JP2020195993A - 吸着剤及びその製造方法、吸着体及びその製造方法、並びに、二酸化炭素の除去方法 - Google Patents

吸着剤及びその製造方法、吸着体及びその製造方法、並びに、二酸化炭素の除去方法 Download PDF

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保彦 吉成
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俊勝 嶋崎
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晃平 吉川
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Abstract

【課題】バインダーを用いつつ、二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能な吸着剤及びその製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の一側面は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を分離除去するために用いられる吸着剤の製造方法であって、セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーとを含む混合物を焼成して、吸着剤を得る工程を有する、吸着剤の製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、吸着剤及びその製造方法、吸着体及びその製造方法、並びに、二酸化炭素の除去方法に関する。
地球温暖化の原因の1つとして、温室効果ガスの排出が挙げられる。温室効果ガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、フロン類(CFCs等)などが挙げられる。温室効果ガスの中でも、二酸化炭素の影響が最も大きく、二酸化炭素(例えば、火力発電所、製鉄所等のプラントから排出される二酸化炭素)の除去が課題となっている。
上記課題の解決策としては、例えば、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、吸着分離法、深冷分離法等により二酸化炭素を除去する方法が挙げられる。このような方法としては例えば、二酸化炭素吸着剤を用いて二酸化炭素を分離及び回収する方法(CO分離回収法)が挙げられる。
吸着剤を用いた二酸化炭素分離装置では、吸着剤を充填した容器に、二酸化炭素を含有する処理対象ガスを導入し、吸着剤と処理対象ガスとを大気圧下又は加圧下で接触させることで二酸化炭素を吸着剤に吸着させる。その後、例えば、吸着剤を加熱すること、又は、容器内を減圧することで吸着剤から二酸化炭素を脱離させる。二酸化炭素を脱離させた吸着剤は、冷却又は加圧することにより、再度、二酸化炭素の除去に使用することができる。
二酸化炭素の吸着剤として、ゼオライトを用いることが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−140549号公報
吸着剤を用いて処理対象ガスから二酸化炭素を除去する場合、吸着剤が付着した基材を備える吸着体を用いることがある。この場合、吸着剤を基材に付着させ易い観点から、バインダーを用いて吸着剤を基材に付着させることがある。そして、吸着剤を用いた二酸化炭素の除去方法に対しては、二酸化炭素の除去効率を向上させる観点から、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることが求められており、バインダーを用いつつ、二酸化炭素の吸着量を向上させることが求められている。
本発明は、バインダーを用いつつ、二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能な吸着剤及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記吸着剤を備える吸着体及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記吸着剤を用いた二酸化炭素の除去方法を提供することを目的とする。
本発明に係る吸着剤の製造方法は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために用いられる吸着剤であり、セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーと含む混合物を焼成して、吸着剤を得る工程を有する。
本発明に係る吸着剤は、二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を除去するために用いられる吸着剤であって、セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーとを含む混合物の焼成物である。
本発明に係る吸着剤及びその製造方法によれば、バインダーを用いつつ、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることができる。本発明に係る吸着剤及びその製造方法によれば、バインダーを用いつつ、優れた二酸化炭素吸着性(二酸化炭素の吸着能、二酸化炭素の捕捉能)を得ることができる。
本発明に係る吸着剤の製造方法は、前記混合物を150℃以上で焼成する態様であってもよくて、前記混合物を200℃以上で焼成する態様であってもよい。
本発明に係る吸着体の製造方法は、基材と、当該基材に付着した吸着剤と、を備える吸着体の製造方法であって、前記基材と前記混合物とを接触させる工程と、上述した吸着剤の製造方法により前記混合物を焼成して前記吸着剤を得る工程と、を備える。本発明に係る吸着体は、基材と上述した吸着剤とを備え、前記吸着剤と、前記基材に付着している。本発明に係る吸着体及び製造方法によれば、バインダーを用いつつ、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能であり、二酸化炭素の除去効率を向上させることができる。
本発明に係る二酸化炭素の除去方法は、上述した吸着剤の製造方法により得られる吸着剤、上述した吸着体の製造方法により得られる吸着体の前記吸着剤、上述した吸着剤、又は、上述した吸着体の前記吸着剤を、二酸化炭素を含有する処理対象ガスに接触させて二酸化炭素を吸着剤に吸着させる工程を備える。本発明に係る二酸化炭素の除去方法によれば、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることが可能であり、二酸化炭素の除去効率を向上させることができる。
本発明によれば、バインダーを用いつつ、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着量を向上させることができる。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<吸着剤及びその製造方法>
本実施形態に係る吸着剤(二酸化炭素捕捉材)及びその製造方法は、二酸化炭素を含有する処理対象ガス(処理の対象となるガス)から二酸化炭素を除去(例えば回収)するために用いられる吸着剤及びその製造方法である。本実施形態に係る吸着剤は、セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーとを含む原料混合物の焼成物である。本実施形態に係る吸着剤の製造方法は、セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーとを含む原料混合物を焼成して、吸着剤を得る焼成工程を有する。原料混合物としては、セリウム酸化物、バインダー及び水を含有する液であってもよい。
本実施形態に係る吸着剤及びその製造方法によれば、バインダーを用いつつ、二酸化炭素の吸着量を向上させることができる。このように優れた二酸化炭素吸着性が得られる原因は明らかではないが、本発明者は、下記のとおりであると推測している。すなわち、基材に付着した吸着剤の表面のセリウム酸化物は、近傍に存在するバインダーにより活性が向上するため、より二酸化炭素との反応が活発になり、一般的なセリウム酸化物以上に優れた二酸化炭素吸着量を得易くなる。これに対し、セリウム酸化物表面の活性を向上させないバインダーでは二酸化炭素との反応は活性化せず、一般的なセリウム酸化物と同等の吸着量が得られる。
本実施形態に係る吸着剤は、セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーとを含む原料混合物を焼成することにより得ることができる。
セリウム酸化物は、例えば、CeOx(x=1.5〜2.0)であってよく、具体的には、CeO、Ce等であってよい。セリウム酸化物は、セリウム以外のその他の金属元素を更に含む複合酸化物であってもよい。
その他の金属元素は、ランタン(La)、ネオジム(Nd)プラセオジム(Pr)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)等であってもよい。
セリウム酸化物は、例えば固体状である。セリウム酸化物としては、焼成することによりセリウム酸化物を得ることが可能なセリウム化合物を用いることができる。セリウム化合物としては、二酸化炭素の吸着量が更に向上する観点から、セリウムの炭酸塩、セリウムの炭酸水素塩、セリウムのシュウ酸塩及びセリウムの水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。セリウム酸化物は、公知の方法により作製することができる。また、セリウム酸化物として、市販されている化合物を用いてもよい。
原料混合物におけるセリウム酸化物の含有量は、二酸化炭素の吸着量が更に向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、50質量部以上であってもよく、60質量部以上であってもよく、70質量部以上であってもよく、80質量部以上であってもよい。原料混合物におけるセリウム酸化物の含有量は、接着性が向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、95質量部以下であってもよく、93質量部以下であってもよく、90質量部以下であってもよい。
本実施形態に係るバインダーとしては、酸化チタンを含有すれば特に限定されない。バインダーは、セリウム酸化物及び酸化チタン以外の酸化物を更に含有してもよい。該酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。
原料混合物におけるバインダーの含有量は、基材に対する吸着剤の接着性が向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、5質量部以上であってもよく、7質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよい。原料混合物におけるバインダーの含有量は、二酸化炭素の吸着量が更に向上する観点から、セリウム酸化物及びバインダーの合計100質量部に対して、50質量部以下であってもよく、40質量部以下であってもよく、30質量部以下であってもよく、20質量部以下であってもよい。
焼成工程における焼成温度は、セリウム酸化物を分解できる温度であれば特に限定されない。焼成温度は、セリウム酸化物の分解が進行し易いことから吸着剤の製造時間を短縮できる観点から、150℃以上であってもよく、175℃以上であってもよく、200℃以上であってもよく、225℃以上であってもよく、240℃以上であってもよい。焼成温度は、セリウム酸化物の焼結が起こり難いことから吸着剤の比表面積が大きくなり易い観点から、600℃以下であってもよく、500℃以下であってもよく、400℃以下であってもよく、350℃以下であってもよく、300℃以下であってもよい。これらの観点から、焼成温度は、150〜600℃であってもよく、175〜500℃であってもよく、175〜400℃であってもよく、200〜400℃であってもよく、200〜350℃であってもよく、225〜300℃であってもよく、240〜300℃であってもよい。
焼成工程における焼成時間は、10分以上であってもよく、1時間以上であってもよく、2時間以上であってもよい。焼成時間は、10時間以下であってもよく、5時間以下であってもよい。
焼成工程は、一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。なお、多段階の焼成を行う場合、少なくとも一つの段階が前記焼成温度及び/又は焼成時間であることが好ましい。焼成工程は、空気雰囲気下、酸素雰囲気下又は還元雰囲気下で行うことができる。
<吸着体及びその製造方法>
本実施形態に係る吸着体(吸着構造体)は、基材(担体、支持体)と、本実施形態に係る吸着剤と、を備え、吸着剤が基材に付着(担持)している。本実施形態に係る吸着体の製造方法は、基材と、当該基材に付着した吸着剤と、を備える吸着体の製造方法であり、基材と、セリウム酸化物及びバインダーを含む原料混合物と、を接触させる接触工程と、本実施形態に係る吸着剤の製造方法により原料混合物を焼成して吸着剤を得る焼成工程と、を備える。
基材の形状としては、板状、ハニカム状、球状等が挙げられる。基材の材質としては、シリカ、アルミナ等の無機材料が挙げられる。
接触工程において基材と原料混合物とを接触させる方法は、特に限定されず、基材に固体状又は液状の原料混合物を吹き付ける方法、液状の原料混合物に基材を浸漬させる方法等が挙げられる。接触工程の後に、原料混合物が付着した基材を乾燥させてもよい。
本実施形態に係る吸着体の製造方法では、接触工程の後に焼成工程を行う。焼成工程では、基材に付着した原料混合物を焼成して吸着剤を得る。焼成工程における焼成条件は、本実施形態に係る吸着剤の製造方法において詳述のとおりである。
<二酸化炭素の分離除去方法>
本実施形態に係る二酸化炭素の除去方法は、本実施形態に係る吸着剤を、二酸化炭素を含有する処理対象ガスに接触させて二酸化炭素を当該吸着剤に吸着させる吸着工程を備える。
処理対象ガスにおける二酸化炭素濃度は、処理対象ガスの全体積基準で300ppm以上(0.03体積%以上)99%以下であってもよい。
処理対象ガスは、二酸化炭素を含有するガスであれば特に限定されず、二酸化炭素以外のガス成分を含有していてもよい。二酸化炭素以外のガス成分としては、水(水蒸気、HO)、酸素(O)、窒素(N)、一酸化炭素(CO)、SOx、NOx、揮発性有機物(VOC)等が挙げられる。処理対象ガスとしては、例えば、石炭火力発電所、工場排ガス等における空気が挙げられる。吸着工程において、処理対象ガスが水、一酸化炭素、SOx、NOx、揮発性有機物等を含有する場合、これらのガス成分は吸着剤に吸着される場合がある。
ところで、ゼオライト等の従来の吸着剤では、処理対象ガスが水を含有する場合に二酸化炭素吸着性が大幅に低下する傾向がある。そのため、従来の吸着剤を用いる方法において吸着剤の二酸化炭素吸着性を向上させるためには、処理対象ガスを吸着剤に接触させる前に処理対象ガスから水分を取り除く除湿工程を行う必要がある。除湿工程は、例えば、除湿装置を用いて行われるため、設備の増加及びエネルギー消費量の増加につながる。一方、本実施形態に係る吸着剤は、処理対象ガスが水を含有する場合であっても、従来の吸着剤と比較して優れた二酸化炭素吸着性を有する。そのため、本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法では、除湿工程が不要であり、処理対象ガスが水を含有する場合であっても効率的に二酸化炭素を分離除去することができる。
処理対象ガスの露点は、0℃以上であってもよい。処理対象ガスの相対湿度は、30%以上であってもよく、50%以上であってもよく、80%以上であってもよい。
吸着工程において処理対象ガスを吸着剤に接触させる際の吸着剤の温度Tを調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。温度Tが高いほど吸着剤の二酸化炭素吸着量が少なくなる傾向がある。温度Tは、−20〜100℃であってもよく、10〜40℃であってもよい。
吸着剤の温度Tは、吸着剤を加熱又は冷却することにより調整されてもよく、加熱及び冷却を併用してもよい。また、処理対象ガスを加熱又は冷却することにより間接的に吸着剤の温度Tを調整してもよい。吸着剤を加熱する方法としては、熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に熱媒(例えば、加熱されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により吸着剤を加熱する方法;電気的に発熱させた電気炉等により吸着剤を加熱する方法などが挙げられる。吸着剤を冷却する方法としては、冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を直接吸着剤に接触させる方法;伝熱管等に冷媒(例えば、冷却されたガス又は液体)を流通させ、伝熱面からの熱伝導により冷却する方法などが挙げられる。
吸着工程において、吸着剤の存在する雰囲気の全圧を調整することにより、二酸化炭素の吸着量を調整することができる。全圧が高いほど吸着剤の二酸化炭素の吸着量が多くなる傾向がある。全圧は、二酸化炭素の分離除去効率が更に向上する観点から、1気圧以上であってもよい。全圧は、省エネルギーの観点から、10気圧以下であってもよく、2気圧以下であってもよく、1.3気圧以下であってもよい。全圧は、5気圧以上であってもよい。
吸着剤の存在する雰囲気の全圧は、加圧又は減圧することにより調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、ポンプ、コンプレッサー等により機械的に圧力を調整する方法;吸着剤の周辺雰囲気の圧力とは異なる圧力を有するガスを導入する方法などが挙げられる。
本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法では、吸着剤を基材の表面に担持して用いてもよく、吸着剤を基材(ハニカム状の基材等)の内部に充填して用いてもよい。吸着剤の使用方法は、必要となる反応速度、圧力損失、吸着剤の吸着量、吸着剤に吸着されるガス(吸着ガス)の純度(二酸化炭素純度)等を勘案して決定すればよい。
吸着剤を基材の内部に充填して用いる場合、吸着ガス中の二酸化炭素の純度を高める場合には、空隙率が小さいほど好ましい。この場合、空隙内に残留する二酸化炭素以外のガス量が少なくなるため、吸着ガス中の二酸化炭素の純度を高めることができる。一方、圧力損失を小さくする場合には、空隙率が大きいほど好ましい。
本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法は、前記吸着工程後に、二酸化炭素を吸着剤から脱着(脱離)させる脱着工程を更に備えていてもよい。
二酸化炭素を吸着剤から脱着させる方法としては、吸着量の温度依存性を利用する方法(温度スイング法。温度変化に伴う吸着剤の吸着量差を利用する方法);吸着量の圧力依存性を利用する方法(圧力スイング法。圧力変化に伴う吸着剤の吸着量差を利用する方法)等が挙げられ、これらの方法を併用してもよい(温度・圧力スイング法)。
吸着量の温度依存性を利用する方法では、例えば、脱着工程における吸着剤の温度を吸着工程よりも高くする。吸着剤を加熱する方法としては、上述した吸着工程において吸着剤を加熱する方法と同様の方法;周辺の排熱を利用する方法等が挙げられる。加熱に要するエネルギーを抑える観点からは、周辺の排熱を利用することが好ましい。
吸着工程における吸着剤の温度Tと、脱着工程における吸着剤の温度Tとの温度差(T−T)は、省エネルギーの観点から、200℃以下であってもよく、100℃以下であってもよく、50℃以下であってもよい。温度差(T−T)は、吸着剤に吸着した二酸化炭素を脱着し易い観点から、10℃以上であってもよく、20℃以上であってもよく、30℃以上であってもよい。脱着工程における吸着剤の温度Tは、例えば、40〜300℃であってもよく、50〜200℃であってもよく、80〜120℃であってもよい。
吸着量の圧力依存性を利用する方法では、吸着剤の存在する雰囲気の全圧が高いほど二酸化炭素の吸着量が多くなることから、吸着工程の全圧よりも脱着工程の全圧が低圧となるように変化させることが好ましい。全圧は、加圧又は減圧することにより調整されてもよく、加圧及び減圧を併用してもよい。全圧を調整する方法としては、例えば、上述した吸着工程と同様の方法が挙げられる。脱着工程における全圧は、二酸化炭素の脱離量が多くなる観点から、周辺大気の圧力(例えば1気圧)であってもよく、1気圧未満であってもよい。
脱着工程により脱着して回収された二酸化炭素は、そのまま外気に排出してもよいが、二酸化炭素を利用する分野において再利用してもよい。例えば、温室栽培向けハウス等では、二酸化炭素濃度を高めることで植物の成長が促進されることから、二酸化炭素濃度を1000ppmレベルに高める場合があるため、回収された二酸化炭素を、二酸化炭素濃度を高めることに再利用してもよい。
吸着剤にSOx、NOx、煤塵等が吸着した場合、吸着工程における吸着剤の二酸化炭素吸着性が低下する可能性があるため、処理対象ガスはSOx、NOx、煤塵等を含有しないことが好ましい。処理対象ガスがSOx、NOx、煤塵等を含有する場合(例えば、処理対象ガスが、石炭火力発電所等から排出される排ガスである場合)、本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法は、吸着剤の二酸化炭素吸着性を保持し易い観点から、吸着工程の前に、処理対象ガスからSOx、NOx、煤塵等の不純物を除去する不純物除去工程を更に備えることが好ましい。不純物除去工程では、吸着剤を加熱することにより、吸着剤に吸着した不純物を除去することができる。また、不純物除去工程は、脱硝装置、脱硫装置、脱塵装置等の除去装置を用いて行うことが可能であり、これらの装置の下流側において、処理対象ガスを吸着剤に接触させることができる。
脱着工程後の吸着剤は、再度、吸着工程に用いることができる。本実施形態に係る二酸化炭素の分離除去方法では、脱着工程後、吸着工程及び脱着工程を繰り返し行ってもよい。脱着工程において吸着剤を加熱した場合、上述の方法により吸着剤を冷却して吸着工程に用いてもよい。二酸化炭素を含有するガス(例えば、二酸化炭素を含有する処理対象ガス)を吸着剤に接触させることにより吸着剤を冷却してもよい。
本実施形態に係る二酸化炭素の除去方法は、二酸化炭素濃度の管理が必要な密閉された空間において好適に実施することができる。二酸化炭素濃度の管理が必要な空間としては、例えば、ビル;車輛;自動車;宇宙ステーション;潜水艇;食品;石炭火力発電所又は化学製品の製造プラント等が挙げられる。また、食品又は化学製品等の製造時において二酸化炭素が悪影響を与える可能性があることから、本実施形態に係る二酸化炭素の除去方法は、食品又は化学製品の製造プラント等において好適に実施することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[吸着体の作製]
(実施例1)
セリウム酸化物粉末4.5gと、バインダー(多木化学株式会社製、商品名「タイノックA−6」、酸化チタン含有量:0.5g)とを混合した後、蒸留水9gを加えて300rpmで60分間撹拌して原料混合物を調製した。次いで、基材(イビデン株式会社製、商品名「IBIWOOL−Eペーパー」)を原料混合物に60分間浸漬した後、乾燥機を用いて、水分がなくなるまで浸漬後の基材を120℃で乾燥させて乾燥基材を得た。そして、乾燥基材を120℃で1時間焼成した後に250℃で2時間焼成することにより吸着体を得た。
(実施例2)
セリウム酸化物粉末4.5gと、バインダー(多木化学株式会社製、商品名「タイノックM−6」、酸化チタン含有量:0.5g)とを混合した後、蒸留水9gを加えて原料混合物を調製した以外は、実施例1と同様にして吸着体を得た。
(比較例1)
セリウム酸化物粉末5.0gに、蒸留水20gを加えて原料混合物を調製した以外は、実施例1と同様にして吸着体を得た。
(比較例2)
セリウム酸化物粉末4.5gと、バインダー(日産化学株式会社製、商品名「スノーテックスN−40」、酸化ケイ素含有量:0.5g)とを混合した後、蒸留水19gを加えて原料混合物を調製した以外は、実施例1と同様にして吸着体を得た。
[吸着体の評価]
実施例及び比較例の吸着体を用いて、二酸化炭素の吸着量及び脱着量を測定した。
まず、吸着体を0.5cm角に切取り、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)(株式会社日立ハイテクサイエンス製、商品名「SSC5000」)へセットした。前処理としてTG/DTA内に20mL/分で100%二酸化炭素を流通させながら、吸着体の温度を250℃まで昇温させた。これにより不純物及び吸着体に吸着したガスを除去した。このときの重量を吸着体の初期重量とした。
次に、吸着体の温度が30℃になるまで冷却した後、TG/DTA内を30℃に保ちながら二酸化炭素吸着量を測定した。試験は、具体的には、下記方法により行った。30℃において、吸着体の重量変化がなくなるまで二酸化炭素を流通させた。このときの重量を二酸化炭素飽和吸着量とした。二酸化炭素飽和吸着量から吸着体の初期重量を差引くことで、吸着体の二酸化炭素吸着量を算出した。二酸化炭素吸着量を吸着体の初期重量で割ることにより、二酸化炭素吸着率を算出した。結果を表1に示す。
吸着体の重量変化がなくなった後に、2℃/分で100℃まで昇温した。50℃及び90℃での重量をそれぞれ測定し、二酸化炭素飽和吸着量から差引いて、50℃での脱着量、90℃での脱着量を算出した。二酸化炭素脱着量を吸着体の初期重量で割ることにより、二酸化炭素脱着率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2020195993
実施例1及び2の吸着体は、比較例1及び2の吸着体よりも二酸化炭素吸着性に優れると共に、50℃及び90℃での二酸化炭素脱着率に優れることが確認された。

Claims (7)

  1. 二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を分離除去するために用いられる吸着剤の製造方法であって、
    セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーとを含む混合物を焼成して、吸着剤を得る工程を有する、吸着剤の製造方法。
  2. 前記混合物を150℃以上で焼成する、請求項1に記載の吸着剤の製造方法。
  3. 前記混合物を200℃以上で焼成する、請求項1に記載の吸着剤の製造方法。
  4. 基材と、当該基材に付着した吸着剤と、を備える吸着体の製造方法であって、
    前記基材と前記混合物とを接触させる工程と、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸着剤の製造方法により前記混合物を焼成して前記吸着剤を得る工程と、を備える、吸着体の製造方法。
  5. 二酸化炭素を含有する処理対象ガスから二酸化炭素を分離除去するために用いられる吸着剤であって、
    セリウム酸化物と、酸化チタンを含有するバインダーとを含む混合物の焼成物である、吸着剤。
  6. 基材と、請求項5に記載の吸着剤と、を備え、
    前記吸着剤が、前記基材に付着している、吸着体。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸着剤の製造方法により得られる吸着剤、請求項4に記載の吸着体の製造方法により得られる吸着体の前記吸着剤、請求項5に記載の吸着剤、又は、請求項6に記載の吸着体の前記吸着剤を、二酸化炭素を含有する処理対象ガスに接触させて二酸化炭素を前記吸着剤に吸着させる工程を備える、二酸化炭素の除去方法。
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