JP2020027115A - 感光性樹脂組成物、電子装置、及び、ポリマー - Google Patents

感光性樹脂組成物、電子装置、及び、ポリマー Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱変色性に優れた感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】分子中に、環状オレフィンに由来する構造単位(a)、式(b−1)で表される構造単位、及び、窒素原子に炭素数1〜30の有機基を置換したマレイミド単位を含むポリマーと、感光剤とを含む、感光性樹脂組成物。(式(b−1)中、RX、RYは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、電子装置、及び、ポリマーに関する。
近年、各種コーティング、印刷、塗料、接着剤などの分野や、プリント配線基板などの電子材料の分野において、紫外線や電子線などの活性エネルギー線によりパターン形成可能な感光性樹脂組成物が広く使用されている。
例えば、特許文献1には、環式炭化水素基を有するモノマーと、無水マレイン酸等の不飽和多塩基酸無水物と、ビニルトルエン等の共重合可能なモノマーと、水酸基を有するモノマーとの共重合体を含む感光性樹脂組成物と、該硬化膜から形成されるカラーフィルターが開示されている。
特許5588503号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の感光性樹脂組成物においては、耐熱変色性が十分ではないことが判明した。
本発明者らは、特定の構造単位を含むポリマーをベース樹脂に用いることで、耐熱変色性に優れた感光性樹脂組成物を提供することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、
分子中に、環状オレフィンに由来する構造単位(a)、下記の式(b−1)で表される構造単位、及び、下記の式(c−1)で表される構造単位を含むポリマーと、
感光剤と、
を含む、感光性樹脂組成物が提供される。
Figure 2020027115
(式(b−1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
Figure 2020027115
(式(c−1)中、Rは、炭素数1〜30の有機基を示す。)
また、本発明によれば、上記感光性樹脂組成物を硬化させて、得られる永久膜を有する電子装置が提供される。
さらにまた、本発明によれば、下記(a−1)で表される構造単位、(b−1)で表される構造単位、及び(c−1)で表される構造単位を含むポリマーが提供される。
Figure 2020027115
(式(a−1)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、水酸基または炭素数1〜30の有機基である。nは0、1または2である。)
Figure 2020027115
(式(b−1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
Figure 2020027115
(式(c−1)中、Rは炭素数1〜30の有機基を示す。)
本発明によれば、その硬化物が耐熱変色性に優れた感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を硬化させて得られる、耐熱変色性に優れた永久膜を有する電子装置、及び、耐熱変色性に優れたポリマーが提供される。
本実施形態に係るカラーフィルタの一例を示す断面図である。 本実施形態に係るカラーフィルタの製造方法の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「電子装置」の語は、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路ディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術が適用された素子、デバイス、最終製品等を包含する意味で用いられる。
尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
<感光性樹脂組成物>
まず、はじめに、本実施形態の感光性樹脂組成物の概要について説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、分子中に、環状オレフィンに由来する構造単位(a)、下記の式(b−1)で表される構造単位、及び、下記の式(c−1)で表される構造単位を含むポリマーと、感光剤とを含む。
Figure 2020027115
(式(b−1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
Figure 2020027115
(式(c−1)中、Rは炭素数1〜20の有機基を示す。)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述したポリマーを使用することで、支持体に対する密着性、解像性、耐熱性等の感光性樹脂組成物に要求される諸特性を発揮できることに加え、その硬化物が優れた透明性を有し、かつ、その透明性が、耐熱試験後も低下しにくいという新規な優れた効果を有する。
上記したポリマーを含む感光性樹脂組成物が、優れた耐熱変色性を有することとなる理由は、必ずしも全てが明らかではない。しかし、その理由は以下のように推測される。
従来、フォトリソグラフィ技術においては、感光性樹脂組成物として、環状オレフィンモノマーと、無水マレイン酸を含む複数種のモノマーを重合したポリマーが知られていた。しかしながら、本発明者らの推測によれば、感光性樹脂組成物用のポリマーに無水マレイン酸に由来する構造を包含させると、ポリマーにアルカリ可溶性、加工性、耐熱性等の感光性樹脂組成物としての機能を発現させることができるが、無水マレイン酸に由来する構造、特にその末端の構造は、耐熱試験後の樹脂膜を着色させ、耐熱変色性を悪化させる要因の1つとであったものと考えられる。本発明にかかるポリマーは、式(b−1)で表される無水マレイン酸やその誘導体に由来する構造に加え、式(c−1)で表されるマレイミド系モノマーに由来する構造単位を含み、両者を組み合わせて有することにより、アルカリ可溶性、加工性、耐熱性等の感光性樹脂組成物としての特性を十分維持しつつ、耐熱試験後の透明性を低下させる因子を低減させることができ、結果として、感光性樹脂組成物としての優れた機能に加え、優れた耐熱変色性を併せ持つ、新規な効果を有するポリマーとなるものと考えられる。
より具体的には、本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記した、分子中に、環状オレフィンに由来する構造単位(a)、上記の式(b−1)で表される構造単位、及び、上記の式(c−1)で表される構造単位を含むポリマーに加え、感光剤を必須成分とする。
また、この感光性樹脂組成物は、さらに、必要に応じ、溶媒、着色剤、ラジカル重合性化合物、架橋性化合物等を含んでも良い。また、各用途に応じて、その他の成分が配合されても良い。
以下、本実施形態の感光性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
<ポリマーに含まれる構造単位>
(環状オレフィンに由来する構造単位(a))
本発明にかかるポリマーは、繰り返し単位として、環状オレフィンに由来する構造単位(a)を有する。
本発明にかかるポリマーは、環状オレフィン由来の構造単位を含有するため、密着性、低誘電性、加工性に優れた硬化膜を得ることができる。
本発明において環状オレフィンに由来する構造単位とは、環状構造(脂環又は芳香環)と炭素−炭素二重結合とを有する環状オレフィン骨格を有するモノマー由来の構造単位を意味する。
環状オレフィンに由来する構造単位は、環状オレフィン骨格を有するモノマーの共重合又は開環重合体により得られる構造単位を含む。
前記環状オレフィン由来の構造単位は、ノルボルネン系モノマー由来の構造単位Aを含むことが好ましい。ノルボルネン骨格を有することで、より密着性を向上させることができ、また有機絶縁層(硬化膜)における低誘電性をより実現できる。
密着性・耐熱性向上、及び、有機絶縁層(硬化膜)における低誘電性実現の観点から、環状オレフィン由来の構造単位(a)は、下記の式(a−1)で表されるノルボルネン系モノマー由来の構造単位Aを含むことができる。
Figure 2020027115
また、本実施形態の環状オレフィン由来の構造単位を含有するポリマーは、下記の式(a−2)で表されるノルボルネン系モノマー由来の構造単位Aを含むことができる。本実施形態の環状オレフィン由来の構造単位を含有するポリマーは、該ポリマーが、例えば、ノルボルネン系モノマーを開環重合した場合、構成単位(a−2)を含み得る。
Figure 2020027115
上記式(a−1)、式(a−2)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、水酸基または炭素数1〜30の有機基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜10の有機基である。その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R、R、RおよびRを構成する有機基は、いずれも酸性官能基を有しないものとすることができる。これにより、ポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。
これらの有機基はカルボキシル基、グリシジル基、オキセタニル基等の官能基を有していてもよい。本実施形態において、R、R、RおよびRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
なお、R、R、RまたはRとしてカルボキシル基と架橋しうる官能基を含むことにより、ポリマーを含む感光性樹脂組成物から構成される膜の硬化度を更に向上させることができる。
さらに、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R、R、RおよびRの少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、ポリマーを使用して硬化膜を構成した際、この硬化膜の誘電率を低下させることができる。また、ハロアルキルアルコール基とすることで、アルカリ現像液に対する溶解性を適度に調整できるだけでなく、耐熱変色性をさらに向上させることができる可能性がある。
なお、ポリマーを含んで構成される膜の光透過性を高める観点からは、R、R、RおよびRのいずれかが水素であることが好ましく、特には、R、R、RおよびRすべてが水素であることが好ましい。
また、上記式(a−1)、式(a−2)中、nは、例えば、0、1または2であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることがより好ましい。
(式(b−1)で表される構造単位)
本発明にかかるポリマーは、繰り返し単位として、下記の式(b−1)で表される構造単位を有する。
Figure 2020027115
式(b−1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。
、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることがより好ましく、Rが水素かつRが水素又は炭素数1の有機基であることが更に好ましく、RとRが水素であることが一層好ましい。
上記無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体に由来する構造単位として、上記(b−1)で示される構造単位を含むことにより、ポリマーにおける酸化の制御をすることが可能となり、ポリマーのアルカリ可溶性を適度に調整することができる。
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。また、アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
(式(c−1)で表される構造単位)
本発明にかかるポリマーは、繰り返し単位として、下記の式(c−1)で表される構造単位を有する。
本発明に係るポリマーは、式(b−1)で表される無水マレイン酸やその誘導体に由来する構造と、式(c−1)で表されるマレイミド系モノマーに由来する構造単位を併せ持つことにより、アルカリ可溶性、加工性、耐熱性等の感光性樹脂組成物としての特性を十分維持しつつ、耐熱性、耐熱変色性を向上させることができる。
Figure 2020027115
式(c−1)中、Rは炭素数1〜30の有機基を示す。有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
この中でも、Rは炭素数1〜30のアルキル基、シクロアルキル基、又は、アラルキル基であることが好ましい。
アルキル基としては、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜30個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基を挙げることができる。
シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基・フェネチル基が挙げられる。
この中でも、Rはアルキル基、又は、シクロアルキル基であることが好ましく、シクロアルキル基であることがより好ましい。
は、アルキル基としては、メチル基、又は、エチル基であることが好ましい。また、Rは、シクロアルキル基として、シクロヘキシル基であることが特に好ましい。
式(c−1)中、Rを上記態様とすることで、着色を低減させることができる。式(c−1)中、Rを上記態様とすることで、より着色を低減させることができる詳細なメカニズムは明らかではないが、本発明者らの検討によれば、マレイミド中の窒素原子に直接共役系の置換基が結合した構造は光吸収の要因となる可能性があり、共役系の置換基を含まない態様とするか、あるいは、共役系の置換基が、アルキル鎖等の連結基を介し間接的に窒素原子に結合した態様とすることで、着色を低減させることができるものと推測される。
本発明にかかるポリマーは、環状オレフィンに由来する構造単位(a)、前記の式(b−1)で表される構造単位、及び、前記の式(c−1)で表される構造単位をそれぞれ、1種又は複数種含む。本発明にかかるポリマーは、これらの3種のモノマー以外の単量体から導かれる構造単位を有していてもよい。
(式(d−1)、(d−2)、(d−3)で表される構造単位)
本発明にかかるポリマーは、さらに、下記式(d−1)、(d−2)、(d−3)のいずれかで表される構造単位のうち、少なくともいずれか1種の構造単位を含むことができる。
Figure 2020027115
Figure 2020027115
Figure 2020027115
式(d−1)中のR、式(d−2)中のR、Rは、炭素数2〜18の有機基であって、その構造中に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。
本発明にかかるポリマーは、上記式(d−1)、(d−2)、(d−3)のうち、いずれか1種の構造単位を含むこともできるし、いずれか2種の構造単位を含むこともできるし、上記式(d−1)、(d−2)、(d−3)のすべての構造単位を含むこともできる。本発明にかかるポリマーは、上記式(d−1)、(d−2)、(d−3)の構造単位のうち、少なくとも式(d−1)の構造単位を含むことが好ましい。これらの構造は、無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体に由来する構造単位を開環する工程を経て、得ることができる。
、R、Rは、炭素数2〜18の有機基であり、ここでの有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤により、ラジカル重合を開始する炭素−炭素二重結合を有していることが好ましい。R、R、Rは、炭素−炭素二重結合を有することが好ましく、また、たとえば、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基のいずれかを含むことが好ましい。また、R、R、Rは、特にその末端に炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。R、R、Rとしては、炭素数2〜18の脂肪族炭化水素基があげられる。この場合、たとえば、R、R、Rとして以下式(I)、式(II)のいずれかの基を採用することができる。
Figure 2020027115
(式(I)において、fは1〜5の整数であり、式(II)において、eは1〜9の整数である。)
なお、R、R、Rは同じ基とすることもできるし、異なる基とすることもできる。また、R、R、Rはそれぞれ、式(d−1)、(d−2)、(d−3)で示される複数の繰り返し単位において同じであることが好ましいが、式(d−1)、(d−2)、(d−3)で示される繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。
また、R、R、Rとして、芳香環を含む炭素数8〜18の有機基を用いてもよい。この場合、たとえばR、R、Rとしては、ビニルアリール基(−Ar−CH=CH、Arは芳香族炭化水素基を表す)を採用することができる。
また、式(d−1)におけるRを構成する炭素数2〜18の有機基は、その構造中にO、N、S、P、Siのいずれか1以上の原子を含んでいてもよい。なお、R、R、Rは酸性官能基を含まないものとすることができる。これにより、最終的に得られるポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。
本発明にかかるポリマーにおいて、環状オレフィンに由来する構造単位(a)は、ポリマーを100としたとき、20〜80mol%であることが好ましく、30〜70mol%であることがより好ましく、40〜60mol%であることが特に好ましい。
本発明にかかるポリマーにおいて、前記の式(c−1)で表される構造単位は、ポリマーを100としたとき、1〜40mol%であることが好ましく、3〜35mol%であることがより好ましく、5〜30mol%であることがさらに好ましく、10〜25mol%であることが特に好ましい。
本発明にかかるポリマーにおいて、前記の式(b−1)で表される構造単位のmol数(該ポリマーが、さらに、下記式(d−1)、(d−2)、(d−3)のいずれかで表される構造単位のうち、少なくともいずれか1種の構造単位を含む場合は、前記の式(b−1)で表される構造単位と(d−1)、(d−2)、(d−3)で表される構造単位の合計mol数)は、ポリマーを100としたとき、5〜60mol%であることが好ましく、10〜55mol%であることがより好ましく、15〜50mol%であることが特に好ましい。
本発明にかかるポリマーは、ポリマーを100としたとき、各構造体を上記範囲内とすることで、より、アルカリ可溶性、加工性、耐熱性等の感光性樹脂組成物としての特性と、耐熱変色性とのバランスに優れたポリマーとなる。
また、本発明にかかるポリマーにおいて、ポリマーが、さらに、下記式(d−1)、(d−2)、(d−3)のいずれかで表される構造単位のうち、少なくともいずれか1種の構造単位を含む場合、前記の式(d−1)、(d−2)、(d−3)で表される構造単位の合計は、ポリマーを100としたとき、1〜40mol%であることが好ましく、3〜35mol%であることがより好ましく、5〜30mol%であることが特に好ましい。
さらに、本発明にかかるポリマーにおいて、前記の式(b−1)で表される構造単位のmol数(該ポリマーが、さらに、下記式(d−1)、(d−2)、(d−3)のいずれかで表される構造単位のうち、少なくともいずれか1種の構造単位を含む場合は、前記の式(b−1)で表される構造単位と(d−1)、(d−2)、(d−3)で表される構造単位の合計mol数)と、前記の式(c−1)で表される構造単位のmol数の比は、4:1〜1:10であることが好ましく、2:1〜1:10であることがより好ましい。なお、各成分のmol数の比は、各種スペクトルのピーク面積(例えば、H−NMRのピーク面積)などから推定/算出することができる。
本実施形態におけるポリマーは、たとえばMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.0以上3.0以下である。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。
ポリマーにおける分子量分布を一定の範囲に制御することにより、当該ポリマーにより形成される膜について、硬化時におけるパターンの変形を抑制できる。このため、ポリマーのMw/Mnを上記範囲とすることにより、ポリマーを含む感光性樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。なお、このような効果は、同時にポリマーの低分子量成分を低減する場合において特に顕著に表れる。
また、ポリマーのMw(重量平均分子量)は、たとえば3,000以上30,000以下である。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、たとえばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、ポリマー中における低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
本実施形態におけるポリマーのアルカリ溶解速度は、たとえば300Å/秒以上20,000Å/秒以下、より好ましくは500Å/秒以上25,000Å/秒以下である。また、本実施形態におけるポリマーのアルカリ溶解速度は、たとえば20,000Å/秒以下である。ポリマーのアルカリ溶解速度は、たとえばポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、固形分20重量%に調整したポリマー溶液を、シリコンウェハ上にスピン方式で塗布し、これを110℃で100秒間ソフトベークして得られるポリマー膜を、23℃で2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に含浸させ、視覚的に前記ポリマー膜が消去するまでの時間を測定することにより算出される。
ポリマーのアルカリ溶解速度を上記下限以上とすることにより、アルカリ現像液による現像工程におけるスループットを良好なものとすることができる。また、ポリマーのアルカリ溶解速度を上記上限以下とすることにより、アルカリ現像液による現像工程後における残膜率を向上させることができる。このため、リソグラフィ工程による膜減りを抑えることが可能となる。
(ポリマーの製造方法)
本実施形態に係るポリマーは、たとえば以下のように製造される。
(重合工程(処理S1))
はじめに、環状オレフィンモノマーと、無水マレイン酸又はその誘導体と、マレイミド又はその誘導体を準備する。これらは、それぞれ以下の式(A)、(B)、(C)で示されるモノマーを用いることができる。式(A)において、n、R〜Rは、上記式(a−1)のものと同様とすることができ、式(C)において、Rは上記式(c−1)ものと同様とすることができる。
Figure 2020027115
式(A)で示されるノルボルネン型モノマーとしては、具体的には、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)があげられ、さらに、アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネンなどがあげられる。
その他、ノルボルネン型モノマーとしては、式(A)のR、R、R、Rの基の構造中に、架橋性を有する基、あるいはフッ素等のハロゲン原子を含む基などの官能基を含むものを採用することができる。
ノルボルネン型モノマーとしては、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。なかでも、ポリマーの光透過性の観点から、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)を使用することが好ましい。
次いで、式(A)で示されるモノマーと、式(B)で示されるモノマーと、式(C)で示されるモノマーとを付加重合する。ここでは、ラジカル重合により、式(A)で示されるモノマーと、式(B)で示されるモノマーと、式(C)で示されるモノマーとの共重合体(共重合体1)を形成する。
ここで、式(A)で示されるモノマーと、式(B)で示されるモノマーと、式(C)で示されるモノマーのモル比は、式(A)で示されるモノマーと、式(B)で示されるモノマーと、式(C)で示されるモノマーの合計を100としたとき、式(A)で示されるモノマーが20〜80mol%、式(B)で示されるモノマーが1〜50mol%、式(C)で示されるモノマーが1〜40mol%であることが好ましく、式(A)で示されるモノマーが30〜70mol%、式(B)で示されるモノマーが3〜45mol%、式(C)で示されるモノマーが3〜30mol%であることがより好ましい。
なお、この付加重合に際しては、式(A)で示されるモノマーと、式(B)で示されるモノマーと、式(C)で示されるモノマー以外にも共重合できるモノマーを添加してもよい。このようなモノマーとして、分子内にエチレン性二重結合を有する基を含む化合物が挙げられる。ここで、エチレン性二重結合を有する基の具体例としては、アリル基、アクリル基、メタクリル基、マレイミド基や、スチリル基やインデニル基のような芳香族ビニル基等が挙げられる。
重合方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて分子量調整剤を用いて重合する方法が好適である。この場合、懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合等の方法を取ることができる。中でも、溶液重合が好ましい。溶液重合の際には、各単量体を全量一括仕込みで行っても良いし、一部を反応容器に仕込み、残りを滴下して行っても良い。
たとえば、式(A)で示されるモノマーと、式(B)で示されるモノマーと、式(C)で示されるモノマーを、重合開始剤とを溶媒に溶解し、その後、所定時間加熱することで、式(A)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸と、マレイミドを溶液重合する。加熱温度は、たとえば、50〜80℃であり、加熱時間は10〜20時間である。
重合に使用される溶媒としては、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等のうち、いずれか1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物および有機過酸化物のうちのいずれか1種以上を使用できる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)があげられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
また、有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)を挙げることができ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
ラジカル重合開始剤の量(モル数)は、式(A)で示されるモノマーと、式(B)で示されるモノマーと、式(C)で示されるモノマーとの合計モル数の1%〜10%とすることが好ましい。重合開始剤の量を前記範囲内で適宜設定し、かつ、反応温度、反応時間を適宜設定することで、得られるポリマーの重量平均分子量(Mw)を5000〜30000に調整することができる。
この重合工程(処理S1)により、以下の式(1)で示される繰り返し単位と、以下の式(2)で示される繰り返し単位と以下の式(3)で示される繰り返し単位を有する共重合体1を重合することができる。
ただし、共重合体1において、式(1)の構造のRは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜R、Rにおいても同様である。
Figure 2020027115
式(1)において、n、R〜Rは、上記式(A)中のn、R〜Rと同じである。すなわち、nは0、1、2のいずれかである。R〜Rは、それぞれ独立した水素または炭素数1〜30の有機基である。式(1)において、R〜Rは、同一のものであっても異なっていてもよい。式(3)において、Rは上記式(C)ものと同様とすることができる。
共重合体1は、式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位と、式(3)で示される繰り返し単位とが、ランダムに配置されたものであってもよく、また、交互に配置されたものであってもよい。また、式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位と、式(3)で示される繰り返し単位とが、ブロック共重合したものであってもよい。
共重合体1は感光性樹脂組成物の均一な溶解性を得るという観点から、交互共重合体が好ましい。
(低分子量成分除去工程(処理S2))
次に、共重合体1と、残留モノマーおよびオリゴマー等の低分子量成分とが含まれた有機層に対して、大量の貧溶媒、たとえば、ヘキサンやメタノールに加えて、共重合体1を含むポリマーを凝固沈殿させる。ここで、低分子量成分としては、残留モノマー、オリゴマー、さらには、重合開始剤等が含まれる。次いで、ろ過を行い、得られた凝固物を、乾燥させる。これにより、低分子量成分が除去された共重合体1を主成分(主生成物)とするポリマーを得ることができる。
ポリマーにおける低分子量成分の量を低減することにより、当該ポリマーにより形成される膜について、硬化時におけるパターンの変形を抑制でき、ポリマーを含む感光性樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。当該膜を永久膜として備える液晶表示装置、固体撮像素子については、その動作信頼性を向上させることが可能となる。
(開環工程(処理S3))
次に、得られた共重合体1の無水マレイン酸に由来する環状構造の繰り返し単位のうち、一部の繰り返し単位を閉環した状態としながら、残りの繰り返し単位を開環することができる。これにより、共重合体1中におけるカルボキシル基の量を調整するともにラジカル重合性基を導入することができる。
本実施形態においては、共重合体1の無水マレイン酸由来の繰り返し単位のうち、たとえば10%以上の繰り返し単位を開環させることが好ましい。なかでも、共重合体1の無水マレイン酸由来の環状構造の繰り返し単位の全個数のうち、15%以上の繰り返し単位を開環することが好ましい。また、本実施形態においては、共重合体1の無水マレイン酸由来の繰り返し単位のうち、たとえば、60%以下の繰り返し単位を開環させることが好ましく、50%以下の繰り返し単位を開環させることがより好ましい。上記範囲とすることにより、共重合体1に十分なアルカリ現像液を付与するとともに、光ラジカル発生剤による架橋反応をより効率的に進行させることが容易となる。
この開環工程は、無水マレイン酸由来の構造単位に対して、R−OHで表されるアルコール(ただし、Rは炭素数1〜18の有機基である。)または水を作用させ、上記式(b−1)で示される構造単位の無水マレイン酸部位を開環させ、前駆体ポリマー中にカルボキシル基またはその塩を生成させる。
本工程において、アルコールを作用させた場合は、共重合体中には、たとえば、以下の式(4)で示される構造単位が生成することとなる。
Figure 2020027115
式(4)中、Rは、炭素数2〜18の有機基であり、上記した式(d−1)中のRと同様の基があげられる。
また、式(5)で示す構造体が形成されることもある。
Figure 2020027115
なお、式(5)中におけるR、Rは、炭素数2〜18の有機基であり、前述した式(d−2)中のR、Rと同様である。
共重合体1に対して水を作用させた場合、前駆体ポリマー中には、以下の式(6)で示される構造単位が生成することとなる。
Figure 2020027115
本工程は、たとえば、共重合体1を含む溶液に対し、アルコールまたは水を所定量加え、加熱することで行うことができる。
アルコールとしては、1価のアルコールが好ましい。アルコールは、ROHとすることができ、有機基であるRは、前述したものを使用できる。
アルコールとしては、1たとえば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、および1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレートがあげられ、これらのうちいずれか1以上使用することができる。
前駆体ポリマーを溶解する溶媒は、反応を阻害しないものの中から適宜選択することができ、加熱の条件としては、たとえば、50〜100℃の範囲で設定することができる。反応時間は、ポリマーの化学構造の変化の度合などを観察しながら適宜設定できる。
なお、本工程に用いられる溶媒として、たとえば、汎用性の高い溶媒として、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等のうち、いずれか1種以上を使用することができる。
この加熱においては、反応を促進する観点から適宜触媒を加えることができ、たとえば塩基触媒や酸触媒を加えることができる。
塩基触媒としては、ピリジンや、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、ジメチルアニリン、ウロトロピン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物、酢酸ナトリウム等の金属塩を用いることができる。
また、酸触媒としては、硫酸や塩酸などの鉱酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸などを用いることができる。
なお、本工程で塩基触媒を用いる場合においては、この塩基と、生成したカルボキシル基とが塩(カルボン酸塩)を形成することがある。この場合、このカルボン酸塩の構造を維持したまま次工程に移行することもできるし、また、塩酸やギ酸等の酸を作用させ、上述の式(4)、(6)で示されるような、末端にカルボキシル基を備える構造単位に変換させることもできる。
なお、本工程は、上記態様のほかに、前記重合工程において、前記共重合体1が重合された反応液に
(α)塩基としての金属アルコキシド(M(OR))
(β)アルコールおよびアルカリ金属塩またはアルカリ水酸化物
のいずれかと、メチルエチルケトン(MEK)等の有機溶媒をさらに添加し、加熱撹拌し反応液を得、カルボキシル基の塩部分を有する共重合体2を得た後、塩酸あるいは蟻酸等の水溶液を加えて、共重合体2を酸処理して、上記式(4)、(5)、(6)で表される構造単位を有する共重合体3を得る態様とすることもできる。
酸処理することで得られた共重合体3は、前述した式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位と、式(3)で示される繰り返し単位と、式(4)で示される繰り返し単位と、場合により式(5)の構造体および式(6)の構造体を有するものとなる。
上記開環工程の後、さらに、前工程で得られた無水マレイン酸部位を開環させた共重合体に対し、式(7)で示されるエポキシ基を備える化合物を反応させることもできる。
Figure 2020027115
(式(7)中、R8は炭素数2〜18の有機基であって、その構造中に炭素−炭素二重結合を有する。)
本工程のより具体的な態様としては、前述の式(4)または式(6)で示される構造単位(またはその塩)を含む前駆体ポリマーを含む溶液と、式(7)で示される化合物とを混合し、加熱する。
前駆体ポリマーを溶解する溶媒は、反応を阻害しないものの中から適宜選択することができ、加熱の条件としては、たとえば、50〜100℃の範囲で設定することができる。反応時間は、ポリマーの化学構造の変化の度合などを観察しながら適宜設定できる。
また、式(7)で示される化合物は、特定のRを備えるものの中から適宜選択することができる。
具体的には、Rは、炭素数2〜18の有機基であって、その構造中に炭素−炭素二重結合を有するものであるが、Rとしては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基等のアルケニル基を含む有機基とすることができる。より具体的には、Rは、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基からなる群から選ばれるいずれかの基を含むことがより好ましく、アクリロイル基またはメタクリロイル基を含むことがさらに好ましい。
また、Rとしては、前述の式(I)、式(II)のいずれかの基を採用することもできる。
また、Rは、形成される構造単位ごとにおいて同じであることが好ましいが、形成される構造単位ごとに異なっていてもよい。
また、Rとして、芳香環を含む炭素数8〜18の有機基を用いてもよい。この場合、たとえばRとしては、ビニルアリール基(−Ar−CH=CH、Arは芳香族炭化水素基を表す)を採用することができる。
また、Rを構成する炭素数2〜18の有機基は、その構造中にO、N、S、P、Siのいずれか1以上の原子を含んでいてもよい。また、Rを構成する有機基は、酸性官能基を含まないものとすることができる。これにより、得られるポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。
本実施形態において、入手容易性の高さを鑑み、この式(7)で示される化合物として、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートを用いることが好ましい。
ここで、式(4)で示される構造単位に対し、式(7)で示される化合物を作用させた場合においては、この式(4)で示される構造単位は、式(8)で示される構造単位に変換されうる。
すなわち、本実施形態によって得られるポリマーは、この式(8)で示される構造単位を含みうる。
Figure 2020027115
(式(8)中、Rは炭素数2〜18の有機基であり、式(7)中のRと同様である。)
一方、上記式(6)で示される構造単位に対し、式(3)で示される化合物を作用させた場合においては、この式(6)で示される構造単位は、式(9)で示される構造単位に変換されうる。
Figure 2020027115
(式(9)中、Rは炭素数1〜18の有機基であり、式(7)中のRと同様である。)
本工程においては、反応を促進する観点から適宜触媒を加えることができ、たとえば塩基触媒や酸触媒を加えることができる。
塩基触媒としては、ピリジンや、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、ジメチルアニリン、ウロトロピン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物、酢酸ナトリウム等の金属塩を用いることができる。
また、酸触媒としては、硫酸や塩酸などの鉱酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸などを用いることができる。
なお、本工程で塩基触媒を用いる場合においては、この塩基とポリマー中のカルボキシル基とが塩(カルボン酸塩)を形成することがあるため、塩酸やギ酸等の酸を作用させ、ポリマー中のカルボン酸塩の部位を、カルボキシル基へと変換させることが好適である。
酸処理することで得られた共重合体3は、前述した式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位と、式(3)で示される繰り返し単位と、式(5)で示される繰り返し単位と、場合により式(8)の構造体および式(9)の構造体を有するものとなる。
以上の開環工程と、開環構造にアルコール及び/又は、エポキシ基を有する化合物を反応させる工程を経て得られ得る、式(4)及び式(8)で示される構造単位は式(d−1)に包含され、式(5)及び式(9)で示される構造単位は式(d−2)に包含される。以上の工程により、前記の式(a−1)で表される構造単位、前記の式(b−1)で表される構造単位、及び、前記の式(c−1)で表される構造単位、並びに、前記の式(d−1)、(d−2)、(d−3)で示される構造単位のいずれかの構造単位を有する共重合体を得ることができる。
前記の式(b−1)で示される繰り返し単位と、式(d−1)で示される繰り返し単位(式(d−2)で示される構造単位、式(d−3)で示される構造単位が含まれる場合には、式(d−1)で示される構造単位と、式(d−2)で示される構造単位と、式(d−3)で示される構造単位との合計)との比率、すなわちモル比(式(b−1):式(d−1)(ただし、式(d−2)で示される構造単位、式(d−3)で示される構造単位が含まれる場合には、式(b−1):(式(d−1)+式(d−2)+式(d−3)))は、たとえば、10:1〜1:10である。
(洗浄工程(処理S4))
次に、以上の工程により得られた共重合体3を含む溶液を、水への再沈あるいは水洗により残留金属成分や未反応アルコールを除去する。再沈の場合には、大量の水へ共重合体3を含むポリマーを滴下して凝固沈殿させる。次いで、ろ過を行い、得られた凝固物を、捕集し、水による洗浄操作を数回繰り返す。水洗の場合には、水と有機溶媒(たとえば、MEK)との混合物で洗浄して、その後、水層を除去する(第一の洗浄)。その後、再度、有機層に、水と有機溶媒(たとえば、MEK)との混合物を加えて、洗浄する(第二の洗浄)。本実施形態においては、以上のような洗浄工程(処理S4)をたとえば5回以上、より好ましくは10回繰り返す。これにより、共重合体3中におけるアルカリ金属の濃度を、十分に低減することができる。本実施形態においては、共重合体3中のアルカリ金属濃度が10ppm以下、好ましくは5ppm以下となるように洗浄工程(処理S4)を繰り返し行うことが好ましい。
(溶媒置換工程(処理S5))
洗浄工程(処理S4)の後において、溶媒置換を行うことができる。溶媒置換は、たとえば減圧蒸留によって処理S1からS4にて使用した化合物を除去し、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等の製品溶媒を添加しながら系内を置換していくことにより行うことができる。
(加熱工程(処理S6))
本実施形態では、前述した開環工程(処理S3)にて、無水マレイン酸由来の繰り返し単位の開環率を調整することで、ポリマーのアルカリ現像液(たとえば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液))に対する溶解速度が調整されているが、さらに、厳密に溶解速度を調整する必要がある場合には本加熱工程(処理S6)を実施することができる。この加熱工程(処理S6)では、共重合体3を加熱することでポリマーのアルカリ現像液に対する溶解速度をさらに調整することができる。
加熱工程(処理S6)は、たとえば100℃以上140℃以下、0.5時間以上10時間以下の条件で行うことができる。なお、これらの加熱処理条件は、所望する溶解速度に応じて適宜調整することが可能である。
この加熱工程(処理S6)では、共重合体3の一部のカルボキシル基、すなわち、無水マレイン酸由来の構造体の開環構造の末端に形成されたカルボキシル基が、エステル化することとなる。これに加え、この加熱工程(処理S6)では、共重合体3の無水マレイン酸由来の構造体の開環構造が脱水して、再度閉環することとなる。
従って、この工程を経て得られる共重合体4は、前述した式(1)で示す繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位と、式(3)で示される繰り返し単位と、式(4)で示される繰り返し単位と、式(5)で示される繰り返し単位とを備えるものとなる。
このとき、加熱工程後の式(4)で示される繰り返し単位と、式(5)で示される繰り返し単位には、R、R、Rが本加熱工程(処理S6)で使用するアルコールに由来のものである場合を含む。
式(5)には、式(6)において二つのカルボキシル基がエステル化した構造が含まれていてもよい。この場合には、RおよびRは、いずれも本加熱工程(処理S6)で使用するアルコールに由来のものとなる。
これにより、共重合体4を主生成物とする生成物(ポリマー)を得ることができる。
以上の工程を経ることにより、本実施形態に係るポリマーが得られることとなる。
本実施形態により得られるポリマーは、この構造単位に含まれる化学的性能の特異性から、好ましくは、感光性樹脂膜を形成するために用いることができる。
なお、本明細書中において「感光性樹脂膜」とは、電子装置等の作製過程において、露光工程に供される樹脂膜を指す。例えば、「感光性樹脂膜」は、光が照射された部位が硬化し、一方、照射されない部位は現像工程で現像液(例えばアルカリ溶液)に溶解して除去される、ネガ型の感光性樹脂膜を指す。
<感光性樹脂組成物>
続いて、本実施形態にかかる感光性樹脂組成物について説明する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、先に説明した製造方法により得られるポリマーと、感光剤とを配合することにより得られるものである。
感光性樹脂組成物中のポリマーの割合は、感光性樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、好ましくは10質量%〜70質量%であり、より好ましくは20質量%〜60質量%である。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、感光剤を含むことにより、本実施形態の感光性樹脂組成物が、実用上好ましい感光性を有することとなる。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、ネガ型の感光性樹脂組成物とすることも、ポジ型の感光性樹脂組成物とすることも可能であるが、感光剤として、光ラジカル発生剤を用い、ネガ型の感光性樹脂組成物とすることが好ましい。
光ラジカル発生剤としては、具体的には、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2'−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2'−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等を挙げることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、光ラジカル発生剤は、ポリマー全体100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、さらには2質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
また、上記光ラジカル発生剤とともに、光増感剤や光ラジカル重合促進剤を使用する事により、感度や架橋度を更に向上させることができる。例えば、キサンテン色素、クマリン色素などの色素系化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のジアルキルアミノベンゼン系化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のメルカプト系水素供与体等があげられる。
(溶媒)
本実施形態に記載の感光性樹脂組成物は、上述の各成分を溶媒に溶解することで、ワニス状として使用することができる。
このような溶媒の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、およびピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。
なお、樹脂膜のクラック発生を顕著に抑制する観点からは、これらの化合物のうち、γ−ブチロラクロン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる化合物を用いることが好ましい態様である。
本実施形態の感光性樹脂組成物における溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、ポリマー100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、150質量部以上であることがより好ましい。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物における溶媒の含有量は、ポリマー100質量部に対して、1000質量部以下であることが好ましく、800質量部以下であることがより好ましい。溶媒の含有量が上記範囲内であると、適度なハンドリング性をもたらすことができる。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、各用途の目的や要求特性に応じて、フィラー、先述のポリマー以外のバインダー樹脂、架橋剤、酸発生剤、耐熱向上剤、現像助剤、可塑剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、分散剤、スリップ剤、表面改質剤、揺変化剤、揺変助剤、界面活性剤、シラン系やアルミニウム系、チタン系などのカップリング剤、多価フェノール化合物等の上記の必須成分以外の成分が配合されても良い。
<ラジカル重合性化合物>
本実施形態の着色感光性樹脂組成物は、前記ラジカル重合開始剤により、前記ポリマーと架橋するラジカル重合性化合物(第一の架橋剤ともいう。)を含むことができる。
ラジカル重合性化合物(第一の架橋剤)は、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリル化合物であることが好ましい。具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類;(メタ)アクリル酸アリル等のアリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類;トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル基含有イソシアヌレート類;トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル類等が挙げられる。
なかでも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の六官能(メタ)アクリレートがあげられ、これらのうちいずれか1以上を使用することが好ましい。
このような多官能アクリル化合物を使用することで、ラジカル重合開始剤で発生するラジカルにより、多官能アクリル化合物と、ポリマーとを架橋することができるとともに、多官能アクリル化合物同士も架橋することができる。これにより、着色感光性樹脂組成物の感度向上に寄与できると共に、架橋度が高く耐薬品性の高い膜を形成することができる。
本実施形態の着色感光性樹脂組成物において、第一の架橋剤を用いる場合、その含有量は、ポリマーを100質量部に対し、30〜70質量部であることが好ましく、さらには、50〜60質量部であることが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物はさらに着色剤を含ませることができる。
このような感光性樹脂組成物は、たとえば、カラーフィルタを構成するブラックマトリクスや着色パターンを作製する際に、好適に用いることができる。
顔料としては有機顔料や無機顔料を用いることができる。
有機顔料としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料等を使用することができる。
無機顔料としては、白色・体質顔料(酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有彩顔料(黄鉛、カドミニウム系、クロムバーミリオン、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマス等)、黒色顔料(カーボンブラック、ボーンブラック、グラファイト、鉄黒、チタンブラック等)、光輝材顔料(パール顔料、アルミ顔料、ブロンズ顔料等)、蛍光顔料(硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム等)を使用することができる。
使用できる顔料の色としては黄色、赤色、紫色、青色、緑色、褐色、黒色、白色が挙げられる。
また、染料としては、例えば、特開2003−270428号公報や特開平9−171108号公報、特開2008−50599号公報等に記載されている公知の染料(化合物)を使用することができる。
上述の着色剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。上述の着色剤は、目的、用途に応じて、適切な平均粒子径を有するものを使用できるが、特にカラーフィルタ用着色レジストのような透明性が要求される場合は、0.1μm以下の小さい平均粒子径が好ましく、その他、塗料などの隠蔽性が必要とされる場合は、0.5μm以上の大きい平均粒子径が好ましい。また、上述の色材は、目的、用途に応じて、ロジン処理、界面活性剤処理、樹脂系分散剤処理、顔料誘導体処理、酸化皮膜処理、シリカコーティング、ワックスコーティングなどの表面処理がなされていてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物における着色剤の含有割合は、目的、用途に応じて、適宜設定すればよいが、着色力と分散安定性のバランスを取る観点から、感光性樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量部としたとき、好ましくは3質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、硬化物とすることにより樹脂膜を得ることができる。
このような樹脂膜は、たとえばレジストとしての用途として用いることができ、また、たとえば、電子装置用の保護膜、層間膜、またはダム材等の永久膜を構成することもできる。
本実施形態の感光性樹脂組成物はその樹脂膜の、下記条件で測定した透過率が95%以上であることが好ましく、より好ましくは98%以上である。
(条件)
感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、100℃、120秒間の条件で乾燥し、300mJ/cmの露光量で露光して得られる厚み3μmの樹脂膜Aについて、波長400nmの光の光線透過率を分光光度計で評価し、耐熱試験前透過率T%とした。
本実施形態の感光性樹脂組成物はその樹脂膜の、下記条件で測定した耐熱変色性が91%以上であることが好ましく、より好ましくは93%以上である。
(条件)
感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、100℃、120秒間の条件で乾燥し、300mJ/cmの露光量で露光して得られる厚み3μmの樹脂膜Aについて、波長400nmの光の光線透過率を分光光度計で評価し、耐熱試験前透過率T%とした。樹脂膜Aを大気雰囲気下、250℃、1時間加熱して得られる樹脂膜Bについて、波長400nmの光の光線透過率を分光光度計で評価し、耐熱試験後透過率T%とした。T/T×100を耐熱変色性%とした。
本発明の感光性樹脂組成物を硬化させて得られる永久膜は、透過率、耐熱変色性に優れた永久膜となるため、特に、透明性が要求される用途、特に加熱されても着色しないことが要求される、例えば、液晶表示装置や有機EL素子等の各種表示装置有する電子装置の着色パターン、ブラックマトリクス、オーバーコート、リブ及びスペーサーに適用することが好ましい。
[カラーフィルタ]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、カラーフィルタの製造に用いられる。以下、本実施形態の感光性樹脂組成物を適用したカラーフィルタの例について図1を示しながら説明する。なお、このようなカラーフィルタは液晶表示装置や固体撮像素子に備えさせることができる。
図1に示されるカラーフィルタ100は、支持体10上に、ブラックマトリクス20と着色パターン30が形成されたものであり、さらに、このブラックマトリクス20と着色パターン30の上部に保護膜40および透明電極層50が設けられている。
支持体10は、通常、光を通過する材料により構成されるものであり、たとえば、ガラスの他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの重合体などにより構成される。
また、この支持体10は必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、薬液処理等が施されたものであってもよい。
なお、本実施形態において、この支持体10は好ましくはガラスにより構成される。
ブラックマトリクス20は、たとえば、先述の着色剤として黒色顔料や黒色染料を用いた場合における感光性樹脂組成物の硬化物により構成される。なお、着色パターン30として本実施形態の感光性樹脂組成物を用いる場合、このブラックマトリクス20は他の方法によって形成されたものであっても構わない。
カラーフィルタ100中の着色パターン30は、通常は赤、緑、青の三色が存在する。この着色パターン30は、先述の感光性樹脂組成物として、この色に応じた顔料や染料を用いた場合における、感光性樹脂組成物の硬化物により構成される。なお、ブラックマトリクス20として本実施形態の感光性樹脂組成物を用いる場合、この着色パターン20は他の方法によって形成されたものであっても構わない。
図1に示されるカラーフィルタ100は、保護膜40を備える。この保護膜は、カラーフィルタの保護膜として用いられる公知の無機材料あるいは有機材料の中から適宜選択することができる。
図1に示されるカラーフィルタ100は、透明電極層50を備える。この透明電極層50は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等や、これらの合金等により構成される。
具体的な形成方法は、公知の方法を採用することができるが、たとえば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の方法を採用することができる。
[カラーフィルタ100の製造方法]
以下、図2を参照しながらカラーフィルタ100の製造方法について説明する。
本実施形態のカラーフィルタ100の製造方法は、
本実施形態の感光性樹脂組成物を支持体10に適用することで感光性樹脂組成物の層15を形成する、感光性樹脂組成物層形成工程と、
前記感光性樹脂組成物の層に対して露光する、露光工程と、
アルカリ性現像液によりパターンを形成する、現像工程と、を含む。
以下、ブラックマトリクス20、着色パターン30とも、本実施形態の感光性樹脂組成物を適用した場合を例に挙げて説明を続ける。
はじめに、本実施形態の感光性樹脂組成物を支持体10に塗布し、感光性樹脂組成物の層15を形成する(図2(a)参照)。なお、本図2においては、この支持体10に塗布する感光性樹脂組成物は黒色顔料または黒色染料を含むものである。
この感光性樹脂組成物を支持体10に塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の塗布方法を用いることができる。これらの中でもスピンコートが好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
感光性樹脂組成物が溶媒を含む場合、溶媒をほぼ全て除去するのに適切な温度および時間で支持体10を加熱し、塗膜を形成する。加熱温度および時間は、例えば、60〜130℃で1〜5分間、好ましくは80〜120℃で1〜3分間である。また、感光性樹脂組成物の層(塗膜)の厚みは、1.0〜5.0μmが好ましい。
その後、目的のパターンを形成するためのマスクを介して露光し、必要に応じて加熱を行う。
塗膜上へのパターン形成は、目的のパターンを形成するためのマスクを用いて、活性光線等を照射して行う。活性光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。
その後、アルカリ現像液により現像して、未露光部を溶解、除去し、感光性樹脂組成物の層15を所望の形状にパターニングする(図2(b)参照)。さらに加熱することにより、目的のブラックマトリクス20を得ることができる(図2(c)参照)。
現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法等を挙げることができる。現像条件としては通常、23℃で1〜10分程度である。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の0.1〜10質量%程度の濃度のアルカリ水溶液を挙げることができる。現像後は、さらに、150〜300℃で30〜120分間ベークし、十分に硬化させて、目的のパターンを得ることができる。なお、硬化条件は上記に限定されるものではない。
つづいて、ブラックマトリクス20が形成された支持体10上に、赤、緑、青のいずれかの顔料または染料を含む感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像、硬化を行い、着色パターン30を得る。この操作を繰り返すことで、支持体10にブラックマトリクス20と着色パターン30の双方を形成することができる(図2(d)参照)。
その後、ブラックマトリクス20および着色パターン30上に、保護膜40形成する(図2(e)参照)。この形成方法は、保護膜40を構成する材料に応じ、公知の方法を採用することができる。
最後に、保護膜40上に、透明電解層50を設ける(図2(f)参照)。
この形成方法は、先述の通り、たとえば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の方法を採用することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(合成例1:前駆体ポリマーAの合成)
還流冷却管及び滴下漏斗を備えた反応容器内に、2−ノルボルネン(NB)の75%トルエン溶液(179.7g、2−ノルボルネン換算134.8g、1.43mol)、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル(和光純薬工業製,商品名:V−601,13.2g,0.057mol)及びMEK101.0gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が60℃に到達したところで、N−シクロヘキシルマレイミド(CMI、25.7g、0.14mol)及び無水マレイン酸(MAN、126.4g、1.29mol)をMEK304.0gに溶解させた溶液を3時間かけて添加した。その後、80℃に昇温しさらに6時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK250gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いでポリマーを濾取し、さらにメタノールで洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収量は250.0g、収率は83%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが7,600であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.88であった。
(合成例2:前駆体ポリマーBの合成)
還流冷却管及び滴下漏斗を備えた反応容器内に、2−ノルボルネンの75%トルエン溶液(57.7g、2−ノルボルネン換算43.3g、0.459mol)、V−601(4.2g、0.018mol)及びMEK30.6gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が60℃に到達したところで、N−シクロヘキシルマレイミド(16.5g、0.092mol)及び無水マレイン酸(36.0g、0.368mol)をMEK105.0gに溶解させた溶液を3時間かけて添加した。その後、80℃に昇温しさらに6時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK83.3gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いでポリマーを濾取し、さらにメタノールで洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収量は81.5g、収率は82%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが7,200であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.86であった。
(合成例3:前駆体ポリマーCの合成)
還流冷却管及び滴下漏斗を備えた反応容器内に、2−ノルボルネンの75%トルエン溶液(53.7g、2−ノルボルネン換算40.3g、0.428mol)、V−601(3.9g,0.017mol)及びMEK35.1gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が60℃に到達したところで、N−シクロヘキシルマレイミド30.7g(0.171mol)及び無水マレイン酸(25.2g、0.257mol)をMEK101.5gに溶解させた溶液を3時間かけて添加した。その後、80℃に昇温しさらに6時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK83.3gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いでポリマーを濾取し、さらにメタノールで洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収量は79.7g、収率は80%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが6,600であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.88であった。
(合成例4:前駆体ポリマーDの合成)
還流冷却管及び滴下漏斗を備えた反応容器内に、2−ノルボルネンの75%トルエン溶液(62.3g、2−ノルボルネン換算46.7g、0.496mol)、V−601(4.6g,0.020mol)及びMEK45.9gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が60℃に到達したところで、無水マレイン酸(48.7g、0.496mol)をMEK88.5gに溶解させた溶液を3時間かけて添加した。その後、80℃に昇温しさらに6時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK83.3gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いでポリマーを濾取し、さらにメタノールで洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収量は92.5g、収率は93%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが6,900であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.76であった。
(合成例5:前駆体ポリマーEの合成)
還流冷却管及び滴下漏斗を備えた反応容器内に、無水マレイン酸(11.1g、0.113mol)、2,2'−アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)(1.12g、0.005mol)及びMEK18.3gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が70℃に到達したところで、2−ノルボルネンの75%トルエン溶液(2.8g、2−ノルボルネン換算2.1g、0.022mol)、ビニルトルエン(10.7g,0.091mol)をMEK18.5gに溶解させた溶液を3時間かけて添加した。その後、80℃に昇温しさらに2時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却した。溶液を大量のメタノールに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いでポリマーを濾取し、さらにメタノールで洗浄した後、120℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収量は20.3g、収率は81%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが24,700であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が3.58であった。
Figure 2020027115
(合成例6:ポリマーA−1の合成)
合成例1で合成した前駆体ポリマーA20.0gをMEK30.0gに溶解させた。さらに2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)11.6gとトリエチルアミン(TEA)2.0gを添加し、70℃に昇温した後6時間反応させた。次いで、反応混合液を室温に冷却し、ギ酸にて中和した。溶液を大量の純水に注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾取し、さらに純水で洗浄した後、PGMEAに溶解させ、減圧下で残留水分の除去・濃縮を行って固形分約35%のポリマー溶液を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は8,600であり、分子量分布1.89であった。また、アルカリ溶解速度は12,300Å/secであった。また、二重結合当量は620g/molであった。
(合成例7:ポリマーA−2の合成)
2−ヒドロキシエチルアクリレートの代わりに4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)14.4gを用いた以外は合成例6と同様の方法で反応を実施した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布、アルカリ溶解速度、二重結合当量は、表2に記載の通りであった。
(合成例8:ポリマーA−3の合成)
2−ヒドロキシエチルアクリレートの代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)13.0gを用いた以外は合成例6と同様の方法で反応を実施した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布、アルカリ溶解速度、二重結合当量は、表2に記載の通りであった。
(合成例9:ポリマーA−4の合成)
合成例1で合成した前駆体ポリマーA20.0gをMEK30.0gに溶解させた。さらに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)9.1gとトリエチルアミン(TEA)2.0gを添加し、70℃に昇温した後6時間反応させた。次いで、系中にメタクリル酸グリシジル(GMA)4.3gを追加し70℃でさらに4時間反応させた。反応混合液を室温に冷却し、ギ酸にて中和した。溶液を大量の純水に注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾取し、さらに純水で洗浄した後、PGMEAに溶解させ、減圧下で残留水分の除去・濃縮を行って固形分約35%のポリマー溶液を得た。このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布、アルカリ溶解速度、二重結合当量は、表2に記載の通りであった。
(合成例10:ポリマーB−1の合成)
合成例2で合成した前駆体ポリマーB20.0gをMEK30.0gに溶解させた。さらに2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)11.0gとトリエチルアミン(TEA)2.0gを添加し、70℃に昇温した後6時間反応させた。次いで、反応混合液を室温に冷却し、ギ酸にて中和した。溶液を大量の純水に注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾取し、さらに純水で洗浄した後、PGMEAに溶解させ、減圧下で残留水分の除去・濃縮を行って固形分約35%のポリマー溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布、アルカリ溶解速度、二重結合当量は、表2に記載の通りであった。
(合成例11:ポリマーC−1の合成)
合成例3で合成した前駆体ポリマーC20.0gをMEK30.0gに溶解させた。さらに2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)10.3gとトリエチルアミン(TEA)2.0gを添加し、70℃に昇温した後6時間反応させた。次いで、反応混合液を室温に冷却し、ギ酸にて中和した。溶液を大量の純水に注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾取し、さらに純水で洗浄した後、PGMEAに溶解させ、減圧下で残留水分の除去・濃縮を行って固形分約35%のポリマー溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布、アルカリ溶解速度、二重結合当量は、表2に記載の通りであった。
(合成例12:ポリマーD−1の合成)
合成例4で合成した前駆体ポリマーD20.0gをMEK30.0gに溶解させた。さらに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)8.5gとトリエチルアミン(TEA)2.0gを添加し、70℃に昇温した後6時間反応させた。次いで、系中にメタクリル酸グリシジル(GMA)4.4gを追加し70℃でさらに4時間反応させた。反応混合液を室温に冷却し、ギ酸にて中和した。溶液を大量の純水に注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾取し、さらに純水で洗浄した後、PGMEAに溶解させ、減圧下で残留水分の除去・濃縮を行って固形分約35%のポリマー溶液を得た。
ポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布、アルカリ溶解速度、二重結合当量は、表2に記載の通りであった。
(合成例13:ポリマーE−1の合成)
合成例5で合成した前駆体ポリマーE15.0gをMEK27.9gに溶解させた。さらに2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)10.2gとトリエチルアミン(TEA)1.5gを添加し、70℃に昇温した後6時間反応させた。次いで、反応混合液を室温に冷却し、ギ酸にて中和した。溶液を大量の純水に注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾取し、さらに純水で洗浄した後、PGMEAに溶解させ、減圧下で残留水分の除去・濃縮を行って固形分約35%のポリマー溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量(Mw)、分子量分布、アルカリ溶解速度、二重結合当量は、表2に記載の通りであった。
Figure 2020027115
<感光性樹脂組成物の調製>
上記合成例で得られたポリマー各100質量部に対し、それぞれ架橋剤であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(A−DPH、新中村化学工業株式会社製)50質量部、以下の式で表される光ラジカル発生剤(イルガキュアOXE01(BASF社製))10質量部g、シランカップリング剤(KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業株式会社製))1質量部、界面活性剤(F556(DIC株式会社製))0.1質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて溶解し、固形分30%の溶液とした。その後孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2020027115
なお、用いたポリマーと、得られた感光性樹脂組成物との対応関係は表3に示した通りである。
<評価方法>
得られた前駆体ポリマー・ポリマーについて、以下に従い評価を行った。
(重量平均分子量・分子量分布)
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、GPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
(アルカリ溶解速度)
ポリマーのアルカリ溶解速度は、ポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、固形分20重量%に調整したポリマー溶液を、シリコンウェハ上にスピン方式で塗布し、これを110℃で100秒間ソフトベークして得られるポリマー膜を、23℃で2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に含浸させ、視覚的に前記ポリマー膜が消去するまでの時間を測定することにより算出した。
(二重結合当量)
ポリマーの二重結合当量は以下の方法で測定した。まず、減圧乾燥して溶媒を除去したポリマー約50mg及び内部標準物質としてテレフタル酸ジメチル約5mgを計量し、DMSO−d6に溶解させた。この溶液について、核磁気共鳴分光装置JNM−AL300(JEOL社製)を用いて1H−NMRの測定を行った。得られたスペクトルチャートの(メタ)アクリル基に由来するシグナル(5−7ppm)と内部標準物質のフェニル基のシグナル(4H、8.1ppm)の積分比から二重結合1mol当たりのポリマー重量(g/mol、二重結合当量)を算出した。
また、得られた感光性樹脂組成物について、以下に従い評価を行った。
(光線透過率 T
各実施例および各比較例について、以下のようにして感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜Aの光線透過率を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物をガラス基板にスピンコーターを用いて塗布した後、110℃、110秒間ホットプレートにてベークした。ガラス基板としては、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板を用いた。その後、感光性樹脂組成物全体にキヤノン社製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて、g+h+i線を300mJ/cmで露光した。次いで、該樹脂膜Aの、波長400nmの光線に対する光線透過率T(%)を測定した。光線透過率Tは、紫外可視分光光度計を用いて測定した。結果を表3に示す。
(耐熱変色性 T/T×100)
上記光線透過率Tに記載の方法で得た樹脂膜Aを、大気雰囲気下、250℃、1時間加熱し樹脂膜Bを得た。その後樹脂膜Bの波長400nmの光の光線透過率Tを評価した。T/T×100を耐熱変色性%とした。結果を表3に示す。
(感度の評価)
調製された感光性樹脂組成物を、それぞれ、4インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。塗布後、ホットプレートにて100℃で2分間プリベークし、膜厚約3.0μmの塗膜を得た。
この薄膜に透過率1〜100%の階調を有するフォトマスクを介してキヤノン社製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて300mJ/cmの露光量でg+h+i線を露光した。
露光後、現像液として2.38%水酸化テトラメチルアンモニウムを用いて23℃、60秒間現像を行うことによって未露光部を溶解除去し、1〜100mJ/cmの各露光量で露光された薄膜を得た。
上記の手法にて得られた薄膜A、薄膜Bの膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。
現像後残膜率(%)={(各露光量における薄膜Bの膜厚(μm))/(薄膜Aの膜厚(μm))}×100
上記の計算式で得られた現像後残膜率が95%以上となる最低露光量をそのレジストの感度とし、以下の評価基準で評価した。A>B>Cの順で感度に優れ、B以上を合格とした。
A:0〜100mJ/cm
B:100〜200mJ/cm
C:200mJ/cm以上、又は、解像不可
(現像性の評価)
上記の「最低露光量」で露光した以外は、<感度の評価>と同様の工程によりパターンを形成した。現像後の10μmライン&スペースパターンで、パターン近傍に残渣が見られなかったものを良好、残渣が見られたものや解像性が低く評価不能のものを不良とした。
(耐熱性(5%重量減少温度(Td5))の評価)
得られた感光性樹脂組成物を、3インチシリコンウェハー上に回転塗布し(回転数300〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3μm厚の薄膜を得た。この薄膜をPLA−501Fにて300mJ/cm全面露光した後、クリーンオーブンで230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、硬化膜を得た。
作製した硬化膜を削り取り、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)にて窒素雰囲気下、30℃から400℃まで10℃/minで昇温し、5%重量減少温度(Td5)を測定した。
Figure 2020027115
表1〜3に示されるように、ポリマー中に、マレイミド系モノマーに由来する構造単位を含む実施例の感光性樹脂組成物は、感度、現像性、透過率、耐熱変色性のバランスに優れたものが得られたが、マレイミド系モノマーに由来する構造単位を含まない比較例1、マレイミド系モノマーに由来する構造単位に代えてビニルトルエンに由来する構造単位を含む比較例2においては、優れた耐熱変色性が得られなかった。なお、前駆体ポリマーにおいて、N-シクロヘキシルマレイミドの仕込み量を10mol%より少なくした場合、耐熱変色性は良好であったが、感度がやや劣る結果となった。

Claims (9)

  1. 分子中に、環状オレフィンに由来する構造単位(a)、下記の式(b−1)で表される構造単位、及び、下記の式(c−1)で表される構造単位を含むポリマーと、
    感光剤とを含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2020027115
    (式(b−1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
    Figure 2020027115
    (式(c−1)中、Rは炭素数1〜30の有機基を示す。)
  2. 前記感光性樹脂組成物の樹脂膜の、下記条件で測定した耐熱変色性が91%以上である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    (条件)
    感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、100℃、120秒間の条件で乾燥し、300mJ/cmの露光量で露光して得られる厚み3μmの樹脂膜Aについて、波長400nmの光の光線透過率を分光光度計で評価し、耐熱試験前透過率T%とした。樹脂膜Aを大気雰囲気下、250℃、1時間加熱して得られる樹脂膜Bについて、波長400nmの光の光線透過率を分光光度計で評価し、耐熱試験後透過率T%とした。T/T×100を耐熱変色性%とした。
  3. 前記環状オレフィンに由来する構造単位(a)が、下記の式(a−1)で表される構造単位を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2020027115
    (式(a−1)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、水酸基または炭素数1〜30の有機基であり、nは0、1または2である。)
  4. 前記ポリマーは、さらに、下記式(d−1)、(d−2)、(d−3)で表される構造単位のうち、少なくともいずれか一種の構造単位を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2020027115
    (式(d−1)中、Rは、炭素数2〜18の有機基であって、その構造中に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。)
    Figure 2020027115
    (式(d−2)中、R、Rは、炭素数2〜18の有機基であって、その構造中に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。)
    Figure 2020027115
  5. 前記ポリマーにおいて、前記式(c−1)で表される構造単位が、前記ポリマーを100としたとき、1mol%以上40mol%以下含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化させて得られる永久膜を有する、電子装置。
  7. 下記式(a−1)で表される構造単位、式(b−1)で表される構造単位、及び式(c−1)で表される構造単位を含むポリマー。
    Figure 2020027115
    (式(a−1)中、R、R、R、及び、Rは、それぞれ独立して水素原子、水酸基または炭素数1〜30の有機基であり、nは0、1または2である。)
    Figure 2020027115
    (式(b−1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
    Figure 2020027115
    (式(c−1)中、Rは炭素数1〜30の有機基を示す。)
  8. さらに、下記式(d−1)、(d−2)、(d−3)で表される構造単位のうち、少なくともいずれか一種の構造単位を含む請求項7に記載のポリマー。
    Figure 2020027115
    (式(d−1)中、Rは、炭素数2〜18の有機基であって、その構造中に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。)
    Figure 2020027115
    (式(d−2)中、R、Rは、炭素数2〜18の有機基であって、その構造中に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。)
    Figure 2020027115
  9. 前記ポリマーにおいて、前記式(c−1)で表される構造単位が、前記ポリマーを100としたとき、1mol%以上40mol%以下含まれる、請求項7又は8に記載のポリマー。
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