JP2020029620A - 冷延鋼板の製造方法及び冷延鋼板 - Google Patents

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啓達 小嶋
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栄志 磯貝
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Hiroaki Akanishi
洋明 赤西
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【課題】生産性を高めても焼入れ性及び成形性に優れる冷延鋼板の製造方法及び冷延鋼板を提供する。【解決手段】本発明の冷延鋼板の製造方法は、質量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.001〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.0050%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する熱延鋼板に対して、冷延率30〜80%で冷間圧延を実施して冷延鋼板とする工程と、冷延鋼板に対して連続焼鈍を実施する工程とを備える。連続焼鈍する工程は、冷延鋼板を、Ac1変態点以上の焼鈍温度で20秒以上焼鈍する工程と、焼鈍後の冷延鋼板を310〜450℃の冷却停止温度まで冷却する工程と、冷却停止温度まで冷延鋼板を冷却した後、310〜450℃の過時効温度で20〜480秒保持する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、冷延鋼板の製造方法及び冷延鋼板に関する。
自動車や自転車、産業機械等に用いられる鋼部品には、優れた強度が求められる。鋼部品は、冷延鋼板に対してプレス成形、冷間鍛造等の冷間での塑性加工を実施して製造される場合がある。このような塑性加工の対象となる冷延鋼板には、高い成形性が求められる。
しかしながら、冷延鋼板の強度が高ければ、成形性が低下する。したがって、従来、これらの鋼部品は、次の方法で製造されている。初めに、成形性に優れた冷延鋼板を準備する。準備された冷延鋼板に対して冷間で塑性加工(プレス成形、冷間鍛造等)を実施して、所定の形状の中間部品を製造する。中間部品に対して、硬化熱処理を実施して、鋼部品とする。硬化熱処理はたとえば、浸炭処理、浸炭窒化処理、窒化処理、焼入れ焼戻し等である。以上の工程により、高い強度(硬さ)を有する鋼部品が製造される。
上述の製造方法により製造される鋼部品において優れた強度及び寸法精度を得るためには、冷延鋼板には優れた焼入れ性及び成形性が求められる。
焼入れ性及び/又は成形性に優れた鋼板及びその製造技術が、特開2002−180186号公報(特許文献1)、特開2002−146440号公報(特許文献2)、特開2007−77466号公報(特許文献3)、特開2002−309345号公報(特許文献4)、及び特開平9−227935号公報(特許文献5)に提案されている。
特許文献1に開示された冷延鋼板は、質量%で、C:0.05〜0.50%、Si≦0.1%、Mn<0.80%、P≦0.02%、S≦0.01%、Cr:0.05〜2.5%、B:0.0005〜0.0040%、N≦0.0050%、sol−Al≦0.1%、Ti≦0.04%を含有し、残部は鉄及び不可避的不純物からなる。さらに、次の式を満たす。150≧(11800Cr%+10600Mn%−1300)×C%−1350≧0。特許文献1の実施例では、上述の冷延鋼板は冷間圧延された後、700℃のバッチ焼鈍を実施される。以上の製造工程により製造された冷延鋼板は、優れた成形性及び焼入れ性を有する、と特許文献1には記載されている。
特許文献2に開示された薄鋼板の製造方法は、質量%で、C:0.04〜0.2%、Si:0.1%以下、Mn:0.3〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.004%、sol.Al:0.005〜0.10%、Ti:0.10%以下を含有するとともに、Ti含有量とN含有量とが、Ti>3.4×N(%)で与えられる関係を満足し、残部がFe及び不純物よりなる鋼スラブを、1190℃以下の温度で加熱した後、熱間圧延し、500℃以上の温度で巻き取る。特許文献2の実施例では、上述の熱延鋼板を冷間圧延した後、700℃で箱焼鈍を実施して薄鋼板を製造する。以上の製造方法で得られた薄鋼板は、優れた成形性及び焼入れ性を有する、と特許文献2には記載されている。
特許文献3に開示された急速加熱焼入れ用鋼板は、質量%で、C:0.06%以上0.25%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.5%以上1.5%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.1%以下、及び、N:0.01%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなる化学組成を有し、フェライト相を主相とし、第二相を含有する組織を有する。第二相からなるバンド状組織の面積率は6.0%以下である。上記鋼板は、焼入れ前のプレス成形性、及び急速加熱焼入れ性に優れ、加熱温度が低くても焼入れ後にマルテンサイト組織が得られる、と特許文献3には記載されている。
特許文献4に開示された薄鋼板は、鋼成分としてmass%で、C:0.10〜0.37%、Si:1%以下、Mn:2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0050%を含有し、B−(10.8/14)N≧0.0005%N=N−(14/48)Ti、但し、右辺≦0の場合、N=0を満足し、鋼中析出物であるTiNの平均粒径が0.06〜0.30μmであり、かつ焼入れ後の旧オーステナイト粒径が2〜25μmである。上記薄鋼板は、Ac点以下で焼鈍して製造される。上記薄鋼板は、焼入れ条件による変動が小さく、焼入れ後の衝撃特性に優れる、と特許文献4には記載されている。
特許文献5に開示された高炭素冷延鋼板の製造方法は、重量%にてC:0.3〜1.0%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.2〜2.0%、Al:0.005〜0.10%、N:0.008%以下、S:0.01%以下、及び、B:0.0030%以下を含み、残部はFe及び不可避的不純物からなる高炭素鋼の熱延鋼板を、Ac点直上の温度に加熱後徐冷してAr点以下の温度とする球状化焼鈍を施す。その後、圧下率が40%超〜80%の冷間圧延を実施する。その後、連続焼鈍法にて(Ac点−50)℃〜Ac点の温度で10〜180秒均熱の焼鈍を実施する。以上の工程により製造された高炭素冷延鋼板は、加工性及び焼入れ性に優れる、と特許文献5には記載されている。
特開2002−180186号公報 特開2002−146440号公報 特開2007−77466号公報 特開2002−309345号公報 特開平9−227935号公報
しかしながら、0.15〜0.25%のCを含有し、かつ、焼入れ性を高めるためにB等を含有した冷延鋼板の場合、特許文献1〜5の製造方法で製造されても、成形性が低くなる場合がある。さらに、バッチ焼鈍(箱焼鈍)により焼鈍を実施する場合、生産性が低い。
本発明の目的は、生産性を高めても焼入れ性及び成形性に優れる冷延鋼板の製造方法及び冷延鋼板を提供することである。
本発明による冷延鋼板の製造方法は、質量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.001〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.0050%、Ti:0〜0.050%、及び、Cr:0〜0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する熱延鋼板に対して、冷延率30〜80%で冷間圧延を実施して冷延鋼板とする工程と、冷延鋼板に対して連続焼鈍を実施する工程とを備え、連続焼鈍する工程は、冷延鋼板を、Ac変態点以上の焼鈍温度で20秒以上焼鈍する工程と、焼鈍後の冷延鋼板を310〜450℃の冷却停止温度まで冷却する工程と、冷却停止温度まで冷延鋼板を冷却した後、310〜450℃の過時効温度で20〜480秒保持する工程とを含む。
本発明による冷延鋼板は、質量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.001〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.0050%、Ti:0〜0.050%、及び、Cr:0〜0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有し、ビッカース硬さが140以下である。
本発明による冷延鋼板の製造方法は、生産性を高めても焼入れ性及び成形性に優れる冷延鋼板を製造できる。本発明による冷延鋼板は、焼入れ性及び成形性に優れる。
図1は、冷延鋼板の冷延率とビッカース硬さとの関係を示す図である。 図2は、冷延鋼板の連続焼鈍での焼鈍温度とビッカース硬さとの関係を示す図である。
0.15〜0.25%のCとBとを含有する焼入れ性に優れた冷延鋼板に対して、箱焼鈍に替えて連続焼鈍を実施すれば、生産性が高まる。そこで、本発明者らは、上述の化学組成の冷延鋼板を連続焼鈍で製造した場合の、各製造条件と冷延鋼板の成形性との関係を検討した。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
[冷延率と硬さとの関係]
成形性は冷延鋼板の硬さと密接に関係する。具体的には、冷延鋼板の硬さが低ければ、成形性が高まる。従って、冷延鋼板の成形性は、冷延鋼板の硬さで評価できる。
上述の化学組成の冷延鋼板を連続焼鈍して製造する場合、連続焼鈍後の冷延鋼板の硬さは冷間圧延時の冷延率の影響を大きく受ける。
図1は上述の化学組成の焼入れ性の高い冷延鋼板の冷延率とビッカース硬さとの関係を示す図である。図1は後述の実施例1の試験方法により得られた。
図1を参照して、冷延率が30%になるまで、冷延率の増加に伴い、冷延鋼板のビッカース硬さが急激に低下する。一方、冷延率が30%以上となれば、冷延率の増加に伴い、ビッカース硬さが徐々に増加する。そして冷延率が80%を超えれば、冷延鋼板のビッカース硬さが140を超える。
冷延率が30〜80%であれば、上述の化学組成の冷延鋼板は軟質化し、ビッカース硬さが140以下になる。その理由は定かではないが、次のとおりと考えられる。
冷延率が30%未満の場合、冷間圧延により生成する再結晶核が少ない。この場合、連続焼鈍中の再結晶速度が遅く、再結晶が進行しにくい。その結果、連続焼鈍後の冷延鋼板において、未再結晶領域が残存する。未再結晶領域はひずみを多く含むため、未再結晶領域の硬さは高い。そのため、冷延鋼板のビッカース硬さが高くなる。
一方、冷延率が80%を超える場合、冷延圧延により生成する再結晶核が過剰に多くなる。この場合、再結晶速度が速く、連続焼鈍中に再結晶が完了する。しかしながら、再結晶核が多いため、再結晶粒が微細となる。この細粒効果により、連続焼鈍後の冷延鋼板の硬さが高くなる。
冷延率が30〜80%の場合、適切な量の再結晶核が生成する。この場合、連続焼鈍中に再結晶が完了し、かつ、再結晶粒も適切な大きさになる。そのため、連続焼鈍後の冷延鋼板が軟質化し、ビッカース硬さが140以下となる。したがって、冷延率を30〜80%とし、適切な条件で連続焼鈍すれば、焼入れ性に優れ、かつ、成形性に優れた冷延鋼板を製造できる。
[焼鈍温度について]
本実施形態ではさらに、連続焼鈍の焼鈍温度をAc変態点以上とする。本発明は、箱焼鈍のようにセメンタイトの球状化による軟質化を目的とするものではない。したがって、焼鈍温度を、セメンタイトが溶解するAc変態以上としても問題ない。焼鈍温度がAc変態以上の方が、上述の化学組成の冷延鋼板において、再結晶化が促進される。その結果、冷延鋼板の硬さが十分に低下し、優れた成形性が得られる。
好ましくは、連続焼鈍の焼鈍温度を730〜780℃とする。図2は、上述の化学組成の冷延鋼板の焼鈍温度とビッカース硬さとの関係を示す図である。図2は、実施例2の試験により得られた。
図2を参照して、焼鈍温度が730〜780℃の場合、他の焼鈍温度と比較してビッカース硬さが低下する。これは、次の理由によると考えられる。焼鈍温度が730℃以上の場合、再結晶が促進され、粗粒のフェライト組織となる。そのため、冷延鋼板がさらに軟化する。一方、焼鈍温度が780℃を超えれば、焼鈍時のミクロ組織中のオーステナイト分率が高くなる。そのため、冷却時においてミクロ組織の一部がパーライト又はベイナイトに変態する。その結果、ミクロ組織は粗粒ではあるが、硬質組織であるパーライト又はベイナイトを含む。そのため、冷延鋼板の硬さが高くなる。したがって、好ましい焼鈍温度は730〜780℃である。
以上の知見により完成した本発明による冷延鋼板の製造方法は、質量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.001〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.0050%、Ti:0〜0.050%、及び、Cr:0〜0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する熱延鋼板に対して、冷延率30〜80%で冷間圧延を実施して冷延鋼板とする工程と、冷延鋼板に対して連続焼鈍を実施する工程とを備え、連続焼鈍する工程は、冷延鋼板を、Ac変態点以上の焼鈍温度で20秒以上焼鈍する工程と、焼鈍後の冷延鋼板を310〜450℃の冷却停止温度まで冷却する工程と、冷却停止温度まで冷延鋼板を冷却した後、310〜450℃の過時効温度で20〜480秒保持する工程とを含む。
好ましくは、焼鈍する工程では、冷延鋼板を、730〜780℃の焼鈍温度で焼鈍する。
上記熱延鋼板の化学組成は、Ti:0.005〜0.050%、及び、Cr:0.05〜0.50%からなる群から選択される1種以上を含有してもよい。
本発明による冷延鋼板は、質量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0.001〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.005%以下、B:0.0003〜0.0050%、Ti:0〜0.050%、及び、Cr:0〜0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有し、ビッカース硬さが140以下である。
上記冷延鋼板の化学組成は、Ti:0.005〜0.050%、及び、Cr:0.05〜0.50%からなる群から選択される1種以上を含有してもよい。
以下、本発明の冷延鋼板の製造方法について詳述する。元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
本実施形態による冷延鋼板の製造方法は、熱延鋼板に対して冷間圧延を実施して冷延鋼板を製造する工程(冷延工程)と、冷延鋼板に対して連続焼鈍炉を用いて連続焼鈍を実施する工程(連続焼鈍工程)とを備える。以下、各工程について詳述する。
[冷延工程]
初めに、熱延鋼板を準備する。熱延鋼板の化学組成は、次の元素を含有する。
[必須元素について]
C:0.15〜0.25%
炭素(C)は、焼入後の鋼の強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、焼入前の鋼の強度及び硬さが高くなりすぎ、成形性が低下する。したがって、C含有量は0.15〜0.25%である。C含有量の好ましい下限は0.17%である。C含有量の好ましい上限は0.23%である。
Si:0.001〜0.50%
シリコン(Si)は、固溶して鋼の強度を高めるので、低いほうが好ましい。したがって、Si含有量は0.001〜0.50%である。Siをいたずらに低下させることはコスト増を招くので、好ましい下限は0.01%である。Si含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.10%である。
Mn:0.5〜1.5%
マンガン(Mn)は、鋼の焼入れ性を高める。Mn含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼の成形性が低下する。したがって、Mn含有量は0.5〜1.5%である。Mn含有量の好ましい上限は1.0%であり、さらに好ましくは0.8%である。
P:0.10%以下
燐(P)は不純物である。Pは固溶強化元素であり、鋼の成形性を低下する。また、粒界偏析して、焼入後の靭性を低下させる。したがって、P含有量は0.10%以下である。P含有量の好ましい上限は0.06%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。
S:0.010%以下
硫黄(S)は不純物である。Sは硫化物を形成し、鋼の成形性を低下する。したがって、Sの含有量は0.010%以下である。S含有量の好ましい上限は0.005%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。
Al:0.001〜0.10%
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Al含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、鋼が脆化する。したがって、Al含有量は0.001〜0.10%である。本明細書において、Al含有量はsol.Al(酸可溶Al)を意味する。
N:0.005%以下
窒素(N)は不純物である。NはBと結合してBNを形成し、固溶B量を減少する。そのため、冷延鋼板の焼入れ性が低下する。したがって、N含有量は0.005%以下である。N含有量はなるべく低い方が好ましいが、製鋼コストが増加するので、N含有量の好ましい下限は0.0005%である。
B:0.0003〜0.0050%
ボロン(B)は鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。B含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、B含有量が高すぎれば、鋼の成形性が低下する。したがって、B含有量は0.0003〜0.0050%である。B含有量の好ましい下限は0.0010%であり、さらに好ましくは0.0015%である。B含有量の好ましい上限は0.0040%であり、さらに好ましくは0.0030%である。
本実施の形態による熱延鋼板の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、不純物とは、熱延鋼板を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入されるものである。
[任意元素について]
上述の熱延鋼板はさらに、Feの一部に代えて、Ti及びCrからなる群から選択される1種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、鋼の強度を高める。
Ti:0〜0.050%
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。Tiは、Nと結合してTiNを形成し、焼入れ時の結晶粒の粗粒化を抑制し、焼入後の鋼の靭性を高める。また、Bと結合するNを減少させ、Bの焼入性効果を高める。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、鋼の成形性が低下する。したがって、Ti含有量は0〜0.050%である。上述の効果を得るためのTi含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.015%である。Ti含有量の好ましい上限は0.040%である。
Cr:0〜0.50%
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、鋼の成形性が低下する。したがって、Cr含有量は0〜0.50%である。焼入れ性を高めるためにより有効なCr含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.1%である。Cr含有量の好ましい上限は0.3%である。
以上の化学組成を有する熱延鋼板は、周知の方法で製造される。具体的には、上述の化学組成を有する素材を製造する。素材はたとえば、スラブや鋼片である。素材がスラブの場合、連続鋳造法によりスラブを製造する。連続鋳造後のスラブをそのまま、又は、連続鋳造後のスラブを冷却後に加熱して、熱間圧延(粗圧延及び仕上げ圧延)を実施し、熱延鋼板を製造する。製造された熱延鋼板を、ランアウトテーブルで冷却する。冷却後の熱延鋼板を巻取り、コイルにする。好ましい巻取り温度は550〜700℃である。さらに、酸洗工程において、酸化スケールを除去する。
冷延工程では、上述の熱延鋼板(コイル)に対して、冷間圧延を実施して冷延鋼板とする。冷間圧延における冷延率は次のとおりである。
冷延率:30〜80%
冷延率を30〜80%とする。上述のとおり、冷延率が30%未満であれば、冷間圧延後の冷延鋼板中の再結晶核が少ない。したがって、連続焼鈍において再結晶速度が遅く、再結晶が十分に進まない。その結果、連続焼鈍後においても、未再結晶領域が残存する。未再結晶領域の硬さは高いため、冷延鋼板の硬さが高くなりすぎ、成形性が低下する。一方、冷延率が80%を超えれば、冷間鋼板中に過剰に多い再結晶核が生成する。この場合、連続焼鈍後の冷延鋼板において、再結晶粒が細粒になる。この細粒効果により冷延鋼板の硬さが高くなりすぎ、成形性が低下する。
冷延率が30〜80%であれば、冷延後の冷延鋼板中に適量の再結晶核が生成する。そのため、連続焼鈍後の冷延鋼板において、未再結晶領域の残存が抑制され、適切な粒径の再結晶粒が生成する。そのため、冷延鋼板の硬さが低く、成形性に優れる。
冷延率の好ましい上限は70%であり、さらに好ましくは60%である。この場合、再結晶粒の粒径も十分に大きくなる。そのため、冷延鋼板の硬さがさらに低下し、成形性がさらに高まる。冷延率の好ましい下限は40%である。この場合、未再結晶領域がさらに残存しにくくなる。
冷間圧延直前の熱延鋼板の厚さt0(mm)と、冷間圧延後の冷延鋼板の厚さt1(mm)とを用いて、冷延率(%)は次の式で表される。
冷延率=(t0−t1)/t0×100
以上の条件により、熱延鋼板を冷間圧延して、冷延鋼板とする。
[連続焼鈍工程]
冷延鋼板に対して、連続焼鈍装置を用いた連続焼鈍を実施する。連続焼鈍装置は、炉体部を備える。炉体部は、入側から出側に向かって順に、加熱帯、均熱帯、冷却帯を含む。冷却帯は入側から出側に向かって順に、一次冷却装置、過時効炉、最終冷却装置を含む。
連続焼鈍装置を用いた連続焼鈍工程は、焼鈍工程と、第1冷却工程と、過時効工程と、第2冷却工程とを含む。以下、各工程について詳述する。
[焼鈍工程]
初めに、冷延鋼板を焼鈍する(焼鈍工程)。焼鈍工程における各条件は次のとおりである。
焼鈍温度:Ac変態点以上
加熱帯及び均熱帯において、冷延鋼板を加熱し、Ac変態点以上で均熱する。この場合、再結晶が促進され、再結晶粒が生成する。焼鈍温度がAc変態点未満であれば、焼鈍後の冷延鋼板において未再結晶領域が残存する。この場合、冷延鋼板の硬さが高くなりすぎる。
上記のとおり、焼鈍温度の好ましい範囲は730〜780℃である。この場合、適切な粒径の再結晶粒が生成し、さらに、ベイナイト及びパーライト等の硬質組織の生成が抑制される。そのため、冷延鋼板のビッカース硬さが低下する。焼鈍温度のさらに好ましい下限は740℃である。焼鈍温度のさらに好ましい上限は760℃である。
焼鈍時間:20秒以上
焼鈍時間は20秒以上である。焼鈍時間が20秒未満であれば、焼鈍中に再結晶が進行しにくく、焼鈍後において、未再結晶領域が残存する。焼鈍時間が20秒以上であれば、焼鈍中に再結晶が進み、未再結晶領域の残存を抑制できる。焼鈍時間の上限は特に限定されない。焼鈍時間の好ましい上限は110秒である。焼鈍時間を110秒を越えて保持しても、軟質化は飽和する。したがって、生産性の観点から焼鈍時間の好ましい上限は110秒である。
[第1冷却工程]
第1冷却工程では、焼鈍後の冷延鋼板を冷却停止温度まで冷却する。冷延鋼板の温度が冷却停止温度になったとき、冷却を停止する。第1冷却工程は、連続焼鈍装置の冷却帯(一次冷却装置)で実施される。第1冷却工程での条件は次のとおりである。
冷却停止温度:310〜450℃
冷却停止温度が310℃未満であれば、冷延鋼板にマルテンサイト、ベイナイト及びパーライト等の硬質組織が生成しやすい。この場合、冷延鋼板の硬さが高くなる。一方、冷却停止温度が450℃を超えれば、鋼中の固溶Cが炭化物として十分に析出せず、固溶Cが鋼中に残存する。この場合、冷延鋼板の強度及び硬さが高くなる。冷却停止温度が310〜450℃であれば、硬質組織の生成が抑制され、炭化物が析出して固溶Cが十分に低減する。そのため、冷延鋼板の硬さが低下する。
冷却停止温度までの平均冷却速度Rc:好ましくは10℃/秒以上、さらに好ましくは30℃/秒以上
冷却速度が速いほど、過飽和固溶C量が多くなり、過時効処理中の固溶C析出が促進され、軟質になり易い。
[過時効工程]
冷延鋼板を冷却停止温度まで冷却した後、過時効処理を実施する(過時効工程)。過時効処理は、連続焼鈍装置の冷却帯内の過時効炉を用いて実施される。過時効工程での条件は次のとおりである。
過時効温度:310〜450℃
過時効温度が低すぎれば、硬質組織が生成して冷延鋼板の硬さが高くなる。一方、過時効温度が高すぎれば、固溶Cが十分に析出せずに鋼中に残存するため、冷延鋼板の硬さが高くなる。過時効温度が310〜450℃であれば、硬質組織の生成が抑制され、炭化物が析出して固溶Cが十分に低減する。そのため、冷延鋼板の硬さが低下する。
過時効時間:20〜480秒
上記過時効温度での保持時間(過時効時間)が短すぎれば、固溶Cが十分に析出せず、鋼中に残存する。この場合、冷延鋼板の硬さが高くなる。一方、過時効時間が長すぎれば、生産性が低下する。したがって、過時効時間は20〜480秒である。
[第2冷却工程]
第2冷却工程では、過時効工程後の冷延鋼板を常温まで冷却する。第2冷却工程は、冷却帯中の最終冷却装置で実施される。常温までの冷却方法は特に限定されない。たとえば、過時効工程後の冷延鋼板を常温まで放冷する。以上の工程により冷延鋼板を製造する。
[冷延鋼板]
上述の製造方法により製造された本実施形態の冷延鋼板は、上述の熱延鋼板と同じ範囲の化学組成を有する。本実施形態の冷延鋼板ではさらに、ビッカース硬さが140以下である。本実施形態の冷延鋼板は、上述の製造方法により、ビッカース硬さを140以下に抑えられる。そのため、成形性に優れる。さらに、上述の化学組成を有するため、焼入れ性が高い。そのため、プレス成形等で成形された冷延鋼板に対して焼入れ及び焼戻しを実施した場合、高い強度が得られる。
冷延鋼板のビッカース硬さは次の方法で測定される。冷延鋼板の断面において、表面から板厚の1/4深さ位置の任意の5点で、JIS Z2244(2009)に準拠したビッカース硬さ試験を実施する。試験力は4.9Nとする。得られたビッカース硬さの平均を、その冷延鋼板のビッカース硬さとする。
上述の化学組成を有する冷延鋼板の冷延率とビッカース硬さとの関係を調査した。具体的には、表1中の鋼Aの化学組成を有する溶鋼を製造した。
Figure 2020029620
表1中の「Ac点(℃)」には、各鋼の計算Ac変態点(℃)が記載されている。溶鋼を用いて造塊法によりインゴットにした。インゴットを熱間鍛造してスラブを製造した。スラブを1250℃に加熱した後、熱間圧延して、厚さ2mmの熱延鋼板を製造した。熱延鋼板の仕上げ温度は840℃以上であった。
圧延後の熱延鋼板を630℃になるまでスプレー冷却により冷却した。熱延コイル巻取りを模擬するため、冷却された熱延鋼板を630℃に保持した炉内に装入し、その後、室温まで徐冷した。したがって、本実施例では、630℃の巻取り温度を想定した。
徐冷後の熱延鋼板に対して酸洗を実施してスケールを除去した。その後、熱延鋼板に対して種々の冷延率で冷間圧延を実施して冷延鋼板とした。
連続焼鈍シミュレータを用いて、冷延鋼板に対して連続焼鈍を実施した。具体的には、冷延鋼板を10℃/秒の昇温速度で740℃まで加熱した。冷延鋼板を740℃で40秒保持した。その後、570℃まで7℃/秒の冷却速度で緩冷却した。さらに、570℃から350℃まで40℃/秒で冷延鋼板を急冷した。冷延鋼板を350℃で40秒保持した後、室温まで20℃/秒で冷却した。
[ビッカース硬さ試験]
以上の製造工程により製造された冷延鋼板のビッカース硬さを、上述の方法により測定した。
[試験結果]
上記試験により得られたビッカース硬さと冷延率との関係を図1に示す。図1を参照して、冷延率が30〜80%の場合、冷延鋼板のビッカース硬さは140以下であった。さらに、冷延率が30〜70%の場合、ビッカース硬さは135以下となった。冷延率が30〜60%の場合、ビッカース硬さは133以下となった。冷延率が30〜50%の場合、ビッカース硬さは130以下となった。
上述の化学組成を有する冷延鋼板の焼鈍温度とビッカース硬さとの関係を調査した。具体的には、表1の鋼Aの化学組成を有する溶鋼を製造した。溶鋼を用いて、実施例1と同じ条件で厚さ2mmの熱延鋼板を製造した。熱延鋼板を実施例1と同じ条件でスプレー冷却し、熱延コイル巻取りを模擬して実施例1と同じ条件で炉内で徐冷した。
徐冷後の熱延鋼板に対して酸洗を実施してスケールを除去した。その後、熱延鋼板に対して50%の冷延率で冷間圧延を実施して冷延鋼板とした。
連続焼鈍シミュレータを用いて、冷延鋼板に対して連続焼鈍を実施した。具体的には、各冷延鋼板を10℃/秒の昇温速度で700〜800℃の範囲内の種々の焼鈍温度まで加熱した。冷延鋼板を焼鈍温度で40秒保持した。その後、(焼鈍温度−170℃)の温度まで7℃/秒の冷却速度で緩冷却した。さらに、その温度からから350℃まで40℃/秒で冷延鋼板を急冷した。冷延鋼板を350℃で40秒保持した後、室温まで20℃/秒で冷却し、冷延鋼板を製造した。
[ビッカース硬さ試験]
製造された冷延鋼板のビッカース硬さを、実施例1と同じ方法で測定した。
[試験結果]
上記試験により得られたビッカース硬さと焼鈍温度との関係を図2に示す。図2を参照して、いずれの焼鈍温度も鋼AのAc変態点を超えた。そのため、Ac変態点〜800℃の焼鈍温度では、いずれの冷延鋼板のビッカース硬さも140以下であった。
焼鈍温度が730〜780℃の場合はさらに、他の焼鈍温度と比較してビッカース硬さが顕著に低く、131以下であった。焼鈍温度が740〜760℃の場合はさらに、ビッカース硬さが130未満と低くなった。
種々の条件で連続焼鈍を実施して複数の冷延鋼板を製造し、各冷延鋼板のビッカース硬さを求めた。
具体的には、表1中の鋼Aの化学組成を有する溶鋼を製造した。溶鋼を用いて、実施例1と同じ条件で厚さ2mmの熱延鋼板を製造した。熱延鋼板を実施例1と同じ条件でスプレー冷却し、熱延コイル巻取りを模擬して実施例1と同じ条件で炉内で徐冷した。徐冷後の熱延鋼板に対して酸洗を実施してスケールを除去した。その後、熱延鋼板に対して50%の冷延率で冷間圧延を実施して冷延鋼板とした。
連続焼鈍シミュレータを用いて、冷延鋼板に対して連続焼鈍を実施した。連続焼鈍の種々の条件(焼鈍温度(℃)、焼鈍時間(秒)、冷却停止温度(℃)、過時効温度(℃)、過時効時間(秒))は、表2に示すとおりであった。なお、焼鈍温度から冷却停止温度までの冷却では、中間温度(=焼鈍温度−170℃)まで7℃/秒の冷却速度で緩冷却した。さらに、中間温度から冷却停止温度まで40℃/秒で冷延鋼板を急冷した。冷却停止温度まで冷却した後、冷延鋼板を過時効温度(℃)に維持し、過時効時間(秒)保持した。過時効時間経過後、室温まで20℃/秒で冷却した。
Figure 2020029620
[ビッカース硬さ試験]
製造された冷延鋼板のビッカース硬さを、実施例1と同じ方法で測定した。
[試験結果]
表2に試験結果を示す。表2を参照して、試験番号2−2及び2−7では、製造条件が適切であったため、冷延鋼板のビッカース硬さが140以下であった。
一方、試験番号2−1では、焼鈍時間が短すぎた。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。焼鈍時間が短すぎたため、再結晶が完了せず、硬さの高い未再結晶領域が残存したため、ビッカース硬さが高くなったと考えられる。
試験番号2−3では、焼鈍温度がAc変態点未満であった。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。焼鈍温度が低すぎたため再結晶が進まず、硬さの高い未再結晶領域が残存したため、ビッカース硬さが高くなったと考えられる。
試験番号2−4では、冷却停止温度が低すぎた。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。冷却停止温度が低すぎたため、冷延鋼板のミクロ組織が硬質組織を含み、その結果、ビッカース硬さが高くなったと考えられる。
試験番号2−5では、冷却停止温度及び過時効温度が低すぎた。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。冷却停止温度及び過時効温度が低すぎたため、冷延鋼板のミクロ組織が硬質組織を含み、その結果、ビッカース硬さが高くなったと考えられる。
試験番号2−6では、過時効時間が短すぎた。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。過時効時間が短すぎたため、固溶Cが十分に析出せず、その結果、ビッカース硬さが高くなったと考えられる。
試験番号2−8では、冷却停止温度及び過時効温度が高すぎた。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。冷却停止温度及び過時効温度が高すぎたため、固溶Cが十分に析出せず、その結果、ビッカース硬さが高くなったと考えられる。
種々の冷延率で複数の冷延鋼板を製造し、各冷延鋼板のビッカース硬さを求めた。
具体的には、表1中の鋼B〜鋼Eの化学組成を有する溶鋼を用いて、実施例1と同じ条件で厚さ2mmの熱延鋼板を製造した。各熱延鋼板を実施例1と同じ条件でスプレー冷却し、熱延コイル巻取りを模擬して実施例1と同じ条件で炉内で徐冷した。徐冷後の熱延鋼板に対して酸洗を実施してスケールを除去した。その後、熱延鋼板に対して表に示す冷延率で冷間圧延を実施して冷延鋼板を製造した。
Figure 2020029620
連続焼鈍シミュレータを用いて、冷延鋼板に対して連続焼鈍を実施した。具体的には、冷延鋼板を10℃/秒の昇温速度で740℃まで加熱した。冷延鋼板を740℃で40秒保持した。その後、570℃まで7℃/秒の冷却速度で緩冷却した。さらに、570℃から350℃まで40℃/秒で冷延鋼板を急冷した。冷延鋼板を350℃で40秒保持した後、室温まで20℃/秒で冷却した。
[ビッカース硬さ試験]
製造された冷延鋼板のビッカース硬さを、実施例1と同じ方法で測定した。
[試験結果]
試験結果を表3に示す。表3を参照して、試験番号3−2、3−5、及び、3−11の化学組成は適切であり、かつ、冷延率は30〜80%であった。そのため、連続焼鈍後の冷延鋼板のビッカース硬さが140以下であった。
一方、試験番号3−1、3−4、及び、3−10の化学組成は適切であったものの、冷延率が30%未満であった。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。
試験番号3−3,3−6、及び、3−12の化学組成は適切であったものの、冷延率が80%を超えた。そのため、ビッカース硬さが140を超えた。
試験番号3−7〜3−9の冷延鋼板(鋼D)のMn含有量は高すぎた。そのため、ビッカース硬さは140を超えた。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.17〜0.25%、
    Si:0.001〜0.50%、
    Mn:0.5〜1.0%、
    P:0.10%以下、
    S:0.010%以下、
    Al:0.001〜0.10%、
    N:0.0045%以下、
    B:0.0003〜0.0030%、
    Ti:0〜0.050%、及び、
    Cr:0〜0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有し、
    ビッカース硬さが130以下である、冷延鋼板。
  2. 請求項1に記載の冷延鋼板であって、
    前記化学組成は、Ti:0.005〜0.050%、及び、Cr:0.05〜0.50%からなる群から選択される1種以上を含有する、冷延鋼板。
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