JP2020028425A - 遊技機評価装置及び遊技機評価プログラム - Google Patents

遊技機評価装置及び遊技機評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】客観的な分析によって遊技機を評価することにより、遊技者に対して快感をもたらすことができる遊技機の開発を可能とする。【解決手段】遊技機において実際に出現した演出を記憶する演出記憶部21と、演出記憶部21に記憶された各演出が出現する確率を出現率情報として記憶する出現率記憶部22と、演出記憶部21に記憶された各演出が出現して当たりに至った確率を信頼度情報として記憶する信頼度記憶部23と、出現率情報と信頼度情報とに基づき遊技機を評価する評価部25とを備える遊技機評価装置を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、遊技機の面白さ等を評価する遊技機評価装置及び遊技機評価プログラムに関する。
パチンコ等の遊技機の遊技者は、遊技による出玉や当たりの獲得によって満足感を得るものであり、この満足感を繰り返し得ることが、その遊技機の稼働率向上につながると考えられている。
しかしながら、近年は、ギャンブル依存症対策の実施が求められるなど、いわゆる高射幸性による誘客が困難となっている。このような状況においては、遊技機には、射幸性が低い中にあっても遊技者に対して快感を与えることが求められている。そこで、遊技機の開発においては、どのような遊技機が遊技者に快感をもたらし高稼働を見込めるかが検討されているが、かかる検討は、経験と直感に頼ることが多いため、開発時には稼働率の予測が困難である。
特開2005−168605号公報
現在の遊技機の評価基準としては、販売台数、稼働率などがあるが、これらについて確度の高い予測を行うことは困難である。例えば、実際に遊技をした遊技者に対するアンケートによる稼働予測などが行われることもあり、このようなアンケートでは、面白さ、ドキドキ感、音楽の良さ、映像の良さ、ギミックの良さ、スペックの良さ、出玉の良さ、コンテンツの良さ、ブランド評価、その台の適正販売台数との比、ホールの使い方(回し方、設定の入れ方)などの項目についての評価が行われ、これらを多変量解析によって構造化し尺度化していくが、このような評価も、主観的な評価の域を脱し得ない。
本発明は、上記の問題にかんがみなされたもので、その目的は、遊技機に関する主観的な評価からの脱却を図り、客観的な分析によって遊技機を評価することにより、遊技者に対して快感をもたらすことができる遊技機の開発を可能とすることにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技機評価装置は、遊技機において実際に出現した演出を記憶する演出記憶部と、前記演出記憶部に記憶された各演出が出現する確率を出現率情報として記憶する出現率記憶部と、前記演出記憶部に記憶された各演出が出現した場合に当たりに至る確率を信頼度情報として記憶する信頼度記憶部と、前記出現率情報と前記信頼度情報とに基づき遊技機を評価する評価部とを備える。
本発明に係る遊技機評価装置では、各演出が出現する確率である出現率情報と、各演出から当たりに至る確率である信頼度情報とを用いて遊技機を評価する。したがって、その評価は、従来のような主観に基づくものではなく、実際の遊技機の挙動を客観的に数値化した情報に基づくものとなり、これにより遊技者に快感をもたらす遊技機の開発が可能となる。
遊技機評価装置の第1実施形態の構成例を示すハードウェアブロック図である。 遊技機評価装置の第1実施形態の構成例を示す機能ブロック図である。 複数機種に関する演出分布の例を示す比較図である。 遊技機評価装置の第2実施形態の構成例を示す機能ブロック図である。 ドーパミンの遷移例を示すグラフである。 遊技機評価装置の第3実施形態の構成例を示す機能ブロック図である。
1 第1実施形態
図1に示す遊技機評価装置1は、遊技機を機種ごとに評価する装置であり、各種の演算及び判断を行うCPU11と、CPU11が実行する制御プログラムを記憶するROM12と、遊技機を評価するためのアプリケーションプログラム及びCPU11における処理において必要に応じてデータが記憶されるRAM13と、各種データが記憶されるハードディスクドライブ等からなる記録部14と、CPU11による処理結果や記録部14に記憶された内容を表示する表示部15と、記録部14に記憶するデータ等の入力に用いる入力部16とを少なくとも備えており、これらは内部のバスによって相互に接続されている。この遊技機評価装置1では、ROM12に記憶された制御プログラム及びRAM13に記憶されたアプリケーションプログラムがCPU11において実行されることにより、図2に示す各部位の機能が実現される。
図2に示すように、遊技機評価装置1は、遊技機において実際に出現した演出を記憶する演出記憶部21と、演出記憶部21に記憶された各演出が出現する確率を出現率として記憶する出現率記憶部22と、演出記憶部21に記憶された各演出が出現した場合に当たりに至る確率を信頼度として記憶する信頼度記憶部23と、個々の演出ごとに出現率と信頼度との関係を対応付けた演出分布を生成する演出分布生成部24と、出現率と信頼度との関係を表す演出分布に基づき遊技機を評価する評価部25とを備えている。
演出記憶部21には、すべての演出が記憶される。演出には、保留の演出、リーチ前予告の演出、リーチ中予告の演出等があり、個々の演出は、これらのいずれかの段階に属する。例えば、保留の演出には、保留ランプ点灯時の色、保留音等があり、リーチ前予告の演出には、表示色の変化、セリフの色の変化、カットイン等があり、リーチ中予告の演出には、疑似連、カットイン、リーチ発展等がある。
遊技機、例えばパチンコを遊技し、スタートチャッカーにパチンコ玉が入賞すると、所定の確率で抽選が開始されるが、この抽選動作中にさらに別のパチンコ玉がスタートチャッカーに入賞すると、抽選動作は順次行われるため、あとの入賞について一定回数だけ記憶しておき、前の抽選動作が終了した後にあとの抽選動作を行う。これを保留という。
抽選の結果、当たりに至るまでの演出動作が所定の確率で生起する。多くの遊技機では、メインデジタルにスロットを表示し、スロットの図柄がいずれかの方向に揃えば当たりとなる。このような遊技機では、いずれかの方向に図柄が2つ揃った状態をリーチとしており、リーチの演出表示をメインデジタルにおいて行うことによって、当たりへの期待度を高めている。リーチ演出が開始される前に、リーチ演出が行われることを予告する演出を行うこともある。この演出を、リーチ前予告と称する。また、リーチ状態に突入してから最終的に当たり判定を行うまでの演出も行うことにより、当たりへの期待度を高める。この予告演出動作を、リーチ中予告と称する。
なお、カットインとは、予告の途中で、それまでの流れと関係ないカットが挿入される演出のことであり、疑似連とは、実際には1回転しかデジタルは回っていないが、見た目の演出を工夫することで、あたかも数回転にわたって予告が連続しているように思わせる演出のことである。
出現率記憶部22は、演出記憶部21に記憶されている個々の演出の出現率を記憶する。出現率は、個々の演出ごとに、複数回(例えば数千回)の遊技中に出現した出現回数を、遊技した回数で割ることにより求められる。
信頼度記憶部23は、演出記憶部21に記憶されている個々の演出が出現した場合において、個々の演出ごとに、当たりに至った確率を信頼度として算出して記憶する。信頼度は、個々の演出ごとに、当たりに至った回数を、複数回の遊技中におけるその演出の総出現回数で割ることにより求められる。
演出分布生成部24は、例えば図3に示す演出分布比較図3のように、横軸を出現率、縦軸を信頼度とし、個々の演出ごとに、出現率記憶部22に記憶された出現率及び信頼度記憶部23に記憶された信頼度とを対応付けてプロットしていく。演出分布比較図3には、複数の機種についての演出分布が表される。演出分布比較図3は、保留の演出、リーチ前予告の演出、リーチ中予告の演出等のそれぞれについて生成される。演出分布比較図3には、複数の遊技機の機種における個々の演出の分布をプロットしていくため、演出の出現率及び信頼度の分布が機種ごとにどう異なるのかを把握することができる。
評価部25は、演出分布比較図3に基づき、遊技機を機種ごとに評価する。評価部25は、演出分布比較図3におけるプロットが集中している領域、全体としてのプロットの分散の仕方、他の機種の分布との相対関係等に基づいて評価を行う。
上記遊技機評価装置1を用いて遊技機を評価するにあたっては、評価対象の複数の遊技機を同じ回数(例えば3000回)ずつ実際に遊技し、それぞれの遊技機ごとに、出現した演出を演出記憶部21に記憶していく。ここでは、評価対象の機種は、3機種とする。すべての演出は、保留、リーチ前予告、リーチ中予告のいずれかの段階に属する。なお、複数の遊技機は、当たりの確率を同じにしておく(例えば1/320)。
演出記憶部21にすべての演出が記憶されると、出現率記憶部22は、すべての演出について、個々の演出の出現率を算出して記憶する。また、信頼度記憶部23は、すべての演出について、その信頼度を算出して記憶する。
次に、演出分布生成部24は、出現率記憶部22及び信頼度記憶部23に記憶された内容に基づき、図3の演出分布比較図3に、個々の演出をプロットしていく。演出分布比較図3は、保留、リーチ前予告、リーチ中予告の各段階についてそれぞれ演出分布比較図3を生成する。なお、図3に示した演出分布比較図3は、機種1−3について、リーチ中予告に出現した演出の出現率と信頼度との関係を示している。
次に、評価部25は、保留、リーチ前予告、リーチ中予告の各段階における演出分布図に基づき、各遊技機を評価する。例えば、評価部25は、演出分布比較図3をいくつかの領域に区切り、どの領域にプロット数が多いかを把握する。
遊技機の評価の指標としては、信頼度が分散しているか否か、出現率が低くなりすぎていないか、等がある。例えば、図3の演出分布比較図3における機種1については、出現率が低い演出が数多くあり、このような演出を目にする機会はあまりないため、機種1は、予告効果が低く、遊技者に快感をもたらす可能性が低いと考えられる。
また、機種1では、信頼度が100%に達している演出も数多くあり、この演出が出現すると、当たりになることがわかってしまうため、かえって面白さを感じなくなると考えられる。
また、例えば機種3については、信頼度が分散しすぎているため、演出が出現しても、それが当たりへの期待につながりにくくなっており、快感を得にくい分布となっている。
上記のような種々の判断は、例えば図1に示した入力部16からの入力による設定により、演出分布比較図3において、プロットの密度(集中度)が高いと快感を得にくい領域、プロットの集中度が高いと快感を得やすい領域、プロットの集中度が低いと快感を得にくい領域、プロットの集中度が低いと快感を得やすい領域等を評価部25があらかじめ認識しておくことで、自動的に行うことが可能となる。例えば、信頼度が20%以下の領域と、信頼度が70%以上の領域とを、集中度が高いと快感を得やすい領域として設定した場合は、実際にこの領域にプロットが集中している遊技機については、稼働率が高くなる可能性が高いと考えられる。かかる設定をした場合、機種1−3の中では、快感を得やすい領域に最もプロットが集中しているのは機種2であり、機種1−3の中では、機種2が最も高い稼働率を見込めると判断することができる。
なお、遊技機の評価は、評価者が実際に演出分布比較図3を目で見ることによって行うこともできる。
遊技機を評価するにあたっては、演出分布が開発者の意図に合致しているか否かも1つの指標となる。例えば、開発者がリーチ中予告の信頼度を低めに設定したかったにもかかわらず、実際にはリーチ中予告の信頼度が高い領域にプロットが集中している場合は、開発者の意図に反していて高稼働を見込める可能性が低いと評価することができる。このような評価は、例えば図1に示した入力部16を用いて、プロットが集中しているべきと開発者が考える領域を演出分布比較図3上に指定し、その指定した領域と、実際にプロットの集中度が高い領域とが合致しているかを評価部25が判断することによって可能となる。また、指定した領域の理想的な集中度を入力部16から入力しておき、その集中度と実際の集中度とを評価部25が比較して評価するようにしてもよい。
過去に人気のあった機種の演出分布との比較において、評価対象機種が、人気が出る可能性が高いか否かを推定することもできる。例えば、過去の人気機種の演出分布を演出分布比較図3に重ね、評価部25は、評価対象機種のうち、過去の人気機種と演出分布の重複度が高く、集中度が高い領域が一致している機種については、その機種も人気が出る可能性が高いと判断することができる。
以上のように、演出分布生成部24が演出分布比較図3を生成し、評価部25が、その演出分布に基づいて遊技機を機種ごとに判断することができるため、客観的な分析による遊技機の評価が可能となる。そして、この評価に基づき、各演出の出現度や信頼度を変更することにより、遊技者が快感を得やすい遊技機の開発が可能となる。また、演出分布比較各図3が複数の機種について生成されていることにより、他の機種との比較における特徴を把握することが可能となる。さらに。保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のそれぞれについて演出分布比較図3を生成することにより、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のそれぞれについて、他の機種との演出分布の違いを把握することができるため、機種の特徴をより明確に把握することが可能となる。
2 第2実施形態
図4に示す遊技機評価装置4は、図1に示した遊技機評価装置1と同様のハードウェア構成を有しており、ROM12に記憶された制御プログラム及びRAM13に記憶されたアプリケーションプログラムがCPU11において実行されることにより、図4に示す遊技機評価装置4の各部位の機能が実現される。
遊技機評価装置4では、脳科学に基づいて遊技機の評価を行う。脳科学においては、欲求が満たされたとき、又は欲求が満たされるとわかったときに、ドーパミンがヒトの脳内で生成され、このドーパミンを報酬系と呼ばれる特定の神経系が受容することにより、ヒトに快感が生起されると考えられている。報酬系は、欲求が満たされたときだけでなく、報酬を得ることを期待して行動している間にも活性化するものであり、動物実験によれば、報酬の予告を行ってから報酬を与える場合と、報酬の予告を行うことなく報酬を与える場合とでは、前者の方が、ドーパミンの総量が大きくなることが実証されている。そして、スタートチャッカーにパチンコ玉が入賞し、保留、リーチ前予告及びリーチ中予告を経て当たりへと移行することも、上記脳科学における予告と報酬との組合せと考えることができる。また、報酬の予告を行ってから報酬を与える場合における予告時における前倒しのドーパミンと実際に報酬が与えられたときのドーパミンとの比も動物実験により判明している。
遊技機評価装置4は、遊技機において実際に出現した演出又は複数の演出の流れである演出フローを記憶する演出記憶部41と、演出記憶部41に記憶された演出又は演出フローが出現する確率を出現率として記憶する出現率記憶部42と、演出記憶部41に記憶された演出又は演出フローが出現した場合に当たりに至る確率を信頼度として記憶する信頼度記憶部43と、信頼度ごとのドーパミン値の遷移パターンをあらかじめ記憶するパターン記憶部44と、パターン記憶部44を検索して演出記憶部41に記憶された演出又は演出フローがどの遷移パターンに相当するかを判断する検索部45と、検索部45における判断及び出現率記憶部42に記憶された各演出の出現率情報とに基づき各演出フローによって遊技者に分泌するであろうドーパミン値を算出するドーパミン値算出部46と、ドーパミン値算出部46が算出したドーパミン値のすべての値を用いて遊技機の総ドーパミン量を算出する総ドーパミン量算出部47と、ドーパミン値算出部46又は総ドーパミン量算出部47が算出したドーパミンの値に基づいて遊技機を評価する評価部48とを備えている。
演出記憶部41には、第1実施形態と同様に、すべての演出が記憶される。演出には、保留の演出、リーチ前の演出、リーチ中予告の演出等があり、個々の演出は、これらのいずれかの段階に属する。また、演出記憶部41には、遊技者が遊技機を実際に遊技した際の演出の流れも演出フローとして記憶している。演出フローは、例えば、以下の表1に示す演出フローテーブルの形で記憶されている。演出フローテーブルは、遊技者が複数回(例えば数千回)遊技した際に出現したすべての演出について記憶したものである。
(表1)演出フローテーブル
Figure 2020028425
表1に示した演出フローテーブルの最も左の列は、各演出フローに付けられたシリアル番号である。本例では、出現する演出が、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のいずれの段階において出現するかが示されている。
表1の例における保留変化の演出は、色による表示や保留音の有無によって表される。表1の例におけるリーチ前予告の演出項目には、セリフ、役物、背景色、カットインがある。表1の例におけるリーチ中予告の演出項目には、疑似連とリーチ発展とがある。なお、表1に示した演出は一例であり、このほかの演出項目を追加することもできる。各番号の演出フローには、その結果として当たりに至った場合と当たりに至らなかった場合とがある。
図4に示した出現率記憶部42は、演出記憶部41に記憶されている個々の演出又は演出フローの出現率を記憶する。出現率は、複数回(例えば数千回)の遊技中に出現した出現回数を、遊技した回数で割ることにより求められる。
信頼度記憶部43は、演出記憶部41に記憶されている個々の演出又は演出フローが出現した場合において、個々の演出又は演出フローごとに、当たりに至った確率を信頼度として算出して記憶する。信頼度は、当たりに至った回数を、複数回の遊技中におけるその演出又は演出フローの総出現回数で割ることにより求められる。
パターン記憶部44には、例えば図5(a)−(g)に示すドーパミン値の遷移パターンが信頼度ごとに記憶されている。この遷移パターンは動物実験から得られた脳科学上の知見に基づいている。
図5(a)に示すパターンP1は、予告なしに当たりとなった際のドーパミン値を示しており、当たりの際に分泌すると考えられるドーパミン値の総量を1としている。ここで、予告なしにとは、リーチ等の演出を何らすることなく当たりとなった場合を意味している。
図5(b)−(g)は、図5(a)のドーパミン値の1を基準とする相対的な値としてドーパミン値の遷移パターンを示したもので、何らかの予告をした上で当たりとなった際の各演出によるドーパミンの値及びその演出を経て当たりになった際のドーパミン値を示している。図5(b)〜(g)に示すモデルにおける複数の演出は、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のいずれに属するものであってもよい。
図5(b)に示すパターンP2は、2種類の演出があり、個々の演出から当たりに至る信頼度が25%である場合におけるドーパミン値の推移を、図5(a)のドーパミン値1を基準とする相対値として示している。パターンP2におけるドーパミン値は、1つ目の演出で0.1、2つ目の演出で0.2、当たりで0.4となる。したがって、当たり前のドーパミン値は0.1+0.2=0.3であり、当たり後のドーパミン値は、0.1+0.2+0.4=0.7となる。
図5(c)に示すパターンP3は、2種類の演出があり、個々の演出から当たりに至る信頼度が50%である場合におけるドーパミン値の推移を、図5(a)のドーパミン値1を基準とする相対値として示している。パターンP3におけるドーパミン値は、1つ目の演出で2.0、2つ目の演出で0.4、当たりで0.4となる。したがって、当たり前のドーパミン値は2.0+0.4=2.4であり、当たり後のドーパミン値は、2.0+0.4+0.4=2.8となる。パターンP3を構成する演出は、パターンP2を構成する演出よりも信頼度が高いため、1つ目の演出で当たりとなる期待が強まってドーパミン値が高くなるが、それ以降はドーパミン値が低下し、当たり時にもそれほどドーパミン値は高くなっていない。
図5(d)に示すパターンP4は、2種類の演出があり、個々の演出から当たりに至る信頼度が75%である場合におけるドーパミン値の推移を、図5(a)のドーパミン値1を基準とする相対値として示している。パターンP4におけるドーパミン値は、1つ目の演出で2.5、2つ目の演出で0.4、当たりで0.4となる。したがって、当たり前のドーパミン値は2.5+0.4=2.9であり、当たり後のドーパミン値は、2.5+0.4+0.4=3.3となる。パターンP4を構成する演出は、パターンP3を構成する演出よりも信頼度が高いため、1つ目の演出で当たりとなる期待がより強まってドーパミン値が高くなり、それ以降はドーパミン値が低下し、当たり時にもそれほどドーパミン値は高くなっていない。
図5(e)に示すパターンP5は、2種類の演出があり、個々の演出から当たりに至る信頼度が100%である場合におけるドーパミン値の推移を、図5(a)のドーパミン値1を基準とする相対値として示している。パターンP5におけるドーパミン値は、1つ目の演出で2.5、2つ目の演出で0.2、当たりで0.1となる。したがって、当たり前のドーパミン値は2.5+0.2=2.7であり、当たり後のドーパミン値は、2.5+0.2+0.1=2.8となる。パターンP5を構成する演出の信頼度が100%であるため、リーチ中予告の1つ目の演出で確実に当たりとなることがわかってドーパミン値が急激に高くなり、それ以降は当たりとなることがわかっているため、ドーパミン値が急激に低下し、当たり時にもドーパミン値は低下している。
図5(f)に示すパターンP6は、2種類の演出からなる演出フローが2段階続いた後に当たりに至った場合のドーパミン値の推移を、図5(a)のドーパミン値1を基準とする相対値として示しており、1段階目の2つの演出の信頼度は25%であり、2段階目の2つの演出の信頼度は50%である。各演出のドーパミン値は、1段階目の演出フローの1つ目の演出で0.1、2つ目の演出で0.2、2段階目の演出フローの1つ目の演出で2.0、2つ目の演出で0.4であり、当たりで0.4となる。したがって、当たり前のドーパミン値は0.1+0.2+2.0+0.4=2.7であり、当たり後のドーパミン値は2.7+0.4=3.1である。
図5(g)に示すパターンP7は、2種類の演出からなる演出フローが3段階続いた後に当たりに至った場合のドーパミン値の推移を、図5(a)のドーパミン値1を基準とする相対値として示しており、1段階目及び2段階目のそれぞれ2つの演出の信頼度は25%であり、3段階目の2つの演出の信頼度は50%である。各演出のドーパミン値は、1段階目の演出フローの1つ目の演出で0.1、2つ目の演出で0.2、2段階目の演出フローの1つ目の演出で0.1、2つ目の演出で0.2、3段階目の演出フローの1つ目の演出で2.0、2つ目の演出で0.4、当たりで0.4となる。したがって、当たり前のドーパミン値は0.1+0.2+0.1+0.2+2.0+0.4=3.0であり、当たり後のドーパミン値は3.0+0.4=3.4である。
図5に示した例では、信頼度が25%刻みとなっているため、その間の信頼度を有する演出のドーパミン値については、線形補間等の補間法を用いて求める。なお、図5(a)−(g)に示した例以外の遷移パターンをパターン記憶部44に記憶させてもよい。
検索部45は、演出記憶部41に記憶された演出又は演出フローについての信頼度情報を信頼度記憶部43から読み出す。そして、パターン記憶部44からその信頼度に対応する遷移パターンを読み出すとともに、その遷移パターンから生じるドーパミン値を認識する。
ドーパミン値算出部46は、検索部45において認識されたドーパミン値に、各演出の出現率を加味することにより、その演出のドーパミン値を求める。ここで求められたドーパミン値は、演出記憶部41に記憶された演出フローが遊技者にどれだけのドーパミンを分泌させるかを意味する値である。求められたドーパミン値は、例えば以下の表2に示すドーパミン値テーブルに記憶される。このドーパミン値テーブルは、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のそれぞれについて求められる。当たりに至った場合は、結果の欄に当たりと表示され、当たりに至らなかった場合は、結果の欄が空白となる。
(表2)ドーパミン値テーブル
Figure 2020028425
総ドーパミン量算出部47は、1つの機種についてドーパミン値算出部46が算出したすべてのドーパミン値の総和を算出し、さらにその総和の値に、評価対象機種の期待出玉数をかけることにより、その機種の総ドーパミン量を算出する。なお、期待出玉数は、当たり時の出玉の数の期待値である。
評価部48は、ドーパミン値算出部46が算出したドーパミン値、又は総ドーパミン量算出部47が算出した総ドーパミン量に基づき、評価対象の機種を評価する。評価部48は、各演出フローの個々のドーパミン値に基づいて遊技機を評価することもできるし、総ドーパミン量算出部47が算出したすべてのドーパミン値の合計に基づいて遊技機を評価することもできる。
以下では、表1に示した演出フローテーブルが演出記憶部41に記憶されており、演出フローテーブルに記憶されている演出について、ドーパミン値を求める場合について説明する。
まず、検索部45が、演出フローテーブルの番号1の行から順次演出フローを1行ずつ読み込んでいく。そして、検索部45は、各行に存在する個々の演出について、出現率記憶部42から出現率を読み出すとともに、信頼度記憶部43から信頼度を読み出す。なお、出現率及び信頼度は、演出フロー単位に出現率記憶部42及び信頼度記憶部43に記憶されている場合もあり、その場合は、演出フローの出現率及び信頼度を読み出す。
保留変化の演出には種々の色の表示と保留音の鳴動とがあるが、番号1の行の演出フローでは、保留変化として「青」の演出がなされているため、検索部45は、信頼度記憶部43から保留変化「青」の信頼度情報を読み出す。ここで、「青」の信頼度が0であったために「青」の演出から当たりに至ることがないことが判明すると、検索部45は、この場合の保留変化のドーパミン値を0とする。この値は、表2のドーパミン値テーブルの番号1の保留変化のドーパミン値の欄に記憶される。
次に、検索部45は、番号1の行のリーチ前予告を構成するセリフ「警告青」の出現率及び信頼度を出現率記憶部42及び信頼度記憶部43からそれぞれ読み出す。セリフ「警告青」の信頼度が25%であったとすると、検索部45は、図5(b)の遷移パターンP2を読み出す。番号1の行においては最終的に当たりに至っていないため、この遷移パターンP2における当たり前のドーパミン値0.3を読み出す。一方、セリフ「警告青」の出現率が0.3であったとすると、遷移パターンP2における当たり前のドーパミン値0.3を出現率0.3で割ることにより、ドーパミン値1が求まる。
番号1の行においては、リーチ前予告として背景色「赤」の演出がなされているため、これについても同様に、出現率及び信頼度を出現率記憶部42及び信頼度記憶部43からそれぞれ読み出す。背景色「赤」の信頼度が25%であったとすると、検索部45は、図5(b)の遷移パターンP2を読み出す。番号1の行においては最終的に当たりに至っていないため、この遷移パターンにおける当たり前のドーパミン値は0.3である。一方、背景色「赤」の出現率が0.5であったとすると、遷移パターンP2における当たり前のドーパミン値0.3を出現率0.5で割ることにより、背景色「赤」のドーパミン値は0.6となる。
このようにしてリーチ前予告を構成する個々の演出のドーパミン値が求まると、ドーパミン値算出部46は、リーチ前予告を構成する演出のドーパミン値の最大値をとる。番号1の行のリーチ前予告の最大値は、セリフ「警告青」のドーパミン値「1」であるため、リーチ前予告のドーパミン値は1となり、この値が表2のドーパミン値テーブルの所定位置に記憶される。
次に、検索部45は、番号1の行のリーチ中予告を構成する疑似連「2」とリーチ発展「全回転リーチ」とからなる演出フローの出現率及び信頼度を出現率記憶部42及び信頼度記憶部43からそれぞれ読み出す。疑似連「2」からリーチ発展「全回転リーチ」に至るフローの信頼度が50%であったとすると、検索部45は、図5(c)の遷移パターンP3を読み出す。番号1の行においては最終的に当たりに至っていないため、この遷移パターンにおける当たり前のドーパミン値は2.4である。一方、このフローの出現率が0.2であったとすると、遷移パターンP3における当たり前のドーパミン値2.4を出現率2で割ることにより、このフローのドーパミン値は12となる。この値は、表2のドーパミン値テーブルの対応する位置に記憶される。
次に、番号2の演出フローについて、同様に、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のドーパミン値を求める。番号2の行では、最終的に当たりに至っているため、各演出又は演出フローのドーパミン値を求めるに当たっては、図5の遷移パターンにおける当たり時のドーパミン値を用いる。
番号2の行の演出フローでは、保留変化として「保留音」の演出がなされているため、検索部45は、信頼度記憶部43から保留変化「保留音」の信頼度情報を読み出す。ここで、「保留音」の信頼度が0.3であったとすると、信頼度0.3の遷移パターンがパターン記憶部44に存在しないため、0.3の上下の信頼度を有する遷移パターンの当たりのドーパミン値、すなわち信頼度が0.25の遷移パターンの当たりのドーパミン値0.7と、信頼度が0.5の遷移パターンの当たりのドーパミン値2.8とをそれぞれ読み出し、線形補間法によって、以下の式(1)を用いて信頼度0.3に対応するドーパミン値を求める。
0.7+(2.8-0.7)×(0.3-0.25)/(0.5-0.25)・・・(式1)
この計算により、信頼度0.3に対応する当たりのドーパミン値が1.12と求められる。そして、保留変化「保留音」の出現率が0.5であるとすると、1.12を0.5で割ることにより、この演出のドーパミン値が2.24として算出される。この値は、表2のドーパミン値テーブルの所定位置に記憶される。
次に、検索部45は、番号2の行のリーチ前予告を構成するセリフ「緑図柄」の出現率及び信頼度を出現率記憶部42及び信頼度記憶部43からそれぞれ読み出す。セリフ「緑図柄」の信頼度が25%であったとすると、検索部45は、図5(b)の遷移パターンP2の当たり時のドーパミン値0.7を読み出す。一方、セリフ「緑図柄」の出現率が0.2であったとすると、0.7を0.2で割ることにより、ドーパミン値3.5が求まる。
番号1の行においては、リーチ前予告としてカットイン「セリフ赤」の演出がなされているため、これについても同様に、出現率及び信頼度を出現率記憶部42及び信頼度記憶部43からそれぞれ読み出す。カットイン「セリフ赤」の信頼度が50%であったとすると、検索部45は、図5(b)の遷移パターンP3の当たり時のドーパミン値2.8を読み出す。一方、カットイン「セリフ赤」の出現率が0.4であったとすると、2.8を率0.4で割ることにより、カットイン「セリフ赤」のドーパミン値は7となる。
このようにしてリーチ前予告を構成する個々の演出のドーパミン値が求まると、ドーパミン値算出部46は、リーチ前予告を構成する演出のドーパミン値の最大値をとる。番号2の行のリーチ前予告の最大値は、カットイン「セリフ赤」のドーパミン値「7」であるため、リーチ前予告のドーパミン値は7となり、この値が表2のドーパミン値テーブルの所定位置に記憶される。
次に、検索部45は、番号2の行のリーチ中予告を構成する疑似連「3」とリーチ発展「覚醒」とからなる演出フローの出現率及び信頼度を出現率記憶部42及び信頼度記憶部43からそれぞれ読み出す。疑似連「3」からリーチ発展「覚醒」に至るフローの信頼度が75%であったとすると、検索部45は、図5(d)の遷移パターンP4の当たり時のドーパミン値3.3を読み出す。このフローの出現率が0.1であったとすると、遷移パターンP4における当たり時のドーパミン値3.3を出現率0.1で割ることにより、このフローのドーパミン値は33となる。この値は、表2のドーパミン値テーブルの対応する位置に記憶される。
以上のようにして、表1に示した演出フローテーブルのすべての行について保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のドーパミン値をそれぞれ求めることにより、表2のドーパミン値テーブルのすべての位置に値が記憶されると、図4に示した総ドーパミン量算出部47は、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のそれぞれのドーパミン値の和を求める。そして、それらをさらに合計し、合計値に期待出玉数をかけることにより、その機種の総ドーパミン量を求める。
評価部48は、総ドーパミン量算出部47が算出した総ドーパミン量を、他の機種について同様の手法により求めた総ドーパミン量と比較し、その大小関係によって遊技機を評価する。総ドーパミン量は、すべての演出を総合的に考慮した評価であるため、総ドーパミン量の多い演出構成を持つ遊技機は、再遊技につながりやすく、稼動率が高くなると考えられる。
また、評価部48は、総ドーパミン量算出部47が算出した総ドーパミン量ではなく、ドーパミン値算出部46が求めた各演出又は各演出フローの個々のドーパミン値に基づいて遊技機を評価することもできる。例えば、個々の行のドーパミン値が小さい場合であっても、演出の数が多く表1の演出フローテーブルの行数が多い場合や、ドーパミン値の低い演出フローが少ない場合は、遊技者を飽きさせない機種であると判断することができる。
以上のように、第1実施形態及び第2実施形態の遊技機評価装置1、4では、各演出が出現する確率である出現率情報と、各演出から当たりに至る確率である信頼度情報とを用いて遊技機を評価する。したがって、その評価は、従来のような主観に基づくものではなく、実際の遊技機の挙動を客観的に数値化した情報に基づくものとなり、これにより遊技者に快感をもたらす遊技機の開発が可能となる。
また、遊技機の演出の構成、出現率、信頼度をどう変えれば遊技者にとって魅力のある機種になるのか、演出の構成、出現率、信頼度をどう変えたことで稼働率に差が生じてしまったのか等を、具体的に検討することが可能となる。
第2実施形態の遊技機評価装置4では、ドーパミン値算出部46が算出したドーパミン値に基づいて遊技機を評価するため、脳科学上のドーパミン理論を用いた評価が可能となる。また、パターン記憶部44に記憶された各遷移パターンのドーパミン値が、予告なしに当たりとなった際のドーパミン値を基準とする相対値によって表される。これは、報酬の予告を行ってから報酬を与える場合のドーパミン値を、報酬の予告を行うことなく報酬を与える場合のドーパミン値との比較において算出することを意味するため、脳科学上のドーパミン理論に忠実な評価が可能となる。
第2実施形態の遊技機評価装置4では、信頼度ごとにドーパミン値の遷移パターンを記憶するパターン記憶部44を備え、検索部45が信頼度情報に対応する遷移パターンをパターン記憶部44から検索し、検索した遷移パターンのドーパミン値に基づいて演出のドーパミン値を求めるため、求まるドーパミン値は信頼度に対応したものになる。したがって、遊技者の技術よりも確率(信頼度)によって結果の良し悪しが決まる遊技機の特性により対応した評価が可能になる。
第2実施形態の遊技機評価装置4では、ドーパミン値算出部46が、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告の各段階のドーパミン値を算出するため、各段階のドーパミン値に応じ、段階ごとに演出の構成を調整して魅力のある機種に変えていくことができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態において使用した出現率及び信頼度の情報は、遊技機メーカーから提供されるものでもよいし、実際のテスト遊技により収集したものでもよい。
また、第1実施形態の遊技機評価装置1では、個々の演出について演出分布比較図3を生成したが、複数の演出の組合せからなる演出フローごとに分布比較図を生成するようにしてもよい。
さらに、図5に示した遷移パターンは動物実験に基づくものであるが、医学的な知見に基づくものであれば、動物実験以外の方法によって各遷移パターンを求めてもよい。
3 第3実施形態
図6に示す遊技機評価装置5は、図1に示した遊技機評価装置1と同様のハードウェア構成を有しており、ROM12に記憶された制御プログラム及びRAM13に記憶されたアプリケーションプログラムがCPU11において実行されることにより、図6に示す遊技機評価装置5の各部位の機能が実現される。
図6に示す遊技機評価装置5は、実際の遊技機上で動作するプログラムを図1に示したRAM13にロードしてCPU11において実行することにより、その遊技機を評価する装置である。実際の遊技機としては、パチンコ、パチスロ等があるが、以下ではパチンコを実際の遊技機として想定する。
遊技機評価装置5は、実際の遊技機とのハードウェア環境の違いを吸収し、実際の遊技機上で実現する機能と同等の機能を遊技機評価装置5においても実現可能とするためのシミュレーションを行うシミュレーション部51と、実際の遊技機に備えたメイン基板と同様の処理を行うメイン処理部52と、実際の遊技機に備えたサブ基板と同様の処理を行い演出を選択するサブ処理部53と、サブ処理部53により選択された演出の分析を行う演出分析部54と、演出分析部54による分析に基づいて遊技機を評価する評価部55とを備えている。
シミュレーション部51は、評価対象の遊技機で実行されるプログラムのバイナリーコードを、遊技機評価装置5で実行可能なバイナリーコードに変換する変換部511と、実際のパチンコ台においてスタートチャッカーにパチンコ玉が入賞したか否かを示す入賞有無信号を生成する入賞信号生成部512と、タイマーを備えメイン処理部52とサブ処理部53とを同期させる同期制御部513とを備えている。
メイン処理部52は、入賞信号生成部512からの通知を受けて抽選を行い、当たり又ははずれのいずれかの判定を行う。この抽選結果は、抽選結果情報としてサブ処理部53に通知される。
サブ処理部53は、メイン処理部52からの抽選結果情報を受け、演出の抽選を行う。抽選により選ばれた演出の内容は、演出情報として演出分析部54に通知される。なお、演出情報は、例えば数バイトの演出コードからなる。また、演出情報とともに、メイン処理部52から通知された抽選結果情報も、併せて演出分析部54に通知される。
演出分析部54は、サブ処理部53から通知された演出情報を集計する。例えば、特定の演出情報が通知された回数(出現回数)を、全通知数で割ることにより、各演出について出現率を求める。また、各演出情報が通知された回数のうち抽選結果情報が「当たり」であった率を算出し、その結果を信頼度として求める。こうして求めた出現率及び信頼度の情報は、例えば演出情報ごとに集計された分析テーブル情報として、例えば図1に示した記録部14に記録される。
評価部55は、演出分析部54における分析結果、例えば上記分析テーブル情報に基づき、特定の指標を算出するなどしてその遊技機を評価する。評価手法としては、第1実施形態又は第2実施形態で示した手法がある。すなわち、例えば、図3に示した演出分布比較図3と同様のものを作成して分析を行ったり、図5に示したドーパミンの遷移例を用いて総ドーパミン量を算出したりする。
遊技機評価装置5は、インターネット6を介して遊技機メーカー側の端末7と接続可能となっている。端末7からは、例えば、評価対象の遊技機において実行されるプログラムのバイナリーコードが、インターネット6を介して遊技機評価装置5に送られる。端末7から送信されたバイナリーコードは、記憶部56に記憶される。
このように構成される遊技機評価装置5において、ある遊技機の評価をしようとするときは、メーカー側の端末7から、その評価対象の遊技機のメイン基板で動作するプログラム及びサブ基板で動作するプログラムが、インターネット6を介して遊技機評価装置5に送信される。
そして、遊技機評価装置5では、受信した両プログラムを、図1に示したRAM13にロードして実行する。このとき、メイン基板で動作するプログラムがRAM13にロードされることによりメイン処理部52が構成され、サブ基板で動作するプログラムがRAM13にロードされることによりサブ処理部53がそれぞれ構成される。
図6に示したシミュレーション部51の変換部511は、それぞれのプログラムのバイナリーコードを、図1に示したCPU11が実行可能なバイナリーコードに変換する。そして、その変換後のバイナリーコードがCPU11において実行される。
同期制御部513は、入賞有無信号生成部512を呼び出す。入賞信号生成部512は、乱数処理により、スタートチャッカーに入賞したことを示す入賞有り信号か、又は、入賞していないことを示す入賞無し信号を生成し、その信号をメイン処理部52に通知する。メイン処理部52では、入賞有り信号か入賞無し信号かを読み取る。
ここで、メイン処理部52とサブ処理部53とは、同期制御部513によって一定時間ごとに呼び出されて実行されるが、通常、遊技機において、メイン基板における処理は、4mSecごとに呼び出されて実行されるのに対し、サブ基板における処理は、16mSec又は32mSecごとに呼び出されて実行される。したがって、サブ処理部53は、メイン処理部52が4回又は8回呼び出されるごとに1回呼び出される
入賞信号生成部512により生成された信号が入賞有り信号の場合は、その信号がメイン処理部52に通知される。メイン処理部52では、これに対応して抽選を行う。一方、入賞信号生成部512により生成された信号が入賞無し信号の場合は、その信号がメイン処理部52に通知されるが、メイン処理部52では抽選を行わない。
メイン処理部52において抽選が行われると、その結果が抽選結果情報としてサブ処理部53に通知される。サブ処理部53では、メイン処理部52における抽選結果が当たりであるかはずれであるかにかかわらず、演出の抽選を行う。サブ処理部53は、実際の演出を行う必要はないが、少なくとも、選択された演出の演出コードが、メイン処理部52における抽選結果とともに演出分析部54に通知される。
以上のような処理が、同期制御部513によってタイミングが制御されて次々と行われていく。そして、演出分析部54では、サブ処理部53から通知される演出コード及び抽選結果情報を記憶し、集計する。演出は、例えば保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のいずれかに属し、前記表1と同様に集計される。これにより、演出ごとに、信頼度、出現率等が算出される。
演出分析部54により算出された結果は、評価部55に通知される。評価部55では、図3に示したような演出分布比較図を作成したり、ドーパミン値を算出したりすることにより、遊技機を評価する。そして、この評価結果は、インターネット6を介してメーカー側端末7に送られる。
このように、実際に遊技機で動作するプログラムを遊技機評価装置5において動作させることにより、演出コード及びメイン処理部52における抽選結果が自動的に出力されるため、演出分析部54における集計も自動で行うことができる。したがって、遊技機の挙動を人間が確認する必要もなく、迅速な評価が可能となる。また、実際の遊技機よりも速く動作させることが可能であるため、この点においても迅速な評価が可能となる。
なお、本実施形態では、メイン基板で動作するプログラム及びサブ基板で動作するプログラムの遊技機評価装置5への転送と、評価結果のメーカー側端末7への転送とを、インターネット6を介して行うこととしたが、プログラム及び評価結果のやりとりは、何らかの媒体を通じて行うこともできる。
また、本実施形態では、遊技機において実行されるプログラムのバイナリーコードを遊技機評価装置5に送信して変換部511によってこれを変換して実行することとしたが、ソースプログラムを遊技機評価装置5に送信し、遊技機評価装置5においてそのソースプログラムをコンパイルしてから実行するようにしてもよい。
21,41:演出記憶部
22,42:出現率記憶部
23,43:信頼度記憶部
25,48:評価部

Claims (9)

  1. 遊技機において実際に出現した演出を記憶する演出記憶部と、
    前記演出記憶部に記憶された各演出が出現する確率を出現率情報として記憶する出現率記憶部と、
    前記演出記憶部に記憶された各演出が出現して当たりに至った確率を信頼度情報として記憶する信頼度記憶部と、
    前記出現率情報と前記信頼度情報とに基づき遊技機を評価する評価部と
    を備える遊技機評価装置。
  2. 前記演出によって遊技者に分泌すると推定されるドーパミンの値を算出するドーパミン値算出部を備え、
    前記評価部は、前記ドーパミン値算出部が算出したドーパミン値に基づいて遊技機を評価する
    請求項1に記載の遊技機評価装置。
  3. あらかじめ予告の信頼度ごとにドーパミン値の遷移パターンを記憶するパターン記憶部と、
    前記信頼度記憶部に記憶された信頼度情報に対応する遷移パターンを該パターン記憶部から検索する検索部と
    を備え、
    前記ドーパミン値算出部は、前記対応する遷移パターンのドーパミン値に基づき、前記演出記憶部に記憶された演出のドーパミン値を求める
    請求項2に記載の遊技機評価装置。
  4. 前記評価部は、前記ドーパミン値算出部が算出したドーパミン値の総和に基づき遊技機を評価する
    請求項2又は3のいずれか1項に記載の遊技機評価装置。
  5. 前記パターン記憶部に記憶された各遷移パターンのドーパミン値は、予告なしに当たりとなった際のドーパミン値を基準とする相対値によって表される
    請求項3又は4のいずれか1項に記載の遊技機評価装置。
  6. 前記演出は、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のいずれかの段階に属し、
    前記ドーパミン値算出部は、前記保留変化、前記リーチ前予告、前記リーチ中予告の各段階のドーパミン値を算出する
    請求項2、3、4又は5のいずれか1項に記載の遊技機評価装置。
  7. 複数の遊技機についての前記出現率と前記信頼度との関係の分布を示す演出分布を生成する演出分布生成部を備え、
    前記評価部は、前記演出分布に基づいて遊技機を評価する
    請求項1に記載の遊技機評価装置。
  8. 前記演出分布生成部は、保留変化、リーチ前予告、リーチ中予告のそれぞれについて前記演出分布を生成する
    請求項7に記載の遊技機評価装置。
  9. コンピュータを、
    遊技機において実際に出現した演出を記憶する演出記憶部と、
    前記演出記憶部に記憶された各演出が出現する確率を出現率情報として記憶する出現率記憶部と、
    前記演出記憶部に記憶された各演出が出現して当たりに至った確率を信頼度情報として記憶する信頼度記憶部と、
    前記出現率情報と前記信頼度情報とに基づき遊技機を評価する評価部と
    として機能させるための遊技機評価プログラム。
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