JP2020028847A - 複合体、構造体、吸着剤、二酸化炭素分離装置、二酸化炭素濃度制御システム、及び複合体の製造方法 - Google Patents

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俊勝 嶋崎
保彦 吉成
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保彦 吉成
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Abstract

【課題】吸着性能及び成形性に優れる吸着剤に好適に用いられる複合体を提供すること。【解決手段】本発明の一側面は、繊維状物質と、セリウム酸化物とを含有する、複合体である。【選択図】なし

Description

本発明は、複合体、構造体、吸着剤、二酸化炭素分離装置、二酸化炭素濃度制御システム、及び複合体の製造方法に関する。
地球温暖化の原因の一つとして、温室効果ガスの排出が挙げられる。温室効果ガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、フロン類(CFCs等)などが挙げられる。温室効果ガスの中でも、二酸化炭素の影響が最も大きく、二酸化炭素(火力発電所、製鉄所等のプラントから排出される二酸化炭素など)の除去が緊急の課題となっている。
前記課題の解決策としては、例えば、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、吸着分離法、深冷分離法等により二酸化炭素を除去する方法が挙げられる。このような方法としては、例えば、固体の二酸化炭素吸着剤を用いて二酸化炭素を分離及び回収する方法(CO分離回収法)が挙げられる。
吸着剤を用いた二酸化炭素分離装置では、吸着剤を充填した容器に、二酸化炭素を含有する処理対象ガスを導入し、吸着剤と処理対象ガスとを大気圧下又は加圧下で接触させることで二酸化炭素を吸着剤に吸着させる。その後、例えば、吸着剤を加熱すること、又は、容器内を減圧することで吸着剤から二酸化炭素を脱離させる。二酸化炭素を脱離させた吸着剤は、冷却又は加圧することにより再度二酸化炭素の除去に使用することができる。
このような二酸化炭素分離装置においては、吸着剤としてセリウム化合物(酸化セリウム等)が用いられることがある。例えば、特許文献1には、セリウム酸化物を含有する吸着剤(二酸化炭素捕捉材)が開示されている。
特開2013−59703号公報
吸着剤は、用途に応じて種々の形状で使用され、例えば折り曲げられた状態で使用される場合がある。したがって、吸着剤には、二酸化炭素を吸着する性能(吸着性能)に優れるだけでなく、所望の形状に成形可能なように、成形性に優れることが求められる。
そこで、本発明の一側面は、吸着性能及び成形性に優れる吸着剤、並びに、該吸着剤に好適に用いられる複合体及び構造体を提供することを主な目的とする。
本発明の一側面は、繊維状物質と、セリウム酸化物とを含有する、複合体である。
セリウム酸化物は、ランタン及びネオジムから選ばれる少なくとも1種の元素を更に含んでよい。セリウム酸化物中のセリウムに対するジルコニウムの元素比は、0.1以下であってよい。複合体は、シート状に成形されていてよい。
本発明の他の一側面は、上記の複合体を複数備え、複数の複合体が互いに離間するように配置されている、構造体である。
本発明の他の一側面は、二酸化炭素を吸着する吸着剤であって、上記の複合体又は構造体を含む吸着剤である。
本発明の他の一側面は、二酸化炭素を含有するガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置であって、上記の吸着剤と、吸着剤を収容する容器と、容器内に二酸化炭素を含有するガスを供給可能なように容器に接続されたガス供給部と、容器内からガスを排出可能なように容器に接続されたガス排出部と、を備える二酸化炭素分離装置である。
ガス供給部は、二酸化炭素を含有するガスである第1の供給ガスを供給する第1のガス供給流路と、吸着剤に吸着した二酸化炭素を脱着可能な温度に加熱された第2の供給ガスを供給する第2のガス供給流路と、容器に供給するガスを第1の供給ガス又は第2の供給ガスに切り替える供給ガス切替部と、を有してよく、ガス排出部は、吸着剤により第1の供給ガスから二酸化炭素が分離された後の第1の排出ガスを排出する第1のガス排出流路と、第2の供給ガス、及び第2の供給ガスにより吸着剤から脱着した二酸化炭素を含む第2の排出ガスを排出する第2のガス排出流路と、容器から排出するガスを第1の排出ガス又は第2の排出ガスに切り替える排出ガス切替部と、を有してよい。
本発明の他の一側面は、上記の二酸化炭素分離装置と、第1の排出ガスを受け入れ可能なように二酸化炭素分離装置に接続された空間と、を備え、二酸化炭素分離装置から空間への第1の排出ガスの排出量を調整することにより、空間内の二酸化炭素濃度を制御する、二酸化炭素濃度制御システムである。
本発明の他の一側面は、上記の二酸化炭素分離装置と、第2の排出ガスを受け入れ可能なように二酸化炭素分離装置に接続された空間と、を備え、二酸化炭素分離装置から空間への第2の排出ガスの排出量を調整することにより、空間内の二酸化炭素濃度を制御する、二酸化炭素濃度制御システムである。
本発明の他の一側面は、繊維状物質及び4価セリウムを含有する混合物のpHを制御することにより、繊維状物質及びセリウム酸化物を含有する複合体を沈殿させる工程を備える、複合体の製造方法である。
混合物は、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含有してよい。混合物は、ランタン及びネオジムから選ばれる少なくとも1種の元素を更に含有してよい。
本発明によれば、吸着性能及び成形性に優れる吸着剤、並びに、該吸着剤に好適に用いられる複合体及び構造体を提供することができる。
図1は、構造体の一実施形態を示す模式断面図である。 図2は、二酸化炭素分離装置の一実施形態を示す模式図である。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<複合体及び構造体>
一実施形態に係る複合体は、繊維状物質と、セリウム酸化物(酸化セリウム)とを含有する。一実施形態に係る複合体では、繊維状物質の表面上及び繊維間に、例えば粒子状のセリウム酸化物が保持されている。
繊維状物質は、有機繊維又は無機繊維で構成されている。ただし、本実施形態の繊維状物質は、セリウム酸化物を含まない。有機繊維は、例えば、ポリエステル繊維等のポリマー繊維、木質繊維、セルロース繊維などであってよい。無機繊維は、例えば、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ−アルミナ複合酸化物繊維、炭化珪素繊維等であってよい。繊維状物質は、繊維の束を平たく伸ばした開繊状態にある物質であってもよい。
本明細書における「繊維状物質」とは、アスペクト比が3以上の形状を有する物質である。繊維状物質のアスペクト比は、繊維状物質の電子顕微鏡画像(二次元画像)において測定される繊維状物質の径(最小長さ)及び長さ(最大長さ)に基づいて、径に対する長さの比として算出される。繊維状物質のアスペクト比は、強度に優れ、成形性に更に優れる観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上である。
繊維状物質の平均径は、例えば、0.01μm以上、1μm以上、又は100μm以上であってよく、1000μm以下であってよい。繊維状物質の平均径は、電子顕微鏡画像から測定される繊維状物質50本の径(最小長さ)の平均値として算出される。
繊維状物質の平均長さは、例えば、0.05μm以上、1μm以上、又は1000μm以上であってよく、10mm以下であってよい。繊維状物質の平均長さは、電子顕微鏡画像から測定される繊維状物質50本の長さ(最大長さ)の平均値として算出される。
繊維状物質の含有量は、成形性に更に優れる観点から、複合体の全質量基準で、好ましくは、5質量%以上又は10質量%以上であり、例えば、60質量%以下又は50質量%以下であってよい。
セリウム酸化物は、例えばCeO(x=1.5〜2.0)であってよく、具体的には、CeO、Ce等であってよい。セリウム酸化物は、セリウム以外のその他の金属元素を更に含む複合酸化物であってもよい。
その他の金属元素は、複合体表面の塩基性を向上させ、二酸化炭素の吸着性能を更に向上させる観点から、好ましくは、ランタン(La)及びネオジム(Nd)から選ばれる少なくとも1種の元素である。その他の金属元素は、セリウム酸化物の粒子間に空隙が生じ、合成及び熱処理の際の焼結による比表面積低下を抑制できる観点から、好ましくは、アルミニウム(Al)及び鉄(Fe)から選ばれる少なくとも1種の元素であってもよい。その他の金属元素は、例えば、イットリウム(Y)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)等であってもよい。
その他の金属元素はジルコニウム(Zr)であってもよいが、ジルコニウムは、吸着性能を低下させるおそれがある。したがって、セリウム酸化物中のセリウムに対するジルコニウムの元素比は、好ましくは、0.5以下又は0.1以下である。セリウム酸化物は、更に好ましくは、ジルコニウムを含まない。セリウム酸化物中のセリウムに対するジルコニウムの元素比は、蛍光X線分析によって測定される。
セリウム酸化物の含有量は、吸着性能を更に向上させる観点から、複合体の全質量基準で、好ましくは、20質量%以上、30質量%以上、又は40質量%以上である。セリウム酸化物の含有量は、複合体の全質量基準で、例えば、95質量%以下又は90質量%以下であってよい。
複合体は、バインダーを更に含有してもよい。バインダーの材料は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の無機材料であってもよい。バインダーの含有量は、複合体の全質量基準で、例えば、10質量%以上であってよく、50質量%以下であってよい。
複合体においては、吸着性能を更に向上させる観点から、複合体の中心部におけるセリウム酸化物の含有量(C1)に対する、複合体の表面部におけるセリウム酸化物の含有量(C2)の質量比(C2/C1)が、好ましくは0.7〜1.3である。当該質量比(C2/C1)は、集束イオンビームにより複合体の表面を除去して断面を露出させた後、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて、当該断面の組成(元素)分布を測定することにより算出される。ここで、複合体の厚みをdとしたときに、複合体の表面部とは、複合体の表面から0.1×dまでの部分を意味し、複合体の中心部とは、複合体の表面から0.4d〜0.6dの範囲にある部分を意味する。
複合体は、例えば、シート状(板状)であってよい。シート状の複合体は、例えば、平板状であってよく、波板状であってもよい。シート状の複合体の厚みは、二酸化炭素の捕捉速度の低下を抑制し、かつ一定の強度を確保する観点から、0.1mm以上であってよく、3mm以下であってよい。
シート状の複合体は、複数の複合体を積層させた形態で用いられてもよい。言い換えれば、本発明の一実施形態は、複数の複合体を備える構造体である。この構造体では、複数の複合体が互いに離間するように配置されている。この構造体では、複数の複合体が、複合体間に空隙(間隙)が形成されるように配置されているということもできる。複合体同士の間隔は、例えば、1mm以上であってよく、10mm以下であってよい。
図1(a)は、構造体の一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示すように、構造体1Aは、一実施形態において、複数の平板状の複合体2A,2Aと、複合体2A,2A間に設けられた支持体3とを備えている。支持体3は、複合体2A,2A同士を離間させ、複合体2A,2A間に空隙G1を形成するスペーサーの機能を有している。支持体3は、例えばポリマー製であってよい。
図1(b)は、構造体の他の一実施形態を示す模式断面図である。図1(b)に示すように、構造体1Bは、他の一実施形態において、複数の平板状の複合体2A,2Aと、平板状の複合体2A,2A間に設けられた波板状の複合体2Bとを備えている。平板状の複合体2A,2A間に設けられた波板状の複合体2Bの凹凸形状により、複合体2A,2A,2B同士が離間し、複合体2A,2A,2B間に空隙G2が形成される。
以上説明した複合体及び構造体は、二酸化炭素を吸着する吸着剤として好適に用いられる。すなわち、一実施形態に係る吸着剤は、上記の複合体又は構造体を含む。この吸着剤は、例えば、二酸化炭素を含有するガス(処理の対象となるガス)から二酸化炭素を選択的に除去、濃縮又は回収するために用いられる(詳細は後述)。
<複合体の製造方法>
一実施形態に係る複合体の製造方法は、繊維状物質(詳細は上述のとおり)と4価セリウム(例えば4価セリウムイオン)とを含有する混合物のpHを制御することにより、前記繊維状物質及びセリウム酸化物を含有する複合体を沈殿させる工程(沈殿工程)を備える。沈殿工程では、pHの制御により、4価セリウムからセリウム酸化物(セリウム酸化物粒子等)が生成し、繊維状物質とセリウム酸化物とを含む反応生成物である複合体が沈殿物として得られる。
4価セリウムは、4価セリウムを含む化合物を用いることにより供給することができる。4価セリウムを含む化合物としては、酸化セリウム(IV)、水酸化セリウム(IV)、硝酸セリウム(IV)、硝酸アンモニウムセリウム(IV)、硫酸アンモニウムセリウム(IV)、これらの水和物等が挙げられる。4価セリウムを含む化合物としては、セリウム酸化物を含む反応生成物が得られやすい観点から、水酸化セリウム(IV)、硝酸アンモニウムセリウム(IV)及び硫酸アンモニウムセリウム(IV)からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。すなわち、沈殿工程の混合物は、水酸化セリウム(IV)、硝酸アンモニウムセリウム(IV)及び硫酸アンモニウムセリウム(IV)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種との混合物であることが好ましい。4価セリウムを含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
4価セリウムを含む化合物の配合量は、セリウム酸化物を含む反応生成物が得られやすい観点から、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。4価セリウムを含む化合物の配合量は、セリウム酸化物を含む反応生成物が得られやすい観点から、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。これらの観点から、4価セリウムを含む化合物の配合量は、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部、更に好ましくは20〜30質量部である。
4価セリウムは、3価セリウム(例えば3価セリウムイオン)を酸化して供給することもできる。すなわち、本実施形態に係る吸着剤の製造方法は、3価セリウムを酸化して4価セリウムを得る工程を更に備えることができる。3価セリウムは、3価セリウムを含む化合物を用いることにより供給することができる。4価セリウムを含む化合物は、3価セリウムを含む化合物を酸化して得ることができる。例えば、3価セリウムを含む化合物、及び、酸化剤(過酸化水素等)を混合して得られる反応生成物と、酸成分(硝酸等)とを混合することにより、4価セリウムを含む化合物(4価セリウムの水酸化物等)を得ることができる。
3価セリウムを含む化合物としては、硝酸セリウム(III)、シュウ酸セリウム(III)、酢酸セリウム(III)、炭酸セリウム(III)、これらの水和物等が挙げられる。3価セリウムを含む化合物は、例えば、4価セリウムを含む化合物(酸化セリウム(IV)等)と、過酸化水素と、酸成分(硝酸等)とを混合することにより得ることができる。3価セリウムを含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
混合物のpHは、反応生成物が生成しやすい観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上であり、好ましくは9以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは7未満、特に好ましくは6以下である。混合物のpHは、例えば、反応終了時のpHである。
混合物のpHは、例えば、アンモニア水、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩等を混合物に添加することにより調整されてよく、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を混合物に添加することにより調整されてもよい。
混合物のpHは、好ましくは、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を混合物に添加し、混合物を加熱することにより調整される。この場合、混合物全体で均一なpH変化が生じやすく、かつpHが7以上に上昇した場合には過剰なアンモニアが放散されることから、過剰なpH上昇を抑制しやすい。すなわち、混合物は、好ましくは、繊維状物質及び4価セリウムに加えて、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含有してよい。
この場合、4価セリウムが尿素等と反応することにより、セリウム酸化物(セリウム酸化物粒子)が生成する。加水分解速度は、4価セリウムと反応する尿素等の種類及び配合量、並びに、反応温度によって異なり、これらを調整することによって反応生成物の粒子径等を調整することができる。
尿素誘導体としては、N−モノアルキル尿素、N,N−ジアルキル尿素、N,N’−ジアルキル尿素、N−アリル尿素、ジアセチル尿素、ベンゾイル尿素、フェニルスルホニル尿素、p−トリルスルホニル尿素、トリアルキル尿素、テトラアルキル尿素、N−モノフェニル尿素、N,N−ジフェニル尿素、N,N’−ジフェニル尿素、N−(4−エトキシフェニル)−N’−ビニル尿素、ニトロソ尿素、ビウレア、ビウレット、グアニル尿素、ヒダントイン、ケイ素原子を有する尿素誘導体、その他のウレイド化合物、イソ尿素、イソ尿素誘導体、セミカルバジド化合物等が挙げられる。尿素誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アミド化合物は、分子中にアミド結合を少なくとも1つ有する化合物(尿素及び尿素誘導体を除く)である。アミド化合物としては、カルボン酸アミド、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることができる。アミド化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
沈殿工程では、混合物を下記反応温度に保持してもよい。反応温度は、セリウム酸化物を含む均一な反応生成物が得られやすい(例えば、好適な加水分解速度が得られやすい)観点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下である。反応温度の保持時間は、例えば、10時間以下であってよく、4時間以下であってもよい。
沈殿工程の混合物は、セリウム以外のその他の金属元素を更に含有してもよい。その他の金属元素は、その他の金属元素を含む化合物(例えば、硝酸塩、硝酸塩の水和物等)を混合物に添加することにより供給することができる。
その他の金属元素は、複合体表面の塩基性を向上させ、二酸化炭素の吸着性能を更に向上させる観点から、好ましくは、ランタン(La)及びネオジム(Nd)から選ばれる少なくとも1種の元素である。その他の金属元素は、セリウム酸化物の粒子間に空隙が生じ、合成及び熱処理の際の焼結による比表面積低下を抑制できる観点から、好ましくは、アルミニウム(Al)及び鉄(Fe)から選ばれる少なくとも1種の元素であってもよい。その他の金属元素は、例えば、イットリウム(Y)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)等であってもよい。
その他の金属元素はジルコニウム(Zr)であってもよいが、ジルコニウムは、吸着性能を低下させるおそれがある。したがって、混合物中のセリウムに対するジルコニウムの元素比が、好ましくは0.5以下又は0.1以下となるように、ジルコニウムを混合物に添加する。混合物は、更に好ましくは、ジルコニウムを含まない。
沈殿工程の混合物において、セリウムに対するその他の金属元素の配合比(モル比。その他の金属元素の含有量/セリウムの含有量)は、二酸化炭素の吸着量及び脱離量が更に向上する観点から、好ましくは、0.001以上又は0.1以上であり、好ましくは、1以下、0.5以下、又は0.3以下である。
反応生成物(沈殿物)を吸引ろ過、遠心分離等の方法で分離した後、反応生成物を水洗及び乾燥することで、繊維状物質とセリウム酸化物とを含有する複合体を得ることができる。反応生成物を得た後に、反応生成物を例えば200〜300℃で焼成してもよい。また、反応生成物の水洗及び乾燥(更には焼成)の後の繊維状物質及びセリウム酸化物の混合体を、例えばセリウム酸化物の粒子を水に分散させた分散液に浸漬させることにより、セリウム酸化物の粒子を更に保持させてもよい。
<二酸化炭素分離装置>
一実施形態に係る二酸化炭素分離装置は、上記の吸着剤及び当該吸着剤を収容する容器(二酸化炭素分離部)を備える。二酸化炭素分離装置は、二酸化炭素を含有するガスから二酸化炭素を分離する。
図2は、二酸化炭素分離装置の一実施形態を示す模式図である。図2に示すように、二酸化炭素分離装置100は、吸着剤4と、容器10と、容器10内に二酸化炭素を含有するガスを供給可能なように容器10に接続されたガス供給部30と、容器10内からガスを排出可能なように容器10に接続されたガス排出部40と、を備えている。
吸着剤4は、容器10の内部に配置(例えば充填)されている。吸着剤4は、例えば、上述した複合体又は構造体からなっている。吸着剤4の充填量及び配置位置は、特に限定されない。吸着剤4は、例えば、容器10の中央部に充填されていてもよく、内壁面の一部に配置されていてもよい。吸着剤間の空隙が少ない(空隙率が低い)ほど、空隙内に残留する二酸化炭素以外のガス量が少なくなるため、吸着ガス中の二酸化炭素の純度を高めることができる。一方、吸着剤間の空隙が多い(空隙率が高い)ほど、圧力損失を小さくすることができる。容器10には、例えば、容器10内の温度及び圧力をそれぞれ調整可能なように、温度調整部20及び圧力調整部21が設けられている。
容器10は、例えば固定床式であってよい。固定床式の容器は、例えば、吸着剤4(例えば粒状の吸着剤)を容器内に充填し、吸着剤4自体は移動させずに供給ガス又は容器内の温度及び圧力を変化させることで二酸化炭素の吸着及び脱着を行うように構成されている。
容器10は、他の実施形態において、ローター式であってもよく、流動床式であってもよい。ローター式及び流動床式は、容器に流通させるガス(流通ガス)等の切り替えを行わず、吸着剤そのものを移動させる方式である。
ローター式の容器としては、例えば、容器と、容器内部に設けられた吸着剤充填部と、容器内に流通するガスを仕切るための仕切り板と、を備える容器が挙げられる。吸着剤充填部には吸着剤4が充填されている。この容器は、内部が仕切り板によって複数の領域に仕切られており、流通するガスの種類によって、二酸化炭素吸着領域、吸着剤加熱領域(CO脱離領域)、吸着剤冷却領域等に分けられている。そのため、この方式では、吸着剤充填部を回転させることで、吸着剤4を二酸化炭素吸着領域、吸着剤加熱領域(CO脱離領域)、吸着剤冷却領域等に移動させることができ、COの吸着、吸着剤4の加熱(脱着)、吸着剤4の冷却等の吸脱着サイクルを実施できる。
流動床式の容器は、例えば、吸着剤4の充填量を少なくすることで、動力(コンベヤ、ブロア等)によって吸着剤4が流動可能なように構成されている。流動床式の容器を用いる場合、例えば、第1の供給ガス(詳細は後述)が流通する容器と、第2の供給ガス(詳細は後述)が流通する加熱用容器を設置し、動力(コンベヤ、ブロア等)を用いて、吸着剤4(例えば、粒状又は粉状の吸着剤)を容器と加熱用容器の間で移動させることで、二酸化炭素の吸着と脱着を繰り返してもよい。この方式では、容器に流通させるガスの切り替えが不要であるため、配管、弁等の構成が簡単になる。
ガス供給部30は、第1の供給ガス(詳細は後述)を供給する第1のガス供給流路31と、第2の供給ガス(詳細は後述)を供給する第2のガス供給流路32と、第1のガス供給流路31及び第2のガス供給流路32に接続され、容器10に供給するガスを第1の供給ガス又は第2の供給ガスに切り替える供給ガス切替部33とを有している。ガス供給部30は、容器10内に供給するガス中の二酸化炭素濃度を検出する第1の二酸化炭素濃度検出部(図示せず)を有していてもよい。
ガス排出部40は、第1の排出ガス(詳細は後述)を排出する第1のガス排出流路41と、第2の排出ガス(詳細は後述)を排出する第2のガス排出流路42と、第1のガス排出流路41及び第2のガス排出流路42に接続され、容器10から排出するガスを第1の排出ガス又は第2の排出ガスに切り替える排出ガス切替部43とを有している。ガス排出部40は、容器10内から排出されるガス中の二酸化炭素濃度を検出する第2の二酸化炭素濃度検出部(図示せず)を有していてもよい。第2のガス排出流路42の下流側は、例えば二酸化炭素回収部50に接続され、二酸化炭素回収部50の下流側は、例えば第3のガス排出流路44に接続されている。二酸化炭素回収部50は、必要に応じて、第2の排出ガス中の二酸化炭素を回収する。
供給ガス切替部33、排出ガス切替部43、温度調整部20、及び圧力調整部21は、それぞれ制御部60と電気的に接続されている。制御部60は、例えば、第1の二酸化炭素濃度検出部及び第2の二酸化炭素濃度検出部からの電気的信号に基づき、供給ガス切替部33及び排出ガス切替部43の動作を制御する。
具体的には、制御部60は、まず、容器10内に第1の供給ガスが供給されるように供給ガス切替部33を制御する。第1の供給ガスは、二酸化炭素を含有するガスである。第1の供給ガスは、二酸化炭素以外のガス成分を更に含有していてもよい。二酸化炭素以外のガス成分としては、水(水蒸気、HO)、酸素(O)、窒素(N)、一酸化炭素(CO)、SOx、NOx、揮発性有機物(VOC)等が挙げられる。
第1の供給ガスにおけるCO濃度は、第1の供給ガスの全体積基準で5000ppm以下(0.5体積%以下)であってよい。吸着剤4は第1の供給ガスにおけるCO濃度が低い場合であっても効率的に二酸化炭素を分離できることから、第1の供給ガスにおけるCO濃度は、第1の供給ガスの全体積基準で、2000ppm以下、1500ppm以下、1000ppm以下、又は800ppm以下であってもよい。第1の供給ガスにおけるCO濃度は、第1の供給ガスの全体積基準で、100ppm以上、200ppm以上、又は400ppm以上であってもよい。
第1の供給ガスの具体例としては、プラント(特に大規模プラント)等から排出されるガス(例えば石炭火力発電所のボイラ排ガス)、自動車等の燃焼排ガスなどが挙げられる。ボイラ排ガス及び燃焼排ガスは、二酸化炭素(CO)、水(水蒸気、HO)、窒素(N)、酸素(O)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、硫化水素(HS)等のハイドロカーボン類、灰塵などを含む。
第1のガスの露点は、−40℃以上、0℃以上、又は10℃以上であってよく、50℃以下、40℃以下、又は30℃以下であってよい。第1のガスの相対湿度は、0%以上、30%以上、50%以上、又は80%以上であってよい。相対湿度は、例えば30℃における相対湿度である。
第1のガスを容器10内に供給し、吸着剤4に接触させる際、吸着剤4の温度Tを調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。温度Tが高いほど吸着剤のCO吸着量が少なくなる傾向がある。温度Tは、−20℃以上又は10℃以上であってよく、100℃以下又は40℃以下であってよい。
吸着剤4の温度Tは、温度調整部20により吸着剤4を加熱又は冷却することで調整されて。吸着剤4の温度Tは、第1のガスを加熱又は冷却することにより間接的に調整されてもよい。吸着剤を加熱する方法としては、熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により吸着剤を加熱する方法;電気的に発熱させた電気炉等により吸着剤を加熱する方法などが挙げられる。吸着剤を冷却する方法としては、冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により冷却する方法などが挙げられる。
吸着剤4が収容された容器10内の雰囲気の全圧を調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。全圧が高いほど吸着剤のCO吸着量が多くなる傾向がある。全圧は、二酸化炭素の吸着効率が更に向上する観点から、好ましくは0.1気圧以上、より好ましくは1気圧以上であり、5気圧以上であってもよい。全圧は、省エネルギーの観点から、10気圧以下、2気圧以下、又は1.3気圧以下であってよい。
容器10内の雰囲気の全圧は、圧力調整部21により加圧又は減圧することで調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、ポンプ、コンプレッサー等により機械的に圧力を調整する方法;吸着剤の周辺雰囲気の圧力とは異なる圧力を有するガスを導入する方法などが挙げられる。
制御部60は、上述したとおり容器10内に第1の供給ガスが供給されるように供給ガス切替部33を制御すると共に、容器10内から第1の排出ガスが排出されるように排出ガス切替部43を制御する。第1の排出ガスは、吸着剤4により第1の供給ガスから二酸化炭素が分離された後のガス(すなわち、二酸化炭素濃度が比較的低いガス)である。
続いて、制御部60は、例えば、第1の二酸化炭素濃度検出部で検出された第1の供給ガス中の二酸化炭素濃度と、第2の二酸化炭素濃度検出部された第1の排出ガス中の二酸化炭素濃度とが互いに略同じになったことを検知したら(すなわち、吸着剤4が二酸化炭素を吸着しにくくなったら)、容器10内に第2の供給ガスが供給されるように供給ガス切替部33を制御すると共に、容器10内から第2の排出ガスが排出されるように排出ガス切替部43を制御する。
第2の供給ガスは、例えば、吸着剤4に吸着した二酸化炭素を脱着可能な温度に加熱されたガスである。第2の排出ガスは、第2の供給ガス、及び第2の供給ガスにより吸着剤4から脱着した二酸化炭素を含むガス(すなわち、二酸化炭素濃度が比較的高いガス)である。
この場合、吸着剤4に加熱された第2の供給ガスが供給されることにより、吸着剤4の吸着量の温度依存性を利用した脱着が行われる(温度スイング法。温度変化に伴う吸着剤の吸着量差を利用する方法)。脱着は、加熱された第2の供給ガスを供給する代わりに、例えば吸着剤4自体を加熱することにより行われてもよい。
吸着時における吸着剤の温度Tと、脱着時における吸着剤の温度Tとの温度差(T−T)は、省エネルギーの観点から、200℃以下であってもよく、100℃以下であってもよく、50℃以下であってもよい。温度差(T−T1)は、吸着剤に吸着した二酸化炭素を脱着させやすい観点から、10℃以上であってもよく、20℃以上であってもよく、30℃以上であってもよい。脱着工程における吸着剤の温度Tは、例えば、40℃以上、50℃以上、又は80℃以上であってよく、300℃以下、200℃以下、又は120℃以下であってよい。
脱着の際は、温度スイング法に代えて、吸着量の圧力依存性を利用する方法(圧力スイング法。圧力変化に伴う吸着材の吸着量差を利用する方法)を用いてもよく、これらの方法を併用してもよい(温度・圧力スイング法)。
吸着量の圧力依存性を利用する方法では、容器10内の全圧が高いほどCO吸着量が多くなることから、吸着時の全圧よりも脱着時の全圧が低圧となるように変化させることが好ましい。全圧は、加圧又は減圧することにより調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、例えば、上述した吸着時の方法と同様の方法が挙げられる。脱着時における全圧は、CO脱離量が多くなる観点から、周辺大気の圧力(例えば1気圧)であってもよく、1気圧未満であってもよい。
その後、制御部60は、例えば、第1の二酸化炭素濃度検出部で検出された第1の供給ガス中の二酸化炭素濃度と、第2の二酸化炭素濃度検出部された第1の排出ガス中の二酸化炭素濃度とが互いに略同じになったことを検知したら(すなわち、吸着剤4から二酸化炭素が脱着しにくくなったら)、再び、容器10内に第1の供給ガスが供給されるように供給ガス切替部33を制御すると共に、容器10内から第1の排出ガスが排出されるように排出ガス切替部43を制御する。制御部60が以上の手順を繰り返すことで、二酸化炭素分離装置100では、吸着剤4における二酸化炭素の吸着及び脱着が繰り返される。
上述した二酸化炭素分離装置100は、処理対象となるガスから好適に二酸化炭素を分離できるので、二酸化炭素濃度制御システムに好適に組み込まれる。つまり、二酸化炭素濃度を制御したい空間に二酸化炭素分離装置100を接続することにより、当該空間の二酸化炭素濃度を好適に制御できる。
一実施形態に係る二酸化炭素濃度制御システムは、二酸化炭素分離装置100と、二酸化炭素分離装置100から排出される第1の排出ガスを受け入れ可能なように二酸化炭素分離装置100に接続された空間(第1の空間)と、を備えている。具体的には、第1の空間と、二酸化炭素分離装置100における第1のガス排出流路41の下流側とが、第1の排出ガスが流通可能なように互いに接続されている。二酸化炭素分離装置100から第1の空間への第1の排出ガスの排出量を調整することにより、第1の空間内の二酸化炭素濃度を制御することができる。
この二酸化炭素濃度制御システムでは、二酸化炭素濃度が比較的低い第1の排出ガスが第1の空間へ排出されることから、第1の空間は、好ましくは、第1の排出ガスを雰囲気ガスとして用い、二酸化炭素濃度を低くしたい空間である。第1の空間は、例えば、ビル等の建物、潜水艦などの密閉(居住)空間であってよく、電池、半導体等の製造プラントなどのCOが製造する物品の製造効率を低下させるおそれのある空間であってよい。
他の一実施形態に係る二酸化炭素濃度制御システムは、二酸化炭素分離装置100と、二酸化炭素分離装置100から排出される第2の排出ガスを受け入れ可能なように二酸化炭素分離装置100に接続された空間(第2の空間)と、を備えている。具体的には、第2の空間と、二酸化炭素分離装置100における第2のガス排出流路42又は第3のガス排出流路44の下流側とが、第2の排出ガスが流通可能なように互いに接続されている。二酸化炭素分離装置100から第2の空間への第2の排出ガスの排出量を調整することにより、第2の空間内の二酸化炭素濃度を制御することができる。
この二酸化炭素濃度制御システムでは、二酸化炭素濃度が比較的高い第2の排出ガスが第2の空間へ排出されることから、第2の空間は、好ましくは、二酸化炭素濃度が高いガスを必要とする空間である。第2の空間は、例えば、植物の栽培、藻類の培養、有機物の合成等が行われる空間であってよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シリカ繊維(シリカウール、イビデン株式会社製)1.0gと精製水300gとを混合し、ブレンダーを用いて5分間破砕混合した。得られた混合物に六硝酸二アンモニウムセリウム(IV)16.4g、尿素60gを添加し、これらを400rpmにて撹拌して溶解を確認後、ウォータバスにて95℃で3時間保持した。得られた沈殿物をろ過・水洗した後、沈殿物を一対のセラミックプレートで挟み込み、乾燥炉にて120℃で12時間乾燥させた。これにより、シート状の複合体(吸着剤)を得た。
(実施例2)
六硝酸二アンモニウムセリウム(IV)及び尿素を添加する際に、硝酸ネオジム6水和物2.63gを更に添加した以外は、実施例1と同様にしてシート状の複合体(吸着剤)を得た。
(比較例1)
セリウム酸化物粉末5gを直径4cmの金型を用い、500kgfで加圧成形し、直径4cmのペレット状物質(吸着剤)を得た。
<成形性の評価>
得られた各吸着剤を90°の角度がつくまで折り曲げたときの判断の有無を観察した。結果を表1に示す。
<CO吸着性能の評価>
Heガス(流量:120mL/分)中、220℃にて30分間の前処理を行った後、CO(400体積ppm)、HO(3体積%)及びHe(残部)からなるガスを、各吸着剤を収容した容器内に120mL/分の流量で吸着が飽和するまで流通させた。このときのCO吸着量(g/kg)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2020028847
実施例1,2では、90°に折り曲げても破断しなかったが、比較例1では、折り曲げ時に吸着剤が破断した。これにより、本発明によれば、成形性に優れた吸着剤を提供できることがわかる。また、実施例1,2は、比較例1よりも優れた吸着性能を示した。これは、繊維状物質とセリウム酸化物とが複合体を形成することで、焼成時の比表面積低下を抑制されたことによるものと考えられる。これらの結果から、本発明によれば、吸着性能及び成形性に優れる吸着剤を提供できることがわかる。
1A,1B…構造体、2A,2B…複合体、4…吸着剤、10…容器、30…ガス供給部、31…第1のガス供給流路、32…第2のガス供給流路、33…供給ガス切替部、40…ガス排出部、41…第1のガス排出流路、42…第2のガス排出流路、43…排出ガス切替部、100…二酸化炭素分離装置。

Claims (13)

  1. 繊維状物質と、セリウム酸化物とを含有する、複合体。
  2. 前記セリウム酸化物が、ランタン及びネオジムから選ばれる少なくとも1種の元素を更に含む、請求項1に記載の複合体。
  3. 前記セリウム酸化物中のセリウムに対するジルコニウムの元素比が0.1以下である、請求項1又は2に記載の複合体。
  4. シート状に成形されている、請求項1〜3のいずれか一項の記載の複合体。
  5. 請求項4に記載の複合体を複数備え、
    前記複数の複合体が互いに離間するように配置されている、構造体。
  6. 二酸化炭素を吸着する吸着剤であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合体、又は請求項5に記載の構造体を含む、吸着剤。
  7. 二酸化炭素を含有するガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置であって、
    請求項6に記載の吸着剤と、
    前記吸着剤を収容する容器と、
    前記容器内に前記二酸化炭素を含有するガスを供給可能なように前記容器に接続されたガス供給部と、
    前記容器内からガスを排出可能なように前記容器に接続されたガス排出部と、を備える二酸化炭素分離装置。
  8. 前記ガス供給部が、
    前記二酸化炭素を含有するガスである第1の供給ガスを供給する第1のガス供給流路と、
    前記吸着剤に吸着した二酸化炭素を脱着可能な温度に加熱された第2の供給ガスを供給する第2のガス供給流路と、
    前記容器に供給するガスを前記第1の供給ガス又は前記第2の供給ガスに切り替える供給ガス切替部と、を有し、
    前記ガス排出部が、
    前記吸着剤により前記第1の供給ガスから二酸化炭素が分離された後の第1の排出ガスを排出する第1のガス排出流路と、
    前記第2の供給ガス、及び前記第2の供給ガスにより前記吸着剤から脱着した二酸化炭素を含む第2の排出ガスを排出する第2のガス排出流路と、
    前記容器から排出するガスを前記第1の排出ガス又は前記第2の排出ガスに切り替える排出ガス切替部と、を有する、請求項7に記載の二酸化炭素分離装置。
  9. 請求項8に記載の二酸化炭素分離装置と、
    前記第1の排出ガスを受け入れ可能なように前記二酸化炭素分離装置に接続された空間と、を備え、
    前記二酸化炭素分離装置から前記空間への前記第1の排出ガスの排出量を調整することにより、前記空間内の二酸化炭素濃度を制御する、二酸化炭素濃度制御システム。
  10. 請求項8に記載の二酸化炭素分離装置と、
    前記第2の排出ガスを受け入れ可能なように前記二酸化炭素分離装置に接続された空間と、を備え、
    前記二酸化炭素分離装置から前記空間への前記第2の排出ガスの排出量を調整することにより、前記空間内の二酸化炭素濃度を制御する、二酸化炭素濃度制御システム。
  11. 繊維状物質及び4価セリウムを含有する混合物のpHを制御することにより、前記繊維状物質及びセリウム酸化物を含有する複合体を沈殿させる工程を備える、複合体の製造方法。
  12. 前記混合物が、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含有する、請求項11に記載の複合体の製造方法。
  13. 前記混合物が、ランタン及びネオジムから選ばれる少なくとも1種の元素を更に含有する、請求項11又は12に記載の複合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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