JP2020030103A - 回転検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】回転体の回転検出を正確に行うことの可能な回転検出システムを提供する。【解決手段】この回転検出システムは、磁気検出部と、第1の軟質強磁性回転体と、第1の磁石とを備える。第1の軟質強磁性回転体は、磁気検出部に対し回転軸を中心として回転可能であり、回転軸から第1の距離にある第1の外縁と、自らの回転方向において第1の外縁と異なる位置であって回転軸から第2の距離にある第2の外縁とを含むようになっている。第1の磁石は、磁気検出部に対し、第1の軟質強磁性回転体が静止した状態において磁気検出部を通過する第1の磁力線の方向が回転軸に沿った方向である第1の磁場を付与するようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は、物体の回転に伴う磁場の変化を検知することにより、その物体の回転を検出する回転検出システムに関する。
一般に、エンコーダやポテンショメータ等において回転体の回転動作を検出するものとして、例えばその回転体と共に回転するギヤなどの磁性体と、その磁性体の近傍に離間して配置された磁気検出素子と、バイアス磁界を発生するバイアス磁石とを備えた回転検出装置などが用いられている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開平7−55416号公報 国際公開第2015/056346号明細書 特開2015−132496号公報
しかしながら、従来の回転検出装置などは、磁気検出素子と磁性回転体との位置ずれにより、回転検出精度が影響されやすい構造であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、物体の回転の検出をより正確に行うことの可能な回転検出システムを提供することにある。
本発明の一実施の形態としての回転検出システムは、磁気検出部と、第1の軟質強磁性回転体と、第1の磁石とを備える。第1の軟質強磁性回転体は、磁気検出部に対し回転軸を中心として回転可能であり、回転軸から第1の距離にある第1の外縁と、自らの回転方向において第1の外縁と異なる位置であって回転軸から第2の距離にある第2の外縁とを含むようになっている。第1の磁石は、磁気検出部に対し、第1の軟質強磁性回転体が静止した状態において磁気検出部を通過する第1の磁力線の方向が回転軸に沿った方向である第1の磁場を付与するようになっている。
本発明の一実施の形態としての回転検出システムでは、第1の磁石が磁気検出部に対して付与する第1の磁場における第1の磁力線の方向が、第1の軟質強磁性回転体の回転軸に沿った方向と実質的に一致している。このため、磁気検出部による回転検出精度は、磁気検出部と第1の軟質強磁性回転体との相対位置の影響を受けにくい。
本発明の回転検出システムによれば、磁気検出部による回転検出精度が、磁気検出部と第1の軟質強磁性回転体と磁石との相対位置の変化の影響を受けにくい。このため、小型化した場合であっても、第1の軟質強磁性回転体の回転検出を正確に行うことができる。
第1の実施の形態としての回転検出システムの全体構成例を表す概略図である。 図1に示した回転検出システムの一部構成を模式的に表す斜視図である。 図1に示した検出モジュールの一部構成を模式的に表す斜視図である。 図1に示した回転検出システムの一部構成を模式的に表す正面図である。 図3に示した磁気センサの回路構成を表す回路図である。 図3に示した磁気センサの要部構成を拡大して表す分解斜視図である。 図1に示した回転検出システムの挙動を説明するための説明図である。 図1に示した回転検出システムの挙動を説明するための他の説明図である。 第2の実施の形態としての回転検出システムの一部構成例を表す概略側面図である。 図8Aに示した回転検出システムの一部構成例を表す概略斜視図である。 第3の実施の形態としての回転検出システムの一部構成例を表す概略斜視図である。 図9Aに示した回転検出システムの一部構成を模式的に表す正面図である。 図9Aに示した回転検出システムの一部構成を模式的に表す側面図である。 第4の実施の形態としての回転検出システムの一部構成例を表す概略斜視図である。 第1の変形例としての回転検出システムの一部構成例を表す正面図である。 第2の変形例としての回転検出システムの一部構成例を表す正面図である。 第3の変形例としての回転検出システムの一部構成例を表す正面図である。 第4の変形例としての回転検出システムの一部構成を模式的に表す斜視図である。 第4の変形例としての回転検出システムの一部構成を模式的に表す正面図である。 第5の変形例としての回転検出システムの一部構成を模式的に表す斜視図である。 参考例としての回転検出システムの一部構成例を表す正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
1つの磁石により磁場を形成し、1つの回転ヨークの回転角度を検出する回転検出システムの例。
2.第2の実施の形態
2つの磁石により磁場を形成し、1つの回転ヨークの回転角度を検出する回転検出システムの例。
3.第3の実施の形態
1つの磁石により磁場を形成し、同期回転する2つの回転ヨークの回転角度を検出する回転検出システムの例。
4.第4の実施の形態
2つの磁石により磁場を形成し、同期回転する2つの回転ヨークの回転角度を検出する回転検出システムの例。
5.変形例
<1.第1の実施の形態>
[回転検出システムの構成]
最初に、図1から図3を参照して、本発明における第1の実施の形態としての回転検出システムの構成について説明する。図1は、その回転検出システムの全体構成例の概略を表すブロック図である。また、図2は、回転検出システムの主要な構成要素を表す斜視図である。なお、図2では、後述する回転ヨーク11および磁石6のみを記載している。
図1に示したように、この回転検出システムは、被測定物としての回転モジュール1と、その回転モジュール1の回転角度の検出を行う検出モジュール2とを備えている。なお、この回転検出システムは、本発明の「回転検出システム」に対応する一具体例である。
(回転モジュール1)
図1および図2に示したように、回転モジュール1は、例えばシャフト10と、そのシャフト10の周囲を取り囲むように設けられた円環状の回転ヨーク11とを有する。回転ヨーク11は、例えばパーマロイなどの軟質強磁性体を含んでおり、回転ヨーク11の開口11Kに挿通されるシャフト10に対し直接もしくは間接的に取り付けられている。回転ヨーク11は、検出モジュール2に対し、シャフト10と一体となって回転軸1Jを中心として回転方向Bθへ回転可能に設けられている。回転ヨーク11の周縁部には、回転方向Bθに沿って凸部1Tと凹部1Uとが交互に所定の間隔で周期的に複数ずつ配置されている。回転モジュール1の回転動作により、検出モジュール2におけるセンサ部3(後出)に対して最も近い位置に凸部1Tが存在する状態と、センサ部3に対して最も近い位置に凹部1Uが存在する状態とが交互に繰り返されることとなる。したがって、回転モジュール1は、自らの回転動作により、センサ部3に対して付与される磁石6からの磁場の磁力線6L(後出)の周期的な変化をもたらすことができる。なお、凸部1Tは、回転軸1Jから距離r1にある外縁OL1を含んでいる。凹部1Uは、回転軸1Jから距離r2にある外縁OL2を含んでいる。また、回転ヨーク11における凸部1Tの総数または凹部1Uの総数を、回転ヨーク11の歯数という。
回転ヨーク11は、本発明の「第1の軟質強磁性回転体」に対応する一具体例である。また、凸部1Tは本発明の「第1の凸部」に対応する一具体例であり、凹部1Uは本発明の「第1の凹部」に対応する一具体例である。さらに、磁石6は、本発明の「第1の磁石」に対応する一具体例である。
(検出モジュール2)
検出モジュール2は、センサ部3と、演算回路4と、磁石6とを備えている。検出モジュール2のうち、センサ部3および演算回路4は、例えば図3に示したように同一の基板7に設けられているが、これに限定されるものではなく、異なる複数の基板に設けられていてもよい。なお、図3は、図1に示した検出モジュール2の一部構成の概略を模式的に表す斜視図である。
(センサ部3)
図1に示したように、センサ部3は、磁気センサ31と磁気センサ32とを有している。磁気センサ31は、回転ヨーク11の回転に伴う磁場の磁力線6Lの変化を検知して第1の信号S1を演算回路4へ出力するようになっている。同様に、磁気センサ32は、回転ヨーク11の回転に伴う磁場の磁力線6Lの変化を検知して第2の信号S2を演算回路4へ出力するようになっている。但し、図3に示したように、磁気センサ31は検知軸J31を有し、磁気センサ32は検知軸J31と実質的に直交する検知軸J32を有するので、第1の信号S1の位相と第2の信号S2の位相とは互いに異なっている。例えば回転ヨーク11の回転角度θに対し、第1の信号S1がsinθに従う抵抗値の変化を表すものであるとき、第2の信号S2はcosθに従う抵抗値の変化を表すものである。
図4は、検出モジュールの一部構成を模式的に表す正面図である。図4に示したように、センサ部3は、回転軸方向Bzと直交する径方向Brにおいて、回転ヨーク11の外縁11Gと磁石6との間に配置されている。したがって、センサ部3は、回転軸方向Bzにおいて回転ヨーク11と重なり合う位置から外れている。なお、回転軸方向Bzは、回転軸1Jの延在方向である。
図5は、センサ部3の回路図である。図5に示したように、磁気センサ31は、例えば4つの磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)素子23(23A〜23D)を含むホイートストンブリッジ回路(以下、単にブリッジ回路)24と、差分検出器25とを含んでいる。同様に、磁気センサ32は、4つのMR素子26(26A〜26D)含むブリッジ回路27と、差分検出器28とを含んでいる。
ブリッジ回路24は、MR素子23AおよびMR素子23Bの一端同士が接続点P1において接続され、MR素子23CおよびMR素子23Dの一端同士が接続点P2において接続され、MR素子23Aの他端とMR素子23Dの他端とが接続点P3において接続され、MR素子23Bの他端とMR素子23Cの他端とが接続点P4において接続されている。ここで、接続点P3は電源Vccと接続されており、接続点P4は接地されている。接続点P1,P2は、それぞれ差分検出器25の入力側端子と接続されている。この差分検出器25は、接続点P3と接続点P4との間に電圧が印加されたときの接続点P1と接続点P2との間の電位差(MR素子23A,23Dのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)を検出し、第1の信号S1として演算回路4へ向けて出力するものである。同様に、ブリッジ回路27は、MR素子26AおよびMR素子26Bの一端同士が接続点P5において接続され、MR素子26CおよびMR素子26Dの一端同士が接続点P6において接続され、MR素子26Aの他端とMR素子26Dの他端とが接続点P7において接続され、MR素子26Bの他端とMR素子26Cの他端とが接続点P8において接続されている。ここで、接続点P7は電源Vccと接続されており、接続点P8は接地されている。接続点P5,P6は、それぞれ差分検出器28の入力側端子と接続されている。この差分検出器28は、接続点P7と接続点P8との間に電圧が印加されたときの接続点P5と接続点P6との間の電位差(MR素子26A,26Dのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)を検出し、第2の信号S2として演算回路4へ向けて出力するものである。
なお、図5において符号JS1を付した矢印は、MR素子23A〜23D,26A〜26Dの各々における磁化固着層SS1(後出)の磁化の向きを模式的に表している。すなわち、MR素子23A,23Cの各抵抗値は、外部からの信号磁場の変化に応じて互いに同じ向きに変化(増加もしくは減少)し、MR素子23B,23Dの各抵抗値は、いずれも、信号磁場の変化に応じてMR素子23A,23Cとは反対向きに変化(減少もしくは増加)することを表している。また、MR素子26A,26Cの各抵抗値の変化は、外部からの信号磁場の変化に応じてMR素子23A〜23Dの各抵抗値の変化に対して位相が90°ずれている。MR素子26B,26Dの各抵抗値は、いずれも、信号磁場の変化に応じてMR素子26A,26Cとは反対向きに変化する。したがって例えば、回転モジュール1が回転すると、ある角度範囲ではMR素子23A,23Cでは抵抗値が増大し、MR素子23B,23Cでは抵抗値が減少するという挙動を示す関係にある。その際、MR素子26A,26Cの抵抗値は、MR素子23A,23Cの抵抗値の変化に例えば90°だけ遅れて(あるいは進んで)変化し、MR素子26B,26Dの抵抗値は、MR素子23B,23Dの抵抗値の変化に90°だけ遅れて(あるいは進んで)変化することとなる。
図6に、MR素子23,26の主要部を構成するセンサスタックSSの一例を表す。MR素子23,26は、いずれも実質的に同じ構造のセンサスタックSSを含んでいる。センサスタックSSは、図6に示したように、磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造をなしている。センサスタックSSは、具体的には、一定方向に固着された磁化JS1を有する磁化固着層SS1と、特定の磁化方向を発現しない中間層SS2と、信号磁場の磁束密度に応じて変化する磁化JS3を有する磁化自由層SS3とが順に積層されてなるものである。なお、図6は、磁場H1などの外部磁場が付与されていない無負荷状態を示している。なお、磁化固着層SS1,中間層SS2および磁化自由層SS3は、いずれも単層構造であってもよいし、複数層からなる多層構造であってもよい。
磁化固着層SS1は、例えばコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)、コバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などの強磁性材料からなる。なお、磁化固着層SS1と隣接するように、中間層SS2と反対側に反強磁性層(図示せず)を設けるようにしてもよい。そのような反強磁性層は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されるものである。その反強磁性層は、例えば正方向のスピン磁気モーメントと逆方向のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、隣接する磁化固着層SS1の磁化JS1の向きを、正方向へ固定するように作用する。
中間層SS2は、例えばセンサスタックSSのスピンバルブ構造が磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)である場合、酸化マグネシウム(MgO)からなる非磁性のトンネルバリア層であり、量子力学に基づくトンネル電流が通過可能な程度に厚みの薄いものである。MgOからなるトンネルバリア層は、例えば、MgOからなるターゲットを用いたスパッタリング処理のほか、マグネシウム(Mg)の薄膜の酸化処理、あるいは酸素雰囲気中でマグネシウムのスパッタリングを行う反応性スパッタリング処理などによって得られる。また、MgOのほか、アルミニウム(Al),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf)の各酸化物もしくは窒化物を用いて中間層SS2を構成することも可能である。なお中間層SS2は、例えばルテニウム(Ru)や金(Au)などの白金族元素や銅(Cu)などの非磁性金属により構成されていてもよい。その場合、スピンバルブ構造は巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistive effect)膜として機能する。
磁化自由層SS3は軟質強磁性層であり、例えばコバルト鉄合金(CoFe)、ニッケル鉄合金(NiFe)あるいはコバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などによって構成される。
磁気センサ31におけるブリッジ回路24のMR素子23A〜23Dには、それぞれ電源Vccからの電流I10が接続点P3において分流された電流I1もしくは電流I2が供給される。ブリッジ回路24の接続点P1,P2からそれぞれ取り出された信号e1,e2が差分検出器25に流入する。ここで、信号e1は例えば磁化JS1と磁化JS3とのなす角度をγとしたときAcos(+γ)+B(A,Bはいずれも定数)に従って変化する抵抗変化を表し、信号e2はAcos(−γ)+Bに従って変化する抵抗変化を表す。一方、磁気センサ32におけるブリッジ回路27のMR素子26A〜26Dには、それぞれ電源Vccからの電流I10が接続点P7において分流された電流I3もしくは電流I4が供給される。ブリッジ回路27の接続点P5,P6からそれぞれ取り出された信号e3,e4が差分検出器28に流入する。ここで、信号e3はAsin(+γ)+Bに従って変化する抵抗変化を表し、信号e4はAsin(−γ)+Bに従って変化する抵抗変化を表す。さらに、差分検出器25からの第1の信号S1および差分検出器28からの第2の信号S2が演算回路4に流入する。演算回路4では、tanγに応じた抵抗値が算出される。ここで、γはセンサ部3に対する回転モジュール1の回転角度θに相当するので、回転角度θが求められるようになっている。
(演算回路4)
演算回路4は、図1に示したように、例えばローパスフィルタ(LPF:low-pass filter)42A,42Bと、A/D変換部43A,43Bと、フィルタ44A,44Bと、波形整形部45と、角度演算部46とを有している。
ローパスフィルタ42Aは、磁気センサ31と接続されており、磁気センサ31から第1の信号S1が入力されるようになっている。ローパスフィルタ42Aに入力された第1の信号S1は、A/D変換部43Aとフィルタ44Aとを経由して波形整形部45に入力されるようになっている。同様に、ローパスフィルタ42Bは、磁気センサ32と接続されており、磁気センサ32から第2の信号S2が入力されるようになっている。ローパスフィルタ42Bに入力された第2の信号S2は、A/D変換部43Bとフィルタ44Bとを経由して波形整形部45に入力されるようになっている。
波形整形部45は、例えば磁気センサ31から発信された第1の信号S1と磁気センサ32から発信された第2の信号S2とについ波形を整形するものである。波形整形部45は、例えば、オフセット電圧の相違、振幅の相違、あるいは磁気センサ31および磁気センサ32と回転ヨーク11との相対角度の相違などを検出する検出回路と、それらの相違の補正を行う補償回路とを含んでいる。
角度演算部46は、第1の信号S1および第2の信号S2に基づいて、回転ヨーク11の回転方向Bθへの回転角度θの大きさの算出を行うIC回路である。角度演算部46は、算出した変位量(回転角度θ)に関する情報を含む第3の信号S3を外部へ出力するようになっている。
(磁石6)
磁石6は、センサ部3を挟んで回転ヨーク11と反対側に位置する。磁石6は、回転ヨーク11およびセンサ部3に向けて磁力線6Lを含む磁場を付与するものである。センサ部3は、磁気センサ31および磁気センサ32により、磁力線6Lの方向の変化を検出する。磁石6がセンサ部3に付与する磁場は、図4に示したように、センサ部3を通過する位置において回転軸1Jに沿った方向の磁力線6Lを有する。磁力線6Lの方向は、回転ヨーク11の回転により周期的に変動する。回転ヨーク11が磁石6およびセンサ部3に対して静止した状態において、センサ部3を通過する磁力線6Lの方向は、回転軸1Jに沿った方向である。回転軸1Jに沿った方向とは、回転軸1Jに対して完全平行、すなわち0°の方向に限定されず、例えば回転軸1Jに対して±30°以下の角度をなす方向を意味する。したがって、変動する磁力線6Lの方向の振幅の中心は、例えば回転軸1Jと完全一致となる0°が望ましいが、その0°を中心として例えば±30°以下の角度で傾いていてもよい。また、変動する磁力線6Lの方向の振幅は、例えば±5°程度であるとよい。ここで、回転ヨーク11の凹部1Uが磁石6に最接近している状態では、磁力線6Lの方向は、センサ部3を通過する位置において、回転軸方向Bzと実質的に一致している。なお、磁石6の着磁方向J6は、例えば回転軸方向Bzと実質的に一致しているとよい。
[回転検出システムの動作および作用]
本実施の形態の回転検出システムでは、回転ヨーク11の回転角度を、センサ部3、演算回路4および磁石6を含む検出モジュール2によって検出することができる。
この回転検出システムでは、回転方向Bθへの回転ヨーク11の回転に伴い、回転ヨーク11の凸部1Tが磁石6へ接近したり磁石6から遠ざかったりする。このような動作に伴い、磁石6が発生する磁力線6Lのベクトルが逐次変化する。具体的には、例えば図7Aに示したように、回転ヨーク11の凸部1Tが磁石6から遠ざかっている状態、すなわち、凹部1Uが磁石6に接近している状態では、磁石6が発生する磁力線6L0は回転軸方向Bzと実質的に一致したベクトルV0を有する。これに対し、凸部1Tが磁石6に接近している状態では、磁石6が発生する磁力線6L1は回転軸方向Bzに対して僅かに傾いたベクトルV1を有する。したがって、回転ヨーク11が回転軸1Jを中心として回転方向Bθへ回転することにより、すなわち、磁石6に対する凸部1Tの相対位置の連続した変化に伴い、図7Bに示したように、磁力線6LのベクトルVは歳差運動を行うこととなる。このとき、磁石6に対する凸部1Tの接近のサイクルと、磁力線6LのベクトルVの変化のサイクルとは一致する。センサ部3は、回転ヨーク11の回転面(回転軸1Jと直交する面)に平行な平面への射影に相当する、径方向Brに沿ったBr成分および回転方向Bθに沿ったBθ成分を含む第1の信号S1および第2の信号S2をそれぞれ出力する。それらの第1の信号S1および第2の信号S2を用いて、演算回路4により、回転ヨーク11の回転角度や角速度を求める。
[回転検出システムの効果]
このように本実施の形態の回転検出システムによれば、回転ヨーク11が、センサ部3に対し回転軸1Jを中心として回転可能であり、回転軸1Jから距離r1にある外縁OL1と、回転軸1Jから距離r2にある外縁OL2とを含んでいる。このため、回転ヨーク11の回転に伴う、磁石6の磁力線6LのベクトルVのわずかな変動を、センサ部3により検出することができる。ここで、磁力線6Lがセンサ部3を通過する位置における磁力線6LのベクトルVは、回転軸1Jに沿った方向である。このため、回転ヨーク11とセンサ部3と磁石6との相対位置の精度が及ぼす、センサ部3からの出力信号の波形への影響を抑制できる。その結果、本実施の形態の回転検出システムによれば、回転検出システムを小型化した場合であっても、回転ヨーク11の回転検出を正確に行うことができる。
ところが、例えば図14(A)〜(C)に示した参考例としての回転検出システムのように、回転体1011の径方向Brに沿った磁力線1106Lを発生させる磁石1106を配置した場合には、回転体1011とセンサ部1103と磁石1106との相対位置が、センサ部3の検出精度に大きな影響を与えてしまう。具体的には、回転体1011とセンサ部1103と磁石1106との相対位置が適切である場合には、図14の(B)に示したように、第1の信号S1の波形および第2の信号S2の波形は良好である。しかしながら、回転体1011とセンサ部1103と磁石1106との相対位置がわずかに例えば径方向Brにずれた場合、例えば図14の(A)に示したように第1の信号S1の波形に歪みが生じたり、図14の(C)に示したように第2の信号S2の波形に歪みが生じたりする。また、このような参考例の回転検出システムでは、回転体1011の回転軸方向Bzへの位置ずれによっても、検出精度が低下しやすい。なお、上記した特許文献1の位置センサは、図14の(A)〜(C)に示した参考例に該当すると考えられる。
これに対し、本実施の形態の回転検出システムによれば、上記参考例としての回転検出システムと比較して、回転ヨーク11とセンサ部3と磁石6との相対位置の許容範囲が広い。このため、回転ヨーク11とセンサ部3と磁石6との配置位置のずれに起因する回転検出精度の低下を回避しやすい。したがって、小型化した場合であっても、その製造性にも優れる。
<2.第2の実施の形態>
次に、図8Aおよび図8Bを参照して、本発明における第2の実施の形態としての回転検出システムの構成について説明する。上記第1の実施の形態の回転検出システムは、1つの回転ヨーク11および1つのセンサ部3に対し、1つの磁石6を備えるようにした。これに対し、第2の実施の形態の回転検出システムは、図8Aおよび図8Bに示したように、1つの回転ヨーク11および1つのセンサ部3に対し、2つの磁石6A,6Bを備えている。第2の実施の形態の回転検出システムはこの点を除き、他は第1の実施の形態の回転検出システムと実質的に同じ構成を有する。なお、図8Aは、回転軸方向Bzから眺めた第2の実施の形態の回転検出システムを表す側面図である。図8Bは、第2の実施の形態の回転検出システムの主たる構成要素を表す斜視図である。
図8Aおよび図8Bに示したように、磁石6Aおよび磁石6Bは回転方向Bθに沿って離間して隣り合うように配置されている。センサ部3は、回転方向Bθにおいて磁石6Aと磁石6Bとの間に配置され、径方向Brにおいて磁石6Aおよび磁石6Bと回転ヨーク11との間に配置されている。磁石6Aおよび磁石6Bは、いずれも回転軸方向Bzに沿って着磁されており、それぞれ磁力線6ALおよび磁力線6BLを含む磁場を発生させるようになっている。磁力線6ALおよび磁力線6BLは、図8Bに示したように、それらがセンサ部3を通過する位置において回転軸1Jに沿った方向の、実質的に互いに平行のベクトルを有する。
このように、第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の効果が期待できる。そのうえ、第2の実施の形態では、隣接配置された磁石6Aおよび磁石6Bにより磁力線6ALおよび磁力線6BLを発生させ、それら磁力線6ALおよび磁力線6BLがセンサ部3を通過する位置において、磁力線6ALおよび磁力線6BLが回転軸1Jに沿った方向のベクトルを有するようにした。このため、センサ部3の近傍において磁力線6ALと磁力線6BLとが反発し合う不安定領域が生じ、その不安定領域の近傍を回転ヨーク11の凸部1Tが通過した際に磁力線6ALのベクトルの向きおよび磁力線6BLのベクトルの向きが敏感に変化することとなる。よって、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較してセンサ部3においてより大きな出力変化が得られる。
<3.第3の実施の形態>
次に、図9Aから図9Cを参照して、本発明における第3の実施の形態としての回転検出システムの構成について説明する。図9Aは、第3の実施の形態としての回転検出システムの一部構成例を表す概略斜視図である。図9Bは、図9Aに示した回転検出システムの一部構成を模式的に表す正面図である。さらに図9Cは、図9Aに示した回転検出システムの一部構成を模式的に表す側面図である。上記第1の実施の形態の回転検出システムは、1つのセンサ部3および1つの磁石6に対し、1つの回転ヨーク11を配置した回転モジュール1を備えている。これに対し、第3の実施の形態の回転検出システムは、図9Aおよび図9Bに示したように、1つのセンサ部3および1つの磁石6に対し、2つの回転ヨーク11A,11Bを配置した回転モジュール1Aを備えている。第3の実施の形態の回転検出システムはこの点を除き、他は第1の実施の形態の回転検出システムと実質的に同じ構成を有する。なお、回転ヨーク11Aおよび回転ヨーク11Bは、それぞれ、本発明の「第1の軟質強磁性回転体」および「第2の軟質強磁性回転体」に対応する一具体例である。
回転ヨーク11Aと回転ヨーク11Bとは、回転軸方向Bzにおいて互いに離間して隣り合うようにシャフト10に固定配置されている。したがって、回転ヨーク11Aと回転ヨーク11Bとは、回転軸1Jを中心として同期回転可能である。センサ部3は、回転軸方向Bzにおいて、回転ヨーク11Aと回転ヨーク11Bとの間に配置されているとよい(図9B参照)。
回転ヨーク11Aおよび回転ヨーク11Bは、いずれも上記第1の実施の形態における回転ヨーク11と実質的に同じ構成を有する。すなわち、回転ヨーク11Aは、回転軸1Jから距離r1にある外縁OL1と、回転軸1Jから距離r2にある外縁OL2とを含んでいる。回転ヨーク11Aは、外縁OL1を含む凸部1ATと外縁OL2を含む凹部1AUとを、回転方向Bθに沿って交互に複数ずつ有する。同様に、回転ヨーク11Bは、回転軸1Jから距離r3にある外縁OL3と、回転軸1Jから距離r4にある外縁OL4とを含んでいる。回転ヨーク11Bは、外縁OL3を含む凸部1BTと外縁OL2を含む凹部1BUとを、回転方向Bθに沿って交互に複数ずつ有する。図9Cに示したように、回転方向Bθにおいて、回転ヨーク11Aにおける凸部1ATと凹部1AUとの配置ピッチと、回転ヨーク11Bにおける凸部1BTと凹部1BUとの配置ピッチとは実質的に一致している。そのうえ、回転軸方向Bzにおいて、凸部1ATの延長上に凹部1BUが位置すると共に凸部1BTの延長上に凹部1AUが位置する。
このように、第3の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の効果が期待できる。そのうえ、第3の実施の形態の回転モジュール1Aでは、回転軸方向Bzにおいて隣り合う2枚の回転ヨーク11Aおよび回転ヨーク11Bを有するようにしたので、第1の実施の形態と比較して、回転検出精度に対する回転軸方向Bzにおけるセンサ部3および磁石6の位置ずれの影響がより低減される。これは、磁石6から発生する磁場における回転方向Bθに沿ったBθ成分と、磁石6から発生する磁場における径方向Brに沿ったBr成分とが90°の位相差で回転ヨーク11Aおよび回転ヨーク11Bの回転と動機して正弦波状に変化するからである。また、2枚の回転ヨーク11Aおよび回転ヨーク11Bは、回転軸方向Bzにおいて一定の間隔を有するようにシャフト10に固定されるので、センサ部3と回転ヨーク11Aおよび回転ヨーク11Bとの回転軸方向Bzの位置ずれは、センサ部3とシャフト10との位置合わせにより管理することができる。さらに、回転ヨーク11Aと回転ヨーク11Bとの間にセンサ部3を配置することにより、例えばセンサ部3が回転軸方向Bzに沿って回転ヨーク11Aから遠ざかる方向にずれた場合、センサ部3は必然的に回転軸方向Bzに沿って回転ヨーク11Bに近づくこととなる。このため、回転ヨーク11Aから遠ざかることでセンサ部3に及ぶ磁場の磁束密度が低下したとしても、回転ヨーク11Bがセンサ部3に近づくことによりセンサ部3に及ぶ磁場の磁束密度が補完されることとなる。したがって、本実施の形態の回転検出モジュールでは、センサ部3と回転モジュール1Aとの回転軸方向Bzにおける位置ずれの影響によって検出感度が低下するのを防ぐことができる。
<4.第4の実施の形態>
次に、図10を参照して、本発明における第4の実施の形態としての回転検出システムの構成について説明する。図10は、第4の実施の形態としての回転検出システムの一部構成例を表す概略斜視図である。この第4の実施の形態の回転検出システムは、図10に示したように、1つのセンサ部3に対し、2つの磁石6A,6Bと、2つの回転ヨーク11A,11Bとを備えている。すなわち、第4の実施の形態の回転検出システムは、上記第2の実施の形態の回転検出システムと上記第3の実施の形態の回転検出システムとを組み合わせた構成を有する。
第4の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の効果が期待できる。さらに、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と比較してセンサ部3においてより大きな出力変化が得られるうえ、第1の実施の形態と比較して、回転検出精度に対する回転軸方向Bzにおけるセンサ部3および磁石6の位置ずれの影響がより低減される。
<5.変形例>
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はそれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記第2の実施の形態では、2つの磁石6A,6Bを回転ヨーク11の回転方向Bθに沿って並べるようにしたが、本発明はこれに限定されない。
(第1の変形例)
本発明では、例えば図11Aに示した第1の変形例としての回転検出システムのように、磁石6Aと磁石6Bとが、回転軸方向Bzにおいて離間して隣り合うように配置されていてもよい。第1の変形例においても、磁石6Aが発生する磁力線6ALおよび磁石6Bが発生する磁力線6BLは、センサ部3を通過する位置において回転軸1Jに沿った方向である。また、センサ部3は、回転軸方向Bzにおいて磁石6Aと磁石6Bとの間に配置されているとよい。このように、2つの磁石6Aおよび磁石6Bを回転軸方向Bzに並べることにより、磁力線6AL,6BLのうち回転軸方向Bzに延びる部分は、1つの磁石6のみを配置した場合の磁力線6Lのうち回転軸方向Bzに延びる部分よりも長くすることができる。よって、回転軸方向Bzにおけるセンサ部3と回転ヨーク11との相対位置ずれに伴う回転検出精度への影響がより低減される。なお、図11Aは、本発明の第1の変形例としての回転検出システムの要部を拡大して表す正面図である。
(第2の変形例)
本発明では、例えば図11Bに示した第2の変形例としての回転検出システムのように、磁石6Aと磁石6Bとが回転軸方向Bzにおいて回転ヨーク11を挟んで対向するように配置されていてもよい。第2の変形例においても、磁石6Aが発生する磁力線6ALおよび磁石6Bが発生する磁力線6BLは、センサ部3を通過する位置において回転軸1Jに沿った方向である。また、センサ部3は、回転軸方向Bzにおいて磁石6Aと磁石6Bとの間に配置されているとよい。径方向Brにおけるスペースが十分に確保できない場合に第2の変形例は第1の変形例よりも有利である。なお、図11Bは、本発明の第2の変形例としての回転検出システムの要部を拡大して表す正面図である。
(第3の変形例)
上記いくつかの実施の形態等では、磁石の着磁方向が回転軸方向Bzに沿うようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、例えば図11Cに示した第3の変形例としての回転検出システムのように、磁石6Aの着磁方向J6Aおよび磁石6Bの着磁方向J6Bを、回転軸方向Bzと直交する径方向Brに設定してもよい。但し、この第3の変形例においても、磁石6Aが発生する磁力線6AL,6BLは、センサ部3を通過する位置において回転軸1Jに沿った方向である。また、センサ部3は、回転軸方向Bzにおいて磁石6Aと磁石6Bとの間に配置されているとよい。なお、図11Cは、本発明の第3の変形例としての回転検出システムの要部を拡大して表す正面図である。
(第4の変形例)
また、本発明では、例えば図12Aおよび図12Bに示した第4の変形例としての回転検出システムのように、磁石6にヨーク8A,8Bを設けるようにしてもよい。この第4の変形例では、磁石6の着磁方向J6に沿って磁石6を挟むように一対のヨーク8A,8Bを配置している。このようなヨーク8A,8Bの存在により、磁力線6Lの方向をコントロールできるうえ、センサ部3に対し、磁力線6Lに沿った磁束密度をより高めることができる。特に、ヨーク8A,8Bは、それぞれ磁石6からセンサ部3へ向かうように湾曲したベント8AT,8BTを含んでいる。このため、センサ部3を通過する磁力線6Lに沿った磁束密度をよりいっそう高めることができる。そのため、本変形例では、より高い検出感度が期待できる。なお、図12Aおよび図12Bは、それぞれ、本発明の第4の変形例としての回転検出システムの要部を拡大して表す斜視図および正面図である。ただし、図12Aでは、センサ部3の図示を省略している。
(第5の変形例)
また、上記実施の形態等では、回転ヨーク11における、その回転面内(Br−Bθ面内)の平面形状を、複数の凸部1Tと複数の凹部1Uとが交互配置されてなる花びら状としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図13に示した回転モジュール1Bのように、凸部1ATを1つのみ有するカム形状の回転ヨーク51Aおよび凸部1BTを1つのみ有するカム形状の回転ヨーク51Bを備えていてもよい。凸部1ATにおける外縁OL3Aは、他の部分における外縁OL4Aよりも径方向Brにおいて突出している。同様に、凸部1BTにおける外縁OL3Bは、他の部分における外縁OL4Bよりも径方向Brにおいて突出している。また、回転方向Bθにおいて、凸部1ATの位置と凸部1BTの位置とは互いに異なっている。このようなカム形状の回転ヨーク51A,51Bを備えることにより、回転ヨーク51A,51Bが1回転することによって0°〜360°の角度情報が得られるので、シャフト10の回転角の絶対値が判別できる。ところが、図2などに示した花びら形状の回転ヨーク11の場合、凸部1Tおよび凹部1Uがそれぞれ複数含まれている。このため、回転ヨーク11が1回転することによって0°〜360°の角度情報が複数回得られることとなり、シャフト10の回転角の絶対値が困難となる。
一方、図2などに示した花びら形状の回転ヨーク11の場合、凸部1Tおよび凹部1Uがそれぞれ複数含まれていることによる利点を有する。例えば従来のレゾルバ等においてモーターの回転角度検出を行う場合、モーターの極数の遇数倍の凹凸を有するヨークであることが制御上望ましいが、本願発明の花びら形状の回転ヨーク11であればこれに好適である。また、花びら形状の回転ヨーク11においては、モーターの極数に応じて凸部(凹部)の数を自在に変更可能である。さらに、回転ヨーク11のように連続した輪郭線を有する凹凸形状のヨークであれば、最小分解能に制限がなく、回転角に対してリニアに変化する角度出力が得られる。ところがエンコーダの場合には、得られる角度の数値の最小分解能は基準となるクロック信号の幅で決定されるので、回転角に対し階段状に変化する角度出力が得られることとなってしまう。
また、上記実施の形態等では、2つの磁気検出素子を備えるようにしたが、本発明では、磁気検出素子の数は2に限定されず、1つのみでもよいし、3以上備えるようにしてもよい。但し、3以上の磁気検出素子を備える場合、それらが互いに異なる位相の信号を出力することが望ましい。
また、上記第1の実施の形態では、磁気検出素子として、磁気抵抗効果素子をそれぞれ含む磁気センサ31および磁気センサ32を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の磁気検出素子は、磁場の向き(角度)の変化を検出できる素子であれば特に限定されず、例えばホール素子であってもよい。
また、本発明の磁気検出部は、互いに直交する第1の検知軸および第2の検知軸を有する2軸の磁気検出素子を1以上備えていてもよい。あるいは、本発明の磁気検出部は、第1の検知軸を有する第1の磁気検出素子と、その第1の検知軸と直交する第2の検知軸を有する第2の磁気検出素子とを近接配置した磁気検出素子対を、複数備えるようにしてもよい。上記した2軸の磁気検出素子を複数箇所に配置する場合、および、上記した磁気検出素子対を複数箇所に配置する場合、それらの配置ピッチは、いずれにおいても、軟質強磁性回転体の回転方向では、例えば軟質強磁性回転体の凸部の配置ピッチと一致していることが望ましい。また、軟質強磁性回転体の軸方向では、磁石の中心面に対し、複数の2軸の磁気検出素子、または複数の磁気検出素子対は、互いに実質的に等距離にあることが望ましい。
1,1A,1B…回転モジュール、1T…凸部、1U…凹部、10…シャフト、11…回転ヨーク、2…検出モジュール、3…センサ部、31,32…磁気センサ、4…演算回路、46…角度演算部、6…磁石、6L…磁力線、7…基板、8A,8B…ヨーク、Bθ…回転方向、Br…径方向、Bz…回転軸方向、H1…磁場。

Claims (16)

  1. 磁気検出部と、
    前記磁気検出部に対し回転軸を中心として回転可能であり、前記回転軸から第1の距離にある第1の外縁と、自らの回転方向において前記第1の外縁と異なる位置であって前記回転軸から第2の距離にある第2の外縁とを含む第1の軟質強磁性回転体と、
    前記磁気検出部に対し、前記第1の軟質強磁性回転体が静止した状態において前記磁気検出部を通過する第1の磁力線の方向が前記回転軸に沿った方向である第1の磁場を付与する、第1の磁石と
    を備えた
    回転検出システム。
  2. 前記第1の軟質強磁性回転体の前記回転軸を中心とした回転に伴い、前記第1の磁力線の方向が周期的に変動し、
    前記磁気検出部は、周期的に変動する前記第1の磁力線の方向を検出する
    請求項1記載の回転検出システム。
  3. 前記第1の磁石の着磁方向は、前記回転軸に沿った方向と実質的に一致している
    請求項1または請求項2に記載の回転検出システム。
  4. 前記磁気検出部は、前記第1の軟質強磁性回転体と前記第1の磁石との間に配置されている
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転検出システム。
  5. 前記磁気検出部に対し、前記磁気検出部を通過する第2の磁力線の方向が前記回転軸に沿った方向である第2の磁場を付与する第2の磁石をさらに備えた
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転検出システム。
  6. 前記磁気検出部は、前記第1の軟質強磁性回転体と前記第1の磁石との間、または前記第1の軟質強磁性回転体と前記第2の磁石との間に配置されている
    請求項5記載の回転検出システム。
  7. 前記第1の磁石と前記第2の磁石とは、前記回転軸に沿った方向において隣り合っている
    請求項5または請求項6に記載の回転検出システム。
  8. 前記磁気検出部は、前記回転軸に沿った方向において前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に配置されている
    請求項7記載の回転検出システム。
  9. 前記第1の磁石と前記第2の磁石とは、前記第1の軟質強磁性回転体の回転方向において隣り合っている
    請求項5または請求項6に記載の回転検出システム。
  10. 前記磁気検出部は、前記第1の軟質強磁性回転体の回転方向において前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に配置されている
    請求項9記載の回転検出システム。
  11. 前記第1の軟質強磁性回転体は、前記第1の外縁を含む第1の凸部と前記第2の外縁を含む第1の凹部とを、前記第1の軟質強磁性回転体の回転方向に沿って交互に複数ずつ有する
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の回転検出システム。
  12. 前記回転軸を中心として前記第1の軟質強磁性回転体と同期して回転可能であり、前記回転軸から第3の距離にある第3の外縁と、前記回転軸から第4の距離にある第4の外縁とを含み、前記回転軸に沿った方向において前記第1の軟質強磁性回転体と隣り合う第2の軟質強磁性回転体をさらに備えた
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の回転検出システム。
  13. 前記磁気検出部は、前記回転軸に沿った方向において、前記第1の軟質強磁性回転体と前記第2の軟質強磁性回転体との間に配置されている
    請求項12記載の回転検出システム。
  14. 前記第1の軟質強磁性回転体は、前記第1の外縁を含む第1の凸部と前記第2の外縁を含む第1の凹部とを、前記第1の軟質強磁性回転体の回転方向に沿って交互に複数ずつ有し、
    前記第2の軟質強磁性回転体は、前記第3の外縁を含む第2の凸部と前記第4の外縁を含む第2の凹部とを、前記第2の軟質強磁性回転体の回転方向に沿って交互に複数ずつ有する
    請求項12または請求項13に記載の回転検出システム。
  15. 前記回転方向において、前記第1の軟質強磁性回転体における前記第1の凸部と前記第1の凹部との配置ピッチと、前記第2の軟質強磁性回転体における前記第2の凸部と前記第2の凹部との配置ピッチとは実質的に一致しており、
    前記回転軸に沿った方向において、前記第1の凸部の延長上に前記第2の凹部が位置すると共に前記第2の凸部の延長上に前記第1の凹部が位置する
    請求項14記載の回転検出システム。
  16. 前記磁気検出部は、第1の検知軸を有する第1の磁気検出素子と、前記第1の検知軸と交差する第2の検知軸を有する第2の磁気検出素子とを含む
    請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の回転検出システム。
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