JP2020029350A - 起伏装置 - Google Patents
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図1〜図5を参照して、第1実施形態の起伏装置20を備えるクレーン1について説明する。
起伏ウインチ21が、起伏ロープ23を巻き取りおよび繰り出しすると、下部スプレッダ60と上部スプレッダ70との間隔が変わる。クレーン1の使用時には、上部スプレッダ70とブーム15の先端部とがガイライン25で接続されているので、下部スプレッダ60と上部スプレッダ70との間隔が変わると、上部旋回体13に対してブーム15が起伏する。
図1に示すクレーン1(特に起伏装置20)は、以下のように作動するように構成される。クレーン1の輸送時には、クレーン1が分解された状態になる。これは、クレーン1の部品を輸送車(図示しないトレーラなど)に搭載するため、また、輸送時の質量および寸法を規制値以内に収めるためである。例えば、輸送時には、下部ブーム15aと、下部ブーム15aよりも先端側のブーム15(中間ブーム15bおよび上部ブーム15c)と、が分離された状態になる。例えば、輸送時には、下部ブーム15aは、上部旋回体13に取り付けられた状態でもよく、上部旋回体13から分離された状態でもよい。
クレーン1は、例えば次のように分解される。クレーン1が作業可能な状態のとき、ブーム15は、上部旋回体13に対して上側Z1に起こされた状態になる(図示なし)。この状態で、起伏ロープ23が、起伏ウインチ21により繰り出される(緩められる)。すると、ブーム15の先端部(上部ブーム15c)が着地し、上部スプレッダ70が下側Z2に移動する。そして、上部スプレッダ70が、ブーム接続部71bにより、ブーム15の所定の取り付け位置に取り付けられる。そして、ガイライン25が、上部スプレッダ70から取り外される。また、下部ブーム15aよりも先端側のブーム15(中間ブーム15bおよび上部ブーム15c)が、下部ブーム15aから取り外される。次に、コンプレッションメンバ40が、コンプレッションメンバ40を起伏させる装置(例えば図示しないシリンダなど)により、倒伏姿勢とされる。次に、上部スプレッダ70が、補助クレーン(図示なし)により吊り上げられ、下部ブーム15aから取り外される。この補助クレーンは、例えば、図1に示すクレーン1の組立および分解に用いられる、クレーン1とは別のクレーンであり、例えばブーム15の組立および分解に用いられるものなどである。上部スプレッダ70が吊り上げられながら、起伏ロープ23が、起伏ウインチ21に巻き取られる。すると、上部スプレッダ70は、倒伏状態のコンプレッションメンバ40の上方(真上の位置など)に移動する。
図1に示すクレーン1の組立は、上記のクレーン1の分解とは逆の手順、またはほぼ逆の手順により行われる。
図3に示すコンプレッションメンバ40および上部スプレッダ70が所定配置βの場合の、上部スプレッダ70などの配置の詳細は次の通りである。なお、ガントリ30の輸送時などには、所定配置β、または、ほぼ所定配置βとなる。
ガントリ30の輸送時などに、ガントリ30および上部スプレッダ70などの輸送高さをできるだけ低く抑えることができるように、上部スプレッダ70が配置される。具体的には、上部スプレッダ70の上端(上側Z1の端)は、下部スプレッダ60の上端に対して、同じ高さ(上下方向Zにおける位置が同じ)、または、下側Z2に配置される。すなわち、上部スプレッダ70の上端は、下部スプレッダ60の上端に対して、上側Z1に超えない。図3に示す例では、上部スプレッダフレーム71の上端は、下部スプレッダフレーム61の上端に対して、同じ高さ、または下側Z2に配置される。図3に示す例では、シーブ側部分70aの上部スプレッダフレーム71の上端が、上部スプレッダ70の上端である。一方、例えば、上部スプレッダフレーム71の形状が図3に示す形状とは異なる場合などには、上部スプレッダシーブ75の上端が、上部スプレッダ70の上端となってもよい(図示なし)。同様に、下部スプレッダ60の上端は、図3に示す例では下部スプレッダフレーム61の上端であるが、下部スプレッダシーブ65の上端でもよい(図示なし)。
クレーン1(図1参照)の組立および分解時に、上部スプレッダ70が周囲の物と干渉することを抑制できるように、上部スプレッダ70が配置される。ここで、上記「クレーン1(図1参照)の組立および分解時」は、例えば、コンプレッションメンバ40に対する上部スプレッダ70の着脱時や、図1に示す上部旋回体13に対するガントリ30の着脱時などである。また、上記「周囲の物」は、例えば、上部旋回体13のキャブやガードなどである。具体的には、図2に示すように、全ての上部スプレッダシーブ75は、左右のコンプレッションメンバ40・40(例えば箱状部41・41)の横方向Yにおける間に収まるように配置される。全ての上部スプレッダシーブ75は、左右のコンプレッションメンバ40・40よりも横方向Y内側に配置される。
全ての上部スプレッダシーブ75の回転軸75aの方向は、横方向Yである。回転軸の方向が横方向Yの上部スプレッダシーブ75を「縦シーブ」という(下部スプレッダシーブ65も同様)。また、全ての下部スプレッダシーブ65の回転軸の方向は、横方向Yである。
下部スプレッダシーブ65および上部スプレッダシーブ75に掛けられた起伏ロープ23が、連結部材45に干渉することを抑制できるように、上部スプレッダ70が配置される。具体的には、上部スプレッダ70は、下部スプレッダシーブ65と連結部材45との間(前後方向Xにおける間)に配置される。さらに詳しくは、上部スプレッダ70は、下部スプレッダシーブ65よりも前側X1に配置される。上部スプレッダ70の少なくとも一部は、連結部材45よりも後側X2に配置される。図3に示す例では、上部スプレッダシーブ75は、連結部材45よりも後側X2のみに配置される。
なお、上記の上部スプレッダ70などの配置に関する各条件の、少なくとも一部が満たされなくてもよい。例えば、上部スプレッダシーブ75の回転軸の方向は、上下方向Zでもよい(上部スプレッダシーブ75は横シーブでもよい)。例えば、図2に示す左右のコンプレッションメンバ40・40の横方向Yにおける間に上部スプレッダシーブ75が収まる場合は、上部スプレッダシーブ75は横シーブでもよい。なお、左右のコンプレッションメンバ40・40の横方向Yにおける間に上部スプレッダシーブ75が収まらない場合に、上部スプレッダシーブ75が横シーブでもよい。上部スプレッダシーブ75と同様に、下部スプレッダシーブ65の少なくとも一部が横シーブでもよい。
図2に示す起伏装置20による効果は次の通りである。
起伏装置20は、コンプレッションメンバ40と、下部スプレッダ60と、上部スプレッダ70と、を備える。コンプレッションメンバ40は、クレーン1のガントリ30を構成し、横方向Yに間隔をあけて左右に設けられる。下部スプレッダ60は、コンプレッションメンバ40の先端部に設けられる下部スプレッダシーブ65を有する。図3に示すように、上部スプレッダ70は、下部スプレッダシーブ65との間に起伏ロープ23が掛け回される上部スプレッダシーブ75を有する。上部スプレッダ70は、コンプレッションメンバ40に着脱可能である。
[構成2]図2に示すように、全ての下部スプレッダシーブ65、および全ての上部スプレッダシーブ75は、左右のコンプレッションメンバ40・40の横方向Yにおける間に収まるように配置される。
[構成3−1]起伏装置20は、左右のコンプレッションメンバ40・40の先端部どうしを連結および拘束する下部スプレッダ軸部63を備える。
[構成4]図3に示すように、起伏装置20は、連結部材45を備える。連結部材45は、左右のコンプレッションメンバ40の長手方向における中央部どうしを連結する。コンプレッションメンバ40に取り付けられた上部スプレッダ70は、下部スプレッダシーブ65と連結部材45との間に配置される。
[構成5]上部スプレッダ70は、連結部材45に支持される。
[構成6]図5に示すように、コンプレッションメンバ40は、コンプレッションメンバ40から、コンプレッションメンバ40の長手方向および横方向Yのそれぞれの方向に直交する方向(上下方向Z)に突出する突出部55を備える。上部スプレッダ70は、上部スプレッダシーブ75を回転可能に支持する上部スプレッダフレーム71と、被差込部85と、を備える。被差込部85は、上部スプレッダフレーム71に対して固定され、突出部55を差し込み可能である。
[構成7]突出部55は、テーパ部55aを備える。テーパ部55aは、突出部55の先端側に向かって細く形成される。
[構成8]被差込部85は、突出部55が貫通可能な孔である。突出部55は、ピン取付孔55bを備える。ピン取付孔55bは、被差込部85に突出部55が差し込まれた状態のときに、被差込部85よりも突出部55の先端側に配置される。
[構成9]上部スプレッダ70は、コンプレッションメンバ40に下側Z2から支持される被支持面83を備える。全ての上部スプレッダシーブ75の回転軸75aの方向は、横方向Yである。所定配置βのとき、上部スプレッダシーブ75の回転軸75aは、被支持面83よりも下側Z2に配置される。
[構成10]上部スプレッダ70のうち、上部スプレッダシーブ75に対して下部スプレッダシーブ65とは反対側の部分(反シーブ側部分70b)は、次のように配置される。反シーブ側部分70bは、上部スプレッダ70がコンプレッションメンバ40に取り付けられたときに、コンプレッションメンバ40の長手方向に延びるように配置される。
図6〜図8を参照して、第2実施形態の起伏装置220について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、第2実施形態の起伏装置220のうち、第1実施形態との共通点については、第1実施形態と同一の符号を付すなどして、説明を省略した。相違点は、図7に示す支柱側支持部250およびシーブ側被支持部280の構成である。
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、互いに異なる実施形態の構成要素どうしが組み合わされてもよい。例えば、コンプレッションメンバ40に、支柱側支持部50(図3参照)および支柱側支持部250(図7参照)の両方が設けられ、上部スプレッダ70に、被支持部材81(図3参照)および被支持部材281(図7参照)の両方が設けられてもよい。例えば、各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、クレーン1(図1参照)の分解および組立の手順は変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の構成要素として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
20 起伏装置
23 起伏ロープ
30 ガントリ
40 コンプレッションメンバ
45 連結部材
55 突出部
55a テーパ部
55b ピン取付孔
60 下部スプレッダ
61 下部スプレッダ軸部
65 下部スプレッダシーブ
70 上部スプレッダ
71 上部スプレッダフレーム
75 上部スプレッダシーブ
83、283 被支持面
85 被差込部
Y 横方向
Z2 下側
Claims (10)
- クレーンのガントリを構成し、横方向に間隔をあけて左右に設けられるコンプレッションメンバと、
前記コンプレッションメンバの先端部に設けられる下部スプレッダシーブを有する下部スプレッダと、
前記下部スプレッダシーブとの間に起伏ロープが掛け回される上部スプレッダシーブを有し、前記コンプレッションメンバに着脱可能な上部スプレッダと、
を備え、
前記コンプレッションメンバの長手方向が水平方向となるように前記コンプレッションメンバが配置され、かつ、前記コンプレッションメンバに前記上部スプレッダが取り付けられた状態を、所定配置とし、
前記所定配置のとき、前記上部スプレッダの上端は、前記下部スプレッダの上端に対して、同じ高さまたは下側に配置される、
起伏装置。 - 請求項1に記載の起伏装置であって、
全ての前記下部スプレッダシーブ、および全ての前記上部スプレッダシーブは、左右の前記コンプレッションメンバの横方向における間に収まるように配置される、
起伏装置。 - 請求項1または2に記載の起伏装置であって、
左右の前記コンプレッションメンバの先端部どうしを連結および拘束する下部スプレッダ軸部を備え、
前記下部スプレッダシーブの回転軸の方向は、横方向であり、
前記下部スプレッダシーブは、前記下部スプレッダ軸部に回転可能に取り付けられる、
起伏装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の起伏装置であって、
左右の前記コンプレッションメンバの長手方向における中央部どうしを連結する連結部材を備え、
前記コンプレッションメンバに取り付けられた前記上部スプレッダは、前記下部スプレッダシーブと前記連結部材との間に配置される、
起伏装置。 - 請求項4に記載の起伏装置であって、
前記上部スプレッダは、前記連結部材に支持される、
起伏装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の起伏装置であって、
前記コンプレッションメンバから、前記コンプレッションメンバの長手方向および横方向のそれぞれの方向に直交する方向に突出する突出部を備え、
前記上部スプレッダは、
前記上部スプレッダシーブを回転可能に支持する上部スプレッダフレームと、
前記上部スプレッダフレームに対して固定され、前記突出部を差し込み可能である被差込部と、
を備える、
起伏装置。 - 請求項6に記載の起伏装置であって、
前記突出部は、前記突出部の先端側に向かって細く形成されるテーパ部を備える、
起伏装置。 - 請求項6または7に記載の起伏装置であって、
前記被差込部は、前記突出部が貫通可能な孔であり、
前記突出部は、前記被差込部に前記突出部が差し込まれた状態のときに、前記被差込部よりも前記突出部の先端側に配置されるピン取付孔を備える、
起伏装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の起伏装置であって、
前記上部スプレッダは、前記コンプレッションメンバに下側から支持される被支持面を備え、
前記上部スプレッダシーブの回転軸の方向は、横方向であり、
前記所定配置のとき、前記上部スプレッダシーブの回転軸は、前記被支持面よりも下側に配置される、
起伏装置。 - 請求項9に記載の起伏装置であって、
前記上部スプレッダのうち、前記上部スプレッダシーブに対して前記下部スプレッダシーブとは反対側の部分は、前記上部スプレッダが前記コンプレッションメンバに取り付けられたときに、前記コンプレッションメンバの長手方向に延びるように配置される、
起伏装置。
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