、シェル内を定圧室と変圧室とに分画するパワーピストンと、該パワーピストンに接続され、シェル内を移動可能に設けられる中空のバルブボデーと、該バルブボデーの内側に設けられるポペット弁と、バルブボデーの内側に入力軸に連動して移動可能に設けられ、ポペット弁に対して当接/離隔することにより大気弁を閉弁/開弁させるプランジャと、を有し、プランジャがポペット弁に対して離隔して大気弁が開弁されることにより、定圧室と変圧室との間に生じる差圧によってパワーピストンが推進される気圧式倍力装置であって、プランジャは、第1環状突部と、該第1環状突部と同心に設けられて第1環状突部に対して大径の第2環状突部と、を有し、ポペット弁は、プランジャの各環状突部が当接するシール部を有する。
第1実施形態によれば、シェル内を定圧室と変圧室とに分画するパワーピストンと、該パワーピストンに接続され、シェル内を移動可能に設けられる中空のバルブボデーと、該バルブボデーの内側に設けられるポペット弁と、バルブボデーの内側に入力軸に連動して移動可能に設けられ、ポペット弁に対して当接/離隔することにより大気弁を閉弁/開弁させるプランジャと、を有し、プランジャがポペット弁に対して離隔して大気弁が開弁されることにより、定圧室と変圧室との間に生じる差圧によってパワーピストンが推進される気圧式倍力装置であって、プランジャは、第1環状突部と、該第1環状突部と同心に設けられて第1環状突部に対して大径の第2環状突部と、を有し、ポペット弁は、プランジャの各環状突部が当接するシール部を有する。
よって、第1実施形態では、第2環状突部の先端部に打痕傷が生じた場合であっても、ブレーキペダルの非操作時における大気弁を介した空気の流通を、第2環状突部に対して内周側の第1環状突部によって確実に阻止することができるので、エンジンの非作動状態が長期にわたっても、大気弁の気密性、延いては気圧式倍力装置の気密性を保持することが可能であり、スタートボタンによるエンジン点火を確実に行うことができる。
また、第1実施形態では、第1環状突部の先端部の曲率半径を、第2環状突部の先端部の曲率半径よりも大きくしたので、第1環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部の面圧が、第2環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部の面圧より小さくなる。これにより、第2環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部に打痕傷が生じるよりも先に、第1環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部に打痕傷が生じることはないので、第2環状突部に打痕傷が生じた場合、第1環状突部によって大気弁の気密性が確保される。
また、特許文献1に記載されたように、1つの環状突部をプランジャ径方向へ延長した場合、大気弁に環状突部の打痕傷による気密漏れが発生するおそれがあるが、第1実施形態では、第1環状突部と第2環状突部との間に環状凹部を設け、大気弁の閉弁時に、プランジャの第1環状突部および第2環状突部とポペット弁のシール部とによって画定される環状空間が形成される、換言すると、第1環状突部と第2環状突部とをプランジャ径方向に間隔をあけて独立させるように配置したので、第2環状突部に打痕傷が発生した場合であっても、第1環状突部によって大気弁の気密漏れを抑止することができる。
また、第1実施形態では、プランジャ51の第1環状突部52の先端部57をポペット弁61のシール部62のシール面69に当接させたが、第1環状突部52の側部をシール面69に当接さるようにしてもよい。この場合、第1環状突部52の先端部57と第2環状突部53の先端部55との双方に打痕傷が生じた場合も、大気弁15の気密性を確保することができる。
また、第1実施形態では、第1環状突部の先端部の曲率半径を、第2環状突部の先端部の曲率半径よりも大きくしたので、第1環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部の面圧が、第2環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部の面圧より小さくなる。これにより、第2環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部に打痕傷が生じるよりも先に、第1環状突部の先端部とポペット弁のシール部との当接部に打痕傷が生じることはないので、第2環状突部に打痕傷が生じた場合、第1環状突部によって大気弁の気密性が確保される。
また、特許文献1に記載されたように、1つの環状突部をプランジャ径方向へ延長した場合、大気弁に環状突部の打痕傷による気密漏れが発生するおそれがあるが、第1実施形態では、第1環状突部と第2環状突部との間に環状凹部を設け、大気弁の閉弁時に、プランジャの第1環状突部および第2環状突部とポペット弁のシール部とによって画定される環状空間が形成される、換言すると、第1環状突部と第2環状突部とをプランジャ径方向に間隔をあけて独立させるように配置したので、第2環状突部に打痕傷が発生した場合であっても、第1環状突部によって大気弁の気密漏れを抑止することができる。
また、第1実施形態では、プランジャ51の第1環状突部52の先端部57をポペット弁61のシール部62のシール面69に当接させたが、第1環状突部52の側部をシール面69に当接さるようにしてもよい。この場合、第1環状突部52の先端部57と第2環状突部53の先端部55との双方に打痕傷が生じた場合も、大気弁15の気密性を確保することができる。
なお、第1実施形態では、2つの環状突部52,53をプランジャ51の後端部54に同心に設けるように構成したが、環状突部の数量は2つ以上とすることができ、例えば、3つの環状突部をプランジャ51の後端部54に同心に設けるように構成してもよい。
また、第1実施形態では、第1環状突部52をプランジャ51および第2環状突部53と同一材料(合成樹脂)によって形成したが、第1環状突部をプランジャ51と別部材で構成してもよい。例えば、ゴム等の弾性体によって形成した第1環状突部52をプランジャ51の後端部54に加硫接合させた場合、第1環状突部52とポペット弁61のシール部62との接触を、相互の弾性体(ゴム)が弾性変形することによる弾性接触となり、大気弁15の気密性をより向上させることができる。
また、第1実施形態では、第1環状突部52をプランジャ51および第2環状突部53と同一材料(合成樹脂)によって形成したが、第1環状突部をプランジャ51と別部材で構成してもよい。例えば、ゴム等の弾性体によって形成した第1環状突部52をプランジャ51の後端部54に加硫接合させた場合、第1環状突部52とポペット弁61のシール部62との接触を、相互の弾性体(ゴム)が弾性変形することによる弾性接触となり、大気弁15の気密性をより向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、図4を参照して第2実施形態を説明する。ここでは、主に第1実施形態との相違部分について説明する。なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼および符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
次に、図4を参照して第2実施形態を説明する。ここでは、主に第1実施形態との相違部分について説明する。なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼および符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
第1実施形態では、大気弁15の閉弁時に、プランジャ51の後端部54に形成された第1環状突部52が、ポペット弁61のシール部62のシール面69に当接されるが、第2実施形態では、第1環状突部52を、シール面69に設けられた環状の突起部71に当接させるように構成した。当該突起部71は、シール面69の、プランジャ51の第2環状突部53が当接される部分の内周側に設けられる。他方、プランジャ51の第1環状突部52の先端部には、ポペット弁61のシール面69に設けられた環状の突起部71に当接させる当接面73が形成される。該当接面73は、中心線を包含する平面による断面が、入力ロッド31(入力軸)の先端部32の中心Cを中心とする円弧Aに沿う形状の曲面、換言すると、当該円弧Aを包含する曲面によって形成される。
第2実施形態では、ポペット弁61のシール部62に、プランジャ51の第1環状突部52に当接させる環状の突起部71を設ける、換言すると、プランジャ51の第1環状突部52に、ポペット弁61の突起部71を当接させる環状の当接面73を設け、該当接面73を、断面が入力ロッド31の先端部32の中心Cを中心とする円弧Aに沿う形状の曲面によって形成したので、プランジャ51が入力ロッド31の先端部32の中心Cを中心に揺動したとき、中心Cから当接面73までの距離は一定である。すなわち、プランジャ51が中心線に対して偏心した場合であっても、プランジャ51の第1環状突部52とポペット弁61の突起部71との当接状態(気密性)は不変である。
このように、第2実施形態では、プランジャ51が偏心した場合であっても、大気弁15の気密性を確保することができる。なお、第2実施形態では、環状の突起部71に当接させる当接面73が円弧Aを包含する曲面によって形成されるよう例示したが、これに限るものではなく、例えば第1環状突部52が円弧形状であってもよい。
1 気圧式倍力装置、4 ハウジング(シェル)、6 パワーピストン、7 定圧室、8 変圧室、15 大気弁、51 プランジャ、52 第1環状突部、53 第2環状突部、61 ポペット弁、62 シール部
Claims (5)
- シェル内を定圧室と変圧室とに分画するパワーピストンと、該パワーピストンに接続され、前記シェル内を移動可能に設けられる中空のバルブボデーと、該バルブボデーの内側に設けられるポペット弁と、前記バルブボデーの内側に入力軸に連動して移動可能に設けられ、前記ポペット弁に対して当接/離隔することにより大気弁を閉弁/開弁させるプランジャと、を有し、前記プランジャが前記ポペット弁に対して離隔して前記大気弁が開弁されることにより、前記定圧室と前記変圧室との間に生じる差圧によって前記パワーピストンが推進される気圧式倍力装置であって、
前記プランジャは、同心に設けられた少なくとも2つの環状突部を有し、
前記ポペット弁は、前記プランジャの各環状突部が当接するシール部を有することを特徴とする気圧式倍力装置。 - 前記プランジャは、第1環状突部と、該第1環状突部に対して大径の第2環状突部と、を有し、
前記第1環状突部の先端部の曲率半径は、前記第2環状突部の先端部の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の気圧式倍力装置。 - 前記第1環状突部の先端部には、前記入力軸の先端部の中心を中心とする円弧に沿う形状の断面を有する曲面が形成されることを特徴とする請求項2に記載の気圧式倍力装置。
- 前記第1環状突部は、弾性体からなることを特徴とする請求項2または3に記載の気圧式倍力装置。
- 前記ポペット弁は、前記第2環状突部が当接する部位に対して内周側に設けられる突起部を有し、該突起部が前記第1環状突部に当接されることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の気圧式倍力装置。
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JP2020032796A true JP2020032796A (ja) | 2020-03-05 |
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