JP2020029065A - フィルタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性のよいフィルタ装置、そのフィルタ装置の製造方法、および、このフィルタ装置を用いたインクジェットプリンタを提供する。【解決手段】予め成形された液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3を、50〜80℃に保たれた恒温室に入れて、恒温になるまで予備加熱したのち、液流出側一次成形体2と、液流入側一次成形体3との間でフィルタ部材4の周縁部を挟み込んだ状態で、液流出側一次成形体2と、液流入側一次成形体3とによって形成される二次成形部5形成用のキャビティ12内に樹脂を射出充填し、二次成形部5を成形し、液流出側一次成形体2と、液流入側一次成形体3を二次成形部5によって水密に融着一体化する、フィルタ装置1の製造方法。【選択図】図4

Description

本発明は、たとえば、液流路の途中に設けられて液流路中を流れる液をろ過するのに用いられるフィルタ装置、その製造方法、および、前記フィルタ装置を用いたインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタは、インクタンクからプリンタヘッドに到るインク供給経路の途中にフィルタ装置が設けられている(特許文献1,2)
図14に示すように、従来のフィルタ装置100は、インク流入側部材200と、インク流出側部材300と、フィルタ部材400と、2つのOリング(ゴムパッキン)500を備えている。
そして、このフィルタ装置100は、ボルト600と、ナット700で、インク流入側部材200と、インク流出側部材300とを閉合状態に固定することによって、2つのOリング500によって、フィルタ部材400の周縁部が水密に挟み込まれるようになっている。
特開2001-253083号公報 特許2992754号公報
しかしながら、インクジェットプリンタは、高精細な画像を印刷するために、プリンタそのものの構造だけではなく、インクの材質も日々進化するとともに、その種類も多種多様になってきている。
したがって、Oリングの材質によっては、インク成分の影響によってOリング500が腐食などを起こし、フィルタ装置100のハウジング外にインクが漏れるおそれがある。
そこで、すべてのインク成分に耐えるような材質のOリングを用意すればよいのであるが、Oリングが高価になり、フィルタ装置のコスト高を招くおそれがある。
また、上記従来のフィルタ装置100は、Oリング500によって確実にシールするために、組立てに際し、Oリング500を正確にセットする作業が必要であるとともに、ボルト600の締め込みも均一に行わなければならないなど、作業に熟練を要するとともに、組立て作業に時間をかけなければならず、生産性が悪い。
本発明は、上記事情に鑑みて、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性のよいフィルタ装置、そのフィルタ装置の製造方法、および、このフィルタ装置を用いたインクジェットプリンタを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかるフィルタ装置(以下、「本発明のフィルタ装置」と記す)は、中空部を有し、この中空部へのろ液流入口およびろ液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタを備えるフィルタ装置であって、前記フィルタが、その周縁部を前記ハウジングに固定されたフィルタ部材からなり、前記ハウジングが、前記ろ液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを備え、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成した状態に組み合わされるとともに、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填されているとともに、両一次成形部と界面で水密に融着されていることを特徴としている。
本発明のフィルタ装置の製造方法は、予め成形された前記第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体および第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体を、前記フィルタ部材の周縁部を両樹脂成形体によって挟み込んだ組み合わせ状態にして金型内に収容する工程と、前記第1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体とによって形成される前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する工程を備えていることを特徴としている。
本発明のフィルタ装置の製造方法は、特に限定されないが、前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する前に、前記第1の樹脂成形体および第2の樹脂成形体の、少なくともキャビティ形成面を予備加熱する工程を備えていることが好ましい。
すなわち、予備加熱することによって、二次成形部となる樹脂がキャビティ内に充填されるとき、第1の樹脂成形体および第2の樹脂成形体の、少なくともキャビティ形成面が、充填樹脂の熱によって素早く溶融する。
したがって、融着がスムーズに行われ、精度よく2つの樹脂成形体を二次成形部によって水密状態に一体化することができる。
本発明のインクジェットプリンタは、上記本発明のフィルタ装置が、インクタンクとプリンタヘッドの間のインク流路中に組み込まれていることを特徴としている。
なお、本発明のフィルタ装置は、上記インクジェットプリンタ以外の用途に用いられても構わない。
本発明において、上記一次成形部を形成する樹脂としては、特に限定されないが、たとえば、ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアセタール(POM)などが挙げられる。
二次成形部を形成する樹脂としては、一次成形部を形成する樹脂と相溶性があり、一次成形部としっかり融着するものであれば、特に限定されず、一次成形部を形成する樹脂と同種のものでよい。
なお、上記樹脂には、ガラス繊維などの補強繊維、顔料等の公知の添加剤を必要に応じて適宜添加するようにしてもよい。
フィルタ部材としては、特に限定されないが、たとえば、ステンレス鋼線をなどの金属線やポリアミドなど合成樹脂線からなる網状体、ステンレス鋼板をエッチングして多数の小さなフィルタ孔を備えた板材、ステンレス鋼繊維の焼結体(たとえば、日本精線株式会社の商品名ナスロンフィルター)などが挙げられ、中でも強度面・耐食性などからステンレス鋼繊維の焼結体が好ましい。
本発明のフィルタ装置の製造方法において、第1の樹脂成形体および第2の樹脂成形体の予熱温度は、樹脂成形体を金型内にセットする際に樹脂成形体が変形しない温度であれば、できるだけ高温にすることが好ましいが、作業者が手で金型内に樹脂成形体をセットするのであれば、50〜80℃が実用的である。
予熱方法としては、特に限定されないが、予め成形された一次成形部となる樹脂成形体を所定温度に保たれた恒温室内に恒温になるまで収容する方法、上記樹脂成形体を搬送手段で搬送する途中にトンネル状の加熱炉を設け、樹脂成形体が加熱炉中を移動する間に所定温度まで加熱する方法、ヒーター等の熱によって、樹脂成形体のキャビティ形成凹部の内壁面を加熱する方法などが挙げられる。
本発明のフィルタ装置は、上記のように、中空部を有し、この中空部へのろ液流入口およびろ液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタを備えるフィルタ装置であって、前記フィルタが、その周縁部を前記ハウジングに固定されたフィルタ部材からなり、前記ハウジングが、前記ろ液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを備え、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成した状態に組み合わされるとともに、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填されているとともに、両一次成形部と界面で水密に融着されているので、Oリングなどのシール材を用いる必要がない。
したがって、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性がよい。
本発明のフィルタ装置の製造方法は、上記のように、予め成形された前記第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体および第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体を、前記フィルタ部材の周縁部を両樹脂成形体によって挟み込んだ組み合わせ状態にして金型内に収容する工程と、前記第1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体とによって形成される前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する工程を備えているので、上記本発明のフィルタ装置を効率よく安定して製造することができる。
本発明のインクジェットプリンタは、本発明のフィルタ装置が、インクタンクからヘッドまでの間のインク流路に組み込まれているので、インク中の不純物がヘッド側に流れてヘッドでの詰まりを防止できることは勿論のこと、フィルタ装置部分でのインク漏れのおそれが極めて少なくなる。
本発明のフィルタ装置の1つの実施の形態をあらわす平面図である。 図1のフィルタ装置の正面図である。 図1のフィルタ装置の左側面図である。 図1のA−A断面図である。 図3のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 図1のD−D断面図である。 図1のE−E断面図である。 図1のF−F断面図である。 図9の要部拡大図である。 第1の樹脂成形体の平面図である。 図11の樹脂成形体の側面図である。 第2の樹脂成形体の底面図である。 公知のフィルタ装置の断面図である。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図10は、本発明にかかるフィルタ装置の第1の実施の形態をあらわしている。
図1〜図10に示すように、このフィルタ装置1は、ハウジング10と、フィルタを構成するフィルタ部材4を備えている。
ハウジング10は、図1に示すように、平面視略正方形をしていて、図4〜図10に示すように、フィルタ部材4を介して仕切られた中空部11を内部に備えている。
すなわち、ハウジング10は、予め成形された第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体としての液流出側一次成形体2と、第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体としての液流入側一次成形体3が、後述するように、フィルタ部材4を挟み込んだ状態で、二次成形部5を介して融着固定されて形成されている。
液流出側一次成形体2は、中空部11の一部を構成する第1中空部形成凹部21と、第1キャビティ形成凹部28と、第1中空部形成凹部21に連通し、図2および図12に示すように、ハウジング10の外部に臨むろ液流出口22と、2つの第1ゲート用孔24と、2つの第1ベント用孔25と、図10および図11に示すように、2条の後述するフィルタ部材4の第1固定用リブ29を備えている。
また、液流出側一次成形体2は、図11に示すように、第1中空部形成凹部21の底中央に、後述するフィルタ部材4の支持柱23aが突設され、この支持柱23aを中心に6つの支持用リブ23bが放射状に突設されているとともに、その第1キャビティ形成凹部28と第1中空部形成凹部21との間に、後述するフィルタ部材4の2条の支持用リブ29がサークル状に形成されている。
2つの第1ゲート用孔24は、ハウジング10の正方形の対角中心を挟んで一方の対角線上の対称位置に、第1キャビティ形成凹部28に連通するように穿設されている。
2つの第1ベント用孔25は、ハウジング10の正方形の対角中心を挟んで他方の対角線上の対称位置に、第1キャビティ形成凹部28に連通するように穿設されている。
液流入側一次成形体3は、中空部11の残部を構成する第2中空部形成凹部31と、第2キャビティ形成凹部38と、第2中空部形成凹部31に連通し、図3に示すようにハウジング10の外部に臨むろ液流入口32と、2つの第2ゲート用孔34と、2つの第2ベント用孔35を備えている。
また、液流入側一次成形体3は、液流出側一次成形体2と組み合わせた状態で、図10および図13に示すように、液流出側一次成形体2の2条の固定用リブ29の間に入り込む位置に1条の第2固定用リブ39がサークル状に形成されている。
2つの第2ゲート用孔34は、第1ゲート用孔24に対向するとともに、第2キャビティ形成凹部38に連通するように穿設されている。
2つの第2ベント用孔35は、第1ベント用孔25に対向するとともに、第2キャビティ形成凹部38に連通するように穿設されている。
フィルタ部材4は、ステンレス鋼繊維の焼結体から形成されていて、図10に示すように、周縁部が、第1固定用リブ29および第2固定用リブ39がそれぞれ食い込んだ状態で、液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3との間に挟み込まれた状態になっている。
二次成形部5は、後述するように、キャビティ12内に射出充填されて、第1ギャビティ形成凹部28および第2キャビティ形成凹部38の内壁面に融着状態で一体化されている。
そして、上記フィルタ装置1は、たとえば、以下のようにして製造することができる。
(1)一次成形部となる液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3を予め成形する。
(2)液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3を、50〜80℃に保たれた恒温室に入れて、恒温になるまで予備加熱する。
(3)予備加熱が完了した液流出側一次成形体2を金型の固定型(図示せず)にセットするとともに、フィルタ部材4を液流出側一次成形体2の所定位置に支持させる。
(4)予備加熱が完了した液流入側一次成形体3を可動型(図示せず)にセットしたのち、金型を閉じ、液流出側一次成形体2と、液流入側一次成形体3との間でフィルタ部材4の周縁部を挟み込んだ状態にしたのち、金型の液流入側一次成形体3の2つの第2ゲート用孔34に臨む位置に設けられた2つのゲート(図示せず)を介してキャビティ12内に樹脂を射出充填し、二次成形部5を成形する。
このフィルタ装置1は、上記のように、フィルタ部材4の周縁部を、一次成形部を構成する一次成形体である液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3によって挟み込んだ後、液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3とによって形成されるキャビティ12に二次成形部5となる樹脂を射出充填し、二次成形部5を成形するようにしたので、二次成形部5と、液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3とが、その界面で水密に融着接合される。
したがって、Oリング等のシール材が不要となり、シール材がインクの影響を受けて劣化し、シール不良が発生するという問題がなくなる。
また、一次成形体である液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3を予め所定の温度になるまで予備加熱したのち、金型内にセットし、二次成形部5を射出成形するようにしたので、液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3の射出樹脂との接触面が射出樹脂の熱により均一に溶融するようになる。
したがって、液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3がその界面で二次成形部5と容易に融着された状態となり、水密な固着状態を界面全体にわたって確実に得ることができる。
しかも、Oリングのセットや、ボルトの締め込み作業がなくなり、生産性も向上する。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、2つのゲートから樹脂を射出充填するようにしていたが、1つのゲートでも構わない。
上記の実施の形態では、恒温室内で液流出側一次成形体と液流入側一次成形体全体を予備加熱するようにしていたが、ヒーター等によって二次成形部との界面のみを予備加熱するようにしても構わない。
上記の実施の形態では、ハウジングが平面視略正方形であったが、円形や多角形など特にその形状は限定されない。
1 フィルタ装置
10 ハウジング
11 中空部
12 キャビティ
2 液流出側一次成形体(第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体)
21 第1中空部形成凹部
22 ろ液流出口
23a 支持柱
23b 支持用リブ
24 第1ゲート用孔
25 第1ベント用孔
28 第1キャビティ形成凹部
29 第1固定用リブ
3 液流入側一次成形体(第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体)
31 第2中空部形成凹部
32 ろ液流入口
34 第2ゲート用孔
35 第2ベント用孔
38 第2キャビティ形成凹部
39 第2固定用リブ
4 フィルタ部材
5 二次成形部
上記目的を達成するために、本発明にかかるフィルタ装置(以下、「本発明のフィルタ装置」と記す)は、中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタを備えるフィルタ装置であって、前記フィルタが、その周縁部を前記ハウジングに固定されたフィルタ部材からなり、前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを備え、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成した状態に組み合わされるとともに、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填されているとともに、両一次成形部と界面で水密に融着されていることを特徴としている。
本発明のフィルタ装置は、上記のように、中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタを備えるフィルタ装置であって、前記フィルタが、その周縁部を前記ハウジングに固定されたフィルタ部材からなり、前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを備え、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成した状態に組み合わされるとともに、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填されているとともに、両一次成形部と界面で水密に融着されているので、Oリングなどのシール材を用いる必要がない。
したがって、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性がよい。
液流出側一次成形体2は、中空部11の一部を構成する第1中空部形成凹部21と、第1キャビティ形成凹部28と、第1中空部形成凹部21に連通し、図2および図12に示すように、ハウジング10の外部に臨む液流出口22と、2つの第1ゲート用孔24と、2つの第1ベント用孔25と、図10および図11に示すように、2条の後述するフィルタ部材4の第1固定用リブ29を備えている。
また、液流出側一次成形体2は、図11に示すように、第1中空部形成凹部21の底中央に、後述するフィルタ部材4の支持柱23aが突設され、この支持柱23aを中心に6つの支持用リブ23bが放射状に突設されているとともに、その第1キャビティ形成凹部28と第1中空部形成凹部21との間に、後述するフィルタ部材4の2条の支持用リブ29がサークル状に形成されている。
液流入側一次成形体3は、中空部11の残部を構成する第2中空部形成凹部31と、第2キャビティ形成凹部38と、第2中空部形成凹部31に連通し、図3に示すようにハウジング10の外部に臨む液流入口32と、2つの第2ゲート用孔34と、2つの第2ベント用孔35を備えている。
また、液流入側一次成形体3は、液流出側一次成形体2と組み合わせた状態で、図10および図13に示すように、液流出側一次成形体2の2条の固定用リブ29の間に入り込む位置に1条の第2固定用リブ39がサークル状に形成されている。
1 フィルタ装置
10 ハウジング
11 中空部
12 キャビティ
2 液流出側一次成形体(第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体)
21 第1中空部形成凹部
22流出口
23a 支持柱
23b 支持用リブ
24 第1ゲート用孔
25 第1ベント用孔
28 第1キャビティ形成凹部
29 第1固定用リブ
3 液流入側一次成形体(第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体)
31 第2中空部形成凹部
32流入口
34 第2ゲート用孔
35 第2ベント用孔
38 第2キャビティ形成凹部
39 第2固定用リブ
4 フィルタ部材
5 二次成形部
本発明は、たとえば、液流路の途中に設けられて液流路中を流れる液をろ過するのに用いられるフィルタ装置、その製造方法、および、前記フィルタ装置を用いたインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタは、インクタンクからプリンタヘッドに到るインク供給経路の途中にフィルタ装置が設けられている(特許文献1,2)
図14に示すように、従来のフィルタ装置100は、インク流入側部材200と、インク流出側部材300と、フィルタ部材400と、2つのOリング(ゴムパッキン)500を備えている。
そして、このフィルタ装置100は、ボルト600と、ナット700で、インク流入側部材200と、インク流出側部材300とを閉合状態に固定することによって、2つのOリング500によって、フィルタ部材400の周縁部が水密に挟み込まれるようになっている。
特開2001-253083号公報 特許2992754号公報
しかしながら、インクジェットプリンタは、高精細な画像を印刷するために、プリンタそのものの構造だけではなく、インクの材質も日々進化するとともに、その種類も多種多様になってきている。
したがって、Oリングの材質によっては、インク成分の影響によってOリング500が腐食などを起こし、フィルタ装置100のハウジング外にインクが漏れるおそれがある。
そこで、すべてのインク成分に耐えるような材質のOリングを用意すればよいのであるが、Oリングが高価になり、フィルタ装置のコスト高を招くおそれがある。
また、上記従来のフィルタ装置100は、Oリング500によって確実にシールするために、組立てに際し、Oリング500を正確にセットする作業が必要であるとともに、ボルト600の締め込みも均一に行わなければならないなど、作業に熟練を要するとともに、組立て作業に時間をかけなければならず、生産性が悪い。
本発明は、上記事情に鑑みて、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性のよいフィルタ装置、そのフィルタ装置の製造方法、および、このフィルタ装置を用いたインクジェットプリンタを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかるフィルタ装置(以下、「本発明のフィルタ装置」と記す)は、中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタを備えるフィルタ装置であって、前記フィルタが、その周縁部を前記ハウジングに固定されたフィルタ部材からなり、前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを備え、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成した状態に組み合わされるとともに、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填されているとともに、両一次成形部と界面で水密に融着されていることを特徴としている。
本発明のフィルタ装置の製造方法は、予め成形された前記第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体および第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体を、前記フィルタ部材の周縁部を両樹脂成形体によって挟み込んだ組み合わせ状態にして金型内に収容する工程と、前記第1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体とによって形成される前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する工程を備えていることを特徴としている。
本発明のフィルタ装置の製造方法は、特に限定されないが、前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する前に、前記第1の樹脂成形体および第2の樹脂成形体の、少なくともキャビティ形成面を予備加熱する工程を備えていることが好ましい。
すなわち、予備加熱することによって、二次成形部となる樹脂がキャビティ内に充填されるとき、第1の樹脂成形体および第2の樹脂成形体の、少なくともキャビティ形成面が、充填樹脂の熱によって素早く溶融する。
したがって、融着がスムーズに行われ、精度よく2つの樹脂成形体を二次成形部によって水密状態に一体化することができる。
本発明のインクジェットプリンタは、上記本発明のフィルタ装置が、インクタンクとプリンタヘッドの間のインク流路中に組み込まれていることを特徴としている。
なお、本発明のフィルタ装置は、上記インクジェットプリンタ以外の用途に用いられても構わない。
本発明において、上記一次成形部を形成する樹脂としては、特に限定されないが、たとえば、ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアセタール(POM)などが挙げられる。
二次成形部を形成する樹脂としては、一次成形部を形成する樹脂と相溶性があり、一次成形部としっかり融着するものであれば、特に限定されず、一次成形部を形成する樹脂と同種のものでよい。
なお、上記樹脂には、ガラス繊維などの補強繊維、顔料等の公知の添加剤を必要に応じて適宜添加するようにしてもよい。
フィルタ部材としては、特に限定されないが、たとえば、ステンレス鋼線をなどの金属線やポリアミドなど合成樹脂線からなる網状体、ステンレス鋼板をエッチングして多数の小さなフィルタ孔を備えた板材、ステンレス鋼繊維の焼結体(たとえば、日本精線株式会社の商品名ナスロンフィルター)などが挙げられ、中でも強度面・耐食性などからステンレス鋼繊維の焼結体が好ましい。
本発明のフィルタ装置の製造方法において、第1の樹脂成形体および第2の樹脂成形体の予熱温度は、樹脂成形体を金型内にセットする際に樹脂成形体が変形しない温度であれば、できるだけ高温にすることが好ましいが、作業者が手で金型内に樹脂成形体をセットするのであれば、50〜80℃が実用的である。
予熱方法としては、特に限定されないが、予め成形された一次成形部となる樹脂成形体を所定温度に保たれた恒温室内に恒温になるまで収容する方法、上記樹脂成形体を搬送手段で搬送する途中にトンネル状の加熱炉を設け、樹脂成形体が加熱炉中を移動する間に所定温度まで加熱する方法、ヒーター等の熱によって、樹脂成形体のキャビティ形成凹部の内壁面を加熱する方法などが挙げられる。
本発明のフィルタ装置は、上記のように、中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタを備えるフィルタ装置であって、前記フィルタが、その周縁部を前記ハウジングに固定されたフィルタ部材からなり、前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを備え、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成した状態に組み合わされるとともに、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填されているとともに、両一次成形部と界面で水密に融着されているので、Oリングなどのシール材を用いる必要がない。
したがって、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性がよい。
本発明のフィルタ装置の製造方法は、上記のように、予め成形された前記第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体および第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体を、前記フィルタ部材の周縁部を両樹脂成形体によって挟み込んだ組み合わせ状態にして金型内に収容する工程と、前記第1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体とによって形成される前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する工程を備えているので、上記本発明のフィルタ装置を効率よく安定して製造することができる。
本発明のインクジェットプリンタは、本発明のフィルタ装置が、インクタンクからヘッドまでの間のインク流路に組み込まれているので、インク中の不純物がヘッド側に流れてヘッドでの詰まりを防止できることは勿論のこと、フィルタ装置部分でのインク漏れのおそれが極めて少なくなる。
本発明のフィルタ装置の1つの実施の形態をあらわす平面図である。 図1のフィルタ装置の正面図である。 図1のフィルタ装置の左側面図である。 図1のA−A断面図である。 図3のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 図1のD−D断面図である。 図1のE−E断面図である。 図1のF−F断面図である。 図9の要部拡大図である。 第1の樹脂成形体の平面図である。 図11の樹脂成形体の側面図である。 第2の樹脂成形体の底面図である。 公知のフィルタ装置の断面図である。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図10は、本発明にかかるフィルタ装置の第1の実施の形態をあらわしている。
図1〜図10に示すように、このフィルタ装置1は、ハウジング10と、フィルタを構成するフィルタ部材4を備えている。
ハウジング10は、図1に示すように、平面視略正方形をしていて、図4〜図10に示すように、フィルタ部材4を介して仕切られた中空部11を内部に備えている。
すなわち、ハウジング10は、予め成形された第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体としての液流出側一次成形体2と、第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体としての液流入側一次成形体3が、後述するように、フィルタ部材4を挟み込んだ状態で、二次成形部5を介して融着固定されて形成されている。
液流出側一次成形体2は、中空部11の一部を構成する第1中空部形成凹部21と、第1キャビティ形成凹部28と、第1中空部形成凹部21に連通し、図2および図12に示すように、ハウジング10の外部に臨む液流出口22と、2つの第1ゲート用孔24と、2つの第1ベント用孔25と、図10および図11に示すように、2条の後述するフィルタ部材4の第1固定用リブ29を備えている。
また、液流出側一次成形体2は、図11に示すように、第1中空部形成凹部21の底中央に、後述するフィルタ部材4の支持柱23aが突設され、この支持柱23aを中心に6つの支持用リブ23bが放射状に突設されているとともに、その第1キャビティ形成凹部28と第1中空部形成凹部21との間に、後述するフィルタ部材4の2条の支持用リブ29がサークル状に形成されている。
2つの第1ゲート用孔24は、ハウジング10の正方形の対角中心を挟んで一方の対角線上の対称位置に、第1キャビティ形成凹部28に連通するように穿設されている。
2つの第1ベント用孔25は、ハウジング10の正方形の対角中心を挟んで他方の対角線上の対称位置に、第1キャビティ形成凹部28に連通するように穿設されている。
液流入側一次成形体3は、中空部11の残部を構成する第2中空部形成凹部31と、第2キャビティ形成凹部38と、第2中空部形成凹部31に連通し、図3に示すようにハウジング10の外部に臨む液流入口32と、2つの第2ゲート用孔34と、2つの第2ベント用孔35を備えている。
また、液流入側一次成形体3は、液流出側一次成形体2と組み合わせた状態で、図10および図13に示すように、液流出側一次成形体2の2条の固定用リブ29の間に入り込む位置に1条の第2固定用リブ39がサークル状に形成されている。
2つの第2ゲート用孔34は、第1ゲート用孔24に対向するとともに、第2キャビティ形成凹部38に連通するように穿設されている。
2つの第2ベント用孔35は、第1ベント用孔25に対向するとともに、第2キャビティ形成凹部38に連通するように穿設されている。
フィルタ部材4は、ステンレス鋼繊維の焼結体から形成されていて、図10に示すように、周縁部が、第1固定用リブ29および第2固定用リブ39がそれぞれ食い込んだ状態で、液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3との間に挟み込まれた状態になっている。
二次成形部5は、後述するように、キャビティ12内に射出充填されて、第1ギャビティ形成凹部28および第2キャビティ形成凹部38の内壁面に融着状態で一体化されている。
そして、上記フィルタ装置1は、たとえば、以下のようにして製造することができる。
(1)一次成形部となる液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3を予め成形する。
(2)液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3を、50〜80℃に保たれた恒温室に入れて、恒温になるまで予備加熱する。
(3)予備加熱が完了した液流出側一次成形体2を金型の固定型(図示せず)にセットするとともに、フィルタ部材4を液流出側一次成形体2の所定位置に支持させる。
(4)予備加熱が完了した液流入側一次成形体3を可動型(図示せず)にセットしたのち、金型を閉じ、液流出側一次成形体2と、液流入側一次成形体3との間でフィルタ部材4の周縁部を挟み込んだ状態にしたのち、金型の液流入側一次成形体3の2つの第2ゲート用孔34に臨む位置に設けられた2つのゲート(図示せず)を介してキャビティ12内に樹脂を射出充填し、二次成形部5を成形する。
このフィルタ装置1は、上記のように、フィルタ部材4の周縁部を、一次成形部を構成する一次成形体である液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3によって挟み込んだ後、液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3とによって形成されるキャビティ12に二次成形部5となる樹脂を射出充填し、二次成形部5を成形するようにしたので、二次成形部5と、液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3とが、その界面で水密に融着接合される。
したがって、Oリング等のシール材が不要となり、シール材がインクの影響を受けて劣化し、シール不良が発生するという問題がなくなる。
また、一次成形体である液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3を予め所定の温度になるまで予備加熱したのち、金型内にセットし、二次成形部5を射出成形するようにしたので、液流出側一次成形体2と液流入側一次成形体3の射出樹脂との接触面が射出樹脂の熱により均一に溶融するようになる。
したがって、液流出側一次成形体2および液流入側一次成形体3がその界面で二次成形部5と容易に融着された状態となり、水密な固着状態を界面全体にわたって確実に得ることができる。
しかも、Oリングのセットや、ボルトの締め込み作業がなくなり、生産性も向上する。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、2つのゲートから樹脂を射出充填するようにしていたが、1つのゲートでも構わない。
上記の実施の形態では、恒温室内で液流出側一次成形体と液流入側一次成形体全体を予備加熱するようにしていたが、ヒーター等によって二次成形部との界面のみを予備加熱するようにしても構わない。
上記の実施の形態では、ハウジングが平面視略正方形であったが、円形や多角形など特にその形状は限定されない。
1 フィルタ装置
10 ハウジング
11 中空部
12 キャビティ
2 液流出側一次成形体(第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体)
21 第1中空部形成凹部
22流出口
23a 支持柱
23b 支持用リブ
24 第1ゲート用孔
25 第1ベント用孔
28 第1キャビティ形成凹部
29 第1固定用リブ
3 液流入側一次成形体(第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体)
31 第2中空部形成凹部
32流入口
34 第2ゲート用孔
35 第2ベント用孔
38 第2キャビティ形成凹部
39 第2固定用リブ
4 フィルタ部材
5 二次成形部

本発明は、上記事情に鑑みて、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性のよいフィルタ装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかるフィルタ装置(以下、「本発明のフィルタ装置」と記す)は、中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタ部材を備え前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを有し、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成する状態に組み合わされこの組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填され、両一次成形部と界面で融着された状態となっているフィルタ装置であって、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記フィルタ部材と前記キャビティとの間を隔離した状態で前記フィルタ部材の周縁部を直接挟み込むように組み合わされていて、前記第2の一次成形部が、その中空部形成凹部の底から突出し前記フィルタ部材の前記底側の面を支持するフィルタ部材支持部を備えていることを特徴としている。
本発明のフィルタ装置は、たとえば、インクタンクとプリンタヘッドの間のインク流路中に組み込まれるが、上記インクジェットプリンタ以外の用途に用いられても構わない。
本発明のフィルタ装置は、上記のように、中中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタ部材を備え前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを有し、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成する状態に組み合わされこの組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填され、両一次成形部と界面で融着された状態となっているフィルタ装置であって、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記フィルタ部材と前記キャビティとの間を隔離した状態で前記フィルタ部材の周縁部を直接挟み込むように組み合わされていて、前記第2の一次成形部が、その中空部形成凹部の底から突出し前記フィルタ部材の前記底側の面を支持するフィルタ部材支持部を備えているので、Oリングなどのシール材を用いる必要がない。
したがって、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性がよい。
液流出側一次成形体2は、中空部11の一部を構成する第1中空部形成凹部21と、第1キャビティ形成凹部28と、第1中空部形成凹部21に連通し、図2および図12に示すように、ハウジング10の外部に臨む液流出口22と、2つの第1ゲート用孔24と、2つの第1ベント用孔25と、図10および図11に示すように、2条の後述するフィルタ部材4の第1固定用リブ29を備えている。
また、液流出側一次成形体2は、図11に示すように、第1中空部形成凹部21の底中央に、後述するフィルタ部材4の支持柱23aが突設され、この支持柱23aを中心に6つの支持用リブ23bが放射状に突設されているとともに、その第1キャビティ形成凹部28と第1中空部形成凹部21との間に、後述するフィルタ部材4の2条の固定用リブ29がサークル状に形成されている。
上記目的を達成するために、本発明にかかるフィルタ装置(以下、「本発明のフィルタ装置」と記す)は、中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタ部材を備え、前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを有し、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成する状態に組み合わされ、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填され、両一次成形部と界面で融着された状態となっているフィルタ装置であって、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記フィルタ部材と前記キャビティとの間を隔離した状態で前記フィルタ部材の周縁部を直接挟み込むように組み合わされていて、前記第2の一次成形部が、その中空部形成凹部の底から突出し前記フィルタ部材の前記底側の面を支持するフィルタ部材支持部を備えるとともに、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記挟み込み部に前記フィルタ部材に食い込む固定用リブを備えていることを特徴としている。
本発明のフィルタ装置は、上記のように、中空部を有し、この中空部への液流入口および液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタ部材を備え、前記ハウジングが、前記液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを有し、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成する状態に組み合わされ、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填され、両一次成形部と界面で融着された状態となっているフィルタ装置であって、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記フィルタ部材と前記キャビティとの間を隔離した状態で前記フィルタ部材の周縁部を直接挟み込むように組み合わされていて、前記第2の一次成形部が、その中空部形成凹部の底から突出し前記フィルタ部材の前記底側の面を支持するフィルタ部材支持部を備えるとともに、前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記挟み込み部に前記フィルタ部材に食い込む固定用リブを備えているので、Oリングなどのシール材を用いる必要がない。
したがって、インク種に影響されず、かつ、ハウジング部分で安定したシール性を確保できるとともに、低コストで生産性がよい。

Claims (4)

  1. 中空部を有し、この中空部へのろ液流入口およびろ液流出口を有する樹脂製のハウジングと、前記中空部を前記液流入口側と、液流出口側との間で仕切るように設けられたフィルタを備えるフィルタ装置であって、
    前記フィルタが、その周縁部を前記ハウジングに固定されたフィルタ部材からなり、
    前記ハウジングが、前記ろ液流入口を備えた第1の一次成形部と、前記液流出口を備えた第2の一次成形部と、二次成形部とを備え、
    前記第1の一次成形部と第2の一次成形部が、前記中空部の一部を形成する中空部形成凹部をそれぞれ有するとともに、前記フィルタ部材の周縁部を挟み込んだ状態で、前記中空部を形成した状態に組み合わされるとともに、この組み合わせ状態で、前記二次成形部のキャビティを形成するキャビティ形成凹部をそれぞれ備え、
    前記二次成形部が、前記キャビティ内に充填されているとともに、両一次成形部と界面で水密に融着されていることを特徴とするフィルタ装置。
  2. 請求項1に記載のフィルタ装置の製造方法であって、
    予め成形された前記第1の一次成形部となる第1の樹脂成形体および第2の一次成形部となる第2の樹脂成形体を、前記フィルタ部材の周縁部を両樹脂成形体によって挟み込んだ組み合わせ状態にして金型内に収容する工程と、
    前記第1の樹脂成形体と第2の樹脂成形体とによって形成される前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する工程を備えていることを特徴とするフィルタ装置の製造方法。
  3. 前記キャビティ内に前記二次成形部となる樹脂を射出充填する前に、前記第1の樹脂成形体および第2の樹脂成形体の、少なくともキャビティ形成面を予備加熱する工程を備えている請求項2に記載のフィルタ装置の製造方法。
  4. 請求項1に記載のフィルタ装置が、インクタンクとプリンタヘッドの間のインク流路中に組み込まれていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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