JP2020025964A - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Shunsuke Kanetani
俊助 金谷
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Shota Chinzei
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Abstract

【課題】焼入れによって得られる機械的強度よりも高い機械的強度を部分的に付与できる成形品の製造方法を得る。【解決手段】成形品10の第1角部18及び第2角部22は、第1工程にて焼入れされた中間品34の第1角部18A及び第2角部22Aを第2金型28によって冷間プレス成形することによって形成される。このため、成形品10の第1角部18及び第2角部22は、第1工程にて焼入れによって硬くされた中間品34の第1角部18A及び第2角部22Aよりも更に硬くなる。【選択図】図2

Description

本発明は、焼入れを伴う成形品の製造方法に関する。
下記特許文献1には、加熱された鋼板が、金型によって成形され、更に、この金型によって冷却されて焼入れされる構成が開示されている。この特許文献1に開示された金型は、各部位によって成形品の冷却速度が異なるように構成されている。このため、金型によって冷却された成形品の金属組織は、金型の各部位での冷却速度に応じた金属組織になる。これによって、成形品の機械的強度等を成形品の部位毎に異ならせている。
このような製造方法で得られる成形品の機械的強度は、焼入れによって形成される金属組織のうち最も硬い金属組織の機械的強度になり、焼入れによって得られる機械的強度よりも高い機械的強度を成形品に付与することが難しい。
特開2015−226936号公報
本発明は、上記事実を考慮して、焼入れによって得られる機械的強度よりも高い機械的強度を部分的に付与できる成形品の製造方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の成形品の製造方法は、成形品の中間品が成形されると共に焼入れされる第1工程と、前記中間品を冷間加工によって部分的に成形して、前記中間品の前記冷間加工による成形部分に加工硬化を生じさせる第2工程と、を備えている。
請求項1に記載の成形品の製造方法では、第1工程で成形品の中間品が成形される。また、この第1工程では、中間品が焼入れされる。中間品は、焼入れによって硬くなり、圧縮強度、引張り強度等の機械的強度が高くなる。次いで、第2工程では、中間品が更に成形される。ここで、第2工程での成形は、冷間加工とされる。したがって、第2工程で中間品の一部が塑性変形されて成形されると、第2工程での成形部分(すなわち、塑性変形が生じた部分)に加工硬化が生じる。この加工硬化によって、中間品の第2工程での成形部分は、更に硬くなり、第2工程での成形部分の圧縮強度、引張り強度等の機械的強度は、更に高くなる。
以上、説明したように請求項1に記載の成形品の製造方法では、焼入れによって得られる機械的強度よりも高い機械的強度を成形品に付与できる。
本発明の一実施の形態に係る成形品の製造方法の第1工程を示す正面断面図で、(A)は、第1金型の型締め前の状態を示し、(B)は、第1金型の型締め状態を示す。 本発明の一実施の形態に係る成形品の製造方法の第2工程を示す正面断面図で、(A)は、第2金型の型締め前の状態を示し、(B)は、第2金型の型締め状態を示し、(C)は、成形品のフランジ部の一部がトリム型によって切断された状態を示す。 本発明の一実施の形態に係る成形品の製造方法によって製造された成形品を用いた車両用の構造部材の斜視図である。 構造部材の両フランジ部及びその近傍を拡大した正面断面図で、(A)は、フランジ部の変形前の状態を示し、(B)は、硬いフランジ部が荷重F1、F2によって変形した状態を示し、(C)は、靭性が高いフランジ部が荷重F1、F2によって変形した状態を示す。
次に、図1から図4の各図に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、図3を除く各図において矢印Wは、本発明の一実施の形態に係る成形品の製造方法によって製造された成形品10の幅方向一方の側を示し、矢印Hは、成形品10の高さ方向一方の側を示す。
<本実施の形態の構成>
(成形品10の構成)
図3に示されるように、成形品10は、例えば、平板状の鋼板12(図1(A)参照)によって形成されている。鋼板12は、例えば、後述する第1工程のようなホットスタンプによる加工に用いられるホットスタンプ材とされ、例えば、引張り強度が500MPa以上の高張力鋼板(所謂「ハイテン材」)の一態様とされている。成形品10は、一般部としての底板部14を備えている。底板部14は、略平板状とされており、底板部14の厚さ方向は、概ね、成形品10の高さ方向とされている。底板部14における成形品10の幅方向両端部には、一般部としての脚板部16が設けられている。
脚板部16の幅方向は、成形品10の高さ方向に対して成形品10の幅方向へ傾いており、両脚板部16の間隔は、底板部14から離れるにしたがって大きくなっている。脚板部16と底板部14との間は、高強度部としての第1角部18とされており、第1角部18は、底板部14における成形品10の高さ方向他方の側で脚板部16における成形品10の幅方向内側を曲率の中心として湾曲されている。
各脚板部16の底板部14とは反対側には、低強度部としてのフランジ部20が設けられている。フランジ部20は、略平板状とされており、フランジ部20の厚さ方向は、概ね、成形品10の高さ方向とされている。フランジ部20は、脚板部16における成形品10の幅方向外側に配置されている。フランジ部20と脚板部16との間は、高強度部としての第2角部22とされており、第2角部22は、フランジ部20における成形品10の高さ方向一方の側で脚板部16における成形品10の幅方向外側を曲率の中心として湾曲されている。以上の構成の成形品10は、脚板部16の底板部14からの延出方向側へ開口した断面ハット形状とされている。
図3に示されるように、本成形品10は、例えば、車両の車体の骨格部材又は補強部材等の構造部材24に適用される。構造部材24には、2つの成形品10が用いられる。構造部材24を構成する両成形品10は、開口方向に互いに対向するように配置されている。また、一方の成形品10のフランジ部20と他方の成形品10のフランジ部20とは、互いに対向されていると共に、スポット溶接によって成形品10の長手方向に断続的に溶接されている。これによって、成形品10の長手方向に対して直交する方向に切った構造部材24の断面形状は、略矩形の閉じ断面形状とされている。
(第1金型26及び第2金型28の構成)
次に、成形品10を製造するための第1金型26及び第2金型28の各々について説明する。
図1(A)、図1(B)に示されるように、第1金型26は、後述する第1工程で用いられ、成形品10の中間品34が第1金型26によって成形される。図1(A)に示されるように、第1金型26は、第1上型30と第1下型32とを備えている。第1上型30における成形品10の高さ方向他方の側(図1(A)の矢印H方向とは反対側)の面の形状は、中間品34における成形品10の高さ方向一方の側(図1(A)の矢印H方向側)の面の形状に応じた形状とされている。これに対して、第1下型32における成形品10の高さ方向一方の側の面の形状は、中間品34における成形品10の高さ方向他方の側の面の形状に応じた形状とされている。
また、第1上型30及び第1下型32の少なくとも一方の内側には、冷媒流路(図示省略)が設けられており、水、油等、中間品34を冷却するための冷媒が冷媒流路を流れるようになっている。
図2(A)から図2(C)に示されるように、第2金型28は、後述する第2工程で用いられ、第2金型28によって中間品34から成形品10が成形される。図2(A)に示されるように、第2金型28は、第2上型36と第2下型38とを備えている。第2上型36における成形品10の高さ方向他方の側(図2(A)の矢印H方向とは反対側)の面の形状は、成形品10の高さ方向一方の側(図2(A)の矢印H方向側)の面の形状に応じた形状とされている。これに対して、第2下型38における成形品10の高さ方向一方の側の面の形状は、成形品10の高さ方向他方の側の面の形状に応じた形状とされている。
また、第2上型36及び第2下型38の各々は、加熱装置40を備えている。加熱装置40は、第2上型36及び第2下型38の各々において成形品10の高さ方向に成形品10のフランジ部20と対向する部位に設けられている。第2金型28によって成形品10が成形される際に、成形品10のフランジ部20は、第2上型36と第2下型38とに挟まれる。この状態で、加熱装置40が作動されていると、フランジ部20が所定の温度(例えば、摂氏500度)まで加熱される。
さらに、第2金型28は、トリム型42を備えている。トリム型42は、例えば、第2下型38における成形品10の幅方向両側に設けられている。第2金型28によって成形品10が成形された状態で、トリム型42が作動されると、フランジ部20における成形品10の幅方向両側の端部がトリム型42によって切断される(図2(C)参照)。これによって、フランジ部20における成形品10の幅方向寸法が予め設定された寸法にされる。
ここで、図1(A)及び図2(A)に示されるように、第1金型26の第1上型30及び第1下型32において、成形品10の第1角部18及び第2角部22に対応する部分の曲率半径は、第2金型28の第2上型36及び第2下型38において、成形品10の第1角部18及び第2角部22に対応する部分の曲率半径よりも大きい。このため、中間品34において成形品10の第1角部18に対応する第1角部18Aの曲率半径は、成形品10の第1角部18の曲率半径よりも大きい。また、中間品34において成形品10の第2角部22に対応する第2角部22Aの曲率半径は、成形品10の第2角部22の曲率半径よりも大きい。
<成形品10の製造方法に関する説明>
本実施の形態では、先ず、第1工程で、鋼板12(図1(A)参照)の金属組織が、例えば、オーステナイト組織になるまで(すなわち、所謂「焼入れ温度」まで)鋼板12が加熱され、この状態で、鋼板12が第1金型26によってプレス加工される(図1(B)参照)。このようにして、鋼板12から中間品34が成形される。さらに、鋼板12が第1金型26によってプレス加工されている状態で、第1金型26に設けられた冷媒流路に冷媒が流れる。これによって、中間品34は、急冷される。
鋼板12が第1金型26によって成形される際に、鋼板12は、例えば、オーステナイト組織になるまで(すなわち、所謂「焼入れ温度」まで)加熱されている。このため、この中間品34が急冷されると、中間品34は、焼入れされ、中間品34の金属組織は、オーステナイト組織から、例えば、マルテンサイト組織になる。これによって、例えば、加熱される前の状態での鋼板12の金属組織がフェライト組織であれば、中間品34は、加熱される前の状態での鋼板12よりも全体的に硬くなる。このため、単に、鋼板12の加熱及び第1金型26での中間品34の急冷(焼入れ)を行なわない場合に比べて、中間品34の硬度を高くできる。
次に、第2工程では、中間品34が、第2金型28によってプレス成形される。この第2金型28でのプレス成形では、主に中間品34の第1角部18A及び第2角部22Aが成形され、これによって、成形品10の第1角部18及び第2角部22が形成される。
ここで、第2金型28による中間品34から成形品10への成形は、冷間加工とされる。したがって、第2金型28による成形品10の成形温度は、再結晶温度以下(常温を含む)とされる。このため、成形品10の第1角部18及び第2角部22とその近傍部分は、第2金型28での成形(塑性変形)によって加工ひずみが生じ、これによって、第1角部18及び第2角部22とその近傍部分は、加工硬化され、成形品10の第1角部18及び第2角部22とその近傍部分は、中間品34の第1角部18A及び第2角部22Aよりも硬くなる。
さらに、第2工程では、成形品10の両フランジ部20が第2金型28の第2上型36及び第2下型38によって挟まれる。次いで、この状態で、両フランジ部20が加熱装置40によって所定の温度(例えば、摂氏500度)まで加熱され、更に、この状態で、一定時間、例えば、60秒保持される。
このように、成形品10の両フランジ部20が所定の温度まで加熱されて一定時間保持されることによって、両フランジ部20には、所謂「焼戻し」が施される。これによって、両フランジ部20の硬度が低下されて靭性が高くなる(すなわち、両フランジ部20は、成形品10の他の部位に比べて柔らかくなる)。この状態で、成形品10の両フランジ部20は、第2金型28のトリム型42によって切断され、フランジ部20における成形品10の幅方向寸法が予め設定された寸法にされる。
また、上述したように、以上のようにして成形された2つの成形品10によって車両用の構造部材24が製造される。構造部材24が製造に際しては、2つの成形品10の一方の開口方向と、他方の成形品10の開口方向とが互いに対向される。この状態で、一方の成形品10のフランジ部20と他方の成形品10のフランジ部20とがスポット溶接によって成形品10の長手方向に所定の間隔をおいて溶接される。これによって、構造部材24が製造される。
<本実施の形態の作用、効果>
以上のようにして形成された成形品10の底板部14及び脚板部16は、主に第1工程にて成形される。ここで、上述したように、第1工程では、中間品34が焼入れされ、中間品34の金属組織は、例えば、オーステナイト組織からマルテンサイト組織になる。このため、成形品10の底板部14及び脚板部16を硬くでき、成形品10の底板部14及び脚板部16の圧縮強度、引張り強度等の機械的強度を高くできる。これによって、成形品10に対して荷重が作用した際に底板部14及び脚板部16に変形が生じることを抑制できる。
また、成形品10の第1角部18及び第2角部22は、中間品34の第1角部18A及び第2角部22Aが第2金型28により成形されることによって形成される。ここで、第2工程での第2金型28による成形は、冷間加工とされる。このため、第2金型28により成形された成形品10の第1角部18及び第2角部22とその近傍部分には加工硬化が生じる。これによって、第1角部18及び第2角部22とその近傍部分は、成形品10の底板部14及び脚板部16に比べて硬くる。このため、第1角部18及び第2角部22とその近傍部分の圧縮強度、引張り強度等の機械的強度は、底板部14及び脚板部16に比べて高くなる。このため、成形品10に対して荷重が作用した際に第1角部18及び第2角部22とその近傍部分に変形が生じることを更に効果的に抑制できる。
さらに、このような成形品10によって製造された車両用の構造部材24に対して構造部材24の長手方向側(すなわち、成形品10の長手方向側)から圧壊荷重F(図1参照)が作用した場合には、圧壊荷重Fは、構造部材24の断面形状を崩すように構造部材24に作用する。ここで、成形品10の第1角部18及び第2角部22は、成形品10の底板部14及び脚板部16よりも更に硬い。このため、圧壊荷重Fによる構造部材24の断面形状の崩れを抑制でき(すなわち、圧壊荷重Fに断面強度を高くでき)、構造部材24によって圧壊荷重Fを効果的に支持できる。
また、このように、構造部材24の断面強度を高くできるため、構造部材24の質量を低くしても従来の構造部材と同等の断面強度を得ることができる。これによって、構造部材24を軽量化できる。
ところで、第1金型26の形状を中間品34の形状ではなく、成形品10の形状とすれば1回の工程で鋼板12を成形品10の形状にできる。しかしながら、この場合には、第1角部18及び第2角部22の硬さは、底板部14及び脚板部16と同等の硬さになる。
これに対して、本実施の形態では、成形品10において中間品34の焼入れ後の硬さを有する一般部(すなわち、底板部14及び脚板部16)よりも硬くする必要がある高強度部(すなわち、第1角部18及び第2角部22)が、第1工程における中間品34の成形で、最終形状まで成形されない(未加工、未成形を含む)。さらに、本実施の形態では、第1工程において最終形状まで成形されなかった部位(すなわち、成形品10において中間品34の焼入れ後の硬さよりも硬くする必要がある高強度部)が第2工程における冷間加工で成形される。これによって、成形品10において、中間品34の焼入れ後の硬さよりも硬くする必要がある部位を冷間加工による加工硬化で更に硬い高強度部にできる。
しかも、上述したように、本実施の形態では、鋼板12は、高張力鋼板の一態様であるホットスタンプ材とされている。このようなホットスタンプ材又は高張力鋼板は、一般的に冷間加工による加工性が悪い。しかしながら、本実施の形態では、第1工程において最終形状まで成形されなかった部位(すなわち、成形品10において中間品34の焼入れ後の硬さよりも硬くする必要がある高強度部)が第2工程における冷間加工で成形される。すなわち、成形品10において高強度部とされた部位以外は、第2工程における冷間加工で成形されないか、又は、冷間加工での塑性変形が小さい。このため、第2工程における冷間加工での成形性の低下を抑制できる。
一方、成形品10の両フランジ部20は、第2工程で焼戻される。これによって、両フランジ部20は、低強度部になり、両フランジ部20の靭性は、成形品10の一般部としての底板部14及び脚板部16に比べて高くなる。このため、第2金型28のトリム型42による両フランジ部20の切断が容易になり、低いトリム荷重で両フランジ部20を切断できる。
しかも、両フランジ部20の靭性が高くなる(柔らかくなる)ことによって、両フランジ部20がトリム型42によって切断された際の切断面及びその近傍に残留応力が発生することを抑制できる。これによって、両フランジ部20の切断面及びその近傍での遅れ破壊の発生を抑制できる。このため、両フランジ部20の切断面及びその近傍での残留応力の発生を抑制するための特別な切断方法(例えば、レーザ切断等)を用いなくてもよく、低コストにできる。
さらに、両フランジ部20を低いトリム荷重で切断できるため、トリム型42の作動荷重を低減でき、トリム型42に発生する荷重を低減できる。これによって、トリム型42の寿命を長くすることができる。
また、両フランジ部20の靭性が高くなることによって両フランジ部20の溶接性が焼戻し前よりも高くなる。これによって、2つの成形品10によって構造部材24を製造する際の一方の成形品10のフランジ部20と他方の成形品10のフランジ部20とを良好にスポット溶接できる。
さらに、例えば、上述した圧壊荷重F(図1参照)が構造部材24に作用すると、図4(A)に示されるように、両フランジ部20には、荷重F1、F2が作用する。この荷重F1、F2が両フランジ部20に作用すると、一方の成形品10のフランジ部20と他方の成形品10のフランジ部20とが、両フランジ部20の溶接部分であるナゲット部52側を中心に互いに離れるように変形される。
ここで、図4(B)に示されるように、両フランジ部20が硬く、両フランジ部20の靭性が低い場合には、両フランジ部20におけるナゲット部52よりも成形品10の幅方向外側部分での変形が小さい。このため、圧壊荷重Fのうち両フランジ部20を離そうとする荷重F1、F2を両フランジ部20におけるナゲット部52よりも成形品10の幅方向外側部分での変形で吸収することが難しい。このため、荷重F1、F2は、更に、両フランジ部20を離そうとし、これによって、ナゲット部52に応力が集中する。
これに対して、図4(C)に示されるように、両フランジ部20が焼戻しされて両フランジ部20の靭性が高くされると、両フランジ部20におけるナゲット部52よりも成形品10の幅方向外側部分が荷重F1、F2によって大きく変形される。したがって、荷重F1、F2の全部又は多くが両フランジ部20におけるナゲット部52よりも成形品10の幅方向外側部分の変形で吸収され、上述したナゲット部52への応力集中を抑制できる。
このように、ナゲット部52への応力集中が抑制されることによって、構造部材24の閉じ断面形状が崩れることを抑制でき、構造部材24は、圧壊荷重Fに対する高い剛性を確保できる。
なお、本実施の形態では、中間品34は、第1工程における第1金型26でのプレス成形時に第1金型26によって急冷されて焼入れされていた。しかしながら、例えば、中間品34の温度が高温に保たれた状態で第1金型26から取外されてから中間品34が急冷されて焼入れされる構成としてもよい。すなわち、中間品34の焼入れは、第1金型26での冷却に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、中間品34の全体が焼入れされる構成であった。しかしながら、中間品34が部分的に焼入れされる構成であってもよい。また、中間品34の一部と他の部分とで焼入れの際の加熱温度及びその保持時間、冷却速度等が異なってもよい。
さらに、本実施の形態では、第1工程での焼入れによって中間品34の金属組織がマルテンサイト組織にされた。しかしながら、第1工程は、中間品34が急冷されて焼入れされることによって硬度が高くなればよく、第1工程での鋼板12から中間品34までの金属組織の変化に関しては特別な態様に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、成形品10の第1角部18、第2角部22が一般部としての成形品10の底板部14及び脚板部16よりも硬い高強度部とされていた。しかしながら、高強度部は、第1工程での焼入れ後に第2工程での冷間加工によって加工硬化されることにより、第1工程での焼入れによって硬くされた一般部よりも硬くされればよく、高強度部の具体的な態様に関しては特に限定されるものではない。
さらに、本実施の形態では、第2工程で、成形品10の両フランジ部20が加熱装置40によって所定の温度(例えば、摂氏500度)まで加熱され、更に、この状態で、一定時間、例えば、60秒保持され、これによって、両フランジ部20に焼戻しが施された。しかしながら、両フランジ部20に焼戻しを施すための加熱温度、保持時間は、あくまでも一例であり、成形品10の一部に焼戻しを施すための加熱温度、保持時間、冷却速度等の諸条件(熱処理条件)は、結果的に、成形品10の一部の硬度が低下され、成形品10の一部の靭性が高くなれば、上記の例に限定されることなく広く適用が可能である。
また、本実施の形態では、成形品10は、断面ハット形状とされていた。しかしながら、成形品10の形状については如何なる形状であってもよい。
さらに、本実施の形態では、成形品10は、構造部材24を構成していた。しかしながら、成形品10は、構造部材24への適用に限定されるものではなく、構造部材24以外の態様への適用も可能である。
10 成形品
34 中間品

Claims (1)

  1. 成形品の中間品が成形されると共に焼入れされる第1工程と、
    前記中間品を冷間加工によって部分的に成形して、前記中間品の前記冷間加工による成形部分に加工硬化を生じさせる第2工程と、
    を備える成形品の製造方法。
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