JP2018197968A - 興趣推定装置、興趣推定方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を数値化して推定すること。【解決手段】興趣推定装置10は、特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部12と、イベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定する確率推定部21と、イベントの発生確率に基づいて遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部22と、取得されたイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部23とを有する。【選択図】図1

Description

この発明は、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定する興趣推定装置、興趣推定方法及びプログラムに関するものである。
パチンコ、スロットマシンに代表される遊技機は、この遊技機を遊技する遊技者が、遊技の結果としていわゆる当たりを獲得し、この結果、遊技者が興趣を感じて遊技を繰り返すことによりその稼働率が上昇する。稼働率の高い遊技機を多数保有し、さらに、パチンコホール等の店舗内に設置される遊技機の稼働率を維持・向上させることが、この店舗の運営者にとっての経営課題であるので、店舗運営者は、遊技機の稼働率を日常的に把握することで、遊技者が感じている興趣を間接的に把握している。
また、遊技機の製造会社にとっても、遊技機の売れ行き向上のために、遊技機の稼働率を日常的に把握して、興趣性の高い遊技機製造に結びつけている。
かかる観点から、スロットマシンから遊技情報を受信して各ゲームの遊技情報に含まれるIN/OUTの推移に基づいてプレーヤの心理状態を判定して顧客満足度スコアを算出し、この顧客満足度スコアに応じて会員を分類する技術や(特許文献1参照)、自店舗を含む集客地域である商圏に存在する遊技施設における遊技台情報及び遊技者情報、推定された最大集客数を含む遊技人口情報、さらに遊技者情報から得られる現状力指数により商圏における遊技施設の市場現状力を評価する技術(特許文献2)などが提案されている。
特開2017−38728号公報 特開2002−259616号公報
上述した技術では、遊技機の稼働率や集客人数に基づいて遊技者の興趣を予測していた。しかしながら、遊技機の稼働率等は遊技者の興趣に(間接的にではあっても)関連することが推測でき、また、稼働率等は客観的な数字ではあるものの、遊技者の興趣に直接的に関連するものではなく、より正確に言えば遊技者の興趣と稼働率等との間には比例関係のような明確な関係が成立するわけではない。
特に、遊技者の興趣は各遊技者の主観的な評価であり、稼働率等のような客観的な数字(数値)との間に明確な関係が成立する可能性は非常に低いと考えられる。
遊技者の興趣をある程度客観的に知る手法として、遊技者が実際に遊技機を遊技した際の感想等をアンケートにより収集する手法が挙げられる。しかしながら、アンケート結果に客観性を担保するためには多数のサンプル(遊技者)が必要であり、多数のサンプルを収集するためにはコストが高額になるおそれがあった。
そこで、この発明は、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を数値化して推定することのできる興趣推定装置、興趣推定方法及びプログラムを提供することを目的とするものである。
この目的を達成するため、この発明の興趣推定装置は、特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部と、記憶部に格納されたイベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定する確率推定部と、確率推定部が推定したイベントの発生確率に基づいて、遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部と、シミュレーション部により取得されたイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部とを有することを特徴とする。
ここで、遊技機が、遊技者が遊技する際に複数のイベントが発生する場合、記憶部には、複数のイベントの発生頻度に関する複数のイベント発生情報が格納され、確率推定部は、複数のイベント発生情報に基づいて複数のイベントのそれぞれの発生確率を推定し、シミュレーション部は、確率推定部が推定した複数のイベントのそれぞれの発生確率に基づいて、複数のイベントのそれぞれの発生頻度を取得し、ドーパミン量推定部は、シミュレーション部により取得された複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づいて、ドーパミン量を推定するとよい。
また、シミュレーション部は、複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づく期待出玉数を取得し、ドーパミン量推定部は、シミュレーション部により取得された複数のイベントのそれぞれの発生頻度、及び期待出玉数に基づいて、ドーパミン量を推定するとよい。
さらに、遊技機は、遊技者が遊技する際に、単一のイベントが所定の確率で発生して終了するとともに、複数の異なるイベントが連続的に所定の確率で発生して終了する場合、記憶部には、単一のイベントの終了頻度及び複数の異なるイベントの終了頻度を合計した終了頻度に基づく前記イベントの発生頻度に関する複数のイベント発生情報が格納されているとよい。
また、本発明は、特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部を有する情報処理装置を用いて行われる興趣推定方法において、記憶部に格納されたイベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定し、推定したイベントの発生確率に基づいて、遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得し、取得したイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定することを特徴とする。
さらに、本発明は、特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部を有するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、このプログラムがコンピュータにより実行されると、このコンピュータを、記憶部に格納されたイベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定する確率推定部と、確率推定部が推定したイベントの発生確率に基づいて、遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部と、シミュレーション部により取得されたイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部として機能させることを特徴とする。
このような本発明の興趣推定装置は、特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部と、記憶部に格納されたイベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定する確率推定部と、確率推定部が推定したイベントの発生確率に基づいて、遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部と、シミュレーション部により取得されたイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部とを有する。
上記した構成なので、ドーパミン量推定部により推定されたドーパミン量は、実際に遊技機を遊技者が遊技する際にこの遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有する客観的な数値となる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を数値化して推定することができる。
ここで、遊技者が遊技する際に遊技機において複数のイベントが発生し、記憶部に複数のイベントの発生頻度に関する複数のイベント発生情報が格納され、確率推定部が複数のイベント発生情報に基づいて複数のイベントのそれぞれの発生確率を推定し、シミュレーション部が、確率推定部が推定した複数のイベントのそれぞれの発生確率に基づいて複数のイベントのそれぞれの発生頻度を取得し、ドーパミン量推定部が、シミュレーション部により取得された複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づいてドーパミン量を推定する場合は、複数のイベントに基づいて遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有するドーパミン量を推定することができる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣をより具体的に数値化して推定することができる。
また、シミュレーション部が複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づく期待出玉数を取得し、ドーパミン量推定部がシミュレーション部により取得された複数のイベントのそれぞれの発生頻度、及び期待出玉数に基づいて、ドーパミン量を推定する場合は、複数のイベントに基づいて遊技者の脳内において生成されるドーパミン量により直接的な関係性を有するドーパミン量を推定することができる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣をさらに具体的に数値化して推定することができる。
さらに、遊技者が遊技する際に、遊技機において単一のイベントが所定の確率で発生して終了するとともに、複数の異なるイベントが連続的に所定の確率で発生して終了し、記憶部に、単一のイベントの終了頻度及び複数の異なるイベントの終了頻度を合計した終了頻度に基づくイベントの発生頻度に関する複数のイベント発生情報が格納されている場合は、それぞれのイベントが単一で終了する際、及び連続して発生して終了する際のいずれについて遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有するドーパミン量を推定することができる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣をさらに具体的に数値化して推定することができる。
また、本発明の興趣推定方法は、記憶部に格納されたイベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定し、推定したイベントの発生確率に基づいて、遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得し、取得したイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出しているので、推定されたドーパミン量は、実際に遊技機を遊技者が遊技する際にこの遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有する客観的な数値となる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を数値化して推定することができる。
そして、本発明のプログラムは、コンピュータを、記憶部に格納されたイベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定する確率推定部と、確率推定部が推定したイベントの発生確率に基づいて、遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部と、シミュレーション部により取得されたイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部として機能させているので、ドーパミン量推定部により推定されたドーパミン量は、実際に遊技機を遊技者が遊技する際にこの遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有する客観的な数値となる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を数値化して推定することができる。
実施例の興趣推定装置の概略構成を示すブロック図である。 実施例の興趣推定装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の興趣推定装置に用いられる原理の一例を説明するための図である。 本発明の興趣推定装置に用いられる原理の一例を説明するための図である。
<本発明に用いられる原理>
本発明の実施の形態を説明する前に、本発明の興趣推定装置に用いられる原理について、図3及び図4を参照して説明する。
近年の脳科学の進展により、ドーパミンと呼ばれる物質が脳内で生成され、このドーパミンを特定の神経系が受容することでヒトに快感が生起されることが判明してきた。
具体的には、ヒト・動物の脳において、欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快の感覚を与える、報酬系と呼ばれる神経系の存在が知られている。哺乳類の場合、報酬系は中脳の腹側被蓋野から大脳皮質に投射するドーパミン神経系(別名A10神経系)であると言われている。
報酬系が活性化するのは、必ずしも欲求が満たされたときだけではなく、報酬を得ることを期待して行動をしている時にも活性化する。例えば、喉が渇いているヒトが水を飲んだときには、脳内で報酬系が活性化し快の感覚を感じる。しかし、ヒトであれば歩いている途中に自動販売機を見つけた場合、その時点で水分が飲めることが当然推測できるので、見つけた時点で報酬系が活性化している(以上、“報酬系”,[online]、Wikipedia,[平成29年5月18日検索],インターネット<URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%B1%E9%85%AC%E7%B3%BB)。
このような報酬系において実際にヒトの脳内でどの程度のドーパミンが分泌されているかを推定するために、本発明者は、猿を使った動物実験の結果を使用することにした。
この実験では、猿の脳に電極を挿して、報酬となるジュースを与えたときのドーパミン量を計測した。また、報酬を与える前に予告を与え、その後に報酬を与える実験も行った。このとき、確率的に報酬を与えた場合でのドーパミン量の変化も計測した。
具体的には、報酬を与える前にランプの光や音などの報酬の予告を発生させ、その後ある一定の確率のもと報酬を与えるという行為を繰り返す学習をさせ、報酬の予告と報酬の関係性が学習されたもとでのドーパミン量を計測した。このとき、図3に示すような結果となった(Wolfram Schultz,” The Reward Signal of Midbrain Dopamine Neurons”,News Physiol. Sci.,(米),1999,Vol.14,No. 6,p.249-255、Wolfram Schultz,他6名,”Explicit neural signals reflecting reward uncertainty”,Phil. Trans. R. Soc. B,(英),2008, No.363,p.3801-3811)。
上記論文に開示された結果によれば、予告なしに報酬を与えた際のドーパミン値を1とすると、予告の信頼度、つまり確率が25%、50%、75%、100%のときのドーパミン値は図3のような結果となった。予告があった際には、予告時における前倒しのドーパミン値と実際に報酬が得られたときのドーパミン値の2つが発生し、またその際のドーパミンの分泌量の比もわかった。
上記論文に開示された結果に基づき、本発明者は、複数の予告を繰り返し起こした場合の結果は、図4に示すようなものになると算出した。
以下、上述した原理に基づいて、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施例]
<興趣推定装置の概略構成>
図1は、本実施例の興趣推定装置を構成する情報処理装置10の概略構成を示すブロック図である。
本実施例の情報処理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ等であり、制御部11、記憶部12、入力インタフェース(I/F)13及び出力インタフェース(I/F)14を備える。
制御部11はCPU等の演算素子を備える。記憶部12内に格納されている図略の制御用プログラムが情報処理装置10の起動時に実行され、この制御用プログラムに基づいて、制御部11は記憶部12等を含む情報処理装置10全体の制御を行うとともに、データ取得部20、確率推定部21、シミュレーション部22及びドーパミン量推定部23としての機能を実行する。これら各機能部の動作については後述する。
記憶部12はハードディスクドライブ等の大容量記憶媒体、及びROM、RAM等の半導体記憶媒体を備える。この記憶部12には上述の制御用プログラムが格納されているとともに、制御部11の制御動作時に必要とされる各種データが一時的に格納される。また、この記憶部12には試技データ(イベント発生情報)30が格納されている。
試技データ30は、ドーパミン量の推定算出の対象となる遊技機を実際に試技した結果得られるデータである。本実施例の興趣推定装置10は、ドーパミン量の推定算出の対象となる遊技機としてパチンコを想定している。
パチンコを遊技して、スタートチャッカーにパチンコ玉が入賞すると所定の確率で抽選が開始されるが、この抽選動作中にさらにスタートチャッカーにパチンコ玉が入賞すると、この入賞についても抽選動作が行われる。しかしながら、抽選動作は順次行われるので、抽選動作中の入賞についても、遊技機は一定回数だけ記憶(保留)する。スタートチャッカーにパチンコ玉が入賞して、保留された入賞について一連の抽選動作が終了して抽選結果が判明する(通常は、遊技機が備える(メイン)デジタルと呼ばれるディスプレイの演出動作により判明する)までの一連の経過は、上述した報酬系における予告と報酬との組み合わせと考えることができる。
次に、抽選の結果、大当たりに至るまでの演出動作が所定の確率で生起する。多くの遊技機では、デジタルにスロットを表示し、このスロットに表示される図柄(例えば3×3の図柄)がいずれかの方向(3×3の図柄であれば横方向及び斜め方向×2)で揃えば大当たり判定への移行動作が行われる。
そして、これも多くの遊技機では、いずれかの方向に図柄が2つ揃った状態(これをリーチと称する)の演出表示をデジタルに表示させ、大当たり判定への期待度を高めるとともに、リーチ状態に突入してから最終的に大当たり判定を行うまでの予告演出動作(リーチ中フローと称する)をデジタルに表示させ、大当たり判定への期待度を高めている。
また、リーチ演出動作に至る前に、このリーチ演出動作が行われることを予告(リーチ前予告と称する)する演出動作が行われることがある。
リーチ演出動作に移行するか、さらに、リーチ後に大当たり演出動作に移行するかについても、やはり所定の確率に基づく抽選が行われる。従って、これらリーチ前予告演出、リーチ中フローの予告演出も、やはり上述した報酬系における予告と報酬との組み合わせと考えることができる。
本実施例の興趣推定装置10では、保留演出、リーチ前予告演出、リーチ中フローの予告演出を、遊技機で発生するイベントと考え、遊技機において3000回の大当たりの予告が発生する状況を実際に遊技機で試技を行うことで発生させ、この試技の結果から試技毎に発生したイベントを記録して、これを試技データ30として記憶部12に格納している。
試技データ30は、3000回の大当たりの予告が発生した試技において発生したイベントを保留演出、リーチ前予告演出、リーチ中フローの予告演出の3つに大別し、さらに、リーチ前予告については、遊技機からセリフが発せられたかどうか、遊技機に設けられた役物が動作するか否かについてもイベントとして記録している。また、リーチ中フローについては、リーチ後の予告動作の有無、疑似連と呼ばれる、図柄を複数回回転させる動作の有無、特別なリーチ状態に突入することを示す演出動作であるリーチ発展動作の有無についてもイベントとして記録している。
どのようなイベントが存在するかは遊技機に依存するので、上述した例はあくまでも一例であり、ドーパミン量の推定算出の対象となる遊技機により適宜修正可能であることは言うまでもない。
特に、本実施例では、複数のイベントの発生頻度に関する複数の試技データ30が格納されており、さらには、単一のイベントの終了頻度及び複数の異なるイベントの終了頻度を合計した終了頻度に基づくイベントの発生頻度に関する複数のイベント発生情報が格納されている。
つまり、本実施例の試技データ30は、試技毎に発生したイベントを記録しており、かつ、上述したとおり、抽選結果により次のイベントに移行したかどうかについても記録しているので、結果として、単一のイベントの終了頻度及び複数の異なるイベントの終了頻度を合計した終了頻度に基づくイベントの発生頻度に関する複数の試技データ30となっている。
入力インタフェース13は、情報処理装置10に接続された入力装置15からの各種入力を受け入れ、これを制御部11に出力する。本実施例の入力装置15は例えばキーボードやマウス等であり、後述する表示装置16の表示画面に対して座標指定入力を行いうるものである。
出力インタフェース14は、制御部11から出力された出力信号を受け入れ、これを表示装置16及び印刷装置17に出力する。本実施例の表示装置16は例えば液晶ディスプレイ装置であり、出力インタフェース14を介して出力された表示制御信号に基づいて図略の表示面に表示画面を表示する。また、本実施例の印刷装置17は例えばプリンターであり、出力インタフェース14を介して出力された印字制御信号に基づいて所定の文字や画像の印字動作を行う。
次に、制御部11に構成される各機能部の説明をする。
データ取得部20は、記憶部12に格納されている試技データ30を読み取り、これを確率推定部21に提供する。特に、本実施例の試技データ30は複数のイベントに関する試技データ30であるので、データ取得部20は、これら複数の試技データ30を読み取って確率推定部21に提供する。
確率推定部21は、記憶部12に格納され、データ取得部20から提供された試技データ30に基づいてイベントの発生確率を推定する。特に、本実施例の確率推定部21は、複数の試技データ30に基づいて複数のイベントのそれぞれの発生確率を推定する。
シミュレーション部22は、確率推定部21が推定したイベントの発生確率に基づいて、遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得する。
特に、本実施例のシミュレーション部22は、確率推定部21が推定した複数のイベントのそれぞれの発生確率に基づいて、複数のイベントのそれぞれの発生頻度を取得する。さらに、シミュレーション部22は、複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づく期待出玉数を取得する。
ドーパミン量推定部23は、シミュレーション部22により取得されたイベントの発生頻度に基づいて、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定する。
特に、本実施例のドーパミン量推定部23は、シミュレーション部22により取得された複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づいて、ドーパミン量を推定する。また、ドーパミン量推定部23は、シミュレーション部22により取得された複数のイベントのそれぞれの発生頻度、及び期待出玉数に基づいて、ドーパミン量を推定する。
これらデータ取得部20、確率推定部21、シミュレーション部22及びドーパミン量推定部23の動作の詳細については後述する。
<興趣推定装置の動作>
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施例の興趣推定装置10の動作について説明する。
興趣推定装置10の動作が開始されると、まず、ステップS10では、制御部11のデータ取得部20が、記憶部12に格納されている試技データ30を読み取り、これを確率推定部21に提供する。
ステップS11では、制御部11の確率推定部21が、データ取得部20から提供された試技データ30に基づいてイベントの発生確率を推定する。
ここで、遊技機製造会社により、各イベントの発生確率は予め設定されていることが多く、本実施例の興趣推定装置10においても、遊技機製造会社が設定した各イベントの発生確率を知ることができれば、ドーパミン量推定部23が推定するドーパミン量はより正確なものとなり得る。しかしながら、遊技機製造会社が設定した各イベントの発生確率を必ず知りうるとは限らないので、本実施例の興趣推定装置10では、実際に遊技機で試技を行った結果得られた試技データ30に基づいて複数のイベントのそれぞれの発生確率を推定している。
ここで、「推定」としているのは、上述のように遊技機製造会社が設定した各イベントの発生確率が真の発生確率であり、試技データ30から得られる各イベントの発生確率は、あくまでも推定された発生確率であることを示している。
次に、ステップS12では、確率推定部21が推定したイベントの発生確率に基づいて、制御部11のシミュレーション部22が遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得する。
試技データ30は3000回の大当たりの予告が発生する状況における、各イベントの発生頻度であり、確率推定部21は、この試技データ30に基づいて各イベントの発生確率を推定している。しかしながら、より正確な発生確率を求める観点から、本実施例の興趣推定装置10では、より多数の試技を擬似的に行うために、シミュレーション部22により遊技のシミュレーションを行っている。
ドーパミン量推定部23により推定されるドーパミン量は確率変数となり、その値はある確率分布に従っている。また、この値はスタート回数といわれる大当たりの予告が発生する状況が起こった回数に依存する。
そこで、本実施例の興趣推定装置10では、一般的な遊技時間や遊技金額において導かれるスタート回数150回を今回のスタート回数として、100万回のシミュレーションをシミュレーション部22により行い、それぞれのシミュレーションにおける遊技機のドーパミン量の確率分布をドーパミン量推定部23により推定することで数値的に求めた。
ステップS12においてシミュレーション部22により行うシミュレーション動作では、当たりの確率を1/320に統一している。これは、遊技機毎に当たりの確率が異なる可能性があり、この当たりの確率が異なった状態でドーパミン量推定部23によるドーパミン量推定動作を行うと、遊技機毎の客観的な比較がしづらいためである。
次に、ステップS13では、シミュレーション部22により得られたイベントの発生頻度に基づいて、制御部11のドーパミン量推定部23が、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定する。
本実施例のドーパミン量推定部23では、次の4つのイベントにおけるドーパミン比を推定している。

・保留玉によるドーパミン比
(使用する値:保留の発生確率、その信頼度)
・リーチ前予告によるドーパミン比
(使用する値:リーチ前予告の各項目の発生確率、その信頼度)
・リーチ中フローによるドーパミン比
(使用する値:疑似連、リーチ後予告、リーチ発展の発生確率と発展確率、その信頼度)
・合計のドーパミン比=上の3つをあわせた総合計のドーパミン比

ここで各項目にある信頼度とは、その予告があった際の大当たりする確率を表している。
また、図3、図4に示した動物実験では、信頼度が0%、25%、50%、75%、100%でのドーパミン比しか与えられていなかったが、それ以外の確率でのドーパミン比は線形補間を用いて求めた。このとき、それぞれのドーパミン比(DA)は次の方法により与えられるものとした。

・保留玉のDA=保留玉のDA+大当たりのDA
・リーチ前予告のDA=
max(その他/セリフのDA+大当たりのDA、その他/役物のDA+大当たりのDA、・・・)
・リーチ中フローのDA=f(リーチ後予告のDA)×疑似連のDA
+f(リーチ発展のDA)リーチ後予告のDA
+リーチ発展のDA+大当たりのDA
・合計のDA=保留玉のDA+リーチ前予告のDA+リーチ中フローのDA

ただし、max(x,y.…)は、括弧内の変数の最大値を返す関数、
f(x)は、xが1以上なら1、xが1未満ならxの値を返す関数
ここで、リーチ中フローのDAについてはリーチ中フロー内の各イベントの時間的経緯を考慮した式になっている。これは、リーチ中フロー内のイベントは順次ステップを踏んで生起することが多く、上述した原理で説明したように、これらイベントを期待として考慮したためである。また、リーチ中フローのイベントを3つにしているのは、一般的に脳が覚えていられる期待の塊は3つであるという脳科学の知見に基づくものである。
これらの式を使い、それぞれのドーパミン比また合計のドーパミン比を求めた。さらに、合計のドーパミン比に期待出玉をかけた値を、ここでは遊技機のドーパミン量として定義した。

遊技機のドーパミン量=合計のDA×期待出玉

ここで、期待出玉とは大当たりを引いたときに得られる出玉の期待値を表している。
また、上述した原理で紹介した動物実験との整合性を図るため、前提として、遊技者には保留玉・役物などのギミック・各演出における信頼度の学習が行われていることを仮定した。
このようにしてドーパミン量推定部23により算出されたドーパミン量は、遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量であり、そして、このドーパミン量を用いて、遊技機を遊技者が遊技する際にこの遊技者が感じるであろう興趣が推定できる。
そして、ステップS14では、ステップS13においてドーパミン量推定部23により算出されたドーパミン量を、出力インタフェース14を介して制御部11が表示装置16及び印刷装置17に出力する。
<本実施例の効果>
以上説明したように、本発明の興趣推定装置10は、特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部12と、イベント発生情報に基づいてイベントの発生確率を推定する確率推定部21と、イベントの発生確率に基づいて遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部22と、イベントの発生頻度に基づいて遊技者が遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部23とを有するので、ドーパミン量推定部23により推定されたドーパミン量は、実際に遊技機を遊技者が遊技する際にこの遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有する客観的な数値となる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を数値化して推定することができる。
ここで、遊技者が遊技する際に遊技機において複数のイベントが発生し、記憶部12には複数のイベントの発生頻度に関する複数のイベント発生情報が格納され、確率推定部21が複数のイベント発生情報に基づいて複数のイベントのそれぞれの発生確率を推定し、シミュレーション部22が複数のイベントのそれぞれの発生確率に基づいて複数のイベントのそれぞれの発生頻度を取得し、ドーパミン量推定部23が複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づいてドーパミン量を推定するので、複数のイベントに基づいて遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有するドーパミン量を推定することができる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣をより具体的に数値化して推定することができる。
また、シミュレーション部22が複数のイベントのそれぞれの発生頻度に基づく期待出玉数を取得し、ドーパミン量推定部23が複数のイベントのそれぞれの発生頻度、及び期待出玉数に基づいてドーパミン量を推定するので、複数のイベントに基づいて遊技者の脳内において生成されるドーパミン量により直接的な関係性を有するドーパミン量を推定することができる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣をさらに具体的に数値化して推定することができる。
さらに、遊技者が遊技する際に、遊技機において単一のイベントが所定の確率で発生して終了するとともに、複数の異なるイベントが連続的に所定の確率で発生して終了し、記憶部12には、単一のイベントの終了頻度及び複数の異なるイベントの終了頻度を合計した終了頻度に基づくイベントの発生頻度に関する複数のイベント発生情報が格納されているので、それぞれのイベントが単一で終了する際、及び連続して発生して終了する際のいずれについて遊技者の脳内において生成されるドーパミン量に直接的な関係性を有するドーパミン量を推定することができる。これにより、特定の遊技機を遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣をさらに具体的に数値化して推定することができる。
加えて、本実施例の興趣推定装置によれば、発売前の遊技機に対して、実際にこの遊技機がホール等に設置されて遊技者により遊技された際に、この遊技者が感じるであろう興趣を事前に評価することができる。これにより、遊技機製造会社は、イベントの構成やその確率構造をチェックすることで、より興趣を遊技者に感じさせるであろう遊技機に調整することができる。
加えて、興趣を客観的に把握できることにより、遊技機製造会社が遊技機の開発コストを適切なものに収めることができる。また、興趣を高く感じるであろう遊技機についてはそのセールスポイントを遊技機製造会社が的確に把握することができる。
また、既にホール等に設置されている遊技機については、他の遊技機との間で興趣の大小を客観的に把握することができ、ホール運営者等に対して効率的な運用を提案することができる。
一方、本実施例の興趣推定装置では、実際の稼働データに影響を与えるであろう遊技機のブランド力、コンテンツ力、さらには市場全体の状況や季節の変動性については推定の対象としていない。つまり、本実施例の興趣推定装置により推定された遊技者の興趣と実際の稼働データとの間に説明がつかない傾向があるとするならば、その傾向は上述した遊技機のブランド力等であると推測することができる。つまり、本実施例の興趣推定装置による推定結果を出発点として、この遊技機のブランド力等を数値化する可能性を広げることができる。
[実験例]
本実施例の興趣推定装置10を用いて、実際の3機種の遊技機について、上述した4つのイベントにおけるドーパミン比を推定した。
シミュレーション毎のドーパミン比の確率分布をドーパミン量推定部23により求め、その中央値に期待出玉数を乗じた数によりドーパミン量を推定した。ここで、中央値を用いて評価を行ったのは、シミュレーション毎に推定されるドーパミン量のバラツキが大きいため、平均値で評価をするとドーパミン量の値が大きいデータに平均値が引っ張られてしまうからである。中央値で評価をすれば、遊技をした遊技者の半分以上の遊技者は中央値以上の興趣を感じたであろうことが推測できる。この算出結果から、遊技者が遊技機を遊技する際に感じるであろう興趣は

B > C > A

であると推定された。
次に、この推定結果が実際の遊技データと一致するかどうかの確認を行った。本実験例で用いた実際の遊技データとしては、ダイコク電機株式会社が提供している、DK−SISと呼ばれる全国ホールの稼働データの集計値を用いた。使うデータとしては、各機種の「第1週のアウト」と「第2週のアウト」である。ここで、アウトとは遊技機で打たれた玉の個数を表すものであり、アウトが大きいほど、その遊技機は遊技されていることを表す。ここで使われている「第1週のアウト」と「第2週のアウト」は全国平均の値であり、総計でない。
これら値を使い次の下降率を計算した。

下降率 = 第2週のアウト/第1週のアウト
ここで、下降率は単純に考えるのであるならば、第1週に遊技した遊技者が第2週にも遊技する可能性や確率・割合として捉えることができる。一般的に、市場に出た遊技機の稼働は、第1週がもっとも高く、第2週以降は減少していく。このとき、急激に減少する場合や、ゆるやかに減少する場合など様々な減少傾向がある。
このとき、この下降率は楽しさを表す一つの指標として捉えられる。なぜなら、遊技機が楽しいのであるならば何度も遊技する、それによって第2週のアウトの減少がおさえられるからである。このように捉えると、加工率に基づく遊技機の稼働データによる各遊技機の楽しさは

B > C > A

の順となり、先ほどの推定結果と一致する。これにより、本実施例の興趣推定装置10により、遊技者が実際に遊技機を遊技した際の興趣を正しく推定していることがわかる。
(その他)
本発明の興趣推定装置は、その細部が上述の実施例に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更が可能である。一例として、上述の実施例では遊技機としてパチンコの興趣性を推定していたが、本発明の興趣推定装置により推定できる興趣性はパチンコのそれに限定されず、パチスロやスロットマシン、さらにはカードゲーム、ソーシャルゲーム等の興趣性まで推定可能である。
また、実施例の興趣推定装置ではドーパミン量を推定していたが、報酬系として他の物質、例えばGABA(γ−アミノ酪酸:γ(gamma)-amino butyric acid)等の物質についても推定可能である。
また、上述の実施例において、原理で紹介した動物実験において実際に実験を行った信頼度以外の信頼度(つまり確率)については線形補間を用いて求めたが、これ以外の補間法、例えば多項式補間やスプライン補間により信頼度を求めてもよい。また、動物実験の結果をそのまま流用せずに微調整を行ってもよい。
さらに、ドーパミン量の推定に使った計算は一例であり、他の計算手法についても好適に適用可能である。一例として、上述の実施例ではイベント毎のドーパミン比の合計値を用いたが、他にも加重平均や、または線形モデル・非線形モデル、ニューラルネットワークなど様々な方法が適用可能である。
また、上述の実施例では、遊技機の稼働や販売台数と遊技機の興趣との間には何らかの関係性があるものとして説明を行っていた。これは、より一般的に考えるのであるならば、

遊技機の評価 = g(遊技機の楽しさ、その他)

という形で表すことができる。ここで、g(・)は適当な関数を表し、色々な関数を適用することが考えられる。これらの数値は内部要因の項と外部要因の項に分けることができる。

遊技機の評価 = 内部要因+外部要因
このとき、内部要因は遊技機が持つ要因を表す。例えば、遊技機の大当たり確率や遊技機に使われた作品のコンテンツ力、遊技機開発メーカーのブランド力、遊技機に前作があるシリーズ機の場合には前作の人気などが考えられる。
また外部要因は遊技機の性能以外による評価に影響する及ぼすものを表す。例えば、季節変動や景気、社会情勢、射倖性に関する業界内での対策などが考えられ、これらは遊技機からでは操作不可能な要因である。
しかし、これらの項目は同時期に稼働または販売した遊技機全体に等しく影響する条件とも考えることができる。このような仮定のもとでは、同時期または短期間の遊技機の比較において外部要因を各遊技機において共通にかかる項として考えることができ、遊技機の相対的評価を決めるのは内部要因となる。

遊技機の相対的評価=内部要因
これより、遊技機の比較においては内部要因を調べることが重要となる。内部要因とは、台を構成する全ての要素と考え、例えば、台に使われる1つ1つの部品まで分解して細かく捉えたり、大当たり確率にのみに注目して大ざっぱに捉えたりすることもできる。例えば、ここでは遊技機の内部要因を次のように捉えることができる。

遊技機の内部要因=f(コンテンツ、ブランド、遊技機性能、・・・)
≒f(コンテンツ、ブランド、遊技機性能)

ここで、コンテンツとは遊技機に使われている題材のことであり、アニメやドラマまたは開発メーカーオリジナルのキャラクターなどが使われている。ブランドとは、その遊技機がシリーズ機の場合にはシリーズブランド、その遊技機が有名メーカーによる開発の場合にはメーカーブランドなどのコンテンツ以外による台イメージを表すものとする。
このとき、シリーズブランドなどにおいてはコンテンツと切り離しが難しい場合もある。遊技機性能とは、コンテンツやブランドを除いた遊技機の要素を表すものであり、コンテンツやブランドに依らない要素である。例えば、大当たり確率がそれにあたる。実際、大当たり確率のみを変更した遊技機が販売されている。
このようなコンテンツやブランドに依らない要素としては、大当たり確率や大当たり確率にいたる示唆の確率、出玉性能、遊戯機の演出方法、遊戯機から発せられる光の強さや音の大きさなどがあげられる。またf(・)は適当な関数を表し、色々な関数を適用することが考えられる。このような形で分析することによって、遊技機の楽しさ以外の部分の推定や、最適な遊技機性能の調整などを行うことができる。
そして、上述の実施例において、興趣推定装置10を動作させるプログラムは記憶部12に格納されて提供されていたが、不図示の光学ディスクドライブ等を用いて、プログラムが格納されたDVD(Digital Versatile Disc)、USB外部記憶装置、メモリーカード等を接続し、このDVD等からプログラムを興趣推定装置10に読み込んで動作させてもよい。また、インターネット上のサーバ装置内にプログラムを格納しておき、興趣推定装置10に通信部を設けてこのプログラムを興趣推定装置10に読み込んで動作させてもよい。さらに、上述の実施例において、興趣推定装置10は複数のハードウェア要素により構成されていたが、これらハードウェア要素の一部の動作を制御部11がプログラムの動作により実現することも可能である。
10 情報処理装置(興趣推定装置)
11 制御部
12 記憶部
20 データ取得部
21 確率推定部
22 シミュレーション部
23 ドーパミン量推定部
30 試技データ

Claims (6)

  1. 特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部と、
    前記記憶部に格納された前記イベント発生情報に基づいて前記イベントの発生確率を推定する確率推定部と、
    前記確率推定部が推定した前記イベントの発生確率に基づいて、前記遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、前記イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部と、
    前記シミュレーション部により取得された前記イベントの発生頻度に基づいて、前記遊技者が前記遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、前記遊技機を前記遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部と
    を有することを特徴とする興趣推定装置。
  2. 前記遊技機は、前記遊技者が遊技する際に複数の前記イベントが発生し、
    前記記憶部には、複数の前記イベントの発生頻度に関する複数の前記イベント発生情報が格納され、
    前記確率推定部は、複数の前記イベント発生情報に基づいて複数の前記イベントのそれぞれの発生確率を推定し、
    前記シミュレーション部は、前記確率推定部が推定した複数の前記イベントのそれぞれの発生確率に基づいて、複数の前記イベントのそれぞれの発生頻度を取得し、
    前記ドーパミン量推定部は、前記シミュレーション部により取得された複数の前記イベントのそれぞれの発生頻度に基づいて、前記ドーパミン量を推定することを特徴とする請求項1に記載の興趣推定装置。
  3. 前記シミュレーション部は、複数の前記イベントのそれぞれの発生頻度に基づく期待出玉数を取得し、
    前記ドーパミン量推定部は、前記シミュレーション部により得られた複数の前記イベントのそれぞれの発生頻度、及び前記期待出玉数に基づいて、前記ドーパミン量を推定することを特徴とする請求項2に記載の興趣推定装置。
  4. 前記遊技機は、前記遊技者が遊技する際に、単一の前記イベントが所定の確率で発生して終了するとともに、複数の異なる前記イベントが連続的に所定の確率で発生して終了し、
    前記記憶部には、単一の前記イベントの終了頻度及び複数の異なる前記イベントの終了頻度を合計した終了頻度に基づく前記イベントの発生頻度に関する複数の前記イベント発生情報が格納されている
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の興趣推定装置
  5. 特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部を有する情報処理装置を用いて行われる興趣推定方法であって、
    前記記憶部に格納された前記イベント発生情報に基づいて前記イベントの発生確率を推定し、
    推定した前記イベントの発生確率に基づいて、前記遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、前記イベントの発生頻度を取得し、
    取得した前記イベントの発生頻度に基づいて、前記遊技者が前記遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、前記遊技機を前記遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定する
    ことを特徴とする興趣推定方法。
  6. 特定の遊技機を遊技者が遊技する際に実際に発生するイベントの発生頻度に関するイベント発生情報が格納された記憶部を有するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
    このプログラムが前記コンピュータにより実行されると、このコンピュータを、
    前記記憶部に格納された前記イベント発生情報に基づいて前記イベントの発生確率を推定する確率推定部と、
    前記確率推定部が推定した前記イベントの発生確率に基づいて、前記遊技機による遊技のシミュレーションを行うことで、前記イベントの発生頻度を取得するシミュレーション部と、
    前記シミュレーション部により取得された前記イベントの発生頻度に基づいて、前記遊技者が前記遊技機を遊技する際にこの遊技者の脳内に発生されると推定されるドーパミン量を算出することで、前記遊技機を前記遊技者が遊技する際のこの遊技者の興趣を推定するドーパミン量推定部と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
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