JP2021023879A - 吸着剤及びその製造方法、並びに二酸化炭素の除去方法 - Google Patents

吸着剤及びその製造方法、並びに二酸化炭素の除去方法 Download PDF

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英博 中村
俊勝 嶋崎
Toshikatsu Shimazaki
俊勝 嶋崎
保彦 吉成
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保彦 吉成
晃平 吉川
Kohei Yoshikawa
晃平 吉川
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Abstract

【課題】二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能な吸着剤及びその製造方法、並びに該吸着剤を用いた二酸化炭素の除去方法を提供すること。【解決手段】本発明の一側面は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を分離除去するために用いられる吸着剤の製造方法であって、セリウム酸化物と、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーとを含む混合物を焼成して吸着剤を得る工程を有する、吸着剤の製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、吸着剤及びその製造方法、並びに二酸化炭素の除去方法に関する。
地球温暖化の原因の1つとして、温室効果ガスの排出が挙げられる。温室効果ガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、フロン類(CFCs等)などが挙げられる。温室効果ガスの中でも、二酸化炭素の影響が最も大きく、二酸化炭素(例えば、火力発電所、製鉄所等のプラントから排出される二酸化炭素)の除去が課題となっている。
上記課題の解決策としては、例えば、化学吸収法、物理吸着法、膜分離法、吸着分離法、深冷分離法等により二酸化炭素を除去する方法が挙げられる。このような方法としては例えば、二酸化炭素吸着剤を用いて二酸化炭素を分離及び回収する方法(CO分離回収法)が挙げられる。
吸着剤を用いた二酸化炭素分離装置では、吸着剤を充填した容器に、二酸化炭素を含有する処理対象ガスを導入し、吸着剤と処理対象ガスとを大気圧下又は加圧下で接触させることで二酸化炭素を吸着剤に吸着させる。その後、例えば、吸着剤を加熱すること、又は、容器内を減圧することで吸着剤から二酸化炭素を脱離させる。二酸化炭素を脱離させた吸着剤は、冷却又は減圧することにより、再度、二酸化炭素の除去に使用することができる。二酸化炭素の吸着剤として、ゼオライトを用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−140549号公報
吸着剤を用いた二酸化炭素の除去方法に対しては、二酸化炭素の除去効率を向上させる観点から、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることが求められている。
本発明は、二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能な吸着剤及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該吸着剤を用いた二酸化炭素の除去方法を提供することを目的とする。
本発明に係る吸着剤の製造方法は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために用いられる吸着剤であり、セリウム酸化物と、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーと含む混合物を焼成して、吸着剤を得る工程を有する。
本発明に係る吸着剤は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために用いられる吸着剤であって、セリウム酸化物と、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーとを含む混合物の焼成物であり、セリウム酸化物及び酸化アルミニウムを含む。
本発明に係る吸着剤及びその製造方法によれば、バインダーを用いつつ、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることができる。本発明に係る吸着剤及びその製造方法によれば、バインダーを用いつつ、優れた二酸化炭素吸着性(二酸化炭素の吸着能、二酸化炭素の捕捉能)を得ることができる。
本発明に係る吸着剤の製造方法は、上記混合物を250℃以上で焼成する態様であってもよい。
本発明に係る二酸化炭素の除去方法は、上述した吸着剤を、二酸化炭素を含有する処理対象ガスに接触させて二酸化炭素を吸着剤に吸着させる工程を備える。本発明に係る二酸化炭素の除去方法によれば、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能であり、二酸化炭素の除去効率を向上させることができる。
本発明によれば、二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能な吸着剤及びその製造方法を提供することができる。また、本発明は、該吸着剤を用いた二酸化炭素の除去方法を提供することができる。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<吸着剤及びその製造方法>
本実施形態に係る吸着剤(二酸化炭素捕捉材)及びその製造方法は、二酸化炭素を含有する処理対象ガス(処理の対象となるガス)から二酸化炭素を除去(例えば回収)するために用いられる吸着剤及びその製造方法である。本実施形態に係る吸着剤は、セリウム酸化物と、酸化アルミニウムを含有するバインダーとを含む原料混合物の焼成物である。本実施形態に係る吸着剤の製造方法は、セリウム酸化物と、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーとを含む原料混合物を焼成して、吸着剤を得る焼成工程を有する。原料混合物としては、セリウム酸化物、バインダー及び水を含有する混合液であってもよい。
本実施形態に係る吸着剤及びその製造方法によれば、バインダーを用いつつ、二酸化炭素の吸着量を向上させることができる。このように優れた二酸化炭素吸着性が得られる原因は明らかではないが、本発明者は、下記のとおりであると推測している。
酸化ケイ素を含むバインダーを使用した場合、酸性酸化物である酸化ケイ素と塩基性酸化物であるセリウム酸化物が引き合うことにより、表面近傍に酸化ケイ素が付着し、セリウム酸化物の細孔を塞ぎ、物理的に二酸化炭素の吸収を阻害する。したがって、焼成しても吸着性能が向上しない。一方、酸化アルミニウムを含むバインダーを使用した場合、酸化アルミニウムは両性酸化物であることから、その影響が少ない。しかしながら、バインダーに含まれる有機酸が二酸化炭素の吸着を妨げるため、焼成して有機酸を脱離することによって、吸着性能を向上させることができる。
本実施形態に係る吸着剤は、セリウム酸化物と、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーとを含む原料混合物を焼成することにより得ることができる。
セリウム酸化物は、例えば、CeOx(x=1.5〜2.0)であってよく、具体的には、CeO、Ce等であってよい。セリウム酸化物は、セリウム以外のその他の金属元素を更に含む複合酸化物であってもよい。
その他の金属元素は、ランタン(La)、ネオジム(Nd)プラセオジム(Pr)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)等であってもよい。
セリウム酸化物は、例えば固体状である。セリウム酸化物としては、焼成することによりセリウム酸化物を得ることが可能なセリウム化合物を用いることができる。セリウム化合物としては、二酸化炭素の吸着量が更に向上する観点から、セリウムの炭酸塩、セリウムの炭酸水素塩、セリウムのシュウ酸塩及びセリウムの水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。セリウム酸化物は、公知の方法により作製することができる。また、セリウム酸化物として、市販されている化合物を用いてもよい。
原料混合物におけるセリウム酸化物の含有量は、二酸化炭素の吸着量が更に向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、50質量部以上であってもよく、60質量部以上であってもよく、70質量部以上であってもよく、80質量部以上であってもよい。原料混合物におけるセリウム酸化物の含有量は、接着性が向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、95質量部以下であってもよく、93質量部以下であってもよく、90質量部以下であってもよい。
本実施形態に係るバインダーとしては、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するアルミナゾルを用いることができる。有機酸を含むバインダーを用いることで、セリウム酸化物と酸化アルミニウムとが均一に分散した原料混合物を調製することができる。有機酸としては、例えば、酢酸、乳酸、及び酪酸が挙げられる。
バインダーは、セリウム酸化物及び酸化アルミニウム以外の酸化物を更に含有してよい。該酸化物としては、シリカ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。
原料混合物におけるバインダーの含有量は、基材に対する吸着剤の接着性が向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、5質量部以上であってもよく、7質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよい。原料混合物におけるバインダーの含有量は、二酸化炭素の吸着量が更に向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、50質量部以下であってもよく、40質量部以下であってもよく、30質量部以下であってもよく、20質量部以下であってもよい。
焼成工程における焼成温度は、有機酸を除去できる温度であれば特に限定されない。焼成温度は、有機酸の分解が進行し易いことから吸着剤の製造時間を短縮できる観点から、150℃以上、200℃以上で、250℃以上、又は280℃以上であってよい。焼成温度は、250℃以上が好ましい。焼成温度は、セリウム酸化物の焼結が起こり難いことから吸着剤の比表面積が大きくなり易い観点から、600℃以下、500℃以下、400℃以下、350℃以下、又は320℃以下であってもよい。これらの観点から、焼成温度は、150〜600℃であってもよく、200〜500℃であってもよく、250〜400℃であってもよく、250〜350℃であってもよく、280〜320℃であってもよい。
焼成工程における焼成時間は、10分以上であってもよく、1時間以上であってもよく、2時間以上であってもよい。焼成時間は、10時間以下であってもよく、5時間以下であってもよい。
焼成工程は、一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。なお、多段階の焼成を行う場合、少なくとも一つの段階が上記焼成温度及び/又は焼成時間であることが好ましい。焼成工程は、空気雰囲気下、酸素雰囲気下で行うことができる。
焼成後の吸着剤には、有機酸が含まれないことが好ましい。
<造粒粒子>
本実施形態に係る吸着剤は、造粒粒子になる。造粒粒子は、セリウム酸化物とバインダーとを混合しながら、造粒機及び整粒機を用いて作製してもよい。造粒機としては、高速撹拌混合造粒機、撹拌転動造粒機、押出造粒機等が挙げられる。高速撹拌造粒機は、底面に設置された主軸の撹拌羽による撹拌と、側面に取り付けられた主軸と垂直方向に回転する造粒軸による撹拌により、混練及び造粒する装置である。押出造粒機は、回転ローラーにより原料を押出し、スクリーンの孔を通して加圧成形する造粒装置である。
<吸着体及びその製造方法>
本実施形態に係る吸着体(吸着構造体)は、基材(担体、支持体)と、本実施形態に係る吸着剤と、を備え、吸着剤が基材に付着(担持)している。本実施形態に係る吸着体の製造方法は、基材と、当該基材に付着した吸着剤と、を備える吸着体の製造方法であり、基材と、セリウム酸化物及び酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーを含む原料混合物と、を接触させる接触工程と、本実施形態に係る吸着剤の製造方法により原料混合物を焼成して吸着剤を得る焼成工程と、を備える。
基材の形状としては、板状、ハニカム状、球状等が挙げられる。基材の材質としては、シリカ、アルミナ等の無機材料が挙げられる。
接触工程において基材と原料混合物とを接触させる方法は、特に限定されず、基材に固体状又は液状の原料混合物を吹き付ける方法、液状の原料混合物に基材を浸漬させる方法等が挙げられる。接触工程の後に、原料混合物が付着した基材を乾燥させてもよい。
本実施形態に係る吸着体の製造方法では、接触工程の後に焼成工程を行う。焼成工程では、基材に付着した原料混合物を焼成して吸着剤を得る。焼成工程における焼成条件は、本実施形態に係る吸着剤の製造方法において詳述のとおりである。
<二酸化炭素の分離除去方法>
本実施形態に係る二酸化炭素の除去方法は、本実施形態に係る吸着剤を、二酸化炭素を含有する処理対象ガスに接触させて二酸化炭素を当該吸着剤に吸着させる吸着工程を備える。
処理対象ガスにおける二酸化炭素濃度は、処理対象ガスの全体積基準で300ppm以上(0.03体積%以上)99%以下であってもよい。
処理対象ガスは、二酸化炭素を含有するガスであれば特に限定されず、二酸化炭素以外のガス成分を含有していてもよい。二酸化炭素以外のガス成分としては、水(水蒸気、HO)、酸素(O)、窒素(N)、一酸化炭素(CO)、SOx、NOx、揮発性有機物(VOC)等が挙げられる。処理対象ガスとしては、例えば、石炭火力発電所、工場排ガス等における空気が挙げられる。吸着工程において、処理対象ガスが水、一酸化炭素、SOx、NOx、揮発性有機物等を含有する場合、これらのガス成分は吸着剤に吸着される場合がある。
ところで、ゼオライト等の従来の吸着剤では、処理対象ガスが水を含有する場合に二酸化炭素吸着性が大幅に低下する傾向がある。そのため、従来の吸着剤を用いる方法において吸着剤の二酸化炭素吸着性を向上させるためには、処理対象ガスを吸着剤に接触させる前に処理対象ガスから水分を取り除く除湿工程を行う必要がある。除湿工程は、例えば、除湿装置を用いて行われるため、設備の増加及びエネルギー消費量の増加につながる。一方、本実施形態に係る吸着剤は、処理対象ガスが水を含有する場合であっても、従来の吸着剤と比較して優れた二酸化炭素吸着性を有する。そのため、本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法では、除湿工程が不要であり、処理対象ガスが水を含有する場合であっても効率的に二酸化炭素を分離除去することができる。
処理対象ガスの露点は、0℃以上であってもよい。処理対象ガスの相対湿度は、30%以上であってもよく、50%以上であってもよく、80%以上であってもよい。
吸着工程において処理対象ガスを吸着剤に接触させる際の吸着剤の温度Tを調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。温度Tが高いほど吸着剤の二酸化炭素吸着量が少なくなる傾向がある。温度Tは、−20〜100℃であってもよく、10〜40℃であってもよい。
吸着剤の温度Tは、吸着剤を加熱又は冷却することにより調整されてもよく、加熱及び冷却を併用してもよい。また、処理対象ガスを加熱又は冷却することにより間接的に吸着剤の温度Tを調整してもよい。吸着剤を加熱する方法としては、熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により吸着剤を加熱する方法;電気的に発熱させた電気炉等により吸着剤を加熱する方法などが挙げられる。吸着剤を冷却する方法としては、冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により冷却する方法などが挙げられる。
吸着工程において、吸着剤の存在する雰囲気の全圧を調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。全圧が高いほど吸着剤の二酸化炭素の吸着量が多くなる傾向がある。全圧は、二酸化炭素の分離除去効率が更に向上する観点から、1気圧以上であってもよい。全圧は、省エネルギーの観点から、10気圧以下であってもよく、2気圧以下であってもよく、1.3気圧以下であってもよい。全圧は、5気圧以上であってもよい。
吸着剤の存在する雰囲気の全圧は、加圧又は減圧することにより調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、ポンプ、コンプレッサー等により機械的に圧力を調整する方法;吸着剤の周辺雰囲気の圧力とは異なる圧力を有するガスを導入する方法などが挙げられる。
二酸化炭素を吸着剤から脱着させる方法としては、吸着量の温度依存性を利用する方法(温度スイング法。温度変化に伴う吸着剤の吸着量差を利用する方法);吸着量の圧力依存性を利用する方法(圧力スイング法。圧力変化に伴う吸着剤の吸着量差を利用する方法)等が挙げられ、これらの方法を併用してもよい(温度・圧力スイング法)。
吸着量の温度依存性を利用する方法では、例えば、脱着工程における吸着剤の温度を吸着工程よりも高くする。吸着剤を加熱する方法としては、上述した吸着工程において吸着剤を加熱する方法と同様の方法;周辺の排熱を利用する方法等が挙げられる。加熱に要するエネルギーを抑える観点からは、周辺の排熱を利用することが好ましい。
吸着工程における吸着剤の温度Tと、脱着工程における吸着剤の温度Tとの温度差(T−T)は、省エネルギーの観点から、200℃以下であってもよく、100℃以下であってもよく、50℃以下であってもよい。温度差(T−T)は、吸着剤に吸着した二酸化炭素を脱着し易い観点から、10℃以上であってもよく、20℃以上であってもよく、30℃以上であってもよい。脱着工程における吸着剤の温度Tは、例えば、40〜300℃であってもよく、50〜200℃であってもよく、80〜120℃であってもよい。
吸着量の圧力依存性を利用する方法では、吸着剤の存在する雰囲気の全圧が高いほど二酸化炭素の吸着量が多くなることから、吸着工程の全圧よりも脱着工程の全圧が低圧となるように変化させることが好ましい。全圧は、加圧又は減圧することにより調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、例えば、上述した吸着工程と同様の方法が挙げられる。脱着工程における全圧は、二酸化炭素の脱離量が多くなる観点から、周辺大気の圧力(例えば1気圧)であってもよく、1気圧未満であってもよい。
脱着工程により脱着して回収された二酸化炭素は、そのまま外気に排出してもよいが、二酸化炭素を利用する分野において再利用してもよい。例えば、温室栽培向けハウス等では、二酸化炭素濃度を高めることで植物の成長が促進されることから、二酸化炭素濃度を1000ppmレベルに高める場合があるため、回収された二酸化炭素を、二酸化炭素濃度を高めることに再利用してもよい。
吸着剤にSOx、NOx、煤塵等が吸着した場合、吸着工程における吸着剤の二酸化炭素吸着性が低下する可能性があるため、処理対象ガスはSOx、NOx、煤塵等を含有しないことが好ましい。処理対象ガスがSOx、NOx、煤塵等を含有する場合(例えば、処理対象ガスが、石炭火力発電所等から排出される排ガスである場合)、本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法は、吸着剤の二酸化炭素吸着性を保持し易い観点から、吸着工程の前に、処理対象ガスからSOx、NOx、煤塵等の不純物を除去する不純物除去工程を更に備えることが好ましい。また、不純物除去工程は、脱硝装置、脱硫装置、脱塵装置等の除去装置を用いて行うことが可能であり、これらの装置の下流側において、処理対象ガスを吸着剤に接触させることができる。
脱着工程後の吸着剤は、再度、吸着工程に用いることができる。本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法では、脱着工程後、吸着工程及び脱着工程を繰り返し行ってもよい。脱着工程において吸着剤を加熱した場合、上述の方法により吸着剤を冷却して吸着工程に用いてもよい。二酸化炭素を含有するガス(例えば、二酸化炭素を含有する処理対象ガス)を吸着剤に接触させることにより吸着剤を冷却してもよい。
本実施形態に係る二酸化炭素の除去方法は、二酸化炭素濃度の管理が必要な密閉された空間において好適に実施することができる。二酸化炭素濃度の管理が必要な空間としては、例えば、ビル;車輛;自動車;宇宙ステーション;潜水艇;食品;石炭火力発電所又は化学製品の製造プラント等が挙げられる。また、食品又は化学製品等の製造時において二酸化炭素が悪影響を与える可能性があることから、本実施形態に係る二酸化炭素の除去方法は、食品又は化学製品の製造プラント等において好適に実施することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[吸着剤の作製]
(実施例1)
セリウム酸化物粉末4.5gと、アルミナゾル(日産化学株式会社製、商品名「AS−200」、固形分含量:10.5質量%)4.8gとを混合した後、蒸留水19gを加えて原料混合物(スラリー)を調製した。原料混合物を120℃で1時間乾燥して吸着剤を得た。次いで、吸着剤を更に300℃で1時間焼成した。
(実施例2)
セリウム酸化物粉末4.5gと、アルミナゾル(多木化学株式会社製、商品名「Al−L7」、固形分含量:7質量%)7.1gとを混合した後、蒸留水13gを加えて原料混合物を調製した以外は、実施例1と同様にして吸着剤を得た。
(比較例1)
セリウム酸化物粉末4.5gと、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名「スノーテックスN−40」、固形分含量:40質量%)1.3gとを混合した後、蒸留水19gを加えて原料混合物を調製した以外は、実施例1と同様にして吸着剤を得た。
した。
(比較例2)
セリウム酸化物粉末4.5gと、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名「スノーテックスNXS」、固形分含量:15質量%)3.3gとを混合した後、蒸留水17gを加えて原料混合物を調製した以外は、実施例1と同様にして吸着剤を得た。
[評価]
実施例及び比較例で作製した吸着剤について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(比表面積及び平均細孔径)
前処理として、真空引きを行いながら200℃で吸着剤を加熱した。次いで、−196℃での窒素の吸着等温線を測定した。続いて、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法を用いて比表面積及び平均細孔径を測定した。
(二酸化炭素の吸着量)
まず、吸着剤を示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)(株式会社日立ハイテクサイエンス製、商品名「SSC5000」)へセットした。前処理としてTG/DTA内に20mL/分で100%ヘリウムガスガスを流通させながら、吸着剤の温度を220℃まで昇温させた。これにより不純物及び吸着剤に吸着したガスを除去した。このときの重量を吸着剤の初期重量とした。
次に、吸着剤の温度が30℃になるまで冷却した後、TG/DTA内を30℃に保ちながら二酸化炭素吸着量を測定した。試験は、具体的には、下記方法により行った。30℃において、94%窒素、6%二酸化炭素の混合ガスを流通させながら、吸着剤の重量変化がなくなるまで二酸化炭素を流通させた。このときの重量を二酸化炭素飽和吸着量とした。二酸化炭素飽和吸着量から吸着剤の初期重量を差引くことで、吸着剤の二酸化炭素吸着量を算出した。二酸化炭素吸着量を吸着剤の初期重量で割ることにより、二酸化炭素吸着率を算出した。
Figure 2021023879

Claims (4)

  1. 二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を分離除去するために用いられる吸着剤の製造方法であって、
    セリウム酸化物と、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーとを含む混合物を焼成して吸着剤を得る工程を有する、吸着剤の製造方法。
  2. 前記混合物を250℃以上で焼成する、請求項1に記載の吸着剤の製造方法。
  3. 二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を分離除去するために用いられる吸着剤であって、
    セリウム酸化物と、酸化アルミニウム及び有機酸を含有するバインダーとを含む混合物の焼成物であり、セリウム酸化物及び酸化アルミニウムを含む、吸着剤。
  4. 請求項1又は2に記載の吸着剤の製造方法により得られる吸着剤、又は、請求項3に記載の吸着剤を、二酸化炭素を含有する処理対象ガスに接触させて二酸化炭素を前記吸着剤に吸着させる工程を備える、二酸化炭素の除去方法。
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