JP2019094229A - 液状組成物及びその製造方法 - Google Patents

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保彦 吉成
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晃平 吉川
俊勝 嶋崎
Toshikatsu Shimazaki
俊勝 嶋崎
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Abstract

【課題】 二酸化炭素の吸着性に優れる吸着剤の製造に用いることができる液状組成物及びその製造方法を提供すること。【解決手段】 固体状物と水とを含有する液状組成物であって、固体状物が、Ceと、Zn、Al、Nd、La及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の元素Xと、を含む、液状組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液状組成物及びその製造方法に関する。
近年、温室効果ガスの排出による地球温暖化が世界的な問題となっている。温室効果ガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、フロン類(CFCs等)などが挙げられる。温室効果ガスの中でも二酸化炭素の影響が最も大きく、二酸化炭素(例えば、火力発電所、製鉄所等から排出される二酸化炭素)の除去方法の構築が求められている。
また、二酸化炭素は人体に影響を与えることが知られており、例えば、二酸化炭素を高濃度に含むガスを吸引した場合には、眠気、健康被害等を引き起こす。人の密度が高い空間(ビル、車輛等)においては、人の呼気により室内の二酸化炭素濃度(以下、場合により「CO濃度」という)が上昇しやすく、換気することでCO濃度を調整する場合がある。
室内空気と外気とを素早く換気するためには、ブロア等の送風装置を稼働させる必要がある。また、外から取り込む空気(外気)は温度及び湿度が調整されていないため、夏季には冷房を稼働させ、冬季には暖房を稼働させる必要がある。これらの理由から、室内のCO濃度上昇は、空調に伴う消費電力の増加の要因となっている。
上記課題の解決策としては、例えば、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、吸着分離法、深冷分離法等により二酸化炭素を除去する方法が挙げられる。例えば、CO吸着剤(以下、単に「吸着剤」という。)を用いて二酸化炭素を分離及び回収する方法(CO分離回収法)が挙げられる。吸着剤としては、例えば、ゼオライトが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2000−140549号公報
ところで、吸着剤を用いた二酸化炭素の除去方法に対しては、二酸化炭素の除去効率を向上させる観点から、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることが求められている。本発明者らの検討の結果、Ceの酸化物が二酸化炭素の吸着性に優れることが見出されたが、Ceの酸化物を含む吸着剤には更なる改良の余地がある。例えば、二酸化炭素の吸着量の増加には吸着剤の比表面積を向上させることが有効であるが、比表面積の向上を目的に吸着剤の粒子を微粒子化した場合には、例えば吸着剤を作製する際の濾過工程において粒子間の空隙が狭くなり、通水性が低くなる。そのため、吸着剤の作製速度(特に水洗の速度)が遅くなる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素の吸着性に優れる吸着剤の製造に用いることができる液状組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、固体状物と水とを含有する液状組成物に関する。この液状組成物において、固体状物は、Ceと、Zn、Al、Nd、La及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の元素Xと、を含む。
上記液状組成物によれば、二酸化炭素の吸着性CO吸着性(二酸化炭素の吸着性、二酸化炭素の捕捉能)に優れる吸着剤及びその成形体を得ることができる。すなわち、上記液状組成物を用いて得られる吸着剤及びその成形体は、CO吸着性に優れている。この吸着剤は、例えば、Ceの酸化物を含む吸着剤である。
上記液状組成物は、硝酸イオン、硫酸イオン及びアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも一種のイオンを更に含有していてよい。この場合、本発明の液状組成物を担体に含浸させて用いる場合に、優れたCO吸着性が得られやすい。
上記液状組成物は、バインダー成分を更に含有していてよい。これにより、得られる吸着剤の比表面積を向上させることができる。
上記固体状物における元素XとCeとのモル比(X/Ce)は、0.01〜0.50であってよい。
上記液状組成物は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために用いられる吸着剤の製造用として好適に用いられる。
本発明の他の側面は、上記液状組成物の製造方法に関する。この製造方法は、Ceイオンと、Zn、Al、Nd、La及びFeからなる群より選択される少なくとも一種のイオンと、酸、塩基又はこれらの前駆体と、を、水を含む液状媒体中で反応させて、Ceイオン及び上記少なくとも一種のイオンを沈殿させる沈殿工程と、沈殿工程により得られた沈殿物を含む水溶液から、水の一部を除去する脱水工程と、を備える。
上記製造方法によれば、CO吸着性に優れる吸着剤及びその成形体の製造に用いられる液状組成物を得ることができる。また、上記製造方法では、沈殿物のろ過を行わないため、沈殿物が微粒子状(例えば0.1mm以下)であっても短い時間での作製が可能であり、優れた生産効率が得られる。さらに、上記製造方法により得られる液状組成物を担体に含浸させて用いる場合には、吸着剤の合成及び成形加工の一連の工程において微粒子のろ過を行う必要がない。そのため、吸着剤を微粒子化した場合であっても吸着剤及びその成形体の作製速度が遅くなることがない。すなわち、上記製造方法は、吸着剤及びその成形体の生産効率の向上に寄与する。
上記沈殿工程では、Ceイオンのイオン源として、水酸化セリウム、硝酸アンモニウムセリウム及び硫酸アンモニウムセリウムからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いてよい。
上記沈殿工程では、塩基又はその前駆体として、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いてよい。この場合、沈殿物として得られる、Ce及び元素Xを含む固体状物の形状が均一化しやすく、得られる吸着剤のCO吸着性がより向上する傾向がある。
上記製造方法は、バインダー成分を添加する工程を更に備えていてよい。
本発明によれば、二酸化炭素の吸着性に優れる吸着剤の製造に用いることができる液状組成物及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の空調装置を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態の空調システムを示す模式図である。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に段階的に記載されている上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、液状組成物中の各成分の含有量は、液状組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、液状組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<液状組成物>
本実施形態の液状組成物は、Ce(セリウム)と、Zn(亜鉛)、Al(アルミニウム)、Nd(ネオジム)、La(ランタン)及びFe(鉄)からなる群より選択される少なくとも一種の元素Xと、を含む固体状物と、水を含む液状媒体と、を含有する。なお、本明細書中、「液状」とは、常温常圧(25℃、1atm)において流動性を有することをいう。
本実施形態の液状組成物において、固体状物は、それ自体が吸着剤(CO吸着剤)として機能するものであるか、又は、焼成されることにより吸着剤(CO吸着剤)として機能するものである。そのため、本実施形態の液状組成物は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために用いられる吸着剤(例えばCO吸着剤)の製造に好適に用いられる。例えば、固体状物がCeを含む酸化物(例えばCeの酸化物、並びに、Ce及び元素Xの複合酸化物)を含む場合、Ceを含む酸化物は優れたCO吸着性を有しているため、固体状物それ自体がCO吸着剤として機能する。また、固体状物がCeを含む水酸化物又は有機酸塩を含む場合、Ceを含む水酸化物及び有機酸塩は焼成されることでCeを含む酸化物を形成するため、固体状物は焼成されることによりCO吸着剤として機能する。
本実施形態の液状組成物によれば、CO吸着性に優れる吸着剤を得ることができる。このような効果が得られる原因は明らかではないが、本発明者らは、以下のように推察している。すなわち、本実施形態の液状組成物を用いた場合、製造される吸着剤はCeと元素Xを含むこととなる。そのため、Ceと元素Xとの複合箇所において電荷の偏りが増加し、二酸化炭素の正電荷との相互作用が強化されることから、吸着剤におけるCO吸着性が向上すると推察している。
(固体状物)
固体状物は、Ceと元素Xとを含む成分であり、液状組成物中において液状媒体(例えば水)に溶解していない成分である。固体状物は、例えば、Ceを含み元素Xを含まない化合物(以下、「Ce化合物」ともいう。)と、元素Xを含みCeを含まない化合物(以下、「X化合物」ともいう。)との混合物、及び、Ce及び元素Xを含む化合物(以下、「CeX化合物」ともいう。)のうちの少なくとも一方を含有する。換言すれば、液状組成物は、液状媒体(例えば水)に溶解していない成分として、Ce化合物及びX化合物を含有してよく、液状媒体(例えば水)に溶解していない成分として、CeX化合物を含有してよい。上記のとおり、Ceと、元素Xとの複合箇所における電荷の偏りが増加することで二酸化炭素の吸着量が増加すると推察されることから、固体状物は、Ceと元素Xとが複合している箇所を有することが好ましい。
CeX化合物は、複合酸化物であってよく、複水酸化物であってもよく、有機酸塩であってもよい。有機酸は、例えば、炭酸、シュウ酸等であってよい。CeX化合物は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点(CO吸着性により優れる吸着剤を製造可能な組成物が得られる観点)から、好ましくは複合酸化物及び複水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含み、より好ましくは複合酸化物を含む。このような観点から、CeX化合物は、好ましくは、主として(例えば50質量%以上)複合酸化物を含む。CeX化合物において、Ceの価数は、3価又は4価であってよく、Xの価数は2価又は3価であってよい。
Ce化合物は、酸化物であってよく、水酸化物であってもよく、有機酸塩であってもよい。有機酸は、例えば、炭酸、シュウ酸等であってよい。Ce化合物は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、好ましくは酸化物及び水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含み、より好ましくは酸化物を含む。このような観点から、Ce化合物は、好ましくは、主として(例えば50質量%以上)酸化物を含む。Ce化合物において、Ceの価数は、3価又は4価であってよい。例えば、Ceの酸化物は、CeO又はCeであってよく、Ceの水酸化物は、Ce(OH)又はCe(OH)であってよい。
X化合物は、例えば、酸化物であってよく、水酸化物であってもよく、有機酸塩であってもよい。有機酸は、例えば、炭酸、シュウ酸等であってよい。X化合物は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、好ましくは元素Xの酸化物及び元素Xの水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含み、より好ましくは酸化物を含む。このような観点から、X化合物は、好ましくは、主として(例えば50質量%以上)酸化物を含む。Xの価数は2価又は3価であってよい。
本実施形態では、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、固体状物が、元素Xとして、Zn、Al、Nd、La及びFeを含むことが好ましい。すなわち、固体状物は、好ましくは、Zn、Al、Nd、La及びFeを含むCeX化合物又はX化合物を含む。Zn、Al、Nd、La及びFeを含む化合物としては、例えば、これらの元素の水酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩等が挙げられる。
固体状物は、元素Xのうちの一種を単独で含んでいてよく、複数種の元素Xを含んでいてもよい。固体状物が複数種の元素Xを含む場合、CeX化合物が複数種の元素Xを含んでいてよく、X化合物が複数種の元素Xを含んでいてもよい。また、固体状物が、Xの種類が異なる複数種の化合物CeXを含んでいてよく、Xの種類が異なる複数種のX化合物を含んでいてもよい。
固体状物におけるCeの含有量は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、固体状物の全質量を基準として、40質量%以上、70質量%以上又は80質量%以上であってよい。また、固体状物におけるCeの含有量は、固体状物の全質量を基準として、100質量%未満であり、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、80質量%以下であってよい。固体状物中の元素の含有量は、例えば、EDX等による元素定量分析によって測定することができる。
固体状物における、元素XとCeとのモル比([元素Xの含有量]/[Ceの含有量]、X/Ce)は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.10以上であり、更に好ましくは0.15以上である。固体状物におけるモル比(X/Ce)は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.40以下であり、更に好ましくは0.25以下である。これらの観点から、固体状物におけるモル比(X/Ce)は、好ましくは0.01〜0.50であり、より好ましくは0.10〜0.40であり、更に好ましくは0.15〜0.25である。
固体状物の形状は特に限定されず、例えば、粒子状であってよい。すなわち、固体状物は、Ceを含む粒子(例えばCe化合物を含む粒子)と元素Xを含む粒子(例えばX化合物を含む粒子)とをそれぞれ含有していてよく、Ce及び元素Xを含む粒子(例えばCeX化合物を含む粒子)を含有していてよい。
固体状物の平均粒子径は、担体(母材)への担持を促進させる観点から、0.005mm以上、0.01mm以上又は0.1mm以上であってよい。固体状物の平均粒子径は、粒子の沈降を抑制し、均一な混合物を得やすい観点から、0.2mm以下、0.1mm以下又は0.05mm以下であってよい。本実施形態では、Ceを含む粒子の平均粒子径、Xを含む粒子の平均粒子径、並びに、Ce及びXを含む粒子の平均径が上記範囲内であってよい。本明細書中、「平均粒子径」とは、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(例えば日機装株式会社製、商品名:Microtrac MT3300EXII)で測定したD50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)を意味する。
固体状物のBET比表面積は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、120m/g又は130m/g以上であってよい。固体状物のBET比表面積は、細孔の容積が大きくなりすぎず、吸着剤の密度が小さくなりすぎない観点から、500m/g以下、400m/g以下又は300m/g以下であってよい。BET比表面積は、例えば、日本BEL製、BELSORP MINI、MICROMERITICS製のASAP2020等の自動比表面積測定装置を用いて測定することができる。
液状組成物における固体状物の含有量は、後の工程(含浸工程、乾燥工程、水処理工程等)を容易にする観点から、液状組成物の全質量を基準として、1質量%以上、10質量%以上又は20質量%以上であってよい。液状組成物における固体状物の含有量は、粘度を低減する観点から、液状組成物の全質量を基準として、50質量%以下、40質量%以下又は30質量%以下であってよい。
(液状媒体)
液状媒体は、少なくとも水を含み、水以外の他の液状成分を含んでいてもよい。
液状媒体における水の含有量は、液状媒体の全質量を基準として、50質量%以上、70質量%以上又は90質量%以上であってよい。液状媒体は水のみからなっていてもよい。
液状組成物における液状媒体の含有量は、液状組成物の全質量を基準として、50質量%以上、60質量%以上又は70質量%以上であってよく、90質量%以下又は80質量%以下であってよい。液状組成物における水の含有量は液状組成物の全質量を基準として、50質量%以上、60質量%以上又は70質量%以上であってよく、また、90質量%以下又は80質量%以下であってよい。
液状媒体は、液状媒体中に溶解している溶解成分として、硝酸イオン、硫酸イオン及びアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも一種のイオンを含んでいてよい。液状媒体がこれらのイオンを含む場合、本実施形態の液状組成物を担体に含浸させて用いる場合に、優れたCO吸着性が得られやすい。このような効果が得られる原因は、明らかではないが、本発明者らは以下のように推察している。すなわち、通常、Ce及び元素Xを含む固体状物は液状媒体中で正又は負に帯電しているため、上記のイオンが該固体状物に作用することで固体状物が密な状態で担持されやすくなり、上記効果が得られると推察される。
上記効果が得られやすい観点から、液状媒体は、好ましくは硝酸イオン及びアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも一種のイオンを含み、より好ましくは硝酸イオン及びアンモニウムイオンの両方を含む。本実施形態では、液状組成物がこれらのイオン(硝酸イオン、硫酸イオン及びアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも一種のイオン)を含んでいてよい。すなわち、これらのイオンは、固体状物中に含まれていてもよい。これらのイオンは、固体状物の原料(例えば、硝酸セリウム、硫酸セリウム、硝酸アンモニウムセリウム等)から供給されてよい。
液状媒体における硝酸イオンの濃度は、上述した効果が得られやすい観点から、0.001mol/L以上、0.01mol/L以上又は0.1mol/L以上であってよく、また、2mol/L以下、1mol/L以下又は0.1mol/L以下であってよい。
液状媒体におけるアンモニウムイオンの濃度は、上述した効果が得られやすい観点から、0.001mol/L以上、0.01mol/L以上又は0.1mol/L以上であってよく、また、2mol/L以下、1mol/L以下又は0.1mol/L以下であってよい。
液状媒体における硫酸イオンの濃度は、上述した効果が得られやすい観点から、0.001mol/L以上、0.01mol/L以上又は0.1mol/L以上であってよく、また、2mol/L以下、1mol/L以下又は0.1mol/L以下であってよい。液状媒体における硫酸イオンの濃度は0mol/Lであってもよい。
(バインダー成分)
液状組成物は、得られる吸着剤の比表面積を向上させる観点から、固体状物同士を結着させるバインダー成分を更に含有していてよい。バインダー成分としては、シリカ等のフィラーが挙げられる。なお、本明細書中、Ce及び元素Xを含む固体状物であって、バインダーとして機能する成分(例えばアルミナ等)は、Ce及び元素Xを含む固体状物に含まれるものとする。
バインダー成分の含有量は、比表面積を向上させる効果が得られやすい観点から、固体状物100質量部に対して、1質量部以上、5質量部以上又は10質量部以上であってよい。バインダー成分の含有量は、吸着性能を保持する観点から、固体状物100質量部に対して、50質量部以下、40質量部以下又は30質量部以下であってよい。
(その他の成分)
液状組成物は、上述した成分以外のその他の成分を更に含んでいてよい。その他の成分としては、例えば、Ce、Nd及びLa以外の希土類元素(例えば、Pr(プラセオジム)等のランタニド、Y(イットリウム)など)が挙げられる。
以上説明した必須成分及び任意成分を含有する液状組成物は、コロイド状(例えば、ゾル状)であってよく、スラリー状であってもよい。
<液状組成物の製造方法>
本実施形態の液状組成物の製造方法は、例えば、Ceイオンと、Zn、Al、Nd、La及びFeからなる群より選択される少なくとも一種のイオン(以下、「Xイオン」ともいう。)と、酸、塩基又はこれらの前駆体と、を、水を含む液状媒体中で反応させて、Ceイオン及びXイオンを沈殿させる沈殿工程と、沈殿工程により得られた沈殿物(反応生成物)を含む水溶液から水の一部を除去する脱水工程と、を備える。
上記製造方法では、沈殿物のろ過を行わないため、沈殿物が微粒子状(例えば0.1mm以下)であっても優れた生産効率が得られる。さらに、この製造方法により得られる液状組成物を担体に含浸させて用いる場合には、吸着剤の合成及び成形加工の一連の工程において微粒子のろ過を行う必要がない。そのため、吸着剤を微粒子化した場合であっても吸着剤及びその成形体の作製速度が遅くなることがない。すなわち、本実施形態の製造方法は、吸着剤及びその成形体の生産効率の向上に寄与する。
沈殿工程では、Ceイオン及びXイオンの一方と、酸、塩基又はこれらの前駆体と、を反応させた後に、Ceイオン及びXイオンの他方と、酸、塩基又はこれらの前駆体と、を反応させてよく、Ceイオン及びXイオンの両方を同時に、酸、塩基又はこれらの前駆体と反応させてもよい。例えば、沈殿工程は、Ceイオン及びXイオンの一方と、酸、塩基又はこれらの前駆体と、水を含む液状媒体と、を含有する第1の混合物を用意する工程と、第1の混合物を反応させる工程と、反応中又は反応後の第1の混合物に対して、Ceイオン及びXイオンの他方を加えて第2の混合物を得る工程と、第2の混合物を反応させる工程と、を含む工程であってよい。また、例えば、沈殿工程は、Ceイオン及びXイオンの両方と、酸、塩基又はこれらの前駆体と、水を含む液状媒体と、を含有する第3の混合物を用意する工程と、第3の混合物を反応させる工程と、を含む工程であってよい。沈殿工程では、Ceイオンと、Xイオンと、酸、塩基又はこれらの前駆体と、が反応することにより、Ce及び元素Xを含む固体状物が沈殿物(反応生成物)として得られる。
Ceイオンは3価又は4価のイオンであってよく、好ましくは4価のイオンである。Ceイオンのイオン源(Ceイオン源)としては、例えば、酸化セリウム、水酸化セリウム、硝酸セリウム、硝酸アンモニウムセリウム、硫酸アンモニウムセリウム、これらの水和物等のCeを含む化合物が挙げられる。Ceイオン源としては、沈殿物としてCeを含む酸化物が得られやすい観点から、水酸化セリウム、硝酸アンモニウムセリウム及び硫酸アンモニウムセリウムからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。また、得られる水溶液が、硝酸イオン、硫酸イオン及びアンモニウムイオンを含むこととなり、優れたCO吸着性を有する吸着剤が得られやすくなる観点では、Ceイオン源としては、硝酸アンモニウムセリウム及び硫酸アンモニウムセリウムからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。Ceイオン源としては、一種の化合物を単独で用いてもよく、二種以上の化合物を併用してもよい。
本実施形態において4価のCeイオンを用いる場合、Ceイオン源として4価のCeを含む化合物を用いてよく、Ceイオン源である3価のCeを含む化合物を酸化して4価のCeイオンを供給してもよい。すなわち、本実施形態の液状組成物の製造方法は、3価のCeを含む化合物を酸化して4価のCeを含む化合物を得る工程を更に備えてよい。例えば、3価のCeを含む化合物、及び、酸化剤(過酸化水素等)を混合して得られる反応生成物と、酸成分(硝酸等)とを混合することにより、4価のCeを含む化合物(4価のCeの水酸化物等)を得てよい。
Xイオンのイオン源(Xイオン源)としては、例えば、元素Xの、酸化物、硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、これらの水和物等が挙げられる。Xイオン源としては、沈殿物として元素Xを含む酸化物が得られやすい観点から、元素Xの水酸化物、硝酸アンモニウム塩及び硫酸アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一種の化合物が好ましく用いられる。また、得られる水溶液が、硝酸イオン、硫酸イオン及びアンモニウムイオンを含むこととなり、優れたCO吸着性を有する吸着剤が得られやすくなる観点では、Xイオン源としては、硝酸アンモニウム塩及び硫酸アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく用いられる。Xイオン源としては、一種の化合物を単独で用いてもよく、二種以上の化合物を併用してもよい。
酸及びその前駆体としては、例えば、シュウ酸等が挙げられる。塩基及びその前駆体としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、尿素、尿素誘導体、アミド化合物等が挙げられる。酸、塩基及びこれらの前駆体としては、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物が好ましく用いられる。Xイオンの沈殿を促進させる観点では、アンモニア、水酸化ナトリウム等の塩基と、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物とを併用することが好ましい。この場合、アンモニア、水酸化ナトリウム等の塩基は、複数回に亘って、反応液(Ceイオン及びXイオンの少なくとも一方と、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物と、水を含む液状媒体と、を含有する混合物)に添加してもよい。塩基としては、アンモニア、水酸化ナトリウム等が挙げられる。塩基は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いて得られる液状組成物を用いることでCO吸着性により優れる吸着剤が得られる原因は明らかではないが、本発明者らは以下のように推察している。尿素、尿素誘導体及びアミド化合物は、水を含む混合物中で徐々に加水分解するため、これらの化合物を用いる場合、反応液のpHが緩やかに上昇することとなる。これにより、均一で微細な沈殿物が生成するため、COの捕捉に有利な細孔を有する吸着剤が得られると推察される。加水分解速度は、Ceイオン及びXイオンと反応する化合物(尿素、尿素誘導体及びアミド化合物等)の種類及び配合量、並びに、反応温度などによって異なり、これらを調整することによって沈殿物の粒子径等を調整することができる。
尿素誘導体としては、N−モノアルキル尿素、N,N−ジアルキル尿素、N,N’−ジアルキル尿素、N−アリル尿素、ジアセチル尿素、ベンゾイル尿素、フェニルスルホニル尿素、p−トリルスルホニル尿素、トリアルキル尿素、テトラアルキル尿素、N−モノフェニル尿素、N,N−ジフェニル尿素、N,N’−ジフェニル尿素、N−(4−エトキシフェニル)−N’−ビニル尿素、ニトロソ尿素、ビウレア、ビウレット、グアニル尿素、ヒダントイン、ケイ素原子を有する尿素誘導体、その他のウレイド化合物、イソ尿素、イソ尿素誘導体、セミカルバジド化合物等が挙げられる。尿素誘導体は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
アミド化合物は、分子中にアミド結合を少なくとも1つ有する化合物(尿素及び尿素誘導体を除く)である。アミド化合物としては、カルボン酸アミド、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることができる。アミド化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上述した各成分の配合量は、得られる沈殿物中のCe及び元素Xの含有量が、上述した固体状物中のCe及び元素Xの含有量の範囲内となるように適宜設定してよい。
例えば、塩基及びその前駆体として、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いる場合、Ceイオン源となる化合物の配合量は、Ceを含む化合物(Ce化合物及びCeX化合物)が得られやすく、特にCeを含む酸化物が得られやすい観点から、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましい。Ceイオン源となる化合物の配合量は、Ceを含む化合物(Ce化合物及びCeX化合物)が得られやすく、特にCeを含む酸化物が得られやすい観点から、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、Ceイオン源となる化合物の配合量は、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましく、20〜30質量部が更に好ましい。
また、塩基及びその前駆体として、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いる場合、Ceイオン源となる化合物及びXイオン源となる化合物の配合量の合計は、元素Xを含む化合物(X化合物及びCeX化合物)が得られやすく、特にXを含む酸化物が得られやすい観点から、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましい。Ceイオン源となる化合物及びXイオン源となる化合物の配合量は、元素Xを含む化合物(X化合物及びCeX化合物)が得られやすく、特にXを含む酸化物が得られやすい観点から、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、Ceイオン源となる化合物及びXイオン源となる化合物の配合量は、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物の合計100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましく、20〜30質量部が更に好ましい。
Xイオン源中の元素XとCeイオン源中のCeとのモル比(X/Ce)は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、0.01以上、0.10以上0.15以上又は0.20以上であってよい。また、モル比(X/Ce)は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、0.50以下、0.40以下、0.30以下又は0.25以下であってよい。すなわち、モル比(X/Ce)は、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、例えば、0.01〜0.50、0.10〜0.40、0.15〜0.30、0.15〜0.25又は0.20〜0.25であってよい。
沈殿工程における反応液のpH(例えば液状媒体のpH)は、Ceイオン源、Xイオン源、並びに、酸、塩基及びこれらの前駆体の種類等に応じて調整してよい。塩基及びその前駆体として、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いる場合、反応液のpH(例えば、反応終了時のpH)は、沈殿物が生成しやすい観点から、4以上が好ましく、5以上がより好ましい。反応液のpH(例えば、反応終了時のpH)は、沈殿物が生成しやすい観点から、9以下が好ましく、7以下がより好ましく、7未満が更に好ましく、6以下が特に好ましい。本実施形態では、第1の混合物のpH(例えば、反応終了時のpH)が上記範囲内であってよく、第2の混合物のpH(例えば、反応終了時のpH)が上記範囲内であってよく、第3の混合物のpH(例えば、反応終了時のpH)が上記範囲内であってよい。
沈殿工程では、Ceイオンと、Xイオンと、酸、塩基又はこれらの前駆体と、を加熱下において反応させてよい。塩基及びその前駆体として、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いる場合、反応温度は、Ceを含む化合物(Ce化合物及びCeX化合物)が得られやすく、特にCeを含む酸化物が得られやすい観点(例えば、好適な加水分解速度が得られやすい観点)から、25℃以上が好ましく、60〜100℃がより好ましく、80〜95℃が更に好ましい。上記反応温度の保持時間は、例えば、10時間以下であってよく、4時間以下であってもよい。反応温度とは、反応液の温度を意味する。すなわち、本実施形態では、第1の混合物の温度が上記範囲内であってよく、第2の混合物の温度が上記範囲内であってよく、第3の混合物の温度が上記範囲内であってよい。
沈殿工程では、CO吸着性により優れる吸着剤が得られる観点から、第1の混合物、第2の混合物又は第3の混合物に、Ce、Nd及びLa以外の希土類元素(例えば、Pr等のランタニド、Yなど)のイオンを含有させてよい。すなわち、沈殿工程では、Ce、Nd及びLa以外の希土類元素のイオンを、酸、塩基又はこれらの前駆体と反応させてよい。この場合、得られる沈殿物(反応生成物)は、Ce、Nd及びLa以外の希土類元素を含む。上記希土類元素のイオンは、上記希土類元素を含む化合物を用いることにより供給することができる。上記希土類元素を含む化合物としては、例えば、硝酸プラセオジム、硝酸イットリウム等の希土類元素の硝酸塩、及び、硝酸塩の水和物が挙げられる。上記希土類元素を含む化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
脱水工程では、沈殿工程により得られた沈殿物を含む水溶液から水の一部を除去する。脱水工程において水の量は、得られる液状組成物中の水の量が上述した範囲内となるように調整してよい。
本実施形態の製造方法は、バインダー成分を添加する工程を更に備えてよい。バインダー成分は、沈殿工程後、脱水工程前に添加してよく、脱水工程後に添加してもよい。
本実施形態の製造方法では、沈殿物(反応生成物)を吸引ろ過、遠心分離等の方法で分離し、沈殿物を水洗及び乾燥することで不純物を除去した後に、得られた沈殿物と液状媒体とを混合することで液状組成物を得てもよいが、生産効率を高める観点、並びに、原料由来の硝酸イオン、硫酸イオン及びアンモニウムイオンを有効に活用することができ、製造コストを削減できる観点では、沈殿物のろ過を行わないことが好ましい。
以上説明した方法により得られる組成物は、固形状物として、Ceイオンと、Zn、Al、Nd、La及びFeからなる群より選択される少なくとも一種のイオンと、酸、塩基又はこれらの前駆体と、の反応由来の構造を有する化合物を含有する。
<吸着剤及びその成形体、並びにこれらの製造方法>
本実施形態の吸着剤及びその成形体は、上述した本実施形態の液状組成物を用いて得ることができる。例えば、本実施形態の液状組成物を担体(例えばハニカム状の基材等)に含浸させ、組成物中の成分(固体状物及びバインダー等)を担体に担持した後、得られた濾過物に対し、必要に応じて、洗浄、乾燥及び焼成を行うことにより、吸着剤の成形体を得ることができる。このようにして得られる吸着剤の成形体は、吸着剤と、該吸着剤を担持する担体とを含んでいる。
ところで、従来の吸着剤を担体に担持させて用いる場合、吸着剤と液状媒体とを混合してコロイド状又はスラリー状にする必要があるが、本実施形態の液状組成物を用いる場合、上記混合操作が不要となる。さらに、従来、吸着剤を製造する際及び成形体を製造する際に、吸着剤及び成形体の洗浄、乾燥、焼成等の工程を行っていたが、本実施形態の液状組成物を用いる場合には、成形体の洗浄、乾燥、焼成等の工程のみを行えばよく、重複した工程を行う必要がない。すなわち、本実施形態の液状組成物によれば吸着剤の成形加工を容易にし、生産効率を向上させることができる。なお、本実施形態の吸着剤及びその成形体は、本実施形態の液状組成物を濾過した後、得られた濾過物に対し、必要に応じて、洗浄、乾燥、焼成及び成形加工を行うことにより得てもよい。
上記製造方法において、吸着剤及び成形体の焼成は、例えば200〜300℃で行ってよい。
上記製造方法により得られる吸着剤は、Ceを含み元素Xを含まない酸化物(以下、「Ce酸化物」ともいう。)と、元素Xを含みCeを含まない酸化物(以下、「X酸化物」ともいう。)との混合物、及び、Ce及び元素Xを含む酸化物(以下、「CeX酸化物」ともいう。)のうちの少なくとも一方を含有する。そのため、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために好適に用いることができる。
ところで、ゼオライト等の吸着剤を用いる方法では、処理対象ガスのCO濃度が低い場合において、二酸化炭素の除去効率が低下する傾向がある。一方、上述した方法により得られる吸着剤は、Ce酸化物とX酸化物との混合物、及び、CeX酸化物のうちの少なくとも一方を含有するため、処理対象ガスのCO濃度が低い場合において優れたCO吸着性を発揮し得る。すなわち、上述した方法により得られる吸着剤によれば、処理対象ガスのCO濃度が低い場合に効率的に二酸化炭素を除去することができる。
吸着剤の形状としては、粉状、ペレット状、粒状、ハニカム状等が挙げられる。吸着剤の形状は、必要となる反応速度、圧力損失、吸着剤の吸着量、吸着剤に吸着されるガス(吸着ガス)の純度(CO純度)等を勘案して決定すればよい。
<二酸化炭素の除去方法>
本実施形態の二酸化炭素の除去方法は、本実施形態の吸着剤を、二酸化炭素を含有する処理対象ガスに接触させて二酸化炭素を当該吸着剤に吸着させる吸着工程を備える。
処理対象ガスにおけるCO濃度は、処理対象ガスの全体積基準で5000ppm以下(0.5体積%以下)であってもよい。本実施形態の二酸化炭素の除去方法によれば、CO濃度が5000ppm以下である場合において、効率的に二酸化炭素を除去することができる。このような効果が奏される理由は、明らかでないが、以下の通りであると本発明者らは推察している。吸着工程では、二酸化炭素がセリウムを含む酸化物の表面に物理吸着するのではなく、二酸化炭素がセリウムを含む酸化物の表面と化学結合することにより二酸化炭素が吸着剤に吸着されると考えられる。この場合、本実施形態の二酸化炭素の除去方法では、吸着剤への吸着における二酸化炭素の分圧依存性が小さく、処理対象ガスのCO濃度が5000ppm以下であっても、効率的に二酸化炭素を除去することが可能であると推察される。
CO濃度は、CO濃度が低い場合であっても効率的に二酸化炭素を除去する効果が確認されやすい観点から、処理対象ガスの全体積基準で、2000ppm以下であってもよく、1500ppm以下であってもよく、1000ppm以下であってもよく、750ppm以下であってもよく、500ppm以下であってもよい。CO濃度は、二酸化炭素の除去量が多くなりやすい観点から、処理対象ガスの全体積基準で、100ppm以上であってもよく、200ppm以上であってもよく、400ppm以上であってもよい。これらの観点から、CO濃度は、処理対象ガスの全体積基準で、100〜5000ppmであってもよく、100〜2000ppmであってもよく、100〜1500ppmであってもよく、100〜1000ppmであってもよく、200〜1000ppmであってもよく、400〜1000ppmであってもよく、400〜750ppmであってもよく、400〜500ppmであってもよい。なお、労働安全衛生法の事務所衛生基準規則において室内のCO濃度は5000ppm以下に調整されるべきことが規定されている。また、CO濃度が1000ppmを超える場合には眠気を誘発することが知られており、建築物環境衛生管理基準においてCO濃度は1000ppm以下に調整されるべきことが規定されている。そのため、CO濃度が5000ppm又は1000ppmを超過しないように換気することでCO濃度を調整する場合がある。処理対象ガスにおけるCO濃度は、上記範囲に限られず、500〜5000ppmであってもよく、750〜5000ppmであってもよい。
処理対象ガスは、二酸化炭素を含有するガスであれば特に限定されず、二酸化炭素以外のガス成分を含有していてもよい。二酸化炭素以外のガス成分としては、水(水蒸気、HO)、酸素(O)、窒素(N)、一酸化炭素(CO)、SOx、NOx、揮発性有機物(VOC)等が挙げられる。処理対象ガスの具体例としては、ビル、車輛等の室内における空気が挙げられる。吸着工程において、処理対象ガスが水、一酸化炭素、SOx、NOx、揮発性有機物等を含有する場合、これらのガス成分は吸着剤に吸着される場合がある。
ところで、ゼオライト等の吸着剤では、処理対象ガスが水を含有する場合にCO吸着性が大幅に低下する傾向がある。そのため、ゼオライト等の吸着剤を用いる方法において吸着剤のCO吸着性を向上させるためには、処理対象ガスを吸着剤に接触させる前に処理対象ガスから水分を取り除く除湿工程を行う必要がある。除湿工程は、例えば、除湿装置を用いて行われるため、設備の増加及びエネルギー消費量の増加につながる。一方、本実施形態の吸着剤は、処理対象ガスが水を含有する場合であっても、優れたCO吸着性を有する。そのため、本実施形態の二酸化炭素の除去方法では、除湿工程が不要であり、処理対象ガスが水を含有する場合であっても効率的に二酸化炭素を除去することができる。
処理対象ガスの露点は、0℃以上であってもよい。処理対象ガスの露点は、セリウム酸化物表面の水酸基を増加させ、COとの反応性を高める観点から、−40℃以上50℃以下であってもよく、0℃以上40℃以下であってもよく、10℃以上30℃以下であってもよい。
処理対象ガスの相対湿度は、0%以上であってもよく、30%以上であってもよく、50%以上であってもよく、80%以上であってもよい。処理対象ガスの相対湿度は、除湿によるエネルギー消費を低減する観点から、100%以下である(すなわち、吸着剤上で結露しない)ことが好ましく、0.1%以上90%以下がより好ましく、10%以上80%以下が更に好ましい。上記相対湿度は、例えば30℃における相対湿度である。
吸着工程において処理対象ガスを吸着剤に接触させる際の吸着剤の温度Tを調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。温度Tが高いほど吸着剤のCO吸着量が少なくなる傾向がある。温度Tは、−20〜100℃であってもよく、10〜40℃であってもよい。
吸着剤の温度Tは、吸着剤を加熱又は冷却することにより調整されてもよく、加熱及び冷却を併用してもよい。また、処理対象ガスを加熱又は冷却することにより間接的に吸着剤の温度Tを調整してもよい。吸着剤を加熱する方法としては、熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により吸着剤を加熱する方法;電気的に発熱させた電気炉等により吸着剤を加熱する方法などが挙げられる。吸着剤を冷却する方法としては、冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により冷却する方法などが挙げられる。
吸着工程において、吸着剤の存在する雰囲気の全圧(例えば、吸着剤を含む容器内の全圧)を調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。全圧が高いほど吸着剤のCO吸着量が多くなる傾向がある。全圧は、二酸化炭素の除去効率が更に向上する観点から、0.1気圧以上が好ましく、1気圧以上がより好ましい。全圧は、省エネルギーの観点から、10気圧以下であってもよく、2気圧以下であってもよく、1.3気圧以下であってもよい。全圧は、5気圧以上であってもよい。
吸着剤の存在する雰囲気の全圧は、加圧又は減圧することにより調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、ポンプ、コンプレッサー等により機械的に圧力を調整する方法;吸着剤の周辺雰囲気の圧力とは異なる圧力を有するガスを導入する方法などが挙げられる。
本実施形態の二酸化炭素の除去方法では、吸着剤の成形体(例えば、ハニカム状の基材に吸着剤を担持してなる成形体)を用いてもよく、吸着剤を容器に充填して用いてもよい。吸着剤の使用方法は、必要となる反応速度、圧力損失、吸着剤の吸着量、吸着剤に吸着されるガス(吸着ガス)の純度(CO純度)等を勘案して決定すればよい。
吸着剤を容器に充填して用いる場合、吸着ガス中の二酸化炭素の純度を高める場合には、空隙率が小さいほど好ましい。この場合、空隙内に残留する二酸化炭素以外のガス量が少なくなるため、吸着ガス中の二酸化炭素の純度を高めることができる。一方、圧力損失を小さくする場合には、空隙率が大きいほど好ましい。
本実施形態の二酸化炭素の除去方法は、上記吸着工程後に、二酸化炭素を吸着剤から脱着(脱離)させる脱着工程を更に備えていてもよい。
二酸化炭素を吸着剤から脱着させる方法としては、吸着量の温度依存性を利用する方法(温度スイング法。温度変化に伴う吸着剤の吸着量差を利用する方法);吸着量の圧力依存性を利用する方法(圧力スイング法。圧力変化に伴う吸着剤の吸着量差を利用する方法)等が挙げられ、これらの方法を併用してもよい(温度・圧力スイング法)。
吸着量の温度依存性を利用する方法では、例えば、脱着工程における吸着剤の温度を吸着工程よりも高くする。吸着剤を加熱する方法としては、上述した吸着工程において吸着剤を加熱する方法と同様の方法;周辺の排熱を利用する方法等が挙げられる。加熱に要するエネルギーを抑える観点からは、周辺の排熱を利用することが好ましい。
吸着工程における吸着剤の温度Tと、脱着工程における吸着剤の温度Tとの温度差(T−T)は、省エネルギーの観点から、200℃以下であってもよく、100℃以下であってもよく、50℃以下であってもよい。温度差(T−T)は、吸着剤に吸着した二酸化炭素を脱着しやすい観点から、10℃以上であってもよく、20℃以上であってもよく、30℃以上であってもよい。脱着工程における吸着剤の温度Tは、例えば、40〜300℃であってもよく、50〜200℃であってもよく、80〜120℃であってもよい。
吸着量の圧力依存性を利用する方法では、吸着剤の存在する雰囲気の全圧(例えば、吸着剤を含む容器内の全圧)が高いほどCO吸着量が多くなることから、吸着工程の全圧よりも脱着工程の全圧が低圧となるように変化させることが好ましい。全圧は、加圧又は減圧することにより調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、例えば、上述した吸着工程と同様の方法が挙げられる。脱着工程における全圧は、CO脱離量が多くなる観点から、周辺大気の圧力(例えば1気圧)であってもよく、1気圧未満であってもよい。
脱着工程により脱着して回収された二酸化炭素は、そのまま外気に排出してもよいが、二酸化炭素を利用する分野において再利用してもよい。例えば、二酸化炭素は植物の光合成に影響をあたえることが知られており、二酸化炭素を2000ppmレベルまで高めて栽培を行うことで、野菜、花卉等の成長を促進することが可能である。そのため、吸着剤により回収したCOを温室栽培向けハウス等のCO濃度を高めることに再利用してもよい。
吸着剤にSOx、NOx、煤塵等が吸着した場合、吸着工程における吸着剤のCO吸着性が低下する可能性があるため、処理対象ガスはSOx、NOx、煤塵等を含有しないことが好ましい。処理対象ガスがSOx、NOx、煤塵等を含有する場合(例えば、処理対象ガスが、石炭火力発電所等から排出される排ガスである場合)、本実施形態の二酸化炭素の除去方法は、吸着剤のCO吸着性を保持しやすい観点から、吸着工程の前に、処理対象ガスからSOx、NOx、煤塵等の不純物を除去する不純物除去工程を更に備えることが好ましい。不純物除去工程は、脱硝装置、脱硫装置、脱塵装置等の除去装置を用いて行うことが可能であり、これらの装置の下流側において、処理対象ガスを吸着剤に接触させることができる。また、吸着剤にSOx、NOx、煤塵等の不純物が吸着した場合には、吸着剤を交換することの他、吸着剤を加熱することによって、吸着剤に吸着した不純物を除去することもできる。
脱着工程後の吸着剤は、再度、吸着工程に用いることができる。本実施形態の二酸化炭素の除去方法では、脱着工程後、吸着工程及び脱着工程を繰り返し行ってもよい。脱着工程において吸着剤を加熱した場合、上述の方法により吸着剤を冷却して吸着工程に用いてもよい。二酸化炭素を含有するガス(例えば、二酸化炭素を含有する処理対象ガス)を吸着剤に接触させることにより吸着剤を冷却してもよい。
本実施形態の二酸化炭素の除去方法は、CO濃度の管理が必要な密閉された空間において好適に実施することができる。CO濃度の管理が必要な空間としては、例えば、ビル;車輛;自動車;宇宙ステーション;潜水艇;食品又は化学製品の製造プラント等が挙げられる。本実施形態の二酸化炭素の除去方法は、特に、CO濃度が5000ppm以下に制限される空間(例えば、ビル、車輛等の人の密度が高い空間)において好適に実施することができる。また、食品又は化学製品等の製造時において二酸化炭素が悪影響を与える可能性があることから、本実施形態の二酸化炭素の除去方法は、食品又は化学製品の製造プラント等において好適に実施することができる。
<二酸化炭素除去器、二酸化炭素除去装置及び二酸化炭素除去システム>
本実施形態の二酸化炭素除去器は、本実施形態の吸着剤を備える。本実施形態の二酸化炭素除去装置は、本実施形態の二酸化炭素除去器(反応容器)を備える。本実施形態の二酸化炭素除去装置は、例えば、二酸化炭素を含有する処理対象ガスを含む空調対象空間に用いられる空調装置である。本実施形態の空調装置は、空調対象空間に接続された流路を備え、処理対象ガスに含まれる二酸化炭素を除去する除去部(二酸化炭素除去器、二酸化炭素除去部)が流路に配置されている。本実施形態の空調装置において、本実施形態の吸着剤が除去部に配置されており、吸着剤が処理対象ガスに接触して二酸化炭素が吸着剤に吸着する。本実施形態によれば、空調対象空間の処理対象ガスを吸着剤に接触させて二酸化炭素を吸着剤に吸着させる吸着工程を備える空調方法が提供される。なお、二酸化炭素を含有する処理対象ガスの詳細は、上述した二酸化炭素の除去方法における処理対象ガスと同様である。以下、図1を用いて、二酸化炭素除去装置の例として、空調装置について説明する。
図1に示すように、本実施形態の空調装置100は、流路10と、排気ファン(排気手段)20と、濃度測定器(濃度測定部)30と、電気炉(温度制御手段)40と、コンプレッサー(圧力制御手段)50と、制御装置(制御部)60と、を備えている。
流路10は、二酸化炭素を含有する処理対象ガス(室内ガス)を含む空調対象空間Rに接続されている。流路10は、流路部10aと、流路部10bと、除去部(流路部。二酸化炭素除去部)10cと、流路部10dと、流路部(循環流路)10eと、流路部(排気流路)10fとを有しており、除去部10cは、流路10に配置されている。空調装置100は、二酸化炭素除去器として除去部10cを備えている。流路10には、除去部10cにおける処理対象ガスの流入の有無を調整するバルブ70aと、処理対象ガスの流れ方向を調整するバルブ70bとが配置されている。
流路部10aの上流端は、空調対象空間Rに接続されており、流路部10aの下流端は、バルブ70aを介して流路部10bの上流端に接続されている。除去部10cの上流端は、流路部10bの下流端に接続されている。除去部10cの下流端は、流路部10dの上流端に接続されている。流路10における流路部10dより下流側は、流路部10e及び流路部10fに分岐している。流路部10dの下流端は、バルブ70bを介して流路部10eの上流端及び流路部10fの上流端に接続されている。流路部10eの下流端は、空調対象空間Rに接続されている。流路部10fの下流端は、外気に接続されている。
除去部10cには、本実施形態の吸着剤である吸着剤80が配置されている。吸着剤80は、除去部10cの中央部に充填されている。除去部10cには、吸着剤80を介して2つの空間が形成されており、除去部10cは、上流側の空間S1と、吸着剤80が充填された中央部S2と、下流側の空間S3とを有している。空間S1は、流路部10a,10b及びバルブ70aを介して空調対象空間Rに接続されており、二酸化炭素を含有する処理対象ガスが空調対象空間Rから除去部10cの空間S1に供給される。除去部10cに供給された処理対象ガスは、中央部S2を経由して空間S1から空間S3へ移動した後、除去部10cから排出される。
空調対象空間Rから排出された処理対象ガスは、除去部10cにおいて二酸化炭素の少なくとも一部が除去される。二酸化炭素が除去された処理対象ガスは、バルブ70bを調整することにより、空調対象空間Rに戻されてもよく、空調装置100の外部における外気へ排出されてもよい。例えば、空調対象空間Rから排出された処理対象ガスは、上流から下流にかけて、流路部10a、流路部10b、除去部10c、流路部10d及び流路部10eを経由して空調対象空間Rに流入することができる。また、空調対象空間Rから排出された処理対象ガスは、上流から下流にかけて、流路部10a、流路部10b、除去部10c、流路部10d及び流路部10fを経由して外気に排出されてもよい。
排気ファン20は、空調対象空間Rにおける処理対象ガスの排出位置に配置されている。排気ファン20は、処理対象ガスを空調対象空間Rから排出して除去部10cへ供給する。
濃度測定器30は、空調対象空間Rの二酸化炭素濃度を測定する。濃度測定器30は、空調対象空間R内に配置されている。
電気炉40は、空調装置100の除去部10cの外部に配置されており、吸着剤80の温度を昇温させることができる。コンプレッサー50は、空調装置100の除去部10cに接続されており、除去部10c内の圧力を調整することができる。
制御装置60は、空調装置100の運転制御を行うことが可能であり、例えば、濃度測定器30で測定される二酸化炭素濃度に基づいて、除去部10cにおける処理対象ガスの流入の有無を制御することができる。具体的には、呼気等により空調対象空間R内の二酸化炭素濃度が上昇して所定濃度に達したことが濃度測定器30により検出された場合、濃度測定器30から制御装置60に濃度情報が送信される。濃度情報を受信した制御装置60は、バルブ70aを開放すると共に、除去部10cから排出されるガスが流路部10d及び流路部10eを介して空調対象空間Rに流入するように調整する。そして、制御装置60は、排気ファン20を稼働させて、空調対象空間Rから処理対象ガスを除去部10cへ供給する。さらに、制御装置60は、必要に応じて、電気炉40及び/又はコンプレッサー50を稼働させて、吸着剤80の温度、除去部10c内の圧力等を調整する。
除去部10cに供給された処理対象ガスが中央部S2を経由して空間S1から空間S3へ移動するに際して、処理対象ガスが吸着剤80に接触し、処理対象ガス中の二酸化炭素が吸着剤80に吸着する。これにより、処理対象ガスから二酸化炭素が除去される。この場合、二酸化炭素が除去されたガスは、流路部10d及び流路部10eを介して空調対象空間Rに供給される。
吸着剤80に吸着した二酸化炭素は、吸着剤80から脱着させることなく、吸着剤80に吸着した状態で回収されてもよく、吸着剤80から脱着させて回収してもよい。脱着工程においては、電気炉40及び/又はコンプレッサー50を稼働させて吸着剤80の温度、除去部10c内の圧力等を調整することにより、上述した温度スイング法、圧力スイング法等により、吸着剤80から二酸化炭素を脱着させることができる。この場合、例えば、バルブ70bは、除去部10cから排出されるガス(脱着した二酸化炭素を含有するガス)が流路部10fを介して外気に排出されるように調整されており、必要に応じて、排出される二酸化炭素を回収することができる。
本実施形態の二酸化炭素除去システムは、本実施形態の二酸化炭素除去装置を複数備える。本実施形態の二酸化炭素除去システムは、例えば、本実施形態の空調装置を複数備える空調システムである。本実施形態の二酸化炭素除去システムは、複数の二酸化炭素除去装置の運転(例えば、空調装置の空調運転)を制御する制御部を備えていてもよい。例えば、本実施形態の二酸化炭素除去システムは、複数の二酸化炭素除去装置の運転(例えば、空調装置の空調運転)を統括的に制御する。以下、図2を用いて、二酸化炭素除去システムの例として、空調システムについて説明する。
図2に示すように、本実施形態の空調システム1は、第1の空調装置100aと、第2の空調装置100bと、制御装置(制御部)62と、を備えている。制御装置62は、第1の空調装置100a及び第2の空調装置100bにおける上述の制御装置60を制御することにより、第1の空調装置100a及び第2の空調装置100bの空調運転を制御する。例えば、制御装置62は、第1の空調装置100a及び第2の空調装置100bの空調運転を同条件で行うように調整してもよく、第1の空調装置100a及び第2の空調装置100bの空調運転を異なる条件で行うように調整してもよい。制御装置62は、除去部10cにおける処理対象ガスの流入の有無等に関する情報を制御装置60に送信することができる。
二酸化炭素除去器、二酸化炭素除去装置(空調装置等)及び二酸化炭素除去システム(空調システム等)は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。例えば、二酸化炭素除去器、二酸化炭素除去装置及び二酸化炭素除去システムは、空調のために用いられることに限られず、二酸化炭素を含有するガスから二酸化炭素を除去する全ての用途に用いることができる。
空調装置において吸着剤は、除去部に配置されていればよく、除去部の中央部に充填されることなく、内壁面の一部に配置されている態様であってもよい。空調装置の制御部の制御内容は、除去部における処理対象ガスの流入の有無を制御することに限られず、制御部は、除去部における処理対象ガスの流入量を調整してもよい。
空調装置において、排気ファンに代えて送風機を用いて処理対象ガスを二酸化炭素除去部へ供給してもよく、自然対流により処理対象ガスが二酸化炭素除去部へ供給される場合には、排気手段を用いなくてもよい。また、温度制御手段及び圧力制御手段は、電気炉及びコンプレッサーに限定されるものでなく、吸着工程及び脱着工程において上述した各種の手段を用いることができる。温度制御手段は、加熱手段に限られず、冷却手段であってもよい。
空調装置において、空調対象空間、二酸化炭素除去部、排気手段、温度制御手段、圧力制御手段、濃度測定部、制御装置等のそれぞれは、一つに限られるものではなく、複数配置されていてもよい。空調装置は、処理対象ガスの露点及び相対湿度を調整するための調湿器;空調対象空間の湿度を測定する湿度測定器;脱硝装置、脱硫装置、脱塵装置等の除去装置などを備えていてもよい。
1…空調システム、10…流路、10a,10b,10d,10e,10f…流路部、10c…除去部(二酸化炭素除去器)、20…排気ファン、30…濃度測定器(濃度測定部)、40…電気炉、50…コンプレッサー、60,62…制御装置(制御部)、70a,70b…バルブ、80…吸着剤、100,100a,100b…空調装置、R…空調対象空間、S1,S3…空間、S2…中央部。

Claims (9)

  1. 固体状物と水とを含有する液状組成物であって、
    前記固体状物が、Ceと、Zn、Al、Nd、La及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の元素Xと、を含む、液状組成物。
  2. 硝酸イオン、硫酸イオン及びアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも一種のイオンを更に含有する、請求項1に記載の液状組成物。
  3. バインダー成分を更に含有する、請求項1又は2に記載の液状組成物。
  4. 前記固体状物における前記元素Xと前記Ceとのモル比(X/Ce)が、0.01〜0.50である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状組成物。
  5. 二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために用いられる吸着剤の製造用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液状組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状組成物の製造方法であって、
    Ceイオンと、Zn、Al、Nd、La及びFeからなる群より選択される少なくとも一種のイオンと、酸、塩基又はこれらの前駆体と、を、水を含む液状媒体中で反応させて、前記Ceイオン及び前記少なくとも一種のイオンを沈殿させる沈殿工程と、
    前記沈殿工程により得られた沈殿物を含む水溶液から、前記水の一部を除去する脱水工程と、を備える、液状組成物の製造方法。
  7. 前記沈殿工程では、前記Ceイオンのイオン源として、水酸化セリウム、硝酸アンモニウムセリウム及び硫酸アンモニウムセリウムからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いる、請求項6に記載の液状組成物の製造方法。
  8. 前記沈殿工程では、前記塩基又はその前駆体として、尿素、尿素誘導体及びアミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いる、請求項6又は7に記載の液状組成物の製造方法。
  9. バインダー成分を添加する工程を更に備える、請求項6〜8のいずれか一項に記載の液状組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022145217A1 (ja) * 2020-12-28 2022-07-07 住友化学株式会社 居住空間の二酸化炭素の低減方法、並びに、二酸化炭素吸着材およびその製造方法

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