JP2020029390A - アルミニウムシリコンカーバイドの製造方法 - Google Patents

アルミニウムシリコンカーバイドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多くのエネルギーを消費することなく、アルミニウムシリコンカーバイドを効率良く製造する。【解決手段】アルミニウム粉末、ケイ素粉末及び炭素粉末を含む原料粉末に、フッ素樹脂等のC−F結合を有する反応促進剤を加え、アルゴン雰囲気中、加圧下で自己燃焼合成を行うことで、低消費エネルギーでアルミニウムシリコンカーバイドを容易に得ることが可能となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミニウムシリコンカーバイドの製造方法に関し、特に、アルミニウムシリコンカーバイドを燃焼合成法により短時間で効率的に製造する方法に関する。
機能性複合炭化物は通常の炭化物とは異なり、その組み合わせによって優れた耐熱性や耐酸化性等の特性を有するため、耐火物や大気炉用ヒーター等の分野で新材料としての研究が進められている。中でもAlSiCで表されるアルミニウムシリコンカーバイドは2037℃の融点を有する安定な化合物である(非特許文献1参照)ことから、例えば、高温大気中での耐酸性を必要とする発熱体などの導電性セラミックスの原料(特許文献1参照)として、或いは耐火性コーティング液の添加材(特許文献2参照)や耐火性れんがの酸化防止剤(特許文献3参照)等として期待されている材料である。
アルミニウムシリコンカーバイドの製造方法の一つとして、アルミニウム粉末、ケイ素粉末及び炭素粉末からなる混合物を原料として、真空もしくはアルゴン雰囲気中で反応させる方法が知られている(前記特許文献1、3、非特許文献1)。この方法はプロセスが単純で比較的安価にアルミニウムシリコンカーバイドを製造できる。しかし、一方で、本手法は比較的反応速度が遅いうえにアルミニウムの融点が約660℃と低いため、それ以上の反応温度でアルミニウムが溶融し、合成した粉末中に凝集して残存するという課題がある。
また、前記特許文献3では、前記原料粉末の加熱方法として、不活性雰囲気下でマイクロ波を用いる方法が提案されている。しかしながら、不活性雰囲気として代表的なアルゴンは、単分子原子のため、マイクロ波で放電してプラズマが発生し、加熱・温度の制御が困難である。
また、他の製造方法として、酸化アルミニウム、酸化ケイ素を炭素の熱還元法で製造する方法(非特許文献2参照)や、カオリン等のアルミナ−シリカ系天然原料を用い、これと炭素の混合粉を加熱して熱還元法により安価に製造する方法(非特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、いずれの方法も合成時に高温が必要とされるため、多くのエネルギーを必要とする。
特開2007−8793号公報 国際公開2017/73115号 特開2014−156366号公報
J.Ceram.Soc.Jpn.,110[11]1010-1015(2002) J.Ceram.Soc.Jpn.,115[11]761-766(2007) J.Am.Ceram.Soc.,86[6]1028-1030(2003)
本発明の目的は、上記従来技術に鑑み、耐火物や大気炉用等の分野において優れた耐久性を有する材料として期待されているアルミニウムシリコンカーバイドを、低コスト、省エネルギー消費プロセスによって製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、アルミニウム(Al)粉末、ケイ素(Si)粉末及び炭素(C)粉末を含む原料粉末にC−F結合を有する反応促進剤を添加し、得られた混合粉末を、アルゴン雰囲気中、加圧下で燃焼させて自己燃焼反応させることで、少量の外部エネルギーの投入によって効率的にアルミニウムシリコンカーバイド(AlSiC)を合成できることを見出した。また、この手法によれば、反応時に溶融したアルミニウムが凝固して反応生成物中に残存するということがなく、均一なアルミニウムシリコンカーバイドが得られることも判明した。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであり、以下の技術的手段から構成される。
〈1〉アルミニウム粉末、ケイ素粉末及び炭素粉末を含む原料粉末にC−F結合を有する反応促進剤を添加し、得られた混合粉末をアルゴン雰囲気中、加圧下で燃焼させて自己発熱による燃焼反応によりアルミニウムシリコンカーバイドとすることを特徴とするアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
〈2〉前記加圧下の圧力が、0.5MPa以上5MPa以下であることを特徴とする〈1〉に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
〈3〉前記反応促進剤が、フッ素樹脂であることを特徴とする〈1〉又は〈2〉に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
〈4〉前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、及びクロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〈3〉に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
〈5〉前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである〈4〉に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
〈6〉前記反応促進剤の量が、前記原料粉末100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下であることを特徴とする〈1〉〜〈5〉のいずれかに記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
〈7〉前記原料粉末におけるアルミニウム及び炭素が、ケイ素1モルに対して、それぞれ4モル以上5モル以下であることを特徴とする〈1〉〜〈6〉のいずれかに記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
本発明によれば、従来と比較して低消費電力である燃焼合成法によってアルミニウムシリコンカーバイドを合成、提供することが可能となる。また、本発明によれば、反応時に溶融したアルミニウムが凝固して反応生成物中に残存するということがなく、均一なアルミニウムシリコンカーバイドを合成、提供することが可能となる。
実施例1において、圧力3MPaで得られた反応生成物のエネルギー分散型X線分析付き走査型電子顕微鏡写真 比較例1において得られた粉末の光学顕微鏡写真
本発明のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法は、アルミニウム(Al)粉末、ケイ素(Si)粉末、及び炭素(C)粉末を含む原料粉末に、分子内にC−F結合を有する反応促進剤を加え、アルゴン加圧下で自己燃焼合成を行うことで、低消費エネルギーでアルミニウムシリコンカーバイドを得ることを特徴とする。
以下、さらに本発明を詳しく説明する。
〈原料粉末〉
本発明のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法における原料粉末は、アルミニウム(Al)粉末、ケイ素(Si)粉末、及び炭素(C)粉末を含む。
(アルミニウム粉末)
反応温度がアルミニウムの融点よりも高く、流動及び揮発が生じるためアルミニウム粉末の粒径は小さい必要はなく、100μm以下であれば良好に反応が進む。一方で、粒径を10μm以上にすることにより、発火性等の危険や酸化している部分を少なくすることができる。そのためアルミニウム粉末の粒径は10μm以上100μm未満が好ましく、より好ましくは10μm以上50μm未満、さらに好ましくは10μm以上μm未満であることが好ましい。
(ケイ素粉末)
ケイ素粉末は、融点が1320℃と高く、燃焼合成過程でアルミニウムよりも流動しにくいため、微細な粉末の方が好ましいが、微細過ぎると酸素量が多くなり、かつ高価になるので、粒子径が1μm以上50μm未満のケイ素粉末が好ましく、より好ましくは5μm以上30μm未満、さらに好ましくは5μm以上20μm未満である。
(炭素粉末)
また、炭素源としてグラファイト粉末、カーボンブラック粉末、有機高分子の炭化による不定形炭素等が考えられるが、不純物が少ない炭素源であればその種類は問わない。
本発明では、これらの粉末を、遊星ミルなどを用いて乾式混合し、或いは湿式混合した後乾燥させ、所定の眼開きを有するふるいを通過させて、原料粉末とするのが好ましい。
原料粉末におけるアルミニウム粉末、ケイ素粉末及び炭素粉末は、AlSiCが得られるように配合されるが、アルミニウムは融点が低く反応温度近傍で蒸発することから、ケイ素に対して多めに配合してもよい。アルミニウム粉末は、ケイ素1モルに対して、好ましくは4モル以上5モル以下、より好ましくは4以上4.2モル以下となるように配合する。
同様に、炭素は粉末原料中に含まれる酸素と反応して二酸化炭素を生成するため、ケイ素に対して多めに配合してもよい。炭素粉末は、ケイ素1モルに対して、好ましくは4モル以上5モル以下、より好ましくは4モル以上4.2モル以下となるように配合する。
〈反応促進剤〉
従来の、アルミニウム粉末、ケイ素粉末及び炭素粉末からなる原料粉末を反応させる方法(非特許文献1等参照)においては、固相のSi及びCが、加熱により気相又は液相となっているAlと反応する為、固相であるSi及びCの拡散速度(移動速度)がネックとなり、反応に時間を要していた。
これに対して、本発明において原料粉末に添加されるC−F結合を有する反応促進剤は、C−Fの結合が分解するときにラジカルが生じ、Siと反応することで気相のSiCができる。本発明の方法においては、このSiCが、反応温度で気相又は液相となっているAlと反応するため、従来の固相反応ではなく、拡散速度(物質移動)が速い気相・液相反応となることから、反応が促進され、反応時間が短縮される。
本発明において反応促進剤は、分子中にC−F結合を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは、フッ素含有モノマーの重合体或いは共重合体等のフッ素樹脂が用いられる。
最も好適なフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であるが、その他、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)等を用いることができる。
これらのフッ素樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるC−F結合を有する反応促進剤は、粉体として原料粉末に添加されるが、少なすぎると反応を持続させるのが困難であり、逆に多すぎると、ガス化反応が激しくなって粉末が舞ってしまうために合成時の収率が低下する。このため、反応促進剤の添加量は、原料粉末100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以上20質量部以下であり、さらに好ましくは10質量部以上20質量部以下であり、この範囲であれば高収率でアルミニウムシリコンカーバイドの回収が可能となる。
〈燃焼合成〉
本発明のアルミニウムシリコンカーバイド(AlSiC)は、原料粉末とC−F結合を有する反応促進剤とからなる混合粉末を、アルゴン雰囲気中、加圧下で燃焼させて自己発熱による燃焼反応により合成される。
原料粉末と反応促進剤からなる混合粉末は、そのまま燃焼させることもできるが、ペレット状に成形し、得られた成形体を用いることもできる。
具体的には、混合粉末をペレット状に圧成形することで成形体を得、得られた成形体と着火剤を燃焼合成装置に設置し、装置内を真空にした後、アルゴンを導入し、所定の圧力まで加圧した後、外部より着火して燃焼させ、自己燃焼反応によりアルミニウムシリコンカーバイド粉末を合成する。
燃焼合成時のアルゴン圧力は、低圧力であるほど容器の設備が簡素化可能であるが、あまり圧力が低いと添加した反応促進剤の気化が促進され、燃焼反応が進行うまく進行しない。そのため、0.5MPa以上の圧力が必要で、その際の圧力範囲は0.5MPa以上5MPa以下であるが、好ましくは1MPa以上5MPa以下であり、より好ましくは2MPa以上3MPa以下である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、以下の実施例は、本発明の好適な例を示すものであり、本発明は、該実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
主原料としてアルミニウム粉末(高純度化学社製、平均粒子径10μm)、ケイ素粉末(Si600、山石金属社製、平均粒子径30μm以下)、及びカーボンブラック(4000B、 三菱化学社製、平均粒子径0.024μm)を使用した。各粉末をアルミニウム:ケイ素:炭素のモル比が4:1:4の組成になるように秤量し、遊星ミルによって乾式混合し、目開き140番のふるいを通して原料粉末を作製した。
該原料粉末100質量部に対してPTFE粉末(高純度科学社製、平均粒径5μm)10質量部を添加し、乳鉢により混合した。得られた混合粉末を、圧力10MPaで、φ30mm、厚さ10mmのペレット状に一軸成形することで成形体を得た。
得られた成形体を燃焼合成装置(AKICO社製)に設置した。成形体を着火するための着火剤としてチタン粉末と炭素粉末を等モルで混合した粉末をφ20mm、厚さ5mmに成形したものを用いた。成形体と着火剤を設置後、真空ポンプにて0.1Paまで約0.5時間真空引きした後、アルゴンを導入、下記の表1に示す各圧力まで加圧し、ヒーターに通電してチタン粉末と炭素粉末からなる着火剤を燃焼させ、その燃焼熱によって、混合粉末の成形体を自己燃焼させ、反応生成物を得た。反応時間は数分で、真空引きから冷却までに要した時間は1時間であった。
得られた反応生成物を粉末状にした後、X線回折及びエネルギー分散型X線分析(EDX)付き走査型電子顕微鏡(SEM)によって分析した。その結果を表1に示す。
表1に示すとおり、圧力が0.5MPaでは、主成分がAlSiCであり、Al、Si、Cの結晶相も確認された。また、圧力が1MPaの場合、Al、Si、Cの結晶相は確認されず、ほとんどがAlSiCだったが、わずかにAlも確認された。また、圧力が2MPaでは、殆どの場合、単相のAlSiCが得られたが、生成物の一部にAlが含まれる場合が若干あった。さらに、圧力が3MPa以上では単相のAlSiCが得られた。
図1は、圧力3Mpaで得られた反応生成物のSEM写真である。
(実施例2)
本実施例においては、圧力を1MPaとし、原料粉末に添加するPTFEの量を、下記の表2に示す各量とした以外は、前記実施例1と同じ条件で、混合粉末の成形体を自己燃焼させ、反応生成物を得た。
得られた反応生成物を粉末状にした後、X線回折及びエネルギー分散型X線分析(EDX)付き走査型電子顕微鏡(SEM)によって分析した。その結果を表2に示す。
表2に示すとおり、PTFEの添加量が5重量部以上で、単相のAlSiCが得られた。
また、圧力を1MPaから2MPaに変えた以外は、同じ条件で反応生成物を得たところ、PTFEの添加量が3重量部で単相のAlSiCが得られたが、それ未満の添加量では単相のAlSiCは得られなかった。
(比較例1)
主原料としてアルミニウム粉末(高純度化学社製、平均粒子径10μm)、ケイ素粉末(Si600、山石金属社製、平均粒子径30μm以下)、及びカーボンブラック(4000B、 三菱化学社製、平均粒子径0.024μm)を使用した。各粉末をアルミニウム:ケイ素:炭素モル比が4:1:4の組成になるように秤量し、遊星ミルによって乾式混合し、目開き140番のふるいを通して混合粉末を作製した。
得られた混合粉末を、アルゴン雰囲気炉にて1500℃で4時間の熱処理を行った。
合成時間は、前記実施例1における燃焼合成が1時間であるのに対して、真空引き、加熱、冷却込みで24時間必要であった。
得られた粉末をX線回折及びSEMによって分析した。
図2は、得られた粉末の光学顕微鏡写真である。
得られた粉末はAlSiCであったが、図2に示すように、粉末中に溶融・凝固したアルミニウムが存在していた。
(比較例2)
本比較例においては、雰囲気を、下記の表3に示す窒素(0.1MPa)、真空(0.1Pa)、又はアルゴン(0.1MPa)とした以外は、前記実施例1と同じ条件で、混合粉末の成形体を自己燃焼させ、反応生成物を得た。
得られた反応生成物の粉末を、X線回折及びエネルギー分散型X線分析(EDX)付き走査型電子顕微鏡(SEM)によって分析した。結果を表3に示す。
表3に示すとおり、いずれの試料も完全には燃焼せず、真空の場合は、ほんのわずかしか燃焼せず、生成物からは原料のAl、Si、Cが確認された。また、窒素の場合はわずかに燃焼しAlSiCが確認されたが、そのAlNと出発原料であるAl、Si、Cも確認された。常圧アルゴン雰囲気の場合、窒素の場合と比較して少ないがAlSiCが確認され、その以外は出発原料であるAl、Si、Cのみであった。いずれの雰囲気でも単相のAlSiCを得ることはできなかった。
本発明により得られるアルミニウムシリコンカーバイドは、耐火物や大気炉用ヒーター等の分野において耐久性に優れた材料として期待されており、本発明はそれを低消費エネルギーで効率良く製造する方法を提供するものである。

Claims (7)

  1. アルミニウム粉末、ケイ素粉末及び炭素粉末を含む原料粉末にC−F結合を有する反応促進剤を添加し、得られた混合粉末をアルゴン雰囲気中、加圧下で燃焼させて自己発熱による燃焼反応によりアルミニウムシリコンカーバイドとすることを特徴とするアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
  2. 前記加圧下の圧力が、0.5MPa以上5MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
  3. 前記反応促進剤が、フッ素樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
  4. 前記上記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、及びクロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
  5. 上記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンである請求項4に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
  6. 前記反応促進剤の量が、前記原料粉末100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
  7. 前記原料粉末におけるアルミニウム及び炭素が、ケイ素1モルに対して、それぞれ4モル以上5モル以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウムシリコンカーバイドの製造方法。
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