JP2020030119A - 経路案内システムおよび経路案内プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】交差点よりも奥方の目印を使用して適切に交差点の案内を行うことができる技術の提供。【解決手段】経路案内システムは、走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、前記交差点において前記進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部と、前記交差点の目印となる目印地物を取得する目印地物取得部と、前記目印地物が、前記進入道路から見て前記交差道路よりも奥方に存在する場合において、前記交差道路の形状に基づいた前記目印地物の視認容易度を取得する視認容易度取得部と、前記視認容易度が閾値以上である場合に前記目印地物を使用して前記交差点についての案内を行い、前記視認容易度が前記閾値未満である場合に前記目印地物を使用しないで交差点についての案内を行う案内制御部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、経路案内システムおよび経路案内プログラムに関する。
施設を目印として右左折の方向を案内する技術が知られている(特許文献1、参照。)。特許文献1において、自車両が走行している走行路の車線数が所定数よりも多い場合に、自車両が右左折する方向に対応した側に存在する施設が優先的に目印として決定される。その結果、自車両が走行している走行路の車線が所定数よりも多い場合には、自車両が右左折する方向と反対側に存在する施設が目印として決定される可能性を低減できる。従って、右左折をする方向と反対側の遠い位置に存在する目印を探す可能性を低減し、運転者の煩わしさを低減することができる。
特開2010−127837号公報
ここで、交差点において走行路と交差している道路よりも奥方に目印が存在する場合、交差点に接近している車両から目印までの距離が長くなり得る。その結果、特許文献1において、交差点の手前において自車両が走行している走行路の車線数が少なくても、交差点よりも奥方の目印を使用した場合には、目印を視認することが困難となるという問題があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、交差点よりも奥方の目印を使用して適切に交差点の案内を行うことができる提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明の経路案内システムは、走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、交差点において進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部と、交差点の目印となる目印地物が、進入道路から見て交差道路よりも奥方に存在する場合において、交差道路の形状に基づいた目印地物の視認容易度を取得する視認容易度取得部と、視認容易度が閾値以上である場合に目印地物を使用して交差点についての案内を行い、視認容易度が閾値未満である場合に目印地物を使用しないで交差点についての案内を行う案内制御部と、を備える。
前記の目的を達成するため、本発明の経路案内プログラムは、コンピュータを、走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、交差点において進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部、交差点の目印となる目印地物が、交差道路を挟んで進入道路の反対側に存在する場合において、交差道路の形状に応じた目印地物の視認容易度を取得する視認容易度取得部、視認容易度が閾値以上である場合に目印地物を使用して交差点についての案内を行い、視認容易度が閾値未満である場合に目印地物を使用しないで交差点についての案内を行う案内制御部、として機能させる。
前記の構成において、進入道路から見て交差道路よりも奥方に存在する目印地物を案内に使用するか否かを、当該目印地物の視認容易度に基づいて切り替えることができる。具体的に、目印地物は進入道路を走行する車両から見て交差道路越しに視認されるため、交差道路の形状に基づいて目印地物の視認容易度を推定できる。交差道路越しに見る目印地物の視認容易度が小さい場合には目印地物を案内に使用しないようにすることができ、目印地物を見つけられずに車両の乗員が混乱する可能性を低減できる。
前記の目的を達成するため、本発明の経路案内システムは、走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、交差点において当該進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部と、進入道路から見て交差道路よりも奥方の領域の視認容易度を交差道路の形状に基づいて取得する視認容易度取得部と、視認容易度が小さいほど短くなるように上限距離を設定する上限距離設定部と、進入道路から見て交差道路よりも奥方に存在する地物のうち、交差点からの距離が上限距離以下の地物を目印地物として取得する目印地物取得部と、目印地物を使用して交差点についての案内を行う案内制御部と、を備える。
前記の目的を達成するため、本発明の経路案内プログラムは、コンピュータを、走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、交差点において当該進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部、交差道路の形状に基づいて交差道路を挟んで進入道路の反対側に存在する地物の視認容易度を取得する視認容易度取得部、視認容易度が小さいほど短くなるように上限距離を設定する上限距離設定部、交差道路を挟んで進入道路の反対側に存在する地物のうち、交差点からの距離が上限距離以下の地物を目印地物として取得する目印地物取得部、目印地物を使用して交差点についての案内を行う案内制御部、として機能させる。
前記の構成において、進入道路から見て交差道路よりも奥方に存在する地物のうち、交差点からの距離が上限距離以下の地物を目印地物として取得することにより、進入道路から遠くに存在する視認しづらい地物が目印地物として案内に使用されないようにすることができる。上限距離設定部は、交差道路の形状に基づいて交差道路よりも奥方の領域の視認容易度を取得し、当該視認容易度が小さいほど短くなるように上限距離を設定する。そのため、進入道路から交差道路越しに見た場合の視認容易度が小さくなる場合には、交差点に近い地物のみを目印地物として使用できる。一方、進入道路から交差道路越しに見た場合の視認容易度が大きくなる場合には、交差点から遠い地物も目印地物として使用できる。
経路案内システムのブロック図である。 図2A〜図2Cは案内交差点の模式図である。 経路案内処理のフローチャートである。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)経路案内システムの構成:
(2)経路案内処理:
(3)他の実施形態:
(1)経路案内システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる経路案内システム10の構成を示すブロック図である。経路案内システム10は、車両に備えられている。経路案内システム10は、制御部20と記録媒体30とを備えている。制御部20は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体30やROMに記憶された経路案内プログラム21を実行する。
記録媒体30は、地図情報30aと経路情報30bと候補地物情報30cとを記録している。地図情報30aは、ノードデータとリンクデータとを含む。ノードデータは、2個以上のリンクが接続しているノードの座標等を示すデータである。リンクは、道路を接続点ごとに区切った道路区間に対応する。3個以上のリンクが接続しているノード、すなわち3個以上の道路区間が接続している接続点は、交差点を意味する。交差点には、同流地点や分岐地点も含まれる。リンクデータは、道路区間についての各種情報を示す。
リンクデータは、少なくとも道路区間の形状を示す。ここで、道路区間の形状には、道路区間の線形状とレーン数と中央分離帯の有無とが含まれる。道路区間の線形状は、道路の幅方向に設定された形状補間点の座標を示す形状補間点データによって特定される。レーン数とは、道路区間に設けられたレーンの本数である。本実施形態において、道路区間は、同じ方向に走行可能なレーンのみによって構成されることとする。上下線を有する道路(二条道路)については、上りの道路区間と下りの道路区間とが対となっていることとなる。
経路情報30bは、走行予定経路を示す情報である。走行予定経路は、出発地から目的地までを接続する一連の道路区間によって構成され、経路情報30bは当該一連の道路区間を示す情報である。走行予定経路は、公知の経路探索手法によって予め探索されている。
候補地物情報30cは、目印の候補となる地物である候補地物についてのPOI情報である。目印の候補となる候補地物とは、例えば著名なチェーンに加盟する店舗であり、当該チェーンの名称を示す看板が設けられた店舗であることとする。例えば、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアやスーパーや銀行等のチェーンの店舗についてのPOI情報が候補地物情報30cに記録されている。具体的に、候補地物情報30cは、候補地物の位置とチェーン名称とを示す。
車両は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とユーザI/F部44とを備えている。GNSS受信部41は、GNSS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、車速センサ42からの信号に基づいて車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、ジャイロセンサ43からの信号に基づいて車両の進行方向を取得する。制御部20は、車速センサ42およびジャイロセンサ43等の出力信号に基づいて車両の走行軌跡を特定することで車両の現在地を取得する。GNSS受信部41の出力信号は、車速センサ42およびジャイロセンサ43等から特定される車両の現在地を補正する等に利用される。
ユーザI/F部44は、ユーザに各種の情報を提供し、ユーザの指示を入力するためのインタフェース部であり、具体的にタッチパネルディスプレイとスピーカとを含む。制御部20は、タッチパネルディスプレイに制御信号を出力し、地図や各種案内画面を出力させる。さらに、制御部20は、スピーカに制御信号を出力し、各種案内音声を出力させる。また、制御部20は、タッチパネルディスプレイに対するタッチ操作に基づいて利用者の操作を取得する。
経路案内プログラム21は、道路取得部取得モジュール21aと視認容易度取得モジュール21bと案内制御モジュール21cを含む。道路取得部取得モジュール21aと視認容易度取得モジュール21bと案内制御モジュール21cとは、それぞれコンピュータとしての制御部20を道路取得部と視認容易度取得部と案内制御部として機能させるプログラムモジュールである。
道路取得部取得モジュール21aの機能により制御部20は、走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、交差点において進入道路と交差している交差道路とを取得する。道路取得部取得モジュール21aの機能により制御部20は、走行予定経路上に存在する案内交差点を取得する。案内交差点とは、走行予定経路上を走行した場合に車両が右左折する予定の交差点であり、車両の進行方向の変化角が基準角(例えば30度)以上となる交差点である。
制御部20は、案内交差点に接続している走行予定経路上の2個の道路区間を取得し、当該2個の道路区間のうち案内交差点の直前に走行する道路区間を進入道路区間として取得し、当該2個の道路区間のうち案内交差点の直後に走行する道路区間を退出道路区間として取得する。制御部20は、進入道路区間が、上下線が対となっている道路である場合、進入道路区間と当該進入道路区間と対となっている道路区間とによって構成される道路を進入道路として取得する。制御部20は、進入道路区間が、上下線が対となっていない道路(一方通行道路)である場合、進入道路区間を単独で進入道路として取得する。
同様に、制御部20は、退出道路区間が、上下線が対となっている道路である場合、退出道路区間と当該退出道路区間と対となっている道路区間とによって構成される道路を退出道路として取得する。制御部20は、退出道路区間が、上下線が対となっていない道路(一方通行道路)である場合、退出道路区間を単独で退出道路として取得する。退出道路は、本発明の交差道路を意味する。
視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、交差点の目印となる目印地物が、進入道路から見て交差道路よりも奥方に存在する場合において、交差道路の形状に基づいた目印地物の視認容易度を取得する。視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、候補地物情報30cが示す候補地物のうち、案内交差点のノードからの距離が上限距離(例えば30m)以下となる地物であって、案内交差点よりも退出道路側に存在する地物を目印地物として取得する。例えば、制御部20は、進入道路区間の形状補間直線よりも退出道路側に存在する地物を目印地物として取得する。進入道路区間の形状補間直線とは、例えば案内交差点から一定の距離以内(例えば500m)に存在する進入道路区間の形状補間点を近似する直線であり、最小自乗法等によって導出された直線であってもよい。
図2A〜図2Cは案内交差点の模式図である。図2A〜図2Cにおいては、ノードNが設定された案内交差点において左折することにより、進入道路区間Afと退出道路区間Bfとを順に走行する走行予定経路Rが設定されていることとする。進入道路区間Afと、当該進入道路区間Afと上下線の対をなす道路区間Arとによって進入道路Aが構成されている。同様に、退出道路区間Bfと、当該退出道路区間Bfと上下線の対をなす道路区間Brとによって退出道路Bが構成されている。進入道路区間Afの形状補間直線Asはグレーの太線で示されている。
図2Aにおいて、候補地物としての店舗X,Y,Zが案内交差点のノードNからの距離が上限距離以下となる位置に存在していることとする。このうち、店舗X,Yは進入道路区間Afの形状補間直線Asよりも退出道路B側に存在するため目印地物として取得される。一方、店舗Zは進入道路区間Afの形状補間直線Asよりも退出道路側に存在しないため目印地物として取得されない。
制御部20は、目印地物が進入道路から見て退出道路Bよりも奥方に存在するか否かを判定する。例えば、制御部20は、退出道路区間Bfの形状補間直線Bsを挟んで進入道路Aの反対側に存在する目印地物を、進入道路から見て退出道路Bよりも奥方に存在する目印地物であると判定する。退出道路区間Bfの形状補間直線Bsとは、例えば案内交差点から一定の距離以内(例えば500m)に存在する退出道路区間Bfの形状補間点を近似する直線であり、最小自乗法等によって導出された直線である。退出道路区間Bfの形状補間直線Bsはグレーの太線で示されている。
図2Aにおいて、目印地物としての店舗Xは、退出道路区間Bfの形状補間直線Bsを挟んで進入道路Aの反対側に存在するため、進入道路から見て退出道路Bよりも奥方に存在すると判定される。一方、目印地物としての店舗Yは、退出道路区間Bfの形状補間直線Bsよりも進入道路A側に存在するため、進入道路から見て退出道路Bよりも奥方に存在すると判定されない。
本実施形態において、店舗X,Yのように目印地物が退出道路区間Bfの形状補間直線Bsの両側に存在する場合、制御部20は、形状補間直線Bsよりも進入道路A側の店舗Yを優先して目印地物として取得する。なお、退出道路区間Bfの形状補間直線Bsよりも進入道路A側の領域における上限距離は、退出道路区間Bfの形状補間直線Bsよりも進入道路Aと反対側の領域における上限距離よりも大きくてもよい。
以下、図2A〜図2Cにおいて店舗Xのみが存在し、店舗Xが目印地物として取得されたこととして説明する。この場合、制御部20は、地図情報30aに基づいて退出道路Bの形状を取得する。本実施形態において、制御部20は、退出道路Bの形状として、退出道路Bのレーン数と中央分離帯の有無とを取得する。退出道路Bのレーン数とは、退出道路区間Bfのレーン数と、当該退出道路区間Bfと上下線の対をなす道路区間Brのレーン数との合計である。中央分離帯とは、退出道路区間Bfと、当該退出道路区間Bfと上下線の対をなす道路区間Brとの間に設けられた分離帯である。
図2Aにおいては、退出道路Bのレーン数が4であり、退出道路Bに中央分離帯がない。図2Bにおいては、退出道路Bのレーン数は6であり、退出道路Bに中央分離帯がない。図2Cにおいては、退出道路Bのレーン数は4であり、退出道路Bに中央分離帯K(ハッチング)がある。
ここで、退出道路Bのレーン数が大きいほど、退出道路B越しに見る目印地物までの距離が長くなり、目印地物の視認が困難となる。そこで、視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、退出道路Bのレーン数または幅が大きいほど小さい視認容易度を取得する。また、退出道路B上に遮蔽物が存在する場合、交差道路上に遮蔽物が存在しない場合よりも視認容易度が小さくなる。そこで、視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、交差道路上に遮蔽物が存在する場合に、交差道路上に遮蔽物が存在しない場合よりも小さい視認容易度を取得する。
具体的に、視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、視認容易度の満点を10点に設定し、当該最大値から退出道路Bのレーン数を減点するとともに、さらに退出道路B上に遮蔽物としての中央分離帯Kが存在する場合には6点を減点する。図2Aにおいては、視認容易度が10点(10−0)となる。図2B,図2Cにおいては、視認容易度が4点(10−6)となる
案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、視認容易度が閾値以上である場合に目印地物を使用して交差点についての案内を行い、視認容易度が閾値未満である場合に目印地物を使用しないで交差点についての案内を行う。案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、目印地物の視認容易度が閾値以上であるか否かを判定する。本実施形態において、視認容易度の閾値は5点である。そのため、図2Aにおいては、目印地物の視認容易度が閾値以上となり、図2B,図2Cにおいては、目印地物の視認容易度が閾値未満となる。
制御部20は、目印地物の視認容易度が閾値以上である場合、目印地物を使用して案内交差点の位置と当該案内交差点における退出方向とを案内する。例えば、図2Aにおいて、制御部20は、車両の現在地の案内交差点までの残距離が予め決められた案内距離Hとなった場合に、『"店舗X"の交差点を"店舗X"の方向に曲がって下さい』という案内音声を出力するようにユーザI/F部44を制御する。
制御部20は、目印地物の視認容易度が閾値未満である場合、目印地物を使用しないで案内交差点の位置と当該案内交差点における退出方向を案内する。例えば、図2B,図2Cにおいて、制御部20は、車両の現在地の案内交差点までの残距離が予め決められた案内距離Hとなった場合に、『Hメートル先を左方向に曲がって下さい』という案内音声を出力するようにユーザI/F部44を制御する。すなわち、制御部20は、目印地物の代わりに案内交差点までの残距離である案内距離Hを使用して案内交差点の案内を行う。
以上説明した本実施形態の構成において、進入道路Aから見て退出道路Bよりも奥方に存在する目印地物を案内に使用するか否かを、当該目印地物の視認容易度に基づいて切り替えることができる。具体的に、目印地物は進入道路Aを走行する車両から見て退出道路B越しに視認されるため、退出道路Bの形状に基づいて目印地物の視認容易度を推定できる。図2B,図2Cのように、退出道路B越しに見る目印地物の視認容易度が小さくなる場合には目印地物を案内に使用しないようにすることができ、目印地物を見つけられずに車両の乗員が混乱する可能性を低減できる。
(2)経路案内処理:
次に、経路案内プログラム21の機能により実行される経路案内処理を説明する。図3は、経路案内処理のフローチャートである。経路案内処理は、走行予定経路上の案内交差点ごとに、当該案内交差点の接近時に案内する内容を設定しておく処理である。そのため、経路案内処理は案内交差点に接近するよりも前に実行さればよく、走行予定経路を走行する前にすべての案内交差点について順次実行されてもよいし、走行予定経路の走行中において近い将来に通過する案内交差点について実行されてもよい。近い将来に通過する案内交差点とは、車両が次に通過する案内交差点であってもよいし、車両が現在地から一定距離走行する間に通過する案内交差点であってもよい。
まず、道路取得部取得モジュール21aの機能により制御部20は、案内交差点を取得する(ステップS100)。具体的に、制御部20は、経路情報30bに基づいて、走行予定経路R上の案内交差点のうち、処理対象の案内交差点を取得する。例えば、制御部20は、車両が次に通過する案内交差点を処理対象の案内交差点として取得してもよい。次に、道路取得部取得モジュール21aの機能により制御部20は、進入道路Aと退出道路Bとを取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、走行予定経路R上を走行した場合に、案内交差点の直前に走行する道路を進入道路Aとして取得し、案内交差点の直後に走行する道路を退出道路Bとして取得する。
次に、視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、目印地物があるか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、、候補地物情報30cが示す候補地物のなかに、案内交差点のノードNからの距離が上限距離(例えば30m)以下となる地物であって、案内交差点よりも退出道路B側に存在する目印地物があるか否かを判定する。具体的に、制御部20は、進入道路区間Afの形状補間直線Asよりも退出道路B側に、案内交差点のノードNからの距離が上限距離(例えば30m)以下となる候補地物が少なくとも1個存在する場合に、目印地物があると判定する。
目印地物があると判定しなかった場合(ステップS120:N)、案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、目印地物を使用しないで案内交差点についての案内を行うように設定する(ステップS130)。例えば、制御部20は、車両の現在地の案内交差点までの残距離が予め決められた案内距離Hとなった場合に、『Hメートル先を左方向に曲がって下さい』という案内音声を出力するようにユーザI/F部44を制御するように設定する。
目印地物があると判定した場合(ステップS120:Y)、視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、進入道路A側に目印地物が存在するか否かを判定する(ステップS140)。具体的に、制御部20は、退出道路区間Bfの形状補間直線Bsよりも進入道路A側に目印地物が存在するか否かを判定する。すなわち、制御部20は、図2Aの店舗Yのように退出道路区間Bfの形状補間直線Bsよりも進入道路A側に目印地物が存在するか否かを判定する。
進入道路A側に目印地物が存在すると判定した場合(ステップS140:Y)、案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、進入道路A側に目印地物を使用して案内交差点についての案内を行うように設定する(ステップS140)。図2Aにおいて、店舗Yが存在する場合、制御部20は、『"店舗Y"の交差点を"店舗Y"の方向に曲がって下さい』という案内音声を出力するようにユーザI/F部44を制御するように設定する。本実施形態において、退出道路Bよりも進入道路A側に目印地物が存在する場合には、退出道路Bを挟んで進入道路Aの反対側に目印地物が存在していても、進入道路A側の目印地物を案内に使用する。進入道路A側の目印地物の方が進入道路Aの反対側の目印地物よりも確実に視認できるからである。なお、進入道路A側の目印地物が複数存在する場合、制御部20は、最も案内交差点のノードNに目印地物を案内に使用してもよい。
一方、進入道路A側に目印地物が存在すると判定しなかった場合(ステップS140:N)、案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、目印地物の視認容易度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS150)。すなわち、退出道路Bを挟んで進入道路Aの反対側にのみ目印地物が存在する場合、制御部20は、目印地物の視認容易度が閾値以上であるか否かを判定する。具体的に、制御部20は、退出道路Bのレーン数だけ目印地物の視認容易度を減点し、退出道路Bに中央分離帯Kがある場合にはさらに目印地物の視認容易度を減点する。そして、制御部20は、目印地物の視認容易度が予め決められた閾値以上であるか否かを判定する。
目印地物の視認容易度が閾値以上であると判定した場合(ステップS150:Y)、案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、進入道路Aと反対側の目印地物を使用して案内交差点についての案内を行うように設定する(ステップS170)。例えば、図2Aにおいて、制御部20は、車両の現在地の案内交差点までの残距離が予め決められた案内距離Hとなった場合に、『"店舗X"の交差点を"店舗X"の方向に曲がって下さい』という案内音声を出力するようにユーザI/F部44を制御するように設定する。
一方、目印地物の視認容易度が閾値以上であると判定しなかった場合(ステップS150:N)、案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、目印地物を使用しないで案内交差点についての案内を行うように設定する(ステップS130)。
(3)他の実施形態:
ここで、退出道路Bにおける交通量が大きいほど、退出道路Bが大規模な道路であり視認容易度が小さくなると推定できる。また、退出道路Bにおける交通量が大きいほど、退出道路B上を走行する他車両が目印地物を遮蔽する可能性が高くなり、視認容易度が小さくなると推定できる。そこで、視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、退出道路Bにおける交通量が大きいほど小さい視認容易度を取得してもよい。
例えば、制御部20は、道路上を走行するプローブカーからプローブ情報を収集し、当該プローブ情報を統計処理するサーバから退出道路Bにおける交通量を示す情報を受信してもよい。そして、制御部20は、退出道路Bにおける交通量が大きいほど、視認容易度を大きく減点するようにしてもよい。退出道路Bにおける交通量とは、単位時間あたりの通行車両の台数であってもよいし、渋滞度であってもよい。
前記実施形態における視認容易度は、進入道路から見て交差道路よりも奥方の領域の視認容易度であると捉えることができる。すなわち、前記実施形態と同様に視認容易度を取得することにより、視認容易度取得モジュール21bの機能により制御部20は、進入道路から見て交差道路よりも奥方の領域の視認容易度を交差道路の形状に基づいて取得することができる。
そして、上限距離設定部としての制御部20は、視認容易度が小さいほど短くなるように上限距離を設定してもよい。具体的に、制御部20は、視認容易度の単調増加関数によって上限距離を導出し、当該上限距離を設定してもよい。例えば、制御部20は、視認容易度に比例係数としての"5"を乗算した距離を上限距離として設定してもよい。図2Aの場合の上限距離が50m(=5×10m)となり、図2B,図2Cの場合の上限距離が20m(=5×4m)となる。
そして、目印地物取得部としての制御部20は、進入道路Aから見て退出道路Bよりも奥方に存在する地物のうち、案内交差点のノードNからの距離が上限距離以下の地物を目印地物として取得してもよい。すなわち、制御部20は、視認容易度に基づいて動的に設定した上限距離に基づいて目的地物を取得してもよい。さらに、案内制御モジュール21cの機能により制御部20は、目印地物を使用して交差点についての案内を行してもよい。
以上の構成において、進入道路Aから退出道路B越しに見た場合の視認容易度が小さくなる場合には、案内交差点に近い地物のみを目印地物として使用できる。一方、進入道路Aから退出道路B越しに見た場合の視認容易度が大きくなる場合には、案内交差点から遠い地物も目印地物として使用できる。
前記実施形態においては、交差道路としての退出道路Bよりも奥方に存在する目印地物を案内に使用したが、退出道路B以外の交差道路よりも奥方に存在する目印地物を案内に使用してもよい。例えば、図2Aの店舗Zのように、進入道路区間Afの形状補間直線Asを挟んで退出道路Bの反対側に存在する交差道路の奥方に存在する地物のうち、視認容易度が閾値以上となる地物を目印地物として使用してもよい。例えば、図2Aにおいて、制御部20は、『"店舗Z"の交差点を"店舗Z"の反対方向に曲がって下さい』という案内音声を出力するようにユーザI/F部44を制御してもよい。この場合、制御部20は、交差道路の形状と進入道路Aの形状とに基づいて目印地物の視認容易度を取得してもよい。
本発明において、経路案内システムは、案内制御部が経路案内を行うための制御情報を生成すればよく、必ずしも車両に搭載された車載器でなくてもよいし、運転者が携帯する携帯端末でなくてもよい。例えば、経路案内システムは、経路案内を行うための制御情報を車両内の車載器や携帯端末に送信する装置であってもよい。
走行予定経路は、目的地までの走行可能な経路として予め探索された経路であってもよい。また、経路案内は、走行予定経路上を走行するように運転者に車両を運転させるための案内であってもよいし、自動運転において走行予定経路を乗員に単に認識させるための案内であってもよい。進入道路は、走行予定経路上の道路であり、交差点に進入する直前に走行する予定の道路である。交差道路とは、交差点にて進入道路と交差している道路であり、交差道路は進入道路と一本の直線道路をなさない道路であればよい。進入道路と交差道路とが一本の直線道路をなす場合、進入道路から見て交差道路よりも奥方に目印地物が存在し得ないこととなるからである。また、交差道路は、走行予定経路上の道路であってもよいし、走行予定経路上の道路ではない道路であってもよい。
目印地物とは、交差点の目印となる地物であればよく、交差点からの距離が基準値以下となる地物であってもよい。また、目印地物は、視認性や判別性が一定の基準以上の地物であることが望ましい。例えば、目印地物は、物理的な大きさが一定の基準以上の地物であってもよいし、知名度が一定の基準以上の地物であってもよい。例えば、チェーン店などの施設を知名度が一定の基準以上の地物であると見なしてもよい。
進入道路から見て交差道路よりも奥方とは、交差道路の幅方向の両端のうち、進入道路から遠い方の端の方向を意味する。交差道路の形状に基づいた目印地物の視認容易度は、交差道路の形状から導出される目印地物の見やすさを意味する。視認容易度取得部は、交差道路の形状を地図データベースから取得し、当該交差道路の形状に基づいて当該交差道路越しに見える目印地物の視認容易度を導出すればよい。なお、視認容易度取得部は、交差道路の形状のみに基づいて視認容易度を導出しなくてもよく、天候や時刻等の目印地物の視認環境等も考慮して視認容易度を導出してもよいし、車種や車両形状等から導出される目の位置等も考慮して視認容易度を導出してもよいし、目印地物そのものの形状も考慮して視認容易度を導出してもよい。
交差道路の形状とは、交差道路の太さであってもよいし、鉛直方向の高さであってもよいし、水平方向または鉛直方向の湾曲形状であってもよい。交差道路の形状には、交差道路の路面の形状以外にも、交差道路に付帯して設けられている各種構造物の形状も含まれる。交差道路の形状は、地図情報から取得されてもよい。
交差点についての案内とは、交差点に関連する案内であればよく、交差点そのものの案内であってもよいし、交差点における運転操作についての案内であってもよい。目印地物を使用した案内とは、目印地物を使用して交差点の位置を案内することであってもよいし、目印地物を使用して交差点における車両の進行方向を案内することであってもよい。
ここで、交差道路のレーン数または幅が大きいほど、交差道路越しに見る目印地物までの距離が長くなり、目印地物の視認が困難となる。そこで、視認容易度取得部は、交差道路のレーン数または幅が大きいほど小さい視認容易度を取得してもよい。
ここで、交差道路上に遮蔽物が存在する場合、交差道路上に遮蔽物が存在しない場合よりも視認容易度が小さくなる。そこで、案内制御部は、交差道路上に遮蔽物が存在する場合に、交差道路上に遮蔽物が存在しない場合よりも小さい視認容易度を取得してもよい。遮蔽物とは、交差道路に付帯して設けられた各種構造物であってもよく、中央分離帯や遮音壁やガードレール等であってもよいし、交差道路と立体交差する他の道路の構造物であってもよい。
ここで、交差道路における交通量が大きいほど、交差道路が大規模な道路であり視認容易度が小さくなると推定できる。また、交差道路における交通量が大きいほど、交差道路上を走行する他車両が目印地物を遮蔽する可能性が高くなり、視認容易度が小さくなると推定できる。そこで、案内制御部は、交差道路における交通量が大きいほど小さい視認容易度を取得してもよい。
さらに、本発明のように、目印地物を案内に使用するか否かを判定する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーションシステム、ナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…経路案内システム、20…制御部、21…経路案内プログラム、21a…道路取得部取得モジュール、21b…視認容易度取得モジュール、21c…案内制御モジュール、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…経路情報、30c…候補地物情報、41…受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…ユーザI/F部、A…進入道路、B…退出道路、K…中央分離帯、N…ノード、R…走行予定経路

Claims (7)

  1. 走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、前記交差点において前記進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部と、
    前記交差点の目印となる目印地物が、前記進入道路から見て前記交差道路よりも奥方に存在する場合において、前記交差道路の形状に基づいた前記目印地物の視認容易度を取得する視認容易度取得部と、
    前記視認容易度が閾値以上である場合に前記目印地物を使用して前記交差点についての案内を行い、前記視認容易度が前記閾値未満である場合に前記目印地物を使用しないで前記交差点についての案内を行う案内制御部と、
    を備える経路案内システム。
  2. 前記視認容易度取得部は、前記交差道路のレーン数または幅が大きいほど小さい前記視認容易度を取得する、
    請求項1に記載の経路案内システム。
  3. 前記案内制御部は、前記交差道路上に遮蔽物が存在する場合に、前記交差道路上に遮蔽物が存在しない場合よりも小さい前記視認容易度を取得する、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の経路案内システム。
  4. 前記案内制御部は、前記交差道路における交通量が大きいほど小さい前記視認容易度を取得する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の経路案内システム。
  5. 走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、前記交差点において前記進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部と、
    前記進入道路から見て前記交差道路よりも奥方の領域の視認容易度を前記交差道路の形状に基づいて取得する視認容易度取得部と、
    前記視認容易度が小さいほど短くなるように上限距離を設定する上限距離設定部と、
    前記進入道路から見て前記交差道路よりも奥方に存在する地物のうち、前記交差点からの距離が前記上限距離以下の地物を目印地物として取得する目印地物取得部と、
    前記目印地物を使用して前記交差点についての案内を行う案内制御部と、
    を備える経路案内システム。
  6. コンピュータを、
    走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、前記交差点において前記進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部、
    前記交差点の目印となる目印地物が、前記進入道路から見て前記交差道路よりも奥方に存在する場合において、前記交差道路の形状に基づいた前記目印地物の視認容易度を取得する視認容易度取得部、
    前記視認容易度が閾値以上である場合に前記目印地物を使用して前記交差点についての案内を行い、前記視認容易度が前記閾値未満である場合に前記目印地物を使用しないで前記交差点についての案内を行う案内制御部、
    として機能させる経路案内プログラム。
  7. コンピュータを、
    走行予定経路上において交差点に進入する予定の進入道路と、前記交差点において前記進入道路と交差している交差道路とを取得する道路取得部、
    前記進入道路から見て前記交差道路よりも奥方の領域の視認容易度を前記交差道路の形状に基づいて取得する視認容易度取得部、
    前記視認容易度が小さいほど短くなるように上限距離を設定する上限距離設定部、
    前記進入道路から見て前記交差道路よりも奥方に存在する地物のうち、前記交差点からの距離が前記上限距離以下の地物を目印地物として取得する目印地物取得部、
    前記目印地物を使用して前記交差点についての案内を行う案内制御部、
    として機能させる経路案内プログラム。
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